JP2021172621A - 毛髪化粧料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛髪にハリ・コシを与え、滑らかな指通りに優れ、自然なつやを付与する事ができ、乳化安定性にも優れる毛髪化粧料組成物の提供。【解決手段】(A)サクシニルアルギニンまたは、その塩0.1〜3.0重量%(B)炭素数16〜22の直鎖の高級アルコールのうち少なくとも1種4.0〜10.0重量%(C)一般式(2)で示される第3級アミン化合物のうち少なくとも1種0.5〜2.5重量%(一般式(2)中、R1は総炭素数8〜35の−O−、−OCO−等で表される官能基で分断または−OHで置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、または脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、R2およびR3は炭素数1〜22のアルキル基等を示し、R2およびR3は同一でも異なってもよい。)(D)炭素数2〜8の有機酸のうち少なくとも1種0.1〜3.0重量%の組成である、毛髪化粧料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪にハリ・コシを与え、滑らかな指通りに優れ、自然なつやを付与する事ができ、乳化安定性にも優れる毛髪化粧料組成物に関する。
従来、毛髪に整髪性を付与するために、種々の皮膜形成ポリマーが用いられている。しかしながら、ごわつき感が生じ、滑らかな指通りに劣る場合もあった。皮膜形成ポリマーにより形成される被膜を柔軟にし、使用感を向上させる試みがなされている。具体的には、アニオン性ポリマーとシリコーン類とを含有させた毛髪化粧料(例えば、特許文献1を参照)、皮膜形成性ポリマーと界面活性剤と油剤とを含有させたエアゾール組成物(例えば、特許文献2を参照)、皮膜形成樹脂と糖アルコールを含有する泡沫状頭髪化粧料(例えば、特許文献3を参照)などが提案されているが性能は十分ではない場合もあった。さらに、ポリマー特有のごわつき感がなく、滑らかな指通りに優れ、自然なつやを付与することができる毛髪化粧料(例えば、特許文献4)などが提案されているが、洗い流す製品においては性能が十分ではない場合もあった。
一方で、分子量が低く、柔軟性、つや、まとまりを同時に付与して、寝癖を防止し、スタイルを付けやすく、しかもそのスタイルが持続する毛髪処理用組成物(例えば、特許文献5)などが提案されている。しかし、コンディショナー、トリートメント、リンスのような洗い流す製品では、柔軟性は与えられてもハリ・コシ感を残す性能は十分ではない場合もあった。また、低い分子量で親水性が高い成分を配合すると乳化安定性が悪くなる場合もあった。すなわち、洗い流す製品で毛髪にハリ・コシを与え、滑らかな指通りと自然なつやを付与し、さらには乳化安定性にも優れる性能には満足できない場合もあった。
特開平6−100418号公報 特開平9−143039号公報 特開2002−60321号公報 特開2010−83816号公報 特開2010−65022号公報
このような問題点を解決するために、本発明は、低い分子量の成分でハリ・コシ感が残り、滑らかな指通りと自然なつやを付与し、乳化安定性にも優れる毛髪化粧料組成物を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するアルギニン誘導体を含み、特定の有機酸を含み、特定のpHとした毛髪化粧料組成物にて上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)
(A)一般式(1)で示されるサクシニルアルギニンまたは、その塩 0.1〜3.0重量%
Figure 2021172621
(B)炭素数16〜22の直鎖の高級アルコールのうち少なくとも1種 4.0〜10.0重量%
(C)一般式(2)で示される第3級アミン化合物のうち少なくとも1種 0.5〜2.5重量%
Figure 2021172621
(上記一般式(2)中、Rは総炭素数8〜35の−O−、−OCO−、−COO−もしくは−CONH−で表される官能基で分断または−OHで置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、または脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、RおよびRは炭素数1〜22のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、合計付加モル数10以下のポリオキシアルキレン基、または水素を示し、RおよびRは同一でも異なってもよい。)
(D)炭素数2〜8の有機酸のうち少なくとも1種 0.1〜3.0重量%
の組成である、洗い流して使用する毛髪化粧料組成物である。
(2)
