JP2021172502A - クレーンの台車誘導装置 - Google Patents

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幸雄 小泉
Yukio Koizumi
崇夫 江藤
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Abstract

【課題】カウンタウエイトを支持可能な台車の走行と上部旋回体の旋回動作とを精度良く連携させるように前記台車を誘導することが可能なクレーンの台車誘導装置を提供する。【解決手段】台車誘導装置5は、クレーン10と自走台車50とともに用いられる。台車誘導装置5は、駆動制御部462と、位置情報取得部463とを有する。位置情報取得部463は、平面視におけるマスト先端部14Tに対する自走台車50の相対位置に関する情報である相対位置情報を取得する。駆動制御部462は、平面視において自走台車50がマスト先端部14Tに重なるように、前記相対位置情報に基づいて自走台車50の複数の車輪531の操向方向および転動速度を含む自走台車50の走行条件を決定する。【選択図】図6

Description

本発明は、クレーンのカウンタウエイトを運搬可能な台車を誘導する台車誘導装置に関する。
従来、地面を走行可能な下部走行体と、下部走行体に対して旋回可能に取り付けられた上部旋回体と、上部旋回体に対して起伏可能に取り付けられたブームと、上部旋回体に取付けられブームを後方から支持するマストと、上部旋回体の後方に配置されブームとの間でつり合いをとるようにマストから吊り下げられるカウンタウエイトと、を備えたクレーンが知られている。このような従来のクレーンにおいて、カウンタウエイトは、クレーンが重量物を吊り上げるために設けられるSHL(Super Heavy Lifting)用ウエイトとして、クレーンのバランスを保つ機能を有する。
このようにクレーンをSHLの用途で使用する際には、カウンタウエイトをクレーンの後方の位置まで運搬するための台車が必要になる。そこで、例えば、重量物を運搬するための汎用の自走式台車である自走式多軸台車、SPMT(Self−Propelled Modular Transporter)と呼ばれる台車を、カウンタウエイト用の自走式台車として用いることができる。
特許文献1には、上部旋回体の後方に配置され地上を自走可能な自走式台車と、当該自走式台車上に載置されるウエイトと、前記自走式台車と前記上部旋回体の旋回フレームとを互いに連結する連結リンクとをそれぞれ有するクレーンが開示されている。自走式台車は、上下方向に延びる回転軸回りに回動可能な複数の車輪を有し、各車輪の向きが独立して変更(回向)可能とされている。また、前記自走式台車はマストの先端部から垂下された懸垂ペンダントロープ(ウエイトガイリンク)に接続されている。
また、特許文献1に記載されたクレーンは、上部旋回体の旋回方向および旋回角度を検出可能な角度センサと、台車の車輪を回向させる車輪回向制御部と、を更に有している。車輪回向制御部は、台車の走行と上部旋回体の旋回とを連携させるように、角度センサから入力される上部旋回体の旋回方向および旋回角度に応じて台車の車輪を回向させる。これにより、クレーンが吊り荷を吊り上げた状態で上部旋回体が旋回しながら自走式台車がウエイトを旋回方向に搬送することで、吊り荷を旋回方向に移動させることができる。
特開平9−272457号公報
上記のようなクレーンでは、上部旋回体に設けられた角度センサの検出結果に応じて自走式台車の車輪の向きが制御されるため、地盤の傾斜や路面の凹凸などによって車輪の向きが変化すると、自走式台車の走行と上部旋回体の旋回との連携が崩れやすく、上部旋回体の旋回に追従して自走式台車を走行させることが困難になるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、カウンタウエイトを支持可能な台車の走行と上部旋回体の旋回動作とを精度良く連携させるように前記台車を誘導することが可能なクレーンの台車誘導装置を提供することにある。
本発明の発明者は、クレーンの作業現場において、マストの先端部からカウンタウエイトが吊り下げられた状態で自走式台車が上部旋回体の旋回に追従して走行する場合や、自走式台車がカウンタウエイトを支持しながら上部旋回体の旋回に追従して走行する場合のいずれの場合においても、マストの先端部の直下に自走式台車が位置することが望ましいことに着目し、平面視においてマストの先端部と自走式台車とが重なる状態を維持することで自走式台車の走行と上部旋回体の旋回とを安定して連携させることができることを新たに着想した。
上記のような着想に基づく本発明によって提供されるのは、クレーンの台車誘導装置である。当該台車誘導装置は、下部本体と上下方向に延びる旋回中心軸周りに前記下部本体に旋回可能に支持された上部旋回体と前記上部旋回体に起伏方向に回動可能に支持されたブームとマスト先端部を有し前記ブームの後方で前記上部旋回体に起伏方向に回動可能に支持されたマストと前記上部旋回体の後方において前記マスト先端部から吊り下げられるカウンタウエイトとをそれぞれ有するクレーンと、前記カウンタウエイトを支持可能な荷台と走行面上を転動可能な複数の車輪と速度指令信号を受け取り当該速度指令信号に応じた転動速度で前記複数の車輪をそれぞれ転動させることが可能な駆動装置と操向指令信号を受け取り前記複数の車輪が予め設定された直進方向を基準として前記操向指令信号に応じた操向方向を向くように前記複数の車輪を上下方向に延びる操向中心軸回りにそれぞれ操向させることが可能な操向装置とをそれぞれ有する自走式台車と共に用いられ前記下部本体に対する前記上部旋回体の旋回動作に伴って前記自走式台車が前記上部旋回体に追従するように前記自走式台車を誘導することが可能である。台車誘導装置は、平面視における前記マスト先端部に対する前記自走式台車の相対位置に関する情報である相対位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した前記相対位置情報に基づいて、平面視において前記自走式台車が前記マスト先端部に重なるように、前記複数の車輪の前記操向方向および前記転動速度を含む前記自走式台車の走行条件を決定する走行条件決定部と、前記走行条件決定部によって決定された前記操向方向に応じた前記操向指令信号を前記操向装置に入力するとともに前記走行条件決定部によって決定された前記転動速度に応じた前記速度指令信号を前記駆動装置に入力する指令信号入力部と、を備える。
本構成によれば、位置情報取得部が取得したマスト先端部と自走式台車との平面視における相対位置情報に基づいて、自走式台車がマスト先端部に重なるように走行条件決定部が自走式台車の走行条件を決定するため、地盤の傾斜や路面の凹凸などによって自走式台車の車輪の向きが変化しても、自走式台車をマスト先端部の直下に維持しながら走行させることができる。このため、カウンタウエイトを支持可能な台車の走行と上部旋回体の旋回動作とを精度良く連携させるように前記台車を誘導することが可能となる。
上記の構成において、前記位置情報取得部は、前記マストの位置を基準に設定され前記上部旋回体の旋回動作に伴って前記マスト先端部とともに移動するマスト用原点と、当該マスト用原点を通り前記上部旋回体の左右方向または前後方向に延びるとともに前記上部旋回体の旋回動作に伴って前記マスト先端部とともに移動するマスト用基準方向とをそれぞれ前記マスト先端部に設定する一方、前記自走式台車の位置を基準に設定され前記自走式台車とともに移動する台車用原点と、当該台車用原点を通り前記自走式台車の直進方向または当該直進方向と直交する方向に延びるとともに前記自走式台車とともに移動する台車用基準方向とをそれぞれ前記自走式台車に設定し、平面視における前記マスト用原点に対する前記台車用原点の相対位置および前記マスト用基準方向に対する前記台車用基準方向の相対方向を前記相対位置情報として取得し、前記走行条件決定部は、前記台車用原点を前記マスト用原点に近づけ、前記台車用基準方向が前記マスト用基準方向に近づけるように前記自走式台車の走行条件を決定することが望ましい。
本構成によれば、位置情報取得部がマスト先端部および自走式台車のそれぞれに原点および基準方向を設定し、走行条件決定部が原点同士および基準方向同士を近づけるように走行条件を決定するため、自走式台車をマスト先端部の直下に精度良く配置して走行させることができる。
上記の構成において、前記マスト先端部よりも下方の撮影領域を撮影可能であるとともに前記撮影領域に対応する画像情報を出力可能な撮影装置と、前記自走式台車に装着され、前記撮影領域に含まれる複数の台車側基準点をそれぞれ形成する複数の台車側基準部材と、前記マスト先端部に装着され、前記撮影領域に含まれる複数のマスト側基準点をそれぞれ形成する複数のマスト側基準部材と、を更に備え、前記位置情報取得部は、前記撮影装置から出力される前記画像情報から前記複数の台車側基準点をそれぞれ特定し当該複数の台車側基準点に基づいて前記自走式台車に前記台車用原点および前記台車用基準方向をそれぞれ設定する一方、前記画像情報から前記複数のマスト側基準点をそれぞれ特定し当該複数のマスト側基準点に基づいて前記マスト先端部に前記マスト用原点および前記マスト用基準方向をそれぞれ設定する。
本構成によれば、撮影装置の画像情報に含まれる複数の台車側基準点および複数のマスト側基準点に基づいて、位置情報取得部が台車用およびマスト用の原点および基準方向をそれぞれ設定することができる。しかも、複数の台車側基準点は自走式台車に装着された複数の台車側基準部材によって形成され、複数のマスト側基準点はマスト先端部に装着された複数のマスト側基準部材によって形成されるため、自走式台車およびマスト先端部のそれぞれの位置および移動方向を精度良く取得することができる。
上記の構成において、前記撮影装置は、その上方の位置で前記撮影領域を撮影可能なように前記マスト先端部に装着されているものでもよい。
本構成によれば、撮影装置が自走式台車を真上から撮影するため、撮影された台車が斜めになりにくく、また、撮影装置と台車との間に障害物が入りにくいため、撮影されたデータが認識、解析されやすい。このため、自走式台車の位置を正確に把握することができる。更に、撮影装置がマスト先端部に装着され上部旋回体とともに旋回するため、撮影装置から出力される画像情報を利用してクレーンの周囲の情報を取得することやマスト先端部が目標の旋回位置付近に到達したことを確認することができる。また、撮影装置の撮影方向が各基準方向とそれぞれ交差するように下方向に設定されているため、撮影装置から出力される画像情報を利用して作業者が各原点の相対位置および各基準方向の関係を視認することが可能となる。
