JP2021168626A - 収穫機 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化及びコスト削減を図ることができる収穫機を提供する。【解決手段】収穫機は、動力を伝達する動力伝達手段131と、この動力伝達手段131側からの動力により作動するコンベヤ15とを備える。動力伝達手段131は、互いに大きさが異なる2つの第1スプロケット161及び第2スプロケット162を有する。そして、第1スプロケット161及び第2スプロケット162の付け替えにより、コンベヤ15の搬送速度を変更可能である。【選択図】図10

Description

本発明は、軽量化及びコスト削減を図ることができる収穫機に関するものである。
従来、例えば下記の特許文献1に記載された収穫機が知られており、この収穫機は、エンジン側からの動力を伝達する動力伝達手段と、この動力伝達手段側からの動力により作動する収穫物搬送手段(コンベヤ)とを備えている。そして、収穫物搬送手段の搬送速度(コンベヤ速度)は、例えばHST(静油圧式無段変速機)に接続されたコンベヤ変速レバーの操作により変更可能となっている。
特開2019−146513号公報
しかしながら、上記従来の収穫機の如く収穫物搬送手段の搬送速度を変えるためのHSTを備える構成では、その分重量が重く、コストも高くなるという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、軽量化及びコスト削減を図ることができる収穫機を提供することを目的とする。
請求項1記載の収穫機は、動力を伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段側からの動力により作動する収穫物搬送手段とを備え、前記動力伝達手段は、大きさが異なる複数の回転体を有し、前記回転体の付け替えにより、前記収穫物搬送手段の搬送速度を変更可能であるものである。
請求項2記載の収穫機は、請求項1記載の収穫機において、少なくとも第1走行速度及びこの第1走行速度よりも速い第2走行速度に変更可能な走行手段を備え、収穫物搬送手段は、少なくとも第1搬送速度及びこの第1搬送速度よりも速い第2搬送速度に変更可能であり、前記第1搬送速度と前記第2搬送速度との比は、前記第1走行速度と前記第2走行速度との比に等しいものである。
請求項3記載の収穫機は、動力を伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段側からの動力により作動する収穫物搬送手段とを備え、前記動力伝達手段は、第1回転体と、前記第1回転体よりも大きい第2回転体と、前記第1回転体及び前記第2回転体に巻き掛けられた無端体とを有し、前記第1回転体が入力側に取り付けられかつ前記第2回転体が出力側に取り付けられた場合には、前記収穫物搬送手段が第1搬送速度で収穫物を搬送し、前記第2回転体が入力側に取り付けられかつ前記第1回転体が出力側に取り付けられた場合には、前記収穫物搬送手段が前記第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で収穫物を搬送するものである。
請求項4記載の収穫機は、請求項3記載の収穫機において、少なくとも第1走行速度及びこの第1走行速度よりも速い第2走行速度に変更可能な走行手段を備え、収穫物搬送手段は、少なくとも第1搬送速度及びこの第1搬送速度よりも速い第2搬送速度に変更可能であり、前記第1搬送速度と前記第2搬送速度との比は、前記第1走行速度と前記第2走行速度との比に等しいものである。
請求項5記載の収穫機は、請求項3又は4記載の収穫機において、第1回転体及び第2回転体のいずれか一方は、動力伝達手段の入力側の軸に脱着可能に取り付けられ、前記第1回転体及び前記第2回転体のいずれか他方は、前記動力伝達手段の出力側の軸に脱着可能に取り付けられているものである。
