JP2021181482A - 中枢神経系新生物における免疫チェックポイント阻害剤の使用 - Google Patents
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Abstract
【課題】対象における神経膠腫の処置法を提供する。【解決手段】対象に抗プログラム細胞死−1(PD−1)抗体を投与することを含む方法、および、抗プログラム細胞死−1(PD−1)抗体である抗癌剤と、別の抗癌剤、例えば抗細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)抗体との組合せを該対象に投与することを含む方法に関する。【選択図】なし
Description
発明の背景
本出願には、種々の刊行物が、著者名および日付によって、または特許番号もしくは特許公開番号によって、括弧内に引用されている。これらの刊行物の開示内容は、本明細書に記載され、および特許請求された本発明の日付の時点で当業者に知られている技術水準をより完全に記載するために、本明細書中にその全体を引用により包含させる。
本出願には、種々の刊行物が、著者名および日付によって、または特許番号もしくは特許公開番号によって、括弧内に引用されている。これらの刊行物の開示内容は、本明細書に記載され、および特許請求された本発明の日付の時点で当業者に知られている技術水準をより完全に記載するために、本明細書中にその全体を引用により包含させる。
発明の分野
本発明は、抗プログラム細胞死−1(PD−1)抗体を対象に投与することを含む、該対象における神経膠腫(グリオーマ)の処置法に関する。特定の態様において、本発明は、抗プログラム細胞死−1(PD−1)抗体と抗細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)抗体などの別の抗癌剤との組合せを対象に投与することを含む、該対象における神経膠腫の処置法に関する。特定の態様において、神経膠腫は膠芽腫(GBM)である。
本発明は、抗プログラム細胞死−1(PD−1)抗体を対象に投与することを含む、該対象における神経膠腫(グリオーマ)の処置法に関する。特定の態様において、本発明は、抗プログラム細胞死−1(PD−1)抗体と抗細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)抗体などの別の抗癌剤との組合せを対象に投与することを含む、該対象における神経膠腫の処置法に関する。特定の態様において、神経膠腫は膠芽腫(GBM)である。
発明の背景
神経膠腫は、脳または脊髄に生じる、最も一般的には脳内に生じる、新生物または腫瘍である。神経膠腫は、それらが組織学的特徴を共有する細胞型に対して名づけられる。GBMは、成人における最も高頻度の原発性脳腫瘍であり、全ての悪性神経膠腫の約60〜70%を占める(Wen P.Y. et al., N Engl J Med. 359(5):492-507 (2008))。GBMは、高い罹病率および死亡率を有する、とりわけ急速な臨床経過と関連している。米国だけでも、約12〜14,000のGBMの新たな症例が、毎年診断されている。
神経膠腫は、脳または脊髄に生じる、最も一般的には脳内に生じる、新生物または腫瘍である。神経膠腫は、それらが組織学的特徴を共有する細胞型に対して名づけられる。GBMは、成人における最も高頻度の原発性脳腫瘍であり、全ての悪性神経膠腫の約60〜70%を占める(Wen P.Y. et al., N Engl J Med. 359(5):492-507 (2008))。GBMは、高い罹病率および死亡率を有する、とりわけ急速な臨床経過と関連している。米国だけでも、約12〜14,000のGBMの新たな症例が、毎年診断されている。
治療を受けていないGBMの生存期間中央値は、4カ月半である。脳神経外科手術、放射線療法(RT)および/またはテモゾロミドによる標準的な第一選択治療にもかかわらず、生存期間中央値は、約12〜15か月であり、ほぼすべての症例が再発する (Chang S.M. at al. Neurosurg Focus. 20(4):E4 Review (2006); Johnson, D.R. and O’Neill, B.P., J. Neurooncol. 107(2):359-64 (2012))。アバスチン(ベバシズマブ)は、再発性GBMを処置するために承認された抗血管形成療法である。しかしながら、予備的治験では、アバスチン処置は無増悪生存期間を延ばす一方で、アバスチンを標準治療(放射線療法+テモゾロミド)と組み合わせて使用する場合には、上記の新たに診断されたGBMの全生存期間を延長せず、標準治療を超えないことが示された (Chinot et al., N Engl J Med 370:709-722 (2014); Gilbert et al., N Engl J Med 370:699-708 (2014))。さらに、ベバシズマブで処置された患者は、低下した認知機能およびQOLを経験することが複数の治験で示されている。(http://www.mdanderson.org/newsroom/news-releases/2013/patients-treated-with-bevacizumab.htmlを参照のこと、最後の外来診は2015年12月15日である)。従って、GBMに対する既知の治癒的療法はない。さらに、GBM処置は、いくつかの薬物が血液脳関門を通過できないため、特に治療が困難である。従って、GBMに罹患している患者の臨床転帰およびQOLを改善するための新規な治療介入が緊急に必要とされている。
発明の概要
本発明は、神経膠腫に罹患している対象を処置する方法であって、プログラム細胞死−1(PD−1)受容体に特異的に結合し、PD−1活性を阻害する抗体(“抗PD−1抗体”)またはその抗原結合部位の治療的有効量を該対象に投与することを含む方法に関する。一態様において、神経膠腫は、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合神経膠腫、乏突起膠腫、視神経神経膠腫、またはそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される。別の態様において、神経膠腫はGBMである。
本発明は、神経膠腫に罹患している対象を処置する方法であって、プログラム細胞死−1(PD−1)受容体に特異的に結合し、PD−1活性を阻害する抗体(“抗PD−1抗体”)またはその抗原結合部位の治療的有効量を該対象に投与することを含む方法に関する。一態様において、神経膠腫は、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合神経膠腫、乏突起膠腫、視神経神経膠腫、またはそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される。別の態様において、神経膠腫はGBMである。
他の態様において、抗PD−1抗体は、ヒトPD−1に対する結合についてニボルマブと交差競合する。いくつかの態様において、抗PD−1抗体は、キメラ、ヒト化またはヒトモノクローナル抗PD−1抗体である。特定の態様において、抗PD−1抗体はニボルマブである。別の態様において、抗PD−1抗体はペンブロリズマブである。
いくつかの態様において、対象は、抗PD−1抗体の投与と同時に、その前に、またはその後に、抗癌療法でさらに治療される。いくつかの態様において、抗癌療法は、抗癌剤を投与することを含む。一態様において、抗癌療法は、放射線療法を含む。別の態様において、抗癌療法は、外科手術を含む。さらなる態様において、外科手術はMRI誘導レーザアブレーションを含む。
いくつかの態様において、抗癌剤は、第二の抗体もしくはその抗原結合部位を含む。一態様において、第二の抗体またはその抗原結合部位は、細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)に特異的に結合し、CTLA−4活性を阻害する(“抗CTLA−4抗体”)。別の態様において、抗CTLA−4抗体は、ヒトCTLA−4に対する結合についてイピリムマブと交差競合する。他の態様において、抗CTLA−4抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒトモノクローナル抗体である。一態様において、抗CTLA−4抗体はイピリムマブである。
いくつかの態様において、抗PD−1抗体は、体重1kg当たり約3mgの用量の単独療法として投与される。他の態様において、抗PD−1抗体は、体重1kg当たり約1mgの用量で投与される抗CTLA−4抗体と組み合わせて、体重1kg当たり約3mgの用量で投与される。
任意の態様において、本発明は、1)導入期:抗PD−1および抗CTLA−4抗体を、約2、3または4週間毎に少なくとも1回、1用量が体重1kg当たり約0.1mgから約10.0mgの範囲であるものを、2、4、6、8または10用量で組み合わせて投与する;2)その後の維持期:抗CTLA−4抗体を投与せず、抗PD−1抗体を、約2、3または4週間毎に少なくとも1回、体重1kg当たり約0.1mgから約10mgの範囲の1用量を繰り返し投与する、
を含む、本明細書に記載の何れかの方法に関する。
を含む、本明細書に記載の何れかの方法に関する。
発明の詳細な説明
本発明は、神経膠腫患者を治療する方法であって、抗PD−1抗体を該患者に投与することを含む方法に関する。いくつかの態様において、本発明は、抗PD−1抗体で神経膠腫を治療する方法に関する。いくつかの態様において、抗PD−1抗体は、別の抗癌剤とともに投与される。
本発明は、神経膠腫患者を治療する方法であって、抗PD−1抗体を該患者に投与することを含む方法に関する。いくつかの態様において、本発明は、抗PD−1抗体で神経膠腫を治療する方法に関する。いくつかの態様において、抗PD−1抗体は、別の抗癌剤とともに投与される。
用語
本明細書の開示がより容易に理解され得るように、特定の用語が最初に定義される。本明細書で特に明記されている場合を除いて、本明細書で使用される以下の用語はそれぞれ、以下に示す意味を有するものとする。さらなる定義は、本明細書を通して説明される。
本明細書の開示がより容易に理解され得るように、特定の用語が最初に定義される。本明細書で特に明記されている場合を除いて、本明細書で使用される以下の用語はそれぞれ、以下に示す意味を有するものとする。さらなる定義は、本明細書を通して説明される。
本明細書で用いる用語“および/または”は、2つの指定された特徴または構成要素のそれぞれが、他の特徴または構成要素を有するか否かを具体的に開示するものとして解釈されるべきである。従って、本明細書中、“Aおよび/またはB”などの語句で使用される用語“および/または”は、“AおよびB”、“AまたはB”、“A”(単独)、および“B”(単独)を包含することを意図する。同様に、“A、B、および/またはC”などの語句で使用される用語“および/または”は、以下の面のそれぞれを包含することを意図する:A、BおよびC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
用語“含む”を用いて本明細書に記載される面と、それとは別に“〜からなる”および/または“本質的に〜からなる”という用語で記載される類似の面もまた提供されることが理解される。
他に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術用語および科学用語は、本明細書の開示が関係する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press; The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 3rd ed., 1999, Academic Press; および、the Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, Revised, 2000, Oxford University Pressは、本明細書の開示において使用される多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供する。
単位、接頭辞および記号は、それらの基本単位国際単位系(SI)に承認された形式で表される。数値範囲は、範囲を定義する数字を含む。本明細書で提供される見出しは、本本明細書の開示の様々な態様を限定するものではなく、明細書全体の参照用に記載することができる。従って、すぐ下に定義される用語は、本明細書全体を参照することによってより詳細に定義される。
“投与する”とは、当業者に公知の種々の方法および送達システムのいずれかを用いる、対象への治療剤の身体的導入を意味する。抗PD−1抗体の投与経路の例には、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄または他の非経腸投与経路、例えば注射または点滴が含まれる。いくつかの態様において、投与経路は、脳または中枢神経系に直接的である。複数の態様において、脳または中枢神経系への投与は、脳室内(intracerebroventricular:ICV)、脳室内(intraventricular)、髄腔内(IT)、間質性、硬膜外、大脳内または鼻腔内(嗅覚経路)投与である。本明細書で用いる語句“非経腸投与”は、経腸および局所投与以外の、通常は注射による投与経路を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、胸腔内、病巣内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、腱内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、頭蓋内、胸腔内、硬膜外および胸骨内注射および点滴、ならびにインビボでのエレクトロポレーションを含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、治療剤は、非経腸ではない経路により、または経口的に投与される。他の非経腸ではない経路には、局所、上皮または粘膜投与経路が含まれ、例えば、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下または局所的投与が含まれる。投与はまた、例えば、1回、複数回および/または1以上の延長期間にわたる投与で実行され得る。
本明細書で用いる“有害事象”(AE)は、医学的処置の使用に関連する、好ましくない、一般的に意図しないまたは望ましくない兆候(異常なラボラトリー見を含む)、症状または疾患である。治療は、1以上の関連するAEを有してもよく、各AEは、同じか、または異なるレベルの重症度を有していてよい。“有害事象を変更する”ことができる方法とは、異なる処置レジメンの使用に関連する1つまたは複数のAEの発生率および/または重症度を低下させる処置レジメンを意味する。
“抗体”(Ab)は、抗原に特異的に結合し、ジスルフィド結合によって相互連結された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖、またはそれらの抗原結合部位を含む、糖タンパク質免疫グロブリンを含み得るが、これに限定されない。各H鎖は、重鎖可変領域(本明細書中、VHと略す)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つの定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む。各軽鎖は、閉鎖可変領域(本明細書中、VLと略す)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つの定常ドメイン、CLを含む。VHおよびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と言われる超可変領域にさらに分けられ得て、その領域の間にフレームワーク領域(FR)と言われるより保存された領域が存在している。各VHおよびVLは、3個のCDRおよび4個のFRから構成され、以下の順序でアミノ末端からカルボキシ末端へと並べられる:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。上記抗体の定常領域は、宿主組織もしくは宿主因子(免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1成分(C1q)を含む)への免疫グロブリンの結合を仲介し得る。
免疫グロブリンは、IgA、分泌性IgA、IgGおよびIgMを含むが、これに限定されない、一般的に知られているアイソタイプのいずれかに由来し得る。IgGサブクラスはまた、当業者によく知られており、ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4が含まれるが、これに限定されない。“アイソタイプ”は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラスまたはサブクラス(例えば、IgMまたはIgG1)を意味する。用語“抗体”は、例として、天然抗体および非天然抗体の両方;モノクローナルおよびポリクローナル抗体;キメラおよびヒト化Ab;ヒトまたは非ヒトAb;完全合成Ab;ならびに、一本鎖Abを含む。非ヒト抗体は、ヒトにおけるその免疫原性を低下させるための組換え法によってヒト化され得る。明示的に他に記載されていない限り、そして文脈が他の意味を示さない限り、用語“抗体”はまた、上記の免疫グロブリンのいずれかの抗原結合断片または抗原結合部分を含み、一価および二価の断片もしくは部分、および一本鎖Abを含む。
“単離した抗体”とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を意味する(例えば、PD−1に特異的に結合する単離した抗体は、PD−1以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、PD−1に特異的に結合する単離した抗体は、異なる種由来のPD−1分子などの他の抗原に対して交差反応性を有する。さらに、単離した抗体は、他の細胞性物質および/または化学物質を実質的に含まないものでもあり得る。
用語“モノクローナル抗体”(“mAb”)は、単一分子組成物の抗体分子、すなわち、その一次配列が本質的に同一である抗体分子の非天然調製物を意味し、それは、単一の結合特性および特定のエピトープへの親和性を示す。mAbは、単離したAbの一例である。mAbは、ハイブリドーマ法、組み換え技術、遺伝子組み換え技術または他の当業者に公知の技術により産生され得る。
“ヒト”抗体(HuMAb)は、フレームワーク領域およびCDR領域の両方がヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有するAbを意味する。さらに、Abが定常領域を含む場合、該定常領域はまた、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロにおけるランダムもしくは部位特異的変異誘発により、またはインビボにおける体細胞変異により導入される変異)を含み得る。しかしながら、本明細書で用いる用語“ヒト抗体”は、CDR配列がマウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系に由来し、それをヒトフレームワーク配列中に移植した抗体を含むことは意図していない。用語“ヒト”抗体および“完全ヒト”抗体は、同義語として使用される。
“ヒト化抗体”は、非ヒトAbのCDRドメイン外のいくつか、殆どまたは全てのアミノ酸が、ヒト免疫グロブリンに由来する対応するアミノ酸で置換されているAbを意味する。Abのヒト化形態の一態様において、CDRドメイン外のいくつか、殆どまたは全てのアミノ酸は、ヒト免疫グロブリン由来のアミノ酸で置換されているが、1または複数のCDR領域内のいくつか、殆どまたは全てのアミノ酸は不変である。アミノ酸の僅かな付加、欠失、挿入、置換または修飾は、それらが特定の抗原とAbが結合する能力を消失しない限り許容可能である。“ヒト化”Abは、元のAbと同様の抗原特異性を保持する。
“キメラ抗体”とは、可変領域がある種に由来し、そして定常領域が別の種に由来するAbを意味し、例えば、可変領域がマウスAbに由来し、定常領域がヒトAbに由来する抗体(Ab)を意味する。
“抗−抗原”Abとは、抗原に特異的に結合するAbを意味する。例えば、抗PD−1 Abは、PD−1に特異的に結合し、抗CTLA−4 Abは、CTLA−4に特異的に結合する。
Abの“抗原結合部分”(“抗原結合断片”とも言う)は、全長Abにより結合される抗原に特異的に結合する能力を保持しているAbの1または複数の断片を意味する。
“癌”は、体内の異常な細胞の無制御の増殖により特徴付けられる広範な種々の疾患群を意味する。調節されていない細胞分裂および増殖分裂および増殖は、隣接組織に侵入し、またリンパ系または血流を通して体の遠隔部位に転移し得る、悪性腫瘍の形成をもたらす。
用語“神経膠腫”は、脳または脊髄で生じる、最も一般的には脳で生じる腫瘍を意味する。いくつかの態様において、神経膠腫は、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合神経膠腫、乏突起膠腫または視神経神経膠腫である。特定の態様において、神経膠腫は、聴神経腫瘍、例えば、星状細胞腫:グレードI−毛様細胞性星細胞腫、グレードII−低悪性度星状細胞腫、グレードIII−未分化星状細胞腫、グレードIV−膠芽腫(GBM)を含むが、これに限定されない。神経膠腫の他のタイプには、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合神経膠腫、視神経神経膠腫、下垂体腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉腫瘍(Primitive Neuroectodermal;PNET)、シュワン細胞腫、若年性乳頭状星状細胞腫(JPA)、松果体腫瘍、および/またはラブドイド腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の態様において、GBMは、腫瘍内O−6−メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)GBMである。いくつかの態様において、MGMT GBMは、メチル化されている。他の態様において、MGMT GBMは、メチル化されていない。いくつかの態様において、本発明の方法のための抗PD−1抗体は、標準的療法、例えばアルキル化剤処置、例えばテメゾロミド処置に失敗した対象、または標準的療法、例えばアルキル化剤処置、例えばテメゾロミド処置に応答しないタイプのGBMを有すると同定された対象を処置するために使用される。メチル化されていないMGMT(腫瘍内O−6−メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ)GBMの対象は、対象がアルキル化剤に対して応答性が低いため、満たされていない医療ニーズが最も高いGBM集団を代表する。これは、対象において発現されるメチル化されていないMGMTは、アルキル化剤、例えば、テモゾロミドによって引き起こされる腫瘍へのDNA損傷を修復することができるが、一方で、メチル化されたMGMT GBMの対象において発現されるメチル化MGMTは、腫瘍へのDNA損傷を修復することができないために、腫瘍をアルキル化剤に対してより感受性にし得るからである。
用語“膠芽腫”、“多形神経膠芽腫”または“GBM”は、星状細胞腫のサブセットである癌タイプ、例えば、グレードIVの星状細胞腫を意味する。GBMには、GBM変種:巨細胞性GBMおよび神経膠肉腫ならびにGBMの4つのサブタイプ:古典的、神経性、前神経系(proneural)および間葉系が含まれる。GBM腫瘍は、1次性(デノボ)または二次性であってもよい。
“細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)”は、CD28ファミリーに属する免疫阻害性受容体を意味する。CTLA−4は、インビボでT細胞上にのみ発現され、2つのリガンド、CD80およびCD86(それぞれ、B7−1およびB7−2とも言われる)に結合する。本明細書で用いる用語“CTLA−4”には、ヒトCTLA−4(hCTLA−4)、その変異体、アイソフォーム、およびhCTLA−4の種相同体、ならびにhCTLA−4と少なくとも1つの共通するエピトープを有する類縁体が含まれる。完全なhCTLA−4配列は、GenBank受託番号AAB59385の下に見出すことができる。
用語“免疫療法”とは、免疫応答を誘導、増強、抑制あるいは改変することを含む方法によって、疾患に罹患しているか、または疾患の再発のリスクがあるか、もしくは疾患を再発した対象の処置を意味する。
対象の“処置”または“治療”とは、疾患に関連する症状、合併症もしくは病状、または生化学的徴候の発症、進行、重症度または再発を逆転、緩和、改善、阻害、遅延または予防する目的で、対象に対して実施されるか、または対象への活性剤の投与を行う、すべての介入またはプロセスを意味する。
“プログラムされた細胞死−1(PD−1)”は、CD28ファミリーに属する免疫阻害性受容体を意味する。PD−1は、インビボで以前に活性化されたT細胞上に主に発現され、2つのリガンド、PD−L1およびPD−L2に結合する。本明細書でも用いる用語“PD−1”には、ヒトPD−1(hPD−1)、その変異体、アイソフォーム、およびhPD−1の種相同体、ならびにhPD−1と少なくとも1つの共通するエピトープを有する類縁体が含まれる。完全なhPD−1配列は、GenBank受託番号U64863の下に見出すことができる。“PD−1”および“PD−1受容体”は、本明細書中、互換的に使用される。
“プログラムされた細胞死リガンド−1(PD−L1)”は、PD−1への結合によりT細胞活性化およびサイトカイン分泌を下方制御する、PD−1の2つの細胞表面糖タンパク質リガンドの1つである(もう1つは、PD−L2である)。本明細書で用いる用語“PD−L1”は、ヒトPD−L1(hPD−L1)、その変異体、アイソフォーム、およびhPD−L1の種相同体、および少なくとも1つのhPD−L1と共通するエピトープを有する類縁体を含む。完全なhPD−L1配列は、GenBank受託番号Q9NZQ7の下に見出すことができる。
“対象”には、すべてのヒトまたは非ヒト動物が含まれる。用語“非ヒト動物”には、非ヒト霊長動物、ヒツジ、イヌなどの脊椎動物、マウス、ラットおよびモルモットなどのげっ歯動物が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、対象はヒトである。用語“対象”および“患者”は、本明細書中、互換的に用いられる。
薬剤または治療剤の“治療的有効量”または“治療的有効投与量”とは、単独で、または別の治療剤と組み合わせて使用するとき、疾患の発症から対象を保護するか、あるいは疾患症状の重症度の低下、疾患症状のない期間の頻度および期間の増加、または疾患の苦痛による障害もしくは支障の予防によって明らかにされる疾患の緩解を促進する、薬剤の量である。疾患の緩解を促進する治療剤の能力は、例えば、臨床治験中のヒト対象において、ヒトにおける有効性を予測する動物モデル系において、またはインビトロアッセイにおける薬剤の活性のアッセイにより、当業者に公知の種々の方法を用いて評価することができる。
本明細書で用いる“治療量以下の用量”(subtheraputic dose)は、過増殖性疾患(例えば、癌)の処置のために単独で投与したとき、治療化合物(例えば、抗体)の通常のまたは一般的な用量未満である治療化合物の用量を意味する。
例として、“抗癌剤”は、対象における癌の緩解を促進する。いくつかの態様において、薬剤の治療的有効量は、癌を排除する時点まで癌の緩解を促進する。“癌の緩解を促進する”とは、有効量の薬剤を、単独で、または抗癌剤と組み合わせて投与することにより、腫瘍増殖またはサイズの縮小、腫瘍の壊死、少なくとも1つの疾患症状の重症度の低下、疾患症状のない期間の頻度および期間の増加、または疾患の苦痛による障害もしくは支障の予防をもたらすことを意味する。加えて、処置に関する用語“有効な”および“有効性”には、薬理学的有効性および生理的安全性の両方が含まれる。薬理学的有効性とは、患者の癌の緩解を促進する薬剤の能力を意味する。生理的安全性とは、薬物の投与によってもたらされる、細胞、臓器および/または生物レベルでの毒性または他の有害な生理的作用(有害作用)のレベルを意味する。
腫瘍の処置の例として、治療的有効量の抗癌剤は、未処置対象と比べて、少なくとも約20%まで、少なくとも約30%まで、少なくとも約40%まで、少なくとも約50%まで、少なくとも約60%まで、少なくとも約70%まで、または少なくとも約80%まで、細胞増殖または腫瘍増殖を阻害する。
本発明の他の態様において、腫瘍の緩解が観察され得て、少なくとも約20日、少なくとも約40日、または少なくとも約60日間継続され得る。治療有効性のこれらの究極的な測定にもかかわらず、免疫療法剤の評価はまた、“免疫関連”の応答パターンを考慮しなければならない。
“免疫関連”の応答パターンは、癌特異的免疫応答を誘導することによって、または天然免疫プロセスを改変することによって、抗腫瘍効果を生じる免疫療法剤で治療される癌患者においてしばしば観察される臨床応答パターンを意味する。この応答パターンは、従来の化学療法剤の評価において、疾患進行として分類され、薬物不全と同義である、腫瘍負荷の初期増加または新たな病変の出現に続く有益な治療効果を特徴とする。従って、免疫療法剤の適当な評価には、標的疾患に対するこれらの薬剤の効果の長期モニタリングが必要となり得る。
薬剤の治療的有効量には“予防的有効量”が含まれ、それは、癌を発症するリスクのある対象(例えば、前悪性状態(pre-malignant condition)の対象)または癌の再発を患っている対象に単独でまたは抗癌剤と組み合わせて投与されるとき、癌の発症または再発を阻害する薬剤の量である。いくつかの態様において、予防的有効量は、癌の発症または再発を完全に予防する。癌の発症または再発を“阻害する”とは、癌の発症または再発の可能性を軽減すること、または癌の発症または再発を完全に予防することを意味する。
本明細書で用いる用語“一定の用量(flat dose)”の使用は、患者の体重または体表面積(BSA)に関係なく患者に投与される用量を意味する。従って、一定の用量は、薬剤(例えば、抗PD−1抗体)の、体重1kg当たりのmg用量として提供されず、むしろ絶対量として提供される。例えば、60kgのヒトおよび100kgのヒトは、同じ用量の治療剤(例えば、240mgの抗PD−1抗体)を受容し得る。
本明細書でいう用語“体重に基づく用量”は、患者に投与される用量が、該患者の体重に基づいて計算されることを意味する。例えば、体重60kgの患者が3mg/kgの抗PD−1抗体を必要とするとき、当業者は、投与のために適当な量の抗PD−1抗体(すなわち、180mg)を計算し、使用することができる。
本発明の方法に関して用語“固定用量”の使用は、単一組成物中の2以上の異なる抗体が、組成物中に、互いに特定の(固定)比で存在することを意味する。いくつかの態様において、固定用量は、抗体の重量(例えば、mg)に基づく。特定の態様において、固定用量は、抗体の濃度(例えば、mg/ml)に基づく。いくつかの態様において、比は、少なくとも約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:15、約1:20、約1:30、約1:40、約1:50、約1:60、約1:70、約1:80、約1:90、約1:100、約1:120、約1:140、約1:160、約1:180、約1:200、約200:1、約180:1、約160:1、約140:1、約120:1、約100:1、約90:1、約80:1、約70:1、約60:1、約50:1、約40:1、約30:1、約20:1、約15:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、または約2:1の、第一の抗体(mg):第二の抗体(mg)である。例えば、3:1の比の第一の抗体:第二の抗体は、バイアルが、約240mgの第一の抗体および80mgの第二の抗体を含み得るか、または約3mg/mlの第一の抗体および1mg/mlの第二の抗体を含み得ることを意味いいし得る。
代替語(例えば、“または”)の使用は、代替物の一方、両方、またはそれらの組合せの何れかを意味すると理解されるべきである。本明細書で用いる、不定冠詞“a”または“an”は、“1以上”の任意の記載または列挙成分を意味することが理解されるべきである。
用語“約”または“本質的に含む”は、当業者によって決定された特定の値または組成の許容される誤差範囲内にある値または組成を意味し、それは、値または組成がどの方法で測定または決定されるか、すなわち、測定システムの限界に部分的に依存し得る。例えば、“約”または“本質的に含む”は、当技術分野における実施(practice)につき、1以内または2以上の標準偏差を意味し得る。あるいは、“約”または“本質的に含む”は、20%までの範囲を意味し得る。さらに、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、この用語は、値の一桁上まで、または5倍までを意味し得る。本願明細書および特許請求の範囲で特定の値または組成が提供されるとき、特記しない限り、“約”または“本質的に含む”の意味は、その特定の値または組成のための許容される誤差範囲内であると仮定されるべきである。
本明細書で用いる用語“約1週間に1回”、“約2週間に1回”または他の同様の投与間隔の用語は、凡その数を意味する。“約1週間に1回”は、7日±1日毎、すなわち、6日毎から8日毎を含み得る。“約2週間に1回”は、14日±3日毎、すなわち、11日毎から17日毎を含み得る。同様の近似が、例えば、約3週間に1回、約4週間に1回、約5週間に1回、約6週間に1回、および約7週間に1回に適用される。いくつかの態様において、約6週間に1回または約12週間に1回の投与間隔は、第一の用量を第1週の任意の日に投与することができ、次いで、次の用量を、それぞれ第6週または第12週の任意の日に投与できることを意味する。他の態様において、約6週間に1回または約12週間に1回の投与間隔は、第一の用量が第1週の特定の日(例えば、月曜)に投与され、次いで、次の用量がそれぞれ第6週または第12週の同日(すなわち、月曜)に投与されることを意味する。
