JP2021172858A - 半導体装置の製造方法、半導体素子搭載用支持部材セット及び半導体素子セット - Google Patents

半導体装置の製造方法、半導体素子搭載用支持部材セット及び半導体素子セット Download PDF

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Chie Sugama
偉夫 中子
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大 石川
Masaru Ishikawa
征央 根岸
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Abstract

【課題】半導体素子搭載用支持部材と半導体素子とが金属焼結体を介して接合された半導体装置の製造方法において、半導体素子の破損を低減すること。【解決手段】金属焼結体1を表面に有する第一の部材と第二の部材とを、金属焼結体を介して加圧接合する接合工程を備え、第一の部材及び第二の部材のうち、一方が半導体素子搭載用支持部材2であり、他方が半導体素子3であり、接合工程中又は接合工程の前に、金属焼結体の表面に還元性の有機溶剤を接触させる、半導体装置5の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、半導体素子搭載用支持部材セット及び半導体素子セットに関する。
近年、半導体パッケージ材料には、耐熱性(高温・高湿下での安定性や信頼性に優れること)が求められている。例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、電鉄、分散電源では、インバーターにパワー半導体が多く使われているが、パワー密度の向上が著しく、パッケージ材料は高温に晒される。また、カーエレクトロニクス分野で用いられる通常の半導体チップを使用するエレクトロニクスコントロールユニット(ECU)も、これまで車室内に搭載されていたが、より環境の厳しいエンジンルーム内へ搭載される方向にあり、より高い耐熱性が要求されている。さらに、ワイドバンドギャップ半導体(SiC等)も適用されてきており、200℃以上で高温動作させる用途も予想されている。
このような高温条件下では、半導体素子の接合材としてこれまで用いられてきたはんだでは対応が困難である。そのため、金属粒子を含む焼結性接合材料(例えばペースト)を焼結して得られる金属焼結体による接合が、高温対応の接合技術として提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、焼結性接合材料を用いて加圧接合をする場合、加圧により金属焼結体におけるボイドの形成を避ける若しくは低減することは可能であるが、副作用として、加圧時の圧力上昇とともに半導体素子にも圧力負荷がかかり、半導体素子の破損率が増加し、接合時の歩留まりが低下していた。
そこで、支持部材に金属粒子を含む焼結性接合材料を塗布した後、塗布した焼結性接合材料上に半導体素子を搭載する前に、焼結性接合材料に含まれるボイドの要因となる残留溶剤を加熱乾燥により除去する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−214340号公報 特開2011−249801号公報
特許文献2の方法では、その効果として必要な加圧力を10%低減できるとしているが、この程度では実質的な改善は困難である。さらに半導体素子のサイズが大きくなるほど加圧装置による圧力が半導体素子全体に均一につたわらずに、接合むらや、半導体素子が半導体素子搭載用支持部材に対して傾いて接合される恐れがあり、接合時の歩留まり向上を阻害する要因となっていた。
本発明の目的の一つは、半導体素子搭載用支持部材と半導体素子とが金属焼結体を介して接合された半導体装置の製造方法において、半導体素子の破損を低減することである。
本発明の一側面は、以下に記載の半導体装置の製造方法に関する。
[1]金属焼結体を表面に有する第一の部材と第二の部材とを、前記金属焼結体を介して加圧接合する接合工程と、を備え、前記第一の部材及び前記第二の部材のうち、一方が半導体素子搭載用支持部材であり、他方が半導体素子であり、前記接合工程中又は前記接合工程の前に、前記金属焼結体の表面に還元性の有機溶剤を接触させる、半導体装置の製造方法。
[2]前記接合工程の前に、金属焼結体の表面及び/又は第二の部材の表面に還元性の有機溶剤を塗布する、[1]に記載の製造方法。
[3]前記金属焼結体が銅を含む、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記金属焼結体における銅の含有量が、前記金属焼結体の全質量基準で、95質量%以上である、[3]に記載の製造方法。
[5]前記金属焼結体が、前記第一の部材との界面に対して略平行に配向したフレーク状の金属粒子に由来する構造を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記金属焼結体の厚さが、1〜1000μmである、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記金属焼結体の空隙率が、5〜60体積%である、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記還元性の有機溶剤が、オリゴマー、フラックス活性を有する有機溶剤又は沸点が200℃以上である多価アルコールを含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]前記接合工程が、水素濃度が5ppm以下の雰囲気下で実施される、[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]前記半導体素子がワイドバンドギャップ半導体である、[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
本発明の他の一側面は、金属焼結体を表面に有する半導体素子搭載用支持部材と、還元性の有機溶剤と、を備える、半導体素子搭載用支持部材セットに関する。
本発明の他の一側面は、金属焼結体を表面に有する半導体素子と、還元性の有機溶剤と、を備える、半導体素子セットに関する。
本発明によれば、半導体素子搭載用支持部材と半導体素子とが金属焼結体を介して接合された半導体装置の製造方法において、半導体素子の破損を低減することができる。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法の他の一例を示す模式断面図である。 フレーク状構造を有する金属焼結体の断面を示すSEM像である。 金属焼結体の形状の一例を示す平面図である。 金属焼結体の形状の変形例を示す平面図である。 金属焼結体の形状の変形例を示す平面図である。 金属焼結体の形状の変形例を示す平面図である。 金属焼結体の形状の変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
<半導体装置の製造方法>
一実施形態の半導体装置の製造方法は、金属焼結体を表面に有する第一の部材と、第二の部材と、を用意する工程と、第一の部材と第二の部材とを、金属焼結体を介して加圧接合する接合工程と、を備える。第一の部材及び第二の部材のうち、一方は半導体素子搭載用支持部材であり、他方は半導体素子である。この実施形態では、接合工程中又は接合工程の前に、金属焼結体の表面に還元性の有機溶剤を接触させる。金属焼結体の表面とは、接合工程において第二の部材と接する面である。
