JP2021173021A - 接合金物 - Google Patents

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倫夫 伊藤
Michio Ito
秀治 大庭
Hideji Oba
拓哉 青木
Takuya Aoki
大致 岩澤
Daichi Iwasawa
賢一郎 村上
Kenichiro Murakami
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Abstract

【課題】せん断力や曲げモーメントをコンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく確実に伝達するために、モルタル注入時にエア溜りができることを防止すると共に、せん断力や曲げモーメントに対して十分な耐力を有したまま軽量化を図ることにより、コストを低減することができる接合金物を提供する。【解決手段】コンクリートによって形成された構造物3の上にモルタル層6を介して設けられる接合金物24であって、板状のベースプレート26と、ベースプレート26の下面から突出するように設けられた突出部28と、を備え、接合金物24の入隅部に、入隅部を形成する面同士を繋ぐように隅面R1,R2、R3,R4が形成され、突出部28の上端部から下端部までの全ての部分が、モルタル層6の上面より下方に配置されて、モルタル層6の内部に埋設されるように構成された。【選択図】図1

Description

本発明は、建築構造物の一部を構成する柱部材やブレースの端部を、コンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に固定するために用いられる接合金物に関するものである。
S造やSRC造等の建築構造物においては、角型鋼管や円形鋼管等によって構成された柱部材をコンクリートによって形成された基礎の上に立設するために、柱部材の下端部に溶接等により固定された接合金物に、基礎コンクリート内部に埋設されたアンカーボルトの上端部が結合されるような接合構造が知られていた(例えば特許文献1の図4参照)。
図7及び図8は、従来の接合金物4について説明するために参照する図である。
従来の接合金物4を用いた接合構造2は、図7に示すように、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材5と、柱部材5の下端部に設けられた接合金物4と、基礎コンクリート3の内部に埋設された複数のアンカーボルト8を備えていた。
従来の接合金物4は、図8に示すように、所定の厚さ寸法を有し、平面形状が略正方形の板状に形成され、その板面の四隅部の近傍には、接合金物4を厚さ方向に貫通するボルト挿通孔4aが、それぞれの四隅部に1つずつ形成されていた。
このような接合金物4は、十分な強度を有する鋼材により形成されていた。
そして、図7に示すように、そのような接合金物4が、溶接等により柱部材5の下端部に固定されると共に、そのような接合金物4が固定された柱部材5が、接合金物4の下面と基礎コンクリート3の上面の間に形成されたモルタル層6を介して、基礎コンクリート3の上に立設されていた。
一方、基礎コンクリート3の内部には、図7に示すように、複数のアンカーボルト8が埋設されており、これらのアンカーボルト8の上端部は、モルタル層6を貫いて接合金物4に形成されたボルト挿通孔4aに挿通され、接合金物4の上面より上方に突出するアンカーボルト8の上端部のオネジ部には、ナット10がネジ締結されていた。
このような接合金物4を用いた接合構造2を用いることにより、建築構造物の柱部材の柱脚部に地震等による外力が作用した場合に、建築構造物の柱部材が傾いたり転倒したりすることを防止できるようになっていた。
すなわち、図7に示すように、地震等によって、柱部材5の柱脚部に曲げモーメントMが作用した場合、図中左側のアンカーボルト8に生じる引張力Tや、接合金物4の下面の図中右側にモルタル層6を介して生じる基礎コンクリート3からの圧縮力Cによって、柱部材5の柱脚部に、曲げモーメントMに抵抗するような曲げモーメントが作用するようになっていた。
しかし、このような従来の接合金物4を用いた接合構造2には、地震等によって、柱部材5の柱脚部にせん断方向(図7中左右方向、又は図の紙面に垂直方向)の力が作用した場合、柱脚部に作用するせん断力を基礎コンクリート3に伝達する際に、せん断力がアンカーボルト8に集中してしまうという問題があった。