本発明によれば、軽量化及びコスト削減を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る収穫機の左側の側面図である。 同上収穫機の右側の側面図である。 同上収穫機の平面図である。 同上収穫機の右側の斜視図である。 同上収穫機の格納姿勢の左側の側面図である。 (a)ないし(c)は同上収穫機が備える安全体を示す図である。 同上収穫機が備える振動手段を示す図である。 同上収穫機の駆動系の概略構成図である。 同上収穫機のコンベヤ速度が低速である場合の部分側面図である。 同上収穫機のコンベヤ速度が高速である場合の部分側面図である。 第1スプロケットの具体的構成を示す図である。
本発明の一実施の形態について図1ないし図11を参照して説明する。
図1ないし図5において、11は農作業機である収穫機で、この収穫機11は、圃場の収穫物(農作物)Wの収穫作業を行うための小型の自走式収穫装置である。収穫対象である収穫物Wは、例えば圃場の土中に生育した略球形状の馬鈴薯である。なお、収穫物Wは、馬鈴薯以外に、例えば薩摩芋、玉葱、人参等でもよい。
収穫機11は、機枠12に設置された駆動源であるエンジン13と、このエンジン13からの動力に基づいて作動する変速可能な左右の走行手段であるクローラ14と、同じくエンジン13からの動力に基づいて作動して収穫物Wを搬送する変速可能な収穫物搬送手段であるコンベヤ15と、このコンベヤ15の搬送部16を上下方向に振動させるための振動手段17とを備えている。
そして、コンベヤ15は、前側の第1搬送部分であるコンベヤ前側部分15aと、後側の第2搬送部分であるコンベヤ後側部分15bとを有し、コンベヤ前側部分15aが左右方向の回動中心軸22を中心としてコンベヤ後側部分15bに対して上下方向に回動可能となっている。
具体的には、回動部分であるコンベヤ前側部分15aは、駆動手段であるシリンダ21の伸縮(作動)に基づいて、回動中心軸22を中心としてコンベヤ後側部分15bに対して上下方向に回動可能となっている。そして、コンベヤ前側部分15aは、シリンダ21の伸び動作に基づく上方回動により非作業状態(格納状態)となり、シリンダ21の縮み動作に基づく下方回動により作業状態となる。また、このコンベヤ前側部分15aは、掘取刃23及びゲージ輪24を有し、このゲージ輪24の高さ位置(上下位置)は調整ハンドル25によって調整可能である。
また、収穫機11は、作業者が座る左右の座席26と、この各座席26の近傍に設けられたステップ27と、左側の座席26に座った作業者が操作可能な操作手段28と、収穫物収納容器であるコンテナ(収穫物Wが収納される容器)が載置される前コンテナ台29、後コンテナ台30及び補助コンテナ台40とを備えている。
前コンテナ台29は座席26よりも前方側に配置され、後コンテナ台30及び補助コンテナ台40が座席26よりも後方側に配置されている。後コンテナ台30は、コンベヤ15のコンベヤ後側部分15bの後端部に設けられている。また、操作手段28は、各種の操作レバーや操作スイッチ等からなるもので、例えば主クラッチレバー61、補助クラッチレバー62、エンジン停止スイッチ63等を有している。
さらに、収穫機11は、コンベヤ後側部分15bに対するコンベヤ前側部分15aの上方回動時における作業者の安全を図るための左右の安全体71を備えている。そして、この収穫機11では、シリンダ21の作動により所定位置(例えば上限位置である非作業位置)まで上方回動した非作業状態のコンベヤ前側部分15aの下方回動を安全体71によって規制可能な構成となっている。つまり、この安全体71は、シリンダ21の故障等による非作業状態のコンベヤ前側部分15aの落下(自重による下方回動)を防止する落下防止機能を兼ね備えたものである。
ここで、安全体71は、図6(a)ないし(c)にも示すように、コンベヤ前側部分15aの側板46(46a)に立設された取付部材(ゲージ輪用の取付フレーム)72に連結ピン73を介して回動可能に連結された長手状の安全カバー部材76と、この安全カバー部材76をコンベヤ後側部分15bの側板46(46b)に対して固定(ロック)するための固定部材である着脱ピン77とを有している。
安全カバー部材76は、作業者が前後の側板46(46a,46b)間で手等を挟まないようにコンベヤ15の両部分15a,15bの側板46(46a,46b)の上方部を同時に覆う断面コ字状の長手状部材である。この安全カバー部材76の後端部の上側には作業用孔(スライド用孔)78が形成され、その後端部の下側には固定用孔79が形成されている。