上記の構成において、前記撮影装置は、前記自走式台車の前記荷台の上方に設定された前記撮影領域を撮影可能なように前記自走式台車に装着されているものでもよい。
本構成によれば、撮影装置が自走式台車側に配置されているため、その情報を自走式台車に備えられたコントローラに直接入力し自走式台車を制御することができる。このため、必ずしもクレーン側のコントローラを介することなく自走式台車側のみでの制御が可能となる。また、撮影装置がマスト先端部に配置される場合と比較して、撮影装置が対象物に近い位置で撮影することができるため、撮影精度が向上しより正確な撮影が可能となる。この結果、画像データのノイズを低減し、より正確な位置情報の取得および制御精度の向上が実現される。更に、撮影装置が自走式台車に装着され、その撮影領域が荷台の上方を含むように設定されているため、撮影装置から出力される画像情報を利用して荷台上のカウンタウエイトの積載状況などをあわせて確認することが可能となる。
上記の構成において、前記自走式台車は、平面視で前記荷台を囲むように前記直進方向および当該直進方向と直交する水平な方向のそれぞれにおいて互いに間隔をおいて配置され前記荷台を昇降させることが可能な少なくとも4つのアウトリガを有し、前記複数の台車側基準部材は、前記少なくとも4つのアウトリガから選択される複数のアウトリガにそれぞれ装着されることが望ましい。
本構成によれば、荷台を昇降させるために互いに間隔をおいて配置された複数のアウトリガを利用して台車側基準部材を配置することができる。このため、自走式台車上において複数の台車側基準点が互いに離れて配置され、自走式台車の位置を示す台車用原点および台車用基準方向の設定精度を高めることができる。
上記の構成において、前記複数のマスト側基準部材は、前記マスト先端部において前記上部旋回体の前記前後方向または前記左右方向に間隔をおいて配置され、前記マスト先端部から鉛直下方にビーム光をそれぞれ照射可能であり、前記位置情報取得部は、前記複数のマスト側基準部材から照射された前記ビーム光と前記荷台または前記カウンタウエイトとの交点を前記画像情報から前記マスト側基準点として特定し前記マスト用原点および前記マスト用基準方向をそれぞれ設定することが望ましい。
本構成によれば、マスト先端部から照射される複数のビーム光が自走式台車の荷台またはカウンタウエイトに投影される点を利用してマスト側基準点を設定することができる。このため、マスト側基準部材から照射されるビーム光によってマスト側基準点を明確かつ正確に設定することができる。また、高い位置に配置されたマスト先端部からの照射でもビーム光の直進性によってズレやブレが少なく、マスト先端部の高さや自走式台車の上部の凹凸によって照射距離が変化しても、マスト側基準点を安定して設定することができる。また、夜間でも、ビーム光の照射によってマスト側基準点を設定することができる。更に、上下方向においてマスト側基準点と台車側基準点との相対位置を近づけることが可能となるため、撮影装置に必要とされる撮影領域の大きさを小さくすることができる。
上記の構成において、前記自走式台車に装着され、前記荷台の上方を含むように設定された検出領域の距離情報を取得可能な距離センサと、前記自走式台車にそれぞれ装着され、前記距離センサの前記検出領域に含まれる複数の台車側基準点を形成する複数の台車側基準部材と、を更に備え、前記位置情報取得部は、前記距離センサから出力される前記複数の台車側基準部材の距離情報から前記複数の台車側基準点をそれぞれ特定し当該複数の台車側基準点に基づいて前記自走式台車に前記台車用原点および前記台車用基準方向をそれぞれ設定することが望ましい。
本構成によれば、距離センサが取得する各台車側基準部材の距離情報に基づいて、自走式台車に台車原点および前記台車用基準方向を設定することができるため、撮影装置を用いて台車原点および前記台車用基準方向を設定する場合と比較して、降雨などの周辺環境による設定誤差を低減することができる。また、距離センサの特性から、夜間での使用も可能とされる。
上記の構成において、前記自走式台車は、平面視で前記荷台を囲むように前記直進方向および当該直進方向と直交する水平な方向のそれぞれにおいて互いに間隔をおいて配置され前記荷台を昇降させることが可能な少なくとも4つのアウトリガであって、互いに同じ高さに配置される上面部をそれぞれ有する少なくとも4つのアウトリガを有し、前記複数の台車側基準部材は、前記少なくとも4つのアウトリガから選択される複数のアウトリガの前記上面部にそれぞれ装着され、前記距離センサの前記検出領域は、水平な平面状に形成されており、前記自走式台車に装着されるセンサ保持部材であって、前記アウトリガの上面部に装着された前記台車側基準部材が前記距離センサの前記検出領域に含まれるように、前記距離センサを前記台車側基準部材と同じ高さに保持するセンサ保持部材を更に有することが望ましい。
本構成によれば、自走式台車のうち比較的高い位置に配置されるアウトリガの上面部を利用して台車側基準部材を配置することができるとともに、センサ保持部材によって距離センサの検出領域を台車側基準部材の高さに合わせることができる。このため、距離センサと各台車側基準部材との間に障害物が含まれることを低減することができる。
本発明によれば、カウンタウエイトを支持可能な台車の走行と上部旋回体の旋回動作とを精度良く連携させるように前記台車を誘導することが可能なクレーンの台車誘導装置が提供される。
本発明の一実施形態に係るクレーンおよび自走式台車の側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンのマストの一部、カウンタウエイトおよび自走式台車の背面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンおよび自走式台車の平面図である。 本発明の一実施形態に係る自走式台車およびカウンタウエイトの背面図である。 本発明の一実施形態に係る自走式台車の車輪ユニットの背面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーン、自走式台車および台車誘導装置のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る台車誘導装置の台車用座標系およびマスト用座標系を示した図である。 本発明の一実施形態に係る台車誘導装置の台車用座標系およびマスト用座標系を示した図である。 本発明の一実施形態に係るカウンタウエイトが自走式台車に載置される様子を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るカウンタウエイトが自走式台車に載置される様子を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るカウンタウエイトが自走式台車に載置される様子を示す側面図である。 本発明の変形実施形態に係る自走式台車およびカウンタウエイトの背面図である。 本発明の変形実施形態に係るクレーン、自走式台車および台車誘導装置のブロック図である。 本発明の変形実施形態に係る台車誘導装置の距離センサの検出領域を示す平面図である。 本発明の変形実施形態に係る台車誘導装置の撮影装置の撮影領域を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るクレーン10および自走台車50(自走式台車)の側面図である。図2は、本実施形態に係るクレーン10のHLマスト14(マスト)の一部、カウンタウエイト4および自走台車50の背面図である。図3は、本実施形態に係るクレーン10および自走台車50の平面図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本実施形態に係るクレーン10の構造および組立方法を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係るクレーンの移動方向や使用態様などを限定するものではない。なお、上記の各方向は、下記の上部旋回体11を基準として示している。
クレーン10は、地面(走行面G)を走行可能な下部走行体12(下部本体)と、下部走行体12の上に上下方向に延びる旋回中心軸CL(図3)周りに旋回可能に搭載される上部旋回体11と、上部旋回体11に起伏方向に回動可能に取り付けられたブーム13(起伏体)と、ブーム起伏用部材であるHLマスト14(マスト)と、箱マスト15と、キャブ10K(図3)とを有する。キャブ10Kは、オペレータ(作業者)が搭乗することを許容する運転室である。
図1に示されるブーム13は、上部旋回体11の前部に起伏方向に回動可能となるように支持される。ブーム13は、ブームフット13Sを備える。ブームフット13Sは、ブーム13の回動における支点部となる。ブームフット13Sは、左右方向(横方向)に延びる水平な回転軸を形成する。
また、ブーム13は、アイドラシーブ131、132と、を有する。アイドラシーブ131、132は、ブーム13の先端部にそれぞれ回転可能に支持されている。
ブーム13の基端部側には左右一対のブームバックストップ28が設けられる。これらのブームバックストップ28は、ブーム13が図1に示される起立姿勢まで到達した時点で上部旋回体11に当接する。この当接によって、ブーム13が強風等で後方に煽られることが規制される。
HLマスト14は、ブーム13の後側の位置でブーム13の回動軸と平行な回動軸回りに上部旋回体11に回動可能に支持される。すなわち、HLマスト14は、上部旋回体11の前後方向におけるブーム13の後方において上部旋回体11に起伏方向に回動可能に取り付けられておりブーム13を後方から支持する。HLマスト14もブーム13の起伏方向と同方向に回動可能である。HLマスト14は、HLマストフット14Sを有する。HLマストフット14Sは、HLマスト14の回動における支点部となる。HLマストフット14Sは、左右方向(横方向)に延びる回転軸を形成する。HLマスト14は、図1に示すように、上部旋回体11から後方かつ上方に斜めに向かって延びる後傾姿勢でブーム13の回動における支柱として機能する。なお、他の実施形態において、HLマスト14によって例示される本発明のマストは、箱型のマストなど他の形態からなるものでもよい。また、HLマスト14は、マストアイドラシーブ140と、シーブ14Aおよび14Bと、を備える。マストアイドラシーブ140は、HLマスト14の長手方向の中央部の後側面に配置されている。シーブ14Aおよび14Bは、それぞれHLマスト14の先端部に配置されている。