そこで、柱脚部に作用するせん断力がアンカーボルトに集中することを防止して、せん断力を効率よく基礎コンクリートへと伝達するために、接合金物の下面にシアコッターと呼ばれる突出部を設け、この突出部が基礎コンクリートの内部に埋設されるように柱部材が配置された接合構造が知られていた(例えば特許文献1の図5参照)。
図9及び図10は、そのような接合構造に用いられる他の従来の接合金物14について説明するために参照する図である。なお、図7及び図8に示す従来の接合金物4、及びこれを用いた接合構造2と同様の部分には、一部を除き同じ符号を付し、重複する説明は一部を除き省略するものとする。
従来の接合金物14を用いた接合構造12は、図9に示すように、図7示す接合構造2と同様に、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材5と、基礎コンクリート3の内部に埋設された複数のアンカーボルト8を備えていた。
そして、接合構造12は、図7示す接合構造2における接合金物4の代わりに、図10に示すような接合金物14が設けられている点において、接合構造2とはその構成が異なるものであった。
従来の接合金物14は、図10に示すように、所定の厚さ寸法を有し、平面形状が略正方形の板状に形成されたベースプレート16を備え、その板面の四隅部の近傍には、ベースプレート16を厚さ方向に貫通するボルト挿通孔16aが、それぞれの四隅部に1つずつ形成されていた。
そして、ベースプレート16の下面には、図10(a)に示すように、水平断面形状が略十字型に形成された突出部18が、図10(b)に示すように、ベースプレート16の下面から下方に突出するように、ベースプレート16と一体的に設けられていた。
このような接合金物14は、十分な強度を有する鋼材により形成されたベースプレート16の下面に、十分な強度を有する鋼板材を略十字型に組み合わせて形成した突出部18を、溶接等により固定することにより形成されていた。
そして、図9に示すように、そのような接合金物14が、溶接等により柱部材5の下端部に固定されると共に、そのような接合金物14が固定された柱部材5が、接合金物14のベースプレート16の下面と基礎コンクリート3の上面の間に形成されたモルタル層6を介して、基礎コンクリート3の上に立設されていた。
そしてこのとき、接合金物14のベースプレート16の下面に設けられた突出部18は、図9に示すように、その上端部から下端部までの全ての部分が、モルタル層6の上面より下方に配置されて、モルタル層6の内部に埋設されるようになっていた。
その他の構成は、図7及び図8に示す従来の接合金物4、及びこれを用いた接合構造2と同様であるため、このような接合金物14を用いた接合構造12であっても、建築構造物の柱部材の柱脚部に地震等による外力が作用した場合に、建築構造物の柱部材が傾いたり転倒したりすることを防止できるようになっていた。
そして、このような接合金物14を用いた接合構造12を用いることにより、図9に示すように、地震等によって、柱部材5の柱脚部に作用するせん断力Fを、モルタル層6の内部に埋設された接合金物14の突出部18の各側面に負担させることができるため、柱脚部に作用するせん断力Fがアンカーボルト8に集中することを防止して、せん断力Fを効率よく基礎コンクリート3に伝達することができるようになっていた。
一方、S造やSRC造等の建築構造物においては、建築構造物の強度を向上させるために、柱部材と梁部材の間を斜めに連結するブレースと呼ばれる補強部材を設けることがあり(例えば特許文献2参照)、図8及び図10に示すような接合金物4,14と同様の構成を有する接合金物を、そのようなブレースの端部をコンクリートによって形成された梁の長さ途中部に固定するために用いることがあった。
すなわち、図11(a)及び(b)に示すように、図7及び図9に示す接合構造2,12と同様に、基礎梁7の長さ途中部に、接合金物4,14を、モルタル層6を介して配置してアンカーボルト8やナット10を用いて固定し、その接合金物4の上面や接合金物14のベースプレート16の上面に、図の紙面に垂直方向に所定の厚さを有する板状に形成されたガセットプレート17を溶接等により固定し、2つのブレース9のそれぞれの端部がガセットプレート17に連結されてボルト等により固定されるような、接合構造19,20が用いられていた。
