JP2022072617A - 積層体 - Google Patents

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裕幸 安部
Hiroyuki Abe
勝仁 高橋
Katsuhito Takahashi
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Abstract

【課題】防音性、特に低周波数での防音性及び制振性に優れていると共に軽量性にも優れた積層体を提供する。【解決手段】第1面材1と、第1面材1の一面1aに積層される第2面材2と、第1面材1と第2面材2との間に設けられ、第1面材1と第2面材2を部分的に接続する第1接続部3とを備え、第1接続部3の厚みは、0.05mm以上であり、第1接続部3の積層方向に投影した総面積は、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の20~80%であり、第1接続部3は、10~30℃における損失正弦tanδが1.0以上である粘弾性樹脂を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、防音性に優れる積層体に関する。
従来から自動車、鉄道などの車輛は燃費向上のための軽量化が図られている。車輛の軽量化に伴って車内空間に外部から騒音が入りやすくなっており、車内空間の快適性の向上のために、防音性の向上が図られている。又、ビル及び住宅などの建築物においても、屋外や隣接する部屋からの騒音の進入を抑制し、居住空間の快適性を向上させるために、防音性の向上が図られている。
更に、上述のように、車輛の軽量化に伴って車輛本体が振動しやすくなり、この振動によって生じる振動音は騒音の原因にもなることから、車輛本体の制振性も求められている。又、建築物の居住空間においても、上階において生じた振動が階下の部屋に伝達し、この伝達した振動によって生じる振動音が原因となって騒音が生じることから、建築物を構成している床材及び壁材などの構造部材の振動を抑制することも要求されている。
このような要求に対応するために様々な防音材が提供されている。単一材料から形成されている防音材は、特定の周波数においては優れた防音性を発揮するものの、その他の周波数においては防音性が不十分であるという問題点を有する。
そこで、上記問題点を解消するために、複数の材料を用いて形成された防音材が提案されている。具体的には、通常の吸遮音材からなる基材層と、耐熱繊維の含量が30~100質量%の不織布と、この不織布と同じ層に位置して不織布内部の3次元形状を維持する形態で含まれているバインダーを含む表面層とを含み、基材層の一面に表面層が積層された防音材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、音源に対向して配置される第1の吸音材と、第1の吸音材の音源とは反対側の面に積層され、JIS L1018で測定した通気率が10cc/cm2・sec以下である第1の軟質遮音層と、第1の軟質遮音層に積層される第2の吸音材と、第2の吸音材に積層され、JIS L1018で測定した通気率が10cc/cm2・sec以下で、かつJIS K7127で測定したヤング率が、第2の吸音材と一体となって振動変形できる範囲で、前記第1の軟質遮音層よりも5倍以上大きい第2の軟質遮音層とを備え、少なくとも第2の軟質遮音層と第2の吸音材とが、部分的に、もしくは全面で接着されている防音材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2017-509004号公報 特許第5715163号公報
しかしながら、特許文献1、2にて提案されている防音材は、防音性が不十分であり、防音性を向上させるために厚みを厚くすると、軽量性が損なわれるという問題も生じる。
また、一般的に、低周波数での防音性能は、高周波数での防音性能に比して劣るため、車輛及び建築物の分野において、低周波数での防音性能の向上が所望されている。
そこで、本発明は、防音性、特に低周波数での防音性及び制振性に優れていると共に軽量性にも優れた積層体を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]第1面材と、前記第1面材の一面に積層される第2面材と、前記第1面材と前記第2面材との間に設けられ、前記第1面材と前記第2面材を部分的に接続する第1接続部とを備え、前記第1接続部の厚みは、0.05mm以上であり、前記第1接続部の積層方向に投影した総面積は、前記第1面材と前記第2面材とが積層方向で重複する重複面積の20~80%であり、前記第1接続部は、10~30℃における損失正弦tanδが1.0以上である粘弾性樹脂を含む、積層体。
[2]前記第1面材は、合成樹脂発泡シートを含む、[1]に記載の積層体。
[3]前記合成樹脂発泡シートの発泡倍率が2~50倍である、[2]に記載の積層体。
