JP2021167372A - ポリフェニレンエーテル含有樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル含有樹脂組成物 Download PDF

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祥宇 中村
Shou Nakamura
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Abstract

【課題】本発明は、難燃性と銅含有基材に対する密着性とを両立することができるポリフェニレンエーテル含有樹脂組成物、並びにそれを用いて形成された電子回路基板材料、樹脂フィルム、プリプレグ及び積層体を提供することを目的とする。【解決手段】ポリフェニレンエーテルと、リン含有オキソ酸金属塩と、窒素含有難燃補助剤とを含む熱硬化性樹脂組成物が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリフェニレンエーテル含有樹脂組成物等に関する。
近年、情報ネットワーク技術の著しい進歩又は情報ネットワークを活用したサービスの拡大に伴い、電子機器には情報量の大容量化、及び処理速度の高速化が求められている。これらの要求に応えるために、プリント配線板等の基板用材料には、従来から求められていた難燃性、耐熱性、銅箔とのピール強度等の特性に加え、低誘電率化・低誘電正接化が求められている。このため、プリント配線板等の基板用材料に用いられる樹脂組成物の更なる改良が検討されている。
基板用材料の中でも、ポリフェニレンエーテル(PPE)が、比較的低い誘電率、及び比較的低い誘電正接を有するため、上述した要求に応えられるプリント配線板用材料として好適である。
例えば、特許文献1には、プリント配線板の絶縁材料として好ましいPPE含有樹脂組成物において、難燃剤として、ホスフィン酸塩と、所望により、ホスフィン酸塩以外のリン含有化合物とを使用することが記述されている。
例えば、特許文献2には、塩素と臭素を含まない樹脂組成物において、樹脂としてのPPEと、窒素含有化合物と、五価のリン含有化合物とを使用することが記述されている。
特開2010−053178号公報 特開2005−154765号公報
PPE含有樹脂組成物には、加熱成型時等において良好な樹脂流動性を有することが求められ、更には、優れた難燃性を実現可能な硬化物を提供できることも求められる。
また、近年、データセンター及び第5世代移動通信システム(5G)の基地局等の通信インフラ用高速通信基板、サーバー用メモリ、サーバー用プロセッサー、5Gスマートフォンモジュール等の半導体基板のように、高周波数帯を利用する電子機器が求められていた。高周波数帯を利用する電子機器の電子回路基板用の絶縁材料として、PPE含有樹脂組成物を使用して、銅張積層板を形成するときに、銅に対する密着性(Cu密着性)の問題が顕著である。
他方、特許文献1及び2に記載のPPE含有樹脂組成物は、難燃性とCu密着性を両立するという観点について、未だに検討の余地がある。
したがって、本発明は、難燃性とCu密着性を両立することができるポリフェニレンエーテル含有樹脂組成物、並びにそれを用いて形成された電子回路基板材料、樹脂フィルム、プリプレグ及び積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ポリフェニレンエーテル含有熱硬化性樹脂組成物においてリン含有オキソ酸金属塩と窒素含有難燃補助剤を併用することによって、上記課題を解決することができることを見出し、本発明の完成に至った。本発明の一態様を以下に例示する。
[1] ポリフェニレンエーテルと、リン含有オキソ酸金属塩と、窒素含有難燃補助剤とを含む熱硬化性樹脂組成物。
[2] 前記リン含有オキソ酸金属塩が、リン含有オキソ酸アルミニウム塩である、項目1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[3] 前記窒素含有難燃補助剤が、少なくとも1つのアミノ基を有する、項目1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[4] 前記窒素含有難燃補助剤が、イミダゾール骨格、ピラゾール骨格、トリアゾール骨格、ピペラジン骨格、ジアジン骨格、及びトリアジン骨格から成る群から選択される少なくとも1つを有する、項目1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[5] 前記窒素含有難燃補助剤が、少なくとも1つの芳香族環を有する、項目1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[6] 前記ポリフェニレンエーテルが、少なくとも1つの末端官能基を有する、項目1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[7] 架橋剤及び/又は有機過酸化物をさらに含む、項目1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[8] 熱可塑性樹脂をさらに含む、項目1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[9] 前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、比誘電率が4以下であり、かつ誘電正接0.005以下である、項目1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[10] 項目1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、電子回路基板材料。
[11] 項目1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、樹脂フィルム。
[12] 基材と、項目1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物との複合体である、プリプレグ。
[13] 前記基材がガラスクロスである、項目12に記載のプリプレグ。
[14] 項目11に記載の樹脂フィルム、又は項目12若しくは13に記載のプリプレグの硬化物と、金属箔との積層体。
本発明によれば、ポリフェニレンエーテル含有樹脂組成物の硬化物の難燃性と、それを用いる電子回路基板材料、樹脂フィルム、プリプレグ及び積層体の形成時のCu密着性とを両立することができる。
製造例1で得られた変性ポリフェニレンエーテル1(変性PPE1)のH−NMR測定結果である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書での「〜」とは、特に断りがない場合、その両端の数値を上限値、及び下限値として含む意味である。また、本明細書において、数値範囲の上限値、及び下限値は任意に組み合わせることができる。
熱硬化性樹脂組成物
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル(PPE)と、リン含有オキソ酸金属塩と、窒素含有難燃補助剤とを含み、所望により、架橋剤、有機過酸化物、熱可塑性樹脂、難燃剤、シリカフィラー、その他の添加剤、溶剤等を更に含むことができる。
PPE含有熱硬化性樹脂組成物におけるリン含有オキソ酸金属塩と窒素含有難燃補助剤の併用は、PPE含有熱硬化性樹脂組成物の硬化物の難燃性と銅(Cu)に対する密着性との両立を達成し、ひいては高周波数帯を利用する電子機器の基板材料として用いられる平滑な(すなわち、従来の水準に比べて著しく低い粗度を有する)Cu面に対してさえも驚くべき密着性を有することができる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の構成要素について以下に説明する。
PPE
PPEは、フェニレンエーテル単位を繰り返し構造単位として含む。フェニレンエーテル単位中のフェニレン基は、置換基を有してもよく、有していなくてもよい。本明細書において、用語「ポリフェニレンエーテル」又は略語「PPE」は、ダイマー、トリマー、オリゴマー、及びポリマーを含む。
PPEは、フェニレンエーテル単位以外のその他の構成単位も含んでもよい。その他の構造単位の量は、全単位構造の数に対して、典型的には、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下又は5%以下である。ただし、本発明の作用効果を阻害しない範囲内であれば、その他の構造単位の量は、全単位構造の数に対して、30%を超えてもよい。したがって、本明細書では、用語「ポリフェニレンエーテル」又は略語「PPE」は、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、又は分岐構造を有するPPEを含む。
PPEは、好ましくは、下記式(2−3):
Figure 2021167372
{式中、R21、及びR22は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子)、置換基を有してもよいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、及びtert−ブチル基等のC1〜6の、直鎖状又は分岐状のアルキル基;シクロヘキシル基等のC6〜10の環状アルキル基)、置換基を有してもよいアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、及びブトキシ基等のC1〜6のアルコキシ基)、置換基を有してもよいアリール基(例えば、フェニル基、及びナフチル基)、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいニトロ基又は置換基を有してもよいカルボキシル基を表す。}で表される、繰り返し構造単位を含む。
より具体的に、R21は、各々独立にハロゲン原子又はC1−6の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、R22は、各々独立に水素原子又はC1−6の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、かつ前記飽和又は不飽和の炭化水素基はC1−6の条件を満たす限度で置換基を含んでいてもよい。
PPEの具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−ブチルフェノール等)との共重合体、及び、2,6−ジメチルフェノールとビフェノール類又はビスフェノール類とをカップリングさせて得られるPPE共重合体、及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)等をビスフェノール類やトリスフェノール類のようなフェノール化合物と有機過酸化物の存在下でトルエン溶媒中で加熱し、再分配反応させて得られる、直鎖構造もしくは分岐構造を有するPPEである。式(2−3)等で表されるフェニレンエーテル単位の重合反応等によって合成して得ることも可能である。
PPEは、本発明の作用効果を奏する観点から、少なくとも1つの末端官能基を有することが好ましく、主鎖末端に炭素−炭素二重結合を含む官能基を1分子当たり1.5〜5個有することがより好ましく、その主鎖末端に炭素−炭素二重結合を含む官能基を1分子当たり1.7〜4個有することが更に好ましい。PPEの1分子中の末端官能基数(平均値)が1個以上であれば、熱硬化性樹脂組成物は、硬化した際に十分な耐熱性を付与できる。また、末端官能基数が1分子当たり5個以下であれば、熱硬化性樹脂組成物は、加熱成形時に十分な樹脂流動性を付与できる。
