JP2021167215A - 紙製品用包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙製品、特に薄葉紙等の紙製品を被包装物とする場合であっても、シール部の接着性が良好である紙製品用包装体を提供する。【解決手段】包装基材で、1以上の紙製品の全体が覆われ、少なくとも1つのシール部により紙製品が密封されている、包装体であって、包装基材は、少なくとも紙基材とシール層とを含み、包装基材の坪量が、35g/m2以上105g/m2以下であり、シール部は、包装基材が重なり合った端部に備えられ、シール部は、周長が0.6mm以上16mm以下の凹部を、各凹部の端部間が0.2mm以上6mm以下の距離で隣接するように少なくとも2つ以上有することを特徴とする、紙製品用包装体を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、紙製品、特に薄葉紙等の紙製品を包装するのに好適な紙製品用包装体に関する。
従来、トイレットペーパー、キッチンペーパー等のロール状の紙製品や、ティッシュペーパー、ワイパー等の積層状の紙製品を被包装物として収容する包装体が知られている。
ロール状の紙製品を包装する包装体として、例えば、特許文献1には、ポリエチレン等の筒状フィルムにガゼット(ガセット)を対称的に折り込んで本体とし、その上部を平面状に折り畳んで把持部を構成したものが開示されている。
一方、積層状の紙製品を包装する包装体としては、坪量の高い板紙で作製された紙製カートンが一般的である。また、紙製カートンに替わる包装体として、例えば、特許文献2には、可撓性の樹脂フィルムから形成された包装袋の上面の中央部にミシン目が設けられたフィルム包装体が開示されている。
特開2004−269010号公報 特開2016−188092号公報
しかしながら、上記のような紙製品、特に薄葉紙等の紙製品を被包装物とする新規な包装体に対する要求が存在していた。特に、近年の環境問題に対する意識の高まりから、プラスチック(合成樹脂)の使用を削減することが望まれ、また、紙製の包装体でも、包装資材の減量化が望まれているが、紙製品、特に薄葉紙等の柔らかい紙製品を被包装物とする場合、それらは達成が困難であった。
また、剛性を有する紙を貼り合わせて形成した紙製カートンはこれまで存在していたものの、紙製品を包装する包装基材に適した、接着性が良好なシール部の形状はこれまで判明していなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、紙製品、特に薄葉紙等の紙製品を被包装物とする場合であっても、シール部の接着性が良好である紙製品用包装体を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、包装基材の坪量を規定し、シール部に、所定の周長の凹部を、各凹部の端部間が一定の距離で隣接するように少なくとも2つ以上設けることで、紙製品、特に薄葉紙等の紙製品を被包装物とする場合であっても、シール部の接着性が良好である紙製品用包装体とすることができ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、包装基材で、1以上の紙製品の全体が覆われ、少なくとも1つのシール部により上記紙製品が密封されている、包装体であって、上記包装基材は、少なくとも紙基材とシール層とを含み、上記包装基材の坪量が、35g/m以上105g/m以下であり、上記シール部は、上記包装基材が重なり合った端部に備えられ、上記シール部は、周長が0.6mm以上16mm以下の凹部を、各凹部の端部間が0.2mm以上6mm以下の距離で隣接するように少なくとも2つ以上有することを特徴とする、紙製品用包装体である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の紙製品用包装体であって、上記凹部の深さが、0.05mm以上0.49mm以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の紙製品用包装体であって、上記凹部の上記シール部の長手方向と直交する方向におけるピッチが、0.3mm以上5.9mm以下であることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(2)又は(3)に記載の紙製品用包装体であって、(上記凹部の深さ/上記包装基材の坪量)×100が、0.07以上1.5以下であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の紙製品用包装体であって、上記包装基材のMD方向の曲げこわさが、20μN・m以上330μN・m以下であることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載の紙製品用包装体であって、上記包装基材のCD方向の曲げこわさが、8μN・m以上145μN・m以下であることを特徴とするものである。
(7)本発明の第7の態様は、(1)から(6)のいずれかに記載の紙製品用包装体であって、上記シール層は、ヒートシール層及び/又は接着剤層であることを特徴とするものである。
(8)本発明の第8の態様は、(7)に記載の紙製品用包装体であって、上記ヒートシール層が、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とするものである。
(9)本発明の第9の態様は、(1)から(8)のいずれかに記載の紙製品用包装体であって、上記紙製品が、薄葉紙であることを特徴とするものである。
(10)本発明の第10の態様は、(9)に記載の紙製品用包装体であって、上記薄葉紙が、積層状薄葉紙であることを特徴とするものである。
(11)本発明の第11の態様は、(1)から(10)のいずれかに記載の紙製品用包装体であって、上記包装体が、ガゼット包装又はピロー包装であることを特徴とするものである。
本発明によれば、紙製品、特に薄葉紙等の紙製品を被包装物とする場合であっても、シール部の接着性が良好である紙製品用包装体を提供することができる。
本発明の紙製品用包装体及び紙製品の一例を示す斜視図である。 本発明の紙製品用包装体のシール部が有する凹部の深さ及びピッチの測定方法を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。
1.紙製品用包装体