上記実施形態の製造方法によれば、加圧接合時に焼結性接合材料を焼結させる従来の方法と比較して、半導体素子の破損を低減することができ、歩留まりを向上させることができる。また、加圧装置による圧力ばらつきの影響を受けにくくなり、接合むらや、接合時に半導体素子が搭載用支持部材に対して傾き難くくなる。以上のことから、上記実施形態の製造方法によれば、接続信頼性に優れる半導体装置が得られやすいといえる。
上記実施形態の製造方法により半導体素子の破損を低減できる理由は、半導体素子搭載用支持部材又は半導体素子に設けられた金属焼結体が加圧接合時にクッション層として機能することで、半導体素子への衝撃が低減されるためであると推察される。
ところで、半導体素子の破損を低減すること自体は、水素雰囲気下で無加圧で接合する方法により可能ではあるが、この方法では、水素雰囲気とするために大型な装置が必要となる。一方、上記実施形態の製造方法では、あらかじめ半導体素子搭載用支持部材又は半導体素子に設けられた金属焼結体の表面の酸化膜を還元性の有機溶剤によって除去することで第一の部材と第二の部材を接合させるため、接合工程において水素雰囲気を必要とせず、より低コスト且つより簡便に半導体装置を製造することが可能となるという利点も得られる。
図1は、一実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図である。この例では、第一の部材が半導体素子搭載用支持部材であり、第二の部材が半導体素子である。すなわち、半導体装置の製造方法は、金属焼結体1を表面に有する半導体素子搭載用支持部材2と、半導体素子3と、を用意する工程(図1(a))と、半導体素子搭載用支持部材2と半導体素子3とを、金属焼結体1を介して加圧接合する接合工程(図1(b))と、を備える。接合工程中又は接合工程の前に、金属焼結体1の表面に還元性の有機溶剤を接触させるため、図1(b)に示すように、接合工程における金属焼結体1の表面1a(半導体素子と接する面)には、還元性の有機溶剤が含有されていてよい。
図2は、一実施形態の半導体装置の製造方法の他の一例を示す模式断面図である。この例では、第一の部材が半導体素子であり、第二の部材が半導体素子搭載用支持部材である。すなわち、半導体装置の製造方法は、金属焼結体1を表面に有する半導体素子3と、半導体素子搭載用支持部材2と、を用意する工程と、半導体素子3と半導体素子搭載用支持部材2とを、金属焼結体1を介して加圧接合する接合工程と、を備える。接合工程中又は接合工程の前に、金属焼結体1の表面に還元性の有機溶剤を接触させるため、図2(b)に示すように、接合工程における金属焼結体1の表面1b(半導体素子搭載用支持部材と接する面)には、還元性の有機溶剤が含有されていてよい。
金属焼結体の形成が容易である観点では、第一の部材が半導体素子搭載用支持部材であり、第二の部材が半導体素子であることが好ましい。
半導体素子搭載用支持部材としては、リードフレーム、金属板貼付セラミックス基板(例えばDBC)、LEDパッケージ等の半導体素子搭載用基材、銅リボン及び金属フレーム等の金属配線、金属ブロック等のブロック体、端子等の給電用部材、放熱板、水冷板などが挙げられる。
半導体素子には、シリコン(Si)等の一般的な半導体材料の他、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムナイトライド(GaN)等のワイドバンドギャップ半導体材料などを特に制限なく用いることができる。半導体素子としては、具体的には、IGBT、ダイオード、ショットキーバリヤダイオード、MOS−FET、サイリスタ、ロジック、センサー、アナログ集積回路、LED、半導体レーザー、発信器等の半導体素子などが挙げられる。
金属焼結体は、金属粒子の焼結体であり、金属粒子を含む焼結性接合材料(接合用金属ペースト)を焼結してなる。金属焼結体は、例えば、焼結金属と、焼結金属によって形成される空隙(空孔)と、を有する。金属焼結体は、例えば層状に形成されている。金属焼結体に含まれる金属は、焼結性の金属であれば特に限定されず、例えば銅及び銀が挙げられる。金属焼結体は銅を含むことが好ましい。換言すれば、金属焼結体は、銅粒子を含む焼結性接合材料(接合用銅ペースト等)を焼結してなる焼結体であることが好ましい。
金属焼結体における銅の含有量は、金属焼結体の全質量基準で、95質量%以上であってよく、97質量%以上であってもよく、98質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。ここで、銅の含有量とは、金属焼結体を構成する元素のうち軽元素を除いた元素中の銅元素の割合を意味する。金属焼結体における銅の含有量が、上記範囲内であれば、金属間化合物の形成又は金属銅結晶粒界への異種元素の析出を抑制でき、金属焼結体を構成する金属銅の性質が強固になりやすく、より一層優れた接続信頼性が得られやすい。
図3は、金属焼結体のモルフォロジーの一例を示す断面SEM像である。図3に示される金属焼結体は、第一の部材との界面に対して略平行に配向したフレーク状の金属粒子に由来する構造(以下、「フレーク状構造」)11と、他の金属粒子に由来する構造12と、空隙(空孔)13と、を含む。金属焼結体が図3に示すようなフレーク状構造を含む場合、接合強度及び接続信頼性が向上する傾向がある。このような効果が得られやすい観点では、フレーク状の金属粒子は好ましくはフレーク状の銅粒子である。なお、フレーク状とは板状、鱗片状等の平板状の形状を包含する。
フレーク状構造としては、長径と厚さとの比が5以上であってもよい。フレーク状構造の長径の数平均径は2μm以上であってもよく、3μm以上であってもよく、4μm以上であってもよい。フレーク状構造の形状がこの範囲内であれば、金属焼結体に含まれるフレーク状構造による補強効果が向上し、接合強度及び接続信頼性がより向上する傾向がある。
フレーク状構造の長径及び厚さは、例えば、金属焼結体の断面SEM像から求めることができる。以下に、フレーク状構造の長径と厚さを金属焼結体の断面SEM像から測定する方法を例示する。まず、金属焼結体を切り出し測定用サンプルとする。サンプルを注形用のカップに配置し、カップ内にエポキシ注形樹脂をサンプル全体が埋まるように注ぎ、硬化させる。注形したサンプルの観察したい断面付近で切断し、研磨で断面を削り、CP(クロスセクションポリッシャ)加工を行う。サンプルの断面をSEM装置により5000倍で観察する。金属焼結体の断面画像(例えば5000倍)を取得し、稠密な連続部であり、直線状、直方体状、楕円体状の部分で、この部分の内に内包される直線の中で最大の長さのものを長径、それと直交してこの部分に内包される直線の中で最大の長さのものを厚さとしたときに、長径の長さが1μm以上で且つ長径/厚さの比が4以上であるものをフレーク状構造とみなし、測長機能のある画像処理ソフトによりフレーク状構造の長径と厚さを測長することができる。それらの平均値については、無作為に選んだ20点以上で数平均を計算することで得られる。
フレーク状構造を含む金属焼結体は、フレーク状の金属粒子を含む焼結性接合材料(接合用金属ペースト)を焼結することより形成することができる。
金属焼結体の平面視における形状は特に限定されない。第一の部材が半導体素子搭載用支持部材である場合、金属焼結体は半導体素子の外周縁の範囲内に設けられる。図4は、金属焼結体1が半導体素子搭載用支持部材2上に設けられている場合の、金属焼結体のパターンを示した平面図である。金属焼結体1は、例えば、図5〜図8に示す変形例のように、ドット状や放射状のパターンに形成されていてもよい。
