JP2021162570A - 断線検知システムおよび断線検知方法 - Google Patents

断線検知システムおよび断線検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケーブル内の素線の断線を高感度で検知できる断線検知システムおよび断線検知方法を提供する。
【解決手段】屈曲機構は、ケーブル10が時計回り方向または反時計回り方向の一方に屈曲した状態を第1の屈曲状態、他方に屈曲した状態を第2の屈曲状態として、第1の屈曲状態と第2の屈曲状態との間を往復するようにケーブル10に周期的に力を印加する。測定器は、屈曲機構の往復に応じて時系列的に変化するケーブル10の抵抗値Rを測定し、第1の屈曲状態と第2の屈曲状態との間を一往復する周波数を屈曲周波数fとして、ケーブル10の抵抗値Rの時系列的な変化に含まれる周波数成分の中から屈曲周波数fの成分を抽出する。
【選択図】図5

Description

本発明は、断線検知システムおよび断線検知方法に関し、例えば、屈曲されるケーブルの断線を検知する技術に関する。
特許文献1には、複数の素線で構成されるワイヤケーブルを対象として、屈曲に起因した断線の予兆を検知する方法が示される。具体的には、当該方法は、ワイヤケーブルを、電流を流した状態で一方向に向けて周期的に屈曲伸長させ、この屈曲周期に同期して変化する電流成分を検知するものである。すなわち、当該方法では、一部の断線箇所が屈曲周期に同期して接触と分離とを繰り返している状態が検知される。
特開2007−139488号公報
屈曲されるケーブル内の撚線の断線は、一般的に、ケーブル内の撚線の電気抵抗を測定することで検知される。具体的には、撚線内の一部の素線で断線が発生すると、抵抗値が増大する。このため、例えば、断線が発生していない状態で、予め撚線の初期の抵抗値を測定しておくことで、初期の抵抗値からの増加率に基づいて断線を検知することができる。
ただし、撚線内の極一部の素線で断線が発生した場合、抵抗値の増加率は極めて微小となる。このため、実用上、撚線内の素線において、例えば、断線本数の割合が少なくとも50%以上といったレベルに達しない限り、抵抗値の増加率に基づく明確な断線検知は困難となり得る。その結果、断線が発生した直後となる初期の段階で断線を検知することは容易でなく、断線を高感度で検知できない恐れがある。
そこで、例えば、特許文献1に示されるように、ケーブルを一方向に向けて屈曲伸長させながら屈曲周期に同期して変化する電流成分を検知する方式が考えられる。しかし、このように、ケーブルを一方向に向けて屈曲伸長させた場合、屈曲伸長に伴う形状変化によっても抵抗値が変化することがある。このため、断線が発生していない場合であっても、屈曲周期に同期した抵抗値変動成分が検知され得るため、断線が発生した場合との明確な区別が困難となり、断線を高感度で検知できない恐れがある。
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、ケーブル内の素線の断線を高感度で検知できる断線検知システムおよび断線検知方法を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態による断線検知システムは、ケーブルに含まれる複数の素線の断線を検知するものであり、屈曲機構と、測定器と、を有する。屈曲機構は、ケーブルが時計回り方向または反時計回り方向の一方に屈曲した状態を第1の屈曲状態、他方に屈曲した状態を第2の屈曲状態として、第1の屈曲状態と第2の屈曲状態との間を往復するようにケーブルに周期的に力を印加する。測定器は、屈曲機構の往復に応じて時系列的に変化するケーブルの抵抗値を測定し、第1の屈曲状態と第2の屈曲状態との間を一往復する周波数を屈曲周波数として、ケーブルの抵抗値の時系列的な変化に含まれる周波数成分の中から屈曲周波数の成分を抽出する。そして、断線検知システムは、測定器で抽出された屈曲周波数の成分の大きさに基づいて断線を検知する。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、ケーブル内の素線の断線を高感度で検知することが可能になる。