図1は、本発明の紙製品用包装体(以下、単に「包装体」とも言う。)及び紙製品の一例を示す斜視図である。本発明の包装体1は、包装基材10で、紙製品(被包装物)11の全体が覆われ、少なくとも1つのシール部12により紙製品11が密封されている。また、シール部12は、包装基材10が重なり合った端部に備えられ、シール部12は、周長が0.6mm以上16mm以下の凹部13を、各凹部13の端部間が0.2mm以上6mm以下の距離で隣接するように少なくとも2つ以上有する。このとき、図1に示すように、シール部12は包装体1の両端部に略直線で、かつ各シール部12が略平行になるように形成されることが好ましいが、包装体1の密封性(シール部12の接着性)を確保できるのであれば、これ以外の箇所に形成されていたり、形状が異なったりしていてもよく、また、シール部12は3つ以上備えられていてもよい(図示しない)。また、包装体1において、包装基材10は紙製品11の全体ではなく一部を覆っていてもよく、紙製品11は密封されていなくてもよい(図示しない)。
なお、各凹部13の端部間の距離は、0.4mm以上4mm以下であることが好ましく、0.6mm以上2mm以下であることがより好ましい。
シール部12が有する凹部13に関しては、図1に示すように、格子状に凹部13が配置される(すなわち、格子模様の略四角形部分が凹部13に該当する)ことが好ましい。凹部13が格子状に配置されることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。なお、凹部13は格子状に配置される場合であっても、シール部12の長手方向においては必ずしも平行に並ぶ必要はなく、例えば、ドット状のように交互に並んでいてもよい。
また、凹部13の周長は1mm以上10mm以下であることが好ましく、2mm以上6mm以下であることがより好ましい。凹部13の形状は図1に示すように略正方形であることが好ましいが、略長方形や略丸、略長丸等でも構わない。
このとき、シール部12の接着性を良好なものとするために、シール部12は1つのシール部12につき、全体で凹部13を20個以上2000個以下有することが好ましく、100個以上1400個以下有することがより好ましく、200個以上800個以下有することが更に好ましい。また、1つのシール部12につき、シール部12の長手方向と直交する方向においては、凹部13は2個以上20個以下並ぶことが好ましく、3個以上15個以下並ぶことがより好ましく、4個以上10個以下並ぶことが更に好ましい。なお、凹部13のシール部12の長手方向と直交する方向に並ぶ個数を数える時、ある凹部13から見て当該方向に隣接する凹部13が存在しない場合であっても、当該方向から45°以内に別の凹部13が存在していれば、その別の凹部13をシール部12の長手方向と直交する方向に並ぶ個数としてカウントすることができる。凹部13は、シール部12が複数個包装体1に備えられている場合は、そのいずれかが有していればよいが、シール部12の接着性を良好なものとするためには、図1に示すように、複数個のシール部12の全てが有することが好ましい。
なお、包装体1は紙製品11を取り出す取り出し口を備えることが好ましい(図示しない)。この取り出し口は、包装基材10にミシン目等の切り取り線を形成し、使用時において、当該切り取り線を切り取って開口可能にするように設けることが好ましい。
凹部13の深さは、0.05mm以上0.49mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.4mm以下であることがより好ましく、0.15mm以上0.3mm以下であることが更に好ましい。凹部13の深さが0.05mm未満であると、包装基材10にシール部12を設ける際に、接着性が弱くなる場合がある。また、凹部13の深さが0.49mmを超えると、包装基材10にシール部12を設ける際、接着性が強くなりすぎ、焦げ易くなる場合がある。凹部13の深さを上記の数値範囲内にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。
また、凹部13のシール部12の長手方向と直交する方向におけるピッチは、0.3mm以上5.9mm以下であることが好ましく、0.6mm以上4.5mm以下であることがより好ましく、1mm以上3mm以下であることが更に好ましい。凹部13のピッチが0.3mm未満であると、凹部13の深さが浅くなり、シール部12の接着性が弱くなる場合がある。また、凹部13のピッチが5.9mmを超えると、シール部12にシール部12の長手方向に直交する方向のシワが入った場合、シール部12の接着性が弱くなる。凹部13のピッチを上記の数値範囲内にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。
なお、凹部13の長手方向と直交する方向におけるピッチが大きいということは、すなわちシール部12の長手方向と直交する方向(幅方向)の長さが一定である場合に、幅方向に並ぶ凹部13の個数が少ないことになる。凹部13の個数が多ければ、接着性が弱い凹部13があっても、隣接する凹部13で補えるが、凹部13の個数が少ないと隣接する凹部13がないため、補うことができず、シール部12の接着性が弱まることにつながる。ここで、シール部12の幅方向の長さは、2mm以上35mm以下であることが好ましく、4mm以上24mm以下であることがより好ましく、6mm以上13mm以下であることが更に好ましい。シール部12の幅方向の長さを上記の数値範囲内にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。
なお、凹部13のピッチに関しては、有するシール部12の位置によって異なっていてもよい。具体的には、図1に示す包装体1の両端部のシール部12の他に、シール部12のそれぞれの略中央部を結び、かつ、シール部12のいずれとも直交するようにシール部がさらに形成されていてもよい(図示しない)が、このとき、両端部のシール部12が有する凹部13のピッチは、直交するシール部が有する凹部13のピッチより大きいことが好ましい。
これは、シール部12を上記のように設ける場合、まずは直交するシール部を形成し、次に両端部のシール部12を形成することが基本となるが、両端部のシール部12は、後述するガゼット包装の場合、部分的に4枚重ねとなり、分厚くなることから、当該部分を接着するには、直交するシール部よりしっかり接着する必要があるためである。
以下、凹部13の深さ及びピッチの測定方法に関して説明する。
