JP2021181926A - 揚降装置の試験システム - Google Patents

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Abstract

【課題】物体の揚げ降ろしにかかる性能を確認することのできる揚降装置の試験システムを提供する。【解決手段】試験対象の搭載艇揚降装置10は、搭載艇の揚げ降ろしを行うための揚降ウィンチ16を備える。試験システム20は、搭載艇に相当する重量の錘23や、錘23の重量がワイヤー17の先端を下方に引っ張る方向に作用する態様で同ワイヤー17と錘23とを接続する錘接続部24、ワイヤー32の一端に錘23を吊り下げた状態で、動力源としての電動機34が作動して、錘23を上下動させる試験用ウィンチ29を有する。ワイヤー32の巻き取りおよび繰り出しを予め定められた周期および速度で交互に行う態様で、電動機34の作動を制御する制御盤36を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、物体の揚げ降ろしに用いる揚降ウィンチを有する揚降装置の試験システムに関するものである。
大型の船舶(母船)に作業艇などの小型の船舶(搭載艇)が搭載されることがある。また、そうした母船に、搭載艇の揚げ降ろしのための揚降装置を設けることが実用されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の揚降装置は、搭載艇を吊り下げるためのブームおよび揚降ウィンチを有している。
特開2005−112622号公報
上記揚降装置の揚降ウィンチによる搭載艇の揚げ降ろしにかかる性能を確認するための試験システムが求められている。なお、こうした揚降装置の試験システムにかかる実情は、何らかの物体の揚げ降ろしを行う揚降ウィンチを有する揚降装置においては、概ね共通している。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、揚降ウィンチによる物体の揚げ降ろしにかかる性能を確認することのできる揚降装置の試験システムを提供することにある。
上記課題を解決するための揚降装置の試験システムは、第1吊り索に物体が係止された状態で作動して同物体の揚げ降ろしを行う揚降ウィンチを備える揚降装置に適用されて、前記揚降ウィンチについての試験を行う試験システムであって、前記物体に相当する重量の錘および前記物体の一方を第2吊り索の一端に吊り下げた状態で、動力源としての電動機を作動させて、前記一方を上下動させる試験用ウィンチと、前記第1吊り索にかかる荷重が予め定められた試験パターンで変動する態様で、前記電動機の作動を制御する制御部とを備える。
上記構成によれば、試験用ウィンチ(詳しくは、動力源である電動機)の作動制御を通じて、予め定められた試験パターンで変動する荷重を揚降ウィンチの第1吊り索に付与することができる。これにより、上記試験パターンで変動する荷重が揚降ウィンチの第1吊り索にかかる状況を高い精度で模擬することができるため、同状況での揚降ウィンチによる物体の揚げ降ろしにかかる性能を確認することができる。
上記試験システムにおいて、前記揚降ウィンチは、前記物体としての搭載艇の揚げ降ろしを行うものであり、前記試験システムは、前記搭載艇に相当する重量の錘、および、前記錘の重量が前記第1吊り索を下方に引っ張る方向に作用する態様で前記第1吊り索と前記錘とを接続する接続部、を備え、前記制御部は、前記第2吊り索の巻き取りおよび繰り出しを予め定められた周期および速度で交互に行う態様で、前記電動機の作動を制御するものである。
上記構成によれば、揚降ウィンチの第1吊り索に錘を接続することによって、同第1吊り索に搭載艇が吊り下げられた状況を模擬することができる。しかも、試験用ウィンチの作動制御を通じて、所定の周期および速度で錘を上下動させることによって、揚降ウィンチの第1吊り索に吊り下げられた状態の搭載艇が波面の変動に倣って上下動する状況を高い精度で模擬することができる。そのため、海面に対して搭載艇を揚げ降ろしする状況での揚降ウィンチの性能を適正に確認することができる。
上記試験システムにおいて、前記揚降装置は、前記搭載艇の揚げ降ろしに際して前記第1吊り索が緩まないように水面の変動に応じた前記搭載艇の上下動に合わせて前記揚降ウィンチの巻き上げ力を自動的に調整する機能を有する。
