JP2021176116A - ヒータ用透明導電フィルム及びヒータ - Google Patents

ヒータ用透明導電フィルム及びヒータ Download PDF

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Abstract

【課題】発熱性能に優れるヒータ、及び、そのようなヒータに用いるヒータ用透明導電フィルムを提供すること。【解決手段】ヒータ100は、ヒータ用透明導電フィルム10と電極32とを備える。ヒータ用透明導電フィルム10は、透明樹脂基材、第1の金属酸化物層、銀又は銀合金を含む金属層、及び第2の金属酸化物層がこの順に積層されている。ヒータ用透明導電フィルム10の表面抵抗率は20Ω/sq.以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、ヒータ用透明導電フィルム及びヒータに関する。
屋外表示装置及び車両窓等には、融雪及び曇止めのためヒータが用いられる。このようなヒータは、発熱性能と光透過性を確保するために、樹脂等で構成される透明基体にヒータ線を形成したものが用いられている。例えば、特許文献1では、樹脂製の窓本体にITOからなる透明導電膜を設け、その透明導電膜上に一対のバスバーとバスバー間を接続するヒータ線を設けて、窓本体における曇り及び凍結を除去する技術が提案されている。
また、特許文献2では、信号機等の道路表示灯に用いるヒータとして、二酸化シリコン膜を介して、ITO膜が発熱抵抗体として形成された透明導電膜ヒータが提案されている。この技術では、二酸化シリコン膜の膜厚を特定の範囲とすることによって、ITO膜を高温に発熱させることが試みられている。
特開2004−306025号公報 特開2007−220636号公報
特許文献1のようにヒータ線を導通させて発熱させるヒータの場合、光の入射角度によってはヒータ線が視認されやすくなり、視界を妨げることが懸念される。特許文献2のように透明導電膜自体を発熱させることは、視界を良好にするうえで有効であるものの、発熱性能としては未だ改善の余地がある。そこで、本開示では、発熱性能に優れるヒータ、及び、そのようなヒータに適したヒータ用透明導電フィルムを提供する。
本開示の一側面に係るヒータ用透明導電フィルムは、透明樹脂基材、第1の金属酸化物層、銀又は銀合金を含む金属層、及び第2の金属酸化物層がこの順に積層されている。このようなヒータ用透明導電フィルムは、銀又は銀合金を含む金属層を第1の金属酸化物層と第2の金属酸化物層の間に有することから、表面抵抗率を十分に低くすることができる。したがって、投入電力を大きくすることが可能となり、十分に発熱することができる。
上記透明導電フィルムの表面抵抗率は例えば20Ω/sq.以下であってよい。これによって、投入電力をさらに大きくして発熱性能を一層向上することができる。
上記透明導電フィルムにおける第1の金属酸化物層及び第2の金属酸化物層の厚みが20〜80nmであり、金属層の厚みが5〜30nmであってもよい。これによって、表面抵抗率を十分に低減しつつ透明性と柔軟性を一層高くすることができる。
上記透明導電フィルムの可視光透過率は例えば50%以上であってもよい。これによって、一層高い透明性を有するヒータを形成することができる。
第1の金属酸化物層の厚みは24〜50nmであってもよい。これによって、可視光透過率を高く維持しつつ、表面抵抗率を十分に低くすることができる。このような透明導電フィルムをヒータに使用すれば、透明性とヒータ性能を一層高い水準で両立することができる。
本開示の一側面に係るヒータは、上述の透明導電フィルムと、当該透明導電フィルムと電気的に接続される電極と、を備える。このようなヒータは、上述のヒータ用透明導電フィルムを備えることから、十分に低い表面抵抗率を有する。したがって、投入電力を大きくして、十分に発熱することができる。
本開示によれば、発熱性能に優れるヒータ、及び、そのようなヒータに適したヒータ用透明導電フィルムを提供することができる。
図1は、ヒータの一例を示す斜視図である。 図2は、ヒータの別の例を示す模式断面図である。 図3は、透明導電フィルムの一例を示す模式断面図である。 図4は、透明導電フィルムの別の例を示す模式断面図である。 図5は、実施例1〜4のヒータを示す図である。 図6は、比較例2のヒータを示す図である。 図7は、実施例1〜4の投入電力と発熱温度との関係を示すグラフである。
以下、場合により図面を参照して、本開示の実施形態を以下に説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一構造又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本実施形態のヒータの一例を示す斜視図である。ヒータ100(発熱体)は、透明導電フィルム10と、透明導電フィルム10の両端部に対向するように配置される一対の導電体30と、を備える。導電体30は、透明導電フィルム10の表面上において透明導電フィルム10の端面に沿って配置される一対の電極32と電極32に接続される導線34とを備える。電極32は、導電性ペースト又はその固化物20によって透明導電フィルム10の表面に固定されている。
