JP2021166457A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】銅損と鉄損のバランスを考慮して、効率を向上させたモータを提供する。【解決手段】ステータヨーク部11aと、複数のティース部11bと、磁極部11cと、からなるステータコア11、及び、ティース部11bに巻回されたコイル12を備え、径方向の断面において、ティース部11bは、幅が一定の平行部11bpと、該平行部11bpに連なるとともに、外方向に向けて幅が漸次広がり、磁極部11cに繋がる傾斜部11bsと、からなり、傾斜部11bsの周方向xyにおける中央に固定部13を有し、傾斜部11bsの輪郭線11bs−1,11bs−2と固定部13との最短距離Wcが、平行部11bpの幅Wtの約2分の1であり、輪郭線11bp−1,11bp−2と、傾斜部11bsの輪郭線11bs−1,11bs−2とが成す角θtが100°〜140°の範囲内であるモータ。【選択図】図2

Description

本発明は、モータに関する。
アウターロータ型の集中巻モータにおいては、コイルの巻線作業の容易性を考慮すると、占積率は、例えば20%程度となる。コイルの巻数が同一のとき、占積率を維持しつつ、銅損を低減し、モータの効率を向上するためには、巻線スペースであるスロットの断面積を、できるだけ大きくし、巻線の線径を大きくすることで、巻線抵抗を下げることが望まれる。例えば、特許文献1に記載されたステータ(特許文献1の図2及び図3を参照)においては、ステータコアのティース部分の幅を径方向で一定にする等、スロットの断面積を拡大するための対策の余地が残されている。
ただし、スロットの断面積を大きくするべく、例えば、ステータコアのティース幅を狭く(軸と垂直な断面における周方向長さを短く)し過ぎてしまうと、ティース部分の磁束密度が高くなるため、鉄損が増加してしまい、却ってモータの効率を低下させてしまいかねない。そのため、銅損と鉄損のバランスを考慮して、ステータコアの形状の設計をすることが求められる。
銅損と鉄損を両方低減するステータコアの形状を設計したモータの技術として、特許文献2に記載の技術がある。当該技術は、インナーロータ型モータに関する技術であるが、銅損と鉄損とを考慮することで、結果として、スロットの断面積が比較的大きくなっている。
しかし、特許文献2の図12においては、ステータコアのティースの幅方向の中央に、カシメがある。カシメは、電磁鋼板を用いた積層鉄心の固定に広く採用されているが、その応力により、カシメ部分の電磁鋼板の磁気特性が劣化し、カシメ部分の鉄損が増加することが知られている。カシメによる鉄損増加を抑制するには、ステータコアの磁束密度が低い位置にカシメを配置するのが有効である。特許文献2に記載の技術では、カシメの配置がよく考慮されていないため、カシメ部分の鉄損が増加し、モータの効率が低下する懸念があるため、鉄損を抑制する余地が残されている。
特開2019−075890号公報 特開2000−324728号公報
本発明は、アウターロータ型の集中巻モータにおいて、銅損と鉄損との和を低減し、効率を向上させたモータを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により解決される。即ち、本発明のモータは、円環部と、複数のティース部と、該ティース部のそれぞれに連なり、周方向の両側に先端部が張り出した磁極部と、を有する、磁性体からなるステータコア、前記ティース部のそれぞれに巻回されたコイル、及び、前記ステータを取り囲むマグネットを有するロータを備え、
前記ステータコアにおける径方向の断面において、
前記ティース部のぞれぞれは、幅が一定の平行部と、該平行部に連なるとともに、外方向に向けて幅が漸次広がり、前記磁極部に繋がる傾斜部と、からなり、
前記傾斜部の周方向における中央に、積層された前記磁性体を軸方向から固定する固定部を有し、
前記傾斜部の一対の輪郭線のそれぞれと、前記固定部と、の最短距離Wcがともに等しく、かつ、前記平行部の幅Wtの約2分の1(Wc≒1/2×Wt)であり、
前記平行部の一対の輪郭線と、該輪郭線に連なる前記傾斜部の一対の輪郭線と、が成す角θtがともに等しく、かつ、100°〜140°の範囲内である。
本発明においては、前記傾斜部の輪郭線が直線状であることが好ましい。
