JP2021181164A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲面を有する取り付け対象箇所への適応性を有し、高い防音性及び制振性を有する積層体を提供する。【解決手段】少なくとも一面に厚み方向に切り込み線10を有する第1面材1と、第1面材1の一面1aに積層される第2面材2と、第1面材1と第2面材2との間に設けられ、第1面材1と第2面材2を部分的に接合する複数の第1接合部3とを備え、第1接合部3の厚みは、0.05mm以上であり、第1接合部3の積層方向に投影した総面積は、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の20〜90%であり、第1面材1と第2面材2との間には、第1接合部3が介在することにより空気層4が形成されている、積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、防音性及び制振性に優れる積層体に関する。
自動車及び鉄道等の車輛は、燃費向上のための軽量化が図られている。車輛の軽量化に伴って車内空間に外部から騒音が入りやすくなっており、車内空間の快適性の向上のために、防音性の向上が図られている。また、ビル及び住宅等の建築物においても、屋外や隣接する部屋からの騒音の進入を抑制し、居住空間の快適性を向上させるために、防音性の向上が図られている。
車輛は、軽量化に伴って車輛本体が振動しやすくなり、この振動によって生じる振動音は騒音の原因にもなることから、車輛本体の制振性も求められている。また、建築物の居住空間においても、上階において生じた振動が階下の部屋に伝達し、この伝達した振動によって生じる振動音が原因となって騒音が生じることから、建築物を構成している床材及び壁材などの構造部材の振動を抑制することも要求されている。
このような要求に対応するために、樹脂発泡体及びアルミニウムを接着剤又は両面粘着テープ等によって積層した積層体において、樹脂発泡体とアルミニウムとの界面に接着剤又は両面粘着テープ等の接合部を介することによる空気層を設けた防音材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−205886号公報
防音材は、例えば鉄道車両、航空機等の移動体及び建築物の天井、送風機、モーター等の産業機器などの騒音及び振動を生じる対象物に取り付けて使用され、取り付け対象箇所が曲面を有するものである場合、曲げ加工をすることを要する。しかしながら、特許文献1にて提案されている防音材は、曲げ加工すると、せん断応力が発生し、樹脂発泡体とアルミニウムとの界面において剥離が発生したり、樹脂発泡体、アルミニウム又は接合部において破壊が発生したりすることがある。このような剥離及び破壊が発生すると、防音性能低下だけでなく、例えば対象物が天井の場合、落下等の安全上の問題も発生する。
そこで、本発明は、曲面を有する取り付け対象箇所への適応性を有し、高い防音性及び制振性を有する積層体を提供する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]少なくとも一面に厚み方向に切り込み線を有する第1面材と、前記第1面材の一面に積層される第2面材と、前記第1面材と前記第2面材との間に設けられ、前記第1面材と前記第2面材を部分的に接合する複数の第1接合部とを備え、前記第1接合部の厚みは、0.05mm以上であり、前記第1接合部の積層方向に投影した総面積は、前記第1面材と前記第2面材とが積層方向で重複する重複面積の20〜90%であり、前記第1面材と前記第2面材との間には、前記第1接合部が介在することにより空気層が形成されている、積層体。
[2]前記切り込み線は、前記第1面材の外周の辺に対して平行である、[1]に記載の積層体。
[3]前記切り込み線は、前記第1面材の外周の辺と同じ長さである、[1]又は[2]に記載の積層体。
[4]前記切り込み線は、一方向又は多方向である、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]前記切り込み線の線幅は、0.05mm以上8mm以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の積層体。
[6]前記切り込み線の深さは、0.05mm以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の積層体。
[7]前記切り込み線の深さは、前記第1面材の厚みの2/3以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の積層体。
[8]前記切り込み線の本数が複数本である場合、前記切り込み線のピッチは、1mm以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の積層体。
[9]前記切り込み線の本数が1本である場合、前記切り込み線は、前記第1面材の表面の重心位置を通る、[1]〜[7]のいずれかに記載の積層体。
[10]前記第1面材は、曲げ弾性率が5MPa以上である合成樹脂発泡シートを含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の積層体。
[11]前記合成樹脂発泡シートの発泡倍率が、2〜50倍である、[10]に記載の積層体。
[12]前記第2面材は、金属シート、繊維強化プラスチックシート、石膏ボード及び合成樹脂シートからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、[1]〜[11]のいずれかに記載の積層体。
[13]前記第1接合部は、セパレータ部材を含む、[1]〜[12]のいずれかに記載の積層体。
