JP2021168907A - 液体収容容器、液体入り容器、及び所定量の薬液を製造する方法 - Google Patents

液体収容容器、液体入り容器、及び所定量の薬液を製造する方法 Download PDF

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将慶 籠田
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Abstract

【課題】取り出される液体の衛生面の質を保つために、注射針が挿入される挿入面の衛生性を目視で判断することができる液体収容容器を提供する。【解決手段】液体収容容器10は、第1の部分に開口部が形成された中空状の胴部と、胴部の第2の部分に設けられ、胴部に向けて窪む凹部31が形成された閉鎖部30とを有する容器本体110と、閉鎖部30の凹部31を覆う保護カバー70と、を備え、凹部31の深さ方向から見た場合に凹部31を画定する開口縁間を結ぶ直線であって、凹部31の深さ方向から見た場合に開口縁が外縁を構成する平面図形の重心を通る直線のうち、最も長さが短い直線の長さを凹部31の幅をWとし、当該直線の中心点における凹部31の深さをDとした場合に、Wに対するDの比が、0より大きく、0.1以下である。【選択図】図3

Description

本開示は、液体収容容器、液体入り容器、及び所定量の薬液を製造する方法に関する。
従来より、薬液を輸送又は保存するための容器が知られている(例えば、特許文献1、2)。特許文献1には、ブロー成形された軟質合成樹脂からなる容器本体の外面の少なくとも一部に、熱可塑性合成樹脂弾性体からなる針刺部材が固着されている容器が開示されている。特許文献1によれば、容器内の薬剤に熱可塑性合成樹脂弾性体からなる針刺部材が直接触れることがなく、容器内に塵や異物が入り難く衛生的であり、製造コストを低減できるという効果を奏する。
また、特許文献2には、一側に注射針の挿入面を有し、他側が開口する容器本体を備え、挿入面は、その周囲の部分より肉薄であって、注射針が貫通可能であり、他側の開口は、密封可能である注射剤収納容器が開示されている。特許文献2によれば、注射剤吸引前に予め容器本体の開口からキャップを外しておく必要が無く、且つ容器本体を破壊して注射針挿入口を形成しておく必要も無い注射剤収納容器を提供することができるという効果を奏する。
特開2014−5056号公報 特開2016−16121号公報
ここで、例えば、注射針によって医療用容器等の液体収容容器から薬液等の液体を取り出す際に、注射針が挿入される挿入面の衛生性が確保されていない場合、当該挿入面に接触した注射針によって、液体の衛生面の質が低下してしまう可能性がある。したがって、取り出される液体の衛生面の質を保つために、注射針が挿入される挿入面の衛生性が確保されていることが求められている。このため、注射針が挿入される挿入面の衛生性を目視で判断することができる液体収容容器が求められている。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、液体収容容器に収容された液体を取り出す際に、液体収容容器の衛生性を目視で判断することが可能な、液体収容容器、液体入り容器、及び所定量の薬液を製造する方法を提供する。
本実施の形態による液体収容容器は、液体収容容器であって、第1の部分に開口部が形成された中空状の胴部と、前記胴部の第2の部分に設けられ、前記胴部に向けて窪む凹部が形成された閉鎖部とを有する容器本体と、前記閉鎖部の前記凹部を覆う保護カバーと、を備え、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記凹部を画定する開口縁間を結ぶ直線であって、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記開口縁が外縁を構成する平面図形の重心を通る直線のうち、最も長さが短い直線の長さを前記凹部の幅Wとし、当該直線の中心点における前記凹部の深さをDとした場合に、Wに対するDの比が、0より大きく、0.1以下である。
本実施の形態による液体収容容器は、液体収容容器であって、第1の部分に開口部が形成された中空状の胴部と、前記胴部の第2の部分に設けられ、前記胴部に向けて窪む凹部が形成された閉鎖部とを有する容器本体と、前記閉鎖部の前記凹部を覆う保護カバーと、を備え、前記凹部の側面に段差部が形成され、前記段差部の深さは、前記凹部の他の部分の深さよりも浅く、前記段差部の深さは、1.2mm以下である。
本実施の形態による液体収容容器において、前記閉鎖部は、前記胴部と一体に形成されていてもよい。
本実施の形態による液体収容容器において、前記凹部の深さが、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記凹部を画定する開口縁が外縁を構成する平面図形の重心に近づくにつれて、徐々に深くなっているか、あるいは前記重心に近づくにつれて、段階的に深くなっている部分を含んでいてもよい。
本実施の形態による液体収容容器において、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記凹部を画定する開口縁が外縁を構成する平面図形の重心は、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記閉鎖部の輪郭が外縁を構成する平面図形の重心に重ならない位置に設けられていてもよい。
本実施の形態による液体収容容器において、前記保護カバーに、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記閉鎖部とは重ならない位置に広がる鍔部が設けられ、前記鍔部の少なくとも一部は、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記凹部を画定する開口縁が外縁を構成する平面図形の重心と、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記閉鎖部の輪郭が外縁を構成する平面図形の重心とを結ぶ直線上に位置していてもよい。
本実施の形態による液体収容容器において、前記凹部に、前記閉鎖部の厚みが所定の厚み以下である領域の位置を示す目印が設けられていてもよい。
本実施の形態による液体収容容器において、前記胴部の内面の幅は、前記閉鎖部に近づくにつれて徐々に狭くなっていてもよい。
本実施の形態による液体収容容器において、前記胴部は、前記第1の部分側に位置する第1胴部と、前記第1胴部よりも前記第2の部分側に位置する第2胴部とを含み、前記第2胴部の内面の幅は、前記第1胴部から前記閉鎖部に近づくにつれて徐々に狭くなっており、前記容器本体の中心軸線を含む平面における断面において、前記第1胴部の内面と前記第2胴部の内面との交点を通り、前記閉鎖部の内面と交差する第1仮想直線であって、前記第2胴部の内面とは交差せず、かつ、前記交点から前記閉鎖部の内面までの長さが最も短くなる第1仮想直線を引いたとき、前記第1仮想直線と、前記第1胴部の内面とがなす角度は、168°以上180°未満であり、前記断面において、前記第1仮想直線は、前記凹部の底面に交差し、前記交点から前記凹部の底面までの前記第1仮想直線の長さは、32.10mm以下であってもよい。
本実施の形態による液体収容容器において、前記断面において、前記交点から前記第1の部分側に3.88mm離れた点を通り、前記第1胴部の内面となす角度が、162°である第2仮想直線を引いたとき、前記第2仮想直線は、前記凹部の開口縁に交差していてもよい。
本実施の形態による液体収容容器において、前記容器本体の前記胴部に取り付けられ、前記開口部を塞ぐ袋と、前記袋に取り付けられ、前記袋の内部と外部とを連通させる連通部材とを更に備えていてもよい。
本実施の形態による液体入り容器は、本実施の形態による液体収容容器と、前記液体収容容器に収容された液体と、を備え、前記開口部が封止されている。
本実施の形態による液体入り容器において、前記開口部が封止された前記容器本体は、筒状部と、前記第1の部分に形成された密封部と、前記筒状部と前記密封部との間に連続的に形成されたつなぎ部と、前記第2の部分に設けられた前記閉鎖部とを有し、前記つなぎ部の幅は、前記筒状部から前記密封部に近づくにつれて徐々に広くなっており、前記容器本体の中心軸線を含む平面における断面において、前記凹部の底面および前記密封部の内縁とそれぞれ交差する第3仮想直線であって、前記筒状部の内面および前記つなぎ部の内面のいずれとも交差しない第3仮想直線を引いたとき、前記凹部の底面から前記密封部の内縁までの前記第3仮想直線の長さは、38mm以下であってもよい。
本実施の形態による液体入り容器は、本実施の形態による液体収容容器と、前記袋に収容された液体と、を備え、前記連通部材が封止されている。
本実施の形態による所定量の薬液を製造する方法は、本実施の形態による液体入り容器を準備する工程と、前記容器本体に、内部と連通する開口を形成する工程と、前記開口から前記容器本体内の液体を取り出す工程と、を含んでいる。
本実施の形態による所定量の薬液を製造する方法において、前記開口は注射針によって形成され、前記注射針によって前記開口から前記容器本体内の液体を取り出してもよい。
本実施の形態によれば、液体収容容器に収容された液体を取り出す際に、液体収容容器の衛生性を目視で判断することができる。
図1は、一実施の形態による液体収容容器を示す斜視図である。 図2は、一実施の形態による液体収容容器を示す底面図(図1のII方向矢視図)である。 図3は、一実施の形態による液体収容容器を示す断面図(図2のIII-III線断面図)である。 図4は、一実施の形態による液体収容容器の凹部を示す部分拡大図である。 図5は、一実施の形態による液体収容容器の保護カバーを示す断面図である。 図6は、一実施の形態による液体入り容器を示す斜視図である。 図7は、一実施の形態による液体入り容器を示す正面図である。 図8は、一実施の形態による液体入り容器を示す正面図である。 図9は、一実施の形態による液体入り容器の作用を示す図である。 図10は、一実施の形態による液体入り容器の作用を示す図である。 図11は、第1の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図12は、第2の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図13は、第3の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図14は、第4の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図15は、第5の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図16は、第6の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図17は、第7の変形例による液体収容容器を示す底面図である。 図18は、第7の変形例による液体収容容器を示す断面図(図17のXVIII-XVIII線断面図)である。 図19は、第8の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図20は、第8の変形例による液体収容容器を示す底面図である。 図21は、第8の変形例による液体収容容器の他の例を示す底面図である。 図22は、第9の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図23は、第10の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図24は、第11の変形例による液体収容容器を示す平面図である。 図25は、第11の変形例による液体収容容器を備える液体入り容器を示す平面図である。 図26は、第12の変形例による液体収容容器を示す平面図である。 図27は、第12の変形例による液体収容容器を備える液体入り容器を示す平面図である。 図28は、第13の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図29は、レギュラーベベルの注射針を説明する図である。 図30は、ショートベベルの注射針を説明する図である。 図31は、第13の変形例による液体収容容器の作用を説明する断面図である。 図32は、第13の変形例による液体収容容器の作用を説明する断面図である。 図33は、第13の変形例による液体収容容器の作用を説明する断面図である。 図34は、第14の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図35は、第15の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図36は、第16の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図37は、第17の変形例による液体収容容器を示す断面図である。 図38は、第18の変形例による液体入り容器を示す断面図である。 図39は、第19の変形例による液体入り容器の他の例を示す断面図である。 図40は、第20の変形例による液体入り容器を示す断面図である。 図41は、第21の変形例による液体入り容器を示す斜視図である。 図42は、第21の変形例による液体入り容器を示す断面図である。 図43は、第21の変形例による液体入り容器を示す断面図である。 図44は、第21の変形例による液体入り容器が開封された状態を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら一実施の形態について具体的に説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
