JP2021176986A - シアノ基含有ポリマーを含む金属表面塗布膜形成組成物 - Google Patents

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Yuki Usui
高広 岸岡
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Abstract

【課題】金属表面塗布膜形成組成物、再配線金属の表面酸化を防ぐ半導体用再配線の酸化抑制膜形成組成物、半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜形成組成物、それらを用いた配線基板、半導体装置、それらの製造方法を提供する。【解決手段】式(1−1)で表される繰り返し単位を含む重合体、及び有機溶剤を含む膜形成組成物。式中、R11はH、シアノ基、ハロゲン原子で置換可能なC数1〜10のアルキル基を表し、R21はシアノ基、ハロゲン原子で置換可能なC数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基等であり、R11及びR21の少なくとも1つはシアノ基である。【選択図】図4

Description

本発明は、金属表面塗布膜形成組成物、特に半導体後工程における再配線形成工程において有用である、半導体用再配線の酸化抑制膜形成組成物、金属の酸化抑制膜形成組成物、半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜形成組成物、それらを用いた配線基板、半導体装置、それらの製造方法に関する。
近年の半導体チップの特性向上に伴い、様々な配線基板が使用されている。これらの配線基板は、電気伝導率が高くデバイスの高速化に有利な銅やアルミニウム配線を基材の上に形成することで作製されることが多い。
但し、銅やアルミニウム配線は形成するのが容易であるものの、配線基板の製造途中でその表層部分が酸化することがある。その場合には酸化により高抵抗化した銅やアルミニウム配線の表層部分を硫酸等でエッチングして除去することになるが、銅やアルミニウム配線が微細な場合には銅配線の大部分がエッチングで除去されてしまうため、銅やアルミニウム配線の微細化が難しくなってしまう問題があった。
更に、製品化された後に使用環境によって銅やアルミニウム配線が酸化し、これによりデバイスの電気性能が損なわれるという問題も発生していた。
特許文献1には、基材の上に形成された銅を含む配線と、前記配線の表面に形成された酸化チタンと酸化ジルコニウムのいずれかの重合体を含む、銅の酸化を防ぐ重合膜が開示されている。特許文献2には、ポリオキシアルキレン型ノニオン性界面活性剤及びリン酸エステル型アニオン性界面活性剤から選ばれた少なくとも一種の界面活性剤を含有する、表面処理後に熱が加わった場合に形成される酸化被膜が、良好な密着性を有する銅系材料用表面処理剤が開示されている。
特開2019−021771号公報 特開平11−310883号公報
本願は、金属表面塗布膜形成組成物、特に半導体後工程における再配線形成工程において有用である、再配線金属の表面酸化を防ぐ半導体用再配線の酸化抑制膜形成組成物、金属の酸化抑制膜形成組成物、半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜形成組成物、金属(特に銅)のマイグレーション抑制膜、それらを用いた配線基板、半導体装置、それらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下を包含する。
[1]
下記式(1−1):
Figure 2021176986

(式(1−1)中、R11は水素原子、シアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、R21はシアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基を表し、上記炭素原子数6〜40のアリール基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、メチレンジオキシ基、アセトキシ基、メチルチオ基、アミノ基又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよく、R11及びR21の少なくとも1つはシアノ基である。)で表される繰り返し単位を含む重合体、及び有機溶剤を含む、金属表面塗布膜形成組成物。
[2]
前記重合体が、さらに下記式(1−2):
Figure 2021176986

(式(1−2)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Lは直接結合、エーテル結合、アミド結合又はエステル結合を表す。)で表される単位構造を含む共重合体である、[1]に記載の金属表面塗布膜形成組成物。
[3]
さらに架橋剤を含む、[2]に記載の金属表面塗布膜形成組成物。
[4]
前記金属が、銅又アルミニウムを含む、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の金属表面塗布膜形成組成物。
[5]
[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の金属表面塗布膜形成組成物からなる塗布膜の焼成物である、金属表面塗布膜。
[6]
基材と、前記基材の上に形成された金属配線と、
前記金属配線の少なくとも表面の一部に[5]に記載の金属表面塗布膜を備える、配線基板。
[7]
前記金属配線の前記表面は側面と上面とを有し、
前記側面と前記上面の各々に前記塗布膜が形成された、[6]に記載の配線基板。
[8]
前記金属配線が、絶縁膜で被覆された、[6]又は[7]に記載の配線基板。
[9]
基材の上に、金属配線を形成する工程と、前記金属配線の表面に、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の金属表面塗布膜形成組成物を塗布し、酸化抑制膜を形成する工程を含む、配線基板の製造方法。
[10]
[6]乃至[8]のいずれか一項に記載の配線基板を100℃〜300℃で加熱する工程を含む、配線基板の製造方法。
[11]
前記加熱工程後の、前記金属配線表面の酸化金属層の厚さが100nm以下である、[10]に記載の配線基板の製造方法。
[12]
半導体素子と、該半導体素子の上部又は下部に設けられた[6]乃至[8]のいずれか一項に記載の配線基板を備える、半導体装置。
[13]
半導体素子と、該半導体素子の上部又は下部に設けられた請求項[9]乃至[11]のいずれか一項に記載の方法で製造された配線基板を備える、半導体装置の製造方法。
[14]
下記式(1−1):
Figure 2021176986

(式(1−1)中、R11は水素原子、シアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、R21はシアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基を表し、上記炭素原子数6〜40のアリール基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、メチレンジオキシ基、アセトキシ基、メチルチオ基、アミノ基又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよく、R11及びR21の少なくとも1つはシアノ基である。)で表される繰り返し単位を含む重合体、及び有機溶剤を含む、半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜形成組成物。
[15]
前記配線が、銅又はアルミニウムを含む、[14]に記載の半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜形成組成物。