本明細書に記載される通り、濃度範囲、百分率範囲、比率範囲または整数範囲は、特記しない限り、記載された範囲内の任意の整数の値および適切な場合、その分数(ある整数の十分の一および百分の一など)を含むと理解されるべきである。
本発明の種々の面は、以下のサブセクションにおいてさらに詳細に記載される。
本発明の方法
本発明は、神経膠腫を処置する方法または神経膠腫に罹患している対象の処置法であって、該対象に治療的有効量のプログラム細胞死−1(PD−1)アンタゴニスト、例えば、PD−1に特異的に結合し、そしてPD−1活性を阻害する抗体(“抗PD−1抗体”)またはその抗原結合部位、またはプログラム細胞死−リガンド1(PD−L1)アンタゴニスト、例えば、PD−L1に特異的に結合し、そしてPD−L1活性を阻害する抗体(“抗PD−L1抗体”)またはその抗原結合部位を投与することを含む方法に関する。一態様において、神経膠腫は、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合神経膠腫、乏突起膠腫および視神経神経膠腫から選択される。別の態様において、神経膠腫はGBMである。他の態様において、神経膠腫は神経膠肉腫である。いくつかの態様において、神経膠腫は、新たに診断されたGBMまたは神経膠肉腫である。特定の態様において、神経膠腫は、再発性悪性GBMである。特定の態様において、GBMはMGMT(腫瘍性O−6−メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ)GBMである。いくつかの態様において、MGMT GBMはメチル化されている。他の態様において、MGMT GBMは、メチル化されていない。いくつかの態様において、神経膠腫腫瘍は、PD−L1を発現する。他の態様において、神経膠腫腫瘍は、PD−L2を発現する。他の態様において、神経膠腫腫瘍は、PD−L1およびPD−L2を発現する。いくつかの態様において、神経膠腫腫瘍は、PD−L1、PD−L2、またはその両方を発現しない。
本発明は、神経膠腫を処置する方法または神経膠腫に罹患している対象の処置法であって、該対象に治療的有効量のプログラム細胞死−1(PD−1)アンタゴニスト、例えば、PD−1に特異的に結合し、そしてPD−1活性を阻害する抗体(“抗PD−1抗体”)またはその抗原結合部位、またはプログラム細胞死−リガンド1(PD−L1)アンタゴニスト、例えば、PD−L1に特異的に結合し、そしてPD−L1活性を阻害する抗体(“抗PD−L1抗体”)またはその抗原結合部位を投与することを含む方法に関する。一態様において、神経膠腫は、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合神経膠腫、乏突起膠腫および視神経神経膠腫から選択される。別の態様において、神経膠腫はGBMである。他の態様において、神経膠腫は神経膠肉腫である。いくつかの態様において、神経膠腫は、新たに診断されたGBMまたは神経膠肉腫である。特定の態様において、神経膠腫は、再発性悪性GBMである。特定の態様において、GBMはMGMT(腫瘍性O−6−メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ)GBMである。いくつかの態様において、MGMT GBMはメチル化されている。他の態様において、MGMT GBMは、メチル化されていない。いくつかの態様において、神経膠腫腫瘍は、PD−L1を発現する。他の態様において、神経膠腫腫瘍は、PD−L2を発現する。他の態様において、神経膠腫腫瘍は、PD−L1およびPD−L2を発現する。いくつかの態様において、神経膠腫腫瘍は、PD−L1、PD−L2、またはその両方を発現しない。
いくつかの態様において、本発明は、神経膠腫または神経膠腫に罹患している対象の処置法であって、単独療法(抗PD−1抗体または抗PD−L1 Abを投与すること)を含む方法を含む。
他の態様において、本発明は、神経膠腫または神経膠腫に罹患している対象の処置法であって、癌の処置のために、抗PD−1アンタゴニストもしくは抗PD−L1アンタゴニストまたは抗PD−1アンタゴニストもしくは抗PD−L1アンタゴニストと本明細書に記載の1以上の抗癌剤の組合せを投与することを含む方法を含む。いくつかの態様において、神経膠腫はGBMである。本明細書で言及される“抗PD−1アンタゴニスト”または“抗PD−L1アンタゴニスト”は、PD−1/PD−L1のシグナル伝達経路が阻止されるように、PD−1(受容体)とPD−L1(リガンド)との相互作用を阻害する分子を含む。一態様において、抗PD−1アンタゴニストは、抗PD−L1抗体である。別の態様において、抗PD−1アンタゴニストまたは抗PD−L1アンタゴニストは、可溶性PD−1タンパク質またはPD−L1タンパク質である。他の態様において、抗PD−1アンタゴニストまたは抗PD−L1アンタゴニストは、PD−1−Fc融合タンパク質またはPD−L1−Fc融合タンパク質である。特定の態様において、抗PD−1アンタゴニストまたは抗PD−L1アンタゴニストは、PD−1とPD−L1の間の相互作用を阻害または阻止する、抗PD−1融合タンパク質、抗PD−L1融合タンパク質、アンチセンス分子、小分子、リボザイム、またはナノボディを含む。
特定の態様において、本発明は、併用療法を含む、神経膠腫または神経膠腫に罹患している対象の処置法を含む。一態様において、本発明は、神経膠腫または神経膠腫に罹患している対象の処置法であって、治療有効量の、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体;および、(b)別の抗癌療法、を組み合わせて対象へ投与することを含む方法に関する。別の態様において、本発明は、神経膠腫または神経膠腫に罹患している対象の処置法であって、治療有効量の、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1 Ab;および(b)本明細書の他の箇所に記載されるケア療法の標準的薬剤、を組み合わせて対象へ投与することを含む方法に関する。
いくつかの態様において、他の抗癌療法は、抗癌剤(例えば、本明細書に記載の、または当技術分野で公知の、化学療法剤または何れか他の治療剤)、放射線、外科手術、または第二の抗体もしくはその抗原結合部位である。いくつかの態様において、抗癌剤は、アルキル化剤、第二の抗体もしくはその抗原結合部位、またはその両方を含む。いくつかの態様において、アルキル化剤はテモゾロミドである。いくつかの態様において、抗癌剤は、白金ベースの二重化学療法、EGFRを標的とするチロシンキナーゼ阻害剤、またはベバシズマブである。いくつかの態様において、第二の抗体またはその抗原結合部分は、CTLA−4に特異的に結合し、CTLA−4活性を阻害する、Abまたはその抗原結合部位である。いくつかの態様において、第二の抗体またはその抗原結合部分は、抗CTLA−4抗体である。他の態様において、対象はヒト患者である。特定の態様において、対象は、化学療法未経験の患者(例えば、これまで化学療法を受けていない患者)である。他の態様において、対象は別の癌療法(例えば、化学療法)を受けたが、そのような別の癌療法に対して抵抗性または不応性である。特定の態様において、本発明は、MRI誘導レーザアブレーションと組み合わせて抗PD−1抗体を投与することを含む、それを必要とする対象において再発性悪性神経膠腫を処置する方法を含む。特定の態様において、対象は、まず、腫瘍周囲の血液脳関門の破壊を引き起こし、それによって抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体が血液脳関門を通過することを可能にするMRI誘導レーザアブレーションを受ける。
特定の態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、1回少なくとも約1、約2または約3GY、1週間に約2、約3、約4、約5または約6回の局所放射線療法と組み合わせられる。いくつかの態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、1回約2GY、週に約5回の局所放射線療法と組み合わせられる。他の態様において、放射線療法は、少なくとも約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9または約10週間継続される。いくつかの態様において、放射線療法は約6週間継続される。
本発明の併用療法は、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位を、要すれば抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位および/または抗癌剤、例えばアルキル化剤、例えばテモゾロミドと組み合わせて投与することを含む、新たに診断された神経膠腫、例えば神経肉腫またはGBMを処置する方法を含む。一態様において、本方法は、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、抗CTLA−4抗体、またはテモゾロミドを投与する前に、対象に化学放射線を投与することをさらに含む。別の態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、抗CTLA−4抗体、および/またはテモゾロミドは、化学放射線療法終了後、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、または9週間以内に投与される。特定の態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、局所放射線療法およびテモゾロマイドと組み合わせられる。いくつかの態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体と、局所放射線療法およびテモゾロミドとの組み合わせに続いて、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体治療を維持療法として継続する。いくつかの態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体と局所放射線療法およびテモゾロミドとの組み合わせに続いて、テモゾロミドが維持療法として継続される。
いくつかの態様において、PD−1抗体もしくはその抗原結合部位または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位および/または抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位は、LAG3(リンパ球活性化遺伝子3タンパク質)アンタゴニスト(例えば、抗LAG3抗体)、CD137アンタゴニスト(例えば、ウルレルマブ、例えば、BMS−663513)、CD27アンタゴニスト、KIR(キラー細胞免疫グロブリン様受容体)アンタゴニスト(例えば、抗KIR抗体、例えば、リリルマブまたはIPH2102/BMS−986015)、IDO(インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ)阻害剤、TGFβ(トランスフォーミング増殖因子ベータ)アンタゴニスト、IL−10(インターロイキン−10)アンタゴニスト、VEGF(R)(血管内皮細胞増殖因子)アンタゴニスト、IL−21(インターロイキン−21)アンタゴニスト、GM−CSF(顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子;コロニー刺激因子2(CSF2)としても公知)アンタゴニスト、TLR−9(トール様受容体9)アゴニスト、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される1以上のさらなる抗癌剤と組み合わせて投与される。特定の態様において、抗癌剤は、抗腫瘍ワクチンに由来する。他の態様において、抗癌剤は、別の免疫チェックポイント阻害剤である。
本発明はまた、改善または回復した免疫細胞が対象において血液脳関門を通過し、従って神経膠腫を治療するように、神経膠腫に罹患している対象における抗腫瘍免疫応答を改善または回復させる方法であって、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体を単独療法または併用療法で投与することを含む方法を含む。他の態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、神経膠腫を処置するために血液脳関門を通過する。
本発明は、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体をそれを必要とする対象に投与するとき、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体が、該対象の脳における免疫応答を誘導または改善できることを示す。一態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体の投与は、以下の1以上の特徴:(1)腫瘍の近くまたは腫瘍中の免疫細胞の数を増加させる、(2)腫瘍の近くまたは腫瘍中の免疫細胞の大きな凝集を増加させる、(3)腫瘍の近くまたは腫瘍中の脳室周囲の壊死組織を誘導する、(4)腫瘍の近くまたは腫瘍中の腫瘍内マクロファージの誘導または増加;(5)腫瘍の近くまたは腫瘍中のCD45陽性細胞の誘導または増加;(6)CD3陽性細胞の誘導または増加;および、(7)腫瘍の近くまたは腫瘍中の血管周囲性単核細胞浸潤および/または浸潤細胞の誘導または増加、を示す。他の態様において、本発明の方法は、それを必要とする対象の脳における免疫応答を誘導または改善する方法であって、該対象に治療的有効量の抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体を投与することを含む方法に関する。1以上のタイプの免疫応答は、上記の(1)から(7)から選択することができる。
いくつかの態様において、本発明の方法は、抗癌剤(または抗PD−1抗体もしくは抗PD−L1抗体)を脳に直接投与することなく、それを必要とする対象の脳における免疫応答を誘導または改善する方法であって、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体を該対象に静脈内投与することを含む方法を提供する。本発明は、驚くべきことに、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体が、脳に直接投与されることなく対象の脳において免疫応答を誘導し得ることを示す。如何なる理論にも縛られるものではないが、それを必要とする対象への抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体の投与は、免疫応答(例えば、免疫細胞の活性化、免疫細胞の増殖、免疫細胞の数の増加、適切な部位への免疫細胞の動員など)を誘導または回復させ、それにより、誘導または活性化された免疫細胞が対象の血液脳関門を通過し、腫瘍細胞を排除することを可能にする。従って、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体の投与は、(1)腫瘍の近くまたは腫瘍中の免疫細胞の数を増加させ得る、(2)腫瘍の近くまたは腫瘍中の免疫細胞の大きな凝集を増加させ得る、(3)腫瘍の近くまたは腫瘍中の脳室周囲の壊死組織を誘導し得る、(4)腫瘍の近くまたは腫瘍中の腫瘍内マクロファージの誘導または増加させ得る;(5)腫瘍の近くまたは腫瘍中にCD45陽性細胞を誘導または増加させ得る;(6)CD3陽性細胞を誘導または増加させ得る;(7)腫瘍の近くまたは腫瘍中に血管周囲性単核細胞浸潤および/または浸潤細胞を誘導または増加させ得る、または(8)それらの任意の組合せであり得る。
特定の態様において、本発明の方法(例えば、抗PD−1抗体もしくは抗PD−L1抗体の投与または抗PD−1抗体もしくは抗PD−L1抗体の投与および別の抗癌療法)は、対象の生存期間を有効に増加させる。例えば、対象の生存期間は、別の療法剤(例えば、ベバシズマブまたはテモゾロミド)のみ、または(例えば、抗PD−1抗体単独)もしくは別の併用療法剤(すなわち、テモゾロマイドおよび放射線療法)で処置された別の対象と比べたとき、少なくとも約1か月、少なくとも約2か月、少なくとも約3カ月、少なくとも約4カ月、少なくとも約5か月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約11か月または少なくとも約1年もしくはそれ以上増加する。いくつかの態様において、生存期間は、少なくとも約2ヶ月増加する。特定の態様において、本発明の方法は、対象の無増悪生存期間を効果的に増加させる。例えば、対象の無増悪生存期間は、別の療法剤(例えば、ベバシズマブまたはテモゾロミド)のみ、または(例えば、抗PD−1抗体単独)もしくは別の併用療法剤(すなわち、テモゾロマイドおよび放射線療法)で処置された別の対象と比べたとき、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月または少なくとも約1年増加する。いくつかの態様において、無増悪生存期間は、少なくとも約2ヶ月増加する。特定の態様において、本発明の療法は、対象群における応答率を効果的に高める。例えば、対象群における応答率は、別の療法剤(例えば、ベバシズマブまたはテモゾロミド)のみ、または(例えば、抗PD−1抗体単独)もしくは別の併用療法剤(すなわち、テモゾロマイドおよび放射線療法)で処置された別の対象と比べたとき、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%または少なくとも約100%増加する。
特定の態様において、本発明は、新たに診断された、メチル化されていないMGMT GBMの処置法であって、それを必要とする対象に約240mgの抗PD−1抗体(すなわち、ニボルマブ)を約2週間毎に1回、16週間の間、局所放射線療法(2グレイ 週5回×6週)と組み合わせて投与することを含む方法に関する。いくつかの態様において、方法はさらに、最初の16週間の治療を完了した後4週目に、約480mgのニボルマブを投与することを含む。
抗PD−1抗体
PD−1は、活性化T細胞およびB細胞により発現される重要な免疫チェックポイント受容体であり、免疫抑制を仲介する。PD−1は、CD28、CTLA−4、ICOS、PD−1およびBTLAを含む、CD28受容体ファミリーのメンバーである。PD−1の2つの細胞表面糖タンパク質リガンド、プログラムされた細胞死リガンド−1(PD−L1)およびプログラムされた細胞死リガンド−2(PD−L2)が同定されており、それらは抗原提示細胞上ならびに多くのヒト癌で発現され、PD−1に結合するとT細胞活性化およびサイトカイン分泌を下方制御することが示されている。PD−1/PD−L1相互作用の阻害は、前臨床モデルにおいて強力な抗腫瘍活性を媒介する。
PD−1は、活性化T細胞およびB細胞により発現される重要な免疫チェックポイント受容体であり、免疫抑制を仲介する。PD−1は、CD28、CTLA−4、ICOS、PD−1およびBTLAを含む、CD28受容体ファミリーのメンバーである。PD−1の2つの細胞表面糖タンパク質リガンド、プログラムされた細胞死リガンド−1(PD−L1)およびプログラムされた細胞死リガンド−2(PD−L2)が同定されており、それらは抗原提示細胞上ならびに多くのヒト癌で発現され、PD−1に結合するとT細胞活性化およびサイトカイン分泌を下方制御することが示されている。PD−1/PD−L1相互作用の阻害は、前臨床モデルにおいて強力な抗腫瘍活性を媒介する。
高い親和性でPD−1に特異的に結合するHuMAbが、米国特許第8,008,449号に記載されている。他の抗PD−1 mAbは、例えば、米国特許第6,808,710号、同第7,488,802号、同第8,168,757号および同第8,354,509号、ならびにPCT公開番号WO2012/145493に記載されている。米国特許第8,008,449号に記載される抗PD−1 HuMAbのそれぞれは、以下の特徴の1以上を示すことが証明されている:(a)ビアコアバイオセンサーシステムを用いた表面プラズモン共鳴によって決定されるように、1×10−7M未満のKDでヒトPD−1に結合する;(b)ヒトCD28、CTLA−4またはICOSに実質的に結合しない;(c)混合リンパ球反応(MLR)アッセイにおいてT細胞増殖を増加させる;(d)MLRアッセイにおいてインターフェロン−γ産生を増加させる;(e)MLRアッセイにおいてIL−2分泌を増加させる;(f)ヒトPD−1およびカニクイザルPD−1に結合する;(g)PD−L1および/またはPD−L2のPD−1への結合を阻害する;(h)抗原特異的記憶応答を刺激する;(i)抗体応答を刺激する;および/または、(j)インビボにて腫瘍細胞増殖を阻害する。本発明において使用可能な抗PD−1抗体には、ヒトPD−1に特異的に結合し、上記特性の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つを示す、mAbが含まれる。
一態様において、抗PD−1抗体はニボルマブである。ニボルマブ(“OPDIVO(登録商標)”としても公知;以前は、5C4、BMS−936558、MDX−1106、またはONO−4538と記載)は、PD−1リガンド(PD−L1およびPD−L2)との相互作用を選択的に阻止し、それにより抗腫瘍T細胞機能の下方制御を阻止する、完全ヒトIgG4(S228P)PD−1免疫チェックポイント阻害剤抗体である(米国特許第8,008,449号; Wang et al., 2014 Cancer Immunol Res. 2(9):846-56)。別の態様において、抗PD−1抗体またはその断片は、ニボルマブと交差競合する。他の態様において、抗PD−1抗体またはその断片は、ニボルマブと同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗PD−1抗体は、ニボルマブと同じCDRを有する。
別の態様において、抗PD−1抗体またはその断片は、ペンブロリズマブと交差競合する。いくつかの態様において、抗PD−1抗体またはその断片は、ペンブロリズマブと同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗PD−1抗体は、ペンブロリズマブと同じCDRを有する。別の態様において、抗PD−1抗体はペンブロリズマブである。ペンブロリズマブ(“KEYTRUDA(登録商標)”、ランブロリズマブ、およびMK−3475としても知られている)は、ヒト細胞表面受容体PD−1(プログラム細胞死−1(programmed death-1またはprogrammed cell death-1))に対するヒト化モノクローナルIgG4抗体である。ペンブロリズマブは、例えば、米国特許第8,900,587号に記載されている;http://www.cancer.gov/drugdictionary-cdrid=695789 (最終アクセス:2014年12月14日)も参照のこと。ペンブロリズマブは、再発または難治性黒色腫の処置のためにFDAにより承認されている。
他の態様において、抗PD−1抗体またはその断片は、MEDI0608と交差競合する。さらに他の態様において、抗PD−1抗体またはその断片は、MEDI0608と同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗PD−1抗体は、MEDI0608と同じCDRを有する。他の態様において、抗PD−1抗体は、PD−1受容体に対するモノクローナル抗体であるMEDI0608(以前は、AMP−514)である。MEDI0608は、例えば、米国特許第8,609,089,B2号またはhttp://www.cancer.gov/drugdictionary-cdrid=756047 (最終アクセス:2014年12月14日)に記載されている。
特定の態様において、抗PD−1アンタゴニストは、B7−DC Fc融合タンパク質であるAMP−224である。AMP−224は、米国特許公開第2013/0017199号またはhttp://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-drug-cdrid=700595 (最終アクセス2015年7月8日)。
他の態様において、抗PD−1抗体またはその断片は、BGB−A317と交差競合する。いくつかの態様において、抗PD−1抗体またはその断片は、BGB−A317と同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗PD−1抗体は、BGB−A317と同じCDRを有する。特定の態様において、抗PD−1抗体は、ヒト化モノクローナル抗体であるBGB−A317である。BGB−A317は、米国特許公開第2015/0079109号に記載されている。
本明細書に記載の方法において使用可能な抗PD−1抗体にはまた、ヒトPD−1に特異的に結合し、ヒトPD−1とニボルマブとの結合に対して交差競合する、単離された抗体も含まれる(例えば、米国特許第8,008,449号;WO2013/173223を参照のこと)。抗原に対する結合について交差競合する抗体の能力は、これらの抗体が抗原の同じエピトープ領域に結合し、その特定のエピトープ領域への他の交差競合抗体の結合を立体的に妨げることを示している。これらの交差競合抗体は、PD−1の同じエピトープへのそれらの結合により、ニボルマブの機能的特性と顕著に類似した機能的特性を有することが期待される。交差競合抗体は、Biacore分析、ELISAアッセイまたはフローサイトメトリーなどの標準的なPD−1結合アッセイにおいて、ニボルマブと交差競合するそれらの能力に基づいて容易に同定することができる(例えば、WO2013/173223を参照のこと)。
特定の態様において、ヒトPD−1への結合に対してニボルマブと交差競合するか、またはニボルマブと同じヒトPD−1のエピトープ領域に結合する抗体は、mAbである。ヒト対象への投与のために、これらの交差競合抗体はキメラ抗体であり得るか、またはヒト化抗体もしくはヒト抗体であり得る。かかるキメラ、ヒト化またはヒトmAbは、当技術分野で周知の方法によって調製および単離され得る。
特定の態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位は、ヒトIgG1またはIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含む。ある他の態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位のIgG4重鎖定常領域の配列は、ヒンジ領域のセリン残基を、IgG1アイソタイプ抗体の対応する位置に通常見出されるプロリン残基で置換する、S228P変異を含む。ニボルマブに存在するこの変異は、野生型IgG4抗体と関係するFc受容体を活性化する低親和性を保持しながら、内因性IgG4抗体とのFabアーム交換を阻止する(Wang et al., 2014)。さらに他の態様において、抗体は、ヒトκまたはλ定常領域である軽鎖定常領域を含む。他の態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位は、mAbまたはその抗原結合部位である。抗PD−1Abの投与を含む本明細書に記載の治療法の何れかの任意の態様において、抗PD−1抗体はニボルマブである。
本発明の方法に使用可能な抗PD−1抗体にはまた、上記の抗体の抗原結合部分が含まれる。抗体の抗原結合機能は、完全長Abの断片によって実行可能であることが実証されている。用語、抗体の“抗原結合部分”に包含される結合断片の例としては、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab’)2断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;および、(iv)Abの単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、が挙げられる。
抗PD−L1抗体
特定の態様において、本発明の方法は、対象に抗PD−L1アンタゴニスト(例えば、抗PD−L1抗体)を投与することにより、それを必要とする対象において神経膠腫を処置する方法に関する。例えば、抗PD−L1抗体は、PD−1とPD−L1との相互作用を阻止し、それにより、PD−1のシグナル伝達経路に同様の効果を奏する;従って、抗PD−L1抗体は、本明細書に記載の方法において抗PD−1抗体の使用に代えることができる。
特定の態様において、本発明の方法は、対象に抗PD−L1アンタゴニスト(例えば、抗PD−L1抗体)を投与することにより、それを必要とする対象において神経膠腫を処置する方法に関する。例えば、抗PD−L1抗体は、PD−1とPD−L1との相互作用を阻止し、それにより、PD−1のシグナル伝達経路に同様の効果を奏する;従って、抗PD−L1抗体は、本明細書に記載の方法において抗PD−1抗体の使用に代えることができる。
他の態様において、抗PD−L1抗体は、BMS−936559(以前は、12A4またはMDX−1105)(例えば、米国特許第7,943,743号;WO2013/173223を参照のこと)または米国特許第7,943,743号に記載の何れか他の抗PD−L1抗体である。いくつかの態様において、抗PD−L1抗体は、結合に関してBMS−936559と交差競合する抗体、または米国特許第7,943,743号に記載の抗PD−L1抗体である。他の態様において、抗PD−L1抗体は、BMS−936559と同じエピトープに結合する抗体、または米国特許第7,943,743号に記載の抗PD−L1抗体である。
他の態様において、抗PD−L1抗体は、MPDL3280A(RG7446としても知られている)(例えば、Herbst;米国特許第8,217,149号を参照のこと)、MEDI4736(Durvalumabとも言う;Khleif、2013、2014年5月6日出願の米国特許第8,779,108号またはUS2014/0356353を参照のこと)、またはMSB0010718C(Avelumabとも言う;US2014/0341917を参照のこと)である。いくつかの態様において、抗PD−L1抗体は、結合に関してMPDL3280A、MEDI4736、および/またはMSB0010718Cと交差競合する抗体である。いくつかの態様において、抗PD−L1抗体は、MPDL3280A、MEDI4736、および/またはMSB0010718Cと同じエピトープに結合する抗体である。
特定の態様において、ヒトPD−L1への結合に対して上記文献のPD−L1抗体と交差競合するか、または上記文献のPD−L1抗体と同じヒトPD−L1のエピトープ領域に結合する抗体は、mAbである。ヒト対象への投与のために、これらの交差競合抗体はキメラ抗体であり得るか、またはヒト化抗体もしくはヒト抗体であり得る。かかるキメラ、ヒト化またはヒトmAbは、当技術分野で周知の方法によって調製および単離され得る。
本発明の方法において使用可能な抗PD−L1抗体にはまた、上記抗体の抗原結合部分が含まれる。抗体の抗原結合機能は、完全長Abの断片によって実行可能であることが実証されている。用語、抗体の“抗原結合部分”に包含される結合断片の例としては、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab’)2断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;および、(iv)Abの単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、が挙げられる。
抗CTLA−4抗体
本発明に有用な抗CTLA−4抗体は、CTLA−4とヒトB7受容体との相互作用を破壊するようにヒトCTLA−4に結合する。CTLA−4とB7の相互作用がCTLA−4受容体を有するT細胞の不活性化を導くシグナルを伝達するため、相互作用の破壊は、そのようなT細胞の活性化を効果的に誘導、増強または延長し、それ故に、免疫応答が誘導され、増強され、または延長される。
本発明に有用な抗CTLA−4抗体は、CTLA−4とヒトB7受容体との相互作用を破壊するようにヒトCTLA−4に結合する。CTLA−4とB7の相互作用がCTLA−4受容体を有するT細胞の不活性化を導くシグナルを伝達するため、相互作用の破壊は、そのようなT細胞の活性化を効果的に誘導、増強または延長し、それ故に、免疫応答が誘導され、増強され、または延長される。
高親和性でCTLA−4に特異的に結合するHuMAbは、米国特許第6,984,720号および同第7,605,238号に記載されている。他の抗CTLA−4mAbは、例えば、米国特許第5,977,318号、同第6,051,227号、同第6,682,736号、および同第7,034,121号に記載されている。米国特許第6,984,720号および同第7,605,238に記載されている抗CTLA−4 HuMAbは、以下の特徴の1以上を示すことが実証されている:(a)Biacore分析によって決定される、少なくとも約107M−1、または約109M−1、または約1010M−1から1011M−1またはそれ以上の平衡状態の結合定数(Ka)により反映される結合親和性でヒトCTLA−4に特異的に結合する;(b)少なくとも約103、約104、または約105m−1s−1の結合速度定数(kinetic association constant)(ka);(c)少なくとも約103、約104、または約105m−1s−1の解離速度定数(kinetic disassociation constant)(kd);および、(d)B7−1(CD80)およびB7−2(CD86)に対するCTLA−4の結合を阻害する。本発明において使用可能な抗CTLA−4抗体には、ヒトCTLA−4に特異的に結合し、上記の特徴の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを示すmAbが含まれる。
例示的な臨床用抗CTLA−4抗体は、米国特許第6,984,720号に記載されているヒトmAb10D1である(現在は、イピリムマブとして知られ、YERVOY(登録商標)として市販されている)。イピリムマブは、本明細書に記載の方法における使用のための抗CTLA−4抗体である。イピリムマブは、CTLA−4のそのB7リガンドへの結合を阻止し、それによりT細胞活性化を刺激し、進行性黒色腫患者の全生存期間(OS)を改善する、完全ヒト、IgG1モノクローナル抗体である。
