JP2021177508A - 冷却装置、構造物、溶接方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、冷却性能を向上させることができる冷却装置等を提供することを目的とする。
ここで、前記被締付部材の上に前記ベース部材が重ねられた状態でレーザ溶接が施されていても良い。
また、前記レーザ溶接は、前記ベース部材側からレーザ光が照射され、溶融部が前記被締付部材を貫通するように施されていても良い。
また、前記ヒートシンクと前記空間形成部材とに接触して前記空間を密封する密封部材をさらに備え、前記溶融部は、前記密封部材に対して、前記空間とは反対側に形成されていても良い。
また、前記ベース部材の材質が1000系のアルミニウム又は銅、前記被締付部材の材質が6000系のアルミニウムであっても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、材質がアルミニウムの第1部材と、材質がアルミニウム又は銅の第2部材とが重ね合わされた状態でレーザ溶接が施されることにより接合された構造物であって、前記レーザ溶接による溶融部が、前記第1部材及び前記第2部材の内、レーザ光が照射されない方の部材を貫通している構造物である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、材質がアルミニウムの第1部材と、材質がアルミニウム又は銅の第2部材とを重ね合わせてレーザ光を照射する溶接方法であって、溶接による溶融部が、前記第1部材及び前記第2部材の内、前記レーザ光が照射されない方の部材を貫通するように施す溶接方法である。
ここで、前記溶融部が、前記レーザ光が照射されない部材を貫通しないように施す場合と比べて、当該レーザ光を照射するレーザヘッドの移動速度を小さくするか、又は、レーザ出力を大きくするか、の少なくともいずれかにより貫通するように施しても良い。
図1は、実施の形態に係る冷却装置1を構成する部品を分解した図である。
図2は、冷却装置1の断面図である。
実施の形態に係る冷却装置1は、フィン112を有するヒートシンク10と、フィン112を収容する凹部21が形成されたジャケット20とを備えている。冷却装置1は、半導体モジュール3を冷却する装置である。ジャケット20、半導体モジュール3は、それぞれ、特許文献1に記載された、ジャケット20、半導体モジュール3と同様であり、同じ形状、機能を有する部材及び部位については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ベース部材11は、四角形の板状の板状部111と、板状部111から板面に直交する方向に突出した複数の円柱状のフィン112とを有している。なお、フィン112は、円柱状に限定されない。直方体状であっても良いし、板状であっても良い。
半導体モジュール3は、絶縁基板30と、配線層31と、半導体素子32と、はんだ層33と、伝熱層34とを有している。そして、半導体モジュール3は、伝熱層34を介してヒートシンク10のベース部材11にろう付されている。
半導体モジュール3が接合されたヒートシンク10を、半導体モジュール3が外部に位置し、フィン112が凹部21に収容されるように、ジャケット20に被せ、ヒートシンク10で凹部21の開口部を閉じる。そして、ヒートシンク10のフランジ部材12に形成された孔122に通したボルト28を、ジャケット20に形成された雌ねじ部27に締め付ける。これにより、ヒートシンク10とジャケット20の凹部21との間に囲まれた空間に冷却媒体が流通する冷却媒体流通空間29が形成される。冷却媒体流通空間29は、ジャケット20の溝25に嵌め込まれたOリング26にて密封される。
本実施の形態に係るヒートシンク10においては、ベース部材11の材質は、フランジ部材12の材質よりも、熱伝導性が大きい材質が選定されている。これは、ベース部材11の材質の熱伝導性が大きい方が、半導体モジュール3を冷却する性能が高くなるからである。一方、フランジ部材12の材質は、ベース部材11の材質よりも、強度が大きい材質が選定されている。これは、フランジ部材12が、ボルト28にて、ジャケット20に形成された雌ねじ部27に締め付けられるからであり、強度が大きい方が座屈等し難くなるからである。
次に、ベース部材11とフランジ部材12とをレーザ溶接する手法について説明する。
先ず、フランジ部材12の凹部124の底面125に、ベース部材11の板状部111の外周部を載せる(フランジ部材12とベース部材11とを重ね合わせる)。そして、フランジ部材12とベース部材11とを重ね合わせた状態で、重ね合わせ部のベース部材11に向けて、レーザ装置(不図示)のレーザヘッド(不図示)からレーザ光を照射する。そして、レーザヘッドを、フランジ部材12の中央孔121の周囲の、ベース部材11の板状部111の端部形状に沿って移動させることで、レーザ光を連続的に照射する。重ね合わせ部にレーザ光が照射されることで、照射された位置と略同一位置に溶接部50が形成される。
なお、レーザ装置のレーザ源は特に限定されない。YAGレーザ、CO2レーザ、ファイバレーザ、ディスクレーザ、半導体レーザであることを例示することができる。また、レーザ光の照射方向は、重ね合わせ部の板状部111の板面に対して直交する方向でも良いし、直交方向に対して傾斜した方向であっても良い。
