JP2021172998A - 掘削用チップ及び掘削用ビット - Google Patents

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Abstract

【課題】容易にチップ頂部を硬い岩盤に食い込ませることが出来て、側面で地盤や岩盤を効率的に切削することが出来る掘削用チップと、それを用いた掘削用ビットの提供。【解決手段】本発明の掘削用チップ(1)は、回転体(例えば円錐)の側面を周方向全域に亘って等間隔に面取りした部分が形成されており、面取りした部分の横断面形状が正六角形或いは正五角形となっており、隣接した面取りした部分の境界線(1C:稜線)及び頂点(1D)にはアールが形成されている。またリングビット(10)は、半径方向中央の領域と半径方向外方の領域と半径方向中央の領域より半径方向内側の領域の各々には、円周方向に等間隔で前記チップ(1)が配置されており、半径方向外方の領域に配置されたチップ(1)における1本の前記境界(1C:稜線)がリングビット(10)の外周面10Aよりも半径方向外方に突出している。【選択図】図1

Description

本発明は、岩盤等の掘削に用いられる掘削用ビット(リングビット、インナービット)と、それに設けられる超硬チップに関する。
掘削用ビットで用いられる超硬チップはタングステン粒子をコバルトで結合した材料で製造されており、コバルト含有量が多いと耐衝撃性(靭性)に優れて破損し難いチップとなり、タングステン含有量が多いと硬くて耐摩耗性に優れ、固い岩盤も切削可能なチップとなる。
従来の超硬チップとして、球状のラウンドチップ、円錐形のスパイクチップ、円錐形の頂部が球状に構成されたセミボタン、断面形状が不等辺五角形のハウスチップ(断面がハウス形状のチップ)、長手方向寸法が長いハウスチップをビットで直交して配置したクロスチップ、2種類の円錐を組み合わせたダブルコニカルチップ、円錐形の側面(傾斜面)が球面或いはアールが形成されているバリスティック(バリスティックボタン)チップ、バリスティックチップの側面におけるアールをさらに大きくしたパラボリックチップ、セミボタンチップをより先鋭な形状(尖った或いはシャープな形状)のスパイクチップ、その他が存在する。
これ等のチップは、ハウスチップ、クロスチップを除き、回転体形状に構成されている。
しかし、回転体形状であるため、チップの頂部を硬い岩盤に食い込ませることができても、曲面で構成されているチップ側面(例えば円錐形状の傾斜面)で岩盤を切り裂くことは困難である。
出願人は、先に軟質岩や粘土層を効率良くボーリングすることが可能なハウスチップを提案している(特許文献1参照)。係るハウスチップは、全体が不等辺五角形の平板状に形成され、平坦部上部の二つの斜面が不等長であり、不等辺五角形の平面がビット回転方向に対して垂直に配置されている。しかし、係るハウスチップは軟質岩や粘土層を効率良く切削することは出来るが、全体形状が平板状であるため、回転体形状のチップの様にチップ頂部を硬い岩盤に食い込ませることは出来ない。
実用新案登録第2528822号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、容易にチップ頂部を硬い岩盤に食い込ませることが出来て、しかも側面で地盤や岩盤を効率的に切削することが出来る掘削用チップと、それを用いた掘削用ビットの提供を目的としている。
本発明の掘削用チップ(1)は、
回転体(例えば円錐)の側面を周方向全域に亘って等間隔に面取りした部分が形成されており、面取りした部分の横断面形状が正六角形或いは正五角形となっており、
隣接した面取りした部分の境界線(1C:稜線)及び頂点(1D)にはアールが形成されていることを特徴としている。
また本発明の掘削用ビット(10)は、
リングビットであって、
先端部(地中側端部)に埋設されているチップ(1)は、回転体(例えば円錐)の側面を周方向について等間隔に面取りした全体形状を有し、面取りした部分の横断面形状が正六角形或いは正五角形となっており、隣接した面取りした部分の境界線(1C:稜線)及び頂点(1D)にはアールが形成されており、
リングビット(10)の半径方向中央の領域と半径方向外方の領域と半径方向中央の領域より半径方向内側の領域の各々には、円周方向に等間隔で前記チップ(1)が配置されており、