本発明の方法において使用可能な別の抗CTLA−4抗体は、トレメリムマブである(CP−675,206としても知られている)。トレメリムマブは、ヒトIgG2モノクローナル抗CTLA−4抗体である。トレメリムマブは、WO/2012/122444、米国特許出願公開第2012/263677号、またはWO公開公報2007/113648A2に記載されている。
本明細書に記載の方法において使用可能な抗CTLA−4抗体にはまた、ヒトCTLA−4に特異的に結合し、ヒトCTLA−4への結合に対してイピリムマブまたはトレメリムマブと交差競合するか、またはイピリムマブまたはトレメリムマブと同じヒトCTLA−4のエピトープ領域に結合する、単離された抗体が含まれる。特定の態様において、ヒトCTLA−4への結合に対してイピリムマブまたはトレメリムマブと交差競合するか、またはイピリムマブまたはトレメリムマブと同じヒトCTLA−4のエピトープ領域に結合する抗体は、ヒトIgG1アイソタイプの重鎖を含む抗体である。ヒト対象への投与のために、これらの交差競合抗体は、キメラ抗体であり得るか、またはヒト化抗体もしくはヒト抗体であり得る。使用可能な抗CTLA−4抗体にはまた、Fab、F(ab’)2、FdまたはFv断片などの上記の抗体の抗原結合部分が含まれる。
GBMの標準的治療法
本発明はまた、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体を用いる治療と神経膠腫の処置のための標準治療の併用療法も含む。標準治療は、抗PD−1抗体処置の前、処置中または処置後のいつでも対象に対して実行することができる。異なるタイプの癌に対する標準治療は、当業者によく知られている。例えば、全米にある主要な21の癌センターが結成した全米総合癌センターネットワーク(NCCN)は、NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン(NCCN GUIDELINES(登録商標))を発表しており、それは、多種多様の癌の標準治療の詳細な最新情報を提供している (NCCN GUIDELINES(登録商標)、2014、http://www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.aspで利用可能、最終アクセス2014年5月14日)
本発明はまた、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体を用いる治療と神経膠腫の処置のための標準治療の併用療法も含む。標準治療は、抗PD−1抗体処置の前、処置中または処置後のいつでも対象に対して実行することができる。異なるタイプの癌に対する標準治療は、当業者によく知られている。例えば、全米にある主要な21の癌センターが結成した全米総合癌センターネットワーク(NCCN)は、NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン(NCCN GUIDELINES(登録商標))を発表しており、それは、多種多様の癌の標準治療の詳細な最新情報を提供している (NCCN GUIDELINES(登録商標)、2014、http://www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.aspで利用可能、最終アクセス2014年5月14日)
GBMは、腫瘍は、多くの種類の異なる細胞を含み、高度に悪性であるため、治療が困難であると広く認識されている。GBMの一次治療は、一般的に、可能な限り多くの腫瘍を除去するための外科手術であり、再発性GBMの治療の選択肢は、副作用および限定された効果を伴って困難である。一態様において、標準治療は、MRI誘導レーザアブレーションである。
一態様において、本発明の方法は、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体をベバシズマブと共に投与することを含む。ベバシズマブ (AVASTIN(登録商標))、抗血管増殖因子(VEGF)mAbは、2009年に再発性GBMの処置のために承認された。再発性GBMに対するベバシズマブの認証は、2つの単一アームの臨床治験、AVF3708gおよびNCI06−C−0064Eに基づいていた。AVF3708gは、以前に処置されたGBMを有する患者における、ベバシズマブ単独療法およびベバシズマブとイリノテカンの併用療法の効果および安全性を評価するために設計された、オープンラベル、多施設、非比較、並行群間治験であった。合計167名の患者が登録された(ベバシズマブ群に85名、ベバシズマブ+イリノテカン群に82名)。ベバシズマブの有効性は、WHO放射線安全基準に基づいて応答評価を用いて実証された。応答は、患者の25.9%(95%CI:17.0%、36.1%)で観察された。応答期間の中央値は、4.2カ月(95%CI:3.0、5.7カ月)であった。NCI06−C−0064Eは、以前に処置された神経膠腫を有する患者におけるベバシズマブのシングルアーム、単一施設、NCI支援治験であった。合計56名の高悪性度神経膠腫を有する患者がこの治験に登録された。この治験で観察された客観的応答は、AVF708gと同じ反応条件を用いて、19.6%(95%CI;10.9%、31.3%)であった。観察された応答期間の中央値は、3.9カ月(95%CI:2.4、17.4)であった (Friedman H.S. et al., J Clin Oncol 27:4733-40 (2009))。
再発の設定で用いられる、トポイソメラーゼ1阻害剤である単剤イリノテカン(CPT−11)は、15%以下の応答率を生じさせる。再発性GBMにおいて、PFS−6率は、一般的に、9%から21%の範囲であり、OS中央値は30週以下である(Friedman H.S. et al., J Clin Oncol 27:4733-40 (2009))。
高悪性度の腫瘍において、治療の選択肢はさらに、放射線単独療法、放射線と化学療法の併用療法、または放射線と化学療法の併用療法と、その後のさらなる化学療法を含む。再発性GBMの治療には、繰り返し行われた神経の外科的切除、放射線療法、化学療法および支持療法が含まれる。反復照射はより困難になり、潜在的な毒性には、脳壊死、進行性脳浮腫および永続性神経障害が含まれる(Cohen M.E. et al., Pediatr Neurol. 7(3):157-63 (1991))。このように、脳への反復照射は、再発性GBMを有する患者の少数に提供されている(Chang S.M. at al. Neurosurg Focus. 20(4):E4 Review (2006))。
ニトロソ尿素、カルボプラチン、エトポシドおよびイリノテカン、またはこれらの薬剤の組合せは、再発性GBM患者に投与される共通のサルベージ療法薬である。テモゾロミドは、GBMの処置のために一般的に使用される化学療法剤の一形態であるが、多くの薬剤を使用することができる。GBMの処置に用いられるさらなる抗癌剤には、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン[BCNU])、MGMT阻害剤(例えば、O6−ベンジルグアニン)、シスプラチン、再発性神経膠腫のためのベバシズマブ(単独で、またはイリノテカンと共に)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ)、および他の治験治療薬(例えば、遺伝子治療、ペプチドおよび樹状細胞ワクチン、合成クロロトキシン、放射性標識された薬剤および抗体)が含まれる。
医薬組成物および投与量
本発明の治療剤は、組成物、例えば、抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物で構成され得る。本明細書で用いる“薬学的に許容される担体”には、生理学的に適合する、何れかまたは全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤などが含まれる。いくつかの態様において、抗体を含む組成物用の担体は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、非経腸投与、脊髄投与または上皮投与(例えば、注射または点滴による)に適している。本発明の医薬組成物は、1以上の薬学的に許容される塩、抗酸化剤、水性および非水性担体、ならびに/または防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含み得る。
本発明の治療剤は、組成物、例えば、抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物で構成され得る。本明細書で用いる“薬学的に許容される担体”には、生理学的に適合する、何れかまたは全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤などが含まれる。いくつかの態様において、抗体を含む組成物用の担体は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、非経腸投与、脊髄投与または上皮投与(例えば、注射または点滴による)に適している。本発明の医薬組成物は、1以上の薬学的に許容される塩、抗酸化剤、水性および非水性担体、ならびに/または防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含み得る。
投与量レジメンは、最適な所望の応答、例えば、最大の治療応答および/または最小の有害作用を提供するように調整される。別の抗癌剤と組み合わせて含む抗PD−1Abの投与のために、投与量は、対象の体重1kg当たり、少なくとも約0.01から少なくとも約20mg、少なくとも約0.1から少なくとも約10mgの範囲であり得る。例えば、投与量は、体重1kg当たり、少なくとも約0.1mg、少なくとも約0.3mg、少なくとも約1mg、少なくとも約2mg、少なくとも約3mg、少なくとも約5mgまたは少なくとも約10mgであり得る。投薬スケジュールは、一般的に、Abの一般的な薬物動態学的特性に基づく持続的受容体占拠率(RO)をもたらす曝露を達成するように設計される。処置レジメンの例は、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、約1ヶ月に1回、約3から6ヶ月またはそれ以上に1回の投与を伴う。特定の態様において、ニボルマブなどの抗PD−1抗体は、対象に約2週間毎に1回投与される。他の態様において、抗体は、約3週間毎に1回投与される。投与量および投薬スケジュールは、処置経過中に変更可能である。例えば、抗PD−1単独療法のための投薬スケジュールは、以下のAbの投与を含み得る:(i)6週間サイクルで2週間毎;(ii)6投与量を4週間毎、その後3カ月毎;(iii)3週間毎;(iv)3−10mg/kgを1回、次いで、2−3週間毎に1mg/kg。いくつかの態様において、本発明の抗PD−1抗体の投与量レジメンは、静脈内投与により、体重1kg当たり、約0.3−10mg、約1−5mg、約1−3mgを含み、完全な応答または進行性疾患が確認されるまで、6週または12週までのサイクルで14から21日毎に抗体を投与する。いくつかの態様において、抗PD−1抗体は、体重に基づく用量で投与される。いくつかの態様において、抗PD−1抗体は、一定の用量で投与される。いくつかの態様において、抗PD−1抗体は、少なくとも約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mg、約420mg、約440mg、約460mg、約480mg、約500mg、または約550mgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗PD−1抗体は、240mg用量で投与される。他の態様において、抗PD−1抗体は、480mg用量で投与される。いくつかの態様において、PD−1抗体は、別の抗体と共に一定用量で投与される。いくつかの態様において、比は、PD−1抗体:第二の抗体(mg)が、少なくとも約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:15、約1:20、約1:30、約1:40、約1:50、約1:60、約1:70、約1:80、約1:90、約1:100、約1:120、約1:140、約1:160、約1:180、約1:200、約200:1、約180:1、約160:1、約140:1、約120:1、約100:1、約90:1、約80:1、約70:1、約60:1、約50:1、約40:1、約30:1、約20:1、約15:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、または約2:1mgである。
他の抗癌剤と併用されるとき、抗PD−1抗体の投与量は、単独療法用量と比較して低下させることができる。一般的に3mg/kgより低いが、0.001mg/kg未満ではないニボルマブの投与量は、治療量以下の用量である。本明細書に記載の方法に使用する抗PD−1抗体の治療量以下の用量は、0.001mg/kgより高く、3mg/kgより低い。いくつかの態様において、治療量以下の用量は、約0.001mg/kgから約1mg/kg、約0.01mg/kgから約1mg/kg、約0.1mg/kgから約1mg/kg、または約0.001mg/kgから約0.1mg/kg体重である。いくつかの態様において、治療量以下の用量は、少なくとも約0.001mg/kg、少なくとも約0.005mg/kg、少なくとも約0.01mg/kg、少なくとも約0.05mg/kg、少なくとも約0.1mg/kg、少なくとも約0.5mg/kg、または少なくとも約1.0mg/kg体重である。0.3mg/kgから10mg/kg用量のニボルマブを受容した15名の対象からの受容体占拠率データは、PD−1占拠率が、この用量範囲において用量依存的ではないことを示している。全ての用量に亘って、平均占拠率は85%(範囲、70%から97%)であり、平均プラトー占拠率は72%(範囲、59%から81%)であった。いくつかの態様において、0.3mg/kg用量は、最大の生物学的活性をもたらすのに十分な曝露を可能にし得る。
イピリムマブは、約3週間毎に1回、静脈内に少なくとも約3mg/kgの用量を、4用量で、黒色腫の処置のために承認されている。従って、特定の態様において、少なくとも約3mg/kgは、抗PD−1抗体と併用されるイピリムマブの最高の投与量であるにも関わらず、特定の態様において、イピリムマブなどの抗CTLA−4抗体は、ニボルマブと併用するとき、約2から3週間毎に少なくとも約0.3−10mg/kg体重の範囲内の用量で投与され得る。約3mg/kgを約3週間毎の承認された用量よりも顕著に低い、イピリムマブの投与量は、治療量以下の投与量とみなされる。本明細書に記載の方法で用いる抗CTLA4抗体の治療量以下の投与量は、0.001mg/kgよりも高く、3mg/kgよりも低い。いくつかの態様において、治療用以下の用量は、約0.001mg/kgから約1mg/kg、約0.01mg/kgから約1mg/kg、約0.1mg/kgから約1mg/kg、または約0.001mg/kgから約0.1mg/kg体重である。いくつかの態様において、治療用以下の用量は、少なくとも約0.001mg/kg、少なくとも約0.005mg/kg、少なくとも約0.01mg/kg、少なくとも約0.05mg/kg、少なくとも約0.1mg/kg、少なくとも約0.5mg/kg、または少なくとも約1.0mg/kg体重である。
いくつかの態様において、抗PD−1抗体の用量は、イピリムマブと併用するとき、約3mg/kgを超えない。特定の態様において、リスク便益およびPK−PD評価に基づき、使用される投与量は、少なくとも約1mg/kgの用量のニボルマブと少なくとも約3mg/kgの用量のイピリムマブの併用、少なくとも約3mg/kgの用量のニボルマブと少なくとも約1mg/kgの用量のイピリムマブの併用、または少なくとも約3mg/kgのニボルマブと少なくとも約3mg/kgのイピリムマブの組合せを含み、各々が、約2〜4週間毎に1回、約3週間毎に1回の投与頻度で投与される。特定の他の態様において、ニボルマブは、少なくとも約0.1、約0.3、約2、約3または約5mg/kgの投与量で、少なくとも約0.1、約0.3、約1、約3または約5mg/kgの投与量で投与されるイピリムマブと併用して、約2週間毎に1回、約3週間毎に1回、または約4週間毎に1回投与される。特定の態様において、ニボルマブは、少なくとも約3mg/kgの投与量で、少なくとも約1mg/kgのイピリムマブと併用して、約3週間毎に1回の投与頻度で、4用量を、投与される。
特定の態様において、抗PD−1抗体および抗CTLA−4抗体の組合せは、2、3または4回の投与のために約2または3週間毎に1回の導入期に対象に静脈内投与される。特定の態様において、ニボルマブおよびイピリムマブの組合せは、4回の投与のために約3週間毎の導入期に静脈内投与される。導入期に続いて、抗PD−1抗体のみが、処置が効果的であることが証明される限り継続して、または制御不能な毒性もしくは疾患の進行が生じるまで、約2または3週間毎に1回、少なくとも約0.1、約0.3、約1、約2、約3、約5または約10mg/kgの投与量で対象に投与される、維持期が続く。特定の態様において、ニボルマブは、少なくとも約3mg/kg体重の用量で、約2週間毎に1回、維持期中に投与される。
ニボルマブと他の抗癌剤との組合せについて、これらの薬剤は、その承認された用量で投与され得る。処置は、臨床的利益が観察される限り継続されるか、または許容できない毒性もしくは疾患の進行が生じるまで継続される。それにもかかわらず、特定の態様において、投与されるこれらの抗癌剤の投与量は、承認された投与量よりも顕著に低く、すなわち、該薬剤の治療量以下の投与量が、抗PD−1Abと組み合わせて投与される。抗PD−1抗体は、臨床治験において単独療法として最高の有効性を生じることが示されている投与量で投与され得て、例えば、約3週間毎に1回投与される約3mg/kgのニボルマブであるか(Topalian et al., 2012 N Engl J Med 366:2443-54; Topalian et al., 2012 Curr Opin Immunol 24:207-12)、または顕著に低い用量、すなわち、治療量以下の用量で投与され得る。
投与量および頻度は、対象における抗体の半減期に応じて変化する。一般的に、ヒト抗体は、最も長い半減期を示し、それにヒト化抗体、キメラ抗体および非ヒト抗体が続く。投与の投与量および頻度は、処置が予防的であるか、または治療的であるかによって変わり得る。予防的適用において、比較的低い投与量が、一般的に、長期間にわたって比較的低頻度の間隔で投与される。一部の患者は、自分たちの余命のための治療を受け続ける。治療的適用において、疾患の進行が減速または終了するまで、または、患者が、疾患の症状の部分的もしくは完全な改善を示すまで、比較的短い間隔で比較的高い用量が必要とされることがある。その後、患者は、予防的レジメンを投与され得る。
患者に過度に毒性を生じることなく、特定の患者、組成物、および投与様式に対する所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量を得るように、本発明の医薬組成物における活性成分の実際の投与量レベルを変えることができる。選択される投与量レベルは、使用される本発明の特定の組成物の活性、投与経路、投与の時間、用いる特定の化合物の排泄速度、処置の期間、用いる特定の組成物と併用される他の薬物、化合物および/または材料、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康状態および病歴、ならびに医学分野で周知の因子などを含む、種々の薬物動態学的因子によって変化し得る。本発明の組成物は、当技術分野で周知の種々の方法の1以上を使用して、1以上の投与経路を介して投与され得る。当業者によって理解されるように、投与経路および/または投与様式は、所望の結果によって変わり得る。
抗PD−1抗体および抗PD−L1抗体は、本明細書に記載の方法における使用に適している
本明細書に記載の方法における使用に適する抗PD−1抗体は、高い特異性および親和性でPD−1に結合する抗体、PD−L1および/またはPD−L2の結合を阻止する抗体、およびPD−1シグナル伝達経路の免疫抑制効果を阻害する抗体である。本明細書に記載の治療方法のいずれにおいても、抗PD−1または抗CTLA−4“抗体”は、それぞれPD−1またはCTLA−4受容体に結合する抗原結合部分もしくは断片を含み、そしてリガンド結合を阻害し、免疫系を情報制御する、全長抗体の機能的特性と同じ特性を示す。特定の態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位は、ヒトPD−1に対する結合についてニボルマブと交差競合する。他の態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位は、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒトモノクローナル抗体またはそれらの部分である。ヒト対象を処置するための特定の態様において、抗体はヒト化Abである。ヒト対象を処置するための他の態様において、抗体はヒトAbである。IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプの抗体を使用することができる。
本明細書に記載の方法における使用に適する抗PD−1抗体は、高い特異性および親和性でPD−1に結合する抗体、PD−L1および/またはPD−L2の結合を阻止する抗体、およびPD−1シグナル伝達経路の免疫抑制効果を阻害する抗体である。本明細書に記載の治療方法のいずれにおいても、抗PD−1または抗CTLA−4“抗体”は、それぞれPD−1またはCTLA−4受容体に結合する抗原結合部分もしくは断片を含み、そしてリガンド結合を阻害し、免疫系を情報制御する、全長抗体の機能的特性と同じ特性を示す。特定の態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位は、ヒトPD−1に対する結合についてニボルマブと交差競合する。他の態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位は、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒトモノクローナル抗体またはそれらの部分である。ヒト対象を処置するための特定の態様において、抗体はヒト化Abである。ヒト対象を処置するための他の態様において、抗体はヒトAbである。IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプの抗体を使用することができる。
抗PD−1および抗PD−L1は、同じシグナル伝達経路を標的とし、種々の癌において同様の効力レベルを示すことが臨床治験で示されているため(Brahmer et al., 2012 N Engl J Med 366:2455-65; Topalian et al., 2012a N Engl J Med 366:2443-54; WO 2013/173223を参照のこと)、抗PD−L1抗体は、本明細書に記載の治療法のいずれかにおいて、抗PD−1抗体の代わりに使用可能である。特定の態様において、抗PD−L1抗体はBMS−936559である(以前は、12A4またはMDX-1105と言われた) (例えば、米国特許第7,943,743号; WO 2013/173223を参照のこと)。他の態様において、抗PD−L1抗体は、MPDL3280A(RG7446としても公知)(例えば、Herbst et al. 2013 J Clin Oncol 31(suppl):3000; 米国特許第8,217,149号を参照のこと)またはMEDI4736(Khleif, 2013, In: Proceedings from the European Cancer Congress 2013; September 27-October 1, 2013; Amsterdam、The Netherlands. Abstract 802)である。
神経膠腫を処置するための抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体と抗CTLA−4抗体との組合せ
抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および抗細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)抗体、すなわち、CTLA−4に特異的に結合し、そのCTLA−4活性を阻害する抗体またはその抗原結合部位を投与することを含む、神経膠腫の処置法もまた本明細書に記載される。抗PD−1Ab、ニボルマブ、および抗CTLA−4Ab、イピリムマブの組合せは、膠芽腫患者において早期の耐久性のある抗腫瘍活性を生じることが、本明細書において実証されている(実施例1、6、7および8を参照のこと)。従って、特定の態様において、抗PD−1抗体と併用される抗CTLA−4抗体はイピリムマブである。いくつかの態様において、抗CTLA−4抗体はトレメリムマブである。特定の他の態様において、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位は、キメラ、ヒト化またはヒトmAbまたはそれらの部分である。さらに他の態様において、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位は、ヒトIgG1またはIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、抗CTLA−4抗体は、ヒトIgG1アイソタイプの重鎖定常領域を含む。
抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および抗細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)抗体、すなわち、CTLA−4に特異的に結合し、そのCTLA−4活性を阻害する抗体またはその抗原結合部位を投与することを含む、神経膠腫の処置法もまた本明細書に記載される。抗PD−1Ab、ニボルマブ、および抗CTLA−4Ab、イピリムマブの組合せは、膠芽腫患者において早期の耐久性のある抗腫瘍活性を生じることが、本明細書において実証されている(実施例1、6、7および8を参照のこと)。従って、特定の態様において、抗PD−1抗体と併用される抗CTLA−4抗体はイピリムマブである。いくつかの態様において、抗CTLA−4抗体はトレメリムマブである。特定の他の態様において、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位は、キメラ、ヒト化またはヒトmAbまたはそれらの部分である。さらに他の態様において、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位は、ヒトIgG1またはIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、抗CTLA−4抗体は、ヒトIgG1アイソタイプの重鎖定常領域を含む。
抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および抗CTLA−4Abの組合せについて、投薬レジメンは、抗PD−1または抗PD−L1抗体および抗CTLA−4Abの組合せ用量を、1回以上、2回以上、3回以上または4回以上患者に投与する導入期間(本明細書中、導入期とも言う)に続いて、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体のみの用量、すなわち、抗CTLA−4抗体を含まない用量を投与することを含む維持期間または維持期が続く。特定の態様において、この方法は、(a)抗PD−1または抗PD−L1および抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部分を組み合わせて2、4、6、8または10用量を投与し、各用量が少なくとも約0.1から少なくとも約10.0mg/kg体重の範囲で、少なくとも約2週間毎に1回、約3週間毎に1回、または約4週間毎に1回投与する、導入期、次いで(b)抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が投与されず、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位が、約0.1から約10mg/kgの範囲の用量で、少なくとも約2週間毎に1回、約3週間毎に1回、または約4週間毎に1回繰り返し投与される、維持期、を含む。
特定の態様において、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位は、治療用以下の用量で投与される。特定の他の態様において、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位は、治療用以下の用量で投与される。さらなる態様において、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位および抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位の両方は、それぞれ治療用以下の用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位および/または抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位は、治療用量で投与される。
特定の態様において、(a)導入期は、3週間間隔で少なくとも4用量の投与を含み、ここで、抗PD−1および抗CTLA−4Abは、以下の投与量で投与される:(i)少なくとも約1mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約3mg/kgの抗CTLA−4Ab;(ii)少なくとも約3mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約3mg/kgの抗CTLA−4Ab;(iii)少なくとも約1mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約3mg/kgの抗CTLA−4Ab;(iv)少なくとも約3mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約3mg/kgの抗CTLA−4Ab;(v)少なくとも約1mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約1mg/kgの抗CTLA−4Ab;(vi)少なくとも約2mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約3mg/kgの抗CTLA−4Ab;(vii)少なくとも約3mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約2mg/kgの抗CTLA−4Ab;(viii)少なくとも約4mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約1mg/kgの抗CTLA−4Ab;(ix)少なくとも約5mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約1mg/kgの抗CTLA−4Ab;(x)少なくとも約5mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約1mg/kgの抗CTLA−4Ab;(xi)少なくとも約6mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約1mg/kgの抗CTLA−4Ab;または、(xii)少なくとも約10mg/kgの抗PD−1抗体および少なくとも約1mg/kgの抗CTLA−4Ab、そして(b)維持期は、少なくとも約3mg/kg用量の抗PD−1抗体を、約2週間に1回、繰り返して投与することを含む。
免疫チェックポイントの阻害による免疫療法で以前に実証された臨床効果の持続性のために(例えば、WO2013/173223を参照のこと)、維持期は、代替態様において、有限数の用量、例えば、1−10用量を含んでいてよく、または長い間隔で、例えば、約3−6カ月毎に1回または約1−2年もしくはそれ以上の間隔で1回の投与を伴い得る。維持期は、臨床的利益が観察される限り、または制御不能な毒性もしくは疾患の進行が生じるまで、継続され得る。
過去12週間に投与されたイピリムマブが黒色腫の臨床的利益に寄与しているかどうかの不確実性、および米国食品医薬品局(FDA)−および欧州医薬品局(EMA)−が、YERVOY(登録商標)について承認したスケジュールが、3週間毎の全4用量の投与であるという事実を考慮して、ある態様において、抗CTLA−4抗体は、約3週間毎に1回、全部で4用量が、導入期に投与される。従って、特定の態様において、方法は、(a)3週間間隔で投与される4種の組合せからなる導入期、ここで(i)抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、少なくとも約3mg/kg体重の用量で投与され、そして抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、少なくとも約1mg/kg体重の用量で投与される;(ii)抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、少なくとも約1mg/kg体重の用量で投与され、そして抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、少なくとも約3mg/kg体重の用量で投与される;(iii)抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、少なくとも約1mg/kg体重の用量で投与され、そして抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、少なくとも約1mg/kg体重の用量で投与される;または、(iv)抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、少なくとも約3mg/kg体重の用量で投与され、そして抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、少なくとも約3mg/kg体重の用量で投与される;ならびに、(b)抗PD−1抗体またはその抗原結合部位を少なくとも約3mg/kgの用量で約2週間毎に1回反復投与することを含む、維持期、を含む。これらの方法のさらなる態様において、維持期は、臨床的利益が観察される限り、または許容できない、もしくは制御不能な毒性もしくは疾患の進行が生じるまで、継続される。
