JP2007277946A - 掘削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップの脱落や欠損及び摩耗を防止して寿命延長を図ることができるとともに、削孔速度を上昇させることができる掘削工具を提供する。
【解決手段】工具本体11の先端に複数のチップ20が植設された掘削部13が形成され、掘削部13の外径Dが95mm以下とされた掘削工具10であって、掘削部13には、工具本体11先端側を向くフェイス部14と、フェイス部14の外周端に配置されてフェイス部14と傾斜するように交差したゲージ部15とが設けられ、ゲージ部15に植設されたゲージチップ21は軸線Oと角度θで交差する方向を向くように配置され、ゲージチップ21の直径d1と外周チップ22の直径d2との比が、0.83≦d2/d1≦1.0の範囲内に設定されるとともに、ゲージチップ21の個数n1と外周チップ22の個数n2との比が、0.375≦n2/n1≦0.667の範囲内に設定されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル、砕石等の土木工事等において、地盤を掘削する際に用いられる掘削工具に関するものである。
地盤や土砂を掘削する掘削工具として、軸線に沿って延びる円柱状をなす工具本体と、この工具本体の先端に配置された超硬合金等の硬質材料からなる複数のチップとで構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
図5及び図6に従来の掘削工具の一例を示す。この掘削工具は、図5及び図6に示すように、軸線Oに沿って延びる概略円柱状をなす工具本体1を有している。
工具本体1の先端側(図6において右側)には、超硬合金等の硬質材料からなる複数のチップ2が植設された掘削部3が形成されている。ここで、チップ2は概略円柱状をなしており、その一端が半球状に形成されている。
掘削部3には、軸線Oに直交するフェイス部4とこのフェイス部4の外周端に連なり工具本体1径方向外側に向かうにしたがい漸次工具本体1後端側へと後退するように傾斜したゲージ部5とが設けられている。ゲージ部5のフェイス部4に対する傾斜角度θは、図6に示すように、θ=30°とされている。
また、ゲージ部5には4つの掘削屑排出溝6が形成されており、4分割された部分それぞれに2つのチップ2が植設されていて、ゲージ部5全体で8つのチップ2が配置されている。このゲージ部5に植設されたチップ2がゲージチップ2Aとされている。
フェイス部4は、その最外周に植設された2つの外周チップ2Bと、この外周チップ2Bよりも内周側に植設された2つの内周チップ2Cとを備えている。また、フェイス部4には、工具本体1の後端側まで連通する流体排出孔7が2つ穿設されている。
このような構成とされた掘削工具は、工具本体1の後端側に掘削ロッドが接続され、この掘削ロッドを介して掘削機械から回転力、打撃力及び推進力が与えられて、先端に配置した複数のチップ2によって岩盤を掘削するものである。
実開昭52−100001号公報 特開昭61−225488号公報
ところで、このような掘削工具において掘削部の外径Dが95mm以下の場合には、ゲージ部がフェイス部に傾斜するように配置されているので、ゲージ部に植設されたゲージチップとフェイス部の最外周に植設された外周チップとが、図6に示すように、チップの後端側が互いに干渉してしまうことになる。このため、ゲージチップと外周チップとを周方向で異なる位置に配置する必要があり、ゲージチップと外周チップの個数や配置が制限されることになり、図5及び図6に示す掘削工具では、ゲージチップを8つ、外周チップを2つ配置している。さらに、フェイス部には掘削時に発生する掘削屑を排出するための流体排出孔が穿設されているので、この流体排出孔を避けるようにフェイス部の内周チップ及び外周チップを配置しなければならず、外周チップの配置及び個数がさらに制限される。
このように外周チップの個数が少なくなっているので、ひとつの外周チップに作用する負荷が大きくなり、外周チップが破損してしまうおそれがあった。特に、外周側に配置されるチップは、回転軌跡が長くなって掘削時の負荷が大きいため、個数が少ない場合には破損しやすい傾向にある。
