JP2021162825A - 光学素子、撮像装置、及び移動体 - Google Patents

光学素子、撮像装置、及び移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】光学素子の反りを低減する。【解決手段】光学素子3は、長手方向Xに配列された複数の光学面11,13を含む主部31と、主部31と一体に形成され、主部31の外周に配置された外周部32と、を備える。外周部32は、主部31の短手方向Yに位置し、主部31の長手方向Xの長さよりも長い延在部321を有する。延在部321は、主部31よりも厚く、主部31に沿った部分351と、部分351の長手方向Xの両端に位置し、主部31に沿わない部分352,353と、を含む。部分352,353の各々は、長手方向Xの全体に亘って主部31の厚み以上部分351の厚み以下である。部分352,353の各々における長手方向Xの一部又は全部は、主部31よりも厚い。部分352,353の各々における長手方向Xの一部又は全部は、部分351よりも薄い。【選択図】図5

Description

本発明は、長尺の光学素子に関する。
撮像デバイスは、小型化及び高性能化が進み、カメラやビデオ、スマートフォン等の撮像装置、及びドローンや自動車等の移動体に搭載される。撮像デバイスは、周辺環境の視覚情報の認知、距離の測定など、さまざまな分野で活用されている。自動車を例に挙げれば、自動車の自動運転や運転支援を実現するために、自動車にカメラを搭載することも研究されている。撮像デバイスは、光学素子を含む結像光学系を有する。特許文献1には、長尺の光学素子が開示されている。
特開平10−282445号公報
長尺の光学素子を製造する工程において、射出成型法を用いる場合、成形材を型内のキャビティに充填して、光学素子となる成形品を作成する。型開き後、成形品が冷却されることで収縮し、長尺の成形品の短手方向及び長手方向において反りが生じることがある。撮像装置や移動体に用いられる光学素子には、高い形状精度が要求されるようになってきている。このことから光学素子には、製造時に生じる反りを低減することが求められている。
そこで、本発明は、光学素子の反りを低減することを目的とする。
本発明の光学素子は、長手方向に配列された複数の光学面を含む主部と、前記主部と一体に形成され、前記主部の外周に配置された外周部と、を備え、前記外周部は、前記主部の短手方向に位置し、前記主部の前記長手方向の長さよりも長い第1延在部を有し、前記第1延在部は、前記主部よりも厚く、前記主部に沿った第1部分と、前記第1部分の前記長手方向の両端に位置し、前記主部に沿わない第2部分及び第3部分と、を含み、前記第2部分及び前記第3部分の各々は、前記長手方向の全体に亘って前記主部の厚み以上前記第1部分の厚み以下であり、前記第2部分及び前記第3部分の各々における前記長手方向の一部又は全部は、前記主部よりも厚く、前記第2部分及び前記第3部分の各々における前記長手方向の一部又は全部は、前記第1部分よりも薄い、ことを特徴とする。
本発明は、光学素子の反りが低減される。
(a)及び(b)は、第1実施形態に係る移動体の説明図である。 第1実施形態に係る素子ユニットの模式的な断面図である。 (a)及び(b)は、第1実施形態に係る素子ユニットの外観斜視図である。 第1実施形態に係る光学素子の製造工程を説明するための図である。 (a)及び(b)は、第1実施形態に係る光学素子3の斜視図である。 (a)は、第1実施形態に係る光学素子の斜視図である。(b)は、(a)に示す光学素子のVIB−VIB断面図である。(c)は、(a)に示す光学素子のVIC−VIC断面図である。 (a)〜(c)は、第2実施形態に係る光学素子の一部の斜視図である。 第3実施形態に係る撮像装置の一例であるステレオカメラの素子ユニットの模式的な断面図である。 (a)は、比較例1の光学素子の斜視図である。(b)は、(a)に示す光学素子のIXB−IXB断面図である。(c)は、(a)に示す光学素子のIXC−IXC断面図である。 (a)は、比較例2の光学素子の斜視図である。(b)は、(a)に示す光学素子のXB−XB断面図である。(c)は、(a)に示す光学素子3YのXC−XC断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態では、成形時の光学素子の反りが低減され、複数の光学素子により素子ユニットを組立てる際の組立て精度に優れており、素子ユニットの組み立て後も、素子ユニットが変形しにくいという利点を有する。
図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係る移動体の説明図である。図1(a)及び図1(b)には、移動体の一例として自動車1000を例示している。図1(a)及び図1(b)に示す自動車1000は、移動体の本体部の一例である自動車本体1000Aと、自動車本体1000Aに設けられた、撮像装置の一例であるカメラ装置800と、を備える。自動車本体1000Aは、ウィンドシールドであるフロントガラス1001と、乗員席1002とを含む。カメラ装置800は、図1(a)および図1(b)に図示するように、フロントガラス1001に対して乗員席1002の側に設けられ、具体的にはフロントガラス1001の上縁部近傍に装着されている。第1実施形態のカメラ装置800は、図1(a)に例示するような乗員席が密閉された自動車であっても、図1(b)に例示するような乗員席の上方が開放された自動車であっても、フロントガラス1001に好適に実装することが可能である。
なお、自動車1000の自動運転や運転支援のために、後方を走行する他車との距離や、後退時における物体との距離を測定する必要があれば、カメラ装置800をリアガラスの乗員席側に装着することも可能である。その場合であっても、第1実施形態のカメラ装置800は、高い精度で組み立てられ、機械強度に優れた光学系を備えるため、信頼性が高い計測結果を得ることが可能である。
以下、カメラ装置800に含まれる素子ユニットについて説明する。図2は、第1実施形態に係る素子ユニット1の模式的な断面図である。図1(a)又は図1(b)に示すカメラ装置800は、不図示の筐体と、不図示の筐体の内部に配置される素子ユニット1と、を含む。
素子ユニット1は、結像光学系LO1を含む。結像光学系LO1は、外光を取入れる第1開口部としての開口部SP1と、光を反射する反射膜R11,R12,R13,R14,R15と、を含む。各反射膜は、自由曲面ミラーである。
開口部SP1は、結像光学系LO1の絞りとして用いても良い。図2では、結像光学系LO1の基準軸(中心主光線)を、一点鎖線で示しているが、チルトした複数のミラーにより基準軸が折れ曲がったオフアキシャル光学系が構成されている。
素子ユニット1は、長尺の光学素子2と、光学素子2と対向する長尺の光学素子3とを備える。光学素子2は、長尺の基体20を有する。基体20には、結像光学系LO1に外光を取込むための絞り面としての開口部SP1が形成されている。基体20は、薄膜の一例として反射膜R12,R14が設けられた光学面12,14を有する。