[14]前記第1接合部は、両面粘着性及び両面接着性のいずれかの性能を有する、[1]〜[13]のいずれかに記載の積層体。
[15]前記第1接合部は、接着剤、粘着剤及び両面粘着テープの群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[14]のいずれかに記載の積層体。
[16]前記第1接合部は、硬化後のショアA硬度が80以下である、[1]〜[15]のいずれかに記載の積層体。
[17]前記第2面材の剛性は、1N・m以上5×10N・m以下である、[1]〜[16]のいずれかに記載の積層体。
[18]前記第2面材の音響インピーダンスは、1.0×10Pa・s/m以上100×106Pa・s/m以下である、[1]〜[17]のいずれかに記載の積層体。
[19]前記第1面材が、複数個の分割面材が接合部を介して互いに積層一体化させてなる複層の面材である、[1]〜[18]のいずれかに記載の積層体。
[20]前記第2面材が、複数個の分割面材が接合部を介して互いに積層一体化させてなる複層の面材ある、[1]〜[19]のいずれかに記載の積層体。
[21]前記第1面材の他面に積層される第3面材と、前記第1面材と前記第3面材との間に設けられ、前記第1面材と前記第3面材を部分的に接合する複数の第2接合部とをさらに備え、前記第2接合部の厚みは、0.05mm以上であり、前記第2接合部の積層方向に投影した総面積は、前記第1面材と前記第3面材とが積層方向で重複する重複面積の20〜90%であり、前記第1面材と前記第3面材との間には、前記第2接合部が介在することにより空気層が形成されている、[1]〜[20]のいずれかに記載の積層体。
本発明によれば、曲面を有する取り付け対象箇所への適応性を有し、高い防音性及び制振性を有する積層体を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る積層体を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る積層体の切り込み線を示す断面図(その1)である。 本発明の第1の実施形態に係る積層体の切り込み線を示す断面図(その2)である。 本発明の第1の実施形態に係る積層体の使用要領を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る積層体を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る積層体を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る積層体を示す断面図である。
以下に図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分は同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る積層体Aは、図1に示すように、少なくとも1面に厚み方向に切り込み線10を有する第1面材1と、第1面材1の一面1aに積層される第2面材2と、第1面材1と第2面材2との間に設けられ、第1面材1と第2面材2を部分的に接合する複数の第1接合部3とを備える。第1の実施形態に係る積層体Aにおいて、第1接合部3の厚みは、0.05mm以上であり、第1接合部3の積層方向に投影した総面積は、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の20〜90%であり、第1面材1と第2面材2との間には、第1接合部3が介在することにより空気層4が形成されている。
<第1面材>
第1面材1は、積層体Aの基礎となる本体部を構成する。第1面材1は、積層体Aが配置された車輛及び建築物に外の音が入ったり、車輛及び建築物内の音が外に漏れたりするのを防ぐ防音の効果を発揮する。なお、本発明においては、「防音」とは、空気中を伝播する音波の侵入を防ぐことをいい、音を吸収することで騒音の反射及び透過を防ぐ吸音、並びに、音を遮断することで騒音の透過を防ぐ遮音を含む意味である。なお、本発明においては、「制振」とは、外部から入ってきた振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収し又は減衰させることをいう。
第1面材1としては、特に限定されず、例えば、合成樹脂発泡シート、ゴムシート及びハニカムサンドイッチシート等が挙げられる。中でも、第1面材1としては、防音性及び制振性に優れており、断熱性も有することから、合成樹脂発泡シートが好ましい。
合成樹脂発泡シートを構成している樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、中でもポリプロピレン系樹脂がより好ましい。なお、樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ホモプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよい。プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂及びポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられる。
合成樹脂発泡シートは、独立気泡発泡シートであっても連続気泡発泡シートの何れであってもよいが、独立気泡発泡シートが好ましい。
合成樹脂発泡シートの発泡倍率は、2〜50倍であることが好ましく、3〜50倍であることがより好ましく、5〜30倍であることがさらに好ましい。合成樹脂発泡シートの発泡倍率が、上記範囲内であると、合成樹脂発泡体が適度に発泡されることで柔軟性が良好となり、防音性及び制振性等が良好になりやすくなる。