着脱ピン77は、安全カバー部材76に対して着脱可能な頭付きピン部材である。この着脱ピン77は、丸軸状の軸部81と、この軸部81の基端に設けられた頭部82とを有している。軸部81の先端部には先端側孔83が形成され、軸部81の基端部には基端側孔84が形成されている。
コンベヤ後側部分15bの側板46(46b)は、鉛直状の側板部86と、この側板部86の上端部から内側(搬送部16側)に向かって突出する上板部87と、この上板部87の内端部から下方に向かって突出する突出板部88とを有している。側板部86の内面の所定部分には補強部材(例えば補強座金等)90が溶接固定されている。これら補強部材90及び側板部86には、固定用孔91,92がそれぞれ形成されている。
そして、図6(a)及び(b)に示すように、作業時には、着脱ピン77は、安全カバー部材76の作業用孔78に挿入され、その後に基端側孔84に挿入されたRピン(抜止用ピン)93によって当該作業用孔78から抜け出ない状態とされ、この状態で、当該着脱ピン77は、シリンダ21の作動に基づくコンベヤ前側部分15aの回動に応じてコンベヤ後側部分15bの側板46(46b)の上板部87の上面87a上をこの上面87aと線状に接触した状態で当該上面87aに沿ってスライドする。なおこのとき、例えば収穫物W、土、作業者の手等との当接によってRピン93が抜けることがないように、Rピン93は基端側孔84に挿入されて安全カバー部材76内に位置している。
また、図5及び図6(c)に示すように、非作業時(格納時)には、着脱ピン77は、互いに対向したピン挿入孔である固定用孔79,91,92に挿入され、その後に先端側孔83に挿入されたRピン93によって当該固定用孔79,91,92から抜け出ない状態にされる。そして、この状態において、例えばシリンダ21の故障等が原因で非作業状態のコンベヤ前側部分15aが自重で下方回動しようとした場合でも、コンベヤ後側部分15bに対して固定された固定状態(ロック状態)の安全体71によって非作業状態のコンベヤ前側部分15aの下方回動が規制され、当該非作業状態が維持される。なおこのとき、Rピン93を着脱ピン77に対して容易に脱着できるように、Rピン93は先端側孔83に挿入されて安全カバー部材76外に位置している。
また一方、コンベヤ15は、非作業時に前後の長さが短くできるように互いに回動可能に連結されたコンベヤ前側部分15a及びコンベヤ後側部分15bを有した折畳み可能なもので、圃場における畝の土中に植生した収穫物Wをその土中から掘り取って搬送方向に搬送する掘取搬送装置(収穫物搬送手段)である。
そして、このコンベヤ15は、当該コンベヤ15上に収穫物Wとともに搬入された圃場の土を土落下開口(隣り合う搬送バー43間の間隙)20から落下させながら収穫物Wを斜め上後方(搬送方向)に向けて搬送する回行可能な無端状の搬送部16を有している。なお、搬送部16の前側部分はコンベヤ前側部分15aの一部であり、搬送部16の後側部分はコンベヤ後側部分15bの一部である。
搬送部16は、前端部に位置する従動ローラ(従動回転体)31と後端部に位置する駆動ローラ(駆動回転体)32とに巻き掛けられ、その駆動ローラ32の駆動回転(コンベヤ15の駆動軸159の駆動回転)により所定方向に回行しながら収穫物Wを搬送する。この搬送部16は、複数の土落下開口20から土を落下させながら収穫物Wを搬送する往路面部33を上側に有し、この往路面部(往路面部のうちのベルト部分)33がローラ体(支持体)35と固定ガイド体36とによって下方から支持されている。
また、搬送部16は、所定方向に回行する左右一対の帯状の無端部材である無端ベルト(ベルト部分)41と、これら両無端ベルト41間に架設され、当該無端ベルト41とともに回行して収穫物Wを搬送方向に搬送する左右方向長手状の複数本の搬送部材である搬送バー(コンベヤバー)43とを有している。搬送方向に互いに隣り合う搬送バー43間には、圃場に向けて土を落下させるための土落下開口20が存在する。