特開2000−319990号公報 特開昭62−101737号公報
しかしながら、上述したような従来の接合金物14を用いた接合構造12,20では、モルタルを注入した際に、接合金物14の入隅部(2つ以上の面が内向きに入り合ってできる内側に凹んだ角の部分)に当たる部分のモルタル層6に、エア溜り(空隙)ができるおそれがあった。
すなわち、図9に示す接合構造12においては、接合金物14と基礎コンクリート3を確実に密着させるために、接合金物14のベースプレート16の下面と基礎コンクリート3の上面の間の隙間に、モルタルを後から注入してモルタル層6を形成していた。
その際、注入されるモルタルの粘度が高いため、接合金物14のベースプレート16と突出部18が接合する部分や、接合金物14の突出部18の略十字型に交差する部分のような、接合金物14の入隅部の奥までモルタルが充填されないことがあり、そのままモルタルが硬化してしまうと、図12に示すように、モルタル層6に空隙Gが形成されてしまうおそれがあった。
そして、そのような空隙Gがモルタル層6に形成されると、柱部材5の柱脚部に作用する力が基礎コンクリート3に正常に伝達されず、その結果、建築構造物やその柱脚部の強度が低下してしまうおそれがあった。
また、上述したような従来の接合金物14を用いた接合構造12,20では、柱部材5の柱脚部やブレース9の端部に作用する力に対する接合金物14の耐力を向上させようとした場合に、接合金物14の突出部18が大型化して、接合金物14の重量が増加するという問題があった。
すなわち、従来の接合金物14を用いた接合構造12においては、図9に示すように、柱部材5の柱脚部に作用するせん断力Fを接合金物14の突出部18の各側面に負担させるようになっていると共に、図13に示すように、柱部材5の柱脚部に作用する曲げモーメントMに対して、図中左側のアンカーボルト8に生じる引張力Tや、接合金物14のベースプレート16の下面の図中右側にモルタル層6を介して生じる基礎コンクリート3からの圧縮力Cと共に、接合金物14の突出部18の各側面に生じる反力f等によって、曲げモーメントMに抵抗するような曲げモーメントが柱部材5の柱脚部に作用するようになっていた。
そして、接合金物14の突出部18の各側面に生じる反力fによって作用する曲げモーメントM0は、突出部18の下端部に比べて上端部の方が大きくなるため、突出部18とベースプレート16が接合する部分に、最も大きな負荷がかかるようになっていた。
そのため、より大きなせん断力や曲げモーメントが柱脚部に作用することを想定して、接合金物14の耐力を向上させようとした場合、反力fや曲げモーメントM0によって突出部18が降伏しないように突出部18を構成する板部材の厚さ寸法を大きくすると共に、突出部18とベースプレート16の接合部をより強固に溶接する必要があった。
そして、突出部18の板厚を大きくするとその分、接合金物14に使用する材料(鋼材)の量が増加したり、接合金物14の製造時の溶接量が増加したりするため、接合金物14の製造コストの増加を招き、また、突出部18が大型化するとその分、接合金物14の重量が増加するため、接合金物14を柱部材5に溶接して固定する際に接合金物14の取り回しが悪化し、接合構造12の施工コストの増加を招くおそれがあった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、せん断力や曲げモーメントをコンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく確実に伝達するために、モルタル注入時にエア溜りができることを防止すると共に、せん断力や曲げモーメントに対して十分な耐力を有したまま軽量化を図ることにより、コストを低減することができる接合金物を提供することを課題とするものである。
本発明による接合金物は、上記課題を解決するために、
コンクリートによって形成された構造物の上にモルタル層を介して設けられる接合金物であって、
板状のベースプレートと、
前記ベースプレートの下面から突出するように設けられた突出部と、を備え、
前記接合金物の入隅部に、前記入隅部を形成する面同士を繋ぐように隅面が形成され、
前記突出部の上端部から下端部までの全ての部分が、前記モルタル層の上面より下方に配置されて、前記モルタル層の内部に埋設されるように構成された
ことを特徴とするものである。
また、本発明による接合金物は、