[液体収容容器]
まず図1乃至図5を参照して、本実施の形態による液体収容容器の構成について説明する。図1は、本実施の形態による液体収容容器10を示す斜視図であり、図2は、本実施の形態による液体収容容器10を示す底面図であり、図3は、本実施の形態による液体収容容器10を示す断面図である。図4は、一実施の形態による液体収容容器の凹部を示す部分拡大図である。図5は、本実施の形態による液体収容容器10の保護カバー70を示す断面図である。
図1乃至図3に示すように、液体収容容器10は、第1の部分10aに開口部120aが形成された中空状の胴部120と、胴部120の第2の部分10bに設けられ、胴部120に向けて窪む凹部31が形成された閉鎖部30とを有する容器本体110と、閉鎖部30の凹部31を覆う保護カバー70と、を備えている。本実施の形態では、第1の部分10aは、胴部120の一端(Z方向プラス側端部)であり、開口部120aは、胴部120の一端(Z方向プラス側端部)に形成されている。また、第2の部分10bは、胴部120の他端(Z方向マイナス側端部)であり、閉鎖部30は、胴部120の他端(Z方向マイナス側端部)に設けられている。なお、第1の部分10aは、胴部120の一端(Z方向プラス側端部)でなくてもよく、第1の部分10aは、胴部120の任意の位置に設けられていてもよい。また、第2の部分10bは、胴部120の他端(Z方向マイナス側端部)でなくてもよく、第2の部分10bは、第1の部分10aと異なる部分である限り、胴部120の任意の位置に設けられていてもよい。
容器本体110は、液体を収容するものである。この容器本体110は、上下方向(Z方向)に延びる中心軸線CLを有している。容器本体110の胴部120は、略円筒形状であり、その水平断面(XY平面に平行な平面)は略円形である。また胴部120の水平断面は上下方向(Z方向)に沿って略均一となっている。胴部120の水平断面は、円形に限らず、四角形や六角形等の多角形、又は楕円形等としても良い。なお、中心軸線CLは、Z方向に延びる直線であって、Z方向から見た場合に閉鎖部30が外縁を構成する平面図形の重心を通る線である。
容器本体110の胴部120の他端は、閉鎖部30によって閉鎖されている。閉鎖部30は、液体収容容器10の底部を構成しており、板状部材からなる。また、凹部31の深さ方向(Z方向)から見た場合に閉鎖部30の輪郭が外縁を構成する平面図形は、略円形状を有している(図2参照)。すなわち、閉鎖部30は、底面視略円形状を有している。しかしながら、これに限らず、閉鎖部30は、底面視で四角形や六角形等の多角形、又は円形等としても良い。なお、閉鎖部30は、XY平面に対して平行に位置している。
また閉鎖部30には、胴部120に向けて窪む凹部31が形成されている(図3参照)。本実施の形態では、凹部31は、閉鎖部30の外面30aから、胴部120に形成された開口部120aに向けて窪んでいる。このように、閉鎖部30に凹部31が形成されていることにより、閉鎖部30に取り付けられた保護カバー70の後述するシール層72(図5参照)が、凹部31の後述する挿入面33に触れることを抑制することができる。このため、挿入面33に、保護カバー70のシール層72に由来する異物が付着してしまうことを抑制することができる。また、閉鎖部30に凹部31が形成されていることにより、挿入面33が位置する領域の肉厚を薄くすることができる。このため、後述するように内容物である液体Lq(図8参照)を注射針45によって吸引する際に、注射針45が閉鎖部30を貫通しやすくすることができる。ここで、挿入面33が位置する領域の厚みT1(図4参照)は、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることが更に好ましい。挿入面33が位置する領域の厚みT1が0.5mm以下であることにより、注射針を閉鎖部30に刺すときに、注射針が閉鎖部30の一部を削り取ってしまう、いわゆるコアリングの発生を抑制することができる。なお、閉鎖部30の外面30aは、XY平面に広がる平坦面になっている。
このような凹部31は、側面32と、側面32間に広がる注射針挿入面(以下単に、挿入面と記す)33とを含んでいる。本実施の形態では、容器本体110の中心軸線CLに沿った断面において、側面32は、容器本体110の中心軸線CLに対して平行になっている。一方、挿入面33は、中心軸線CLに対して直交している。
また、本実施の形態では、凹部31の深さ方向(Z方向)から見た場合に凹部31を画定する開口縁31a(図2参照)間を結ぶ直線であって、凹部31の深さ方向から見た場合に開口縁31aが外縁を構成する平面図形の重心G1(以下、単に、重心G1と記す)を通る直線のうち、最も長さが短い直線L1の長さを凹部31の幅W1(W)とし、当該直線L1の中心点CPにおける凹部31の深さをD(閉鎖部30の外面30aから凹部31の挿入面33までの上下方向距離、図4参照、以下、単に深さDとも記す)とした場合に、W1に対するDの比(D/W1)が、0より大きく、0.1以下となっている。なお、本実施の形態では、図2に示すように、凹部31の深さ方向(Z方向)から見た場合において、重心G1および直線L1の中心点CPが、それぞれ容器本体110の中心軸線CLに重なるように、凹部31が形成されている。しかしながら、これに限られず、凹部31の深さ方向(Z方向)から見た場合において、重心G1、直線L1の中心点CPおよび容器本体110の中心軸線CLが、互いに重ならないように、凹部31が形成されていてもよい。
ところで、幅W1に対する深さDの比(D/W1)が、0より大きく、0.1以下となっていることにより、後述するように、液体入り容器40を液体窒素Lnに浸漬することによって凹部31内を減圧させた際に、図4に示すように、保護カバー70が、凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形しやすくなっている(図4の仮想線(二点鎖線)参照)。この場合、例えば、保護カバー70に、凹部31の内部と外部とを連通させる後述するリーク部73が形成されている場合であっても、保護カバー70が、凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形しやすくなる。このため、保護カバー70に後述するリーク部73が形成されている場合に、当該リーク部73から凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnを、変形した保護カバー70によって挿入面33に向けて押圧した状態で、挿入面33に接触させることができる。これにより、凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnを突沸させることができ、保護カバー70を、凹部31から突出するように変形させた状態で凍結させることができる。このため、液体収容容器10に収容された液体Lqを取り出す際に、液体収容容器10の衛生性を目視で判断することができる。
ここで、閉鎖部30に取り付けられた保護カバー70は、挿入面33に向けて凹むように撓む場合がある。この場合、保護カバー70は、中心点CPにおいて、最も撓み量が大きくなり得る。このため、保護カバー70が挿入面33に接触してしまうことを回避するためには、幅W1に対する深さDの比(D/W1)は大きい方が好ましい。一方、幅W1に対する深さDの比(D/W1)を大きくし過ぎた場合、保護カバー70に後述するリーク部73が形成されている場合に、液体窒素Lnを変形した保護カバー70によって挿入面33に向けて押圧することが困難になる。これに対して、本実施の形態では、幅W1に対する深さDの比(D/W1)が0.1以下となっている。このため、液体収容容器10に収容された液体Lqを取り出す際に、液体収容容器10の衛生性を目視で判断することができる。なお、液体収容容器10の衛生性を目視で判断することができることは、後述する実施例によって説明する。
このような凹部31は、全域にわたって略一定の深さを有していてもよい。すなわち、凹部31の深さは、全域にわたって、中心点CPにおける凹部31の深さDと等しくなっていてもよい。この深さDは、0.1mm以上4.5mm以下であってもよい。また、凹部31の幅W1(図2および図4参照)は、1mm以上45mm以下であってもよく、1mm以上11.5mm以下であることが好ましく、1mm以上7.2mm以下であることがより好ましく、1mm以上5mm以下であることが更に好ましく、1mm以上4mm以下であることが更により好ましい。
この凹部31の深さ方向から見た場合に開口縁31aが外縁を構成する平面図形は、略楕円形状を有している(図2参照)。すなわち、凹部31は、底面視略楕円形状を有している。しかしながら、これに限らず、凹部31は、底面視で四角形や六角形等の多角形、又は円形等としても良い。
このような閉鎖部30は、胴部120と一体に形成されている。すなわち、容器本体110は、一体成形により形成されている。この場合、後述するように、液体収容容器10を凍結させた際に、容器本体110が損傷を受ける可能性を低減することができる。すなわち、容器本体110が一体成形により形成されている場合、容器本体110が複数の部材から構成されている場合に形成され得る、各部材間の接合部は形成されない。このため、容器本体110が一体成形により形成されていることにより、上述した接合部をきっかけとして容器本体110が損傷を受けることを回避することができる。また、容器本体110が一体成形により形成されていることにより、容器本体110が複数の部材から構成されている場合と比較して、容器本体110の落下強度を高くすることもできる。これにより、容器本体110を落下させた際に、容器本体110が損傷を受ける可能性を低減することもできる。
容器本体110を構成する材料は、シールすることができる材料であればよい。また、容器本体110を構成する材料は、液体と接触した際に、液体に影響を与えないような材料であることが好ましく、液体収容容器10内に収容される液体の種類に応じて適宜選択される。また、容器本体110を構成する材料は、少なくとも0℃以下、好ましくは−80℃以下、さらに好ましくは−150℃以下(すなわち、超低温フリーザー内の温度、あるいは液体窒素が充填された後述する凍結装置100の気相下の温度)、特に好ましくは−196℃(すなわち、液体窒素の温度)の環境下で物理的に耐えうる物性を有することが望ましい。さらに、容器本体110を構成する材料は、液体収容容器10の用途に応じても、適宜選択される。具体的には、液体収容容器10に対し、強度や柔軟性、水蒸気透過度、耐熱性、光透過性等の所定の特性を付与する場合には、そのような特性を有する材料を適宜選択することが好ましい。このような材料としては熱可塑性樹脂、特に、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンといったポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)といったポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリスチレン、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせた混合物等が挙げられる。
容器本体110は、液体に対して所定の撥液性を有することが好ましい。したがって、容器本体110の内面の撥液性は、液体収容容器10内に収容される液体の種類に応じて適宜調整することが好ましい。具体的には、容器本体110の内面は、液体に対する接触角が例えば20°以上であっても良く、40°以上であることが好ましく、中でも70°以上であることが好ましく、特に80°以上であることが好ましい。なお、液体に対する容器本体110の内面の接触角は、特段の事情がない限り、水に対する接触角としてもよい。接触角は、容器本体110の内面を露出させ、当該露出させた内面に液体又は純水1.0μlの液滴を滴下し、着滴10秒後に、滴下した液滴の左右端点と頂点とを結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出するθ/2法に従って測定することができる。測定装置としては、例えば、協和界面科学社製(接触角計DM 500)を用いることができる。
容器本体110に所定の撥液性を付与する方法としては、特に限定されず、容器本体110を構成する材料に応じて適宜選択することができる。例えば、容器本体110にエネルギー線照射を行うことで撥液性を付与してもよく、容器本体110を構成する材料中に撥液性を付与する材料を加えてもよく、あるいは容器本体110の内面に、撥液性を付与する材料を表面コーティングしてもよい。上記エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。中でも、γ線が好ましい。
容器本体110の厚み、強度、光透過性、耐熱性、ガスバリア性等の特性については、液体収容容器10の用途や容器内に収容される液体の種類に応じて適宜調整することができるため、ここでの記載は省略する。
容器本体110は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。容器本体110が多層構造である場合、容器本体110の内面のみが上述のような樹脂材料であり、その他の層が、アルミニウムを含有するアルミニウム層を有していてもよい。また、容器本体110は、必要に応じて、シリカ等の材料で外面が表面コーティングされていてもよい。この場合、液体収容容器10にバリア性を付与することができる。