上記構成によれば、試験用ウィンチの作動制御を通じて所定の周期および速度で錘を上下動させたときに、第1吊り索の緊張状態を目視で確認したり、第1吊り索の張力を測定したりすることにより、海面に対して搭載艇を揚げ降ろしする状況において第1吊り索に緩みが発生しないことを確認することができる。
上記試験システムにおいて、前記制御部は、標準的な波における波面の変動に倣って前記錘を上下動させる態様で、前記第2吊り索の巻き取りおよび繰り出しを実行させるものであることが好ましい。
上記構成によれば、試験用ウィンチの作動制御を通じて実際に搭載艇を揚げ降ろしする状況に近い状況を模擬することができるため、揚降装置についての搭載艇の揚げ降ろしにかかる性能を高い精度で確認することができる。
上記試験システムにおいて、前記揚降装置は、前記第1吊り索が掛けられたアーム部を有し、同アーム部の先端部分から前記物体を吊り下げるものであり、前記試験システムは、前記アーム部の先端部分の下方に設けられる第1滑車と前記一方の上方に設けられる第2滑車とを有し、前記第1滑車および前記第2滑車に前記第1吊り索がN字状をなす態様で掛けられるものであることが好ましい。
上記構成によれば、揚降装置から離れた位置において物体または同物体に相当する重量の錘を吊り下げることができる。そのため、物体または錘を、揚降ウィンチの第1吊り索と試験用ウィンチの第2吊り索とに、互いに邪魔にならないように各別に吊り下げることができる。
上記試験システムにおいて、前記第1吊り索の張力を検出する張力検出部を有することが好ましい。
上記構成によれば、揚降ウィンチの第1吊り索そのものの様子を目視で確認する場合と比較して、揚降装置による物体の揚降に際して揚降ウィンチの第1吊り索にかかる張力が所定の許容範囲内に納まることを高い精度で判定することができる。
本発明によれば、揚降ウィンチによる物体の揚げ降ろしにかかる性能を確認することができる。
一実施形態の試験システムが適用される揚降装置の格納状態を示す側面図。 同揚降装置の展開状態を示す側面図。 (a)および(b)揚降装置に吊り下げられた状態の搭載艇およびその周辺を示す側面図。 試験システムの側面図。 試験用ウィンチおよび制御盤の構造を示すブロック図。 試験パターンの一例を概念的に示すタイムチャート。 他の実施形態の揚降装置の試験システムの概略構成を示す略図。
以下、揚降装置の試験システムの一実施形態について説明する。
先ず、本実施形態の試験システムが適用される搭載艇揚降装置について説明する。
図1および図2に示すように、搭載艇揚降装置10は、大型の船舶である母船11の甲板に設置される。この搭載艇揚降装置10は、母船11に搭載された小型の船舶(搭載艇12)を吊り下げた状態で作動して、母船11に対する搭載艇12の揚げ降ろしを行うためのものである。
搭載艇揚降装置10は、母船11に固定される部分であるベース部13と、搭載艇12を吊り下げるアーム部であるブーム14とを有している。ブーム14はL字状をなしている。ブーム14の一端はベース部13に回動可能に連結されている。ブーム14には油圧シリンダ15が取り付けられている。搭載艇揚降装置10は図示しない油圧回路を有しており、この油圧回路から上記油圧シリンダ15に油圧が供給されるようになっている。
この油圧シリンダ15への油圧供給によって同油圧シリンダ15が短縮されると、ブーム14は母船11側に回動した位置(図1に示す位置)になる。これにより、ブーム14は搭載艇12を母船11に格納するのに適した格納状態になる。一方、油圧シリンダ15が伸長されると、ブーム14は母船11の外方に回動した位置(図2に示す位置)になる。これにより、ブーム14は搭載艇12を水面に降ろすのに適した展開状態になる。
ブーム14には、搭載艇12の揚げ降ろしを行うための揚降ウィンチ16が取り付けられている。この揚降ウィンチ16は、第1吊り索としてのワイヤー17や、同ワイヤー17が巻き掛けられるドラム、ドラムを回転させる油圧モータなどを有している。ワイヤー17の一端はドラムに固定される一方、同ワイヤー17の他端には搭載艇12を係止するためのリンク(図示略)が設けられている。ワイヤー17はブーム14に掛けられている。搭載艇揚降装置10では、上記ワイヤー17を介して、ブーム14の先端部分から搭載艇12が吊り下げられる。
