JP2021177214A - 光走査装置及び光走査装置の調整方法 - Google Patents

光走査装置及び光走査装置の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストを増加させることなく、クロストークが抑制された光走査装置を得ること。【解決手段】反射ミラーを有する可動部と、可動部を取り囲む中間フレームと、中間フレームを取り囲む支持部と、可動部と中間フレームとを連結し第1軸回りに捩じれる第1のトーションバーと、中間フレームと支持部とを連結し第1軸と直交する第2軸回りに捩じれる第2のトーションバーと、可動部にコイル状に設けられた第1の配線と、中間フレームにコイル状に設けられた第2の配線と、第1軸と第2軸の双方に対して傾いた磁界を発生する磁石と、第1の配線に第1の駆動信号を供給する第1の駆動波形生成部と、第2の配線に第2の駆動信号を供給する第2の駆動波形生成部と、分岐された第1の駆動信号の位相をシフトさせるとともに振幅に利得を乗じて補正信号を生成し、第2の駆動信号に補正信号を重畳する補正信号生成部とを備える。【選択図】図3

Description

本願は、光走査装置及び光走査装置の調整方法に関するものである。
近年、映像プロジェクタ及び3次元距離計測の分野において光ビームの照射方向を所望の方向に走査する光走査装置が用いられている。光走査装置として、シリコンウェハ上に微小な可動ミラーとアクチュエータを形成したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーの開発が進められている。MEMSミラーにおいては、光学系の小型化及び低価格化を実現するために二軸の走査が可能な構造体が求められている。
二軸の走査が可能なMEMSミラーの一般的な構造例は、反射ミラーを有した可動部が第1のトーションバーを介して中間フレームに連結され、中間フレームが第2のトーションバーを介してこれらを取り囲む支持部に連結されるものである。第1のトーションバーと第2のトーションバーとが直交し、反射ミラーは二軸方向に駆動される。可動部及び中間フレームにはそれぞれコイル状の第1の配線及び第2の配線が設けられ、外部から電流が供給される。支持部の外側には磁石が設けられ、直交する第1のトーションバーと第2のトーションバーに対して45°の方向に磁界が印加される。第1の配線に流れる電流と印加された磁界によるローレンツ力によって第1のトーションバーが捻じれて変形し、第2の配線に流れる電流と印加された磁界によるローレンツ力によって第2のトーションバーが捻じれて変形する。配線に供給する電流を調整することで可動部は所望の角度で傾斜し、反射ミラーで反射させた光ビームの射出方向を二次元に走査できる。
第1のトーションバーを変形させるため第1の配線に第1の駆動信号を供給すると、第1の配線のうち第1のトーションバーに平行な部位では、第1のトーションバー回りに可動部を回転させるローレンツ力が発生する。同時に第2のトーションバーに平行な部位では、第2のトーションバー回りに可動部を回転させるローレンツ力が発生する。この同時に発生したローレンツ力により第2のトーションバーが不要に変形し、所望の走査の軌跡からずれが発生するという課題があった。以下、この不要なローレンツ力によりトーションバーに不要な変形を生じさせる力をクロストークと記載する。第2のトーションバーを変形させるために第2の配線に第2の駆動信号を供給する場合にも、不要なローレンツ力は発生する。このような課題に対して、第1の配線が設けられた部位からさらに反射ミラーを分離してクロストークの影響を機械的に遮断する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−75587号公報
上記特許文献1においては、反射ミラーを分離しているため、クロストークの影響を機械的に遮断することができる。しかしながら、反射ミラーを分離するためにはミラーを分離するためのスペースがさらに必要であるため、同じ開口径のミラーを設けるには素子サイズが増大して1枚のシリコンウェハから作製できる素子数が減少する。また、適切な剛性を持つ複数のリンクの形成工程が必要であり、製造工程が複雑化する。よって、素子サイズの増大及び製造工程の複雑化により、光走査装置のコストが増加するという課題があった。
そこで、本願は、光走査装置のコストを増加させることなく、クロストークが抑制された光走査装置を得ることを目的としている。
本願に開示される光走査装置は、反射ミラーを有する可動部と、可動部を取り囲む中間フレームと、中間フレームを取り囲む支持部と、可動部と前記中間フレームとを連結すると共に第1軸の回りに捩じれる第1のトーションバーと、中間フレームと支持部とを連結すると共に第1軸と直交する第2軸の回りに捩じれる第2のトーションバーと、可動部の外周にコイル状に設けられ支持部まで配線された第1の配線と、中間フレームにコイル状に設けられ支持部まで配線された第2の配線と、第1軸と第2軸との双方に対して傾いた方向の磁界を発生させる磁石と、第1の駆動信号を生成し、第1の配線に第1の駆動信号を供給する第1の駆動波形生成部と、第2の駆動信号を生成し、第2の配線に第2の駆動信号を供給する第2の駆動波形生成部と、第1の配線に供給される第1の駆動信号を分岐し、分岐された第1の駆動信号の位相をシフトさせるとともに振幅に利得を乗じて補正信号を生成し、第2の配線に供給される第2の駆動信号に補正信号を重畳する補正信号生成部とを備えたものである。