次に、保護カバー70について説明する。保護カバー70は、閉鎖部30に取り付けられている。このように、保護カバー70が閉鎖部30に取り付けられていることにより、初期開封前に挿入面33を衛生的に保持することができる。また、保護カバー70が閉鎖部30から取り外されているか否かについて確認することで、挿入面33が衛生的に保たれているか否かについて容易に識別することができる。本実施の形態では、保護カバー70は、閉鎖部30の全域を覆っている。
この保護カバー70は、シール層が設けられた、いわゆるシール層付きフィルムであってもよい。保護カバー70が一般的なシール層付きフィルムであることにより、保護カバー70を容易に入手することができる。また、一般的な加工法(例えば、ヒートシール)により、保護カバー70を容器本体110に容易に取り付けることができる。
具体的には、保護カバー70は、図5に示すように、基材層71と、シール層72とを有していることが好ましい。このうち、基材層71は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを主体とした樹脂、アルミニウムまたはタイベック(登録商標)を含むシートなどによって構成されていてもよい。
なお、シール層72の材料としては、いわゆるイージーピール性を発現させることができるコーティング材料等の樹脂材料を用いることが好ましい。シール層72がイージーピール性を発現させることにより、容器本体11内の液体を取り出す際に、保護カバー70を引き剥がし易くすることができる。また、上記各層は常法に従い、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、押出コーティング法、またはコンマリバースコート、エアーナイフコート、コンマダイレクトコート、キスコート、グラビアコートなどのその他のコーティング法によって形成される。
このような液体収容容器10は、容器本体110の開口部120aが鉛直方向上方側、閉鎖部30が鉛直方向下方側に向くように配置することができる。また、このような液体収容容器10の容器本体110内に液体を充填した後に、上記の開口部120aが形成された一端をヒートシールする(すなわち、後述する密封部20を形成する)ことにより、後述する液体入り容器40を形成することができる。
本実施の形態による液体収容容器10に収容される液体は、特に限定されないが、例えば、医薬品等の薬液であってもよい。このような薬液の具体例としては、例えば抗リウマチ薬、インスリン製剤、ブドウ糖のような糖液、塩化ナトリウムや乳酸カリウムのような電解質補正液、タンパク製剤、抗体薬、造影剤、タンパク質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、抗生物質、抗がん剤、ヘパリンカルシウム麻酔薬、及び腹膜透析液が挙げられる。また、鎮痛剤、解熱剤、制吐剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、気管支拡張剤、ステロイド剤、抗不整脈剤、及び抗てんかん剤のような製剤をRO水や蒸留水のような無菌水又は生理食塩水で溶解した所謂プレミックス製剤が挙げられる。さらに、インフルエンザ、破傷風、肺炎球菌、ポリオ、日本脳炎、風疹、麻疹、黄熱、ヒブ、肝炎、水痘、狂犬病、ロタウィルス、おたふくかぜ、子宮頸がん、MQ、DT及びDPT等のワクチンのような生物医薬であってもよい。さらにまた、骨髄やリンパ球等の生体細胞であってもよい。また、薬液としては、例えば細胞製剤であってもよく、具体的には、ヘパトーマ細胞、肝臓の実質細胞である肝細胞、クッパー細胞、血管内皮細胞や角膜内皮細胞などの内皮細胞、繊維芽細胞、骨芽細胞、砕骨細胞、歯根膜由来細胞、表皮角化細胞などの表皮細胞、気管上皮細胞、消化管上皮細胞、子宮頸部上皮細胞、角膜上皮細胞などの上皮細胞、乳腺細胞、ペリサイト、平滑筋細胞や心筋細胞などの筋細胞、腎細胞、膵ランゲルハンス島細胞、末梢神経細胞や視神経細胞などの神経細胞、軟骨細胞、骨細胞、又は幹細胞、ES細胞(胚性幹細胞)及びiPS細胞(人工多能性幹細胞)等が挙げられる。幹細胞は、例えば骨髄未分化間葉幹細胞、造血幹細胞、血管幹細胞、神経幹細胞、小腸幹細胞、脂肪幹細胞、皮膚幹細胞、歯周組織幹細胞、毛様体幹細胞、角膜輪部幹細胞、内臓幹細胞等が挙げられる。
あるいは、液体収容容器10に収容される液体としては、食品関係の液体であっても良く、具体的には、飲料、調味料等の液体であっても良い。
本実施の形態による液体収容容器10は、例えば、上述したような液体を収容する医療用容器又は食品用容器として用いることができる。
[液体入り容器]
次に、図6乃至図8を参照して、本実施の形態による液体入り容器40の構成について説明する。図6は、本実施の形態による液体入り容器40を示す斜視図であり、図7および図8は、本実施の形態による液体入り容器40を示す正面図である。このような液体入り容器40は、液体収容容器10の容器本体110内に液体を充填した後に、容器本体110の開口部120aが形成された開放端をヒートシールすることにより形成されたものである。
図6及び図7に示すように、液体入り容器40は、上述した液体収容容器10と、液体収容容器10に収容された液体Lqとを備えている。ここで、液体入り容器40において、液体収容容器10の容器本体110の開口部120aは封止されている。ここでは、まず、開口部120aが封止された容器本体110について説明する。なお、本明細書中、開口部120aが封止された容器本体110を、単に容器本体11とも記す。
容器本体11は、筒状の胴部12と、一端に形成された密封部20と、胴部12と密封部20との間に連続的に形成されたつなぎ部13と、他端に設けられた閉鎖部30とを有している。このうち、胴部12、密封部20およびつなぎ部13は、上述した容器本体110の開口部120aを封止した際に、容器本体110の胴部120が変形することにより、それぞれ形成されたものである。
胴部12は、略円筒形状であり、その水平断面(XY平面に平行な平面)は略円形である。また胴部12の水平断面は上下方向(Z方向)に沿って略均一となっている。胴部12の水平断面は、円形に限らず、四角形や六角形等の多角形、又は楕円形等としても良い。また、つなぎ部13は、胴部12から密封部20に向けて連続的に形成された筒状の部分であり、その水平断面は胴部12から密封部20に向けて徐々に変化している。図示された例においては、つなぎ部13の幅は、胴部12から密封部20に近づくにつれて徐々に広くなっている。胴部12とつなぎ部13は、連続的に互いに一体に形成されている。なお、本実施の形態において、容器本体11は、正面側から見て(図7参照)、左右(X方向)に線対称な形状を有している。
密封部20は、容器本体110の一端(Z方向プラス側端部)をヒートシール等によりシールして密封した部分である。具体的には、密封部20は、容器本体110の胴部120の開口部120aが形成された一端を潰し、当該一端の互いに対向する内面同士をシールすることにより形成される。密封部20は、全体として略平面状であり、その主たる面はXZ平面に平行な略長方形形状となっている。密封部20をシールする方法は、例えば、超音波シール、ヒートシール及び高周波シール等が挙げられる。また、容器本体11の内面に接着剤を塗布してシールしてもよい。本実施の形態においては、接着剤を用いずにシールする方法が好ましい。液体への接着剤の混入を抑制することができるからである。
容器本体11の他端(Z方向マイナス側端部)は、閉鎖された閉鎖部30を構成する。使用時には、この閉鎖部30から容器本体11の内部に収容された液体が取り出される。すなわち、閉鎖部30の凹部31に注射針等を刺して液体を吸引することで、液体入り容器40から液体を容易に吸引することができる。閉鎖部30のその他の構成は、容器本体110の閉鎖部30と同一であるため、ここでは、詳細な説明は省略する。
このような液体入り容器40は、上述したように、液体収容容器10の容器本体110内に液体Lqを充填した後に、容器本体110の開口部120aが形成された開放端をヒートシールする(すなわち、密封部20を形成する)ことにより形成されている。そして、液体入り容器40は、密封部20が鉛直方向上方側、閉鎖部30が鉛直方向下方側に向くように配置することができる。また、このような液体入り容器40は、液体Lqを凍結させた状態で保存するために用いられてもよい。
液体入り容器40の使用時には、例えば、図8に示すように、保護カバー70を容器本体11から取り外し、閉鎖部30の凹部31の挿入面33に注射針45を刺して閉鎖部30に開口34を形成する。そして、この開口34に挿入された注射針45を用いて液体Lqを吸引し、容器本体11内の液体Lqを取り出すことができる。
[本実施の形態の作用]
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、一端に開口部120aが形成された容器本体110を一体成形により作製する。この際、容器本体110の他端に閉鎖部30が形成される。また、この閉鎖部30には、幅W1に対する深さDの比(D/W1)が、0より大きく、0.1以下の凹部31が形成される。
次に、容器本体110内に所定量の液体Lqを充填し、開口部120aが形成された一端をヒートシールすることにより、密封部20を形成する。これにより、液体収容容器10と、液体収容容器10に収容された液体Lqとを備えた、液体入り容器40が得られる(図6乃至図8参照)。
次に、図9(a)に示すように、得られた液体入り容器40を凍結装置100内に配置し、液体Lqを凍結させて保存する。この際、まず、凍結装置100を準備する。この凍結装置100内には、液体窒素Lnが充填されている。次に、液体入り容器40を液体窒素Lnに浸漬する。これにより、液体入り容器40内に収容された液体Lqが凍結する。
ところで、液体収容容器10の閉鎖部30には保護カバー70が取り付けられており、閉鎖部30の凹部31が保護カバー70に覆われている。このため、液体入り容器40を液体窒素Lnに浸漬した際に、凹部31内の気体が冷やされることにより、凹部31内の気体の体積が減少する。これにより、凹部31内が減圧され、図9(b)に示すように、保護カバー70が凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形する。そして、保護カバー70は、挿入面33に向かって凹むように変形した状態で、凍結する。
一方、図10(a)に示すように、保護カバー70に、凹部31の内部と外部とを連通させるリーク部73が形成されている場合がある。この場合、液体入り容器40を液体窒素Lnに浸漬した際に、凹部31内の気体が冷やされることにより、凹部31内の気体の体積が減少する。これにより、凹部31内が減圧され、図10(b)に示すように、リーク部73から液体窒素Lnが凹部31内に入り込む。また、凹部31内の減圧に伴い、保護カバー70が凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形する。そして、保護カバー70は、保護カバー70にリーク部73が形成されていない場合と同様に、挿入面33に向かって凹むように変形した状態で、凍結する。なお、本明細書中、リーク部とは、凹部31の内部と外部とを連通させる貫通孔であって、異物や菌のサイズ(例えば粒径1μm程度)よりも大きい直径を有する貫通孔をいう。
これに対して本実施の形態では、凹部31において、幅W1に対する深さDの比(D/W1)が、0より大きく、0.1以下となっている。これにより、液体入り容器40を液体窒素Lnに浸漬することによって凹部31内を減圧させた際に、保護カバー70が、凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形しやすくなっている(図4の仮想線(二点鎖線)参照)。このため、保護カバー70と凹部31の挿入面33との間の上下方向(Z方向)距離を短くすることができる。この結果、図10(c)に示すように、凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnが、変形した保護カバー70よって挿入面33に向けて押圧された状態で、挿入面33に接触する。そして、挿入面33は、液体窒素Lnに対して高温になっている。これにより、保護カバー70によって押圧されることにより刺激が与えられ、かつ凹部31の挿入面33に接触した液体窒素Lnが突沸し、図10(d)に示すように、当該液体窒素Lnから蒸気泡(仮想線(二点鎖線)参照)が発生する。そして、この蒸気泡が、保護カバー70が凹部31から突出するように、保護カバー70を変形させる。その後、保護カバー70は、凹部31から突出するように変形した状態で、凍結する。
このように、本実施の形態では、液体窒素Lnによって液体入り容器40を凍結させた際に、凹部31の内部と外部とを連通させるリーク部73が形成された保護カバー70は、凹部31から突出するように変形した状態で凍結する。すなわち、保護カバー70が凹部31から突出するように変形した状態で凍結していた場合、液体収容容器10の衛生性が確保されていない可能性があると判断することができる。一方、保護カバー70が凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形した状態で凍結していた場合、液体収容容器10の衛生性が確保されていると判断することができる。このため、液体収容容器10の衛生性を目視で容易に判断することができる。
液体Lqを容器本体11内から取り出す場合、まず液体Lqが凍結された液体入り容器40を準備する。次に、保護カバー70の状態を目視で判断する。これにより、液体収容容器10の衛生性を目視で判断する。なお、液体収容容器10の衛生性が確保されていない場合、液体入り容器40を廃棄してもよい。あるいは、保護カバー70を容器本体11から取り外した後に、凹部31の挿入面33をアルコール等で除菌することにより、挿入面33の衛生面の質を保ち、その後に、液体Lqを容器本体11内から取り出してもよい。