本明細書にいう「末端官能基数」は、PPE1モル中に存在する全てのPPE1分子当たりの官能基の平均値を表した数値である。この末端官能基数は、例えば、得られたPPEに残存する水酸基数を測定して、変性前のPPEの水酸基数からの減少分を算出することにより求められる。この変性前のPPEの水酸基数からの減少分が、末端官能基数である。そして、変性前後のPPEが有する水酸基数の測定方法は、PPEの溶液に、水酸基と会合する4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)を添加し、その混合溶液のUV吸光度を測定することによって、求められる。具体的な末端官能基数の算出方法は、後述の実施例に記載の方法を参照できる。
ここで、熱硬化性樹脂組成物を硬化させたとき、高い耐熱性を一層確保し易くなる観点から、PPEの主鎖末端の官能基(以下、「末端官能基」ともいう。)は、下記式(1):
Figure 2021167372
{式中、nは0又は1の整数を示し、Rは、C1〜8のアルキレン基又はアルケニレン基であり、Rは、水素原子又はC1〜8のアルキレン基又はアルケニレン基である}
で表される構造を有することが好ましい。
中でも、加熱成形時の樹脂流動性に一層優れる観点から、末端官能基は、メタクリル基、及び/又はアクリル基であることがより好ましい。ただし、末端官能基は、上記の例に限定されない。末端官能基は、本発明の作用効果を阻害しない範囲内であれば、メタクリル基又はアクリル基以外の官能基、例えば、ベンジル基、アリル基、プロパルギル基、グリシジル基、エポキシ基、及びビニルベンゼン基等の官能基であってもよい。
また、PPEの数平均分子量(Mn)は、本発明の作用効果を奏する観点から、500〜8,000であることが好ましい。このような低分子範囲のPPEを含むことで、熱硬化性樹脂組成物の硬化形態において、誘電率、及び誘電正接の低減を図ることができる。
誘電率、及び誘電正接の低減を図る観点に加えて、流動性、他の成分との相溶性等の観点から、PPEの数平均分子量は、好ましくは800以上、より好ましくは1,200以上、更に好ましくは1,400以上である。同様の観点から、PPEの数平均分子量は、好ましくは7,000以下、より好ましくは6,000以下、更に好ましくは5,000以下である。また、同様の観点から、PPEの分子量分布は、Mw(重量平均分子量)/Mnとして、好ましくは、1.1〜5、1.4〜4、又は1.5〜3の範囲内である。
なお、PPEの数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行い、同条件で測定した標準ポリスチレン試料の分子量と溶出時間との関係式から、標準ポリスチレン換算で求められる。数平均分子量及び重量平均分子量の具体的な算出方法は、実施例に記載の方法を参照できる。
以下、PPEの特に好ましい例について説明する。
PPEは、下記式(2−1):
Figure 2021167372
で表される構造を含むことが好ましい。
式(2−1)中、Xはa価の任意の連結基であり、aは、2.0以上の数であり、好ましくは2.5以上の数、より好ましくは3以上の整数、更に好ましくは3〜6の整数である。Xの具体例としては、例えば、炭化水素基;窒素、リン、ケイ素若しくは酸素から選ばれる、一つ又は複数の元素を含有する炭化水素基;又は窒素、リン、ケイ素等の元素若しくはこれらを含む基等が挙げられる。
また、Rは、任意の置換基であり、kは1〜4の整数であり、kが2以上である場合には、2個のRが連結して環を形成していてよく、k個あるRのうちの少なくとも1つは、下記式(2−2):
Figure 2021167372
で表される部分構造を含む。
式(2−2)中、R11は、各々独立に、C1−8アルキル基であり、R12は、各々独立にC1−8アルキレン基であり、bは各々独立に0又は1であり、R13は、水素原子、C1−8アルキル基又はフェニル基のいずれかを示し、これらのアルキル基、アルキレン基、及びフェニル基は、C1−8の条件を満たす限度で置換基を含んでいてもよい。
式(2−2)で表される部分構造は、好ましくは、2級、及び/又は3級炭素を有し、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、2,2−ジメチルプロピル基又はこれらの末端にフェニル基を有する構造等を有することができる。式(2−2)で表される部分構造は、式(2−1)中のRが結合しているベンゼン環に直接結合していることが好ましい。また、式(2−2)で表される部分構造は、式(2−1)中のRが結合しているベンゼン環の2位、及び/又は6位(−O−に対してオルト位)に結合していることが好ましい。
式(2−1)で表される構造のうちの下記:
Figure 2021167372
の部分は、以下のいずれかの構造:
Figure 2021167372
であることが好ましく、それらの具体例としては、以下の化合物から、末端のフェノール性水酸基の水素を全て取り除いたものが挙げられる:
4,6−ジtert−ブチルベンゼン1,2,3−トリオール、2,6−ビス(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)メシチレン、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、1,3,5−トリス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[[4−(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン。
式(2−1)におけるYは、各々独立に、下記式(2−3):
Figure 2021167372
で表される構造を含む2価の連結基(置換基を有するフェノール単位)であり、そして式(2−1)におけるnは、Yの繰り返し数を表し、各々独立に、0〜200の整数であり、1〜200の整数であることが好ましい。
式(2−3)において、R21は、各々独立に、C1−6の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、好ましくはメチル、エチル基、n−プロピル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基等であり、より好ましくはメチル基、又はエチル基であり、更に好ましくはメチル基である。R22は、各々独立に、水素原子又はC1−6の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基等であり、より好ましくは水素原子、又はメチル基であり、更に好ましくは水素原子である。ここで、飽和又は不飽和の炭化水素基はC1−6の条件を満たす限度で置換基を有していてもよい。
式(2−1)におけるAは、各々独立に、炭素−炭素二重結合、及び/又はエポキシ結合を含有する置換基である。Aの具体例は、上記式(1)で表され、より具体的には、下記式(2−4)〜(2−8):
Figure 2021167372
で表される。
式(2−4)〜(2−8)において、R31は、それぞれ独立に、水素、水酸基又はC1−30の炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリロキシ基、アミノ基若しくはヒドロキシアルキル基である。R32は、それぞれ独立に、C1−30の2価の炭化水素基である。R33は、それぞれ独立に、水素、水酸基又はC1−30の炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリロキシ基、アミノ基、ヒドロキシアルキル基、ビニル基若しくはイソプロペニル基であり、R33のうち少なくとも一つは、ビニル基又はイソプロペニル基である。sとtは、0〜5の整数である。
31の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、アミル、シクロペンチル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、n−へキシル、シクロヘキシル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチレン、4−メチルペンチレン、1,1−ジメチルブチレン、2,2−ジメチルブチレン、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルへキシル、2−メチルへキシル、3−メチルへキシル、4−メチルへキシル、5−メチルへキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、1,1−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、3,4−ジメチルペンチル、2−メチル−3,3−ジメチルブチル、1−メチル−3,3−ジメチルブチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,3−ジメチル−2−ペンチル、2−イソプロピルブチル、2−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、1−シクロヘキシルメチル、2−エチルシクロペンチル、3−エチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、2,4−ジメチルシクロペンチル、2−メチルシクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、1−シクロペンチルエチル、n−オクチル、2−オクチル、3−オクチル、4−オクチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、2−エチルへキシル、3−エチルへキシル、4−エチルへキシル、5−エチルへキシル、1,1−ジメチルへキシル、2,2−ジメチルへキシル、3,3−ジメチルへキシル、4,4−ジメチルへキシル、5,5−ジメチルへキシル、1,2−ジメチルへキシル、1,3−ジメチルへキシル、1,4−ジメチルへキシル、1,5−ジメチルへキシル、2,3−ジメチルへキシル、2,4−ジメチルへキシル、2,5−ジメチルへキシル、1,1−エチルメチルペンチル、2,2−エチルメチルペンチル、3,3−エチルメチルペンチル、4,4−エチルメチルペンチル、1−エチル−2−メチルペンチル、1−エチル−3−メチルペンチル、1−エチル−4−メチルペンチル、2−エチル−1−メチルペンチル、3−エチル−1−メチルペンチル、4−エチル−1−メチルペンチル、2−エチル−3−メチルペンチル、2−エチル−4−メチルペンチル、3−エチル−2−メチルペンチル、4−エチル−3−メチルペンチル、3−エチル−4−メチルペンチル、4−エチル−3−メチルペンチル、1−(2−メチルプロピル)ブチル、1−(2−メチルプロピル)−2−メチルブチル、1,1−(2−メチルプロピル)エチル、1,1−(2−メチルプロピル)エチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、2,2−ジエチルプロピル、1,1−エチルメチル−2,2−ジメチルプロピル、2,2−エチルメチル−1,1−ジメチルプロピル、2−エチル−1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、2,5−ジメチルシクロヘキシル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、3,5−ジメチルシクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシルメチル、3−メチルシクロヘキシルメチル、4−メチルシクロヘキシルメチル、2−エチルシクロヘキシル、3−エチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、2−シクロヘキシルエチル、1−シクロヘキシルエチル、1−シクロヘキシル−2−エチレン、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、ベンジル、2−フェニルエチル等が挙げられる。