また、外周チップを多く配置するためにチップの埋め込み深さを短くすることが考えられるが、この場合にはチップを強固に固定できずに掘削時にチップが外れてしまうおそれがあった。
さらに、チップの個数が制限された場合には、ひとつのチップによって多くの岩盤等を掘削することになり、チップの摩耗が著しくなって、この掘削工具の寿命が短くなってしまうといった問題があった。
また、チップの個数が少ないために削孔速度を上昇させることができず、掘削作業を効率良く行うことができなかった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、ゲージ部に植設されたゲージチップとフェイス部の最外周に植設された外周チップの配置やサイズを調整することにより、チップの脱落、欠損及び摩耗を防止して寿命延長を図ることができるとともに、削孔速度を上昇させることができる掘削工具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る掘削工具は、軸線に沿って延びる工具本体を有し、該工具本体の先端に、硬質部材で構成された複数のチップが植設された掘削部が形成され、該掘削部の外径が95mm以下とされた掘削工具であって、前記掘削部には、前記工具本体先端側を向くフェイス部と、該フェイス部の外周端に配置されて前記フェイス部と傾斜するように交差したゲージ部とが設けられており、前記ゲージ部に植設された前記チップがゲージチップとされ、前記フェイス部の最外周に植設された前記チップが外周チップとされ、前記外周チップは、該外周チップの先端が前記工具本体先端側に向くように配置され、前記ゲージチップは、該ゲージチップの先端が前記工具本体先端側及び前記工具本体径方向外側に前記軸線と角度θで交差する方向を向くように配置され、前記ゲージチップの直径d1と前記外周チップの直径d2との比d2/d1が、0.83≦d2/d1≦1.0の範囲内に設定されるとともに、前記ゲージチップの個数n1と前記外周チップの個数n2との比n2/n1が、0.375≦n2/n1≦0.667の範囲内に設定されていることを特徴としている。
この構成の掘削工具においては、ゲージ部に植設されたゲージチップの直径d1とフェイス部の最外周に植設された外周チップの直径d2との比d2/d1が0.83以上とされているので、外周チップの大きさが確保されて外周チップの早期摩耗による掘削工具の短寿命化を防止することができる。また、d2/d1が1.0以下とされているので、外周チップが不必要に大きくなることがなく、外周チップの個数を確保することができる。
また、前記ゲージチップの個数n1と前記外周チップの個数n2との比n2/n1が、0.375≦n2/n1≦0.667の範囲内に設定されているので、外周チップの個数が確保されて削孔速度を上昇させることができるとともに、ゲージチップ及び外周チップの埋め込み深さを不必要に短くすることなくそれぞれ配置することができ、これらのチップの脱落を防止することができる。
つまり、この構成の掘削工具においては、外周チップの個数を多く配置するためにチップの埋め込み深さを短くする必要があり、チップの保持力が低下してしまうことになるが、外周チップの個数が増加するために1つの外周チップに作用する負荷が小さくなり、チップの脱落が防止されることになるのである。
また、本発明に係る掘削工具は、軸線に沿って延びる工具本体を有し、該工具本体の先端に、硬質部材で構成された複数のチップが植設された掘削部が形成され、該掘削部の外径が95mm以下とされた掘削工具であって、前記掘削部には、前記工具本体先端側を向くフェイス部と、該フェイス部の外周端に配置されて前記フェイス部と傾斜するように交差したゲージ部とが設けられており、前記ゲージ部に植設された前記チップがゲージチップとされ、前記フェイス部の最外周に植設された前記チップが外周チップとされ、前記外周チップは、該外周チップの先端が前記工具本体先端側に向くように配置され、前記ゲージチップは、該ゲージチップの先端が前記工具本体先端側及び前記工具本体径方向外側に前記軸線と角度θで交差する方向を向くように配置され、前記ゲージチップの直径d1と前記外周チップの直径d2との比d2/d1が、0.83≦d2/d1≦1.0の範囲内に設定されるとともに、前記ゲージチップの個数n1と前記外周チップの個数n2及び前記第2外周チップの個数n3との比(n2+n3)/n1が、0.375≦(n2+n3)/n1≦0.667の範囲内に設定されていることを特徴としている。