HLマスト14の基端部側には左右一対のマストバックストップ29が設けられる。これらのマストバックストップ29は、HLマスト14の回動軸(HLマストフット14S)よりも後側の位置で、図1に示される後傾姿勢(起立姿勢)のHLマスト14から延びるとともに上部旋回体11に配置された不図示の受け部に当接し、HLマスト14が強風等で後方へ転倒することを阻止する。
箱マスト15は、HLマスト14の後側(下方)で上部旋回体11に回動可能に連結される。箱マスト15は、断面視で矩形形状からなる。箱マスト15の回動軸は、ブーム13の回動軸と平行でかつHLマスト14の回動軸とほぼ同じ位置に配置されている。すなわち、この箱マスト15もブーム13の起伏方向と同方向に回動可能である。箱マスト15は、箱マストフット15Sを有する。箱マストフット15Sは、箱マスト15の回動における支点部となる。箱マストフット15Sは、左右方向(横方向)に延びる回転軸を形成する。
更に、クレーン10は、下部スプレッダ18と、上部スプレッダ19と、ガイライン20と、ブーム起伏用ロープ21と、ブーム起伏用ウインチ22と、を有する。
下部スプレッダ18は、HLマスト14の先端部に支持される。下部スプレッダ18は、不図示の下部シーブブロックを備えており、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。
上部スプレッダ19は、下部スプレッダ18の前方に所定の間隔をおいて配置される。上部スプレッダ19は、ガイライン20を介してブーム13の先端部に接続される。上部スプレッダ19は、不図示の上部シーブブロックを備えており、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。
ガイライン20は、図1の紙面と直交する左右方向に一対配置されている。ガイライン20の後端部は、上部スプレッダ19に接続され、ガイライン20の前端部は、ブーム13の先端部に接続される。ガイライン20は、ガイリンク(金属製の板材)、ガイロープ、ガイワイヤ(金属製の線材)などを含む。
ブーム起伏用ロープ21は、ブーム起伏用ウインチ22から引き出され、HLマスト14の先端部のシーブ14A、14Bに掛けられた後、下部スプレッダ18の下部シーブブロックと上部スプレッダ19の上部シーブブロックとの間で複数回掛け回される。なお、下部シーブブロックおよび上部シーブブロックに掛け回された後のブーム起伏用ロープ21の先端部は、HLマスト14の先端部に固定される。
ブーム起伏用ウインチ22は、HLマスト14の基端部側に配置される。ブーム起伏用ウインチ22は、ブーム起伏用ロープ21の巻き取りおよび繰り出しを行うことで下部スプレッダ18の下部シーブブロックと上部スプレッダ19の上部シーブブロックとの間の距離を変化させ、ブーム13をHLマスト14に対して相対的に回動させながらブーム13を起伏させる。
更に、クレーン10は、左右一対のマストガイリンク23と、マスト起伏用ロープ24と、マスト起伏用ウインチ25と、を有する。
マストガイリンク23は、HLマスト14の先端部と箱マスト15の先端部とを接続する。この接続は、HLマスト14の回動と箱マスト15の回動とを連携させる。
マスト起伏用ロープ24は、上部旋回体11に配置され複数のシーブが幅方向に配列されたたシーブブロック26と、箱マスト15の先端部に配置され複数のシーブが幅方向に配列されたシーブブロック27との間で複数回掛け回される。
マスト起伏用ウインチ25は、上部旋回体11に配置される。マスト起伏用ウインチ25は、マスト起伏用ロープ24の巻き取りおよび繰り出しを行う。マスト起伏用ウインチ25によるマスト起伏用ロープ24の巻き取り、繰り出し動作によって、箱マスト15の先端部のシーブブロック27と上部旋回体11の後端部のシーブブロック26との間の距離が変化し、上部旋回体11に対して箱マスト15およびHLマスト14が一体的に回動しながら、HLマスト14が起伏する。なお、HLマスト14および箱マスト15の回動は、主にクレーン10の組立分解時に行われ、クレーン10の使用時にはHLマスト14および箱マスト15の位置(対地角)はほぼ固定されている。
クレーン10には、前述のマスト起伏用ウインチ25およびブーム起伏用ウインチ22以外に、吊り荷の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ30S及び補巻用ウインチ31Sが搭載される。本実施形態に係るクレーン10では、主巻用ウインチ30S、及び補巻用ウインチ31Sがいずれもブーム13の基端部に据え付けられる。クレーン10のウインチ30S、31Sは上部旋回体11に搭載されていてもよい。
主巻用ウインチ30Sは、主巻用ロープ32による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この主巻について、ブーム13の先端部には前述のアイドラシーブ131、132が回転可能に設けられ、さらにガイドシーブに隣接する位置に複数の主巻用ポイントシーブが幅方向に配列された主巻用シーブブロックが設けられている。主巻用シーブブロックから垂下された主巻用ロープ32には、吊り荷用の主フック34が連結されている。そして、主巻用ウインチ30Sから引き出された主巻用ロープ32がアイドラシーブ131、132に順に掛けられ、かつ、主巻用シーブブロックのシーブと、主フック34に設けられたシーブブロックのシーブとの間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ30Sが主巻用ロープ32の巻き取りや繰り出しを行うと、主フック34の巻上げ及び巻下げが行われる。
同様にして、補巻用ウインチ31Sは、補巻用ロープ33による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この補巻については、上記の主巻と同様の不図示の構造が備えられている。そして、補巻用ウインチ31Sが補巻用ロープ33の巻き取りや繰り出しを行うと、補巻用ロープ33の末端に連結された図略の吊荷用の補フックが巻上げられ、または巻下げられる。
また、クレーン10は、左右一対のカウンタウエイト35と、左右一対のウエイトガイリンク36(ウエイト用ガイライン)と、左右一対のカウンタウエイト4と、を有する。左右一対のカウンタウエイト4は、複数のウエイト本体37と、パレット40とを有する。
左右一対のカウンタウエイト35は、上部旋回体11の旋回フレームの後端部に左右方向に間隔をおいてそれぞれ配置されている。また、左右一対のカウンタウエイト4は、上部旋回体11の前後方向における上部旋回体11の後方に配置されHLマスト14の先端部(マスト先端部)から吊り下げられる。カウンタウエイト35およびカウンタウエイト4は、クレーン10のバランスを維持するための錘である。
左右一対のウエイト本体37は、板状のウエイト(錘)が上下に積載されることで構成されており、パレット40を介して自走台車50に支持される。カウンタウエイト4は、クレーン10が重量物を吊り上げるために備えられるSHL(Super Heavy Lifting)用ウエイトとして、クレーン10のバランスを保つ機能を有する。ウエイト本体37はパレット40に載置されており、当該パレット40が左右一対のウエイトガイリンク36(ウエイト用ガイライン)によってHLマスト14の先端部に接続されている。
左右のウエイトガイリンク36は、それぞれ前後2本のガイリンク(ロープ)から構成され、HLマスト14のマスト先端部14T(図2)とパレット40とを互いに接続する。なお、図1では、左右のウエイトガイリンク36のうち、右側(紙面手前側)のウエイトガイリンク36のみが現れている。左右のウエイトガイリンク36の2本のガイリンクは、シリンダ361(調整機構)とガイリンク下端部36Aとそれぞれ有する(図2)。シリンダ361は、油圧式の伸縮可能なシリンダであって、HLマスト14のマスト先端部14Tに対するパレット40の上下方向の相対位置を調整可能な調整機構として機能する。ガイリンク下端部36Aは、ウエイトガイリンク36の下端部であって、後記の連結ブラケット55に接続される。このため、ガイリンク下端部36Aには、不図示のピン孔が形成されている。
本実施形態では、カウンタウエイト4を支持する自走台車50(自走式台車)は、クレーン10専用の台車ではなく汎用台車から構成される。なお、他の実施形態において、自走台車50はクレーン10専用の台車であってもよい。この場合、自走台車50はクレーン10の一部を構成する。更に、クレーン10は、連結ロープ60(連結部材)(図1、図3)を有する。連結ロープ60は、ウエイト本体37が載置されたパレット40と上部旋回体11とを互いに連結するための部材である。
図4は、本実施形態に係る自走台車50、パレット40およびウエイト本体37の背面図である。
図4を参照して、自走台車50は、カウンタウエイト4を支持可能な台車荷台51(荷台)と、パワーパック52と、複数の車輪ユニット53と、を有する。
台車荷台51は、自走台車50の本体部分(荷台)であり、上下方向に所定の厚さを有し平面視で長方形形状を有している。台車荷台51は、クレーン10の使用時には、図2、図3に示すように上部旋回体11の左右方向に沿って長く延びるように配置される。この結果、自走台車50上に左右方向に沿って載置されるカウンタウエイト4がHLマスト14で吊り上げられると、クレーン10のバランスを安定して維持することができる。
台車荷台51は、荷台上面部51T(上面部)を有する(図4)。荷台上面部51Tにはパレット40が載置され固定される。パレット40も平面視で台車荷台51と同様の形状を有している。なお、パレット40の構造については後記で更に詳述する。
パワーパック52は、台車荷台51の長手方向の一端に設けられている。パワーパック52は、エンジンなどの動力発生機と、エンジンによって駆動される油圧ポンプと、これらを制御するコントローラと、を有する(いずれも詳細は不図示)。なお、自走台車50には、作業者が搭乗可能な運転室が備えられていてもよい。