本願に開示される光走査装置によれば、可動部が備えた第1の配線に供給される第1の駆動信号を分岐し、分岐された第1の駆動信号の位相をシフトさせるとともに振幅に利得を乗じて補正信号を生成し、中間フレームが備えた第2の配線に供給される第2の駆動信号に補正信号を重畳する補正信号生成部を備えているため、第1の駆動信号に起因して生じた不要なローレンツ力を打ち消すローレンツ力を発生させることができるので、光走査装置のコストを増加させることなく、クロストークを抑制することができる。
実施の形態1に係る光走査装置のミラー構造体の概略を示す斜視図である。 実施の形態1に係る光走査装置のミラー構造体の要部の概略を示す平面図である。 実施の形態1に係る光走査装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る光走査装置の駆動信号の波形を示す図である。 図1のA−A断面位置で切断したミラー構造体の断面図である。 実施の形態2に係る光走査装置の概略構成図である。 実施の形態2に係る光走査装置の補正信号制御部における処理を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る光走査装置の概略構成図である。 実施の形態3に係る光走査装置の補正信号制御部における処理を示すフローチャートである。 実施の形態4に係る光走査装置の概略構成図である。 実施の形態5に係る光走査装置の概略構成図である。 比較例の光走査装置の概略構成図である。 比較例の光走査装置の駆動信号と光走査の軌跡を示す図である。 比較例の光走査装置で発生する駆動力を示す図である。 比較例の光走査装置の各軸回りの変位と光走査の軌跡を示す図である。 光走査装置の制御部のハードウェアの一例を示す構成図である。
以下、本願の実施の形態による光走査装置を図に基づいて説明する。なお、各図において同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る光走査装置100のミラー構造体50の概略を示す斜視図、図2は光走査装置100のミラー構造体50の要部の概略を示す平面図、図3は光走査装置100の概略構成図、図4は光走査装置100の駆動信号の波形を示す図、図5は図1のA−A断面位置で切断したミラー構造体50の断面図である。光走査装置100は、二軸の走査が可能なミラー構造体50とミラー構造体50の動作を制御する制御部20とを備え、光ビームの照射方向を所望の方向に走査する装置である。
<ミラー構造体50の構成の概要>
ミラー構造体50の要部は、図2に示すように、反射ミラー8を有する可動部5と、可動部5を取り囲む中間フレーム6と、中間フレーム6を取り囲む支持部7を備える。またミラー構造体50は、可動部5と中間フレーム6とを連結すると共に第1軸の回りに捩じれる第1のトーションバー9と、中間フレーム6と支持部7とを連結すると共に第1軸と直交する第2軸の回りに捩じれる第2のトーションバー10とを備える。可動部5は第1軸及び第2軸に平行な辺を有する矩形板状に形成され、中間フレーム6は第1軸及び第2軸に平行な辺を有する矩形環板状に形成される。ミラー構造体50の要部は、例えば、1枚のシリコンウェハ等の基板から微細加工技術を利用して形成される。支持部7は、例えば、スペーサ2などの機構部品に固定され、スペーサ2はプリント基板などの基板1上に固定されて保持される。
一対の第1の磁石3は、図1に示すように、第1軸に垂直に支持部7の外側に支持部7を挟んで設けられ、第1軸の方向に磁界を印加する。一対の第2の磁石4は第2軸に垂直に支持部7の外側に支持部7を挟んで設けられ、第2軸の方向に磁界を印加する。第1の磁石3と第2の磁石4は、基板1上でスペーサ2にて位置決めされて固定される。第1の磁石3と第2の磁石4により第1軸と第2軸の双方に対して傾いた方向(例えば45°の方向)の磁界が発生し、発生した磁界はミラー構造体50の要部に印加される。
第1の配線11は、図2に示すように、反射ミラー8が設けられた面の可動部5の外周にコイル状に設けられる。第1の配線11は、第1のトーションバー9、中間フレーム6、及び第2のトーションバー10を介して支持部7まで配線される。第2の配線12は、第1の配線11が設けられた可動部5の面と同じ側の中間フレーム6の面にコイル状に設けられる。第2の配線12は、第2のトーションバー10を介して支持部7まで配線される。第1の配線11と第2の配線12は、基板1上に設けられたドライバアンプ(図示せず)と接続され電流が供給される。
第1の配線11に流れる電流と印加された磁界とにより生じたローレンツ力によって第1のトーションバー9が捻じれて変形し、可動部5は第1のトーションバー9を中心とする第1軸回りに回転して入射された光の反射方向は変更される。第2の配線12に流れる電流と印加された磁界とにより生じたローレンツ力によって第2のトーションバー10が捻じれて変形し、可動部5と中間フレーム6は第2のトーションバー10を中心とする第2軸回りに回転して入射された光の反射方向は変更される。供給する電流を調整することで可動部5は所望の角度で傾斜し、反射ミラー8で反射させた光ビームの射出方向を二次元に走査できる。
<比較例>