一般式(3)で示される第4級アンモニウム塩を含有しないか、または一般式(3)で示される第4級アンモニウム塩のうち少なくとも1種 1.0重量%以下の組成である、(1)の毛髪化粧料組成物である。
Figure 2021172621
(上記一般式(3)中、R、R、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、これらの少なくとも1つは炭素数3〜36の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、それ以外はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基を表し、An−は、陰イオンを示す。)
(3)
前記炭素数2〜8の有機酸が乳酸またはグルタミン酸のうち少なくとも1種である、(1)又は(2)の毛髪化粧料組成物である。
本発明によれば、優れた性能を有するアルギニン誘導体を含有し、特定の有機酸を含み、特定のpHとする事により、毛髪にハリ・コシを与え、洗髪から乾燥後まで滑らかな感触を付与し自然なつやを付与し、乳化安定性にも優れる毛髪化粧料組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(A)成分は、一般式(1)で示されるサクシニルアルギニンまたは、その塩である。
Figure 2021172621
(A)成分として、サクシニルアルギニン単体で用いてもよく、塩として用いてもよいが、塩としてはカリウム原子、カルシウム原子、ナトリウム原子、マグネシウム原子などを有する金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類を用いることが出来、色相安定性と低い刺激性の観点から、金属塩としてはナトリウム原子を有する塩、アルカノールアミン塩としてはトリエタノールアミン塩が好ましい。
(A)成分は、毛髪化粧料組成物中に0.1〜3.0重量%配合することにより本発明の効果が発現する。より好ましくは0.5〜2.0重量%の配合である。0.1重量%を下回ると、本発明のハリ・コシ効果が十分に得られない場合があり、3.0重量%を超えた場合、乳化安定性が悪くなり、経時により分離する場合がある。
(B)成分である直鎖の高級アルコールは、炭素数16〜22のアルキル基を有するものであり、炭素数16〜20のアルキル基を有するものが好ましく、16〜18のアルキル基を有するものがより好ましい。またこのアルキル基は、直鎖アルキル基であるのが好ましい。具体的には、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、セタノール等が挙げられ、ステアリルアルコール、セタノールがより好ましい。高級アルコールは、1種または2種以上を併用してもよい。
(B)成分は毛髪化粧料組成物中に4.0〜10.0重量%配合することにより本発明の滑らかさが向上する。より好ましくは5.0〜8.0重量%の配合である。4.0重量%を下回ると、本発明の滑らかさが得られない場合があり、10.0重量%を超えて配合した場合、(A)成分のハリ・コシの効果が弱くなる場合がある。
(C)成分である第3級アミン化合物は、一般式(2)で示される。
Figure 2021172621
(上記一般式(2)中、Rは総炭素数8〜35の−O−、−OCO−、−COO−もしくは−CONH−で表される官能基で分断または−OHで置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、または脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、RおよびRは炭素数1〜22のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、合計付加モル数10以下のポリオキシアルキレン基、または水素を示し、RおよびRは同一でも異なってもよい。)
上記一般式(2)で表される第3級アミン化合物の具体例としては、ベヘナミドプロピルジメチルアミン(ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド)、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアロキシプロピルジメチルアミン、ステアリルPGジメチルアミン、PPG−1/PEG−1ステアラミン等が挙げられる。
(C)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよく、またその毛髪化粧料組成物中の含有量は、塗布時から乾燥後までの滑らかさ、指通りの良さの観点から、0.5〜2.5重量%が好ましい。より好ましくは1.0〜2.0重量%の配合である。0.5重量%を下回ると、乳化安定性が悪くなり、経時により分離する場合がある。また2.5重量%を超えて配合した場合、(A)成分のハリ・コシの効果が弱くなる場合がある。
