JP2021168659A - 次世代ゲノムウォーキングのための方法ならびに関連する組成物およびキット - Google Patents

次世代ゲノムウォーキングのための方法ならびに関連する組成物およびキット Download PDF

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Abstract

【課題】次世代シークエンシングアプローチによって希少及び/又は未知のDNA配列を同定する方法およびキットを提供する。【解決手段】単離された二本鎖(ds)DNA、一本鎖(ss)DNA、又は、ds/ssDNAは断片化され、該断片は、必要に応じて、平滑化、リン酸化、及び、テール付加をされる。断片化は、酵素的又は機械的でもよい。ユニバーサルアダプター配列を各フラグメントに連結させ、ここで、該アダプターは、5’リン酸を含まないトップ鎖、−OHの代わりに−Hを有する3’、及び/又は、平滑化断片に付加された塩基に相補的な3’の余分な塩基を有し得る。該連結体は、アダプター配列に相補的なフォワードプライマー及び該フラグメント配列に標的化されたリバースプライマーを用いる増幅のための鋳型として用いられる。これらの方法によって製造された組成物およびこれらの方法を実施するために適合されたキットも提供する。【選択図】なし

Description

分野
本発明は、核酸の配列決定のための方法およびキットを開示しており、より具体的には、次世代シークエンシングのための方法およびキットを開示している。本明細書に記載の方法によって作製された組成物もまた開示される。
背景
このセクションは、必ずしも先行技術ではない本発明に関連する背景情報を提供する。
ゲノムウォーキングは、近くの配列の知識に基づいて、未知の特定のDNA配列を同定し、増幅する有用な方法である。例えば、Arnold & Hodgson (1991) PCR Methods & Apps. 1:39-42を参照のこと。
Xu et al. (2013) Sci. Reports 3:3465は、ゲノムウォーキングの基本的な技術は、ゲノム断片化、次いで断片の半ネスト化(semi-nested)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を可能にするために5’アダプターを用いてその断片をキャッピングすることを含むように、これらの技術を改変することにより、より特異的な、高効率の、再利用可能なものとされ得ることを記載している。
次世代シークエンシングは、より多くの配列プールから稀な変異を同定することができる。Schmitt et al. (2012) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 109:14508-13。
次世代シークエンシングアプローチを用いるとき、出発鋳型(テンプレート)に存在していた変異と、複製プロセス中に不完全なコピーによって導入される突然変異とを識別することができるように、いくつかの種類のインデックススキームを用いる必要がある。Fu et al. (2014) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 111:1891-96。例えば、出発鋳型材料をバーコード化することによって、どの低頻度変異が元のサンプルに存在し、どの変異が増幅プロセス中にコピーエラーとして導入されたかを決定することが可能である。
概要
このセクションは、本発明の概要を提供するが、その全範囲またはその特徴の全ての包括的な開示ではない。
一般的に言えば、本明細書に記載の方法およびキットは、所定の数のヌクレオチドを配列決定するのに必要なプライマーの総数を減らし、所定の反応においてより多数の配列を分析することを可能にし、そうしてより詳細な配列特異性の決定を可能にする。言い換えれば、本明細書に記載の方法およびキットは、従来技術の配列決定方法およびツールで可能であったよりも精密な解析度で、関連配列のより大きな集団における低頻度配列を検出するため用いることができる。これらの方法およびキットは、本明細書に記載の組成物を作製するために使用することができる。
一態様において、本発明は、天然配列およびユニバーサルアダプター配列をそれぞれ含む複数のポリヌクレオチドを含む組成物を提供する。該天然配列は、目的の配列および天然配列プライミングドメインを含み、該ユニバーサルアダプター配列は、5’から3’の順に、アダプタープライミングドメイン、および所望により1〜20個のヌクレオチドからなるバーコードドメインを含み、ここで、該ユニバーサルアダプター配列は、目的の配列の5’末端から一定距離離れた位置にある。
別の態様において、目的の配列をコピーする方法を提供する。該方法は、それぞれが天然配列およびユニバーサルアダプター配列を少なくとも一方の末端に含む複数の鋳型ポリヌクレオチドを増幅することを含み、ここで、該天然配列は、目的の配列ならびに5’から3’の順に、アダプタープライミングドメイン、および所望により1〜20個のヌクレオチドからなるバーコードドメインを含むユニバーサルアダプター配列を含み、該ユニバーサルアダプター配列は、ユニバーサルアダプター配列と目的の配列との間のヌクレオチド配列が、所定の鋳型およびその子孫アンプリコンに固有の識別配列を規定するように、目的の配列の5’末端から一定距離離れた位置にあり、ここで増幅は、ユニバーサルアダプター配列のアダプタープライミングドメインの少なくとも10bpと同一であるユニバーサルプライマーと、目的の配列の下流の天然配列の領域に相補的な第1のリバースプライマーとを含む、プライマー対を用いて開始される。
さらに別の態様において、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、および複数のユニバーサルアダプターポリヌクレオチドを含むキットを提供し、ここで、各ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドは、3’末端を伸長不能にするためにリバース鎖上に3’修飾を含み、および各ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドは、すべてのユニバーサルアダプターポリヌクレオチドに共通のプライミング配列、および所望により1〜20個のヌクレオチドからなるバーコードドメインを含む。
図面の簡単な説明
本明細書に添付の図面は、選択された態様の説明のみを目的とするものであり、すべての可能な実施形態ではなく、本発明の範囲を限定することを意図しない。
図1は、本明細書に記載の方法における使用のための、ユニバーサルアダプター配列および2つのプライマーの構造を例示する。 図2は、3’から5’一本鎖特異的エキソヌクレアーゼでの消化による増幅に先立って、未結合の過剰なユニバーサルアダプター配列を系から除去することができる機構を示す。図中、“T”はチミジンを示す。このヌクレアーゼ処理工程は、過剰のユニバーサルアダプター分子を系外に除く必要性を除去する。 図3は、本明細書に記載の一方法例のワークフローを示す。 図4は、目的の配列と共にバーコードドメインが、固有の識別配列を規定する原理を図示する。 図5は、以下の表2に記載のユニバーサルアダプターとのライゲーション後のdCT値を示す。 図6は、固有のアンプリコン成分の一態様を示す。 図7は、連結されたアダプター配列(+/−リガーゼ)を有するか、または有さない、示された遺伝子標的のCt値を示す。
定義
用語“バーコードドメイン”または“バーコード配列”は、天然配列または鋳型ポリヌクレオチドには存在せず、分子識別に使用される固有の配列を意味する。
本明細書で用いる用語“識別配列”は、ポリヌクレオチドの上流末端におけるユニバーサルアダプター配列と目的の配列との間の配列を意味する。ユニバーサルアダプター配列がバーコードドメインを含む態様では、識別配列もバーコードドメインを含み、従って、“バーコード識別配列”と称され得る。バーコードドメインを含み得る識別配列は、分子識別を提供する。
“プライミングドメイン”または“プライミング配列”は、遊離3’末端に相補的なヌクレオチドが付加され得るヌクレオチド配列を意味する。
本明細書で用いる用語“目的の配列”は、所定の配列決定法において分析および/または試験される配列を意味する。任意の配列は、目的の配列を定義する、または含むことができる。目的の配列の非限定的な例には、一塩基多型(SNP)、挿入または欠失変異(INDEL)、多重タンデムリピート(MTR)、多核多型、リボソームRNA配列、ホメオボックスドメイン配列、tRNA配列、または他のものが含まれる。目的の配列は、単一塩基または塩基配列であり得る。目的の配列が2以上の塩基を含むとき、バーコードドメインと目的の配列との間の距離は、全ての識別配列について同じ方法で測定される限り、目的の配列内の任意の塩基から測定され得る。