なお、本発明における発泡倍率は、JIS K7222:2005に準拠して測定した合成樹脂発泡シートの密度の逆数を指す。
第1面材1は、撓みを抑制し、撓みに基づく防音性及び制振性の低下を防止する観点から、曲げ弾性率が5MPa以上である合成樹脂発泡シートを含むことが好ましい。合成樹脂発泡シートの曲げ弾性率は、上記観点から、7MPa以上であることが好ましく、25MPa以上であることがより好ましく、45MPa以上であることがさらに好ましい。なお、合成樹脂発泡シートの曲げ弾性率は、大きければ大きい値であるほど、撓みが抑制され、防音性及び制振性の低下を防止しやすいが、常温付近での加工性などを考慮すると、4,000MPa以下であることが好ましい。
なお、本発明における合成樹脂発泡シートの曲げ弾性率は、JIS K7171:2016に準拠して測定して得られる。
ゴムシートを構成しているゴムとしては、特に限定されず、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム及び熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
ハニカムサンドイッチシートは、例えば、六角形の中空柱が多数集合したハニカム部と表面板で構成されており、同ハニカム部の厚み方向の上下端部と表面板が接着剤で接着ざれている構成体である。ハニカムサンドイッチシートとしては、例えば、アルミハニカム、塩ビハニカム、アラミドハニカム及びペーパーハニカム等が挙げられる。ハニカムサンドイッチシートを構成している部材は、特に限定されず、ハニカム部と表面部とが同一材料であってもよく、接着剤で接着可能であれば、異種材料でもよい。ハニカム部と表面部とが異種材料であるハニカムサンドイッチシートにおいては、例えば、ハニカム部にプラスチック等の樹脂材料を採用することができ、表面板にアルミニウム等の金属材料が採用できる。
第1面材1の厚みDは、2〜60mmが好ましく、3〜40mmがより好ましく、4〜20mmがさらに好ましい。第1面材1の厚みDが上記範囲内であることで、機械的強度を得ることができ、かつ優れた防音性を発現することができる。
第1面材1の一面又は両面には、布部材(図示せず)が積層一体化されていてもよい。第1面材1に布部材が積層一体化されていることで、例えば、第1面材1と第1接合部3との密着が良好でない場合であっても、第1面材1と第1接合部3との密着を強めることができる。第1面材1と第1接合部3との密着を強めることで、第1面材1と第1接合部3との剥がれを防止し、良好な防音性能を発現させることができる。
布部材としては、特に限定されず、例えば、不織布、織布及び編布等が挙げられ、中でも、不織布が好ましい。
《切り込み線》
第1面材1の一面1a及び他面1bの少なくとも一方には、図1に示すように、厚み方向に切り込み線10を有する。第1面材1の一面1a及び他面1bの少なくとも一方に切り込み線10が存在することで、取り付け対象箇所が曲面を有するものである場合、曲げ加工をした際に、積層体Aの内部のせん断応力を分散することが可能となり、界面における剥離や、第1接合部3の破壊を抑制することができる。このような剥離及び破壊を抑制することで、防音性能低下だけでなく、例えば取り付け対象箇所が天井の場合、落下等の安全性も確保することができる。
切り込み線10の形状は、任意であり、種々の態様を取り得る。例えば、切り込み線10は、図2及び図3に示すように、第1面材1の一面1aの外周の辺に対して平行である態様とすることができる。また、切り込み線10は、第1面材1の一面1aの外周の辺の長さL又は長さLと同じ長さである態様とすることができる。また、切り込み線10は、一方向又は多方向である態様とすることができる。これらのように、第1面材1が切り込み線10を有することで、曲げ加工をした際に、積層体Aの内部のせん断応力を分散することが可能となる。
切り込み線10は、第1面材1の一面1a及び他面1bの両面に存在する場合、曲げ加工をした際に、積層体Aの内部のせん断応力を分散することが良好となる観点から、千鳥状配列であることが好ましい。千鳥状配列とは、図1に示すように、第1面材1の一面1aに形成された切り込み線10と他面1bに形成された切り込み線10との位置関係がそれぞれ交互にずれて配置されている状態をいう。
切り込み線10の線幅は、0.05mm以上8mm以下であることが好ましく、0.10mm以上7mm以下であることがより好ましく、0.15mm以上6mm以下であることがさらに好ましい。切り込み線10の線幅が上記範囲内であることで、曲げ加工をした際に、積層体Aの内部のせん断応力を分散することが可能となる。
切り込み線10の深さは、0.05mm以上であることが好ましく、0.10mm以上であることがより好ましく、0.15mm以上であることがさらに好ましい。また、切り込み線10の深さは、第1面材1の厚みDの2/3以下であることが好ましく、1/2以下であることがより好ましく、1/3以下であることがさらに好ましい。切り込み線10の深さが上記範囲内であることで、曲げ加工をした際に、積層体Aの内部のせん断応力を分散することが可能となる。
積層体Aを曲げ加工する際、厚み方向において、伸びと圧縮する力が発生することから、伸び面が第1面材1の一面1aであって、圧縮面が他面1bである場合、伸び面である一面1aの切り込み線10の深さは、圧縮面である他面1bの切り込み線10の深さより深いことが好ましい。
切り込み線10の本数は、1本でもよく、複数本であってもよい。
切り込み線10の本数が1本である場合は、切り込み線10が設けられている第1面材1の面を2等分するように、第1面材1の表面の重心位置を通るように設けることが好ましい。