そして、ワイヤー17に搭載艇12が係止された状態で、油圧モータが駆動されて揚降ウィンチ16のドラムが一方向に回転すると、同ドラムにワイヤー17が巻き取られて搭載艇12が上昇するようになる。一方、ワイヤー17に搭載艇12が係止された状態で、油圧モータが駆動されて揚降ウィンチ16のドラムが他方向に回転すると、同ドラムからワイヤー17が繰り出されて搭載艇12が降下するようになる。
搭載艇揚降装置10は、搭載艇12の揚げ降ろしに際して、ワイヤー17が緩まないように、水面の変動に応じた搭載艇12の上下動に合わせて揚降ウィンチ16の巻き上げ力を自動的に調整する機能(オートテンション機能)を有している。
具体的には、揚降ウィンチ16の油圧モータに油圧を供給する油圧回路は、巻き上げ方向に油圧モータが回転しているときに、同油圧モータの吸入ポート側の油圧を吐出ポート側にリリーフするリリーフ回路を有している。また、搭載艇揚降装置10は、上記リリーフ回路が機能する状態と機能しない状態とを切り替えるための切替スイッチを有している。そして、この切替スイッチがオン操作されて、オートテンション機能が有効になると、揚降ウィンチ16は、以下のように作動するようになる。
図3に示すように、搭載艇12が水面Wに浮かんだ状態では、同搭載艇12は波面の変動に応じて上下動するようになる。
そして、図3(a)に示すように、搭載艇12が接している波面が上昇する期間においては、波面に応じて搭載艇12も上昇するため、この上昇に合わせて揚降ウィンチ16(図2参照)によってワイヤー17が巻き上げられる。搭載艇揚降装置10では、こうしたワイヤー17の巻き上げに際して同ワイヤー17が弛むことのないように、揚降ウィンチ16の巻き上げ力(詳しくは油圧モータのトルク)が定められている。
一方、図3(b)に示すように、搭載艇12が接している波面が下降する期間においては、波面に応じて搭載艇12も下降するため、搭載艇12の重量が揚降ウィンチ16のワイヤー17に対して同ワイヤー17を引き出すように作用する。このとき上記リリーフ回路が機能して、油圧モータの巻き上げ方向のトルクに抗して同油圧モータが逆回転、詳しくはワイヤー17を繰り出す方向に回転するようになり、その結果、搭載艇12は降下するようになる。搭載艇揚降装置10では、こうしたワイヤー17の繰り出しに際して、搭載艇12が波面から離間することが適正に抑えられるように、揚降ウィンチ16の巻き上げ力(詳しくは、油圧モータのトルクや、リリーフ回路におけるリリーフ圧など)が定められている。
なお、搭載艇揚降装置10では、搭載艇12を水面Wに降ろすべく同搭載艇12を降下させる期間や、搭載艇12を母船11に引き揚げるべく同搭載艇12を上昇させる期間においては、上記切替スイッチがオフ操作されてオートテンション機能は無効にされる。
以下、こうした搭載艇揚降装置10の性能を確認するための試験システムについて説明する。
図4に示すように、試験システム20は、試験対象の搭載艇揚降装置10が設置される基台22を有している。
また試験システム20は、錘23が取り付けられる錘接続部24を有している。この錘23としては、搭載艇12に相当する重量(例えば、500〜1500キログラム)のものが取り付けられる。試験システム20は、重量の異なる複数の錘23を有している。錘接続部24は、複数の錘23のうちの一つを選択的に取り付けることの可能な構造になっている。
錘23の上方には第2滑車としての第1上部滑車25が配置されている。本実施形態では、この第1上部滑車25は、門型クレーン28に取り付けられている。また、基台22に設置された状態の搭載艇揚降装置10のブーム14の先端部分の下方には、第1滑車としての第1下部滑車26が配置されている。
試験システム20では、揚降ウィンチ16のワイヤー17がN字状をなす態様で第1上部滑車25および第1下部滑車26に掛けられる。詳しくは、ワイヤー17の先端側の部分は、第1上部滑車25から下方に延びて、錘接続部24の上部に接続されている。これにより、ワイヤー17の先端側の部分は、錘接続部24を吊り下げる態様で同錘接続部24の上部に接続されている。一方、ワイヤー17の基端側の部分は、ブーム14の先端部分から第1下部滑車26まで下方に延びている。これにより、ワイヤー17の基端側の部分は、錘23の重量が同ワイヤー17を下方に引っ張るように作用する態様で延設されている。