[16]
[14]又は[15]に記載の半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上剤からなる塗布膜の焼成物である、半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜。
[17]
基材と、前記基材の上に形成された配線と、
前記配線の少なくとも表面の一部に[16]に記載の半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜を備える、配線基板。
[18]
前記再配線の前記表面は側面と上面とを有し、
前記側面と前記上面の各々に前記密着性向上膜が形成された、[17]に記載の配線基板。
[19]
前記再配線が、絶縁膜で被覆された、[18]に記載の配線基板。
[20]
基材の上に、配線を形成する工程と、前記配線の表面に、[14]又は[15]に記載の半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜形成組成物を塗布し、密着性向上膜を形成する工程を含む、配線基板の製造方法。
[21]
[19]に記載の配線基板を100℃〜300℃で加熱する工程を含み、前記再配線表面と、絶縁膜との接触界面剥離が起こらない、配線基板の製造方法。
[22]
半導体素子と、該半導体素子の上部又は下部に設けられた[17]〜[19]何れか1に記載の配線基板を備える、半導体装置。
[23]
半導体素子と、該半導体素子の上部又は下部に設けられた[20]又は[21]に記載の方法で製造された配線基板を備える、半導体装置の製造方法。
本願の金属表面塗布膜形成組成物、好ましくは半導体用再配線の酸化抑制膜形成組成物は、再配線形成後の表面に塗布、焼成するだけの簡易なプロセスで、表面金属の酸化を防止し、且つその後の絶縁膜埋め込み後に該半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性を向上することができるため、該半導体用再配線と層間絶縁膜との間の界面剥離(デラミネーション)や金属(特に銅)のマイグレーションを防止、抑制出来るため、半導体チップ全体の電気特性の信頼性(長期に渡る性能安定性)が向上できる。
実施例の基板1を示す模式図である。 実施例の基板1の上に、絶縁膜を形成した模式図である。 実施例の基板1の上に、絶縁膜を形成し、さらに銅配線を形成した模式図である。 実施例1の銅配線の側面部のFE−SEM写真である。 実施例2の銅配線の側面部のFE−SEM写真である。 比較例1の銅配線の側面部のFE−SEM写真である。 比較例2の銅配線の側面部のFE−SEM写真である。 比較例3の銅配線の側面部のFE−SEM写真である。 実施例3の銅配線の側面部のFE−SEM写真である。 基板2を示す模式図である。 基板2の側面部のFE−SEM写真(拡大図)である。 実施例4で作成した、高温保持後の基板2の側面部のFE−SEM写真(拡大図)である。 実施例4で作成した、高温保持後の基板2の側面部のFE−SEM写真である。 実施例5で作成した、高温保持後の基板2の側面部のFE−SEM写真(拡大図)である。 実施例5で作成した、高温保持後の基板2の側面部のFE−SEM写真である。 比較例4で作成した、高温保持後の基板2の側面部のFE−SEM写真(拡大図)である。 比較例4で作成した、高温保持後の基板2の側面部のFE−SEM写真である。
<金属表面塗布膜形成組成物>
本発明に係る金属表面塗布膜形成組成物は、金属表面に塗布し成膜することにより、金属の酸化抑制膜、半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜、及び金属(特に銅)のマイグレーション抑制膜のいずれの形成にも好適である。以下に、上記金属表面塗布膜形成組成物について、半導体再配線の酸化抑制膜形成組成物、密着性向上膜形成組成物、金属拡散抑制膜形成組成物の順に具体的に説明するが、上記金属表面塗布膜形成組成物はこれらの用途に限られたものでは無い。上記金属表面塗布膜形成組成物についての詳細は、下記に記載の酸化抑制膜形成組成物、下記に記載の密着性向上膜形成組成物、下記に記載の金属拡散抑制膜形成組成物の説明が援用される。
<半導体再配線の酸化抑制膜形成組成物>
本願の半導体再配線の酸化抑制膜形成組成物は、下記式(1−1):
Figure 2021176986
(式(1−1)中、R11は水素原子、シアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、R21はシアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基を表し、上記炭素原子数6〜40のアリール基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、メチレンジオキシ基、アセトキシ基、メチルチオ基、アミノ基又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよく、R11及びR21の少なくとも1つはシアノ基である。)で表される繰り返し単位を含む重合体、及び有機溶剤を含む。
上記ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
上記ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基とは、上記炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基の一部又は全部の水素原子が、ハロゲン原子で置換されていることをいう。
上記炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、1−メチル−シクロプロピル基、2−メチル−シクロプロピル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、シクロペンチル基、1−メチル−シクロブチル基、2−メチル−シクロブチル基、3−メチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロプロピル基、2,3−ジメチル−シクロプロピル基、1−エチル−シクロプロピル基、2−エチル−シクロプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基、1−エチル−2−メチル−n−プロピル基、シクロヘキシル基、1−メチル−シクロペンチル基、2−メチル−シクロペンチル基、3−メチル−シクロペンチル基、1−エチル−シクロブチル基、2−エチル−シクロブチル基、3−エチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロブチル基、1,3−ジメチル−シクロブチル基、2,2−ジメチル−シクロブチル基、2,3−ジメチル−シクロブチル基、2,4−ジメチル−シクロブチル基、3,3−ジメチル−シクロブチル基、1−n−プロピル−シクロプロピル基、2−n−プロピル−シクロプロピル基、1−i−プロピル−シクロプロピル基、2−i−プロピル−シクロプロピル基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基、デシル基が挙げられる。
上記炭素原子数1〜10のアルキルエステル基としては、上記炭素原子数1〜10のアルキル基がエステル結合を介して結合している基をいう。
上記炭素原子数6〜40のアリール基としては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基及び9−フェナントリル基が挙げられる。