液体収容容器10の衛生性が確保されている場合、閉鎖部30から保護カバー70を取り外す。続いて、容器本体11に、内部と連通する開口34(図8参照)を形成し、この開口34から容器本体11内の液体Lqを取り出す。例えば、図8に示すように、閉鎖部30の凹部31の挿入面33に注射針45を刺して閉鎖部30に開口34を形成し、この開口34に挿入された注射針45を用いて液体Lqを吸引し、容器本体11内の液体Lqを取り出す。これにより、例えば液体Lqが高価な薬液である場合においても、液体Lqを容器本体11から無駄なく取り出すことができ、経済的である。また、容器本体11内から正確な量の薬液を抽出することができる。本実施の形態において、このような所定量の薬液を製造する方法も提供する。
以上のように本実施の形態によれば液体収容容器10が、胴部120に向けて窪む凹部31が形成された閉鎖部30を有する容器本体110と、閉鎖部30の凹部31を覆う保護カバー70と、を備え、凹部31において、幅W1に対する深さDの比(D/W1)が、0より大きく、0.1以下となっている。これにより、液体収容容器10を液体窒素Lnによって凍結させることにより、凹部31の内部と外部とを連通させるリーク部73が形成された保護カバー70を所定の形状に変形させることができる。また、保護カバー70によって凹部31の挿入面33の衛生性が保たれている場合にも、液体収容容器10を液体窒素Lnによって凍結させることにより、保護カバー70を所定の形状に変形させることができる。具体的には、保護カバー70に凹部31の内部と外部とを連通させるリーク部73が形成されている場合には、保護カバー70を、凹部31から突出するように変形させた状態で凍結させることができる。そして、保護カバー70によって、凹部31の挿入面33の衛生性が保たれている場合には、保護カバー70を、凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形させた状態で凍結させることができる。このため、液体収容容器10に収容された液体Lqを取り出す際に、液体収容容器10の衛生性を目視で判断することができる。なお、このように液体収容容器10の衛生性を目視で判断することができることは、後述する実施例によって説明する。
なお、上述した本実施の形態では、液体Lqを凍結させて保存する際に、液体入り容器40を液体窒素Lnに浸漬する例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、液体入り容器40を超低温フリーザー内に配置することにより、液体Lqを凍結させてもよく、あるいは、液体窒素Lnが充填された凍結装置100内の気相下において液体Lqを凍結させてもよい。これらのように、液体Lqを気相下において凍結させる場合であっても、保護カバー70に凹部31の内部と外部とを連通させるリーク部73が形成されていない場合には、凹部31内の気体が冷やされることにより、凹部31内の気体の体積が減少する。これにより、凹部31内が減圧され、保護カバー70が凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形する。そして、保護カバー70は、挿入面33に向かって凹むように変形した状態で、凍結する。
一方、保護カバー70に凹部31の内部と外部とを連通させるリーク部73が形成されている場合には、保護カバー70は変形することなく凍結する。すなわち、液体入り容器40を液体窒素Lnに浸漬しないため、凹部31内における液体窒素Lnの突沸は発生しない。このため、保護カバー70が、凹部31から突出するように変形した状態で凍結することはない。また、保護カバー70に凹部31の内部と外部とを連通させるリーク部73が形成されている場合には、気相下においては凹部31の内部の圧力と外部の圧力とが等しくなる。このため、凹部31内が減圧されることに起因して、保護カバー70が凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形することもない。このように、超低温フリーザー等によって液体Lqを凍結させた場合には、凹部31の内部と外部とを連通させるリーク部73が形成された保護カバー70は、変形することなく凍結する。このため、超低温フリーザー等によって液体Lqを凍結させた場合においても、液体収容容器10に収容された液体Lqを取り出す際に、液体収容容器10の衛生性を目視で判断することができる。
[変形例]
次に、図11乃至図27を参照して、本開示の各変形例について説明する。図11乃至図27は、それぞれ本開示の変形例による液体収容容器を示す図である。図11乃至図27において、図1乃至図10に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(第1の変形例)
図11は、第1の変形例による液体収容容器10Aを示している。図11において、凹部31の側面32に段差部35が形成されている。また、段差部35の深さdは、凹部31の他の部分の深さよりも浅くなっている。この段差部35の深さdは、1.2mm以下になっている。一方、凹部31の他の部分の深さは、全域にわたって略一定の深さを有していてもよい。すなわち、凹部31の段差部35以外の部分の深さは、全域にわたって、中心点CPにおける凹部31の深さDと等しくなっていてもよい。本変形例では、保護カバー70にリーク部73が形成されている場合に、リーク部73から凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnは、変形した保護カバー70によって、段差部35の段差面35a、および側面32のうち段差面35aと閉鎖部30の外面30aとの間に広がる側面32aに向けて押圧される。これにより、凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnを、変形した保護カバー70によって段差面35aおよび側面32aに向けて押圧した状態で、段差面35aおよび側面32aに接触させることができる。このため、凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnを突沸させることができ、液体収容容器10Aに収容された液体Lqを取り出す際に、液体収容容器10Aの衛生性を目視で判断することができる。なお、本明細書中、凹部31の側面32に段差部35が形成されている場合、段差部35の深さdとは、閉鎖部30の外面30aから段差部35の段差面35aまでの上下方向距離をいう。
また、凹部31において、幅W1に対する深さDの比(D/W1)が、0.1よりも大きい場合であっても、段差部35の深さdが1.2mm以下になっていることにより、凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnを、変形した保護カバー70によって段差面35aおよび側面32aに向けて押圧した状態で、段差面35aおよび側面32aに接触させることができる。これにより、凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnを突沸させることができ、液体収容容器10Aに収容された液体Lqを取り出す際に、液体収容容器10Aの衛生性を目視で判断することができる。
(第2の変形例)
図12は、第2の変形例による液体収容容器10Bを示している。図12において、凹部31の深さは、重心G1に近づくにつれて、徐々に深くなっている。図示された例において、凹部31の側面32は、容器本体11の中心軸線CLに沿った断面において、容器本体11の中心軸線CLに対して傾斜している。本変形例では、凹部31の側面32は、外面30a側から挿入面33側(Z方向プラス側)に向かうにつれて、互いに近づくように傾斜している。この場合、凹部31内の減圧に伴い、保護カバー70が凹部31の挿入面33に向かって凹むように変形した場合に、保護カバー70を、凹部31の側面32に追従するように変形させることができる。すなわち、容器本体11の中心軸線CLに沿った断面において、側面32が中心軸線CLに対して平行になっている場合と比較して、凹部31の側面32と保護カバー70との間の距離を短くすることができる。これにより、凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnを、変形した保護カバー70によって、凹部31の側面32に向けて押圧させることもできる。このため、凹部31に入り込んだ液体窒素Lnに対して効果的に刺激を与えることができるため、当該液体窒素Lnの突沸を促進させることができる。また、凹部31内に、例えば保護カバー70のシール層72に起因する異物が入り込んでしまった場合であっても、当該異物を取り除きやすくすることができる。さらに、当該異物を取り除いた後に、挿入面33をアルコール等で容易に除菌することもできる。
(第3の変形例)
図13は、第3の変形例による液体収容容器10Cを示している。図13において、図12と同様に、凹部31の深さは、重心G1に近づくにつれて、徐々に深くなっている。図示された例において、凹部31の内面36は、湾曲している。この場合、凹部31内の減圧に伴い、保護カバー70が凹部31の内面36に向かって凹むように変形し、保護カバー70を、凹部31の内面36に追従するように変形させることができる。これにより、凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnを、変形した保護カバー70によって、凹部31の内面36に向けて押圧させやすくすることができる。このため、凹部31に入り込んだ液体窒素Lnに対して効果的に刺激を与えることができるため、当該液体窒素Lnの突沸を促進させることができる。また、凹部31内に、例えば保護カバー70のシール層72に起因する異物が入り込んでしまった場合であっても、当該異物を取り除きやすくすることができる。さらに、当該異物を取り除いた後に、内面36をアルコール等で容易に除菌することもできる。なお、本変形例のように、凹部31の内面36が湾曲している場合、凹部31の側面32と挿入面33とが区別できなくてもよい。
(第4の変形例)
図14は、第4の変形例による液体収容容器10Dを示している。図14において、凹部31の深さは、重心G1に近づくにつれて、段階的に深くなっている部分を含んでいる。図示された例において、凹部31の側面32は、容器本体11の中心軸線CLに沿った断面において、容器本体11の中心軸線CLに対して傾斜するとともに、凹部31の側面32に段差部35が形成されている。この場合においても、凹部31内に入り込んだ液体窒素Lnを、変形した保護カバー70によって、凹部31の側面32や段差面35aに向けて押圧させることができる。このため、凹部31に入り込んだ液体窒素Lnに対して効果的に刺激を与えることができるため、当該液体窒素Lnの突沸を促進させることができる。
(第5の変形例)
図15は、第5の変形例による液体収容容器10Eを示している。図15において、凹部31に、挿入面33よりも開口部120a(図3参照)側に窪む溝部37が形成されている。この場合、凹部31内に、例えば保護カバー70のシール層72に起因する異物が入り込んでしまった場合であっても、当該異物を溝部37内に収容させることにより、挿入面33から異物を除去することができる。このため、挿入面33の衛生性を確保することができる。
(第6の変形例)
図16は、第6の変形例による液体収容容器10Fを示している。図16において、凹部31の挿入面33に対応する位置において、閉鎖部30が容器本体11の内側(Z方向プラス側)から減肉されている。この場合、挿入面33が位置する領域の肉厚を更に薄くすることができる。このため、内容物である液体Lqを注射針45によって吸引する際に、注射針45が閉鎖部30を更に貫通しやすくすることができる。
(第7の変形例)
図17及び図18は、第7の変形例による液体収容容器10Gを示している。図17及び図18において、重心G1(図17参照)は、底面視で閉鎖部30の重心G2(凹部31の深さ方向(Z方向)から見た場合に閉鎖部30の輪郭が外縁を構成する平面図形の重心)に重ならない位置に設けられている。本変形例では、重心G1は、中心軸線CLに重ならない位置に設けられている。また、図示された例において、凹部31は、底面視で閉鎖部30の重心G2に重ならない位置に形成されている。このように、重心G1が、底面視で閉鎖部30の重心G2に重ならない位置に設けられていることにより、容器本体11の凹部31を露出させる際に、図18に示すように、保護カバー70のうち、容器本体11から取り外される部分の面積を小さくすることができる。このため、容器本体11から取り外された保護カバー70のシール層72に起因する異物が、凹部31内に入り込んでしまうことを更に抑制することができる。
また、本変形例では、保護カバー70に、底面視で(凹部31の深さ方向(Z方向)から見た場合に)閉鎖部30とは重ならない位置に広がる鍔部74が設けられている。図示された例において、保護カバー70に、閉鎖部30から径方向外方に延びる鍔部74が設けられている。これにより、保護カバー70を容器本体11から容易に取り外すことができる。また、鍔部74の少なくとも一部は、重心G1と、閉鎖部30の重心G2とを結ぶ直線L2上に位置している。これにより、凹部31の位置を容易に判断することができる。
(第8の変形例)