光学素子2と対向する光学素子3は、長尺の基体30を有する。基体30は、薄膜の一例である反射膜R11,R13が設けられた光学面11,13を有する。
結像光学系LO1の結像面に当たる光学素子2の所定位置には、イメージセンサIMG1が固定されている。イメージセンサIMG1は、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の、可視光、即ち波長380nm〜700nmの光に感度を有する撮像素子である。ただし、可視光の他に、可視光とは異なる波長帯域の光、例えば1000nm付近の近赤外領域も受光し電気信号に変換可能なものであれば更に好ましい。第1実施形態のように、屈折力(光学的パワー)を有する光学面を反射面だけで構成した結像光学系の場合、色収差が存在しないため、プリズム等の屈折光学系で構成した結像光学系よりも広い波長帯域で高い結像性能を維持することができる。よって、撮像素子の受光波長範囲が広ければ、可視光以外の情報も同時に取得することができる。このため、可視光カメラ以外に赤外カメラ装置を別途搭載したカメラシステムよりも、全系を小型化することが可能となるため好ましい。
光学素子3には、調整用の光学素子4が設置されている。光学素子4は、独立して位置および姿勢を調整することができる。光学素子4は、基体40を有する。基体40は、薄膜の一例として結像光学系LO1の最終の反射膜R15が設けられた光学面15を有する。イメージセンサIMG1の撮像面に結像光学系から適正に結像されるように、反射膜R15の位置および姿勢が調整可能となっている。
光学素子2と光学素子3とが位置合わせされ、光学素子2と光学素子3とがそれぞれ、支持部材6と接着剤で接着されることで、光学素子2、光学素子3及び支持部材6が、互いに固定され、ユニット化されている。2つの光学素子2,3の各々の反射膜が対向してオフアキシャル光学系を構成するように、2つの光学素子2,3が支持部材6によって位置決め固定されている。結像光学系LO1を構成する複数の反射膜は、回転非対称な曲率を有しており、基準軸を折り曲げるようにチルトして対向配置されている。素子ユニット1が、このような反射膜を備えることで、収差補正をより容易にすることができ、結像性能の向上が可能となる。イメージセンサIMG1は、撮像部の一例であり、光学素子2,3,4を経た光を受光して撮像画像を生成する。
素子ユニット1の構造の理解を容易にするため、図3(a)および図3(b)に素子ユニット1の外観斜視図を示す。図3(a)は、奇数番目の反射膜R11,R13が見える角度から見た斜視図である。図3(b)は、偶数番目の反射膜R12,R14が見える角度から見た斜視図である。なお、図3(a)において偶数番目の反射膜R12,R14と、図3(b)において奇数番目の反射膜R13,R15は、直接的には見えない位置にあるため、引き出し線を破線としている。
以下に、第1実施形態1の素子ユニット1における各光学素子2,3の製造方法を説明する。まず、素子ユニット1の部品となる光学素子2の基体20、光学素子3の基体30、光学素子4の基体40、支持部材6をそれぞれ形成する。製造の容易性を考慮すると、結像光学系の全ての反射膜R11〜R14を単一の基体の上に形成するのは困難であるため、第1実施形態では、2つの光学素子2,3と1つの調整用の光学素子4に、反射膜R11〜R14を分散して配置する構成としている。つまり、図3(a)や図3(b)のように、入射側から数えて偶数番目に光が反射する反射膜R11、R13が形成される基体20と、入射側から数えて奇数番目に光が反射する反射膜R12,R14が形成される基体30とを、別の部品としている。
光学素子2の基体20、光学素子3の基体30、光学素子4の基体40および支持部材6は、例えば射出成形法などのモールド形成法によって製造される。用いる成形材は、熱可塑性樹脂、Mgを主成分とする合金など、射出成形可能な材料から選択される。なお、成形材は、型により成形が可能ならば限定されるものではないが、樹脂が好ましい。例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及び紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂が挙げられ、成形のしやすさや耐久性に応じて選択すればよい。例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、MS樹脂、及びポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。これら樹脂の中でもポリオレフィン系樹脂は、吸湿性が低い。したがって、成形材としてポリオレフィン系樹脂を用いることで、樹脂の吸湿に伴う光学面の形状変化を抑制することができる。これにより、素子ユニット1が置かれる湿度環境に影響されず、素子ユニット1の光学面において、高い形状精度を実現することができる。ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば日本ゼオン株式会社製のZEONEX(登録商標)などを用いることができる。また、成形材は、単一の材料から構成される必要はない。材料としての特性向上や機能付与のために、樹脂に無機微粒子などを分散させたものを、成形材として使用してもよい。また、基体20、基体30、基体40及び支持部材6の各々が、材料の異なる複数の層で構成されていてもよい。
図4は、第1実施形態の光学素子の基体および支持部材を形成する工程を説明するための図である。図4には、基体20、基体30、基体40及び支持部材6を成形するための射出成形装置600を図示している。射出成形装置600により、成形型の一例である金型60内のキャビティに溶融樹脂を射出し、樹脂成形品である基体20、基体30、基体40及び支持部材6を形成する。具体的に説明すると、ペレット状の樹脂73がホッパ72に投入されると、ペレット状の樹脂73は、ヒータ74で加熱されて液状化し、スクリュー75により押圧されてシリンダ76内を貯留部77に向けて流動する。そして、貯留部77に貯められた液状の溶融樹脂は、高速射出ユニット78の作用によりノズル79から金型60内のキャビティに射出される。
基体20、基体30、及び基体40の光学面には、反射膜が形成される。反射膜の形成には、さまざまな成膜法を用いることができるが、一般的に利用されている蒸着やスパッタ法などを用いることができる。反射膜の材質には、アルミニウムや銀などの反射率の高い金属を用いればよく、400nmから800nmの波長域の光に対して、90%以上の反射率を確保するのが望ましい。さらには、反射膜の表面の保護や反射率の向上を目的として、反射膜上に誘電体膜などを付加して多層膜としてもよい。