上記炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、1−メチル−n−ブトキシ基、2−メチル−n−ブトキシ基、3−メチル−n−ブトキシ基、1,1−ジメチル−n−プロポキシ基、1,2−ジメチル−n−プロポキシ基、2,2−ジメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−n−プロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチル−n−ペンチルオキシ基、2−メチル−n−ペンチルオキシ基、3−メチル−n−ペンチルオキシ基、4−メチル−n−ペンチルオキシ基、1,1−ジメチル−n−ブトキシ基、1,2−ジメチル−n−ブトキシ基、1,3−ジメチル−n−ブトキシ基、2,2−ジメチル−n−ブトキシ基、2,3−ジメチル−n−ブトキシ基、3,3−ジメチル−n−ブトキシ基、1−エチル−n−ブトキシ基、2−エチル−n−ブトキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1,2,2,−トリメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ基、1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基及びn−ノニルオキシ基等が挙げられる。
上記式(1−1)で表される重合体は、いわゆるポリアクリロニトリル又はポリメタクリロニトリルであってもよい。ポリアクリロニトリルはアクリロニトリルを、ポリメタクリロニトリルはメタクリロニトリルを公知の方法で重合することで得ることができる。市販品を用いてもよい。市販品としては、シグマアルドリッチ社製のものが挙げられる。
前記重合体が、さらに下記式(1−2):
Figure 2021176986

(式(1−2)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Lは直接結合、エーテル結合、アミド結合又はエステル結合を表す。)で表される単位構造を含む共重合体であってよい。
上記重合体は、上記式(1−1)で表される繰り返し単位を、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、最も好ましくは80モル%以上含み、好ましくは99モル%以下、より好ましくは95モル%以下含む。
上記共重合体が、式(1−1)及び式(1−2)を含む場合、上記重合体は、上記式(1−2)で表される繰り返し単位を、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上含み、好ましくは70モル%以下、より好ましくは60モル%以下、より好ましくは30モル%以下、最も好ましくは20モル%以下含む。
上記共重合体が、式(1−1)及び式(1−2)を含む場合、式(1−1)で表される単位構造対式(1−2)で表される単位構造のモル比は、例えば(40〜99):(1〜60)であり、(30〜95):(5〜70)であり、(70〜95):(5〜30)であり、(80〜95):(5〜20)である。
前記式(1−1)及び式(1−2)で表される単位構造のそれぞれが1種でもよいし、2種以上であってもよい。式(1−1)で表される単位構造を2種含む場合、R11が水素と炭素原子数1〜5のアルキル基(好ましくは、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1又は2のアルキル基、メチル基)の組み合わせであってよい。その場合、R11が水素の単位構造のモル比が、共重合体全体に対し、5〜99モル%であってよく、R11が炭素原子数1〜5のアルキル基の単位構造のモル比が、共重合体全体に対し、1〜95モル%、1〜90モル%であってよい。
上記重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、例えば500〜500,000である。500未満であると、塗布・形成した酸化抑制膜が、不均一(膜ができない部分ができる)になる可能性が高くなり、500,000を超えると、酸化抑制膜形成組成物の粘度が高くなり、均一な膜厚での塗布が難しくなる恐れがある。
本願の酸化抑制膜の性能を損なわない範囲で、他のラジカル重合を行うことが可能な官能基を有する他のモノマーとの共重合体であってもよい。
半導体再配線とは、半導体素子の上部又は下部に設けられる、配線基板中に含まれる金属配線のことであり、通常半導体の後工程により製造される。配線の金属としては、銅又はアルミニウムが使用される場合が多い。
本願の半導体再配線の酸化抑制膜形成組成物は、いわゆる半導体製造の後工程の再配線プロセスでの金属配線製造の工程で使用されることが好ましいが、いわゆる半導体製造の前工程での配線製造のために用いてもよい。
<有機溶剤>
本願の酸化抑制膜は、有機溶剤を含む。本有機溶媒は、上記重合体を溶解できるものであれば特に制限は無いが、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、メチルラクテート、エチルラクテート、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリジノン、p−メンタン、n−デカン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
また、本発明に係る酸化抑制膜形成組成物の有機溶剤としては、いわゆる半導体リソグラフィー工程に一般的に使用される有機溶剤であってもよい。具体例としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノール、2―ヒドロキシイソ酪酸メチル、2―ヒドロキシイソ酪酸エチル、エトキシ酢酸エチル、酢酸2−ヒドロキシエチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、2−ヘプタノン、メトキシシクロペンタン、アニソールが挙げられる。これらの溶剤も、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<架橋剤>
本願の金属表面の酸化抑制膜形成組成物は、架橋剤を含んでもよい。具体例としてはエポキシ化合物、エポキシ樹脂、アミノプラスト架橋剤、(ブロック化)イソシアネート、多官能(メタ)アクリレートなどがあげられる。
本願発明に用いられるエポキシ化合物として、下記式(A−1)〜(A−15)を例示することができる。
Figure 2021176986
Figure 2021176986
式(A−1)は日産化学(株)製、商品名TEPIC−G、TEPIC−S、TEPIC−SS、TEPIC−HP、TEPIC−L(いずれも1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌル酸)として入手することができる。
式(A−2)は日産化学(株)製、商品名TEPIC−VLとして入手することができる。
式(A−3)は日産化学(株)製、商品名TEPIC−FLとして入手することができる。
式(A−4)は日産化学(株)製、商品名TEPIC−UCとして入手することができる。
式(A−5)はナガセケムテック(株)製、商品名デナコールEX−411として入手することができる。
式(A−6)はナガセケムテック(株)製、商品名デナコールEX−521として入手することができる。
式(A−7)は三菱ガス化学(株)製、商品名TETRAD−Xとして入手することができる。
式(A−8)は昭和電工(株)製、商品名BATGとして入手することができる。
式(A−9)は日鉄ケミカル&マテリアル(株)製、商品名YH−434Lとして入手することができる。
式(A−10)は旭有機材工業(株)製、商品名TEP−Gとして入手することができる。
式(A−11)はDIC(株)製、商品名EPICLON HP−4700として入手することができる。