本発明の一例である実施形態にかかるモータの、径方向の平面の断面図(横断面図)である。 成す角θt=140°となる、実施形態にかかるモータにおけるステータコアの一部のみを抜き出した、軸と垂直方向の平面の拡大断面図である。 本実施形態で用いるスロット断面積の定義を説明するための説明図である。 成す角θt=110°となる、変形例にかかるステータコアの一部のみを抜き出した、軸と垂直方向の平面の拡大断面図である。 図5ステータコアにおける成す角θtを変化させた際の巻線抵抗値の変動を示すグラフである。 ステータコアにおける成す角θtを変化させた際の逆起電力の変動を示すグラフである。 ステータコアにおける成す角θtを変化させた際の鉄損の変動を示すグラフである。 ステータコアにおける成す角θtを変化させた際の銅損のp.u.値及び鉄損のp.u.値の平均値の変動を示すグラフである。
以下、本発明の例示的態様である実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一例である実施形態にかかるモータ1の、軸と垂直方向の平面の断面図である。
本実施形態にかかるモータ1は、主として、ステータ10と、ロータ20と、シャフト30と、からなる。当該モータ1は、内側にステータ(固定子)10が配され、それに対して外側に配されたロータ(回転子)20が回転する、アウターロータ型で集中巻の三相ブラシレスモータである。
なお、本実施形態において、「径方向」という場合には、シャフト30を軸とする円の径方向を表し、「周方向」という場合には、シャフト30を軸とする円の周の方向を表す。図1でいえば、外方向である矢印m方向及び内方向である矢印n方向を径方向(以下、「径方向mn」と称する場合がある。)とし、時計回りである矢印x方向及び反時計回りである矢印y方向を周方向(以下、「周方向xy」と称する場合がある。)とする。
ロータ20は、磁極部11cの外方向(矢印m方向)の端部に対向し、ステータ10を取り囲むように配置されたマグネット21を有する。マグネット21は、シャフト30と同軸で円筒形状のロータヨーク22の内周に配置されており、周方向xyにN極とS極とが交互に入れ替わるように着磁されている。ロータ20は、不図示のブッシュを介してロータヨーク22とシャフト30とが接続され、ロータヨーク22とシャフト30は周方向xyに一体に回転するようになっている。
ステータ10は、ステータコア11及びコイル12を有する。
ステータコア11は、磁性体である、軸方向に積層された電磁鋼板からなるものである。また、ステータコア11は、円環部である、ステータヨーク部11aと、ステータヨーク部11aから外方向(矢印m方向)に延在する複数のティース部11bと、ティース部11bのそれぞれの先端に連なり、周方向xyの両側に先端部(以下、「ティース先端部」と称する。)11dが張り出した磁極部11cと、からなる。
ステータコア11におけるティース部11bのそれぞれには、コイル12が集中巻で巻回されている。
図2に、本実施形態にかかるモータ1におけるステータコア11の一部のみを抜き出した拡大断面図を示す。図2は、図1と同じ、軸と垂直方向の平面の断面図である。なお、以下の説明においては、6つあるティース部及び磁極部の組のうちの1つの組を代表して説明するが、他の全てのティース部及び磁極部の組においても同様である。
図2に示される通り、ティース部11bは、ステータヨーク部11aと繋がり、幅Wtが一定の平行部11bpと、平行部11bpに連なるとともに、外方向(矢印m方向)に向けて幅が漸次広がり、端部で磁極部11cに繋がる傾斜部11bsと、からなる。また、傾斜部11bsの周方向xyにおける中央に、積層された電磁鋼板を軸方向から固定するカシメ部(固定部)13を有する。なお、磁極部11cの外方向(矢印m方向)側端部からカシメ部13までの距離Lcは、最薄肉部でも、軸方向に積層された電磁鋼板の板厚分以上を確保するため、0.5mm以上としている。
この傾斜部11bsの一対の輪郭線11bs−1,11bs−2とカシメ部13との最短距離Wcは、ともに等しく、かつ、平行部11bpの幅(輪郭線11bp−1と輪郭線11bp−2との間の距離)Wtの約2分の1になっている(以下に示す(式1)を参照)。
(式1)
Wc≒1/2×Wt
積層された電磁鋼板を固定するために行われているカシメ部は、電磁鋼板の磁気特性が劣化するため、鉄損が増加することが知られている。カシメによる鉄損増加を抑制するには、ステータコアの磁束密度が低い位置にカシメを配置するのが有効である。
したがって、最短距離Wcが狭いと、カシメ部の磁束密度が大きくなってしまい、鉄損が増加する。また、ティース部の断面積が縮小するため、ティース部の磁束密度が大きくなり、磁気飽和により逆起電力が低下するため、同一動作点時のモータ電流が増加し、銅損増加に繋がり、モータ効率が低下してしまう懸念がある。