特定の態様において、方法は、(a)3週間間隔で投与される4つの組合せ用量からなる、導入期、ここで、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位は、少なくとも約3mg/kg体重の用量で投与され、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位は、少なくとも約1mg/kg体重の用量で投与される;および、(b)抗PD−1抗体またはその抗原結合部位を、少なくとも約3mg/kgの用量で、約2週間毎に1回反復投与することを含む、維持期、を含む。
一般的に、抗PD−1または抗PD−L1および抗CTLA−4Abは、静脈内投与用に製剤される。他の態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および/または抗CTLA抗体は、中枢神経系への直接投与のために製剤される。いくつかの態様において、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位および抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位の組合せは、単一組成物または別個の組成物として、同時に投与される。いくつかの態様において、抗PD−1または抗PD−L1および抗CTLA−4Abは、連続して投与される。いくつかの態様において、抗PD−1または抗PD−L1および抗CTLA−4Abは、導入期中に連続して投与される。特定の態様において、抗PD−1または抗PD−L1および抗CTLA−4Abが組み合わせて投与されるとき、それらは、互いに30分以内に投与される。いずれかの抗体が最初に投与され得て、すなわち、特定の態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体が投与され、その後抗CTLA−4Abが投与されるか、一方、他の態様において、抗CTLA−4抗体が投与され、その後抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体が投与される。一般的に、各抗体は、静脈内点滴によって60分かけて投与される。特定の態様において、抗PD−1または抗PD−L1および抗CTLA−4Abは、同時に投与するために薬学的に許容される製剤中の単一組成物として混合されて投与されるか、または別々の組成物として、薬学的に許容される製剤中の各抗体と同時に投与される
本発明の方法の特定の態様は、(a)静脈内点滴によるニボルマブの投与、次いで4組合せ用量のための3週間毎の静脈内点滴によるイピリムマブの投与からなる、導入期、その後の(b)4回目の導入療法投与の3週間後から開始する、または治療の遅延のために4回目の導入療法の投与が投与されていない場合は、113日後に開始する、2週間毎の静脈内点滴によって投与されるニボルマブによる維持用量投与、を含む。
キット
治療用途のための抗PD−1抗体および別の抗癌剤を含むキットもまた、本発明の範囲内である。キットは、一般的に、キットの内容物の意図される使用を示すラベルおよび使用説明書を含む。ラベルには、キットに供給される、またはキットに添付されている書面または記録物が含まれる。用語“ラベル”には、キット上もしくはキットと共に提供される、またはそれ以外の場合、キットに添付されている、書面または記録された資料を含む。従って、本発明は、神経膠腫に罹患している対象を処置するためのキットであって、以下を含むキットを提供する:(a)少なくとも約4mgから少なくとも約500mgの範囲の量の抗PD−1抗体またはその抗原結合部位;または、(b)本明細書に記載の別の抗癌剤の量、および(c)本明細書に記載の併用治療法のいずれかにおける、抗PD−1抗体および他の抗癌剤の使用のための指示書。特定の態様において、抗PD−1Ab、抗CTLA−4抗体および/または他の抗癌剤は、単位投与形態で共にパッケージングされてよい。ヒト患者の処置のための特定の態様において、キットは、本明細書に記載の抗ヒトPD−1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、MEDI0608(以前はAMP−514)、AMP−224、またはBGB−A317を含む。他の態様において、キットは、本明細書に記載の抗ヒトCTLA−4抗体、例えば、イピリムマブまたはトレメリムマブを含む。
治療用途のための抗PD−1抗体および別の抗癌剤を含むキットもまた、本発明の範囲内である。キットは、一般的に、キットの内容物の意図される使用を示すラベルおよび使用説明書を含む。ラベルには、キットに供給される、またはキットに添付されている書面または記録物が含まれる。用語“ラベル”には、キット上もしくはキットと共に提供される、またはそれ以外の場合、キットに添付されている、書面または記録された資料を含む。従って、本発明は、神経膠腫に罹患している対象を処置するためのキットであって、以下を含むキットを提供する:(a)少なくとも約4mgから少なくとも約500mgの範囲の量の抗PD−1抗体またはその抗原結合部位;または、(b)本明細書に記載の別の抗癌剤の量、および(c)本明細書に記載の併用治療法のいずれかにおける、抗PD−1抗体および他の抗癌剤の使用のための指示書。特定の態様において、抗PD−1Ab、抗CTLA−4抗体および/または他の抗癌剤は、単位投与形態で共にパッケージングされてよい。ヒト患者の処置のための特定の態様において、キットは、本明細書に記載の抗ヒトPD−1抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、MEDI0608(以前はAMP−514)、AMP−224、またはBGB−A317を含む。他の態様において、キットは、本明細書に記載の抗ヒトCTLA−4抗体、例えば、イピリムマブまたはトレメリムマブを含む。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、それらはさらなる限定を構成するものではない。本願を通して引用される全ての引用文献の内容は、引用により本明細書中に明示的に包含される。
実施例
実施例1
再発性GBMを有する成人対象における、イピリムマブと併用したニボルマブ対ベバシズマブの無作為化第3相オープンラベル治験およびイピリムマブと併用したニボルマブまたはニボルマブの安全性治験
本治験(治験)の目的は、1)安全性リードイン群(コホート1、1b)において再発性GBMと診断された対象における、イピリムマブと組み合わせたニボルマブおよびニボルマブの安全性および耐容性を評価すること;および、2)無作為治験(コホート2)において再発性GBMと診断された対象における、ニボルマブ対標準治療剤(ベバシズマブ)の安全性、耐容性および有効性を評価すること、である。
実施例1
再発性GBMを有する成人対象における、イピリムマブと併用したニボルマブ対ベバシズマブの無作為化第3相オープンラベル治験およびイピリムマブと併用したニボルマブまたはニボルマブの安全性治験
本治験(治験)の目的は、1)安全性リードイン群(コホート1、1b)において再発性GBMと診断された対象における、イピリムマブと組み合わせたニボルマブおよびニボルマブの安全性および耐容性を評価すること;および、2)無作為治験(コホート2)において再発性GBMと診断された対象における、ニボルマブ対標準治療剤(ベバシズマブ)の安全性、耐容性および有効性を評価すること、である。
これは、再発性GBMの対象における免疫チェックポイント阻害剤を標的とするモノクローナル抗体を治験する最初の治験である。ニボルマブ単独療法およびニボルマブとイピリムマブの併用療法が許容されるのを確実にするため、2種の異なる処置レジメンの耐容性を評価する安全性リードインコホート(コホート1、1b)を、処置群をコホート2に進める前に、開始した。コホート1は、2週間毎に3mg/kgを投与されるニボルマブ単独療法または3週間毎にニボルマブ1mg/kg+イピリムマブ3mg/kgの4回投与、その後2週間毎のニボルマブ3mg/kgの投与の安全性および耐容性を無作為化して治験した。コホート1bは、無作為化されていない方法で、ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kgを3週間毎に4回投与、その後ニボルマブ3mg/kgを2週間毎に投与の安全性および耐容性を治験した。
コホート1におけるニボルマブ単独療法による処置は、プロトコールで予め定められた安全性および耐容性プロファイルを満たし(対象の3分の1未満が、4回の投与を受容する前に処置関連の有害事象により永続的な中断を必要とした)、ニボルマブ単独療法対ベバシズマブを比較するための無作為化された治験部分であるコホート2へ進んだ。併用療法の投与レジメンの評価がコホート1およびコホート1bで進行中であるため、コホート2は、ニボルマブ単独療法対ベバシズマブを評価するように設計された。コホート1およびコホート1bから無作為化治験に進むための適当な組み合わせ投与を選択するのに十分なデータが得られれば、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性の評価を別々に評価することができる。
コホート2におけるニボルマブ投与は、コホート1からの再発性GBMの対象における予備的臨床治験に基づく。ニボルマブ群の対象は、3mg/kgを2週間毎に受容し、ベバシズマブ群の対象は、10mg/kgを2週間毎に投与される。対象は、腫瘍の進行、許容できない毒性、または本明細書に記載されている他の中止基準のいずれかが最初に確認されるまで、治験薬の受容を継続し得る。治療を中止すると、対象は、フォローアップ期に入り、全体の生存に関する情報を収集する。
本治験はまた、無増悪生存率、客観的奏功率、疾患進行のバイオマーカー、および健康成果に関するデータを提供する4回目の投与を完了する前に治療関連の有害事象によりニボルマブ+イピリムマブを中止した併用群の対象は、治験実施者の事前承認を得て2週間毎に3mg/kgのニボルマブ投与を開始し得る。
方法
治験デザイン
ニボルマブ単独療法対ベバシズマブの、無作為化、オープンラベル、多施設、第3相治験ならびにニボルマブおよびニボルマブとイピリムマブとの併用の安全性治験を、放射線療法およびテモゾロミド処置後のGBMの最初の再発を伴う成人(18歳以上)の対象に行った。ニボルマブおよびイピリムマブの使用は、GBMの対象で以前に治験されていないため、2つの処置群のそれぞれに約10名の対象からなる安全性リードイン(コホート1)を、登録し、それぞれN群(ニボルマブ単独療法)またはN+I群(ニボルマブとイピリムマブの併用)での処置に無作為化した。処置群の全ての対象が4回の投与を完了した後、または4回の投与を完了する前に投与を中止した後に、該群の耐容性および安全性を決定する。コホート1の安全性評価は、本明細書に記載の基準に基づいて各群について実施される。コホート1の治験デザインを図1にまとめる。
治験デザイン
ニボルマブ単独療法対ベバシズマブの、無作為化、オープンラベル、多施設、第3相治験ならびにニボルマブおよびニボルマブとイピリムマブとの併用の安全性治験を、放射線療法およびテモゾロミド処置後のGBMの最初の再発を伴う成人(18歳以上)の対象に行った。ニボルマブおよびイピリムマブの使用は、GBMの対象で以前に治験されていないため、2つの処置群のそれぞれに約10名の対象からなる安全性リードイン(コホート1)を、登録し、それぞれN群(ニボルマブ単独療法)またはN+I群(ニボルマブとイピリムマブの併用)での処置に無作為化した。処置群の全ての対象が4回の投与を完了した後、または4回の投与を完了する前に投与を中止した後に、該群の耐容性および安全性を決定する。コホート1の安全性評価は、本明細書に記載の基準に基づいて各群について実施される。コホート1の治験デザインを図1にまとめる。
併用療法の予備安全性および耐容性をよりよく特徴付けるために、別の投与レジメンを評価するための追加の非無作為化安全性コホート(コホート1b)を、併用療法(ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kgを3週間毎に4サイクル、その後ニボルマブ3mg/kgを投与)について開始する。コホート1bの治験デザインを図2にまとめる。ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性の評価は別々に評価される。コホート1およびコホート1bにおける併用療法で処置された対象からの情報は、GBMの対象における将来の治験のための用量選択の基礎を提供する。
コホート2への登録は、安全性リードインの安全性および耐容性が評価され、かつ何れの処置群(N群および/またはN+I群)が治験され得るかに関する決定後に開始されるよう設計される。コホート1におけるニボルマブ単独療法での処置は、プロトコールで予め定められた安全性および耐容性プロファイルを満たし(対象の3分の1未満が、4回の投与を受容する前に処置関連の有害事象により永続的な中断を必要とした)、ニボルマブ単独療法対ベバシズマブを比較するための無作為化された治験部分であるコホート2へ進んだ。コホート2の治験デザインを図3にまとめる。併用療法の第2回投与レジメンの評価は継続中であるため、この治験の無作為化部分(コホート2)は、ニボルマブ単独療法対ベバシズマブに限定される。コホート1およびコホート1bから無作為化治験に進むための適当な組み合わせ投与(ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kgまたはニボルマブ1mg/kg+イピリムマブ3mg/kgのいずれか)を選択するのに十分なデータが得られれば、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性の評価を別々に評価することができる。
コホート1、1b、および2における全ての対象は、安全性および耐容性、腫瘍の進行および全生存期間について追跡調査が継続され得る。腫瘍の進行または応答のエンドポイントは、本明細書に記載の神経腫瘍学基準の放射線学的評価(RANO)を用いて評価される。治験薬による処置は、本明細書に記載の腫瘍の進行、許容できない毒性、または他の中止基準のいずれかが最初に確認されるまで続けられた。
治験フェーズ
本治験は、3つの期間(フェーズ):スクリーニング、処置(コホート1、1bおよびコホート2)、およびフォローアップを含む。
本治験は、3つの期間(フェーズ):スクリーニング、処置(コホート1、1bおよびコホート2)、およびフォローアップを含む。
スクリーニングフェーズ−スクリーニング期間は、対象の最初の適格性およびインフォームド・コンセント形式(ICF)の署名によって確立される。対象は、対話型音声応答システム(IVRS)を用いて登録される。
処置フェーズ−処置フェーズは、IVRSへの無作為化の電話から始まる。コホート1およびコホート2の対象は、治験コホートに基づいて処置群の1つに無作為に割り当てられる。コホート1bの対象は、N+I_1b群に割り当てられる。処置の割り当てから3事業日以内に、対象は第1回の治験薬投与を受ける。N群(ニボルマブ単独療法)は、2週間毎にニボルマブ3mg/kgを静脈内投与される。N+I群(ニボルマブ+イピリムマブ)は、3週間毎に4回、ニボルマブ1mg/kgとイピリムマブ3mg/kgを併用して静脈内投与され、その後、2週間毎にニボルマブ3mg/kgを静脈内投与される(コホート1のみ)。N+I_1b群(ニボルマブ+イピリムマブ)は、3週間毎に4回、イピリムマブ1mg/kgと併用してニボルマブ3mg/kgを静脈内投与され、その後、2週間毎にニボルマブ3mg/kgを静脈内投与される(コホート1bのみ)。B群(ベバシズマブ)コホート2は、2週間毎に10mg/kgのベバシズマブを受容し得る。治験中の各外来診時に、有害事象の評価が記録される。EORTC QLQ−C30およびBNS20およびEQ−5Dを用いるQOL(Quality of Life)評価は、第1週目の1日目に完了する。
鑑別を伴うCBC、LDH、AST、ALT、ALP、T.Bili、BUNまたは血清尿素レベル、クレアチニン、Ca、Mg、Na、K、Cl、グルコース、アミラーゼ、リパーゼ、TSH、再帰性(reflexive)遊離T4および遊離T3を含むが、これらに限定されない、ラボテスト値およびバイタルサインの全てを、治験薬投与の前に集める。PK、免疫原性、およびバイオマーカー血液サンプルも集める。治験薬の投与は、ある場合には、毒性のために遅れる。処置を受けた対象を、治験医により応答およびRANO基準に従って評価する。腫瘍の評価は、初回投与後6週目(±1週)の終わりから、12週目(±1週)の終わりから、始め、疾患の進行または処置の中止のいずれかが生じる後まで8週間(±1週)毎に継続して行う。処置を受けた対象を、治験医により、およびNANOスケール(コホート2のみ)に従って、神経機能について評価する。評価は、初回投与後第6週(±1週)の終わりから、第12週(±1週)の終わりから、開始し、疾患の進行または処置の中止のいずれかが生じる後まで8週間(±1週)毎に継続して行う。処置を受けた対象を、治験医により、およびCogstate評価(コホート2のみ)に従って、神経認知機能について評価する。評価を、スクリーニング期、第1週、第13週、第21週、第45週、第69週、および処置の中止(以前のCogstate評価から4週間以内の場合)で実施する。
処置フェーズは、対象が、腫瘍進行、許容できない毒性、または他の中断基準のいずれかが生じたことが最初に確認されたときに終了する。
フォローアップフェーズ−フォローアップフェーズは、対象の治験薬療法を中止する決定が下されたときに開始される(治験でのさらなる処置なし)。2回のフォローアップ外来診には、PK/免疫原性サンプルの採取が含まれ、QOLについてのアンケートが完了している。腫瘍の進行以外の理由で処置を中止した対象は、腫瘍評価を、初回投与後第6週(±1週)の終わりから、第12週(±1週)の終わりから、開始し、疾患の進行または同意の撤回まで8週間(±1週)毎に継続する。全ての放射線学的に決定された疾患の進行を、放射線学的進行の最初の評価の約12週間後に、追加の確認的MRIスキャンによって確認する。治験医は、医学的に適当なように12週間前に追加のフォローアップMRIスキャンを得る。対象は、薬物関連毒性について、これらの毒性が解消され、ベースラインに戻り、または再発なしとみなされるまで、追跡される。すべての有害事象は、最終投与後、最低100日間記録される。最初の2回のフォローアップ外来診の完了後、対象は生存について3ヶ月ごとに追跡される。
治験集団
治験集団には、WHOグレードIV悪性神経膠腫(GBMまたは神経膠肉腫)の組織学的に確認された診断を有する18歳以上の対象が含まれる。この集団には、少なくとも放射線療法およびテモゾロミドを用いる第一次処置を受けた対象が含まれる。RANO基準毎の無作為化の21日以内に実施された診断生検または造影増強MRIによってGBMの最初の再発が記録された対照を、治験集団として選択する。
治験集団には、WHOグレードIV悪性神経膠腫(GBMまたは神経膠肉腫)の組織学的に確認された診断を有する18歳以上の対象が含まれる。この集団には、少なくとも放射線療法およびテモゾロミドを用いる第一次処置を受けた対象が含まれる。RANO基準毎の無作為化の21日以内に実施された診断生検または造影増強MRIによってGBMの最初の再発が記録された対照を、治験集団として選択する。
GBMの再発がMRIによって最初に記録された場合、以前の放射線療法の終了後少なくとも12週間の間隔が、以下の何れかがある場合に必要とされる:i)再発性腫瘍の組織病理学的確認、またはii)放射線療法処置フィールドの外側のMRIにおける新たな造影増強。全ての対象は、無作為化の前に外科的切除を行った後、少なくとも28日間待って、完全な回復(すなわち、進行中の安全性の問題がない)を示す必要がある。対象は、GBMに対する他の処置の最後の投与から少なくとも4週間待つ。対象は、70以上のKarnofskyのパフォーマンスステータスを有し、少なくとも12週間の平均余命を有することが必要である。
コホート1または1bに参加するには、対象は、以下の基準を満たす無作為化の前に、少なくとも1つの測定可能なGBM病変を有することが必要である:i)コントラスト増強および明確に定義された2次元的に測定可能なマージン(margin)、およびii)>10mm × >10mmを測定する少なくとも2つの垂直直径。MRI測定には、手術腔、嚢胞、または壊死領域は含まれない。
対象は、GBMの処置のための薬物または他の治験薬(すなわち、化学療法、ホルモン療法、免疫療法、放射線療法)およびベバシズマブ処置との禁忌薬との同時処置を禁じられる。
対象は、GBMの1回以上の再発を有するか、頭蓋外転移性または骨髄性疾患を有するか、または二次的GBM(すなわち、低悪性度の拡散性星状細胞腫または未分化星状細胞腫から進行するGBM)と診断された場合、この治験から除外される。B型肝炎ウイルス表面抗原(HBV sAg)が陽性の対象、急性もしくは慢性感染を示す検出可能なC型肝炎ウイルスリボ核酸(HCV RNA)、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)もしくは後天性免疫不全症候群(AIDS)について陽性であることが判明している既知の病歴を有する対象もまた、この治験からも除外される。
加えて、対象は、以下のいずれかの理由により除外される:
a)治験医の意見において、治験参加または治験薬投与に伴うリスクを増大させ得る、プロトコール治療を受ける対象の能力を害し得る、または治験結果の解釈を妨害し得る、重大なまたは制御されない医学的障害
b)アクティブな、既知の、または疑いのある自己免疫疾患を有する対象。白斑症、I型真性糖尿病、ホルモン補充のみを必要とする自己免疫状態による後遺症としての甲状腺機能低下症、慢性および全身性免疫抑制処置を必要としない乾癬、または外部誘発因子がない場合に再発が予想されない状態を有する対象が、登録可能であった;
c)標準放射線療法(すなわち、局所照射性放射線(focally directed radiation))以外のものを用いる従来の放射線療法;
d)無作為化で疾患を制御するためにコルチコステロイドの漸増または慢性超生理学的用量を必要とする対象は除外される;
e)一次治療として、無作為化の少なくとも6ヶ月前に投与された場合を除いて、カルムスチンを成分としたウエハーによる以前の処置;
f)以前のベバシズマブまたは他のVEGFもしくは抗血管形成処置剤(コホート2のみ);
g)PD−1またはCTLA−4標的治療による以前の処置;
h)ベースラインMRIスキャンにおけるグレード1以上のCNS出血の証拠;
i)最初の治験薬処置の28日以内に不十分に制御された高血圧(収縮期血圧>150mmHgおよび/または拡張期血圧>100mmHgとして定義される);
j)高血圧の危機、高血圧性脳症、可逆性後部白質脳症症候群(RPLS)の既往歴;
k)消化管憩室炎、穿孔、または膿瘍の既往歴;
l)臨床的に有意な(すなわち、アクティブな)心血管疾患、例えば、治験登録前6ヶ月未満の脳血管梗塞、治験登録前6ヶ月未満の心筋梗塞、不安定狭心症、ニューヨーク心臓協会(NYHA)グレードIIまたはそれ以上のうっ血性心不全、または投薬によって制御されないか、もしくはプロトコール処置を潜在的に妨害する重篤な心臓不整脈;
m)投薬によって適切に制御されない場合、またはプロトコール処置を潜在的に妨害しない限り、癌に無関係の中枢神経系疾患(例えば、発作)の身体/神経学的検査の病歴または証拠;
n)治験開始前6ヶ月以内での顕著な血管疾患(例えば、外科的修復を必要とする大動脈瘤または最近の動脈血栓症)。以前の静脈血栓塞栓症>NCI CTCAEグレード3;
o)無作為化の1ヶ月以内での、肺グレード2以上の出血/喀血(エピソード当たり2.5mL以上の鮮血として定義される)の病歴;
p)出血の危険性がある(すなわち、治療上の抗凝固作用がない)、遺伝性の出血性素質または重大な凝固障害の病歴または証拠;
q)治験医の意見では、対象が出血の重大な危険に曝される、現在または最近(治験登録の10日以内)の、抗凝血剤の使用。抗凝血剤の予防的使用は認められた。
r)最初の治験処置の28日前に外科的手順(開腹生検、外科的切除、創傷修復(wound revision)、または体腔への侵入を伴う他の大手術)または重大な外傷性傷害、または治験中の大手術の必要性の予測;
s)軽度の外科的処置(例えば、最初の治験処置の7日以内の定位生検;最初の治験処置の2日以内の血管アクセス装置の配置);
t)無作為化前6ヶ月以内の頭蓋内膿瘍の病歴;
u)無作為化前6ヶ月以内の活動性消化管出血の病歴;
v)重篤で治癒しない創傷、活動性潰瘍、または未処置の骨折;および/または
w)不可能である(例えば、ペースメーカまたはICD装置などの既存の医学的状態のために)か、または頭部造影増強MRIを有することを望まない対象。
a)治験医の意見において、治験参加または治験薬投与に伴うリスクを増大させ得る、プロトコール治療を受ける対象の能力を害し得る、または治験結果の解釈を妨害し得る、重大なまたは制御されない医学的障害
b)アクティブな、既知の、または疑いのある自己免疫疾患を有する対象。白斑症、I型真性糖尿病、ホルモン補充のみを必要とする自己免疫状態による後遺症としての甲状腺機能低下症、慢性および全身性免疫抑制処置を必要としない乾癬、または外部誘発因子がない場合に再発が予想されない状態を有する対象が、登録可能であった;
c)標準放射線療法(すなわち、局所照射性放射線(focally directed radiation))以外のものを用いる従来の放射線療法;
d)無作為化で疾患を制御するためにコルチコステロイドの漸増または慢性超生理学的用量を必要とする対象は除外される;
e)一次治療として、無作為化の少なくとも6ヶ月前に投与された場合を除いて、カルムスチンを成分としたウエハーによる以前の処置;
f)以前のベバシズマブまたは他のVEGFもしくは抗血管形成処置剤(コホート2のみ);
g)PD−1またはCTLA−4標的治療による以前の処置;
h)ベースラインMRIスキャンにおけるグレード1以上のCNS出血の証拠;
i)最初の治験薬処置の28日以内に不十分に制御された高血圧(収縮期血圧>150mmHgおよび/または拡張期血圧>100mmHgとして定義される);
j)高血圧の危機、高血圧性脳症、可逆性後部白質脳症症候群(RPLS)の既往歴;
k)消化管憩室炎、穿孔、または膿瘍の既往歴;
l)臨床的に有意な(すなわち、アクティブな)心血管疾患、例えば、治験登録前6ヶ月未満の脳血管梗塞、治験登録前6ヶ月未満の心筋梗塞、不安定狭心症、ニューヨーク心臓協会(NYHA)グレードIIまたはそれ以上のうっ血性心不全、または投薬によって制御されないか、もしくはプロトコール処置を潜在的に妨害する重篤な心臓不整脈;
m)投薬によって適切に制御されない場合、またはプロトコール処置を潜在的に妨害しない限り、癌に無関係の中枢神経系疾患(例えば、発作)の身体/神経学的検査の病歴または証拠;
n)治験開始前6ヶ月以内での顕著な血管疾患(例えば、外科的修復を必要とする大動脈瘤または最近の動脈血栓症)。以前の静脈血栓塞栓症>NCI CTCAEグレード3;
o)無作為化の1ヶ月以内での、肺グレード2以上の出血/喀血(エピソード当たり2.5mL以上の鮮血として定義される)の病歴;
p)出血の危険性がある(すなわち、治療上の抗凝固作用がない)、遺伝性の出血性素質または重大な凝固障害の病歴または証拠;
q)治験医の意見では、対象が出血の重大な危険に曝される、現在または最近(治験登録の10日以内)の、抗凝血剤の使用。抗凝血剤の予防的使用は認められた。
r)最初の治験処置の28日前に外科的手順(開腹生検、外科的切除、創傷修復(wound revision)、または体腔への侵入を伴う他の大手術)または重大な外傷性傷害、または治験中の大手術の必要性の予測;
s)軽度の外科的処置(例えば、最初の治験処置の7日以内の定位生検;最初の治験処置の2日以内の血管アクセス装置の配置);
t)無作為化前6ヶ月以内の頭蓋内膿瘍の病歴;
u)無作為化前6ヶ月以内の活動性消化管出血の病歴;
v)重篤で治癒しない創傷、活動性潰瘍、または未処置の骨折;および/または
w)不可能である(例えば、ペースメーカまたはICD装置などの既存の医学的状態のために)か、または頭部造影増強MRIを有することを望まない対象。
中止基準
ニボルマブおよび/またはイピリムマブでの処置は、局所療法に応答せず、再処置期間OR内にグレード1の重症度に改善しないグレード2の薬物関連ブドウ膜炎または眼の痛みまたは視力障害が全身処置を必要とする場合、永続的に中断されなければならない。グレード3の非皮膚、薬物関連有害事象(薬物関連のラボラトリー異常、ブドウ膜炎、肺炎、気管支痙攣、下痢、大腸炎、神経毒性、過敏性反応、および輸注反応を除く)が7日以上続く場合も、処置が中止される:
(a)任意の期間の、グレード3の薬物関連ブドウ膜炎、肺炎、気管支痙攣、下痢、大腸炎、神経毒性、過敏症反応、または輸注反応は中止を要する。
(b)グレード3の薬物関連検査値異常は、以下を除いて、処置の中止を必要としない:
(i)7日以上のグレード3の薬物関連血小板減少症またはそれに関連する出血は、中止を必要とする
(ii)次の基準を満たす薬物関連肝機能検査(LFT)の異常は、中止を必要とする:
・ASTまたはALT>8×ULN
・総ビリルビン>5×ULN
・同時の、ASTまたはALT>3×ULNおよび総ビリルビン>2×ULN。
ニボルマブおよび/またはイピリムマブでの処置は、局所療法に応答せず、再処置期間OR内にグレード1の重症度に改善しないグレード2の薬物関連ブドウ膜炎または眼の痛みまたは視力障害が全身処置を必要とする場合、永続的に中断されなければならない。グレード3の非皮膚、薬物関連有害事象(薬物関連のラボラトリー異常、ブドウ膜炎、肺炎、気管支痙攣、下痢、大腸炎、神経毒性、過敏性反応、および輸注反応を除く)が7日以上続く場合も、処置が中止される:
(a)任意の期間の、グレード3の薬物関連ブドウ膜炎、肺炎、気管支痙攣、下痢、大腸炎、神経毒性、過敏症反応、または輸注反応は中止を要する。
(b)グレード3の薬物関連検査値異常は、以下を除いて、処置の中止を必要としない:
(i)7日以上のグレード3の薬物関連血小板減少症またはそれに関連する出血は、中止を必要とする
(ii)次の基準を満たす薬物関連肝機能検査(LFT)の異常は、中止を必要とする:
・ASTまたはALT>8×ULN
・総ビリルビン>5×ULN
・同時の、ASTまたはALT>3×ULNおよび総ビリルビン>2×ULN。
中止を必要としない以下の事象を除いて、いずれかのグレード4の薬物関連有害事象または検査値異常がある場合もまた、処置を中止し得る:
(a)膵炎の症状または臨床症状と関連していないグレード4のアミラーゼまたはリパーゼ異常。グレード4のアミラーゼまたはリパーゼ異常については、BMS医療モニターに相談することをお勧めする。
(b)臨床後遺症に関連しておらず、発症の72時間以内に補充処置/適切な処置で是正された、独立したグレード4の電解質の不均衡/異常。
(a)膵炎の症状または臨床症状と関連していないグレード4のアミラーゼまたはリパーゼ異常。グレード4のアミラーゼまたはリパーゼ異常については、BMS医療モニターに相談することをお勧めする。
(b)臨床後遺症に関連しておらず、発症の72時間以内に補充処置/適切な処置で是正された、独立したグレード4の電解質の不均衡/異常。
以下の例外を除いて、最後の投与から6週間を超えて続く投薬中断があれば、処置は中止される:
(a)延長されたステロイド低減が薬物関連の有害事象を制御することを可能にするために投薬を中断することが可能である。6週間以上続く投薬中断を有する対象において処置を再開する前に、BMS医学モニターに相談しなければならない。投薬が中断された場合でも、プロトコールに従って腫瘍評価を継続するべきである。
(b)BMS医学モニターによって承認されれば、薬物関連ではない理由で起こる最後の投与から6週間を超える投薬中断が許されることがある。6週間以上続く投薬中断を有する対象において処置を再開する前に、BMS医学モニターに相談しなければならない。投薬が中断された場合でも、プロトコールに従って腫瘍評価を継続するべきである。
(a)延長されたステロイド低減が薬物関連の有害事象を制御することを可能にするために投薬を中断することが可能である。6週間以上続く投薬中断を有する対象において処置を再開する前に、BMS医学モニターに相談しなければならない。投薬が中断された場合でも、プロトコールに従って腫瘍評価を継続するべきである。
(b)BMS医学モニターによって承認されれば、薬物関連ではない理由で起こる最後の投与から6週間を超える投薬中断が許されることがある。6週間以上続く投薬中断を有する対象において処置を再開する前に、BMS医学モニターに相談しなければならない。投薬が中断された場合でも、プロトコールに従って腫瘍評価を継続するべきである。
有害事象、検査値異常、または併発疾患が、治験医の判断で、継続してニボルマブまたはイピリムマブを投与される対象における実質的な臨床的リスクを提示する場合、処置は中止される。
加えて、ベバシズマブによる処置は、更新されたベバシズマブの添付文書に従って永続的に中断されなければならない。
対象が、グレード3またはグレード4の症状(例えば、重度の症状)を示す場合、処置は中止される。グレード3の症状には、長期の症状(すなわち、対症療法および/または点滴の短時間の中断にすばやく応答しない);初期の改善後の症状の再発;または、他の臨床的続発症(例えば、腎障害、肺浸潤)のために示された入院が含まれる。グレード4には、生命を脅かす症状または示される圧迫もしくは換気のサポートが含まれる。
治験処置は、確認されたX線検査的進行または臨床的進行のいずれかが最初に起こる時点で中止されなければならない。X線検査的進行または臨床的進行の詳細を以下に記載する:
GBMの標準的な治療(放射線療法およびテモゾロミドを含む)は、治療の変化なしに最終的に降下する対象のサブセットにおける腫瘍増強(偽進行)の一時的な増加をもたらし得る。偽進行は真の腫瘍進行と区別することが難しく、患者管理に重要な意味を有し得る。いくつかの証拠がまた、免疫系刺激剤で処置された対象が、臨床目的応答および/または安定した疾患を実証する前に疾患の明らかな進行を生じ得ることも(常套の応答基準により)示している。この現象は、ニボルマブの第1相治験で対象の約10%で観察され、また、イピリムマブ単独療法についても報告されている。
治験薬の早期の中断を最小限に抑え、偽進行を進行性疾患と区別するために、疾患進行の放射線基準を最初に満たす対象は、約12週間後に行われるMRIによる進行の確認が得られるまで治験薬を受け続け得る。
最初の放射線学的進行の評価後に治療を継続するためには、以下の基準を満たさなければならない:
(a)対象が、治験医が決定した臨床的有益性を示すと考えられる
(b)対象が、治験薬に耐性を獲得しつつある。
(a)対象が、治験医が決定した臨床的有益性を示すと考えられる
(b)対象が、治験薬に耐性を獲得しつつある。
(最初に評価された進行の約12週間後に)確認された進行を有する対象は、治験薬投与を中止し、治験のフォローアップ/生存フェーズに入る。進行が確認された場合、疾患進行の日付は、対象が進行基準を満たした最初の日となる。
放射線学的進行が偽進行と区別できない場合、および組織病理のための腫瘍組織を得るための外科的切除が対象の最善の利益であるという治験医の意見がある場合、外科的切除は、BMS医学モニターへの相談後に実行され得る。腫瘍生検サンプル(ブロックまたはスライド)を、神経病理学者による中央判定のために提出して、進行対組織関連変化の組織病理学的評価における観察者間の変動を最小にする必要がある。腫瘍病変が進行を確認する場合、対象は、治験中止基準に従って治験薬投与を中止され、進行の日はそれが最初に疑われた日となる。腫瘍の病態が治療関連の変化を明らかにし、疾患の進行を確認しない場合、対象は、治験薬投与を継続してよい。切除後MRIが、処置継続の前に必要とされる。対象は、その後、処置計画に従って、全ての処置中の腫瘍評価を継続し得る。
放射線学的進行が偽進行と区別できず、対象が組織病理学分析のための腫瘍組織を得るために生検または診断外科的切除を受ける場合、代表的な腫瘍組織サンプルは末端で検査され、神経病理学者による中央での判定のために提出される。進行対組織関連変化(偽進行)の中央および末端の神経病理学的決定の間に不一致がある場合、第2の中枢神経病理学的再検討が行われ、組織病理学的決定の最終決定として採用される。組織病理学の中央判定は、対象治療群の割り当てにブラインド的に行われる。中枢神経病理学的再検討のための腫瘍組織の提出の必要性に関する特定の指示が治験施設に提供される。
投薬情報
N(ニボルマブ)群およびN+I(ニボルマブおよびイピリムマブ)群およびB(ベバシズマブ)群の投薬レジメンおよびスケジュールを、表1、表2、表3および表4に詳述する。ニボルマブおよびイピリムマブが同日に投与されるとき、別個の点滴バッグおよびフィルターが、各点滴に使用される。ニボルマブが最初に投与される。2回目の点滴は、通常、イピリムマブであり、それは、ニボルマブ点滴の完了後30分以内に開始される。
N(ニボルマブ)群およびN+I(ニボルマブおよびイピリムマブ)群およびB(ベバシズマブ)群の投薬レジメンおよびスケジュールを、表1、表2、表3および表4に詳述する。ニボルマブおよびイピリムマブが同日に投与されるとき、別個の点滴バッグおよびフィルターが、各点滴に使用される。ニボルマブが最初に投与される。2回目の点滴は、通常、イピリムマブであり、それは、ニボルマブ点滴の完了後30分以内に開始される。
投薬ウィンドウN+I群(第1−12週)
対象は、投与の間が19日以上で、投与予定日の3日以内に投与される。第3日目以降のウィンドウで与えられる用量は用量遅延と考えられる。投与間隔は最大42日とする。投薬が遅れる場合、ニボルマブとイピリムマブの両方が共に遅延する。遅延後に投薬を再開する場合、ニボルマブおよびイピリムマブの両方が同日に再開される。
対象は、投与の間が19日以上で、投与予定日の3日以内に投与される。第3日目以降のウィンドウで与えられる用量は用量遅延と考えられる。投与間隔は最大42日とする。投薬が遅れる場合、ニボルマブとイピリムマブの両方が共に遅延する。遅延後に投薬を再開する場合、ニボルマブおよびイピリムマブの両方が同日に再開される。
投薬ウィンドウN群、B群およびN+I群(第13週およびその後)
対象は、投与の間が12日以上で、投与予定日の3日以内に投与される。第3日目以降のウィンドウで与えられる用量は用量遅延と考えられる。投与間隔は最大42日とする。
対象は、投与の間が12日以上で、投与予定日の3日以内に投与される。第3日目以降のウィンドウで与えられる用量は用量遅延と考えられる。投与間隔は最大42日とする。
治験評価および方法は、表5に記載されている。特に、スクリーニング評価は表5Aに記載されている;ニボルマブ(N)およびベバシズマブ(b)群の治験中評価を表5Bに示す;ニボルマブ+イピリムマブ(N+I)群の治験中評価を表5Cに記載する;および、フォローアップ評価を表5Dに記載する。
有効性評価
頭部MRI
全ての対象は、第7週第1日目、第13週第1日目、およびその後8週(±1週)毎に1回の、造影脳MRIによる有効性評価を受けた。MRIは、予定された外来診の±7日目に行った。治験医は、医学的に示されたように、より頻繁なフォローアップMRIスキャンを得る。
頭部MRI
全ての対象は、第7週第1日目、第13週第1日目、およびその後8週(±1週)毎に1回の、造影脳MRIによる有効性評価を受けた。MRIは、予定された外来診の±7日目に行った。治験医は、医学的に示されたように、より頻繁なフォローアップMRIスキャンを得る。
腫瘍測定の局所放射線評価を、臨床管理のための治験および治験医が評価した疾患の進行の間に用いた。放射線疾患の進行の疑いのある症例は、進行の最初の放射線評価の約12週間後に行われたMRIにより確認された。
安全性評価
ベースライン時に、関連する基礎疾患を捉えるために病歴が得られる。ベースライン検査には、体重、伸長、Karnofskyのパフォーマンスステータス、BP、HR、温度、12−誘導ECGならびに安静時および運動後のパルスオキシメトリーによる酸素飽和度が含まれる。ベースライン徴候および症状は、無作為化前の14日以内に評価されるものである。併用療法は、治験処置期間を通して無作為化前の14日以内に集められる。
ベースライン時に、関連する基礎疾患を捉えるために病歴が得られる。ベースライン検査には、体重、伸長、Karnofskyのパフォーマンスステータス、BP、HR、温度、12−誘導ECGならびに安静時および運動後のパルスオキシメトリーによる酸素飽和度が含まれる。ベースライン徴候および症状は、無作為化前の14日以内に評価されるものである。併用療法は、治験処置期間を通して無作為化前の14日以内に集められる。
ベースライン局所検査値評価は、無作為化前の14日以内に行われ、以下を含む:鑑別を伴うCBC血液像、ANC、血小板、Hgb;ALT、AST、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、BUNまたは血清尿素レベル、クレアチニン、Ca、Mg、Na、K、Cl、LDH、グルコース、アミラーゼ、リパーゼ、TSH、遊離T4、遊離T3、ならびにHep BおよびC検査(HBV sAg、HCV抗体またはHCV RNA)を含む化学パネル。WOCBPの妊娠検査(末端施行)は、ベースライン時の治験薬の初回投与前24時間以内に行う必要がある。地域法令(local regulation)の規制により必要とされる場合は、HIV検査も行わなければならない。
対象がいずれかの治験薬を受けた場合、対象は安全性について評価される。毒性評価は、処置フェーズおよび安全性フォローアップフェーズ中、継続する。有害事象および検査値は、NCI−CTCAEバージョン4.0に従って評価される。
治験時の体重、Karnofskyのパフォーマンスステータス、およびバイタルサインは、投薬前の各治験中の外来診時に評価される。バイタルサインは、投与前、投与中および投与後の管理基準に従っても測定され得る。安静時および運動後のパルスオキシメトリーによる酸素飽和度は、投薬前の各治験中外来診時に評価される。ベバシズマブに無作為化された対象について、投与前72時間以内に尿検査(試験紙法)を行う。ニボルマブおよびイピリムマブ点滴ならびにベバシズマブ投与の開始時および停止時を記録する。身体検査は、医学的に指示された通りに行われるべきである。前回の治験以降に新たに臨床的に重大な変化があった場合は、適切な非重篤または重篤な有害事象のページに変化を報告する。
治験で必要とされていない検査を含む追加的測定は、臨床的に指示されているように実施されるか、または地方の法令の規制に従う。臨床的に指示されている場合、処置中に、12−誘導ECGが実施される。全ての治験薬物に関連する毒性が消失するか、ベースラインに戻るか、または不可逆的であるとみなされるまで、検査毒性(例えば、薬物誘発性肝臓酵素上昇の疑い)を、現場/施設ラボを介して追跡監視する。
パルスオキシメトリーによる酸素飽和度試験は、ニボルマブの各投与前および対象が新規なまたは悪化した呼吸器症状を呈する場合にいつでも、実施される。安静時の読み取りは各時点で取得される。対象が、可能性のある肺有害事象と一致するパルスオキシメトリーの変化または他の肺関連徴候(例えば、低酸素症、発熱)もしくは症状(例えば呼吸困難、咳)を示す場合、対象は肺毒性を除外するために直ちに評価される。
全ての対象について、投与の72時間前に尿検査を行わねばならない。ベバシズマブに無作為化された対象に対してのみ、処置時に尿検査を行う。2+以上の尿タンパク質ディップスティック読み取り値を有する対象は、投与前に24時間の採尿でさらに評価されなければならない。ベバシズマブは、2グラム以上の尿タンパク質/24時間に対しては控えなければならず、尿タンパク質が2gm/24時間未満となれば開始され得る。ネフローゼ症候群の患者では処置を中止する必要がある。
上記の評価項目のいくつかは、eCRF内のデータとして取り込まれないことがある。それらは、処置する医師による安全性モニタリングとして使用されることが意図されている。さらなる検査または評価を、それらは、治療する医師による安全監視として使用されることが意図されている。追加的な検査または評価は、臨床的に必要な場合、または施設もしくは地方法令の規制によって必要な場合に実行することができる。
治験のための画像評価
全ての対象は、安全性、腫瘍測定および頭部の3次元核磁気共鳴画像法(MRI)を、無作為化前21日以内に受ける。表5Aを参照のこと。N群およびB群(コホート2)について、造影使用のMRIを、第7週および第13週の第1日目、その後8週間(+/−1週)毎に実施する。表5Bを参照のこと。N+I群について、造影増強MRIを、第7週および第13週の第1日目、その後8週間(+/−1週)毎に実施した。表5Cを参照のこと。全ての対象のフォローアップ評価のために、治験処置に続く抗癌療法を開始する対象を含めて、治験処置中に進行しなかった対象に対して腫瘍評価が必要とされた。フォローアップ評価では、第6週および第12週(+/−1週)の終わり、その後8週間(+/−1週)毎に腫瘍評価が得られた。表5Dを参照のこと。
全ての対象は、安全性、腫瘍測定および頭部の3次元核磁気共鳴画像法(MRI)を、無作為化前21日以内に受ける。表5Aを参照のこと。N群およびB群(コホート2)について、造影使用のMRIを、第7週および第13週の第1日目、その後8週間(+/−1週)毎に実施する。表5Bを参照のこと。N+I群について、造影増強MRIを、第7週および第13週の第1日目、その後8週間(+/−1週)毎に実施した。表5Cを参照のこと。全ての対象のフォローアップ評価のために、治験処置に続く抗癌療法を開始する対象を含めて、治験処置中に進行しなかった対象に対して腫瘍評価が必要とされた。フォローアップ評価では、第6週および第12週(+/−1週)の終わり、その後8週間(+/−1週)毎に腫瘍評価が得られた。表5Dを参照のこと。
治験医は、医学的に必要なときは、より頻繁なフォローアップMRIスキャンを得ることができる。この治験の放射線画像は全て、保存のために中央画像コアラボラトリーに送信され、治験主催者によって選ばれた独立画像評価委員会(IRRC)によって再検討される。プロトコールの目的に直接関連していない潜在的な臨床的関連性の偶発的所見は、標準的な医学的/臨床的判断に従って、治験医によって評価され処理されるべきである。治験現場では、安全性と有効性を読み取る目的で、画像結果へのローカルアクセスが維持される。治験医は、局所的なMRIの結果を臨床的に適当であると見なし、潜在的な緊急の臨床状況が適宜に対応されるようにする。
臨床的に顕著な画像所見またはベースラインスキャンからの変化は、有害事象または重篤な有害事象としてコード化される。
有効性評価
治験の主要な有効性尺度は、全生存期間(OS)である。OSは、無作為化の日付と何らかの原因による死亡の日との間の時間と定義される。OSは、治験の生存フォローアップフェーズ中に、対面または電話により3カ月毎に接触して、継続的に追跡される。
治験の主要な有効性尺度は、全生存期間(OS)である。OSは、無作為化の日付と何らかの原因による死亡の日との間の時間と定義される。OSは、治験の生存フォローアップフェーズ中に、対面または電話により3カ月毎に接触して、継続的に追跡される。
治験医が評価した腫瘍応答は、公開されたRANO基準に基づく。腫瘍評価は、治験の画像評価で上記のように実施する。放射線画像応答を、処置前のベースラインおよび処置中のMRIスキャンを比較することにより、評価した。放射線治療の進行は、処置前のベースラインまたは治験薬投与開始後のいずれかで最小の腫瘍測定値を使用することにより決定した。
必要とされる完全応答:少なくとも4週間持続した、全ての造影測定可能および測定不可能な疾患の完全な消失;新しい病変はない;安定な、または改善された非造影(T2/FLAIR)病変;患者は、コルチコステロイドを中止(または生理的補充用量のみ)でなければならない;および、臨床的に安全または改善される。測定不可能な疾患を有する患者のみが、完全な応答を有し得ない;可能な最良の応答は、安定した疾患である。
必要とされる部分的応答:少なくとも4週間持続した全ての測定可能な造影病変の垂直直径の積和においてベースラインと比較して50%以上の減少;測定不可能な疾患の進行がない;新たな病変がない;ベースラインスキャンと比較して、同一またはより低用量のコルチコステロイドの、安定なまたは改善された非造影(T2/FLAIR)病変;スキャン評価時のコルチコステロイドの投与量は、ベースラインスキャン時の投与量以下でなければならない;および、臨床的に安全または改善される。測定不可能な疾患を有する患者のみが、部分的な応答を有し得ない;可能な最良の応答は、安定した疾患である。
必要とされる安定した疾患:完全な応答、部分的な応答、または進行に適格ではない。;および、ベースラインスキャンと比較して、同一またはより低用量のコルチコステロイドの、安定な非造影(T2/FLAIR)病変。コルチコステロイドの投与量が、神経画像処理における疾患進行の確認なしに新たな症状および徴候のために増加し、その後のフォローアップ画像が、疾患の進行のためにこのコルチコステロイドの増加が必要であったことを示す場合、安定した疾患を示すとみなされる最近のスキャンは、コルチコステロイド投与量がベースライン投与量と同等であった時に得られたスキャンである。
進行は、以下の何れかにより定義される:コルチコステロイドの安定な用量(コルチコステロイドを服用していない対象を含む)または増加用量における、ベースライン(減少がない場合)または最良の応答のいずれかで得られた最小腫瘍測定値と比較して、造影病変部の垂直直径の積和の25%以上の増加;ベースラインスキャンまたは併発事象(例えば、放射線療法、脱髄、虚血性傷害、感染、発作、術後変化、または他の処理効果)に起因しない治療の開始後の最良の応答と比較して、安定なまたは増加用量のコルチコステロイドでのT2/FLAIR非造影病変における顕著な増加;新たな病変;腫瘍(例えば、発作、投薬副作用、治療の合併症、脳血管事象、感染など)またはコルチコステロイド用量の変化を除く他の原因に起因しない明らかな臨床的悪化;死亡または状態の悪化の結果としての評価のための復帰の失敗;または、測定不可能な疾患の明らかな進行。
NANO評価
神経機能は、治験時に治験医によって投与される、神経腫瘍学における神経学的評価(NANO)の総合スコアを用いて評価される。
神経機能は、治験時に治験医によって投与される、神経腫瘍学における神経学的評価(NANO)の総合スコアを用いて評価される。
NANOは、脳腫瘍を有する患者のための主要な9つのドメインの、客観的、迅速な、ユーザーフレンドリーな、かつ定量可能な評価である。ドメインは以下を含む:歩行、筋力、運動失調、感覚、視野、顔面の強さ、言語、意識レベル、行動および全体。各ドメインは0から3のスケールで評価され、0が正常を表し、3は最悪の重大度を表す。既存の条件、合併事象および/または同時薬物療法剤を原因として正確に評価することができない場合は、指定したドメインは評価不能と評価される。評価は、常套のオフィス外来診中に行われた直接観察/検査に基づいている。NANOスケールは、第1週第1日目の投与前(ベースライン)およびその後の各MRI時(ただし、MRIスキャン結果のレビュー前に完了している)に治験医または指定された治験責任医師によって完了している。
有害事象
有害事象(AE)は、治験(医薬)製品を投与された臨床治験対象における、新たな不都合な医学的事象または既存の病状の悪化と定義され、この処置との因果関係を必ずしも有さない。従って、AEは、治験薬に関連しているとみなされるか否かにかかわらず、治験薬の使用に一時的に関連する望ましくない意図しない徴候(異常なラボラトリー所見など)、症状または疾患であり得る。
有害事象(AE)は、治験(医薬)製品を投与された臨床治験対象における、新たな不都合な医学的事象または既存の病状の悪化と定義され、この処置との因果関係を必ずしも有さない。従って、AEは、治験薬に関連しているとみなされるか否かにかかわらず、治験薬の使用に一時的に関連する望ましくない意図しない徴候(異常なラボラトリー所見など)、症状または疾患であり得る。
治験薬に対する因果関係は医師によって決定され、すべての有害事象(AE)を評価するために使用されるべきである。因果関係は、以下のうちの1つであり得る:
(a)関連性あり:治験薬投与とAEとの間に合理的な因果関係がある。
(b)関連性なし:治験薬投与とAEとの間に合理的な因果関係はない。
(a)関連性あり:治験薬投与とAEとの間に合理的な因果関係がある。
(b)関連性なし:治験薬投与とAEとの間に合理的な因果関係はない。
用語“合理的因果関係”とは、因果関係を示唆する証拠があることを意味する。有害事象は、対象の終わりのない質問、調査、または評価中に自発的に報告または誘発され得る(報告バイアスを防止するために、対象は、1以上のAEの特定の発生に関して質問されるべきではない)。
重篤な有害事象
重篤な有害事象(SAE)は、任意の用量で:
(a)死に至る
(b)生命を脅かす(事象の時点で対象が死亡の危険に曝された事象として定義される;それがより重篤な場合には死に至った可能性のある事象を意味するものではない)
(c)入院が必要であるか、または既存入院の延長をもたらす(以下の特記(NOTE)を参照のこと)
(d)永続的または重大な障害/就労不能をもたらす
(e)先天性異常/先天性欠損である
(f)重要な医療事象である(直ちに生命を脅かすことがないか、または死亡もしくは入院に至る可能性のある医療事象として定義されるが、適当な医学的および科学的判断に基づいて、上記の定義に列挙された他の重大な結果の1つを防止するために、対象を危険にさらすか、または[例えば、医療的、外科的]介入を必要とする可能性がある。このような事象の例としては、救急処置室または家庭でのアレルギー性気管支痙攣の集中治療;血液疾患または入院に至らない痙攣が含まれるが、これに限定されない。)可能性のある薬物性肝障害(DILI)もまた、重要な医療事象と考えられている。
重篤な有害事象(SAE)は、任意の用量で:
(a)死に至る
(b)生命を脅かす(事象の時点で対象が死亡の危険に曝された事象として定義される;それがより重篤な場合には死に至った可能性のある事象を意味するものではない)
(c)入院が必要であるか、または既存入院の延長をもたらす(以下の特記(NOTE)を参照のこと)
(d)永続的または重大な障害/就労不能をもたらす
(e)先天性異常/先天性欠損である
(f)重要な医療事象である(直ちに生命を脅かすことがないか、または死亡もしくは入院に至る可能性のある医療事象として定義されるが、適当な医学的および科学的判断に基づいて、上記の定義に列挙された他の重大な結果の1つを防止するために、対象を危険にさらすか、または[例えば、医療的、外科的]介入を必要とする可能性がある。このような事象の例としては、救急処置室または家庭でのアレルギー性気管支痙攣の集中治療;血液疾患または入院に至らない痙攣が含まれるが、これに限定されない。)可能性のある薬物性肝障害(DILI)もまた、重要な医療事象と考えられている。
治験薬を介した感染因子(例えば、病原性または非病原性)の予期される伝播はSAEである。Although 妊娠、過剰摂取、癌、および可能性のある薬物性肝障害(DILI)は、規制の定義によって常に深刻なものではないが、これらの事象はSAEとして扱われなければならない。治験治療に関連していると考えられる治験エンドポイントの要素(例えば、アナフィラキシーに起因して死亡した場合、死亡はエンドポイントであり、アナフィラキシーを報告しなければならない)は、SAEとして報告されるべきである。
以下の入院は、BMS臨床治験におけるSAEとは見なされない:
(a)入院に至らない、24時間以内の救急処置室または他の病院への外来診(重要な医学的事象または生命にかかわる事象とはみなされない限り)
(b)承諾に署名する前に計画された選択的な手術
(c)計画された医療/外科処置のためのプロトコールによる入院
(d)ベースライン/健康状態の傾向(例えば、常套の大腸内視鏡検査)に対する入院を必要とする常套の健康評価、
(e)疾患の治癒以外の医療/外科的入院であり、治験に入る前に計画されている入院。これらの場合、適切な書類が必要である。
(f)健康状態に関係せず、医療/外科的介入を必要としない別の生活環境(例えば、居住施設の不足、経済的貧困、介護者の休息、家族の状況、行政上の理由など)による入院
(g)他のSAEが存在しない場合の抗癌療法剤の投与のための入院。
(a)入院に至らない、24時間以内の救急処置室または他の病院への外来診(重要な医学的事象または生命にかかわる事象とはみなされない限り)
(b)承諾に署名する前に計画された選択的な手術
(c)計画された医療/外科処置のためのプロトコールによる入院
(d)ベースライン/健康状態の傾向(例えば、常套の大腸内視鏡検査)に対する入院を必要とする常套の健康評価、
(e)疾患の治癒以外の医療/外科的入院であり、治験に入る前に計画されている入院。これらの場合、適切な書類が必要である。
(f)健康状態に関係せず、医療/外科的介入を必要としない別の生活環境(例えば、居住施設の不足、経済的貧困、介護者の休息、家族の状況、行政上の理由など)による入院
(g)他のSAEが存在しない場合の抗癌療法剤の投与のための入院。
バイオマーカー評価
バイオマーカー評価の理論および目的
イピリムマブを用いたこれまでの治験は、CD4+細胞およびCD8+細胞における増殖および分裂マーカーの発現増加、CD4+T細胞上のCCR7およびIL−7Rの減少、およびCD8+T細胞中のグランザイムBの上方制御が、イピリムマブの効果の薬力学的指標として用いられ得ることを示した。増加した活性化マーカーICOSおよびエオメソデルミン(eomesodermin (EOMES))は、より少ないAEおよび良好な結果の減少のそれぞれに有意に関連したが、EOMESのベースライン上昇発現は、この分析において良好な再発のない生存率を予測することが明らかである。
バイオマーカー評価の理論および目的
イピリムマブを用いたこれまでの治験は、CD4+細胞およびCD8+細胞における増殖および分裂マーカーの発現増加、CD4+T細胞上のCCR7およびIL−7Rの減少、およびCD8+T細胞中のグランザイムBの上方制御が、イピリムマブの効果の薬力学的指標として用いられ得ることを示した。増加した活性化マーカーICOSおよびエオメソデルミン(eomesodermin (EOMES))は、より少ないAEおよび良好な結果の減少のそれぞれに有意に関連したが、EOMESのベースライン上昇発現は、この分析において良好な再発のない生存率を予測することが明らかである。
ICOSは、CTLA−4遮断後に生成されるCD4+T細胞応答の潜在的に有用なマーカーであり得る。ヒト白血球抗原(HLA−DR)発現は、潜在的にT細胞マーカーとしても役立つ可能性もある。
以前の治験は、処置後3週目での、腫瘍におけるCD8A、GZMA、LCK、CXCL−9、−10、−11、およびCXCR3などの免疫関連遺伝子の発現が、全リンパ球浸潤、臨床的利益および全生存期間と関連することを示した。予備的結果は、高い既存の免疫活性が、療法に対する臨床応答に有利であることを示唆している。
末梢血および腫瘍組織は、治療前に集められる。末梢血サンプルは、処置の選択された時点でも集められる。進行または進行の疑い時に生検または外科的切除が行われる場合、腫瘍サンプル(ブロックまたはスライド)を分析のために提出する必要がある。バイオマーカーサンプルが採取されたが、治験薬(複数可)が投与されない場合、サンプルは保存され得る。各アッセイ系の詳細な説明は、以下に記載され、一連の薬力学的評価が行われる。治験薬が投与されない時点でのすべてのバイオマーカーのサンプル採取は任意である。
可溶性バイオマーカー
この治験において、治験に登録された対象からのベースライン時、処置中および処置後に血清サンプルを採取し、結果(応答、無増悪生存および全生存期間、毒性)についての予後および予測値と共に可能性のあるバイオマーカーを同定した。この治験の予備的結果は、第3相有効性治験の推定値を通知する。サイトカイン、ケモカイン、可溶性受容体、および腫瘍抗原に対する抗体などの可溶性因子は、血清における免疫アッセイにより特徴付けられ、定量化され得る。分析には、可溶性CD25、可溶性PD−1、可溶性LAG−3、およびCXCL−9が含まれるが、必ずしも必要ではない。集めた血清サンプルは、どの抗腫瘍抗体が臨床応答に最も関連しているかを調べるために、単独療法および併用療法による処置後に誘発された腫瘍抗原特異的応答の評価にも使用され得る。癌検査抗原に対する抗体レベルは、マルチプレックスアッセイおよび酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)により評価される。
この治験において、治験に登録された対象からのベースライン時、処置中および処置後に血清サンプルを採取し、結果(応答、無増悪生存および全生存期間、毒性)についての予後および予測値と共に可能性のあるバイオマーカーを同定した。この治験の予備的結果は、第3相有効性治験の推定値を通知する。サイトカイン、ケモカイン、可溶性受容体、および腫瘍抗原に対する抗体などの可溶性因子は、血清における免疫アッセイにより特徴付けられ、定量化され得る。分析には、可溶性CD25、可溶性PD−1、可溶性LAG−3、およびCXCL−9が含まれるが、必ずしも必要ではない。集めた血清サンプルは、どの抗腫瘍抗体が臨床応答に最も関連しているかを調べるために、単独療法および併用療法による処置後に誘発された腫瘍抗原特異的応答の評価にも使用され得る。癌検査抗原に対する抗体レベルは、マルチプレックスアッセイおよび酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)により評価される。
免疫表現型検査
末梢血単核細胞(PBMC)調製物中の特異的リンパ球サブセットの割合およびT細胞共刺激マーカーの発現レベルを、フローサイトメトリーによって定量化する。分析物には、T細胞、B細胞およびNK細胞の割合、顆粒球、記憶およびエフェクターT細胞サブセットの割合、ならびにPD−1、PD−L1、他のB7ファミリーメンバー、ICOS、およびKi67の発現レベルが含まれ得るが、必ずしもこれらに限定される必要はない。
末梢血単核細胞(PBMC)調製物中の特異的リンパ球サブセットの割合およびT細胞共刺激マーカーの発現レベルを、フローサイトメトリーによって定量化する。分析物には、T細胞、B細胞およびNK細胞の割合、顆粒球、記憶およびエフェクターT細胞サブセットの割合、ならびにPD−1、PD−L1、他のB7ファミリーメンバー、ICOS、およびKi67の発現レベルが含まれ得るが、必ずしもこれらに限定される必要はない。
エクスビボ機能アッセイ
エーテル単独療法および/または併用療法がT細胞の活性化および機能を回復させるかどうかを調べるために、末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、凍結保存し得る。インターフェロン−γ(IFN−γ)およびCD107のアッセイを含むが、これに限定されない、エフェクターT細胞の機能状態のアッセイが行われる。
エーテル単独療法および/または併用療法がT細胞の活性化および機能を回復させるかどうかを調べるために、末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、凍結保存し得る。インターフェロン−γ(IFN−γ)およびCD107のアッセイを含むが、これに限定されない、エフェクターT細胞の機能状態のアッセイが行われる。
GBM癌幹細胞に対する末梢T細胞コンパートメントの探索はまた、いくつかの方法のうちの1つによって実施される。これらの方法は、不死化細胞株に由来するGBM癌幹細胞を用いた末梢血の再刺激と、その後のELISPOTを用いたIFN−γなどのエフェクターサイトカインの測定を含む。あるいは、対象生検から精製された癌幹細胞は、末梢血T細胞を用いるエクスビボ細胞溶解アッセイに利用され得る。
末梢血の遺伝子発現
ニボルマブ単独療法およびニボルマブ/イピリムマブ併用療法に対する応答に関連する遺伝子の発現レベルは、マイクロアレイによるAffymetrixおよび/または全血サンプルにおける定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)分析などの分子法で定量化される。分析には、免疫関連経路、例えば、T細胞活性化および抗原プロセシングおよび提示、に関連する遺伝子が含まれ得るが、必ずしもそうである必要はない。
ニボルマブ単独療法およびニボルマブ/イピリムマブ併用療法に対する応答に関連する遺伝子の発現レベルは、マイクロアレイによるAffymetrixおよび/または全血サンプルにおける定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)分析などの分子法で定量化される。分析には、免疫関連経路、例えば、T細胞活性化および抗原プロセシングおよび提示、に関連する遺伝子が含まれ得るが、必ずしもそうである必要はない。
T細胞レパートリー分析
末梢T細胞コンパートメントの多様性が低いことは、転移性乳癌における全生存率が低いことと相関することが示されている。免疫腫瘍学における定説は、そのままのおよび耐用化されたT細胞の歪んだ(skewed)レパートリーと比べて、多様で活性化された免疫環境が腫瘍を根絶するのには優れていることを示唆している。多様なT細胞レパートリーが治療に対する応答を予測するかどうかを調べるために、末梢血および腫瘍組織から単離されたDNAに対して次世代ハイスループットDNA配列決定を行い、単独療法および併用療法前および該療法中に、T細胞レパートリーの組成を定量する。
末梢T細胞コンパートメントの多様性が低いことは、転移性乳癌における全生存率が低いことと相関することが示されている。免疫腫瘍学における定説は、そのままのおよび耐用化されたT細胞の歪んだ(skewed)レパートリーと比べて、多様で活性化された免疫環境が腫瘍を根絶するのには優れていることを示唆している。多様なT細胞レパートリーが治療に対する応答を予測するかどうかを調べるために、末梢血および腫瘍組織から単離されたDNAに対して次世代ハイスループットDNA配列決定を行い、単独療法および併用療法前および該療法中に、T細胞レパートリーの組成を定量する。
腫瘍サンプル
腫瘍に基づくバイオマーカー測定
腫瘍生検標本は、免疫細胞集団および選択された腫瘍マーカーの発現を特徴付けるために、ニボルマブ単独療法、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法、またはベバシズマブでの治療に先立ち、同意した対象から得られる。保存生検ブロックもしくはスライドまたは新鮮な生検を、無作為化の前に提出する必要がある。腫瘍組織が入手できない場合は、医療モニターに連絡して、プロトコールに対象が含まれる可能性について検討してください。治験前の新鮮な生検採取は、アクセス可能な病変を有する対象にとって好ましいが、必須ではない。治療中の生検サンプルは任意である。
腫瘍に基づくバイオマーカー測定
腫瘍生検標本は、免疫細胞集団および選択された腫瘍マーカーの発現を特徴付けるために、ニボルマブ単独療法、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法、またはベバシズマブでの治療に先立ち、同意した対象から得られる。保存生検ブロックもしくはスライドまたは新鮮な生検を、無作為化の前に提出する必要がある。腫瘍組織が入手できない場合は、医療モニターに連絡して、プロトコールに対象が含まれる可能性について検討してください。治験前の新鮮な生検採取は、アクセス可能な病変を有する対象にとって好ましいが、必須ではない。治療中の生検サンプルは任意である。
治験医によりアクセス可能であり、かつ安全であるとみなされ、保存されたサンプルの提出よりも優先されるべきならば、新鮮な生検が、バイオマーカー分析のために提供され得る。新鮮な生検を得ることができない場合、および保存された組織が以下に記載の定義された基準を満たす場合、治療前の保存された生検が許容される。
(a)保存された生検(保存された生検)には腫瘍組織が含まれていなければならない。;
(b)保存されたブロックが利用できない場合、腫瘍を含む10以上のスライドが予備的使用のために利用可能である。
(a)保存された生検(保存された生検)には腫瘍組織が含まれていなければならない。;