リングビット(10)の半径方向外方の領域に配置されたチップ(1)における1本の前記境界(1C:稜線)がリングビット(10)の外周面(10A)よりも半径方向外方に突出していることを特徴としている。
そして、リングビット(10)の円周方向について隣接する前記半径方向外方の領域のチップ(1)の間には溝(11:掘削された排泥用の溝)が形成されており、当該溝(11)のビット回転方向後方には硬装盛部分(12)が設けられているのが好ましい。
或いは本発明の掘削用ビット(20)は、
インナービットであって、
先端部(地中側端部)に埋設されているチップ(1)は、回転体(例えば円錐)の側面を周方向について等間隔に面取りした全体形状を有し、面取りした部分の横断面形状が正六角形或いは正五角形となっており、隣接した面取りした部分の境界線(1C:稜線)及び頂点(1D)にはアールが形成されており、
半径方向について中心軸近傍の領域と半径方向外方の領域と中心軸近傍の領域と半径方向外方の領域の中間の領域の各々には、円周方向に等間隔で前記チップ(1)が配置されており、
インナービット(20)の半径方向外方の領域に配置されたチップ(1)における1本の前記境界(1C:稜線)がインナービット(20)の外周面(20A)よりも半径方向外方に突出していることを特徴としている。
上述の構成を具備する本発明のチップ(1)によれば、全体形状は回転体(例えば円錐)の側面を周方向について等間隔に面取りした形状であり、回転体形状をベースとしているため、従来の回転体形状をしたチップと同様に、チップ頂部を食い込ませて硬い岩盤でも掘削することが出来る。
一方、本発明のチップ(1)では、隣接した面取りした部分の境界線(1C:稜線)がエッジとして機能して掘削対象である岩盤、地盤を切り裂くことが出来る。そのため、従来の回転体形状のチップに比較して、掘削対象である岩盤、地盤の切削量が多くなり、岩盤や地盤を効率的に切削することが出来る。
すなわち本発明によれば、従来の回転体形状チップの利点と、非回転体形状のチップの利点を併せ持つことが出来る。
また本発明のチップ(1)は、横断面が六角形或いは五角形となる様に側面を円周方向全域に亘って面取りしているため、面取りされた各面が受ける衝撃力が小さくなり、その分だけチップ(1)の衝撃吸収性が向上する。
そして、衝撃吸収性が向上することにより、本発明のチップ(1)は掘削対象である岩盤或いは地盤に突き刺さり易く、しかも破損し難い(欠け難い)という性質を有している。
さらに本発明のチップ(1)では、隣接した面取りした部分の境界線(1C:稜線)にアールが形成されているため、当該境界線(1C)をエッジとして硬い岩盤を切り裂く際に、当該エッジの破損を抑制することが出来る。
或いは本発明のチップ(1)では頂部(1D)にアールが形成されているため、当該アールの大きさを適宜選定することにより、掘削対象である岩盤或いは地盤に適した構造を選択することが出来る。例えば頂部(1D)のアールを小さく構成すれば、掘削対象である岩盤、地盤に食い込み易くなる。一方、頂部(1D)のアールを大きく構成すれば、削孔速度は遅くなるが、チップ頂部が破損し難くなる。
また本発明のビット(10)では、上述したチップ(1)が先端部(地中側端部)に埋設されているため、チップ(1)の頂部を掘削対象である岩盤或いは地盤に食い込ませると共に、チップ(1)の面取りした部分の境界線(1C:稜線)がエッジとして機能して掘削対象である岩盤、地盤を切り裂くため、掘削対象である岩盤、地盤に良好に食い込みつつ、効率的に切削するので、掘削が効率的に行われる。
さらに、半径方向外方の領域に配置されたチップ(1)における1本の前記境界(1C:稜線)がビット(10)の外周面(10A)よりも半径方向外方に突出しているため、当該境界(1C)と接触する岩盤或いは地盤は切削される。そして境界(1C)で切削される分だけ、岩盤或いは地盤とビット(10)との摩擦が減少して、回転駆動源からの回転がビット(10)へ良好に伝達される。
ここで、リングビット(10)の円周方向について隣接する前記半径方向外方の領域のチップ(1)の間には溝(11:掘削された排泥用の溝)が形成されている。前記チップ(1)により岩盤や地盤は切削されるので、溝(11)のビット回転方向前方の領域は岩盤や地盤と接触して破損する恐れはない。しかし、ビット回転方向後方の領域は、岩盤や地盤と接触して破損する可能性がある。
