JP2021172749A - ポリエチレン系押出発泡体 - Google Patents

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武石 佐藤
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Abstract

【課題】 平均気泡径が小さく、独立気泡率が高く、かつ巣が少ない、ポリエチレン系樹脂発泡体を提供すること。【解決手段】 次の(1)〜(3)を満たすポリエチレン系樹脂組成物を押出成形して得られるポリエチレン系押出発泡体;(1)分岐状低密度ポリエチレンを含有するポリエチレン系樹脂Aを含む、(2)微架橋ポリエチレン系樹脂Bを含む、(3)ポリエチレン系樹脂Aおよび微架橋ポリエチレン系樹脂Bの総量100重量%において、微架橋ポリエチレン系樹脂Bの含有率が5〜45重量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレン系押出発泡体に関する。
ポリエチレン系樹脂発泡体は、柔軟性および耐磨耗性に比較的優れていることから、緩衝材(例えば梱包用緩衝材)として広く使用されている。
近年、柔らかい感触を有するなどの理由から、気泡径が微細なポリエチレン系樹脂押出発泡体が求められている。
従来、ポリエチレン系樹脂押出発泡体として、発泡性に優れる低密度ポリエチレン系樹脂を用いた押出発泡体が実用化されている。
例えば、特許文献1には、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンと線状低密度ポリエチレンの混合樹脂組成物からなる発泡層と高密度ポリエチレン系樹脂からなるスキン層との積層により、引裂き性を向上したポリエチレン発泡シートが開示されている。また、特許文献2には、分岐状低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを使用し、連続気泡率が40%以下で、かつ、押出方向および幅方向の平均気泡径が各々0.5〜1.5mmで、球形に近い気泡形状であるポリエチレン押出発泡体により優れた熱成形性を実現した技術が開示されている。
特開2014−195992 特開2005−154729
本発明の目的は、平均気泡径が小さく、独立気泡率が高く、かつ巣が少ない、ポリエチレン系押出発泡体を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、非架橋処理のポリエチレン系樹脂と微架橋処理されたポリエチレン系樹脂とを特定割合で併用することによって、平均気泡径が小さく、独立気泡率が高く、かつ巣が少ない、ポリエチレン系押出発泡体を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一実施形態は、以下の構成を含むものである。
[1] 以下(1)〜(3)の条件を満たすポリエチレン系樹脂組成物を押出成形して得られるポリエチレン系押出発泡体;
(1)分岐状低密度ポリエチレンを含有するポリエチレン系樹脂Aを含む、
(2)微架橋ポリエチレン系樹脂Bを含む、および、
(3)前記ポリエチレン系樹脂Aおよび前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bの総量100重量%において、前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bの含有率が5〜45重量%である。
[2] 前記ポリエチレン系樹脂Aが、分岐状低密度ポリエチレン55〜100重量%およびエチレン/α−オレフィン共重合体0〜45重量%含む、前記[1]に記載のポリエチレン系押出発泡体。
[3] 前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bが、微架橋分岐状低密度ポリエチレンを含有する、前記[1]または[2]に記載のポリエチレン系押出発泡体。
[4] 前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bが、分岐状低密度ポリエチレン55〜100重量%およびエチレン/α−オレフィン共重合体0〜45重量%含むポリエチレン系樹脂の微架橋物である、前記[1]〜[3] のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
[5] 前記ポリエチレン系樹脂Aが、分岐状低密度ポリエチレン95〜55重量%およびエチレン/α−オレフィン共重合体5〜45重量%含む、前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
[6] 前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bが、分岐状低密度ポリエチレン95〜55重量%およびエチレン/α−オレフィン共重合体5〜45重量%含むポリエチレン系樹脂の微架橋物である、前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
[7] 前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bが、熱履歴を有するポリエチレン系樹脂である、前記[1]〜[6]のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
[8] 前記ポリエチレン系押出発泡体が板状である、前記[1]〜[7]のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
[9] 前記ポリエチレン系押出発泡体の厚みが20〜160mmである、前記[1]〜[8]のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
[10] 前記ポリエチレン系押出発泡体の発泡倍率が4〜35倍である、前記[1]〜[9]のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
[11] 前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体の製造方法。
本発明のポリエチレン系押出発泡体は、平均気泡径が小さく、独立気泡率が高く、かつ巣が少ない、という効果を奏する。
原料ポリエチレン系樹脂と、原料ポリエチレン系樹脂を微架橋することで得られる微架橋ポリエチレン系樹脂Bの分子量分布の一例を示したものである。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。更に、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
本明細書において特記しない限り、構成単位として、X1単量体に由来する構成単位と、X2単量体に由来する構成単位と、・・・およびXn単量体(nは2以上の整数)に由来する構成単位とを含む共重合体を、X1/X2/・・・/Xn共重合体とも称する。X1/X2/・・・/Xn共重合体としては、明示されている場合を除き、重合様式は特に限定されず、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、グラフト共重合体であってもよい。また、X単量体に由来する構成単位を「X単位」と称する場合もある。
〔1.本発明の一実施形態の技術的思想〕
本発明者らが鋭意検討した結果、上述した特許文献1および2に記載の技術には、以下に示すような改善の余地または問題点があることを見出した。
小さい平均気泡径であり、かつ、高い独立気泡率を有するポリエチレン系押出発泡体を製造するためには、従来のポリエチレン系押出発泡体で要求された発泡性では不十分であり、発泡性のさらなる向上が必要になる。
特許文献1に記載の技術では、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンと線状低密度ポリエチレンの混合樹脂組成物を用いることで、発泡層の引裂き性を向上させている。線状低密度ポリエチレンを使用することで製膜時の溶融張力が調整されるものの、当該混合樹脂組成物の一部または全部に熱履歴を与え、分子間の一部で架橋を形成させることで、発泡層とスキン層との共押出し製膜の安定性を高めている。しかし、得られる発泡層の独立気泡率および巣発生抑制効果については、言及なくて想定されておらず、記載の技術において何ら予見できるものではない。
特許文献2に記載の技術では、分岐状低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとを組み合わせて使用することで、発泡体が熱成形時に破れ難くするとともに、熱成形できる温度範囲を広げている。しかし、発泡シートの気泡径を小さくした場合に独立気泡率の低下がみられる。緩衝材として使用する場合は高い圧縮強度が求められ、これを達成するためには高い独立気泡率の発泡体を得る必要がある。つまり、記載の技術では、平均気泡径が小さく緩衝材に好適な発泡体を製造するためには、さらなる改善の余地がある。