しかし、本実施形態においては、平行部11bpに形成された磁路が、カシメ部13で周方向xyの両側に分岐した際にも、輪郭線11bs−1,11bs−2とカシメ部13との最短距離Wcの幅の磁路が確保される。(式1)で示されるように、分岐した2つの磁路を形成する最短距離Wcは、平行部11bpの幅Wtの略半分であるため、分岐後の2つの磁路の合計が、平行部11bpの幅Wtと略同等になるようになっている。
したがって、本実施形態においては、鉄損の増大や磁気飽和による逆起電力の低下が抑制されるため、モータ効率の低下を抑制することができる。
なお、鉄損の増大や磁気飽和による逆起電力の低下だけを考慮すれば、最短距離Wcが幅Wtの2分の1より大きければ(Wc≧1/2×Wt)よいことになる。しかし、最短距離Wcが大き過ぎると、傾斜部11bs全体の周方向xyの幅が大きくなり、スロット部Sの断面積が狭くなってしまうため、コイル12の巻線径を拡大することができず、巻線抵抗が増大し、結果として銅損の増大に繋がることになる。
したがって、上記(式1)を満たすように、最短距離Wcが幅Wtの約2分の1となるようにすることが最も好ましい。
なお、最短距離Wcが幅Wtの正確に2分の1となるようにすることは困難であるため、「約」を用いて表現し、(式1)においては符号「≒」を用いているが、最短距離Wcが幅Wtの2分の1となるように設計しようとする思想が、本実施形態にかかる技術の肝となる。したがって、設計上や製造上、あるいは使用上、その他各種理由により、多少の誤差を含んでいても、「最短距離Wcが幅Wtの約2分の1」乃至(式1)の範疇であると解される。
この誤差としては、具体的には例えば、最短距離Wc((式1)の左辺)が「幅Wtの2分の1」((式1)の右辺)に対して、±13%の範囲内であれば誤差の範囲と判断され、±6%の範囲内であることが好ましく、±3%の範囲内であることがさらに好ましく、±1%の範囲内であることが特に好ましい。
傾斜部11bsの輪郭線11bs−1,11bs−2は、図2に示されるように直線状になっている。傾斜部11bsの輪郭線が曲線状や不定形であると、巻線の巻回時に巻線が配置できないデッドスペースが生じやすく、スロット部Sの断面積を有効に活用することができない。しかし、輪郭線11bs−1,11bs−2を直線状にすることで、巻線を配置しやすくなり、スロット部Sの断面積のスペース的な無駄を抑制することができ、占積率の向上に繋げることが可能となる。
本実施形態においては、さらに、平行部11bpの一対の輪郭線11bp−1,11bp−2と、該輪郭線11bp−1,11bp−2に連なる傾斜部11bsの一対の輪郭線11bs−1,11bs−2と、が成す角θt(以下、単に「成す角θt」と称する。)がともに等しく、かつ、100°〜140°の範囲内である。本実施形態では、この成す角θtを適切な範囲内にすることで、銅損と鉄損を低減してモータ効率の向上を実現させている。以下、その理由について説明する。
一般式として、銅損は下記(式2)で表されることが知られている。
(式2)
Figure 2021166457
上記(式2)中、Wは銅損を、Rは巻線抵抗を、Iはモータ電流を、それぞれ表す。
また、一般式として、鉄損は下記(式3)で表されることが知られている。
(式3)
Figure 2021166457
上記(式3)中、Wは鉄損を、Wはヒステリシス損を、Wは渦電流損を、mcoreはステータ鉄心の質量を、k及びKはステータ鉄心材料で決まる定数を、fは基本周波数を、Bmaxはステータ鉄心の磁束密度の最大値を、それぞれ表す。
上記(式2)より、銅損Wを低減するためには、巻線抵抗Rを減少させればよいことがわかる。巻線抵抗Rの減少は、巻線の線径を大きくすることで実現することができる。
本実施形態におけるモータ1は集中巻であるため、巻線はスロット部Sに収められている。巻線の巻数が同一の場合、巻線の線径を大きくすると、スロット部Sに占める巻線の断面積が増加するため、巻線作業が困難になる。スロット部Sの断面積のうち巻線が占めている断面積の割合の指標として、下記(式4)で表される占積率が知られている。
(式4)
Figure 2021166457
上記(式4)中、SFは占積率を、Sslotは図3で定義するスロット断面積を、Swireは以下に示す(式5)で定義される巻線断面積を、それぞれ表す。
(式5)
Figure 2021166457