31の炭化水素基は、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、アミル、シクロペンチル、n−へキシルル、シクロヘキシル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、n−ヘプチル、1−メチルへキシル、2−メチルへキシル、3−メチルへキシル、4−メチルへキシル、5−メチルへキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、2−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、n−オクチル、2−オクチル、3−オクチル、4−オクチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、2−エチルへキシル、3−エチルへキシル、4−エチルへキシル、5−エチルへキシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、ベンジル等であり、より好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、アミル、シクロペンチル、n−へキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−オクチル、3−オクチル、4−オクチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、2−エチルへキシル、3−エチルへキシル、4−エチルへキシル、5−エチルへキシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、ベンジル等であり、更に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、アミル、シクロペンチル、n−へキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−オクチル、3−オクチル、4−オクチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、2−エチルへキシル、3−エチルへキシル、4−エチルへキシル、5−エチルへキシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、ベンジル等である。
32の炭化水素基の具体例としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、1,2−プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−1,3−トリメチレン、1,1−ジメチルエチレン、ペンタメチレン、1−エチル−1,3−プロピレン、1−メチル−1,4−ブチレン、2−メチル−1,4−ブチルレン、3−メチル−1,4−ブチレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、1,1−ジメチル−1,3−プロピレン、3,3−ジメチル−1,3−プロピレン、ヘキサメチレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、1−エチル−1,4−ブチレン、2−エチル−1,4−ブチレン、3−エチル−1,4−ブチレン、1−メチル−1,5−ペンチレン、2−メチル−1,5−ペンチレン、3−メチル−1,5−ペンチレン、4−メチルペンチレン、1,1−ジメチル−1,4−ブチレン、2,2−ジメチル−1,4−ブチレン、3,3−ジメチル−1,4−ブチレン、1,2−ジメチル−1,4−ブチレン、1,3−ジメチル−1,4−ブチレン、2,3−ジメチル−1,4−ブチレン、ヘプタメチレン、1−メチル−1,6−へキシレン、2−メチル−1,6−ヘキシレン、3−メチル−1,6−ヘキシレン、4−メチル−1,6−ヘキシレン、5−メチル−1,6−ヘキシレン、1−エチル−1,5−ペンチレン、2−エチル−1,5−ペンチレン、3−エチル−1,5−ペンチレン、1,1−ジメチル−1,5−ペンチレン、2,2−ジメチル−1,5−ペンチレン、3,3−ジメチル−1,5−ペンチレン、4,4−ジメチル−1,5−ペンチレン、1,2−ジメチル−1,5−ペンチレン、1,3−ジメチル−1,5−ペンチレン、1,4−ジメチル−1,5−ペンチレン、2,3−ジメチル−1,5−ペンチレン、2,4−ジメチル−1,5−ペンチレン、3,4−ジメチル−1,5−ペンチレン、2−メチル−3,3−ジメチル−1,4−ブチレン、1−メチル−3,3−ジメチル−1,4−ブチレン、1,2,3−トリメチルー1,4−ブチレン等が挙げられる。
また、R32の炭化水素基の具体例としては、1,3−ジメチル−1,4−ペンチレン、2−イソプロピル−1,4−ブチレン、2−メチル−1,4−シクロヘキシレン、3−メチル−1,4−シクロヘキシレン、4−メチル−1,4−シクロヘキシレン、1−シクロヘキシルメチレン、2−エチル−1,3−シクロペンチレン、3−エチル−1,3−シクロペンチレン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンチレン、2,4−ジメチル−1,3−シクロペンチレン、2−メチル−1,3−シクロペンチルメチレン、2−シクロペンチルエチレン、1−シクロペンチルエチレン、オクタメチレン、1−メチル−1,7−ヘプチレン、1−エチル1,6−へキシレン、1−プロピル−1,5−ペンチレン、2−メチル−1,7−ヘプチレン、3−メチル−1,7−ヘプチレン、4−メチル−1,7−ヘプチレン、5−メチル−1,7−ヘプチレン、6−メチル−1,7−ヘプチレン、2−エチル−1,6−ヘキシレン、3−エチル−1,6−ヘキシレン、4−エチル−1,6−ヘキシレン、5−エチル−1,6−ヘキシレン、1,1−ジメチル−1,6−ヘキシレン、2,2−ジメチル−1,6−ヘキシレン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキシレン、4,4−ジメチル−1,6−ヘキシレン、5,5−ジメチル−1,6−ヘキシレン、1,2−ジメチル−1,6−ヘキシレン、1,3−ジメチル−1,6−ヘキシレン、1,4−ジメチル−1,6−ヘキシレン、1,5−ジメチル−1,6−ヘキシレン、2,3−ジメチル−1,6−ヘキシレン、2,4−ジメチル−1,6−ヘキシレン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキシレン、1,1−エチルメチル−1,5−ペンチレン、2,2−エチルメチル−1,5−ペンチレン、3,3−エチルメチル−1,5−ペンチレン、4,4−エチルメチル−1,5−ペンチレン、1−エチル−2−メチル−1,5−ペンチレン、1−エチル−3−メチル−1,5−ペンチレン、1−エチル−4−メチル−1,5−ペンチレン、2−エチル−1−メチル−1,5−ペンチレン、3−エチル−1−メチル−1,5−ペンチレン、4−エチル−1−メチル−1,5−ペンチレン、2−エチル−3−メチル−1,5−ペンチレン、2−エチル−4−メチル−1,5−ペンチレン、3−エチル−2−メチル−1,5−ペンチレン、4−エチル−3−メチル−1,5−ペンチレン、3−エチル−4−メチル−1,5−ペンチレン、4−エチル−3−メチル−1,5−ペンチレン等が挙げられる。
更に、R32の炭化水素基の具体例としては、1−(2−メチルプロピル)−1,4−ブチレン、1−(2−メチルプロピル)−2−メチル−1,4−ブチレン、1,1−(2−メチルプロピル)エチレン、1,1−(2−メチルプロピル)エチル−1,3−プロピレン、1,1−ジエチル−1,3−プロピレン、2,2−ジエチル−1,3−プロピレン、1,1−エチルメチル−2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、2,2−エチルメチル−1,1−ジメチル−1,3−プロピレン、2−エチル−1,1−ジメチル−1,4−ブチレン、2,3−ジメチル−1,4−シクロヘキシレン、2,3−ジメチル−1,4−シクロヘキシレン、2,5−ジメチル−1,4−シクロヘキシレン、2,6−ジメチル−1,4−シクロヘキシレン、3,5−ジメチル−1,4−シクロヘキシレン、2−メチル−1,4−シクロヘキシル−1−メチレン、3−メチル−1,4−シクロヘキシル−1−メチレン、4−メチル−1,4−シクロヘキシル−1−メチレン、2−エチル−1,4−シクロヘキシレン、3−エチル−1,4−シクロヘキシレン、4−エチル−1,4−シクロヘキシレン、2−シクロヘキシルエチレン、1−シクロヘキシルエチレン、1−シクロヘキシル−2−エチレン、ノニルメチレン、1−メチル−1,8−オクチレン、デシルメチレン、1−メチル−1,8−ノニレン、ウンデシルメチレン、ドデシルメチレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、メチレン−1,4−フェニレン−メチレン、エチレン−1,4−フェニレン−エチレン等が挙げられる。
32の炭化水素基は、好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、1,2−プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−1,2−プロピレン、1,1−ジメチルエチレン、ペンタメチレン、1−エチル−1,3−プロピレン、1−メチル−1,4−ブチレン、2−メチル−1,4−ブチレン、3−メチル−1,4−ブチレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、1,3−シクロペンチレン、1,6−へキサメチレン、1,4−シクロヘキシレン、1−エチル−1,4−ブチレン、2−エチル−1,4−ブチレン、3−エチル−1,4−ブチレン、1−メチル−1,5−ペンチレン、2−メチル−1,5−ペンチレン、3−メチル−1,5−ペンチレン、4−メチル−1,5−ペンチレン、ヘプタメチチレン、1−メチル−1,6−ヘキシレン、2−メチル−1,6−ヘキシレン、3−メチル−1,6−ヘキシレン、4−メチル−1,6−ヘキシレン、5−メチル−1,6−ヘキシレン、1−エチル−1,5−ペンチレン、2−エチル−1,5−ペンチレン、3−エチル−1,5−ペンチレン、2−メチル−1,4−シクロヘキシレン、3−メチル−1,4−シクロヘキシレン、4−メチル−1,4−シクロヘキシレン、オクタメチレン、1−メチル−1,7−ヘプチレン、3−メチル−1,7−ヘプチレン、4−メチル−1,7−ヘプチレン、2−メチル−1,7−ヘプチレン、5−メチル−1,7−ヘプチレン、6−メチル−1,7−ヘプチレン、2−エチル−1,6−ヘキシレン、3−エチル−1,6−ヘキシレン、4−エチル−1,6−ヘキシレン、5−エチル−1,6−ヘキシレン、ノニルメチレン、デシルメチレン、ウンデシルメチレン、ドデシルメチレン等であり、より好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、1,2−プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−1,2−プロピレン、1,1−ジメチルエチレン、ペンタメチレン、1−エチル−1,3−プロピレン、1−メチル−1,4−ブチレン、2−メチル−1,4−ブチレン、3−メチル−1,4−ブチレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、1,3−シクロペンチレン、1,6−へキサメチレン、1,4−シクロヘキシレン、ヘプタメチチレン、オクタメチレン、1−メチル−1,7−ヘプチレン、3−メチル−1,7−ヘプチレン、4−メチル−1,7−ヘプチレン、2−メチル−1,7−ヘプチレン、5−メチル−1,7−ヘプチレン、6−メチル−1,7−ヘプチレン、2−エチル−1,6−ヘキシレン、3−エチル−1,6−ヘキシレン、4−エチル−1,6−ヘキシレン、5−エチル−1,6−ヘキシレン、ノニルメチレン、デシルメチレン、ウンデシルメチレン、ドデシルメチレン等であり、更に好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、1,2−プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−1,2−プロピレン、1,1−ジメチルエチレン、ペンタメチレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、1,3−シクロペンチレン、1,6−へキサメチレン、1,4−シクロヘキシレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、1−メチル−1,7−ヘプチレン、3−メチル−1,7−ヘプチレン、4−メチル−1,7−ヘプチレン、2−メチル−1,7−ヘプチレン、5−メチル−1,7−ヘプチレン、6−メチル−1,7−ヘプチレン、2−エチル−1,6−ヘキシレン、3−エチル−1,6−ヘキシレン、4−エチル−1,6−ヘキシレン、5−エチル−1,6−ヘキシレン、ノニルメチレン、デシルメチレン、ウンデシルメチレン、ドデシルメチレン等である。
式(2−1)中のAについて、炭素−炭素二重結合を含有する置換基の具体例としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、p−ビニルフェニル基、p−イソプロペニルフェニル基、m−ビニルフェニル基、m−イソプロペニルフェニル基、o−ビニルフェニル基、o−イソプロペニルフェニル基、p−ビニルベンジル基、p−イソプロペニルベンジル基、m−ビニルベンジル基、m−イソプロペニルベンジル基、o−ビニルベンジル基、o−イソプロペニルベンジル基、p−ビニルフェニルエテニル基、p−ビニルフェニルプロペニル基、p−ビニルフェニルブテニル基、m−ビニルフェニルエテニル基、m−ビニルフェニルプロペニル基、m−ビニルフェニルブテニル基、o−ビニルフェニルエテニル基、o−ビニルフェニルプロペニル基、o−ビニルフェニルブテニル基、メタクリル基、アクリル基、2−エチルアクリル基、2−ヒドロキシメチルアクリル基等が挙げられる。
式(2−1)におけるLは、任意の2価の連結基又は単結合(直接結合)である。Lが単結合である場合、式(2−1)は下式のように表される。
Figure 2021167372
また、Lが任意の2価の連結基である場合、かかるLの具体例は、例えば、下記式:
Figure 2021167372
{式中、a、R、k、X、Y、及びnは、式(2−1)の説明において定義したとおりである}
で表される構造を有する。
式(2−1)で表される構造は、Xの価数aの値に応じて様々な分岐構造を取り得る。例えば、式(2−1)においてa=3の場合には、下記式:
Figure 2021167372
Figure 2021167372
Figure 2021167372
Figure 2021167372
{式中、nは、Yの繰り返し数を表し、0〜200の整数である}
で表される分岐構造等が挙げられる。
式(2−1)で表される構造としては、具体的には下記のような構造が挙げられる。
Figure 2021167372
Figure 2021167372
Figure 2021167372
Figure 2021167372
上記の式中、Zは、式(2−1)におけるXに相当する任意の連結基である。Rは、式(2−2)で表される置換基であり、bは1〜4の整数である。なお、Rの位置に限定はなく、Rは、任意の位置を取ってよい。また、bが2以上の場合には、複数あるRのそれぞれが、同じ構造を取っても、異なった構造を取ってもよい。Rとしては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、2,2−ジメチルプロピル基又はこれらの末端にフェニル基を有する構造等が挙げられる。Aは、炭素−炭素二重結合、及び/又はエポキシ結合を含有する置換基である。Rは、水素又はC1〜8の鎖状若しくは環状構造を有する炭化水素基である。Rが複数ある場合には、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい。Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、フェニル基、ベンジル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、合成時の反応性等の観点から、水素、メチル、エチル、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、及びn−オクチル基が好ましい。しかしながら、合成時の反応性が、Rの位置又は合成時の反応条件を適切に設定することによってもコントロールできる場合には、Rの構造に制限はなく、C1−8の条件を満たす範囲内で任意の構造でよい。Zは、炭化水素基;窒素、リン、ケイ素、酸素から選ばれる、一つ又は複数の元素を含有する炭化水素基;又は窒素、リン、ケイ素等の元素若しくはこれらを含む基である。
Zとしての炭化水素基の具体例は、例えば、下記式で表される構造等である。
Figure 2021167372
上記式において、R〜R10は、同じでも異なっていてもよく、水素又はC1−8の炭化水素基を示す。また、R31〜R33は、同じでも異なっていてもよく、水素又はC1−6の炭化水素基を示す。j、k、l、及びmは、同じでも異なっていてもよく、0〜4の整数である。R〜R10の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピルn−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。R31〜R33の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピルn−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
また、Zとして、窒素、リン、ケイ素、及び酸素から成る群から選ばれる、一つ又は複数の元素を含有する炭化水素基の具体例は、下記式で表されるものである。
Figure 2021167372
上記式において、R〜R10は、同じでも異なっていてもよく、水素又はC1−8の炭化水素基を示す。j、k、l、及びmは、同じでも異なっていてもよく、0〜4の整数である。R〜R10の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピルn−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
また、Zとして、窒素、リン、ケイ素等の元素又はこれらを含む基の具体例は、以下のとおりである。
Figure 2021167372
上記具体例のうち、一つ目のものについてAの構造を具体的にすると、下記式のような構造になる。なお、4〜6分岐の場合も同様であり、また下記式中のR31、R32、s、及びtは、Aの具体例において定義したとおりである。
Figure 2021167372
Figure 2021167372
Figure 2021167372
Figure 2021167372
Figure 2021167372
以上説明したPPEの数平均分子量は、GPCを用いたポリスチレン換算分子量において、上記のとおり、500〜8,000であることが好ましい。
本実施形態における式(2−1)の構造を有する変性PPEは、例えば、より高分子のPPEポリマーを用いた再分配反応法によりPPEを調製し、その末端にA(例えば、上記式(1)で表される構造を含む末端官能基)を導入することにより製造することができる。再分配反応によるPPEの製造の場合は、公知の反応条件に定められた条件に従い製造することが可能である。この場合、得られるポリマーは、原料となるPPEよりも分子量が低くなるため、目的の分子量に合わせ、原料PPEと多官能フェノール化合物の比率を調整してよい。
また、式(2−1)中の置換基Aを、例えば、式(2−4)〜(2−7)で表される官能基を、得られたPPEポリマー末端へ導入する方法に限定はなく、官能基の種類に応じて公知の様々な方法を採用してよい。例えば、式(2−4)、(2−6)又は(2−7)の構造を有する官能基の導入は、一般的には、Williamson合成法によるエーテル結合の形成に従うことができる。式(2−5)の構造を有する官能基の導入は、PPEポリマー末端の水酸基と、炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸(以下カルボン酸)とのエステル結合の形成反応であり、公知のエステル結合形成方法を利用することができる。
PPEは、高硬化反応性、及び低誘電特性、並びに良好な流動性・成形性を有し、耐熱性に優れるので、各種電気・電子機器用の材料として好適に使用でき、特に、電気・電子部品(プリント配線板基材等)用のプリプレグの製造に好適に使用できる。
なお、熱硬化性樹脂組成物において、所定のPPEが単独で用いられてもよく、複数の異なるPPEが組み合わせて用いられてもよい。複数種のPPEが使用される場合には、PPE以外の成分の含有量、配合量又は重量比は、全PPEの合計質量を基準として計算されることができる。
リン含有オキソ酸金属塩
本明細書では、「リン含有オキソ酸」とは、リン原子にヒドロキシ基(−OH)とオキソ基(=O)が結合している化合物をいい、そして「リン含有オキソ酸金属塩」とは、リン含有オキソ酸のヒドロキシ基が酸性プロトンを与えるため、リン含有オキソ酸のアニオンと金属カチオンとから形成される塩をいう。金属カチオンとしては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛及び鉄から成る群から選択される少なくとも1つの金属原子のカチオンが挙げられる。
リン含有オキソ酸金属塩は、PPE含有熱硬化性樹脂組成物の難燃性に有効であり、そして後述される窒素含有難燃補助剤と併用されることにより、銅(Cu)に対する密着性(Cu密着性)を相乗的に向上させることができる。リン含有オキソ酸金属塩は、窒素含有難燃補助剤とともに、高周波数帯を利用する電子機器の基板材料として用いられる平滑なCu面に対してさえもPPE含有硬化物を密着させ、得られる積層体の相関密着強度を向上させて層間剥離を抑制することができる。
リン含有オキソ酸金属塩は、環境への配慮という観点から、PPE含有熱硬化性樹脂組成物のハロゲンフリー化のために難燃剤の役割を担うことができ、また、熱硬化性樹脂組成物の加熱成型時に樹脂流動性が良好になるとともに、加熱成型品の電気特性(例えば、誘電率、及び誘電正接の低減)及び耐熱性にも優れる傾向にある。
リン含有オキソ酸金属塩は、PPE含有硬化物の耐熱性の観点から、樹脂組成物の硬化後に樹脂組成物中の他の含有成分と相溶しないものが好ましく、樹脂組成物の硬化後に樹脂組成物中のPPE及び/又は架橋剤と相溶しないことがより好ましい。