揚降ウィンチ16のワイヤー17には、同ワイヤー17の張力を検出するための張力計21の検出部21Aが設けられている。張力計21は無線式のものであり、ワイヤー17の張力を検出して出力する検出部21Aと、同検出部21Aの出力信号を受信して上記張力の検出値を表示する表示部21Bとを有する。本実施形態では、この張力計21が張力検出部に相当する。
試験システム20は、錘23を上下動させるための試験用ウィンチ29を有している。試験用ウィンチ29は、錘23の側方における第1下部滑車26と反対側(図4における左側)の位置に設けられている。錘23の上方には第2上部滑車30が配置されている。この第2上部滑車30は、第1上部滑車25と同様に、門型クレーン28に取り付けられている。また、錘23の側方における同錘23と試験用ウィンチ29との間には、第2下部滑車31が配置されている。
試験用ウィンチ29の第2吊り索としてのワイヤー32は、第2上部滑車30および第2下部滑車31に掛けられている。ワイヤー32の一方の端部は、第2上部滑車30から下方に延びて、錘接続部24の上部に接続されている。これにより、ワイヤー32の一端は、錘接続部24を吊り下げる態様で、同錘接続部24の上部に接続されている。ワイヤー32の他方の端部は、第2下部滑車31から側方に延びて、試験用ウィンチ29のドラム33に巻き掛けられている。
本実施形態では、滑車25,26,30,31を介して、揚降ウィンチ16のワイヤー17と試験用ウィンチ29のワイヤー32とが錘接続部24に連結されている。これにより、錘接続部24を、揚降ウィンチ16のワイヤー17と試験用ウィンチ29のワイヤー32とに、互いに邪魔にならないように各別に吊り下げることが可能になっている。
図4および図5に示すように、試験用ウィンチ29は、第2吊り索としてのワイヤー32や、同ワイヤー32が巻き掛けられるドラム33、ドラム33を回転させる電動機34、ドラム33の回転を制動するブレーキ装置35などを有している。ワイヤー32の一端はドラム33に固定される一方、同ワイヤー32の他端には錘接続部24が設けられている。
そして、ワイヤー32の一端に錘23を吊り下げた状態で、電動機34が駆動されてドラム33が一方向に回転すると、同ドラム33にワイヤー32が巻き取られて錘23が上昇するようになる。一方、ワイヤー32の一端に錘23を吊り下げた状態で、電動機34が駆動されてドラム33が他方向に回転すると、同ドラム33からワイヤー32が繰り出されて錘23が降下するようになる。
試験システム20は制御盤36を備えている。制御盤36は、タッチパネル式の操作盤37を有している。この操作盤37の操作を通じて、試験パターンの設定や試験の実行態様(実行開始や停止)の切替など、試験システム20による試験にかかる各種操作がなされる。
制御盤36は、電動機34の作動を制御するインバータ38を有している。制御盤36には、例えばマイクロコンピュータを中心に構成される電子制御装置39が設けられている。この電子制御装置39には操作盤37の出力信号が取り込まれるとともに、インバータ38およびブレーキ装置35が接続されている。電子制御装置39は、操作盤37の出力信号に基づいて各種の演算を行うとともに、その演算結果をもとに電動機34(詳しくは、インバータ38)の作動制御やブレーキ装置35の作動制御を実行する。なお本実施形態では、インバータ38および電子制御装置39が制御部に相当する。
試験用ウィンチ29(図4)には、ワイヤー32の巻き取り量を検出するための位置センサ40が設けられている。本実施形態の試験システム20では、位置センサ40により、錘23の上下方向位置の指標値として、ワイヤー32の巻き取り量が検出される。位置センサ40の検出信号は電子制御装置39に取り込まれている。本実施形態の試験システム20では、電子制御装置39により、錘23の上下方向位置についての制御目標値と実際の位置とを一致させるように、インバータ38の制御量やブレーキ装置35の制御量がフィードバック制御される。