図19及び図20は、第8の変形例による液体収容容器10Hを示している。図19及び図20において、凹部31に、閉鎖部30の厚みが所定の厚み以下である領域の位置を示す目印が設けられている。この目印38は、凹部31の挿入面33のうち、閉鎖部30の厚みが所定の厚み以下である領域を取り囲むように、挿入面33から凹部31の外面30a側(Z方向マイナス側)に突出している。この目印38は、底面視で略円環形状を有している。このように、凹部31に、閉鎖部30の厚みが所定の厚み以下である領域の位置を示す目印38が設けられていることにより、使用者が、閉鎖部30の厚みが所定の厚み以下である領域を容易に認識することができる。これにより、注射針45によって閉鎖部30を貫通させる際に、閉鎖部30の厚みが所定の厚み以下である領域に、注射針45を刺しやすくすることができる。このため、注射針45によって閉鎖部30を貫通させやすくすることができる。なお、目印38が位置を示す領域の厚みは、例えば、0.35mm以下であってもよく、0.3mm以下であることが好ましい。また、目印38が、底面視で略円環形状を有している例について説明したが、これに限られない。例えば、図21に示すように、閉鎖部30に複数の目印38が設けられていてもよい。図示された例においては、3つの目印38が閉鎖部30に設けられ、各々の目印38が、挿入面33のうち、閉鎖部30の厚みが所定の厚み以下である領域を取り囲むように、互いに等間隔に配置されている。なお、目印38の個数は2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。
(第9の変形例)
図22は、第9の変形例による液体収容容器10Iを示している。図22において、胴部120の内面121の幅W2は、閉鎖部30に近づくにつれて徐々に狭くなっている。図示された例において、胴部120の内面121は、容器本体11の中心軸線CLに沿った断面において、容器本体11の中心軸線CLに対して傾斜している。本変形例では、胴部120の内面121は、開口部120a側から閉鎖部30側(Z方向マイナス側)に向かうにつれて、互いに近づくように傾斜している。この場合、液体収容容器10Iに収容された液体を取り出す際に、液体収容容器10I内への液残りを抑制することができる。
ところで、一般に、液体が収容された容器から液体を取り出す際には、容器に注射針を刺して液体を吸引することで取り出す方法や、容器を封止する蓋材を取り外して液体を取り出す方法等が存在する。容器に注射針を刺して液体を吸引する場合、図22に示すように、例えば閉鎖部30が下方を向くように液体収容容器10Iを傾け、注射針45を下方から挿入面33に刺すことが一般的である。しかしながら、液体収容容器の形状によっては、胴部120の内面121と閉鎖部30の内面30bとの境界に、液体Lqが溜まり得る隅部122(図22の仮想線(二点鎖線)参照)が形成される場合がある。この場合、当該隅部122に液体が残ってしまい、液体を十分に取り出すことができない場合があることが判明した。このような課題は、液体収容容器10Iに収容される液体が高価な場合や、液体収容容器10Iに収容された液体を全て投与しなければならない場合等に、とりわけ顕著となる。このような課題に対し、本発明者等が検討を重ねた結果、胴部120の内面121の形状を調整することで、液体が残ってしまう隅部122が形成されることを抑制することができ、これにより、上記課題を解決できるという知見を得た。本変形例はこのような知見に基づいてなされたものであり、胴部120の内面121の幅W2が、閉鎖部30に近づくにつれて徐々に狭くなっていることで、上記課題を解決することができる。
(第10の変形例)
図23は、第10の変形例による液体収容容器10Jを示している。図23において、図22と同様に、胴部120の内面121の幅W2は、閉鎖部30に近づくにつれて徐々に狭くなっている。図示された例において、胴部120の内面121は、湾曲している。この場合においても、液体収容容器10Jに収容された液体を取り出す際に、液体収容容器10J内への液残りを抑制することができる。さらに、胴部120の内面121が湾曲していることにより、胴部120の内面121に液体Lqが溜まり得る角部123(図23の仮想線(二点鎖線)参照)が形成されることを抑制することができる。このため、液体収容容器10Jに収容された液体を取り出す際に、液体収容容器10J内への液残りをより効果的に抑制することができる。
(第11の変形例)
図24は、第11の変形例による液体収容容器10Kを示している。図24において、液体収容容器10Kは、容器本体110の胴部120に取り付けられ、開口部120aを塞ぐ袋130と、袋130に取り付けられ、袋130の内部と外部とを連通させる連通部材140とを更に備えている。
このうち連通部材140は、略円筒形状であり、その水平断面(XY平面に平行な平面)は略円形である。また連通部材140の水平断面は上下方向(Z方向)に沿って略均一となっている。この連通部材140には、一端(Z方向プラス側端部)から他端(Z方向マイナス側端部)に至る貫通孔140aが形成されている。なお、連通部材140の水平断面は、円形に限らず、四角形や六角形等の多角形、又は楕円形等としても良い。
連通部材140を構成する材料は、シールすることができる材料であればよい。例えば、連通部材140を構成する材料は、容器本体110を構成する材料と同じ材料を選択することができる。
この液体収容容器10Kは、例えば、生体細胞を収容する細胞培養用バッグや生体細胞を収容し凍結保存するための細胞凍結保存用バッグ、血液や血液成分を収容する血液バッグ、中心静脈等に直接投与するための栄養分を収容するIVHバッグ、点滴用の液体を収容する輸液バッグ、経腸栄養剤を収容するバッグ、及び各種液体を収容する各種バッグとして用いることができる。
次に、図25を参照して、本変形例による液体収容容器10Kを備える液体入り容器40Aについて説明する。図25に示すように、液体入り容器40Aは、上述した液体収容容器10Kと、袋130に収容された液体Lqとを備えている。ここで、液体入り容器40Aにおいて、液体収容容器10Kの連通部材140は封止されている。
このような液体入り容器40Aを作製する場合、まず、貫通孔140aから袋130内に所定量の液体Lqを充填する。次に、連通部材140の一端をヒートシールすることにより連通部材140を封止する。これにより、液体収容容器10Kと、袋130に収容された液体Lqとを備え、連通部材140が封止された、液体入り容器40Aが得られる。
液体入り容器40Aの使用時には、保護カバー70を容器本体110から取り外し、閉鎖部30の凹部31に注射針45を刺して液体Lqを吸引し、袋130内の液体Lqを取り出すことができる。
(第12の変形例)
図26は、第12の変形例による液体収容容器10Lを示している。図26において、連通部材140Aは、袋130に取り付けられた第1チューブ141と、第1チューブ141から分岐する2本の第2チューブ142a、142bとを含んでいる。なお、図26では、連通部材140Aが、第1チューブ141と、第1チューブ141から分岐する2本の第2チューブ142a、142bとを含んでいるが、特にこれに限定されるものではなく、公知の液体取出手段を採用することができる。
2本の第2チューブ142a、142bのうち、一方の第2チューブ142aには、液体Lqの流路を閉鎖するための第1クランプ143が設けられている。また、当該第2チューブ142aの先端には、採液針144が接続されている。
他方の第2チューブ142bには、液体Lqの流路を閉鎖するための第2クランプ145が設けられている。また、第2チューブ142bの先端には、コネクタ146が連結されている。
次に、図27を参照して、本変形例による液体収容容器10Lを備える液体入り容器40Bについて説明する。図27に示すように、液体入り容器40Bは、上述した液体収容容器10Lと、袋130に収容された液体Lqとを備えている。ここで、液体入り容器40Bにおいて、液体収容容器10Lの連通部材140Aは封止されている。具体的には、液体収容容器10Lの連通部材140Aの第1チューブ141がシールされ、第1チューブ141がその途中で切断されている。
このような液体入り容器40Bを作製する場合、まず、袋130内に所定量の液体Lqを充填する。この場合、採液針144またはコネクタ146を用いて、袋130内に液体Lqを充填する。例えば、採液針144を用いて袋130内に液体Lqを充填する場合、まず、例えば、第1クランプ143および第2クランプ145をそれぞれ閉じることによって液体Lqの流路を閉鎖する。そして、液体Lqが収容された図示しないバッグに採液針144を刺して、第1クランプ143を開く。その後、採液針144から液体Lqを吸引することで、袋130内に所定量の液体Lqを充填する。
一方、コネクタ146を用いて袋130内に液体Lqを充填する場合、まず、例えば、第1クランプ143および第2クランプ145をそれぞれ閉じることによって液体Lqの流路を閉鎖する。そして、液体Lqが収容された図示しないシリンジ等をコネクタ146に接続して、第2クランプ145を開く。その後、当該シリンジ等から、コネクタ146を介して、袋130内に所定量の液体Lqを充填する。
その後、開いたクランプ(第1クランプ143または第2クランプ145)を閉じた後に、第1チューブ141をシールする。次に、第1チューブ141をその途中で切断する。これにより、液体収容容器10Lと、袋130に収容された液体Lqとを備え、連通部材140Aが封止された、液体入り容器40Aが得られる。
液体入り容器40Bの使用時には、保護カバー70を容器本体110から取り外し、閉鎖部30の凹部31に注射針45を刺して液体Lqを吸引し、袋130内の液体Lqを取り出すことができる。
(第13の変形例)
図28は、第13の変形例による液体収容容器10Mを示している。図28において、液体収容容器10Mの胴部120は、第1の部分10a側に位置する第1胴部125と、第1胴部125よりも第2の部分10b側に位置する第2胴部126とを含んでいる。そして、第2胴部126の内面126aの幅W3は、第1胴部125から閉鎖部30に近づくにつれて徐々に狭くなっている。これにより、容器本体110の中心軸線CLを含む平面(XZ平面)における断面において、第1胴部125の内面125aと第2胴部126の内面126aとの交点P1近傍において、液体Lqを一時的に溜めることができる。すなわち、液体Lqの残量が少なくなった際に液体Lqを交点P1近傍に一時的に集めることができ、液体Lqを効率よく吸引できるようになる。
本変形例では、中心軸線CLを含む平面における断面において、第2胴部126の内面126aは、後述する注射針RBの形状に合うように、第1胴部125の内面125aに対して傾斜している。これにより、後述するように、液体収容容器10M内への液残りを抑制することができるようになっている。なお、本変形例では、第2胴部126の内面126aは、容器本体110の全周にわたって、第1胴部125の内面125aに対して傾斜している。言い換えれば、第2胴部126の内面126aは、容器本体110の全周にわたって、第1胴部125の内面125aよりも径方向内方に位置している。
また、中心軸線CLを含む平面における断面において、第1胴部125の内面125aと第2胴部126の内面126aとの交点P1を通り、閉鎖部30の内面30bと交差する仮想直線(第1仮想直線)IL1を引いたとき、仮想直線IL1と、第1胴部125の内面125aとがなす角度α1は、168°以上180°未満である。ここで、仮想直線IL1は、第2胴部126の内面126aとは交差せず、かつ、交点P1から閉鎖部30の内面30bまでの長さが最も短くなる直線であってもよい。
また、交点P1から凹部31の挿入面(底面)33までの仮想直線IL1の長さLx1は、32.10mm以下であってもよい。これにより、本変形例による液体収容容器10Mでは、後述するように、ゲージが18(18G)である注射針を使用した場合に、液体収容容器10M内への液残りを抑制することができるようになっている。
ここで、病院では、通常、使用目的によって異なる太さの注射針が用いられている。例えば、採血などに使用される注射針のゲージは、21(21G、針の外径:0.80mm)であり、点滴に使用される注射針のゲージは、20(20G、針の外径:0.90mm)〜23(23G、針の外径:0.60mm)である。また、液体(薬剤)が収容された容器から液体を取り出す際(薬剤吸引の際)には、ゲージが18(18G、針の外径:1.20mm)の注射針が使用され得る。さらに、病院で使用される注射針には、図29に示すように、刃面角β1が12°であるレギュラーベベル(R.B)の注射針(以下、単に注射針RBとも記す)と、図30に示すように、刃面角β2が18°であるショートベベル(S.B)の注射針(以下、単に注射針SBとも記す)とがある。これらの注射針としては、例えば、テルモ株式会社製のテルモ注射針NN−1838R(商品名)やテルモ注射針NN−1838S(商品名)、ニプロ株式会社製のフローマックス18GX1 1/2RBGA(商品名)やフローマックス18GX1 1/2SBGA(商品名)等がある。
ところで、薬剤が細胞製剤の場合、吸引時の細胞へのストレスを抑制することが求められている。ここで、18Gの注射針は、上述した20G等の注射針と比較して、口径が大きい。これにより、細胞製剤である薬剤を18Gの注射針で吸引することにより、吸引時の細胞へのストレスを抑制できる。このため、18Gの注射針は、再生医療等に関する薬剤を吸引する場合に積極的に使用されている。そこで、ゲージが18(18G)である注射針を使用した場合に、容器内への液残りを抑制することができる容器が求められている。本変形例では、ゲージが18(18G)である注射針を使用した場合に、液残りを抑制することができる液体収容容器10Mを提供することができる。