図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係る光学素子3の斜視図である。光学素子3において反射膜R11,R13が見える側を表側とし、その反対を裏側とする。図5(a)には、光学素子3を表側から見た光学素子3の斜視図を図示している。図5(b)には、光学素子3を裏側から見た光学素子3の斜視図を図示している。
光学素子3の基体30は、主部31と、主部31の外周に配置された外周部32とで構成される。外周部32は、主部31と一体に形成されている。外周部32は、主部31を囲っている。図5(a)及び図5(b)において、主部31に相当する部分にハッチングを付している。光学素子3、即ち基体30は、長尺の部材である。光学素子3の長手方向をX、光学素子3の短手方向をYとする。短手方向Yは、長手方向Xと直交する。
光学素子3の基体30は、長手方向X及び短手方向Yに広がる一対の主面301,302を有する。主面301は、表面であり、主面302は、主面301と反対側の裏面である。基体30の厚みは、主面301に垂直な法線方向の厚みである。
主部31の長手方向Xの長さは、短手方向Yの長さよりも長い。主部31は、長手方向Xに配列された複数の光学面11,13を有する。光学面11,13は、主面301の一部である。光学面11,13は、長手方向Xに互いに隣接して配置されている。なお、複数の光学面が長手方向Xに間隔をあけて配置されていてもよい。光学面11上には、反射膜R11が形成され、光学面13上には、反射膜R13が形成されている。反射膜R11と反射膜R13とは、連続であっても不連続であってもよい。光学面11,13は、凹面である。光学面11,13は、自由曲面形状となっている。
主部31において光学面11と反対側の裏面B11は、凸面である。主部31において光学面13と反対側の裏面B13は、凸面である。裏面B11,B13は、主面302の一部である。裏面B11は、光学面11の法線方向に一定距離移動させた自由曲面形状、即ちオフセット形状となっている。裏面B13は、光学面13の法線方向に一定距離移動させた自由曲面形状、即ちオフセット形状となっている。即ち、基体30における主部31の厚み分布が略均一となっている。
外周部32は、主部31の長手方向Xの両側に位置する一対のフレーム部311,312を有する。フレーム部311は、主部31の長手方向Xの一方側に配置されている。フレーム部312は、主部31の長手方向Xの他方側に配置されている。
また、外周部32は、主部31の短手方向Yの両側に位置する、長手方向Xに延在する一対の延在部321,322を有する。延在部321は、第1延在部であり、主部31の短手方向Yの一方側に配置されている。延在部322は、第2延在部であり、主部31の短手方向Yの他方側に配置されている。つまり、延在部321と延在部322とは、主部31を介して対向している。
一対の延在部321,322の各々は、主部31よりも長手方向Xに長く形成されている。第1実施形態では、一対の延在部321,322の各々は、光学素子3の長手方向Xの第1端341から第2端342まで延在している。そして、主部31及び一対のフレーム部311,312は、一対の延在部321,322の間に挟まれて配置されている。
延在部321は、主部31に沿った第1部分である部分351を有する。部分351は、短手方向Yにおいて主部31と隣接又は間隔をあけて配置され、主部31と並行するように長手方向Xに延びている。第1実施形態では、部分351は、短手方向Yにおいて主部31と隣接している。
部分351は、短手方向Yにおいて主部31の光学面11及び裏面B11と隣接する部分351と、短手方向Yにおいて主部31の光学面13及び裏面B13と隣接する部分351とを含む。
また、延在部321は、部分351の長手方向Xの両端に位置する一対の部分352,353を有する。部分352は、第2部分であり、部分351の長手方向Xの一端側に配置されている。部分353は、第3部分であり、部分351の長手方向Xの他端側に配置されている。
部分352は、短手方向Yにおいてフレーム部311と隣接又は間隔をあけて配置され、フレーム部311と並行するように部分351から長手方向Xに延びている。つまり、部分352は、主部31に沿っていない。第1実施形態では、部分352は、短手方向Yにおいてフレーム部311と隣接している。
部分353は、短手方向Yにおいてフレーム部312と隣接又は間隔をあけて配置され、フレーム部312と並行するように部分351から長手方向Xに延びている。つまり、部分354は、主部31に沿っていない。第1実施形態では、部分353は、短手方向Yにおいてフレーム部312と隣接している。
延在部322は、主部31に沿った第4部分である部分354を有する。部分354は、短手方向Yにおいて主部31と隣接又は間隔をあけて配置され、主部31と並行するように長手方向Xに延びている。第1実施形態では、部分354は、短手方向Yにおいて主部31と隣接している。よって、主部31は、部分351と部分354とに挟まれている。
部分354は、短手方向Yにおいて主部31の光学面11及び裏面B11と隣接する部分354と、短手方向Yにおいて主部31の光学面13及び裏面B13と隣接する部分354とを含む。
また、延在部322は、部分354の長手方向Xの両端に位置する一対の部分355,356を有する。部分355は、第5部分であり、部分354の長手方向Xの一端側に配置されている。部分356は、第6部分であり、部分354の長手方向Xの他端側に配置されている。
部分355は、短手方向Yにおいてフレーム部311と隣接又は間隔をあけて配置され、フレーム部311と並行するように部分354から長手方向Xに延びている。つまり、部分355は、主部31に沿っていない。第1実施形態では、部分355は、短手方向Yにおいてフレーム部311と隣接している。よって、フレーム部311は、部分352と部分355とに挟まれている。
部分356は、短手方向Yにおいてフレーム部312と隣接又は間隔をあけて配置され、フレーム部312と並行するように部分354から長手方向Xに延びている。つまり、部分356は、主部31に沿っていない。第1実施形態では、部分356は、短手方向Yにおいてフレーム部312と隣接している。よって、フレーム部312は、部分353と部分356とに挟まれている。
図6(a)は、第1実施形態に係る光学素子3の斜視図である。図6(b)は、図6(a)に示す光学素子3のVIB−VIB断面図である。図6(c)は、図6(a)に示す光学素子3のVIC−VIC断面図である。ここで、凸面である裏面B11,B13の凸の方向をZ1とし、方向Z1とは反対の方向、つまり凹面である光学面11,13の凹の方向をZ2とする。方向Z1,Z2は、長手方向X及び短手方向Yと直交する方向である。
主部31の厚みをt0とする。部分351の厚みをt1とする。部分352の厚みをt2とする。部分353の厚みをt3とする。部分354の厚みをt4とする。部分355の厚みをt5とする。部分356の厚みをt6とする。フレーム部311の厚みをt11とする。フレーム部312の厚みをt12とする。厚みt0は、主部31における光学面11,13上の複数の点をサンプリングし、その複数の点における主部31の厚みの平均値とする。