複数本の搬送バー43は、例えば互いに形状等が異なって最下位置(振動ローラ101との当接位置である下端位置)の高さがそれぞれ異なる3種類の搬送バー43a,43b,43cによって構成されており、そのうちの1種類の搬送バー43(43a)が立上りコンベヤバーである。そして、この搬送バー43(43a)は、他の搬送バー43(43b,43c)よりも上方に位置して収穫物Wの転がりを防止する上方突出状の転がり防止部(立上り部)44を有している。
さらに、左右のローラ体35は、所定方向に従動回転しながら搬送部16の無端ベルト41の中間部分を下方から支持する中間従動ローラ体である。このローラ体35は、細長板状の固定部材(石避け板)51を含む固定手段50によって、コンベヤ後側部分15bの側板46(46a)の所定部分に固定されている。
また一方、振動手段17は、土を振るい落とすためにコンベヤ15の搬送部16を上下方向に振動させるためのコンベヤ振動装置である。そして、この振動手段17は、少なくとも3つの状態、すなわち例えば搬送部16を第1振動強さ(振幅「20mm」及び振幅「9mm」を有する振動強さ)で振動させる第1振動入状態(振動「強」状態)と、搬送部16を第1振動強さよりも弱い第2振動強さ(振幅「8.2mm」を有する振動強さ)で振動させる第2振動入状態(振動「弱」状態)と、搬送部16に振動を付与しない振動切状態(振動「切」状態)とに選択的に切換可能となっている。
ここで、図7に示すように、振動手段17は、振動入状態時(第1振動入状態時、第2振動入状態時)に搬送部16の搬送バー43との当接に基づいて搬送部16に振動を付与する上下動可能な左右の振動付与体である振動ローラ101と、振動切状態時に振動ローラ101が搬送部16の搬送バー43に当接しないように搬送部16の無端ベルト41を摺動可能(スライド可能)に支持する上下動可能な板状の左右の支持体である支持ガイド102とを有している。
また、振動手段17は、この振動手段17の状態を3つの状態のうち選択したいずれか一の状態に切り換えるための回動可能な操作体である操作レバー103を有し、振動ローラ101及び支持ガイド102はその操作レバー103の回動操作に基づく上下動により振動手段17の状態に対応する所定位置に同時に設定される。すなわち、操作レバー103をロックピン104で第1振動入位置に固定することで振動手段17が第1振動入状態に切り換えられ、操作レバー103をロックピン104で第2振動入位置に固定することで振動手段17が第2振動入状態に切り換えられ、操作レバー103をロックピン104で振動切位置に固定することで振動手段17が振動切状態にそれぞれ切り換えられる。
操作レバー103は、板状のレバー本体部106と、このレバー本体部106に固着されたコ字状枠部107とを有している。L字状のロックピン104は、レバー本体部106のピン用孔108及びコ字状枠部107のピン用孔109に挿入されている。また、ロックピン104のうちコ字状枠部107内に位置する部分には、切換プレート110の孔(第1振動入位置用孔111、第2振動入位置用孔112、振動切位置用孔113)に向けてロックピン104を付勢する付勢部材であるバネ115が装着されている。
切換プレート110は、コンベヤ前側部分15aの左側の側板46に固着されている。切換プレート110の前後側には、操作レバー103との当接により当該操作レバー103の回動を規制するストッパ117,118が突設されている。それゆえ、操作レバー103の回動範囲は、前後のストッパ117,118によって制限されている。
さらに、振動手段17は、互いに離間対向する左右の側板46間に回動可能に架設された回動軸121を有し、この回動軸121の左側の端部に操作レバー103のレバー本体部106の基端部が固着されている。また、左右の両側板(前コンベヤ枠)46は、連結パイプ120によって連結されている。
回動軸121の2箇所には取付板122の基端側が固着され、この取付板122の先端側には円筒状の回転体である振動ローラ101がベアリング100を介して回転可能に取り付けられている。また、回動軸121のうち取付板122よりも外側に位置する部分には、回動体である支持ガイド(ベルト支持ガイド板)102を支持する支持板123が固着されている。それゆえ、操作レバー103の操作による回動軸121の回動に基づいて、振動ローラ101と支持ガイド102とが互いに連動して上下方向に回動する。