用語“上流”および“下流”は、二本鎖(ds)DNA分子のフォワード鎖に対する相対的な位置を意味する。“上流”配列は、フォワード鎖の3’末端に近い(従って、リバース鎖の5’末端にも近い)“下流”配列よりも、フォワード鎖の5’末端に近い位置(従って、リバース鎖の3’末端に近い位置)に見出される。
本明細書で用いる用語“ユニバーサルアダプター”は、プライミングドメインを含むポリヌクレオチドを意味し、ここで、該プライミングドメインは、所定の反応において多くのまたは全てのユニバーサルアダプター分子に共通である。特定の態様において、ユニバーサルアダプターはまた、異なるユニバーサルアダプター分子間で変化し得るバーコードドメインを含み得る。
本明細書で用いる用語“相補的”または“相補性”は、特異的な水素結合による塩基対形成による二本鎖核酸の形成を意味する。塩基対形成は、標準的なワトソン−クリック塩基対形成であり得る(例えば、TとAが対形成し、GとCが対形成する)。塩基対形成はまた、フーグスティーン型または逆フーグスティーン型水素結合であり得る。2つの核酸間の相補性は部分的であってよく、一部の塩基対のみが完全に一致する相補性を有する場合には、パーセンテージで表される(例えば、約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%など)。相補性はまた、2つの核酸の全ての塩基対が完全に一致していれば(すなわち、%A=%T、%G=%Cならば)、完全一致であり得る(すなわち、100%)。
縮重配列は、少なくとも1つの縮重ヌクレオチドを含む。縮重ヌクレオチドは、構造的に異なるヌクレオチドと同じ機能を果たし得るか、または同じ作用(output)を生じ得るヌクレオチドである。縮重ヌクレオチドは、2重縮重(すなわち、2個のヌクレオチドの1つであってよい)、3重縮重(すなわち、3個のヌクレオチドの1つであってよい)、または4重縮重(4個のヌクレオチドの1つ、AまたはCまたはGまたはTであってよい)を有し得る。3重縮重を有するヌクレオチドは、“B”(CまたはGまたはTであり得る)、“D”(AまたはGまたはTであり得る)、“H”(AまたはCまたはTであり得る)、および“V”(AまたはCまたはGであり得る)を含む。2重縮重を有するヌクレオチドは、“K”(GまたはTであり得る)、“M”(AまたはCであり得る)、“R”(AまたはGであり得る)、“Y”(CまたはTであり得る)、“S”(CまたはGであり得る)、および“W”(AまたはTであり得る)を含む。
本明細書に記載の方法、キットおよび組成物は、全てのタイプおよび動物、植物、細菌、ウイルス、真菌などのあらゆる起源由来、または合成的に作製された核酸を分析するのに有用である。例えば、標的核酸は、天然のDNAまたはRNA、組み換え分子、ゲノムDNA(gDNA)またはcDNAであり得る。さらに、標的核酸は、イントロン、調節領域、アレル、変異体、または突然変異などの、細胞のゲノムの特定の部分であり得る。本明細書に記載の方法で使用するための鋳型ヌクレオチドは、ゲノム全体またはゲノムの任意の部分から、ならびに複数のゲノムの混合物から組み立てることができる。ある態様において、鋳型ポリヌクレオチドは、環境分離株から組み立てることができる。環境サンプルの限定的でない例には、土壌サンプル、池または河口などの水域からのサンプル、下水サンプル、病院などからのスワブ棒表面などが含まれる。ある態様において、標的核酸は、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、アンチセンスRNA、またはsiRNAであり得る。鋳型ヌクレオチドは、少なくとも約25、50、100、500、1000、2500、5000または10000bpなどの任意の長さ、または無傷の染色体であり得る。
本明細書に記載の方法、キットおよび組成物は、従来技術に比べて多くの利点を有する。例えば、本明細書に記載の方法は、Arnold & Hodgson’s (1991)の“vectorette”型増幅法(特異的プライマー伸長後のユニバーサルプライマー鋳型合成)の利点を、次世代シークエンシングアダプター/ライゲーション法と組み合わせている。
さらに、本明細書に記載の方法は、干渉するアダプター配列を除去するのではなく消化することを可能にする。この利点は、それらが除去されなければ過剰なバーコード化アダプターが増幅の際にプライマーとして作用し、そうしてバーコードの使用から得られる顕著に有益な状況を破壊するため、分子バーコード化を含む適用で特に顕著である。このため、増幅前にバーコード化アダプターを取り除く必要がある。ビーズまたはカラムを用いた精製は当技術分野では一般的であるが、これらの方法は、サンプルから極まれな配列を失う危険性を伴う。加えて、そのような精製工程は、自動化されたワークフローの場合には困難または煩雑であり、一般的に、該工程へのヒトの介入を必要とし、ハイスループットのロボット作業スキームを複雑にする。本明細書に記載の方法、キットおよび組成物は、貴重な鋳型分子を失うことなく、ライゲーションされていないアダプターのみを標的とする酵素消化を可能にし、従って自動化を容易にする。
本明細書に記載の組成物は、要すれば、目的の配列からランドマーク配列相当の距離をおいて位置する任意のアダプターバーコード配列と、バーコードドメイン配列と目的配列との間の(ランドマーク)配列の組み合わせからなる識別配列を含み得る。ランドマーク距離は、1ヌクレオチド〜数百ヌクレオチド、例えば1〜50ヌクレオチド、約50〜100ヌクレオチド、約100〜200ヌクレオチド、または約200〜500ヌクレオチドの範囲であり得る。バーコード配列とランドマーク配列とのこの組み合わせから形成された固有の分子識別配列は、同等の分子識別を有する一組の実質的により短いバーコードから所定の数のユニーク識別配列を達成することを可能にする。例えば、8縮重塩基アダプターを有する100bpのフラグメントは、ランドマーク距離を無視して11または12縮重塩基を必要とする。他の態様において、本明細書に記載の組成物は、ランドマーク配列から構成される識別配列を含む。ランドマーク配列を含むヌクレオチドの長さおよび配列は、独自の(unique)分子識別を提供する。
所定のチューブ内で指数関数的増幅を行い、次いで同じチューブ内で線形増幅を行って、一本鎖アンプリコンを作製することは当技術分野で常套手段であるが、本明細書に記載の方法はまた、ある態様において、線形増幅を1本のチューブで行い、次いで指数関数的な増幅を同じチューブで行うことも含む。このようにして、複数の直接的鋳型コピーを指数関数的増幅のコピーの前に作製して、同じ親分子から導かれた同一バーコード配列がより高い信頼性をもたらすようにすることができる。
ポリメラーゼ連鎖反応法
PCRにより目的の配列を増幅する方法は、本明細書に記載さており、ここで、複数の天然フラグメントポリヌクレオチドが複数のユニバーサルアダプターポリヌクレオチドに付加されている。各ユニバーサルアダプターは、すべてのユニバーサルアダプターポリヌクレオチドに共通のアダプタープライミングドメイン、ならびに要すれば、所定の配列および複数のヌクレオチド、例えば1〜20個のヌクレオチドを含むバーコードドメインを含む。バーコードドメインは、一般に縮重している(すなわち、少なくとも1つの縮重ヌクレオチドを含む)。バーコードドメインは、一連のアンプリコンを所定の鋳型分子に由来するものとして同定するために使用できる情報を運搬する。ユニバーサルアダプターがその天然の断片分子に付加されると、存在する場合、バーコードドメインは、天然フラグメント内の目的の配列から一定の距離(すなわち、ランドマーク距離)に位置し得る。その距離は、1ヌクレオチドから数百ヌクレオチドの範囲であり得る。アダプター(またはアダプターのバーコード)から目的の配列までの距離にわたるヌクレオチド配列は、ランドマーク配列と称され得る。バーコードドメインの組み合わせ、ならびにランドマーク配列の長さおよび配列は、増幅反応内で、90%を超える分子的にユニークである確率を有する、例えば91%を超える、92%を超える、93%を超える、94%を超える、95%を超える、96%を超える、97%を超える、98%を超える、99%を超える、または99.9%を超える分子的にユニークである確率を有する識別配列を規定する。従って、所定の識別配列を担持する反応における全てのアンプリコンは、アダプターまたは所定のバーコードドメインを天然フラグメント内の目的の配列から一定の距離離れた位置に配置した、元の付着事象に基づいて識別配列を獲得した共通の鋳型から誘導されたものであると確実に理解することができる。次いで、鋳型は、ユニバーサルアダプターのアダプタープライミング配列に相補的な少なくとも1つのプライマーを含むプライマー対を用いて増幅される。