式(A−12)は(株)ダイセル製、商品名エポリード GT401として入手することができる。尚、a、b、c、dはそれぞれ0又は1であり、a+b+c+d=1である。
この他、エポキシ基を有する化合物としては、アミノ基を有するエポキシ樹脂としてはYH−434(日鉄ケミカル&マテリアル(株)製、商品名)、シクロヘキセンオキサイド構造を有するエポキシ樹脂としては、エポリードGT−401、同GT−403、同GT−301、同GT−302、セロキサイド2021、セロキサイド3000(ダイセル化学(株)製、商品名)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、油化シェルエポキシ(株)製、商品名)等を、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)等を、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、エピコート152、同154(以上、油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製、商品名)等を、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EOCN−102、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、EOCN−1027(以上、日本化薬(株)製、商品名)、エピコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)等を、脂環式エポキシ樹脂としては、デナコールEX−252(ナガセケムテックス(株)製、商品名)、CY175、CY177、CY179(以上、CIBA−GEIGY A.G製、商品名)、アラルダイトCY−182、同CY−192、同CY−184(以上、CIBA−GEIGY A.G製、商品名)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ工業(株)製、商品名)、エピコート871、同872(以上、油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、ED−5661、ED−5662(以上、セラニーズコーティング(株)製、商品名)等を、脂肪族ポリグリシジルエーテルとしては、デナコールEX−611、同EX−612、同EX−614、同EX−622、同EX−411、同EX−512、同EX−522、同EX−421、同EX−313、同EX−314、同EX−321(ナガセケムテックス(株)製、商品名)等を挙げることができる。
<金属>
本願でいう金属は、酸化抑制が必要な金属であれば特に制限は無い。具体例としては鉄、銅、スズ及びアルミニウムが挙げられるが、特に銅及びアルミニウムに対して優れた特性を発揮する。銅又はアルミニウムを含む金属であれば、本願の酸化抑制膜は、銅の表面での酸化銅の生成を抑制できる。アルミニウムの表面での酸化アルミニウムの生成を抑制できる。
本願の酸化抑制膜による金属の酸化抑制能の評価方法としては、実施例に記載の、銅配線を形成した配線基板の酸化処理試験後、FE−SEMの目視による観察により、酸化膜発生有無観察により確認することができる。
上記酸化抑制膜形成組成物中の上記重合体の含有量は、通常0.01質量%〜10質量%である。
特段の言及をしない限り、上記酸化抑制膜形成組成物についての説明は、下記に記載の密着性向上膜形成組成物、下記に記載の金属拡散抑制膜形成組成物の説明にも援用する。
<半導体再配線の酸化抑制膜>
上記酸化抑制膜形成組成物を公知の方法で配線に塗布、次いで焼成を行うことで、配線上に酸化抑制膜が形成できる。塗布方法としては特に制限は無く、通常のスピンコート、ディップコート、溶媒キャスト法等の塗布法が用いられる。次いで通常大気下での焼成工程(焼成温度100〜300℃、焼成時間10秒〜1時間)を経て、膜厚1nm〜500nmの塗布膜が形成できる。
その他本願の酸化抑制膜形成組成物は、酸化抑制能を向上するため、滑剤、充填剤、可塑剤、酸化抑制剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、防黴剤などの添加剤を用途、目的に応じて適量配合してもよい。添加剤を含む場合、添加剤の含有量は、上記防錆剤及び組成物の全量100質量%に対して、0.01質量%〜20質量%であることが好ましい。
<配線基板、配線基板の製造方法>
本願でいう配線基板を製造するための「基材」とは、後述する金属配線、絶縁膜(感光性、非感光性)層を支えるための基材である。材質としては金属、樹脂等特に制限は無いが、例えばシリコン、ガラスからなる基材が挙げられる。上記金属配線層、絶縁膜層の形状を維持する強度を有すること、加熱工程を含む場合は、200℃〜400℃の加熱工程を経ても変形しない耐熱性を有することが好ましい。基材の形状としては平面状、角を有するもの、曲面状、凹凸を有するもの、窪みを有するもの等特に限定されないが、通常平板状である。
本願の配線基板は、上述の基材と、前記基板の上に形成された金属を含む配線と、前記配線の少なくとも表面の一部に上述の酸化抑制膜の塗布膜を備える配線基板、である。上記金属配線は、鋳型を作った後めっき工程で金属を埋め込む等の公知の方法で製造できる。上記金属配線は例えば1μm〜20μm程度の高さ、幅を有するラインアンドスペース形状を有するものであってよい。
公知の方法で作られた金属配線の上に、前記防錆剤又は組成物を上述の方法で塗布、焼成することにより、前記配線の少なくとも表面の一部に上述の酸化抑制膜の塗布膜を備える配線基板が製造できるが、配線の露出部分全面にわたって上述の酸化抑制膜が形成されていることが望ましい。いわゆる上記基材上に形成された配線は、通常矩形状をしており(図3参照)、側面と上面とを有する。この側面と上面側の配線の露出部分が次の加熱工程等を経て酸化されやすいため、本願の酸化抑制膜を側面と上面との各々の少なくとも一部に上記酸化抑制膜が形成されていることが好ましく、側面と上面との各々の全面にわたって形成されていることがさらに好ましい。上記この本願の酸化抑制膜形成組成物から作られる酸化抑制膜は、膜厚が前述のように薄いため、金属表面に対しほぼ均一の膜厚(例えば1nm〜200nm、1nm〜500nm)である。このような薄膜でありながら、本願の酸化抑制膜は金属の酸化抑制能に優れる。
上記配線が、さらに絶縁膜(感光性、非感光性)で被覆されたものであってよい。上記被覆する方法は、公知の方法によってよく、例えば絶縁膜形成組成物を上記配線基板上に塗布焼成することにより被覆することができる。
上記基板を100℃〜300℃で加熱する工程に付してもよい。加熱工程は、例えば半導体素子に使用される配線基板としての信頼性試験で適用される場合がある。通常大気下、125℃〜150℃、1〜1000時間で実施されるが、いわゆる温度85℃/湿度85%(85/85試験)のような高湿条件下で実施されてもよい。
上記加熱試験後の、配線表面の酸化金属層の厚さが100nm以下であることが好ましく、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、10nm以下、5nm以下、3nm以下、2nm以下、1nm以下、0nm(酸化膜が観察されない)であることが好ましい。
<絶縁膜、感光性絶縁膜>
本願でいう絶縁膜、感光性絶縁膜は公知のものを使用してよいが、例えば上記の金属配線間を電気的に絶縁するために、後から形成される場合もあるため、上記金属配線間を隙間なく埋め込むことができる塗布型又は非塗布型(蒸着工程(CVD)等)で製造できる絶縁膜であることが好ましいが、製造プロセスの効率の観点から塗布型の感光性絶縁膜形成組成物が用いられる場合が多い。絶縁膜は、金属配線間の導通を防ぐために形成されるものであり、通常低誘電率(例えば2.0〜3.5)、より微細な金属配線が必要な、最先端の半導体素子用としては、低誘電正接(例えば0.01以下)を有する絶縁膜が用いられる。形状加工性の容易さから、リソグラフィー工程により形状加工が可能な、感光性絶縁膜であることが好ましい。