(a)は、本発明の実施の形態1による断線検知システムの構成例を示す概略図であり、(b)は、(a)における屈曲機構の動作例を説明する模式図である。 図1(a)におけるケーブルの概略的な構成例を示す斜視図である。 図2のケーブルに断線が生じた場合の理論的な抵抗値を説明する模式図である。 図2のケーブルの屈曲寿命の特性例を示すグラフである。 図1(a)および図1(b)の断線検知システムを用いた場合の、ケーブル抵抗値の測定原理を説明する模式図である。 図1(a)における測定器の概略的な構成例および動作例を示す図である。 図5の測定原理を用いることによる効果の一例を説明する図である。 図5の測定原理を用いることによる他の効果の一例を説明する図である。 図5の測定原理を用いることによる他の効果の一例を説明する図である。 図1(a)および図1(b)の断線検知システムを用いて、図4の特性を有するケーブルの断線検知を行った結果の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による断線検知方法において、処理内容の一例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2による断線検知方法において、処理内容の一例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2による断線検知方法を用いて、ケーブルの断線検知を行った結果の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2における断線検知システムにおいて、産業用ロボットへの適用例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《断線検知システムの構成》
図1(a)は、本発明の実施の形態1による断線検知システムの構成例を示す概略図であり、図1(b)は、図1(a)における屈曲機構の動作例を説明する模式図である。図2は、図1(a)におけるケーブルの概略的な構成例を示す斜視図である。図2に示すケーブル10は、複数の素線11を含んでいる。複数の素線11は、銅線を代表とする導体であり、通常、互いに撚り合わせられることで撚線12を構成する。また、撚線12は、絶縁体13で覆われている。なお、ケーブル10は、このような構成に限らず、少なくとも複数の素線11を含んでいれば様々な構成であってよい。
図1(a)に示す断線検知システム1は、ケーブル10に含まれる複数の素線11に少なくとも断線が発生したことを検知するシステムであり、屈曲機構20と、測定器30とを備える。屈曲機構20は、図1(b)に示されるように、ケーブル10が屈曲状態40aと屈曲状態40bとの間を往復するようにケーブル10に一定の周期で一定の力を印加する。屈曲状態40aは、ケーブル10が時計回り方向または反時計回り方向の一方(この例では時計回り方向)に屈曲した状態であり、屈曲状態40bは、ケーブル10が時計回り方向または反時計回り方向の他方(反時計回り方向)に屈曲した状態である。
屈曲状態40aおよび屈曲状態40bにおける屈曲角度θは、例えば、45°〜135°の範囲内の任意の値であり、この例では90°である。また、屈曲状態40aと屈曲状態40bとの間を一往復する周波数を屈曲周波数fとすると、屈曲周波数fは、例えば、0.5Hz等(言い換えれば、屈曲周期は2秒)である。この場合、屈曲機構20は、1秒かけて屈曲状態40aから屈曲状態40bに推移させたのち、1秒かけて屈曲状態40bから屈曲状態40aに戻すといった動作を繰り返す。これに伴い、屈曲回数は、屈曲周期毎に2回となる。なお、屈曲周波数fは、実使用上のケーブル10の使用条件、屈曲速度等を加味して適切な値に定められればよい。
屈曲機構20は、具体的には、ベース部材21上に搭載される回転部材22と、回転部材22上に固定的に設置される2個の曲げ部材23a,23bおよび固定部材24と、ベース部材21上に固定的に設置されるガイド部材26とを備える。回転部材22は、例えば、Z軸方向に延伸する軸部材(図示せず)を介してベース部材21上に搭載され、回転部材22の面方向であるXY平面において、軸部材が設けられる中心点25周りを、時計回り方向および反時計回り方向に可動する。