リン含有オキソ酸は、リン酸、ホスホン酸、又はホスフィン酸から選択されることができ、そして本実施形態では、用語「ホスホン酸」及び「ホスフィン酸」は、リン原子(P)に直接結合する水素原子(H)が、H以外の基又は原子により置換されている態様も含んでよい。本実施形態では、リン酸金属塩、ホスホン酸金属塩及びホスフィン酸金属塩のうち、PPE含有硬化物の難燃性とCu密着性の両立という観点から、ホスホン酸金属塩及び/又はホスフィン酸金属塩が好ましく、ホスフィン酸金属塩がより好ましい。
また、リン含有オキソ酸金属塩は、PPE含有硬化物の難燃性とCu密着性の両立という観点から、リン含有オキソ酸アルミニウム塩であることが好ましい。
リン酸金属塩は、金属カチオンの価数に応じて、3個のヒドロキシ基(−OH)のうち、1個、2個又は3個の−OH由来のアニオンが金属塩を形成してよく、単一種の金属カチオンに対して2個又は3個の−OH由来のアニオンが金属塩を形成してよく、かつ/又は複数種の金属カチオンに対して2個又は3個の−OH由来のアニオンが各々独立に金属塩を形成してよい。
ホスホン酸金属塩は、ホスホン酸由来の骨格を有してよく、又はホスホン酸のPに直接結合していたHが、H以外の基、例えば、C1−7のアルキル基などにより置換された骨格を有してよい。また、ホスホン酸金属塩は、金属カチオンの価数に応じて、2個のヒドロキシ基(−OH)のうち、1個又は2個の−OH由来のアニオンが金属塩を形成してよく、単一種の金属カチオンに対して2個の−OH由来のアニオンが金属塩を形成してよく、かつ/又は複数種の金属カチオンに対して2個の−OH由来のアニオンが各々独立に金属塩を形成してよい。
ホスフィン酸金属塩は、下記式(4A);
Figure 2021167372
{式中、RとRは、それぞれ独立に、水素、又はC1−7のアルキル基であり、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、又は鉄であり、cとdは1〜3の整数であり、dは、Mの正電荷の数であり、そしてcは、Mに対応するホスフィン酸アニオンの数である}
で表される化合物であることができる。
式(4A)において、PPE含有熱硬化性樹脂組成物の加熱成型性の観点から、RとRは、少なくとも一方がC1−7のアルキル基であることが好ましく、両方がC1−7のアルキル基であることがより好ましく、両方がC1−3のアルキル基であることがさらに好ましく、両方がメチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
式(4A)において、PPE含有硬化物の難燃性とCu密着性の両立という観点から、d+は、3+であり、かつcは3であることが好ましい。同様の観点から、式(4A)において、Mは、アルミニウムであることが好ましい。具体的に、式(4A)で表される化合物としては、好ましくは、
ジエチルホスフィン酸アルミニウム(RaとRb=エチル基、M=アルミニウム、d=3、c=3);等が挙げられる。
本実施形態では、上記で例示されたリン含有オキソ酸金属塩は、単独で、又は複数種の組み合わせとして、使用されることができる。
熱硬化性樹脂組成物におけるリン含有オキソ酸金属塩の含有量は、PPE100質量部に対して、5質量部以上45質量部以下であることが好ましく、7質量部以上40質量部以下で含有されることがより好ましく、10質量部以上30質量部以下で含有されることが更に好ましい。PPE100質量部に対して5質量部以上のリン含有オキソ酸金属塩は、PPE含有硬化物の難燃性とCu密着性の両立という観点から好ましい。他方、PPE100質量部に対して45質量部以下のリン含有オキソ酸金属塩は、熱硬化性樹脂組成物の流動性の観点から好ましい。
窒素含有難燃補助剤
本明細書では、「窒素含有難燃補助剤」は、少なくとも1つの窒素原子を含み、かつ別の難燃剤のための助剤を意味する。したがって、窒素原子を含むPPE、及び窒素原子を含むが難燃性に関与しない架橋剤は、窒素含有難燃補助剤と区別されることできる。本実施形態に係る窒素含有難燃補助剤は、PPE含有熱硬化性樹脂組成物の加熱成型においてチャー(Char)化及び/又は窒息を促進し、難燃性に寄与することができる。また、窒素含有難燃補助剤は、上記で説明されたリン含有オキソ酸金属塩と併用されることにより、PPE含有硬化物の難燃性を相乗的に向上させることもできる。さらに、窒素含有難燃補助剤は、環境への配慮という観点から、PPE含有樹脂組成物のハロゲンフリー化に寄与することができる。
本実施形態に係る窒素含有難燃補助剤は、PPE含有硬化物の銅(Cu)に対する密着性(Cu密着性)を向上させることができ、ひいては高周波数帯を利用する電子機器の基板材料として用いられる平滑なCu面に対してさえもPPE含有硬化物を密着させ、得られる積層体の相関密着強度を向上させて層間剥離を抑制することができる。窒素含有難燃補助剤は、理論に拘束されることを望まないが、PPE樹脂マトリックス内に適度に分散する一方で、Cuに配位結合し得るため、例えば銅箔などのCu含有基材に対するPPE含有硬化物の密着性を著しく向上させることが考えられる。
窒素含有難燃補助剤は、主鎖、又は合成の出発物質に由来する主骨格において、窒素原子(N)を含有してよく、かつ/又は主鎖又は主骨格に対する置換基においてNを含有してよい。本実施形態では、窒素含有難燃補助剤は、上記で説明されたリン含有オキソ酸金属塩と区別される限り、窒素原子に加えて、リン原子を含んでよい。
窒素含有難燃補助剤は、PPE含有硬化物の難燃性とCu密着性の両立という観点から、少なくとも1つのアミノ基を有することが好ましく、かつ/又は少なくとも1つのNから構成される複素環を有することが好ましい。
少なくとも1つのNから構成される複素環は、飽和又は不飽和であることができ、そしてイミダゾール骨格、ピラゾール骨格、トリアゾール骨格、ピペラジン骨格、ジアジン骨格、及びトリアジン骨格から成る群から選択される少なくとも1つであることが好ましく、トリアジン骨格であることがより好ましい。
窒素含有難燃補助剤が、PPE含有熱硬化性樹脂組成物の加熱成型性の観点から、少なくとも1つの芳香族環を有することが好ましく、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のビフェニル基、置換又は非置換のシクロヘキシルベンジル基、及び置換又は非置換のナフチル基から成る群から選択される少なくとも1つを有することがより好ましい。
PPE含有硬化物の難燃性とCu密着性の両立という観点から、トリアジン骨格を有する窒素含有難燃補助剤として、メラミン、メラム、メレム、メロン、メチレンジメラミン、エチレンジメラミン、デカメチレンジメラミン、1,3−シクロヘキシルジメラミン、4,4’−ジエチレンジメラミン、ジエチレントリメラミン、ベンゾグアナミン、ジベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、メチルグアナミン、アジポグアナミン、アセトグアナミン、メラミン樹脂、又はそれらのシアヌル酸塩、硫酸塩、リン酸塩、若しくは硼酸塩;及び2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、2−N−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン等を使用することが好ましい。
上記で列挙された窒素含有難燃補助剤の中でも、1,3,5−トリアジン骨格と、少なくとも1つのアミノ基と、フェニル基とを有する窒素含有難燃補助剤として、ベンゾグアナミンがより好ましい。
また、窒素含有難燃補助剤としては、下記一般式(8):
Figure 2021167372
{式中、T、T、T、及びTは、それぞれ独立に、水素原子、又はC1〜12のアルキル基又はアリール基を表し、Tは、水素原子、又はメチル基を表し、m1、m2、m3、及びm4は、それぞれ独立に、0〜5の整数を示し、m5は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、かつnは、0〜3の整数を表す}
で表される三級アミン類を使用することもできる。
式(8)において、アリール基として、ナフチル基も好適に用いることができ、そして窒素原子(N)上の三つのアリール基は、全て同じであっても、それぞれ異なってもよい。
リン原子及び窒素原子を含有する窒素含有難燃補助剤の別の具体例としては、下記式(5A);
Figure 2021167372
{式中、mは3〜25の整数を表し、そしてRは、各々独立に有機基を有していてもよいアリール基である}
で表される化合物が挙げられる。この式(5A)で表される化合物は、PPE、架橋剤、及び有機過酸化物を含む熱硬化性樹脂に対して非相溶性の傾向がある。
具体的に、式(5A)で表される化合物としては、好ましくは、
フェノキシシクロホスファゼン(m=3、R=フェニル基);
シアノフェノキシシクロホスファゼン(m=3、R=シアノベンジル基);等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物における窒素含有難燃補助剤の含有量は、PPE100質量部に対して、5質量部以上45質量部以下であることが好ましく、7質量部以上40質量部以下で含有されることがより好ましく、10質量部以上30質量部以下で含有されることが更に好ましい。
難燃剤
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、難燃剤(ただし、上記で説明されたリン含有オキソ酸金属塩及び窒素含有難燃補助剤を除く)を含むことができる。難燃剤としては、耐熱性を向上できる観点から、樹脂組成物の硬化後に樹脂組成物中の他の含有成分と相溶しないものが好ましく、樹脂組成物の硬化後に樹脂組成物中のPPE及び/又は架橋剤と相溶しないものがより好ましい。
難燃剤は、環境面からハロゲンフリーが求められる場合には、リン含有オキソ酸金属塩以外のリン系難燃剤であることが好ましい。
リン系難燃剤の具体例としては、下記式(6A);
Figure 2021167372
{式中、R、R、及びRは、水素原子又は有機基である}
で表される化合物(例えば、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、又はその誘導体など)が挙げられる。
式(6A)で表される化合物は、電気特性が良好である観点から、下記式(6B):
Figure 2021167372
{式中、nは1以上の整数であり、R及びRは、式(6A)について定義されたとおりであり、かつRは、フェニル基、直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又は水素原子である。}
で表される化合物であることが好ましい。
具体的に、式(6B)で表される化合物としては、好ましくは、
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(n=1、R=水素原子:ホスファフェナントレン);
10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(n=10、R=フェニル基);又は
10−メチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(n=10、R=メチル基);等が挙げられる。
リン系難燃剤の別の具体例としては、下記式(7A);
Figure 2021167372
(式中、Xは、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、およびビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドからなる群より選ばれるジヒドロキシ化合物より誘導される二価フェノール残基であり、nは、0〜5の整数、またはn数の異なるリン酸エステルの混合物の場合には、それらの平均値であり、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、フェノール、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、およびp−クミルフェノールからなる群より選ばれるアリール基より誘導される一価フェノール残基である。)
