(実施形態1)
(1)概要
まず、本実施形態に係る施設管理支援システム1、インターホンシステム10、施設管理支援方法及びプログラムの概要について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係る施設管理支援システム1は、複数の集合施設2のうちのいずれかの集合施設2からなる管理対象T1の管理を支援する。特に、本実施形態に係る施設管理支援システム1は、管理人20(図2参照)の業務を直接的に支援するのではなく、例えば、管理人20をあっ旋する等、管理対象T1の管理に係る管理サービスの外部委託を支援することで、管理対象T1の管理を支援する。
一例として、従来、管理対象T1である集合施設2に管理人20が常駐する場合、管理会社4で雇用されている管理人20を、管理会社4が管理対象T1へ派遣することがある。言い換えれば、管理対象T1に管理人20を常駐させるという管理サービスを、管理会社4が提供する。このように、管理対象T1の管理に係る管理サービスを管理会社4が直接的に提供する場合、管理会社4としては、余裕をもって管理サービスを提供できるよう、例えば、必要以上に管理人20を雇用する等の措置をとることが好ましい。その結果、管理人を雇用する管理会社4において、管理対象T1の管理に係る負担が大きくなることがある。
そこで、本実施形態に係る施設管理支援システム1は、管理対象T1である集合施設2の管理に係る管理サービスについて、外部委託、つまりアウトソーシング(outsourcing)を支援することで、管理対象T1の管理を支援する。要するに、管理会社4等においては、管理対象T1である集合施設2の管理に係る管理サービスを、直接的に提供するのではなく、外部に適切に委託することで、集合施設2の管理に係る負担の軽減を図ることが可能である。本実施形態に係る施設管理支援システム1は、以下の構成を採用することにより、管理サービスの外部委託を支援し、集合施設2の管理に係る負担の軽減を図る。
すなわち、本実施形態に係る施設管理支援システム1は、図1に示すように、第1取得部101と、第2取得部102と、出力部103と、を備える。第1取得部101は、管理対象T1に関する施設情報D1(図3A参照)を取得する。管理対象T1は、複数の集合施設2のうちのいずれかの集合施設2からなる。第2取得部102は、サービス情報D2(図3A参照)を取得する。サービス情報D2は、複数の集合施設2のいずれかに対して提供されるサービスに関する情報である。出力部103は、少なくとも施設情報D1及びサービス情報D2の両方に基づいて、出力情報D10を出力する。出力情報D10は、管理対象T1の管理に係る管理サービスに関する情報である。
この構成によれば、管理対象T1に関する施設情報D1と、複数の集合施設2のいずれかに対して提供されるサービスに関するサービス情報D2と、に基づく、出力情報D10を得ることが可能である。出力情報D10は、管理対象T1の管理に係る管理サービスに関する情報である。一例として、管理対象T1からの施設情報D1と、集合施設2における管理人20の常駐というサービスを提供可能な派遣会社5からのサービス情報D2とに基づけば、この場合に推奨し得る管理サービスに関する出力情報D10の出力が可能である。この場合の出力情報D10は、例えば、管理対象T1における管理人20の常駐という管理サービスを、派遣会社5が提供し得ることを表す。このような出力情報D10によって、管理サービスの外部委託を支援し、集合施設2の管理に係る負担の軽減を図ることができる。
また、本実施形態に係る施設管理支援システム1は、管理対象T1としての集合施設2に導入されているインターホンシステム10と連携可能に構成されている。言い換えれば、本実施形態に係るインターホンシステム10は、施設管理支援システム1と連携可能であって、管理対象T1に導入されている。このようなインターホンシステム10によれば、集合施設2の管理に係る負担の軽減を図ることができる。
また、本実施形態に係る施設管理支援システム1は、本実施形態に係る施設管理支援方法を具現化する一態様である。すなわち、本実施形態に係る施設管理支援方法は、第1取得処理と、第2取得処理と、出力処理と、を有する。第1取得処理では、管理対象T1に関する施設情報D1を取得する。管理対象T1は、複数の集合施設2のうちのいずれかの集合施設2からなる。第2取得処理では、サービス情報D2を取得する。サービス情報D2は、複数の集合施設2のいずれかに対して提供されるサービスに関する情報である。出力処理では、少なくとも施設情報D1及びサービス情報D2の両方に基づいて、出力情報D10を出力する。出力情報D10は、管理対象T1の管理に係る管理サービスに関する情報である。このような施設管理支援方法によれば、集合施設2の管理に係る負担の軽減を図ることができる。
また、本実施形態に係る施設管理支援方法は、プログラムによって具現化可能である。すなわち、本実施形態に係るプログラムは、施設管理支援方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。このようなプログラムによれば、集合施設2の管理に係る負担の軽減を図ることができる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る施設管理支援システム1及びインターホンシステム10の構成の詳細について、図1及び図2を参照して説明する。
(2.1)前提
本開示でいう「連携可能」とは、複数の主体が、互いに連絡をとり、協力し合って物事を行うこと、を意味する。そのため、連携可能な複数の主体間においては、通信その他の手段により、直接的又は間接的に、情報を授受できる。よって、インターホンシステム10と連携可能な施設管理支援システム1は、通信その他の手段により、直接的又は間接的に、管理対象T1である集合施設2に導入されているインターホンシステム10との間で情報を授受可能である。
具体的には、施設管理支援システム1は、インターホンシステム10に含まれるいずれかの装置(例えば、管理室親機11)と、直接的又は間接的に通信可能に構成されている。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。
また、本開示でいう「集合施設」は、複数の施設の集合体であって、1つの建物内に複数の施設が含まれているような建造物を意味する。本開示でいう「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗(テナント)、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設を含む。非住宅施設には、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含む。つまり、集合施設2は、マンション等の集合住宅であってもよいし、オフィスビル等の非住宅の施設であってもよい。さらに、集合施設2は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。本実施形態では一例として、集合施設2が、複数の住戸を含む集合住宅(マンション等)である場合を想定する。集合住宅においては、ロビー、駐車場、キッズルーム、又は、ごみ収集場等が共用部22となり、複数の住戸のそれぞれが専有部23となる。
また、本開示でいう「管理対象」は、複数の集合施設2のうちのいずれかの集合施設2であって、施設管理支援システム1及び施設管理方法により管理が支援される対象となる集合施設2である。すなわち、例えば、世の中には複数(多数)の集合施設2が存在するが、施設管理支援システム1及び施設管理方法は、これら複数の集合施設2の全てを支援の対象とするのではなく、これら複数の集合施設2のうちのいずれかの集合施設2を支援の対象とする。管理対象T1は、複数の集合施設2のうちの1つの集合施設2であってもよいし、複数の集合施設2のうちの2つ以上の集合施設2であってもよい。本実施形態では一例として、管理対象T1が、1つの集合施設2である場合を想定する。
また、本実施形態では、1つの集合施設2が複数の棟を含む場合を想定する。具体的には、集合住宅としての集合施設2には、1棟、2棟、3棟…というように複数の棟(建物)が含まれていることとする。この集合施設2を管理対象T1とする場合、集合施設2の全体、つまり複数の棟を管理対象T1としてもよいし、集合施設2に含まれる複数の棟の少なくとも1つを管理対象T1としてもよい。
本実施形態では、1つの管理対象T1(1つの集合施設2、又は1以上の棟)に、少なくとも1つの管理室21と、少なくとも1つの共用部22と、複数の専有部23と、が含まれていることとする。ここでいう管理室21は、管理対象T1である集合施設2(又は1以上の棟)を管理するための設備(例えば、管理室親機11等)が設置されており、管理人20が、入居者の不在時における来訪者の受付け等の管理業務を行うための場所である。管理室21は、管理事務所及び管理人室等を含む。
また、本開示でいう「管理サービス」は、集合施設2に対して提供されるサービスのうち、特に、管理対象T1である集合施設2の管理に係るサービスを意味する。つまり、複数の集合施設2のうちの管理対象T1としての集合施設2に対して提供され、かつ管理対象T1の管理に係るサービスが、「管理サービス」となる。管理サービスの例としては、管理対象T1における管理人20の常駐、入居者の不在時における来訪者の受付け、管理室21への来訪者の応対、設備の点検、清掃、外部業者の作業の立会い、及び用品(はしご、脚立、発電装置等)の貸出し等がある。ここで例示した管理サービスは、いずれも管理人20が実行するサービス、つまり実行主体が管理人20となるサービスである。
本開示でいう「管理人」は、集合施設2の管理を行う者であって、警備を兼ねた守衛等を含み、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。本実施形態では一例として、管理人20が、集合施設2の管理に係る管理サービスの実行主体となる個人である場合を想定する。
また、本実施形態に係る施設管理支援システム1及び施設管理方法は、管理サービスの外部委託(アウトソーシング)、つまり委託元から委託先に対して管理サービスを委託することを支援し、集合施設2の管理に係る負担の軽減を図る。
本開示でいう「委託元」は、2者間で管理サービスが委託される場合、管理サービスを委託する側の者であって、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。管理対象T1(集合施設2)の管理を直接的に担う主体が委託元となることが多く、例えば、集合施設2の管理を受託した管理会社4、集合施設2の管理組合、又は集合施設2のオーナ等が、委託元となる。本実施形態では一例として、管理会社4が「委託元」である場合を想定する。
本開示でいう「委託先」は、2者間で管理サービスが委託される場合、管理サービスを受託する側の者であって、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。管理対象T1(集合施設2)の管理を直接的に担わない主体が委託先となることが多く、例えば、人員(人材)を派遣する派遣会社5、集合施設2の管理を受託した管理会社4とは別の管理会社、又は委託先として登録された第三者等が、委託元となる。ここでいう委託先として登録された第三者は、例えば、施設管理支援システム1にて「委託先」として登録された者であって、管理対象T1としての集合施設2の入居者、管理対象T1以外の集合施設2の入居者、及び集合施設2の入居者以外の者を含む。本実施形態では一例として、派遣会社5が「委託先」である場合を想定する。