この構成の掘削工具においては、外周チップの直径d2に対して前記外周チップよりもd2/2以下だけ内側に第2外周チップが配置されているので、この第2外周チップの外周側部分においても外周チップが配置された部分を掘削することができる。そして、前記ゲージチップの個数n1と前記外周チップの個数n2及び前記第2外周チップの個数n3との比(n2+n3)/n1が、0.375≦(n2+n3)/n1≦0.667の範囲内に設定されているので、外周チップ及び第2外周チップの個数が確保されて削孔速度を上昇させることができるとともに、ゲージチップ及び外周チップ、第2外周チップの埋め込み深さを不必要に短くすることなく配置することができ、これらのチップの脱落を防止することができる。
ここで、前記角度θを35°以上とすることにより、ゲージチップが従来よりも外周側に向けられることになり、掘削に寄与する部分が大きくなって削孔速度を上昇させて効率良く掘削作業を行うことができる。また、前記角度θを40°以下とすることにより、工具本体に埋め込まれたゲージチップの後端と外周チップの後端とが干渉することを防止できる。
また、前記チップを、タングステンカーバイトを主成分とした焼結合金で構成し、その硬度Hを、HRA90≦H≦HRA91の範囲内に設定することにより、チップによって岩盤等を確実に掘削でき、削孔速度を上昇させて掘削作業を効率良く行うことができる。さらに、高硬度に設定されているのでチップの耐摩耗性が向上し、この掘削工具のさらなる寿命延長を図ることができる。
本発明によれば、ゲージ部に植設されたゲージチップとフェイス部の最外周に植設された外周チップの配置やサイズを調整することにより、チップの脱落や欠損及び摩耗を防止して寿命延長を図ることができるとともに、削孔速度を上昇させることができる掘削工具を提供することができる。
以下に、本発明の第1の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1から図3に本発明の第1の実施形態である掘削工具を示す。
この掘削工具10には、図1から図3に示すように、軸線Oに沿って延びる概略多段円柱状をなす工具本体11が備えられており、この工具本体11の後端側(図2及び図3において左側)には、工具本体11を図示しない掘削ロッドに装着するための取付孔12が形成されている。
この工具本体11の先端側(図2及び図3において右側)には、岩盤等の被掘削物に直接衝突して被掘削物を破壊する掘削部13が形成されている。掘削部13の外径Dは、D≦95mmとされており、本実施形態では、D=64mmとされている。
掘削部13は、工具本体11先端側に向かうにしたがい外径が漸次拡大するように形成されており、工具本体11の先端側外周面は、軸線Oに平行な基準線に対して角度αで傾斜するようなテーパ面とされている。
また、掘削部13の先端面には、軸線Oと直交した円形をなすフェイス部14と、このフェイス部14の外周端に連設されて工具本体11径方向外側に向かうにしたがい漸次工具本体11後端側へと後退するように傾斜したゲージ部15とが設けられている。ここで、ゲージ部15のフェイス部14に対する傾斜角度θは、35°≦θ≦40°の範囲内に設定されており、本実施形態においてはθ=40°とされている。
ゲージ部15の外周側部分には、軸線Oに沿うように延びる4つの掘削屑排出溝16が周方向に90°間隔で形成されており、これら掘削屑排出溝16によってゲージ部15が4分割されている。また、4分割された部分には、前記掘削屑排出溝16よりも小さな補助溝17がそれぞれに形成されており、これら補助溝17も周方向に90°間隔で配置されている。
また、前記フェイス部14には流体排出孔18が穿設されており、本実施形態では、図1に示すように2つの流体排出孔18が穿設されている。この流体排出孔18は、図3に示すように工具本体11後端側に向かうにしたがい漸次軸線Oに近接するように延びて、前記取付孔12と同軸状に穿設された連結孔19に連通されている。つまり、工具本体11には、工具本体11後端側から先端側にかけて貫通するように、取付孔12と連結孔19と流体排出孔18とが連設されているのである。