金属焼結体の厚さは、加圧接合時の半導体素子への圧力をより低減することでき、半導体素子の破損をより低減できる観点では、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは30μm以上であり、更に好ましくは50μm以上であり、より更に好ましくは100μm以上であり、特に好ましくは150μm以上であり、極めて好ましくは200μm以上である。金属焼結体の厚さは、3000μm以下、1000μm以下、500μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下又は150μm以下であってよい。金属焼結体の厚さは、好ましくは1μm以上1000μm以下であるが、10μm以上500μm以下であってもよく、50μm以上200μm以下であってもよく、10μm以上3000μm以下であってもよく、15μm以上500μm以下であってもよく、20μm以上300μm以下であってもよく、5μm以上500μm以下であってもよく、10μm以上250μm以下であってもよく、15μm以上150μm以下であってもよい。
金属焼結体の空隙率は、金属焼結体の体積を基準として、60体積%以下とすることができる。この場合、金属焼結体内部に大きな空孔が形成したり、フレーク状構造を繋ぐ焼結金属が疎になったりすることを抑制できる。その結果、充分な熱伝導性が得られるとともに、部材と金属焼結体との接合強度が向上し、優れた接続信頼性が得られる傾向がある。金属焼結体の空隙率は、金属焼結体の体積を基準として、55体積%以下であってもよく、50体積%以下であってもよい。金属焼結体の空隙率は、金属焼結体の体積を基準として、加圧接合時の半導体素子への圧力をより低減することでき、半導体素子の破損をより低減できる観点、及び製造プロセスの容易さの観点から、好ましくは5体積%以上であり、より好ましくは10体積%以上であり、更に好ましくは20体積%以上であり、特に好ましくは25体積%以上である。空隙率は、走査型電子顕微鏡、走査型イオン顕微鏡等によって観察した金属焼結体の断面画像を、画像解析ソフトを用いて解析することにより得られる。また、金属焼結体を構成する材料の組成が分かっている場合には、金属焼結体の体積と、金属焼結体中の金属の体積割合との差から求めることもできる。
金属焼結体における金属(例えば銅)の体積割合は、金属焼結体の体積を基準として、40体積%以上とすることができる。金属焼結体における金属の含有量が上記範囲内であれば、金属焼結体の内部に大きな空孔が形成したり、フレーク状構造を繋ぐ焼結金属が疎になったりすることを抑制できる。その結果、充分な熱伝導性が得られるとともに、部材と金属焼結体との接合強度が向上し、優れた接続信頼性が得られる傾向がある。金属焼結体における金属の含有量は、金属焼結体の体積を基準として、45体積%以上であってもよく、50体積%以上であってもよい。金属焼結体における金属の含有量は、金属焼結体の体積を基準として、加圧接合時の半導体素子への圧力をより低減することでき、半導体素子の破損をより低減できる観点、及び製造プロセスの容易さの観点から、90体積%以下であってもよい。
金属焼結体を構成する材料の組成が分かっている場合には、例えば、以下の手順で金属焼結体における金属の体積割合を求めることができる。まず、金属焼結体を直方体に切り出し、金属焼結体の縦、横の長さをノギス又は外形形状測定装置で測定し、厚さを膜厚計で測定することにより金属焼結体の体積を計算する。切り出した金属焼結体の体積と、精密天秤で測定した金属焼結体の重量とから見かけの密度M(g/cm)を求める。求めたMと、金属の密度(例えば銅の密度8.96g/cm)とを用いて、下記式(1)から金属焼結体における金属の体積割合(体積%)が求められる。
金属焼結体における金属の体積割合(体積%)=[(M)/(金属の密度)]×100・・・(1)
金属焼結体の接合強度(第一の部材との接合強度)は、10MPa以上であってもよく、15MPa以上であってもよく、20MPa以上であってもよく、30MPa以上であってもよい。接合強度は、万能型ボンドテスタ(4000シリーズ、DAGE社製)等を用いて測定することができる。
金属焼結体の表面に還元性の有機溶剤を接触させる工程(接触工程)は、接合工程中に実施されてよく、接合工程の前に実施されてもよい。
例えば、接合工程の前に、金属焼結体の表面及び/又は第二の部材の表面(接合工程において金属焼結体と接する面)に還元性の有機溶剤を配置(例えば塗布)することで、接合工程中又は接合工程の前に、金属焼結体の表面に還元性の有機溶剤を接触させてよい。この場合、還元性の有機溶剤を設ける方法としては、還元性の有機溶剤を堆積させられる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、例えば、スピンコータ、スクリーン印刷、インクジェット印刷等を用いる方法が挙げられる。上記方法によれば、簡便且つ確実に金属焼結体の表面に還元性の有機溶剤を接触させることができる。
また、例えば、接合工程の前に、還元性の有機溶剤を含むシートを金属焼結体の表面及び/又は第二の部材の表面に配置(例えばラミネート)することで、接合工程中又は接合工程の前に、金属焼結体の表面に還元性の有機溶剤を接触させてよい。
還元性の有機溶剤は、接触工程後に金属焼結体の表面に残留してよい。この場合、接合工程では、第一の部材と、金属焼結体と、還元性の有機溶剤と、第二の部材とがこの順に並んで配置される。ただし、還元性の有機溶剤は、接合工程の完了後には接合時の加熱により除去されていることが好ましい。
還元性の有機溶剤は、アルコール性水酸基を有する又は焼結分解時にアルコール性水酸基を発生する有機溶剤である。
還元性の有機溶剤はモノマーであってもオリゴマーであってもよい。還元性の有機溶剤は、当該有機溶剤が接合工程の途中(金属の再焼結)まで金属焼結体の表面に残留しやすく、且つ焼結温度で速やかに除去される観点から、還元性のオリゴマーであることが好ましい。低分子化合物では、焼成温度に達するまでに除去されて焼結時には還元性が得られ難い。一方,ポリマー(モノマー単位が50量体を超える化合物)では焼結温度であっても重量減少速度が低く、焼結後も残りやすい。なお、オリゴマーとは、モノマー化合物の重合体であり、モノマー単位が4量体以上50量体以下である化合物を意味する。
還元性のオリゴマーとしては、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
還元性の有機溶剤としては、アルコール性水酸基を複数有する化合物(多価アルコール)が好ましく、沸点が200℃以上の多価アルコールがより好ましい。沸点が200℃以上の多価アルコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等が挙げられる。
還元性の有機溶剤は、フラックス活性を有することが好ましい。フラックス活性を有する有機溶剤としては、フロログルシノール,グルコース等の糖類、シュウ酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸等のカルボン酸類、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド類等が挙げられる。
以上のことから、還元性の有機溶剤は、沸点が200℃以上である多価アルコール、オリゴマー又はフラックス活性を有する有機溶剤を含むことが好ましい。
還元性の有機溶剤が沸点や熱分解温度を有する場合、当該有機溶剤が接合工程の途中(金属の再焼結)まで金属焼結体の表面に残留しやすい観点から、還元性の有機溶剤のTG−DTA(窒素中)での95%重量減少温度は、好ましくは200℃以上であり、より好ましくは240℃以上であり、更に好ましくは280℃以上である。還元性の有機溶剤のTG−DTA(窒素中)での95%重量減少温度は、接合工程後、半導体装置中に還元性の有機溶剤が残留することを抑制する観点から、好ましくは450℃以下であり、より好ましくは420℃以下であり、更に好ましくは400℃以下である。これらの観点から、還元性の有機溶剤の沸点は、好ましくは200〜450℃であり、より好ましくは240〜420℃であり、更に好ましくは280〜400℃である。