支持ガイド102は、コンベヤ前側部分15aの側板46に固定された支軸部(回動支点)124を中心として後端側が昇降するように上下方向に回動可能となっている。換言すると、支持ガイド102は、前端側の回動支点を中心として上下方向に回動可能となっている。
この支持ガイド102は、1箇所で曲がったへ字状をなす細長板状のガイド本体部126と、このガイド本体部126の前端部に設けられた取付部127と、ガイド本体部126の下面に突設された突出板部128とを有している。そして、取付部127が支軸部124に回動可能に取り付けられ、かつ、ガイド本体部126の下面が支持板123の湾曲状の上端部である支持部130で支持されている。
なお、振動ローラ101及び支持ガイド102は、左右の側板46間でかつコンベヤ15の搬送部16の往路面部33及び復路面部34間の位置に配置されているが、操作レバー103は、作業者がコンベヤ15の側方から容易に操作できるように左側の側板46よりも外側の位置に配置されている。
次いで、図8ないし図11に示すように、収穫機11は、エンジン13側からの動力を伝達する動力伝達手段131を備え、この動力伝達手段131からの動力によりコンベヤ15の搬送部16が作動する。また、収穫機11は、クローラ14の走行速度を変えるためのギヤ式の走行ミッション(変速機)132を備え、この走行ミッション132には変速用の操作部材である変速レバー133がプッシュプルワイヤー134を介して接続されている。なお、変速レバー133は、例えば操作手段28の各種レバーのうちの一つである(図3参照)。
また、走行ミッション132の左右の出力軸135にはクローラ14の駆動スプロケット136が取り付けられ、この駆動スプロケット136及びアイドラ137にはクローラベルト(例えばゴム製の無端部材)138が巻き掛けられている。そして、駆動スプロケット136の駆動回転によりクローラベルト138が回行することでクローラ14が走行し、収穫機11が圃場上を移動する。
ここで、図8に示すように、エンジン13の出力軸140には第1プーリ141が取り付けられ、この第1プーリ141及び第2プーリ142には第1ベルト151が巻き掛けられている。また、第2プーリ142を一端部に取り付けた伝動軸139の他端部には第3プーリ143が取り付けられ、この第3プーリ143及び第4プーリ144には第2ベルト152が巻き掛けられている。第4プーリ144は、ギヤ式の走行ミッション132の入力軸155に取り付けられている。さらに、伝動軸139の他端部には第5プーリ145が取り付けられ、この第5プーリ145及び第6プーリ146には第3ベルト153が巻き掛けられている。第6プーリ146は、ギヤ式のコンベヤ減速機(減速手段)156の入力軸157に取り付けられている。
また、図9及び図10にも示すように、動力伝達手段131は、互いに大きさ(外径)が異なる複数の回転体、すなわち例えば互いに歯数が異なる第1スプロケット(スプロケット小、例えば「18T」)161及び第2スプロケット(スプロケット大、例えば「23T」)162と、これら両スプロケット161,162に巻き掛けられた無端体であるチェーン163と、このチェーン163に張力を付与するテンショナ164と、これらチェーン163等を収納するチェーンケース165とを有している。
第1スプロケット(第1回転体)161及び第2スプロケット(第1回転体よりも径大な第2回転体)162のうちいずれか一方は、動力伝達手段131の入力側の軸(入力側回転軸)であるコンベヤ減速機156の出力軸158の端部に脱着可能に取り付けられ、かつ、いずれか他方は、動力伝達手段131の出力側の軸(出力側回転軸)であるコンベヤ15の駆動軸159の端部に脱着可能に取り付けられている。
なお、複数の軸受部材160によって回転可能に支持された駆動軸(コンベヤ駆動軸)159には左右2つの駆動ローラ(駆動プーリ)32が取り付けられ、この駆動ローラ32に搬送部16の無端ベルト41が巻き掛けられている。また、チェーンケース165内に位置する駆動軸159の右端部に、第1スプロケット161又は第2スプロケット162が直結されるようになっている。