塗布型の絶縁膜としては、公知のポリイミド、ポリアリールエーテル、ポリベンゾオキサゾール等を含む樹脂を含む絶縁膜形成組成物(半導体素子製造に用いる再配線用絶縁膜形成組成物等)を用いて製造できる。
具体的には、WO2019/044874、WO2019/139028及びWO2020/080206に記載の感光性絶縁膜形成組成物が挙げられる。
本願でいう感光性絶縁膜は、例えばWO2020/080207に記載の、以下の構造を有する樹脂を含む、感光性絶縁膜組成物であることが好ましい。
(A)下記一般式(1):
Figure 2021176986
[式(1)中、Xは、4価の有機基であり、Yは、2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に、1価の有機基である。]で表される単位構造を有するポリイミド前駆体、及び
(B)下記一般式(20):
Figure 2021176986
[式(20)中、R23は水素原子又はメチル基を表し、R24は、置換基を有してもよく、酸素原子によって中断されていてもよい炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表し、R25は、イソシアネート基又はブロックイソシアネート基を表す。]
で表されるイソシアネート化合物、を含む感光性樹脂組成物、である。
さらに(C)下記一般式(30):
Figure 2021176986
[式(30)中、Z及びZは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、シアノ基、ホルミル基、ハロホルミル基、スルホ基、ニトロ基、ニトロソ基、オキソ基、チオキシ基、
置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル、アルコキシ、もしくはアルキルスルファニル基、
置換されていてもよい炭素原子数2〜10のアルケニル、アルキニル、もしくはアルコキシカルボニル基、又は
置換されていてもよいアミノ、イミノ、もしくはカルバモイル基を表し、
及びZは、相互に結合して、ヘテロ原子を含んでもよく、置換基を有していてもよく、縮合していてもよい環を形成してもよく、当該環が芳香族環であるとき、
Figure 2021176986
はHOOCがCOOHに対してオルト位にある共役二重結合を示し、当該環が芳香族環であるとき以外の場合、
Figure 2021176986
はHOOCとCOOHについてのシス型二重結合を示す。]
で表されるカルボン酸化合物又はその無水物、を含む感光性樹脂組成物であってよい。
<密着性向上膜形成組成物>
本願の半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜形成組成物は、下記式(1−1):
Figure 2021176986
(式(1−1)中、R11は水素原子、シアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、R21はシアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基を表し、上記炭素原子数6〜40のアリール基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、メチレンジオキシ基、アセトキシ基、メチルチオ基、アミノ基又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよく、R11及びR21の少なくとも1つはシアノ基である。)で表される繰り返し単位を含む重合体、及び有機溶剤を含む。
上記ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基の説明、上記炭素原子数6〜40のアリール基の置換基(炭素原子数1〜10のアルコキシ基を含む)についての説明は、上記半導体再配線の酸化抑制膜形成組成物の説明と同一である。
上記式(1−1)で表される重合体は、いわゆるポリアクリロニトリル又はポリメタクリロニトリルであってもよい。ポリアクリロニトリル又はポリメタクリロニトリルの説明、前記重合体が式(1−2)で表される単位構造を含む共重合体である場合の説明は、上記半導体再配線の酸化抑制膜形成組成物の説明と同一である。
上記重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、例えば500〜500,000である。500未満であると、塗布・形成した密着性向上膜が、不均一(膜ができない部分ができる)になる可能性が高くなり、500,000を超えると、密着性向上膜形成組成物の粘度が高くなり、均一な膜厚での塗布が難しくなる恐れがある。
本願の密着性向上膜の性能を損なわない範囲で、他のラジカル重合を行うことが可能な官能基を有する他のモノマーとの共重合体であってもよい。
前記半導体用再配線、層間絶縁膜及び有機溶媒の説明、架橋剤についての説明は上述の通りである。
本願の密着性向上膜形成組成物は、半導体再配線の金属配線に塗布して密着性向上膜を形成することにより、半導体用再配線と層間絶縁膜との間の密着性が向上し、上記配線と層間絶縁膜との間の隙間の発生を抑制できる。この隙間は、上記の信頼性試験における加熱工程を経て発生する場合がある。通常、層間絶縁膜は有機物、配線は金属のため、密着性が低下しやすい。本願の密着性向上膜形成組成物を上記金属配線上に塗布、焼成することで、配線上に密着性向上膜を表面の少なくとも一部に形成することで、層間絶縁膜と金属配線との間の密着性を向上させることができるが、配線上に密着性向上膜を全面にわたって形成することが、層間絶縁膜と金属配線との間の密着性を向上の観点から好ましい。
上記再配線、金属配線、層間絶縁膜、金属、塗布条件、焼成条件等の詳細は上述の通りである。
前記配線が、銅又はアルミニウムを含むことが好ましい。
本願の半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜は、上記半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上剤からなる塗布膜の焼成物である。焼成条件等の詳細は上述の通りである。
本願の配線基板は、基材と、前記基材の上に形成された配線と、
前記配線の少なくとも表面の一部に、半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜を備える。前記再配線の前記表面は側面と上面とを有し、前記側面と前記上面の各々の少なくとも一部に前記密着性向上膜が形成された配線基板であることが好ましいが、側面と上面との各々の全面にわたって形成されていることが密着性の観点からさらに好ましい。再配線の側面と上面に関する説明は上述の通りである。
前記再配線が、前記絶縁膜で被覆された配線基板であってよい。
本願の配線基板の製造方法は、上記基材の上に、上述のように配線を形成する工程と、前記配線の表面に、上述のように半導体用再配線と層間絶縁膜との密着性向上膜形成組成物を塗布し、密着性向上膜を形成する工程を含む。
本願の配線基板の製造方法は、上記配線基板を100℃〜300℃で加熱する工程を含み、前記再配線表面と、絶縁膜との接触界面剥離が起こらない方法である。接触界面剥離が起こらないとは、例えば実施例に記載のFE−SEMによる基板の断面観察により、再配線表面と、絶縁膜との接触界面において、目視上隙間が発生していないことを言う。
<金属拡散抑制膜形成組成物>
本願の金属拡散抑制膜形成組成物(例えば、絶縁膜中への銅の拡散抑制膜形成組成物)は、下記式(1−1):
Figure 2021176986