例えば、図2および3は、本明細書に記載の方法のサンプル態様のワークフローを説明する。図2に示す通り、連結されていないユニバーサルアダプターの2つの鎖が、相補的な塩基対形成によって一体となって保持されるとき、該二本鎖構造は、そのヌクレアーゼ活性がssDNAに特異的であるExoIによる消化に対して耐性がある。しかしながら、該アダプターの2つの鎖が、一旦、融解により剥がされると、トップ鎖は、その3’末端が接近可能となるため、ExoI消化の影響を受けやすくなる。融解後でさえ、図2のユニバーサルアダプターのボトム鎖は、その3’末端修飾のためにExoI消化されないままであり得る。一方、ユニバーサルアダプターの二本鎖DNAへの連結は結果として安定した二本鎖アダプター−鋳型連結体を生じるため、天然フラグメントに連結されたユニバーサルアダプター(連結体(ligatamer))はExoI消化を受けない。従って、融解温度がアダプターオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を解離することができるアダプターを使用することにより、増幅前に鋳型プールから3’−5’一本鎖特異的エキソヌクレアーゼ(例えば、ExoI)を用いてアダプターを除去し、非連結ユニバーサルアダプター分子の非特異的増幅を減少させる便利な方法を提供する。
次に図3に示すように、天然の断片(1)をユニバーサルアダプター(2)に連結させて、3’末端ブロックを有する鋳型分子(3)を作製することができる。連結していないユニバーサルアダプター分子を除去するために3’から5’の一本鎖特異的エキソヌクレアーゼ(図示せず)で消化した後、天然フラグメント配列内の配列に特異的なプライマー(4)のプライマー伸長により、目的の配列を含む二本鎖鋳型を作製することができ、その後、これは配列決定およびさらなる分析のために増幅され得る(5)。特異的プライマー伸長の後に、ユニバーサルプライマーを用いるPCRを行い、二本鎖鋳型を作製した。リン酸化された特異的プライマーは、NGS逆アダプターの連結を促進することが可能であった。
本明細書に記載の方法は、プライマー対の種々の構造を用いて行うことができる。ある態様では、プライマー対は、目的の配列の下流の配列に相補的なリバースプライマーを含む。他の態様では、増幅は、フォワードプライマーがユニバーサルアダプターのプライミング配列に相補的である複数のプライマー対を伴い、複数のリバースプライマーは、1以上の天然フラグメント内の1以上の目的の位置の下流の配列にそれぞれ相補的である。
本発明はまた、2セット以上の増幅工程を含む方法を提供し、ここで、工程の第一のセットが1つのプライマーセットを含み、その後、工程の1または複数のセットが、追加のリバースプライマーを含むとき、それぞれが、初期の増幅からのリバースプライマーの上流であるが、依然として目的の配列の下流である領域に相補的である。ある態様において、後続の増幅工程の1つにおけるリバースプライマー(または、複数のリバースプライマー)は、5’配列決定タグを担持する(またはそれぞれ担持する)。ある態様において、初期の増幅工程で用いるリバースプライマーの融解温度は、フォワードプライマーの融解温度よりも高く、例えば、少なくとも約2℃、少なくとも約5℃、少なくとも約7℃、少なくとも約10℃、少なくとも約12℃、または少なくとも約15℃である。
ユニバーサルアダプター配列は、当技術分野においてよく知られている方法のいずれかによって天然フラグメントに結合させることができる。例えば、特定の態様において、ユニバーサルアダプターは、リガーゼを用いてライゲーションすることによって天然フラグメントに結合される。他の態様において、ユニバーサルアダプターは、プライマー伸長によって天然フラグメントに付加される。
本明細書に記載の方法で使用されるユニバーサルアダプターは、種々の方法で設計され得る。特定の態様において、ユニバーサルアダプターは、5’フォワード鎖オーバーハングを含み、所望により、リバース鎖の3’末端が、非伸長性であるように、例えばヒドロキシルの代わりに水素で、アセテートまたはホスフェート基で、あるいは対形成していないヌクレオチドで修飾されていてよい。ある態様において、ユニバーサルアダプターは、平滑末端、例えば、フォワード鎖の3’末端である。他の態様において、ユニバーサルアダプターは、フォワード鎖の3’末端またはリバース鎖の5’末端に少なくとも1つの不対塩基を有する。ある態様において、フォワード鎖の5’末端は、例えば、ホスフェートの代わりにヒドロキシルで、連結不可能な(unligatable)ように修飾される。
目的の配列は、天然のフラグメントポリヌクレオチドの1つのヌクレオチドまたはヌクレオチド鎖であり得る。特定の態様において、目的の配列は、突然変異内に位置するか、または突然変異である。特定の態様において、目的の配列は、一塩基多型(SNP)内に存在するか、またはSNPである。特定の態様において、目的の配列は、挿入または欠失(INDEL)内に存在するか、またはINDELである。
上記の方法は、例えばExoIなどの3’から5’の一本鎖特異的エキソヌクレアーゼで消化することにより、増幅前の系から連結していないユニバーサルアダプターポリヌクレオチドを除去することをさらに含み得る。ある態様において、増幅は、Arnold & Hodgson (1991)に記載の方法と同様に、“vectorette”様式のゲノムウォーキング法を用いる。
この方法で使用することができる天然フラグメントは、特定の供給源または特定の調製物に限定されない。ある態様において、天然フラグメントは、断片化されたゲノムDNA、例えば酵素消化によって、または超音波処理およびキャビテーションなどの物理的剪断法によって断片化されたDNAから得られる。他の態様において、天然フラグメントは、生物のトランスクリプトーム(複数可)の全部または一部から生成されたcDNAである。
同様に、アダプタープライミング配列は、当技術分野で公知の種々の配列から選択され得る。ある態様において、アダプタープライミング配列は、表4に含まれる群から選択される。
限定されない例として、本明細書に記載のPCR法は、複数のユニバーサルアダプター配列を複数の天然配列ポリヌクレオチドに連結することを含み得る。加えて、またはこれらに代えて、この方法は、第一のリバースプライマーを伸長させ、アダプター配列を含むプライマー伸長産物に相補的なフォワード鎖を形成することを含み得る。加えて、またはこれらに代えて、この方法は、増幅前に3’から5’一本鎖特異的エキソヌクレアーゼでライゲーション産物を処理することを含み得る。特定の態様において、エキソヌクレアーゼ処理は、プライマー伸長の前に行うことができ、他の態様では、エキソヌクレアーゼ処理の前にプライマー伸長を行う。加えて、またはこれらに代えて、この方法は、ユニバーサルプライマーおよび第一のリバースプライマーに相補的な領域の上流の配列に相補的な第二のリバースプライマーを含む、1対のプライマーでアンプリコンを増幅することを含み得る。
特定の態様では、本明細書に記載の方法で使用するための少なくとも1つのアダプターポリヌクレオチドは、5’末端でヒドロキシル化され、および/または3’末端で、水素、リン酸、酢酸、または1以上の不対ヌクレオチドからなる群より選択される修飾により修飾される。
ある態様において、第2のリバースプライマーは、5’配列決定タグを含む。
ある態様において、鋳型ポリヌクレオチドは、断片化されたゲノムDNAを含む。他の態様において、鋳型ポリヌクレオチドは、cDNAを含む。
ある態様において、第1のリバースプライマーの融解温度は、ユニバーサルプライマーの融解温度よりも高く、例えば少なくとも約2℃、少なくとも約5℃、少なくとも約7℃、少なくとも約10℃、少なくとも約12℃、または少なくとも約15℃である。