前記隅面は、断面形状が前記入隅部を形成する面同士を滑らかに繋ぐような凹形状の略円弧状に形成された
ことを特徴とするものである。
また、本発明による接合金物は、
前記突出部は、水平断面形状が略十字型に形成され、上端部から下端部に向かうにつれて水平断面形状が徐々に小さくなるように形成された
ことを特徴とするものである。
また、本発明による接合金物は、
前記接合金物は、鋳造により、前記ベースプレートと前記突出部が一体的に成型された
ことを特徴とするものである。
また、本発明による接合金物は、
前記接合金物は、前記ベースプレートと前記突出部が別部材として形成され、
前記突出部が、前記ベースプレートの下面に溶接により固定された
ことを特徴とするものである。
また、本発明による接合金物は、
前記隅面は、前記溶接により溶接個所に形成される溶接金属の肉盛部として形成された
ことを特徴とするものである。
また、本発明による接合金物は、
前記接合金物は、コンクリートによって形成された基礎に立設される柱部材の下端部に設けられ、
前記ベースプレートは、その平面形状が前記柱部材の水平断面形状より大きくなるように形成されると共に、前記ベースプレートの上面に前記柱部材の下端部が固定された
ことを特徴とするものである。
また、本発明による接合金物は、
前記接合金物は、コンクリートによって形成された梁の長さ途中部に設けられ、
前記ベースプレートの上面に設けられたガセットプレートにブレースの端部が固定された
ことを特徴とするものである。
このような本発明の接合金物によれば、
コンクリートによって形成された構造物の上にモルタル層を介して設けられる接合金物であって、
板状のベースプレートと、
前記ベースプレートの下面から突出するように設けられた突出部と、を備え、
前記接合金物の入隅部に、前記入隅部を形成する面同士を繋ぐように隅面が形成され、
前記突出部の上端部から下端部までの全ての部分が、前記モルタル層の上面より下方に配置されて、前記モルタル層の内部に埋設されるように構成されたことにより、
せん断力や曲げモーメントをコンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく確実に伝達するために、モルタル注入時にエア溜りができることを防止すると共に、せん断力や曲げモーメントに対して十分な耐力を有したまま軽量化を図ることにより、コストを低減することができる。
本発明の一実施の形態に係る接合金物24を用いた柱脚部の接合構造22を示す概略側面図である。 図1に示す接合金物24を示す図であって、図2(a)はその上面側からの斜視図であり、図2(b)はその下面側からの斜視図である。 接合金物24を示す図であって、図3(a)はその平面図であり、図3(b)はその側面図である。 接合金物24を示す図であって、図4(a)は図3(a)におけるA−A線矢視断面図であり、図4(b)は図3(a)におけるB−B線矢視断面図である。 接合金物24を示す図であって、図5(a)は図3(a)におけるC−C線矢視断面図であり、図5(b)は図3(b)におけるD−D線矢視断面図である。 接合金物24を用いた、ブレース9と基礎梁7の接合構造29を示す概略側面図である。 従来の接合金物4を用いた柱脚部の接合構造2を示す概略側面図である。 図7に示す接合金物4を示す図であって、図8(a)はその平面図であり、図8(b)はその側面図である。 従来の接合金物14を用いた柱脚部の接合構造12を示す概略側面図である。 図9に示す接合金物14を示す図であって、図10(a)はその平面図であり、図10(b)はその側面図である。 図11(a)は従来の接合金物4を用いたブレース9と基礎梁7の接合構造19を示す概略側面図であり、図11(b)は従来の接合金物14を用いたブレース9と基礎梁7の接合構造20を示す概略側面図である。 図9に示す接合構造12における、接合金物14とモルタル層6の境界部分を示す図であって、図9におけるE−E線矢視断面図である。 図9に示す接合構造12の柱脚部に作用する力や曲げモーメントについて説明するための図であって、図9に示す接合構造12の柱部材5の下端部周辺を拡大した概略側面図である。
以下、本発明に係る接合金物を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。なお、図7ないし図11に示す従来の接合金物4,14、及びこれを用いた接合構造2,12,19,20と同様の部分には、一部を除き同じ符号を付して説明するものとする。