これに対して本発明において、溝(11)のビット回転方向後方に硬装盛部分(12)を設けていれば、硬装盛部分(12)によりビット回転方向後方の領域の破損を防止することが出来て、ビット(10)の長寿命化が期待できる。
本発明のチップの第1実施形態を示す側面図である。 図1のチップの左側面図である。 本発明のチップの第2実施形態を示す側面図である。 図3の左側面図である。 本発明のチップの第3実施形態を示す側面図である。 図5の左側面図である。 本発明のチップの第4実施形態を示す側面図である。 図7の左側面図である。 本発明に係るリングビットの実施形態を示す図である。 図9におけるAA断面図である。 本発明に係るインナービットの実施形態を示す図である。 図11におけるBB断面図である。 チップ横断面における周方向の一部の範囲のみを面取りした場合の不具合を説明するための図である。 図13で示すチップの左側面図である。 チップ横断面の周方向の全域に亘って面取りがされない場合の不具合を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に、本発明のチップの第1実施形態について、図1、図2を参照して説明する。
図1、図2に示す第1実施形態に係るチップ1は、先端部1Aと円柱状の後端部1Bが一体に形成されており、先端部1Aと後端部1Bの回転軸C1は共通している。先端部1Aは、円錐側面を周方向全域に亘って、且つ先端部1Aの中心軸C1方向の略々全域に亘って、等間隔に面取りした部分が形成され、面取りした部分の横断面形状は正六角形となっている。換言すれば、先端部1Aの中心軸方向の概略全域が正六角錐状に形成されている。
チップ1における円柱状の後端部1Bは、リングビット或いはインナービットにおけるチップ取付孔13、14(図10、図12)に埋設され、公知技術により強固に取り付けられる。
図1、図2では明示されていないが、隣接した面取りした部分の境界線1C(6本の稜線)には微小なアールが形成され、チップ1の頂点1Dにもアールが形成されている。
ここで、チップの材質としては、タングステン粒子をコバルトで結合した材料が使用されている。
回転体形状である円錐の側面を面取りした形状のチップ1で掘削すると、従来の回転体形状と同様に、チップ1の頂部を食い込ませることが出来るので、硬い岩盤でも容易に掘削することが出来る。一方、隣接した面取りした部分の境界線1C(稜線)はエッジとして機能するので、当該エッジにより岩盤、地盤を切り裂くことが出来る。そのため、従来の回転体形状のチップに比較して岩盤、地盤の切削量が多く、岩盤や地盤を効率的に切削することが出来る。換言すれば、第1実施形態に係るチップ1は、従来の回転体形状チップの利点と、非回転体形状のチップの利点を併せ持っている。
第1実施形態に係るチップ1は、先端部1Aの周方向全域に亘って、且つ、中心軸1C方向の概略全域に亘って、横断面が六角形になる様に、側面を等間隔に面取りしている。そのため、掘削の際に面取りされた各々の面が受ける衝撃力が小さくなり、チップ1全体として衝撃吸収性が向上する。そして、先端部1Aを横断面が正六角形となる様に面取り連れたチップ1は、その頂部1Dが岩盤或いは地盤に突き刺さり易くなり、しかも破損し難い。
さらに、図示の第1実施形態のチップ1は、隣接した面取りした部分の境界線1C(稜線)にアールが形成されているため、境界線1Cをエッジとして作用して硬い岩盤を切り裂く際に破損を抑制することが出来る。
同様にチップ1の頂部1Dにもアールが形成されており、そのアールの大きさ(曲率半径)を掘削対象である岩盤或いは地盤に対応して適宜選定することにより、掘削に最適な構造を達成することが出来る。ここで、頂部1Dのアール(の曲率半径)を小さく設定すれば、掘削対象である岩盤、地盤に食い込み易くなる。一方、頂部1Dのアール(の曲率半径)を大きく設定すれば、削孔速度は遅くなるが、チップ頂部1Dが破損し難くなる。
図1、図2の第1実施形態では、円錐形を断面6角形となる様に先端部1Aの側面を面取りしてチップ1を形成しているが、当該円錐形の側面は単一の傾斜(テーパー)となっている。換言すれば、先端部1Aは円錐形のスパイクチップに面取りを施した形状である。
それに対して図3、図4の第2実施形態に係るチップ1−1は、2種類の円錐を組み合わせて側面が構成されているダブルコニカルチップに面取りを施した形状に構成されている。
