JP2021180161A - 燃料電池システム - Google Patents

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伸和 水野
Nobukazu Mizuno
茂樹 長谷川
Shigeki Hasegawa
周也 川原
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Abstract

【課題】本明細書は、燃料電池システムから排出される排出ガスに含まれる水素の濃度を高精度で推定することのできる燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システムのコントローラは、気液分離器内の水素濃度(分離器内水素濃度)を特定し、排気排水弁の出口から排出される不純物ガスの流量を特定し、カソードガス出口から排出される排出空気の流量を特定し、燃料電池スタックが前回に停止した時刻から現在までの経過時間が所定の経過時間閾値よりも短い場合は、燃料電池スタックが前回停止して以降に前記カソードガス出口から排出される前記排出空気の量が前記燃料電池スタックのカソード側のガス収容容積に達するまでの間、前記経過時間に応じて前記排出空気に含まれる水素の濃度(空気内水素濃度)を特定し、不純物ガスの流量、分離器内水素濃度、排出空気の流量、空気内水素濃度から、排出水素濃度を推定する。【選択図】図1

Description

本明細書が開示する技術は、燃料電池システムに関する。特に、燃料電池システムから排出される排出ガスに含まれる水素の濃度を精度良く推定することのできる燃料電池システムに関する。
燃料電池システムにはいくつかの濃度センサが備えられる(特許文献1−3)。多数の濃度センサを備えるとコストが嵩む。いくつかの箇所の濃度は、他の箇所の濃度センサの計測値、あるいは圧力センサなどの別のタイプのセンサの計測値から推定することで、濃度センサの数を減らすことができる(特許文献1、2)。
燃料電池システムから外気へ排出される排出ガスには水素が含まれる。外気に放出される水素の濃度には規制値がある。例えば特許文献3の燃料電池システムは、排出ガスに含まれる水素の濃度を検出する濃度センサを備えており、濃度センサが計測する水素濃度が閾値濃度を超えた場合は排出ガスに多くの空気を混合し、排出ガスに含まれる水素の濃度を下げる。
特開2005−310653号公報 特開2007−227159号公報 特開2013−196859号公報
本明細書は、燃料電池システムから排出される排出ガスに含まれる水素の濃度を精度良く推定することのできる燃料電池システムを提供する。
本明細書が開示する燃料電池システムは、燃料供給管、気液分離器、排気排水弁、排気管、コントローラを備える。燃料供給管は、燃料電池スタックのアノード側に燃料ガスを供給する。燃料ガスの主体は水素ガスである。気液分離器は、燃料電池スタックのアノード側のガス出口から排出されるオフガスを残燃料ガスと不純物に分離する。不純物には液体と気体がある。液体の不純物の例は水であり、気体の不純物の例は窒素ガスである。不純物の中にも水素ガスが含まれる。排気排水弁は、気液分離器の不純物排出口に接続されている。排気管は、燃料スタックのカソード側のガス出口(カソードガス出口)から排出される排出空気と、排気排水弁の出口から排出される不純物ガスとを混合して外気に放出する。コントローラは、排気排水弁を開いている間に排気管から外気に排出される排出ガスの水素濃度(排出水素濃度)を推定する。
コントローラは、次の処理により、排出水素濃度を推定する。コントローラは、気液分離器内の水素濃度(分離器内水素濃度)を特定し、排気排水弁の出口から排出される不純物ガスの流量を特定し、カソードガス出口から排出される排出空気の流量を特定する。コントローラは、燃料電池スタックが前回に停止した時刻から現在までの経過時間が所定の経過時間閾値よりも短い場合は、燃料電池スタックが前回停止して以降にカソードガス出口から排出される排出空気の量が燃料電池スタックのカソード側のガス収容容積に達するまでの間、経過時間に応じて排出空気に含まれる水素の濃度(空気内水素濃度)を特定する。コントローラは、不純物ガスの流量、分離器内水素濃度、排出空気の流量、空気内水素濃度から、排出水素濃度を推定する。