凹部13の深さ及びピッチは、マイクロスコープを用いて測定する。マイクロスコープとしては、キーエンス株式会社製の製品名「ワンショット3D測定マイクロスコープ VR−3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、キーエンス株式会社製の製品名「VR−H1A」を使用することができる。また、測定条件は、倍率38倍、視野面積8mm×6mmの条件で測定する。なお、測定倍率と視野面積は、求める凹部13の大きさによって、適宜変更してもよい。
また、シール部12の測定面は、包装体1に表裏が存在する(包装体1に取り出し口が備えられている)場合は、包装体1の表面側とする。測定箇所は、上述したように両端部のシール部12と直交するシール部が形成されているときは、両端部のシール部12の一方と、直交するシール部とが重なりあって、4枚重ねになっている箇所とする。それ以外の実施形態、すなわち、当該箇所が4枚重ねになっていないときは、後述するガゼット包装によりシール部12が部分的に4枚重ねになっている場合は、4枚重ねの箇所を測定し、全体が2枚重ねのみの場合は、2枚重ねの箇所を測定する。
まず、図2(a)に示すように、マイクロスコープにより、上記視野のX−Y平面の2次元凹凸像を得る。凹凸像ではシール部12の高さが濃淡で表されることがわかる。
次に、シール部12の長手方向に沿って並ぶ(好ましくは、シール部12に格子状に配置された)複数の凹部13を跨ぐように、作業者が幅方向に線分を引くと、図2(b)に示すような、凹凸を表す(測定)断面曲線(断面プロファイル)が得られるので、シール部12の幅方向における凹部13のピッチと深さを測定する。なお、測定対象の凹部13の幅方向に隣接する凹部が存在しない場合は、凹部13の幅方向から45°以内の角度を設けて線分を引き、線分上で最も近い凹部とのピッチを求める。
ここで、図2(b)の(測定)断面曲線は、シール部12表面の凹凸を表す(測定)断面曲線であるが、ノイズ(シール部12の表面にある繊維塊や、ヒゲ状に伸びた繊維や、繊維のない部分等に起因した急峻なピーク)をも含んでおり、凹部13の深さやピッチの算出に当たっては、このようなノイズピークを除去する必要がある。
そこで、上記の解析ソフトウェアを用い、図2(b)の(測定)断面曲線を、重み平均ラジオボタンのフィルタのサイズを±12とし、スムージングして図2(c)のノイズ除去後の断面曲線を得る。
そして、図2(c)に示すグラフにおいて、グラフの凸部と、当該凸部に隣接する凸部の縦軸のそれぞれの高さの最大値の平均値を算出する。また、これらの2つの凸部に挟まれる凹部における縦軸の高さの最小値を求める。このようにして求められた最大値の平均値から最小値を差し引いた数値を凹部13の深さD1とする。また、グラフの凹部と、当該凹部に隣接する凹部の横軸の差から、ピッチP1を求める。図2(c)に示す断面曲線上において、連続する3つの凸部、及びそれに挟まれる2つの凹部について上述の測定を行うと、合計2つの凹部13の深さの測定結果が得られる。
なお、連続する凸部が2つ、及びそれに挟まれる凹部が1つしかない場合は、1つの凹部13の深さを測定すればよい。また、連続する凸部が4つ以上、及びそれに挟まれる凹部が3つ以上ある場合は、複数測定してよい。
2.包装基材
包装基材10は、少なくとも紙基材とシール層とを含んでいる。紙基材には、包装体1として形成された際、外面側に印刷が施されていてもよい。また、紙基材は、防水性の確保のために、オーバーコートが施されたオーバーコート紙であってもよい。
包装基材10の坪量(例えば、紙基材とシール層との合計坪量)は、35g/m以上105g/m以下であり、40g/m以上85g/m以下であることが好ましく、50g/m以上75g/m以下であることがより好ましい。包装基材10の坪量が35g/m未満であると、包装基材10にシール部12を設ける際に、包装基材10の強度が低すぎて適切な形状に曲げるときに破れ易くなり、シール部12をきれいに接着できなくなる。包装基材10の坪量が105g/mを超えると、包装基材10の強度が高すぎて適切な形状に曲がりにくく、シール部12をきれいに接着できなくなる。包装基材10の坪量を上記の数値範囲内にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。
また、包装基材10の坪量をAとし、上記のシール部12における凹部13の深さをBとしたときに、(B/A)×100が、0.07以上1.5以下であることが好ましく、0.2以上0.6以下であることがより好ましく、0.26以上0.5以下であることが更に好ましい。包装基材10の坪量Aに対する凹部13の深さBの比率を上記の数値範囲内にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。
(1)紙基材
紙基材は、木材パルプを主原料として製造される。ここでのパルプとしては、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプや、新聞紙、チラシ、更系雑誌、コート系雑誌、感熱記録紙、感圧記録紙、模造紙、色上質紙、コピー用紙、コンピューターアウトプット用紙、あるいはこれらの混合古紙等の古紙パルプ等、従来において公知であるパルプを単独で、あるいは任意の配合率で混合したものを採用することができる。
本発明の包装体1の紙基材において、パルプ含有量としては、針葉樹クラフトパルプ50〜100重量%、広葉樹クラフトパルプ0〜50重量%であることが好ましく、針葉樹クラフトパルプ70〜100重量%、広葉樹クラフトパルプ0〜30重量%であることがより好ましく、針葉樹クラフトパルプ90〜100重量%、広葉樹クラフトパルプ0〜10重量%であることが更に好ましい。上記のパルプ含有量にすることで包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。また、未晒パルプであることが好ましい。
パルプスラリーには、パルプ繊維以外の材料を副資材として配合してもよい。包装体1においては、通常、パルプ繊維の含有割合を70重量%以上100重量%以下とすることが好ましく、80重量%以上100重量%以下とすることがより好ましく、90重量%以上100重量%以下とすることが更に好ましい。上記のパルプ含有量にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。また、包装基材10の強度等が適正になり、包装し易くなる。
なお、パルプ製造における蒸解方法や漂白方法は、特に限定されない。
また、紙基材には、必要に応じて、一般的に用いられている各種添加剤、例えば、湿潤紙力向上剤、填料、サイズ剤、乾燥紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色顔料等を適宜、適量にて添加してもよい。