で表される化合物が挙げられる。
式(7A)で表される化合物としては、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート、4,4’−ビフェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニルホスフェートなどの芳香族縮合リン酸エステルが好ましい。
また、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記式(4A)〜(7A)で表される化合物のいずれにも該当しない化合物を含有する難燃剤(その他の難燃剤)を含むことができる。その他の難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛等の無機難燃剤等の芳香族臭素化合物を含む難燃剤等が挙げられる。
上記で例示された難燃剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記で説明された難燃剤(リン含有オキソ酸金属塩及び窒素含有難燃補助剤を除く)の含有量は、特に限定されないが、難燃性を維持するという観点から、PPEと後述される架橋剤との合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。また、得られる硬化物の誘電率、及び誘電正接を低く維持できる観点から、難燃剤の含有量は、PPEと後述される架橋剤との合計100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。
架橋剤
本実施形態では、架橋反応を起こすか、又は促進する能力を有する任意の架橋剤(ただし、上記で説明された窒素含有難燃補助剤を除く)を使用することができる。架橋剤は、数平均分子量が4,000以下であることが好ましい。架橋剤の数平均分子量が4,000以下であると、樹脂組成物の粘度の増大を抑制でき、また加熱成型時の良好な樹脂流動性が得られる。数平均分子量は、一般的な分子量測定方法で測定したものであればよく、具体的には、GPCを用いて測定した値等が挙げられる。
架橋剤は、架橋反応の観点から、炭素−炭素不飽和二重結合、又はイソシアネート基(−N=C=O)を1分子中に平均2個以上有することが好ましい。架橋剤は、1種類の化合物で構成されてもよく、2種類以上の化合物で構成されてもよい。本明細書にいう「炭素−炭素不飽和二重結合」とは、架橋剤がポリマー又はオリゴマーである場合、主鎖より分岐した末端に位置する二重結合をいう。炭素−炭素不飽和二重結合としては、例えば、ポリブタジエンにおける1,2−ビニル結合が挙げられる。
架橋剤の数平均分子量が600未満である場合、架橋剤の1分子当たりの炭素−炭素不飽和二重結合、又はイソシアネート基の数(平均値)は、2〜4であることが好ましい。架橋剤の数平均分子量が600〜1500の場合には、架橋剤の1分子当たりの炭素−炭素不飽和二重結合、又はイソシアネート基の数(平均値)は、4〜26であることが好ましい。架橋剤の数平均分子量が1,500〜4,000の場合には、架橋剤の1分子当たりの炭素−炭素不飽和二重結合、又はイソシアネート基の数(平均値)は、26〜60であることが好ましい。架橋剤の数平均分子量が上記範囲内にある場合に、炭素−炭素不飽和二重結合、又はイソシアネート基の数が特定値以上であることにより、本実施形態に係る樹脂組成物は、架橋剤の反応性が一層高まり、樹脂組成物の硬化物の架橋密度が一層向上し、その結果、一層優れた耐熱性を付与できる。一方で、架橋剤の数平均分子量が上記範囲内にある場合に、炭素−炭素不飽和二重結合、又はイソシアネート基の数が、特定値以下であることにより、加熱成形時に一層優れた樹脂流動性を付与できる。
架橋剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメタアリルイソシアヌレート等のトリアルケニルイソシアヌレート化合物、トリアリルシアヌレート(TAC)等のトリアルケニルシアヌレート化合物、分子中にメタクリル基を2個以上有する多官能メタクリレート化合物、分子中にアクリル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物、ポリブタジエン等の分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物、分子中にビニルベンジル基を有するジビニルベンゼン等のビニルベンジル化合物、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン等の分子中にマレイミド基を2個以上有する多官能マレイミド化合物等、イソシアネート基(−N=C=O)を1個又は2個以上有するイソシアネート化合物が挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。架橋剤は、これらの中でも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ポリブタジエン及びジビニルベンゼンから成る群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。架橋剤が、上記で説明された少なくとも1種以上の化合物を含むことにより、硬化反応(架橋反応)時に架橋密度が一層高くなり、これにより、樹脂組成物の硬化物の耐熱性が一層向上する傾向にある。また、これらの架橋剤の中では、イソシアネート化合物も架橋性に加えて、耐熱性及び銅箔との接着性に寄与することが考えられるので好ましい。
PPE:架橋剤の重量比は、硬化時の低誘電率、及び低誘電正接と架橋構造物の架橋密度のバランスを取るという観点から、25:75〜95:5であることが好ましく、より好ましくは、32:68〜85:15である。
有機過酸化物
本実施形態では、PPE、及び架橋剤を含む熱硬化性樹脂組成物の重合反応又は熱硬化を促進する能力を有する任意の有機過酸化物を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。なお、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等のラジカル発生剤も樹脂組成物のための反応開始剤として使用することができる。中でも、得られる耐熱性、及び機械特性に優れ、更に低い誘電率、及び誘電正接を有する硬化物を提供することができるという観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
有機過酸化物の1分間半減期温度は、好ましくは155℃以上185℃以下であり、より好ましくは160℃〜180℃又は165℃〜175℃である。本明細書では、1分間半減期温度は、有機過酸化物が分解して、その活性酸素量が半分になる時間が1分間となる温度である。1分間半減期温度は、ラジカルに対して不活性な溶剤、例えばベンゼン等に有機過酸化物を0.05mol/L〜0.1mol/Lの濃度となるように溶解させ、有機過酸化物溶液を窒素雰囲気化で熱分解させる方法で確認される値である。
有機過酸化物の1分間半減期温度が155℃以上であることにより、PPE含有樹脂組成物を加熱加圧成型に供す際、PPEを十分に溶融させてから架橋剤との反応が開始されることになるので、成型性に優れる傾向にある。一方、有機過酸化物の1分間半減期温度が185℃以下であることにより、通常の加熱加圧成型条件(例えば最高到達温度200℃)での有機過酸化物の分解速度が十分であるため、架橋剤との架橋反応を効率的かつ緩やかに進めることができるので、良好な電気特性(特に誘電正接)を有する硬化物を形成可能である。
1分間半減期温度が155℃〜185℃の範囲内にある有機過酸化物としては、例えば、例えば、t−へキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(155.0℃)、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(166.0℃)、t−ブチルペルオキシラウレート(159.4℃)、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(158.8℃)、t−ブチルペルオキシ2−エチルへキシルモノカーボネート(161.4℃)、t−へキシルパーオキシベンゾエート(160.3℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(158.2℃)、t−ブチルペルオキシアセテート(159.9℃)、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン(159.9℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(166.8℃)、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルペルオキシ)バレラート(172.5℃)、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(175.4℃)、ジクミルパーオキサイド(175.2℃)、ジ−t−へキシルパーオキサイド(176.7℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(179.8℃)、及びt−ブチルクミルパーオキサイド(173.3℃)等が挙げられる。
有機過酸化物の含有量は、PPEと架橋剤の合計100質量部(合計質量100質量%)を基準として、反応率を高くすることができるという観点から、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上又は1質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上であり、得られる硬化物の誘電率、及び誘電正接を低く抑えることができるという観点から、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4.5質量部以下である。
熱可塑性樹脂
熱硬化性樹脂組成物は、PPE、リン含有オキソ酸金属塩及び窒素含有難燃補助剤に加えて、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂は、ビニル芳香族化合物とオレフィン系アルケン化合物とのブロック共重合体、及びその水素添加物(ビニル芳香族化合物とオレフィン系アルケン化合物とのブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体)、並びにビニル芳香族化合物の単独重合体から成る群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記ブロック共重合体又はその水素添加物のビニル芳香族化合物由来の単位の含有率は、20質量%以上であることが好ましく、99質量%以下であることができる。上記ブロック共重合体又はその水素添加物のビニル芳香族化合物由来の単位の含有率が20質量%以上であることにより、PPEとの相溶性が一層向上し、金属箔との密着強度が一層向上する傾向にある。