アノード側に供給される燃料ガスに含まれる水素は、イオンとなって電解質膜を通り、カソード側へ移動する。カソード側では水素イオンは酸素と反応して水になるが、燃料電池スタックが停止したとき、相応の水素が酸素と反応せずにカソード側に残る。本明細書が開示する燃料電池システムは、カソード側に残った水素も考慮に入れて排出ガスの水素濃度を推定する。それゆえ、水素濃度を精度良く推定することができる。
コントローラは、燃料電池スタックから出力される電流に応じて、及び/または、燃料電池スタックの起動からの経過時間に応じて分離器内水素濃度を補正してもよい。燃料電池スタックから出力される電流や経過時間も考慮することで、排出ガスの水素濃度をより精度良く推定することができる。
コントローラは、排出ガスに含まれる単位時間当たりの水蒸気量を特定し、排出ガスの流量から単位時間当たりの水蒸気量を差し引いた値に基づいて排出水素濃度を推定してもよい。排出ガスの水素濃度をさらに精度良く推定することができる。
コントローラは、排出水素濃度が規定値を超えてしまうことを回避すべく、排出水素濃度が所定の閾値濃度を超えた場合に排気排水弁を閉じるようにしてもよい。閾値濃度は、規定値よりも低い値に設定される。
あるいは、コントローラは、排出水素濃度が所定の閾値濃度を超えた場合に燃料電池スタックを通過していない空気を排気管に送り込むようにしてもよい。排気管に送り込まれるフレッシュな空気によって排出水素濃度が下がる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の燃料電池システムを含む電気自動車のブロック図である。 排水水素濃度を推定する処理のフローチャートである。 排水水素濃度を推定する処理のフローチャートである(図2の続き)。
図面を参照して実施例の燃料電池システム2を説明する。燃料電池システム2は、電気自動車100に搭載されている。図1に、燃料電池システム2を含む電気自動車100のブロック図を示す。電気自動車100は、燃料電池システム2から電力を得て、電気モータ103で走行する。燃料電池システム2の出力電力は、昇圧コンバータ101で昇圧された後にインバータ102で交流電力に変換され、走行用の電気モータ103に供給される。昇圧コンバータ101の出力端には、インバータ102と並列にバッテリ104が接続されている。燃料電池システム2で生成された電力のうち、電気モータ103で消費されなかった残りの電力はバッテリ104にチャージされる。燃料電池システム2は、出力電力の変化の時定数が長いため、電気モータ103へ供給する電力の変化の応答性を高めるのにバッテリ104の電力が用いられる。
燃料電池システム2は燃料電池スタック10と燃料タンク20を備えている。以下では、説明を簡略化するため、燃料電池スタック10をFCスタック10と表記する場合がある。
FCスタック10は、電解質膜13を挟んでアノード側の触媒層(アノード触媒層12)とカソード側の触媒層(カソード触媒層14)が対向している。アノード触媒層12の外側(電解質膜13とは反対側)にはアノード側の拡散層(アノード拡散層11)が位置している。カソード触媒層14の外側(電解質膜13とは反対側)にはカソード側の拡散層(カソード拡散層15)が位置している。
アノード拡散層11には、アノードガス入口16aを通じて燃料ガスが供給される。カソード拡散層15には、カソードガス入口17aを通じて空気が供給される。燃料ガスに含まれる水素がイオン化し、アノード触媒層12、電解質膜13を通じてカソード触媒層14に達する。カソード触媒層14にて水素イオンは空気中の酸素と結合して水となる。アノード側では水素がイオン化し、カソード側で水素イオンが酸素と結合することで電子の流れ、すなわち電流が生成される。FCスタック10における化学反応は良く知られているので詳しい説明は省略する。
化学反応で余った燃料ガスと、化学反応で生成された不純物はアノードガス出口16bから排出される。アノードガス出口16bから排出されるガスはオフガスと称されることがある。