金属焼結体の表面に接触させる還元性の有機溶剤の量は特に限定されない。還元性の有機溶剤は、金属焼結体の表面の一部に接触させてもよいし、金属焼結体の表面の全部に接触させてもよい。
接合工程では、まず、金属焼結体を介して第一の部材と第二の部材とが積層されるように半導体素子を半導体素子搭載用支持部材上に載置する。半導体素子を半導体素子搭載用支持部材上に載置する方法としては、例えば、チップマウンター、フリップチップボンダー、カーボン製又はセラミックス製の位置決め冶具を用いる方法が挙げられる。
次に、得られた積層体に加熱加圧処理を施すことで、半導体素子搭載用支持部材と半導体素子とを金属焼結体を介して接合する。加熱処理には、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉等を用いることができる。加圧処理には、例えば、重り、バネ冶具、シリコーンゴム等を用いた加圧冶具、熱圧着装置、熱板プレス装置等を用いることができる。このとき、第一の部材上に金属焼結体が形成されていることで、加圧装置による半導体素子への加圧の衝撃や加圧ばらつきの影響が抑制され、歩留まりが向上する。
接合工程のガス雰囲気は、酸素雰囲気であってよく、無酸素雰囲気であってもよい。無酸素雰囲気としては、例えば、窒素、希ガス等の無酸素ガス雰囲気、又は真空雰囲気が挙げられる。ガス雰囲気中の水素(水素ガス)濃度は、5ppm以下であってよい。本実施形態では、ガス雰囲気中に水素を多量に含有させる必要がないため、大型の装置が不要であり、低コスト且つ簡便に半導体装置を製造することができる。
加熱処理時の到達最高温度は、半導体素子及び半導体素子搭載用支持部材への熱ダメージの低減及び歩留まりを向上させるという観点から、250℃以上450℃以下であってもよく、250℃以上400℃以下であってもよく、250℃以上350℃以下であってもよい。到達最高温度が、250℃以上であれば、到達最高温度保持時間が60分以下において焼結が充分に進行する傾向にある。
到達最高温度保持時間は、還元性の有機溶剤を充分に(好ましくは全て)揮発させ、また、歩留まりを向上させるという観点から、1分以上60分以下であってもよく、1分以上40分未満であってもよく、1分以上30分未満であってもよい。
以上の方法により、図1(c)及び図2(c)に示す半導体装置5が得られる。半導体装置5は、半導体素子搭載用支持部材2と、半導体素子3と、半導体素子搭載用支持部材2及び半導体素子3を接合する金属焼結体4と、を備える。金属焼結体4は、接触工程及び接合工程を経ることによって、第一部の部材が有する金属焼結体1とは異なるものとなっていてもよい。
次に、第一の部材の表面に金属焼結体を形成する方法について説明する。
第一の部材の表面に金属焼結体を形成する方法は、焼結性接合材料を第一の部材の表面に設ける工程と、焼結性接合材料を加熱処理して焼結する焼結工程と、を備える。
焼結性接合材料を第一の部材の表面に設ける方法としては、焼結性接合材料を堆積させられる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、例えば、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ディスペンサー、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、スリットコート、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、ステンシル印刷、ソフトリソグラフ、バーコート、アプリケータ、粒子堆積法、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ、電着塗装等を用いることができる。
焼結性接合材料の焼結のための加熱処理は、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉等を用いて行うことができる。
焼結工程のガス雰囲気は、金属焼結体、及び第一の部材の酸化抑制の観点から、無酸素雰囲気であってもよい。焼結工程のガス雰囲気は、焼結性接合材料に含まれる金属粒子表面の酸化物を除去するという観点から、還元雰囲気であってもよい。無酸素雰囲気としては、例えば、窒素、希ガス等の無酸素ガス雰囲気、又は真空雰囲気が挙げられる。還元雰囲気としては、例えば、純水素ガス雰囲気、フォーミングガスに代表される水素及び窒素の混合ガス雰囲気、ギ酸ガスを含む窒素雰囲気、水素及び希ガスの混合ガス雰囲気、ギ酸ガスを含む希ガス雰囲気等が挙げられる。
加熱処理時の到達最高温度は、第一の部材への熱ダメージの低減及び歩留まりを向上させるという観点から、250℃以上450℃以下であってもよく、250℃以上400℃以下であってもよく、250℃以上350℃以下であってもよい。到達最高温度が、250℃以上であれば、到達最高温度保持時間が60分以下において焼結が充分に進行する傾向にある。
到達最高温度保持時間は、焼結性接合材料中の分散媒を充分に(好ましくは全て)揮発させ、また、歩留まりを向上させるという観点から、1分以上60分以下であってもよく、1分以上40分未満であってもよく、1分以上30分未満であってもよい。
次に、焼結性接合材料の一例を以下に示す。
焼結性接合材料は、例えば金属粒子及び分散媒を含んでおり、金属ペースト(接合用金属ペースト)ということができる。焼結性接合材料が金属粒子として銅粒子を含む場合、焼結性接合材料は、銅ペースト(接合用銅ペースト)ということができる。
金属粒子としては、サブマイクロ銅粒子、フレーク状マイクロ銅粒子、これら以外の銅粒子、その他の金属粒子等が挙げられる。
サブマイクロ銅粒子としては、粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子を含むものが挙げられ、例えば、体積平均粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子を用いることができる。サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径が0.12μm以上であれば、サブマイクロ銅粒子の合成コストの抑制、良好な分散性、表面処理剤の使用量の抑制といった効果が得られ易くなる。サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径が0.8μm以下であれば、サブマイクロ銅粒子の焼結性が優れるという効果が得られ易くなる。より一層上記効果を奏するという観点から、サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径は、0.15μm以上0.8μm以下であってもよく、0.15μm以上0.6μm以下であってもよく、0.2μm以上0.5μm以下であってもよく、0.3μm以上0.45μm以下であってもよい。
なお、本明細書において体積平均粒径とは、50%体積平均粒径を意味する。銅粒子の体積平均粒径を求める場合、原料となる銅粒子、又は金属ペーストから揮発成分を除去した乾燥銅粒子を、分散剤を用いて分散媒に分散させたものを光散乱法粒度分布測定装置(例えば、島津ナノ粒子径分布測定装置(SALD−7500nano,株式会社島津製作所製))で測定する方法等により求めることができる。光散乱法粒度分布測定装置を用いる場合、分散媒としては、ヘキサン、トルエン、α−テルピネオール等を用いることができる。