本願の要部である制御部20の説明の前に、図12から図15を用いて比較例について説明する。図12は比較例の光走査装置200の概略構成図、図13は比較例の光走査装置200の駆動信号と光走査の軌跡を示す図、図14は比較例の光走査装置200で発生する駆動力を示す図、図15は比較例の光走査装置200の各軸回りの変位と光走査の軌跡を示す図である。なお、比較例の光走査装置200において、ミラー構造体50は図1と同様である。制御部201は、第1のトーションバー9を変形させる第1の駆動信号を生成する第1の駆動波形生成部21、及び第2のトーションバー10を変形させる第2の駆動信号を生成する第2の駆動波形生成部22を備える。これらの信号は、ドライバアンプ23である第1のドライバアンプ23a及び第2のドライバアンプ23bを介してそれぞれの配線に供給される。図13に示すように、第1の駆動信号(図13(a))として正弦波を供給し、第2の駆動信号(図13(b))としてのこぎり波を供給すれば、理想的には垂直方向に正弦波の軌跡となるラスタ走査を実現できる(図13(c))。
図14に光走査装置200で発生する駆動力を示す。図14(b)は図14(a)で示した平面aにおける断面図、図14(c)は図14(a)で示した平面bにおける断面図である。第1のトーションバー9を変形させるために第1の配線11に第1の駆動信号(図14の可動部5に示した破線矢印)を供給すると、第1の配線11のうち第1のトーションバー9に平行な部位では、第1軸回りに可動部5を回転させるローレンツ力である駆動力40が発生する。同時に第2のトーションバー10に平行な部位では、第2軸回りに可動部5を回転させるローレンツ力である不要な駆動力41が発生する。以下、この不要な駆動力41をクロストークと記載する。この同時に発生したクロストークにより第2のトーションバー10が不要に変形(図15(b))し、図15(c)に示すように、所望の光走査の軌跡からずれが発生するという課題があった。第2のトーションバー10を変形させるために第2の配線12に第2の駆動信号(図14の中間フレーム6に示した一点鎖線矢印)を供給する場合にも、所望の駆動力42以外に不要な駆動力43が発生する。
<制御部20の構成の概要>
制御部20について説明する。制御部20は、不要な駆動力41を抑制する機能を有する。制御部20は、図3に示すように、第1の駆動波形生成部21、第2の駆動波形生成部22、及び補正信号生成部24を備える。制御部20は、図12に示した比較例の制御部201の構成に加えて補正信号生成部24を備える。第1の駆動波形生成部21は、第1の駆動信号を生成し、第1の配線11に第1のドライバアンプ23aを介して第1の駆動信号を供給する。第2の駆動波形生成部22は、第2の駆動信号を生成し、第2の配線12に第2のドライバアンプ23bを介して第2の駆動信号を供給する。補正信号生成部24は、信号の位相をシフトさせる位相シフタ24a、及び信号の振幅に利得を乗じる利得調整部24bを備える。補正信号生成部24は、第1の配線11に供給される第1の駆動信号を分岐し、分岐された第1の駆動信号の位相をシフトさせるとともに振幅に利得を乗じて補正信号を生成し、第2の配線12に供給される第2の駆動信号に補正信号を重畳する。利得を乗じることで、振幅は増幅又は減衰する。ドライバアンプ23は、ドライバアンプ23に入力された駆動信号の電圧に比例した電流を第1の配線11及び第2の配線12に供給する。制御部20はアナログ回路によって実装してもよいがアナログ回路に限るものではなく、ロジック回路とデジタルアナログコンバータで実装しても構わない。
反射ミラー8を駆動する駆動信号について説明する。駆動信号に含まれる周波数成分がトーションバーのばね定数とトーションバーよりも内側の可動部5が有する質量により定まる共振周波数より十分小さい場合、トーションバーの捻じれ量(すなわち可動部5の傾斜)は、ローレンツ力により発生するトルクとトーションバーの反発力によるトルクがつりあうため、駆動信号に対して遅れなく追随する。一方、駆動信号のもつ周波数が共振周波数に近づくと可動部5の動作が駆動信号に追随できず、可動部5の傾斜角の位相は駆動周波数の位相から遅れが発生する。共振周波数と等しい周波数成分では可動部5は共振して傾斜角が増大し、この時の駆動信号に対する可動部5の傾斜角の位相の遅れは90°となる。一般に、広い走査範囲が必要な場合は、駆動信号として共振周波数と等しい周波数の正弦波を用いて可動部5を単振動させる。広い走査範囲が不要な場合は、共振周波数より十分に低いのこぎり波を駆動信号として用いて可動部5を等角速度運動させる。なお、本実施の形態では、第1軸に単振動、第2軸に等角速度運動させるラスタ走査を行う場合について記載するが、両軸とも単振動を行うリサジュー走査の場合にも本願の構成を適用することができる。
第1の駆動信号として可動部5と第1のトーションバーがもつ共振周波数に等しい周期の正弦波を生成し、第2の駆動信号として第1の駆動信号の周期の整数倍の周期ののこぎり波を生成する。のこぎり波の1周期開始時における正弦波の位相を0°に設定すれば、クロストークを考慮しなければ例えば図13(c)に示したように、光走査の軌跡はミラーの走査範囲の右上端を起点に正弦波の軌跡が配置される。なお、駆動信号の正負とミラー傾斜方向の上下左右の関係は、磁界の方向、配線の巻き方向、ドライバアンプの構成(反転又は非反転)などに依存するため、設計により変更が可能である。以降駆動信号の正負については上述した配置を前提に記載するが、異なる場合においても駆動信号の正負変更または正弦波の位相を180°シフトすることにより同様に適用することが可能である。
<補正信号生成部24の動作>
補正信号生成部24の動作について、図4に示した波形及び図5を用いて説明する。図4に示した(a)から(d)の波形は、図3に記載したaからdの箇所における信号の波形である。第1の駆動信号の波形Sは、式(1)及び図4(a)で表される。
Figure 2021177214
この時第1のドライバアンプ23aから第1の配線11に供給される電流Iは、式(2)で表わされる。
Figure 2021177214