湿潤紙力向上剤は、通常用いられる公知のものの中から選択して使用することができる。例えば、ポリアミド・ポリアミン系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、メラミン系樹脂等から選択することが好ましい。このような湿潤紙力向上剤の含有量(絶乾状態での質量)は、通常、パルプ(絶乾状態での質量)に対して、湿潤紙力向上剤を0.01重量%以上0.7重量%以下、好ましくは0.02重量%以上0.5重量%以下、より好ましくは0.03重量%以上0.3重量%以下とすることが好ましい。湿潤紙力向上剤の含有量が0.7重量%を超えても、その含有量に見合う効果が得られ難くなり、その結果、コストアップとなり、また離解性が低下して、本発明の包装体1を後に再利用することが困難となる場合がある。また、湿潤紙力向上剤の含有量が0.01重量%未満では、十分な湿潤紙力が得難いものとなり、水に濡れたときに破れ易く包装体としての機能が劣る場合がある。
本発明の包装体1において、これらの原料を通常の抄紙工程により抄造して、包装基材10の紙基材を得ることができる。
包装基材10の紙基材の坪量は、25g/m以上88g/m以下であることが好ましく、30g/m以上72g/m以下であることがより好ましく、40g/m以上56g/m以下であることが更に好ましい。紙基材の坪量が上記範囲内にあることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。また、紙基材の使用量を抑制しつつ、必要とされる包装基材のしなやかさと柔らかさ、強度のすべてが達成し易くなる。
紙基材の坪量は、例えば、シール層が後述するヒートシール層である場合は、次のようにして求めることができる。
まず、0.1M酢酸水溶液と0.1M酢酸ナトリウム水溶液を調製する。約830gの0.1M酢酸水溶液と約160gの0.1M酢酸ナトリウム水溶液を混合してpHが4となるようにし、これを酢酸緩衝液とする。この酢酸緩衝液にセルラーゼオノズカp1500(ヤクルト薬品工業株式会社製)を添加量が1重量%となるように添加する。
セルラーゼオノズカp1500を添加した酢酸緩衝液50mlと、包装基材10(ヒートシール層が形成された紙基材)0.5gとをバイアル瓶に入れて、しっかりと蓋をする。次に、180rpm、40℃の条件で24時間振とうした後、バイアル瓶からヒートシール層を採取し、ヒートシール層部分の質量を測定する。包装基材10(ヒートシール層が形成された紙基材)の質量(0.5g)と採取したヒートシール層の質量から、下記式により、紙基材の坪量を算出する。
紙基材の坪量=
包装基材10の坪量×[(包装基材10の質量−ヒートシール層の質量)/包装基材10の質量]
包装基材10の坪量(例えば、紙基材とシール層との合計坪量)に対する紙基材の坪量の割合は、51%以上100%以下であればよいが、通常、60%以上95%以下であることがより好ましく、70%以上90%以下であることが更に好ましい。上記範囲内とすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。また、柔らかい紙製品11に対する包装のし易さを確保でき、さらに、良好なヒートシール性又は接着性も確保できる。
(2)シール層
本発明の包装体1において、包装基材10は、紙基材の他にシール層を含むが、シール層はヒートシール層及び/又は接着剤層であることが好ましい。本発明の包装基材10は、例えば、紙基材/ヒートシール層、紙基材/接着剤層、紙基材/ヒートシール層/接着剤層、紙基材/接着剤層/ヒートシール層等のような層構成を取ることができる。
(2−1)ヒートシール層
本発明の包装体1において、ヒートシール層は、紙基材の全面に形成されていても、表面の一部、例えば、紙基材同士が積層・接合される部分にのみ形成されていてもよい。紙基材の表面においてヒートシール層を形成する位置、大きさ、及びヒートシール層が占める割合は適宜設定することができる。
ヒートシール層を構成する材料としては特に限定されず、各種ヒートシール性を発現する材料のいずれも使用することができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂や、その他の熱可塑性樹脂等を使用することができる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー、非晶性ポリエステル、ポリプロピレン、スチレン−アクリル共重合体、プロピレン−エチレン共重合体(好ましくはエチレン含有量が10モル%以下の共重合体)、あるいは、ポリプロピレンに不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体等をグラフト重合又は共重合したポリプロピレン系樹脂、中密度ポリエチレン等を使用することができる。ヒートシール層を構成する材料は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒートシール層は、通常用いられる方法、例えば、紙基材上にポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を含有する組成物を押出法によって製膜する方法、公知のヒートシール加工装置(貼合処理装置)を用いて、紙基材に熱可塑性樹脂からなる、又は熱可塑性樹脂を含有するフィルムを貼り付ける方法、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂組成物を水に溶解、又は分散させた水系ヒートシール剤、あるいは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂組成物を溶剤に溶解、又は分散させた溶剤系ヒートシール剤をロールコート、グラビアロールコート、キスコート等の公知の方法で紙基材上に塗工する方法等で形成することができる。
ヒートシール層の坪量は、50g/m以下であることが好ましく、5g/m以上35g/m以下であることがより好ましく、10g/m以上20g/m以下であることが更に好ましい。ヒートシール層の坪量が上記範囲内にあることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。また、必要とされる包装基材のしなやかさと柔らかさ、強度のすべてがより良好に達成でき、さらに、包装体1としての密封性とシール部12の接着性を容易に確保し易い傾向がある。