(C)成分は酸で中和する事によりその性能を発現する。このため、(C)成分を中和するために、(D)成分として、炭素数2〜8の有機酸が必要となる。(D)成分の炭素数2〜8の有機酸としては、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸等のモノカルボン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸などが挙げられる。
(D)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(D)成分は、毛髪化粧料組成物中に0.1〜3.0重量%配合することにより本発明の効果が発現する。0.1重量%を下回ると、乳化安定性が悪くなる場合があり、また3.0重量%を超えて配合すると、皮膚に対する刺激性が強くなる場合がある。また、毛髪化粧料組成物のpHは3.0〜4.5が望ましく、(D)成分はこのpHの範囲に入る量の添加が望ましい。毛髪化粧料組成物のpHが3.0を下回ると、皮膚に対する刺激性が強くなる場合があり、またpHが4.5を超えると、乳化安定性が悪くなる場合があり、また、充分な防腐効果が得られない場合がある。また、(C)成分の中和に無機酸を使用すると乳化力が弱くなり、毛髪化粧料組成物の安定性が悪くなる場合がある。有機酸の中では乳酸、グルタミン酸が第3級アミン化合物と高級アルコールの乳化安定性を高めるためより好ましい。
一般的に毛髪化粧料組成物には、第3級アミン化合物の他に、第4級アンモニウム塩も幅広く使用されている。第4級アンモニウム塩は、一般式(3)で示される。
Figure 2021172621
(上記一般式(3)中、R、R、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、これらの少なくとも1つは炭素数3〜36の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、それ以外はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基を表し、An−は、陰イオンを示す。)
上記一般式(3)で表される第4級アンモニウム塩の具体例としては、例えば、ベヘントリモニウムクロリド(塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム)、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムメタンスルホネートステアリルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化セチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化オクチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、塩化2−デシルテトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化2−ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩は第3級アミン化合物と比べて毛髪を柔らかくする効果が高く、当該毛髪化粧料組成物においてはハリ・コシ性能の低下が生じる場合もある。第4級アンモニウム塩は任意に添加可能な成分であり、1.0重量%以下にする事が望ましく、0.5重量%以下にすることが更に望ましく、さらには配合しない事がより一層望ましい。
その他、本発明の毛髪化粧料組成物には、必要に応じて、上記以外の成分を、本発明の効果を実質上損なわない質的、量的な範囲内で配合することができる。例えば、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、アルキルグリコシド類等の非イオン界面活性剤、高重合ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンオイル、環状シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、揮発性シリコーン油等のシリコーン類、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トレハロース、ヒアルロン酸、コラーゲン、カルボキシメチルキトサンサクシナミド等の保湿剤、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリスリトールとヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸等の混合脂肪酸とのエステル等のエステル油、ラウロイルサルコシンイソプロピル、ラウロイルグルタミン酸(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル/イソステアリル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジイソステアリル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデセス−2、ラウロイルグルタミン酸ジステアレス−2、ラウロイルグルタミン酸ジヘキシルデシル等のアシルアミノ酸エステル、18−メチルエイコサン酸、14−メチルペンタデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、17−メチルノナデカン酸等の分岐脂肪酸、ならびにそのエステル油、ラノリン脂肪酸及びその塩などのラノリンからの抽出品、天然セラミド又は天然型セラミド類、及びその誘導体、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、アボカド油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、メドウフォーム油等の天然油、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、スクワレン、スクワラン等の炭化水素油、アロエベラエキス、オウゴン根エキス、オタネニンジンエキス、カキタンニンエキス、カニナバラエキス、カミツレ花エキス、セイヨウオドリギソウエキス、セイヨウナシ枝エキス、センチフォリアバラエキス、チャ葉エキス、トウセンカエキス、ハマメリスエキス、フユボダイジュエキス、マグワエキス、ヤグルマギクエキス、ユズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等のエキス類、ウコン抽出物、オタネニンジン抽出物、ヒバマタ抽出物、ブナの芽抽出物、米ぬか抽出物、ツバキ抽出物、トウニン抽出物、クララ抽出物、クロレラ抽出物、マジョラム抽出物、イチヤクソウ抽出物、月桃葉抽出物、オウバク抽出成分、オウレン抽出成分、カッコン抽出成分、シコン抽出成分、シャクヤク抽出成分、センブリ抽出成分、バーチ抽出成分、セージ抽出成分、ビワ抽出成分、ニンジン抽出成分、アロエ抽出成分、ゼニアオイ抽出成分、アイリス抽出成分、ブドウ抽出成分、ヨクイニン抽出成分、ヘチマ抽出成分、ユリ抽出成分、サフラン抽出成分、センキュウ抽出成分、ショウキョウ抽出成分、オトギリソウ抽出成分、ローズマリー抽出成分、ニンニク抽出成分、トウガラシ抽出成分、ワレモコウ抽出成分等の天然物抽出物類、天然物抽出成分類、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、カチオン化セルロース、ヒドロキシ化セルロース等の高分子化合物、ジンクピリチオン、トリクロロカルバニリド、イオウ、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤、増粘剤、粘度調整剤、低級アルコール、乳化剤、乳濁剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、粉末成分、血行促進剤、局所刺激剤、毛包賦活剤、毛髪栄養剤、抗男性ホルモン剤、抗脂漏剤、抗老化薬剤、エモリエント剤、角質溶解剤、殺菌剤、防腐剤、消炎剤、抗炎症剤、清涼剤、アミノ酸、ビタミン類、生薬エキス類等の育毛薬剤、pH調整剤、色素、染料、色材、香料等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料組成物は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック等に用いることが出来る。
本発明の効果に関して、以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
製造例(サクシニルアルギニンNa塩の製造)
500mlの4つ口フラスコに、蒸留水190gを加え、L−アルギニン(東京化成工業株式会社) 53.8gを入れ、攪拌して完全に溶解させた。そこへ無水コハク酸(30.9g、1当量、東京化成工業株式会社)を加えた。無水コハク酸添加後、pHが低下するため、pHが6〜9となるように、NaOH(東京化成工業株式会社)の48重量%水溶液(25.7g、1当量)を滴下し、無水コハク酸が完全に溶解してpHが6付近で安定するまで50℃で攪拌し、目的物を得た。目的物の構造はH−NMR(日本電子株式会社、JNM−ECZ400S)で確認した。H−NMRケミカルシフト:1.5〜1.8ppm(4H m)、2.3ppm(4H m)、3.1ppm(2H m)、4.1ppm(1H m)。
試験方法