図2は、本実施形態のヒータの別の例を示す模式断面図である。ヒータ110は、透明導電フィルム10と、透明導電フィルム10の両端部に対向するように配置される一対の導電体30と透明支持体40とが接着層50を介して積層された積層体を備える。導電体30は、透明導電フィルム10と接着層50の間において透明導電フィルム10の端面に沿って配置される一対の電極32と電極32に接続される導線34とを備える。電極32は、導電性ペーストの固化物20によって透明導電フィルム10と電気的に接続されている。ヒータ110は、ヒータ100の電極32が設けられた主面の上に、接着層50を介して透明支持体40を積層することによって製造することができる。
透明支持体40は、ガラス板であってよいし樹脂板であってもよい。樹脂板はポリカーボネート製のものであってよいし、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、シクロオレフィンポリマー(COP)であってもよい。接着層50は、光硬化型又は熱硬化型の接着剤の硬化物であってよく、接着テープであってもよい。固化物20は、導電性であり、導電性ペーストを熱硬化又は乾燥させることによって得ることできる。導電性ペーストとしては、銀系導体ペーストを用いることができる。
ヒータ100,110の投入電力Q[W]、印加電圧E[V]、電極32の幅W[mm]、電極32間の距離L[mm]及び表面抵抗率ρ[Ω/sq.]には、下記式(1)の関係が成立する。表面抵抗率ρが十分に低い透明導電フィルム10を用いることによって、投入電力Qを十分に大きくすることができる。なお、幅Wは、電極32の対向方向に垂直な方向に沿った電極32の長さである。
Q=(E・W)/(ρ・L) (1)
透明導電フィルム10の発熱温度(透明導電フィルム10の表面−外気温度)は、防曇効果を十分に得る観点から、10℃以上であってよく、20℃以上であってもよい。
図3は、本実施形態のヒータ用透明導電フィルムの一例を示す模式断面図である。ヒータ用透明導電フィルムである透明導電フィルム10は、フィルム状の透明樹脂基材11と、第1の金属酸化物層12と、金属層16と、第2の金属酸化物層14とがこの順に積層されている積層構造を有する。
透明導電フィルム10は、さらに、透明樹脂基材11を挟むようにして一対のハードコート層18,19(以下、それぞれ「第1のハードコート層18」及び「第2のハードコート層19」と称する。)を有する。すなわち、透明導電フィルム10は、第2のハードコート層19と、透明樹脂基材11と、第1のハードコート層18と、第1の金属酸化物層12と、金属層16と、第2の金属酸化物層14とがこの順に積層されている積層構造を有する。透明導電フィルム10は、図1,2におけるヒータ100及びヒータ110において、第2の金属酸化物層14に固化物20となる導電性ペーストが塗布されるように配置される。
本開示における「透明」とは、可視光が透過することを意味しており、光をある程度散乱してもよい。一般に半透明といわれるような光の散乱があるものも、本開示における「透明」の概念に含まれる。光の散乱度合いは小さい方が好ましく、透明性は高い方が好ましい。透明導電フィルムの可視光透過率は、例えば35%以上であり、好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは85%以上である。この可視光透過率は、市販の分光測色計を用いて測定される。市販のヘイズメーターを用いて測定されるヘイズは、例えば1%未満である。
透明樹脂基材11は、特に限定されず、可撓性を有する有機樹脂フィルムであってもよい。有機樹脂フィルムは有機樹脂シートであってもよい。有機樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、並びにトリアセチルセルロースフィルム等が挙げられる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルムが好ましい。
透明樹脂基材11は、剛性の観点からは厚い方が好ましい。一方、透明樹脂基材11は、透明導電フィルム10を薄膜化する観点からは薄い方が好ましい。このような観点から、透明樹脂基材11の厚みは、例えば10〜200μmである。
透明樹脂基材11は、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、及びオゾン処理からなる群より選ばれる少なくとも一つの表面処理が施されたものであってもよい。透明樹脂基材11は、樹脂フィルムであってもよい。樹脂フィルムを用いることによって、透明導電フィルム10を柔軟性に優れたものとすることができる。これによって、種々のヒータ形状に対応できる透明導電フィルム10とすることができる。