また、上記のように、本発明の包装体1は、紙製品11を取り出す取り出し口を備えることが好ましく、取り出し口にミシン目等の切り取り線を形成し、当該切り取り線を切り取って開口可能にすることが好ましい。取り出し口は、開け易く、裂け難いことが求められるが、柔らかい紙製品11を包装している包装体1は、取り出し口を開ける際に、力の入れ方によって開け難かったり、取り出し口が裂けてしまったりする場合がある。ヒートシール層の坪量を好ましくは50g/m以下、より好ましくは5g/m以上35g/m以下、更に好ましくは10g/m以上20g/m以下の範囲内にすることで、取り出し口を開ける際の開け易さと、裂け難さを両立することもできる。
ヒートシール層の坪量は、例えば、次のようにして求めることができる。
まず、0.1M酢酸水溶液と0.1M酢酸ナトリウム水溶液を調製する。約830gの0.1M酢酸水溶液と約160gの0.1M酢酸ナトリウム水溶液を混合してpHが4となるようにし、これを酢酸緩衝液とする。この酢酸緩衝液にセルラーゼオノズカp1500(ヤクルト薬品工業株式会社製)を添加量が1重量%となるように添加する。
セルラーゼオノズカp1500を添加した酢酸緩衝液50mlと、包装基材10(ヒートシール層が形成された紙基材)0.5gとをバイアル瓶に入れて、しっかりと蓋をする。次に、180rpm、40℃の条件で24時間振とうした後、バイアル瓶からヒートシール層を採取し、ヒートシール層部分の質量を測定する。包装基材10(ヒートシール層が形成された紙基材)の質量(0.5g)と採取したヒートシール層の質量から、下記式により、ヒートシール層の坪量を算出する。
ヒートシール層の坪量=
包装基材10の坪量×(ヒートシール層の質量/包装基材10の質量)
(2−2)接着剤層
本発明の包装体1において、接着剤層は、紙基材、又は紙基材上に形成されたヒートシール層の全面に形成されていても、表面の一部、例えば、紙基材同士が積層・接合される部分にのみ形成されていてもよい。紙基材の表面において接着剤層を形成する位置、大きさ、及び接着剤層が占める割合は適宜設定することができる。
接着剤層を構成する接着剤としては特に限定されず、公知のものいずれも使用することができ、例えば、エチレン系接着剤、2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、スチレン−アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等を使用することができる。これらの中でも、スチレン−アクリル系接着剤が好ましい。
接着剤層は、接着剤を、紙基材、又は紙基材上に形成されたヒートシール層等に、例えば、ロールコート、グラビアロールコート、キスコート等の公知の方法で塗工することにより形成することができる。
接着剤層の坪量(接着剤の乾燥塗布量)は、通常、2g/m以上30g/m以下が好ましく、3g/m以上25g/m以下がより好ましく、5g/m以上20g/m以下が更に好ましい。
なお、接着剤層の坪量は、包装基材10の坪量と、接着剤層を設ける前にJIS P 8124に準拠して測定した紙基材の坪量とから、下記式により算出する。
接着剤層の坪量=包装基材10の坪量−紙基材の坪量
前述のとおり、本発明の包装基材10においては、シール層はヒートシール層及び/又は接着剤層であることが好ましいが、通常、接着剤層よりも、ヒートシール層、特に、ポリオレフィン系樹脂を含有するヒートシール層の方が接着性に優れ、ヒートシール層、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂を含有するヒートシール層を設ける方が紙製品11をより包装し易くなる場合がある。
(3)他の層
本発明の包装基材10は、紙基材、シール層以外に、他の層を備えていてもよい。他の層としては、例えば、水蒸気バリア層、酸素バリア層、印刷層、印刷適性向上層、オーバープリント層、遮光層等が挙げられる。これら他の層は、例えば、紙基材とシール層との間、あるいは包装基材10の最上面に設けることができ、1層でもよく、2層以上であってもよい。
(4)包装基材全体の物性
後述するように、本発明に係る包装体1の包装形式は種々あり、製造ライン方向(搬送方向;MD方向)から紙製品11を包むように包装する場合と、製造ライン方向と直交する幅方向(CD方向)から紙製品11を包むように包装する場合とがある。MD方向から紙製品11を包む場合、包装基材10のMD方向の引張強度は、2.0kN/m以上8.0kN/m以下であることが好ましく、2.5kN/m以上6.5kN/m以下であることがより好ましく、3.3kN/m以上5.5kN/m以下であることが更に好ましい。CD方向から紙製品11を包む場合、包装基材10のCD方向の引張強度は、0.7kN/m以上4.0kN/m以下であることが好ましく、0.9kN/m以上3.0kN/m以下であることがより好ましく、1.1kN/m以上2.0kN/m以下であることが更に好ましい。包装基材10のMD方向又はCD方向の引張強度を上記の範囲内にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。包装基材10の引張強度は、JIS P 8113に準拠して測定することができる。
MD方向から紙製品11を包む場合、包装基材10のMD方向の破断伸びは、0.8%以上2.4%以下であることが好ましく、1.0%以上2.1%以下であることがより好ましく、1.2%以上1.8%以下であることが更に好ましい。CD方向から紙製品11を包む場合、包装基材10のCD方向の破断伸びは、3.0%以上7.0%以下であることが好ましく、3.5%以上6.7%以下であることがより好ましく、4.0%以上6.0%以下であることが更に好ましい。包装基材10のMD方向又はCD方向の破断伸びを上記の範囲内にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。包装基材10の破断伸びは、JIS P 8113に準拠して測定することができる。
MD方向から紙製品11を包む場合、包装基材10のMD方向の引裂強度は、300mN以上1600mN以下であることが好ましく、450mN以上1200mN以下であることがより好ましく、580mN以上900mN以下であることが更に好ましい。CD方向から紙製品11を包む場合、包装基材10のCD方向の引裂強度は、400mN以上3000mN以下であることが好ましく、700mN以上2300mN以下であることがより好ましく、900mN以上1500mN以下であることが更に好ましい。包装基材10のMD方向又はCD方向の引裂強度を上記の範囲内にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。包装基材10の引裂強度は、JIS P 8116に準拠して測定することができる。
包装基材10の破裂強度は、90kPa以上310kPa以下であることが好ましく、120kPa以上260kPa以下であることがより好ましく、150kPa以上220kPa以下であることが更に好ましい。包装基材10の破裂強度を上記の範囲内にすることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。包装基材10の破裂強度は、JIS P 8112に準拠して測定することができる。
MD方向から紙製品11を包む場合、包装基材10のMD方向の曲げこわさは、20μN・m以上330μN・m以下であることが好ましく、30μN・m以上225μN・m以下がより好ましく、60μN・m以上170μN・m以下であることが更に好ましい。CD方向から紙製品11を包む場合、包装基材10のCD方向の曲げこわさは、8μN・m以上145μN・m以下であることが好ましく、13μN・m以上100μN・m以下であることがより好ましく、20μN・m以上65μN・m以下であることが更に好ましい。包装基材10のMD方向又はCD方向の曲げこわさが上記範囲内にあることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。また、必要とされる包装基材10のしなやかさと柔らかさが達成し易くなる。包装基材10の曲げこわさは、ISO 2493に準拠して測定することができる。なお、曲げこわさは、繊維の長軸方向に負荷がかかる場合において最も強くなるため、繊維配向比が1.0に近いと、MD方向の曲げこわさは小さく、CD方向の曲げこわさは大きくなる傾向がある。
本発明の包装基材10の厚さは、40μm以上135μm以下であることが好ましく、48μm以上110μm以下であることがより好ましく、68μm以上90μm以下であることが更に好ましい。包装基材10の厚さが上記範囲内にあることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。包装基材10の厚さは、JIS P 8118:1998に準拠して測定することができる。なお、加圧面の圧力条件は100kPaとした。
包装基材10の密度は、0.60g/cm以上0.95g/cm以下であることが好ましく、0.65g/cm以上0.90g/cm以下であることがより好ましく、0.70g/cm以上0.85g/cm以下であることが更に好ましい。包装基材10の密度が上記範囲内にあることで、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。また、必要とされる包装基材10の強度、しなやかさと柔らかさが達成し易い。包装基材10の密度は、JIS P 8118:1998に準拠して測定・算出することができる。
なお、例えば、紙製品11としてティッシュペーパー積層体を包装する際、ティッシュペーパー積層体の密度は、0.04g/cm以上0.30g/cm以下が好ましく、0.07g/cm以上0.25g/cm以下がより好ましく、0.10g/cm以上0.20g/cm以下が更に好ましい。ティッシュペーパー積層体の密度が上記範囲内にあることで、本発明の包装基材10を用いてティッシュペーパー積層体を包装する際、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができ、また、紙製品11を包装し易くなる。なお、ティッシュペーパー積層体の密度は次のように測定する。まず、ティッシュペーパー積層体を包装体1から採取し、ティッシュペーパー積層体の質量を23℃50%で調湿後に電子天秤で測定する。その後、ティッシュペーパー積層体のサイズ(幅、奥行、高さ(紙製品11の長さ))を定規で測定し、次の式により、密度を算出する。
ティッシュペーパー積層体の密度(g/cm)=ティッシュペーパー積層体の質量(g)/(ティッシュペーパー積層体の幅(cm)×ティッシュペーパー積層体の奥行(cm)×ティッシュペーパー積層体の高さ(cm))
3.紙製品
本発明の包装体1が包装する紙製品11に関して、本発明の包装体1は、特に薄葉紙のような柔らかい紙製品を包装するのに好適に適用できる。薄葉紙としては、ティッシュペーパー、ワイパー、ウエットティッシュ、ペーパーハンドタオル等の積層状薄葉紙を包装する場合に、本発明の包装体1は、特に好適に適用することができる。
なお、薄葉紙がティッシュペーパーの場合、2プライであることが好ましい。また、紙質として、1プライ当たりの坪量は10g/m以上20g/m以下であることが好ましく、12g/m以上18g/m以下であることがより好ましく、14g/m以上16g/m以下であることが更に好ましい。また、2プライで5組分(10枚分)の紙厚は、0.4mm/10枚以上1.1mm/10枚以下であることが好ましく、0.5mm/10枚以上1.0mm/10枚以下であることがより好ましく、0.6mm/10枚以上0.9mm/10枚以下であることが更に好ましい。坪量及び紙厚を上記の数値範囲内とすることで、積層体の密度を適切な範囲にすることができ、包装基材10で包装した際に、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。
なお、1プライ当たりの坪量はJIS P 8124に準拠して測定・算出することができる。また、紙厚は、シックネスゲージ(株式会社尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、測定荷重3.7kPa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。また、測定を10回繰り返して測定結果を平均する。
さらに、薄葉紙がティッシュペーパーの場合、2プライ当たりの乾燥時の縦方向引張強度は2.3N/25mm以上6.0N/25mm以下であることが好ましく、2.6N/25mm以上5.0N/25mm以下であることがより好ましく、2.9N/25mm以上4.0N/25mm以下であることが更に好ましい。また、2プライ当たりの乾燥時の横方向引張強度は0.6N/25mm以上2.5N/25mm以下であることが好ましく、0.8N/25mm以上2.2N/25mm以下であることがより好ましく、1.0N/25mm以上1.9N/25mm以下であることが更に好ましい。乾燥時の縦方向及び横方向の引張強度を上記の数値範囲内とすることで、積層体の密度を適切な範囲にすることができ、包装基材10で包装した際に、包装体1のシール部12の接着性を良好なものとすることができる。