ここで、互いに大きさが異なる2つのスプロケット161,162のうち少なくともいずれか一方、すなわち例えば第1スプロケット(スプロケット小)161は、図11に示すように、例えば軸(出力軸158又は駆動軸159)の外周側に脱着可能に取り付けられて当該軸と一体となって回転する筒状の取付部171と、固定手段173によって取付部171に対して固定解除可能に固定されたスプロケット部(回転本体部)172とを有している。なお、取付部171の内周側にはキー溝174が形成され、この取付部171の外周側には鍔部175が形成され、この鍔部175にはスプロケット部172のボルト用孔176と連通するボルト用孔177が形成されている。
固定手段173は、例えば所定値以上の負荷が作用した際に折損する易折損部材であるシャーボルト181と、このシャーボルト181のねじ軸部182に螺合された雌螺合部材であるナイロンナット183とで構成されている。そして、シャーボルト181のねじ軸部182に所定以上の無理な負荷が作用した際には当該シャーボルト181のねじ軸部182が折損するため、動力伝達手段131の破損を防止できる。なお、図8ないし図10に図示した例では、第2スプロケット162は、第1スプロケット161とは異なり、シャーボルト等の易折損部材を有さず、例えば取付部とスプロケット部とが一体に形成されたものである。また、例えば第2スプロケット162が易折損部材を有する構成でもよい。
そして、図8及び図9に示すように、第1スプロケット161がコンベヤ減速機156の出力軸158に取り付けられかつ第2スプロケット162がコンベヤ15の駆動軸159に取り付けられた場合には、コンベヤ15は、動力伝達手段131からの動力により、第1搬送速度Va1で収穫物Wを搬送する。また、図10に示すように、第2スプロケット162がコンベヤ減速機156の出力軸158に取り付けられかつ第1スプロケット161がコンベヤ15の駆動軸159に取り付けられた場合には、コンベヤ15は、動力伝達手段131からの動力により、第1搬送速度Va1よりも速い第2搬送速度Va2で収穫物Wを搬送する。
また一方、クローラ14は、操作手段28が有する変速レバー133の操作により、少なくとも第1走行速度Vb1及びこの第1走行速度Vb1よりも速い第2走行速度Vb2に変更可能(設定可能)となっている。換言すると、作業時における収穫機11の進行方向への前進走行速度は、少なくとも第1走行速度Vb1及び第2走行速度Vb2に変更可能となっている。なお、この収穫機11は、前進走行に加え、後進走行や旋回も可能である。
そして、作業者は、スプロケット161,162の付け替えにより、コンベヤ15の搬送速度を第1搬送速度Va1(低速)に設定した際には、変速レバー133を低速側に倒してクローラ14の走行速度(収穫機11の走行速度)を第1走行速度Vb1(低速)に設定する。また、スプロケット161,162の付け替えにより、コンベヤ15の搬送速度を第2搬送速度Va2(高速)に設定した際には、変速レバー133を高速側に倒してクローラ14の走行速度(収穫機11の走行速度)を第2走行速度Vb2(高速)に設定する。
ここでこの収穫機11では、第1搬送速度Va1と第2搬送速度Va2との比は、第1走行速度Vb1と第2走行速度Vb2との比に等しい。具体的には、例えばVa1は「時速0.93km」、Va2は「時速1.51km」、Vb1は「時速0.224km」、Vb2は「時速0.37km」であるから、「Va1/Va2=Vb1/Vb2≒0.6」となり、両者の変速比は等しい。ここでいう「等しい」とは、厳密な意味で等しい場合のほか、略等しい場合をも含む。
なお、コンベヤ15の搬送速度を変更可能な動力伝達手段131は、収穫機11の後部右側に設けられ、補助コンテナ台40の近傍に配置されている(図4参照)。また、作業者は、動力伝達手段131のスプロケット161,162の付け替えを行う際には、チェーンケース165のカバー部材187をケース本体部材186から取り外す。