一方、本発明は、非架橋処理のポリエチレン系樹脂と架橋処理されたポリエチレン系樹脂とを特定割合で併用することによって、得られるポリエチレン系押出発泡体が高い独立気泡率に加えて、小さい平均気泡径を有し、かつ、巣の発生が抑えられることを実現したものである。
〔2.ポリエチレン系樹脂発泡体〕
本発明の一実施形態に係るポリエチレン系発泡体は、次の(1)〜(3)の条件を満たすポリエチレン系樹脂組成物を押出成形して得られる発泡体である;
(1)分岐状低密度ポリエチレンを含有するポリエチレン系樹脂Aを含む、
(2)微架橋ポリエチレン系樹脂Bを含む、および、
(3)前記ポリエチレン系樹脂Aおよび前記ポリエチレン系樹脂Bの総量100重量%において、前記ポリエチレン系樹脂Bの含有率が5〜45重量%である。 「ポリエチレン系押出発泡体」を「発泡体」と称する場合もある。「本発明の一実施形態に係るポリエチレン系押出発泡体」を、「本発泡体」と称する場合もある。
本発泡体は、前記構成を有するため、平均気泡径が小さく、独立気泡率が高く、かつ巣が少ない。さらに、本発泡体は、熱融着性に優れるため加工性が良好である、等の効果を有する。
(ポリエチレン系樹脂A)
ポリエチレン系樹脂Aとしては、分岐状低密度ポリエチレンを含有する。分岐状低密度ポリエチレンは、一般的な高圧法による製造された長鎖分岐を有する低密度ポリエチレンを使用できる。分岐状低密度ポリエチレンは、「LDPE」と称される場合もある。
ポリエチレン系樹脂Aに含有される分岐状低密度ポリエチレンの密度は、910kg/m〜935kg/mであることが好ましく、912kg/m〜930kg/mであることがより好ましく、913kg/m〜927kg/mであることがさらに好ましく、914kg/m〜924kg/mであることが特に好ましい。当該構成によると、製造過程における樹脂溶融物の発泡性と得られる発泡体の耐熱性とのバランスが優れるという利点を有する。
ポリエチレン系樹脂Aに含有される分岐状低密度ポリエチレンのMFRは特に限定されない。ポリエチレン系樹脂Aに含有される分岐状低密度ポリエチレンのMFRは、0.2g/10分〜10.0g/10分が好ましく、0.3g/10分〜8.0g/10分がより好ましく、0.5g/10分〜6.0g/10分がより好ましく、0.8g/10分〜5.0g/10分がさらに好ましく、1.0g/10分〜4.0g/10分が特に好ましい。当該構成によると、製造過程における樹脂溶融物は、高い溶融張力を有し、かつ押出機内での過度なせん断発熱を防止できる。その結果、本発泡体の製造において、押出発泡に適した条件設定が容易となる傾向がある。
なお、本明細書において、分岐状低密度ポリエチレンのMFRは、JIS K−7210に準じて、190℃、かつ2.16kg荷重にて測定を行って得られる値である。
製造過程における樹脂溶融物が発泡性に優れることから、ポリエチレン系樹脂A100重量%中、分岐状低密度ポリエチレンを50重量%以上含むことが好ましく、60重量%以上含むことがより好ましく、70重量%以上含むことがより好ましく、80重量%以上含むことがさらに好ましく、85重量%以上含むことが特に好ましい。分岐状低密度ポリエチレンの上限値は、特に問わないが、ポリエチレン系樹脂A100重量%において、100重量%であってもよい。
ポリエチレン系樹脂Aに含有される分岐状低密度ポリエチレンとしては、1種の分岐状低密度ポリエチレンを単独で使用してもよく、2種以上の分岐状低密度ポリエチレンを組み合わせて使用してもよい。例えば、異なる密度を有する2種以上の分岐状低密度ポリエチレンを組み合わせて使用してもよく、また、異なるMFRを有する2種以上の分岐状低密度ポリエチレンを組み合わせて使用してもよい。
耐磨耗性に優れることから、ポリエチレン系樹脂Aはエチレン/α−オレフィン共重合体を含むことが好ましい。ポリエチレン系樹脂Aに含まれるエチレン/α−オレフィン共重合体としては、構成単位としてエチレンおよびα−オレフィンを有し、全構成単位100モル%中、エチレンに由来する構成単位を50モル%以上有する限り、その他の構成は特に限定されない。また、ポリエチレン系樹脂Aに含まれるエチレン/α−オレフィン共重合体は、エチレンと共重合可能な他の単量体に由来する構成単位を有していてもよい。ポリエチレン系樹脂Aに含まれるエチレン/α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であってもよいし、エチレンとα−オレフィンと他の単量体との共重合体であってもよい。
ポリエチレン系樹脂Aに含有されるエチレン/α−オレフィン共重合体の密度は、870kg/m〜920kg/mであることが好ましく、875kg/m〜918kg/m3であることがより好ましく、880kg/m〜916kg/mであることがさらに好ましく、885kg/m〜914kg/mであることが尚更好ましく、888kg/m〜912kg/mであることがことさら好ましく、890kg/m〜910kg/mであることが特に好ましい。当該構成によると、製造過程における樹脂溶融物の発泡性と得られる発泡体の耐熱性とのバランスが優れるという利点を有する。
ポリエチレン系樹脂Aに含有されるエチレン/α−オレフィン共重合体のMFRは特に限定されない。ポリエチレン系樹脂Aに含有されるエチレン/α−オレフィン共重合体のMFRは、0.3g/10分〜20.0g/10分が好ましく、0.5g/10分〜15.0g/10分がより好ましく、1.0g/10分〜10.0g/10分がより好ましく、1.5g/10分〜8.0g/10分がさらに好ましく、2.0g/10分〜6.0g/10分が特に好ましい。当該構成によると、製造過程における樹脂溶融物は、高い溶融張力を有し、かつ押出機内での過度なせん断発熱を防止できる。その結果、本発泡体の製造において、押出発泡に適した条件設定が容易となる傾向がある。本明細書において、エチレン/α−オレフィン共重合体のMFRは、分岐状低密度ポリエチレンと同じ方法にて得られる値である。
ポリエチレン系樹脂Aに含有されるエチレン/α−オレフィン共重合体としては、構成単位の組成が同一である1種の重合体を単独で使用してもよく、構成単位の組成が異なる2種以上の重合体を組み合わせて使用してもよい。ポリエチレン系樹脂Aに含有されるエチレン/α−オレフィン共重合体としては、1種のエチレン/α−オレフィン共重合体を単独で使用してもよく、2種以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を組み合わせて使用してもよい。例えば、異なる密度を有する2種以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を組み合わせて使用してもよく、また、異なるMFRを有する2種以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を組み合わせて使用してもよく、また、異なるコモノマーで構成された2種以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を組み合わせて使用してもよい。
耐磨耗性および発泡性に優れることから、ポリエチレン系樹脂Aは、当該ポリエチレン系樹脂A100重量%中、分岐状低密度ポリエチレン55重量%〜100重量%とエチレン/α−オレフィン共重合体0重量%〜45重量%とを含むことが好ましく、分岐状低密度ポリエチレン55重量%〜95重量%とエチレン/α−オレフィン共重合体5重量%〜45重量%とを含むことがより好ましく、分岐状低密度ポリエチレン60重量%〜90重量%とエチレン/α−オレフィン共重合体10重量%〜40重量%とを含むことが更に好ましく、分岐状低密度ポリエチレン70重量%〜85重量%とエチレン/α−オレフィン共重合体15重量%〜30重量%とを含むことが特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂Aには、上記分岐状低密度ポリエチレンおよびエチレン/α−オレフィン共重合体の他に、公知のポリエチレンを含有してもよい。例えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/1−ヘキセン共重合体、エチレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン/1−オクテン共重合体、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
ポリエチレン系樹脂A100重量%において、分岐状低密度ポリエチレン及びエチレン/α−オレフィン共重合体の総量が、60〜100重量%であることが好ましく、70〜100重量%がより好ましく、80〜100重量%が更に好ましい。