本実施形態の試験システム20では、標準的な波における波面の変動に倣って錘23を上下動させる態様で、試験用ウィンチ29のワイヤー32の巻き取りと繰り出しとが行われる。具体的には、図6に示すように、錘23の上下方向位置と経過時間との関係を示す曲線がトロコイド波状や正弦波状をなすように、試験用ウィンチ29のワイヤー32の巻き取りと繰り出しとが行われる。なお、錘23を上下動させる操作を、フォークリフトの荷役操作を通じて行うことも考えられる。フォークリフトの荷役装置は荷物の移動速度範囲や移動幅が狭いため、フォークリフトによって錘23を上下動させる場合には、同錘23の移動パターン(試験パターン)についての設定の自由度が低くなってしまう。また、この場合には、フォークリフトの操作態様にばらつきが生じてしまうため、一定条件下で安定した試験を行うことができないといった問題もある。本実施形態の試験システム20では、錘23を上下動させるための構成として、緻密な制御(速度制御、トルク制御)が可能な電動機34が用いられる。そのため、電動機34の作動制御を通じて、錘23の移動パターンを高い自由度で設定することができる。しかも、一定条件下の安定した状態で適正に試験を行うことができる。
本実施形態の試験システム20では、試験用ウィンチ29のワイヤー32の巻き取り操作と繰り出し操作とが、予め定められた周期Tおよび速度V(具体的には、上下方向の移動幅H)で、交互に行われる。こうした周期Tおよび移動幅Hによって定まる試験パターンとしては、ビューフォート風力階級(5)〜(9)に相当する状況を模擬することができるように、複数のパターンが定められている。具体的には、最も厳しい状況(ビューフォート風力階級(9))に対応する試験パターンAとして、周期Tが「12.7秒」、移動幅Hが「8.5m」の試験パターンが定められている。その他、ビューフォート風力階級(8)相当の試験パターンB、ビューフォート風力階級(7)相当の試験パターンC、ビューフォート風力階級(6)相当の試験パターンD、ビューフォート風力階級(5)相当の試験パターンEが定められている。
本実施形態では、発明者等による各種の実験やシミュレーションの結果をもとに、ビューフォート風力階級(5)〜(9)に相当する状況を模擬することの可能な試験パターンA〜Eが予め定められており、それら試験パターンA〜Eが電子制御装置39のメモリ41に予め記憶されている。
本実施形態の試験システム20による搭載艇揚降装置10の試験は、以下のように実行される。
先ず、図4に示すように、試験対象の搭載艇揚降装置10が試験システム20の基台22に取り付けられる。また、試験システム20の錘接続部24には、搭載艇12に相当する重量の錘23が取り付けられる。そして、搭載艇揚降装置10の揚降ウィンチ16のワイヤー17が第1下部滑車26と第1上部滑車25とに掛けられるとともに、同ワイヤー17の先端のリンク18が錘接続部24に連結される。さらに、制御盤36の操作を通じて、試験パターンA〜Eのいずれかが選択される。
その後、搭載艇揚降装置10の切替スイッチがオン操作されてオートテンション機能が有効にされる。そして、その状態で制御盤36が操作されて、試験システム20による搭載艇揚降装置10の試験が開始される。
これにより、図4中に二点鎖線で示すように、揚降ウィンチ16のワイヤー17に係止された錘23が、選択された試験パターン(図6に一例を示す周期Tおよび移動幅H)で上下動を繰り返すようになる。
この試験では、上記錘23が上下動する際に張力計21の表示部21Bに表示される張力Pが試験者によって監視される。そして、張力Pが所定値以上で維持される場合には、揚降ウィンチ16のワイヤー17が不要に緩んだ状態になっておらず、オートテンション機能が適正に作動しているとして、正常判定がなされる。一方、張力計21に表示される張力Pが所定値未満になる場合には、揚降ウィンチ16のワイヤー17が不要に緩んだ状態になっており、オートテンション機能が適正に作動していないとして、異常判定がなされる。
本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)本実施形態の試験システム20によれば、揚降ウィンチ16のワイヤー17に錘23を接続することによって、同ワイヤー17に搭載艇12が吊り下げられた状況を模擬することができる。しかも、試験用ウィンチ29(詳しくは、動力源である電動機34)の作動制御を通じて、所定の周期Tおよび移動幅Hで錘23を上下動させることによって、揚降ウィンチ16のワイヤー17に吊り下げられた状態の搭載艇12が波面の変動に倣って上下動する状況を高い精度で模擬することができる。そのため、こうした状況での揚降ウィンチ16による搭載艇12の揚げ降ろしにかかる性能を適正に確認することができる。