つまり、このチェーンケース165は、図4、図9や図10に示すように、取付ボルト185によってコンベヤ15の側板46(46b)及びコンベヤ減速機156に取り付けられた板状のケース本体部材186と、このケース本体部材186に対して脱着可能な箱状のカバー部材187とを有している。そして、カバー部材187は、ケース本体部材186の複数本(例えば2本)の蓋取付用軸部188に形成されたねじ孔189へのボルト190の螺合によりケース本体部材186に取り付けることができ、かつ、当該ボルト190の螺合解除によりケース本体部材186から取り外すことができる。なお、図9及び図10に示すチェーンケース165は、カバー部材187が取り外された状態である。
次に、上述した収穫機11の作用等を説明する。
圃場においてクローラ14の作動により左右のゲージ輪24が畝の裾部分を走行するように収穫機11を前方(図1に示す進行方向)に移動させると、圃場の畝の土中の収穫物Wはコンベヤ前側部分15aの掘取刃23によってその畝の土中から掘り取られ、この掘り取られた収穫物Wは、コンベヤ前側部分15a及びコンベヤ後側部分15bに亘って位置する搬送部16によって搬送方向に向かって搬送され、この搬送途中で座席26に座った作業者の手作業により当該搬送部16上から取り上げられてコンテナ内に収納される。
ここで、例えば低速で作業をする場合には、図9に示すように、作業者は、動力伝達手段131の第1スプロケット161をコンベヤ減速機156の出力軸158に取り付けかつ第2スプロケット162をコンベヤ15の駆動軸159に取り付けることでコンベヤ15の搬送速度を第1搬送速度Va1に設定するとともに、当該第1搬送速度Va1に合わせてクローラ14の走行速度を第1走行速度Vb1に設定する。
また、例えば高速で作業をする場合には、図10に示すように、作業者は、動力伝達手段131の第2スプロケット162をコンベヤ減速機156の出力軸158に取り付けかつ第1スプロケット161をコンベヤ15の駆動軸159に取り付けることでコンベヤ15の搬送速度を第2搬送速度Va2に設定するとともに、当該第2搬送速度Va2に合わせてクローラ14の走行速度を第2走行速度Vb2に設定する。
こうして、作業者は、収穫物Wの量や圃場の土質等の作業状態に応じて、搬送速度及び走行速度を調整することで、適切な作業速度での作業が可能である。
また、例えば作業終了後においては、図5や図6(c)等に示すように、シリンダ21によりコンベヤ前側部分15aを上方回動させて非作業状態にした後、着脱ピン77を固定用孔79,91,92に挿入しかつRピン93を着脱ピン77の先端側孔83に挿入することにより、安全カバー部材76をコンベヤ後側部分15bの側板46bに対して固定する。これにより、安全体71を用いて非作業状態のコンベヤ前側部分15aの下方回動を規制(防止)することが可能となる。また、この図5に示す状態とした小型かつ軽量の収穫機11は、小型貨物車両である軽トラックの荷台に載せることが可能である。
そして、このような収穫機11によれば、動力伝達手段131は互いに大きさが異なる複数(例えば2つのみ)のスプロケット161,162を有し、これら両スプロケット161,162の付け替え(入れ替え等)によりコンベヤ15の搬送速度を変更可能であるため、コンベヤ変速用のHST等を不要にでき、軽量化及びコスト削減(低コスト化)等を図ることができる。
また、コンベヤ15は少なくとも第1搬送速度Va1及び第2搬送速度Va2(Va2>Va1)に変更可能であるとともに、クローラ14は少なくとも第1走行速度Vb1及び第2走行速度Vb2(Vb2>Vb1)に変更可能であり、かつ、第1搬送速度Va1と第2搬送速度Va2との比が第1走行速度Vb1と第2走行速度Vb2との比に等しい(略等しいを含む)ので、低速か高速かに拘わらず、コンベヤ15の搬送部16上に搬入される収穫物Wの量を一定に保つことができる。
また一方、シリンダ21の故障等により非作業状態(格納状態)のコンベヤ前側部分15aが自重でコンベヤ後側部分15bに対して下方回動しようとした場合でも、非作業状態のコンベヤ前側部分15aの下方回動(自重による落下)が固定状態の安全体71によって規制されるため、安全体71とは別体の落下防止部材が不要であり、その分部品点数の低減を図ることができ、よって軽量化及びコスト削減等をより一層図ることができる。