図5は、本実施形態に係る自走台車50の車輪ユニット53の背面図である。複数の車輪ユニット53は、台車荷台51の下方においてそれぞれ走行面G(地面)を転動可能な車輪531を含み、台車荷台51の幅方向の両側において台車荷台51の長手方向に沿って二列で並ぶように配置されている。各車輪ユニット53は、回転軸530と、前記車輪531と、車輪支持部532と、昇降シリンダ533と、車輪駆動装置57(駆動装置)と、車輪操向装置58(操向装置)と、を有する。
回転軸530は、車輪531の回転における回転中心軸を形成する。車輪531は、回転軸530周りに回転することで走行面G上を転動する。
車輪支持部532は、車輪531と台車荷台51とを接続し、車輪531を回転可能に支持する。車輪支持部532は、第1アーム532Aと、第2アーム532Bと、アーム支点部532Cとを有する。第1アーム532Aの上端部は台車荷台51に固定されており、第2アーム532Bの下端部は回転軸530に接続されている。第1アーム532Aと第2アーム532Bとは水平に延びるアーム支点部532Cを支点として互いに回動可能に接続されている。昇降シリンダ533は、油圧を受けて伸縮する油圧シリンダであって、ロッドとシリンダ本体とからなる。シリンダ本体の基端部は、第1アーム532Aの基端部に回動可能に連結されており、ロッドの先端部は第2アーム532Bに回動可能に連結されている。そして、ロッドの基端部側がシリンダ本体の内部に挿入されており、ロッドがシリンダ本体に対して相対移動することで昇降シリンダ533が伸縮する。昇降シリンダ533の伸縮によって、台車荷台51が昇降可能とされる。
車輪操向装置58は、車輪531が上下方向に延びる操向中心軸C1(図5)を中心に台車荷台51に対して回転可能なように台車荷台51の下部に取り付けられている。各車輪ユニット53が当該操向中心軸C1回りに回動することによって車輪531の向き(操向方向)が変更される。この際、車輪操向装置58は、後記の遠隔操作ユニット46および台車側制御部56から操向指令信号を受け取り、複数の車輪531が予め設定された直進方向を基準として前記操向指令信号に応じた操向方向を向くように前記複数の車輪531を操向させる。
車輪駆動装置57は、油圧を受けて回転駆動力を発生する油圧モータを含み、前記回転駆動力によって車輪531を回転させる。車輪駆動装置57は、後記の遠隔操作ユニット46および台車側制御部56から速度指令信号を受け取り、当該速度指令信号に応じた転動速度および転動方向で複数の車輪531をそれぞれ転動させることが可能とされている。
パレット40(図4)は、ウエイト本体37と一体でHLマスト14によって吊り上げられることでクレーン10のバランスを維持する。パレット40は、パレット荷台400(荷台)と、4つ(複数)のアウトリガ54と、左右一対の連結ブラケット55と、を有する。
パレット荷台400は、パレット40の本体部分を構成する。パレット荷台400は、パレット荷台上面部40Tを有する。パレット荷台上面部40Tはパレット荷台400の上面部であり、ウエイト本体37が載置されるウエイト載置面を構成する。
4つのアウトリガ54は、パレット荷台400の四隅近傍において支持されており、油圧によって上下に伸縮する油圧シリンダ構造を有している。具体的に、各アウトリガ54は、外筒541と可動脚部542とを有する(図4)。
外筒541は、角筒形状を有している。外筒541の上面部は閉じられている。一方、外筒541の下端部には下方に向かって開口された開口部が形成されており、外筒541の内部には当該開口部に連通する内部空間が形成されている。内部空間は、外筒541の内部に上下方向に沿って形成された空間である。内部空間541Cには、不図示の油圧シリンダが配置されている。なお、当該油圧シリンダの圧源は、自走台車50またはクレーン10から供給される。
可動脚部542は、外筒541よりも小さな外径を有する略角柱形状からなる。可動脚部542は、走行面Gに着地することが可能であり、外筒541の前記開口部を通じて内部空間に挿入されている。可動脚部542は、前記油圧シリンダの伸縮によって外筒541に対して上下方向に相対移動可能とされている。
このようなアウトリガ54は、前記油圧シリンダへの作動油の給排に応じた可動脚部542の外筒541に対する上下方向における相対移動によって、伸張状態と収縮状態との間でそれぞれ切換可能である。
前記伸長状態では、可動脚部542が走行面Gに着地するとパレット荷台400の下面部が自走台車50の台車荷台51の荷台上面部51T(上面部)よりも上方に配置され、自走台車50の位置に関わらず複数のアウトリガ54がパレット荷台400を介してウエイト本体37を支持することが可能である。
一方、前記収縮状態ではパレット荷台400がウエイト本体37とともにHLマスト14によって吊り上げられると、自走台車50の台車荷台51が可動脚部542の下方を通過してパレット荷台400の下方に進入可能となる。
左右一対の連結ブラケット55(マスト連結部)は、HLマスト14の先端部から垂下された左右一対のウエイトガイリンク36のガイリンク下端部36Aにそれぞれ接続されるものであり、パレット40に左右方向に間隔をおいて固定されている。すなわち、左右一対の連結ブラケット55は、ウエイトガイリンク36(ウエイト用ガイライン)を介してHLマスト14の先端部に連結されるマスト連結部として機能する。連結ブラケット55は、ガイリンク連結部55Aと、ロープ連結部55Bとを有する。
ガイリンク連結部55Aは、連結ブラケット55の上端部に配置されている。ガイリンク連結部55Aには不図示の一対の孔部が開口されており、ウエイトガイリンク36のガイリンク下端部36Aに形成された孔部とガイリンク連結部55Aの孔部とに不図示の連結ピンがそれぞれ挿入されることで、ガイリンク連結部55Aとウエイトガイリンク36とが互いに連結される。
ロープ連結部55Bは、ガイリンク連結部55Aの下方に配置されている。ロープ連結部55Bにも不図示の孔部が形成されており、連結ロープ60の後端部が前記孔部に接続される。一方、連結ロープ60の前端部は上部旋回体11の縦板11A(図3)に開口された不図示の孔部に接続される。連結ロープ60は、スリングなどでもよく、上部旋回体11が下部走行体12に対して旋回する際の振れ止めとして機能する。
次に、本実施形態に係る台車誘導装置5(クレーンの台車誘導装置)について更に説明する。図6は、本実施形態に係るクレーン10、自走台車50および台車誘導装置5のブロック図である。台車誘導装置5は、クレーン10および自走台車50と共に用いられ、下部走行体12に対する上部旋回体11の旋回動作に伴って、自走台車50が上部旋回体11に追従するように自走台車50を誘導することが可能とされている。
当該自走台車50は、クレーン10(上部旋回体11、下部走行体12)の異なる動きにそれぞれ応じた複数の台車走行モードを有する。
前記複数の台車走行モードは、旋回走行モードと、並進走行モードと、台車旋回モードとを含む。
A)旋回走行モードは、前記各車輪531の向きが上部旋回体11の旋回方向と合致した状態で当該車輪531が回転駆動されることにより、上部旋回体11の旋回に追従してその上部旋回体11の旋回方向に自走台車50が走行するモードである。つまり、この旋回走行モードでは、自走台車50は、上部旋回体11の旋回中心軸CLを中心とする円弧状の軌道に沿って走行する。
B)並進走行モードは、上部旋回体11の旋回角度が任意の角度にあり、かつ、前記各車輪531の向きが下部走行体12の前後方向と合致した状態で当該車輪531が回転駆動されることにより、当該下部走行体12の走行に追従して自走台車50が走行するモードである。つまり、この並進走行モードでは、自走台車50は、下部走行体12と同じ方向に進行する、すなわち下部走行体12と並進する、ように走行する。
次に、クレーン10に搭載される駆動制御系について、図6を参照しながら説明する。クレーン10は、図6に示すような走行操作装置41、旋回操作装置42、クローラ駆動装置43、旋回駆動装置44、本体側制御部45およびモード選択部49を有している。
クローラ駆動装置43は、下部走行体12を走行させる走行駆動装置であって、下部走行体12に備えられた左右一対のクローラを駆動することにより下部走行体12を自走させる。
走行操作装置41は、下部走行体12の走行(前進又は後進)及び走行停止を指示するために用いられるものであり、上部旋回体11に含まれるキャブ10K内に設けられている。走行操作装置41は、走行操作レバー41Aと、操作装置本体41Bと、を有する。走行操作レバー41Aには、下部走行体12の走行方向及び走行速度を指定するための回動操作が与えられる。操作装置本体41Bは、前記走行操作レバー41Aに与えられる操作の方向に対応した走行方向及び当該操作の量に対応する走行速度についての指令信号を生成し、前記本体側制御部45に入力する。
旋回駆動装置44は、上部旋回体11を旋回中心軸CL回りに旋回させる駆動装置である。
旋回操作装置42は、上部旋回体11の旋回駆動及び旋回停止を指示するために用いられるものであり、前記キャブ10K内に設けられている。旋回操作装置42は、旋回操作レバー42Aと、操作装置本体42Bと、を有する。旋回操作レバー42Aには、上部旋回体11の旋回方向及び旋回速度を指定するための回動操作が与えられる。操作装置本体42Bは、前記旋回操作レバー42Aに与えられる操作の方向に対応した旋回方向及び当該操作の量に対応する旋回速度についての指令信号を生成し、前記本体側制御部45に入力する。
前記モード選択部49は、自走台車50の走行について前記のように設定された複数の台車走行モード、すなわち、旋回走行モードおよび並進走行モードからオペレータが所望の台車走行モードを選択する、つまり実行されるべき台車走行モードを指定する、ために用いられる。具体的に、モード選択部49は、例えば複数の選択ボタンを含み、オペレータが前記台車走行モードを選択するために操作されるともに、当該選択された台車走行モードを指定するためのモード選択信号を前記本体側制御部45に入力する。
前記本体側制御部45は、走行操作装置41、旋回操作装置42およびモード選択部49からそれぞれ入力される信号に基づき、クレーン10での各種制御を行う。具体的には次の制御を行う。
1)本体側走行駆動制御
本体側制御部45は、走行操作装置41から入力される指令信号(走行指令信号)に基づき、走行制御信号を生成してクローラ駆動装置43に入力し、これにより、前記走行操作装置41の走行操作レバー41Aに与えられた操作に対応する走行方向に当該操作に対応する走行速度で下部走行体12を走行させるように、クローラ駆動装置43に前記クローラを作動させる。