なお、乾燥時の縦方向及び横方向の引張強度は、いずれもJIS P 8113に準拠して測定・算出することができる。
また、上記の坪量、紙厚、引張強度の測定は、JIS P 8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行う。
4.包装形式
本発明に係る包装体1の包装形式としては、ピロー包装、ガゼット包装が例示できる。
ピロー包装とは、シート状の包装基材の上あるいは下に載置された被包装物を、筒状に包むように、包装基材をその幅方向の両端部において内面同士で重ね合わせ、この重ね合わせた部分をヒートシール等することにより円筒状に形成し、袋の長さ(高さ)に合わせて底となる部分、又は口となる部分を横一文字にヒートシール等で封止すると共に、この封止された部分において一袋ごとにカットした包装形式である。このピロー包装は、既知の装置を利用して行うことができる。
なお、ピロー包装には、包装基材を垂直方向に送って、被包装物を上から充填しながら包む縦ピロー包装と、包装基材を水平方向に送って、被包装物を包む横ピロー包装がある。薄葉紙を包装する場合は、包装速度や薄葉紙の形態から、横ピロー包装が好ましい。
ガゼット包装とは、シート状の包装基材の上あるいは下に載置された被包装物を、筒状に包むように、包装基材をその幅方向の両端部において内面同士で重ね合わせ、この重ね合わせた部分をヒートシール等することにより円筒状に形成し、袋の長さ(高さ)に合わせて底となる部分、又は口となる部分の両端を内側に織り込んでマチを作り、横一文字にヒートシール等で封止すると共に、この封止された部分において一袋ごとにカットした包装形式である。このガゼット包装は、既知の装置を利用して行うことができる。
ある実施形態において、例えば、MD方向の曲げこわさが20μN・m以上330μN・m以下である包装基材10を用いる場合、本発明の包装体1は、例えば、包装基材10を連続シートの形態で搬送し、紙製品11を配置した後、搬送方向(製造ライン方向;MD方向)から紙製品11を包みながら包装し、搬送方向とは直交する幅方向(CD方向)から所定寸法にカットする場合、すなわち、包む方向が包装基材10のMD方向である場合に、特に好適に適用される。なお、包装基材10を所定の大きさに切断した後に紙製品11を配置してもよく、紙製品11を配置した後に包装基材10を所定の大きさに切断してもよい。
別の実施形態において、例えば、CD方向の曲げこわさが8μN・m以上145μN・m以下である包装基材10を用いる場合、本発明の包装体1は、例えば、包装基材10を連続シートの形態で搬送し、紙製品11を配置した後、搬送方向(製造ライン方向;MD方向)と直交する幅方向(CD方向)から紙製品11を包みながら包装する場合、すなわち、包む方向が包装基材10のCD方向である場合に、特に好適に適用される。この場合、本発明の包装体1においては、包装形式として、ガゼット包装、又はピロー包装を選択することが好ましく、ガゼット包装がより好ましい。なお、この場合も、包装基材10を所定の大きさに切断した後に紙製品11を配置してもよく、紙製品11を配置した後に包装基材10を所定の大きさに切断してもよい。
また、包装基材10のMD方向とCD方向に関して、包装体1のシール部12の長手方向が、包装基材10のCD方向であると、本発明のような凹部13を有するシール部12の接着性が良好になるので好ましい。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが、当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例において、作製した包装基材の物性値の測定は、次の方法で行った。
(包装基材の坪量)
包装基材の坪量Aは、JIS P 8124に準拠して測定した。
(紙基材の坪量、及びヒートシール層の坪量)
まず、0.1M酢酸水溶液と0.1M酢酸ナトリウム水溶液を調製した。約830gの0.1M酢酸水溶液と約160gの0.1M酢酸ナトリウム水溶液を混合してpHが4となるようにし、これを酢酸緩衝液とした。この酢酸緩衝液にセルラーゼオノズカp1500(ヤクルト薬品工業株式会社製)を添加量が1重量%となるように添加した。
セルラーゼオノズカp1500を添加した酢酸緩衝液50mlと、包装基材(ヒートシール層が形成された紙基材)0.5gとをバイアル瓶に入れて、しっかりと蓋をした。次に、180rpm、40℃の条件で24時間振とうした後、バイアル瓶からヒートシール層を採取し、ヒートシール層部分の質量を測定した。包装基材(ヒートシール層が形成された紙基材)の質量(0.5g)と採取したヒートシール層の質量から、下記式により、紙基材の坪量と、ヒートシール層の坪量を算出した。
紙基材の坪量=
包装基材の坪量×[(包装基材の質量−ヒートシール層の質量)/包装基材の質量]
ヒートシール層の坪量=
包装基材の坪量×(ヒートシール層の質量/包装基材の質量)
(接着剤層の坪量(接着剤塗布量))
上記のようにして求めた包装基材の坪量と、接着剤層を設ける前にJIS P 8124に準拠して測定した紙基材の坪量とから、下記式により、接着剤層の坪量を算出した。
接着剤層の坪量=包装基材の坪量−紙基材の坪量
(包装基材の厚さ)
包装基材の厚さは、JIS P 8118:1998に準拠し、自動昇降式紙厚計スタンダードモデル TM−600(熊谷理機工業株式会社製)を用いて測定した。加圧面の圧力条件は100kPaとした。
(包装基材の密度)
包装基材の密度は、JIS P 8118:1998に準拠して測定・算出した。
(包装基材のMD方向及びCD方向の引張強度)
包装基材のMD方向及びCD方向の引張強度は、JIS P 8113に準拠して測定した。
(包装基材のMD方向及びCD方向の破断伸び)
包装基材のMD方向及びCD方向の破断伸びは、JIS P 8113に準拠して測定した。
(包装基材のMD方向及びCD方向の引裂強度)
包装基材のMD方向及びCD方向の引裂強度は、JIS P 8116に準拠して測定した。
(包装基材の破裂強度)
包装基材の破裂強度は、JIS P 8112に準拠して測定した。
(包装基材のMD方向及びCD方向の曲げこわさの測定)
包装基材のMD方向及びCD方向の曲げこわさは、ISO 2493に記載された方法に準拠し、L&W ベンディングテスター(Lorentzen & Wettre社製)を用いて測定を行った。包装基材は、幅38mm、長さ100mmの試験片について、曲げ角度を15度、曲げ長(試料台のスパン)を10mmとしたときの測定値を曲げ抵抗(荷重)とし、次の算出式によって曲げこわさ(μN・m)を求めた。