また、「委託先」である派遣会社5は、管理人20として派遣可能な人員を複数人雇用している。言い換えれば、複数人の管理人20が派遣会社5に在籍している。したがって、派遣会社5は、委託元である管理会社4からの委託を受けて、派遣会社5が保有(雇用)する複数人の管理人20の中から、任意の管理人20を集合施設2へ派遣することができる。図2では、派遣会社5に3人の管理人20を図示しているが、管理人20の在籍人数を限定する趣旨ではない。
(2.2)インターホンシステムの構成
まず、本実施形態に係る施設管理支援システム1と連携可能である、インターホンシステム10の構成について、図2を参照して説明する。
図2では、管理対象T1である集合施設2に含まれる複数の棟のうち、1つの棟に構築されたインターホンシステム10のみを図示している。また、それぞれ住戸からなる複数の専有部23については同様の装置(居室親機12等)が導入されるが、図2では、1つの専有部23(住戸)についてのみ導入される装置を示し、それ以外の専有部23については導入される装置の図示を省略する。
インターホンシステム10は、図2に示すように、管理室親機11と、居室親機12と、ロビーインターホン13と、制御装置14と、を備えている。また、本実施形態では、インターホンシステム10は、管理室子機15と、通信アダプタ16と、居室子機17と、感知器18と、カメラ19と、を更に備えている。このうち、管理室親機11、管理室子機15及び通信アダプタ16は、管理室21に設置されている。ロビーインターホン13、制御装置14及びカメラ19は、共用部22に設置されている。居室親機12、居室子機17及び感知器18は、各専有部23に設置されている。つまり、複数の専有部23を有する集合施設2においては、インターホンシステム10は、居室親機12、居室子機17及び感知器18を複数台ずつ備えることになる。
インターホンシステム10は、管理室21に設置される扉211及び収納装置212、並びに、ロビー(共用部22)に設置される扉221及び収容システム222を、更に備えている。管理室21の扉211、収納装置212、ロビーの扉221及び収容システム222は、それぞれ、インターホンシステム10に含まれるいずれかの装置(例えば、管理室親機11)と、直接的又は間接的に通信可能である。
管理室21の扉211(又は扉211に設けられた電気錠)は、管理室親機11と電気的に接続されており、管理室親機11にて制御可能であるので、インターホンシステム10の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム10では、管理室親機11にて、管理室21の扉211の開閉又は施解錠を制御することが可能である。つまり、扉211が自動扉である場合には、管理室親機11は、デフォルトで閉じた状態にある扉211を開放するように扉211を制御できる。
さらには、管理室21の入り口付近に設けられた収納装置212は、管理室親機11と電気的に接続されており、管理室親機11にて制御可能であるので、インターホンシステム10の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム10では、管理室親機11にて、収納装置212の開閉又は施解錠を制御することが可能である。収納装置212は、管理対象T1(集合施設2)における所定の錠を解錠するための鍵を収納する、キーボックスである。ここでいう「所定の錠」は、例えば、管理対象T1の所定の空間の出入口の錠である。一例として、収納装置212に収納される鍵は、管理室21の扉211の鍵、共用部22に含まれる共用施設の出入口の鍵、又は、内覧等のために用いられるいずれかの専有部23(住戸)の出入口の鍵等である。つまり、収納装置212に収納されているこれらの鍵を取り出して用いることで、管理対象T1の所定の空間への出入りが可能になる。
同様に、ロビー(共用部22)の扉221(又は扉221に設けられた電気錠)は、ロビーインターホン13と電気的に接続されており、ロビーインターホン13にて制御可能であるので、インターホンシステム10の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム10では、ロビーインターホン13にて、ロビー(共用部22)の扉221の開閉又は施解錠を制御することが可能である。つまり、扉221が自動扉である場合には、ロビーインターホン13は、デフォルトで閉じた状態にある扉221を開放するように扉221を制御できる。
さらには、ロビー(共用部22)に設けられた収容システム222は、制御装置14と電気的に接続されており、制御装置14にて制御及び監視可能であるので、インターホンシステム10の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム10では、例えば、管理室親機11にて、収容システム222の開閉又は施解錠を制御することが可能である。さらに、インターホンシステム10では、例えば、管理室親機11にて、収容システム222における荷物の出し入れ(収容及び取出し)の状況、つまり収容システム222の利用状況を監視可能である。収容システム222は、受取人が留守のときに、宅配便又は郵便物等の荷物の受取りを代行するロッカー型の設備であって、宅配ボックス(delivery locker)ともいう。本実施形態では特に、収容システム222は、共用部22(ロビー)に設置された宅配ボックスであって、特定の住戸の入居者(専有部23の居住者)用の設備ではなく、不特定の住戸の入居者(専有部23の居住者)用の設備である。つまり、収容システム222は、荷物を収容可能であって、集合施設2の利用者の共用に係るシステム(ここでは設備)である。ここでは一例として、収容システム222は、個別に施解錠が可能な複数の収容庫を有し、制御装置14は、各収容庫の施解錠の制御及び施解錠の状態の監視を行うことと仮定する。
管理室親機11は、管理室21の室内空間に設置されている。管理室子機15は、管理室親機11と電気的に接続されており、例えば、管理室21の玄関の外に設置される玄関子機である。つまり、管理室親機11と管理室子機15とは、互いに通信(通話を含む)可能に構成されている。さらに、本実施形態では、管理室子機15は撮影部(カメラ)を有しており、管理室子機15の撮影部で撮影された来訪者の画像を管理室親機11にて表示することができる。
ロビーインターホン13は、例えば、集合施設2のロビー等の共用部22において、扉221の外側(集合施設2の外部と通じる側)に設置されている。カメラ19は、例えば、共用部22のうち、ロビー、駐車場、キッズルーム、又は、ごみ収集場等の特定の空間が撮影視野に収まるように、共用部22の適当な位置に設置されている。本実施形態では、カメラ19は、ロビー、駐車場、キッズルーム、及び、ごみ収集場の4カ所に対応するように、4台設置されている。これら複数台(ここでは4台)のカメラ19は、いずれもロビーインターホン13に電気的に接続されている。これにより、ロビーインターホン13では、カメラ19の撮影画像、つまり共用部22を撮影した撮影画像を取得可能である。ここでいう「撮影画像」は、カメラ19にて集合施設2の共用部22を撮影して得られる画像(画像データ)を意味し、動画、静止画及びコマ送りの画像を含む。
居室親機12は、各専有部23(住戸)の室内空間に設置されている。居室子機17は、居室親機12と電気的に接続されており、例えば、各専有部23の玄関の外に設置される玄関子機である。つまり、居室親機12と居室子機17とは、互いに通信(通話を含む)可能に構成されている。さらに、本実施形態では、居室子機17は撮影部(カメラ)を有しており、居室子機17の撮影部で撮影された来訪者の画像を居室親機12にて表示することができる。
管理室親機11、複数台の居室親機12、及びロビーインターホン13は、いずれも制御装置14に対して電気的に接続されている。そのため、管理室親機11と各居室親機12とロビーインターホン13とは、制御装置14を介して互いに通信(通話を含む)可能である。すなわち、管理室親機11と各居室親機12とは互いに通信可能である。さらに、管理室親機11とロビーインターホン13とは互いに通信可能であって、各居室親機12とロビーインターホン13とは互いに通信可能である。
ロビーインターホン13は、管理室親機11又は居室親機12を呼び出すための呼出信号を、管理室親機11又は居室親機12に送信する。さらに、ロビーインターホン13は、撮影部(カメラ)を有しており、ロビーインターホン13の撮影部で撮影された来訪者の画像は、管理室親機11又は居室親機12に送信される。これにより、ロビーインターホン13の撮影部で撮影された来訪者の画像は、管理室親機11又は居室親機12にて表示可能となる。
感知器18は、一例として、火災感知器又はガス感知器等の防災機器である。図2の例では、1つの専有部23に対して1台の感知器18が設置されているが、実際には、1つの専有部23に対して複数台の感知器18が設置されていてもよい。感知器18は、居室親機12と通信可能に構成されている。感知器18は、例えば、火災等の異常の発生を検知すると、居室親機12に報知信号を送信することによって異常の発生を報知する。
また、通信アダプタ16は、管理室親機11に対して電気的に接続されている。通信アダプタ16は、管理室親機11を、インターネット等の集合施設2の外部のネットワークNT1に接続するための装置である。すなわち、インターホンシステム10は、集合施設2内でローカルネットワークを構成するのみならず、通信アダプタ16を介して、インターネット等の外部のネットワークNT1にも接続される。
具体的には、通信アダプタ16は、管理室21に設置されたHUB装置201を介して、インターネット設備202に接続されている。インターネット設備202は、ゲートウェイ203を介して、集合施設2の外部のネットワークNT1に接続されている。さらに、インターネット設備202は、複数の専有部23の各々にも接続可能である。インターネット設備202及びゲートウェイ203は、例えば、集合施設2内のMDF(Main Distribution Frame)室24に設置されている。
このように、インターホンシステム10は、管理室親機11が通信アダプタ16経由で、管理対象T1である集合施設2の外部のネットワークNT1に接続可能である。そのため、インターホンシステム10は、例えば、ネットワークNT1を介して外部のサーバ(例えば、気象サーバ等)にアクセスし、外部のサーバから情報を取得可能である。
ここで、図2に示すように、ネットワークNT1には、施設管理支援システム1が接続されている。また、ネットワークNT1には、管理会社4に設置された委託側端末41が接続される。さらに、ネットワークNT1には、派遣会社5に設置された受託側端末51が接続される。