ここでGは第1のドライバアンプ23aの利得、Zは第1の配線11のインピーダンス、φは第1の配線11を流れる電流の電圧に対する位相遅れである。第1の配線11の抵抗をRとし、リアクタンスをLとすると、第1の配線11のインピーダンスZ、及び位相遅れφは式(3)、式(4)で表わされる。
Figure 2021177214
Figure 2021177214
第1の駆動信号の電流によるクロストークで可動部5に第2軸回り発生するトルクTは、式(5)で表わされる。
Figure 2021177214
図5に示すように、LV1は可動部5の第1軸に平行な辺の長さ、Lh1は可動部5の第2軸に平行な辺の長さ、Bは磁界の大きさ、mは第1の配線11のコイル部分の巻き数である。
分岐された第1の駆動信号の位相をシフトさせるとともに振幅に利得を乗じて生成された補正信号Sは、式(6)及び図4(c)で表わされる。
Figure 2021177214
ここでGは振幅に乗じた利得、θは位相のシフト量である。この補正信号Sが図4(b)で示された第2の駆動信号に重畳され、図4(d)で示された信号になる。第2のドライバアンプ23bから第2の配線12供給される電流のうち補正信号による成分Ic(図5の中間フレーム6に示した二点鎖線矢印)は、式(7)で表わされる。
Figure 2021177214
ここでGは第2のドライバアンプ23bの利得、Zは第2の配線12のインピーダンス、φは第2の配線12を流れる電流の電圧に対する位相遅れである。
第2の駆動信号に重畳された補正電流Sにより中間フレーム6に第2軸回り発生するトルクTは、式(8)であらわされる。
Figure 2021177214
図5に示すように、LV2は中間フレーム6の第1軸に平行な辺の長さ、Lh2は中間フレーム6の第2軸に平行な辺の長さ、Bは磁界の大きさ、nは第2の配線12のコイル部分の巻き数である。式(5)で示したトルクTと式(8)で示したトルクTがT=−Tとなれば、補正信号SによるトルクTと、クロストークによるトルクTがつりあうため、第2軸である第2のトーションバー10は第2の駆動信号によるトルクTのみで変形する。よって、トルクがつりあうための位相のシフト量θと振幅に乗じる利得Gは式(9)と式(10)で表わされる。
Figure 2021177214
Figure 2021177214
式(9)より、補正信号の位相のシフト量は概ね180°とすることで第1の配線11に流れる電流に起因して生じる不要なローレンツ力を打ち消すことができる。また、第1の配線11に流れる電流は第1の配線11のインダクタンスの影響で駆動信号に対して位相遅れが発生し、第2の配線12に流れる電流は第2の配線12のインダクタンスの影響で駆動信号に対して位相遅れが発生する。補正信号の位相のシフト量を、180°に第1の配線11を流れる電流の第1の配線11のインダクタンスによる位相遅れの量と第2の配線12を流れる電流の第2の配線12のインダクタンスによる位相遅れの量との差を加算した値とすることで、より正確に第1の配線11により生じる不要なローレンツ力を打ち消すことができる。
補正信号の振幅は、第1の配線11により生じる不要なローレンツ力によるトルクTと同等のトルクTを第2の配線12に発生させる振幅とする。具体的には、第1のドライバアンプ23aと第2のドライバアンプ23bの増幅率が同じ場合、式(10)より補正信号の振幅に乗じる利得Gを第1の配線11と第2の配線12のそれぞれのコイル部分の巻き数の比と、可動部5の第2軸に平行な辺の長さと中間フレーム6の第2軸に平行な辺の長さの比と、可動部5の第1軸に平行な辺の長さと中間フレーム6の第1軸に平行な辺の長さの比とを乗じ、第1の配線11のインピーダンスと第2の配線12のインピーダンスの比で除した値とすればよい。
以上のように、実施の形態1による光走査装置100において、分岐された第1の駆動信号の位相をシフトさせるとともに振幅に利得を乗じて補正信号を生成し、第2の配線12に供給される第2の駆動信号に補正信号を重畳する補正信号生成部24を備えたため、第1の配線11に流れる電流に起因して生じるクロストークを抑制することができる。また、補正信号生成部24は制御部20に設けられ、制御部20の変更のみでクロストークを抑制できるためミラー構造体50を大型化させることがなく、光走査装置100のコストを増加させることもなく、クロストークを抑制することができる。また、デジタル的に補正信号を生成する方式とした場合、ハードウェアを追加することなくソフトウェアの変更のみで容易にクロストークを抑制することができる。
また、補正信号の位相のシフト量を180°とした場合、第1の配線11に流れる電流に起因して生じる不要なローレンツ力であるクロストークを打ち消すことができる。また、補正信号の位相のシフト量を180°に第1の配線11を流れる電流の第1の配線11のインダクタンスによる位相遅れの量と第2の配線12を流れる電流の第2の配線12のインダクタンスによる位相遅れの量との差を加算した値とした場合、より正確に第1の配線11に流れる電流に起因して生じる不要なローレンツ力であるクロストークを打ち消すことができる。また、補正信号の振幅に乗じる利得を第1の配線11と第2の配線12のそれぞれのコイル部分の巻き数の比と、可動部5の第2軸に平行な辺の長さと中間フレーム6の第2軸に平行な辺の長さの比と、可動部5の第1軸に平行な辺の長さと中間フレーム6の第1軸に平行な辺の長さの比とを乗じ、第1の配線11のインピーダンスと第2の配線12のインピーダンスの比で除した値とした場合、より正確に第1の配線11に流れる電流に起因して生じる不要なローレンツ力であるクロストークを打ち消すことができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る光走査装置100について説明する。図6は実施の形態2に係る光走査装置100の概略構成図、図7は光走査装置100の補正信号制御部25における処理を示すフローチャートである。実施の形態2に係る光走査装置100は、可動部5の回転角に基づいて補正信号の位相のシフト量と利得を調整する構成になっている。