切り込み線10の本数が複数本である場合は、切り込み線10を等間隔に設けてもよく、切り込み線10を偏在化して設けてもよい。切り込み線10を等間隔に設ける場合、切り込み線10のピッチは、1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、5mm以上であることがさらに好ましい。切り込み線10のピッチが上記下限値以上であることで、曲げ加工をした際に、積層体Aの内部のせん断応力を分散することが可能となる。切り込み線10を偏在化して設ける場合、曲げ加工を容易にする観点から、第1面材1の曲げ加工を施す箇所に偏在させることが好ましい。また、積層体Aを曲げ加工する際、厚さ方向伸び面である一面1aと圧縮面である他面1bの切り込み線数は、同じでもよいし、異なってもよいが、伸び面1aの方が多いことが好ましい。
切り込み線10の加工法は、第1面材1の厚み方向に切り込み可能な方法であれば特に限定されず、例えばカッター、ヒートカッター、丸鋸、レーザー及び超音波彫刻等による加工法が挙げられる。
第1面材1は、切り込み線10を有することで曲率半径Rが200m以上である曲面を有するものとすることができる。
<第2面材>
第2面材2としては、積層体Aに防音性及び制振性を付与することができれば、特に限定されず、例えば、金属シート、繊維強化プラスチックシート、石膏ボード、合成樹脂シートなどが挙げられ、金属シート、繊維強化プラスチックシート及び石膏ボードが好ましい。
第2面材2の剛性は、1N・m以上5×10N・m以下が好ましく、5N・m以上3.5×10N・m以下がより好ましく、8N・m以上2×10N・m以下がさらに好ましい。ま第2面材2の剛性が上記範囲内であることで、優れた防音性及び制振性を発現することができ、積層体Aに防音性及び制振性を付与することができる。
なお、第2面材2の剛性は、第2面材2のヤング率に第2面材2の厚みの3乗を乗じることで得ることができる。
第2面材2の音響インピーダンスは、1×106Pa・s/m以上100×106Pa・s/m以下が好ましく、10×106Pa・s/m以上75×106Pa・s/m以下がより好ましく、15×106Pa・s/m以上50×106Pa・s/m以下がさらに好ましい。第2面材2の音響インピーダンスが上記範囲内であることで、優れた防音性を発現することができ、積層体Aに防音性を付与することができる。
なお、第2面材2の音響インピーダンスは、第2面材2の密度に、第2面材2中における音波の伝播速度を乗じた値をいう。
<第1接合部>
第1接合部3は、第1面材1の一面1a上において部分的に存在し、第1面材1上において、第2面材2を支持している。つまり、第1面材1は、第1接合部3を介して第2面材2が積層一体化されている。
第1接合部3は、第1面材1の一面1a上において、例えば、碁盤目状などのように規則的に存在していてもよいし、不規則に存在していてもよいが、規則的に存在していることが好ましい。第1接合部3が規則的に存在していることによって、第1面材1と第2面材2との対向面間に規則的な空気層4が形成され、積層体Aにあらゆる方向から進入する音波を確実に吸収し又は減衰させることができ、積層体Aは優れた防音性を発現する。
第1接合部3は、第1面材1の一面1a上において、第2面材2との間に部分的に配置されている。第1面材1と第2面材2とは、第1接合部3を介して部分的に接続されていることで、第2面材2が第1面材1によって全面的に拘束されることがない。したがって、第2面材2の変形自由度が保持され、積層体Aに進入した振動エネルギーは、第2面材2が変形することによって円滑に吸収又は減衰することができ、積層体Aは優れた防音性及び制振性を発現する。また、第1面材1と第2面材2とは全面的に接続されることなく、部分的に接続されていることから、積層体Aは、マス・バネ系の共振周波数よりも高い周波数を有する音波や振動エネルギーを効果的に吸収し又は減衰させることができ、優れた防音性及び制振性を有している。
第1接合部3が第1面材1と第2面材2との間に部分的に配置されていることで、第1面材1と第2面材2との間の残部には空気層4が形成されている。積層体Aが空気層4を備えることによって、優れた防音性及び制振性を発現し、積層体Aの軽量化にも寄与する。また、積層体Aが空気層4を備えることによって、空気層4と第1面材1及び第2面材2とのそれぞれの界面にて音響インピーダンスの差を生じさせ、空気中を伝播して積層体Aに侵入した空気伝播音である音波は、第1面材1又は第2面材2にて反射され、積層体Aは優れた防音性を発現する。
第1接合部3の積層方向に投影した総面積は、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の20〜90%である。ここで、本明細書において、「第1接合部3の積層方向に投影した総面積」とは、積層体Aの積層方向から見た時の複数の第1接合部3を投影した総面積をいう。また、「第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積」とは、積層体Aの積層方向から見た時の第1面材1と第2面材2とが重複している部分の面積をいう。第1接合部3の積層方向に投影した総面積が、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の20%未満であると、第1面材1と第2面材2との接合が不十分となって、接合を維持することが困難となり、制振性も劣る。また、第1接合部3の積層方向に投影した総面積が、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の90%超であると、第2面材2の変形自由度が抑制され、積層体Aに進入した振動エネルギーは、第2面材2の変形によって円滑に吸収又は減衰させなくなり、積層体Aは優れた防音性を発現することが困難となる。以上のことを鑑みて、第1接合部3の積層方向に投影した総面積は、第1面材1と第2面材2との重複面積の25〜85%であることが好ましく、27〜80%であることがより好ましく、30〜75%であることがさらに好ましい。