(式(1−1)中、R11は水素原子、シアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、R21はシアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基を表し、上記炭素原子数6〜40のアリール基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、メチレンジオキシ基、アセトキシ基、メチルチオ基、アミノ基又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよく、R11及びR21の少なくとも1つはシアノ基である。)で表される繰り返し単位を含む重合体、及び有機溶剤を含む。
上記ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基の説明、上記炭素原子数6〜40のアリール基の置換基(炭素原子数1〜10のアルコキシ基を含む)についての説明は、上記半導体再配線の酸化抑制膜形成組成物の説明と同一である。
上記式(1−1)で表される重合体は、いわゆるポリアクリロニトリル又はポリメタクリロニトリルであってもよい。ポリアクリロニトリル又はポリメタクリロニトリルの説明、前記重合体が式(1−2)で表される単位構造を含む共重合体である場合の説明は、上記半導体再配線の酸化抑制膜形成組成物の説明と同一である。
上記重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、例えば500〜500,000である。
本願の金属拡散抑制膜の性能を損なわない範囲で、他のラジカル重合を行うことが可能な官能基を有する他のモノマーとの共重合体であってもよい。
前記半導体用再配線、層間絶縁膜及び有機溶媒の説明、架橋剤についての説明は上述の通りである。
本願の金属拡散抑制膜形成組成物は、例えば、半導体再配線の金属配線に塗布して金属拡散抑制膜を形成することにより、半導体用再配線中の金属の層間絶縁膜中へのマイグレーションを抑制できる。この半導体用再配線中の金属の層間絶縁膜中へのマイグレーションは、上記の信頼性試験における加熱工程を経て発生する場合がある。本願の金属拡散抑制膜形成組成物を上記金属配線上に塗布、焼成することにより、配線上に金属拡散抑制膜を表面の少なくとも一部に形成することができ、金属の層間絶縁膜中への拡散を抑制することができる。配線上に金属拡散抑制膜を全面にわたって形成することが、金属の層間絶縁膜中への拡散をより完全に抑制する観点から好ましい。
上記再配線、金属配線、層間絶縁膜、金属、塗布条件、焼成条件等の詳細は上述の通りである。
前記配線が、銅又はアルミニウムを含むことが好ましい。
本願に係る金属拡散抑制膜は、上記金属拡散抑制膜形成組成物からなる塗布膜の焼成物である。焼成条件等の詳細は上述の通りである。
本願の配線基板は、基材と、前記基材の上に形成された配線と、
前記配線の少なくとも表面の一部に、半導体用再配線の金属の層間絶縁膜中への拡散抑制膜を備える。前記再配線の前記表面は側面と上面とを有し、前記側面と前記上面の各々の少なくとも一部に前記金属拡散抑制膜が形成された配線基板であることが好ましいが、側面と上面との各々の全面にわたって形成されていることが金属拡散の抑制の観点からさらに好ましい。再配線の側面と上面に関する説明は上述の通りである。
前記再配線が、前記絶縁膜で被覆された配線基板であってよい。
本願の配線基板の製造方法は、上記基材の上に、上述のように配線を形成する工程と、前記配線の表面に、上述のように金属拡散抑制膜形成組成物を塗布し、金属拡散抑制膜を形成する工程を含む。
本願の配線基板の製造方法は、上記配線基板を100℃〜300℃で加熱する工程を含み、前記再配線の金属の層間絶縁膜中への拡散が抑制される方法である。拡散が抑制されるとは、例えば、実施例に記載のFE−SEMによる基板の断面観察で、再配線の金属層にボイドの発生が観察されないか、発生しても少数にとどまっていることを言う。
<半導体装置、半導体装置の製造方法>
本願の半導体装置は、半導体素子と、該半導体素子の上部又は下部に設けられた上記配線基板を備える半導体装置である。
実施の形態では、上述した感光性絶縁膜を用いた公知の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有して成る、半導体装置も提供される。したがって、半導体素子である基板と、上述した硬化レリーフパターン製造方法により該基板上に形成された絶縁膜の硬化レリーフパターンとを有する半導体装置が提供されることができる。また、本発明は、基板として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターンの製造方法を工程の一部として含む半導体装置の製造方法にも適用できる。本発明の半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、既知の半導体装置の製造方法と組合せることで製造することができる。
本明細書の下記合成例に示す重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、本明細書ではGPCと略称する。)による測定結果である。測定には東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8320GPC)を用い、測定条件等は次のとおりである。
GPCカラム:KD−803,KD−805(Shodex製)
カラム温度:50℃
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学,特級),臭化リチウム一水和物(関東化学,鹿特級)(30mM)/リン酸(Aldrich)(30mM)/テトラヒドロフラン(関東化学,特級)(1%)
流量:1.0mL/分
標準試料:ポリスチレン(ジーエルサイエンス製)
<製造例1> ジカルボン酸ジエステル(1)の合成
4,4’−ビフタル酸二無水物(東京化成工業株式会社)200.00g(0.68mol)を2リットル容量の四口フラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Aldrich)176.92g(1.366mol)とヒドロキノン(東京化成工業株式会社)0.74g(0.007mol)とγ―ブチロラクトン(関東化学,鹿特級)600gを入れて23℃で攪拌し、ピリジン(関東化学,脱水)108.63g(1.36mol)を加えた後に50℃まで昇温し、50℃で2時間撹拌することで、下記式(1)で表される化合物を含む溶液を得た。
Figure 2021176986
<製造例2> ポリイミド前駆体としてのポリマー(2)の合成
製造例1で調製した溶液82.46gとγ―ブチロラクトン19.45gを500ミリリットル容量の四口フラスコに入れ、約5℃において、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC,東京化成工業株式会社)13.13gをγ−ブチロラクトン30gに溶解した溶液を攪拌しながら0.5時間かけて反応液に滴下し、滴下後、0.5時間撹拌した。続いて2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(東京化成工業株式会社)19.68gをN−メチル−2−ピロリジノン(関東化学,鹿特級)30gに溶解したものを攪拌しながら2時間かけて滴下した。その後、約25℃に昇温し、6時間攪拌した後、エタノール(関東化学,特級)4.5gを加えて1時間攪拌した