次に、18Gの注射針を使用した場合に、液体収容容器10M内への液残りを抑制できる理由について説明する。なお、以下の説明において、図29に示すように、注射針RBの外径をGrとし、長さをLrとする。このため、注射針RBの先端R1から刃面R2の基端R3までの長さは、Gr/tan(12°)と表すことができ、注射針RBのうち、刃面R2が形成されていない領域の長さは、Lr−(Gr/tan(12°))と表すことができる。また、以下の説明において、図30に示すように、注射針SBの外径をGsとし、長さをLsとする。このため、注射針SBの先端S1から刃面S2の基端S3までの長さは、Gs/tan(18°)と表すことができ、注射針SBのうち、刃面S2が形成されていない領域の長さは、Ls−(Gs/tan(18°))と表すことができる。
まず、上述したように、仮想直線IL1と、第1胴部125の内面125aとがなす角度α1(図28参照)は、168°以上180°未満である。これにより、図31に示すように、注射針RBの基端R3が交点P1に接触し、かつ注射針RBの刃面R2と第1胴部125の内面125aとの間に隙間が形成されることを抑制することができる位置(以下、単に安定位置とも記す)に、注射針RBを配置することができる。この安定位置では、注射針RBの基端R3が交点P1に接触し、かつ注射針RBの刃面R2と第1胴部125の内面125aとの間に隙間が形成されることを抑制されているため、交点P1近傍に集められた液体Lqを効率よく吸引することができる。
ここで、交点P1から凹部31の挿入面33までの仮想直線IL1の長さLx1が長くなり過ぎた場合、注射針RBを安定位置に配置することが困難になる。言い換えれば、仮想直線IL1の長さLx1が所定の長さ以下であれば、注射針RBを最も深く容器本体110(11)内に差し込んだ場合であっても、注射針RBを安定位置に配置することができる。ここで、図32に示すように、注射針RBを最も深く容器本体110(11)内に差し込み、かつ、注射針RBを安定位置に配置したとき、仮想直線IL1の長さLx1は、以下の式(1)で表すことができる。
Lx1=Lr−(Gr/tan(12°))−Gr×tan(12°)・・・式(1)
このため、長さLx1を上記式(1)の値以下にすることにより、注射針RBを安定位置に配置することができ、内容物を効率よく吸引できる。この結果、液体収容容器10M内への液残りを抑制することができる。
ところで、ゲージが18(18G、針の外径(Gr):1.20mm)の注射針RBの場合、針の長さ(Lr)が38mmの注射針が多く使用されている。このため、Grを1.20mmとし、Lrを38mmとして、各数値を式(1)に代入することにより、Lx1=32.10mmという数値を得る。
このため、仮想直線IL1と、第1胴部125の内面125aとがなす角度α1が、168°以上180°未満であり、交点P1から凹部31の挿入面33までの仮想直線IL1の長さLx1が、32.10mm以下であることにより、ゲージが18(18G)である注射針RBを使用した場合に、内容物を効率よく吸引できるようになる。
また、この場合、図32に示すように、ショートベベルの注射針SBを使用した場合であっても、注射針SBの基端S3が交点P1に接触し、かつ注射針SBの刃面S2と第1胴部125の内面125aとの間に隙間が形成されることを抑制することができる位置(以下、単に安定位置とも記す)に、注射針SBを配置することができる。このため、注射針SBを使用した場合であっても、内容物を効率よく吸引できる。
ここで、図32に示すように、注射針SBを安定位置に配置したとき、交点P1から凹部31の挿入面33までの長さのうち、注射針SBの長手方向に沿った長さLx2は、以下の式(2)で表すことができる。
Lx2=Lx1×(cos(12°)/cos(18°))・・・式(2)
すなわち、Lx2は、以下の式(2)’で表すことができる。
Lx2={Lr−(Gr/tan(12°))−Gr×tan(12°)}×(cos(12°)/cos(18°))・・・式(2)’
一方、上述した長さLx2が長くなり過ぎた場合、注射針SBを安定位置に配置することが困難になる。言い換えれば、長さLx2が所定の長さ以下であれば、注射針SBを最も深く容器本体11(110)内に差し込んだ場合であっても、注射針SBを安定位置に配置することができる。ここで、図33に示すように、注射針SBを最も深く容器本体11(110)内に差し込み、かつ、注射針SBを安定位置に配置したとき、長さLx2は、以下の式(3)で表すことができる。
Lx2=Ls−(Gs/tan(18°))−Gs×tan(18°)・・・式(3)
このため、長さLx2を上記式(3)の値以下となるような注射針SBを選択することにより、ショートベベルの注射針SBを用いた場合であっても、注射針SBを安定位置に配置することができ、内容物を効率よく吸引できる。
ところで、ゲージが18(18G、針の外径(Gs):1.20mm)の注射針SBの場合、針の長さ(Ls)が38mmの注射針が多く使用されている。このため、Gsを1.20mmとし、Lsを38mmとして、各数値を式(3)に代入することにより、Lx2=33.92mmという数値を得る。このため、長さLx2が、33.92mm以下であることにより、ゲージが18(18G)である注射針SBを使用した場合に、内容物を効率よく吸引できるようになる。
また、上記式(2)に、Lx1=32.10mmという数値を代入すると、Lx2=33.01mmという数値を得る。すなわち、33.92mm以下のLx2となる。このため、仮想直線IL1と、第1胴部125の内面125aとがなす角度α1が、168°以上180°未満であり、交点P1から凹部31の挿入面33までの仮想直線IL1の長さLx1が、32.10mm以下であることにより、ゲージが18(18G)である注射針RBを使用した場合、およびゲージが18(18G)である注射針SBを使用した場合の両方の場合において、内容物を効率よく吸引できるようになる。
また、本変形例では、仮想直線IL1は、凹部31の挿入面(底面)33に交差することが好ましい。これにより、注射針RBが凹部31と干渉してしまうことを抑制することができる。また、再度図31を参照すると、中心軸線CLを含む平面における断面において、交点P1から第1の部分10a側(図31の左側)に、刃面R2の長さ(すなわち、Gr/sin(β1))分離れた点P11を通り、第1胴部125の内面125aとなす角度α11が180°−β1である仮想直線IL11を引いたとき、仮想直線IL11は、凹部31の開口縁31aに交差することが好ましい。これにより、注射針RBが、凹部31と干渉してしまうことを抑制することができる。この場合、例えば、ゲージが18(18G、針の外径(Gr):1.20mm、刃面角β1:12°)の注射針RBの場合、刃面R2の長さは、5.77mmとなる。このため、点P11は、交点P1から第1の部分10a側に5.77mm離れた点になる。
また、再度図33を参照すると、中心軸線CLを含む平面における断面において、交点P1から第1の部分10a側に、刃面S2の長さ(すなわち、Gs/sin(β2))分離れた点P2を通り、第1胴部125の内面125aとなす角度α2が、180°−β2である仮想直線(第2仮想直線)IL2を引いたとき、仮想直線IL2は、凹部31の開口縁31aに交差することが好ましい。これにより、注射針SBが、凹部31と干渉してしまうことを抑制することができる。この場合、例えば、ゲージが18(18G、針の外径(Gr):1.20mm、刃面角β2:18°)の注射針SBの場合、刃面S2の長さは、3.88mmとなる。このため、点P2は、交点P1から第1の部分10a側(図33の左側)に3.88mm離れた点になる。このように、中心軸線CLを含む平面における断面において、注射針SBが凹部31と干渉しないようにする仮想直線IL2が引ける場合、注射針RBおよび注射針SBのどちらを使用しても、注射針RB、SBが、凹部31と干渉してしまうことを抑制することができる。
以上説明したように、本変形例によれば、容器本体110の中心軸線CLを含む平面における断面において、仮想直線IL1と、第1胴部125の内面125aとがなす角度α1が、168°以上180°未満である。また、交点P1から凹部31の挿入面(底面)33までの仮想直線IL1の長さLx1が、32.10mm以下である。これにより、ゲージが18(18G)である注射針を使用した場合に、液体収容容器10M内への液残りを抑制することができる。
また、本変形例によれば、容器本体110の中心軸線CLを含む平面における断面において、仮想直線IL2が、凹部31の開口縁31aに交差する。これにより、注射針SBが、凹部31と干渉してしまうことを抑制することができる。この場合、注射針RBおよび注射針SBのどちらを使用しても、注射針RB、SBが、凹部31と干渉してしまうことを抑制することができる。
ここで、一例として、病院で使用され得る注射針の各寸法の値を、以下の表1に示す。また、病院で使用され得る注射針の上記式(1)乃至式(3)の値、および刃面S2の長さ(すなわち、Gs/sin(18°))を、以下の表2に示す。
Figure 2021168907
Figure 2021168907
なお、レギュラーベベルの注射針RBを使用することなく、ショートベベルの注射針SBのみを使用する場合、仮想直線IL1と、第1胴部125の内面125aとがなす角度α1(図28参照)は、162°以上180°未満であってもよい。
(第14の変形例)
図34は、第14の変形例による液体収容容器10Nを示している。図34において、中心軸線CLを含む平面における断面において、第1胴部125の内面125aと、第2胴部126の内面126aとがなす角度が、第1胴部125から閉鎖部30に近づくにつれて変化していてもよい。図示された例においては、第2胴部126は、第1領域126bと、第1領域126bよりも第2の部分10b側に位置する第2領域126cとを含んでいる。そして、第2領域126cにおいて、第1胴部125の内面125aと、第2胴部126の内面126aとがなす角度は、第1領域126bにおいて、内面125aと内面126aとがなす角度よりも大きくなっている。この場合においても、液体Lqを効率よく吸引できる。
(第15の変形例)
図35は、第15の変形例による液体収容容器10Oを示している。図35において、中心軸線CLを含む平面における断面において、第2胴部126の内面126aの一部が、第1胴部125の内面125aに対して傾斜していなくてもよい。言い換えれば、第2胴部126の内面126aの一部のみが、第1胴部125の内面125aに対して傾斜していてもよい。この場合においても、液体Lqを効率よく吸引でき、液体収容容器10O内への液残りを抑制することができる。
(第16の変形例)
図36は、第16の変形例による液体収容容器10Pを示している。図36において、閉鎖部30に、胴部120に向けて窪む凹部31が形成されていなくてもよい。この場合、液体収容容器10Pは、第1の部分10aに開口部120aが形成された中空状の胴部120と、胴部120の第2の部分10bに設けられた閉鎖部30とを有する容器本体110とを備えている。また、液体収容容器10Pは、閉鎖部30を覆う保護カバー70を備えていてもよい。
本変形例においては、閉鎖部30に注射針等を刺して液体を吸引することで、液体収容容器10Pに収容された液体Lqを、液体収容容器10Pから吸引することができるようになっていてもよい。この場合、閉鎖部30の厚みT2は、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることが更に好ましい。閉鎖部30の厚みT2が0.5mm以下であることにより、注射針を閉鎖部30に刺すときに、注射針が閉鎖部30の一部を削り取ってしまう、いわゆるコアリングの発生を抑制することができる。
本変形例においても、液体Lqを効率よく吸引でき、液体収容容器10P内への液残りを抑制することができる。なお、この場合、仮想直線IL11(図31参照)が、閉鎖部30の内面30bと交差することにより、注射針RBが、胴部120の第2胴部126と干渉してしまうことを抑制することができる。また、仮想直線IL2が、閉鎖部30の内面30bと交差することにより、注射針SBが、胴部120の第2胴部126と干渉してしまうことを抑制することができる。
(第17の変形例)
図37は、第17の変形例による液体収容容器10Qを示している。図37において、閉鎖部30の一部に薄肉部311が設けられていてもよい。この場合、液体収容容器10Qは、第1の部分10aに開口部120aが形成された中空状の胴部120と、胴部120の第2の部分10bに設けられた閉鎖部30とを有する容器本体110とを備えている。そして、閉鎖部30の一部に薄肉部311が設けられている。また、液体収容容器10Qは、閉鎖部30を覆う保護カバー70を備えていてもよい。
本変形例においては、薄肉部311に注射針等を刺して液体を吸引することで、液体収容容器10Qに収容された液体Lqを、液体収容容器10Qから吸引することができるようになっていてもよい。この薄肉部311の厚みT3は、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることが更に好ましい。薄肉部311の厚みT3が0.5mm以下であることにより、注射針を薄肉部311に刺すときに、注射針が薄肉部311の一部を削り取ってしまう、いわゆるコアリングの発生を抑制することができる。