ミラー構造体50は、可動部5の回転角を検出して出力するミラー角度検出部13を備える。第1のトーションバー9及び第2のトーションバー10の近傍にピエゾ抵抗を設け、ピエゾ抵抗の抵抗変化からこれらのトーションバーの捻じれ量を検出することで回転角を検出することができる。なお回転角の検出はピエゾ抵抗に限るものではなく、可動部5の裏面と基板との距離を容量の変化によって回転角を検出しても構わない。また走査光の一部を分岐してフォトディテクタに入射させ、光入射位置の変化から回転角を検出しても構わない。
制御部20は、検出した回転角に基づいて補正信号の位相のシフト量と補正信号の振幅に乗じる利得を調整する補正信号制御部25、及び光走査装置100の温度を検出して出力する温度検出部26を備える。制御部20を構成するハードウェアは、第1の配線11及び第2の配線12の抵抗とリアクタンスの温度特性のデータを備える。
補正信号制御部25における検出した回転角に基づいた処理の例について、図7を用いて説明する。ここでは補正信号制御部25はまず補正信号の利得を調整し、その後位相のシフト量を調整する。なお調整の順序はこれに限るものではない。光走査装置100を起動した際、制御部20は第1の駆動波形生成部21にて第1の駆動波形のみを生成して出力する(ステップS101)。補正信号生成部24は、補正信号を初期設定状態で生成する(ステップS102)。補正信号の初期設定値は予め定めておいてもよく、また光走査装置100を以前に起動した際に用いた位相のシフト量と利得としてもよい。次に、ミラー角度検出部13は第2軸の回転角を検出する(ステップS103)。次に、利得調整部24bは補正信号制御部25の指示により予め定めたステップにて利得を変化させ(ステップS104)、ミラー角度検出部13は利得の変化後の第2軸の回転角を検出する(ステップS105)。補正信号制御部25は利得変化前の回転角と利得変化後の回転角を比較し、回転角の増減を確認して回転角が最小となるまで利得を変化させて変位量が最小となる利得を探索する(ステップS106)。補正信号制御部25は変位量が最小となった利得を補正信号の利得として設定する(ステップS107)。
次に、補正信号の位相のシフト量を調整する。位相シフタ24aは補正信号制御部25の指示により予め定めたステップにて位相のシフト量を変化させ(ステップS108)、ミラー角度検出部13は位相のシフト量の変化後の第2軸の回転角を検出する(ステップS109)。補正信号制御部25は位相のシフト量変化前の回転角と位相のシフト量変化後の回転角を比較し、回転角の増減を確認して回転角が最小となるまで位相のシフト量を変化させて変位量が最小となる利得を探索する(ステップS110)。補正信号制御部25は変位量が最小となった位相のシフト量を補正信号の位相のシフト量として設定する(ステップS111)。以上の工程で、第2軸回りのクロストークによる不要な動作が最小値となる補正信号の振幅と位相が設定される。その後、制御部20は第2の駆動波形生成部22にて第2の駆動波形を生成し、光走査を開始する(ステップS112)。
検出した回転角に基づいた処理に加えて、補正信号制御部25はさらに温度検出部26が検出した温度に基づいて位相のシフト量と利得を調整してもよい。温度に基づく処理について説明する。温度検出部26は、光走査装置100の温度を検出する(ステップS113)。補正信号制御部25は検出された温度と予め備えた第1の配線11及び第2の配線12の抵抗とリアクタンスの温度特性のデータとから第1の配線11及び第2の配線12の抵抗とリアクタンスの値を補正して補正信号の位相のシフト量と利得を調整する(ステップS114)。温度に基づいた位相のシフト量と利得の調整は、光走査装置100の動作中、繰り返し行われる。
以上のように、実施の形態2による光走査装置100において、回転角を検出して出力するミラー角度検出部13と回転角に基づいて補正信号の位相のシフト量と利得を調整する補正信号制御部25とを備えたため、ミラー構造体50の第1の配線11及び第2の配線12等に経時変化が生じても第1の配線11に流れる電流に起因して生じるクロストークを抑制することができる。また、第1の駆動信号が第1の配線11に供給されたときの第2軸回りの回転角に基づいて補正信号制御部25が位相のシフト量と利得を調整する場合、光走査装置100の起動時に位相のシフト量と利得を調整して第1の配線11に流れる電流に起因して生じるクロストークを抑制することができる。そのため、起動した当初から第1の配線11に流れる電流に起因して生じるクロストークを抑制することができる。
また、補正信号制御部25が温度に基づいて位相のシフト量と前記利得を調整する場合、第1の配線11及び第2の配線12に温度変化が生じても第1の配線11に流れる電流に起因して生じるクロストークを抑制することができる。また、光走査装置100が備えたミラー角度検出部13と温度検出部26は送信光の発光タイミング及び発光出力の制御のために光走査装置には一般的に具備されるものであるため、既に設けられているミラー角度検出部13と温度検出部26を利用することで、光走査装置100のコストを増加させることなくクロストークを抑制することができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る光走査装置100について説明する。図8は実施の形態3に係る光走査装置100の概略構成図、図9は光走査装置100の補正信号制御部25における処理を示すフローチャートである。実施の形態3に係る光走査装置100は、差動増幅器27の出力に基づいて補正信号の位相のシフト量と利得を調整する構成になっている。