サブマイクロ銅粒子は、粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子を10質量%以上含むことができる。金属ペーストの焼結性の観点から、サブマイクロ銅粒子は、粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子を20質量%以上含むことができ、30質量%以上含むことができ、100質量%含むことができる。サブマイクロ銅粒子における粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子の含有割合が20質量%以上であると、銅粒子の分散性がより向上し、粘度の上昇、ペースト濃度の低下をより抑制することができる。
銅粒子の粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)像から算出することができる。銅粒子の粉末を、SEM用のカーボンテープ上にスパチュラで載せ、SEM用サンプルとする。このSEM用サンプルをSEM装置により5000倍で観察する。このSEM像の銅粒子に外接する四角形を画像処理ソフトにより作図し、その一辺をその粒子の粒径とする。
サブマイクロ銅粒子の含有量は、金属粒子の全質量を基準として、20質量%以上90質量%以下であってもよく、30質量%以上90質量%以下であってもよく、35質量%以上85質量%以下であってもよく、40質量%以上80質量%以下であってもよい。サブマイクロ銅粒子の含有量が上記範囲内であることで接合性に優れる金属焼結体を形成することが容易となる。
サブマイクロ銅粒子の含有量は、サブマイクロ銅粒子の質量及びフレーク状マイクロ銅粒子の質量の合計を基準として、20質量%以上90質量%以下であってもよい。サブマイクロ銅粒子の上記含有量が20質量%以上であれば、フレーク状マイクロ銅粒子の間を充分に充填することができ、接合性に優れる金属焼結体を形成することが容易となる。サブマイクロ銅粒子の上記含有量が90質量%以下であれば、金属ペーストを焼結した時の体積収縮を充分に抑制できるため、接合性に優れる金属焼結体を形成することが容易となる。より一層上記効果を奏するという観点から、サブマイクロ銅粒子の含有量は、サブマイクロ銅粒子の質量及びフレーク状マイクロ銅粒子の質量の合計を基準として、30質量%以上85質量%以下であってもよく、35質量%以上85質量%以下であってもよく、40質量%以上80質量%以下であってもよい。
サブマイクロ銅粒子の形状は、特に限定されるものではない。サブマイクロ銅粒子の形状としては、例えば、球状、塊状、針状、フレーク状、略球状及びこれらの凝集体が挙げられる。分散性及び充填性の観点から、サブマイクロ銅粒子の形状は、球状、略球状、フレーク状であってもよく、燃焼性、分散性、フレーク状マイクロ粒子との混合性等の観点から、球状又は略球状であってもよい。
サブマイクロ銅粒子は、分散性、充填性、及びフレーク状マイクロ粒子との混合性の観点から、アスペクト比が5以下であってもよく、3以下であってもよい。本明細書において、「アスペクト比」とは、粒子の長辺/厚さを示す。粒子の長辺及び厚さの測定は、例えば、粒子のSEM像から求めることができる。
サブマイクロ銅粒子は、特定の表面処理剤で処理されていてもよい。特定の表面処理剤としては、例えば、炭素数8〜16の有機酸が挙げられる。炭素数8〜16の有機酸としては、例えば、カプリル酸、メチルヘプタン酸、エチルヘキサン酸、プロピルペンタン酸、ペラルゴン酸、メチルオクタン酸、エチルヘプタン酸、プロピルヘキサン酸、カプリン酸、メチルノナン酸、エチルオクタン酸、プロピルヘプタン酸、ブチルヘキサン酸、ウンデカン酸、メチルデカン酸、エチルノナン酸、プロピルオクタン酸、ブチルヘプタン酸、ラウリン酸、メチルウンデカン酸、エチルデカン酸、プロピルノナン酸、ブチルオクタン酸、ペンチルヘプタン酸、トリデカン酸、メチルドデカン酸、エチルウンデカン酸、プロピルデカン酸、ブチルノナン酸、ペンチルオクタン酸、ミリスチン酸、メチルトリデカン酸、エチルドデカン酸、プロピルウンデカン酸、ブチルデカン酸、ペンチルノナン酸、ヘキシルオクタン酸、ペンタデカン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、パルミチン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸、エチルシクロヘキサンカルボン酸、プロピルシクロヘキサンカルボン酸、ブチルシクロヘキサンカルボン酸、ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、ヘキシルシクロヘキサンカルボン酸、ヘプチルシクロヘキサンカルボン酸、オクチルシクロヘキサンカルボン酸、ノニルシクロヘキサンカルボン酸等の飽和脂肪酸;オクテン酸、ノネン酸、メチルノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸等の不飽和脂肪酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o−フェノキシ安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香酸、ペンチル安息香酸、ヘキシル安息香酸、ヘプチル安息香酸、オクチル安息香酸、ノニル安息香酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。有機酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。このような有機酸と上記サブマイクロ銅粒子とを組み合わせることで、サブマイクロ銅粒子の分散性と焼結時における有機酸の脱離性を両立できる傾向にある。
表面処理剤の処理量は、サブマイクロ銅粒子の表面に一分子層〜三分子層付着する量であってもよい。この量は、サブマイクロ銅粒子の表面に付着した分子層数(n)、サブマイクロ銅粒子の比表面積(A)(単位m/g)と、表面処理剤の分子量(M)(単位g/mol)と、表面処理剤の最小被覆面積(S)(単位m/個)と、アボガドロ数(N)(6.02×1023個)から算出できる。具体的には、表面処理剤の処理量は、表面処理剤の処理量(質量%)={(n・A・M)/(S・N+n・A・M)}×100%の式に従って算出される。
サブマイクロ銅粒子の比表面積は、乾燥させたサブマイクロ銅粒子をBET比表面積測定法で測定することで算出できる。表面処理剤の最小被覆面積は、表面処理剤が直鎖飽和脂肪酸の場合、2.05×10−19/1分子である。それ以外の表面処理剤の場合には、例えば、分子モデルからの計算、又は「化学と教育」(上江田捷博、稲福純夫、森巌、40(2),1992,p114−117)に記載の方法で測定できる。表面処理剤の定量方法の一例を示す。表面処理剤は、金属ペーストから分散媒を除去した乾燥粉の熱脱離ガス・ガスクロマトグラフ質量分析計により同定でき、これにより表面処理剤の炭素数及び分子量を決定できる。表面処理剤の炭素分割合は、炭素分分析により分析できる。炭素分分析法としては、例えば、高周波誘導加熱炉燃焼/赤外線吸収法が挙げられる。同定された表面処理剤の炭素数、分子量及び炭素分割合から上記式により表面処理剤量を算出できる。
表面処理剤の上記処理量は、0.07質量%以上2.1質量%以下であってもよく、0.10質量%以上1.6質量%以下であってもよく、0.2質量%以上1.1質量%以下であってもよい。
サブマイクロ銅粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されているサブマイクロ銅粒子としては、例えば、CH−0200(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.36μm)、HT−14(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.41μm)、CT−500(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.72μm)、Tn−Cu100(太陽日酸株式会社製、体積平均粒径0.12μm)が挙げられる。