部分351及び部分354は、主部31よりも厚い。第1実施形態では、部分351の厚みt1は、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0よりも厚い。部分354の厚みt4は、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0よりも厚い。
第1実施形態では、部分351の厚みt1及び部分354の厚みt4は、長手方向Xに亘って一定である。また、部分351の厚みt1と部分354の厚みt4とは同じである。フレーム部311の厚みt11及びフレーム部312の厚みt12は、主部31の厚みt0と同じである。
延在部321の部分351、及び延在部322の部分354は、射出成形時の金型60(図4)に生じる熱分布や樹脂流入部に生じる圧力により、光学面11,13の形状の精度に影響を与えないようにするために設けられている。また、各部分351,354は、金型60から成形品を取り出す際の突出しピン(不図示)を当接させるために配置されている。
主部31は、方向Z1に凸の形状となっている。このため、基体30を金型60(図4)から離型させた後の基体30の冷却過程において、基体30には、主部31の収縮の作用で、基体30の設計形状に対し、主部31の短手方向Yの中央部が方向Z1に向かおうとする反りWY1の力が働く。即ち、短手方向Yについて、主部31の収縮の作用により、図6(a)中、基体30には上に凸となろうとする反りWY1の力が働く。基体30の設計形状は、金型60のキャビティの形状でもある。
これに対し、第1実施形態では、部分351の厚みt1及び部分354の厚みt4は、主部31の厚みt0よりも厚くなっている。このため、各部分351,354の収縮の作用で、基体30の設計形状に対し、主部31の短手方向Yの中央部が方向Z2に向かおうとする反りWY2の力が働く。即ち、短手方向Yについて、各部分351,354の収縮の作用により、図6(a)中、基体30には下に凸となろうとする反りWY2の力が働く。基体30の反りWY1を、基体30の反りWY2で相殺することで、短手方向Yに対し基体30が設計形状から反るのを低減することができる。
また、部分351,354が長手方向Xの全体に亘って一定の厚みとなっているので、光学面11,13を成形する際の樹脂の圧力分布を均一とすることができ、また、基体30を冷却する際の温度分布も均一とすることができる。このため、光学面11,13を高精度に形成することができる。
各部分352,353は、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0以上、部分351の厚みt1以下である。また、各部分355,356は、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0以上、部分354の厚みt4以下である。
ここで、部分352,353,355,356の長手方向Xの全体が主部31の厚み以下だと仮定する。この場合、基体30を金型60(図4)から離型させた後に基体30を冷却する過程において、基体30には、フレーム部311がフレーム部312に対して方向Z1に変位する、長手方向Xの反りWX1が発生する。即ち、長手方向Xについて、主部31の収縮の作用により、図6(a)中、基体30には下に凸となろうとする反りWX1の力が働く。
逆に、部分352,353,355,356の長手方向Xの全体が部分351の厚み以上であると仮定する。この場合、基体30を金型60(図4)から離型させた後に基体30を冷却する過程において、基体30には、フレーム部311がフレーム部312に対して方向Z2に変位する、長手方向Xの反りWX2が発生する。長手方向Xについて、各部分352,353,355,356の収縮の作用により、図6(a)中、基体30には上に凸となろうとする反りWX2の力が過剰となるためである。
第1実施形態では、基体30の長手方向Xの反りが低減されるように、各部分352,353,355,356の厚みが調整される。以下、部分352,353,355,356の厚みがどのように調整されるかについて具体的に説明する。
部分352における長手方向Xの一部又は全部、第1実施形態では部分352における長手方向Xの全部が、主部31よりも厚い。また、部分352における長手方向Xの一部又は全部、第1実施形態では部分352における長手方向Xの全部が、部分351よりも薄い。即ち、第1実施形態では、部分352は、長手方向Xの全体に亘って、主部31よりも厚く、部分351よりも薄い。
更に、部分353における長手方向Xの一部又は全部、第1実施形態では部分353における長手方向Xの全部が、主部31よりも厚い。また、部分353における長手方向Xの一部又は全部、第1実施形態では部分353における長手方向Xの全部が、部分351よりも薄い。即ち、第1実施形態では、部分353は、長手方向Xの全体に亘って、主部31よりも厚く、部分351よりも薄い。
部分352の厚みt2及び部分353の厚みt3は、長手方向Xに亘って一定である。そして、部分352の厚みt2と部分353の厚みt3は、同じである。第1実施形態では、部分352の厚みt2は、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0よりも厚く、部分351の厚みt1よりも薄い。部分353の厚みt3は、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0よりも厚く、部分351の厚みt1よりも薄い。
部分355における長手方向Xの一部又は全部、第1実施形態では部分355における長手方向Xの全部が、主部31よりも厚い。また、部分355における長手方向Xの一部又は全部、第1実施形態では部分355における長手方向Xの全部が、部分354よりも薄い。即ち、第1実施形態では、部分355は、長手方向Xの全体に亘って、主部31よりも厚く、部分354よりも薄い。
更に、部分356における長手方向Xの一部又は全部、第1実施形態では部分356における長手方向Xの全部が、主部31よりも厚い。また、部分356における長手方向Xの一部又は全部、第1実施形態では部分356における長手方向Xの全部が、部分354よりも薄い。即ち、第1実施形態では、部分356は、長手方向Xの全体に亘って、主部31よりも厚く、部分354よりも薄い。
部分355の厚みt5及び部分356の厚みt6は、長手方向Xに亘って一定である。そして、部分355の厚みt5と部分356の厚みt6は、同じである。第1実施形態では、部分355の厚みt5は、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0よりも厚く、部分354の厚みt4よりも薄い。部分356の厚みt6は、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0よりも厚く、部分354の厚みt4よりも薄い。