曲げ部材23aおよび曲げ部材23bは、回転部材22上に中心点25を通るように伸長状態のケーブル10を搭載した際に、ケーブル10を、XY平面において、中心点25で挟み込むように回転部材22上に設置される。固定部材24は、伸長状態のケーブル10を、中心点25とは異なる所定の箇所で回転部材22に固定するように、回転部材22上に設置される。
ガイド部材26は、伸長状態のケーブル10を、XY平面において、中心点25を基準に固定部材24と対向する箇所で挟み込むように、ベース部材21上に設置される。また、この例では、ケーブル10のガイド部材26側の端部には、ケーブル10に伸長方向の負荷を加えるための荷重27が取り付けられている。荷重27は、例えば、50g等である。ただし、荷重27は、曲げ部材23a,23bに沿って所定の半径(屈曲半径)rでケーブル10が屈曲される荷重、かつ実使用上でケーブル10に加わる伸長方向の負荷を加味して適切な値に定められればよい。
ここで、例えば、図1(b)に示したように、屈曲状態40aと屈曲状態40bとの間の往復運動を、90°の屈曲角度θおよび0.5Hzの屈曲周波数fを用いて行う場合を想定する。この場合、屈曲機構20は、中心点25における軸部材(図示せず)を、モータ(図示せず)を用いて30rpmの回転速度で両方向に回転駆動すればよい。
また、これに伴う回転部材22の可動時に、曲げ部材23a,23bのぞれぞれは、ケーブル10を所定の半径(屈曲半径)rで屈曲させるよう、少なくともケーブル10に当接する部分が円弧状に形成されていることが望ましい。これにより、屈曲角度θと併せてケーブル10を屈曲させる際の条件を安定させることが可能になる。また、屈曲される箇所に対して、ある程度均一に力を印加することが可能になる。なお、屈曲半径rは、この例では、10mm程度である。
測定器30は、屈曲機構20の往復運動に応じて時系列的に変化するケーブル10(複数の素線11)の抵抗値を測定し、当該ケーブル10の抵抗値の時系列的な変化に含まれる周波数成分の中から前述した屈曲周波数f(例えば、0.5Hz)の成分を抽出する。そして、断線検知システム1は、この測定器30で抽出された屈曲周波数fの成分の大きさに基づいてケーブル10の断線を検知する。
詳細には、測定器30は、抵抗測定部35と、周波数解析部36とを有する。抵抗測定部35は、例えば、ケーブル10の両端間に定電圧を印加した上で流れる電流を時系列的に測定するか、ケーブル10に定電流を印加した上で両端間に発生する電圧を時系列的に測定することで、ケーブル10(詳細には図2の複数の素線11)の抵抗値の変化を測定する。周波数解析部36は、当該ケーブル10の抵抗値の時系列的な変化に含まれる周波数成分の中から屈曲周波数fの成分を抽出する。なお、測定器30の更なる詳細については後述する。
《ケーブルの屈曲寿命特性および前提となる問題点》
図3は、図2のケーブル10に断線が生じた場合の理論的な抵抗値を説明する模式図である。ケーブル10に断線が生じた場合、ケーブル10の抵抗値R[Ω]は、理論的には、式(1)で表される。式(1)において、ρ[Ω・m]は、素線11の抵抗率であり、La[m]は、非断線箇所の導体長であり、図3に示されるケーブル長L[m]と断線箇所の導体長Lb[m]とを用いて式(2)で表される。また、Sa[m2]は、非断線箇所の導体断面積であり、Sb[m2]は、断線箇所の導体断面積である。
R=ρ×(La/Sa)+ρ×(Lb/Sb) …(1)
La=L−Lb …(2)
式(1)に示されるように、ケーブル10の抵抗値Rは、断線箇所の断面積Sbに対して反比例する特性となる。この場合、断面積Sbがある程度大きい場合には、抵抗値Rはさほど変化せず、断面積Sbが十分に小さくなった段階で、抵抗値Rは急激に増加することになる。その結果、素線11の断線本数の割合が小さい場合には、断面積Sbが十分に大きいため、抵抗値Rはさほど変化しない。そして、一例として、断線本数の割合が70%〜80%程度に達した段階で、断面積Sbが十分に小さくなり、抵抗値Rは、初期抵抗値から20%程度増加し得る。