(ポリエチレン系樹脂B)
ポリエチレン系樹脂Bは、分岐状低密度ポリエチレンを含有するポリエチレン系樹脂が微架橋処理されてなるものである。すなわち、ポリエチレン系樹脂Bには、微架橋構造を有する分岐状低密度ポリエチレンが含まれる。ここでは、微架橋処理される前のポリエチレン系樹脂を「原料ポリエチレン系樹脂」とする。原料ポリエチレン系樹脂は、構成単位として、全構成単位100モル%中、エチレンに由来する構成単位を50モル%以上有する限り、その他の構成は特に限定されない。原料ポリエチレン系樹脂は、エチレンと共重合可能な他の単量体に由来する構成単位を有していてもよい。原料ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体であってもよく、エチレンとエチレン以外の単量体との共重合体であってもよい。原料ポリエチレン系樹脂に含有される分岐状低密度ポリエチレンは、ポリエチレン系樹脂Aに含有される分岐状低密度ポリエチレンが同様に好ましく適用できる。原料ポリエチレン系樹脂に含有される分岐状低密度ポリエチレンとしては、1種の分岐状低密度ポリエチレンを単独で使用してもよく、2種以上の分岐状低密度ポリエチレンを組み合わせて使用してもよい。例えば、異なる密度を有する2種以上の分岐状低密度ポリエチレンを組み合わせて使用してもよく、また、異なるMFRを有する2種以上の分岐状低密度ポリエチレンを組み合わせて使用してもよい。また、原料ポリエチレン系樹脂に含有される分岐状低密度ポリエチレンは、ポリエチレン系樹脂Aに含有される分岐状低密度ポリエチレンと同一であってもよいし、異なってもよい。
微架橋処理されてなる分岐状低密度ポリエチレンの密度は、910kg/m〜925kg/mであることが好ましく、911kg/m〜924kg/mであることがより好ましく、912kg/m〜923kg/mであることがさらに好ましく、913kg/m〜922kg/mであることが特に好ましい。当該構成によると、製造過程における樹脂溶融物の発泡性と得られる発泡体の耐熱性とのバランスが優れるという利点を有する。
微架橋処理されてなる分岐状低密度ポリエチレンのMFRは特に限定されないが、0.3g/10分〜10.0g/10分が好ましく、0.4g/10分〜8.0g/10分がより好ましく、0.5g/10分〜6.0g/10分がより好ましく、0.8g/10分〜5.0g/10分がさらに好ましく、1.0g/10分〜4.0g/10分が特に好ましい。当該構成によると、製造過程における樹脂溶融物は、高い溶融張力を有し、かつ押出機内での過度なせん断発熱を防止できる。その結果、本発泡体の製造において、押出発泡に適した条件設定が容易となる傾向がある。
製造過程における樹脂溶融物が発泡性に優れることから、ポリエチレン系樹脂Bには、ポリエチレン系樹脂B100重量%中、微架橋処理されてなる分岐状低密度ポリエチレンが50重量%以上含まれることが好ましく、60重量%以上含まれることがより好ましく、70重量%以上含まれることがより好ましく、80重量%以上含まれることがさらに好ましく、85重量%以上含まれることが特に好ましい。
耐磨耗性に優れ、独立気泡率を高くし易いことから、原料ポリエチレン系樹脂はエチレン/α−オレフィン共重合体を含むことが好ましい。原料ポリエチレン系樹脂に含まれるエチレン/α−オレフィン共重合体としては、ポリエチレン系樹脂Aのエチレン/α−オレフィン共重合体が同様に好ましく適用できる。原料ポリエチレン系樹脂に含有されるエチレン/α−オレフィン共重合体は、構成単位の組成が同一である1種の重合体を単独で使用してもよく、構成単位の組成が異なる2種以上の重合体を組み合わせて使用してもよい。ポリエチレン系樹脂Aに含有されるエチレン/α−オレフィン共重合体としては、1種のエチレン/α−オレフィン共重合体を単独で使用してもよく、2種以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を組み合わせて使用してもよい。例えば、異なる密度を有する2種以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を組み合わせて使用してもよく、また、異なるMFRを有する2種以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を組み合わせて使用してもよく、また、異なるコモノマーで構成された2種以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を組み合わせて使用してもよい。また、ポリエチレン系樹脂Aに含有されるエチレン/α−オレフィン共重合体と同一であってもよいし、異なっていても良い。
微架橋処理されてなるエチレン/α−オレフィン共重合体の密度は、875kg/m3〜918kg/m3であることが好ましく、880kg/m3〜916kg/m3であることがより好ましく、885kg/m3〜914kg/m3であることがより好ましく、888kg/m3〜912kg/m3であることがさらに好ましく、890kg/m3〜910kg/m3であることが特に好ましい。当該構成によると、製造過程における樹脂溶融物の発泡性と得られる発泡体の耐熱性とのバランスが優れるという利点を有する。
微架橋処理されてなるエチレン/α−オレフィン共重合体のMFRは特に限定されない。ポリエチレン系樹脂Aに含有されるエチレン/α−オレフィン共重合体のMFRは、0.3g/10分〜20.0g/10分が好ましく、0.5g/10分〜15.0g/10分がより好ましく、1.0g/10分〜10.0g/10分がより好ましく、1.5g/10分〜8.0g/10分がさらに好ましく、2.0g/10分〜6.0g/10分が特に好ましい。当該構成によると、製造過程における樹脂溶融物は、高い溶融張力を有し、かつ押出機内での過度なせん断発熱を防止できる。その結果、本発泡体の製造において、押出発泡に適した条件設定が容易となる傾向がある。
耐磨耗性および発泡性に優れることから、原料ポリエチレン系樹脂は、当該原料ポリエチレン系樹脂100重量%中、分岐状低密度ポリエチレン55重量%〜100重量%とエチレン/α−オレフィン共重合体0重量%〜45重量%が好ましく、分岐状低密度ポリエチレン55重量%〜95重量%とエチレン/α−オレフィン共重合体5重量%〜45重量%とを含むことがより好ましく、分岐状低密度ポリエチレン60重量%〜90重量%とエチレン/α−オレフィン共重合体10重量%〜40重量%とを含むことが更に好ましく、分岐状低密度ポリエチレン70重量%〜85重量%とエチレン/α−オレフィン共重合体15重量%〜30重量%とを含むことが特に好ましい。
原料ポリエチレン系樹脂には、分岐状低密度ポリエチレンやエチレン/α−オレフィン共重合体のほかに、公知のポリエチレンを含有してもよい。例えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/1−ヘキセン共重合体、エチレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン/1−オクテン共重合体、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
ポリエチレン系樹脂Bは微架橋処理されたものである。ポリエチレン系樹脂Bは、微架橋処理されているが、ゲル分率は実質的に0%である。
ゲル分率とは、試料約1gを秤量して100メッシュの金網内に入れ、金網ごとキシレン100g中で8時間煮沸した後、金網を取り出し、金網内に残った沸騰キシレン不溶分を20℃で24時間乾燥させてから、不溶分の重量を秤量し、元の試料重量を100重量%とした時の不溶分の重量比率をゲル分率とした。本発明においてゲル分率が実質的に0%とは、ゲル分率が0.5重量%未満のものを言う。
また、図1に示されるように、GPCを用いて分子量分布測定を行い、微架橋ポリエチレン系樹脂Bがバージンである原料ポリエチレン系樹脂と比較して、標準ポリスチレン換算分子量で3.0E+5から3.0E+7付近の高分子量領域で、ピークがわずかに大きくなっていることで、微架橋構造の生成を確認できる。
すなわち、ポリエチレン系樹脂Bとは、上記方法にて測定したゲル分率が0.5重量%未満のものであって、かつ、GPCを用いて分子量分布測定を行った際に、標準ポリスチレン換算分子量で、3.0E+5から3.0E+7付近の高分子量領域において、原料ポリエチレン系樹脂よりも大きなピークが検出できるものである。