生成された水、および、余った空気(酸素)はカソードガス出口17bから排出される。カソードガス出口17bから排出されるガス(排出空気)にも水素が含まれ得る。
燃料電池システム2における燃料ガス側の設備について説明する。燃料電池システム2は、燃料電池スタック10のアノード側へ燃料ガスを送るための設備として、燃料供給管21、インジェクタ22、オフガス排出管23、気液分離器24、戻し管25、ポンプ26、排気排水弁27を備えている。
燃料供給管21は、燃料タンク20とFCスタック10を接続する。燃料供給管21には2個の弁41a、41b、インジェクタ22、圧力センサ42aが接続されている。弁41aは主止弁であり、燃料電池システム2が停止している間、燃料タンク20からの燃料ガスの放出を止める。弁41bは調圧弁であり、インジェクタ22に供給される燃料ガスの圧力を調整する。インジェクタ22は、燃料ガスの圧力を高めてFCスタック10に供給する。圧力センサ42aはインジェクタ22の下流側に備えられており、FCスタック10に供給される燃料ガスの圧力を計測する。
燃料供給管21の一端はFCスタック10のアノードガス入口16aに接続されており、燃料ガスをFCスタック10のアノード拡散層11に供給する。アノードガス出口16bにはオフガス排出管23の一端が接続されており、オフガス排出管23の他端は気液分離器24のガス入口24aに接続されている。
気液分離器24は、アノードガス出口16bから排出されるオフガスを水素ガス(残燃料ガス)と不純物に分離する。気液分離器24で分離される不純物の典型は、窒素ガスや水などである。窒素ガスは、カソード側に供給される空気に含まれている窒素が、電解質膜13を通過してアノード側に達したものである。残燃料ガスはガス出口24bから放出され、不純物は不純物排出口24cから排出される。
戻し管25の一端が気液分離器24のガス出口24bに接続しており、戻し管25の他端は燃料供給管21に接続している。戻し管25にはポンプ26が取り付けられている。ポンプ26は、気液分離器24で分離された残燃料ガスを、燃料供給管21へ押し込む。気液分離器24の不純物排出口24cには、排気排水弁27が接続されている。排気排水弁27の出口には排気管32が接続されている。排気排水弁27が開くと、気液分離器24でオフガスから分離された不純物が排気管32に排出される。
FCスタック10が発電を続けると、気液分離器24に不純物が溜まっていく。コントローラ40は、FCスタック10の発電中は排気排水弁27を開き、排気管32を通じて不純物を外気に放出する。不純物の大半は水と窒素ガスであるが、水素ガスも含まれる。外気に放出される水素ガスの濃度には規制がある。燃料電池システム2は、外気に放出される水素の濃度(排出水素濃度)が所定の閾値濃度を超えたら排気排水弁27を閉じる。閾値濃度は規制値よりも低い値に設定されているので、排出水素濃度は規制値以下に抑えられる。排出水素濃度を求める技術については後述する。
燃料電池システム2の空気供給側の設備について説明する。燃料電池システム2は、燃料電池スタック10のカソード側へ空気(酸素)を送るための設備として、空気供給管31、空気コンプレッサ34、弁41c、41dを備えている。
空気供給管31の一端がFCスタック10のカソードガス入口17aに接続しており、他端は外気に開放されている。空気供給管31の途中に空気コンプレッサ34、弁41c、圧力センサ42bが取り付けられている。空気コンプレッサ34が外気を圧縮し、空気供給管31を通じて空気をFCスタック10(カソード拡散層15)へ供給する。FCスタック10のカソードガス出口17bには排気管32が接続されている。排気管32の途中に弁41dが取り付けられている。弁41cと弁41dは調圧弁であり、それらの調圧弁により、FCスタック10(カソード拡散層15)に供給される空気の圧力が調整される。弁41cの下流側に圧力センサ42bが接続されており、FCスタック10へ供給される空気の圧力を計測する。