その結果、ネットワークNT1には、施設管理支援システム1、インターホンシステム10、委託側端末41及び受託側端末51のいずれもが接続可能となる。したがって、施設管理支援システム1とインターホンシステム10と委託側端末41と受託側端末51とは、ネットワークNT1を介して互いに通信(通話を含む)可能である。すなわち、施設管理支援システム1とインターホンシステム10とは互いに通信可能である。さらに、施設管理支援システム1と受託側端末51とは互いに通信可能であって、インターホンシステム10と受託側端末51とは互いに通信可能である。また、施設管理支援システム1と委託側端末41とは互いに通信可能であって、受託側端末51と委託側端末41とは互いに通信可能である。さらには、施設管理支援システム1が中継装置として機能することで、インターホンシステム10と受託側端末51とは、施設管理支援システム1を介して間接的に通信することも可能である。
ところで、管理室親機11は、入居者の不在時における来訪者の受付け等の管理業務に際して、管理人20が利用する装置である。そのため、管理室親機11は、専有部23に設置された居室親機12とは異なり、管理業務を行う管理人20向けの機能を有している。管理室親機11は、例えば、複数台の居室親機12のうちの任意の居室親機12を呼び出す機能、感知器18の発報状況を確認する機能、及び、カメラ19で撮影された共用部22の撮影画像を表示する機能等を有している。さらに、管理室親機11は、管理室21の扉211及び/又は収納装置212の開閉又は施解錠を制御する機能、及び複数台の居室親機12に対して一斉に放送する機能等を有している。このように、管理室親機11に備わっている管理人20向けの機能を、以下では「管理機能」ともいう。
一例として、複数台の居室親機12のうちの任意の居室親機12を呼び出す管理機能によれば、管理人20は、管理対象T1である集合施設2において、来訪者を任意の入居者(専有部23の居住者)に取り次ぐことができる。また、感知器18の発報状況を確認する管理機能によれば、管理人20は、管理対象T1である集合施設2の発報状況を随時確認することができる。カメラ19で撮影された共用部22の撮影画像を表示する管理機能によれば、管理人20は、共用部22の様子を随時確認することができる。管理室21の扉211及び/又は収納装置212の開閉又は施解錠を制御する管理機能によれば、一例として、管理人20は、業者等の来訪時に、来訪者を管理室21に招き入れ、又は収納装置212を開けることで、必要な専有部23の鍵を渡すことが可能になる。複数台の居室親機12に対して一斉に放送する管理機能によれば、管理人20は、複数人の入居者(専有部23の居住者)に一斉に伝達すべき防災情報等の情報を、まとめて伝達することができる。
このように、管理室親機11は、管理人20による管理対象T1(集合施設2)の管理業務を支援する管理機能を1つ以上有している。したがって、インターホンシステム10が導入されている集合施設2においては、管理室親機11を利用することで、管理人20による管理業務がサポートされ、管理人20の負担が少なからず軽減されることになる。ただし、ここで挙げた管理機能は一例に過ぎず、その他、管理人20による管理業務を支援するような様々な管理機能が、管理室親機11に備わっていてもよい。
また、図1では、複数の集合施設2のうち管理対象T1である1つの集合施設2についてのみ、インターホンシステム10を図示しているが、実際は、管理対象T1以外の集合施設2にも、インターホンシステム10は導入されている。すなわち、複数の集合施設2のうち、管理対象T1である集合施設2のみならず、管理対象T1以外の集合施設2についても、インターホンシステム10が導入されている。ただし、インターホンシステム10の構成は、複数の集合施設2間で異なっていてもよい。図1では、管理対象T1以外の集合施設2についてネットワークNT1に接続されているところ、実際には、管理対象T1と同様に、集合施設2に導入されているインターホンシステム10がネットワークNT1に接続されている。
(2.3)施設管理支援システムの構成
次に、本実施形態に係る施設管理支援システム1の構成について、図1を参照して説明する。
施設管理支援システム1は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。施設管理支援システム1では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、施設管理支援システム1の各部の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
施設管理支援システム1は、管理対象T1である集合施設2の外部に設置されたサーバ装置又はクラウドコンピューティング等で実現される。本実施形態では一例として、集合施設2の外部に設置されたサーバ装置が施設管理支援システム1である場合を想定する。施設管理支援システム1は、少なくとも通信機能を有しており、上述したように、ネットワークNT1に接続されることで、インターホンシステム10、委託側端末41及び受託側端末51の各々と通信可能となる。
施設管理支援システム1は、図1に示すように、第1取得部101、第2取得部102及び出力部103を備えている。また、本実施形態では、施設管理支援システム1は、要望取得部104、整理部105、結果取得部106、評価取得部107、通知部108、通信部109及び格納部110を更に備えている。つまり、施設管理支援システム1は、第1取得部101、第2取得部102、出力部103、要望取得部104、整理部105、結果取得部106、評価取得部107、通知部108、通信部109及び格納部110を備えている。施設管理支援システム1のうち、通信部109及び格納部110以外の機能(第1取得部101、第2取得部102、出力部103、要望取得部104及び整理部105等)は、1以上のプロセッサがプログラムを実行することによって具現化される。
第1取得部101は、上述したように、管理対象T1に関する施設情報D1を取得する第1取得処理を実行する。管理対象T1は、複数の集合施設2のうちのいずれかの集合施設2からなる。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、第1取得部101にて、ネットワークNT1を介して、管理対象T1のインターホンシステム10から、施設情報D1を取得(受信)する。ただし、第1取得部101は、施設情報D1をインターホンシステム10から取得する構成に限らない。
第2取得部102は、上述したように、サービス情報D2を取得する第2取得処理を実行する。サービス情報D2は、複数の集合施設2のいずれかに対して提供されるサービスに関する情報である。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、第2取得部102にて、ネットワークNT1を介して、派遣会社5の受託側端末51から、サービス情報D2を取得(受信)する。ただし、第2取得部102は、サービス情報D2を受託側端末51から取得する構成に限らない。
出力部103は、上述したように、少なくとも施設情報D1及びサービス情報D2の両方に基づいて、出力情報D10を出力する出力処理を実行する。出力情報D10は、管理対象T1の管理に係る管理サービスに関する情報である。出力部103の出力の態様には、例えば、データの出力、送信、表示、音声出力、非一時的記録媒体への記録(書き込み)及び印刷(プリントアウト)等が含まれる。本実施形態では一例として、出力部103は、「委託元」としての管理会社4に設置されている委託側端末41に対して、出力情報D10を送信することをもって、出力情報D10を出力する。つまり、施設管理支援システム1は、出力部103にて、ネットワークNT1を介して委託側端末41に対して出力情報D10を送信することが可能である。
要望取得部104は、要望情報D3(図3A参照)を取得する要望取得処理を実行する。要望情報D3は、管理対象T1で発生する情報であって、かつ管理サービスの要望に関する情報である。出力部103では、施設情報D1及びサービス情報D2に加えて要望情報D3に基づいて、出力情報D10を出力する。つまり、本実施形態では、出力部103は、施設情報D1、サービス情報D2及び要望情報D3の3つの情報に基づいて、出力情報D10を出力する。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、要望取得部104にて、ネットワークNT1を介して、管理対象T1のインターホンシステム10から、要望情報D3を取得(受信)する。ただし、要望取得部104は、要望情報D3をインターホンシステム10から取得する構成に限らない。
整理部105は、要望情報D3が複数発生した場合に、複数の要望情報D3を整理する整理処理を実行する。すなわち、管理対象T1は複数の施設の集合体からなる集合施設2であるので、管理対象T1では、例えば、複数の入居者から、同じような要望情報D3が複数発せられることがある。また、集合施設2からなる管理対象T1においては、例えば、ロビーに複数のLED電球が設置されていることも多く、このような場合に、複数のLED電球の各々の交換に係る管理サービスの要望が、複数の要望情報D3として発せられることがある。このような場合に、整理部105は、一例として、これら複数の要望情報D3を1つにまとめたりすることで、複数の要望情報D3を整理する。
結果取得部106は、結果情報D5(図3B参照)を取得する結果取得処理を実行する。結果情報D5は、管理対象T1に対する管理サービスの提供の結果に関する情報である。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、結果取得部106にて、ネットワークNT1を介して、管理対象T1のインターホンシステム10から、結果情報D5を取得(受信)する。ただし、結果取得部106は、結果情報D5をインターホンシステム10から取得する構成に限らない。
評価取得部107は、評価情報D6(図3B参照)を取得する評価取得処理を実行する。評価情報D6は、管理対象T1に対する管理サービスの提供の評価に関する情報である。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、評価取得部107にて、ネットワークNT1を介して、管理会社4の委託側端末41から、評価情報D6を取得(受信)する。ただし、評価取得部107は、評価情報D6を委託側端末41から取得する構成に限らない。
通知部108は、指示情報D4(図3B参照)を管理サービスの実行主体に通知する通知処理を実行する。指示情報D4は、管理サービスの指示に関する情報である。例えば、管理サービスの実行主体が、派遣会社5から派遣される管理人20である場合には、この管理サービスの指示に関する指示情報D4は、通知部108にて、実行主体である管理人20に通知される。通知部108の通知の態様には、例えば、データの出力、送信、表示、音声出力、非一時的記録媒体への記録(書き込み)及び印刷(プリントアウト)等が含まれる。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、通知部108にて、ネットワークNT1を介して、管理対象T1のインターホンシステム10に対して、指示情報D4を送信する。これにより、管理人20は、管理対象T1のインターホンシステム10のいずれかの装置(例えば、管理室親機11又は居室親機12)を用いて、指示情報D4の通知を受けることができる。ただし、通知部108は、指示情報D4をインターホンシステム10に送信する構成に限らない。