フレーク状マイクロ銅粒子としては、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上の銅粒子を含むものが挙げられ、例えば、平均最大径が1μ以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上の銅粒子を用いることができる。フレーク状マイクロ銅粒子の平均最大径及びアスペクト比が上記範囲内であれば、金属ペーストを焼結した際の体積収縮を充分に低減でき、接合性に優れる焼結物を形成することが容易となる。より一層上記効果を奏するという観点から、フレーク状マイクロ銅粒子の平均最大径は、1μm以上10μm以下であってもよく、3μm以上10μm以下であってもよい。フレーク状マイクロ銅粒子の最大径及び平均最大径の測定は、例えば、粒子のSEM像から求めることができ、後述するフレーク状構造の長径X及び長径の平均値Xavとして求められる。
フレーク状マイクロ銅粒子は、最大径が1μm以上20μm以下の銅粒子を50質量%以上含むことができる。焼結物内での配向、補強効果、接合ペーストの充填性の観点から、フレーク状マイクロ銅粒子は、最大径が1μm以上20μm以下の銅粒子を70質量%以上含むことができ、80質量%以上含むことができ、100質量%含むことができる。接合不良を抑制する観点から、フレーク状マイクロ銅粒子は、例えば、最大径が20μmを超える粒子等の接合厚みを超えるサイズの粒子を含まないことが好ましい。
フレーク状マイクロ銅粒子の長径XをSEM像から算出する方法を例示する。フレーク状マイクロ銅粒子の粉末を、SEM用のカーボンテープ上にスパチュラで載せ、SEM用サンプルとする。このSEM用サンプルをSEM装置により5000倍で観察する。SEM像のフレーク状マイクロ銅粒子に外接する長方形を画像処理ソフトにより作図し、長方形の長辺をその粒子の長径Xとする。複数のSEM像を用いて、この測定を50個以上のフレーク状マイクロ銅粒子に対して行い、長径の平均値Xavを算出する。
フレーク状マイクロ銅粒子は、アスペクト比が4以上であってもよく、6以上であってもよい。アスペクト比が上記範囲内であれば、金属ペースト内のフレーク状マイクロ銅粒子が、接合面に対して略平行に配向することにより、金属ペーストを焼結させたときの体積収縮を抑制でき、接合性に優れる金属焼結体を形成することが容易となる。
フレーク状マイクロ銅粒子の含有量は、金属粒子の全質量を基準として、1質量%以上90質量%以下であってもよく、10質量%以上70質量%以下であってもよく、20質量%以上50質量%以下であってもよい。フレーク状マイクロ銅粒子の含有量が、上記範囲内であれば、接合性に優れる金属焼結体を形成することが容易となる。
サブマイクロ銅粒子の含有量及びフレーク状マイクロ銅粒子の含有量の合計は、金属粒子の全質量を基準として、80質量%以上であってもよい。サブマイクロ銅粒子の含有量及びフレーク状マイクロ銅粒子の含有量の合計が上記範囲内であれば、接合性に優れる焼結物を形成することが容易となる。より一層上記効果を奏するという観点から、サブマイクロ銅粒子の含有量及びフレーク状マイクロ銅粒子の含有量の合計は、金属粒子の全質量を基準として、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
フレーク状マイクロ銅粒子において、表面処理剤の処理の有無は特に限定されるものではない。分散安定性及び耐酸化性の観点から、フレーク状マイクロ銅粒子は表面処理剤で処理されていてもよい。表面処理剤は、接合時に除去されるものであってもよい。このような表面処理剤としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o−フェノキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソボルニルシクロヘキサノール、テトラエチレングリコール等の脂肪族アルコール;p−フェニルフェノール等の芳香族アルコール;オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミン;ステアロニトリル、デカンニトリル等の脂肪族ニトリル;アルキルアルコキシシラン等のシランカップリング剤;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、シリコーンオリゴマー等の高分子処理剤等が挙げられる。表面処理剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
表面処理剤の処理量は、粒子表面に一分子層以上の量であってもよい。このような表面処理剤の処理量は、フレーク状マイクロ銅粒子の比表面積、表面処理剤の分子量、及び表面処理剤の最小被覆面積により変化する。表面処理剤の処理量は、通常0.001質量%以上である。フレーク状マイクロ銅粒子の比表面積、表面処理剤の分子量、及び表面処理剤の最小被覆面積については、上述した方法により算出することができる。
上記サブマイクロ銅粒子のみから金属ペーストを調製する場合、分散媒の揮発に伴う体積収縮及び焼結収縮が大きいため、金属ペーストの焼結時に被着面より剥離し易くなり、半導体素子等の接合においては充分なダイシェア強度及び接続信頼性が得られにくい。サブマイクロ銅粒子とフレーク状マイクロ銅粒子とを併用することで、金属ペーストを焼結させたときの体積収縮が抑制され、接合性に優れる金属焼結体を形成することが容易となる。
フレーク状マイクロ銅粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されているフレーク状マイクロ銅粒子としては、例えば、MA−C025(三井金属鉱業株式会社製、平均最大径4.1μm)、3L3(福田金属箔粉工業株式会社製、平均最大径7.3μm)、1110F(三井金属鉱業株式会社製、平均最大径5.8μm)、2L3(福田金属箔粉工業株式会社製、平均最大径9μm)が挙げられる。
金属ペーストにおいては、配合するマイクロ銅粒子として、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上のフレーク状マイクロ銅粒子を含み、且つ、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が2未満のマイクロ銅粒子の含有量が、上記フレーク状マイクロ銅粒子全量を基準として、50質量%以下、好ましくは30質量%以下であるマイクロ銅粒子を用いることができる。市販されているフレーク状マイクロ銅粒子を用いる場合、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上のフレーク状マイクロ銅粒子を含み、且つ、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が2未満のマイクロ銅粒子の含有量が、上記フレーク状マイクロ銅粒子全量を基準として、50質量%以下、好ましくは30質量%以下であるものを選定してもよい。
金属粒子としては、上述したサブマイクロ銅粒子及びマイクロ銅粒子以外のその他の金属粒子を含んでいてもよく、例えば、ニッケル、銀、金、パラジウム、白金等の粒子を含んでいてもよい。その他の金属粒子は、体積平均粒径が0.01μm以上10μm以下であってもよく、0.01μm以上5μm以下であってもよく、0.05μm以上3μm以下であってもよい。その他の金属粒子を含んでいる場合、その含有量は、充分な接合性を得るという観点から、金属粒子の全質量を基準として、20質量%未満であってもよく、10質量%以下であってもよい。その他の金属粒子は、含まれなくてもよい。その他の金属粒子の形状は、特に限定されるものではない。