制御部20は、実施の形態2に示した構成に加えて、分岐された第2の駆動信号とミラー角度検出部13が検出した第2軸回りの回転角との差分に応じた信号を出力する差動増幅器27を備える。補正信号制御部25は、差動増幅器27の出力に基づいて補正信号の位相のシフト量と利得を調整する。
補正信号制御部25における差動増幅器27の出力に基づいた処理の例について、図9を用いて説明する。ここでは補正信号制御部25はまず補正信号の利得を調整し、その後位相のシフト量を調整する。なお調整の順序はこれに限るものではない。光走査装置100を起動した際、制御部20は第1の駆動波形生成部21にて第1の駆動波形を生成して出力し(ステップS201)、第2の駆動波形生成部22にて第2の駆動波形を生成して出力する(ステップS202)。補正信号生成部24は、補正信号を初期設定状態で生成する(ステップS203)。補正信号の初期設定値は予め定めておいてもよく、また光走査装置100を以前に起動した際に用いた位相のシフト量と利得としてもよい。次に、差動増幅器27は分岐された第2の駆動信号とミラー角度検出部13が検出した第2軸の回転角との差分を検出して差分に応じた信号を出力する(ステップS204)。次に、利得調整部24bは補正信号制御部25の指示により予め定めたステップにて利得を変化させ(ステップS205)、差動増幅器27は利得の変化後の差分を検出して差分に応じた信号を出力する(ステップS206)。変化させる利得は増加でも減少でも構わない。補正信号制御部25は利得変化前の差分結果と利得変化後の差分結果を比較し、変化後の差分結果が変化前の差分結果以下の場合は利得を変化させて差分結果の比較を繰り返す(ステップS207)。変化後の差分結果が変化前の差分結果よりも大きくなった場合は繰り返しのループを抜け、補正信号の利得の更新、及び利得変化値の増減方向の変更を設定して次のステップに進む(ステップS208)。
次に、補正信号の位相のシフト量を調整する。位相シフタ24aは補正信号制御部25の指示により予め定めたステップにて位相のシフト量を変化させ(ステップS209)、差動増幅器27は位相のシフト量の変化後の差分を検出して差分に応じた信号を出力する(ステップS210)。補正信号制御部25は位相のシフト量変化前の差分結果と位相のシフト量変化後の差分結果を比較し、変化後の差分結果が変化前の差分結果以下の場合は位相のシフト量を変化させて差分結果の比較を繰り返す(ステップS211)。変化後の差分結果が変化前の差分結果よりも大きくなった場合は繰り返しのループを抜け、補正信号の位相のシフト量の更新、及び位相のシフト量変化値の増減方向の変更を設定して次のステップに進む(ステップS212)。
最後に、補正信号制御部25は分岐された第2の駆動信号と第2軸の回転角との差分を検出した結果を差動増幅器27から取得し(ステップS213)、結果が予め定めた許容値以下であるかを確認する。結果が許容値以下であれば結果の取得を繰り返し、許容値を上回れば補正信号の利得の設定更新(ステップS205)に戻る(ステップS214)。ステップS205における利得変化値の増減の方向はステップS208において設定した方向とする。ステップS209における位相シフト量変化値の増減の方向はステップS212において設定した方向とする。
以上のように、実施の形態3による光走査装置100において、差動増幅器27は分岐された第2の駆動信号と第2軸回りの回転角との差分に応じた信号を出力し、この差動増幅器27の出力に基づいて補正信号制御部25は位相のシフト量と利得を調整するため、光走査装置100を駆動しながら第1の配線11に流れる電流に起因して生じるクロストークを抑制することができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る光走査装置100について説明する。図10は実施の形態4に係る光走査装置100の概略構成図である。実施の形態4に係る光走査装置100は、制御部20がPID制御器28を備えた構成になっている。
制御部20は、実施の形態3に示した構成に加えて、第2の駆動信号と第2軸回りの回転角との差分値からPID制御を行って生成した操作量を出力するPID制御器28を備える。第2の駆動信号が目標値で第2軸回りの回転角をフィードバック信号として、この2つの差分値に対してPID制御が行われる。PID制御の比例制御部、積分制御部、微分制御部を通して生成された操作量がPID制御器28から出力され、補正信号生成部24はPID制御器28が出力した操作量に補正信号を重畳する。
以上のように、実施の形態4による光走査装置100において、PID制御器28は第2の駆動信号と第2軸回りの回転角との差分値からPID制御を行って生成した操作量を出力し、この操作量に補正信号生成部24は補正信号を重畳するため、例えば外乱振動等のクロストーク以外の要因に起因した第2軸回りの不要な動作が発生する条件下においてもクロストーク以外の要因に起因した第2軸回りの不要な動作はPID制御により抑制され、第1の配線11に流れる電流に起因して生じるクロストークも抑制することができる。
実施の形態5.