特定の態様において、以下のように目的の配列を増幅するための方法が提供される:血液サンプルを患者から抽出し、全てのgDNAをサンプルから単離および精製する。単離および精製されたgDNAを、選択したエンドヌクレアーゼで消化し、フラグメントを平滑末端化し、次いでフラグメントの3’末端のそれぞれに単一のアデノシンオーバーハングを付加することにより、フラグメントを平滑末端化する。T4 DNAリガーゼおよびATPと共に、複数のユニバーサルアダプター分子をフラグメント混合物に添加する。適切な間隔後に、ライゲーション産物をExoIエキソヌクレアーゼで消化した。次いで、エキソヌクレアーゼを熱不活性化する(例えば、80℃で20分間、95℃で2分間)。熱安定性DNAポリメラーゼおよび複数のプライマーを該混合物に添加する。これらのプライマーの1つは、ユニバーサルアダプター分子上のプライミング配列に相補的であり、他のプライマーは、それぞれ目的の配列の下流の既知の配列に相補的である。既知の下流の配列に相補的なプライマーはすべて、約65℃の融解温度を有するが、アダプター配列に相補的なプライマーは、60℃の融解温度を有する。65℃でのアニーリングおよび72℃での伸長を10回行った後、60℃でアニーリングしてさらに10回の増幅を行う。次いで、リバースプライマーの第1のセットに対して、“ネステッド(nested)”プライマーとして作用するリバースプライマーの別のセットが加えられる。これらのネステッドプライマーは、60℃〜65℃の間の融解温度を有し得る。次のプライマーは、5’末端に配列決定タグを含む。さらに10〜20回の増幅を60℃でアニーリングして行い、次いで増幅産物を配列決定する。最初の(増幅前の)鋳型プールにおける異なる分子種の相対的出現率は、各目的の配列の変異体に関連する固有の識別配列の数に基づいて推定することができる。
ヌクレオチド組成物
本発明はまた、本明細書に記載の方法で製造された組成物を提供する。これらの組成物は、それぞれが天然配列およびユニバーサルアダプター配列を含む複数のアンプリコンポリヌクレオチドを含み、ここで、該天然配列は、目的の配列および天然配列プライミングドメインを含み、該ユニバーサルアダプター配列は、アダプタープライミングドメインを含み、および要すれば、1〜20個のヌクレオチドからなるバーコードドメインを含む。ユニバーサルアダプター配列は、ユニバーサルアダプター配列と目的の配列との間のヌクレオチド配列が一体となって識別配列を規定するように、目的の配列の5’末端から一定距離離れて位置する。ユニバーサルアダプター配列がバーコードドメインを含む態様では、識別配列はバーコードドメインも含む(図6参照のこと)。
図6に示すように、これらの組成物は複数のアンプリコンポリヌクレオチドを含み、その各々は、ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドが目的の配列を含む天然フラグメントに付加されたときに作製された元の鋳型分子に由来する。組成物内の種々のアンプリコンセットが配列決定されると、各アンプリコンセットの識別配列は、使用者(ユーザー)によって決定され、次いで、使用者は、それぞれの目的の配列に関連する別個の識別配列の数に基づいて、所定のゲノムおよび/またはトランスクリプトーム内の様々な目的の位置のそれぞれにおける異なる配列配置の相対的な出現率を計算することができる。
ある態様において、個々のアンプリコンは、それぞれが互いに異なる2つの末端を有する。例えば、特定の態様において、各アンプリコンのフォワード鎖の5’末端の10個のヌクレオチドおよびフォワード鎖の3’末端の10個のヌクレオチドは、最大90%の同一性、例えば最大85%の同一性、最大80%の同一性、最大75%の同一性、最大70%の同一性、最大65%の同一性、最大60%の同一性、または最大50%の同一性を有する。ある態様において、全てが同一の元の鋳型分子に由来する識別配列を共有する所定のアンプリコンのセットの確率は、90%より大きい、例えば91%より大きい、92%より大きい、93%より大きい、94%より大きい、95%より大きい、96%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、99%より大きい、または99.9%より大きい。
本明細書に記載の組成物は、1以上の非伸長プライマーを含み得る。特定の態様では、これらのプライマーは、ユニバーサルアダプターのプライミング配列に相補的なプライマーおよび目的の配列の下流に位置する天然フラグメントの領域に相補的なプライマーの1つまたは複数を含む。
ある態様において、組成物は、天然フラグメント分子に付加されていない多量のユニバーサルアダプター配列を含まない。ある態様において、組成物は、天然のフラグメント分子に付加されていないユニバーサルアダプター配列を含まない。
ある態様において、組成物は、同じ天然フラグメント配列の異なる部分に相補的である少なくとも2つのリバースプライマー配列を含み、要すれば、これらの2つのリバースプライマーの少なくとも1つは、フォワードプライマーの融解温度よりも、少なくとも約2℃、少なくとも約5℃、少なくとも約7℃、少なくとも約10℃、少なくとも約12℃、または少なくとも約15℃高い融解温度を有する。
限定しない例として、本明細書に記載の組成物は、そのヌクレオチド配列が、アダプタープライミングドメインに相補的であるユニバーサルプライマー、および/またはそのヌクレオチド配列が、天然配列の領域に相補的であるプライマーを含み得る。プライミングドメインとは、プライマーがハイブリダイズするヌクレオチド配列または供給されたプライマーと同一のヌクレオチド配列を意味する。
組成物中の少なくとも1つのポリヌクレオチドは、5’末端でヒドロキシル化されていてもよく、および/または3’末端がH、リン酸、酢酸および不対ヌクレオチドからなる群から選択される修飾で修飾されていてもよい。
増幅産物は、ユニバーサル配列と天然配列との間の増幅の結果であり得る。他の態様において、増幅産物は、5’ユニバーサルアダプター配列と3’ユニバーサルアダプター配列との間の増幅の結果であり得る。
ある態様において、縮重分子の可能性および目的の配列の可能性のある距離の産物は、ライゲーション事象の数を超える。
天然フラグメントがユニバーサルアダプターに結合されると、所定の鋳型分子が単に偶然に別の鋳型と同一である確率は、l÷[F/(X×L)]で与えられ、式中、Fは、出発天然配列フラグメントの数であり、Xは、バーコードドメインの各位置における縮重ヌクレオチドの数であり、nは、バーコードドメインの縮重ヌクレオチド位置の数であり、Lは、出発天然配列断片の長さである。従って、言い換えれば、組成物中の2つの分子が識別配列を共有するとき、それらが異なる鋳型分子由来である可能性は非常に低い。
ある態様において、開始天然配列フラグメントの長さは高度に均一である。他の態様において、開始天然配列フラグメントの長さは多様である。長さが多岐にわたる場合、多様性は、DNA単離後の断片化、例えば酵素的断片化または機械的断片化の結果として生じ得る。ある態様において、組成物内の鋳型分子は、ユニバーサルアダプター配列のランダムに断片化されたDNAへのライゲーションの結果得られ得る。
キット
上記の方法を実施するためのキットも本明細書に記載される。本明細書に記載のキットは、上記の方法を実施するために必要な成分のいくつかまたは全てを含み得る。例えば、本明細書に記載のキットは、以下:プライマー;ユニバーサルアダプター分子;リガーゼ;3’から5’一本鎖特異的エキソヌクレアーゼ、例えばExoI;DNAポリメラーゼ;逆転写酵素;リガーゼ緩衝液;PCR緩衝液;dNTP;MgCl;ヌクレアーゼ不含有チューブおよびピペットチップ;ならびに、対応する反応緩衝液と共に制限エンドヌクレアーゼ、の1以上を含み得る。
限定しない例として、本明細書に記載のキットは、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、および複数のユニバーサルアダプターポリヌクレオチドを含み得て、ここで、各ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドは、3’末端を伸長不能にするためにリバース鎖上に3’修飾を含み、および各ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドは、全てのユニバーサルアダプターポリヌクレオチドに共通のプライミング配列、および所望により1〜20個のヌクレオチドからなるバーコードドメインを含む。バーコードドメインは縮重可能である。