[4]前記第1面材及び前記第2面材は、金属シート、繊維強化プラスチックシート及び石膏ボードからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]前記第1接続部は、前記第1面材と前記第2面材とを一体化させる接着剤層又は粘着剤層を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6]前記第1面材の他面に積層される第3面材と、前記第1面材と前記第3面材との間に設けられ、前記第1面材と前記第3面材を部分的に接続する第2接続部とをさらに備え、前記第2接続部の厚みは、0.05mm以上であり、前記第2接続部の積層方向に投影した総面積は、前記第1面材と前記第3面材とが積層方向で重複する重複面積の20~80%である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の積層体。
[7]前記第2接続部は、10~30℃における損失正弦tanδが1.0以上である粘弾性樹脂を含む、[6]に記載の積層体。
本発明によれば、防音性、特に低周波数での防音性及び制振性に優れていると共に軽量性にも優れた積層体を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る積層体を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る積層体の使用要領を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る積層体を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る積層体を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る積層体を示す断面図である。
以下に図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分は同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る積層体Aは、図1に示すように、第1面材1と、第1面材1の一面1aに積層される第2面材2と、第1面材1と第2面材2との間に設けられ、第1面材1と第2面材2を部分的に接続する第1接続部3とを備える。第1の実施形態に係る積層体Aは、第1接続部3の厚みは、0.05mm以上であり、第1接続部3の積層方向に投影した総面積は、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の20~80%であり、第1接続部3は、10~30℃における損失正弦tanδが1.0以上である粘弾性樹脂を含む。
<第1面材>
第1面材1は、積層体Aの基礎となる本体部を構成する。第1面材1は、積層体Aが配置された車輛及び建築物に外の音が入ったり、車輛及び建築物内の音が外に漏れたりするのを防ぐ防音の効果を発揮する。なお、本発明においては、「防音」とは、空気中を伝播する音波の侵入を防ぐことをいい、音を吸収することで騒音の反射及び透過を防ぐ吸音、並びに、音を遮断することで騒音の透過を防ぐ遮音を含む意味である。なお、本発明においては、「制振」とは、外部から入ってきた振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収し又は減衰させることをいう。
第1面材1としては、特に限定されず、例えば、合成樹脂発泡シート及びゴムシート等が挙げられ、防音性及び制振性に優れており、断熱性も有することから、合成樹脂発泡シートを含むことが好ましい。合成樹脂発泡シートは、防音性及び制振性の性能向上の観点から、曲げ弾性率(JIS 7171に準拠での測定値)が1~100MPaの範囲のものであることが好ましい。第1面材1は、第1接続部3と第2面材2とで見かけ拘束型制振材の構成をなすことから、拘束型制振材の原理より、第1接続部3の損失正弦の値を高く、第1面材1と第2面材2の曲げ弾性率を高くする必要がある。一方、第1面材1の曲げ弾性率が高すぎると、共振周波数が高くシフトし、低周波数の防音性能及び制振性能が低下するので、合成樹脂発泡シートの曲げ弾性率は上記範囲内であることが望ましい。
合成樹脂発泡シートを構成している樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、中でもポリプロピレン系樹脂がより好ましい。なお、樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ホモプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよい。プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン等のα-オレフィン等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂及びポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられる。
合成樹脂発泡シートは、独立気泡発泡シートであっても連続気泡発泡シートの何れであってもよいが、独立気泡発泡シートが好ましい。