第1接合部3の厚みは、0.05mm以上である。ここで、本明細書において、「第1接合部3の厚み」とは、積層体Aの積層方向において、第1接合部3の両端間の距離をいう。つまり、第1接合部3の厚みは、空気層4の厚みと同義である。第1接合部3の厚みが0.05mm未満であると、空気層4を十分に確保することができず、空気層4に起因する防音性能が得られないことから、積層体Aは優れた防音性を発現することが困難となる。第1接合部3の厚みは、空気層4を十分に確保し、空気層4に起因する防音性能が得る観点から、0.08mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましく、0.12mm以上であることがさらに好ましい。また、第1接合部3の厚みは、空気層4の厚みが大きくなることで、積層体Aの機械的強度が低下し、制振性を発現することが困難となることから、20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることがさらに好ましく、3mm以下であることがよりさらに好ましい。
第1接合部3は、両面粘着性及び両面接着性のいずれかの性能を有するものであればよい。第1接合部3として、両面粘着性及び両面接着性を有するものとしては、例えば、接着剤、粘着剤及び両面粘着テープの群から選ばれる少なくとも1種であるとよい。
第1接合部3は、樹脂及び金属等の非粘着性材料からなるセパレータ部材(図示せず)を含んでいてもよい。セパレータ部材は、第1面材1又は第2面材2と対向する面に両面粘着性及び両面接着性のいずれかの性能を有するものが配置される。第1接合部3に所定の厚みを有するセパレータ部材を含ませることで、第1接合部3の厚みを、上記した所望の範囲に制御することが容易となり、特に厚みが大きいときに有用である。
第1接合部3が接着剤により構成される場合、硬化後のショアA硬度が80以下であることが好ましく、75以下であることがより好ましく、70以下であることがさらに好ましい。第1接合部3の硬化後のショアA硬度が上記上限値以下であることで、第1接合部3を通過する音波のエネルギーを減衰させることができ、かつ、適度な柔軟性を有し、制振性を発現することができる。
接着剤としては、第1面材1と第2面材2とを接着させることが可能な接着性を有するものであれば特に限定されず、ホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、紫外線硬化性接着剤及び湿気硬化型接着剤等が挙げられ、具体的には、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤及び変性シリコーン系接着剤等が挙げられる。
第1接合部3として接着剤を使用する場合、第1面材1又は第2面材2に接着剤を公知の手段にて塗工すればよい。なお、上述のセパレータ部材を使用する場合は、第1面材1又は第2面材2と対向するセパレータ部材の面に接着剤を塗工すればよい。
第1接合部3が粘着剤により構成される場合、第1面材1と第2面材2とを、第1接合部3を介して接触させ、かつ押圧するだけで第1面材1と第2面材2とを固着させることができる。第1接合部3を構成する粘着剤は、水、溶剤及び熱等を使用せずに、常温で短時間、僅かな圧力を加えるだけで接着する感圧系接着剤である。粘着剤としては、公知の粘着剤が使用可能であり、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤及びゴム系粘着剤等が挙げられる。
第1接合部3として粘着剤を使用する場合、第1面材1又は第2面材2に粘着剤を公知の手段にて塗工すればよい。なお、上述のセパレータ部材を使用する場合は、第1面材1又は第2面材2と対向するセパレータ部材の両面に粘着剤を塗工すればよい。
第1接合部3が両面粘着テープにより構成される場合、両面粘着テープは、基材と基材の両面に設けられる粘着剤層とを備える。粘着剤層は、上記した粘着剤により構成される層である。
両面粘着テープの基材としては、両面粘着テープの基材として使用される公知のものを使用することができ、例えば、樹脂、不織布及び発泡シート等の非粘着性基材が挙げられる。
第1接合部3が両面粘着テープの場合、一方の粘着剤層を第1面材1又は第2面材2に接着し、他方の粘着剤層表面をもう一方の第1面材1又は第2面材2に接着すればよい。なお、上述のセパレータ部材を使用する場合は、第1面材1又は第2面材2と対向するセパレータ部材の両面に両面粘着テープを設ければよい。
<製造方法>
積層体Aの製造方法を説明する。積層体Aの製造方法は、特に限定されず、例えば、下記の製造方法が挙げられる。
(1)まず、第1面材1の一面1a及び他面1b上に、例えばカッター、ヒートカッター、丸鋸、レーザー及び超音波彫刻等による加工法により切り込み線10を加工する。次いで、切り込み線10を加工した第1面材1の一面1a上に両面粘着テープを所定厚みで部分的に貼り付ける。そして、第1面材1に貼り付けた両面粘着テープ上に第2面材2を積層した後、積層体を押圧することで、第1面材上に、両面粘着テープである第1接合部3を介して第2面材2を積層一体化させた積層体Aを製造する。
(2)まず、第1面材1の一面1a及び他面1b上に、例えばカッター、ヒートカッター、丸鋸、レーザー及び超音波彫刻等による加工法により切り込み線10を加工する。次いで、切り込み線10を加工した第1面材1の一面1a上に粘着剤又は接着剤を所定厚みで部分的に塗工する。そして、第1面材1上の粘着剤又は接着剤の塗工面上に第2面材2を積層した後、粘着剤を養生又は接着剤を固化させることによって、第1面材上に、粘着剤又は接着剤である第1接合部3を介して第2面材2を積層一体化させた積層体Aを製造する。