通信部109は、直接的、又は他のネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、ネットワークNT1に接続されている。通信部109は、ネットワークNT1に接続されているシステム又は端末との通信機能を有している。これにより、通信部109は、ネットワークNT1に接続されているインターホンシステム10、委託側端末41又は受託側端末51等との間で、通信可能に構成される。
格納部110は、第1取得部101で取得された施設情報D1、第2取得部102で取得されたサービス情報D2、及び要望取得部104で取得された要望情報D3等を含む、様々なデータを記憶(格納)する。本実施形態では、格納部110は、結果取得部106で取得された結果情報D5、及び評価取得部107で取得された評価情報D6等についても、記憶する。また、格納部110は、第1取得部101、第2取得部102、出力部103、要望取得部104及び整理部105等での演算に必要な情報を更に記憶する。格納部110は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。
以上説明した施設管理支援システム1の各部の動作の詳細については、「(3)施設管理支援方法」の欄で説明する。
また、施設管理支援システム1は、上記構成に加えて、ユーザインタフェース等を更に備えていてもよい。ただし、ユーザインタフェース等は、施設管理支援システム1に必須の構成ではない。
ユーザインタフェースは、例えば、タッチパネルディスプレイを含み、ユーザの操作の受け付けと、ユーザへの情報の提示(表示)を行う。ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ、又はジェスチャセンサ等の入力装置を有していてもよい。また、ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに代えて、又はタッチパネルディスプレイと共に、音声入出力部を有していてもよい。さらに、ユーザインタフェースは、人の操作に起因した各種の入力を受け付ける機能を有していればよく、例えば、インターホンシステム10、委託側端末41又は受託側端末51等をユーザが操作して入力した情報を、通信により受け付けてもよい。一例として、操作により委託側端末41で発生する信号を受信することで入力を受け付けてもよいし、委託側端末41のWebブラウザ機能で委託側端末41に表示される施設管理支援システム1からの配信画面上での操作による入力を受け付けてもよい。
(2.4)委託側端末及び受託側端末の構成
次に、本実施形態に係る委託側端末41及び受託側端末51の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
委託側端末41及び受託側端末51の各々は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。委託側端末41では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、委託側端末41の各部の機能が実現される。同様に、受託側端末51では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、受託側端末51の各部の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
委託側端末41は、管理会社4に設置されたサーバ装置又はパーソナルコンピュータ等で実現される。委託側端末41を使用するのは、例えば、管理会社4のオペレータ42(図1参照)である。本実施形態では一例として、管理会社4に設置されたパーソナルコンピュータが委託側端末41である場合を想定する。委託側端末41は、少なくとも通信機能を有しており、上述したように、ネットワークNT1に接続されることで、インターホンシステム10、施設管理支援システム1及び受託側端末51の各々と通信可能となる。
受託側端末51は、派遣会社5に設置されたサーバ装置又はパーソナルコンピュータ等で実現される。受託側端末51を使用するのは、例えば、派遣会社5のオペレータ52(図1参照)である。本実施形態では一例として、派遣会社5に設置されたパーソナルコンピュータが受託側端末51である場合を想定する。受託側端末51は、少なくとも通信機能を有しており、上述したように、ネットワークNT1に接続されることで、インターホンシステム10、施設管理支援システム1及び委託側端末41の各々と通信可能となる。
委託側端末41及び受託側端末51の各々は、上記構成に加えて、ユーザインタフェース等を更に備えている。
ユーザインタフェースは、例えば、タッチパネルディスプレイを含み、ユーザ(オペレータ42,52)の操作の受け付けと、ユーザ(オペレータ42,52)への情報の提示(表示)を行う。ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ、又はジェスチャセンサ等の入力装置を有していてもよい。また、ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに代えて、又はタッチパネルディスプレイと共に、音声入出力部を有していてもよい。
本実施形態では、委託側端末41は、少なくとも施設管理支援システム1からコンテンツとして配信(送信)されるデータを、映像として表示するWebブラウザとして機能する。同様に、受託側端末51は、少なくとも施設管理支援システム1からコンテンツとして配信(送信)されるデータを、映像として表示するWebブラウザとして機能する。
また、委託側端末41及び受託側端末51の各々は、据置き型のコンピュータシステムに限らず、例えば、スマートフォン若しくはタブレット端末等の携帯端末、又はノート型のパーソナルコンピュータ等で実現されてもよい。委託側端末41及び受託側端末51の各々は、可搬型である場合、例えば、携帯電話網(キャリア網)又は公衆無線LAN(Local Area Network)等を介してネットワークNT1に接続されてもよい。これにより、委託側端末41は、管理会社4の外部であっても、携帯電話網等に接続可能な環境であれば、携帯電話網等を介してネットワークNT1に接続可能となる。同様に、受託側端末51は、派遣会社5の外部であっても、携帯電話網等に接続可能な環境であれば、携帯電話網等を介してネットワークNT1に接続可能となる。
(3)施設管理支援方法
次に、本実施形態に係る施設管理支援方法の詳細について、図3A〜図5を参照して説明する。本実施形態に係る施設管理支援方法は、施設管理支援システム1にて具現化されるので、以下では、施設管理支援システム1の動作をもって、施設管理支援方法を説明する。
以下では、施設管理支援方法について、出力情報D10を出力するまでの「基本工程」と、出力情報D10の出力後の「事後工程」と、の2パートに分けて説明する。図3Aは、基本工程におけるデータ(情報)等の流れを示す概念図である。図3Bは、事後工程におけるデータ(情報)等の流れを示す概念図である。
また、以下の説明において、例えば、施設管理支援システム1と管理対象T1である集合施設2との間でやり取りされるデータ(情報)は、実際には、施設管理支援システム1と管理対象T1に導入されているインターホンシステム10との間で送受信されている。同様に、施設管理支援システム1と「委託元」である管理会社4との間でやり取りされるデータ(情報)は、実際には、施設管理支援システム1と管理会社4のオペレータ42が使用する委託側端末41との間で送受信されている。同様に、施設管理支援システム1と「委託先」である派遣会社5との間でやり取りされるデータ(情報)は、実際には、施設管理支援システム1と派遣会社5のオペレータ52が使用する受託側端末51との間で送受信されている。より詳細には、委託側端末41、受託側端末51及びインターホンシステム10(例えば、制御装置14)の各々には、専用のアプリケーションソフト(プログラム)がインストールされており、このアプリケーションソフトを起動することにより、施設管理支援システム1との間でデータ(情報)の送受信が行われる。
言い換えれば、本実施形態に係る施設管理支援方法は、コンピュータシステムのグラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)上で用いられる。つまり、施設管理支援方法は、コンピュータシステムを主構成とする委託側端末41、受託側端末51及びインターホンシステム10にて、特定の画面を表示し、この画面にてオペレータ42,52、入居者又は管理人20等とコミュニケーションを実現する。本開示でいう「画面」は、委託側端末41、受託側端末51又はインターホンシステム10等の表示部(モニタ)に映し出される像(テキスト、グラフ及びアイコン等を含む)である。
また、以下では具体的事例として、「ABC市」に存在し、管理人20が常駐してない集合施設2からなる管理対象T1にて、ロビー(共用部22)に設置されているLED電球の故障(球切れ)が生じたケースを想定する。ここでいうLED電球は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いた電球形の照明装置(光源装置)である。そして、共用部22のLED電球の故障により、管理対象T1においては、管理対象T1の管理に係る管理サービスとして、ロビー(共用部22)のLED電球を交換することが要望される。つまり、具体的事例としては、管理人20がいない管理対象T1において、「ロビーの電球交換」という管理サービスの要望が生じたケースを想定する。ただし、この具体的事例は、あくまで施設管理支援方法を説明するための一例に過ぎず、施設管理支援方法の適用範囲を制限する趣旨ではない。
(3.1)基本工程
まず、出力情報D10を出力するまでの「基本工程」について、図3Aを参照して説明する。
基本工程においては、図3Aに示すように、施設管理支援システム1は、管理対象T1に関する施設情報D1を取得する。施設管理支援システム1は、第1取得部101にて施設情報D1を随時取得しており、例えば、定期的(1時間、1日、1週間又は1か月ごと)に、又は、施設情報D1が更新される度に不定期に、施設情報D1を取得する。
施設情報D1は、管理対象T1に関する様々な情報を含み、例えば、管理対象T1の名称、住所(又は位置情報)及び連絡先等のように、管理対象T1を直接的に特定するための情報を含む。また、施設情報D1は、管理対象T1の地域、規模(敷地面積、棟数及び戸数等)、周辺環境、設備(エレベータの台数、及びオートロックの有無等)、立地及び間取り等に関する情報を含み得る。管理対象T1の立地及び間取りの具体例としては、駐車場の有無、駐輪場の有無、駐車場台数、最寄り駅までの距離、及び幹線道路に面しているか否か等がある。