表1、2に示す組成の毛髪化粧料組成物を下記の方法で調製し、実施例1〜8および比較例1〜10に記載する毛髪化粧料組成物を得た。得られた毛髪化粧料組成物について下記評価を行った。その結果を表1、2に示す。
毛髪化粧料組成物の調製
配合成分のうち、(A)成分、(D)成分、ベヘントリモニウムクロリド、濃グリセリン、香料、精製水を除く各成分を混合し、この混合物を80℃まで、撹拌下に加熱して均一油相の混合物を調製した。別の容器で、(A)成分、(D)成分、ベヘントリモニウムクロリド、濃グリセリンを、撹拌下に80℃に加熱して均一水相の混合物を調製した。この油相混合物に、水相混合物を80℃、撹拌下において混合し、乳化操作を施し、この乳化物を攪拌下、60℃まで冷却した。さらにこの乳化混合物に、温度60℃において香料を加え、更に室温まで、撹拌下に冷却して毛髪化粧料組成物を調製した。
1.乾燥後の髪のつやの官能評価
長さ30cm、幅5cmの毛束(ビューラックス株式会社、毛髪ストランド5 黒髪100%根元揃え)をモデルシャンプーで洗髪後に毛髪化粧料組成物で処理し、1分間流水ですすいだ後、タオルドライし、ドライヤーで乾燥させた乾燥後の髪のつやについて、下記の基準に従い、専門パネラー8名により官能評価試験を行った。評価は以下の基準とし、8名の評価ポイントの平均点でランク分けした。ランクは◎:4〜5、○:3〜4、△:2〜3、×:1〜2とした。
<乾燥後の髪のつや>
5:非常につやがある
4:ややつやがある
3:どちらともいえない
2:あまりつやがない
1:つやがない
<モデルシャンプー>
(配合量は純分の重量%を示す)
ラウロイルメチルアラニンNa(※1) 12.0重量%
ラウラミドプロピルベタイン(※2) 8.0重量%
PPG−2コカミド(※3) 1.0重量%
ポリクオタニウム−10(※4) 0.5重量%
クエン酸(※5) 適量(pH 6とする量)
精製水 残量
合計 100重量%
※1:アラノン(登録商標)ALE(川研ファインケミカル社製)、※2:ソフタゾリン(登録商標)LPB−R(川研ファインケミカル社製)、※3:アミゼット(登録商標)1PC(川研ファインケミカル社製)、※4:カチナール(登録商標)HC−200(東邦化学工業社製)、※5:試薬(東京化成工業社)
2.乾燥後の髪のハリ・コシの測定
人毛(ビューラックス株式会社、毛髪ストランド5 黒髪100%根元揃え)をブリーチしたブリーチ毛を四分割にし、長さを10cmにした。室温20℃、湿度60%の恒温恒湿室で6日間静置し、純曲げ試験機(カトーテック株式会社、KESFB2−S型)により、曲げ硬さの変化率を測定した。試験機に毛束の中心部を取り付け、曲げ応力を曲率(K)−1.5〜+1.5cm−1の範囲を0.5cm−1・s−1の変化速度で計測し、得られた曲げ応力−曲率曲線でのK:0.5〜1.0cm−1及び−0.5〜1.0cm−1間における曲線の傾斜から曲げ特性を計測した。さらに、実施例および比較例に沿って調製した毛髪化粧料組成物で10回処理、並びに蒸留水でのすすぎを行い、室温20℃、湿度60%の恒温恒湿室で6日間静置後の毛髪を上記と同じ条件で曲げ特性を計測した。処理前の曲げ特性値に対して処理後の曲げ特性値の変化を、処理前を100%とし、処理後がどの程度変化したか変化率として表1、2に示した。計算例として、実施例3の場合では、処理前の曲げ特性値=(y2−y1)/(x2−x1)=(2.93−1.8)/(0.99−0.51)=2.35、処理後の曲げ特性値=(3.08−1.9)/0.99−0.5)=2.41となり、変化率=2.41/2.35×100=102.6である。故に、処理前よりも処理後に+2.6%毛髪のハリ・コシが向上したことを示す。曲げ特性値の変化率が+であればハリ・コシが向上し、−であればハリ・コシが低下する事を示す。数値が大きいほどハリ・コシがある。
3.乾燥後の髪の滑らかさの測定
人毛(ビューラックス株式会社、毛髪ストランド5 黒髪100%根元揃え)をブリーチしたブリーチ毛を四分割にし、長さを10cmにした。室温20℃、湿度60%の恒温恒湿室で6日間静置し、摩擦感テスター(カトーテック株式会社、KESSE−STP型)により、乾燥後の毛髪の滑らかさを測定した。試験機に毛束を取り付け、10mm角ピアノワイヤセンサー接触子で擦った際の平均摩擦係数(MIU値)を測定した。測定条件は垂直荷重:25g、速度:0.5mm・s−1
さらに、実施例および比較例に沿って調製した毛髪化粧料組成物で10回処理、並びに蒸留水でのすすぎを行い、室温20℃、湿度60%の恒温恒湿室で6日間静置後の毛髪を上記と同じ条件でMIU値を測定した。処理前のMIU値に対して処理後のMIU値の変化を、処理前を100%とし、処理後がどの程度変化したか変化率として表1、2に示した。MIU値の変化率が−であれば毛髪表面は滑らかであり、+であれば粗いことを示す。数値が小さいほど滑らかである。
4.40℃、3か月保存時の毛髪化粧料組成物の外観(乳化安定性)