曲げこわさ(μN・m)=60×曲げ抵抗(mN)×曲げ長10(mm)÷(π×曲げ角度15(°)×サンプル幅38(mm))
なお、長さ100mmの試験片を採取できない場合は、試験片の長さを短くすることができる。また、試験片は、取り出し口のミシン目を含まないようにするが、試験片のサイズを確保する上でミシン目を含まなければならないときは、ミシン目を含んでもよい。
(実施例1)
(包装基材)
パルプ原料として針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)100重量%を用いた紙基材を用意した。そして、紙基材上に、ヒートシール層として、ポリエチレン層を押出法によって製膜し、包装基材を作製した。作製した包装基材の坪量、紙基材の坪量、及びヒートシール層の坪量と、包装基材の厚さ、密度、MD方向及びCD方向の引張強度、MD方向及びCD方向の破断伸び、破裂強度、MD方向及びCD方向の曲げこわさ、並びにMD方向及びCD方向の引裂強度、を測定した結果を表1に示す。
(ティッシュペーパー包装体(ガゼット包装))
作製した包装基材を用いて、包装基材のMD方向18cm×包装基材のCD方向11cm×高さ5cmの大きさの包装体を作製した。そして、この包装体の中に、紙製品としてティッシュペーパー2プライを50組入れ、ガゼット包装により密封して、ティッシュペーパー包装体を得た。なお、CD方向から紙製品を包みながら包装する形式とした。また、ティッシュペーパー包装体はシール部を3個有し、凹部は周長が4mmの略正方形状の凹部が、格子状になるように各シール部に500個ずつ、幅方向に並ぶ個数が6個になるように設けられた。
そして、ティッシュペーパー包装体において、シール部における凹部のピッチ及び凹部の深さBを測定し、包装基材の坪量(A)に対する凹部の深さ(B)の比率(B/A)×100を算出した。凹部のピッチ及び深さの測定は、上記の測定方法に従って行った。
(シール部の接着性)
作製したティッシュペーパー包装体について、シール部から包装基材を開封したときのシール部の接着性(シール部がきちんと接着しているか、焦げていないか)をモニター30人で評価した。評価基準は以下のとおりである。
A:シール部の接着が弱い及び/又は焦げがあると感じた人 0〜1人
B:シール部の接着が弱い及び/又は焦げがあると感じた人 2〜3人
C:シール部の接着が弱い及び/又は焦げがあると感じた人 4〜6人
D:シール部の接着が弱い及び/又は焦げがあると感じた人 7〜15人
E:シール部の接着が弱い及び/又は焦げがあると感じた人 16〜30人
(実施例2)〜(実施例12)、(比較例1)〜(比較例4)
実施例2〜12及び比較例1〜4も実施例1と同様にして、表1に示す物性を有する包装基材を作製し、これを用い、実施例1と同様にして、ティッシュペーパー包装体(ガゼット包装)を作製して、シール部の接着性を評価した。ただし、実施例10においては、紙基材上にヒートシール層としてポリエチレン層を設ける代わりに、スチレン−アクリル系接着剤層(接着剤塗布量:10.8g/m)を設けた。また、実施例11においては、紙製品としてティッシュペーパー2プライを26組、実施例12においては、紙製品としてティッシュペーパー2プライを72組それぞれ入れて、ティッシュペーパー包装体を作製した。
Figure 2021167215
表1に示される結果から明らかなとおり、実施例1〜12の包装体はいずれもシール部の接着性が良好であった。それに対して、比較例1〜4はいずれもシール部の接着性に劣っていた。
よって、本発明の包装体は、紙製品、特に薄葉紙等の紙製品を被包装物とする場合であっても、シール部の接着性が良好である紙製品用包装体を提供することができる。
1 包装体
10 包装基材
11 紙製品(被包装物)
12 シール部
13 凹部

Claims (11)

  1. 包装基材で、1以上の紙製品の全体が覆われ、少なくとも1つのシール部により前記紙製品が密封されている、包装体であって、
    前記包装基材は、少なくとも紙基材とシール層とを含み、
    前記包装基材の坪量が、35g/m以上105g/m以下であり、
    前記シール部は、前記包装基材が重なり合った端部に備えられ、
    前記シール部は、周長が0.6mm以上16mm以下の凹部を、各凹部の端部間が0.2mm以上6mm以下の距離で隣接するように少なくとも2つ以上有することを特徴とする、紙製品用包装体。
  2. 前記凹部の深さが、0.05mm以上0.49mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の紙製品用包装体。
  3. 前記凹部の、前記シール部の長手方向と直交する方向におけるピッチが、0.3mm以上5.9mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の紙製品用包装体。
  4. (前記凹部の深さ/前記包装基材の坪量)×100が、0.07以上1.5以下であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の紙製品用包装体。
  5. 前記包装基材のMD方向の曲げこわさが、20μN・m以上330μN・m以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の紙製品用包装体。
  6. 前記包装基材のCD方向の曲げこわさが、8μN・m以上145μN・m以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の紙製品用包装体。
  7. 前記シール層は、ヒートシール層及び/又は接着剤層であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の紙製品用包装体。
  8. 前記ヒートシール層が、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする、請求項7に記載の紙製品用包装体。
  9. 前記紙製品が、薄葉紙であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の紙製品用包装体。
  10. 前記薄葉紙が、積層状薄葉紙であることを特徴とする、請求項9に記載の紙製品用包装体。
  11. 前記包装体が、ガゼット包装又はピロー包装であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の紙製品用包装体。
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