ここで、本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、施設情報D1を管理対象T1のインターホンシステム10から取得する。すなわち、施設情報D1は、管理対象T1に導入されているインターホンシステム10からの情報を含んでいる。インターホンシステム10からの情報であっても、第1取得部101がインターホンシステム10から自動的に取得する情報と、入居者等の操作をトリガにして第1取得部101がインターホンシステム10から取得する情報と、がある。つまり、施設情報D1は、第1取得部101がインターホンシステム10から自動的に取得する情報を含む。
また、施設管理支援システム1は、複数の集合施設2のいずれかに対して提供されるサービスに関するサービス情報D2を取得する。施設管理支援システム1は、第2取得部102にてサービス情報D2を随時取得しており、例えば、定期的(1時間、1日、1週間又は1か月ごと)に、又は、サービス情報D2が更新される度に不定期に、サービス情報D2を取得する。
本実施形態では、サービス情報D2は、サービスの受託に係る情報である。つまり、本実施形態では、サービス情報D2は、例えば、管理サービスの「委託先」である派遣会社5が持つ、受託可能なサービス(管理サービス)に係る情報であって、現在又は過去に、派遣会社5が管理対象T1に提供した管理サービスの提供実績等である。言い換えれば、管理サービスを受託する側(委託先)となる派遣会社5における、管理サービスの提供可能性に関する情報が、サービス情報D2となる。
本実施形態で、サービス情報D2は、サービスを提供可能な地域に関する地域情報を含んでいる。ここでいう「地域」は、例えば、都道府県又は市町村等の単位で、ある程度の広さを持つ範囲で表される。特に、本実施形態では、サービス情報D2はサービスの受託に係る情報であるので、サービス情報D2に含まれる地域情報は、「委託先」である派遣会社5が受託可能なサービスを提供可能な地域に関する情報である。
また、サービス情報D2は、サービスを実行する管理人20に関する情報を含んでいる。特に、本実施形態では、サービス情報D2はサービスの受託に係る情報であるので、サービス情報D2に含まれる管理人20に関する情報は、「委託先」である派遣会社5が派遣可能な管理人20に関する情報である。具体例としては、派遣会社5が派遣可能な管理人20の勤務時間帯、又は管理人20の人数等の情報が、サービスを実行する管理人20に関する情報として、サービス情報D2に含まれ得る。
ここで、本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、サービス情報D2を派遣会社5の受託側端末51から取得する。すなわち、サービス情報D2は、管理サービスの委託先(派遣会社5)からの情報を含んでいる。受託側端末51からの情報であっても、第2取得部102が受託側端末51から自動的に取得する情報と、オペレータ52等の操作をトリガにして第2取得部102が受託側端末51から取得する情報と、がある。つまり、サービス情報D2は、第2取得部102が受託側端末51から自動的に取得する情報を含む。
また、施設管理支援システム1は、管理サービスの要望に関する要望情報D3を取得する。施設管理支援システム1は、要望取得部104にて要望情報D3を随時取得しており、例えば、定期的(1時間、1日、1週間又は1か月ごと)に、又は、要望情報D3が発生する度に不定期に、要望情報D3を取得する。
要望情報D3は、管理サービスの要望に関する様々な情報を含み、例えば、設備の点検、清掃、外部業者の作業の立会い、及び用品(はしご、脚立、発電装置等)の貸出し等のように、要望される管理サービスを直接的に特定するための情報を含む。
ここで、本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、施設情報D1と同様に、要望情報D3を管理対象T1のインターホンシステム10から取得する。すなわち、要望情報D3は、管理対象T1に導入されているインターホンシステム10からの情報を含んでいる。インターホンシステム10からの情報であっても、第1取得部101がインターホンシステム10から自動的に取得する情報と、入居者等の操作をトリガにして第1取得部101がインターホンシステム10から取得する情報と、がある。つまり、要望情報D3は、第1取得部101がインターホンシステム10から自動的に取得する情報を含む。入居者等の操作をトリガにして第1取得部101がインターホンシステム10から取得する情報としては、例えば、入居者等が、インターホンシステム10の居室親機12又は管理室親機11等から、施設管理支援システム1に送信する情報がある。すなわち、入居者等は、居室親機12又は管理室親機11等を用いて、要望情報D3を施設管理支援システム1に送ることが可能である。
要望情報D3のうち、インターホンシステム10から自動的に取得される情報(以下「自発情報」ともいう)は、要望情報D3として扱われることが予め定められており、かつインターホンシステム10にて取得可能な情報である。この種の自発情報としては、例えば、専有部23に設置された火災感知器又はガス感知器等の感知器18の発報動作のように、管理対象T1である集合施設2の警報に関する情報がある。言い換えれば、要望情報D3は、インターホンシステム10の警報動作に関する情報を含んでいる。さらに、管理室親機11に備わっている管理人20向けの機能に関連する情報も、要望情報D3のうちの自発情報に含まれる。
このように、本実施形態では、要望情報D3は、要望取得部104が管理対象T1に導入されている設備(一例として、インターホンシステム10等)から自動的に取得する情報を含む。ここでいう「設備」は、管理対象T1に導入されている様々な設備を意味し、インターホンシステム10に限らず、例えば、エレベータ、照明設備(照明装置)及び空調設備等を含む。この種の設備から自動的に取得される情報としては、上述したような警報(発報)等の他、例えば、設備の故障(LED電球の球切れ等を含む)又は点検時期等の情報がある。
そして、施設管理支援システム1は、上述のように取得した施設情報D1、サービス情報D2及び要望情報D3の3つの情報に基づいて、管理サービスに係る出力情報D10を出力する。
本実施形態では、出力情報D10は、管理対象T1に対する管理サービスの受託に係る情報である。つまり、出力情報D10は、例えば、管理サービスの「委託元」である管理会社4に提示される、受託可能な管理サービスに係る情報であって、現に、管理対象T1への提供が可能とされている具体的な管理サービスの情報等である。具体例としては、ある管理対象T1における管理人20の常駐、又はある管理対象T1のロビー(共用部22)のLED電球の交換等の具体的な管理サービスの情報が、出力情報D10に含まれ得る。
要するに、出力情報D10は、管理対象T1の管理に係る管理サービスに関する様々な情報を含み得る。特に、本実施形態では、出力情報D10は、管理対象T1に対する管理サービスの「受託」に係る情報であって、例えば、「委託先」となる派遣会社5が管理対象T1に提供可能な管理サービスの候補一覧である。具体的には、管理サービスを受託可能な派遣会社5が複数存在する場合に、これら複数の派遣会社5を含む管理サービスの候補一覧が、出力情報D10に含まれる。また、出力情報D10は、派遣会社5が管理サービスを受託可能であるか否かを示す情報であってもよい。
ここで、本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、管理サービスの「委託元」としての管理会社4の委託側端末41に対して、出力部103にて出力情報D10を送信することをもって、出力情報D10を出力する。すなわち、本実施形態では、上述したように、サービス情報D2は、サービスの受託に係る情報であって、出力情報D10は、管理対象T1に対する管理サービスの受託に係る情報である。そのため、本実施形態に係る施設管理支援システム1では、管理サービスの「委託元」である管理会社4(の委託側端末41)に対して、出力情報D10を出力する。
ところで、上述したような基本工程によれば、具体的事例(ロビーの電球交換)のケースでは、施設管理支援システム1は、以下のように動作する。
ここでは、施設管理支援システム1は、「ABC市」に存在する対象施設T1に関する施設情報D1、及びサービス情報D2を、予め取得していると仮定する。特に、サービス情報D2は、サービスを提供可能な地域に「ABC市」を含む派遣会社5からの情報を含んでいる仮定する。この場合において、「ABC市」に存在する管理対象T1にて、ロビー(共用部22)に設置されているLED電球の故障(球切れ)が生じると、対象施設T1では、設備(LED電球)の故障を示す要望情報D3が発生する。ただし、要望情報D3は、施設管理支援システム1の整理部105にて整理されるため、LED電球が1個故障しただけでは、「ロビーの電球交換」という管理サービスの要望とはみなされない。つまり、複数個のLED電球が故障し、設備(LED電球)の故障を示す要望情報D3が複数発生したことをもって初めて、施設管理支援システム1では、「ロビーの電球交換」という管理サービスを要望する要望情報D3を取得する。
このような施設情報D1、サービス情報D2及び要望情報D3が揃うことで、施設管理支援システム1は、対象施設T1に対する「ロビーの電球交換」という管理サービスについて、派遣会社5が受託可能であることを示す出力情報D10を出力する。つまり、施設管理支援システム1は、要望情報D3で指定される「ロビーの電球交換」という管理サービスを、施設情報D1及びサービス情報D2に照らし、「ロビーの電球交換」という管理サービスを対象施設T1に提供可能な「委託先」を探索する。そして、派遣会社5が「ロビーの電球交換」という管理サービスを対象施設T1に提供可能であれば、対象施設T1の「ロビーの電球交換」という管理サービスを、派遣会社5が受託可能であることを示す出力情報D10が、出力される。
このような出力情報D10を受けた「委託元」としての管理会社4(のオペレータ42)は、対象施設T1の「ロビーの電球交換」という管理サービスを、派遣会社5に委託することを決定し、派遣会社5に採用通知を出す。管理会社4から派遣会社5への採用通知は、施設管理支援システム1を通して実行されてもよいし、施設管理支援システム1を通さずに行われてもよい。これにより、管理会社4から派遣会社5に対する管理サービスの外部委託が成立する。
以上説明したように、施設管理支援システム1が出力する出力情報D10によれば、管理サービスの外部委託が支援され、結果的に、集合施設2の管理に係る管理会社4等の負担が軽減される。
(3.2)事後工程
次に、出力情報D10の出力後の「事後工程」について、図3Bを参照して説明する。
事後工程においては、図3Bに示すように、採用通知を受けた派遣会社5は、対象施設T1である集合施設2に対して、派遣会社5に在籍している管理人20を派遣する。具体的には、派遣会社5は対象施設T1の住所、及び管理サービスを実行する日時等を管理人20に伝える。これにより、管理人20は、管理サービスを実行する日時に、対象施設T1としての集合施設2に出勤する。対象施設T1がオートロック付きである場合には、派遣会社5は、オートロックのワンタイムパスワード等、対象施設T1に入るための情報についても、管理人20に伝達する。