排気管32は、排気排水弁27の出口と、カソードガス出口17bに接続されている。排気管32は、FCスタック10のカソードガス出口17bから排出される排出空気と、排気排水弁27の出口から排出される不純物ガスとを混合して外気に放出する。排気管32の下流側にはマフラ35が接続されている。排出ガス(排出空気と不純物ガスの混合ガス)は、マフラ35を通して外気に放出される。
空気供給管31の弁41cよりも上流側と、排気管32の弁41dの下流側にはバイパス管33が接続されており、バイパス管33の途中には弁41eが取り付けられている。弁41eを開くとフレッシュな空気がFCスタック10を迂回して排気管32に流れる。詳しくは後述するが、排気管32を通じて外気に放出される排出ガスに含まれる水素の濃度(排出水素濃度)が高い場合にコントローラ40が弁41eを開くことがある。コントローラ40は、弁41eを開き、FCスタック10を迂回したフレッシュな空気を排気管32に導き、排出ガスに含まれる水素ガスを希釈する。すなわち、排出水素濃度が下がる。
図示は省略したが、燃料電池システム2は、各所に圧力センサや濃度センサ、あるいは流量センサを備えている場合がある。ただし、燃料電池システム2は、排出水素濃度を計測する濃度センサは備えていない。燃料電池システム2は、他の箇所のガスの圧力やガスの濃度などの情報から排出水素濃度を推定する。
FCスタック10の電極には、昇圧コンバータ101が接続されている。先に述べたように、FCスタック10(燃料電池システム2)が生成した電力は、昇圧コンバータ101で昇圧され、インバータ102あるいはバッテリ104に供給される。
インジェクタ22、ポンプ26、弁41a−41e、排気排水弁27、空気コンプレッサ34、昇圧コンバータ101、インバータ102は、コントローラ40が制御する。圧力センサ42a、42bの計測値はコントローラ40に送られる。
コントローラ40は、アクセルペダルの開度と車速からモータ103の目標出力を決定する。コントローラ40は、モータ103の目標出力から燃料電池システム2の目標出力電流を決定し、目標出力電流が実現するように、インジェクタ22、ポンプ26、弁41a−41d、空気コンプレッサ34、昇圧コンバータ101を制御する。
気液分離器24から排出される不純物にも水素が含まれる。排気管32を通じて外気に放出される排出ガスに含まれる水素濃度(排出水素濃度)には規制があり、排出水素濃度は規制値以下に抑える必要がある。燃料電池システム2は、排出水素濃度を推定し、推定された排出水素濃度が所定の閾値濃度を超えた場合、排気排水弁27を閉じる、あるいは、弁41eを開き、排出ガス中の水素ガスを希釈する。燃料電池システム2は、排出水素濃度を高い精度で推定することができる。以下、図2、図3を参照して、排出水素濃度を推定するプロセスを説明する。
図2、図3は、コントローラ40が排出水素濃度を推定し、推定された排出水素濃度が閾値濃度よりも高い場合には排気排水弁27を閉じ、排出水素濃度を下げる処理のフローチャートである。コントローラ40は、排気排水弁27を開いている間、所定の周期で図2、図3の処理を繰り返し実行する。
まず、コントローラ40は、排気排水弁27の出口から排出される不純物ガスの流量F1を特定する(ステップS12)。流量F1は、FCスタック10に供給される燃料ガスの圧力、ポンプ26の特性と出力、および、気液分離器24の特性などに基づいて推定される。なお、FCスタック10に供給される燃料ガスの圧力は圧力センサ42aにより計測される。燃料ガスの圧力などから流量F1を推定する関係式は、実験やシミュレーションなどにより予め求められており、コントローラ40に記憶されている。排気排水弁27の出口に流量センサを備えている場合には、その流量センサにより流量F1が得られる。
続いてコントローラ40は、気液分離器24の内部における水素の濃度(分離器内水素濃度C1)を特定する(ステップS13)。コントローラ40は、FCスタック10に供給される燃料ガスの圧力などから分離器内水素濃度C1を推定する。なお、気液分離器24の中には水素以外のガス(窒素ガスなど)も存在する。コントローラ40は、水素ガスと、水素以外のガスのそれぞれの分圧を特定し、分圧も考慮して分離器内水素濃度C1を特定する。水素ガスの分圧は、燃料ガスの圧力やFCスタック10の出力電流と相関があり、その相関を示す関係式も予め求められており、コントローラ40に記憶されている。コントローラ40は、記憶している関係式に基づいて分離器内水素濃度C1を特定する。