上記(式4)中、Swireは上記の通り巻線断面積を、φは線径を、Nは巻数を、それぞれ表す。
なお、図3は、本実施形態で用いるスロット断面積の定義を説明するための説明図であり、本実施形態における図2と同様の拡大断面における一般的なステータコアを示すものである。スロットオープニング(隣り合うティース部111bのティース先端部111dから、ステータヨーク部111aに向けて平行に引かれた2本の仮想線(二点鎖線L)の間の空間)と、ティース部111bと、磁極部111cと、ステータヨーク部111aで囲まれた斜線部の領域をスロット断面積Sslotとする。
既述の(式1)を満たしつつ(即ち、カシメ部13近傍の磁路の幅を確保しつつ)、スロット断面積Sslotを大きくするためには、図2に示すように、ティース部11bに平行部11bpと傾斜部11bsを設けることが有効である。傾斜部を設けていない図3と、傾斜部11bsを設けた図2の断面形状を見ればわかる通り、傾斜部11bsを設けることで、磁極部11c(111c)を肉薄化することができ、スロット断面積Sslotを大きくすることができる。
なお、図3に示すステータコア11は、傾斜部を設けずに(式1)を満たすよう設計したとき、即ち、θt=90°としたときのものである。
ただし、磁極部11cを薄肉化する(図2の断面における断面積を小さくする)と、ステータコア11の磁束密度の最大値が上昇するか、または、磁気飽和が発生して逆起電力が低下する可能性がある。磁極部11cの磁束密度の最大値が上昇すると、上記(式3)より、鉄損が増加することがわかる。また、逆起電力が低下すると、同一動作点時のモータ電流が増加することになり、上記(式2)より、銅損が増加することがわかる。
すなわち、平行部11bpの一対の輪郭線11bp−1,11bp−2と、該輪郭線11bp−1,11bp−2に連なる傾斜部11bsの一対の輪郭線11bs−1,11bs−2と、が成す角θtを大きくし過ぎると、モータ損失である鉄損または銅損が増加する可能性があるため、モータ効率の低下に繋がる懸念がある。
本実施形態のモータにおいて、ロータの外径をφ23.0mm、ステータの外径をφ19.6mm、マグネットの材料をフェライト、電磁鋼板の板厚を0.5mm厚、回転数を40000rpm、コイル12の占積率が20%となる線径とし、既述の成す角θtを100°〜160°の間で10°ずつ変化させたステータコアを用いたとき、モータ効率がどのように変化するかシミュレーションした。一例として、図4に、成す角θt=110°としたステータコアの軸と垂直方向の平面の拡大断面図を示す。また、図1及び図2に示す本実施形態のステータコア11は、成す角θt=140°の例である。なお、ロータの外径や回転数等の条件を変更したとしても、図5〜図8に示す傾向に変化はないと考えられる。
まず、ステータコアにおける成す角θtを変化させた際の巻線抵抗値の変動を図5に示す。図5は、横軸がステータコアにおける成す角θt、縦軸が巻線抵抗値として、プロットしたグラフである。なお、縦軸の巻線抵抗値は、その他の条件を同じとした際の、ティース部に傾斜部が無い、即ち、θt=90°としたときの、図3に示す如き形状のステータコアの値を基準(=1.000per unit、以下「p.u.」と略記する。)としている(後述する図6〜図8のグラフにおいても同様。)。
図5のグラフを見ればわかるように、成す角θtが大きくなるにつれて、スロット断面積が拡大し、線径を大きくすることができるため、巻線抵抗が減少している。
なお、スロット断面積SslotはCADにより求めた。また、巻線抵抗Rαは、下記(式6)により求めた。
(式6)
Figure 2021166457
上記(式6)中、a及びbはともに定数を表すものであり、巻線の材質等に基づく固有の値である。例えば、本実施例においては、下記(式7)に示す通りになっている。
(式7)
Figure 2021166457
既述の(式2)より、銅損を低減するためには、巻線抵抗が小さい方が好ましい。よって、図5のグラフより、巻線抵抗の観点からは、成す角θtがなるべく大きいことが望ましいことがわかる。
次に、ステータコアにおける成す角θtを変化させた際の逆起電力の変動を図6に示す。図6は、横軸がステータコアにおける成す角θt、縦軸が逆起電力として、プロットしたグラフである。
なお、逆起電力は、電磁界解析により求めた。
図6のグラフを見ればわかるように、θtが大きくなるにつれて、わずかではあるが逆起電力が単調に減少している。