第2の金属酸化物層14は酸化物を含む透明の層であり、例えば、主成分として酸化亜鉛を含有する。第2の金属酸化物層14は、副成分として酸化スズを含有してもよいし、さらに酸化インジウム及び酸化チタンを含有してもよい。酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム及び酸化チタンの4成分を含むことによって、十分に高い導電性と高い透明性を兼ね備えた第2の金属酸化物層14とすることができる。このような第2の金属酸化物層14と金属層16とを兼ね備えることによって、低い表面抵抗率を実現することができる。酸化亜鉛は例えばZnOであり、酸化スズは例えばSnOである。酸化インジウムは例えばInであり、酸化チタンは例えばTiOである。上記各金属酸化物における金属原子と酸素原子の比は、化学量論比からずれていてもよい。
第2の金属酸化物層14において、上記4成分をそれぞれZnO、SnO、In、及びTiOに換算したときに、上記4成分の合計に対するZnOの含有量は、上記4成分の中で最も多いことが好ましい。上記4成分の合計に対するZnOの含有量は、可視光透過率と導電性とを十分に高くする観点から、例えば20mol%以上である。第2の金属酸化物層14において、上記4成分の合計に対するZnOの含有量は、耐食性を十分に高くする観点から、例えば65mol%以下である。
第2の金属酸化物層14において、上記4成分の合計に対するSnOの含有量は、可視光透過率を十分に高くする観点から、例えば40mol%以下である。第2の金属酸化物層14において、上記4成分の合計に対するSnOの含有量は、表面抵抗率を十分に低減する観点から、例えば15mol%以上である。
第2の金属酸化物層14において、上記4成分の合計に対するInの含有量は、表面抵抗率を十分に低くしつつ可視光透過率を十分に高くする観点から、例えば35mol%以下である。第2の金属酸化物層14において、上記4成分の合計に対するInの含有量は、耐食性を十分に高くする観点から、例えば15mol%以上である。
第2の金属酸化物層14において、上記4成分の合計に対するTiOの含有量は、可視光透過率を十分に高くする観点から、例えば20mol%以下である。第2の金属酸化物層14において、上記4成分の合計に対するTiOの含有量は、耐食性を十分に高くする観点から、例えば5mol%以上である。
第2の金属酸化物層14は、光学特性の調整、金属層16の保護、及び導電性の確保といった機能を兼ね備える。第2の金属酸化物層14は、その機能を大きく損なわない範囲で、別の副成分を含んでいてもよい。
第1の金属酸化物層12と、第2の金属酸化物層14とは、厚み、構造及び組成の点で、同一であってもよく、異なっていてもよい。第1の金属酸化物層12と第2の金属酸化物層14の組成を個別に調整することによって、第1の金属酸化物層12と第2の金属酸化物層14のエッチング液に対する耐性を変えることができる。例えば、第2の金属酸化物層14及び金属層16のみを酸性エッチング液を用いるエッチングによって除去し、第1の金属酸化物層12をそのまま残存させることができる。
第1の金属酸化物層12は酸化物を含む透明の層であり、例えば、主成分として酸化亜鉛を含有する。第1の金属酸化物層12は、第2の金属酸化物層14と同様に、酸化スズ、酸化インジウム及び酸化チタンを副成分として含有してもよい。上記4成分を含むことによって、十分に高い導電性と高い透明性を兼ね備えた第1の金属酸化物層12とすることができる。酸化亜鉛は例えばZnOであり、酸化インジウムは例えばInである。酸化チタンは例えばTiOであり、酸化スズは、例えばSnOである。上記各金属酸化物における金属原子と酸素原子の比は、化学量論比からずれていてもよい。第1の金属酸化物層12における上記4成分に対するZnO、In、TiO及びSnOの含有量は、第2の金属酸化物層14と同じであってもよい。
第1の金属酸化物層12は、第2の金属酸化物層14よりも抵抗が高くてもよい。したがって、第1の金属酸化物層12の酸化スズの含有量は第2の金属酸化物層14よりも少なくてもよく、酸化スズを含んでいなくてもよい。
第2の金属酸化物層14が酸化亜鉛、酸化インジウム及び酸化チタンの3成分を含む場合、上記3成分をそれぞれZnO、In及びTiOに換算したときに、上記3成分の合計に対するZnOの含有量は、上記3成分の中で最も多いことが好ましい。上記3成分の合計に対するZnOの含有量は、可視光透過率を十分に高くする観点から、例えば45mol%以上である。第2の金属酸化物層14において、上記3成分の合計に対するZnOの含有量は、保存安定性を十分に高くする観点から、例えば85mol%以下である。
第1の金属酸化物層12において、上記3成分の合計に対するInの含有量は、可視光透過率を十分に高くする観点から、例えば35mol%以下である。第1の金属酸化物層12において、上記3成分の合計に対するInの含有量は、耐食性を十分に高くする観点から、例えば10mol%以上である。