(3)まず、第1面材1の一面1a及び他面1b上に、例えばカッター、ヒートカッター、丸鋸、レーザー及び超音波彫刻等による加工法により切り込み線10を加工する。次いで、切り込み線10を加工した第1面材1の一面1a上に、第1面材1又は第2面材2と接する両面側に粘着材又は0接着材を設けたセパレータ部材を配置する。そして、第1面材1に配置されたセパレータ部材上に積層した後、粘着剤を養生又は接着剤を固化させることによって、第1面材上に、粘着剤又は接着剤を有したセパレータ部材である第1接合部3を介して第2面材2を積層一体化させた積層体Aを製造する。
<積層体の使用要領>
積層体Aの使用要領について説明する。図4に示したように、積層体Aは、対象となる部材B(以下「施工部材」という)に接合材Cを用いて貼着一体化させて用いられる。施工部材Bとしては、特に限定されず、例えば、自動車、鉄道、船舶及び航空機などの輸送機器の構成部材、建築物の構成部材(例えば、外壁部材、内装部材、天井部材など)、産業機械などの産業機器の構成部材、コンピューターなどのOA機器の構成部材、洗濯機、冷蔵庫などの家電製品の構成部材などが挙げられる。施工部材Bが曲面を有するものである場合、積層体Aは、切り込み線10を利用して曲げ加工をすることを要する。
なお、積層体Aを施工部材Bに貼着一体化させるための接合材Cは、積層体Aと施工部材Bとを一体化させることができれば特に限定されず、上述の第1接合部3と同様のものを用いることができる。
積層体Aを施工部材Bに貼着するにあたって、積層体Aの第1面材1の他面1b、即ち、積層体Aにおける第2面材2が積層されていない面を、施工部材Bの曲面と対応するように曲げ加工し、好ましくは、施工部材Bに向けて施工部材B上に貼着一体化される。
施工部材B上に積層体Aを貼着一体化することによって、施工部材Bを通過する前後の空気中を伝播する音波を積層体Aが吸収し又は減衰することができ、積層体Aは優れた防音性を発揮する。
接合材Cは、積層体Aと施工部材Bとの対向面の全面に配設してもよいが、第1面材1の変形の自由度を維持すると共に、積層体Aと施工部材Bとの対向面間に空気層4を形成し、上述と同様の作用によって、積層体Aの防音性を向上させることができる。したがって、接合材Cは、積層体Aと施工部材Bとの対向面に部分的に配設させることが好ましい。
接合材Cの厚みは、0.08mm以上であることが好ましく、0.1mm以上がより好ましく、0.12mm以上がさらに好ましい。また、接合材Cの厚みは、20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、5mm以下がさらに好ましく、3mm以下であることがよりさらに好ましい。ここで、「接合材Cの厚み」とは、積層体Aの積層方向において、接合材Cの両端間の距離をいう。つまり、接合材Cの厚みは、空気層4の厚みと同義である。接合材Cの厚みが上記下限値以上であると、積層体Aの防音性が向上する。接合材Cの厚みが上記上限値以下であると、積層体の厚み増加が抑制され、空間に占める割合が少なくなり、例えば。住宅の居室空間を広くでき、快適空間を提供することができる。
接合材Cの積層方向に投影した総面積は、積層体Aと施工部材Bとが積層方向で重複する重複面積の25〜85%であることが好ましく、27〜80%であることが好ましく、30〜75%であることがさらに好ましい。ここで、「接合材Cの積層方向に投影した総面積」とは、積層体Aの積層方向から見た時の複数の接合材Cを投影した総面積をいう。また、「積層体Aと施工部材Bとが積層方向で重複する重複面積」とは、積層体Aの積層方向から見た時の積層体Aと施工部材Bとが重複している部分の面積をいう。接合材Cの積層方向に投影した総面積が上記範囲内にあると、第1面材1の変形自由度が保持され、積層体Aに進入した振動エネルギーは、第1面材1が変形することによって円滑に吸収又は減衰させられると共に、第1面材1において音波が効果的に反射され、積層体Aは優れた防音性を発現する。
(第2の実施形態)
第2の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図5に示すように、第1面材1の他面1bにも第2接合部5を介して第3面材6が積層一体化されている点である。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
第2接合部5及び第3面材6はそれぞれ、第1接合部3及び第2面材2と同様の構成及び材料を採用することができる。第2接合部の配設状態も第1接合部3の配設状態と同様の構成を採用することができる。なお、第2接合部5及び第3面材6はそれぞれ、第1接合部3及び第2面材2と同一である必要はない。
(第3の実施形態)
第3の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図6に示すように、第1面材1として、複数個(2個以上)の分割面材11が第3接合部7を介して互いに積層一体化させてなる複層の面材である点である。以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
複数個の分割面材11は、互いに同一である必要はない。第3接合部7が複数個ある場合も、互いに同一である必要はない。