そして、これらゲージ部15及びフェイス部14には、硬質材料で構成された複数のチップ20が植設されている。このチップ20は、図3に示すように概略円柱状をなしており、その先端部が半球状等の凸曲面状に形成され、後端部が円柱状に形成されている。円柱状に形成されたチップ20の後端部が掘削部13の表面に形成された嵌合孔に挿入されて焼き嵌め等を行うことにより、チップ20が掘削部13に植設されることになる。
なお、本実施形態においては、チップ20は、タングステンカーバイトを主成分とした焼結合金で構成されており、その硬さ(ロックウェル硬さ:スケールA)Hが、HRA90≦H≦HRA91の範囲内となるように設定されている。
ゲージ部15には、4つの掘削屑排出溝16によって4分割された部分のそれぞれに2つずつチップ20が植設されていて、ゲージ部15全体では8つのチップ20が植設されており、これらゲージ部15に植設されたチップ20がゲージチップ21とされる。ここで、ゲージチップ21は、フェイス部14に対して傾斜したゲージ部15表面に対してチップ20がなす円柱の中心軸が直交するように植設されており、チップ20がなす円柱の中心軸が工具本体11の軸線Oに対して傾斜して配置され、チップ20先端部が工具本体11径方向外側に向けられている。また、これら8つのゲージチップ21は、軸線Oを中心とする円周上に並ぶように配置されている。
フェイス部14の最外周部分には、前記ゲージチップ21の径方向内側に隣接するように4つのチップ20が植設されていて、これらチップ20が外周チップ22とされている。これら外周チップ22は、前記ゲージチップ21との干渉を防止するために、前記掘削屑排出溝16が形成された部分の内周側部分に配置されている。これら4つの外周チップ22は、その中心軸が軸線Oを中心とする1つの円周上に並ぶように配置されている。
この外周チップ22の内周側には、さらに2つのチップ20が植設されていて内周チップ23とされている。2つの内周チップ23は、軸線Oからの径方向距離が異なる位置に配置されており、本実施形態では、図1に示すように、フェイス部14に6つのチップ20が植設されており、これらフェイス部14の内周チップ23、外周チップ22は、フェイス部14に直交するように、すなわち軸線Oに対して平行に植設されている。
このようにゲージチップ21がゲージ部15表面に対して直交するように配置され、外周チップ22及び内周チップ23がフェイス部14に直交して軸線Oと平行に配置されるとともに、ゲージ部15がフェイス部14に対して傾斜角度θで傾斜するように配置されているので、ゲージチップ21がなす円柱の中心軸は軸線Oに対して角度θ=40°で傾斜するように配置されることになる。
そして、前記ゲージチップ21の直径d1と前記外周チップ22の直径d2との比d2/d1は、0.83≦d2/d1≦1.0の範囲内に設定されており、本実施形態においては、d2/d1=1.0とされていてゲージチップ21と外周チップ22とは同一径とされている。
また、前記ゲージチップ21の個数n1と前記外周チップ22の個数n2との比n2/n1は、0.375≦n2/n1≦0.667の範囲内に設定されており、本実施形態においては、ゲージチップ21の個数n1=8、外周チップ22の個数n2=4とされ、n2/n1=0.5とされている。
なお、外周チップ22の先端はゲージチップ21の先端より僅かに工具本体11先端側に突出するように植設されている。
このように構成された掘削工具10は、取付孔12に、掘削機械(図示なし)に装着された掘削ロッド(図示なし)が挿入されて、掘削機械に備えられた打撃装置によって駆動され、掘削工具10に掘削ロッドを介して回転力、打撃力及び推力が伝達され、掘削工具10の先端に形成された掘削部13によって岩盤等の被掘削物を破壊して掘削するものである。この掘削作業においては、流体排出孔18からエア等の流体が吐出され、被掘削物を破壊して生成された掘削屑を前記掘削屑排出溝16及び補助溝17を介して掘削工具10の後端側へと排出する。
この構成の掘削工具10によれば、ゲージチップ21の直径d1と外周チップ22の直径d2との比d2/d1が、0.83≦d2/d1≦1.0の範囲内に設定されており、より具体的には、d2/d1=1.0とされているので、外周チップ22の大きさが確保されて外周チップ22が早期に摩耗することが防止されるとともに、外周チップ22の剛性が確保されて外周チップ22の破損を防止でき、この掘削工具10の寿命延長を図ることができる。