合成樹脂発泡シートの発泡倍率は、2~50倍であることが好ましく、3~50倍であることがより好ましく、5~30倍であることがさらに好ましい。合成樹脂発泡シートの発泡倍率が、上記範囲内であると、合成樹脂発泡体が適度に発泡されることで柔軟性が良好となり、防音性及び制振性等が良好になりやすくなる。
なお、本発明における発泡倍率は、原料となる合成樹脂の密度を合成樹脂発泡シートの密度で除した値をいう。
ゴムシートを構成しているゴムとしては、特に限定されず、例えば、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、エチレン-プロピレンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
第1面材1の厚みは、5~30mmが好ましく、10~20mmがより好ましい。第1面材1の厚みが上記範囲内であると、積層体Aは、優れた防音性及び制振性を発現する。
第1面材1の一面又は両面には、布部材(図示せず)が積層一体化されていてもよい。第1面材1において、第2面材2の積層面(一面1a)に布部材を積層一体化させていることが好ましい。後述するが、第1面材1の他面1bに第3面材を積層一体化させている場合、第1面材1の他面1bに布部材を積層一体化させていることが好ましい。第1面材1に布部材が積層一体化されていることで、例えば、第1面材1と第1接続部3との密着が良好でない場合であっても、布部材によって第1面材1と第1接続部3との密着を強めることができる。第1面材1と第1接続部3との密着を強めることで、第1面材1と第1接続部3との剥がれを防止し、良好な防音性能を発現させることができる。布部材としては、特に限定されず、例えば、不織布、織布、編布などが挙げられ、不織布が好ましい。
そして、第1面材1の一面1aには、第1接続部3を介して第2面材2が積層一体化されており、第1面材1と第2面材2との間には空気層4が形成されている。積層体Aは、空気層4を有していることによって、優れた防音性及び制振性を発現する。更に、積層体Aは、空気層4を有していることによって、軽量性に優れる。
<第2面材>
第2面材2としては、積層体Aに防音性及び制振性を付与することができれば、特に限定されず、例えば、金属シート、繊維強化プラスチックシート、石膏ボード、合成樹脂シートなどが挙げられ、金属シート、繊維強化プラスチックシート及び石膏ボードが好ましい。
第2面材2の剛性は、1N・m以上5×10N・m以下が好ましく、5N・m以上3.5×10N・m以下がより好ましく、8N・m以上2×10N・m以下がさらに好ましい。ま第2面材2の剛性が上記範囲内であることで、優れた防音性及び制振性を発現することができ、積層体Aに防音性及び制振性を付与することができる。
なお、第2面材2の剛性は、第2面材2のヤング率に第2面材2の厚みの3乗を乗じることで得ることができる。
第2面材2の音響インピーダンスは、1×106Pa・s/m以上100×106Pa・s/m以下が好ましく、10×106Pa・s/m以上75×106Pa・s/m以下がより好ましく、15×106Pa・s/m以上50×106Pa・s/m以下がさらに好ましい。第2面材2の音響インピーダンスが上記範囲内であることで、優れた防音性を発現することができ、積層体Aに防音性を付与することができる。
なお、第2面材2の音響インピーダンスは、第2面材2の密度に、第2面材2中における音波の伝播速度を乗じた値をいう。
<第1接続部>
第1接続部3は、第1面材1の一面1a上において部分的に存在し、第1面材1上において、第2面材2を支持している。つまり、第1面材1は、第1接続部3を介して第2面材2が積層一体化されている。
第1接続部3は、第1面材1の一面1a上において、例えば、碁盤目状などのように規則的に存在していてもよいし、不規則に存在していてもよいが、規則的に存在していることが好ましい。第1接続部3が規則的に存在していることによって、第1面材1と第2面材2との対向面間に規則的な空気層4が形成され、積層体Aにあらゆる方向から進入する音波を確実に吸収し又は減衰させることができ、積層体Aは優れた防音性を発現する。
第1接続部3は、第1面材1の一面1a上において、第2面材2との間に部分的に配置されている。第1面材1と第2面材2とは、第1接続部3を介して部分的に接続されていることで、第2面材2が第1面材1によって全面的に拘束されることがない。したがって、第2面材2の変形自由度が保持され、積層体Aに進入した振動エネルギーは、第2面材2が変形することによって円滑に吸収又は減衰することができ、積層体Aは優れた防音性及び制振性を発現する。また、第1面材1と第2面材2とは全面的に接続されることなく、部分的に接続されていることから、積層体Aは、マス・バネ系の共振周波数よりも高い周波数を有する音波や振動エネルギーを効果的に吸収し又は減衰させることができ、優れた防音性及び制振性を有している。