管理人20が集合施設2に入ると、施設管理支援システム1は、管理サービスの指示に関する指示情報D4を、管理サービスの実行主体である管理人20に通知する。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、管理対象T1のインターホンシステム10に指示情報D4を送信することをもって、指示情報D4を管理人20に通知する。つまり、管理人20は、インターホンシステム10のいずれかの装置(例えば、管理室親機11又は居室親機12)を用いて、指示情報D4の通知を受ける。
指示情報D4は、管理サービスの指示に関する様々な情報を含む。具体的事例(ロビーの電球交換)のケースでは、指示情報D4は、例えば、LED電球のストックの保管場所、及びLED電球の交換手順等の情報を含み得る。
管理人20が、指示情報D4に従って管理サービスを実行し、管理サービスの提供が完了すると、施設管理支援システム1は、管理サービスの提供の結果に関する結果情報D5を取得する。施設管理支援システム1は、結果取得部106にて、結果情報D5が発生する度に不定期に、結果情報D5を取得する。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、管理対象T1のインターホンシステム10から結果情報D5を取得する。つまり、管理人20は、インターホンシステム10のいずれかの装置(例えば、管理室親機11又は居室親機12)を用いて、結果情報D5を送信する。あるいは、インターホンシステム10は、管理サービスの提供完了を自動的に検知し、結果情報D5を送信してもよい。
その後、施設管理支援システム1は、管理対象T1に対する管理サービスの提供の評価に関する評価情報D6を取得する。施設管理支援システム1は、評価取得部107にて、評価情報D6が発生する度に不定期に、評価情報D6を取得する。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、管理会社4の委託側端末41から評価情報D6を取得する。ここで、管理会社4のオペレータ42は、対象施設T1の入居者に対するアンケート結果、又は管理会社4による管理サービスの確認結果等から、管理人20による管理サービスの提供を評価し、評価結果を評価情報D6として送信する。
評価情報D6は、例えば、施設管理支援システム1での以降の出力情報D10の生成に反映される。一例として、施設管理支援システム1は、ある管理対象T1において評価が低い管理人20(又は派遣会社5)については、この管理対象T1に対する管理サービスの委託先として選択されにくくなるように、出力情報D10を生成する。また、評価情報D6は、例えば、管理人20(又は派遣会社5)に対する報酬に反映されてもよい。一例として、施設管理支援システム1は、評価が高いほど、管理人20(又は派遣会社5)に対する報酬を高くするように、報酬を決定する。ただし、報酬については、施設管理支援システム1が関与することは必須ではなく、例えば、委託元である管理会社4が報酬を決定してもよい。
また、「(3.4)出力情報の具体例」の欄で説明する「タスクID」のように、管理サービスを個別に識別するための情報は、出力情報D10、指示情報D4、結果情報D5及び評価情報D6に対し、一貫して付されることが好ましい。これにより、基本工程から事後工程にかけて、同一の管理サービスについては、同一の管理サービスとして扱うことができる。
(3.3)フローチャート
図4は、本実施形態に係る施設管理支援システム1の動作(施設管理支援方法)の一例を示すフローチャートである。
まず基本工程において、施設管理支援システム1は、第1取得部101にて、管理対象T1に関する施設情報D1を取得する、第1取得処理を実行する(S1)。
その後、施設管理支援システム1は、第2取得部102にて、複数の集合施設2のいずれかに対して提供されるサービスに関するサービス情報D2を取得する、第2取得処理を実行する(S2)。
その後、施設管理支援システム1は、管理サービスの要望が発生しているか否かを判断し(S3)、要望が発生していれば(S3:Yes)、要望取得部104にて、管理サービスの要望に関する要望情報D3を取得する、要望取得処理を実行する(S4)。
その後、施設管理支援システム1は、出力部103にて、施設情報D1、サービス情報D2及び要望情報D3の3つの情報に基づいて、出力情報D10を生成する(S5)。出力情報D10は、管理対象T1の管理に係る管理サービスに関する情報である。特に、本実施形態では、出力情報D10は、管理対象T1に対する管理サービスの受託に係る情報であって、例えば、「委託先」となる派遣会社5が管理対象T1に提供可能な管理サービスの候補一覧である。
生成された出力情報D10において、提供可能な管理サービスの候補が1つでも存在すれば(S6:Yes)、施設管理支援システム1は、生成した出力情報D10を、出力部103にて出力する出力処理を実行する(S7)。本実施形態では一例として、施設管理支援システム1は、管理サービスの「委託元」としての管理会社4の委託側端末41に対して、出力部103にて出力情報D10を送信することをもって、出力情報D10を出力する。
一方、要望が発生していなければ(S3:No)、施設管理支援システム1は、要望取得処理(S4)をスキップし、出力情報D10を生成する(S5)。また、生成された出力情報D10において、提供可能な管理サービスの候補が存在しない場合には(S6:No)、施設管理支援システム1は、処理S7には移行せず、施設情報D1を取得する第1取得処理(S1)に戻る。
また、出力処理(S7)の後の事後工程においては、施設管理支援システム1は、通知部108にて、管理サービスの指示に関する指示情報D4を管理サービスの実行主体に通知する、通知処理を実行する(S8)。
その後、施設管理支援システム1は、結果取得部106にて、管理対象T1に対する管理サービスの提供の結果に関する結果情報D5を取得する、結果取得処理を実行する(S9)。
その後、施設管理支援システム1は、評価取得部107にて、管理対象T1に対する管理サービスの提供の評価に関する評価情報D6を取得する、評価取得処理を実行する(S10)。
また、図4に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。例えば、施設情報D1を取得する第1取得処理と、サービス情報D2を取得する第2取得処理とは、順番が逆であってもよい。
(3.4)出力情報の具体例
次に、出力部103にて出力される出力情報D10の具体例について、図5を参照して説明する。図5は、出力情報D10に従って、管理会社4の委託側端末41に表示される出力画面Im1の一例を示す概略図である。本実施形態では、施設管理支援システム1は、管理会社4の委託側端末41に出力情報D10を送信するので、管理会社4のオペレータ42においては、一例として、委託側端末41にて図5に示すような出力画面Im1の形式で、出力情報D10を閲覧可能である。ただし、図5は、出力画面Im1の一例を示しているに過ぎず、出力情報D10の表示態様(又は印刷態様)を限定する趣旨ではない。また、図5では、参照符号及び引出し線は説明のために表記しているに過ぎず、実際には、これらの参照符号及び引出し線は出力画面Im1に含まれない。
図5に例示する出力画面Im1は、複数(ここでは2つ)の表示欄を有している。ここでは一例として、出力画面Im1は、第1の表示欄C1及び第2の表示欄C2を有している。また、ここでは具体的事例(ロビーの電球交換)に際して出力される出力情報D10に基づいた、出力画面Im1を例示する。
第1の表示欄C1は、管理サービスを特定するための情報を表示する。図5の例では、第1の表示欄C1は、「タスクID」、「管理対象」、「日時」及び「内容」等の小項目を含んでいる。「タスクID」は、管理サービスを個別に識別するための情報であって、図5の例では、「12345A」である。「管理対象」は、管理サービスを提供する管理対象T1を特定するための情報であって、図5の例では、「ABCマンション」である。「日時」は、管理サービスを実行する日時を特定するための情報であって、図5の例では、「2020年3月2日」である。「内容」は、管理サービスの内容を特定するための情報であって、図5の例では、「ロビーの電球交換」である。
第2の表示欄C2は、管理サービスを受託可能な派遣会社5の候補一覧を表示する。図5の例では、第2の表示欄C2は、「会社名」、「日時」、「管理人名」及び「備考」等の小項目を含んでいる。「会社名」は、派遣会社5を個別に識別するための情報であって、図5の例では、「A社」、「B社」及び「C社」である。「日時」は、管理サービスを提供可能な日時を特定するための情報であって、図5の例では、「A社」であれば「12:00〜15:00」である。「管理人名」は、派遣可能な管理人20を特定するための情報であって、図5の例では、「A社」であれば「XXX」及び「YYY」の2名である。
管理会社4のオペレータ42においては、このような出力画面Im1上で、管理サービスを委託する派遣会社5を選択する。例えば、オペレータ42は、第2の表示欄C2内のチェックボックスB1にて、候補一覧の中からいずれかの派遣会社5を選択し、第1の表示欄C1内の委託ボタンB2を操作(タップ)する。これにより、チェックボックスB1にて選択された派遣会社5が採用される。
ところで、本実施形態では、上記出力画面Im1からも明らかなように、出力情報D10は、管理サービスの種別ごとに区分されている。ここでいう「管理サービスの種別」は、設備の点検、清掃、外部業者の作業の立会い、及び用品(はしご、脚立、発電装置等)の貸出し等の、管理サービスの「内容」に相当する。具体的事例では、「ロビーの電球交換」という種別の管理サービスについて、出力情報D10が出力される。管理サービスの種類ごとに出力情報D10が区分されることにより、出力情報D10を利用した管理サービスの外部委託が成立しやすくなる。さらに、出力情報D10が管理サービスの種別ごとに区分される場合には、サービス情報D2についても同様に、サービスの種別ごとに区分されることが好ましい。
また、管理サービスの種別は、実行主体が管理人20である第1種別と、実行主体が管理人20以外である第2種別と、を少なくとも含んでいる。ここで、管理人20以外の実行主体には、例えば、点検業者、清掃業者又は修理業者等の外部業者が含まれる。よって、第1種別に属する管理サービスとしては、例えば、管理人20が行う、設備の点検、清掃、外部業者の作業の立会い、及び用品の貸出し等がある。一方、第2種別に属する管理サービスとしては、例えば、点検業者による設備の点検(法定点検等)、清掃業者による清掃、及び修理業者による設備の修理等がある。
さらに、出力画面Im1は、例えば、管理サービスを委託した場合に掛かる費用等の情報、及び過去の評価情報D6等を更に含んでいてもよい。これにより、管理会社4のオペレータ42は、出力画面Im1上で、管理サービスを委託する派遣会社5を選択しやすくなる。
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。実施形態1に係る施設管理支援システム1と同様の機能は、施設管理支援方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(4.1)第1変形例