原料ポリエチレン系樹脂を微架橋する方法としては、公知の架橋方法であれば特に問わないが、電子線照射処理、有機過酸化物による化学架橋処理、シラングラフト化樹脂の水架橋、熱履歴を与える加熱処理が例示される。例えば、熱履歴を与える加熱処理としては、プラスチック用押出機を用いて、溶融押出を行う方法が挙げられる。押出機としては、単軸押出機でも二軸押出機でも、三軸以上の押出機であってもよく、押出機が二つ以上連結されたタンデム押出機であってもよい。押出時の温度は180℃以上が好ましく、190℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましい。温度の上限は300℃までであり、300℃を超える高温では、微架橋よりも主鎖が切れることによる分子量の低下が顕著となり、微架橋を形成するには不適な条件となる。なお、微架橋構造を付与する操作は、1回であってもよく、2回以上であってもよい。また微架橋樹脂を得る際に、必要に応じて、微架橋を生成する程度の極少量の架橋剤、酸化劣化や過度な架橋を抑制するための酸化防止剤などのその他添加剤を添加しても良い。2種以上のポリエチレン系樹脂を含む原料ポリエチレン系樹脂を微架橋処理されてなるポリエチレン系樹脂Bである場合は、ポリエチレン系樹脂を各々微架橋処理してなるものを混ぜ合わせたものであってもよいし、原料ポリエチレン系樹脂の一部または全部を一緒に微架橋処理してなるものであってもよい。ここで、意図的に微架橋して調製されたものに限定されず、他のポリエチレン系樹脂の成形時に発生した不用物や廃棄物も使用可能である。
ポリエチレン系樹脂Bが微架橋構造を有することで、より複雑な分子構造となり、ポリエチレン系樹脂の結晶性を低下させることにより、板状の押出発泡体とした時にも、樹脂の過冷却による巣の発生を低減させることができる。ポリエチレン系樹脂Bを、ポリエチレン系樹脂Aと併用することで、押出混練時の各樹脂の分散性を向上させることでより均一な樹脂組成物となり、発泡性が向上する。また、ポリエチレン系樹脂Aがエチレン/α―オレフィン共重合体を含有する場合には、ポリエチレン系樹脂Bにおいても分岐状低密度ポリエチレンとエチレン/α―オレフィン共重合体のそれぞれの構造を有する微架橋樹脂を使用することが好ましい。エチレン/α―オレフィン共重合体は、押出加工時のせん断粘度が分岐状低密度ポリエチレンよりも高い傾向があり、均一に分散させることが難しいが、ポリエチレン系樹脂Bが分岐状低密度ポリエチレンとエチレン/α―オレフィン共重合体それぞれの構造を有すれば、ポリエチレン系樹脂Aに含まれる分岐状低密度ポリエチレンとエチレン/α―オレフィン共重合体の分散性を向上させることが可能となり、高い独立気泡率の発泡体が得られ易くなる。なお、分岐状低密度ポリエチレンおよびエチレン/α―オレフィン共重合体を各々微架橋処理してなるものを混ぜ合わせて使用する形態が除外されるわけではない。
本発明における樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂Aおよびポリエチレン系樹脂Bの総量100重量%において、ポリエチレン系樹脂Aを55重量%〜95重量%およびポリエチレン系樹脂Bを5重量%〜45重量%含み、ポリエチレン系樹脂Aを60重量%〜93重量%およびポリエチレン系樹脂Bを7重量%〜40重量%含むことが好ましく、ポリエチレン系樹脂Aを63重量%〜88重量%およびポリエチレン系樹脂Bを12重量%〜37重量%含むことがより好ましく、ポリエチレン系樹脂Aを65重量%〜85重量%およびポリエチレン系樹脂重合体Bを15重量%〜35重量%含むことが特に好ましい。当該構成によると、得られる発泡体は、平均気泡径がより小さい、独立気泡率がより高い、および/または、巣がより少ない、という利点を有する。
(その他の樹脂)
本発泡体は、上述したポリエチレン系樹脂AおよびB以外に、その他の樹脂を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、(a)上述したポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂、および(b)ポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂などが挙げられる。本明細書において、上述したポリエチレン系樹脂とその他の樹脂とを合わせて「原料樹脂」と称する場合もある。
上述したポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン単独重合体、ポリプロピレン/エチレンブロック共重合体、ポリプロピレン/エチレンランダム共重合体、プロピレン/α−オレフィン共重合体、プロピレン/1−ブテン共重合体、エチレン/1−ブテン/プロピレン共重合体、プロピレン/塩素化ビニル共重合体、プロピレン/無水マレイン酸共重合体、高い溶融張力を有する長鎖分岐ポリプロピレン、イソプレン変性ポリプロピレン、超高分子量成分を含むポリプロピレンなどが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂としては、例えば、(a)酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、(b)ポリアミド/ポリオール共重合体等のポリアミド系エラストマー、および(c)ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマー、等が挙げられる。
原料樹脂は、原料樹脂100重量%中、上述したポリエチレン系樹脂AおよびBを50重量%以上含むことが好ましく、60重量%以上含むことがより好ましく、70重量%以上含むことがより好ましく、75重量%以上含むことがより好ましく、80重量%以上含むことがより好ましく、85重量%以上含むことがさらに好ましい。当該構成によると、(a)樹脂溶融物が発泡性に優れ、かつ、(b)得られる発泡体が、平均気泡径が小さく、独立気泡率が高く、かつ巣が少ない発泡体となる、という利点を有する。
原料樹脂が複数種の樹脂を含んでいる場合、発泡体を解析することによって、原料樹脂に含まれる樹脂の種類および含有比率を特定することができる場合もある。
(その他添加剤)
本発泡体は、必要に応じて、気泡核形成剤、気泡核形成補助剤、耐候剤、酸化防止剤、収縮防止剤、結晶造核剤、熱安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、難燃剤等の機能性添加剤、滑剤、無機充填剤、着色剤(例えば顔料)などのその他添加剤をさらに含んでいてもよい。
(気泡核形成剤)
気泡核形成剤としては、熱分解型発泡剤、有機酸(塩)および無機物(例えばタルクなど)などが挙げられる。本明細書において、「有機酸(塩)」とは「有機酸および/または有機酸塩」を意味する。気泡核形成剤は、熱分解型発泡剤および/または有機酸(塩)を含むことが好ましい。気泡核形成剤が熱分解型発泡剤および/または有機酸(塩)を含む場合、気泡核形成剤が熱分解型発泡剤および/または有機酸(塩)を含まず無機物(例えばタルクなど)のみを含む場合と比較して、得られる発泡体の気泡径をより容易に小さくすることができる。気泡核形成剤は、熱分解型発泡剤および有機酸(塩)を含むことがより好ましく、熱分解型発泡剤と有機酸(塩)との混合物からなることがさらに好ましい。
熱分解型発泡剤としては、例えば、ADCA(アゾジカルボンアミド)、DPT(N,N’−ジニトロペンタメチレンテトラミン)、OBSH(4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素塩、炭酸塩等が挙げられる。熱分解型発泡剤としては、炭酸水素塩、炭酸塩、または炭酸水素塩と炭酸塩との混合物、が好ましい。炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。
有機酸(塩)としては、シュウ酸(塩)、乳酸(塩)、コハク酸(塩)、リンゴ酸(塩)、クエン酸(塩)などが挙げられる。気泡径の微細化効果が高いことから、有機酸(塩)としては、クエン酸(塩)が好ましい。クエン酸(塩)としては、クエン酸、クエン酸モノナトリウム、クエン酸トリナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、クエン酸カリウム等が挙げられる。
気泡核形成剤としては、取り扱いが容易であり、かつ気泡核の生成効果が高いことから、炭酸水素塩とクエン酸(塩)との混合物、炭酸塩とクエン酸(塩)との混合物、および炭酸水素塩および炭酸塩とクエン酸(塩)との混合物からなる群より選択される1種以上の混合物が好ましく、炭酸水素塩とクエン酸塩との混合物がより好ましく、炭酸水素ナトリウムとクエン酸モノナトリウムとの混合物が特に好ましい。
気泡核形成剤における熱分解型発泡剤と有機酸(塩)との含有比率は、熱分解型発泡剤および有機酸(塩)の総量を100重量%とすると、熱分解型発泡剤が10重量%〜90重量%および有機酸(塩)が90重量%〜10重量%が好ましく、熱分解型発泡剤が20重量%〜85重量%および有機酸(塩)が80重量%〜15重量%がより好ましく、熱分解型発泡剤が30重量%〜80重量%および有機酸(塩)が70重量%〜20重量%が更に好ましい。当該構成によると、少量の気泡核形成剤によって、効率良く造核効果が得られ易い、という利点を有する。