第1接続部3が第1面材1と第2面材2との間に部分的に配置されていることで、第1面材1と第2面材2との間の残部には空気層4が形成されている。積層体Aが空気層4を備えることによって、優れた防音性及び制振性を発現し、積層体Aの軽量化にも寄与する。また、積層体Aが空気層4を備えることによって、空気層4と第1面材1及び第2面材2とのそれぞれの界面にて音響インピーダンスの差を生じさせ、空気中を伝播して積層体Aに侵入した空気伝播音である音波は、第1面材1又は第2面材2にて反射され、積層体Aは優れた防音性を発現する。
第1接続部3の積層方向に投影した総面積は、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の20~90%である。ここで、本明細書において、「第1接続部3の積層方向に投影した総面積」とは、積層体Aの積層方向から見た時の複数の第1接続部3を投影した総面積をいう。また、「第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積」とは、積層体Aの積層方向から見た時の第1面材1と第2面材2とが重複している部分の面積をいう。第1接続部3の積層方向に投影した総面積が、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の20%未満であると、第1面材1と第2面材2との接合が不十分となって、接合を維持することが困難となり、制振性も劣る。また、第1接続部3の積層方向に投影した総面積が、第1面材1と第2面材2とが積層方向で重複する重複面積の90%超であると、第2面材2の変形自由度が抑制され、積層体Aに進入した振動エネルギーは、第2面材2の変形によって円滑に吸収又は減衰させなくなり、積層体Aは優れた防音性を発現することが困難となる。以上のことを鑑みて、第1接続部3の積層方向に投影した総面積は、第1面材1と第2面材2との重複面積の25~85%であることが好ましく、27~80%であることがより好ましく、30~75%であることがさらに好ましい。
第1接続部3の厚みは、0.05mm以上である。ここで、本明細書において、「第1接続部3の厚み」とは、積層体Aの積層方向において、第1接続部3の両端間の距離をいう。つまり、第1接続部3の厚みは、空気層4の厚みと同義である。第1接続部3の厚みが0.05mm未満であると、空気層4を十分に確保することができず、空気層4に起因する防音性能が得られないことから、積層体Aは優れた防音性を発現することが困難となる。第1接続部3の厚みは、空気層4を十分に確保し、空気層4に起因する防音性能が得る観点から、0.08mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましく、0.12mm以上であることがさらに好ましい。また、第1接続部3の厚みは、空気層4の厚みが大きくなることで、積層体Aの機械的強度が低下し、制振性を発現することが困難となることから、20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることがさらに好ましく、3mm以下であることがよりさらに好ましい。
第1接続部3は、両面粘着性及び両面接着性のいずれかの性能を有するものであればよい。第1接続部3として、両面粘着性及び両面接着性を有するものとしては、例えば、接着剤、粘着剤及び両面粘着テープの群から選ばれる少なくとも1種であるとよい。中でも、基材層がない両面粘着テープが、10~30℃における損失正弦tanδが高い点で好ましい。
第1接続部3は、上述した拘束型制振材の原理の理由で10~30℃における損失正弦tanδ(損失弾性率E″/貯蔵弾性率E′)が高い程よく、0.5以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、1以上であることがさらに好ましく、1.5以上であることが特に好ましい。10~30℃における損失正弦tanδが上記下限値以上とするために、第1接続部3は、10~30℃における損失正弦tanδが1.0以上である粘弾性樹脂を含む。
粘弾性樹脂の10~30℃における損失正弦tanδは、1.2以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、1.8以上であることがさらに好ましい。
粘弾性樹脂としては、例えば、ポリブタジエン及びブチルゴム等のゴム系樹脂、ポリ塩化ビニル及び塩素化ポリエチレン等の塩素含有樹脂、ポリアクリル酸ブチル及びポリアクリル酸-2-エチルヘキシル等のアクリル系樹脂、エポキシ樹脂及びナイロン系樹脂等の高極性樹脂等が挙げられる。粘弾性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。また、制振性、加工性、粘着性、長期安定性等の特性を向上させるため、可塑剤、安定剤、粘着付与剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を粘弾性樹脂に添加してもよい。中でも、可塑剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤は、制振性向上に有効な添加剤である。
<製造方法>