以上、各部分352,353,355,356の厚みが調整されることにより、基体30が金型60から離型された後の冷却過程において、各部分352,353,355,356の長手方向Xの収縮量が調整される。これにより、長手方向Xについて基体30が上に凸となろうとする反りWX2の力、即ちフレーム部311がフレーム部312に対して方向Z2に向かおうとする反りWX2の力が調整される。よって、フレーム部311がフレーム部312に対して方向Z1に向かおうとする反りWX2が、フレーム部311がフレーム部312に対して方向Z2に向かおうとする反りWX1の力で相殺され、長手方向Xに亘って基体30の反りが低減される。
部分351,352,353,354,355,356は、複数の光学面11,13の側とは反対側に突出して形成されているのが好ましい。即ち、図5(b)に示す主面302において、主部31の裏面B11,B13に対し、部分351〜356に対応する面が、方向Z1に突出しているのが好ましい。これにより、長手方向X及び短手方向Yのいずれの方向においても、基体30の反りを効果的に低減することができる。
厚みt1〜t6は、基体30の反りを矯正する量に応じて、適宜設定すればよい。例えば、基体30の反りの矯正効果を生じさせるために、主部31の厚みt0を4mmとしたとき、厚みt1〜t6を主部31の厚みt0に対して+0.1mm以上厚くするのが好ましい。即ち、厚みt1〜t6を、主部31の厚みt0に対して2.5%以上とするのが好ましい。
一方、厚みt1〜t6を過剰に厚く設定すると、製造時にヒケによる変形が生じるため、光学面11,13の精度に影響を及ぼす。よって、厚みt1〜t6のそれぞれの最大値は、主部31の厚みt0の2倍以下とするのが好ましい。
また、フレーム部311,312の長手方向Xの合計の長さが、光学面11,13の長手方向Xの合計の長さの50%以上200%以下であるのが好ましい。50%未満の場合、光学面11,13の反りの抑制が不十分となるためである。また、200%超の場合、光学素子3のサイズが大きすぎるためである。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る光学素子について説明する。図7(a)〜図7(c)は、第2実施形態に係る光学素子3Aの一部の斜視図である。なお、第2実施形態において第1実施形態と同様の構成については同一符号を用いて説明を省略する。光学素子の長手方向Xの反りを低減するための一対の延出部における厚みの調整は、第1実施形態に説明したものに限定されない。第2実施形態では、第1実施形態とは異なる一対の延出部の3つの例について図7(a)〜図7(c)を参照しながら説明する。
光学素子3Aは、長尺の光学素子である。光学素子3Aは、長尺の基体30Aを有する。基体30Aは、第1実施形態と同様の構成の主部31と、主部31の外周に配置された外周部32Aと、を備える。外周部32Aは、主部31と一体に形成されている。
外周部32Aは、短手方向Yの両端側に配置され、長手方向Xに延在する一対の延在部321A,322Aを有する。なお、外周部32Aは、第1実施形態と同様、図5(b)に示すような一対のフレーム部311,312を有するが、一対のフレーム部311,312のうち、図7(a)〜図7(c)では、フレーム部312のみを模式的に図示している。第2実施形態では、延在部321Aと延在部322Aとは同一の構成である。
第1延在部である延在部321Aは、主部31と短手方向Yで隣接する第1部分である、第1実施形態と同様の構成の部分351を有する。また、延在部321Aは、部分351の長手方向Xの両端に位置する、第1実施形態と同様の構成の第2部分である、図5(b)に示すような部分352と、第1実施形態の部分353とは異なる構成の第3部分である部分353Aと、を含む。
部分353Aは、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0以上、部分351の厚みt1以下である。部分353Aにおける長手方向Xの一部又は全部は、主部31よりも厚い。そして、部分353Aにおける長手方向Xの一部又は全部は、部分351よりも薄い。
第2部分及び第3部分のうちの少なくとも一方、第2実施形態では、第3部分である部分353Aは、長手方向Xに亘って主部31よりも厚い第7部分である部分353Aを含む。更に、部分353Aは、長手方向Xに亘って、部分351及び部分353Aよりも薄い第8部分である部分353Aを含む。
第2延在部である延在部322Aは、主部31と短手方向Yで隣接する第4部分である、第1実施形態と同様の構成の部分354を有する。また、延在部322Aは、部分351の長手方向Xの両端に位置する、第1実施形態と同様の構成の第5部分である、図5(b)に示すような部分355と、第1実施形態の部分356とは異なる構成の第6部分である部分356Aと、を含む。
部分356Aは、長手方向Xの全体に亘って、主部31の厚みt0以上、部分354の厚みt4以下である。部分356Aにおける長手方向Xの一部又は全部は、主部31よりも厚い。そして、部分356Aにおける長手方向Xの一部又は全部は、部分354よりも薄い。
第5部分及び第6部分のうちの少なくとも一方、第2実施形態では、第6部分である部分356Aは、長手方向Xに亘って主部31よりも厚い第9部分である部分356Aを含む。更に、部分356Aは、長手方向Xに亘って、部分354及び部分356Aよりも薄い第10部分である部分356Aを含む。
図7(a)の例では、部分353Aは、1つの部分353Aと、部分353Aと部分351との間に配置された1つの部分353Aとを含む。また、図7(a)の例では、部分356Aは、1つの部分356Aと、部分356Aと部分354との間に配置された1つの部分356Aとを含む。
図7(b)の例では、部分353Aは、1つの部分353Aと、部分353Aと部分351との間に配置された1つの部分353Aとを含む。また、図7(b)の例では、部分356Aは、1つの部分356Aと、部分356Aと部分354との間に配置された1つの部分356Aとを含む。
図7(c)の例では、部分353Aは、2つの部分353Aと、2つの部分353Aの間に配置された1つの部分353Aとを含む。また、図7(c)の例では、部分356Aは、2つの部分356Aと、2つの部分356Aの間に配置された1つの部分356Aとを含む。
部分353Aは、長手方向Xの全体に亘って部分351と同じ厚みである。部分353Aは、長手方向Xの全体に亘って主部31と同じ厚みである。部分356Aは、長手方向Xの全体に亘って部分354と同じ厚みである。部分356Aは、長手方向Xの全体に亘って主部31と同じ厚みである。