図1ないし図5は、本発明の一実施の形態に係る接合金物24について説明するために参照する図である。
本実施の形態に係る接合金物24を用いた接合構造22は、図1に示すように、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材25と、柱部材25の下端部に設けられた接合金物24と、基礎コンクリート3の内部に埋設された複数のアンカーボルト8を備えている。
柱部材25は、水平断面形状が略正方形の角筒状に形成された角型鋼管であって、基礎コンクリート3の上に鉛直方向(図1中上下方向)に伸びるように立設され、その下端部には接合金物24が固定されている。
接合金物24は、図2に示すように、ベースプレート26と、ベースプレート26の下面の略中央から下方に向けて突出するように設けられた突出部28を備えている。
接合金物24のベースプレート26は、図3(a)に示すように、図の紙面に垂直方向に所定の厚さ寸法を有し、平面形状が略正方形の板状に形成され、その板面の四隅部の近傍には、ベースプレート26を厚さ方向に貫通するボルト挿通孔26aが、それぞれの四隅部に2つずつ形成されている。
接合金物24の突出部28は、図3(b)に示すように、図中上下方向に所定の高さ寸法を有し、図3(a)及び図5(b)に示すように、水平断面形状が略十字型に形成されている。
そして、接合金物24の突出部28は、その水平断面形状が、突出部28の高さ上端部から下端部に向かうにつれて徐々に小さくなるように形成されている。
すなわち、突出部28は、図3(a)に示すように、図中左右方向に所定の厚さ寸法を有し、図中上下方向に所定の幅寸法を有する第1垂直板部28aと、図中上下方向に所定の厚さ寸法を有し、図中左右方向に所定の幅寸法を有する第2垂直板部28bが、それぞれの幅方向の中央部で略直角に交差して一体的に結合されたように形成されている。
そして、突出部28の第1垂直板部28aと第2垂直板部28bは、それぞれの上端部から下端部に向かうにつれて、それぞれの厚さ寸法が徐々に小さくなるように形成されると共に、それぞれの幅寸法も徐々に小さくなるように形成されている。
このような突出部28が、図3(b)に示すように、その上端部がベースプレート26の下面の略中央に一体的に結合され、そこから下方に伸びる突出部28の高さ部分がベースプレート26の下面より下方に突出するように形成されている。
そして、接合金物24の入隅部には、図4及び図5に示すように、それぞれの入隅部を形成する内向きに入り合う面同士を繋ぐように、隅面R1,R2,R3,R4が、それぞれの入隅部に沿って形成されている。
すなわち、ベースプレート26と突出部28が結合する部分においては、図4(a)に示すように、ベースプレート26の下面と第1垂直板部28a(又は第2垂直板部28b)の幅方向(図中左右方向)の両端に形成されたそれぞれの板面が内向きに入り合って形成される入隅部に、これらの2つの面を滑らかに繋ぐように、断面形状が凹形状の略円弧状に形成された隅面R1が、第1垂直板部28a(又は第2垂直板部28b)の厚さ方向(図の紙面に垂直方向)に沿って形成されている。
そして、図4(b)に示すように、ベースプレート26の下面と第1垂直板部28a(又は第2垂直板部28b)の厚さ方向(図中左右方向)の両端に形成されたそれぞれの板面が内向きに入り合って形成される入隅部には、これらの2つの面を滑らかに繋ぐように、断面形状が凹形状の略円弧状に形成された隅面R2が、第1垂直板部28a(又は第2垂直板部28b)の幅方向(図の紙面に垂直方向)に沿って形成されている。
そして、突出部28の第1垂直板部28aと第2垂直板部28bが交差して結合する部分においては、図5(b)に示すように、第1垂直板部28aの板面と第2垂直板部28bのそれぞれの厚さ方向の両端に形成されたそれぞれの板面が内向きに入り合って形成される入隅部には、これらの2つの面を滑らかに繋ぐように、水平断面形状が凹形状の略円弧状に形成された隅面R4が、入隅部に沿って形成されている。
そして、図5(a)に示すように、突出部28の第1垂直板部28aの板面と第2垂直板部28bのそれぞれの厚さ方向の両端に形成されたそれぞれの板面とベースプレート26の下面が内向きに入り合って形成される入隅部には、これらの3つの面を滑らかに繋ぐように、断面形状が凹形状の略円弧状に形成された隅面R3が形成されている。