また、着脱ピン77を作業用孔78から固定用孔79,91,92に差し替えることで、安全カバー部材76をコンベヤ後側部分15bに対して容易かつ確実に固定でき、しかも、作業者は着脱ピン77の差し替えによって安全カバー部材76の固定を確認(意識)でき、固定のし忘れを防止できる。
さらに、着脱ピン77は、その下端がコンベヤ後側部分15bの側板46(46b)の上板部87の上面87aと線状に接触した状態でスライドするため、例えば当該上面87aと面状に接触してスライドする構成等に比べて摩擦抵抗が少なくスムーズにスライドできる。なお、例えば着脱ピン77が回転しながら当該上面87a上を移動するようにしてもよい。
なお、上記実施の形態では、2つの搬送速度(Va1,Va2)に変更可能な収穫物搬送手段と、それに対応する2つの走行速度(Vb1,Vb2)に変更可能な走行手段とを備える構成について説明したが、例えば互いに対応するそれぞれ3つ以上の速度に変更可能な構成とすることも可能である。
また、動力伝達手段は、チェーン式の構成には限定されず、例えばベルト式の構成、ギヤ式の構成等でもよい。
11 収穫機
14 走行手段であるクローラ
15 収穫物搬送手段であるコンベヤ
131 動力伝達手段
161 第1回転体である第1スプロケット
162 第2回転体である第2スプロケット
163 無端体であるチェーン
Va1 第1搬送速度(低速)
Va2 第2搬送速度(高速)
Vb1 第1走行速度(低速)
Vb2 第2走行速度(高速)
W 収穫物

Claims (5)

  1. 動力を伝達する動力伝達手段と、
    前記動力伝達手段側からの動力により作動する収穫物搬送手段とを備え、
    前記動力伝達手段は、大きさが異なる複数の回転体を有し、
    前記回転体の付け替えにより、前記収穫物搬送手段の搬送速度を変更可能である
    ことを特徴とする収穫機。
  2. 少なくとも第1走行速度及びこの第1走行速度よりも速い第2走行速度に変更可能な走行手段を備え、
    収穫物搬送手段は、少なくとも第1搬送速度及びこの第1搬送速度よりも速い第2搬送速度に変更可能であり、
    前記第1搬送速度と前記第2搬送速度との比は、前記第1走行速度と前記第2走行速度との比に等しい
    ことを特徴とする請求項1記載の収穫機。
  3. 動力を伝達する動力伝達手段と、
    前記動力伝達手段側からの動力により作動する収穫物搬送手段とを備え、
    前記動力伝達手段は、
    第1回転体と、
    前記第1回転体よりも大きい第2回転体と、
    前記第1回転体及び前記第2回転体に巻き掛けられた無端体とを有し、
    前記第1回転体が入力側に取り付けられかつ前記第2回転体が出力側に取り付けられた場合には、前記収穫物搬送手段が第1搬送速度で収穫物を搬送し、
    前記第2回転体が入力側に取り付けられかつ前記第1回転体が出力側に取り付けられた場合には、前記収穫物搬送手段が前記第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で収穫物を搬送する
    ことを特徴とする収穫機。
  4. 少なくとも第1走行速度及びこの第1走行速度よりも速い第2走行速度に変更可能な走行手段を備え、
    収穫物搬送手段は、少なくとも第1搬送速度及びこの第1搬送速度よりも速い第2搬送速度に変更可能であり、
    前記第1搬送速度と前記第2搬送速度との比は、前記第1走行速度と前記第2走行速度との比に等しい
    ことを特徴とする請求項3記載の収穫機。
  5. 第1回転体及び第2回転体のいずれか一方は、動力伝達手段の入力側の軸に脱着可能に取り付けられ、
    前記第1回転体及び前記第2回転体のいずれか他方は、前記動力伝達手段の出力側の軸に脱着可能に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の収穫機。
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