キットはさらに、本明細書に記載の方法を実施するために必要に応じて種々の任意の成分を含んでいてよく、当業者は、そのような必要な成分を決定することができる。かかる成分の限定されない例には、3’から5’一本鎖特異的エキソヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ不含有ポリメラーゼ緩衝液、ヌクレアーゼ不含有リガーゼ緩衝液、少なくとも10bpのプライミング配列に相補的なユニバーサルプライマーおよびそれらの組み合わせが含まれる。
3’修飾は、ポリメラーゼ伸長を妨げることができる公知の修飾であり得る。ある態様において、3’修飾は、H、リン酸、酢酸、および不対ヌクレオチドからなる群より選択される。加えて、またはこれらの代わりに、各ユニバーサルアダプターは、少なくとも一方の末端が平滑であり得る。加えて、またはこれらの代わりに、アダプターポリヌクレオチドは、部分的に二本鎖であり、部分的に一本鎖であってよく、ここで該フォワード鎖は、5’末端に不対のオーバーハングを含む。加えて、またはこれらの代わりに、アダプターポリヌクレオチドのフォワード鎖は、調製された天然配列へのライゲーションに適した3’末端を含み得る。加えて、またはこれらの代わりに、ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドのフォワード鎖は、天然配列の3’末端に相補的な3’末端を含み得る。加えて、またはこれらの代わりに、ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドのフォワード鎖は、天然配列の5’末端に相補的な5’末端を含み得る。加えて、またはこれらの代わりに、アダプターポリヌクレオチドのフォワード鎖およびリバース鎖は、少なくとも1つの平滑末端を含み得る。例えば、ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドのリバース鎖は、5’リン酸を含む。
ある態様において、キットは、全てのアダプターポリヌクレオチドに共通のアダプターポリヌクレオチドの少なくとも一部と配列が同一であるユニバーサルプライマーを含む。
ある態様において、キットは、全てのアダプターポリヌクレオチドに共通のアダプターポリヌクレオチドの部分の全長と配列が同一であるユニバーサルプライマーを含む。
特定の態様において、キットは、表4に含まれる多様なユニバーサルアダプターおよびプライマー分子を含むチューブ;アダプター分子に相補的なプライマーオリゴのチューブ;T4 DNAリガーゼ;ATPを含むリガーゼ緩衝液;ExoIエキソヌクレアーゼ;熱安定性DNAポリメラーゼ;Klenow ポリメラーゼ;dATP;dNTP;および、MgClを含む。
プライマー
任意のオリゴヌクレオチド配列を、本明細書に記載の方法、キットおよび組成物においてプライマーとして用いることができる。本明細書に記載の方法、キットおよび組成物における使用のためのプライマーは、少なくとも約10bp、例えば、少なくとも15bp、少なくとも20bp、少なくとも25bp、または少なくとも30〜約50bpを含み得る。そのようなプライマーは、DNA、RNAまたはそれらの組合せであり得る。さらに、プライマーは、修飾されたリン酸−糖主鎖を含み得る。プライマーは、どのような鋳型配列が増幅されようとも、付着部位に相補的な配列を含む。例えば、アダプター分子に相補的なプライマーは、表4に含まれるものを含み得る。プライマーは、従来の核酸合成技術を用いて合成的に作製することができる。例えば、プライマーは、核酸合成装置を利用する標準的なホスホラミダイト技術により合成することができる。そのような合成装置は、例えばApplied Biosystems, Inc.(Foster City, California)から入手可能である。
ユーザが、本明細書に記載の組成物内の特定のアンプリコンを単離し、分析することを望むとき、その後の捕捉または精製を容易にするために、プライマーを、例えばビオチンまたはハプテンまたはフルオロフォアで標識することができる。プライマーは、HまたはP32などの放射性同位体で標識することもできる。さらに、プライマーは、その後の増幅またはハイブリダイゼーション工程で使用するために、いわゆるシークエンシングタグのような非アニーリング配列を5’末端に有し得る。
ユニバーサルアダプターポリヌクレオチド
本明細書に記載の方法、キット、および組成物における使用のためのユニバーサルアダプター配列は、所定の反応において多くのまたは全てのユニバーサルアダプター分子に共通のプライミングドメイン配列を少なくとも含まなければならない。ある態様において、ユニバーサルアダプターはまた、異なるユニバーサルアダプター分子間で変化し得るバーコードドメインを含み得る。ユニバーサルアダプター配列は、5’から3’の順で、ユニバーサルプライミングドメイン、および場合によりバーコードドメインを含み得る。バーコードドメイン配列は一般に縮重している。ある態様において、縮重バーコードドメインは、1〜20個の縮重ヌクレオチドを含む。他の態様では、バーコードドメインは縮重していない。ある態様では、ユニバーサルアダプターは、固体支持体係留プライマーおよび/またはプローブへのハイブリダイゼーションに適している。ある態様では、固定ユニバーサル配列は、捕捉構造とのハイブリダイゼーションに適していてもよい。
ユニバーサルアダプターにおけるプライミングドメインは、単一の配列であっても複数の配列であってもよく、任意の長さであり得る。限定されない例として、プライミング配列は、少なくとも10bp、少なくとも15bp、少なくとも20bp、少なくとも25bp、少なくとも30bp、少なくとも35bp、少なくとも40bp、または少なくとも45bpの長さであり得る。限定されない例として、プライミング配列は、最大100bp、最大90bp、最大80bp、最大70bp、最大60bp、最大50bp、最大45bp、最大40bp、最大35bp、最大30bp、最大25bp、最大20bp、または最大15bpの長さであり得る。例えば、本明細書に記載の方法、キット、および組成物において使用するためのプライミング配列は、15〜25bpの長さであり得る。プライミングドメイン配列の非限定的な例には、表4に示すものが含まれる。
バーコードドメインは、任意の数のヌクレオチド長であってよく、任意のヌクレオチド順であり得る。例えば、バーコードは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20ヌクレオチド長であり得る。バーコード配列は、所定のアンプリコンの先行する系譜に関する情報を伝える。本明細書に記載の組成物および方法における分子祖先の同一性は、固有の識別配列によって決定され、バーコードは該識別配列の一部のみであるため、所定の反応における各ユニバーサルアダプター配列がそれぞれ、固有のバーコードを有する必要はない。バーコード配列が固有の分子識別配列を生じる原理は、図4に示されている。
図4において、“n”は、0より大きい整数を意味する。例えば、nは、1〜20の整数であり得る。“N”は、アデノシン(A)、グアノシン(G)、チミジン(T)、およびシトシン(C)から選択されるヌクレオチド塩基である。“L”は、所望の配列で、SNPなどのランドマークを意味する。Lは、nNから任意の距離離れて位置し得る。その結果、nNと、nNとLの間に介在する配列との組み合わせは、独立して構築された別の識別配列と区別されない4×D分の1の確率のみを有する識別配列を規定し、ここで、Dは、nNとLとの間のヌクレオチド塩基の数である。例えば、Dが100である場合、1〜12の範囲のnについて分子独自性(uniqueness)を、以下の表に示す。
Figure 2021168659
所定の反応における異なるユニバーサルアダプター分子は、共通のプライミング配列を共有することができるが、異なる長さのバーコードドメインを有する。バーコードドメインは一般にプライミング配列の下流に位置する。いくつかの態様では、プライミング配列およびバーコードドメインは一体となってユニバーサルアダプター分子の全長を占めるが、他の態様では、ユニバーサルアダプターはプライミング配列およびバーコードドメインを超えたさらなる配列を含み得る。
天然断片ポリヌクレオチド