このような接合部材24は、十分な強度を有する鋼材により形成することができ、例えば、鋳造によって、ベースプレート26と突出部28を一体的に成型することにより、接合部材24を形成することができる。
このとき、突出部28の側面の断面形状が、上端部から下端部に向かうにつれて突出部28の水平断面形状が徐々に小さくなるように、直線状に傾斜して形成されているため、この傾斜を鋳型から成型品をスムーズに取り外すための抜き勾配として利用することができる。
また、ベースプレート26と突出部28を別々の部材として形成することもでき、図10に示す従来の接合金物14と同様に、十分な強度を有する鋼材により形成されたベースプレート26の下面に、十分な強度を有する鋼板材を略十字型に組み合わせて形成した突出部28を溶接等により固定することにより、接合部材24を形成することもできる。
このとき、隅肉溶接等により溶接個所に形成される溶接金属の肉盛部として、接合部材24の入隅部の隅面R1,R2,R3,R4が形成されるようにすることもできる。
このような接合金物24が、図1に示すように、柱部材25の下端面が接合金物24のベースプレート26の上面に当接するように、柱部材25の下端部に配置されている。
このとき、接合金物24のベースプレート26は、図1に示すように、その外形が柱部材25の水平断面形状より大きくなるように形成され、また、ベースプレート26のボルト挿通孔26aは、柱部材25の下端部の外側面より外側に位置するように形成されている。
そして、柱部材25の下端部と接合金物24のベースプレート26の上面を、柱部材25の下端部の周部に沿って溶接することにより、接合金物24が柱部材25の下端部に固定されている。
そして、接合金物24が下端部に固定された柱部材25が、接合金物24のベースプレート26の下面と基礎コンクリート3の上面の間に設けられたモルタル層6を介して、基礎コンクリート3の上に立設されている。
そしてこのとき、接合金物24のベースプレート26の下面に設けられた突出部28は、図1に示すように、その上端部から下端部までの全ての部分が、モルタル層6の上面より下方に配置されて、モルタル層6の内部に埋設されるようになっている。
一方、基礎コンクリート3の内部には、図1に示すように、複数のアンカーボルト8が、その長さ部分が基礎コンクリート3の内部に図中上下方向に伸び、その上端部が基礎コンクリート3の上面より上方に突出するように埋設されている。
そして、これらのアンカーボルト8の上端部は、モルタル層6を図1中上下方向に貫いて、接合金物24のベースプレート26に形成されたボルト挿通孔26aに下方から緩く挿通され、ベースプレート26の上面より上方に突出するアンカーボルト8の上端部のオネジ部には、ナット10がネジ締結されている。
このような本実施の形態に係る接合金物24を用いることにより、接合金物24の突出部28を、柱脚部に作用するせん断力を基礎コンクリートへ効率よく伝達するためのシアコッターとして利用することができるため、建築構造物の柱脚部に作用するせん断力を効率よく基礎コンクリートへと伝達することができる。
また、本実施の形態に係る接合金物24を用いた接合構造22によれば、モルタルを注入した際に、接合金物24の入隅部に当たる部分のモルタル層6に、エア溜りが形成されることを防止することができる。
すなわち、接合金物24の入隅部に隅面R1,R2,R3,R4が形成されていることにより、入隅部の領域そのものが小さくなると共に、注入したモルタルが隅面R1,R2,R3,R4に沿って入隅部の奥まで流れ込み易くなっている。
それにより、注入したモルタルが硬化した際に、モルタル層6に空隙G(図12参照)が形成されることを防止することができるため、柱部材5の柱脚部に作用する力を確実に基礎コンクリートへと伝達することができる。
また、本実施の形態に係る接合金物24によれば、十分な強度を有したまま、突出部28を小型化して、接合金物24の軽量化を図ることができる。
すなわち、図1に示す接合金物24を用いた接合構造22においては、図9に示す従来の接合金物14を用いた接合構造12と同様に、接合金物24の突出部28の各側面に生じる反力によって作用する曲げモーメントは、突出部28の下端部に比べて上端部の方が大きくなるため、突出部28とベースプレート26の接合部に、最も大きな負荷がかかるようになっている。