得られた反応混合物を1500gのメタノール(関東化学,特級)に加えて粗ポリマーから成る沈殿物を生成した。上澄み液をデカンテーションして粗ポリマーを分離し、N−メチル−2−ピロリジノン150.0gに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を2250gの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、メタノール600gで二回洗浄し、真空乾燥して粉状のポリマー(2)を得た。ポリマー(2)の分子量をGPC(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は8,016であった。収率は73.6%であった。この反応生成物は、下記式(2)で表される繰り返し単位構造を有する。
Figure 2021176986
<製造例3>
製造例2で得られたポリマー28.5714g、IRGACURE[登録商標]OXE01(BASF社製、光重合開始剤)1.71g、AOI−BM(昭和電工株式会社製、2−(O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチルアクリレート)8.57g、KBM−5103(信越化学工業株式会社製、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)0.43g、IRGANOX[登録商標]3114(BASF社製、ヒンダードフェノール系酸化抑制剤)0.43g、及びフタル酸(東京化成工業株式会社製)0.28gを、シクロヘキサノン48.00g、エチルラクテート12.00gに溶解させ、組成物を調製した。その後、孔径5μmのポリプロピレン製マイクロフィルターを用いてろ過して、ネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
<製造例4> (ポリアクリロニトリルの合成)
アクロニトリル20.0g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0gをジメチルスルホキシド(DMSO、東京化成工業株式会社)84gに溶解させた後、内温が90℃になるように加熱し、終夜反応させた。その後、メタノールを用いてポリマーを沈殿させ、ポリマーを減圧下で乾燥し、下記式(3)で表される構造単位を有するポリマーを15.51g得た。得られたポリマーの重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で20000であった。
Figure 2021176986
<製造例5>(アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸共重合体の合成)
アクリロニトリル5.0g(50モル%)、メタアクリロニトリル5.1g(40モル%)、メタクリル酸1.6g(10モル%)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.6gをシクロヘキサノン49.1g中に溶解させ、75℃窒素中で24時間加熱重合させポリマー溶液を得た。ポリマーの分子量をGPC(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は7,400であった。この反応生成物は、下記式で表される繰り返し単位構造を有する。
Figure 2021176986
(評価用基板(基板1)の準備)
図1〜3は、本実施形態に係る評価用基板の製造途中の断面図である。
まず、図1に示すように、基板1としてシリコン基板を用意する。なお、ガラス基板を基板1として使用してもよい。
次に、基板1上に製造例3で調製した樹脂組成物をスピンコートし、その基板をホットプレート上に配置し、115℃で270秒間ベークした。その後、基板全体を露光(ghi線、露光量:500mJ/cm)し、さらに、シクロペンタノンにて基板を40秒間洗浄後、160℃1時間及び230℃1時間窒素下のオーブンで焼成することで、図2に示すような膜厚15μmの絶縁膜を形成した。
続いて、図3に示すように、レーザ加工や銅のメッキ加工等により基板1の絶縁膜上に銅の10μmのライン及びスペースパターンが形成された基板を作製した。
(評価用基板(基板2)の準備)
シリコン基板にチタン(20nm)および銅(50nm)をスパッタで積層した基板2を作成した((図10)、(図11))。
<実施例1>
ポリアクリロニトリル(Sigma Aldrich社製)(重量平均分子量160000)にジメチルスルホキシド(DMSO、東京化成工業株式会社)を加え、2.5wt%の溶液に調製した。
上記ポリアクリロニトリルのDMSO溶液を、スピナーにより、膜厚100nmとなるように、図3に示す基板上に塗布した。その基板をホットプレート上に配置し、195℃で1分間ベークすることで、酸化抑制膜を形成した。
次に、製造例3で調製した樹脂組成物をスピンコートし、その基板をホットプレート上に配置し、115℃で270秒間ベークした。その後、アライナー(PLA−501、キヤノン株式会社製)を用いて露光(i線、露光量:500mJ/cm)後、さらに160℃1時間及び230℃1時間窒素下のオーブンで焼成し、膜厚8μmの絶縁膜を形成した。
続いて、基板をホットプレート上に配置し、180℃で1時間ベークすることで、銅配線の酸化処理を行った。
<実施例2>
ポリアクリロニトリルを、製造例4に記載のポリアクリロニトリルとした以外は、実施例1と同様にして、酸化抑制膜形成用溶液の調製、酸化抑制膜の形成及び酸化処理を行った。
<実施例3>
実施例1に記載のポリアクリロニトリルを、Poly(acrylonitrile−co−methyl acrylate)(Sigma Aldrich社製、品番:517941)とした以外は、実施例1と同様にして、酸化抑制膜形成用溶液の調製、酸化抑制膜の形成及び酸化処理を行った。
<実施例4>
製造例5で得られたアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸共重合体溶液3g、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)(商品名YH434L、日鉄ケミカル&マテリアル(株)製)0.06gをシクロヘキサノンに溶解し、スピナーにより膜厚100nmとなるように、基板2に塗布し、その基板をホットプレート上に配置し230℃で1分間ベークすることで、酸化抑制膜を形成した。
次に、製造例3で調製した樹脂組成物をスピンコートし、その基板をホットプレート上に配置し、115℃で270秒間ベークした。その後、アライナー(PLA−501、キヤノン株式会社製)を用いて露光(i線、露光量:500mJ/cm)後、さらに160℃1時間及び230℃1時間窒素下のオーブンで焼成し、膜厚5μmの絶縁膜を形成した。続いてオーブン(大気下)にて150℃で500時間高温保持し、その前後の銅の改質状態を確認した。
<実施例5>
実施例1に記載のポリアクリロニトリルをジメチルスルホキシドに溶解し、スピナーにより膜厚100nmとなるように、基板2に塗布し、その基板をホットプレート上に配置し195℃で1分間ベークすることで、酸化抑制膜を形成した。
次に、製造例3で調製した樹脂組成物をスピンコートし、その基板をホットプレート上に配置し、115℃で270秒間ベークした。その後、アライナー(PLA−501、キヤノン株式会社製)を用いて露光(i線、露光量:500mJ/cm)後、さらに160℃1時間及び230℃1時間窒素下のオーブンで焼成し、膜厚5μmの絶縁膜を形成した。続いてオーブン(大気下)にて150℃で500時間高温保持し、その前後の銅の改質状態を確認した。
<比較例1>
ポリビニルアルコール(部分けん化型)にジメチルスルホキシド(DMSO、東京化成工業株式会社)を加え、3.0wt%の溶液に調製した。
上記ポリビニルアルコールDMSO溶液を、スピナーにより、膜厚10nmとなるように、図3に示す基板上に塗布した。その基板をホットプレート上に配置し、195℃で1分間ベークすることで、ポリマー膜を形成した。