図3、図4において第2実施形態に係るチップは全体を符号1−1で示されており、切削部である先端部1−1Aと円柱状の後端部1−1Bが一体に形成されている。第1実施形態に係るチップ1と同様に、チップ1−1の先端部1−1Aは、回転体である円錐の側面を周方向全域に亘って、且つ、中心軸C1の方向の概略全域に亘って、等間隔に面取りした部分が形成されており、面取りした部分の横断面形状が正六角形となっている。
上述した通り、第2実施形態のチップ1−1において、先端部1−1Aの側面の傾斜(テーパー)は2種類の異なる数値となっており、先端側(図3の左側)の面取りの傾斜は後端側(図3の右側)の面取りの傾斜に比較して、中心軸C1と為す傾斜角度が大きい。隣接した面取りした部分の境界線1−1Cも折れ曲がった6本の稜線で構成されている。
第1実施形態と同様に、境界線1−Cには微小なアールが形成されており、チップ1−1の頂点1−1Dにもアールが形成されている。
図示の第2実施形態に係るチップ1−1におけるその他の構成、作用効果は、図1、図2の第1実施形態と同様である。
次に、図5、図6を参照して第3実施形態を説明する。
第3実施形態に係るチップ1−2は、図1、図2の実施形態と同様な形状である。ただし、図1、図2では、面取りを施した先端部1Aの横断面形状が正六角形であるのに対して、図5、図6の第3実施形態では、面取りを施した先端部1−2Aの横断面形状が正五角形である。
図5、図6におけるチップ1−2は、図1、図2のチップ1と同様な形状をしているが、図1、図2のチップ1の先端部1Aの横断面形状が正六角形であるのに対して、図5、図6のチップ1−2における先端部1−2Aの横断面形状は正五角形となっている。すなわち、チップ1−2の先端部1−2Aは概略正五角錐形状である。
図示の第3実施形態に係るチップ1−2におけるその他の構成、作用効果は、図1〜図4の第1実施形態、第2実施形態と同様である。
次に、図7、図8を参照して、第4実施形態を説明する。
図7、図8の第4実施形態に係るチップ1−3は、図3、図4のチップ1−1と同様に、先端部1−3Aは2種類の円錐を組み合わせ且つ面取りを施した形状である。ただし、図3、図4では、先端部1−1Aの横断面形状が正六角形であるのに対して、図7、図8の第3実施形態では、先端部1−3Aの横断面形状が正五角形である。
図示の第4実施形態に係るチップ1−3におけるその他の構成、作用効果は、図3、図4の第2実施形態と同様である。
ここで、同一サイズのチップ1では、先端部1A、1−1Aの横断面形状が正六角形のチップ1、1−1の方が、先端部1−2A、1−3Aの横断面形状が正五角形のチップ1−2、1−3に比較して、面取りを施した部分(面取りを施した各面)における面積が小さく、そのため、掘削の際に面取りされた各面が受ける衝撃力が小さくなり、チップ1の衝撃吸収性が向上する。ただし、横断面形状正五角形のチップ1−2、1−3も実施可能である。
ここで、図示の実施形態に係るチップ1、1−1、1−2、1−3において、先端部1A、1−1A、1−2A、1−3Aの横断面形状は正六角形或いは正五角形である。先端部1A、1−1A、1−2A、1−3Aの横断面形状は正六角形或いは正五角形である理由について、以下に説明する。
例えば図13、図14に示す様に、チップ1の先端部1Aの横断面において、周方向の一部の範囲Pのみに面取りを施した場合(2箇所のみ面取りして、他の部分は円形断面に形成した場合)には、面取りした一部の範囲Pにおける境界線P1(稜線)のみにエッジ1Cが形成される。
ビットについて後述する様に、掘削用ビットにおいて、エッジ1Cを半径方向外方に位置させることが要求される。しかし、チップ1のビットへの埋め込みは手作業で行われており、微小なチップ1のエッジ1Cを正確に半径方向外方に位置させることは困難である。そのため、円周方向の一部の範囲P内のP1にのみ形成されているエッジ1Cをビットの半径方向外方に配置させることが困難である。
それに対して、先端部1Aに面取りを施した部分の横断面形状が正六角形(図1〜図4)或いは正五角形(図5〜図8)であれば、不正確な手作業であっても、何れかのエッジ1Cをビット10の半径方向外方に位置させることが出来る。
また、先端部1A、1−1A、1−2A、1−3Aの横断面形状を正六角形或いは正五角形に形成するためには、先端部1A、1−1A、1−2A、1−3Aの周方向全周(周方向全域)に亘って面取りしなければならない。