本変形例においては、仮想直線(第1仮想直線)IL1は、交点P1を通り、閉鎖部30の外面30aのうち、閉鎖部30の厚み方向(Z方向)から見た場合に、閉鎖部30の薄肉部311と重なる部分と交差するように引くことができる。また、この場合、仮想直線IL1は、中心軸線CLを含む平面における断面において、交点P1と薄肉部311の内面311aとの間において、第2胴部126の内面126aおよび閉鎖部30の内面30bのいずれとも交差せず、かつ、交点P1から薄肉部311の内面311aまでの長さが最も短くなる直線であってもよい。さらに、この場合、仮想直線IL1の長さLx1は、交点P1から閉鎖部30の外面30aまでの距離であってもよく、32.10mm以下であってもよい。
本変形例においても、液体Lqを効率よく吸引でき、液体収容容器10Q内への液残りを抑制することができる。なお、この場合、仮想直線IL11(図31参照)が、薄肉部311の内面311aと交差することにより、注射針RBが、胴部120の第2胴部126および閉鎖部30と干渉してしまうことを抑制することができる。また、仮想直線IL2が、薄肉部311の内面311aと交差することにより、注射針SBが、胴部120の第2胴部126および閉鎖部30と干渉してしまうことを抑制することができる。
(第18の変形例)
図38は、第18の変形例による液体入り容器40Cを示している。図38において、液体入り容器40Cの容器本体11(開口部120aが封止された容器本体110)は、上述した液体入り容器40と同様に、筒状の胴部(筒状部)12と、一端に形成された密封部20と、胴部12と密封部20との間に連続的に形成されたつなぎ部13と、他端に設けられた閉鎖部30とを有している。そして、つなぎ部13の幅は、胴部12から密封部20に近づくにつれて徐々に広くなっている。
本変形例では、容器本体11の中心軸線(すなわち、容器本体110の中心軸線CL)を含む平面における断面において、凹部31の挿入面(底面)33および密封部20の内縁20aとそれぞれ交差する仮想直線(第3仮想直線)IL3を引いたとき、凹部31の挿入面33から密封部20の内縁20aまでの仮想直線IL3の長さLx3は、38mm以下であってもよい。ここで、仮想直線IL3は、胴部12の内面12aおよびつなぎ部13の内面13aのいずれとも交差しない直線である。
本変形例によれば、液体入り容器40Cに収容された液体Lqを取り出す際に、液体入り容器40C内への液残りを抑制することができる。すなわち、液体Lqの残量が少なくなった際に、注射針が届く位置に液体Lqを集めることができる。言い換えれば、液体Lqの残量が少なくなった際に、つなぎ部13の内面13aと密封部20の内縁20aとの境界の隅部15に、液体Lqが残ってしまった場合であっても、ゲージが18(18G、針の外径:1.20mm)の注射針を隅部15近傍まで差し込むことができる。これにより、液体Lqの残量が少なくなった場合であっても、液体Lqを効率よく吸引できる。このため、液体入り容器40C内への液残りを抑制することができる。
(第19の変形例)
図39は、第19の変形例による液体入り容器40Dを示している。図39において、閉鎖部30に、胴部120に向けて窪む凹部31が形成されていなくてもよい。この場合、液体入り容器40Dは、液体収容容器10Rと、液体収容容器10Rに収容された液体Lqとを備えている。液体収容容器10Rは、第1の部分10aに開口部120aが形成された中空状の胴部120と、胴部120の第2の部分10bに設けられた閉鎖部30とを有する容器本体110とを備えている。
本変形例においては、閉鎖部30に注射針等を刺して液体を吸引することで、液体入り容器40Eから液体Lqを吸引することができるようになっていてもよい。この場合においても、閉鎖部30の厚みT2は、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることが更に好ましい。閉鎖部30の厚みT2が0.5mm以下であることにより、注射針を閉鎖部30に刺すときに、注射針が閉鎖部30の一部を削り取ってしまう、いわゆるコアリングの発生を抑制することができる。
また、本変形例においては、仮想直線(第3仮想直線)IL3は、容器本体11の中心軸線(すなわち、容器本体110の中心軸線CL)を含む平面における断面において、閉鎖部30の外面30aのうち、閉鎖部30の厚み方向(Z方向)から見た場合に、閉鎖部30の内面30bと重なる部分および密封部20の内縁20aとそれぞれ交差するように引くことができる。また、この場合、仮想直線IL3の長さLx3は、閉鎖部30の外面30aから密封部20の内縁20aまでの距離であってもよく、38mm以下であってもよい。
本変形例においても、液体Lqを効率よく吸引でき、液体入り容器40E内への液残りを抑制することができる。
(第20の変形例)
図40は、第20の変形例による液体入り容器40Eを示している。図40において、閉鎖部30の一部に薄肉部311が設けられていてもよい。この場合、液体入り容器40Eは、液体収容容器10Sと、液体収容容器10Sに収容された液体Lqとを備えている。液体収容容器10Sは、第1の部分10aに開口部120aが形成された中空状の胴部120と、胴部120の第2の部分10bに設けられた閉鎖部30とを有する容器本体110とを備えている。
本変形例においては、この薄肉部311に注射針等を刺して液体を吸引することで、液体入り容器40Fから液体Lqを吸引することができるようになっていてもよい。この場合においても、薄肉部311の厚みT3は、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることが更に好ましい。薄肉部311の厚みT3が0.5mm以下であることにより、注射針を薄肉部311に刺すときに、注射針が薄肉部311の一部を削り取ってしまう、いわゆるコアリングの発生を抑制することができる。
本変形例においては、仮想直線(第3仮想直線)IL3は、容器本体11の中心軸線(すなわち、容器本体110の中心軸線CL)を含む平面における断面において、閉鎖部30の外面30aのうち、閉鎖部30の厚み方向(Z方向)から見た場合に、薄肉部311と重なる部分および密封部20の内縁20aとそれぞれ交差するように引くことができる。また、この場合、仮想直線IL3の長さLx3は、閉鎖部30の外面30aから密封部20の内縁20aまでの距離であってもよく、38mm以下であってもよい。さらに、この場合、仮想直線IL3は、閉鎖部30の内面30b、胴部12の内面12aおよびつなぎ部13の内面13aのいずれとも交差しない直線であってもよい。
本変形例においても、液体Lqを効率よく吸引でき、液体入り容器40E内への液残りを抑制することができる。
(第21の変形例)
図41乃至図44は、第21の変形例による液体入り容器40Fを示している。図41において、液体入り容器40Fは、容器本体11Aと、容器本体11Aに収容された液体Lqとを備えている。
容器本体11Aは、筒状の胴部12Aと、胴部12Aの一端(Z方向マイナス側端部、第1の部分)10cに設けられた底部15Aと、胴部12Aの他端(Z方向プラス側端部、第2の部分)10dに設けられた肩部16Aと、薄肉部17Aを介して肩部16Aに連結された栓部18Aとを有している。
このうち胴部12Aは、略円筒形状であり、その水平断面(XY平面に平行な平面)は略円形である。また胴部12Aの水平断面は上下方向(Z方向)に沿って略均一となっている。胴部12Aの水平断面は、円形に限らず、四角形や六角形等の多角形、又は楕円形等としても良い。
底部15Aは、底面視略円形状を有している。しかしながら、これに限らず、閉鎖部30は、底面視で四角形や六角形等の多角形、又は円形等としても良い。
肩部16Aは、その水平断面(XY平面に平行な平面)は略円形であり、胴部12Aの胴部12Aから栓部18Aに向けて徐々に変化している。図示された例においては、肩部16Aは、胴部12Aから栓部18Aに向けて徐々に径が縮小する形状を有している。上述したように、肩部16Aには、薄肉部17Aを介して栓部18Aが連結されている。
薄肉部17Aは、径方向外方から薄肉化されている。この薄肉部17Aは、肩部16Aと栓部18Aとの間において、全周にわたり形成されている。これにより、薄肉部17Aが、容易に破断するように構成されている。この薄肉部17Aは、破断のきっかけとなる破断予定部17aを含んでいる。この破断予定部17aは、薄肉部17Aのうち最も肉厚が薄くなっている部分である。
栓部18Aは、上述したように薄肉部17Aを介して肩部16Aに連結されている。この栓部18Aは、薄肉部は17Aに連結された筒部18aと、正面視で(Y方向から見た場合に)筒部18aを取り囲むように設けられた板状の操作部18bとを含んでいる。
ここで、図42に示すように、容器本体11Aの肩部16Aの内面16bの幅W4は、胴部12Aから栓部18Aに近づくにつれて徐々に狭くなっている。これにより、容器本体11Aの中心軸線CLAを含む平面における断面において、胴部12Aの内面12bと肩部16Aの内面16bとの交点P3近傍において、液体Lqを一時的に溜めることができる。すなわち、液体Lqの残量が少なくなった際に液体Lqを交点P3近傍に一時的に集めることができ、液体Lqを効率よく吸引できるようになる。なお、中心軸線CLAは、Z方向に延びる直線であって、Z方向から見た場合に底部15Aが外縁を構成する平面図形の重心を通る線である。
本変形例では、中心軸線CLAを含む平面における断面において、肩部16Aの内面16bは、注射針RBの形状に合うように、胴部12Aの内面12bに対して傾斜している。これにより、容器本体11A内への液残りを抑制することができるようになっている。
また、中心軸線CLAを含む平面における断面において、胴部12Aの内面12bと肩部16Aの内面16bとの交点P3を通り、薄肉部17Aの破断予定部17a同士を結ぶ直線17cと交差する仮想直線(第4仮想直線)IL4を引いたとき、仮想直線IL4と、胴部12Aの内面12bとがなす角度α4は、168°以上180°未満である。ここで、仮想直線IL4は、肩部16Aの内面16bとは交差せず、かつ、交点P3から破断予定部17a同士を結ぶ直線17cまでの長さが最も短くなる直線であってもよい。
また、交点P3から破断予定部17a同士を結ぶ直線17cまでの仮想直線IL4の長さLx4は、32.10mm以下であってもよい。これにより、本変形例による液体入り容器40Fでは、ゲージが18(18G)である注射針を使用した場合に、液体入り容器40F内への液残りを抑制することができるようになっている。なお、18Gの注射針を使用した場合に、液体入り容器40F内への液残りを抑制できる理由については、第13変形例において説明した理由と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ここで、中心軸線CLAを含む平面における断面において、交点P3から第1の部分10c側に、刃面R2(図29参照)の長さ(すなわち、Gr/sin(β1))分離れた点P31を通り、胴部12Aの内面12bとなす角度α41が180°−β1である仮想直線IL41を引いたとき、仮想直線IL41は、破断予定部17a同士を結ぶ直線17cに交差することが好ましい。これにより、注射針RBが、肩部16Aと干渉してしまうことを抑制することができる。この場合、例えば、ゲージが18(18G、針の外径(Gr):1.20mm、刃面角β1:12°)の注射針RBの場合、刃面R2の長さは、5.77mmとなる。このため、点P31は、交点P3から第1の部分10c側に5.77mm離れた点になる。
また、中心軸線CLAを含む平面における断面において、交点P3から第1の部分10c側に、刃面S2(図30参照)の長さ(すなわち、Gs/sin(β2))分離れた点P32を通り、胴部12Aの内面12bとなす角度α42が、180°−β2である仮想直線IL42を引いたとき、仮想直線IL42は、破断予定部17a同士を結ぶ直線17cに交差することが好ましい。これにより、注射針SBが、肩部16Aと干渉してしまうことを抑制することができる。この場合、例えば、ゲージが18(18G、針の外径(Gr):1.20mm、刃面角β2:18°)の注射針SBの場合、刃面S2の長さは、3.88mmとなる。このため、点P32は、交点P3から第1の部分10c側に3.88mm離れた点になる。このように、中心軸線CLAを含む平面における断面において、注射針SBが肩部16Aと干渉しないようにする仮想直線IL42が引ける場合、注射針RBおよび注射針SBのどちらを使用しても、注射針RB、SBが、肩部16Aと干渉してしまうことを抑制することができる。
本変形例では、図43に示すように、中心軸線CLAを含む平面における断面において、破断予定部17a同士を結ぶ直線17cおよび底部15Aの内面15aとそれぞれ交差する仮想直線(第5仮想直線)IL5を引いたとき、破断予定部17a同士を結ぶ直線17cから底部15Aの内面15aまでの仮想直線IL5の長さLx5は、38mm以下であってもよい。ここで、仮想直線IL5は、胴部12Aの内面12bおよび肩部16Aの内面16bのいずれとも交差しない直線である。このように、破断予定部17a同士を結ぶ直線17cから底部15Aの内面15aまでの仮想直線IL5の長さLx5が38mm以下であることにより、液体Lqの残量が少なくなった際に、注射針が届く位置に液体Lqを集めることができる。言い換えれば、液体Lqの残量が少なくなった際に、胴部12の内面12bと底部15Aの内面15aとの境界の隅部19に、液体Lqが残ってしまった場合であっても、ゲージが18(18G、針の外径:1.20mm)の注射針を隅部19近傍まで差し込むことができる。
本変形例による液体入り容器40Fの使用時には、例えば、操作部18bを摘まんで、栓部18Aを肩部16Aに対して捻る。これにより、薄肉部17Aが破断し、図44に示すように、破断予定部17a同士を結ぶ直線17c上に開口部17bが形成される。