第1の金属酸化物層12において、上記3成分の合計に対するTiOの含有量は、可視光透過率を十分に高くする観点から、例えば20mol%以下である。第1の金属酸化物層12において、上記3成分の合計に対するTiOの含有量は、耐食性を十分に高くする観点から、例えば5mol%以上である。
第1の金属酸化物層12及び第2の金属酸化物層14の厚みは、例えば19〜71nmであってもよく、20〜80nmであってもよく、30〜50nmであってもよい。このような厚みにすることによって、高い可視光透過率と優れた生産性を両立することができる。
透明導電フィルム10の表面抵抗率は、ヒータ性能向上の観点から、低いことが好ましい。透明導電フィルム10の表面抵抗率は第1の金属酸化物層12の厚みを変えることで調整することができる。高い可視光透過率を維持しつつ表面抵抗率を十分に低減する観点から、第1の金属酸化物層12の厚みは、24〜50nmであることが好ましい。
第1の金属酸化物層12及び第2の金属酸化物層14は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又はCVD法などの真空成膜法によって作製することができる。これらのうち、成膜室を小型化できる点、及び、成膜速度が速い点で、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法としては、DCマグネトロンスパッタリングが挙げられる。ターゲットとしては、酸化物ターゲット、金属又は半金属ターゲットを用いることができる。
第2の金属酸化物層14は、図1,2に示すように、ペーストの固化物20によって導電体30の電極32と接続される。このため、第2の金属酸化物層14は、高い導電性を有することが好ましい。第2の金属酸化物層14の表面において測定される表面抵抗率は、例えば20Ω/sq.以下であることが好ましく、10Ω/sq.以下であることがより好ましく、8Ω/sq.以下であることがさらに好ましく、3Ω/sq.以下であることが特に好ましい。この表面抵抗率は、4端子抵抗率計を用いて測定される値である。
金属層16は、主成分として銀又は銀合金を含む層である。金属層16が高い導電性を有することによって、透明導電フィルム10の表面抵抗率を十分に低くすることができる。銀合金を構成する金属元素としては、Agと、Pd、Cu、Ge、Ga、Nd、In、Pt、Bi、Sn、及びSbからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。銀合金の例としては、Ag−Pd、Ag−Cu、Ag−Pd−Cu、Ag−Nd−Cu、Ag−In−Sn、Ag−Sn−Sb、及びAg−Pd−Cu−Geが挙げられる。
金属層16は、銀又は銀合金の他に、添加物を含有していてもよい。添加物は、酸性のエッチング液によって容易に除去されるものであることが好ましい。金属層16における銀及び銀合金の含有量は、例えば90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよい。金属層16の厚さは、透明導電フィルム10の表面抵抗率を十分に低くしつつ可視光透過率を十分に高くする観点から、好ましくは5〜30nmであり、より好ましくは5〜15nmである。金属層16の厚さが大きすぎると可視光透過率が低下する傾向にある。一方、金属層16の厚さが小さすぎると表面抵抗率が高くなる傾向がある。
金属層16は、透明導電フィルム10の可視光透過率及び表面抵抗率を調整する機能を有している。金属層16は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又はCVD法などの真空成膜法によって作製することができる。これらのうち、成膜室を小型化できる点、及び成膜速度が速い点で、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法としては、DCマグネトロンスパッタリングが挙げられる。ターゲットとしては、金属ターゲットを用いることができる。
透明導電フィルム10における、第1の金属酸化物層12、第2の金属酸化物層14及び金属層16の両端部は、エッチングによって除去されていてもよい。エッチング液としては、酸性のものを用いることができる。例えば、リン酸、酢酸、硝酸及び塩酸を含有するPAN系エッチング液、及び塩化鉄系のエッチング液が挙げられる。
透明導電フィルム10は、透明樹脂基材11の第1の金属酸化物層12側の主面上に第1のハードコート層18と、透明樹脂基材11の第1の金属酸化物層12側とは反対側の主面上に第2のハードコート層19とを備える。第1のハードコート層18及び第2のハードコート層19(以下、纏めて「ハードコート層18,19」という場合もある。)の厚み、構造及び組成は、同一であってもよく異なっていてもよい。また、必ずしも第1のハードコート層18と第2のハードコート層19の両方を備える必要はなく、どちらか一方のみを備えていてもよい。