積層体Aの製造方法を説明する。積層体Aの製造方法は、特に限定されず、例えば、下記の製造方法が挙げられる。
まず、第1面材1の一面1a上に粘弾性樹脂シートを所定厚みで部分的に貼り付ける。そして、第1面材1に貼り付けた粘弾性樹脂シート上に第2面材を積層一体化させた後、養生させることによって、第1面材上に、粘弾性樹脂シートである第1接続部3を介して第2面材2を積層一体化させて積層体Aを製造する。
<積層体の使用要領>
積層体Aの使用要領について説明する。図2に示したように、積層体Aは、対象となる部材B(以下「施工部材」という)に粘弾性樹脂を用いて貼着一体化させて用いられる。施工部材Bとしては、特に限定されず、例えば、自動車、鉄道、船舶及び航空機などの輸送機器の構成部材、建築物の構成部材(例えば、外壁部材、内装部材、天井部材など)、産業機械などの産業機器の構成部材、コンピューターなどのOA機器の構成部材、洗濯機、冷蔵庫などの家電製品の構成部材などが挙げられる。
積層体Aを施工部材Bに貼着するにあたって、積層体Aの第1面材1の他面1b、即ち、積層体Aにおける第2面材2が積層されていない面を、好ましくは、施工部材Bに向けて施工部材B上に貼着一体化される。
施工部材B上に積層体Aを貼着一体化することによって、施工部材Bを通過する前後の空気中を伝播する音波を積層体Aが吸収し又は減衰することができ、積層体Aは優れた防音性を発揮する。
更に、施工部材Bが振動体である場合も、施工部材B上に貼着一体化させた積層体Aが施工部材Bにて生じた振動エネルギーを吸収し又は減衰させ、施工部材Bの振動に起因する騒音を吸収し又は減衰させることができ、積層体Aは優れた防音性及び制振性を発揮する。
積層体Aが粘弾性樹脂Cを用いて施工部材B上に貼着一体化させるにあたって、粘弾性樹脂Cは、積層体Aと施工部材Bとの対向面の全面に配設してもよいが、第1面材1の変形の自由度を維持すると共に、積層体Aと施工部材Bとの対向面間に空気層4を形成し、上述と同様の作用によって、積層体Aの防音性及び制振性を向上させることができる。したがって、粘弾性樹脂Cは、積層体Aと施工部材Bとの対向面に部分的に配設させることが好ましい。
積層体Aと施工部材Bとの対向面に配設させる粘弾性樹脂Cの厚みは、0.05mm以上であり、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上が特に好ましい。積層体Aと施工部材Bとの対向面に配設させる粘弾性樹脂Cの厚みは、20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、5mm以下がより好ましく、3mm以下が特に好ましい。粘弾性樹脂Cの厚みが0.05mm以上であると、積層体Aの防音性及び制振性が向上する。粘弾性樹脂Cの厚みが10mm以下であると、積層体Aの防音性及び制振性が向上する。「粘弾性樹脂Cの厚み」とは、施工部材B上への積層体Aの積層方向において、粘弾性樹脂Cの両端間の距離をいう。
粘弾性樹脂Cの総面積は、積層体Aとこれに対向する施工部材Bとの重複面積の20~80%であり、20~50%が好ましい。粘弾性樹脂Cの総面積が上記範囲内にあると、第1面材1の変形自由度が保持され、積層体Aに進入した振動エネルギーは、第1面材が変形することによって円滑に吸収又は減衰させられると共に、第1面材1において音波が効果的に反射され、積層体Aは優れた防音性及び制振性を発現する。
「粘弾性樹脂Cの総面積」とは、施工部材B上への積層体Aの積層方向から見た時の粘弾性樹脂Cの総面積をいう。「積層体Aとこれに対向する施工部材Bとの重複面積」とは、施工部材B上への積層体Aの積層方向から見た時の積層体Aと施工部材Bとが重複している部分の面積をいう。
(第2の実施形態)
第2の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図3に示すように、第1面材1の他面1bにも第2接続部5を介して第3面材6が積層一体化されている点である。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
第2接続部5及び第3面材6はそれぞれ、第1接続部3及び第2面材2と同様の構成及び材料を採用することができる。第2接続部の配設状態も第1接続部3の配設状態と同様の構成を採用することができる。なお、第2接続部5及び第3面材6はそれぞれ、第1接続部3及び第2面材2と同一である必要はない。
(第3の実施形態)
第3の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図4に示すように、第1面材1として、複数個(2個以上)の分割面材11が第3接続部7を介して互いに積層一体化させてなる複層の面材である点である。以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
複数個の分割面材11は、互いに同一である必要はない。第3接続部7が複数個ある場合も、互いに同一である必要はない。