さらに、外周チップ22が不必要に大きくないので、外周チップ22とゲージチップ21とが干渉することが防止されて外周チップ22の個数を確保でき、ひとつの外周チップ22に過大な負荷が作用して破損してしまうことを防止できる。
また、ゲージチップ21の個数n1と外周チップ22の個数n2との比n2/n1が、0.375≦n2/n1≦0.667の範囲内に設定され、より具体的には、n2/n1=0.5とされているので、外周チップ22の個数が十分に確保されて削孔速度を上昇させることができ、掘削作業を効率良く行うことができる。
さらに、ゲージチップ21及び外周チップ22の干渉が防止されて、これらの埋め込み深さを不必要に短くすることなく配置することができ、ゲージチップ21及び外周チップ22を強固に固定してこれらゲージチップ21及び外周チップ22の脱落を防止することができる。
また、ゲージチップ21の軸線Oに対する傾斜角度θが、35°≦θ≦40°の範囲内に設定され、より具体的には、θ=40°とされているので、ゲージチップ21が工具本体11の径方向外側に向けられることになり、ゲージチップ21が破砕する岩盤の破砕領域がより外周側に拡大し、ひいては削孔速度の上昇に繋がり効率良く掘削作業を行うことができる。また、工具本体11に埋め込まれたゲージチップ21の後端部分と外周チップ22の後端部分とが不必要に干渉することを防止でき、外周チップ22の個数を確保できる。
また、チップ20が、タングステンカーバイトを主成分とした焼結合金で構成されており、その硬さ(ロックウェル硬さ:スケールA)Hが、HRA90≦H≦HRA91の範囲内となるように設定されているので、チップ20によって岩盤等を確実に掘削でき、削孔速度を上昇させて掘削作業を効率良く行うことができるとともに、チップ20の耐摩耗性が向上し、この掘削工具10のさらなる寿命延長を図ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態である掘削工具10について説明する。図4に、本発明の第2の実施形態である掘削工具10を示す。なお、第1の実施形態と共通する部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この第2の実施形態である掘削工具10では、フェイス部14の最外周に植設された外周チップ22及び外周チップ22の内周側に植設されたチップ20の配置が、第1の実施形態と異なっている。
この掘削工具10においては、フェイス部14の最外周に3つの外周チップ22が、その中心軸を軸線Oを中心とした1つの円周上に位置させて配置されており、軸線O回りの回転軌跡において外周チップ22の内周側に隣接するように、前記外周チップ22よりも外周チップ22の直径d2の半分以下だけ内周側に中心軸が位置するようにして、第2外周チップ24が配置されている。
換言すると、外周チップ22の中心と軸線Oとの径方向距離R1と第2外周チップ24の中心と軸線Oとの径方向距離R2との差(R1−R2)が、0<(R1−R2)≦d2/2とされているのである。この第2外周チップ24の内周側には、外周チップ22よりも前記直径d2の半分よりも内周側に位置するように1つの内周チップ23が植設されている。第2の実施形態では、図4に示すように、フェイス部14に5つのチップ20が植設されている。
より具体的には、この第2の実施形態においては、第1の実施形態における4つの外周チップ22のうちのひとつが外周チップ22の直径d2に対してd2/2以下だけ内周側に移動されて第2外周チップ24とされ、内周チップ23のひとつが取り外されたものである。また、この第2外周チップ24の直径や長さは、外周チップ22及び内周チップ23と等しくされている。
そして、前記ゲージチップ21の直径d1と前記外周チップ22の直径d2との比d2/d1は、第1の実施形態と同様に、0.83≦d2/d1≦1.0の範囲内に設定され、より具体的にはd2/d1=1.0とされている。
また、ゲージチップ21の個数n1と外周チップ22の個数n2及び第2外周チップ24の個数n3との比(n2+n3)/n1は、0.375≦(n2+n3)/n1≦0.667の範囲内に設定されており、本実施形態においては、ゲージチップ21の個数n1=8、外周チップ22の個数n2=3、第2外周チップ24の個数n3=1とされ、(n2+n3)/n1=0.5とされている。