第1のハードコート層18及び/又は第2のハードコート層19を設けることによって、透明樹脂基材11に発生する傷を十分に抑制することができる。ハードコート層18,19は、樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂硬化物を含有する。樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物、及び電子線硬化性樹脂組成物から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂、及びメラミン系樹脂から選ばれる少なくとも一種を含んでもよい。
樹脂組成物は、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等のエネルギー線反応性基を有する硬化性化合物を含む組成物である。なお、(メタ)アクリロイル基なる表記は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一方を含む意味である。硬化性化合物は、1つの分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上のエネルギー線反応性基を含む多官能モノマー又はオリゴマーを含んでいることが好ましい。
硬化性化合物は、好ましくはアクリル系モノマーを含有する。アクリル系モノマーとしては、具体的には、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及び3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ただし、必ずしもこれらに限定されるものではない。例えば、ウレタン変性アクリレート、及びエポキシ変性アクリレート等も挙げられる。
硬化性化合物として、ビニル基を有する化合物を用いてもよい。ビニル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ヒドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、及び、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル等が挙げられる。ただし、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂組成物は、硬化性化合物を紫外線によって硬化させる場合、光重合開始剤を含む。光重合開始剤としては、種々のものを用いることができる。例えば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、及びチオキサントン系等の公知の化合物から適宜選択すればよい。より具体的には、ダロキュア1173、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア907(以上商品名、チバスペシャルティケミカルズ社製)、及び、KAYACURE DETX−S(商品名、日本化薬(株)製)が挙げられる。
光重合開始剤は、硬化性化合物の質量に対して、0.01〜20質量%、又は0.5〜5質量%程度とすればよい。樹脂組成物は、アクリル系モノマーに光重合開始剤を加えた公知のものであってもよい。アクリル系モノマーに光重合開始剤を加えたものとしては、例えば、紫外線硬化型樹脂であるSD−318(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、及び、XNR5535(商品名、長瀬産業(株)製)等が挙げられる。
樹脂組成物は、塗膜の強度を高めること、及び/又は、屈折率を調整すること等のために、有機微粒子及び/又は無機微粒子を含んでいてもよい。有機微粒子としては、例えば、有機珪素微粒子、架橋アクリル微粒子、及び架橋ポリスチレン微粒子等が挙げられる。無機微粒子としては、例えば、酸化珪素微粒子、酸化アルミニウム微粒子、酸化ジルコニウム微粒子、酸化チタン微粒子、及び酸化鉄微粒子等が挙げられる。これらのうち、酸化珪素微粒子が好ましい。
微粒子は、その表面がシランカップリング剤で処理され、(メタ)アクリロイル基、及び/又はビニル基等のエネルギー線反応性基が表面に膜状に存在しているものであってもよい。このような反応性を有する微粒子を用いると、エネルギー線照射の際に、微粒子同士が反応したり、微粒子と多官能モノマー又はオリゴマーとが反応したりして、膜の強度を強くすることができる。(メタ)アクリロイル基を含有するシランカップリング剤で処理された酸化珪素微粒子が好ましく用いられる。