図4では、第1面材1の一面1aに第1接続部3を介して第2面材2を積層一体化し、第1面材1の他面1bに第2接続部5を介して第3面材6を積層一体化した場合を図示したが、第1面材1の他面1bには第3面材6を積層一体化させていなくてもよい。また、第1面材1の一面1aに積層一体化させている第2面材2、及び、第1面材1の他面1bに積層一体化させている第3面材6の少なくともいずれかを後述する複層の面材としてもよい。
分割面材11及び第3接続部7はそれぞれ、第1面材1及び第1接続部3と同様の構成及び材料を採用することができる。第3接続部7の配設状態も第1接続部3の配設状態と同様の構成を採用することができる。なお、分割面材11及び第3接続部7はそれぞれ、第1面材1及び第1接続部3と同一である必要はない。
(第4の実施形態)
第4の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図5に示すように、第2面材2として、複数個(2個以上)の分割面材21が第4接続部8を介して互いに積層一体化させてなる複層の面材である点である。以下、第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
複数個の分割面材21は、互いに同一である必要はない。第4接続部8が複数個ある場合も、互いに同一である必要はない。
図5では、第1面材1の一面1aに第1接続部3を介して複層の第2面材2を積層一体化した場合を示したが、第1面材1の一面1bにも第2接続部を介して単層又は複層の第3面材6を積層一体化させていてもよい。
分割面材21及び第4接続部8はそれぞれ、第2面材2及び第1接続部3と同様の構成及び材料を採用することができる。第4接続部8の配設状態も第1接続部3の配設状態と同様の構成を採用することができる。複層の第3面材6は、複層の第2面材2と同様の構成を採用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
第1面材としてポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シート(厚み:15mm、発泡倍率:13倍、積水化学工業社製、商品名「ゼットロン」)を用意した。
そして、第1接続部として塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂シート(厚み:0.5mm、積水化学社製、商品名「カルムーンシート(品番KS690)」)を用意した。ポリプロピレン系樹脂発泡シートの一面1aに塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂シート(幅:20mm、長さ:50mm)を碁盤目状に規則的に3枚等間隔且つ均一に貼り合わせた。
しかる後、ポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シートの一面1a上に塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂を介して表1に示した厚みを有する第2面材としてのアルミニウムシート(厚み:0.6mm)を積層した。
上記ポリプロピレン系樹脂発泡シートの他面1bに、第2接続部として塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂シート(幅:20mm、長さ:50mm)を碁盤目状に規則的に3枚等間隔且つ均一に貼わせた。
しかる後、ポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シートの他面1b上に上記塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂シートを介して表1に示した厚みを有する第3面材としてのアルミニウムシート(厚み:0.6mm)を積層して積層シートを作製した。
積層シートの塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂シートを養生させて、本体部を構成する第1面材1であるポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シートの一面1aに塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂シート(第1接続部3)を介してアルミニウムシート(第2面材2)が積層一体化され、且つ、ポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シート1の他面1bに塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂シート(第2接続部5)を介してアルミニウムシート(第3面材6)が積層一体化されてなる積層体Aを得た。積層体Aは、縦20mm×横250mmの平面長方形状であった。
積層体Aにおいて、第1接続部及び第2接続部の厚み及び総面積を表1に示した。積層体Aにおいて、ポリプロピレン系樹脂独立気泡発泡シートの両面と、アルミニウムシートとの対向面間には空気層4が形成されていた。