本発泡体の製造において、気泡核形成剤の使用量を多くするほど、得られる発泡体の気泡径は小さくなる傾向にある。ただし、発泡体の製造において、気泡核形成剤の使用量を多くするほど、製造コストが上昇し、気泡核形成剤の分解物による異物発生のリスクが高まる場合がある。よって、本発泡体の製造における気泡核形成剤の使用量は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、0.03重量部〜1.50重量部が好ましく、0.08重量部〜1.20重量部がより好ましく、0.10重量部〜1.00重量部が更に好ましい。
本発泡体の製造において、気泡核形成剤としては、粉体状の気泡核形成剤を直接使用しても良く、原料樹脂との混合性およびハンドリング性を考慮した気泡核形成剤のマスターバッチを使用しても良い。気泡核形成剤のマスターバッチとしては、市販品を使用することもでき、例えば、永和化成工業製ポリスレンEE275F、大日精化工業製ファインセルマスター SSC PO217K等が挙げられる。
本発泡体の製造において、気泡核形成剤の効果を促進する目的で、気泡核形成補助剤を使用することが可能である。前記気泡核形成補助剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ゼオライト、亜鉛華、リチウム化合物などが挙げられる。リチウム化合物としては、例えば、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、クエン酸リチウム、炭酸リチウム、ほう酸リチウム、ステアリン酸リチウム等が挙げられる。気泡核形成補助剤は、前記気泡核形成剤との併用において気泡径を微細化する効果が高いとの理由から、リチウム化合物を含むことが好ましく、炭酸リチウムを含むことがより好ましい。本発泡体の製造において、気泡核形成補助剤としては、粉体状の気泡核形成補助剤を直接使用しても良く、原料樹脂との混合性を考慮した気泡核形成補助剤のマスターバッチを使用しても良い。
(耐候剤)
耐候剤としては、ポリエチレン系樹脂発泡体に通常使用される耐候剤を使用することができる。耐候剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(「HALS」と称する場合もある。)、紫外線吸収剤(「UVA」と称する場合もある。)、カーボンブラックなどの紫外線遮蔽剤、有機ニッケル化合物などの消光剤、などが挙げられる。
HALSとしては、入手可能な市販品として、BASF製のTinuvin622SF、TinuvinPA123、TinuvinPA144、Tinuvin770DF、Uvinul4050FF、Chimassorb944FDL、Chimassorb2020FDLなど、およびADEKA製のLA−52、LA−81、LA−40MPなどが挙げられる。
微細な気泡が得られ易いことから、用いるHALSは2級アミンを有し、かつ高分子量のものではないものが好ましい。2級アミンを有し、かつ高分子量のHALSを用いると、気泡核形成剤と相互作用を起こし、得られる発泡体の気泡径を粗大化させる虞がある。2級アミンを有するHALSで低分子量であるHALS、もしくは2級アミンを有さないHALSを用いることで、気泡核形成剤との相互作用が抑制でき、均一で微細な気泡径を有する発泡体が得られ易い。
UVAとしては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
HALSおよびUVAなどの耐候剤は液体、粉末状、顆粒状、ペレット状等の形態で用いられ得る。耐候剤は、樹脂、樹脂添加剤等の成分にあらかじめ耐候剤を高濃度に配合した組成物(いわゆるマスターバッチ)として用いることもできる。
本発泡体の製造における耐候剤の使用量、換言すれば本発泡体における耐候剤の含有量は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、0.005重量部〜3.000重量部が好ましく、0.010重量部〜0.600重量部がより好ましく、0.030重量部〜0.400重量部がさらに好ましい。耐候剤の使用量(含有量)が、ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上である場合、得られる発泡体の耐候性は良好となる。耐候剤の使用量(含有量)が、ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、3.000重量部以下である場合、得られる発泡体の表面への経時での耐候剤のブリードを抑制することができる。その結果、被緩衝物への耐候剤の転写を抑制することができる。
(酸化防止剤)
本発泡体の製造では、酸化防止剤を含んでも良い。当該構成によると、樹脂の酸化劣化と過剰な架橋物の生成を抑制できる、という利点を有する。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ヒンダードアミン系安定剤などが挙げられる。これら酸化防止剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−t−ブチル− 4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート、トコフェロール類等が挙げられる。2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)としては、ケミプロ化成株式会社製の「ケミノックス1129」など、市販品を用いることもできる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4− ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ジフェニレンジホスホナイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t− ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−5−エチル−5−ブチル−1,3,2−オキサホスホリナン、2,2',2''−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3' 5,5'−テトラ−t−ブチル−1,1'−ビフェニル−2,2'−ジイル)ホスファイト、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジ−n−プロピルジスルフィド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−sec−ブチルジスルフィド、ジ−t−ブチルジスルフィド、ジ−t−アミルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、ジ−t−オクチルジスルフィド、ジ−n−ドデシルジスルフィド、ジ−t−ドデシルジスルフィドなどが挙げられる。
ヒンダードアミン系安定剤としては、前記耐候剤で例示したものを同様に使用できる。
収縮防止剤としては、脂肪酸エステル、脂肪族アミン、脂肪酸アミドなどの従来周知のものが使用できる。前記脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜30の脂肪酸と水酸基を3〜7個有する多価アルコールとのエステルが好ましい。炭素数8〜30の脂肪酸としては、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコ酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などが挙げられる。水酸基を3〜7個有する多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エリトリットアラビット、キシリマアット、マンニット、ソルビット、ソルビタンなどが挙げられる。
脂肪族アミンとしては、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、エイコシルアミン、ドコシルアミン、N−メチルオクタデシルアミン、N−エチルオクタデシルアミン、ヘキサデシルプロピレンジアミン、オクタデシルプロピレンジアミンなどが挙げられる。
脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ラウリン酸ビスアミド、などが挙げられる。これらの収縮防止剤は一種のみを使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの収縮防止剤の中でも、発泡性や発泡体諸物性への影響が少なく収縮防止効果が大きいとの観点から、脂肪酸エステルが好ましい。脂肪酸エステル化合物の中でも、完全エステル化物よりは部分エステル化物、特にモノエステル化物がより顕著な収縮防止効果が得られるため好ましい。脂肪酸エステルの中でも、ステアリン酸モノグリセライド、ベヘン酸モノグリセライド、またはステアリン酸モノグリセライドとベヘン酸モノグリセライドとの混合物が更に好ましく、特に、ステアリン酸モノグリセライド(グリセリンモノステアレート)が好ましい。