(b)保存されたブロックが利用できない場合、腫瘍を含む10以上のスライドが予備的使用のために利用可能である。
可能な限り、保存された腫瘍サンプルは、対象が他の全身療法(テモゾロマイドによる治療を含む)を完了した後の時点から、および無作為化前の、可能ならばいつでも、入手されるべきである。生検サンプルは、以下の評価に使用することができる:
腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)および腫瘍抗原の特徴付け
免疫組織化学(IHC)を用いて、治療への暴露前後に、ホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織内に存在する免疫細胞サブセットを定義するために、浸潤免疫系細胞の数および組成を評価する。これらのIHC分析は、以下のマーカー:CD4、CD8、FOXp3、PD−1、PD−L1およびPD−L2を含むが、必ずしもそうである必要はない。
免疫組織化学(IHC)を用いて、治療への暴露前後に、ホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織内に存在する免疫細胞サブセットを定義するために、浸潤免疫系細胞の数および組成を評価する。これらのIHC分析は、以下のマーカー:CD4、CD8、FOXp3、PD−1、PD−L1およびPD−L2を含むが、必ずしもそうである必要はない。
IHCによる癌幹細胞の表現型検査もまた、生検における癌幹細胞の表現型、位置および密度を評価するために、実施される。
新鮮な腫瘍が治療前および/または処置中に利用可能である場合、腫瘍および間質細胞からのTILの分離および単離を行うことができる。単離されたTILを利用して、免疫細胞の遺伝子発現、表現型および機能を評価することができる。表現型、機能および特異性を特徴付けるために、TILの次世代配列決定およびフローサイトメトリーなどの技術を実施可能である。
T細胞レパートリーの特徴付け
上記のように、T細胞レパートリーの組成を評価するために、治療前および治療後の腫瘍組織についてDNA配列決定を行う。DNAは、FFPE腫瘍ブロックから、またはRNAlaterもしくは同等の調製物のいずれかから単離される。
上記のように、T細胞レパートリーの組成を評価するために、治療前および治療後の腫瘍組織についてDNA配列決定を行う。DNAは、FFPE腫瘍ブロックから、またはRNAlaterもしくは同等の調製物のいずれかから単離される。
遺伝子発現プロファイリング
RNAlaterもしくは同等の固定化物中に集めた腫瘍生検を、Affymetrix遺伝子アレイ技術および/または定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によりmRNA遺伝子発現について調査し、選択された免疫関連遺伝子の発現を検出する。
RNAlaterもしくは同等の固定化物中に集めた腫瘍生検を、Affymetrix遺伝子アレイ技術および/または定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によりmRNA遺伝子発現について調査し、選択された免疫関連遺伝子の発現を検出する。
腫瘍遺伝子型決定、突然変異解析、および腫瘍抗原プロファイリング
腫瘍サンプル由来のRNAおよびDNAは、全エキソームおよびトランスクリプトーム配列決定を用いて分析されて、隣接する非形質転換細胞またはPBMCなどの正常な宿主組織と比べて所与のサンプル内に見出される変異の数を決定する。検出された変異は、NetMHCなどの予測アルゴリズムを用いてMHC IおよびMHC IIタンパク質に結合する能力について分析される。MHC分子に結合する腫瘍変異の能力を評価することにより、これらの変異が免疫系と認識され、潜在的な拒絶抗原である抗原としての役割を果たすという証拠が得られる。
腫瘍サンプル由来のRNAおよびDNAは、全エキソームおよびトランスクリプトーム配列決定を用いて分析されて、隣接する非形質転換細胞またはPBMCなどの正常な宿主組織と比べて所与のサンプル内に見出される変異の数を決定する。検出された変異は、NetMHCなどの予測アルゴリズムを用いてMHC IおよびMHC IIタンパク質に結合する能力について分析される。MHC分子に結合する腫瘍変異の能力を評価することにより、これらの変異が免疫系と認識され、潜在的な拒絶抗原である抗原としての役割を果たすという証拠が得られる。
腫瘍サンプル収集の詳細
新鮮な生検:
ベースライン時の新鮮な生検は、保存されたサンプルよりも優先されるべきであり、治療中に強く推奨される。
新鮮な生検:
ベースライン時の新鮮な生検は、保存されたサンプルよりも優先されるべきであり、治療中に強く推奨される。
骨転移から得られた腫瘍サンプルは、PD−L1アッセイが脱灰工程を含まないため、PD−L1検査のために許容されるとは考えられない。どのような場合でも、利用可能な唯一の腫瘍組織が骨転移病変に由来する場合は、利用可能な唯一の腫瘍組織が骨転移病変に由来する場合は、治験のメディカル・モニターとさらに検討してください。
生検サンプルは、施設内で利用されるゲージ針を使用して、切除生検、切開生検またはコア針生検でなければならない。一般に、16または18ゲージの針がコア生検に使用される。
サンプルを10%中性緩衝ホルマリン中で24から48時間固定することが推奨される。腫瘍組織サンプルは、配送中に固定温度および固定時間を制御することができないため、ホルマリン中では配送すべきではない。
スライドが提出される場合、推奨される組織切片の厚さは、4ミクロンであり、スライドは、正に帯電しなければならない。スライドは、2−8℃で冷蔵保存すべきである。
サンプルの出荷は、収集日、収集方法、原発/転移、部位、固定条件、および利用可能であれば病理学的報告書のコピーを含む記入済依頼書々式を含むべきである。
新鮮な生検を行う場合、4回までのコア針生検が推奨される。病理学者による生検品質の評価は、その手順の時点で強く推奨される。これらの生検から得られる腫瘍組織は、以下の優先順で、RNA/DNA抽出のためのRNALaterおよび腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)単離のための調製液における、ホルマリン固定化およびパラフィン包埋へ、3つの方法で分割される。
治験医は、放射線技師と相談の上、手順に伴うリスクの程度を決定し、それが許容されることを見出さなければならない。生検は、局所麻酔または意識鎮静下で行うことができる。生検の安全な実施のための施設ガイドラインに従わなければならない。切除生検を行って、腫瘍生検サンプルを得ることができる。全身麻酔を必要とする侵襲的方法は、生検標本を得るために行うべきではない。しかしながら、臨床的適応のために外科処置が行われた場合、過剰な腫瘍組織は、臨床的適応のために外科処置が行われた場合、余剰腫瘍組織は、対象の同意を得て研究目的で使用してもよい。
保存された生検:
少なくとも1つのホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織ブロック(好ましい)または少なくとも10個のFFPE非染色切片が、PD−L1状態の評価および他のバイオマーカー評価に必要である。
少なくとも1つのホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織ブロック(好ましい)または少なくとも10個のFFPE非染色切片が、PD−L1状態の評価および他のバイオマーカー評価に必要である。
標本片の取得、処理、羅べリング、貯蔵および配送の詳細な指示は、治験開始時に別個の手順書で提供される。
実施例2
コホート1データの臨床レビュー
コホート1および1bにおけるニボルマブおよびイピリムマブについての提案された投与レジメンは、他の腫瘍タイプにおけるニボルマブおよびイピリムマブの使用による安全性および耐容性データに基づいていた。提案された投薬レジメンは、GBMの対象において許容されると予期されたが、本治験では、ニボルマブ単独療法 対 ベバシズマブ(コホート2)を比較する有効性治験の開始前に、最初に、2つの安全性リードインコホート(コホート1および1b)を含んだ。およそ10名の再発性GBMの対象を、コホート1の2つの治験処置グループ(N群およびN+I群)のそれぞれに無作為化した。20名までの再発性GBMの対象は、コホート1b(N+I_1b群)で処置され得る。
コホート1データの臨床レビュー
コホート1および1bにおけるニボルマブおよびイピリムマブについての提案された投与レジメンは、他の腫瘍タイプにおけるニボルマブおよびイピリムマブの使用による安全性および耐容性データに基づいていた。提案された投薬レジメンは、GBMの対象において許容されると予期されたが、本治験では、ニボルマブ単独療法 対 ベバシズマブ(コホート2)を比較する有効性治験の開始前に、最初に、2つの安全性リードインコホート(コホート1および1b)を含んだ。およそ10名の再発性GBMの対象を、コホート1の2つの治験処置グループ(N群およびN+I群)のそれぞれに無作為化した。20名までの再発性GBMの対象は、コホート1b(N+I_1b群)で処置され得る。
1群当りの全ての対象が、4回の投与を完了したかまたは4回の投与を完了する前に投与を中止した後に、処置群の耐容性および安全性を判定した。4回を超える耐容性もまた考慮され得る。コホート2に進めるために使用される耐容性の基準は、安全性リードインコホートの中止をもたらす薬物関連の有害事象に基づいており、以下を含む:
・所定の処置群中の対象の3分の1以下が、処置関連の有害事象により4回の投与を完了する前に治験薬を恒久的にに中止する場合、この用量コホートは耐容性があるとみなされ、コホート2への登録が進められる;
・処置群中の対象の3分の1以上が、処置関連の有害事象により4回の投与を完了する前に治験薬を恒久的に中止する場合、その処置群の安全性および耐容性は、さらなる対象を無作為化する前にDMCと再検討され得る。登録を継続するかどうか、または何れの処置群をコホート2に進めるかの決定は、治験実施者によって行われ得る。
・所定の処置群中の対象の3分の1以下が、処置関連の有害事象により4回の投与を完了する前に治験薬を恒久的にに中止する場合、この用量コホートは耐容性があるとみなされ、コホート2への登録が進められる;
・処置群中の対象の3分の1以上が、処置関連の有害事象により4回の投与を完了する前に治験薬を恒久的に中止する場合、その処置群の安全性および耐容性は、さらなる対象を無作為化する前にDMCと再検討され得る。登録を継続するかどうか、または何れの処置群をコホート2に進めるかの決定は、治験実施者によって行われ得る。
コホート1におけるニボルマブ単独療法による処置は、コホート2におけるベバシズマブと比較して、無作為化治験に進むために、上記に詳述したプロトコールで予め指定された安全性および耐容性プロファイルを満たした。
患者の内訳を表8に示す。ニボルマブ単独療法を受けた患者は、薬物毒性のために処置を中止した者はなかった。単独療法または併用療法群における薬物毒性による死亡はなかった。カットオフ(2015年9月9日)の時点で、ニボルマブ単独療法群の1名の患者が、17.5カ月の処置後にニボルマブを受容し続けている。
RANO基準毎の治験医が評価した客観的応答を表9に示す。ニボルマブ単独療法で処置された患者の多く(6/10)が、安定した疾患またはそれより良好であった。併用群の4名の患者は、安定した疾患の最良の応答を達成した。全生存期間の予備的分析を表10に示す。NE:推定なし。
実施例3
コホート1:偽進行の臨床例
67歳の白人女性対象は、2013年4月に最初に右後頭部GBMと診断された。この対象は、2013年4月に適切な一時的切除を行い、その後、2013年5月から7月に化学放射線療法を受け、同時に2013年5月から8月にエベロリムスおよびテモゾロミドでの処置を受けた。対象は、2014年3月にGBMの初めての再発を経験した。この体操は、ニボルマブ3mg/kg処置群に無作為化され、2014年4月に処置を開始した。対象は、10回のニボルマブ3mg/kg投与を受けた。
コホート1:偽進行の臨床例
67歳の白人女性対象は、2013年4月に最初に右後頭部GBMと診断された。この対象は、2013年4月に適切な一時的切除を行い、その後、2013年5月から7月に化学放射線療法を受け、同時に2013年5月から8月にエベロリムスおよびテモゾロミドでの処置を受けた。対象は、2014年3月にGBMの初めての再発を経験した。この体操は、ニボルマブ3mg/kg処置群に無作為化され、2014年4月に処置を開始した。対象は、10回のニボルマブ3mg/kg投与を受けた。
GBMの疑いのある進行がMRIによって観察された。ベースラインでは、GBM病変は、12mm×10mmと測定された。処置後、43日目に、病変は、20mm×17mmと測定された;73日目に、病変は、20mm×40mmと測定された。処置前の対象のMRI画像(図5Aおよび5B)および5回のニボルマブ投与後の対象のMRI画像を図5Cおよび5Dに示す。ニボルマブ(3mg/kg Q2W)の5回投与後のMRIスキャンは、側頭葉病変の造影の増加および新しい脳室造影を示した。視力低下が報告された。43日目および73日目のMRIは、進行の証拠を示唆した。切除された腫瘍の組織病理学は、処置関連の変化と一致する免疫浸潤を明らかにした。
腫瘍が進行したかまたは偽進行したかを決定するために、GBMを切除した。切除された脳室周囲壊死組織の組織学的分析および免疫細胞の大きな凝集(図6A−C);腫瘍内マクロファージおよびCD45陽性細胞凝集体(図7A−C);CD45陽性細胞およびCD3陽性細胞(図8A−C);ならびに、切除された腫瘍組織内の血管周囲性単核細胞浸潤および浸潤細胞(図9A−C)。加えて、CD45陽性細胞が、図10A−Cに示す通り、腫瘍血管を覆うことが観察された。この神経病理学は有意な処置関連変化と一致し、対象は、ニボルマブ3mg/kgによる治療を再開した。
患者は、合計227日間治療を受けた。患者は、無作為化の397日後に死亡した。患者は、手術後にニボルマブを再開してから4ヵ月後に、海馬および右視床下部において遠隔での疾患の進行を有していた(病理学的に剖検で証明された)。
実施例4
コホート1:部分的応答の臨床例
42歳白人男性対象は、2013年10月に最初に左側頭葉GBMと診断された。この対象は、2013年10月に外科的切除を受け、切除された組織は、MGMTメチル化され、EGFRvIII陽性であることが明らかとなった。対象は、2013年11月から12月に標準的な局所脳化学療法を受け、その後2014年2月に2サイクルのテモゾロミド補助療法を行った。2014年2月および3月初旬および下旬にMRIにより進行性の悪化が観察され、相対脳血流量(rCBV)が増加していた。対象は、2014年3月31日にGBMの最初の再発を経験した。その後、対象は、ラモトリジンおよびアルプラゾラムでの処置を受けた。この対照は、ニボルマブ3mg/kg処置群に無作為化された。
コホート1:部分的応答の臨床例
42歳白人男性対象は、2013年10月に最初に左側頭葉GBMと診断された。この対象は、2013年10月に外科的切除を受け、切除された組織は、MGMTメチル化され、EGFRvIII陽性であることが明らかとなった。対象は、2013年11月から12月に標準的な局所脳化学療法を受け、その後2014年2月に2サイクルのテモゾロミド補助療法を行った。2014年2月および3月初旬および下旬にMRIにより進行性の悪化が観察され、相対脳血流量(rCBV)が増加していた。対象は、2014年3月31日にGBMの最初の再発を経験した。その後、対象は、ラモトリジンおよびアルプラゾラムでの処置を受けた。この対照は、ニボルマブ3mg/kg処置群に無作為化された。
対象は、RANO基準による部分的応答を示した。ベースラインでは、GBM病変は、27mm×10mmと測定された。処置後、44日目に、GBM病変は、26mm×9mmと測定された;85日目に、GBM病変は、23mm×4mmと測定された。対象のKarnoskyパフォーマンスステータスは、ベースライン時およびその後の全ての外来診時に90であった。処置前、3回のニボルマブ投与後およびニボルマブでの継続治療後の2つの後の時点での、対象のMRI画像を図11に示す。
実施例5
コホート1 N+I群:ニボルマブ(1mg/kg)+イピリムマブ(3mg/kg)での処置後の臨床例
45歳女性対象は、2014年2月12日にニボルマブ(1mg/kg)+イピリムマブ(3mg/kg)の初回投与を受けた。対象は、3サイクルの処置を完了し、最終投与は、2014年4月2日であった。その後、重度の糖尿病性ケトアシドーシスのため処置を中止した。異なった時点での、処置におけるさらなるAEには、グレード2の肺炎、グレード4のリパーゼ上昇、グレード3のアミラーゼ上昇、およびグレード1のAST/ALT上昇が含まれた。2014年9月10日の対象の脳MRIは、疾患の進行を示した。対象は、臨床的にも悪化していた。その後、対象は、ベバシズマブ単独療法を開始し、現在、臨床的に良好である。ニボルマブ単独療法へのコンパッショネート使用が承認され、処置が近づいている。
コホート1 N+I群:ニボルマブ(1mg/kg)+イピリムマブ(3mg/kg)での処置後の臨床例
45歳女性対象は、2014年2月12日にニボルマブ(1mg/kg)+イピリムマブ(3mg/kg)の初回投与を受けた。対象は、3サイクルの処置を完了し、最終投与は、2014年4月2日であった。その後、重度の糖尿病性ケトアシドーシスのため処置を中止した。異なった時点での、処置におけるさらなるAEには、グレード2の肺炎、グレード4のリパーゼ上昇、グレード3のアミラーゼ上昇、およびグレード1のAST/ALT上昇が含まれた。2014年9月10日の対象の脳MRIは、疾患の進行を示した。対象は、臨床的にも悪化していた。その後、対象は、ベバシズマブ単独療法を開始し、現在、臨床的に良好である。ニボルマブ単独療法へのコンパッショネート使用が承認され、処置が近づいている。
57歳女性対象は、2014年4月17日にニボルマブ(1mg/kg)+イピリムマブ(3mg/kg)の初回投与を受けた。対象は、2014年5月15日に、入院が必要な重度のグレード3のせん妄を発症した(C2 D8)。全ての感染検査および代謝検査は陰性であり、EEGのみが遅い脳波を示した。対象は、高用量のステロイド処置の2日後にベースラインに回復した。その後、対象は、2014年6月19日にニボルマブ単独療法に切り替えられた。次いで、対象は、3回のニボルマブ3mh/kg投与を受け、2014年7月17日に最後の用量が投与された。2014年7月31日に、6回目のニボルマブ投与を受ける前に、対象は、グレード2の呼吸困難、疲労、および左側の衰弱を報告した。加えて、対象は、下痢のために漸減用量のプレドニゾン(20mg/日)を投与した。対象の脳MRIは、造影およびFLAIRシグナルにおける間隔の増加を示した。これらの変化は測定できなかった。処置は、対象の要求ごとに中止された。2014年8月19日の反復脳MRIは、左片側不全麻痺および増強した画像を伴う臨床的悪化を示した。対象は、2014年8月27日に外科的切除を受けた。切除した腫瘍組織の分析により、腫瘍の進行が示唆された。対象は治験を中止し、現在は、ベバシズマブ単独の治療中である。対象は、CCNUの追加を拒否した。この治験の対象の他の毒性には、グレード3の無症候性のリパーゼ上昇、グレード2の下痢、グレード2の無症候性のALTの上昇、およびグレード1のASTの上昇が含まれた。
実施例6
コホート1 N群:ニボルマブ(3mg/kg)単独療法による治療後の臨床例
67歳女性対象は、2014年3月24日にニボルマブ3mg/kg単独療法の初回投与を受けた。対象は、10回のニボルマブ投与を完了し、最後の投与が2014年11月5日であった。3回の処置後、2014年5月5日の対象の脳MRIは、RANOによると、特に手術腔周辺および新しく脳室領域での疾患の進行を示した。対象は治療の継続に同意し、2014年5月7日に第4回および2014年5月21日に第5回の、その後2回の点滴を受けた。2014年6月4日に、6回目の点滴前に、対象は、視野狭窄を示した。脳MRIでは、後頭部原発腫瘍のさらなる増大および脳室周囲部の異常所見が認められた。その時点では処置は施されておらず、対象は、2014年6月12日に外科的切除を受けた。病理学的レビューでは、Tリンパ球が浸潤している後頭部由来のサンプルにおいて生存可能な腫瘍が示された。同じ領域に顕著な壊死(放射線壊死)があった。脳室周囲領域は、壊死および線維滲出物(放射線壊死)ならびに腫瘍のないリンパ球の大きな凝集のみを示した。
コホート1 N群:ニボルマブ(3mg/kg)単独療法による治療後の臨床例
67歳女性対象は、2014年3月24日にニボルマブ3mg/kg単独療法の初回投与を受けた。対象は、10回のニボルマブ投与を完了し、最後の投与が2014年11月5日であった。3回の処置後、2014年5月5日の対象の脳MRIは、RANOによると、特に手術腔周辺および新しく脳室領域での疾患の進行を示した。対象は治療の継続に同意し、2014年5月7日に第4回および2014年5月21日に第5回の、その後2回の点滴を受けた。2014年6月4日に、6回目の点滴前に、対象は、視野狭窄を示した。脳MRIでは、後頭部原発腫瘍のさらなる増大および脳室周囲部の異常所見が認められた。その時点では処置は施されておらず、対象は、2014年6月12日に外科的切除を受けた。病理学的レビューでは、Tリンパ球が浸潤している後頭部由来のサンプルにおいて生存可能な腫瘍が示された。同じ領域に顕著な壊死(放射線壊死)があった。脳室周囲領域は、壊死および線維滲出物(放射線壊死)ならびに腫瘍のないリンパ球の大きな凝集のみを示した。
対象は手術から良好に回復した。切除4週間後の2014年7月10日の脳MRIは、腫瘍の増殖を示さなかった。その後、対象は、ニボルマブ単独療法を再開して、2014年7月15日に6回目および2014年7月30日に7回目の投与を受けた。ニボルマブ単独療法を再開して約1週間後、対象は、視野狭窄の悪化を含む神経症状の悪化(グレード2)を報告した。対象は、その時点でステロイド処置を受けていなかった。脳MRIは、FLAIRシグナルの間隔増加および術後ベッドにおけるびまん性リム状の造影における増加を示した。治療の変更と一致した持続的な制限拡散があった。プロトコールごとに、治療は遅れた。対象は、デキサメサゾン4mg BIDで開始され、対象の臨床状態は改善した。2014年8月28日の脳MRIは、以前のMRIで指摘されたリム状の造影の解像度の改善が見られた。対象は、2014年9月25日にニボルマブ単独療法を再開し、デキサメサゾン処置は、3mg/日まで漸減用量で投与され、顕著な神経学的変化なかった。対象の状態は、プロトコールごとにMRIによるモニターを継続される。
実施例7
コホート1b N+I群(1b):ニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg)による処置後の臨床例
46歳男性対象は、2014年6月27日にニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg)の初回投与、2014年7月18日に2回目投与、2014年8月11日に3回目の投与、および2014年9月4日に4回目の投与を受けた。対象はさらに、4サイクルのニボルマブ単独療法を完了し、2014年11月4日に最終用量を受けた。対象は、副作用なしに極めて良好な耐受性を示した。対象は、運動および認知において有意な臨床的改善を経験した。対象の脳MRIは、非常に大きな腫瘍から開始したにもかかわらず、腫瘍サイズの減少を示した(RANO毎に安定していた)。対象は、デキサメサゾン1日4mgと1日2mgを交互に投与された。対象の状態は、プロトコールごとにMRIによるモニターを継続される。
コホート1b N+I群(1b):ニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg)による処置後の臨床例
46歳男性対象は、2014年6月27日にニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg)の初回投与、2014年7月18日に2回目投与、2014年8月11日に3回目の投与、および2014年9月4日に4回目の投与を受けた。対象はさらに、4サイクルのニボルマブ単独療法を完了し、2014年11月4日に最終用量を受けた。対象は、副作用なしに極めて良好な耐受性を示した。対象は、運動および認知において有意な臨床的改善を経験した。対象の脳MRIは、非常に大きな腫瘍から開始したにもかかわらず、腫瘍サイズの減少を示した(RANO毎に安定していた)。対象は、デキサメサゾン1日4mgと1日2mgを交互に投与された。対象の状態は、プロトコールごとにMRIによるモニターを継続される。
74歳男性対象は、2014年7月9日にニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg)の初回投与、2014年7月31日に2回目の投与、2014年8月21日に3回目の投与、および2014年9月11日に4回目の投与を受けた。対象はさらに、3サイクルのニボルマブ単独療法を完了し、2014年10月30日に最終投与を受けた。異なる時点における処置の有害事象には、グレード2の発心および下痢、グレード2の肺炎、グレード1のリパーゼおよびALT上昇、ならびに軽度のニューロパシーが含まれた。これらのAEは、高用量のステロイド処置で改善された。対象はまた、メチルプレドニゾロン32mg/日を受容した。4サイクルの併用療法後かつニボルマブ単独療法の最初のサイクルの前、2014年9月29日の対象の脳MRIは、疾患の進行を示した(RANOによる)。対象は治療を継続し、その後の脳MRIは安定していた。対象の状態は、プロトコールごとにMRIによるモニターを継続される。
62歳男性対象は、2014年7月28日にニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg)の初回投与、2014年8月25日に2回目の投与、2014年9月8日に3回目の投与、および2014年10月21日に4回目の投与を受けた。処置の有害事象には、グレード3の発心およびグレード2の疲労が含まれ、これらの両方とも、ステロイド処置後に治った。第3サイクルの前の、2014年9月8日の対象の脳MRIは、RANOによる疾患の進行を示した。対象は治療の継続を選択した。しかしながら、対象は決定に時間を要した。8週の時点での反復脳MRIは、最後のMRIから安定した疾患が示された。しかしながら、この結果は、依然としてベースラインからの進行と考えられ、対象は、2014年11月12日に腫瘍の外科的切除を選択した。対象は、切除の結果に基づいて治療を継続するかどうかを決定する。
実施例8
ニボルマブ±イピリムマブで処置したGBM患者におけるT細胞成熟、活性化および機能を評価した。そして、ニボルマブ±イピリムマブで処置したGBM患者におけるTregおよび骨髄由来サプレッサー細胞の頻度および機能を決定した。
ニボルマブ±イピリムマブで処置したGBM患者におけるT細胞成熟、活性化および機能を評価した。そして、ニボルマブ±イピリムマブで処置したGBM患者におけるTregおよび骨髄由来サプレッサー細胞の頻度および機能を決定した。
所定の時点で患者から採血した末梢血について分析を行い(図13)、進行時または進行が疑われる時に切除を行った場合には腫瘍組織サンプルを得た。ベースラインおよび治療中のサンプルは、1:1に無作為化した患者(n=20)に、ニボルマブ3mg/kgを2週間毎(Q2W)またはニボルマブ1mg/kg+イピリムマブ3mg/kgを3週間毎のいずれかを投与し、その後ニボルマブ3mg/kgをQ2Wで投与して、得た(図13)。表現型決定、成熟および増殖分析を、集団特異的抗体パネルを用いるフローサイトメトリーを用いて行った(表11)。サイトカイン放出分析は、選別されたTreg(CD4+CD25+CD127-)±刺激(PMA+イオノマイシン)からの上清に対して行った。末梢血単核細胞(PBMC)および腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)の抗腫瘍関連抗原(TAA)活性を評価した。細胞をインターロイキン(IL)−2、IL−15、およびTAAペプチドで刺激した;IL−2およびIL−15との培養の9日後、細胞を、IL−2、IL−15およびTAAペプチドで再度刺激した。インターフェロン(IFN)γ/グランザイムBの産生を、二色性フルオロスポットアッセイを用いて分析した。
フローサイトメトリー分析は、末梢血および腫瘍標本の両方で、CD4 T細胞、CD8 T細胞、およびTregの均一な集団を同定した(図14)。固有の免疫プロファイルが、CD8:Cd4比の顕著な質的差異を含む、進行対偽進行(progress v. psudoprogression)を経験した患者からの免疫浸潤において観察された(図14)。ニボルマブ+イピリムマブで処置した患者は、ニボルマブ単独療法で処置した患者と比較して、CDD+CD28+Tリンパ球の相対頻度の減少を経験した(図15)。ニボルマブ+イピリムマブでの処置は、ベースラインを超えて、CD8+CD28− T細胞の増殖および活性化を増加させた(図16)。再刺激により、ニボルマブ単独療法で処置した患者から単離されたTILSおよびPBMCは、増加した抗TAA活性を示した(図17)。
ニボルマブ処置は、TREGSによるIFNγの産生を増加させ、免疫抑制性活性の低下が示唆される。ニボルマブによる処置は、TILおよびPBMCの両方において、TAAに対する機能的応答をもたらした。腫瘍浸潤性T細胞の免疫プロファイルは、ニボルマブ処置に対する腫瘍における免疫関連処置効果を経験する1名の患者において、高度に特徴的であった。
実施例9
新たに診断されたGBMまたは神経膠肉腫を有する患者の、テモゾロミドとイピリムマブおよび/またはニボルマブとの併用処置
この無作為化第I相治験は、新たに診断されたGBMまたは神経膠肉腫を有する患者を処置する際に、イピリムマブ、ニボルマブ、または両方の併用と共に投与されるときの、テモゾロミドの安全性および最良の有効性を検討する。テモゾロミドなどの化学療法に使用される薬物は、細胞を殺すか、細胞分裂を止めるか、または細胞の拡散を止めることにより、腫瘍細胞の増殖を停止させる種々の方法で作用する。イピリムマブおよびニボルマブなどのモノクローナル抗体は、特定の細胞を標的とすることによって異なる方法で腫瘍増殖を阻止し得る。テモゾロミドと、イピリムマブ、ニボルマブ、または両方の併用との組合せが、GBMまたは神経膠肉腫のより良い治療法であるかどうかはまだ分かっていない。
新たに診断されたGBMまたは神経膠肉腫を有する患者の、テモゾロミドとイピリムマブおよび/またはニボルマブとの併用処置
この無作為化第I相治験は、新たに診断されたGBMまたは神経膠肉腫を有する患者を処置する際に、イピリムマブ、ニボルマブ、または両方の併用と共に投与されるときの、テモゾロミドの安全性および最良の有効性を検討する。テモゾロミドなどの化学療法に使用される薬物は、細胞を殺すか、細胞分裂を止めるか、または細胞の拡散を止めることにより、腫瘍細胞の増殖を停止させる種々の方法で作用する。イピリムマブおよびニボルマブなどのモノクローナル抗体は、特定の細胞を標的とすることによって異なる方法で腫瘍増殖を阻止し得る。テモゾロミドと、イピリムマブ、ニボルマブ、または両方の併用との組合せが、GBMまたは神経膠肉腫のより良い治療法であるかどうかはまだ分かっていない。
本治験は、新たに診断されたGBMの維持療法中にテモゾロミドを投与されたときに、イピリムマブ、ニボルマブおよび組合せによる単剤治療薬の最適用量を決定することである。
さらなる目的は、(a)新たに診断されたGBMに対して維持期中にテモゾロミドを投与された場合、ニボルマブ単独療法およびイピリムマブとニボルマブの併用療法による副作用プロファイルを収集し記録すること、および(b)腫瘍サンプル内の免疫細胞のパイロット治験、例えば、診断用腫瘍ブロックから腫瘍組織を調べることにより、腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)の表現型を決定することを行うこと、である。
第一の評価項目には、(a)ニボルマブ単独療法での免疫関連DLT[期間:8週まで];または、(b)テモゾロミド投与時の、イピリムマブおよびニボルマブの併用投与での免疫関連DLT[期間:8週まで]。
第二の評価項目には、米国国立癌研究所の有害事象共通用語規準バージョン4.0を用いて評価された有害事象の発生が含まれる[期間:処置後1か月まで]。治験医は、新たに診断されたGBMの維持期間中にテモゾロミドを投与された場合、ニボルマブ単独療法およびイピリムマブとニボルマブの併用療法による副作用プロファイルを収集し記録する。第二の評価項目にはまた、標準的な免疫組織化学を用いた腫瘍サンプル内の免疫細胞のバイオマーカー分析も含まれる[期間:処置後1か月まで]。アッセイのこのバッテリーの結果は、その後の無作為化され、統計的に検出された比較臨床治験の準備において、再現性のある結果を得る上でパイロットデータおよび実現可能性の評価を得るために使用される。
治験群
治験:I群(テモゾロミドおよびニボルマブ)
化学放射線療法の完了後5週間以内に、患者は、1〜5日目にテモゾロミドのPO投与を受ける。疾患の進行がない、または許容されない毒性がない場合に、28日毎に6コースまでで処置を繰り返す。患者はまた、許容されない毒性がなければ、2週間毎に1回90分を24週間、その後、2週間毎に1回を42週間に亘り、ニボルマブをIV投与する。
治験:I群(テモゾロミドおよびニボルマブ)
化学放射線療法の完了後5週間以内に、患者は、1〜5日目にテモゾロミドのPO投与を受ける。疾患の進行がない、または許容されない毒性がない場合に、28日毎に6コースまでで処置を繰り返す。患者はまた、許容されない毒性がなければ、2週間毎に1回90分を24週間、その後、2週間毎に1回を42週間に亘り、ニボルマブをIV投与する。
治験:II群(テモゾロミド、ニボルマブ、イピリムマブ)
化学放射線療法の完了後5週間以内に、患者は、1〜5日目にテモゾロミドのPO投与を受ける。疾患の進行がない、または許容されない毒性がない場合に、28日毎に6コースまでで処置を繰り返す。患者はまた、許容されない毒性がなければ、4週間毎に1回90分を6コースに亘り、イピリムマブをIV投与され、および2週間毎に1回90分を48週間に亘り、ニボルマブをIV投与される。
化学放射線療法の完了後5週間以内に、患者は、1〜5日目にテモゾロミドのPO投与を受ける。疾患の進行がない、または許容されない毒性がない場合に、28日毎に6コースまでで処置を繰り返す。患者はまた、許容されない毒性がなければ、4週間毎に1回90分を6コースに亘り、イピリムマブをIV投与され、および2週間毎に1回90分を48週間に亘り、ニボルマブをIV投与される。