(2)搭載艇揚降装置10は、搭載艇12の揚げ降ろしに際して、ワイヤー17が緩まないように、水面の変動に応じた搭載艇12の上下動に合わせて揚降ウィンチ16の巻き上げ力を自動的に調整するオートテンション機能を有している。本実施形態の試験システム20によれば、試験用ウィンチ29の作動制御を通じて所定の周期Tおよび速度Vで錘23を上下動させたときに、揚降ウィンチ16のワイヤー17の張力を測定することにより、海面に対して搭載艇12を揚げ降ろしする状況においてワイヤー17に緩みが発生しないことを確認することができる。
(3)試験パターンA〜Eにおいて、標準的な波における波面の変動に倣って錘23を上下動させる態様で、試験用ウィンチ29のワイヤー32の巻き取りおよび繰り出しを行うようにした。これにより、試験システム20によって搭載艇揚降装置10の実際の作動状況に近い状況を模擬することができるため、同搭載艇揚降装置10についての搭載艇12の揚げ降ろしにかかる性能を高い精度で確認することができる。
(4)揚降ウィンチ16のワイヤー17が、N字状をなす態様で第1上部滑車25および第1下部滑車26に掛けられている。これにより、搭載艇揚降装置10から離れた位置において上記錘23を吊り下げることができる。そのため、錘23および錘接続部24を、揚降ウィンチ16のワイヤー17と試験用ウィンチ29のワイヤー32とに、互いに邪魔にならないように各別に吊り下げることができる。
(5)揚降ウィンチ16のワイヤー17の張力を検出する張力計21が設けられている。そのため、揚降ウィンチ16のワイヤー17そのものの様子を目視で確認する場合と比較して、搭載艇揚降装置10による搭載艇12の揚降に際して揚降ウィンチ16のワイヤー17の緩みが発生しないことを、高い精度で判定することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・揚降ウィンチ16のワイヤー17と試験用ウィンチ29のワイヤー32とに互いに邪魔にならないように各別に錘23および錘接続部24を吊り下げることができるのであれば、滑車25,26,30,31を省略することができる。
・試験システム20における試験パターンを、予め定められた複数の試験パターンA〜Eのいずれかを選択して定めることに代えて、操作盤37の操作を通じて周期Tおよび移動幅Hに任意の値を入力することによって定めるようにしてもよい。
・張力計21を省略することができる。この場合には、揚降ウィンチ16のワイヤー17そのものの様子を目視で確認することにより、同ワイヤー17の緩みの発生の有無を判定することができる。
・ワイヤー17の張力を検出するための張力センサを設けるとともに、同張力センサの出力信号を電子制御装置39や外部機器(ノートパソコンなど)に取り込むようにしてもよい。こうした構成によれば、そのときどきの張力を表示させたり、張力の推移を表示させたりすることができるため、その表示内容をもとにワイヤー17の緩みの発生の有無を判定することができる。その他、張力センサの検出信号に基づき異常の有無の判定を実行するとともに、その判定結果を制御盤36や外部機器に表示させること等も可能になる。
・錘23の上下方向位置と経過時間との関係(図6参照)が、トロコイド波以外の線状をなす態様で、試験用ウィンチ29のワイヤー32の巻き取り操作と繰り出し操作とを行うようにしてもよい。例えば、実験やシミュレーションの結果をもとに標準的な波における波面の変動パターンを求めるとともに、同変動パターンと一致するように上記関係を定めることができる。その他、上記関係が正弦波状の線や三角波状の線をなす態様で、試験用ウィンチ29のワイヤー32の巻き取り操作と繰り出し操作とを行うことなども可能である。
・上記実施形態にかかる試験システムは、前記物体としての網などを利用して水面から浮遊物(ゴミや救助者など)を回収する揚降装置や、水中に対する物体(有人潜水調査船や自律型無人潜水艇など)の揚げ降ろしを行う揚降装置などにも適用することができる。こうした試験システムにおいても、揚降ウィンチ16のワイヤー17に吊り下げられた状態の物体が水面付近にあるときに、水面の上下動に合わせて揚降ウィンチ16のワイヤー17が緩まないことを確認することができる。なお、揚降ウィンチ16のワイヤー17に吊り下げられた状態の物体が、水中にあるときと空中にあるときとで、同ワイヤー17にかかる荷重は異なる。上記試験システムによれば、そうした荷重の相異に合わせて、試験用ウィンチ29(詳しくは、電動機34)のトルクを制御して、揚降ウィンチ16のワイヤー17にかかる荷重を調整することにより、揚降ウィンチ16による水面からの浮遊物の回収にかかる性能や、水中に対する物体の揚げ降ろしかかる性能を適正に確認することができる。この場合には、揚降ウィンチ16のワイヤー17にかかる荷重が予め定められた試験パターンで変動する態様で、試験用ウィンチ29(詳しくは、電動機34)のトルクを制御すればよい。