2)旋回駆動制御
本体側制御部45は、旋回操作装置42から入力される指令信号(旋回指令信号)に基づき、旋回制御信号を生成して旋回駆動装置44に入力し、これにより、前記旋回操作装置42の旋回操作レバー42Aに与えられた操作に対応する旋回方向に当該操作に対応する旋回速度で上部旋回体11を旋回させるように、前記旋回駆動装置44を作動させる。
3)モード切換制御
本体側制御部45は、モード選択部49を用いてオペレータにより選択された台車走行モードを実現するように、後述の台車側制御部56にモード指令信号を入力する。具体的には、本体側制御部45は、モード選択部49から入力されるモード選択信号に基づき、選択されている台車走行モードを判定し、その台車走行モードについてのモード指令信号を生成して台車側制御部56に入力する。
台車誘導装置5は、遠隔操作ユニット46と、左右一対のマスト投光ユニット70(図2、図6)(複数のマスト側基準部材)と、CCDカメラ71(図2、図6)(撮影装置)と、第1ターゲット54A、第2ターゲット54B、第3ターゲット54Cおよび第4ターゲット54D(いずれも台車側基準部材)と、を有する。
遠隔操作ユニット46は、オペレータによって操作することが可能である。なお、遠隔操作ユニット46は、上部旋回体11の前記キャブ10K内に配置されてもよいし、自走台車50の適所に配置されてもよい。本実施形態では、遠隔操作ユニット46は、自走台車50の周囲において地上から自走台車50の走行を制御するオペレータが保持している。遠隔操作ユニット46は、台車操作部460と、遠隔制御部461と、を有する。
台車操作部460は、オペレータから操作が与えられるものであり、不図示の操作レバーや操作ボタンなどを含む。当該操作には、自走台車50の各車輪ユニット53の車輪531の操向方向、転動方向、転動速度などが含まれる。
遠隔制御部461は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成され、CPUが前記制御プログラムを実行することにより、駆動制御部462(走行条件決定部、指令信号入力部)、位置情報取得部463(位置情報取得部)、判定部464および記憶部465を機能的に有するよう動作する。
駆動制御部462は、台車操作部460に与えられる前記操作に応じて、複数の車輪531を転動および操向させるために車輪駆動装置57および車輪操向装置58に指令信号(速度指令信号、操向指令信号)を入力する。当該指令信号は、台車側制御部56を介して、車輪駆動装置57および車輪操向装置58にそれぞれ入力される。なお、図6において、本体側制御部45と台車側制御部56との間、遠隔操作ユニット46と台車側制御部56との間は、それぞれ有線通信または無線通信によって接続される。
また、駆動制御部462は、旋回走行モード時に、複数の車輪531を転動させるために自走台車50の車輪駆動装置57に速度指令信号を入力するとともに車輪操向装置58に操向指令信号を入力する。なお、旋回走行モードは、前述のように自走台車50が上部旋回体11の旋回に連携して旋回中心軸CLを中心とする旋回方向に走行面G上を走行するモードである。
より詳しくは、駆動制御部462は、旋回走行モード時に、位置情報取得部463が取得したHLマスト14のマスト先端部14Tに対する自走台車50の相対位置情報に基づいて、平面視において自走台車50がマスト先端部14Tに重なるように、複数の車輪531の操向方向および転動速度を含む自走台車50の走行条件を決定する。この際、本実施形態では、後述する2つの座標系の原点同士および座標軸同士が近づくように、望ましくは、原点同士および座標軸同士が合致するように前記走行条件が決定される。なお、他の実施形態において、平面視で自走台車50の一部が14Tの一部に重なればよい。また、予め設定された自走台車50の基準点が、マスト先端部14Tを基準に設けられた所定の範囲内に含まれるものでもよい。更に、駆動制御部462は、決定された前記操向方向に応じた前記操向指令信号を車輪操向装置58に入力するとともに、決定された前記転動速度に応じた前記速度指令信号を車輪駆動装置57に入力する。
位置情報取得部463は、平面視における前記マスト先端部に対する自走台車50の相対位置に関する情報である相対位置情報を取得する。
判定部464は、上記の旋回走行モードにおける各種の判定動作を実行する。
記憶部465は、各台車走行モードにおいて参照される閾値、参照パラメータなどを予め記憶している。
CCDカメラ71は、HLマスト14のマスト先端部14Tよりも下方の撮影領域を撮影可能であるとともに前記撮影領域に対応する画像情報を出力し遠隔操作ユニット46に入力可能とされている。換言すれば、CCDカメラ71は上記撮影領域の上方の位置に配置されている。本実施形態では、CCDカメラ71は、HLマスト14のマスト先端部14Tの左右方向の中央部に装着されている。この結果、CCDカメラ71は、前記マスト先端部から下方に向かって設定された画角に含まれる前記撮影領域を撮影可能である。なお、CCDカメラ71は、旋回中心軸CL(図3)を通り上部旋回体11の左右方向と直交する平面上に配置されている。
左右一対のマスト投光ユニット70は、CCDカメラ71を挟むように左右方向に間隔をおいてマスト先端部14Tにそれぞれ装着されている。マスト投光ユニット70は、マスト先端部14Tから鉛直下方に左基準光TL、右基準光TR(いずれもビーム光)をそれぞれ照射可能であり、CCDカメラ71の撮影領域に含まれる左基準点PL、右基準点PR(複数のマスト側基準点)(図7、図8)をそれぞれ形成する。なお、マスト投光ユニット70の数は一対に限定されるものではない。また、複数のマスト投光ユニット70は、上部旋回体11の前後方向に間隔をおいてマスト先端部14Tに装着されてもよい。
第1ターゲット54A、第2ターゲット54B、第3ターゲット54Cおよび第4ターゲット54Dは、自走台車50の4つのアウトリガ54にそれぞれ装着されている。当該4つのアウトリガ54は、平面視において自走台車50の直進方向(自走台車50の長手方向)および当該直進方向と直交する水平な方向のそれぞれにおいて互いに間隔をおいて配置されている。そして、本実施形態では、各ターゲットは、各アウトリガ54の上面部にそれぞれ固定された円柱状の構造物である。各ターゲットは、CCDカメラ71の撮影領域に同時に含まれることが可能なように平面視において互いに異なる位置に配置される複数の台車側基準点をそれぞれ形成する。
次に、旋回走行モード時において、台車誘導装置5が上部旋回体11の旋回動作に追従するように自走台車50の走行を誘導する態様について説明する。図7および図8は、本実施形態に係る台車誘導装置5において設定される台車用座標系CVおよびマスト用座標系CCを示した図である。
上部旋回体11の旋回動作が開始されるにあたって、HLマスト14が上部旋回体11から斜め後方に延びる姿勢とされマスト先端部14Tの直下に自走台車50が配置される。この際、図2に示すように、自走台車50の直進方向(台車荷台51の長手方向)が旋回中心軸CLを中心とする円の接線方向に合致するように自走台車50が配置される。
オペレータがモード選択部49から前述の旋回走行モードを指示すると、台車操作部460に入力される操作に関わらず、遠隔制御部461が台車誘導制御を開始する。
台車誘導制御が開始されると、位置情報取得部463が、マスト用座標系CCをマスト先端部14Tに仮想的に設定するとともに、台車用座標系CVを自走台車50に仮想的に設定する。台車用座標系CVは、自走台車50とともに移動する座標系であり、マスト用座標系CCは、上部旋回体11の旋回動作に伴ってマスト先端部14Tとともに移動する座標系である。
図7、図8を参照して、マスト用座標系CCは、HLマスト14(マスト先端部14T)の位置を基準に設定されたマスト用原点OCと、当該マスト用原点OCを通り上部旋回体11の左右方向に延びるマスト用第1座標軸XC(マスト用基準方向)と、マスト用原点OCを通り上部旋回体11の前後方向に延びるマスト用第2座標軸YC(マスト用基準方向)とを含む。マスト用座標系CCは、上部旋回体11の旋回動作に伴ってマスト先端部14Tとともに移動する。
また、図7、図8を参照して、台車用座標系CVは、自走台車50の位置を基準に設定される台車用原点OVと、当該台車用原点OVを通り自走台車50の直進方向に延びる台車用第1座標軸XV(台車用基準方向)と、台車用原点OVを通り台車用第1座標軸XVと直交する台車用第2座標軸YV(台車用基準方向)とを含む。台車用座標系CVは、自走台車50とともに移動する。
以下に、位置情報取得部463が、マスト用座標系CCおよび台車用座標系CVをそれぞれマスト先端部14Tおよび自走台車50に設定する手順について説明する。
位置情報取得部463は、CCDカメラ71から出力され遠隔操作ユニット46に入力される画像情報から複数のマスト側基準点を特定し、当該複数のマスト側基準点に基づいてマスト先端部14Tに前記マスト用座標系CCを設定する。この際、図7、図8に示すように、位置情報取得部463は、左右一対のマスト投光ユニット70から照射された左基準光TLおよび右基準光TRと、荷台(台車荷台51またはパレット荷台400)あるいはカウンタウエイト4のウエイト本体37の上面部との交点である左基準点PLおよび右基準点PRを前記画像情報から前記マスト側基準点として特定する。一例として、CCDカメラ71の画像情報において、CCDカメラ71の左右両側から照射される左基準光TLおよび右基準光TRが前記荷台またはウエイト本体37の上面部に達すると左基準光TLおよび右基準光TRが途切れるため、位置情報取得部463は、その光の先端部を左基準点PL、右基準点PRとして特定すればよい。図7を参照して、位置情報取得部463は、左基準点PLおよび右基準点PRを特定すると、その中点をマスト用原点OCに設定し、マスト用原点OCから右基準点PRに向かって延びる直線をマスト用第1座標軸XCとして設定し、マスト用原点OCからマスト用第1座標軸XCと直交するように旋回中心軸CL側に延びる直線をマスト用第2座標軸YCとして設定する。図7に示すように、左基準点PLと右基準点PRとの距離がLと定義されると、左基準点PL、右基準点PRとマスト用原点OCとの距離はそれぞれL/2である。