例えば、図15で示す様に、先端部1Aの円周方向の全周に亘って面取りがされておらず、円錐における回転形状が残存している場合(面取りされない部分が存在する場合)には、面取りした部分Q1と面取りしていない部分Q2との境界Q3がエッジとして作用する。しかし、係る境界(エッジ)Q3は、面取りされていない部分の曲面よりも半径方向外方には突出しないので、エッジとして作用することが出来ず、切削効果の向上が期待できないからである。
さらに、先端部1Aの横断面形状が正六角形或いは正五角形の様な正多角形であり、中心点(中心軸C1)に対して点対称な形状であるのは、横断面形状が不等辺多角形状或いは中心点に対して非対称な図形であると、隣接する面取りの境界線(稜線:エッジ)が周方向について等間隔に配置されない。そのため、掘削抵抗が周方向について不均一となり、真直に掘削することが出来ないからである。
次に、本発明の掘削用ビットの実施形態について説明する。
先ず図9、図10を参照して、リングビットに係る実施形態を説明する。
図9、図10において、リングビット10は概略円筒形状に形成されている。リングビット10の先端側(図10で右側)は、後端側(図10で左側)よりも外径が大径であり、円環形状の先端部(地中側端部:図10の右側端部)はリングビット10における掘削部を構成する。
リングビット10の掘削部(図10の右側端部)には、図9で示す様に、リングビット10の半径方向中央の領域と、半径方向外方の領域と、前記半径方向中央の領域と前記半径方向外方の領域の中間の領域が設けられている。そして、各領域には、円周方向に等間隔でチップ1が配置される。ここで、半径方向中央の領域は、半径方向について、半径方向外方の領域と半径方向中央の領域より半径方向内側の領域との間に位置している。
図9、図10におけるチップ1は、図1〜図8を参照して説明した第1〜第4実施形態に係るチップ1、1−1、1−2、1−3の何れかより、その用途に応じて適宜選択することが出来る。
図9、図10において、リングビット10の半径方向中央の領域に配置されるチップを符号1Z、半径方向外方の領域に配置されるチップを符号1Y、前記半径方向中央の領域(チップ1Zが配置されている領域)と前記半径方向外方の領域(チップ1Yが配置されている領域)の中間の領域に配置されるチップを符号1Zで示す。ただし、チップ1X、1Y、1Zは同一のチップであり、配置されるビット上の位置や向きが異なるのみである。
図9において、チップ1Xは計3個、チップ1Yは計12個、チップ1Zは計3個が配置されており、チップ1X、1Y、1Zの各々は、配置されるそれぞれの領域(半径方向中央の領域、半径方向外方の領域、半径方向中央の領域より半径方向内側の領域)において円周方向に等間隔で配置されている。
チップ1X、1Y、1Zは、円柱状の後端部1B(1−1B、1−2B、1−3B)をビット10における断面円形のチップ取付孔13(図10)に埋設し、先端部1A(1−1A、1−2A、1−3A)を先端面から突出させて、公知技術によりリングビット10に固定している。
チップ1X(半径方向中央の領域に配置されるチップ)は、先端部1Aの突出方向が掘削方向(或いは、中心軸C2方向)と一致している。チップ1Y(半径方向外方の領域に配置されるチップ)は、先端部1Aの突出方向が掘削方向と半径方向外方の中間の斜め方向である。チップ1Z(半径方向中央の領域より半径方向内側の領域に配置されるチップ)の先端部1Aの突出方向は、掘削方向と半径方向内方の中間の斜め方向である。
各領域に配置されるチップ1の方向をこの様に設定することにより、地盤、岩盤掘削を効率的に行うことが出来る。
ここで、リングビット10の半径方向外方の領域に配置されるチップ1Yにおいて、リングビット10の半径方向外方に位置する1本の稜線1Cがリングビット10の外周面10Aより半径方向外方に突出している。例えば、リングビット10の外形寸法が100mmであれば、稜線1Cがリングビット10の外周面10Aより半径方向外方に突出している寸法は1mm程度である。
半径方向外方に突出している1本の稜線1Cが、リングビット10の外周面10Aよりも半径方向外方における(掘削するべき)岩盤や地盤を切削する。そして稜線1Cが岩盤や地盤を切削ことにより、リングビット10による掘削効率が向上する。