治験処置終了後、患者を1ヶ月間追跡し、その後3ヶ月毎に1年間、4ヶ月毎に1年間、その後6ヶ月毎に追跡する。
治験に参加する対象は18歳以上であるべきである。治験の対象となる基準は次のとおりである。
(a)登録前7日以内に、病理組織学的にGBMまたは神経膠肉腫の診断が証明されていること;
(b)腫瘍は一病巣であって、テント上(supratentorial)区画に限定されていなければならず、肉眼的に腫瘍が全くない(gross total resection)か、またはそれに近い腫瘍を有すること;
(c)ホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織ブロックは、登録後に遡及的中央病理検査(retrospective central pathology review)のために送付することが可能でなければならないこと;
(d)患者は、化学放射線療法終了後28日以内に登録されなければならないこと;
(e)登録前7日以内に病歴/身体検査をすること;
(f)患者は、放射線を完了してから28日以内で、かつ登録前7日以内に、磁気共鳴映像法(MRI)による評価を受けていなければならないこと;MRIは、腫瘍の進行を証明してはならない。
(g)登録前7日以内にKarnofskyパフォーマンスステータス>=70であること;
(h)絶対好中球数>=1,500細胞/mm3であること;
(i)血小板数>=100,000細胞/mm3であること;
(j)血液尿素窒素=<30mg/dlであること;
(k)血清クレアチニン=<1.7mg/dlであること;
(l)全ビリルビン(ギルバート症候群患者であって、総ビリルビン適格基準を除いて治験対象となる患者を除く)=<2.0mg/dlであること;
(m)アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)=<正常の2.5倍上限(ULN)であること;
(n)患者は、以前の放射線療法腫瘍群(RTOG)/NRG腫瘍治験によって確立された標準的ケア内で化学療法放射線を以下の通り完了していなければならない(全てのコホート):
(i)放射線療法
・治療用モダリティ:3次元(3D)または強度変調放射線療法(IMRT)、または陽子線治療が可能である;
・開始時期:放射線療法は、手術後35日以内(35日を含む)に開始しなければならない。
・標的の容量:標的の容積の定義は、術後強磁気共鳴画像法(MRI)に基づく;必要に応じて、術前の画像を用いて相関関係および改善された同定を行うべきである。
・用量ガイドライン:当初標的容量は、23分画で46グレイで処置される;46グレイ後、減少または増加標的は、各2グレイのさらに7分画が追加されて(14グレイ増量)、合計60グレイで処置される。
(ii)同時放射線療法中のテモゾロミド
・テモゾロミドは、放射線療法の1日目から放射線療法の最終日まで、75mg/m2の1日経口用量で最大49日間連続して投与されなければならない。
(o)患者は、1日あたり、30mgのコルチゾンまたはそれに相当する量として定義される生理的補充用量(replacement dosing)よりも多いコルチコステロイド用量であってはならない;および
(p)患者は、治験に入る前に、治験特有のインフォームド・コンセントを提供しなければならない。
(a)登録前7日以内に、病理組織学的にGBMまたは神経膠肉腫の診断が証明されていること;
(b)腫瘍は一病巣であって、テント上(supratentorial)区画に限定されていなければならず、肉眼的に腫瘍が全くない(gross total resection)か、またはそれに近い腫瘍を有すること;
(c)ホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織ブロックは、登録後に遡及的中央病理検査(retrospective central pathology review)のために送付することが可能でなければならないこと;
(d)患者は、化学放射線療法終了後28日以内に登録されなければならないこと;
(e)登録前7日以内に病歴/身体検査をすること;
(f)患者は、放射線を完了してから28日以内で、かつ登録前7日以内に、磁気共鳴映像法(MRI)による評価を受けていなければならないこと;MRIは、腫瘍の進行を証明してはならない。
(g)登録前7日以内にKarnofskyパフォーマンスステータス>=70であること;
(h)絶対好中球数>=1,500細胞/mm3であること;
(i)血小板数>=100,000細胞/mm3であること;
(j)血液尿素窒素=<30mg/dlであること;
(k)血清クレアチニン=<1.7mg/dlであること;
(l)全ビリルビン(ギルバート症候群患者であって、総ビリルビン適格基準を除いて治験対象となる患者を除く)=<2.0mg/dlであること;
(m)アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)=<正常の2.5倍上限(ULN)であること;
(n)患者は、以前の放射線療法腫瘍群(RTOG)/NRG腫瘍治験によって確立された標準的ケア内で化学療法放射線を以下の通り完了していなければならない(全てのコホート):
(i)放射線療法
・治療用モダリティ:3次元(3D)または強度変調放射線療法(IMRT)、または陽子線治療が可能である;
・開始時期:放射線療法は、手術後35日以内(35日を含む)に開始しなければならない。
・標的の容量:標的の容積の定義は、術後強磁気共鳴画像法(MRI)に基づく;必要に応じて、術前の画像を用いて相関関係および改善された同定を行うべきである。
・用量ガイドライン:当初標的容量は、23分画で46グレイで処置される;46グレイ後、減少または増加標的は、各2グレイのさらに7分画が追加されて(14グレイ増量)、合計60グレイで処置される。
(ii)同時放射線療法中のテモゾロミド
・テモゾロミドは、放射線療法の1日目から放射線療法の最終日まで、75mg/m2の1日経口用量で最大49日間連続して投与されなければならない。
(o)患者は、1日あたり、30mgのコルチゾンまたはそれに相当する量として定義される生理的補充用量(replacement dosing)よりも多いコルチコステロイド用量であってはならない;および
(p)患者は、治験に入る前に、治験特有のインフォームド・コンセントを提供しなければならない。
除外基準には、以下が含まれる:
(a)進行性疾患の確定的な臨床的または放射線学的証拠;
(b)Gliadelウエハーまたは局所近接照射療法の事前設置;
(c)ワクチン療法、樹状細胞ワクチン療法または治療剤の腹腔内送達もしくは対流増加送達(convectional enhanced delivery)などの免疫療法の使用;
(d)最低3年間無病にもかかわらず、以前の侵襲性悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く);
(e)登録前の最後の6ヶ月以内の不安定狭心症;
(f)登録前の最後の6ヶ月以内の貫壁性心筋梗塞;
(g)登録前7日以内に行われた心電図(EKG)の分析を用いる、2mm以上の上昇の知見による最近の心筋梗塞または虚血の証拠;
(h)登録前12か月以内に入院を必要とする、ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類でグレードII度以上のうっ血性心不全;
(i)登録前6カ月以内の、脳卒中、脳血管傷害(CVA)または一過性虚血性発作の既往歴;
(j)重篤かつ不十分に制御された心臓不整脈;
(k)重大な血管疾患(例えば、大動脈瘤、大動脈解離の病歴)または臨床的に重要な末梢血管疾患;
(l)出血性素因または凝固障害の証拠;
(m)切除のための開頭術を除き、登録前28日以内の、重傷もしくは治癒しない創傷、潰瘍、または骨折もしくは腹部瘻の既往歴、胃腸管穿孔、腹腔内膿瘍大手術、開腹生検または重大な外傷性損傷;
(n)登録時に静脈内抗生物質を必要とする急性細菌感染または真菌感染;
(o)登録時に入院を必要とする、または治験を不可能にする、慢性閉塞性肺疾患の悪化または他の呼吸器疾患;
(p)臨床的黄疸および/または凝固異常をもたらす肝不全;しかしながら、さらなる肝臓機能検査および凝固パラメーターのラボテストは、このプロトコールへの参加のために必要とされないことに留意されたい;
(q)現在の疾病管理予防センター(CDC)の定義に基づく後天性免疫不全症候群(AIDS);しかしながら、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査は、このプロトコールへの参加のために必要とされないことに留意されたい;
(r)担当医の意見では、患者を免疫学的毒性の危険性が高い状態にし得る、狼瘡または強皮症などの能動的結合組織障害;
(s)重要な臓器機能に影響を与える全身性コルチコステロイドを含む免疫抑制治療を必要とする可能性のある自己免疫疾患または自己免疫疾患の病歴を有する患者は除外すべきである;これらには、免疫関連神経疾患、多発性硬化症、自己免疫性(脱髄)ニューロパシー、ギランバレー症候群もしくは慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(CIDP)、重症筋無力症の病歴を有する患者;全身性エリテマトーデス(SLE)、結合組織疾患、強皮症、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、肝炎などの全身性自己免疫疾患の病歴を有する患者;および、中毒性表皮壊死症(TEN)、スティーブンス・ジョンソン症候群、またはリン脂質症候群の病歴を有する患者が含まれるが、それに限定されない;
(i)注目すべきは、白斑症、生理的コルチコステロイドを含む補充ホルモンで管理される甲状腺炎を含む内分泌欠乏症を有する患者は、適格である;リウマチ性関節炎および他の関節症、シェーグレン症候群および局所薬物療法によって制御される乾癬を有する患者ならびに抗核抗体(ANA)、抗甲状腺抗体などの血清学的検査陽性を有する患者は、標的臓器の関与の有無および全身治療の潜在的可能性が評価されるべきであるが、そうでなければ適格でなければならない;
(t)治験医の意見において、プロトコール療法の投与または完了を妨げるその他の主要な医学的疾患または精神障害;
(u)妊娠または授乳中の女性;妊娠の可能性のある女性は、登録前7日以内に血清妊娠検査陰性でなければならない;
(v)HIV陽性の患者は適格ではない;HIV検査は、このプロトコールの適格性に必要ではないことにも留意されたい;しかしながら、HIVの病歴は、不適格である;および
(w)任意のモノクローナル抗体に対する重度の過敏症反応の病歴。
(a)進行性疾患の確定的な臨床的または放射線学的証拠;
(b)Gliadelウエハーまたは局所近接照射療法の事前設置;
(c)ワクチン療法、樹状細胞ワクチン療法または治療剤の腹腔内送達もしくは対流増加送達(convectional enhanced delivery)などの免疫療法の使用;
(d)最低3年間無病にもかかわらず、以前の侵襲性悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く);
(e)登録前の最後の6ヶ月以内の不安定狭心症;
(f)登録前の最後の6ヶ月以内の貫壁性心筋梗塞;
(g)登録前7日以内に行われた心電図(EKG)の分析を用いる、2mm以上の上昇の知見による最近の心筋梗塞または虚血の証拠;
(h)登録前12か月以内に入院を必要とする、ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類でグレードII度以上のうっ血性心不全;
(i)登録前6カ月以内の、脳卒中、脳血管傷害(CVA)または一過性虚血性発作の既往歴;
(j)重篤かつ不十分に制御された心臓不整脈;
(k)重大な血管疾患(例えば、大動脈瘤、大動脈解離の病歴)または臨床的に重要な末梢血管疾患;
(l)出血性素因または凝固障害の証拠;
(m)切除のための開頭術を除き、登録前28日以内の、重傷もしくは治癒しない創傷、潰瘍、または骨折もしくは腹部瘻の既往歴、胃腸管穿孔、腹腔内膿瘍大手術、開腹生検または重大な外傷性損傷;
(n)登録時に静脈内抗生物質を必要とする急性細菌感染または真菌感染;
(o)登録時に入院を必要とする、または治験を不可能にする、慢性閉塞性肺疾患の悪化または他の呼吸器疾患;
(p)臨床的黄疸および/または凝固異常をもたらす肝不全;しかしながら、さらなる肝臓機能検査および凝固パラメーターのラボテストは、このプロトコールへの参加のために必要とされないことに留意されたい;
(q)現在の疾病管理予防センター(CDC)の定義に基づく後天性免疫不全症候群(AIDS);しかしながら、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査は、このプロトコールへの参加のために必要とされないことに留意されたい;
(r)担当医の意見では、患者を免疫学的毒性の危険性が高い状態にし得る、狼瘡または強皮症などの能動的結合組織障害;
(s)重要な臓器機能に影響を与える全身性コルチコステロイドを含む免疫抑制治療を必要とする可能性のある自己免疫疾患または自己免疫疾患の病歴を有する患者は除外すべきである;これらには、免疫関連神経疾患、多発性硬化症、自己免疫性(脱髄)ニューロパシー、ギランバレー症候群もしくは慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(CIDP)、重症筋無力症の病歴を有する患者;全身性エリテマトーデス(SLE)、結合組織疾患、強皮症、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、肝炎などの全身性自己免疫疾患の病歴を有する患者;および、中毒性表皮壊死症(TEN)、スティーブンス・ジョンソン症候群、またはリン脂質症候群の病歴を有する患者が含まれるが、それに限定されない;
(i)注目すべきは、白斑症、生理的コルチコステロイドを含む補充ホルモンで管理される甲状腺炎を含む内分泌欠乏症を有する患者は、適格である;リウマチ性関節炎および他の関節症、シェーグレン症候群および局所薬物療法によって制御される乾癬を有する患者ならびに抗核抗体(ANA)、抗甲状腺抗体などの血清学的検査陽性を有する患者は、標的臓器の関与の有無および全身治療の潜在的可能性が評価されるべきであるが、そうでなければ適格でなければならない;
(t)治験医の意見において、プロトコール療法の投与または完了を妨げるその他の主要な医学的疾患または精神障害;
(u)妊娠または授乳中の女性;妊娠の可能性のある女性は、登録前7日以内に血清妊娠検査陰性でなければならない;
(v)HIV陽性の患者は適格ではない;HIV検査は、このプロトコールの適格性に必要ではないことにも留意されたい;しかしながら、HIVの病歴は、不適格である;および
(w)任意のモノクローナル抗体に対する重度の過敏症反応の病歴。
実施例10
新たに診断された非メチル化MGMT(腫瘍内O−6−メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ)GBMを有する成人対象における放射線療法と組み合わせた、ニボルマブまたはテモゾロミドそれぞれの、無作為化第3相オープンラベル治験
本治験の第一の目的は、外科的切除後の、新たに診断されたGBMおよび非メチル化MGMT腫瘍を有する対象において、ニボルマブ+放射線療法(RT+ニボルマブ) 対 テモゾロミド+放射線療法(RT+TMZ)を受けた対象の全生存期間(OS)の比較をすることである。非メチル化MGMT対象は、未だ最も満たされていない医療ニーズを有するGBM集団を代表する。化学放射線療法を受けた新たに診断されたGBM患者後ろ向き研究では、非メチル化MGMT GBM腫瘍を有する対象は、急速に進行し、平均生存期間はわずか12−15か月であった(これに対して、メチル化MGMTは、平均OSが22−26カ月であった)。
新たに診断された非メチル化MGMT(腫瘍内O−6−メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ)GBMを有する成人対象における放射線療法と組み合わせた、ニボルマブまたはテモゾロミドそれぞれの、無作為化第3相オープンラベル治験
本治験の第一の目的は、外科的切除後の、新たに診断されたGBMおよび非メチル化MGMT腫瘍を有する対象において、ニボルマブ+放射線療法(RT+ニボルマブ) 対 テモゾロミド+放射線療法(RT+TMZ)を受けた対象の全生存期間(OS)の比較をすることである。非メチル化MGMT対象は、未だ最も満たされていない医療ニーズを有するGBM集団を代表する。化学放射線療法を受けた新たに診断されたGBM患者後ろ向き研究では、非メチル化MGMT GBM腫瘍を有する対象は、急速に進行し、平均生存期間はわずか12−15か月であった(これに対して、メチル化MGMTは、平均OSが22−26カ月であった)。
この治験の第二の目的は、1)RT+ニボルマブ 対 RT+TMZの治験医により評価された無増悪生存期間(PFS)を比較すること、および2)全生存期間を24か月と推定すること(RT+ニボルマブ 対 RT+TMZのOS[24])、である。
図12および表7から明らかなように、ニボルマブは、2週間毎に16週間、30分間の点滴により240mgがIV投与され、その後、第17週から開始して、4週間毎に、30分間の点滴により480mgのニボルマブが投与され、これは進行まで、許容されない毒性まで、同意の撤回まで、または治験終了までのいずれか早くまで行われ、またはテモゾロミドは、放射線療法中に75mg/m2が連日経口投与され、その後、4週間の休薬後、6サイクル(28日毎)のテモゾロミドが、サイクル1で1−5日目に150mg/m2が投与され、6サイクルまで耐用量の200mg/m2までの増加用量で投与される。
ニボルマブに対して無作為化された対象は、無作為化の3日以内に治療を開始すべきであり、進行、許容できない毒性、同意の撤回、または治験終了のいずれか早いところまで、2週間毎に各処置サイクルの1日目に240mgの用量を30分間のIV点滴として投与を継続される。RT+ニボルマブ群に対して無作為化された対象は、16週間のニボルマブ療法はそのままで、ニボルマブ480mgを、第17週から開始して4週間毎(q4w)に30分間IV点滴する投与に移行する。臨床スケジュールに必要であれば、対象に、スケジュールされた日の前後3日まで、すなわち、12日以上または17日以内の間隔で投与される。意図された投与日から3日以上経過した投与量は、遅延とみなされる。その後の投与量は、以前の薬物の投与量の実際の投与日に基づくべきである。
RT+TMZを受容する対象は、RT中に、テモゾロミド(TMZ、TEMODAR(登録商標))を連日投与し、維持療法として6サイクル投与する。テモゾロミド(TMZ)は、RTを継続しながら、一般的に42日間、同時RT+TMZ投薬中に最大49日間、1日1回、75mg/m2で投与される。RTの完了後、4週間の休薬がある。対象は、テモゾロミド1日1回×5日を28日毎のサイクルを6サイクル受容する。TMZ維持単独療法の用量レベルを表13に示す。
毒性
第一の維持サイクルで、TMZは、150mg/m2の投与量で与えられ、その後、以下の通り、サイクル2で200mg/m2まで増大される:第一のサイクル中、観察された全ての非血液学的AEはグレード2未満であり(脱毛症、吐き気および嘔吐を除く)、血小板≧100×109/LおよびANC≧1.5×109/Lであり、その後、テモゾロミドの用量を用量レベル1に段階的に上げ、この用量を次のサイクルの開始用量として使用する必要がある。サイクル1後の処置は、グレード2以上の非血液学的AEが進行中であるため遅れなければならない場合、漸増(エスカレーション)は不可能である。サイクル2で用量が増量されなかった場合、有害事象に基づいてさらなるサイクルで用量を漸増させるべきではない。RTとの併用期間中に以前の用量の減少があった場合、用量−1は、その後のサイクルの開始用量でなければならない。
第一の維持サイクルで、TMZは、150mg/m2の投与量で与えられ、その後、以下の通り、サイクル2で200mg/m2まで増大される:第一のサイクル中、観察された全ての非血液学的AEはグレード2未満であり(脱毛症、吐き気および嘔吐を除く)、血小板≧100×109/LおよびANC≧1.5×109/Lであり、その後、テモゾロミドの用量を用量レベル1に段階的に上げ、この用量を次のサイクルの開始用量として使用する必要がある。サイクル1後の処置は、グレード2以上の非血液学的AEが進行中であるため遅れなければならない場合、漸増(エスカレーション)は不可能である。サイクル2で用量が増量されなかった場合、有害事象に基づいてさらなるサイクルで用量を漸増させるべきではない。RTとの併用期間中に以前の用量の減少があった場合、用量−1は、その後のサイクルの開始用量でなければならない。
維持療法は、RT後4週間の治療休止後に開始する。TMZ処置は、血小板数(3日以内に得られた)が、ANC≧1.5×109/L、血小板数≧100×109/Lおよびグレード3以上の非血液学的AE(脱毛症を除く(グレード1以下にされていなければならない))であれば、処置が開始される。AEが持続する場合、処置は、4週間連続して1週間遅れるべきである。4週間の遅延後、全てのAEが依然としてグレード1以下に解決されていない場合は、テモゾロミドによるさらなるアジュバント処置を中止するべきである。
治験の予備的目的は、1)RT+ニボルマブおよびRT+TMZ処置群の安全性を評価すること;2)EQ−5Dおよび欧州がん治療研究機構が開発した一般癌モジュール(QLQ−C30)および脳腫瘍モジュール(QLQ−BN20)を用いて健康関連QOLを評価すること;3)神経腫瘍学における神経学的評価(NANO)スケールを用いてRT+ニボルマブおよびRT+TMZ処置群における神経機能を評価すること;4)Cogstateツールを用いてRT+ニボルマブおよびRT+TMZ処置群における認知を評価すること;5)フローサイトメトリー、免疫組織化学、可溶性因子分析および遺伝子発現(マイクロアレイ技術、定量的RT−PCR)によって測定される末梢血および腫瘍組織におけるニボルマブの薬力学的活性を評価すること;7)ニボルマブで処置された新たに診断されたGBMの対象に対する、安全性と有効性と共に、PD−L1発現などの末梢血および腫瘍組織におけるバイオマーカー環の関連性を調査すること;8)ニボルマブのPKを特徴づけて、暴露−応答の関係を探索すること;および、9)この設定でニボルマブの免疫原性を特徴付けること、である。
本治験は、腫瘍の外科的切除後に、新たに診断されたGBMの対象を登録する。インフォームド・コンセントが得られた後、対象は、スクリーニングフェーズに入る。腫瘍組織は、中央ラボアッセイによってMGMTメチル化について評価される。対象となる550名の対象を無作為化するために、合計約1200名の対象が腫瘍スクリーニングを有すると予想され、そのうち、約600名の対象が、非メチル化MGMT腫瘍を有すると予想される。
非メチル化MGMTの中央ラボ結果を有する対象は、スクリーニングフェーズで継続してもよく、無作為化の適格性が記録され、ベースラインにおける人口統計学情報および疾患情報が提出される(詳細について)。ランダム化の適格性が記録され、ベースラインの人口統計学および疾患情報が提出される。詳細については。スクリーニングフェーズ中、手術後48時間以内(好ましくは24時間以内)に造影増強MRIを入手しなければならない。
治験処置を開始する準備ができたとき、対象は治験の処置フェーズへと進む。処置フェーズに入る全ての対象、すなわち、全ての無作為化された対象は、安全性および耐容性、腫瘍の進行および生存のために追跡される。造影増強MRIは、放射線療法完了後4週間、その後は8週間(±1週)毎に、処置スケジュールに関係なく進行するまで、実施すべきである。腫瘍の進行は、神経腫瘍学基準(RANO)における放射線学的評価を用いて評価される。認知機能、神経機能、バイオマーカー、および患者が報告したQOLのアウトカムについて、追加の評価が行われる。
何らかの理由による治験処置の中止の後、全ての無作為化対象は、フォローアップフェーズに入る。短期的には、治療関連の有害事象の報告のための外来診が定義される。治験処置が中止された時点で疾患の進行が検出されなかった全ての対象は、造影増強MRIと共に進行について、8週間(±1週間)毎に、注意深く経過観察される。進行後、その後の処置が報告される。全ての無作為化された対象は、生存のために追跡されなければならない(一次エンドポイント)。
診断的手術からRTの開始までの合計時間は、無作為化からRTの開始までの最大7日間を含めて、42日を超えてはならない。RT+ニボルマブ群の対象は、無作為化後3日以内にニボルマブを開始すべきであり、臨床的に適切なように、RT開始前の任意の時点で与えることができる。RT+TMZ群に無作為化された対象は、臨床的に適切なように、無作為化後7日目までに同日に化学放射線療法の併用を開始する。
放射線療法は、外科的切除からの実質的な回復後、手術後42日以内に開始されるべきである。60グレイの総線量のために体外照射RTは、2グレイの日用量で、一般的には、6〜7週間に亘る、適当な、5日間のオン/2日間のオフのスケジュールで投与される。RTは、放射線腫瘍医の指示に従って、術前腫瘍体積+2〜3cmのマージンに投与される。RT後12週間以内に起こる予期される進行は、“偽進行”であり得る;この設定では、予期される進行は、処置の中止前に確認されるべきである。
フォローアップフェーズは、有害事象、最大の臨床的利益(治験医判断)、対象の要求、TMZ維持療法(6サイクル)の完了、疾患の進行、または別の理由のためを含む、対象に対する治験処置を中止する決定がなされたときに始まる。
対象は、中止後最低100日間の記録された、最後の投与後35日(±7日)および115日(±7日)での外来診で有害事象について評価されるが、薬物関連毒性は、それらが解決するまで、ベースラインに戻るまで、または不可逆的であるとみなされるまで、経過観察を継続されるべきである。
疾患の進行以外の理由で処置を中止する対象は、進行まで、腫瘍評価およびNANOスケールを受け続ける(二次治験エンドポイント)。進行がない場合の、抗腫瘍処置の導入は、強く推奨されない。
全ての対象は、生存について追跡されなければならない(一次治験エンドポイント)。その後の処置は、存在するならば、報告される。
編入基準は以下の通りである:
・署名した書面による同意:
○ プロトコールに関連する手続きを行う前に、対象本人/法定代理人から得られたインフォームド・コンセントおよびHIPAA承認(米国の対象者のみに適用)の書面;
○ 対象は、予定された外来診、処置スケジュール、ラボテスト、および治験の他の要件を遵守することができなければならない。
・標的集団:
○ 新たに診断された組織学的に確認された胸部原発性GBM(神経膠肉腫を含む、世界保健機構によるグレード4の悪性神経膠腫)
a)外科手術以外のGBMの処置法がない;
b)外科的切除の48時間以内(好ましくは24時間以内)の術後ベースラインMRI
○ 外科的切除からの完全な回復;
a)手術後の主だった安全性の問題がない
b)20mg以下のプレドニゾンまたは3mg以下のデキサメサゾン(または同等量)を連日投与
○ 中央で確認された非メチル化MGMT GBM;
○ Karnofskyのパフォーマンスステータスが70以上;
○ NCCNガイドラインに基づく放射線療法の対象である
○ 対象は、治験に再登録可能である。
・年齢および生殖状態:
○ 男性および女性の年齢18歳以上;
○ 妊娠可能性のある女性(WOCBP)は、治験薬の開始前24時間以内に陰性の血清または尿の妊娠検査(HCG最小検出感度が25IU/Lまたはそれと同等)を有しなければならない;
○ 女性は母乳育児であってはならない;
○ 妊娠可能性のある女性(WOCBP)は、30日間(排卵周期)と調査薬物の5回の半減期を経るのに要する期間を避ける方法(複数可)の指示に従うことに同意しなければならない。ニボルマブの終末相半減期は、最大25日である。テモゾロミドの終末相半減期は、1.2時間である。
・ニボルマブを受容するために無作為化されたWOCBPは、調査薬物の最終投与後、23週間(30日間+ニボルマブの5回の半減期を経るのに要する期間)の間、妊娠を避けるために適切な方法を用いなければならない。テモゾロミドを投与するために無作為化されたWOCBPは、テモゾロミドの最終投与後6週間(30日間+テモゾロミドの5回の半減期を経るのに要する時間)の間、妊娠を避けるために適切な方法を用いなければならない。
○ WOCBPと性的に活発な男性は、90日間(精子のターンオーバー期間)と調査薬物の5回の半減期を経るのに要する期間を避ける方法(複数可)の指示に従うことに同意しなければならない。ニボルマブの終末相半減期は、最大25日である
・WOCBPと性的に活発なニボルマブを受容するために無作為化された男性は、調査薬物の最終投与後、31週間(90日間+ニボルマブの5回の半減期を経るのに要する期間)の間、避妊を継続しなければならない。テモゾロミドに無作為化された男性は、 最終用量を受容後6カ月までに子供の父親にならないようにアドバイスを受け、TMZによる治療に起因する不可逆的な不妊症の可能性があるため、処置前に精子の凍結保存に関するアドバイスを求めるべきである。
○ 継続的に異性間で性的に活発ではない無精子症の男性およびWOCBPは、避妊要件を免除される。しかしながら、WOCBPは、このセクションで記載した通り、依然として妊娠検査を受けなければならない。
○ 治験医は、WOCBPおよびWOCBPと性的に活発な男性対象に対して、妊娠の予防の重要性および予期せぬ妊娠の影響について助言しなければならない。治験医は、WOCBPおよびWOCBPと性的に活発な男性対象に対して、非常に効果的な避妊方法の使用について助言しなければならない。非常に効果的な避妊方法は、一貫して正しく使用された場合、1%未満の失敗率である。
○ 最低限、対象は2つの避妊法の使用に同意しなければならず、1つの方法は非常に効果的であり、もう1つの方法はインフォームド・コンセントで見られるように非常に効果的であるかまたは効果が低い。
・身体的およびラボテスト所見:
○ WBC≧2,000/μL;
○ 好中球≧1,500/μL;
○ 血小板≧100×103/μL;
○ ヘモグロビン≧9.0g/dL;
○ 血清クレアチニン≦1.5×ULNまたはクレアチニンクリアランス(CrCl)≧50mL/分(Cockcroft−Gaultの式を用いて)
・女性のCrCl=(140−年齢)×体重(kg)×0.85
72×血清クレアチニン(mg/dL)
・男性のCrCl=(140−年齢)×体重(kg)×1.00
72×血清クレアチニン(mg/dL)
○ AST≦3.0×ULN;
○ ALT≦3.0×ULN;
○ 総ビリルビン≦1.5×ULN(総ビリルビン<3.0×ULNを有し得るギルバート症候群の対象を除く)。
・署名した書面による同意:
○ プロトコールに関連する手続きを行う前に、対象本人/法定代理人から得られたインフォームド・コンセントおよびHIPAA承認(米国の対象者のみに適用)の書面;
○ 対象は、予定された外来診、処置スケジュール、ラボテスト、および治験の他の要件を遵守することができなければならない。
・標的集団:
○ 新たに診断された組織学的に確認された胸部原発性GBM(神経膠肉腫を含む、世界保健機構によるグレード4の悪性神経膠腫)
a)外科手術以外のGBMの処置法がない;
b)外科的切除の48時間以内(好ましくは24時間以内)の術後ベースラインMRI
○ 外科的切除からの完全な回復;
a)手術後の主だった安全性の問題がない
b)20mg以下のプレドニゾンまたは3mg以下のデキサメサゾン(または同等量)を連日投与
○ 中央で確認された非メチル化MGMT GBM;
○ Karnofskyのパフォーマンスステータスが70以上;
○ NCCNガイドラインに基づく放射線療法の対象である
○ 対象は、治験に再登録可能である。
・年齢および生殖状態:
○ 男性および女性の年齢18歳以上;
○ 妊娠可能性のある女性(WOCBP)は、治験薬の開始前24時間以内に陰性の血清または尿の妊娠検査(HCG最小検出感度が25IU/Lまたはそれと同等)を有しなければならない;
○ 女性は母乳育児であってはならない;
○ 妊娠可能性のある女性(WOCBP)は、30日間(排卵周期)と調査薬物の5回の半減期を経るのに要する期間を避ける方法(複数可)の指示に従うことに同意しなければならない。ニボルマブの終末相半減期は、最大25日である。テモゾロミドの終末相半減期は、1.2時間である。
・ニボルマブを受容するために無作為化されたWOCBPは、調査薬物の最終投与後、23週間(30日間+ニボルマブの5回の半減期を経るのに要する期間)の間、妊娠を避けるために適切な方法を用いなければならない。テモゾロミドを投与するために無作為化されたWOCBPは、テモゾロミドの最終投与後6週間(30日間+テモゾロミドの5回の半減期を経るのに要する時間)の間、妊娠を避けるために適切な方法を用いなければならない。
○ WOCBPと性的に活発な男性は、90日間(精子のターンオーバー期間)と調査薬物の5回の半減期を経るのに要する期間を避ける方法(複数可)の指示に従うことに同意しなければならない。ニボルマブの終末相半減期は、最大25日である
・WOCBPと性的に活発なニボルマブを受容するために無作為化された男性は、調査薬物の最終投与後、31週間(90日間+ニボルマブの5回の半減期を経るのに要する期間)の間、避妊を継続しなければならない。テモゾロミドに無作為化された男性は、 最終用量を受容後6カ月までに子供の父親にならないようにアドバイスを受け、TMZによる治療に起因する不可逆的な不妊症の可能性があるため、処置前に精子の凍結保存に関するアドバイスを求めるべきである。
○ 継続的に異性間で性的に活発ではない無精子症の男性およびWOCBPは、避妊要件を免除される。しかしながら、WOCBPは、このセクションで記載した通り、依然として妊娠検査を受けなければならない。
○ 治験医は、WOCBPおよびWOCBPと性的に活発な男性対象に対して、妊娠の予防の重要性および予期せぬ妊娠の影響について助言しなければならない。治験医は、WOCBPおよびWOCBPと性的に活発な男性対象に対して、非常に効果的な避妊方法の使用について助言しなければならない。非常に効果的な避妊方法は、一貫して正しく使用された場合、1%未満の失敗率である。
○ 最低限、対象は2つの避妊法の使用に同意しなければならず、1つの方法は非常に効果的であり、もう1つの方法はインフォームド・コンセントで見られるように非常に効果的であるかまたは効果が低い。