・上記実施形態にかかる試験システムは、オートテンション機能を有していない揚降装置にも適用可能である。同構成によれば、揚降ウィンチのワイヤーにかかる張力が所定の許容範囲に収まることを確認することができる。
・上記実施形態にかかる試験システムは、陸上(例えば岸壁)に設けられる揚降装置にも適用可能である。
・上記実施形態にかかる試験システムは、図7に示す試験システム50のように、物体43を揚げ降ろしする揚降ウィンチ46を有する揚降装置45であれば適用することができる。同構成によれば、電子制御装置58による試験用ウィンチ59(詳しくは、電動機54)の作動制御を通じて、予め定められた試験パターンで変動する荷重を揚降ウィンチ46のワイヤー47に付与することができる。これにより、上記試験パターンで変動する荷重が揚降ウィンチ46のワイヤー47にかかる状況を高い精度で模擬することができるため、同状況での揚降ウィンチ46による物体の揚げ降ろしにかかる性能を適正に確認することができる。
10…搭載艇揚降装置
11…母船
12…搭載艇
16,46…揚降ウィンチ
17,47…ワイヤー
20,50…試験システム
21…張力計
23,43…錘
25…第1上部滑車
26…第1下部滑車
29,59…試験用ウィンチ
32…ワイヤー
34,54…電動機
38…インバータ
39,58…電子制御装置
45…揚降装置

Claims (6)

  1. 第1吊り索に物体が係止された状態で作動して同物体の揚げ降ろしを行う揚降ウィンチを備える揚降装置に適用されて、前記揚降ウィンチについての試験を行う試験システムであって、
    前記物体に相当する重量の錘および前記物体の一方を第2吊り索の一端に吊り下げた状態で、動力源としての電動機を作動させて、前記一方を上下動させる試験用ウィンチと、
    前記第1吊り索にかかる荷重が予め定められた試験パターンで変動する態様で、前記電動機の作動を制御する制御部と
    を備える揚降装置の試験システム。
  2. 前記揚降ウィンチは、前記物体としての搭載艇の揚げ降ろしを行うものであり、
    前記試験システムは、前記搭載艇に相当する重量の錘、および、前記錘の重量が前記第1吊り索を下方に引っ張る方向に作用する態様で前記第1吊り索と前記錘とを接続する接続部、を備え、
    前記制御部は、前記第2吊り索の巻き取りおよび繰り出しを予め定められた周期および速度で交互に行う態様で、前記電動機の作動を制御するものである
    請求項1に記載の揚降装置の試験システム。
  3. 前記揚降装置は、前記搭載艇の揚げ降ろしに際して前記第1吊り索が緩まないように水面の変動に応じた前記搭載艇の上下動に合わせて前記揚降ウィンチの巻き上げ力を自動的に調整する機能を有する
    請求項2に記載の揚降装置の試験システム。
  4. 前記制御部は、標準的な波における波面の変動に倣って前記錘を上下動させる態様で、前記第2吊り索の巻き取りおよび繰り出しを実行させるものである
    請求項2または3に記載の揚降装置の試験システム。
  5. 前記揚降装置は、前記第1吊り索が掛けられたアーム部を有し、同アーム部の先端部分から前記物体を吊り下げるものであり、
    前記試験システムは、前記アーム部の先端部分の下方に設けられる第1滑車と前記一方の上方に設けられる第2滑車とを有し、前記第1滑車および前記第2滑車に前記第1吊り索がN字状をなす態様で掛けられるものである
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の揚降装置の試験システム。
  6. 前記第1吊り索の張力を検出する張力検出部を有する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の揚降装置の試験システム。
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