同様に、位置情報取得部463は、CCDカメラ71から出力され遠隔操作ユニット46に入力される画像情報から複数の台車側基準点を特定し、当該複数の台車側基準点に基づいて自走台車50に台車用座標系CVを設定する。図7、図8に示すように、位置情報取得部463は、前記画像情報から第1ターゲット54A、第2ターゲット54B、第3ターゲット54Cおよび第4ターゲット54Dを台車基準点としてそれぞれ特定する。この際、各ターゲットの特定精度を高めるために、各ターゲットが光源を有するものでもよいし、周囲の台車荷台51、パレット40およびウエイト本体37とは異なる色に彩色されていてもよい。本実施形態では、4つのアウトリガ54がパレット荷台400(台車荷台51)を囲むように平面視で平行四辺形の各角部に配置されている。このため、位置情報取得部463は、4つのターゲットのうち直進方向(台車荷台51の長手方向)における内側にそれぞれ位置する第2ターゲット54Bおよび第3ターゲット54Cを特定し、その中点を台車用原点OVとして設定する。この際、位置情報取得部463は、第1ターゲット54Aと第2ターゲット54Bとを結ぶ直線と平行な方向を直進方向として特定してもよい。なお、図7に示すように、第2ターゲット54Bと第3ターゲット54Cとの直進方向における距離がMと定義されると、第2ターゲット54B、第3ターゲット54Cと台車用原点OVとの距離はそれぞれM/2である。また、第1ターゲット54Aと第3ターゲット54Cとの前記直進方向と直交する方向における距離がWと定義されると、第1ターゲット54A、第3ターゲット54Cと台車用原点OVとの距離はそれぞれW/2である。更に、位置情報取得部463は、台車用原点OVを通り前記直進方向と平行に延びる直線を台車用第1座標軸XVと設定し、台車用原点OVを通り台車用第1座標軸XVと直交する直線を台車用第2座標軸YVと設定する。なお、台車用座標系CVの設定方法は上記に限定されるものではない。また、4つのアウトリガ54(ターゲット)は、平面視で長方形形状の角部に配置されてもよいし、ターゲットの数は2以上であればよい。ターゲットの数が2つの場合は、前述の左基準点PL、右基準点PRに基づくマスト用座標系CCと同様に台車用座標系CVが設定される。また、この場合、各ターゲットは複数のアウトリガ54の中から選択された複数のアウトリガ54に装着されればよい。
このように、位置情報取得部463は、マスト用座標系CCおよび台車用座標系CVをそれぞれマスト先端部14Tおよび自走台車50に設定すると、平面視におけるマスト用座標系CCに対する台車用座標系CVの相対位置(マスト用原点OCに対する台車用原点OVの相対位置、マスト用基準方向に対する台車用基準方向の相対方向)を、マスト先端部14Tに対する自走台車50の相対位置に関する情報である相対位置情報として取得する。そして、駆動制御部462が、位置情報取得部463によって取得された相対位置情報に基づいて、自走台車50の各車輪531の転動速度および操向方向を決定する。
図8に示すように、上部旋回体11の旋回に対して自走台車50の走行が遅れることで、マスト用座標系CCと台車用座標系CVとの位置がずれた場合、駆動制御部462は、台車用原点OVをマスト用原点OCに近づけ合致させ、台車用第1座標軸XVをマスト用第1座標軸XCに近づけ合致させ、更に台車用第2座標軸YVをマスト用第2座標軸YCに近づけ合致させるように自走台車50の走行条件を決定する。
一例として、図8において、駆動制御部462は、台車用原点OVからマスト用原点OCに向かうベクトルを基本ベクトルとして設定し、自走台車50が当該基本ベクトルに沿って走行するように車輪531の操向方向を設定し、当該操向方向に応じた操向指令信号を車輪操向装置58に入力する。また、図8に示す状態では、自走台車50が上部旋回体11に追いつく必要があるため、駆動制御部462は車輪531の転動速度を増大させ当該転動速度に応じた速度指令信号を車輪駆動装置57に入力する。
台車用原点OVがマスト用原点OCに合致すると、駆動制御部462は、台車用第1座標軸XVがマスト用第1座標軸XCに合致し台車用第2座標軸YVがマスト用第2座標軸YCに合致するように、車輪531の操向方向を設定し、当該操向方向に応じた操向指令信号を車輪操向装置58に入力する。この際、前述の駆動指令信号は車輪駆動装置57に入力され続けている。
台車誘導装置5は、以上のような制御を繰り返すことで、上部旋回体11の旋回動作に追従するように自走台車50の走行を誘導することができる。なお、上記の制御中において、判定部464は、複数の台車側基準点がCCDカメラ71の撮影範囲に含まれているか否かを判定してもよい。そして、複数の台車側基準点のうちの少なくとも一つの基準点が前記撮影領域に含まれていない場合には、自走台車50がマスト先端部14Tの直下から大きく外れていることが推定されるため所定のエラー信号を出力し、クレーン10のキャブ10Kまたは自走台車50の運転席のオペレータにエラー情報を報知することができる。
次に、カウンタウエイト4をクレーン10のHLマスト14に装着する手順について説明する。まず、クレーン10の作業現場内の広い場所で、他の補助クレーンでウエイト本体37を吊り上げて、パレット40のパレット荷台400に載置する。
次に、アウトリガ54の可動脚部542を全伸長させて、パレット荷台400を上昇させる。この結果、パレット荷台400の下方に空間が形成される。その後、自走台車50をパレット40の下方の前記空間に移動させる。この場合、作業場所が広く確保されているため自走台車50をアウトリガ54の左右の可動脚部542間で真っ直ぐ進入させることができる。次に、アウトリガ54の可動脚部542を収縮させて、自走台車50の台車荷台51上にパレット40を搭載する。この状態で、自走台車50が、ウエイト本体37およびパレット40を一体で移動させる準備が完了する。なお、移動中は、可動脚部542は全縮状態(完全収縮状態)にせずに地上から20cm程度浮かすようにしておくことが安全上望ましい。
その後、カウンタウエイト4を搭載した自走台車50をクレーン10の後方の所定位置に移動させ、ウエイトガイリンク36のガイリンク下端部36Aとパレット40の連結ブラケット55のガイリンク連結部55Aとを連結ピンで互いに連結する。更に、パレット40の連結ブラケット55のロープ連結部55Bと上部旋回体11の縦板11Aとを連結ロープ60によって互いに連結する。そして、アウトリガ54の可動脚部542を全縮小させた後(収縮状態)、クレーン10の主フック34で重量物(吊り荷)を吊り上げる。重量物の吊り上げによって、ウエイト本体37およびパレット40は自走台車50の台車荷台51から浮き上がるため、上部旋回体11を旋回させて重量物を旋回方向の所定の場所まで移動させることができる。
次に、カウンタウエイト4をクレーン10のHLマスト14から取り外し、自走台車50によって移動する手順について説明する。図9、図10および図11は、本実施形態に係るカウンタウエイト4が自走台車50に載置される様子を示す側面図である。
まず、前述のように主フック34で重量物を吊り上げた状態で、ウエイト本体37およびパレット40の下方に自走台車50を移動させる(図9)。
その後、下記の3つの手順のうちのいずれかの手順で、ウエイト本体37およびパレット40を走行面G(地面)に着地させる。
<第1の手順>パレット40のアウトリガ54の可動脚部542を伸長させて走行面Gに着地させ、ウエイト本体37を走行面Gに支持する(図10)。この際、パレット40のパレット荷台400は自走台車50の台車荷台51から上方に浮き上がる。
<第2の手順>自走台車50の台車荷台51を昇降シリンダ533によって上昇させて、台車荷台51によってパレット40を支持することで、カウンタウエイト4を走行面Gに支持する。
<第3の手順>ウエイトガイリンク36のシリンダ361(油圧シリンダ)を伸長させてパレット40を下降させ、ウエイト本体37およびパレット40を自走台車50の台車荷台51に載置して、カウンタウエイト4を走行面Gに支持する。
上記のように、ウエイト本体37およびパレット40を走行面Gに支持させると、ウエイトガイリンク36のガイリンク下端部36Aおよび連結ロープ60をパレット40の連結ブラケット55から取り外して、不要となった連結ピンや連結ロープ60を不図示の格納位置に格納する。この際、ウエイトガイリンク36ではシリンダ361を全縮小させておくことが望ましい。
次に、アウトリガ54の可動脚部542の伸縮を、可動脚部542が地上から20cm程度浮かせた状態になるように調整する(図11)。そして、自走台車50に搭載されたウエイト本体37およびパレット40を次の作業位置まで移動させる。あるいは、次の作業においてカウンタウエイト4を使用しない場合には、当該カウンタウエイト4を所定の待機位置に保管しておく。なお、自走台車50のみが必要になった場合には、アウトリガ54を全伸長させてカウンタウエイト4を台車荷台51から浮かせて、自走台車50をパレット40の下方から退出させることができる。
以上のように、クレーン10の作業現場では、HLマスト14のマスト先端部14Tからカウンタウエイト4が吊り下げられた状態で上部旋回体11が旋回する際にカウンタウエイト4の下方で自走台車50が上部旋回体11の旋回に追従して走行する場合や、マスト先端部14Tの下方の位置で自走台車50がカウンタウエイト4を支持しながら上部旋回体11の旋回に追従して走行する場合がある。本発明の発明者は、このいずれの場合においても、マスト先端部14Tの直下に自走台車50が位置することが望ましいため、平面視において両者が重なる状態を維持することで自走台車50の走行と上部旋回体11の旋回とを安定して連携させることができることを新たに着想した。
そして、上記のような観点から着想された本実施形態に係る台車誘導装置5では、位置情報取得部463が取得したマスト先端部14Tと自走台車50との平面視における相対位置情報に基づいて、自走台車50がマスト先端部14Tに重なるように駆動制御部462が自走台車50の走行条件を決定するため、地盤の傾斜や路面の凹凸などによって自走台車50の車輪の向きが変化しても、自走台車50をマスト先端部14Tの直下に維持しながら走行させることができる。このため、カウンタウエイト4を支持可能な自走台車50の走行と上部旋回体11の旋回動作とを精度良く連携させるように自走台車50を誘導することが可能となる。