この構成の掘削工具10によれば、第2外周チップ24が配置されていても、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、外周チップ22の内周側に隣接するように、外周チップ22の直径d2の半分以下だけ内周側に第2外周チップ24が配置されているので、この第2外周チップ24の外周側部分においても外周チップ22が配置された部分を掘削することができる。言い換えると、前記第1の実施形態である掘削工具は、この第2の実施形態においてn3=0としたものである。
また、ゲージチップ21の個数n1と外周チップ22の個数n2及び第2外周チップ24の個数n3との比(n2+n3)/n1は、0.375≦(n2+n3)/n1≦0.667の範囲内となるように設定されており、本実施形態においては、ゲージチップ21の個数n1=8、外周チップ22の個数n2=3、第2外周チップ24の個数n3=1とされ、(n2+n3)/n1=0.5とされているので、外周チップ22及び第2外周チップ24の個数が確保されて削孔速度を上昇させることができるとともに、外周チップ22及び第2外周チップ24に大きな抵抗が負荷されることがなくこれら外周チップ22及び第2外周チップ24の破損を防止できる。さらに、ゲージチップ21、外周チップ22及び第2外周チップ24の埋め込み深さを不必要に短くすることなく配置することができ、これらゲージチップ21及び外周チップ22、第2外周チップ24の脱落を防止することができる。
以上、本発明の実施形態である掘削工具について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
ゲージチップの個数を8つのものとして説明したが、これに限定されることはなく、ゲージチップの個数に特に制限はない。例えば、ゲージチップの個数を6つとして、外周チップを3つ、あるいは2つ配置したものであってもよい。
また、内周チップの個数や配置には特に制限はなく、掘削条件等を考慮して適宜設定することが好ましい。
また、掘削屑排出溝や補助溝の個数や配置についても、本実施形態に制限されることはなく、掘削条件等を考慮して適宜設定することが好ましい。
本発明の効果を確認するために評価試験を行った。以下に、評価試験の結果について説明する。
まず、ゲージチップの個数n1と外周チップの個数n2及び第2外周チップの個数n3との関係について比較実験を行った。工具本体は、前述した第1の実施形態と同形状のものとして、外周チップの個数n2及び第2外周チップの個数n3を変化させた複数の掘削工具を製作した。これらの掘削工具を用いて、被掘削物として硬質砂岩に対して掘削作業を行い、削孔速度と掘削工具の寿命を評価した。
比較試験結果を表1に示す。なお、掘削工具の寿命については、掘削して得られた掘削孔の長さで表示した。併せて、掘削工具の寿命の形態についても評価した。
Figure 2007277946
外周チップが2個のみ配置された従来例においては、削孔速度は小さく、かつ、チップが早期に摩耗してしまい掘削工具の寿命も390mと短いものであった。
また、外周チップが6個配置された比較例1においては、掘削時にチップが脱落してしまい、寿命が239mと短くなっている。これは、外周チップを多く配置するために、チップの埋め込み深さが短くなってチップの保持力が低下したためと判断される。
一方、本発明例1から本発明例4においては、削孔速度が従来例に比べて約1.2〜1.5倍となって効率良く掘削作業ができることが確認された。また、掘削工具の寿命も約1.5〜2.0倍と向上されている。特に、外周チップを3つ、第2外周チップを1つ配置した本発明例2においては、削孔速度、寿命ともに最高値を示しており、従来例に比べて格別な効果を奏することが確認された。
この比較試験の結果から、外周チップの個数n2及び第2外周チップの個数n3を本発明の範囲内に設定することにより、効率良く掘削作業を行うことができるとともに、チップが脱落することなく寿命が長く安定した掘削工具を提供することができることが確認された。
次に、ゲージチップの直径と外周チップの直径の関係について比較実験を行った。工具本体は、前述した第1の実施形態と同形状のものとして、ゲージチップの直径d1と外周チップの直径d2との関係を変化させた複数の掘削工具を製作した。なお、外周チップの個数は4個とした。これらの掘削工具を用いて、被掘削物として硬質砂岩に対して掘削作業を行い、削孔速度と掘削工具の寿命を評価した。