微粒子の平均粒径は、ハードコート層18,19の厚みよりも小さく、十分な透明性を確保する観点から、100nm以下であってもよく、20nm以下であってもよい。一方、コロイド溶液の製造上の観点から、5nm以上であってもよく、10nm以上であってもよい。有機微粒子及び/又は無機微粒子を用いる場合、有機微粒子及び無機微粒子の合計量は、硬化性化合物100質量部に対して、例えば5〜500質量部であってもよく、20〜200質量部であってもよい。
エネルギー線で硬化する樹脂組成物を用いると、紫外線等のエネルギー線を照射することによって、樹脂組成物を硬化させることができる。したがって、このような樹脂組成物を用いることが製造工程上の観点からも好ましい。
第1のハードコート層18は、樹脂組成物の溶液又は分散液を、透明樹脂基材11の一方面上に塗布して乾燥し、樹脂組成物を硬化させて作製することができる。この際の塗布は、公知の方法により行うことができる。塗布方法としては、例えば、エクストルージョンノズル法、ブレード法、ナイフ法、バーコート法、キスコート法、キスリバース法、グラビアロール法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、カーテン法、及びスクイズ法などが挙げられる。第2のハードコート層19も、第1のハードコート層18と同様にして、透明樹脂基材11の他方面上に作製することができる。
第1のハードコート層18及び第2のハードコート層19の厚みは、例えば0.5〜10μmである。厚みが10μmを超えると、厚みムラ及びシワ等が生じ易くなる傾向にある。一方、厚みが0.5μmを下回ると、透明樹脂基材11中に可塑剤又はオリゴマー等の低分子量成分が相当量含まれている場合に、これらの成分のブリードアウトを十分に抑制することが困難になる場合がある。なお、反りを抑制する観点から、第1のハードコート層18及び第2のハードコート層19の厚みは、同一又は同程度にすることが好ましい。
図4は、本実施形態のヒータ用透明導電フィルムの別の例を示す模式断面図である。図4の透明導電フィルム10Aは、ハードコート層18,19を備えない点で、透明導電フィルム10と異なっている。その他の構成は、透明導電フィルム10と同様である。
透明導電フィルム10,10Aを構成する各層の厚みは、以下の手順で測定することができる。集束イオンビーム装置(FIB,Focused Ion Beam)によって透明導電フィルム10,10Aを切断して断面を得る。透過電子顕微鏡(TEM)を用いて当該断面を観察し、各層の厚みを測定する。測定は、任意に選択された10箇所以上の位置で測定を行い、その平均値を求めることが好ましい。断面を得る方法として、集束イオンビーム装置以外の装置としてミクロトームを用いてもよい。厚みを測定する方法としては、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてもよい。また蛍光X線装置を用いても膜厚を測定することが可能である。透明導電フィルム10,10Aの厚みは、200μm以下であってもよく、150μm以下であってもよい。
上述の構成を備える透明導電フィルム10,10Aは、表面抵抗率が低く且つ透明性に優れるため、ヒータ用に好適である。ヒータは、図1,2のような構成に限定されない。ヒータ100は、透明導電フィルム10の代わりに透明導電フィルム10Aを備えていてもよい。本実施形態のヒータは、車両用窓、車両のサイドミラー、LED信号機レンズ等の屋外表示装置、屋外照明装置、自動運転カメラなどの種々の用途に用いることができる。
上述の各実施形態は、別の観点からみると、透明樹脂基材、第1の金属酸化物層、銀合金を含む金属層、及び第2の金属酸化物層がこの順に積層されている透明導電フィルムのヒータへの使用ということもできる。この透明導電フィルムとして、上述の透明導電フィルム10,10Aを用いることができる。
さらに別の観点からすれば、透明導電フィルム10,10Aをヒータに使用する使用方法ということもできる。この使用方法では、透明導電フィルム10,10Aを使用しているので、優れた発熱性能を有するヒータを得ることができる。
以上、幾つかの実施形態を説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例を参照して、本発明の内容をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[ヒータ用透明導電フィルムの作製]
(実施例1)
図4に示すような積層構造を有する透明導電フィルムを以下の手順で作成した。厚さが125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、品番:U48)を準備した。このPETフィルムを透明樹脂基材として用いた。透明樹脂基材の一方面上に、DCマグネトロンスパッタリングによって、第1の金属酸化物層、金属層及び第2の金属酸化物層を順次形成した。第1の金属酸化物層は、ZnO−In−TiOターゲットを用いて形成した。第2の金属酸化物層は、ZnO−In−TiO−SnOターゲットを用いて形成した。第1の金属酸化物層及び第2の金属酸化物層の組成は、表1に示すとおりであった(単位はmol%)。各実施例における第1の金属酸化物層及び第2の金属酸化物層の厚さは、それぞれ29.7nm及び30.8nmとした。