また、本実施形態では、位置情報取得部463がマスト先端部14Tおよび自走台車50のそれぞれに仮想的な座標系(原点および基準方向)を設定し、駆動制御部462が両座標系の原点同士および座標軸同士を合わせるように走行条件を決定する。このため、HLマスト14の側面および自走台車50の側面をそれぞれ検出し両側面同士の相対位置を合わせる場合と比較して、マスト先端部14Tと自走台車50との相対位置を精度良く合わせることができる。この結果、自走台車50をマスト先端部14Tの直下に精度良く配置して走行させることができる。なお、上記の側面同士のように、HLマスト14のマスト先端部14Tの一部と自走台車50の一部とをそれぞれ検出し位置合わせする場合には、本実施形態よりも測定誤差が含まれる可能性があるため、位置合わせのためのマスト先端部14Tおよび自走台車50の検出頻度を増やすことが望ましい。なお、他の実施形態において、各座標系のうちの一方の座標軸が本発明における基準方向としてそれぞれ選択され、互いの基準方向の相対方向が近づけられ、合致される態様でもよい。
また、本実施形態では、CCDカメラ71の画像情報に含まれる複数の台車側基準点および複数のマスト側基準点に基づいて、位置情報取得部463が台車用座標系CVおよびマスト用座標系CCをそれぞれ設定する。複数の台車側基準点は自走台車50に装着された複数のターゲットによって形成され、複数のマスト側基準点はマスト先端部14Tに装着された複数のマスト投光ユニット70によって形成される。このように、自走台車50およびマスト先端部14Tに実際に装着された基準部材によって各基準点が形成されるため、共に移動する自走台車50およびマスト先端部14Tのそれぞれの位置および向き(移動方向)を各座標系によって精度良く仮想化することができる。
更に、本実施形態では、CCDカメラ71が自走台車50を真上から撮影するため、撮影された自走台車50が斜めになりにくく、また、CCDカメラ71と自走台車50との間に障害物が入りにくいため、撮影されたデータが認識、解析されやすい。このため、自走台車50の位置を正確に把握することができる。更に、CCDカメラ71がマスト先端部14Tに装着され上部旋回体11とともに旋回するため、CCDカメラ71から出力される画像情報を利用してクレーン10の周囲の情報を取得することやマスト先端部14Tが目標の旋回位置付近に到達したことを確認することができる。また、CCDカメラ71の撮影方向が各座標系の2つの座標軸とそれぞれ交差するように下方向に設定されているため、CCDカメラ71から出力される画像情報を利用して作業者が各座標系の相対位置を視認することが可能となる。
また、本実施形態では、パレット荷台400を昇降させるために互いに間隔をおいて配置された複数のアウトリガ54を利用してターゲット(台車側基準部材)を配置することができる。このため、自走台車50上において複数の台車側基準点が分散して配置され、自走台車50の位置を示す台車用座標系CVの設定精度を高めることができる。
また、本実施形態では、マスト先端部14Tから照射される複数の左基準光TL、右基準光TRが自走台車50の台車荷台51、パレット40のパレット荷台400またはカウンタウエイト4のウエイト本体37の上面部に投影される点を利用してマスト側基準点を設定することができる。このため、マスト投光ユニット70から照射される基準光(ビーム光)によってマスト側基準点を明確かつ正確に設定することができる。また、高い位置に配置されたマスト先端部14Tからの照射でもビーム光の直進性によってズレやブレが少なく、マスト先端部14Tの高さや自走台車50の上部の凹凸によって照射距離が変化しても、マスト側基準点を安定して設定することができる。また、夜間でも、ビーム光の照射によってマスト側基準点を設定することができる。更に、上下方向においてマスト側基準点と台車側基準点との相対位置を近づけることが可能となるため、CCDカメラ71に必要とされる撮影領域の大きさを小さくすることができる。
以上、本発明の実施形態に係るクレーン10の台車誘導装置5について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記の実施形態では、本発明に係るクレーンの一例として、図1に示されるクレーン10を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。クレーンは、HLマスト14および箱マスト15の一方を有さないものでもよいし、ブーム13の先端部に不図示のジブが配置されたものでもよく、その他の構造からなるものでもよい。
(2)上記の実施形態では、CCDカメラ71がマスト先端部14Tに配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図12は、本変形実施形態に係る自走台車50およびカウンタウエイト4の背面図である。図13は、本変形実施形態に係るクレーン10、自走台車50および台車誘導装置5のブロック図である。図14は、本変形実施形態に係る台車誘導装置5のレーザ距離計52S(距離センサ)の検出領域を示す平面図である。図15は、本変形実施形態に係る台車誘導装置5のCCDカメラ71の撮影領域を示す模式図である。
図12、図13を参照して、本変形実施形態では先の実施形態と比較して、台車誘導装置5が、レーザ距離計52Sおよび当該レーザ距離計52Sを支持する伸縮ポール52T(センサ保持部材)を有する。更に、マスト先端部14Tに備えられていたCCDカメラ71は、上記の伸縮ポール52Tに装着されることが可能である。伸縮ポール52Tは、パワーパック52の上面部に上下方向に伸縮自在に装着されている。レーザ距離計52SおよびCCDカメラ71は、伸縮ポール52Tの上端部に選択的に装着されてもよい。
レーザ距離計52Sは、伸縮ポール52Tの上端部に固定され、図12に示すように、自走台車50の直進方向(左右方向)において当該自走台車50の一端部(図12の右端部)に配置される。レーザ距離計52Sは、荷台(台車荷台51、パレット荷台400)の上方を含むように設定された照射平面SF(検出領域)上に位置する物体の距離情報を取得可能とされている。図12、図14に示すように、レーザ距離計52Sの照射平面SFは当該レーザ距離計52Sから自走台車50の他端部(図12の左端部)に向かって設定されている。また、照射平面SFは、水平な平面状に形成されているとともに、平面視でレーザ距離計52Sを頂点とする三角形状を有する。
また、先の実施形態と同様に、各アウトリガ54の上面部には第1ターゲット54A、第2ターゲット54B、第3ターゲット54Cおよび第4ターゲット54Dの各ターゲットが設置されている。これらのターゲットは、レーザ距離計52Sの前記検出領域において互いに異なる位置に配置される複数の台車側基準点を形成する。このため、アウトリガ54は、4つ以上、たとえば6つ配置されてもよいが、各アウトリガ54の上面部は互いに同じ高さに配置されることが望ましい。
図12に示すように、伸縮ポール52Tは、アウトリガ54の上面部に装着された各ターゲットがレーザ距離計52Sの照射平面SFに含まれるように、レーザ距離計52Sを各ターゲットと同じ高さに保持している。このため、自走台車50のうち比較的高い位置に配置されるアウトリガ54の上面部を利用して各ターゲットを配置することができるとともに、伸縮ポール52Tによってレーザ距離計52Sの照射平面SFを各ターゲットの高さに合わせることができる。このため、レーザ距離計52Sと各ターゲットとの間に障害物が含まれることを低減することができる。
本変形実施形態では、位置情報取得部463は、レーザ距離計52Sから出力される複数のターゲットの距離情報から前記複数の台車側基準点を特定し、当該複数の台車側基準点に基づいて自走台車50に前記台車用座標系CVを設定する。この際、位置情報取得部463は、図14に示すように、照射平面SF内に配置される各ターゲットとレーザ距離計52Sとの距離に基づいて、各ターゲットの平面視における座標を取得し、台車用座標系CVを設定する。このようにレーザ距離計52Sの距離情報に基づいて台車用座標系CVを設定する場合、CCDカメラ71を用いて台車用座標系CVを設定する場合と比較して、降雨などの周辺環境による座標設定誤差を低減することができる。また、レーザ距離計52S(距離センサ)の特性から、夜間での使用も可能とされる。
一方、上記のような周辺環境による影響が問題になりにくい作業現場では、伸縮ポール52Tの上端部にCCDカメラ71が装着されることで、アウトリガ54上の各ターゲットに加え、先の実施形態と同様にマスト先端部14Tの一対のマスト投光ユニット70から照射される左基準光TLおよび右基準光TRを検出することができる。
この場合、CCDカメラ71は、上記のように自走台車50の伸縮ポール52Tの上端部に装着され、自走台車50のうち少なくとも前記荷台の上方を含むように設定された撮影領域を撮影可能である。CCDカメラ71の撮影領域も、上記のレーザ距離計52Sの検出領域と同様に、CCDカメラ71から自走台車50の他端部(図12の左端部)に向かって設定されている。
図15を参照して、CCDカメラ71の撮影領域Cには、自走台車50(パレット40)上に載置されたカウンタウエイト4のウエイト本体37の上面部が現れている。また、マスト先端部14Tから照射された左基準光TLおよび右基準光TRは、ウエイト本体37の上面部との交点として、左基準点PLおよび右基準点PRを形成する。したがって、先の実施形態と同様に、位置情報取得部463が、左基準点PLおよび右基準点PRに基づいてマスト先端部14T(上部旋回体11)にマスト用座標系CCを設定することができる。
なお、左基準点PLと右基準点PRとの距離は既知であるため、図15に示すように、左基準点PLと右基準点PRとを結ぶ直線と水平方向とがなす角度θの大きさによって、マスト用座標系CCのマスト用第1座標軸XCと、台車用座標系CVの台車用第1座標軸XVとの相対角度を算出することが可能となる。なお、左基準点PL、右基準点PRは先の実施形態と同様に、パレット荷台400または台車荷台51との交点であってもよい。
このような構成によれば、CCDカメラ71が自走台車50側に配置されているため、その情報を自走台車50に備えられた台車側制御部56(コントローラ)に直接入力し自走台車50を制御することができる。このため、必ずしもクレーン10側の本体側制御部45(コントローラ)を介することなく自走台車50側のみでの制御が可能となる。また、CCDカメラ71がマスト先端部14Tに配置される場合と比較して、CCDカメラ71が対象物に近い位置で撮影することができるため、撮影精度が向上しより正確な撮影が可能となる。この結果、画像データのノイズを低減し、より正確な位置情報の取得および制御精度の向上が実現される。また、上記のようにCCDカメラ71が自走台車50側に装着される場合には、その撮影領域Cが自走台車50の荷台の上方を含むように設定されているため、CCDカメラ71から出力される画像情報から荷台上のカウンタウエイト4のウエイト本体37の積載状況などをあわせて確認することが可能となる。このため、CCDカメラ71の前記画像情報は、遠隔操作ユニット46、クレーン10のキャブ10Kなどに配置された不図示のディスプレイ(表示部)に入力され表示されてもよい。