次に、製造例3で調整した樹脂組成物をスピンコートし、その基板をホットプレート上に配置し、115℃で270秒間ベークした。その後、アライナー(PLA−501、キヤノン株式会社製)を用いて露光(i線、露光量:500mJ/cm)後、さらに160℃1時間及び230℃1時間窒素下のオーブンで焼成し、膜厚8μmの絶縁膜を形成した。
続いて、基板をホットプレート上に配置し、180℃で1時間ベークすることで、銅配線の酸化処理を行った。
<比較例2>
図3に示す基板上に製造例3で調整した樹脂組成物をスピンコートし、その基板をホットプレート上に配置し、115℃で270秒間ベークした。その後、アライナー(PLA−501、キヤノン株式会社製)を用いて露光(i線、露光量:500mJ/cm)後、さらに160℃1時間及び230℃1時間窒素下のオーブンで焼成し、膜厚8μmの絶縁膜を形成した。
続いて、基板をホットプレート上に配置し、180℃で1時間ベークすることで、銅配線の酸化処理を行った。
<比較例3>
図3に示す基板上に製造例3で調製した樹脂組成物をスピンコートとし、その基板をホットプレート上に配置し、115℃で270秒間ベークした。その後、アライナー(PLA−501、キヤノン株式会社製)を用いて露光(i線、露光量:500mJ/cm)後、さらに160℃1時間及び230℃1時間窒素下のオーブンで焼成し、膜厚8μmの絶縁膜を形成した。
<比較例4>
酸化防止膜を塗布せず基板2に製造例3で調製した樹脂組成物をスピンコートし、その基板をホットプレート上に配置し、115℃で270秒間ベークした。その後、アライナー(PLA−501、キヤノン株式会社製)を用いて露光(i線、露光量:500mJ/cm)後、さらに160℃1時間及び230℃1時間窒素下のオーブンで焼成し、膜厚5μmの絶縁膜を形成した。 続いてオーブン(大気下)にて150℃で500時間高温保持することで、銅の高温処理前後の改質状態を確認した。
(酸化抑制性能、密着性能評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3で作製した基板に関して、FIBにより加工を行い、銅配線の断面を露出させた。
露出した銅配線の断面をFE−SEMを用いて観察し、銅配線周辺の酸化銅の形成を確認した。得られたSEM観察結果を図4〜9に示す。
図8は、比較例3にて作製した基板に関して、銅配線の側面部をFE−SEMで観察した結果である。比較例3にて作製した基板では、酸化処理を実施していないため、酸化膜が確認されなかった。
一方、図6及び図7は、それぞれ比較例1及び2にて作製した基板に関して、銅配線の側面部をFE−SEMで観察した結果である。比較例1及び比較例2にて作製した基板では、酸化膜の形成が確認された。180℃1時間の酸化処理により、絶縁膜のみや酸化抑制効果のない膜を絶縁膜と銅配線の間に製膜しても、銅の酸化が起こってしまうことが確認された。
図4、5及び9は、各々実施例1〜3にて作製した基板に関して、銅配線の側面部をFE−SEMで観察した結果である。図4、5及び9の通り、実施例1〜3にて作製した基板では、酸化処理をしていない比較例3と同様に、酸化膜が確認されなかった。なおかつ、配線と層間絶縁膜との界面の間に隙間が観察されず、密着性も良好である。このことから、本発明に係る酸化抑制膜は、酸化を抑制する効果があり且つ、配線と層間絶縁膜との密着性に優れることが確認された。
(酸化抑制性能、銅拡散抑制性能、密着性能評価)
実施例4の高温保持後の断面SEM写真(図12)では、銅表面に酸化銅層は形成されず、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸共重合体層の上部に20nmと薄い酸化銅層が形成されるのみであった。また、高温保持後の断面SEM写真にて、銅層中のボイドが少なく、絶縁膜中への銅の拡散を抑制できた(図13)。
実施例5の高温保持後の断面SEM写真(図14)では、銅表面に酸化銅層は形成されず、ポリアクリロニトリル層の上部に34nmと薄い酸化銅層が形成されるのみであった。また、高温保持後の断面SEM写真にて、銅層中のボイドが少なく、絶縁膜中への銅の拡散を抑制できた(図15)。
比較例4の高温保持後の断面SEM写真(図16)では、銅表面に酸化銅層が110nmと厚く形成され、かつ、銅層中のボイドが多くみられることから、絶縁膜中へ銅が多く拡散していた(図17)。
今後需要が高まると想定される、半導体製造の再配線工程において、本願の酸化抑制膜及び密着性向上膜を配線上に形成することにより、配線形成後も配線表面の酸化が起こらず、且つ層間絶縁膜との密着性に優れるため、半導体の長期信頼性向上寄与が期待できる。

Claims (13)

  1. 下記式(1−1):
    Figure 2021176986

    (式(1−1)中、R11は水素原子、シアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、R21はシアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルエステル基若しくは炭素原子数6〜40のアリール基を表し、上記炭素原子数6〜40のアリール基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、メチレンジオキシ基、アセトキシ基、メチルチオ基、アミノ基又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよく、R11及びR21の少なくとも1つはシアノ基である。)で表される繰り返し単位を含む重合体、及び有機溶剤を含む、金属表面塗布膜形成組成物。
  2. 前記重合体が、さらに下記式(1−2):
    Figure 2021176986

    (式(1−2)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Lは直接結合、エーテル結合、アミド結合又はエステル結合を表す。)で表される単位構造を含む共重合体である、請求項1に記載の金属表面塗布膜形成組成物。
  3. さらに架橋剤を含む、請求項2に記載の金属表面塗布膜形成組成物。
  4. 前記金属が、銅又アルミニウムを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属表面塗布膜形成組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属表面塗布膜形成組成物からなる塗布膜の焼成物である、金属表面塗布膜。
  6. 基材と、前記基材の上に形成された金属配線と、
    前記金属配線の少なくとも表面の一部に請求項5に記載の金属表面塗布膜を備える、配線基板。
  7. 前記金属配線の前記表面は側面と上面とを有し、
    前記側面と前記上面の各々に前記塗布膜が形成された、請求項6に記載の配線基板。
  8. 前記金属配線が、絶縁膜で被覆された、請求項6又は7に記載の配線基板。
  9. 基材の上に、金属配線を形成する工程と、前記金属配線の表面に、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属表面塗布膜形成組成物を塗布し、酸化抑制膜を形成する工程を含む、配線基板の製造方法。
  10. 請求項6乃至8のいずれか一項に記載の配線基板を100℃〜300℃で加熱する工程を含む、配線基板の製造方法。
  11. 前記加熱工程後の、前記金属配線表面の酸化金属層の厚さが100nm以下である、請求項10に記載の配線基板の製造方法。
  12. 半導体素子と、該半導体素子の上部又は下部に設けられた請求項6乃至8のいずれか一項に記載の配線基板を備える、半導体装置。
  13. 半導体素子と、該半導体素子の上部又は下部に設けられた請求項9乃至11のいずれか一項に記載の方法で製造された配線基板を備える、半導体装置の製造方法。
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