部分353Aの厚みをt3とする。部分353Aの厚みをt3とする。部分356Aの厚みをt6とする。部分356Aの厚みをt6とする。部分353Aの厚みt3は、部分351の厚みt1と同じである。部分356Aの厚みt6は、部分354の厚みt4と同じである。また、部分353Aの厚みt3は、主部31の厚みt0と同じである。部分356Aの厚みt6は、主部31の厚みt0と同じである。なお、フレーム部312の厚みt12は、主部31の厚みt0と同じである。
以上、部分353Aが、部分353Aと、部分353Aよりも薄い部分353Aとを含むことで、部分353Aの長手方向Xの収縮量、即ち部分353Aに起因する反り力が調整され、基体30Aの長手方向Xにおける反りを低減することができる。
同様に、部分356Aが、部分356Aと、部分356Aよりも薄い部分356Aとを含むことで、部分356Aの長手方向Xの収縮量、即ち部分356Aに起因する反り力が調整され、基体30Aの長手方向Xにおける反りを低減することができる。
部分351,353A,354,356Aは、主部31の光学面の側とは反対側に突出して形成されているのが好ましい。これにより、長手方向X及び短手方向Yのいずれの方向においても、基体30Aの反りを効果的に低減することができる。
なお、厚みt1、厚みt3、厚みt3、厚みt4、厚みt6、厚みt6は、基体30Aの反りを矯正する量に応じて、適宜設定すればよい。例えば、基体30Aの反りの矯正効果を生じさせるために、主部31の厚みt0を4mmとしたとき、部分351の厚みt1及び部分353Aの厚みt3を主部31の厚みt0に対して+0.1mmよりも厚くするのが好ましい。即ち、部分351の厚みt1及び部分353Aの厚みt3を、主部31の厚みt0に対して2.5%以上とするのが好ましい。部分354,356Aについても同様である。
一方、部分351の厚みt1、及び部分353Aの厚みt3を過剰に厚く設定すると、製造時にヒケによる変形が生じるため、主部31の光学面の精度に影響を及ぼす。よって、部分351の厚みt1、及び部分353Aの厚みt3のそれぞれの最大値は、主部31の厚みt0の2倍以下とするのが好ましい。部分354,356Aについても同様である。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る撮像装置について説明する。図8は、第3実施形態に係る撮像装置の一例であるステレオカメラの素子ユニット1Bの模式的な断面図である。第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同一符号を用いて説明を省略する。図8に示す素子ユニット1Bは、不図示の筐体に収納され、図1(a)及び図1(b)に示すような移動体の本体部の一例である自動車本体1000Aに設けられる。図8に示す素子ユニット1Bは、ステレオ撮像光学系STUを含む。ステレオ撮像光学系STUは、第1結像光学系LO1と、第2結像光学系LO2とにより構成される。図8において、第1結像光学系LO1を右側に図示し、第2結像光学系LO2を左側に図示している。
第1結像光学系LO1は、外光を取入れる第1開口部としての開口部SP1と、光を反射する反射膜R11,R12,R13,R14,R15と、を含む。第2結像光学系LO2は、外光を取入れる第2開口部としての開口部SP2と、光を反射する反射膜R21,R22,R23,R24,R25を含む。各反射膜は、自由曲面ミラーである。
開口部SP1及び開口部SP2は、第1結像光学系LO1及び第2結像光学系LO2の絞りとして用いても良い。図8では、第1結像光学系LO1及び第2結像光学系LO2の基準軸(中心主光線)を、一点鎖線で示しているが、チルトした複数のミラーにより基準軸が折れ曲がった2つのオフアキシャル光学系が構成されている。第1結像光学系LO1と第2結像光学系LO2とは、互いに左右対称に構成されていることが好ましい。左右の光学系の画角が異なると、ステレオ計測により距離を計測することができる範囲が、画角の狭い方の結像光学系で決まってしまうからである。また、2つの光学系の間でFナンバーや焦点距離に差異があると、距離の計測精度が低下するおそれがあるからである。
素子ユニット1Bは、長尺の光学素子2Bと、光学素子2Bと対向する長尺の光学素子3Bとを備える。光学素子2Bは、長尺の基体20Bを有する。基体20Bには、第1結像光学系LO1に外光を取込むための絞り面としての開口部SP1が形成されている。基体20Bは、第1結像光学系LO1の一部を構成する反射膜R12,R14が設けられた光学面12,14を有する。また、基体20Bには、第2結像光学系LO2に外光を取込むための絞り面としての開口部SP2が形成されている。基体20Bは、第2結像光学系LO2の一部を構成する反射膜R22,R24が設けられた光学面22,24を有する。基体20Bと、基体20Bに設けられた反射膜R12,R14,R22,R24とで、光学素子2Bが構成されている。
光学素子3Bは、長尺の基体30Bを有する。基体30Bは、第1結像光学系LO1の一部を構成する反射膜R11,R13が設けられた光学面11,13を有する。基体30Bは、第2結像光学系LO2の一部を構成する反射膜R21,R23が設けられた光学面21,23を有する。基体30Bと、基体30Bに設けられた反射膜R11,R13,R21,R23とで、光学素子3Bが構成されている。
第1結像光学系LO1の結像面に当たる光学素子2Bの所定位置には、イメージセンサIMG1が固定され、第2結像光学系LO2の結像面に当たる光学素子2Bの所定位置には、イメージセンサIMG2が固定されている。イメージセンサIMG2は、イメージセンサIMG1と同様の構成である。
光学素子3Bには、調整用の光学素子4,5が設置されている。光学素子4,5は、独立して位置および姿勢を調整することができる。光学素子4は、基体40を有する。基体40は、結像光学系LO1の最終の反射膜R15が設けられた光学面15を有する。光学素子5は、基体50を有する。基体50は、結像光学系LO2の最終の反射膜R25が設けられた光学面25を有する。イメージセンサIMG1及びイメージセンサIMG2の各々の撮像面に各結像光学系から適正に結像されるように、反射膜R15及び反射膜R25の位置および姿勢が調整可能となっている。
光学素子2Bと光学素子3Bとが位置合わせされ、光学素子2Bの中央と光学素子3Bの中央とがそれぞれ、支持部材6と接着されることで、光学素子2B、光学素子3B、及び支持部材6が互いに固定され、ユニット化されている。2つの光学素子2B,3Bの各々に設けられた反射膜が対向して左右に2つのオフアキシャル光学系を構成するように、2つの光学素子2B,3Bが支持部材6によって位置決め固定されている。第1結像光学系LO1と第2結像光学系LO2を構成する複数の反射膜は、回転非対称な曲率を有しており、基準軸を折り曲げるようにチルトして対向配置されている。素子ユニット1Bがこのような反射膜を備えることで、収差補正をより容易にすることができ、結像性能の向上が可能となる。