図6では、第1面材1の一面1aに第1接合部3を介して第2面材2を積層一体化し、第1面材1の他面1bに第2接合部5を介して第3面材6を積層一体化した場合を図示したが、第1面材1の他面1bには第3面材6を積層一体化させていなくてもよい。また、第1面材1の一面1aに積層一体化させている第2面材2、及び、第1面材1の他面1bに積層一体化させている第3面材6の少なくともいずれかを後述する複層の面材としてもよい。
分割面材11及び第3接合部7はそれぞれ、第1面材1及び第1接合部3と同様の構成及び材料を採用することができる。第3接合部の配設状態も第1接合部3の配設状態と同様の構成を採用することができる。なお、分割面材11及び第3接合部7はそれぞれ、第1面材1及び第1接合部3と同一である必要はない。
(第4の実施形態)
第4の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図7に示すように、第2面材2として、複数個(2個以上)の分割面材21が第4接合部8を介して互いに積層一体化させてなる複層の面材である点である。以下、第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
複数個の分割面材21は、互いに同一である必要はない。第4接合部8が複数個ある場合も、互いに同一である必要はない。
図7では、第1面材1の一面1aに第1接合部3を介して複層の第2面材2を積層一体化した場合を示したが、第1面材1の一面1bにも第2接合部を介して単層又は複層の第3面材6を積層一体化させていてもよい。
分割面材21及び第4接合部8はそれぞれ、第2面材2及び第1接合部3と同様の構成及び材料を採用することができる。第4接合部8の配設状態も第1接合部3の配設状態と同様の構成を採用することができる。複層の第3面材6は、複層の第2面材2と同様の構成を採用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
第1面材としてポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シート(厚み:15mm、発泡倍率:13倍、商品名「ゼットロン」、積水化学工業社製)を用意した。第1面材としてポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シートの曲げ弾性率はJIS K7171:2016に準拠し、曲げ速度3mm/minで測定したところ48MPaであった。
第1面材としてポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡の両面に、線幅5mm、深さ0.5mmの切り込み線をピッチ20mmで加工して形成した。なお、第1面材の一面に形成された切り込み線と他面に形成された切り込み線との位置関係は、千鳥状配列とした。
第1接合部として両面テープ(厚み:0.17mm、♯595、積水化学工業社製)を用意し、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの一面両面テープを碁盤目状に規則的に且つ均一に塗工した。なお、第1接合部の総面積は、第1面材と第2面材との重複面積の33%とした。
しかる後、ポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シートの一面上に両面テープを介して第2面材としてのアルミニウムシート(厚み:1mm、剛性:70N・m、音響インピーダンス:17.1×106Pa・s/m)を積層した。
上記ポリプロピレン系樹脂発泡シートの他面に第2接合部としての両面テープ(厚み:0.17mm、♯595、積水化学工業社製)を碁盤目状に規則的に且つ均一に塗工した。なお、第2接合部の総面積は、第1面材と第3面材との重複面積の33%とした。
しかる後、ポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シートの他面上に第2接合部としての両面テープを介して第3面材としてのアルミニウムシート(厚み:1mm、剛性:70N・m、音響インピーダンス:17.1×106Pa・s/m)を積層して積層シートを作製した。
積層シートの本体部を構成する第1面材1であるポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シート(第1面材1)の一面1aに両面テープ(第1接合部3)を介してアルミニウムシート(第2面材2)が積層一体化され、且つ、ポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シート(第1面材1)の他面1bに両面テープ(第2接合部5)を介してアルミニウムシート(第3面材6)が積層一体化されてなる積層体Aを得た。積層体Aは、縦300mm×横300mmの平面正方形形状とした。
積層体Aにおいて、ポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シートの両面と、アルミニウムシートとの対向面間には空気層4が形成されていた。
(比較例1)
第1面材としてのポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シートに切り込み線を入れない以外は、実施例1と同様の要領で積層体を得た。
実施例1及び比較例1にて得られた積層体の構成部材について、厚み及び面積を表1に示した。
得られた積層体を下記の要領で曲げ加工し、その結果を表1に示した。
なお、表1において、「アルミニウムシート」は「アルミシート」、「ポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シート」は「PP発泡シート」と表記した。
(曲げ加工)
実施例1及び比較例1にて得られた積層体を、2本ロールベンダー(SRT−10、エスカディア社製)を用いて、第1面材の曲率半径Rが1,000mの曲面を有するように曲げ加工を実施した。その後、積層体の断面を目視で観察し、第1面材と第2面材との界面剥離、又は第1面材の破壊が起きていないかを確認した。