特に、分離器内水素濃度C1はFCスタック10の出力電流と強い相関を有する。出力電流が大きければ、FCスタック10にて多くの水素が消費されるので分離器内水素濃度C1は下がる。コントローラ40は、FCスタック10の出力電流に応じてステップS13で得られた分離器内水素濃度C1を補正する(ステップS14)。出力電流に対応する補正係数も予めコントローラ40に記憶されている。
コントローラ40は、燃料電池システム2の起動から現在までの経過時間T1を計測しており、経過時間T1が所定の第1閾値時間T1thよりも小さい場合は、さらに経過時間T1に応じて分離器内水素濃度C1を補正する(ステップS15:YES、S16)。気液分離器24の中の水素分圧の初期値は予めコントローラ40に記憶されている。水素分圧の初期値は、FCスタック10が安定した状態、すなわち、アノード側とカソード側に水素が一様に分布している状態を前提として定められている。一方、車両の放置時間が短いと、FCスタック10は安定した状態に到達していない場合があり、その場合には、アノード側の水素分圧は安定した状態と比較して高くなりがちである。すなわち、車両の放置時間が短い場合には、アノード側の実際の水素分圧がコントローラ40に記憶されている初期値よりも高くなりがちである。別言すれば、コントローラ40に記憶されている水素分圧の初期値は低めに設定されている。アノード側の実際の水素分圧が初期値よりも高いと、実際の分離器内水素濃度はステップS13で得られた分離器内水素濃度C1よりも低くなる。
先に述べたように、コントローラ40に記憶されている水素分圧の初期値は低めに設定されている。記憶されている初期値と実際の水素分圧の差を縮めるため、起動からの経過時間T1が第1閾値時間T1thよりも短い場合には、ステップS14で得られた分離器内水素濃度C1が高い方へシフトするように、ステップS16にてさらに補正する。経過時間T1に依存する補正係数もシミュレーションや実験等により予め定められており、コントローラ40に記憶されている。第1閾値時間T1thも予め定められており、コントローラ40に記憶されている。ステップS16までが実行されると、分離器内水素濃度C1(補正後の水素濃度C1)が精度良く求まる。
なお、ステップS16の補正を行うと、推定される水素濃度は高い側にシフトする傾向となる。コントローラ40は、推定された水素濃度が所定の閾値濃度よりも高い場合、排出される水素の濃度が低くなるように排気排水弁27を閉じる(後述するステップS26、S27)。水素濃度の推定値が高い側にシフトするほど、排気排水弁27が閉じられる可能性が高くなる。推定される水素濃度は高い側にシフトする傾向は、排出される水素の実際の濃度が低くなる傾向をもたらすため、許容される。
続いてコントローラ40は、FCスタック10のカソードガス出口17bから排出される排出空気の流量F2を特定する(ステップS17)。流量F2は、FCスタック10に供給される空気の圧力、FCスタック10の出力電流などと相関があり、その相関もコントローラ40に記憶されている。なお、FCスタック10に供給される空気の圧力は、圧力センサ42bにより計測される。コントローラ40は、記憶されている相関関係、圧力センサ42bの計測値などに基づいて、流量F2を特定する。FCスタック10のカソードガス出口17bに流量センサを備えている場合は、その流量センサにより流量F2が得られる。
FCスタック10では、発電中は水素(水素イオン)がアノード拡散層11から電解質膜13を通過してカソード触媒層14へ移動する。水素(水素イオン)はカソード触媒層14で空気中の酸素と結合して水となる。発電中は酸素と結合していない水素もカソード触媒層14、カソード拡散層15に貯留している。燃料電池システム2の前回の停止からの経過時間が短いと、カソード拡散層15、カソード触媒層14に比較的に多量の水素が残留している。その状態で再び燃料電池システム2を起動すると、カソードガス出口17bから放出される排出空気に比較的多くの水素が混入する。