本明細書に記載の方法および組成物において使用するための鋳型分子は、所望によりさらなる配列と組み合わせて、少なくともユニバーサルアダプター配列および天然フラグメント配列の組み合わせからなる。本明細書に記載の方法および組成物において使用するための天然フラグメントポリヌクレオチドは、任意の供給源または複数の供給源から得ることができる。限定されない例として、天然フラグメントは、ヒト個体、環境分離株または作物に由来し得る。特定の態様では、天然フラグメントには断片化されたゲノムDNAが含まれる。他の態様では、天然フラグメントにはcDNAが含まれる。1つまたは複数のエンドヌクレアーゼおよび機械的手段による消化を含む、DNAを断片化する技術は、当技術分野でよく知られている。天然フラグメントは任意の長さであってよい。例えば、天然フラグメントは、少なくとも20bp、少なくとも100bp、少なくとも500bp、少なくとも1000bp、少なくとも5000bp、または少なくとも10000bpの長さであり得る。限定されない例として、天然フラグメントは、最大100kbp、最大90kbp、最大80kbp、最大70kbp、最大60kbp、最大50kbp、最大40kbp、最大30kbp、最大20kbp、または最大10kbpの長さであり得る。
天然フラグメントは、当業者に知られている多くの方法のいずれか1つによってユニバーサルアダプターに結合させ得る。例えば、いくつかの態様では、天然フラグメントは、適切なリガーゼとのライゲーションによってユニバーサルアダプターに付着される。このような用途で使用するためのリガーゼは、当業者によく知られている。ライゲーションが意図されている場合、断片化された鋳型のいわゆる“端部平滑化(end polishing)”工程をそれをユニバーサルアダプターに付着する前に行うことが有利であり得ることは当業者には理解される。そのような末端平滑化は、平滑末端化および/またはリン酸化および/または一方もしくは他方の末端への不対ヌクレオチドの付加などにより、ユニバーサルアダプターの反対側の末端に相補的ないわゆる“粘着末端”を作成する工程を含んでいてよい。いくつかの態様において、ユニバーサルアダプター配列は、プライマー伸長によって天然フラグメントに付加され得る。
一本鎖ポリメラーゼ連鎖反応
上記の鋳型およびプライマーに加えて、ポリメラーゼ連鎖反応による増幅は、熱安定性ポリメラーゼを必要とする。かかるポリメラーゼは当業者によく知られており、例えば、Wardらの米国特許第7,972,828号(その内容全体を引用により本明細書中に包含させる)に記載の熱安定性ポリメラーゼが挙げられる。
本明細書に記載の方法の個々の別個の工程は、ポリプロピレンPCRチューブのような、それぞれ独立した別個の容器で行われ得る。他の態様において、所定のチューブで2以上の工程を実行することができる。ある態様において、本明細書に記載の方法の全ての工程は、単一のチューブ内で行うことができる。
本明細書に記載の方法の所謂“単一のチューブ”の態様において、天然フラグメントDNAを、リガーゼ、ポリメラーゼ、3’から5’の一本鎖特異的エキソヌクレアーゼ、プライマー、dNTP、およびポリメラーゼ連鎖反応に必要な全ての他の成分と共に、チューブに加える。このような態様において、成分は、所望により、dsDNAアンプリコンの形成の進行を追跡するために、N,N−ジメチル−N’−[4−[(E)−(3−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−2−イリデン)メチル]−1−フェニルキノリン−1−イウム−2−イル]−N’−プロピル−プロパン−1,3−ジアミン(SYBR(登録商標)Green)などの蛍光色素を含んでもよい。本明細書に記載の方法、キットおよび組成物と共に使用する増幅方法は、所定の用途に必要であれば、非定量的、半定量的または定量的であり得る。当業者は、所望されるように定量的または非定量的結果を達成するために増幅戦略を最適化する方法を容易に理解し得る。
増幅は、ネステッドプライマーを用いて一連のプログレッシブ工程で進行し得る。単一チューブの態様において、フォワードプライマーよりも高い融点を有するように、最も下流のリバースプライマーを設計することが有利であり得る。このようにして、プライマー伸長の第1ラウンドまたは複数ラウンドは、より高い温度で、かつより厳密な特異的アニーリング温度で行われ得る。リバースプライマーのこの高温伸長は、線形的または指数関数的に起こり得る。このようにして、精製工程を必要とせず、過剰なユニバーサルアダプターを、指数関数的増幅の前に系から除去することができる。次いで、その後の増幅ラウンドは、より低いアニーリング温度で、かつ指数関数的に進行し得る。ある態様において、上流および下流リバースプライマーの融解温度は、少なくとも約2℃、少なくとも約5℃、少なくとも約7℃、少なくとも約10℃、少なくとも約12℃、または少なくとも約15℃違っていてよい。
診断方法
本明細書に記載の方法、キットおよび組成物は、疾患の診断のための突然変異(複数可)の検出に使用することができる。ある態様において、疾患は、作物または動物、例えば家畜、ペット、またはヒトにおいて生じる。特定の態様では、本明細書に記載の方法、キットおよび組成物は、ヒトの腫瘍を検出するために使用することができる。検出されるべき腫瘍は、良性腫瘍、前悪性腫瘍または悪性(すなわち、癌性)腫瘍のような任意のタイプであり得る。特に、はるかに一般的な遺伝子パターンを背景とした低頻度の遺伝子パターンを検出するための本明細書に記載の方法、キットおよび組成物の能力向上のために、そのような発癌性の特徴的パターンを有する細胞が血液サンプルのような所定の患者サンプルにおいて全ての細胞の極僅かな部分を構成するに過ぎないとき、非常に早い段階で腫瘍形成を示す遺伝子パターンシグナチャーを検出することが可能である。例えば、発癌性シグネチャーパターンは、10個のうち1個、10個のうち1個、10個のうち1個、1012個のうち1個または1015個のうち1個の細胞のみで見出すことができる。同様に、発癌性パターンは、循環細胞を含まないDNAから測定することができた。
農業利用
本明細書に記載の方法、キットおよび組成物はまた、農業育種プログラムにも使用することができる。例えば、本明細書に記載の方法、キット、および組成物は、交雑育種後の所定の形質の導入を決定するために使用することができる。
環境モニタリング
本明細書に記載の方法、キットおよび組成物はまた、所定の環境のバイオームをモニターするために使用することができる。例えば、本明細書に記載の方法、キット、および組成物は、池、河川、下水管、または貯水池における種々の微生物の相対的汚染率を決定するために使用することができる。加えて、本明細書に記載の方法、キット、および組成物は、発酵槽または醸造容器のような工業環境における異なる微生物の相対的汚染率をモニターするために使用することができる。
実施例
さらなる説明がない限り、当業者は、上記の説明および以下の実施例を用いて、本明細書に記載の組成物を作製および利用し、特許請求の範囲に記載の方法を実施することができると考えられる。従って、以下の実施例は、本発明の代表的な態様を具体的に説明するものであり、いかなる場合にも本明細書の残りの部分を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
本明細書に記載の方法、キットまたは組成物に用いるための例示的ユニバーサルアダプターを図1に示す。本実施例では、“N”は、天然フラグメントに連結するための突出塩基(cohesive base)または複数の突出塩基を意味する。対形成していないNを用いて、ユニバーサルアダプター配列を天然フラグメント分子に結合させるのを助けることができる。“P”は5’リン酸を意味する。“X”は、例えば、ミスマッチ塩基、3’リン酸、3’酢酸、3’−OHの代わりの−Hなどを含む、3’末端に対する非伸長性の修飾であり得る。“Y”は、例えば、リン酸の代わりの−OHのような、5’末端に対する非連結性の修飾であり得る。“Z”は、5’末端に対する任意の非連結可能修飾であり得る。Zは、Yと同じであっても異なっていてもよい。
実施例2
サンプルからの全gDNAをHpyCH4V(NEB, Ipswitch, Massachusetts)で消化した。これらの断片を、KAPA(登録商標)Hyperキット(Wilmington, Massachusetts)を用いて末端修復した。その結果、複数のdAテイルgDNA Hpy断片が得られた。次いで、これらのgDNA断片を、DNAリガーゼの存在下または不存在下で、ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドと共にインキュベートし、その後ユニバーサルアダプター配列に相補的なフォワードプライマーおよびgDNA内の多様な配列に相補的な複数の21個の異なるリバースプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅させた。
21個のプライマーセットのうち19個で、ライゲーションされた鋳型から予想される産物サイズを有するアンプリコンが得られた。これらの19個のうち16個が、単一産物アンプリコンであった。21個のプライマーセットのうち3個のみが、非連結鋳型を有するアンプリコン産物を生じた。
実施例3
サンプルからの全gDNAは、約150bpに断片化されたCovarisであった。これらの断片を、KAPA(登録商標)Hyperキット(Wilmington, Massachusetts)を用いて末端修復した。その結果、複数のdAテイルgDNA断片が得られた。次いで、これらのgDNA断片を、DNAリガーゼの存在下で、ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドと共にインキュベートし、その後ユニバーサルアダプター配列に相補的なフォワードプライマーおよびgDNA内の多様な配列に相補的な複数の22個の異なるリバースプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅させた。
全ての22個のプライマーセットは、連結された鋳型から予想される複数の産物サイズを有するアンプリコンを生じた。
実施例4
一連のユニバーサルアダプター分子を、表1に示す配列から、等モル量のトップ鎖配列を各ボトム鎖配列と組み合わせ、変性させ、そしてゆっくりと冷却することによって調製した。以下の二本鎖アダプターを、ExoIエキソヌクレアーゼの存在下または不存在下で、PCR緩衝液中37℃にてインキュベートした。インキュベートしたサンプルを、Bioanalyzer(Agilent Tech., Santa Clara, California)で分析した。ボトム鎖の“p”はリン酸を示す。ExoIを含む全てのサンプルにおいて、トップ鎖は成功裏に消化された。
Figure 2021168659

次いで、表1のユニバーサルアダプターを鋳型試験配列に連結させた。再度、各連結体(ligatamer)のサンプルをExoIを含むまたは含まないPCR緩衝液中で、37℃にてインキュベートし、その後定量的PCR(qPCR)増幅を行った。ユニバーサルアダプター配列に特異的なフォワードプライマーまたは試験配列に特異的なフォワードプライマーのいずれかを用いてPCRを行った。リバースプライマーは、すべての増幅反応において試験配列に特異的であった。ユニバーサルフォワードプライマーで得られたCt値と試験配列特異的フォワードプライマーで得られたCt値との差は、各ユニバーサルアダプター構造についてのライゲーション効率を示す。図5は、これらの反応の各々から得られたdCt値(u/f,r−f/r)を示す。理解されるように、ライゲーション効率は、アダプター#3−7について実質的に等しかった。dCt値は、ExoI処理された連結体と、ExoI処理されなかった連結体との間で同一であった。
これらのデータは、アダプター二重鎖の長さが7bp程度の短さであっても、切断されたボトム鎖を有するユニバーサルアダプターが、20℃で高効率のライゲーションを可能にすることを示している。すべての二本鎖アダプターは、ExoIを用いて37℃にて消化可能であったが、3’リン酸で保護された連結体は、ExoI消化に対して完全に耐性であった。
実施例5
試験配列鋳型を、以下の表2に示す循環温度下でqPCRにより増幅させた。ユニバーサルアダプター配列に特異的な種々のフォワードプライマーを、各反応に1つずつ用いた。これらのフォワードプライマーは、それぞれ異なる長さを有し、対応する異なる融解温度(54.9℃から68.5℃の範囲)を有していた。対照反応は、試験配列鋳型に特異的なフォワードプライマーを含み、融解温度は70℃であった。全ての反応は、試験配列鋳型内の配列に特異的であり、70℃の融解温度を有する、同じリバースプライマーを用いた。これらの反応からのCt値を表2に示す。
Figure 2021168659
表2のデータから分かるように、リバースプライマーがフォワードプライマーの融解温度よりも十分に高い融解温度を有するように、フォワードプライマーおよびリバースプライマーを対にすることにより、プライマー対を最適化して、直鎖伸長反応を初めに高温で行い、続いてより低い温度で指数関数的増幅を行う二段階法が可能であることが明らかである。換言すれば、天然フラグメントから連結されたユニバーサルアダプターへの線形的増幅、続いて両方のプライマーを含む反応におけるユニバーサルプライマーと天然配列プライマーとの間の指数関数的増幅を行うことが可能である。
この単一チューブ法をさらに試験するために、別のセットのqPCR反応を、表2の手順で用いたのと同じプライマーセットで行った。この操作には、94℃/72℃で20サイクル、続いて94℃/60℃/72℃で20サイクルが含まれた。このqPCR操作は、以下の表3に示す“第1のCt”データを生じた。同一セットの反応混合物を、94℃/60℃/72℃で2×20サイクルで並行して行った。この操作は、以下の表3に示す“第2のCt”データを生じた。表3の“dCt”カラムは、各プライマー対についての第1および第2のCtデータ間の差異を示す。第1のCtセットの反応では線形的な第1のステップ、その後の指数関数的な第2のステップについて約3−4のdCtが予想される。このようなdCt値は、“第1Ct”qPCRの最初の20サイクルが線形的増幅のみを含み、大きい(>7)dCt値は“第1Ct”qPCRが線形的増幅または指数関数的増幅を含むことを示す。理解されるように、線形的増幅は、“第1Ct”反復の最初の20サイクルの間に60℃未満の融解温度を有するプライマーで生じた。タッチダウンPCRは、2つのプライマーの間の融解温度の最小限の最適化を伴う単一チューブ適用を可能にし得る。
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実施例6
血液サンプルは、まだ検出されていない腫瘍を有する患者から採取される。患者の血液中の腫瘍DNAの頻度は、正常DNAの頻度よりも顕著に少なく、10個の正常ゲノムごとに1個の癌ゲノム程度である。無細胞DNAは血液サンプルから単離される。単離されたDNA、末端平滑化、およびユニバーサルアダプター配列は、平滑化されたフラグメントに連結される。該フラグメントは、ユニバーサルアダプター配列に特異的なフォワードプライマーおよび種々の既知の癌変異の下流の配列に特異的なリバースプライマーの混合物を用いて、PCRによって増幅される。これらの試験された配列の1以上における癌シグネチャー変異の特異的かつ正確な検出に基づいて、悪性腫瘍の存在が非常に早い段階で検出される。
実施例7
新たに導入されたトランスジェニック形質を有する植物は、商業的種子生産者の市販の生殖細胞と交配される。倍数体の子孫がこの交配から産生され、子葉クリッピング(clipping)が苗から集められる。gDNAを各クリッピングから単離し、断片化する。断片は平滑末端化される。ユニバーサルアダプター配列を平滑化した断片に連結させ、ユニバーサルアダプター配列に特異的なフォワードプライマーおよび形質(trait)配列に特異的なリバースプライマーを用いてPCRを行う。形質の有無にかかわらず各苗からの断片の相対的な有病率は、各苗木における形質対立遺伝子のコピー数を示し、それに応じて将来の交雑を最適化することができる。
実施例8
水サンプルを、レクリエーションビーチ(recreational beach)から1週間にわたって毎日収集する。微生物をサンプルからろ過し、各ろ液から全DNAを単離する。DNAを断片化し、断片を平滑末端化する。ユニバーサルアダプター配列を、平滑化されたフラグメントに連結させる。該フラグメントを、ユニバーサルアダプターに特異的なフォワードプライマーおよび種々の病原体に特異的なリバースプライマーを用いてPCRによって分析する。各サンプルにおける各病原体の相対的汚染率は、各プライマー対からのアンプリコンプール中のユニークな識別配列の数に基づいて決定される。このようにして、異なる病原体種の頻度の漸増および漸減が、このビーチで経時的に追跡される。
実施例9