以上説明したように、本変形例によれば、容器本体11Aの中心軸線CLAを含む平面における断面において、仮想直線IL4と、胴部12Aの内面12bとがなす角度α4が、168°以上180°未満である。また、交点P3から破断予定部17a同士を結ぶ直線17cまでの仮想直線IL4の長さLx4が、32.10mm以下である。これにより、ゲージが18(18G)である注射針を使用した場合に、液体入り容器40F内への液残りを抑制することができる。
また、本変形例によれば、容器本体11Aの中心軸線CLAを含む平面における断面において、仮想直線IL42が、破断予定部17a同士を結ぶ直線17cに交差する。これにより、注射針SBが、肩部16Aと干渉してしまうことを抑制することができる。この場合、注射針RBおよび注射針SBのどちらを使用しても、注射針RB、SBが、肩部16Aと干渉してしまうことを抑制することができる。
さらに、本変形例によれば、破断予定部17a同士を結ぶ直線17cから底部15Aの内面15aまでの仮想直線IL5の長さLx5が38mm以下である。これにより、液体Lqの残量が少なくなった際に、胴部12の内面12bと底部15Aの内面15aとの境界の隅部19に、液体Lqが残ってしまった場合であっても、ゲージが18(18G、針の外径:1.20mm)の注射針を隅部19近傍まで差し込むことができる。このため、液体Lqの残量が少なくなった場合であっても、液体Lqを効率よく吸引できる。この結果、液体入り容器40F内への液残りを抑制することができる。
なお、上述した各変形例では、18Gの注射針を使用した場合の例について説明したが、これに限られない。例えば、表1および表2に示す各例の寸法および上記式(1)乃至式(3)の値に基づいて、仮想直線IL1乃至IL5等の角度や長さを設定してもよい。
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
容器本体(ポリエチレン製)の一端を開口部とし、他端を閉鎖部とし、図1乃至図4に示す液体収容容器(実施例)を作製した。このとき、中心点CPにおける凹部の深さDは0.4mmであり、幅W1は、5.0mmであった。
また、この際、イージーピール性を発現する保護カバーを閉鎖部に取り付けて、凹部を保護カバーによって覆った。次に、凹部の内部と外部とを連通させるリーク部を保護カバーに意図的に形成した。
(凍結試験)
得られた液体収容容器を液体窒素に液体窒素に浸漬し、液体収容容器を凍結させた。このとき、凍結した保護カバーの形状について評価した。具体的には、以下のように評価した。この結果を表3に示す。
○:凹部から突出するように変形していた
×:挿入面に向かって凹むように変形していた
(実施例2)
中心点CPにおける凹部の深さDが0.5mmであったこと、以外は、実施例1と同様に、液体収容容器を作製した。そして、実施例1と同様にして、凍結試験を行った。
(実施例3)
図11に示す液体収容容器を作製したこと、段差部の深さdが0.8mmであり、幅W1が10mmであり、中心点CPにおける凹部の深さDが2.0mmであったこと、以外は、実施例1と同様に、液体収容容器を作製した。そして、実施例1と同様にして、凍結試験を行った。
(実施例4)
図11に示す液体収容容器を作製したこと、段差部の深さdが0.5mmであり、幅W1が6.8mmであり、中心点CPにおける凹部の深さDが0.88mmであったこと、以外は、実施例1と同様に、液体収容容器を作製した。そして、実施例1と同様にして、凍結試験を行った。
(実施例5)
図11に示す液体収容容器を作製したこと、段差部の深さdが1.0mmであり、幅W1が6.8mmであり、中心点CPにおける凹部の深さDが1.38mmであったこと、以外は、実施例1と同様に、液体収容容器を作製した。そして、実施例1と同様にして、凍結試験を行った。
(比較例1)
中心点CPにおける凹部の深さDが0.6mmであったこと、以外は、実施例1と同様に、液体収容容器を作製した。そして、実施例1と同様にして、凍結試験を行った。
(比較例2)
中心点CPにおける凹部の深さDが1.0mmであったこと、以外は、実施例1と同様に、液体収容容器を作製した。そして、実施例1と同様にして、凍結試験を行った。
(比較例3)
中心点CPにおける凹部の深さDが2.0mmであったこと、以外は、実施例1と同様に、液体収容容器を作製した。そして、実施例1と同様にして、凍結試験を行った。
(比較例4)
図11に示す液体収容容器を作製したこと、段差部の深さdが1.4mmであり、幅W1が6.8mmであり、中心点CPにおける凹部の深さDが1.78mmであったこと、以外は、実施例1と同様に、液体収容容器を作製した。そして、実施例1と同様にして、凍結試験を行った。
以上の結果を表3に示す。
Figure 2021168907
この結果、幅W1に対する深さDの比(D/W1)が0.12以上である比較例1乃至比較例3の液体収容容器では、保護カバーが挿入面に向かって凹むように変形していた。すなわち、保護カバーに凹部の内部と外部とを連通させるリーク部を意図的に形成した場合であっても、保護カバーによって凹部の挿入面の衛生性が保たれている場合と同じように、保護カバーが挿入面に向かって凹むように変形していた。このため、液体収容容器の衛生性を目視で判断することができなかった。
一方、幅W1に対する深さDの比(D/W1)が0.1以下である実施例1および実施例2の液体収容容器では、保護カバーが凹部から突出するように変形していた。
また、段差部の深さdが1.2mmよりも大きい1.4mmである比較例4の液体収容容器では、保護カバーが挿入面に向かって凹むように変形していた。すなわち、保護カバーに凹部の内部と外部とを連通させるリーク部を意図的に形成した場合であっても、保護カバーによって凹部の挿入面の衛生性が保たれている場合と同じように、保護カバーが挿入面に向かって凹むように変形していた。このため、液体収容容器の衛生性を目視で判断することができなかった。
一方、段差部の深さdが1.2mm以下である実施例3乃至実施例5の液体収容容器では、保護カバーが凹部から突出するように変形していた。
このように、実施例1乃至実施例5による液体収容容器では、比較例1乃至比較例4による液体収容容器と比べて、凹部の内部と外部とを連通させるリーク部が形成された保護カバーを凹部から突出するように変形させることができた。このため、液体収容容器に収容された液体を取り出す際に、液体収容容器の衛生性を目視で判断することができることが分かった。
上記実施の形態及び各変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 液体収容容器
10a 第1の部分
10b 第2の部分
11 容器本体
12 胴部
13 つなぎ部
20 密封部
20a 内縁
30 閉鎖部
30a 外面
30b 内面
31 凹部
31a 開口縁
32 側面
33 挿入面
34 開口
38 目印
40 液体入り容器
45 注射針
70 保護カバー
74 鍔部
110 容器本体
120a 開口部
120 胴部
121 内面
125 第1胴部
125a 内面
126 第2胴部
126a 内面
130 袋
140 連通部材

Claims (16)

  1. 液体収容容器であって、
    第1の部分に開口部が形成された中空状の胴部と、前記胴部の第2の部分に設けられ、前記胴部に向けて窪む凹部が形成された閉鎖部とを有する容器本体と、
    前記閉鎖部の前記凹部を覆う保護カバーと、を備え、
    前記凹部の深さ方向から見た場合に前記凹部を画定する開口縁間を結ぶ直線であって、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記開口縁が外縁を構成する平面図形の重心を通る直線のうち、最も長さが短い直線の長さを前記凹部の幅Wとし、
    当該直線の中心点における前記凹部の深さをDとした場合に、
    Wに対するDの比が、0より大きく、0.1以下である、液体収容容器。
  2. 液体収容容器であって、
    第1の部分に開口部が形成された中空状の胴部と、前記胴部の第2の部分に設けられ、前記胴部に向けて窪む凹部が形成された閉鎖部とを有する容器本体と、
    前記閉鎖部の前記凹部を覆う保護カバーと、を備え、
    前記凹部の側面に段差部が形成され、
    前記段差部の深さは、前記凹部の他の部分の深さよりも浅く、
    前記段差部の深さは、1.2mm以下である、液体収容容器。
  3. 前記閉鎖部は、前記胴部と一体に形成されている、請求項1または2に記載の液体収容容器。
  4. 前記凹部の深さが、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記凹部を画定する開口縁が外縁を構成する平面図形の重心に近づくにつれて、徐々に深くなっているか、あるいは前記重心に近づくにつれて、段階的に深くなっている部分を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体収容容器。
  5. 前記凹部の深さ方向から見た場合に前記凹部を画定する開口縁が外縁を構成する平面図形の重心は、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記閉鎖部の輪郭が外縁を構成する平面図形の重心に重ならない位置に設けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体収容容器。
  6. 前記保護カバーに、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記閉鎖部とは重ならない位置に広がる鍔部が設けられ、前記鍔部の少なくとも一部は、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記凹部を画定する開口縁が外縁を構成する平面図形の重心と、前記凹部の深さ方向から見た場合に前記閉鎖部の輪郭が外縁を構成する平面図形の重心とを結ぶ直線上に位置する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体収容容器。
  7. 前記凹部に、前記閉鎖部の厚みが所定の厚み以下である領域の位置を示す目印が設けられている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体収容容器。
  8. 前記胴部の内面の幅は、前記閉鎖部に近づくにつれて徐々に狭くなっている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体収容容器。
  9. 前記胴部は、前記第1の部分側に位置する第1胴部と、前記第1胴部よりも前記第2の部分側に位置する第2胴部とを含み、
    前記第2胴部の内面の幅は、前記第1胴部から前記閉鎖部に近づくにつれて徐々に狭くなっており、
    前記容器本体の中心軸線を含む平面における断面において、前記第1胴部の内面と前記第2胴部の内面との交点を通り、前記閉鎖部の内面と交差する第1仮想直線であって、前記第2胴部の内面とは交差せず、かつ、前記交点から前記閉鎖部の内面までの長さが最も短くなる第1仮想直線を引いたとき、前記第1仮想直線と、前記第1胴部の内面とがなす角度は、168°以上180°未満であり、
    前記断面において、前記第1仮想直線は、前記凹部の底面に交差し、
    前記交点から前記凹部の底面までの前記第1仮想直線の長さは、32.10mm以下である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体収容容器。
  10. 前記断面において、前記交点から前記第1の部分側に3.88mm離れた点を通り、前記第1胴部の内面となす角度が、162°である第2仮想直線を引いたとき、前記第2仮想直線は、前記凹部の開口縁に交差する、請求項9に記載の液体収容容器。
  11. 前記容器本体の前記胴部に取り付けられ、前記開口部を塞ぐ袋と、
    前記袋に取り付けられ、前記袋の内部と外部とを連通させる連通部材とを更に備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液体収容容器。
  12. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液体収容容器と、
    前記液体収容容器に収容された液体と、を備え、
    前記開口部が封止された、液体入り容器。
  13. 前記開口部が封止された前記容器本体は、筒状部と、前記第1の部分に形成された密封部と、前記筒状部と前記密封部との間に連続的に形成されたつなぎ部と、前記第2の部分に設けられた前記閉鎖部とを有し、
    前記つなぎ部の幅は、前記筒状部から前記密封部に近づくにつれて徐々に広くなっており、
    前記容器本体の中心軸線を含む平面における断面において、前記凹部の底面および前記密封部の内縁とそれぞれ交差する第3仮想直線であって、前記筒状部の内面および前記つなぎ部の内面のいずれとも交差しない第3仮想直線を引いたとき、前記凹部の底面から前記密封部の内縁までの前記第3仮想直線の長さは、38mm以下である、請求項12に記載の液体入り容器。
  14. 請求項11に記載の液体収容容器と、
    前記袋に収容された液体と、を備え、
    前記連通部材が封止された、液体入り容器。
  15. 請求項12乃至14のいずれか一項に記載の液体入り容器を準備する工程と、
    前記容器本体に、内部と連通する開口を形成する工程と、
    前記開口から前記容器本体内の液体を取り出す工程と、を含む、所定量の薬液を製造する方法。
  16. 前記開口は注射針によって形成され、前記注射針によって前記開口から前記容器本体内の液体を取り出す、請求項15に記載の所定量の薬液を製造する方法。
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