Figure 2021181164
積層体は、優れた防音性及び制振性を有していると共に、曲面を有する取り付け対象箇所への適応性にも優れている。従って、積層体は、輸送機器、建築物、産業機器、OA機器及び家電製品などの施工部材に好適に適用することができる。
A:積層体
1:第1面材
2:第2面材
3:第1接合部
4:空気層
5:第2接合部
6:第3面材
7:第3接合部
8:第4接合部
10:切り込み線
11,21:分割面材

Claims (21)

  1. 少なくとも一面に厚み方向に切り込み線を有する第1面材と、
    前記第1面材の一面に積層される第2面材と、
    前記第1面材と前記第2面材との間に設けられ、前記第1面材と前記第2面材を部分的に接合する複数の第1接合部とを備え、
    前記第1接合部の厚みは、0.05mm以上であり、
    前記第1接合部の積層方向に投影した総面積は、前記第1面材と前記第2面材とが積層方向で重複する重複面積の20〜90%であり、
    前記第1面材と前記第2面材との間には、前記第1接合部が介在することにより空気層が形成されている、積層体。
  2. 前記切り込み線は、前記第1面材の外周の辺に対して平行である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記切り込み線は、前記第1面材の外周の辺と同じ長さである、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記切り込み線は、一方向又は多方向である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記切り込み線の線幅は、0.05mm以上8mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記切り込み線の深さは、0.05mm以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記切り込み線の深さは、前記第1面材の厚みの2/3以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記切り込み線の本数が複数本である場合、前記切り込み線のピッチは、1mm以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記切り込み線の本数が1本である場合、前記切り込み線は、前記第1面材の表面の重心位置を通る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記第1面材は、曲げ弾性率が5MPa以上である合成樹脂発泡シートを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 前記合成樹脂発泡シートの発泡倍率が、2〜50倍である、請求項10に記載の積層体。
  12. 前記第2面材は、金属シート、繊維強化プラスチックシート、石膏ボード及び合成樹脂シートからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体。
  13. 前記第1接合部は、セパレータ部材を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層体。
  14. 前記第1接合部は、両面粘着性及び両面接着性のいずれかの性能を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層体。
  15. 前記第1接合部は、接着剤、粘着剤及び両面粘着テープの群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の積層体。
  16. 前記第1接合部は、硬化後のショアA硬度が80以下である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の積層体。
  17. 前記第2面材の剛性は、1N・m以上5×10N・m以下である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の積層体。
  18. 前記第2面材の音響インピーダンスは、1.0×10Pa・s/m以上100×106Pa・s/m以下である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の積層体。
  19. 前記第1面材が、複数個の分割面材が接合部を介して互いに積層一体化させてなる複層の面材である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の積層体。
  20. 前記第2面材が、複数個の分割面材が接合部を介して互いに積層一体化させてなる複層の面材ある、請求項1〜19のいずれか1項に記載の積層体。
  21. 前記第1面材の他面に積層される第3面材と、
    前記第1面材と前記第3面材との間に設けられ、前記第1面材と前記第3面材を部分的に接合する複数の第2接合部とをさらに備え、
    前記第2接合部の厚みは、0.05mm以上であり、
    前記第2接合部の積層方向に投影した総面積は、前記第1面材と前記第3面材とが積層方向で重複する重複面積の20〜90%であり、
    前記第1面材と前記第3面材との間には、前記第2接合部が介在することにより空気層が形成されている、請求項1〜20のいずれか1項に記載の積層体。
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