イメージセンサIMG1,IMG2は、撮像部の一例であり、光学素子2B,3B,4,5を経た光を受光して撮像画像を生成する。イメージセンサIMG1,IMG2は、撮像画像としてステレオ画像を生成する。ステレオ画像は、2つの撮像画像からなる。
第3実施形態の光学素子3Bは、第1実施形態の光学素子3を、左右対称となるように長手方向Xに2つ並べて連結した構造となっている。よって、第3実施形態のような長尺の光学素子3Bにおいても、図5(a)に示すような一対の延在部321,322により、長手方向X及び短手方向Yの反りを効果的に低減することができる。
なお、第3実施形態の光学素子3Bは、第2実施形態の光学素子3Aを、左右対称となるように長手方向Xに2つ並べて連結した構造となっていてもよい。また、第3実施形態の光学素子3Bは、光学素子3と光学素子3Aのいずれか一方を左右反転させた形状として、2つの光学素子2,2Aを連結した構造となっていてもよい。いずれの場合であっても、光学素子3Bの長手方向X及び短手方向Yの反りを効果的に低減することができる。
[実施例]
実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の光学素子の基体についてコンピュータシミュレーションにより、光学素子の基体の反りを評価した。実施例1は、第1実施形態の具体例、実施例2は、第2実施形態の具体例である。
シミュレーションソフトは、東レエンジニアリング株式会社製の3DTimonを使用した。本解析においては、溶融樹脂の流動、型内冷却、金型からの取出し後の冷却における素子変形について粘弾性解析を実施した。解析条件は、樹脂温度条件280℃、金型温度条件120℃、充填時間3秒、保圧力および保圧時間は120メガパスカルで30秒とした。また、金型から取り出した際の雰囲気温度は23℃、取り出してから10,800秒後の形状と、初期形状の差分を変形量とした。
まず、実施例1の光学素子3の基体30について、図5(a)、図5(b)、図6(a)、図6(b)及び図6(c)を参照しながら説明する。実施例1の光学素子3の基体30として、長手方向Xの長さが100mm、短手方向Yの幅が40mmの樹脂成形品を、射出成形により成形したものとした。シミュレーションに使用した樹脂のデータは、ポリオレフィン系樹脂(日本ゼオン社製ZEONEX(登録商標)E48R)のデータを用いた。
反射膜R11,R13が形成される主部31の厚みt0は、自重変形によるたわみを考慮して4mm、各部分351,354の厚みt1,t4は、5mmとした。また、一対の延在部321,322の各々の短手方向Yの幅は、光学素子3の短手方向Yの端面から光学面11,13の端までの距離として、長手方向Xの全体に亘って5mm一定とした。各部分352,353,355,356の厚みt2,t3,t5,t6は、4.5mmとした。フレーム部311,312の厚みt11,t12は4mmとした。
次に、実施例2の光学素子3Aの基体30Aについて説明する。実施例2では、図7(a)の光学素子3Aの基体30Aについてシミュレーションを行った。以下、実施例2の光学素子3Aの基体30Aについて、図7(a)を参照しながら説明する。
実施例2の光学素子3Aの基体30Aとして、実施例1と同様、長手方向Xの長さが100mm、短手方向Yの幅が40mmの樹脂成形品を、実施例1と同じ樹脂を用いて射出成形により成形するものとした。
主部31の厚みt0は、実施例1と同様、4mmとした。各部分351,354の厚みt1,t4は、実施例1と同様、5mmとした。また、一対の延在部321A,322Aの各々の短手方向Yの幅は、長手方向Xの全体に亘って5mm一定とした。各部分353A,356Aの厚みt3,t6は、5mmとした。各部分353A,356Aの厚みt3,t6は、4mmとした。各部分353A,356Aの長手方向Xの長さは、20mmとした。フレーム部311,312の厚みt11,t12は4mmとした。
図9(a)は、比較例1の光学素子3Xの斜視図である。図9(b)は、図9(a)に示す光学素子3XのIXB−IXB断面図である。図9(c)は、図9(a)に示す光学素子3XのIXC−IXC断面図である。なお、比較例1において、実施例1と同様の構成については、同一符号を付している。
比較例1の光学素子3Xは、基体30Xを有する。光学素子3Xの基体30Xとして、実施例1と同様、長手方向Xの長さが100mm、短手方向Yの幅が40mmの樹脂成形品を、実施例1と同じ樹脂を用いて射出成形により成形するものとした。
基体30Xは、実施例1と同様の主部31と、実施例1とは異なる外周部32Xとを含む。外周部32Xは、短手方向Yに間隔をあけて配置され、長手方向Xに延在する一対の延在部321X,322Xを有する。
主部31の厚みt0は、実施例1と同様、4mmとした。一対の延在部321X,322Xの各々の短手方向Yの幅は、長手方向Xの全体に亘って5mm一定とした。一対の延在部321X,322Xの各々の厚みt1Xは、長手方向Xの全体に亘って4mm一定とした。フレーム部312の厚みは4mmとした。
図10(a)は、比較例2の光学素子3Yの斜視図である。図10(b)は、図10(a)に示す光学素子3YのXB−XB断面図である。図10(c)は、図10(a)に示す光学素子3YのXC−XC断面図である。なお、比較例2において、実施例1と同様の構成については、同一符号を付している。
比較例2の光学素子3Yは、基体30Yを有する。光学素子3Yの基体30Yとして、実施例1と同様、長手方向Xの長さが100mm、短手方向Yの幅が40mmの樹脂成形品を、実施例1と同じ樹脂を用いて射出成形により成形したものとした。
基体30Yは、実施例1と同様の主部31と、実施例1とは異なる外周部32Yとを含む。外周部32Yは、短手方向Yに間隔をあけて配置され、長手方向Xに延在する一対の延在部321Y,322Yを有する。
主部31の厚みt0は、実施例1と同様、4mmとした。一対の延在部321Y,322Yの各々の短手方向Yの幅は、長手方向Xの全体に亘って5mm一定とした。一対の延在部321Y,322Yの各々の厚みt1Yは、長手方向Xの全体に亘って5mm一定とした。フレーム部312の厚みは4mmとした。
以下の表1に、実施例1,2及び比較例1,2の光学素子の基体に発生した、設計値に対する長手方向Xの反り量及び短手方向Yの反り量のシミュレーション結果を示す。
Figure 2021162825
長手方向Xの反り量は、光学素子の基体における短手方向Yの中央を、長手方向Xに沿って切断した断面における設計値からの変形量を表しており、フレーム部312に対して、フレーム部311が方向Z1へ変位した量と定義した。短手方向Yの反り量は、光学素子の基体における光学面11を、短手方向Yに沿って切断した断面における設計値からの変形量を表しており、光学面11が設計値に対して凹む方向Z1を正、その反対の方向Z2を負とした。