レーザ装置のレーザヘッドからベース部材11の板状部111に対してレーザ光が照射され、レーザ光のエネルギーが熱に変換されることによって、重ね合わせ部を構成している、ベース部材11とフランジ部材12の母材自体が溶融し、その後急速に冷却される。この急速加熱・急速冷却により溶接部50に組織変化が生じ、溶接部50は、溶けて固まった溶融部51と、溶接熱により組織変化の生じた熱影響部52とにより構成される。
本実施の形態に係るヒートシンク10においては、ベース部材11とフランジ部材12とを溶接した後に、溶接部50における、フランジ部材12の下面126から突出した部分を切削加工により削除している。これにより、ヒートシンク10とジャケット20との合わせ面における両者間に生じる隙間を小さくしている。
また、フランジ部材12の上にベース部材11を重ねた状態でレーザ溶接する場合には、溶融部51がフランジ部材12を貫通していなくても良い。ただし、ベース部材11とフランジ部材12との溶融部51がフランジ部材12を貫通していることで、溶接部50に空洞が発生し難くなっており、信頼性の高い溶接部50となる。
例えば、第1部材の材質が6000系のアルミニウムで、第2部材の材質が3000系のアルミニウムであっても良い。また、第1部材と第2部材の材質がともに、6000系のアルミニウムであっても良い。
図5は、冷却装置1の第1変形例の一例を示す図である。
上述したヒートシンク10においては、ベース部材11とフランジ部材12との溶接部50における、フランジ部材12の下面126から突出した部分である突出部53が削除されているが、特にかかる態様に限定されない。図5に示すように、突出部53を削除せずに、ジャケット20に、突出部53を収容する溝40を形成し、突出部53とジャケット20とが干渉しないようにしても良い。なお、溝40は、切削加工にて形成しても良いし、鍛造にて形成しても良い。
図6に示すように、突出部53が生じることを考慮して、フランジ部材12に、下面126から凹み、突出部53を収容する溝127を形成することで、突出部53とジャケット20とが干渉しないようにしても良い。このように、フランジ部材12に溝127を形成することで、レーザ溶接を施す部位のフランジ部材12の厚さを薄くすることができる。これにより、溶融部51がフランジ部材12を貫通するようにレーザ溶接を施す際の単位時間当たりのエネルギー密度を小さくすることが可能となる。その結果、ボルト28による締め付け力に耐え得る強度を確保するために、ボルト28を通すための孔122の周囲の厚さを厚くしつつ、溶融部51がフランジ部材12を貫通するようにレーザ溶接を施すことを容易に実現することができる。
また、上述した実施の形態に係る冷却装置1の構成に加えて、溶融部51よりも外側に、ヒートシンク10とジャケット20との間をシールするOリングを設けても良い。つまり、溶融部51の内側と外側の両方にOリングを設けても良い。これにより、溶接部50から発生した異物が冷却媒体流通空間29に入り込むことを抑制することができるとともに、密封性能を向上させることができる。
Claims (8)
- 被冷却物を保持するヒートシンクと、
前記ヒートシンクとともに、冷却媒体が流通する空間を形成する空間形成部材と、
を備え、
前記ヒートシンクは、前記空間内に収容されるフィンを有するとともに前記被冷却物を保持するベース部材と、溶接が施されることにより当該ベース部材が固着しているとともに前記空間形成部材に締め付けられる被締付部材とを有し、当該ベース部材の材質は、当該被締付部材の材質よりも熱伝導性が大きい
冷却装置。 - 前記被締付部材の上に前記ベース部材が重ねられた状態でレーザ溶接が施されている
請求項1に記載の冷却装置。 - 前記レーザ溶接は、前記ベース部材側からレーザ光が照射され、溶融部が前記被締付部材を貫通するように施されている
請求項2に記載の冷却装置。 - 前記ヒートシンクと前記空間形成部材とに接触して前記空間を密封する密封部材をさらに備え、
前記溶融部は、前記密封部材に対して、前記空間とは反対側に形成されている
請求項3に記載の冷却装置。 - 前記ベース部材の材質が1000系のアルミニウム又は銅、前記被締付部材の材質が6000系のアルミニウムである
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷却装置。 - 材質がアルミニウムの第1部材と、材質がアルミニウム又は銅の第2部材とが重ね合わされた状態でレーザ溶接が施されることにより接合された構造物であって、
前記レーザ溶接による溶融部が、前記第1部材及び前記第2部材の内、レーザ光が照射されない方の部材を貫通している
構造物。 - 材質がアルミニウムの第1部材と、材質がアルミニウム又は銅の第2部材とを重ね合わせてレーザ光を照射する溶接方法であって、
溶接による溶融部が、前記第1部材及び前記第2部材の内、前記レーザ光が照射されない方の部材を貫通するように施す
溶接方法。 - 前記溶融部が、前記レーザ光が照射されない部材を貫通しないように施す場合と比べて、当該レーザ光を照射するレーザヘッドの移動速度を小さくするか、又は、レーザ出力を大きくするか、の少なくともいずれかにより貫通するように施す
請求項7に記載の溶接方法。
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