(発泡剤)
発泡剤としては、押出発泡で使用される一般的に使用される発泡剤であれば特に問わず、例えば、(a)(a−1)プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;(a−2)シクロペンタン、シクロブタン等の脂環式炭化水素類;(a−3)ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類;(a−4)メタノール、エタノール等のアルコール類;(a−5)空気、窒素、炭酸ガス等の無機ガス;並びに(a−6)水、などの物理系発泡剤、並びに、(b)重炭酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの熱分解型発泡剤を含む化学系発泡剤、等が挙げられる。発泡剤としては、これらのうちでも、所望の発泡倍率、所望の独立気泡率、および所望の平均気泡径が得られやすいことから物理系発泡剤が好ましく、脂肪族炭化水素類がより好ましく、特にノルマルブタンおよび/またはイソブタンが好ましい。
上述した発泡剤は1種を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
発泡剤の使用量は、特に限定されない。発泡剤の使用量は、発泡剤の種類および目標とする発泡体の発泡倍率に応じて、適宜調整すればよい。本製造方法において、使用する発泡剤の合計使用量は、原料樹脂100重量部に対して、0.5重量部〜20.0重量部が好ましく、1.0重量部〜15.0重量部がより好ましい。
本発泡体の製造において、着色剤(顔料)の使用に特に制限はない。本発泡体は、着色剤を使用せずにナチュラル色の発泡体であってもよく、青、赤、黒など着色剤を使用して所望の色の発泡体であってもよい。着色剤としては、例えば、ペリレン系有機顔料、アゾ系有機顔料、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、スレン系有機顔料、ジオキサジン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
本発泡体は、原料樹脂の一種に、微架橋構造を有するポリエチレン系樹脂Bを含有するものであるが、押出成形時に樹脂組成物を更に架橋させてもよい。
架橋方法は公知の架橋方法であれば、特に問われず、加熱処理や、有機過酸化物などの架橋剤による架橋処理などが例示されるが、架橋度を制御しやすい観点から、架橋剤によって架橋処理されているものが好適である。つまり、ポリエチレン系樹脂は有機過酸化物などの架橋剤を含むものであってもよい。
架橋剤としては、一般に過酸化物、アゾ化合物などのラジカル重合開始剤が挙げられるが、ポリエチレン系樹脂からの水素引き抜き能を有するものが好ましく、一般にケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルなどの有機過酸化物が挙げられる。これらのうち、特に水素引き抜き能が高いものが好ましく、例えば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンなどのジアルキルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発泡体の架橋度(ゲル分率)は、小さいほど好ましく、例えば、5重量%以下であることが好ましく、4重量%以下であることがより好ましく、3重量%以下であることがより好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、2重量%未満であることがさらに好ましく、1重量%以下であることがよりさらに好ましい。本発泡体の架橋度(ゲル分率)は0.5重量%以下であることが特に好ましく、すなわち、本発泡体は微架橋であることが特に好ましい。
当該構成によると、発泡体の製造において、架橋のための原料および時間を少なくでき、生産コストが優れるという利点を有する。本発泡体の架橋度(ゲル分率)が小さいほど、熱融着性にも優れ加工性が良好である利点を奏する。また、当該構成によると、得られた発泡体を元の樹脂組成物に戻して再利用することが可能となり、その結果、リサイクルが容易であるという利点も有する。
本発泡体の発泡倍率は、特に限定されず、製品の重量および/または要求される物性によって適宜選択され得る。本発泡体の発泡倍率は、4倍〜35倍が好ましく、5倍〜33倍がより好ましく、5.5倍〜30倍がさらに好ましく、6倍〜28倍が特に好ましい。当該構成によると、得られる発泡体は、軽量性、製品のグリップ性および緩衝性等のバランスに優れるという利点を有する。また、当該構成によると、発泡体の主要な用途の一つである緩衝材にするための発泡体の加工性が良好となる。その結果、得られる発泡体を加工して緩衝材とし、軽量部品から重量部品まで幅広い搬送品の緩衝材として使用することが可能となる。本明細書において、発泡体の発泡倍率は、後述する実施例に記載の測定方法により得られた値である。
本発泡体は、微細な平均気泡径および高い独立気泡率を両立することができる。本発泡体の平均気泡径は、100μm〜600μmが好ましく、150μm〜500μmがより好ましく、180μm〜500μmがさらに好ましく、200μm〜400μmが特に好ましい。当該構成によると、得られる発泡体を所望の独立気泡率および発泡倍率に調整し易い、および、得られる発泡体が、発泡体の主要な用途である緩衝材用途において、製品保護に優れる、という利点を有する。本明細書において、発泡体の平均気泡径は、後述する実施例に記載の測定方法により得られた値である。
本発泡体の独立気泡率は、66%より大きいことが好ましく、70%以上がより好ましく、75%以上が更に好ましく、80%以上がことさらに好ましく、83%以上が尚更に好ましく、85%以上がことのほか好ましく、88%以上が特に好ましく、90%以上が最も好ましい。当該構成によると、得られる発泡体の、緩衝材としての緩衝性能、繰り返し使用性能、および打ち抜き加工時の寸法回復性、が良好となるという利点を有する。
本発泡体の厚さは、特に限定されない。本発泡体の厚さは、10mm以上であることが好ましく、10mm〜160mmがより好ましく、20mm〜160mmがより好ましく、20mm〜130mmがより好ましく、30mm〜100mmがさらに好ましく、40mm〜70mmが特に好ましい。当該構成によると、(a)さまざまな緩衝材形状への発泡体の加工が可能となる利点、およびシートの積層体ではなく一枚物で(すなわち、発泡体1つで)緩衝材として使用できるため、緩衝材として均質なものが得られ易いという利点を有する。ダイスの開口部の厚さや、成形ダイのサイズや、成形機における発泡体を挟みこむ寸法や、発泡体の引取速度などを適宜調節することにより、得られる発泡体の厚さを調節できる。
本発泡体の形状は特に限定されず、平板状および丸棒状などが挙げられる。本発泡体は、ポリエチレン系樹脂平板状発泡体、換言すればポリエチレン系樹脂発泡板であることが好ましい。本発泡体は、厚さ10mm以上の板状発泡体であることが好ましい。当該構成によると、切削、打抜き等の加工により各種緩衝材に容易に適用可能であるという利点を有する。
本発泡体の製造方法としては、ポリエチレン系押出発泡体が得られる限り、公知の押出成形法を適用できる。本発泡体の製造方法では、二軸押出機と単軸押出機とを連結したタンデム押出機装置を使用してもよい。本発泡体の製造方法の具体的な例としては、次の(1)〜(6)の操作を順に行う方法が挙げられる:(1)ポリオレフィン系樹脂などの原料樹脂および必要に応じて、気泡核形成剤、収縮防止剤などのその他添加剤を、各々所定量準備し、準備した全ての原料を第1押出機(一段目の押出機、二軸)に供給する;(2)供給された原料を混錬に適した温度で溶融混錬する;(3)得られた溶融混練物(樹脂組成物)に対して、第1押出機の途中から、発泡剤を圧入する;(4)得られた樹脂組成物を所望の吐出量に調整し、第1押出機から、連結された第2押出機(二段目の押出機、単軸)に吐出する;(5)次いで第2押出機において、吐出された樹脂組成物の温度が発泡に適した温度となるように調整(例えば冷却)する;(6)発泡に適した温度に調整された樹脂組成物を、第2押出機の先端に取り付けたダイから、押出機内よりも低圧の領域に押出して、樹脂組成物を発泡させる。