Figure 2021176116
金属層は、Ag−Pd−Cu−Geターゲットを用いて形成した。金属層の組成は、Ag:Pd:Cu:Ge=99.1:0.5:0.3:0.1(質量%)であった。金属層16の厚さは7nmとした。各層の厚さは、基準となる透明導電フィルムの断面のTEM観察を行って測定される厚みに基づいて、スパッタリングの時間から計算して求めた。このようにして図3に示すような積層構造を有する透明導電フィルムを得た。
(実施例2〜4)
金属層を形成する際のスパッタリングの時間を変えて、実施例1とは金属層16の厚みが異なる透明導電フィルムを得た。金属層16の厚みは表2に示すとおりであった。
(比較例1)
ITOターゲットを用い、実施例1で用いたPETフィルムにITOで構成される金属酸化物層(厚み:28nm)を形成した。これを比較例1の透明導電フィルムとした。
[ヒータ用透明導電フィルムの評価]
<表面抵抗率の測定>
実施例1〜4及び比較例1の透明導電フィルムの表面抵抗率(第2の金属酸化物層の表面における表面抵抗率)を、4端子抵抗率計(商品名:ロレスタEP、株式会社三菱ケミカルアナリテック製)を用いて測定した。測定結果を表2に示す。
<可視光透過率及びヘイズの評価>
市販の分光測色計(商品名:CM−5、コニカミノルタ製)を用いて、実施例1〜4及び比較例1の透明導電フィルムの可視光透過率を測定した。また、ヘイズメーター(商品名:NDH−7000、日本電色工業社製)を用いて、実施例1〜4及び比較例1の透明導電フィルムのヘイズを測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2021176116
[ヒータの作製]
実施例1〜4及び比較例1の透明導電フィルムを用いて図5に示すヒータを作製した。透明導電フィルム10の両端部において、第2の金属酸化物層の表面に、導電性ペースト(東洋紡株式会社性、商品名:DW−440L−29)を介して、銅箔テープ(厚さ:50μm)を接着した。大気中、140℃で15分間加熱して導電性ペーストを乾燥させ、電極32を設けた。そして、一対の電極32と電源60とを導線34によって接続して図5のヒータを得た。電極32,32間の距離Lは500mm、電極32の幅Wは200mmであった。その結果は表3に示すとおりであった。
接着層(アクリル系透明両面接着テープ,厚さ:100μm)を介して、ヒータの第2の金属酸化物層とポリカーボネート板(縦×横×厚み=500mm×200mm×3mm)とを重ね合わせて、実施例1〜4及び比較例1の評価用ヒータとした。
(比較例2)
アクリル樹脂板(縦×横×厚み=500mm×200mm×3mm)の表面に、図6に示すように、一対の電極232と、一対の電極232を接続する6本のヒータ線230とを形成した。一対の電極232は、図5の電極32と同様にして設け、ヒータ線230は、導電性ペースト(東洋紡株式会社性、商品名:DW−440L−29)を印刷して形成した。そして、一対の電極232と電源60とを導線34によって接続して図6のヒータを得た。
図5のヒータと同様に、接着層(アクリル系透明両面接着テープ,厚さ:100μm)を介して、電極232及びヒータ線230が設けられたアクリル樹脂板の表面とポリカーボネート板(縦×横×厚み=500mm×200mm×3mm)とを重ね合わせて、比較例2の評価用ヒータとした。
[発熱性能の評価]
23℃、57%RHの環境下で、電極間に電圧を印加して発熱温度を測定した。実施例1〜4、比較例1及び比較例2の各評価用ヒータにおいて、それぞれ印加電圧を表3に示すとおりに変えて電極間の抵抗R及び表面温度を測定した。表面温度は、電圧印加開始後、表面温度が安定してから放射温度計を用いてポリカーボネート板の表面温度を測定した。一対の電極32,32(一対の電極232,232)間の抵抗Rはテスターを用いて計測し、投入電力Qを算出した。結果は表3に示すとおりであった。表3には、発熱温度(=ポリカーボネート板の表面温度−外気温度)も併せて示した。
Figure 2021176116
表3に示すとおり、実施例1〜4の評価用ヒータでは、印加電圧を大きくして表面温度を十分に高くすることができた。また、測定位置による表面温度のばらつきは2℃以下であり、極めて小さかった。一方、ITOで構成される透明導電フィルムを用いて作製した比較例1の評価用ヒータでは、抵抗が大きいため投入電力を大きくすることができず、表面温度を十分に高くすることできなかった。比較例2の評価用ヒータでは、局所的に発熱して表面温度のばらつきが大きかった。このため、印加電圧12Vでは局所的に温度が高くなった部位においてアクリル樹脂板が変形した。また、印加電圧24Vではアクリル樹脂が焼けたため、測定を中止した。