実施の形態5に係る光走査装置100について説明する。図11は実施の形態5に係る光走査装置100の概略構成図である。実施の形態5に係る光走査装置100は、実施の形態3に示した構成に加えて、加速度検出部14、及び制御部20が変位量算出部29と第2の差動増幅器30を備えた構成になっている。
光走査装置100は、光走査装置100に印加される加速度を検出して出力する加速度検出部14を備える。加速度検出部14は、例えば微細加工技術を利用して作製されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)方式の加速度検出器である。小型なMEMS方式の加速度検出器であれば基板1上に実装してもよく、またミラー構造体50上に集積しても構わない。
制御部20は、実施の形態3に示した構成に加えて、変位量算出部29と第2の差動増幅器30とを備える。変位量算出部29は、加速度検出部14から出力された加速度と第2のトーションバーのばね定数と可動部5の質量とから第2軸回りの可動部5の角度変位量を算出して出力する。第2の差動増幅器30は、差動増幅器27の出力と変位量算出部29から出力された角度変位量との差分に応じた信号を出力する。
補正信号制御部25における第2の差動増幅器30の出力に基づいた処理について説明する。加速度検出部14から出力される加速度は、光走査装置100に印加された外乱に起因した加速度である。変位量算出部29から出力される可動部5の角度変位量は、外乱に起因した加速度により回転した可動部5の角度の変位である。補正信号制御部25は、第2の差動増幅器30の出力である、差動増幅器27の出力と外乱に起因した可動部5の角度の変位との差分の結果に基づいて補正信号の位相のシフト量と利得を調整する。この構成により、振動等の外乱によるクロストーク以外の要因に起因した第2軸回りの不要な動作が発生する条件下においてもクロストーク以外の要因に起因した第2軸回りの不要な動作を分離して抑制することができる。
以上のように、実施の形態5による光走査装置100において、光走査装置100に印加される加速度を検出して出力する加速度検出部14と、加速度と第2のトーションバー10のばね定数と可動部5の質量とから第2軸回りの可動部5の角度変位量を算出する変位量算出部29と、差動増幅器27の出力と角度変位量との差分に応じた信号を出力する第2の差動増幅器30とを備え、補正信号制御部25は第2の差動増幅器30の出力に基づいて補正信号の位相のシフト量と利得を調整するため、振動等の外乱がある条件下においてもクロストーク以外の要因に起因する第2軸の不要な動作を分離して抑制することができ、第1の配線11に流れる電流に起因して生じるクロストークも抑制することができる。
なお、光走査装置100の制御部20のハードウェアの一例は図16に示すように、プロセッサ110と記憶装置111から構成される。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ110は、記憶装置111から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ110にプログラムが入力される。また、プロセッサ110は、演算結果等のデータを記憶装置111の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
また本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 基板、2 スペーサ、3 第1の磁石、4 第2の磁石、5 可動部、6 中間フレーム、7 支持部、8 反射ミラー、9 第1のトーションバー、10 第2のトーションバー、11 第1の配線、12 第2の配線、13 ミラー角度検出部、14 加速度検出部、20 制御部、21 第1の駆動波形生成部、22 第2の駆動波形生成部、23 ドライバアンプ、23a 第1のドライバアンプ、23b 第2のドライバアンプ、24 補正信号生成部、24a 位相シフタ、24b 利得調整部、25 補正信号制御部、26 温度検出部、27 差動増幅器、28 PID制御器、29 変位量算出部、30 第2の差動増幅器、40 駆動力、41 不要な駆動力、42 駆動力、43 不要な駆動力、50 ミラー構造体、100 光走査装置、110 プロセッサ、111 記憶装置、200 光走査装置、201 制御部

Claims (11)

  1. 反射ミラーを有する可動部と、前記可動部を取り囲む中間フレームと、前記中間フレームを取り囲む支持部と、前記可動部と前記中間フレームとを連結すると共に第1軸の回りに捩じれる第1のトーションバーと、前記中間フレームと前記支持部とを連結すると共に前記第1軸と直交する第2軸の回りに捩じれる第2のトーションバーと、前記可動部の外周にコイル状に設けられ前記支持部まで配線された第1の配線と、前記中間フレームにコイル状に設けられ前記支持部まで配線された第2の配線と、前記第1軸と前記第2軸との双方に対して傾いた方向の磁界を発生させる磁石と、
    第1の駆動信号を生成し、前記第1の配線に前記第1の駆動信号を供給する第1の駆動波形生成部と、
    第2の駆動信号を生成し、前記第2の配線に前記第2の駆動信号を供給する第2の駆動波形生成部と、
    前記第1の配線に供給される前記第1の駆動信号を分岐し、分岐された前記第1の駆動信号の位相をシフトさせるとともに振幅に利得を乗じて補正信号を生成し、前記第2の配線に供給される前記第2の駆動信号に前記補正信号を重畳する補正信号生成部と、を備えた光走査装置。