循環細胞を含まないDNAを、循環核酸単離キット(例えば、Qiagen)を用いて、10mlのヒト血漿から50μlの溶出緩衝液中に単離した。単離されたDNA5μlを、商業的な次世代シークエンシングライブラリー調製キット(KAPA Hyper Prep Kit、Kapabiosystems)からの反応材を用いて製造業者の方法に従って、末端修復し、Aテール化した。Kapaキットのライゲーション成分を用いて、推奨されるYアダプターについて、ACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATCT(配列番号1)+[リン酸]GAUCGGAAG[リン酸]で構成されたアダプターに置き換えて、末端修復されたDNAへのアダプターライゲーション(+/−リガーゼ)を行った。タッチダウンqPCRを、ユニバーサルプライマーACACTCTTTCCCTACACGACGCTC(配列番号114)と、以下の表5に列記した特異的プライマー(0.2μMユニバーサル、0.2μM特異的、IX SYBR Green Jumpstart Taq Readimix)との間で行った。サイクルパラメータは、94℃/15秒、72℃/15秒(サイクル当たり0.3℃の低下)で20サイクル、次いで、94℃/15秒、65℃/15秒、72℃/15秒で39サイクルであった。結果を下記の表5および図7に示す。+と−のリガーゼ反応間のΔCtは、ユニバーサルプライマーと特異的プライマーとの間の増幅を示す。
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本出願で引用される全ての文献、特許および特許出願は、引用によりその全体を本明細書中に包含させる。本明細書および特許請求の範囲で用いるように、単数形“a”、“an”および“the”は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形を含む。本明細書中、“Aおよび/またはB”などの語句に用いる用語“および/または”は、“AおよびB”、“AまたはB”、“A”ならびに“B”を含むことが意図される。特許請求の範囲に記載の方法、キットおよび組成物は、種々の特定の材料、手順および実施例を参照することによって本明細書に開示および説明されているが、本発明はその目的のために選択される材料および手順の特定の組み合わせに限定されないことが理解される。当業者には理解されるように、そのような詳細の数多くの変形が包含され得る。本明細書および実施例は単なる例示としてみなされることが意図される。本発明の真の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって示される。

Claims (24)

  1. 天然配列およびユニバーサルアダプター配列をそれぞれ含む複数のポリヌクレオチドを含む組成物であって、該天然配列が、目的の配列および天然配列プライミングドメインを含み、該ユニバーサルアダプター配列が、5’から3’の順に、アダプタープライミングドメイン、および所望により1〜20個のヌクレオチドからなるバーコードドメインを含み、ここで、該ユニバーサルアダプター配列が、目的の配列の5’末端から一定距離離れた位置にある、組成物。
  2. 該ユニバーサルアダプター配列と目的の配列との間のヌクレオチド配列が、識別配列を規定する、請求項1に記載の組成物。
  3. バーコードドメインが存在するとき、該識別配列がバーコードドメインを含む、請求項2に記載の組成物。
  4. ヌクレオチド配列がアダプタープライミングドメインに相補的であるユニバーサルプライマーをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. ヌクレオチド配列が天然配列の領域に相補的であるプライマーをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 目的の配列が突然変異である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 目的の配列が一塩基多型(SNP)である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 目的の配列が挿入または欠失(INDEL)である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  9. アダプタープライミングドメインが、表4に列記されたものから選択され、所定の複数の配列の分子的にユニークである確率が、95%より大きい、99%より大きい、または99.9%より大きい、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 目的の配列をコピーする方法であって、
    それぞれが天然配列およびユニバーサルアダプター配列を少なくとも一方の末端に含む複数の鋳型ポリヌクレオチドを増幅し、
    該天然配列が、目的の配列を含み、かつ該ユニバーサルアダプター配列が5’から3’の順に、アダプタープライミングドメイン、および所望により1〜20個のヌクレオチドからなるバーコードドメインを含み、
    ここで、該ユニバーサルアダプター配列が、ユニバーサルアダプター配列と目的の配列との間のヌクレオチド配列が所定の鋳型およびその子孫アンプリコンに固有の識別配列を規定するように、目的の配列の5’末端から一定距離離れた位置にあり、該増幅が、ユニバーサルアダプター配列のアダプタープライミングドメインの少なくとも10bpと同一であるユニバーサルプライマーと、目的の配列の下流の天然配列の領域に相補的な第1のリバースプライマーとを含む、プライマー対を用いて開始される、方法。
  11. 目的の配列が、突然変異、SNP、またはINDELである、請求項10に記載の方法。
  12. 複数のユニバーサルアダプター配列を複数の天然配列ポリヌクレオチドに連結させて、複数の鋳型ポリヌクレオチドを作製することをさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
  13. ライゲーション産物を増幅前に3’から5’一本鎖特異的エキソヌクレアーゼで処理する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. ユニバーサルプライマーおよび第1のリバースプライマーに相補的な領域の上流の配列に相補的な第2のリバースプライマーを含むプライマー対を用いてアンプリコンを増幅する工程をさらに含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 第2のリバースプライマーが、5’配列決定タグを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 鋳型ポリヌクレオチドが断片化ゲノムDNAを含む、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 鋳型ポリヌクレオチドがcDNAを含む、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 第1のリバースプライマーの融解温度が、ユニバーサルプライマーの融解温度よりも少なくとも約5℃高いか、または少なくとも約10℃高い、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. アダプタープライミングドメインが、表4に列記されたものから選択され、各個々の鋳型ポリヌクレオチドが、最初の増幅工程の直前に、95%より大きい、99%より大きい、または99.9%より大きい分子的にユニークである確率を有する、請求項10から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、および複数のユニバーサルアダプターポリヌクレオチドを含むキットであって、各ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドが、3’末端を伸長不能にするためにリバース鎖上に3’修飾を含み、そして各ユニバーサルアダプターポリヌクレオチドが、すべてのユニバーサルアダプターポリヌクレオチドに共通のプライミング配列、および所望により1〜20個のヌクレオチドからなるバーコードドメインを含む、キット。
  21. 3’から5’一本鎖特異的エキソヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ不含有ポリメラーゼ緩衝液、およびヌクレアーゼ不含有リガーゼ緩衝液をさらに含む、請求項20に記載のキット。
  22. プライミング配列の少なくとも10bpに相補的なユニバーサルプライマーをさらに含む、請求項20または21に記載のキット。
  23. 3’修飾が、水素、リン酸、および酢酸からなる群から選択される、請求項20から22のいずれか一項に記載のキット。
  24. プライミング配列が、表4に列記されたものから選択される、請求項20から23のいずれか一項に記載のキット。
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