(実施例2)
塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂シートの代わりにアクリル系粘着テープ(厚み:0.6mm、積水化学工業社製、商品名「SJテープ」)を使用したこと以外は、実施例1と同様に積層体Aを得た。
(比較例1)
塩素化ポリエチレン系粘弾性樹脂シートの代わりにポリエチレンフォーム系両面テープ(厚み:1mm、積水化学工業社製「品番536」)を使用したこと以外は、実施例1と同様に積層体Aを得た。
(比較例2)
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの代わりにウレタン発泡体(厚み:10mm、積水化学工業社製、商品名「FFU」)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体Aを得た。
実施例1~2及び比較例1~2にて得られた積層体の第1接続部及び第2接続部について、厚み及び面積を表1に示した。
得られた積層体の損失係数、共振周波数を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
また、接続部に使用される粘弾性樹脂、粘着テープ、両面テープの損失正弦を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
また、ポリプロピレン系樹脂発泡シート及びウレタン発泡体の曲げ弾性率を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(損失係数及び共振周波数)
積層体の損失係数をJIS G0602に準拠して中央加振法によって測定した。具体的には、積層体の第2面材を下面として23℃にて一次共振の周波数での損失係数を測定した。損失係数が高く且つ共振周波数が低い程、積層体Aは低周波数(50Hz~315Hz)において制振性に優れている。
(損失正弦)
接続部に使用される粘弾性樹脂、粘着テープ、両面テープを粘弾性測定器(アイティー計測制御社製、商品名「動的粘弾性装置 DVA-200」)により、周波数50Hzで貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E’’を測定し、室温(約23℃)での損失正弦(tanδ)を算出した。
(曲げ弾性率)
ポリプロピレン系樹脂発泡シート及びウレタン発泡体の曲げ弾性率をJIS 7171に準拠して測定した。
Figure 2022072617000002
積層体は、優れた防音性、特に低周波数での防音性及び制振性を有していると共に、軽量性にも優れている。従って、積層体は、輸送機器、建築物、産業機器、OA機器及び家電製品などの施工部材に好適に適用することができる。
1 第1面材
2 第2面材
3 第1接続部
4 空気層
5 第2接続部
6 第3面材
7 第3接続部
8 第4接続部
A 積層体
B 施工部材
C 粘弾性樹脂

Claims (7)

  1. 第1面材と、
    前記第1面材の一面に積層される第2面材と、
    前記第1面材と前記第2面材との間に設けられ、前記第1面材と前記第2面材を部分的に接続する第1接続部とを備え、
    前記第1接続部の厚みは、0.05mm以上であり、
    前記第1接続部の積層方向に投影した総面積は、前記第1面材と前記第2面材とが積層方向で重複する重複面積の20~80%であり、
    前記第1接続部は、10~30℃における損失正弦tanδが1.0以上である粘弾性樹脂を含む、積層体。
  2. 前記第1面材は、合成樹脂発泡シートを含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記合成樹脂発泡シートの発泡倍率が2~50倍である、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記第1面材及び前記第2面材は、金属シート、繊維強化プラスチックシート及び石膏ボードからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記第1接続部は、前記第1面材と前記第2面材とを一体化させる接着剤層又は粘着剤層を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記第1面材の他面に積層される第3面材と、
    前記第1面材と前記第3面材との間に設けられ、前記第1面材と前記第3面材を部分的に接続する第2接続部とをさらに備え、
    前記第2接続部の厚みは、0.05mm以上であり、
    前記第2接続部の積層方向に投影した総面積は、前記第1面材と前記第3面材とが積層方向で重複する重複面積の20~80%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記第2接続部は、10~30℃における損失正弦tanδが1.0以上である粘弾性樹脂を含む、請求項6に記載の積層体。
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