逆起電力が減少すると、同一動作点時のモータ電流が増加するため、既述の(式2)より、銅損を低減するためには、逆起電力が大きい方が好ましい。よって、図6のグラフより、逆起電力の観点からは、成す角θtがなるべく小さいことが望ましいことがわかる。
さらに、ステータコアにおける成す角θtを変化させた際の鉄損の変動を図7に示す。図7は、横軸がステータコアにおける成す角θt、縦軸が鉄損として、プロットしたグラフである。
なお、鉄損は、電磁界解析により求めた。
図7のグラフを見ればわかるように、成す角θtが大きくなるにつれて、鉄損が単調に増加している。鉄損は小さい方が好ましいため、図7のグラフより、鉄損の観点からは、成す角θtがなるべく小さいことが望ましいことがわかる。
図6のグラフより、θt=90〜160°の範囲において、逆起電力の値はほぼ1.0であるため、同一動作点時のモータ電流は、ほとんど変わらないと推定することができる。そのため、既述の(式2)より、銅損の変化は、巻線抵抗の変化に近似してよい。
モータ効率は、銅損と鉄損の合計値が小さければ向上する。そのため、成す角θtが100°〜160°の範囲内において、銅損と鉄損の平均値が1p.u.以下であれば、ティース部に傾斜部が無い図3に示す如き形状(θt=90°)のステータコアを用いた装置条件(基準)に比してモータ損失が減少する。即ち、銅損と鉄損の平均値が1p.u.以下であれば、モータ効率が向上する。
図8に、ステータコアにおける成す角θtを変化させた際の、銅損のp.u.値及び鉄損のp.u.値の平均値の変動を示す。図8は、横軸がステータコアにおける成す角θt、縦軸が銅損のp.u.値及び鉄損のp.u.値の平均値(以下、「p.u.平均値」と称する。)として、プロットしたグラフである。
図8のグラフを見ればわかるように、θtが110°のときp.u.平均値が最小となり、θtがおよそ140°を超えるとp.u.平均値が1以上になる。
以上より、成す角θtを100〜140°の範囲にすることで、ティース部に傾斜部が無い(θt=90°)図3に示す如き形状のステータコアを用いた装置条件(基準)に比してモータ損失が減少し、モータ効率が向上することがわかる。
以上、本発明のモータについて、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明のモータは上記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、ステータコアにおけるティースの本数が6本のものを例に挙げて説明しているが、ティースの本数は特に制限されるものではなく、複数本であれば構わない。
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のモータを適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
1:モータ、10:ステータ、11:ステータコア、11a:ステータヨーク部(円環部)、11b:ティース部、11c:磁極部、11d:ティース先端部(先端部)、11bp:平行部、11bs:傾斜部、11bp−1,11bp−2:輪郭線(平行部)、11bs−1,11bs−2:輪郭線(傾斜部)、12:コイル、13:カシメ部(固定部)、20:ロータ、21:マグネット、22:ロータヨーク、30:シャフト

Claims (2)

  1. 円環部と、複数のティース部と、該複数のティース部のそれぞれに連なり、周方向の両側に先端部が張り出した磁極部と、を有する、軸方向に積層された磁性体からなるステータコア、前記ティース部のそれぞれに巻回されたコイル、及び、前記ステータコアを取り囲むマグネットを有するロータを備え、
    前記ステータコアにおける径方向の断面において、
    前記ティース部のそれぞれは、幅が一定の平行部と、該平行部に連なるとともに、外方向に向けて幅が漸次広がり、前記磁極部に繋がる傾斜部と、からなり、
    前記傾斜部の周方向における中央に、積層された前記磁性体を軸方向から固定する固定部を有し、
    前記傾斜部の一対の輪郭線のそれぞれと、前記固定部と、の最短距離Wcがともに等しく、かつ、前記平行部の幅Wtの約2分の1(Wc≒1/2×Wt)であり、
    前記平行部の一対の輪郭線と、該輪郭線に連なる前記傾斜部の一対の輪郭線と、が成す角θtがともに等しく、かつ、100°〜140°の範囲内である、モータ。
  2. 前記傾斜部の輪郭線が直線状である、請求項1に記載のモータ。
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