また、当該1本の稜線C1以外の稜線も、リングビット10の掘削方向前方に位置する岩盤や地盤を切削する。
リングビット10の半径方向中央の領域に配置されるチップ1X、半径方向中央の領域より半径方向内側の領域に配置されるチップ1Zは、それぞれのチップ1X、1Zにおける全ての稜線1C(エッジ、正六角形は6本、正五角形は5本)が、リングビット10の掘削方向前方における地盤、岩盤の切削に寄与している。
また、リングビット10の円周方向について、半径方向外方の領域に配置されるチップ1Yの間には、排泥のための溝11が全周で合計6本形成されている。
そして、排泥溝11のリングビット回転方向(反時計方向)後方には硬装盛部分12が設けられている。
なお、地盤や岩盤の掘削の際には、リングビット10の内部空間に後述するインナービット20を配置する。
図9、図10において、リングビット10の先端には、図1〜図8で説明したチップ1〜1−3(第1〜第4実施形態に係るチップ)の何れかが埋設されているため、チップ1の頂部1Cが掘削対象である岩盤或いは地盤に容易に食い込ませることが出来る。それと共に、チップ1の面取りした部分の境界1C(稜線)がエッジとして機能して、掘削対象である岩盤、地盤を切り裂く。その結果、リングビット10によれば、チップを岩盤、地盤に良好に食い込ませ、且つ、チップにより岩盤、地盤を切り裂いて、効率的な掘削が行われる。
さらに、半径方向外方の領域に配置されたチップ1Yにおいて、前記境界1C(稜線)がリングビット10の外周面10Aよりも半径方向外方に突出しているため、リングビット10が回転した際に、当該境界1C(エッジ)が全域に亘って岩盤等を切削する。リングビット10の外周面と接触する岩盤或いは地盤が切削されて、リングビット10の外周面と岩盤或いは地盤との摩擦が減少する。そして、図示しない回転駆動源からの回転がリングビット10へ効率良く伝達される。
全域に亘って岩盤等を切削する境界1C(エッジ)を有するチップ1Y(半径方向外方の領域に配置されたチップ)では、当該境界1Cが破損する(チップの割れ、欠けが生じる)恐れがあるが、チップ1の材料を適宜選択して、例えば靭性に富んだ材料を用いれば、エッジ1Cの破損を防止して、リングビット10の長寿命化することが期待できる。
上述した様に、図9、図10のリングビット10において、チップ1X、チップ1Y、チップ1Zの突出方向は異なっており、掘削に際して、効率良く地盤、岩盤を掘削できるように構成されている。
そしてリングビット10では、半径方向外方の領域のチップ1Yについて、円周方向に隣接するチップ1Y間には排泥のための溝11が形成されている。係る排泥溝11のリングビット回転方向後方の領域は、岩盤や地盤と接触して破損する可能性がある。
図9、図10のリングビット10では、排泥溝11のリングビット回転方向(反時計方向)後方に硬装盛部分12が設けられており、排泥溝11の破損を防止することが出来る。
次に図11、図12を参照して、インナービット20に係る実施形態を説明する。
図11、図12で示すインナービット20は、鋼材等の金属材料により一体に形成され、軸線C3を中心とした回転体形状であり、リングビット10の内部空間に挿入し、図示しない機構により固定可能に構成されている。インナービット20の先端側(図12で右側部分)は、後端側(図12で左側部分)よりも外径が大径であり、先端部(先端面、地中側端部)はインナービット20における掘削部を構成する。
インナービット20の先端部(掘削部)において、半径方向について、中心軸近傍の領域と、半径方向外方の領域と、前記中心軸近傍の領域と前記半径方向外方の領域の中間の領域には、それぞれ、円周方向に等間隔でチップ1が配置される。それぞれの領域に配置されるチップ1は、リングビット10と同様に、図1〜図8に示す第1〜第4実施形態のチップ1(チップ1〜1−3)の何れかが選択される。
図11、図12において、インナービット20の半径方向について、中心軸近傍の領域に配置されるチップを符号1P、半径方向外方の領域に配置されるチップを符号1Q、前記中心軸近傍の領域(チップ1Pが配置される領域)と半径方向外方の領域(チップ1Qが配置される領域)の中間の領域に配置されるチップを符号1Rで表示する。換言すれば、チップ1P、1Q、1Rは同一のチップであるが、配置される領域が異なっている。なお、チップ1Rの配置される位置は、厳密に定義すると2種類に分けられる。