毛髪化粧料組成物を40℃の恒温槽で3か月保存した際の外観を表1、2に示す。
経時で分離が生じたものは、乳化安定性に劣ると評価した。また、調製直後に分離したものは、評価を行うことができなかった。
pH測定
毛髪化粧料組成物を精製水で濃度 5重量%に希釈し、撹拌溶解したのち、pHメーター(F−52、株式会社堀場製作所製)を用いて、25℃におけるpHを測定した。
実施例
Figure 2021172621
※6:花王社製 カルコール(登録商標)6870、※7:花王社製 カルコール8098、※8:日光ケミカルズ社製 NIKKOL(登録商標)アミドアミンMPB PLUS、※9:川研ファインケミカル社製 カワソフト(登録商標)EP59SP、※10:和光純薬 試薬、※11:和光純薬 試薬、※12:和光純薬 試薬、※13:日光ケミカルズ社製 NIKKOL CA−2580、※14:花王社製 エキセパール(登録商標)IPP、※15:和光純薬 試薬
比較例
Figure 2021172621
評価の結果
本発明の毛髪化粧料組成物の範囲内で調製された実施例1〜8は、乾燥後の髪のつや、ハリ・コシ及び滑らかさ、乳化安定性の評価において優れていた。一方で(A)成分が未配合、又は範囲外となる比較例1及び2では、毛髪のハリ・コシが十分に得られなかった。(A)成分が範囲外となる比較例3では、経時で分離が生じ乳化安定性に劣っていた。(B)成分が範囲未満となる比較例4では、髪に充分な滑らかさが得られず、(B)成分が範囲を超える比較例5では十分なハリ・コシを得られなかった。(C)成分が範囲未満となる比較例6は、調製直後に分離が生じたため、評価を行うことができなかった。(C)成分が範囲を超える比較例7は、毛髪が柔らかくなってしまい、充分なハリ・コシを得ることができなかった。(D)成分が未配合、又は範囲外となる比較例8及び9は、調製直後に分離が生じたため、評価を行うことができなかった。また、(D)成分として無機塩の塩酸を用いた場合は、毛髪のハリ・コシ及び滑らかさには優れていたものの、経時で分離が生じ安定性に劣っていた。
本発明、毛髪化粧料組成物により、毛髪にハリ・コシを与え、滑らかな指通りに優れ、自然なつやを付与する事ができ、乳化安定性にも優れるため、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック等の商品価値を高めることが出来る。

Claims (3)

  1. (A)一般式(1)で示されるサクシニルアルギニンまたは、その塩 0.1〜3.0重量%
    Figure 2021172621
    (B)炭素数16〜22の直鎖の高級アルコールのうち少なくとも1種 4.0〜10.0重量%
    (C)一般式(2)で示される第3級アミン化合物のうち少なくとも1種 0.5〜2.5重量%
    Figure 2021172621
    (上記一般式(2)中、Rは総炭素数8〜35の−O−、−OCO−、−COO−もしくは−CONH−で表される官能基で分断または−OHで置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、または脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、RおよびRは炭素数1〜22のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、合計付加モル数10以下のポリオキシアルキレン基、または水素を示し、RおよびRは同一でも異なってもよい。)
    (D)炭素数2〜8の有機酸のうち少なくとも1種 0.1〜3.0重量%
    の組成である、洗い流して使用する毛髪化粧料組成物。
  2. 一般式(3)で示される第4級アンモニウム塩を含有しないか、または一般式(3)で示される第4級アンモニウム塩のうち少なくとも1種 1.0重量%以下の組成である、請求項1記載の毛髪化粧料組成物。
    Figure 2021172621
    (上記一般式(3)中、R、R、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、これらの少なくとも1つは炭素数3〜36の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、それ以外はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基を表し、An−は、陰イオンを示す。)
  3. 前記炭素数2〜8の有機酸が乳酸またはグルタミン酸のうち少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の毛髪化粧料組成物。
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