ビニル芳香族化合物は、分子内に芳香環、及びビニル基を有すればよく、例えば、スチレンが挙げられる。オレフィン系アルケン化合物は、分子内に、直鎖若しくは分岐構造を有するアルケンであればよく、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ブタジエン、及びイソプレンが挙げられる。これらの中でも、熱可塑性樹脂は、PPEとの相溶性に一層優れる観点から、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−ブチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエン−ブチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレンの単独重合体(ポリスチレン)から成る群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、及びポリスチレンからなる群より選択される1種以上であることがより好ましい。
上記水素添加物における水素添加率は特に限定されず、オレフィン系アルケン化合物由来の炭素‐炭素不飽和二重結合が一部残存していてもよい。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜300,000、より好ましくは20,000〜290,000、更に好ましくは30,000〜280,000ある。重量平均分子量が10,000以上であることにより、本実施形態の樹脂組成物は、硬化した際に耐熱性に一層優れる傾向にある。重量平均分子量が300,000以下であることにより、本実施形態の樹脂組成物は、加熱成形時に一層良好な樹脂流動性を有する傾向にある。重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により求められる。
熱可塑性樹脂の含有量は、PPE、及び架橋剤の合計100質量部を基準として、2質量部〜20質量部であることが好ましい。熱可塑性樹脂の含有量がPPE及び架橋剤の合計100質量部に対して2質量部以上であることにより、本実施形態の樹脂組成物は、硬化した際に低誘電率性、低誘電正接性、及び金属箔との密着性に一層優れる傾向にある。熱可塑性樹脂の含有量がPPE及び架橋剤の合計100質量部に対して20質量部以下であることにより、本実施形態の樹脂組成物は、加熱成形時に一層優れた樹脂流動性を有する傾向にある。
シリカフィラー
熱硬化性樹脂組成物は、シリカフィラーを含有してよい。シリカフィラーとしては、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、アエロジル、及び中空シリカが挙げられる。シリカフィラーの含有量は、PPE、及び架橋剤の合計100質量部に対して、10〜100質量部であることができる。また、シリカフィラーは、その表面にシランカップリング剤等を用いて表面処理をされたものであってもよい。
その他の添加剤
熱硬化性樹脂組成物は、上記で説明された成分以外に、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤等の添加剤;溶剤等を更に含んでもよい。熱硬化性樹脂組成物は、溶剤を含む場合には、熱硬化性樹脂組成物中の固形成分が溶剤に溶解又は分散したワニスの形態であることができる。
[(h)溶剤]
溶剤としては、溶解性の観点から、トルエン、キシレン等の芳香族系化合物、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、及びクロロホルムであることが好ましい。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
なお、樹脂組成物又はワニスにおいて、上記式(2−1)で表される構造を有するPPE(以下、「PPE−A」という)と、PPE−Aとは異なり、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数が1.2個以上であり、かつ数平均分子量が8,000以上50,000以下であるPPE(以下、「PPE−B」という)とを併用することができる。PPE−AとPPE−Bの併用の場合には、PPE−Aに対して、PPE−Bは溶媒に対する溶解性が低い場合が多い。溶媒に対してPPE−Bを好適に溶解させ、また、室温程度でも樹脂組成物の好適な流動性を確保し易くする観点からも、溶剤としては、トルエン等の芳香族系化合物の溶剤が好ましく、例えば、トルエンのみ、トルエン・メチルエチルケトン混合溶剤、トルエン・シクロヘキサン混合溶剤、及びトルエン・シクロペンタノン混合溶剤等が好ましい。
[電子回路基板材料]
本実施形態に係る電子回路基板材料は、上記ワニスを用いて形成される。電子回路基板材料は、具体的には、上記で説明された樹脂組成物の硬化物、上記で説明された樹脂組成物又をその硬化物を含む樹脂フィルム、基材と樹脂との含浸複合体(本開示で、「プリプレグ」ともいう。)、若しくは樹脂付金属箔又はこれらの少なくとも1種を含む積層体である。
電子回路基板材料の高周波数化に伴い、熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、比誘電率が4以下であり、かつ誘電正接0.005以下であることが好ましく、比誘電率は1〜4であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましく、誘電正接は0.0025〜0.005であることがより好ましく、0.0027〜0.005であることがさらに好ましく、0.0029〜0.005であることが特に好ましい。
[樹脂フィルム]
本実施形態に係る樹脂フィルムは、上記ワニスを単独で又は支持フィルム等の支持体の上に塗布した後、樹脂ワニス中の有機溶剤を乾燥除去して、製膜することで得ることができる。
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン
;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカー
ボネート;ポリイミド;銅箔、アルミ箔等の金属箔;離型紙等を挙げることができる。な
お、支持体はマッド処理、コロナ処理、離型処理等の化学的又は物理的な処理を施して
本実施形態に係る樹脂フィルムは、多層プリント配線板等の積層体の層間絶縁シート、接着フィルム等として好適に用いることができる。
[プリプレグ]
本実施形態に係るプリプレグは、基材と、この基材に含浸又は塗布された本実施形態の樹脂組成物とを含む。プリプレグは、例えば、ガラスクロス等の基材を上記ワニスに含浸させた後、熱風乾燥機等で溶剤分を乾燥除去することにより得られる。
基材としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマット等の各種ガラスクロス;アスベスト布、金属繊維布、及びその他の合成若しくは天然の無機繊維布;全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維等の液晶繊維から得られる織布又は不織布;綿布、麻布、フェルト等の天然繊維布;カーボン繊維布、クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混繊糸から得られる布等の天然セルロース系基材;ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルム等が挙げられる。これらの基材は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
プリプレグ中の本実施形態の樹脂組成物固形分の割合は、30〜80質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましい。上記割合が30質量%以上であることにより、プリプレグを電子基板用等に用いた場合に絶縁信頼性に一層優れる傾向にある。上記割合が80質量%以下であることにより、電子基板等の用途において、曲げ弾性率等の機械特性に一層優れる傾向にある。
[金属張積層板]
本実施形態に係る金属張積層板は、本実施形態の樹脂組成物又は本実施形態のプリプレグと、金属箔とを積層して硬化して得られる。金属張積層板は、プリプレグの硬化物(「硬化物複合体」ともいう。)と金属箔とが積層して密着している形態を有することが好ましく、電子回路基板用材料として好適に用いられる。金属箔としては、例えば、アルミ箔、及び銅箔が挙げられ、これらの中でも銅箔は電気抵抗が低いため好ましい。金属箔と組合せる硬化物複合体は、1枚でも複数枚でもよく、用途に応じて複合体の片面又は両面に金属箔を重ねて積層板に加工する。積層板の製造方法としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物と基材とから構成される複合体(例えば、前述のプリプレグ)を形成し、これを金属箔と重ねた後、熱硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、硬化物積層体と金属箔とが積層されている積層板を得る方法が挙げられる。前記積層板の特に好ましい用途の1つはプリント配線板である。プリント配線板は、金属張積層板から金属箔の少なくとも一部が除去されていることが好ましい。
[プリント配線板]
本実施形態に係るプリント配線板は、金属張積層板から金属箔の一部が除去されている。本実施形態のプリント配線板は、典型的には、上述した本発明のプリプレグを用いて、加圧加熱成型する方法で形成できる。基材としてはプリプレグに関して前述したのと同様のものが挙げられる。本実施形態のプリント配線板は、本実施形態の樹脂組成物を含むことにより、優れた耐熱性、及び電気特性(低誘電率、及び低誘電正接)を有し、更には環境変動に伴う電気特性の変動を抑制可能であり、更には優れた絶縁信頼性、及び機械特性を有する。
上記で説明された特性、物性値又は含有量は、特に断りのない限り、次の実施例に記載の方法に従って、測定又は評価されるものとする。
以下に実施例を挙げて、本実施形態を詳細に説明する。ただし、本実施形態は実施例に限定されるものではない。
(PPEの合成反応)
次の反応を不活性ガスの雰囲気下で実施した。反応に使用する溶媒は、市販の試薬である。使用した原料、及び試薬類は、以下のとおりである。
1.溶媒
トルエン:和光純薬製試薬特級品をそのまま使用した。
メチルエチルケトン:和光純薬製試薬特級品をそのまま使用した。
メタノール:和光純薬製試薬特級品をそのまま使用した。
2.開始剤
ナイパーBMT:日本油脂製品をそのまま使用した。
3.原料PPE
S202A(ポリスチレン換算数平均分子量16,000):旭化成株式会社製製品をそのまま使用した。S202Aは下記の構造を有する。
Figure 2021167372
4.原料フェノール(多官能/二官能フェノール)
4−1.式(2−1)の部分構造を含む価数a(a=2〜6)のフェノール類
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン:株式会社ADEKA製品(アデカスタブAO−30)をそのまま使用した。
5.変性基原料
無水メタクリル酸:アルドリッチ試薬品をそのまま使用した。
ジメチルアミノピリジン:アルドリッチ試薬品をそのまま使用した。
(PPEの同定・分析)
1.数平均分子量測定
クロロホルム溶媒下、GPCにより数平均分子量測定を行った。数平均分子量は、標準ポリスチレンを用いた検量線に基づいて、ポリスチレン換算法により求めた。
2.NMR測定
重クロロホルムに、5質量%濃度となるように試料を溶解し、NMR測定を実施した。反応の進行は、多官能フェノールユニットの芳香族のピークと、水酸基のプロトンピークの比率から、水酸基ピークの減少により確認した。
3.溶融粘度
試料の20質量%メチルエチルケトン溶液200mlをビーカーに入れ、B型回転粘度計を用いて25℃で回転数30rpmで粘度を測定した。