そして、接合金物24は、負荷の大きい突出部28の上端部の水平断面形状が下端部に比べて大きくなっているため、接合金物24の耐力を向上させることができ、また、負荷の小さい突出部28の下端部の水平断面形状は上端部に比べて小さいため、十分な強度を有したまま、突出部28を小型化して、接合金物24の軽量化を図ることができる。
それにより、接合金物24に使用する材料の量を低減したり、製造時の溶接量を減少することができるため、接合金物24の製造コストを低減することができ、また、接合金物24が軽量化されることにより、接合金物24を柱部材25の下端部に溶接して固定する際の取り回しも向上するため、接合構造22の施工コストを低減することができる。
さらに、接合金物24の入隅部に隅面R1,R2,R3,R4が形成されていることにより、負荷が接合金物24の入隅部の狭い領域に集中することを防止することができるため、接合金物24の耐力を向上させることができる。
このように、本実施の形態に係る接合金物24によれば、せん断力や曲げモーメントをコンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく確実に伝達するために、モルタル注入時にエア溜りができることを防止すると共に、せん断力や曲げモーメントに対して十分な耐力を有したまま軽量化を図ることにより、コストを低減することができる。
なお、本発明は、前記実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、種々の変更が可能である。
例えば、前記実施の形態に係る接合金物24においては、突出部28は、その垂直断面が直線状に形成されているが、突出部28の垂直断面は、突出部28の水平断面が上端部から下端部に向かうにつれて徐々に小さくなるような形状であれば、どのような形状であってもよく、例えば、弧状(曲線状)や階段状等、直線状以外の形状に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態に係る接合金物24においては、接合金物24の入隅部に形成された隅面R1,R2,R3,R4は、断面が略円弧状の曲面(R面)に形成されているが、モルタル層6を形成するためのモルタルが入隅部の奥まで充填されるような形状であれば、どのような形状であってもよく、例えば、1又は複数の平面によって入隅部を形成する複数の面を繋ぐような隅面が形成されていてもよい。
そして、入隅部に形成される形成される隅面の大きさも、モルタルが入隅部の奥まで充填され、モルタル層6が空隙なく形成されるような形状であれば、どのような大きさであってもよい。
また、前記実施の形態に係る接合金物24においては、ベースプレート26は、その平面形状が略正方形に形成されているが、ベースプレート26の平面形状は正八角形や円形など、正方形以外の形状に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態に係る接合金物24においては、ベースプレート26の上面や下面はいずれも平坦に形成されているが、それらの部分は平坦でなくともよく、例えば、ベースプレート26の上面に、ベースプレート26の強度を向上させるためのリブを形成したり、ベースプレート26の下面に、モルタル層6との付着力を向上させるための凹凸形状を形成してもよい。
また、前記実施の形態に係る接合金物24においては、ベースプレート26には、それぞれの四隅部に2つずつ、合計8つのボルト挿通孔26aが形成されているが、ベースプレート26に形成されるボルト挿通孔26aの数は、8つより少なくてもよいし多くてもよく、また、ボルト挿通孔26aがベースプレート26の四隅部以外の位置に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態に係る接合金物24においては、突出部28は、その平面形状が略十字型に形成されているが、接合金物24の突出部28は、例えば、平面形状が中心から八方に放射状に広がるような形状や、円筒状、角筒状等の、十字型以外の形状に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態に係る接合金物24においては、突出部28は、ベースプレート26の下面に1つ設けられているが、ベースプレート26の下面に2つ以上の突出部28が設けられていてもよい。