  2. 前記補正信号の位相のシフト量は180°である請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記補正信号の位相のシフト量は、180°に前記第1の配線を流れる電流の前記第1の配線のインダクタンスによる位相遅れの量と前記第2の配線を流れる電流の前記第2の配線のインダクタンスによる位相遅れの量との差を加算した値である請求項1に記載の光走査装置。
  4. 前記可動部は前記第1軸及び前記第2軸に平行な辺を有する矩形板状に形成され、
    前記中間フレームは前記第1軸及び前記第2軸に平行な辺を有する矩形環板状に形成され、
    前記利得は、前記第1の配線と前記第2の配線のそれぞれのコイル部分の巻き数の比と、
    前記可動部の前記第2軸に平行な辺の長さと前記中間フレームの前記第2軸に平行な辺の長さの比と、前記可動部の前記第1軸に平行な辺の長さと前記中間フレームの前記第1軸に平行な辺の長さの比とを乗じ、前記第1の配線のインピーダンスと前記第2の配線のインピーダンスの比で除した値である請求項1に記載の光走査装置。
  5. 前記可動部の回転角を検出して出力するミラー角度検出部と、
    前記回転角に基づいて前記補正信号の位相のシフト量と前記利得を調整する補正信号制御部と、を備えた請求項1に記載の光走査装置。
  6. 前記補正信号制御部は、前記第1の駆動信号が前記第1の配線に供給されたときの第2軸回りの前記回転角に基づいて前記位相のシフト量と前記利得を調整する請求項5に記載の光走査装置。
  7. 前記光走査装置の温度を検出して出力する温度検出部を備え、
    前記補正信号制御部は、前記温度に基づいて前記位相のシフト量と前記利得を調整する請求項5または6に記載の光走査装置。
  8. 前記可動部の回転角を検出して出力するミラー角度検出部と、
    分岐された前記第2の駆動信号と第2軸回りの前記回転角との差分に応じた信号を出力する差動増幅器と、
    前記差動増幅器の出力に基づいて前記位相のシフト量と前記利得を調整する補正信号制御部と、を備えた請求項1に記載の光走査装置。
  9. 前記第2の駆動信号と第2軸回りの前記回転角との差分値からPID制御を行って生成した操作量を出力するPID制御器を備え、
    前記補正信号生成部は、前記操作量に前記補正信号を重畳する請求項8に記載の光走査装置。
  10. 前記光走査装置に印加される加速度を検出して出力する加速度検出部と、
    前記加速度と前記第2のトーションバーのばね定数と前記可動部の質量とから第2軸回りの前記可動部の角度変位量を算出する変位量算出部と、
    前記差動増幅器の出力と前記角度変位量との差分に応じた信号を出力する第2の差動増幅器と、を備え、
    前記補正信号制御部は、前記第2の差動増幅器の出力に基づいて前記位相のシフト量と前記利得を調整する請求項8に記載の光走査装置。
  11. 反射ミラーを有する可動部と、前記可動部を取り囲む中間フレームと、前記中間フレームを取り囲む支持部と、前記可動部と前記中間フレームとを連結すると共に第1軸の回りに捩じれる第1のトーションバーと、前記中間フレームと前記支持部とを連結すると共に前記第1軸と直交する第2軸の回りに捩じれる第2のトーションバーと、前記可動部の外周にコイル状に設けられ前記支持部まで配線された第1の配線と、前記中間フレームにコイル状に設けられ前記支持部まで配線された第2の配線と、前記第1軸と前記第2軸との双方に対して傾いた方向の磁界を発生させる磁石と、
    第1の駆動信号を生成し、前記第1の配線に前記第1の駆動信号を供給する第1の駆動波形生成部と、
    第2の駆動信号を生成し、前記第2の配線に前記第2の駆動信号を供給する第2の駆動波形生成部と、
    前記第1の配線に供給される前記第1の駆動信号を分岐し、分岐された前記第1の駆動信号の位相をシフトさせるとともに振幅に利得を乗じて補正信号を生成し、前記第2の配線に供給される前記第2の駆動信号に前記補正信号を重畳する補正信号生成部と、
    前記可動部の回転角を検出して出力するミラー角度検出部と、
    前記回転角に基づいて前記補正信号の位相のシフト量と前記利得を調整する補正信号制御部と、を備えた光走査装置の調整方法であって、
    第1の駆動波形を生成するステップと、補正信号を予め定めた初期設定状態で生成するステップと、第2軸の回転角を検出するステップと、前記補正信号制御部の指示により利得を変化させるステップと、利得の変化後の第2軸の回転角を検出するステップと、利得変化前の回転角と利得変化後の回転角を比較し、回転角の増減を確認して回転角が最小となるまで利得を変化させて変位量が最小となる利得を探索するステップと、変位量が最小となった利得を補正信号の利得として設定するステップと、前記補正信号制御部の指示により位相のシフト量を変化させるステップと、位相のシフト量の変化後の第2軸の回転角を検出するステップと、位相のシフト量変化前の回転角と位相のシフト量変化後の回転角を比較し、回転角の増減を確認して回転角が最小となるまで位相のシフト量を変化させて変位量が最小となる利得を探索するステップと、変位量が最小となった位相のシフト量を補正信号の位相のシフト量として設定するステップと、を備えた光走査装置の調整方法。
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