そこでコントローラ40は、燃料電池システム2が前回に停止したときから現在時刻までの経過時間T2も計測しており、経過時間T2が所定の第2閾値時間T2thよりも短い場合は、排出空気に含まれる水素の濃度(空気内水素濃度C2)を特定する(ステップS22:YES、S23)。ステップS23では、コントローラ40は、FCスタック10が前回停止して以降、カソードガス出口17bから排出される排出空気の量がFCスタック10のカソード側のガス収容容積に達するまでの間、経過時間T2に応じて(あるいはカソードガス出口17bから排出される排出空気の量に応じて)排出空気に含まれる水素濃度(空気内水素濃度C2)を特定する。カソード側のガス収容容積は、予め求められており、コントローラ40に記憶されている。空気内水素濃度C2は、カソード側のガス収容容積、経過時間T2、FCスタック10の出力電流などと相関があり、その相関を示す関係式もコントローラ40に予め記憶されている。コントローラ40は、その関係式を用いて空気内水素濃度C2を特定する。なお、カソードガス出口17bから排出される排出空気の量は、ステップS17で求めた流量F2に経過時間T2を乗じることで得られる。すなわち、ステップS23における「経過時間T2に応じて」という表現は、「カソードガス出口17bから排出される排出空気の量に応じて」ということと実質的に等価である。
ステップS23における水素濃度C2は、経過時間T2が大きくなるにつれて小さくなる。別言すれば、ステップS23における水素濃度C2は、カソードガス出口17bから排出される排出空気の量が多くなるにつれて小さくなる。カソードガス出口17bから排出される空気の量がガス収容容積に達すると、FCスタック10の前回の動作でカソード側に溜まった水素ガスが全て排出される。
続いてコントローラ40は、排出ガスに含まれる単位時間当たりの水蒸気量Vを特定する(ステップS24)。排気管32には不図示の湿度センサが取り付けてあり、コントローラ40は、湿度センサの計測値と、流量F1、F2から、単位時間当たりの水蒸気量Vを特定する。
コントローラ40は、流量F1、F2、水蒸気量V、水素濃度C1、C2から、排出ガスに含まれる水素の濃度(排出水素濃度C3)を推定する(ステップS25)。排気管32から外気に放出される排出ガスの流量は(F1+F2−V)の式で得られる。排出ガスに含まれる水素の量は、(F1×C1+F2×C2)の式で得られる。従って排出水素濃度C3は、C3=(F1×C1+F2×C2)/(F1+F2−V)の式で得られる。
コントローラ40は、推定された排出水素濃度C3が所定の閾値濃度Cthを超えている場合(ステップS26:YES)、排気排水弁27を閉じる(ステップS27)。排気排水弁27を閉じると、気液分離器24から排気管32へ水素が放出されなくなり、排出水素濃度C3が下がる。
なお、コントローラ40は、ステップS27の処理に替えて、弁41eを開いてもよい。弁41eを開くと水素を含まないフレッシュな空気がFCスタック10を迂回して排気管32に流れ込むため、排出水素濃度C3が下がる。
以上説明したように、実施例の燃料電池システム2は、様々な要因を考慮して排出水素濃度C3を推定する。燃料電池システム2は、排出水素濃度C3を精度良く推定することができる。燃料電池システム2は、特に、FCスタック10の前回の停止時にカソード側に溜まった水素を考慮することで、精度良く排出水素濃度C3を推定することができる。
また、燃料電池システム2は、FCスタック10から出力される電流、及び/または、FCスタック10の起動からの経過時間T1に応じて分離器内水素濃度C1を補正する。この補正も、排出水素濃度C3の精度を高めることに貢献する。さらに、排出ガスに含まれる水蒸気量を考慮することも排出水素濃度C3の精度を高めることに貢献する。