また前記実施の形態に係る接合金物24を用いた接合構造22においては、図1に示すように、接合金物24は、基礎コンクリート3の上に立設される柱部材25の下端部に設けられていたが、図11に示す接合構造19,20と同様に、接合金物24を、コンクリートによって形成された梁の長さ途中部にブレースの端部を固定するために用いてもよい。
すなわち、図6に示すように、接合金物24を、基礎梁7の長さ途中部に、モルタル層6を介して、突出部28がモルタル層6の内部に埋設するように配置し、アンカーボルト8とナット10を用いて固定し、そのベースプレート26の上面にガセットプレート17を溶接等により固定し、2つのブレース9のそれぞれの端部がガセットプレート17に連結されてボルト等により固定されるような、接合構造29を用いてもよい。
また、前記第1の実施の形態に係る接合金物24は、コンクリートにより形成されていれば、基礎や梁以外の構造物に設けることができるため、接合金物24を、そのようなコンクリートにより形成された基礎や梁以外の構造物に柱部材やブレースの端部を固定するために用いてもよい。
2 接合構造
3 基礎コンクリート
4 接合金物
4a ボルト挿通孔
5 柱部材
6 モルタル層
7 基礎梁
8 アンカーボルト
9 ブレース
10 ナット
12 接合構造
14 接合金物
16 ベースプレート
16a ボルト挿通孔
17 ガセットプレート
18 突出部
19 接合構造
20 接合構造
22 接合構造
24 接合金物
25 柱部材
26 ベースプレート
26a ボルト挿通孔
28 突出部
28a 第1垂直板部
28b 第2垂直板部
29 接合構造
M,M0 曲げモーメント
T 引張力
C 圧縮力
F せん断力
f 反力
R1,R2,R3,R3 隅面

Claims (8)

  1. コンクリートによって形成された構造物の上にモルタル層を介して設けられる接合金物であって、
    板状のベースプレートと、
    前記ベースプレートの下面から突出するように設けられた突出部と、を備え、
    前記接合金物の入隅部に、前記入隅部を形成する面同士を繋ぐように隅面が形成され、
    前記突出部の上端部から下端部までの全ての部分が、前記モルタル層の上面より下方に配置されて、前記モルタル層の内部に埋設されるように構成された
    ことを特徴とする接合金物。
  2. 前記隅面は、断面形状が前記入隅部を形成する面同士を滑らかに繋ぐような凹形状の略円弧状に形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合金物。
  3. 前記突出部は、水平断面形状が略十字型に形成され、上端部から下端部に向かうにつれて水平断面形状が徐々に小さくなるように形成された
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の接合金物。
  4. 前記接合金物は、鋳造により、前記ベースプレートと前記突出部が一体的に成型された
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の接合金物。
  5. 前記接合金物は、前記ベースプレートと前記突出部が別部材として形成され、
    前記突出部が、前記ベースプレートの下面に溶接により固定された
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の接合金物。
  6. 前記隅面は、前記溶接により溶接個所に形成される溶接金属の肉盛部として形成された
    ことを特徴とする請求項5に記載の接合金物。
  7. 前記接合金物は、コンクリートによって形成された基礎に立設される柱部材の下端部に設けられ、
    前記ベースプレートは、その平面形状が前記柱部材の水平断面形状より大きくなるように形成されると共に、前記ベースプレートの上面に前記柱部材の下端部が固定された
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の接合金物。
  8. 前記接合金物は、コンクリートによって形成された梁の長さ途中部に設けられ、
    前記ベースプレートの上面に設けられたガセットプレートにブレースの端部が固定された
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の接合金物。
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