(3)上記の実施形態では、自走台車50が昇降シリンダ533を有する態様にて説明したが、自走台車50の台車荷台51は昇降しない態様でもよい。また、ウエイトガイリンク36は、シリンダ361を有さない態様でもよい。
(4)上記の実施形態では、ウエイトガイリンク36がHLマスト14のマスト先端部14Tとパレット40の連結ブラケット55とを連結する態様で説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ウエイトガイリンク36の代わりに、ウエイト用ガイラインとして、ガイリンク以外のケーブル、ロープ、ワイヤなどが使用されてもよい。また、マスト先端部14Tから垂下されるウエイトガイリンク36は、パレット40ではなくウエイト本体37に直接接続されてもよい。
(5)また、上記の実施形態では、連結ロープ60が上部旋回体11の縦板11Aに連結される態様にて説明したが、上部旋回体11側の接続先は、縦板11Aに限定されるものではなく、上部旋回体11の底板または後板に接続されるものでもよい。また、連結ロープ60の代わりに剛体からなる連結体によって自走台車50と上部旋回体11とが連結される態様でもよい。
10 クレーン
11 上部旋回体
12 下部走行体(下部本体)
13 ブーム
14 HLマスト(マスト)
15 箱マスト
36 ウエイトガイリンク(ウエイト用ガイライン)
361 シリンダ
36A ガイリンク下端部
37 ウエイト本体
4 カウンタウエイト
40 パレット
400 パレット荷台(荷台)
40T パレット荷台上面部(ウエイト載置面)
46 遠隔操作ユニット
460 台車操作部
461 遠隔制御部
462 駆動制御部(走行条件決定部、指令信号入力部)
463 位置情報取得部
5 台車誘導装置
50 自走台車(自走式台車)
51 台車荷台(荷台)
52 パワーパック
52S レーザ距離計(距離センサ)
52T 伸縮ポール(センサ保持部材)
53 車輪ユニット
530 回転軸
531 車輪
532 車輪支持部
533 昇降シリンダ
54 アウトリガ
54A 第1ターゲット(台車側基準部材)
54B 第2ターゲット(台車側基準部材)
54C 第3ターゲット(台車側基準部材)
54D 第4ターゲット(台車側基準部材)
55 連結ブラケット
55A ガイリンク連結部
55B ロープ連結部
56 台車側制御部
57 車輪駆動装置(駆動装置)
58 車輪操向装置(操向装置)
60 連結ロープ
70 マスト投光ユニット(マスト側基準部材)
71 CCDカメラ(撮影装置)
C1 操向中心軸
CC マスト用座標系
CL 旋回中心軸
CV 台車用座標系
G 走行面(地面)
OC マスト用原点
OV 台車用原点
PL 左基準点
PR 右基準点
SF 照射平面
TF 仮想平面
TL 左基準光
TR 右基準光
XC マスト用第1座標軸
XV 台車用第1座標軸
YC マスト用第2座標軸
YV 台車用第2座標軸

Claims (9)

  1. 下部本体と上下方向に延びる旋回中心軸周りに前記下部本体に旋回可能に支持された上部旋回体と前記上部旋回体に起伏方向に回動可能に支持されたブームとマスト先端部を有し前記ブームの後方で前記上部旋回体に起伏方向に回動可能に支持されたマストと前記上部旋回体の後方において前記マスト先端部から吊り下げられるカウンタウエイトとをそれぞれ有するクレーンと、前記カウンタウエイトを支持可能な荷台と走行面上を転動可能な複数の車輪と速度指令信号を受け取り当該速度指令信号に応じた転動速度で前記複数の車輪をそれぞれ転動させることが可能な駆動装置と操向指令信号を受け取り前記複数の車輪が予め設定された直進方向を基準として前記操向指令信号に応じた操向方向を向くように前記複数の車輪を上下方向に延びる操向中心軸回りにそれぞれ操向させることが可能な操向装置とをそれぞれ有する自走式台車と共に用いられ前記下部本体に対する前記上部旋回体の旋回動作に伴って前記自走式台車が前記上部旋回体に追従するように前記自走式台車を誘導することが可能なクレーンの台車誘導装置であって、
    平面視における前記マスト先端部に対する前記自走式台車の相対位置に関する情報である相対位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記位置情報取得部が取得した前記相対位置情報に基づいて、平面視において前記自走式台車が前記マスト先端部に重なるように、前記複数の車輪の前記操向方向および前記転動速度を含む前記自走式台車の走行条件を決定する走行条件決定部と、
    前記走行条件決定部によって決定された前記操向方向に応じた前記操向指令信号を前記操向装置に入力するとともに前記走行条件決定部によって決定された前記転動速度に応じた前記速度指令信号を前記駆動装置に入力する指令信号入力部と、
    を備える、クレーンの台車誘導装置。
  2. 前記位置情報取得部は、
    前記マストの位置を基準に設定され前記上部旋回体の旋回動作に伴って前記マスト先端部とともに移動するマスト用原点と、当該マスト用原点を通り前記上部旋回体の左右方向または前後方向に延びるとともに前記上部旋回体の旋回動作に伴って前記マスト先端部とともに移動するマスト用基準方向とをそれぞれ前記マスト先端部に設定する一方、
    前記自走式台車の位置を基準に設定され前記自走式台車とともに移動する台車用原点と、当該台車用原点を通り前記自走式台車の直進方向または当該直進方向と直交する水平な方向に延びるとともに前記自走式台車とともに移動する台車用基準方向とをそれぞれ前記自走式台車に設定し、平面視における前記マスト用原点に対する前記台車用原点の相対位置および前記マスト用基準方向に対する前記台車用基準方向の相対方向を前記相対位置情報として取得し、
    前記走行条件決定部は、前記台車用原点を前記マスト用原点に近づけ、前記台車用基準方向を前記マスト用基準方向に近づけるように前記自走式台車の走行条件を決定する、請求項1に記載のクレーンの台車誘導装置。
  3. 前記マスト先端部よりも下方の撮影領域を撮影可能であるとともに前記撮影領域に対応する画像情報を出力可能な撮影装置と、
    前記自走式台車に装着され、前記撮影領域に含まれる複数の台車側基準点をそれぞれ形成する複数の台車側基準部材と、
    前記マスト先端部に装着され、前記撮影領域に含まれる複数のマスト側基準点をそれぞれ形成する複数のマスト側基準部材と、
    を更に備え、
    前記位置情報取得部は、前記撮影装置から出力される前記画像情報から前記複数の台車側基準点をそれぞれ特定し当該複数の台車側基準点に基づいて前記自走式台車に前記台車用原点および前記台車用基準方向をそれぞれ設定する一方、前記画像情報から前記複数のマスト側基準点をそれぞれ特定し当該複数のマスト側基準点に基づいて前記マスト先端部に前記マスト用原点および前記マスト用基準方向をそれぞれ設定する、請求項2に記載のクレーンの台車誘導装置。
  4. 前記撮影装置は、その上方の位置で前記撮影領域を撮影可能なように前記マスト先端部に装着されている、請求項3に記載のクレーンの台車誘導装置。
  5. 前記撮影装置は、前記自走式台車の前記荷台の上方に設定された前記撮影領域を撮影可能なように前記自走式台車に装着されている、請求項3に記載のクレーンの台車誘導装置。
  6. 前記自走式台車は、平面視で前記荷台を囲むように前記直進方向および当該直進方向と直交する水平な方向のそれぞれにおいて互いに間隔をおいて配置され前記荷台を昇降させることが可能な少なくとも4つのアウトリガを有し、
    前記複数の台車側基準部材は、前記少なくとも4つのアウトリガから選択される複数のアウトリガにそれぞれ装着される、請求項3乃至5の何れか1項に記載のクレーンの台車誘導装置。
  7. 前記複数のマスト側基準部材は、前記マスト先端部において前記上部旋回体の前記前後方向または前記左右方向に間隔をおいて配置され、前記マスト先端部から鉛直下方にビーム光をそれぞれ照射可能であり、
    前記位置情報取得部は、前記複数のマスト側基準部材から照射された前記ビーム光と前記荷台または前記カウンタウエイトとの交点を前記画像情報から前記マスト側基準点として特定し前記マスト用原点および前記マスト用基準方向をそれぞれ設定する、請求項3乃至6の何れか1項に記載のクレーンの台車誘導装置。
  8. 前記自走式台車に装着され、前記荷台の上方を含むように設定された検出領域の距離情報を取得可能な距離センサと、
    前記自走式台車にそれぞれ装着され、前記距離センサの前記検出領域に含まれる複数の台車側基準点を形成する複数の台車側基準部材と、
    を更に備え、
    前記位置情報取得部は、前記距離センサから出力される前記複数の台車側基準部材の距離情報から前記複数の台車側基準点をそれぞれ特定し当該複数の台車側基準点に基づいて前記自走式台車に前記台車用原点および前記台車用基準方向を設定する、請求項2に記載のクレーンの台車誘導装置。
  9. 前記自走式台車は、平面視で前記荷台を囲むように前記直進方向および当該直進方向と直交する水平な方向のそれぞれにおいて互いに間隔をおいて配置され前記荷台を昇降させることが可能な少なくとも4つのアウトリガであって、互いに同じ高さに配置される上面部をそれぞれ有する少なくとも4つのアウトリガを有し、
    前記複数の台車側基準部材は、前記少なくとも4つのアウトリガから選択される複数のアウトリガの前記上面部にそれぞれ装着され、
    前記距離センサの前記検出領域は、水平な平面状に形成されており、
    前記自走式台車に装着されるセンサ保持部材であって、前記アウトリガの上面部に装着された前記台車側基準部材が前記距離センサの前記検出領域に含まれるように、前記距離センサを前記台車側基準部材と同じ高さに保持するセンサ保持部材を更に有する、請求項8に記載のクレーンの台車誘導装置。
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