4.平均末端官能基数
PPE1分子当たりの平均末端官能基数を以下の方法により求めた。すなわち、「高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁」記載の方法に準拠し、PPEの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えることにより得られるサンプルの波長318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定した。この測定値から、PPEの末端変性の前後のフェノール性水酸基の数を求めた。また、上記1の方法により求めたPPEの数平均分子量と、PPEの質量とを用いてPPEの分子数(数平均分子数)を求めた。
これらの値から、下記数式(1)に従って、変性前後のPPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数を求めた。:
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数
=フェノール性水酸基の数/数平均分子数…(1)
変性後の平均末端官能基数は、下記数式(2)に従って、変性後の平均末端官能基数を求めた。:
1分子当たりの平均末端官能基数
=変性前の平均フェノール性水酸基数−変性後の平均フェノール性水酸基数…(2)
(製造例1)
PPE1(PPE1)の合成
500mlの3つ口フラスコに、3方コックを付け、更にジムロートと等圧滴下ロートを設置した。フラスコ内を窒素に置換した後、原料PPE S202A100g、トルエン200g、多官能フェノールとして1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン12.8gを加えた。フラスコに温度計を設置し、マグネチックスターラーにて撹拌しながら、オイルバスにてフラスコを90℃に加熱し、原料PPEを溶解させた。開始剤として、ベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルm−メチルベンゾイルペルオキシド、m−トルイルペルオキシドの混合物の40%メタキシレン溶液(日油製:ナイパーBMT)の37.5gをトルエン87.5gに希釈し、等圧滴下ロートに仕込んだ。フラスコ内の温度を80℃まで降温させた後、開始剤溶液を、フラスコ内へ滴下開始し、反応を開始した。開始剤を2時間掛けて滴下し、滴下後、再び90℃に昇温し、4時間撹拌を継続した。反応後、ポリマー溶液をメタノール中に滴下し、再沈させた後、溶液と濾別し、ポリマーを回収した。その後、これを真空下100℃で3時間乾燥させた。H−NMRにより、低分子フェノールがポリマー中に取り込まれ、水酸基のピークが消失していることを確認した。このH−NMR測定結果から、得られたポリマーは、下記式:
Figure 2021167372
{式中、l、m、及びnは、下記数平均分子量を満たすように任意に選択される数である}
で表されるような構造を有するPPE(以下、PPE1という)であると確認できた。GPC測定の結果、得られたPPE1のポリスチレン換算での分子量はMn=1,500であった。また、PPE1の20%メチルエチルケトン溶媒中での溶液粘度は125cPoiseであった。
(変性PPE1の合成)
トルエン80g、及び上記で合成したPPE1を26g混合して約85℃に加熱した。加熱された混合物へジメチルアミノピリジン0.55gを添加した。固体が全て溶解したと思われる時点で、溶解物へ無水メタクリル酸4.9gを徐々に添加した。得られた溶液を連続混合しながら85℃に3時間維持した。次いで、溶液を室温に冷却して、メタクリレート変性PPEのトルエン溶液を得た。
溶液の一部を採取し、乾燥後H−NMR測定を実施した。PPEの水酸基由来のピークが消失していたことから、反応が進行しているものと判断し、精製操作に移った。上記メタクリレート変性PPEのトルエン溶液120gを、1Lビーカー中マグネチックスターラーで激しく撹拌したメタノール360g中に30分掛けて滴下した。得られた沈殿物を、メンブランフィルターで減圧濾過した後に乾燥し、38gのポリマーを得た。乾燥させたポリマーのH−NMR測定結果を図1に示す。4.5ppm付近のPPEの水酸基由来のピークが消失したこと、及び、5.75ppm付近にメタクリル基のオレフィン由来のピークの発現を確認した。また、GC測定により、ジメチルアミノピリジン、無水メタクリル酸、メタクリル酸由来のピークがほぼ消失していることから、NMRのメタクリル基由来のピークは、PPE末端に結合しているメタクリル基のものと判断した。この結果から、得られたポリマーは、下記式:
Figure 2021167372
{式中、l、m、及びnは、下記数平均分子量を満たすように任意に選択される数である}
で表されるような構造を有する変性PPE(以下、変性PPE1という)であると確認できた。
(樹脂組成物、及びその硬化物の形成に使用される材料)
表1に示される材料を用意した。表1に示される成分D−1(トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム)が、PPE成分A−1又はA−2と非相溶であることを確認した。
<<評価方法>>
1.PPEの数平均分子量及び重量平均分子量、熱可塑性樹脂の重量平均分子量
GPC分析を用い、分子量既知の標準ポリスチレンの溶出時間との比較によりPPEの数平均分子量及び重量平均分子量、熱可塑性樹脂の重量平均分子量を求めた。具体的には、試料濃度0.2w/vol%(溶媒:クロロホルム)の測定試料を調製後、測定装置にはHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラム:Shodex GPC KF−405L HQ×3(昭和電工株式会社製)、溶離液:クロロホルム、注入量:20μL、流量:0.3mL/min、カラム温度:40℃、検出器:RI、の条件下にて測定した。
2.誘電特性(電気特性、10GHz)
10GHzでの誘電正接を、空洞共振法にて測定した。測定装置としてネットワークアナライザー(N5230A、AgilentTechnologies社製)、及び関東電子応用開発社製の空洞共振器(Cavity Resornator CPシリーズ)を用いて測定した。
実施例、及び比較例で得られたプリプレグを8枚重ね、最終到達温度200℃、最終到達圧力40kg/cmの条件で真空プレス成型を行い、積層板を作製した。該積層板を、ガラスクロスの経糸が長辺となるように、幅約2mm、長さ50mmの大きさに切り出し、誘電正接の測定用試料とした。
測定用試料を、105℃±2℃のオーブンに入れ2時間乾燥させた後、23℃相対湿度50±5%の環境下に96±5時間静置した。その後、23℃、相対湿度50±5%の環境下で上記測定装置を用いることにより、誘電正接を測定した。誘電正接の測定において、評価用基板の作製を10点行い、10回の平均値を求め、下記基準に従って評価した。
◎(著しく良好) 誘電正接Df<0.0025
〇(良好) 誘電正接Dfが、0.0025≦Df<0.003
△(許容) 誘電正接Dfが、0.003≦Df<0.004
×(不良) 誘電正接Dfが、0.004≦Df
3.積層板の銅箔引き剥がし強さ(銅箔ピール強度N/mm)
銅張積層板の銅箔を一定速度で引き剥がす際の応力を測定した。後述の方法で作製した、18μm厚の銅箔(古川電気工業株式会社製、FZ-WS箔)を用いた銅張積層板を、幅10mm×長さ100mmのサイズに切り出し、オートグラフ(AG−5000D、株式会社島津製作所製)を用い、銅箔を除去面に対し90℃の角度で50mm/分の速度で引き剥がした際の荷重の平均値を測定し、5回の測定の平均値を求め、以下の基準により評価した。
◎(著しく良好) 0.8Nmm以上
〇(良好) 0.6Nmm以上0.8Nmm未満
×(不良) 0.6Nmm未満
4.燃焼性
実施例、及び比較例で得られたプリプレグを4枚重ねたものの両面に厚さ18μmの銅箔(古河電工製、GTS−MP箔)を重ねて、200℃、40kg/cmの条件で60分間加熱加圧成型し、厚さ0.6mmの銅張積層板を作製した。銅箔をエッチングにより除去して得た積層板より125mm×13mmの評価サンプルを切り出し、UL−94難燃性試験に準じた方法で以下の基準により評価した。
◎(著しく良好) V−0、1本当たりの燃焼時間7秒以下
〇(良好) V−0、トータル燃焼時間、10秒未満
×(不良) V−1以下
(実施例1〜3、比較例1〜5)
表2に示される組成に従って、有機溶剤I−1(トルエン)200質量部に対して熱可塑性樹脂を添加し、攪拌、溶解させ、次いで残りの成分を添加し、PPEが溶解するまで攪拌を継続してワニスを得た。
このワニスに、基材a(Lガラスクロス)を含浸させた後、所定のスリットに通すことにより余分なワニスを掻き落とし、105℃の乾燥オーブンにて所定時間乾燥させ、トルエンを除去することにより、プリプレグを得た。
このプリプレグを所定サイズに切り出し、その重量と同サイズのガラスクロスの重量を比較することで、プリプレグにおける樹脂組成物の固形分の含有量を算出したところ、56質量%であった。
(評価)
評価用基板を作製し、誘電正接、銅箔剥離強度、及び難燃性の評価を実施した。
Figure 2021167372
Figure 2021167372

Claims (14)

  1. ポリフェニレンエーテルと、リン含有オキソ酸金属塩と、窒素含有難燃補助剤とを含む熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記リン含有オキソ酸金属塩が、リン含有オキソ酸アルミニウム塩である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記窒素含有難燃補助剤が、少なくとも1つのアミノ基を有する、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記窒素含有難燃補助剤が、イミダゾール骨格、ピラゾール骨格、トリアゾール骨格、ピペラジン骨格、ジアジン骨格、及びトリアジン骨格から成る群から選択される少なくとも1つを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記窒素含有難燃補助剤が、少なくとも1つの芳香族環を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記ポリフェニレンエーテルが、少なくとも1つの末端官能基を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 架橋剤及び/又は有機過酸化物を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 熱可塑性樹脂を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、比誘電率が4以下であり、かつ誘電正接0.005以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、電子回路基板材料。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、樹脂フィルム。
  12. 基材と、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物との複合体である、プリプレグ。
  13. 前記基材がガラスクロスである、請求項12に記載のプリプレグ。
  14. 請求項11に記載の樹脂フィルム、又は請求項12若しくは13に記載のプリプレグの硬化物と、金属箔との積層体。
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