銅粒子以外の金属粒子を含むことで、複数種の金属が固溶又は分散した金属焼結体を得ることができるため、金属焼結体の降伏応力、疲労強度等の機械的な特性が改善され、接続信頼性が向上し易い。また、複数種の金属粒子を添加することで、形成される焼結物は、特定の被着体に対して、接合強度及び接続信頼性が向上し易い。なお、金属ペーストは、銅粒子を含まず、金属粒子としてその他の金属粒子のみを含むものであってもよい。
分散媒は特に限定されるものではなく、揮発性のものであってもよい。揮発性の分散媒としては、例えば、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、α−テルピネオール、イソボルニルシクロヘキサノール(MTPH)等の一価及び多価アルコール類;エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド;シクロヘキサノン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;炭素数1〜18のアルキル基を有するメルカプタン類;炭素数5〜7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類が挙げられる。炭素数1〜18のアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、i−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、i−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ペンチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン及びドデシルメルカプタンが挙げられる。炭素数5〜7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、シクロペンチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン及びシクロヘプチルメルカプタンが挙げられる。
分散媒の含有量は、金属粒子の全質量を100質量部として、5〜50質量部であってもよい。分散媒の含有量が上記範囲内であれば、金属ペーストをより適切な粘度に調整でき、また、銅粒子の焼結を阻害しにくい。
金属ペーストには、必要に応じて、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤;シリコーン油等の消泡剤;無機イオン交換体等のイオントラップ剤等を適宜添加してもよい。
以上説明した金属ペーストは、上述の金属粒子及び任意の添加剤を分散媒に混合して調製することができる。各成分の混合後に、撹拌処理を行ってもよい。金属ペーストは、分級操作により分散液の最大粒径を調整してもよい。
金属ペーストは、サブマイクロ銅粒子、表面処理剤、分散媒をあらかじめ混合して、分散処理を行ってサブマイクロ銅粒子の分散液を調製し、更にマイクロ銅粒子、その他の金属粒子及び任意の添加剤を混合して調製してもよい。このような手順とすることで、サブマイクロ銅粒子の分散性が向上してマイクロ銅粒子との混合性が良くなり、金属ペーストの性能がより向上する。サブマイクロ銅粒子の分散液に対し分級操作を行って、凝集物を除去してもよい。
<半導体素子搭載用支持部材セット及び半導体素子セット>
上記実施形態の半導体装置の製造方法に用いられる、金属焼結体を表面に有する第一の部材と還元性の有機溶剤とは、金属焼結体を表面に有する第一の部材と、還元性の有機溶剤と、を備えるセットとして提供されてよい。すなわち、本発明は一側面において、半導体素子搭載用支持部材と、還元性の有機溶剤と、を備える、半導体素子搭載用支持部材セットを提供する。また、本発明は、一側面において、金属焼結体を表面に有する半導体素子と、還元性の有機溶剤と、を備える、半導体素子セットを提供する。
上記セットでは、金属焼結体を表面に有する第一の部材と還元性の有機溶剤とが別個に存在していてよい。また、上記セットでは、還元性の有機溶剤が金属焼結体の第一の部材側とは反対側の表面に付与されていてもよい。すなわち、上記セットは、金属焼結体を表面に有する第一の部材と、金属焼結体の第一の部材側とは反対側の表面に付与された還元性の有機溶剤と、を備えていてよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(工程a:金属ペーストの準備)
分散媒としてα−テルピネオール(和光純薬工業株式会社製)5.2g及びイソボルニルシクロヘキサノール(MTPH、日本テルペン化学株式会社製)6.8gと、サブマイクロ銅粒子としてCH−0200(三井金属鉱業株式会社製、0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子の含有量95質量%)52.8gとをポリ瓶に混合し、分散液を得た。この分散液に、フレーク状マイクロ銅粒子としてMA−C025(三井金属鉱業株式会社製、平均最大径4.1μmであり、アスペクト比が6.6の銅粒子の含有量100質量%)35.2gを添加し、スパチュラで乾燥粉がなくなるまでかき混ぜた。ポリ瓶を密栓し、2000rpmで2分間撹拌し、減圧下、2000rpmで2分間撹拌して金属ペースト(接合用銅ペースト)を得た。
(工程b:塗布工程)
サイズ19mm×25mm×3mm(厚さ)の銅基板に、5mm×5mmの正方形の開口を有する厚さ100μmのステンレスマスクとスキージを用いて、金属ペーストをステンシル印刷した。
(工程c:焼結銅層の形成工程)
塗布工程を経た銅基板をチューブ炉(株式会社エイブイシー製)にセットし、アルゴンガスを1L/minで流して空気をアルゴンガスに置換した。その後、水素ガスを300mL/minで流しながら350℃まで10分間かけて昇温、350℃で10分間保持の条件で加熱処理して、金属ペーストを焼結した。これにより、銅基板上に金属焼結体(焼結銅層)が形成された。その後、アルゴンガスを0.3L/minで流しながら冷却し、50℃以下で積層体を空気中に取り出した。
(工程d:載置工程)
焼結銅層の形成工程を経た銅基板と、サイズ5mm×5mm×150μm(厚さ)であり、接合面全面にスパッタリングによりチタン層/ニッケル層がこの順で設けられたSiチップと、を準備した。あらかじめ銅基板上に形成された焼結銅層表面に、還元性の有機溶剤を刷毛で塗布した。還元性の有機溶剤が塗布された焼結銅層上に、Siチップを、ニッケル層が焼結銅層側となるように焼結銅層上に置いた。これにより、Siチップ、焼結銅層、及び銅基板がこの順に積層された前駆積層体を得た。
(工程e:接合工程)
窒素中300℃に加熱されたステンレス製ステージとステンレス製ヘッドによって、前駆積層体を10MPaで10分間にて加圧し、Siチップと銅基板とを、焼結銅層を介して、接合した。なお、加圧の際に、Siチップ(Siチップの焼結銅層側の面とは反対側の面)とステンレス製ヘッドとの間にテフロンシート(厚さ1mm、「テフロン」は登録商標)を挟んだ。
(Siチップのダメージ評価)
接合工程後、Siチップと焼結銅層との接合部分について、断面出しを行い、Siチップでの破壊や、剥がれが発生しているかどうかを確認した。50サンプルについて、下記基準に基づいて評価した。下記A及びBの基準を満たした場合を良好として判断した。結果を表1に示した。
A:50サンプルにおいてダメージ無し
B:1〜2サンプルにおいてダメージ発生
C:3〜10サンプルにおいてダメージ発生
D:11サンプル以上においてダメージ発生
(Siチップの傾き評価)
接合工程後、Siチップと焼結銅層の接合部について、断面出しを行い、銅基板の界面に対して、Siチップの傾きを、デジタルマイクロスコープ(キーエンス製)を用いて観察し評価した。50サンプルについて下記基準に基づいて評価した。下記A及びBの基準を満たした場合を良好として判断した。結果を表1に示した。