図11において、チップ1Pは2個、チップ1Qは6個、チップ1Rは4個が配置されており、チップ1P、1Qはそれぞれの領域において円周方向について等間隔に配置されている。
チップ1P(中心軸近傍の領域に配置されるチップ)は先端部1Aの突出方向が掘削方向(中心軸C3方向)と一致している。チップQ(半径方向外方の領域に配置されるチップ)とチップ1R(中心軸近傍の領域と半径方向外方の領域の中間の領域に配置されるチップ)における先端部1Aの突出方向は、掘削方向或いはインナービット20の中心軸方向に対して傾斜した方向となっている。地盤、岩盤の掘削を効率的に行うためである。
ここで、インナービット20の半径方向外方の領域に配置されるチップ1Qにおける1本の稜線1C(エッジ)がインナービット20の外周面20Aより半径方向外方に突出しており、当該稜線1C全域で岩盤、地盤を切削することが出来る。これにより、切削効率を向上している。
図11、図12において、チップ1Qの間には、掘削された排泥のための溝15が形成されている。そして図11、図12における符号16は、切削水或いは圧縮エア等の流体の供給通路を示している。図示しない供給源から供給される切削水或いは圧縮エア等の流体は供給通路16内を流れ、インナービット20の先端部(掘削部)から地盤や岩盤に向けて噴射される。
図11、図12に示す実施形態のインナービット20におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図10の実施形態と同様である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、図示のチップはスパイクチップに面取りを施した形状、或いは、ダブルコニカルチップに面取りを施した形状に構成されているが、その他の回転体形状のチップに面取りを施して、その横断面を正六角形或いは正五角形に形成することも可能である。
1・・・チップ
1A・・・チップの先端部
1B・・・チップの後端部
1C・・・境界線(隣接した面取りした部分の境界線、稜線)
1D・・・頂点
10・・・リングビット
10A・・・リングビット1の外周面
20・・・インナービット
20A・・・インナービットの外周面
11・・・排泥用の溝
12・・・硬装盛部分

Claims (4)

  1. 回転体の側面を周方向全域に亘って等間隔に面取りした部分が形成されており、面取りした部分の横断面形状が正六角形或いは正五角形となっており、
    隣接した面取りした部分の境界線(稜線)及び頂点にはアールが形成されていることを特徴とする掘削用チップ。
  2. リングビットであって、
    先端部に埋設されたチップが、回転体の側面を周方向について等間隔に面取りした全体形状を有し、面取りした部分の横断面形状が正六角形或いは正五角形となっており、隣接した面取りした部分の境界線(稜線)及び頂点にはアールが形成されており、
    半径方向中央の領域と半径方向外方の領域と半径方向中央の領域より半径方向内側の領域の各々には、円周方向に等間隔で前記チップが配置されており、
    半径方向外方の領域に配置されたチップにおける1本の前記境界がリングビットの外周面よりも半径方向外方に突出していることを特徴とする掘削用ビット。
  3. リングビットの円周方向について隣接する前記半径方向外方の領域のチップの間には溝が形成されており、当該溝のビット回転方向後方には硬装盛部分が設けられている請求項2の掘削用ビット。
  4. インナービットであって、
    先端部に埋設されたチップが、回転体の側面を周方向について等間隔に面取りした全体形状を有し、面取りした部分の横断面形状が正六角形或いは正五角形となっており、隣接した面取りした部分の境界線(稜線)及び頂点にはアールが形成されており、
    半径方向について中心軸近傍の領域と半径方向外方の領域と中心軸近傍の領域と半径方向外方の領域の中間の領域の各々には、円周方向に等間隔で前記チップが配置されており、
    半径方向外方の領域に配置されたチップにおける1本の前記境界がシャンクの外周面よりも半径方向外方に突出していることを特徴とする掘削用ビット。
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