実施例の燃料電池システム2は、排出水素濃度C3を精度良く推定することができる。それゆえ、排気管32に水素濃度センサを備えずとも、排出水素濃度C3を規制値以下に抑えることができる。排気管32に水素濃度センサを備える必要がないのでコストを抑えることができる。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。実施例では、流量F1、F2、水蒸気量V、水素濃度C1、C2に基づいて排出水素濃度C3を推定する。水蒸気量Vが得られることが望ましいが、水蒸気量Vが得られずとも、従来の技術よりは精度良く排出水素濃度C3が得られる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:燃料電池システム
10:燃料電池スタック(FCスタック)
16a:アノードガス入口
16b:アノードガス出口
17a:カソードガス入口
17b:カソードガス出口
20:燃料タンク
21:燃料供給管
23:オフガス排出管
24:気液分離器
24a:ガス入口
24b:ガス出口
24c:不純物排出口
25:戻し管
26:ポンプ
27:排気排水弁
30:燃料タンク
31:空気供給管
32:排気管
33:バイパス管
34:空気コンプレッサ
35:マフラ
40:コントローラ
41a−41e:弁
42a、42b:圧力センサ
100:電気自動車
101:昇圧コンバータ
102:インバータ
103:電気モータ
104:バッテリ

Claims (5)

  1. 燃料電池スタックのアノード側に燃料ガスを供給する燃料供給管と、
    前記燃料電池スタックの前記アノード側のガス出口から排出されるオフガスを残燃料ガスと不純物に分離する気液分離器と、
    前記気液分離器の不純物排出口に接続されている排気排水弁と、
    前記燃料スタックのカソード側のガス出口(カソードガス出口)から排出される排出空気と、前記排気排水弁の出口から排出される不純物ガスとを混合して外気に放出する排気管と、
    前記排気排水弁を開いている間に前記排気管から外気に排出される排出ガスの水素濃度(排出水素濃度)を推定するコントローラと、
    を備えており、
    前記コントローラは、
    前記気液分離器内の水素濃度(分離器内水素濃度)を特定し、
    前記排気排水弁の出口から排出される前記不純物ガスの流量を特定し、
    前記カソードガス出口から排出される前記排出空気の流量を特定し、
    前記燃料電池スタックが前回に停止した時刻から現在までの経過時間が所定の経過時間閾値よりも短い場合は、前記燃料電池スタックが前回停止して以降に前記カソードガス出口から排出される前記排出空気の量が前記燃料電池スタックのカソード側のガス収容容積に達するまでの間、前記経過時間に応じて前記排出空気に含まれる水素の濃度(空気内水素濃度)を特定し、
    前記不純物ガスの流量、前記分離器内水素濃度、前記排出空気の流量、前記空気内水素濃度から、前記排出水素濃度を推定する、燃料電池システム。
  2. 前記コントローラは、前記燃料電池スタックから出力される電流に応じて、及び/または、前記燃料電池スタックの起動からの経過時間に応じて、前記分離器内水素濃度を補正する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記コントローラは、前記排出ガスに含まれる単位時間当たりの水蒸気量を特定し、
    前記排出ガスの流量から前記単位時間当たりの前記水蒸気量を差し引いた値に基づいて前記排出水素濃度を推定する、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記コントローラは、前記排出水素濃度が所定の閾値濃度を超えた場合に前記排気排水弁を閉じる、請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記コントローラは、前記排出水素濃度が所定の閾値濃度を超えた場合に前記燃料電池スタックを通過していない空気を前記排気管に送り込む、請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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