表1に示すように、比較例1に対して実施例1,2では、短手方向Yの反り量の絶対値の低減効果がみられる。比較例2では、比較例1に対して短手方向Yの反り量の絶対値が低減される。しかし、比較例2では、比較例1に対して長手方向Xの反り量の絶対値は、ほとんど低減しない。なお、比較例2において、長手方向Xについては基体の反りの方向が、比較例1と逆になる。
実施例1では、部分352,353,355,356の厚みを調整している分、長手方向X及び短手方向Yの両方とも、反り量の絶対値が小さくなる効果がみられる。実施例2では、部分353Aと部分353A、及び部分356Aと部分356Aで反りを調整することで、長手方向X及び短手方向Yの両方とも、反り量の絶対値が小さくなる効果がみられる。特に、実施例1,2では、比較例1,2に対して、長手方向Xの反りを効果的に低減させることができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
上述の実施形態では車載用の撮像装置に適用される光学素子について説明したが、これに限定するものではない。上述の光学素子が適用された撮像装置は、自動車のみならず、ドローン等の移動体に搭載することが可能である。また、上述の光学素子は、種々の用途に利用可能なビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することができる。上述の光学素子が適用された撮像装置は、装着部を介して各種の移動体の本体に接続して用いることができる。
そして、上述の光学素子が適用された撮像装置では、例えば周囲の温度環境などに左右されることなく、種々の用途において、高精度及び高画質な撮像を行うことができる。これにより、測定機などに用いられる撮像装置では、高精度な物理測定を行うことができる。
また、各結像光学系を構成する自由曲面ミラーの数、形状、配置等は、適宜変更することが可能である。例えば、主部31が例えば2つの光学面11,13を有する場合について説明したが、これに限定するものではない。主部が、3つ以上の光学面を有する場合であってもよい。
また、光学面上に、反射膜が形成される場合について説明したが、これに限定するものではない。光学部が例えばレンズである場合、光学面には、薄膜の一例として、反射防止膜が形成されてもよい。また、基体の光学面上に薄膜が形成されていなくてもよい。
また、光学面が凹面である場合に本発明は好適であるが、光学面が凹面以外の形状の面、例えば凸面であってもよい。この場合、光学面とは反対側の裏面は、光学面をオフセットさせた形状、例えば光学面が凸面であれば裏面は凹面であるのがよい。
3…光学素子、11…光学面、13…光学面、30…基体、31…主部、32…外周部、321…延在部(第1延在部)、322…延在部(第2延在部)、351…部分(第1部分)、352…部分(第2部分)、353…部分(第3部分)、354…部分(第4部分)、355…部分(第5部分)、356…部分(第6部分)

Claims (13)

  1. 長手方向に配列された複数の光学面を含む主部と、
    前記主部と一体に形成され、前記主部の外周に配置された外周部と、を備え、
    前記外周部は、
    前記主部の短手方向に位置し、前記主部の前記長手方向の長さよりも長い第1延在部を有し、
    前記第1延在部は、
    前記主部よりも厚く、前記主部に沿った第1部分と、
    前記第1部分の前記長手方向の両端に位置し、前記主部に沿わない第2部分及び第3部分と、を含み、
    前記第2部分及び前記第3部分の各々は、前記長手方向の全体に亘って前記主部の厚み以上前記第1部分の厚み以下であり、
    前記第2部分及び前記第3部分の各々における前記長手方向の一部又は全部は、前記主部よりも厚く、
    前記第2部分及び前記第3部分の各々における前記長手方向の一部又は全部は、前記第1部分よりも薄い、
    ことを特徴とする光学素子。
  2. 前記外周部は、前記第1延在部と前記主部を介して対向する第2延在部を有し、
    前記第2延在部は、
    前記主部よりも厚く、前記主部に沿った第4部分と、
    前記第4部分の前記長手方向の両端に位置し、前記主部に沿わない第5部分及び第6部分と、を含み、
    前記第5部分及び前記第6部分の各々は、前記長手方向の全体に亘って前記主部の厚み以上前記第4部分の厚み以下であり、
    前記第5部分及び前記第6部分の各々における前記長手方向の一部又は全部は、前記主部よりも厚く、
    前記第5部分及び前記第6部分の各々における前記長手方向の一部又は全部は、前記第4部分よりも薄い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第2部分及び前記第3部分のうちの少なくとも一方は、前記長手方向の全体に亘って、前記主部よりも厚く、前記第1部分よりも薄い、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記第2部分及び前記第3部分のうちの少なくとも一方は、前記主部よりも厚い第7部分と、前記第7部分よりも薄い第8部分と、を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 前記第7部分は、前記第1部分と同じ厚みである、
    ことを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記第8部分は、前記主部と同じ厚みである、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の光学素子。
  7. 前記複数の光学面の各々に設けられた薄膜を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学素子。
  8. 前記薄膜は、光を反射する反射膜である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の光学素子。
  9. 前記複数の光学面の各々が凹面であり、
    前記主部において前記複数の光学面の各々の反対側の面が凸面である、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学素子。
  10. 前記第1部分は、前記複数の光学面の側とは反対側に前記主部よりも突出している、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学素子と、
    前記光学素子を経た光を受光する撮像部と、を備える、
    ことを特徴とする撮像装置。
  12. 前記撮像部は、撮像画像としてステレオ画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  13. 本体部と、
    前記本体部に設けられた、請求項11又は12に記載の撮像装置と、を備える、
    ことを特徴とする移動体。
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