比較試験結果を表2に示す。
Figure 2007277946
ゲージチップの直径d1=11mm、外周チップの直径d2=8mmとした比較例2においては、外周チップの欠損によって掘削工具の寿命が227mと短くなっている。
一方、本発明例5、6、3においては、チップの欠損は発生せず、チップの摩耗によって寿命となり、寿命自体も616m、715m、686mと長くなっている。
この比較試験の結果から、ゲージチップの直径d1と外周チップの直径d2との関係を本発明の範囲内に設定することにより、チップが欠損することなく寿命が長く安定した掘削工具を提供することができることが確認された。
本発明の第1の実施形態である掘削工具の正面図である。 図1に示す掘削工具の側面図である。 図1におけるX−X´断面図である。 本発明の第2の実施形態である掘削工具の正面図である。 従来の掘削工具の正面図である。 図5におけるX−X´断面図である。
符号の説明
10 掘削工具
11 工具本体
13 掘削部
14 フェイス部
15 ゲージ部
20 チップ
21 ゲージチップ
22 外周チップ
24 第2外周チップ

Claims (4)

  1. 軸線に沿って延びる工具本体を有し、該工具本体の先端に、硬質部材で構成された複数のチップが植設された掘削部が形成され、該掘削部の外径が95mm以下とされた掘削工具であって、
    前記掘削部には、前記工具本体先端側を向くフェイス部と、該フェイス部の外周端に配置されて前記フェイス部と傾斜するように交差したゲージ部とが設けられており、
    前記ゲージ部に植設された前記チップがゲージチップとされ、前記フェイス部の最外周に植設された前記チップが外周チップとされ、
    前記外周チップは、該外周チップの先端が前記工具本体先端側に向くように配置され、前記ゲージチップは、該ゲージチップの先端が前記工具本体先端側及び前記工具本体径方向外側に前記軸線と角度θで交差する方向を向くように配置され、
    前記ゲージチップの直径d1と前記外周チップの直径d2との比d2/d1が、0.83≦d2/d1≦1.0の範囲内に設定されるとともに、
    前記ゲージチップの個数n1と前記外周チップの個数n2との比n2/n1が、0.375≦n2/n1≦0.667の範囲内に設定されていることを特徴とする掘削工具。
  2. 軸線に沿って延びる工具本体を有し、該工具本体の先端に、硬質部材で構成された複数のチップが植設された掘削部が形成され、該掘削部の外径が95mm以下とされた掘削工具であって、
    前記掘削部には、前記工具本体先端側を向くフェイス部と、該フェイス部の外周端に配置されて前記フェイス部と傾斜するように交差したゲージ部とが設けられており、
    前記ゲージ部に植設された前記チップがゲージチップとされ、前記フェイス部の最外周に植設された前記チップが外周チップとされ、
    前記外周チップは、該外周チップの先端が前記工具本体先端側に向くように配置され、前記ゲージチップは、該ゲージチップの先端が前記工具本体先端側及び前記工具本体径方向外側に前記軸線と角度θで交差する方向を向くように配置され、
    前記ゲージチップの直径d1と前記外周チップの直径d2との比d2/d1が、0.83≦d2/d1≦1.0の範囲内に設定されるとともに、
    前記ゲージチップの個数n1と前記外周チップの個数n2及び前記第2外周チップの個数n3との比(n2+n3)/n1が、0.375≦(n2+n3)/n1≦0.667の範囲内に設定されていることを特徴とする掘削工具。
  3. 前記角度θが、35°≦θ≦40°の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削工具。
  4. 前記チップは、タングステンカーバイトを主成分とした焼結合金で構成されており、その硬度Hが、HRA90≦H≦HRA91の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の掘削工具。
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