第1変形例に係る施設管理支援システム1では、出力部103は、管理対象T1に提供可能な管理サービスの候補一覧ではなく、管理対象T1に提供可能な唯一の管理サービスに関する情報を、出力情報D10として出力する。この場合、出力情報D10を受信した管理会社4(のオペレータ42)は、複数の管理サービスの中から特定の管理サービスを選択するのではなく、出力情報D10に係る唯一の管理サービスを採用するか否かを選択することになる。具体的には、実施形態1のように、管理対象T1に提供可能な管理サービスを、管理対象T1に派遣可能な管理人20で表す場合には、出力部103は、管理人20の候補一覧に代えて、特定の管理人20に関する情報を、出力情報D10として出力する。ただし、管理サービスの内容によっては、複数人の管理人20が派遣されることもあるので、唯一の管理サービスに関する出力情報D10は、複数人の特定の管理人20に関する情報を含んでいてもよい。
本変形例に係る施設管理支援システム1では、出力部103は、少なくとも施設情報D1及びサービス情報D2の両方に基づいて、唯一の管理サービスに関する出力情報D10を出力することになる。すなわち、施設管理支援システム1は、少なくとも施設情報D1及びサービス情報D2等に整合する唯一の管理サービスを演算等により特定し、特定された唯一の管理サービスに関する情報を、出力情報D10として出力する。つまり、施設管理支援システム1は、管理対象T1に提供可能な複数の管理サービス(候補一覧)の中から、唯一の管理サービスに絞り込む整合処理を実行する。このような施設管理支援システム1によれば、管理サービスの委託元(管理会社4)においては、複数の候補の中から管理サービスを絞り込む手間が軽減される。
(4.2)その他の変形例
本開示におけるインターホンシステム10、施設管理支援システム1、委託側端末41及び受託側端末51は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるインターホンシステム10、施設管理支援システム1、委託側端末41又は受託側端末51としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、インターホンシステム10、施設管理支援システム1、委託側端末41又は受託側端末51における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは必須の構成ではない。インターホンシステム10、施設管理支援システム1、委託側端末41又は受託側端末51の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、インターホンシステム10、施設管理支援システム1、委託側端末41又は受託側端末51の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されているインターホンシステム10、施設管理支援システム1、委託側端末41又は受託側端末51の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、施設管理支援システム1と委託側端末41とに分散されている機能が、全て施設管理支援システム1に集約されてもよく、この場合、委託側端末41が省略可能である。
また、施設管理支援システム1の用途は複数の住戸を含む集合住宅に限らず、集合住宅以外の集合施設2に施設管理支援システム1が適用されてもよい。例えば、店舗(テナント)、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設において、施設管理支援システム1が適用されてもよい。
また、インターホンシステム10は、制御装置14にてネットワークNT1に接続されていてもよい。この場合、制御装置14は、例えば、ネットワークNT1を介して外部のサーバ(例えば、気象サーバ等)にアクセスし、外部のサーバから情報を取得可能である。このような構成においては、施設管理支援システム1は、ネットワークNT1を介して制御装置14と接続されることにより、通信アダプタ16を介さずとも、インターホンシステム10との間で情報の授受が可能である。よって、通信アダプタ16は適宜省略可能である。
また、インターホンシステム10は、更に他の経路で施設管理支援システム1と通信可能に構成されていてもよい。例えば、インターホンシステム10に含まれる複数台の居室親機12の少なくとも1台が、ネットワークNT1に接続されることにより、インターホンシステム10は、居室親機12にて施設管理支援システム1との間で情報の授受が可能であってもよい。
また、インターホンシステム10は、管理室21の扉211、収納装置212、ロビー(共用部22)の扉221及び収容システム222の少なくとも1つを、構成要素に含まなくてもよい。例えば、収容システム222は、インターホンシステム10に含まれるいずれかの装置(例えば、管理室親機11)と、直接的又は間接的に通信することで、インターホンシステム10と連携可能であればよい。さらに、管理室21の扉211、収納装置212、ロビー(共用部22)の扉221及び収容システム222の少なくとも1つは、適宜省略されてもよい。
また、管理対象T1は、複数の集合施設2のうちの1つの集合施設2に限らず、複数の集合施設2のうちの2つ以上の集合施設2であってもよい。
また、施設管理支援システム1及び施設管理方法は、管理サービスの外部委託を支援すればよく、管理サービスの実行主体である管理人20の派遣に限らず、例えば、管理サービスに用いる物品の融通等を支援してもよい。一例として、施設管理支援システム1及び施設管理方法は、管理サービスに用いられる用品(はしご、脚立、発電装置又は工具等)の委託先から委託元への貸出しを支援してもよい。
また、施設管理支援システム1において、要望取得部104、整理部105、結果取得部106、評価取得部107、通知部108、通信部109及び格納部110は、必須の構成ではない。つまり、要望取得部104、整理部105、結果取得部106、評価取得部107、通知部108、通信部109及び格納部110の少なくとも一部は、適宜省略可能である。
また、第1取得部101は、施設情報D1を、管理対象T1のインターホンシステム10から取得する構成に限らず、例えば、管理会社4の委託側端末41、又は外部サーバ等からサービス情報D2を取得してもよい。第1取得部101がネットワークNT1を介して施設情報D1を取得することも必須ではなく、第1取得部101は、ネットワークNT1を介さずに施設情報D1を取得してもよい。同様に、第2取得部102は、サービス情報D2を、派遣会社5の受託側端末51から取得する構成に限らず、例えば、管理対象T1のインターホンシステム10、又は外部サーバ等からサービス情報D2を取得してもよい。第2取得部102がネットワークNT1を介してサービス情報D2を取得することも必須ではなく、第2取得部102は、ネットワークNT1を介さずにサービス情報D2を取得してもよい。
さらに、要望取得部104は、要望情報D3を、管理対象T1のインターホンシステム10から取得する構成に限らず、例えば、管理会社4の委託側端末41、又は外部サーバ等から要望情報D3を取得してもよい。要望取得部104がネットワークNT1を介して要望情報D3を取得することも必須ではなく、要望取得部104は、ネットワークNT1を介さずに要望情報D3を取得してもよい。同様に、結果取得部106は、結果情報D5を、管理対象T1のインターホンシステム10から取得する構成に限らず、例えば、派遣会社5の受託側端末51、又は外部サーバ等から結果情報D5を取得してもよい。結果取得部106がネットワークNT1を介して結果情報D5を取得することも必須ではなく、結果取得部106は、ネットワークNT1を介さずに結果情報D5を取得してもよい。同様に、評価取得部107は、評価情報D6を、管理会社4の委託側端末41から取得する構成に限らず、例えば、管理対象T1のインターホンシステム10、派遣会社5の受託側端末51、又は外部サーバ等から評価情報D6を取得してもよい。評価取得部107がネットワークNT1を介して評価情報D6を取得することも必須ではなく、評価取得部107は、ネットワークNT1を介さずに評価情報D6を取得してもよい。
また、通知部108は、指示情報D4を、管理対象T1のインターホンシステム10に送信する構成に限らず、例えば、派遣会社5の受託側端末51、実行主体が所有する携帯端末、又は外部サーバ等に指示情報D4を送信してもよい。通知部108が指示情報D4を送信することも必須ではなく、通知部108は、例えば、指示情報D4を印刷(プリントアウト)した印刷物を管理サービスの実行主体に提示することをもって、指示情報D4を通知してもよい。
また、施設管理支援システム1は、出力情報D10を「委託元」としての管理会社4に出力する構成に限らず、例えば、集合施設2の管理組合等、管理会社4以外の「委託元」に出力情報D10を出力してもよい。さらに、施設管理支援システム1が、出力情報D10を管理サービスの「委託元」に出力することも必須ではなく、施設管理支援システム1は、例えば、管理対象T1(のインターホンシステム10)等、「委託元」以外に出力情報D10を出力してもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る施設管理支援システム1Aは、図6に示すように、管理対象T1における管理サービスの委託に係る出力情報D10を、「委託先」としての派遣会社5に対して出力する点で、実施形態1に係る施設管理支援システム1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、実施形態1に係る施設管理支援システム1においては、サービス情報D2は、サービスの受託に係る情報であって、出力情報D10は、管理対象T1に対する管理サービスの受託に係る情報である。そのため、実施形態1に係る施設管理支援システム1では、出力部103は、管理サービスの「委託元」である管理会社4(の委託側端末41)に対して、出力情報D10を出力する。
これに対して、本実施形態に係る施設管理支援システム1においては、サービス情報D2は、サービスの委託に係る情報であって、出力情報D10は、管理対象T1における管理サービスの委託に係る情報である。そのため、本実施形態に係る施設管理支援システム1Aでは、出力部103は、管理サービスの「委託先」である派遣会社5(の受託側端末51)に対して、出力情報D10を出力する。
つまり、本実施形態では、サービス情報D2は、例えば、管理サービスの「委託元」である管理会社4が持つ、委託すべきサービス(管理サービス)に係る情報であって、現在又は過去に、管理会社4が管理対象T1に提供した管理サービスの提供実績等である。言い換えれば、管理サービスを委託する側(委託元)となる管理会社4における、管理サービスの提供状況に関する情報が、サービス情報D2となる。具体例としては、管理対象T1(集合施設2)における管理人20の常駐の有無、管理人20の勤務時間帯又は管理対象T1(集合施設2)における管理人20の人数等の情報が、管理サービスの提供実績として、サービス情報D2に含まれ得る。