・身体的およびラボテスト所見:
○ WBC≧2,000/μL;
○ 好中球≧1,500/μL;
○ 血小板≧100×103/μL;
○ ヘモグロビン≧9.0g/dL;
○ 血清クレアチニン≦1.5×ULNまたはクレアチニンクリアランス(CrCl)≧50mL/分(Cockcroft−Gaultの式を用いて)
・女性のCrCl=(140−年齢)×体重(kg)×0.85
72×血清クレアチニン(mg/dL)
・男性のCrCl=(140−年齢)×体重(kg)×1.00
72×血清クレアチニン(mg/dL)
○ AST≦3.0×ULN;
○ ALT≦3.0×ULN;
○ 総ビリルビン≦1.5×ULN(総ビリルビン<3.0×ULNを有し得るギルバート症候群の対象を除く)。
除外基準は以下の通りである:
・対象疾患の例外:
○ GBMの前処置(外科的切除以外);
○ 再発性GBM;
○ MGMTメチル化、部分的メチル化、または不確定GMB;
○ 20%未満の切除として定義される手術時のGBMの生検のみ;
○ 頭蓋内の血腫による圧迫作用(mass effect)のための、20mg以上のプレドニゾンまたは3mg以上のデキサメサゾン(または同等量)の連日投与として定義される、生理的ステロイドを超える量の継続的な要求;
○ その後、解決したために記録されていないが、ベースラインMRIスキャンでグレード1以上のCNS出血;
○ 既知の転移性の頭蓋外疾患または軟膜疾患;
○ 二次GBM(すなわち、以前の低悪性度または未分化星状細胞腫からの進行);および
○ 既知のIDH変異腫瘍(利用可能であれば;検査不要)。
・病歴および併発疾患:
○ 治験医の意見で、治験参加または治験薬投与に伴うリスクを増大させる可能性のある重大なまたは制御されない医学的障害は、対象がプロトコール治療を受ける能力を損なうか、または治験結果の解釈を妨害する;
○ 抗PD−1、抗PD−L1、抗PD−L2、抗CTLA−4抗体またはT細胞共刺激経路または免疫チェックポイント経路を特異的に標的とする何れか他の抗体もしくは薬物による以前の処置;
○ 活動性、既知または疑いのある自己免疫疾患を有する対象。I型真性糖尿病、ホルモン補充のみを必要とする甲状腺機能低下症、全身的処置を必要としない皮膚障害(白斑症、乾癬または脱毛症など)、または外部トリガーがない場合に再発することが予想されない症状を有する対象は、登録することができる;
○ 無作為化の14日以内に、コルチコステロイド(20mg以上のプレドニゾンまたは3mg以上のデキサメサゾンまたは同等量の連日投与)または他の免疫抑制剤の何れかでの全身処置を必要とする状態の対象。吸入もしくは局所ステロイド剤、および副腎代替ステロイド剤(20mg以上のプレドニゾンまたは3mg以上のデキサメサゾンまたは同等量の連日投与)は、活動性自己免疫疾患がない場合に許容される;
○ 症候性であるか、または予期される薬物関連肺毒素の検出または管理を妨げる可能性のある、間質性肺疾患を有する対象;
○ 別の病状に対する以前の免疫グロブリン処置(医療モニターの書面による承認を受けた、再発する可能性が低いと考えられる対象を除く)または他の治療薬成分に関連する過敏反応を含む生命を脅かす毒性の病歴を有する対象;
○ 薬物療法によって適切に制御されているか、またはプロトコール処置に潜在的に干渉しないと考えられる限り、癌に関連しない他の中枢神経系の状態(例えば、発作、膿瘍)の身体的/神経学的検査による病歴または証拠;
○ 治験処置の7日以上前の外科的処置、血管アクセス装置の制限なし;
○ 不安定な(例えば、ペースメーカまたはICD装置のために)または頭部の造影強調MRIを受けるのを望まない、対象;
○ 治験薬成分に対するアレルギーまたは過敏症の病歴;
○ 経口薬の飲み込み不可能、または胃腸疾患、または治験薬の吸収に影響を与える可能性のある外科手術。
・身体的所見およびラボテスト所見:
○ B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスの陽性検査;
○ ヒト免疫不全ウイルス(HIV)または既知の後天性免疫不全症候群(AIDS)の陽性検査の既知の病歴。特記:HIV検査は、地方の法令によって義務付けられている場所で実施しなければならない。
・薬物アレルギーおよび薬物有害反応:
○ 治験薬成分に対するアレルギーまたは過敏症の病歴
・その他の除外基準:
○ 囚人または不本意に投獄された対象(特記:ある特定の状況下では、投獄された人は、対象として継続することが認められているか、または許可されている可能性がある。厳しい条件が適用され、承認が必要である。);
○ 精神疾患または身体疾患(例えば、感染症)のいずれかの処置のために強制的に抑留された対象。
・対象疾患の例外:
○ GBMの前処置(外科的切除以外);
○ 再発性GBM;
○ MGMTメチル化、部分的メチル化、または不確定GMB;
○ 20%未満の切除として定義される手術時のGBMの生検のみ;
○ 頭蓋内の血腫による圧迫作用(mass effect)のための、20mg以上のプレドニゾンまたは3mg以上のデキサメサゾン(または同等量)の連日投与として定義される、生理的ステロイドを超える量の継続的な要求;
○ その後、解決したために記録されていないが、ベースラインMRIスキャンでグレード1以上のCNS出血;
○ 既知の転移性の頭蓋外疾患または軟膜疾患;
○ 二次GBM(すなわち、以前の低悪性度または未分化星状細胞腫からの進行);および
○ 既知のIDH変異腫瘍(利用可能であれば;検査不要)。
・病歴および併発疾患:
○ 治験医の意見で、治験参加または治験薬投与に伴うリスクを増大させる可能性のある重大なまたは制御されない医学的障害は、対象がプロトコール治療を受ける能力を損なうか、または治験結果の解釈を妨害する;
○ 抗PD−1、抗PD−L1、抗PD−L2、抗CTLA−4抗体またはT細胞共刺激経路または免疫チェックポイント経路を特異的に標的とする何れか他の抗体もしくは薬物による以前の処置;
○ 活動性、既知または疑いのある自己免疫疾患を有する対象。I型真性糖尿病、ホルモン補充のみを必要とする甲状腺機能低下症、全身的処置を必要としない皮膚障害(白斑症、乾癬または脱毛症など)、または外部トリガーがない場合に再発することが予想されない症状を有する対象は、登録することができる;
○ 無作為化の14日以内に、コルチコステロイド(20mg以上のプレドニゾンまたは3mg以上のデキサメサゾンまたは同等量の連日投与)または他の免疫抑制剤の何れかでの全身処置を必要とする状態の対象。吸入もしくは局所ステロイド剤、および副腎代替ステロイド剤(20mg以上のプレドニゾンまたは3mg以上のデキサメサゾンまたは同等量の連日投与)は、活動性自己免疫疾患がない場合に許容される;
○ 症候性であるか、または予期される薬物関連肺毒素の検出または管理を妨げる可能性のある、間質性肺疾患を有する対象;
○ 別の病状に対する以前の免疫グロブリン処置(医療モニターの書面による承認を受けた、再発する可能性が低いと考えられる対象を除く)または他の治療薬成分に関連する過敏反応を含む生命を脅かす毒性の病歴を有する対象;
○ 薬物療法によって適切に制御されているか、またはプロトコール処置に潜在的に干渉しないと考えられる限り、癌に関連しない他の中枢神経系の状態(例えば、発作、膿瘍)の身体的/神経学的検査による病歴または証拠;
○ 治験処置の7日以上前の外科的処置、血管アクセス装置の制限なし;
○ 不安定な(例えば、ペースメーカまたはICD装置のために)または頭部の造影強調MRIを受けるのを望まない、対象;
○ 治験薬成分に対するアレルギーまたは過敏症の病歴;
○ 経口薬の飲み込み不可能、または胃腸疾患、または治験薬の吸収に影響を与える可能性のある外科手術。
・身体的所見およびラボテスト所見:
○ B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスの陽性検査;
○ ヒト免疫不全ウイルス(HIV)または既知の後天性免疫不全症候群(AIDS)の陽性検査の既知の病歴。特記:HIV検査は、地方の法令によって義務付けられている場所で実施しなければならない。
・薬物アレルギーおよび薬物有害反応:
○ 治験薬成分に対するアレルギーまたは過敏症の病歴
・その他の除外基準:
○ 囚人または不本意に投獄された対象(特記:ある特定の状況下では、投獄された人は、対象として継続することが認められているか、または許可されている可能性がある。厳しい条件が適用され、承認が必要である。);
○ 精神疾患または身体疾患(例えば、感染症)のいずれかの処置のために強制的に抑留された対象。
併用療法。登録された対象は、スクリーニングフェーズで臨床的に適当な速さの勾配で全身性コルチコステロイドを受容し、可能であれば、無作為化の前に中止されることが期待される。全ての疾患関連または処置関連の有害事象の支持療法は、この治験のすべての対象について最大限にすべきである。
禁止された、および/または制限された処置。他の化学療法剤、免疫療法剤、追加の放射線療法剤またはGBMの処置のための治験薬を含む、併用抗腫瘍療法剤は、処置フェーズ中は禁止されている。GBMの処置のための追加の非侵襲的な医療機器(例えば、novoTTF、OPTUNE(登録商標))の使用は、禁止されている。
全身性コルチコステロイドを含む免疫抑制剤は、薬物関連有害事象を処置するために利用されない限り、治験処置中は禁止される。コルチコステロイド(1日当たり20mg以上のプレドニゾンまたは3mg以上のデキサメサゾン(または同等量の投与))または他の免疫抑制剤(無作為化の14日以内を含む)のいずれかで全身処置が必要な状態の対象は、除外される。超生理的ステロイド(1日当たり20mg以上のプレドニゾンまたは3mg以上のデキサメサゾンまたは同等量)を必要とする対象は、無作為化され得ない。吸入または局所ステロイド剤、および副腎代替ステロイド剤(1日当たり20mg以下のプレドニゾンまたは3mg以下のデキサメサゾンまたは同等量)が、活動性自己免疫疾患がない場合に許容される。
バルプロ酸の使用は、RT+TMZ群で禁止されている;対象は、別の抗けいれん剤に移行しなければならない。
治験薬による処置後の対象の中止。対象は、以下のいずれかの理由により、治験薬製品(および治験医の裁量により非治験薬製品)を中止しなければならない
・他にこれと異なる記載がある場合を除き、疾患の進行;
・治験医が決定した、最大の臨床効果;
・治験医の意見で、治験への継続的な参加が対象にとって最善の利益ではないことが示される、臨床的有害事象(AE)、検査値異常または併発疾患;
・治験処置を中止するという対象の要求;
・6サイクルのTMZ維持療法の完了;
・Bristol-Myers Squibb (BMS)による治験の終了;
・投獄または不本意な投獄による、精神医学的または身体的(例えば、感染症)の病気の治療のための同意を自由に与える能力の喪失;
・無作為化以外の抗腫瘍療法の開始。
・他にこれと異なる記載がある場合を除き、疾患の進行;
・治験医が決定した、最大の臨床効果;
・治験医の意見で、治験への継続的な参加が対象にとって最善の利益ではないことが示される、臨床的有害事象(AE)、検査値異常または併発疾患;
・治験処置を中止するという対象の要求;
・6サイクルのTMZ維持療法の完了;
・Bristol-Myers Squibb (BMS)による治験の終了;
・投獄または不本意な投獄による、精神医学的または身体的(例えば、感染症)の病気の治療のための同意を自由に与える能力の喪失;
・無作為化以外の抗腫瘍療法の開始。
これが生存治験であるために、治験治療を中止した対象は、進行および死亡の記録のための治験にとどまる。
治験評価:
安全性評価:有害事象は、治験中および最後の処置後100日間連続して評価される。有害事象は、MedDRAの最新バージョンを用いてコード化され、可能性のある顕著性および重要性について検討される。有害事象は、NCI CTCAEバージョン4.03にしたがって評価される。対象は、全ての処置関連有害事象がベースラインまで回復したか、または治験医により不可逆的であるとみなされるまで、追跡されるべきである。
安全性評価:有害事象は、治験中および最後の処置後100日間連続して評価される。有害事象は、MedDRAの最新バージョンを用いてコード化され、可能性のある顕著性および重要性について検討される。有害事象は、NCI CTCAEバージョン4.03にしたがって評価される。対象は、全ての処置関連有害事象がベースラインまで回復したか、または治験医により不可逆的であるとみなされるまで、追跡されるべきである。
有効性評価:手術後48時間以内(好ましくは24時間以内)のベースライン造影強調MRIは、治験特異的取得パラメーターを満たすために認定されたMRIで実施される。腫瘍画像評価は、放射線療法の完了後4週間、その後8週間(+/−1週間)毎に、疾患が進行するまで行われる。加えて、NANOスケールは、第1週第1日目に投与される前、その後、各MRIと共に完了される。対象は、許容されない毒性または疾患進行まで処置される。治療の中止後、安全性は、処置後フォローアップ外来診2の期間(最後の投与から100日まで)を通して評価される。生存状況は、フォローアップ外来診が完了してから3ヶ月毎に評価され、電話または対面外来診で完了され得る。
統計的考察:
サンプルサイズ:約550名の対象を、2つの群(RT+ニボルマブ 対 RT+TMZ)に1:1比で無作為化し、ベースラインで完全切除または部分切除により層別化する。
サンプルサイズ:約550名の対象を、2つの群(RT+ニボルマブ 対 RT+TMZ)に1:1比で無作為化し、ベースラインで完全切除または部分切除により層別化する。
本治験は、全体のタイプ1エラーが0.05(両側)で0.72のハザード比(HR)を検出するために検出力90%を提供するために、少なくとも298事例(全OS事象の75%)後の中間分析を含む、少なくとも397事例(すなわち、死亡)を必要とする。中間分析および最終分析における停止境界は、O’Brien−Flemingの境界と共にLan DeMets alpha消費関数を用いて、分析の時点でのOS事象の実際の数に基づいている。中間分析および最終分析が、予定された事例数で正確に行われる場合、予測されるアルファレベルは、中間分析および最終分析のそれぞれについて、0.019および0.044となる。これは、0.762(OSの中央値が13.0 対 17.0カ月)および0.817(OSの中央値が、13.0 対 15.9カ月)の観察されたHRに相当し、または中間分析および最終分析のそれぞれで統計的に有意な改善をもたらすには小さい。
PFSのみの二次エンドポイントは、階層的に治験される。
エンドポイント:一次エンドポイントは、全生存期間(OS)である。OSは、無作為化の日と何らかの原因による死亡日との間の期間として定義される。死亡していない対象は、最後に知られている生存日に打ち切られる(censored)。対象が治験薬を服用している間、および治験の生存フォローアップ期間中に、3ヶ月毎に対面または電話で連絡を受けて、OSを継続的に追跡する。
PFSの二次エンドポイントは、無作為化の日から、最初に記録された腫瘍進行の日または任意の原因による死亡の日までの期間として定義される。進行が報告されることなく死亡した対象は、死亡日に進行したとみなされ得る。疾患進行を有さない、または死亡していない対象は、最後の腫瘍評価の日に打ち切られる。治験の腫瘍評価を受けておらず、死亡しなかった対象は、無作為化日に打ち切られる。以前に報告された進行を伴わずにその後の抗癌療法を開始した対象は、その後の抗癌療法の開始前に、最後の腫瘍評価において打ち切られる。治験処置開始後に外科的切除を受けた対象は、外科的切除の開始前の最後の腫瘍評価日に打ち切られる。PFSは、RANO基準に基づいて治験医が報告した応答によって決定される。
24月での生存率の二次エンドポイントは、24か月でのKaplan−Meier生存率として定義される。
分析:
OSの一次エンドポイントならびにPFSおよびOS[24]の二次エンドポイントの分析は、全ての無作為化された対象に基づいて行われる。グループ逐次検定手順をOSに適用して、暫定的および最終的な分析から全体のタイプIエラーを制御する。OSの優位性が実証されている場合、PFSの二次エンドポイントに対する階層的仮説検定手順を用いて、治験群間(study-wise)のタイプIエラー率を0.05に保つ。OS[24]は、Kaplan Meier法を用いて概算される。
OSの一次エンドポイントならびにPFSおよびOS[24]の二次エンドポイントの分析は、全ての無作為化された対象に基づいて行われる。グループ逐次検定手順をOSに適用して、暫定的および最終的な分析から全体のタイプIエラーを制御する。OSの優位性が実証されている場合、PFSの二次エンドポイントに対する階層的仮説検定手順を用いて、治験群間(study-wise)のタイプIエラー率を0.05に保つ。OS[24]は、Kaplan Meier法を用いて概算される。
全ての無作為化対象におけるOSおよびPFS分布を、両側層別ログランク検定を用いて処置群間で比較する。ハザード比(HR)および対応する両側100×(1−調製α)%信頼区間(CI)を、Cox比例ハザードモデルにおいて、単一共変量(covariates)としての処置を用いて概算する。ベースライン時の完全切除または部分切除により層別化される。
OSおよびPFS曲線は、Kaplan−Meier製品限界法を用いて概算される。log−log変換を用いる対応する両側95%CIと共に、OS中央値およびPFSが計算される。
log−log変換を用いるOS[24]および対応する95%CIは、全ての対象が少なくとも24月のフォローアップを行った後に計算される。
エンドポイント
一次エンドポイント(複数可)。一次エンドポイントは、全生存期間である(OS)。OSは、無作為化の日と何らかの原因による死亡日との間の期間として定義される。死亡していない対象は、最後に知られている生存日に打ち切られ得る。対象が治験薬を服用している間、および治験の生存フォローアップ期間中に、3ヶ月毎に対面または電話で連絡を受けて、OSを継続的に追跡する。
一次エンドポイント(複数可)。一次エンドポイントは、全生存期間である(OS)。OSは、無作為化の日と何らかの原因による死亡日との間の期間として定義される。死亡していない対象は、最後に知られている生存日に打ち切られ得る。対象が治験薬を服用している間、および治験の生存フォローアップ期間中に、3ヶ月毎に対面または電話で連絡を受けて、OSを継続的に追跡する。
二次エンドポイント(複数可)。第一の副次目的(RT+ニボルマブ群とRT+TMZ群との間のPFSを比較すること)は、PFSのエンドポイントによって測定される。PFSは、無作為化から最初に記録された腫瘍進行の日または任意の原因による死亡日までの期間として定義される。進行が報告されることなく死亡した対象は、死亡日に進行したとみなされ得る。疾患進行を有さない、または死亡していない対象は、最後の腫瘍評価の日に打ち切られる。治験の腫瘍評価を受けておらず、死亡しなかった対象は、無作為化日に打ち切られる。以前に報告された進行を伴わずにその後の抗癌療法を開始した対象は、その後の抗癌療法の開始前に、最後の腫瘍評価において打ち切られる。治験処置開始後に外科的切除を受けた対象は、外科的切除の開始前の最後の腫瘍評価日に打ち切られる。PFSは、RANO基準に基づいて治験医が報告した応答によって決定される。
予備的エンドポイント
・安全性および耐容性は、有害事象、重篤な有害事象、死亡およびラボラトリー異常の発生によって測定される。
・NANOの評価は、各ドメインの機能スコア(function score)のレベルにおけるベースラインからの変化の分布によって測定される。
・薬物動態学パラメーターは、血清濃度−時間データを用いて算出される。HRQoLの評価は、EORTC−QLQ−C30の全体的な健康状態/QoLすく合スケールにおけるベースラインからの変化により、および残余EORTC QLQ−C30およびBN−20スケールにおけるベースラインからの変化により測定される。すべてのスケールおよび複数の単一項目は、カテゴリースケールでスコア化され、そしてより高いレベルの機能を表す高スコアの機能的尺度(functional scale)、より高いレベルの全身的健康状態/QOLを表すより高スコアの全身健康状態/QOL、およびより高いレベルの症状を表すより高スコアの症状で、0−100スケールに直線的に変換される。一般的な健康状態に関するHRQoLの評価は、EQ−5Dスケールにおけるベースラインからの変化により測定される。
・認知は、Cogstateを用いる神経認知機能、認知障害および/または遂行機能におけるベースラインからの変化を用いて評価される。神経機能は、NANOスケールを用いて評価される。
・安全性および耐容性は、有害事象、重篤な有害事象、死亡およびラボラトリー異常の発生によって測定される。
・NANOの評価は、各ドメインの機能スコア(function score)のレベルにおけるベースラインからの変化の分布によって測定される。
・薬物動態学パラメーターは、血清濃度−時間データを用いて算出される。HRQoLの評価は、EORTC−QLQ−C30の全体的な健康状態/QoLすく合スケールにおけるベースラインからの変化により、および残余EORTC QLQ−C30およびBN−20スケールにおけるベースラインからの変化により測定される。すべてのスケールおよび複数の単一項目は、カテゴリースケールでスコア化され、そしてより高いレベルの機能を表す高スコアの機能的尺度(functional scale)、より高いレベルの全身的健康状態/QOLを表すより高スコアの全身健康状態/QOL、およびより高いレベルの症状を表すより高スコアの症状で、0−100スケールに直線的に変換される。一般的な健康状態に関するHRQoLの評価は、EQ−5Dスケールにおけるベースラインからの変化により測定される。
・認知は、Cogstateを用いる神経認知機能、認知障害および/または遂行機能におけるベースラインからの変化を用いて評価される。神経機能は、NANOスケールを用いて評価される。
本願は、2014年12月16日出願の米国仮特許出願第62/092,783号および2015年11月30日出願の同第62/261,130号に基づく優先権の利益を主張する;それらは、引用によりその全体を本明細書中に包含させる。
Claims (54)
- 神経膠腫に罹患している対象を処置する方法であって、プログラム細胞死−1(PD−1)受容体に特異的に結合し、PD−1活性を阻害する抗体(“抗PD−1抗体”)またはその抗原結合部位の治療的有効量を該対象に投与することを含む、方法。
- 神経膠腫が、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合神経膠腫、乏突起膠腫および視神経神経膠腫からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 神経膠腫が膠芽腫である、請求項1または2に記載の方法。
- 膠芽腫が、古典的、神経系、前神経系(proneural)および間葉系の各サブタイプから選択される、請求項3に記載の方法。
- 抗PD−1抗体が、ヒトPD−1に対する結合についてニボルマブと交差競合する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体が、ヒトIgG1またはIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体が、キメラ、ヒト化またはヒトモノクローナル抗PD−1抗体もしくはそれらの抗原結合部位である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体がニボルマブである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体がペンブロリズマブである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 対象が、該投与と同時に、投与前に、または投与後に、抗癌療法でさらに処置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 抗癌療法が抗癌剤の投与を含む、請求項10に記載の方法。
- 抗癌療法が放射線療法を含む、請求項10に記載の方法。
- 抗癌療法が外科手術を含む、請求項10に記載の方法。
- 外科手術が、MRI誘導レーザアブレーションを含む、請求項13に記載の方法。
- 抗癌剤が、アルキル化剤、第二の抗体もしくはその抗原結合部位、または両方を含む、請求項11に記載の方法。
- アルキル化剤がテモゾロミドを含む、請求項15に記載の方法。
- 抗癌剤が、第二の抗体もしくはその抗原結合部位を含む、請求項11に記載の方法。
- 第二の抗体またはその抗原結合部位が、細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)に特異的に結合し、CTLA−4活性を阻害する抗体(“抗CTLA−4抗体”)である、請求項17に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、ヒトCTLA−4に対する結合についてイピリムマブと交差競合する、請求項18に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部分が、キメラ、ヒト化またはヒトモノクローナル抗体もしくはそれらの抗原結合部位である、請求項18または19に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部分が、ヒトIgG1アイソタイプの重鎖定常領域を含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体がイピリムマブである、請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位と抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位との組合せが、神経膠腫の処置に相乗効果を示す、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約0.1mgから約10mgの用量で投与される、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約1mgから約5mgの用量で投与される、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約3mgの用量で投与される、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約1mgの用量で投与される、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、約1、2、3または4週間毎に1回投与される、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、約2週間毎に1回投与される、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、約3週間毎に1回投与される、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約0.1mgから約10mgの用量で投与される、請求項18から30のいずれか一項に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約1mgから約5mgの用量で投与される、請求項18から31のいずれか一項に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約3mgの用量で投与される、請求項18から32のいずれか一項に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約1mgの用量で投与される、請求項18から32のいずれか一項に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、約1、2、3または4週間毎に1回投与される、請求項18から34のいずれか一項に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、約2週間毎に1回投与される、請求項18から35のいずれか一項に記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、約3週間毎に1回投与される、請求項18から35のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約3mgの用量で投与され、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が、体重1kg当たり、約1mgの用量で投与される、請求項18から23のいずれか一項に記載の方法。
- a.導入期中、抗PD−1および抗CTLA−4抗体またはそれらの抗原結合部位を、約2、3または4週間毎に少なくとも1回、各用量が体重1kg当たり約0.1mgから約10.0mgの範囲であるものを、2、4、6、8または10用量組み合わせて投与し;
b.その後の維持期中、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部分を投与せず、抗PD−1抗体またはその抗原結合部分を、約2、3または4週間毎に少なくとも1回、体重1kg当たり約0.1mgから約10mgの範囲の1用量を繰り返し投与すること、
を含む、請求項18から23のいずれか一項に記載の方法。 - a.導入期中、約3週間毎に1回、4用量を投与し、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が体重1kg当たり約1mg投与され、および抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位は体重1kg当たり約3mg投与され;
b.維持期中、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位を、約2週間毎に少なくとも1回、体重1kg当たり約3mgの1用量を繰り返し投与する;
請求項39に記載の方法。 - a.導入期中、約3週間毎に1回、4用量を投与し、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位が体重1kg当たり約3mg投与され、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位が体重1kg当たり約1mg投与され;
b.維持期中、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位を、約2週間毎に少なくとも1回、体重1kg当たり、約3mgの1用量を繰り返し投与する、
請求項39に記載の方法。 - 維持期における抗PD−1抗体またはその抗原結合部位の投与を、臨床的利益が観察される限り、または制御不能な毒性もしくは疾患の進行が生じるまで継続する、請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1および抗CTLA−4抗体またはそれらの抗原結合部位が、静脈内投与用に剤形化される、請求項18から42のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位と抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位との組合せを、単一組成物として、または別個の組成物として、同時に投与する、請求項18から43のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位と抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位との組合せを連続投与する、請求項18から43のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位および抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位を、導入期中に対象に連続的に投与する、請求項39から43のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位および抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位を、互いに30分以内に投与する、請求項18から43のいずれか一項に記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位を、治療量以下の用量で投与する、請求項1から23の何れかに記載の方法。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合部位を治療用量で投与する、請求項1から23の何れかに記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位を、治療量以下の用量で投与する、請求項18から30の何れかに記載の方法。
- 抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位を治療用量で投与する、請求項18から30の何れかに記載の方法。
- 神経膠腫に罹患している対象を処置するためのキットであって、
(a)体重1kg当たり、約0.1mgから約10mgの範囲の投与量の抗PD−1抗体またはその抗原結合部位;
(b)抗癌剤の投与量であって、該抗癌剤が、
(i)テモゾロミド;または
(ii)体重1kg当たり約0.1mgから約10.0mgの範囲の投与量の抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部位;および
(c)請求項16または18から51のいずれか一項に記載の方法における、抗PD−1抗体またはその抗原結合部位および抗癌剤の使用のための指示書
を含む、キット。 - 膠芽腫が、非メチル化腫瘍内O−6−メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)膠芽腫である、請求項3から51のいずれか一項に記載の方法。
- 膠芽腫が、メチル化MGMT膠芽腫である、請求項3から51のいずれか一項に記載の方法。
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