図7は、横軸を投入電力、縦軸を発熱温度として、表3に示す実施例1〜実施例4のデータをプロットしたグラフである。図7に示すとおり、投入電力と発熱温度とに高い精度で比例関係が成立することが確認された。これらの結果から、ヒータ1mあたりの投入電力が270W以上のときに温度上昇(発熱温度)が10℃以上となり、有効な防曇効果を得ることができる。ヒータ1mあたりの投入電力が528W以上のときに温度上昇が20℃以上となり、高い防曇効果と有効な氷解効果を得ることができる。
(実施例5〜17)
図3に示すような積層構造を有する透明導電フィルムを以下の手順で作成した。ハードコート層形成用として以下の原材料を準備した。
・反応性基で修飾されたコロイダルシリカ(分散媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、不揮発分:40質量%):100質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:48質量部
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:12質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン):2.5質量部
上述の原材料を、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMA))で希釈して混合し、各成分を溶剤中に分散させた。これによって、不揮発分(NV)が25.5質量%の塗料を調整した。このようにして得られた塗料を、第1のハードコート層及び第2のハードコート層作製用の塗料として用いた。
実施例1で用いた125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方面上に、第1のハードコート層作製用の塗料を塗布して、塗布膜を作製した。80℃に設定した熱風乾燥炉において塗布膜中の溶剤を除去した後、UV処理装置を用いて積算光量400mJ/cmの紫外線を照射して塗布膜を硬化させた。このようにして、透明樹脂基材の一方面側に、厚さ1.5μmの第1のハードコート層を作製した。同様にして、透明樹脂基材11の他方面側に、厚さ1.5μmの第2のハードコート層を作製した。
第1のハードコート層側に、実施例1と同様にして、DCマグネトロンスパッタリングによって、第1の金属酸化物層、金属層及び第2の金属酸化物層を順次形成し、図3に示すような透明導電フィルムを得た。各層を形成する際のDCマグネトロンスパッタリングの時間を調製することによって、各層の厚みが異なる実施例5〜17の透明導電フィルムを作製した。作製した透明導電フィルムの表面抵抗率と可視光透過率は実施例1と同様にして測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 2021176116
第1の金属酸化物層の厚みを調節することによって、表面抵抗率と可視光透過率を調節できることが確認された。特に、第1の金属酸化物層の厚みを24〜50nmにすることによって、可視光透過率を維持しつつ表面抵抗率を十分に低減できることが確認された。実施例5〜17の透明導電フィルムをヒータに用いれば、発熱性能に優れるヒータとすることができる。
本開示によれば、発熱性能に優れるヒータ、及び、そのようなヒータに適したヒータ用透明導電フィルムが提供される。
10,10A…透明導電フィルム、11…透明樹脂基材、12…第1の金属酸化物層、14…第2の金属酸化物層、16…金属層、18…第1のハードコート層、19…第2のハードコート層、20…固化物、30…導電体、32…電極、34…導線、40…透明支持体、50…接着層、60…電源、100,110…ヒータ。

Claims (6)

  1. 透明樹脂基材、第1の金属酸化物層、銀又は銀合金を含む金属層、及び第2の金属酸化物層がこの順に積層されているヒータ用透明導電フィルム。
  2. 表面抵抗率が20Ω/sq.以下である、請求項1に記載のヒータ用透明導電フィルム。
  3. 前記第1の金属酸化物層及び前記第2の金属酸化物層の厚みが20〜80nmであり、
    前記金属層の厚みが5〜30nmである、請求項1又は2に記載のヒータ用透明導電フィルム。
  4. 可視光透過率が50%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒータ用透明導電フィルム。
  5. 前記第1の金属酸化物層の厚みが24〜50nmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒータ用透明導電フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電フィルムと、当該透明導電フィルムと電気的に接続される電極と、を備えるヒータ。
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