また、出力情報D10は、例えば、管理サービスの「委託先」である派遣会社5に提示される、委託可能な管理サービスに係る情報であって、現に、管理対象T1への提供が必要とされている具体的な管理サービスの情報等である。具体例としては、ある管理対象T1における管理人20の常駐、又はある管理対象T1のロビー(共用部22)のLED電球の交換等の具体的な管理サービスの情報が、出力情報D10に含まれ得る。
すなわち、本実施形態に係る施設管理支援システム1Aは、図6に示すように、サービス情報D2の取得の態様、及び出力情報D10の出力の態様が、実施形態1に係る施設管理支援システム1と相違する。
施設管理支援システム1Aは、一例として、サービス情報D2を管理会社4の委託側端末41から取得する。すなわち、サービス情報D2は、管理サービスの委託元(管理会社4)からの情報を含んでいる。委託側端末41からの情報であっても、第2取得部102が委託側端末41から自動的に取得する情報と、オペレータ42等の操作をトリガにして第2取得部102が委託側端末41から取得する情報と、がある。つまり、サービス情報D2は、第2取得部102が委託側端末41から自動的に取得する情報を含む。
また、施設管理支援システム1Aは、管理サービスの「委託先」としての派遣会社5の受託側端末51に対して、出力部103にて出力情報D10を送信することをもって、出力情報D10を出力する。すなわち、本実施形態では、上述したように、サービス情報D2は、サービスの委託に係る情報であって、出力情報D10は、管理対象T1に対する管理サービスの委託に係る情報である。そのため、本実施形態に係る施設管理支援システム1Aでは、管理サービスの「委託先」である派遣会社5(の受託側端末51)に対して、出力情報D10を出力する。
以上説明したように、本実施形態では、出力情報D10は、例えば、「委託先」としての派遣会社5に対して出力される。そのため、本実施形態に係る施設管理支援システム1Aによれば、「委託先」としての派遣会社5は、提示された委託可能な管理サービスに係る出力情報D10から、管理サービスを受託するか否かを含め、受託する管理サービスを選択することが可能である。すなわち、「委託先」としての派遣会社5は、施設管理支援システム1Aから提示される管理サービスについて、いわゆる入札方式で、管理サービスを受託することができる。
また、実施形態2において、施設管理支援システム1Aは、出力情報D10を「委託先」としての派遣会社5に出力する構成に限らず、例えば、管理会社4とは別の管理会社等、派遣会社5以外の「委託先」に出力情報D10を出力してもよい。さらに、施設管理支援システム1Aが、出力情報D10を管理サービスの「委託先」に出力することも必須ではなく、施設管理支援システム1Aは、例えば、管理対象T1(のインターホンシステム10)等、「委託先」以外に出力情報D10を出力してもよい。
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)は、第1取得部(101)と、第2取得部(102)と、出力部(103)と、を備える。第1取得部(101)は、複数の集合施設(2)のうちのいずれかの集合施設(2)からなる管理対象(T1)に関する施設情報(D1)を取得する。第2取得部(102)は、複数の集合施設(2)のいずれかに対して提供されるサービスに関するサービス情報(D2)を取得する。出力部(103)は、少なくとも施設情報(D1)及びサービス情報(D2)の両方に基づいて、管理対象(T1)の管理に係る管理サービスに関する出力情報(D10)を出力する。
この態様によれば、管理対象(T1)に関する施設情報(D1)と、複数の集合施設(2)のいずれかに対して提供されるサービスに関するサービス情報(D2)と、に基づく、出力情報(D10)を得ることが可能である。出力情報(D10)は、管理対象(T1)の管理に係る管理サービスに関する情報である。このような出力情報(D10)によって、管理サービスの外部委託を支援し、集合施設(2)の管理に係る負担の軽減を図ることができる。
第2の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)では、第1の態様において、サービス情報(D2)は、サービスの受託に係る情報である。出力情報(D10)は、管理対象(T1)に対する管理サービスの受託に係る情報である。
この態様によれば、管理サービスの委託元において、出力情報(D10)を利用した管理サービスの外部委託の支援が可能となる。
第3の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)では、第1の態様において、サービス情報(D2)は、サービスの委託に係る情報である。出力情報(D10)は、管理対象(T1)における管理サービスの委託に係る情報である。
この態様によれば、管理サービスの委託先において、出力情報(D10)を利用した管理サービスの外部委託の支援が可能となる。
第4の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)では、第1〜3のいずれかの態様において、サービス情報(D2)は、サービスを提供可能な地域に関する地域情報を含む。
この態様によれば、サービスを提供可能な地域を反映した、管理サービスの外部委託の支援が可能となる。
第5の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)では、第1〜4のいずれかの態様において、サービス情報(D2)は、サービスを実行する管理人(20)に関する情報を含む。
この態様によれば、サービスを実行する管理人(20)を反映した、管理サービスの外部委託の支援が可能となる。
第6の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)では、第1〜5のいずれかの態様において、出力情報(D10)は、管理サービスの種別ごとに区分されている。
この態様によれば、出力情報(D10)を利用した管理サービスの外部委託が成立しやすくなる。
第7の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)では、第6の態様において、管理サービスの種別は、実行主体が管理人である第1種別と、実行主体が前記管理人以外である第2種別と、を少なくとも含む。
この態様によれば、出力情報(D10)を利用した管理サービスの外部委託が成立しやすくなる。
第8の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)は、第1〜7のいずれかの態様において、管理対象(T1)で発生する管理サービスの要望に関する要望情報(D3)を取得する要望取得部(104)を更に備える。出力部(103)は、施設情報(D1)及びサービス情報(D2)に加えて要望情報(D3)に基づいて、出力情報(D10)を出力する。
この態様によれば、管理対象(T1)で発生する管理サービスの要望を反映した、管理サービスの外部委託の支援が可能となる。
第9の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)では、第8の態様において、要望情報(D3)は、管理対象(T1)に導入されているインターホンシステム(10)からの情報を含む。
この態様によれば、要望情報(D3)を取得するための特別な装置の導入が必須でなくなる。
第10の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)では、第8又は9の態様において、要望情報(D3)は、要望取得部(104)が管理対象(T1)に導入されている設備(インターホンシステム10)から自動的に取得する情報を含む。
この態様によれば、要望情報(D3)の入力に係る人の手間を軽減できる。
第11の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)は、第8〜10のいずれかの態様において、整理部(105)を更に備える。整理部(105)は、要望情報(D3)が複数発生した場合に、複数の要望情報(D3)を整理する。
この態様によれば、複数の要望情報(D3)を整理した上で、管理サービスの外部委託の支援に反映可能となる。
第12の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)では、第1〜11のいずれかの態様において、施設情報(D1)は、管理対象(T1)に導入されているインターホンシステム(10)からの情報を含む。
この態様によれば、施設情報(D1)を取得するための特別な装置の導入が必須でなくなる。
第13の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)は、第1〜12のいずれかの態様において、管理対象(T1)に対する管理サービスの提供の結果に関する結果情報(D5)を取得する結果取得部(106)を更に備える。
この態様によれば、外部委託を支援した管理サービスの提供結果を管理可能となる。
第14の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)は、第1〜13のいずれかの態様において、管理対象(T1)に対する管理サービスの提供の評価に関する評価情報(D6)を取得する評価取得部(107)を更に備える。
この態様によれば、外部委託を支援した管理サービスの評価を管理可能となる。
第15の態様に係る施設管理支援システム(1,1A)は、第1〜14のいずれかの態様において、管理サービスの指示に関する指示情報(D4)を管理サービスの実行主体(管理人20)に通知する通知部(108)を更に備える。
この態様によれば、管理サービスの実行主体が管理サービスを実行しやすくなる。
第16の態様に係るインターホンシステム(10)は、第1〜15のいずれかの態様に係る施設管理支援システム(1,1A)と連携可能であって、管理対象(T1)に導入されている。
この態様によれば、集合施設(2)の管理に係る負担の軽減を図ることができる。
第17の態様に係る施設管理支援方法は、第1取得処理と、第2取得処理と、出力処理と、を有する。第1取得処理では、複数の集合施設(2)のうちのいずれかの集合施設(2)からなる管理対象(T1)に関する施設情報(D1)を取得する。第2取得処理では、複数の集合施設(2)のいずれかに対して提供されるサービスに関するサービス情報(D2)を取得する。出力処理では、少なくとも施設情報(D1)及びサービス情報(D2)の両方に基づいて、管理対象(T1)の管理に係る管理サービスに関する出力情報(D10)を出力する。
この態様によれば、集合施設(2)の管理に係る負担の軽減を図ることができる。
第18の態様に係るプログラムは、第17の態様に係る施設管理支援方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、集合施設(2)の管理に係る負担の軽減を図ることができる。
上記態様に限らず、実施形態1及び実施形態2に係る施設管理支援システム(1,1A)の種々の構成(変形例を含む)は、施設管理支援方法又はプログラムにて具現化可能である。
第2〜15の態様に係る構成については、施設管理支援システム(1,1A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。