A:50サンプルにおいて傾きが0.02°以下
B:1〜2サンプルにおいて0.02°以上の傾き発生
C:3〜10サンプルにおいて0.02°以上の傾き発生
D:11サンプル以上において0.02°以上の傾き発生
<実施例2>
実施例1の工程aにおいて、焼結銅層の空隙率が20体積%(銅の体積割合が80体積%)になるように、分散媒の量を調整した金属ペーストを作製し用いたこと以外は、実施例1と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例3>
実施例1の工程aにおいて、焼結銅層の空隙率が30体積%(銅の体積割合が70体積%)になるように、分散媒の量を調整した金属ペーストを作製し用いたこと以外は、実施例1と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例4>
実施例1の工程bにおいて、厚さ100μmのステンレス板のかわりに、厚さ500μmのステンレス板を用い、焼結銅層の空隙率が10体積%(銅の体積割合が90体積%)で厚さが250μmになるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例5>
実施例4の工程aにおいて、焼結銅層の空隙率が20体積%(銅の体積割合が80体積%)になるように、分散媒の量を調整した金属ペーストを作製し用いたこと以外は、実施例4と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例6>
実施例4の工程aにおいて、焼結銅層の空隙率が30体積%(銅の体積割合が70体積%)になるように、分散媒の量を調整した金属ペーストを作製し用いたこと以外は、実施例4と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例7>
実施例1の工程eにおいて、10MPaのかわりに5MPaで10分間にて加圧したこと以外は実施例1と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例8>
実施例2の工程eにおいて、10MPaのかわりに5MPaで10分間にて加圧したこと以外は実施例2と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例9>
実施例3の工程eにおいて、10MPaのかわりに5MPaで10分間にて加圧したこと以外は実施例3と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例10>
実施例4の工程eにおいて、10MPaのかわりに5MPaで10分間にて加圧したこと以外は実施例4と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例11>
実施例5の工程eにおいて、10MPaのかわりに5MPaで10分間にて加圧したこと以外は実施例5と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例12>
実施例6の工程eにおいて、10MPaのかわりに5MPaで10分間にて加圧したこと以外は実施例6と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。
<比較例1>
サイズ19mm×25mm×3mm(厚さ)の銅基板とサイズ5mm×5mm×150μm(厚さ)であり、接合面全面にスパッタリングによりチタン層/ニッケル層がこの順で設けられたSiチップと、実施例1の工程aより得られる金属ペーストと、を準備した。銅基板上に、5mm×5mmの正方形の開口を有する厚さ500μmのステンレスマスクの開口部を合わせて設置した後、スキージを用いて、銅基板上に金属ペーストをステンシル印刷した。金属ペーストの印刷物上に、Siチップを、ニッケル層が金属ペーストに接するように置いた。これにより、Siチップ、金属ペースト、及び銅基板がこの順に積層された積層体を得た。その以降、実施例1の工程e以降と同様に行った。結果を表1に示した。なお、得られた半導体装置における金属焼結体の空隙率は10体積%であり、厚さは250μmであった。
<比較例2>
実施例1の工程eにおいて、10MPaのかわりに5MPaで10分間にて加圧したこと以外は比較例1と同様にして半導体装置を作製するとともに評価を行った。結果を表1に示した。なお、得られた半導体装置における金属焼結体の空隙率は10体積%であり、厚さは250μmであった。
Figure 2021172858
実施例に示されるように、あらかじめ半導体素子搭載用支持部材に焼結銅層を形成することによって、半導体素子加圧接合時の半導体素子への衝撃をやわらげるとともに半導体素子が半導体素子搭載用支持部材に対して傾くことなく接合できた。一方、比較例1及び2で示したように、あらかじめ半導体素子搭載用支持部材に焼結銅層を形成しない場合には、Siチップにダメージや傾きが確認され、接合時の歩留まり及び接続信頼性が低かった。
1…金属焼結体、1a,1b…金属焼結体の表面、2…半導体素子搭載用支持部材、3…半導体素子、5…半導体装置。

Claims (12)

  1. 金属焼結体を表面に有する第一の部材と第二の部材とを、前記金属焼結体を介して加圧接合する接合工程を備え、
    前記第一の部材及び前記第二の部材のうち、一方が半導体素子搭載用支持部材であり、他方が半導体素子であり、
    前記接合工程中又は前記接合工程の前に、前記金属焼結体の表面に還元性の有機溶剤を接触させる、半導体装置の製造方法。
  2. 前記接合工程の前に、前記金属焼結体の表面及び/又は前記第二の部材の表面に還元性の有機溶剤を塗布する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記金属焼結体が銅を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記金属焼結体における銅の含有量が、前記金属焼結体の全質量基準で、95質量%以上である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記金属焼結体が、前記第一の部材との界面に対して略平行に配向したフレーク状の金属粒子に由来する構造を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記金属焼結体の厚さが、1〜1000μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記金属焼結体の空隙率が、5〜60体積%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記還元性の有機溶剤が、オリゴマー、フラックス活性を有する有機溶剤又は沸点が200℃以上である多価アルコールを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記接合工程が、水素濃度が5ppm以下の雰囲気下で実施される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記半導体素子がワイドバンドギャップ半導体である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 金属焼結体を表面に有する半導体素子搭載用支持部材と、還元性の有機溶剤と、を備える、半導体素子搭載用支持部材セット。
  12. 金属焼結体を表面に有する半導体素子と、還元性の有機溶剤と、を備える、半導体素子セット。
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