前記(1)において、準備した全ての原料を第1押出機に供給する操作について、具体的に説明する。準備した全ての原料は、各々の原料を別々のフィーダーから第1押出機に供給してもよいし、原料の一部または全てを一緒に第1押出機に供給してもよい。準備した各々の原料を別々のフィーダーから第1押出機に供給する場合、各々の原料を第1押出機に同時に供給してもよいし、任意の時宜で供給してもよい。準備した原料の一部または全てを一緒に第1押出機に供給する場合、準備した原料の一部または全てを予め混合して混合物とし、当該混合物を第1押出機に供給してもよい。
なお、前記混錬に適した温度とは、原料樹脂が確実に溶融し、溶融した原料樹脂と必要に応じて添加される添加剤、及び発泡剤との混錬が好適に実施される温度であれば良く、特に限定されない。本発明の一実施形態において、前記混錬に適した温度とは、原料樹脂(例えばポリエチレン系樹脂)の融点以上の温度が好ましい。本発明の一実施形態において気泡核形成剤を使用する場合、前記混錬に適した温度は、使用する気泡核形成剤の効果が効率的に発揮される温度が好ましい。気泡核形成剤が分解型発泡剤を含む場合、気泡核形成剤の効果が効率的に発揮される温度とは、分解型発泡剤の分解が十分に進行し所望の造核作用が得られる温度である。例えば、気泡核形成剤として炭酸水素ナトリウムとクエン酸モノナトリウムとの混合物を使用する場合は、前記混錬に適した温度は、気泡核形成剤の効果が効率的に発揮される温度である180℃〜240℃が好ましい。
前記発泡に適した温度は、特に限定されない。前記発泡に適した温度は、一般的にはダイスから押出される樹脂組成物の温度が主原料となるポリエチレン系樹脂の融点に対して、マイナス10℃からプラス20℃の範囲内が好ましい。なお、前記(5)において、クーリングミキサーを用いて発泡に適した温度となるように調整(例えば冷却)することも可能である。
目的とする発泡体の形状に応じて、二段目の押出機の先端に取り付けるダイを選択することにより、平板状発泡体、丸棒状発泡体などの各種形状の押出発泡体を製造することができる。なお、樹脂組成物の押出条件、押出された発泡体の引取り条件、および押出された発泡体の冷却条件などは、適宜設定すればよい。本発泡体は、平板状発泡体であることが好ましく、換言すれば発泡板であることが好ましい。
押出機内よりも低圧の前記領域は、大気圧下の領域であることが好ましい。換言すれば、押出機内部は、大気圧よりも高圧であることが好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の一実施形態を更に詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において、各種の評価方法に用いられた試験法および判定基準は次の通りである。
<メルトフローレート(MFR)>
MFRはJIS K 7210−1(2014)に準拠して測定した。具体的には、メルトインデクサーS−01(東洋精機製作所製)を用い、190℃、一定荷重(2.16kg)下にて、ダイから単位時間に押し出される樹脂量(g)を測定した。得られた樹脂量(g)を10分間に押し出される樹脂量(g)に換算した値を算出した。
なお、前記単位時間とは、メルトフローレートが0.5g/10分を超え1.0g/10分以下の場合は120秒間、1.0g/10分を超え3.5g/10分以下の場合は、60秒間、3.5g/10分を超え10g/10分以下の場合は30秒間、10g/10分を超え25g/10分以下の場合は10秒間、25g/10分を超え100g/10分以下の場合は5秒間、100g/10分を超える場合は3秒間とした。
ダイから単位時間に押し出される樹脂量を樹脂1ユニットとした。MFRの測定では、樹脂3ユニットを採取し、各々のユニットに対して、10分間に押し出される樹脂量(g)に換算した値を算出し、その平均値を各樹脂のMFRとした。一回の測定で3ユニットの樹脂量を採取できない場合は、3ユニット採取できるまで測定を継続するものとした。ある単位時間で測定した際のメルトフローレートが対応する範囲に無かった場合は、そのメルトフローレートに応じた単位時間で再度測定するものとした。
<分子量分布>
マルバーン社製のViscotek Triple Detector HT−GPC Model−SG systemを用いた。溶媒はオルトジクロロベンゼンを用い、カラムハwaters社製Styragel HT6E、HT4、HT3(4.6mm×300mm、3連、分画範囲 500−10,000,000)を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定を行った。温度は140℃とした。検出器はRIを用い、標準物質は市販の単分散のポリスチレンを用い、検量線を作成した。
<独立気泡率>
実施例および比較例で得られた各発泡体から、長さ30mm、幅20mm、厚み20mmの試験片を3つ切り出した。当該試験片を用い、ASTM D2856に記載の方法に準拠し、エアピクノメータ(東京サイエンス株式会社製空気比較式比重計モデル1000)を用いて、試験片の体積Vc(cm3)測定した。次に測定後の同じ試験片をエタノールの入ったメスシリンダー内の、エタノール中に沈めた。メスシリンダーの液面(エタノール面)上昇分から見かけ上の体積Va(cm3)を求めた。このような見かけ上の体積の測定方法を、水没法と称する場合もある。下記式に従って独立気泡率(%)を求めた。
独立気泡率(%)=(Vc/Va)×100
なお、測定は、1つの発泡体あたり、3つの試験片について実施し、その平均値を発泡
体の独立気泡率とした。
<発泡体密度>
前記独立気泡率の測定で用いた試験片の重量W(kg)と前記水没法により求めた体積
Va(m)とを用いて、発泡体密度を下記式により求めた。
発泡体密度(kg/m)=W/Va
なお、測定は、1つの発泡体あたり、3つの試験片について実施し、その平均値を発泡
体の密度とした。
<発泡倍率>
実施例および比較例で使用した、原料樹脂の樹脂密度をJIS K 7112に準じて測定した。前記発泡体密度(kg/m)と樹脂密度(kg/m)とを用いて、発泡倍率を下記式により求めた。
発泡倍率(倍)=樹脂密度/発泡体密度
<平均気泡径>
発泡体サイズの測定で作成した3つのサンプルAの各々から、下記に示す各測定点(5箇所)について、各辺が5〜10mmの立方体(サンプルBとする。)を切り出した。サンプルBを、上述した面a、bおよびcの各々と平行な面に沿って、両刃カミソリ[フェザー製、ハイステンレス両刃]を用いて、気泡膜(セル膜)が破壊されないように充分注意して切断した。得られた切断面(3面)をマイクロスコープ[キーエンス社製、VHX−900]を用いて観察し、各々の切断面の画像を得た。得られた各画像において、長さ4000μmの線分を引き、該線分が通る気泡数nを測定し、下記式により気泡径を算出した。
気泡径(μm)=4000/n
3つのサンプルAの各測定点(5箇所)について得られたサンプルB(15個)の3つの切断面の各々の画像から得られた気泡径の相加平均値を平均気泡径(μm)とした。すなわち、45面(3面×5箇所×3つのサンプルA)の気泡径の相加平均値を平均気泡径(μm)とした。
測定点を、サンプルAに対して説明する。下記に示すように、1つのサンプルAに対して5か所測定した:
(a)サンプルAの面bにおける、幅方向および厚さ方向の中央部(1箇所、「測定点A」とする);
(b)サンプルAの面bにおける、厚さ方向の中央部の、測定点Aと幅方向端部との中央部(幅方向両端部につき、2箇所);
(c)サンプルAの面bにおける、幅方向の中央部の、測定点Aと厚さ方向端部との中央部(厚さ方向両端部につき、2箇所)。
<巣(空洞)の評価>
実施例および比較例で得られた発泡体を面bに沿って切断し、押出方向の長さが120mmのサンプルCを3つ作製した。サンプルCを面bに沿ってパン切りスライサーにて切断し、押出方向の長さが15mmのサンプルDを作製した。サンプルC1つあたり7つ、または6つのサンプルDを作製し、合計20個のサンプルDを作製した。20個のサンプルDについて、パン切りスライサーにて切断して得られた切断面を観察し、空洞の有無を調べた。発見された空洞1つ1つについて、長径と短径とを測定し、長径と短径との平均値を当該空洞の平均径とした。この時、異なるサンプルDであるが同切断面である面については、重複して測定を行っていない。得られた平均径を用いて下記基準により点数をつけた。空洞の数は、20個のサンプルDの断面の合計値である。
5点・・・平均径1mm以上の空洞が無い
4点・・・平均径1mm以上2mm未満の空洞があり、平均径2mm以上5mm未満の空洞がない
3点・・・平均径2mm以上5mm未満の空洞が1個以上3個以下あり、平均径5mm以上の空洞がない
2点・・・平均径2mm以上5mm未満の空洞が4個以上あり、平均径5mm以上の空洞がない
1点・・・平均径5mm以上の空洞がある
サンプルCの採取から点数付けまでの一連の評価を発泡体の異なる任意の3箇所についておこない、3箇所の合計点が10点以上を合格とした(5点×3箇所=15点満点)。
以下の実施例および比較例において用いた原料は、次の通りである。
<ポリエチレン系樹脂>
以下に示すポリエチレン系樹脂Aおよびポリエチレン系樹脂Bを、表1に示す配合量で混合し、ポリエチレン系樹脂とした。
(分岐状低密度ポリエチレン)
a−1:分岐状低密度ポリエチレン「C470」(宇部丸善ポリエチレン製、MFR2.0g/10分、密度918kg/m
(エチレン/α―オレフィン共重合体)
b−1:直鎖状低密度ポリエチレン「0540F」(宇部丸善ポリエチレン製、MFR4.0g/10分、密度904kg/m
<気泡核形成剤>
気泡核形成剤としては、熱分解型発泡剤と有機酸(塩)との混合物である、永和化成製「EE275F」を使用した。EE275Fは、炭酸水素ナトリウムとクエン酸(塩)との混合物を含むマスターバッチである。
<収縮防止剤>
収縮防止剤としてはステアリン酸モノグリセライドを使用した。
(実施例1)
ポリエチレン系樹脂Bは、表1に示す配合量で準備し、準備した原料を口径40mmの二軸押出機に供給した。押出機は210℃に設定しており、210℃にて溶融混練を行った。吐出量は50kg/hとした。ダイスから吐出された溶融混練物のストランドを水冷し、カットすることで、ペレット形状のポリエチレン系樹脂Bを得た。なお、得られたポリエチレン系樹脂Bの分子量分布測定を行い、高分子量域でバージン原料よりもわずかに大きなショルダーが見えることを確認し、微架橋構造が生成していることを確認した。
次に、ポリエチレン系樹脂A、ポリエチレン系樹脂B各々を表1に示す配合量、並びに、ポリエチレン系樹脂Aおよびポリエチレン系樹脂Bの総量100重量部に対して気泡核形成剤2重量部および収縮防止剤0.5重量部を準備した。準備した原料を、タンデム押出機装置の第1押出機に供給した。ここで、タンデム押出機装置としては、第1押出機として口径40mmの二軸押出機と、第2押出機として口径90mmの単軸押出機とが連結されたタンデム押出機装置を使用した。第1押出機は、210℃に設定しており、すなわち第1押出機に供給した混合物を210℃にて溶融混錬した。ここで、得られた混合物に対して、発泡剤としてイソブタン3.5重量部を、第1押出機の途中から圧入した。かかる操作により、樹脂溶融物を調製した。
続いて、得られた樹脂溶融物を第1押出機から第2押出機(口径90mm)に吐出した。その後、第2押出機中で、樹脂溶融物を、バレル温度およびスクリュ回転数の調整により樹脂溶融物を冷却した。この時、第2押出機の設定温度を90℃とした。続いて、第2押出機の先端に取り付けられたダイスから、大気圧下に40kg/時間の吐出量Qにて樹脂溶融物を吐出して、押出発泡した。ここで、ダイスは矩形の形状を有しており、ダイスの開口部の大きさは5.0mm×50mmであった。
続いて、ダイスから押出された発泡体を成形ダイで矩形化するとともに、当該発泡体を成形機で引取速度を調整しつつサイズを調整し、幅145mmおよび厚さ52mmの板状に成型し、板状の発泡体を得た。得られた板状の発泡体は、巣の発生状況が良好でかつ独立気泡率も高かった。得られた発泡体について各種物性を測定および評価した結果を表1に示す。
(実施例2、3、比較例1、2)
表1の通りに各配合に変更した以外は、実施例1と同じ方法にて板状の発泡体を得た。得られた発泡体について各種物性を測定および評価した結果を表1に示す。
(実施例4〜6、比較例3、4)
表1の通りに各配合に変更し、第2押出機の設定温度を85℃に変更した以外は、実施例1と同じ方法にて板状の発泡体を得た。得られた発泡体について各種物性を測定および評価した結果を表1に示す。
Figure 2021172749
表1に示される通り、実施例1〜6は、平均気泡径が小さく、高い独立気泡率を有しており、かつ巣が無い、もしくは巣は発生しても軽微なものであった。
一方、ポリエチレン系樹脂Bを含有しない、比較例1および比較例3では、発泡性が悪い結果となった。比較例1では、得られた発泡体は「巣」評価点の低いものであった。これはポリエチレン系樹脂A100%で微架橋構造を有さないため、樹脂の規則性が高く巣が発生し易い結果となったと考えられる。また、比較例3では、得られた発泡体は独立気泡率の低いものであった。
また、ポリエチレン系樹脂Bの配合割合が本発明の範囲を超える、比較例2および比較例4においても、発泡性に劣る結果となった。比較例2では、ポリエチレン系樹脂Bの配合割合が60重量%であり、一度溶融混練して調製した微架橋構造を有するポリエチレン系樹脂の割合が半分以上となるため、微架橋構造だけでなく、低分子量物も増加し、溶融張力が低下して発泡性が悪化し巣が発生しやすくなったと考えられる。また、比較例4では、得られた発泡体は独立気泡率の低いものであった。これは、分岐状低密度ポリエチレンとエチレン/α―オレフィン共重合体との微架橋構造を有するポリエチレン系樹脂Bを含有するが、60重量%の比率であったため、微架橋物の量も多くなり粘度が上昇して樹脂温度を下げることが難しくなり、発泡性が低下したと考えられる。なお、比較例3、および比較例4については、成形によって発泡体が潰れた箇所もあったため、「巣」の評価は行えなかった。
以上から、本発明のポリエチレン系樹脂Aおよび微架橋構造を有するポリエチレン系樹脂Bを特定割合で含有するポリエチレン系樹脂組成物を溶融押出成形して得られる発泡体が、平均気泡径が小さく、独立気泡率が高く、かつ巣が少ない効果を奏することが明らかである。
本発明の一実施形態によれば、平均気泡径が小さく、独立気泡率が高く、かつ巣が少ない、ポリエチレン系樹脂発泡体を提供できる。そのため、本発明の一実施形態は、各種緩衝材、包装材および断熱材などに好適に利用できる。

Claims (11)

  1. 以下(1)〜(3)の条件を満たすポリエチレン系樹脂組成物を押出成形して得られるポリエチレン系押出発泡体;
    (1)分岐状低密度ポリエチレンを含有するポリエチレン系樹脂Aを含む、
    (2)微架橋ポリエチレン系樹脂Bを含む、および、
    (3)前記ポリエチレン系樹脂Aおよび前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bの総量100重量%において、前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bの含有率が5〜45重量%である。
  2. 前記ポリエチレン系樹脂Aが、分岐状低密度ポリエチレン55〜100重量%およびエチレン/α−オレフィン共重合体0〜45重量%含む、請求項1に記載のポリエチレン系押出発泡体。
  3. 前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bが、微架橋分岐状低密度ポリエチレンを含有する、請求項1または2に記載のポリエチレン系押出発泡体。
  4. 前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bが、分岐状低密度ポリエチレン55〜100重量%およびエチレン/α−オレフィン共重合体0〜45重量%含むポリエチレン系樹脂の微架橋物である、請求項1〜3いずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
  5. 前記ポリエチレン系樹脂Aが、分岐状低密度ポリエチレン95〜55重量%およびエチレン/α−オレフィン共重合体5〜45重量%含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
  6. 前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bが、分岐状低密度ポリエチレン95〜55重量%およびエチレン/α−オレフィン共重合体5〜45重量%含むポリエチレン系樹脂の微架橋物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
  7. 前記微架橋ポリエチレン系樹脂Bが、熱履歴を有するポリエチレン系樹脂である請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
  8. 前記ポリエチレン系押出発泡体が板状である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
  9. 前記ポリエチレン系押出発泡体の厚みが20〜160mmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
  10. 前記ポリエチレン系押出発泡体の発泡倍率が4〜35倍である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリエチレン系押出発泡体の製造方法。
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