図4は、図2のケーブルの屈曲寿命の特性例を示すグラフである。ケーブル10の種類は、この例では、絶縁体がETFE製であり、導体は25AWG線相当となる80μmの素線を40本撚ったものである。図4において、ケーブル10の抵抗値Rは、屈曲回数が300万回以下の領域では徐々に増加しており、屈曲回数が300万回を超えた段階では急減に増加している。ここで、例えば、図4における屈曲回数300万回程度の箇所は、断線本数の割合が70%〜80%程度に達した箇所に相当する。一方、屈曲回数300万回以下の領域は、その領域のいずれかの箇所で初期の断線(軽微な断線)が生じ、その断線本数の割合が屈曲回数の増加に伴い増加している領域となる。
ここで、単純に初期抵抗値からの増加率に基づいて断線を検知する一般的な検知方式を用いる場合を想定する。この場合、図4から分かるように、初期の断線がいつの段階で生じたかを判別することは困難である。その主な要因として、前述したように、断線本数の割合が十分に大きくなるまで抵抗値Rに際立った変化が生じないことに加えて、抵抗値Rは、環境温度や、抵抗測定時の接触電位等によっても変動し得ることが挙げられる。例えば、抵抗値Rの温度特性を0.4%/℃程度とすると、環境温度が20℃増加すると、抵抗値Rは8%程度増加する。
このようなことから、初期の断線を検知するため、仮に、図4における小さい増加率(10%以下の値等)を閾値として断線有りを判別すると、誤検知を無視できなくなる。誤検知を防止するためには、閾値を、例えば、20%程度の増加率に定める必要がある。ただし、この閾値では、既に断線本数の割合が例えば70%〜80%程度といったように大きくなってしまっている。このように、一般的な検知方式では、初期の断線を検知することが困難であり、言い換えれば、断線を高感度で検知することが困難である。そこで、図1(a)および図1(b)に示した断線検知システム1を用いることが有益となる。
《測定方式の詳細》
図5は、図1(a)および図1(b)の断線検知システムを用いた場合の、ケーブル抵抗値の測定原理を説明する模式図である。図5の例では、ケーブル10に含まれる複数の素線11において、曲げ部材23b側の一部の箇所に断線が生じている。図5には、このような断線状態を前提として、回転部材22を+90°から−90°の屈曲角度θの範囲で往復させた場合の、ケーブル10の抵抗値Rが示される。なお、屈曲周波数fは、0.5Hzである。
図5に示されるように、屈曲角度θが+90°の場合、断線箇所の導体長Lbは、屈曲角度θが0°の場合と比較して短くなる。これに伴い、式(1)の抵抗値Rは減少する。一方、屈曲角度θが−90°の場合、断線箇所の導体長Lbは、屈曲角度θが0°の場合と比較して長くなる。これに伴い、式(1)の抵抗値Rは増加する。このように、断線箇所の導体長Lbが、回転部材22の往復運動に同期してケーブル10の長さ方向に周期的に伸縮する結果、ケーブル10の抵抗値Rは、屈曲周波数fで変調されることになる。一方、断線が発生していない場合、理想的には、抵抗値Rの変化の中に屈曲周波数fで変化する成分は含まれない。
そこで、測定器30は、屈曲機構20の往復運動に応じて時系列的に変化するケーブル10の抵抗値を測定し、当該ケーブル10の抵抗値の時系列的な変化に含まれる周波数成分の中から屈曲周波数fの成分を抽出する。これにより、屈曲周波数fの成分が発生した時点を、初期の断線が発生した時点とみなすことができる。すなわち、見方を変えれば、各時点において、屈曲周波数fの成分が発生しているか否か(例えば、当該成分の大きさが閾値以上か否か等)に基づいて、初期の断線を含めて、少なくとも断線が発生したことを検知することが可能になる。
図6は、図1(a)における測定器の概略的な構成例および動作例を示す図である。図6に示す測定器30aは、測定信号の中から特定周波数の成分を検出するロックインアンプを備えた構成例となっている。図6の測定器30aは、抵抗測定部35aおよび周波数解析部36aを有する。抵抗測定部35aは、例えば、直流信号源(例えば、直流定電圧源)45、入力抵抗46および抵抗値検出器47等を備える。なお、直流信号源45として直流定電流源を用いる場合は、入力抵抗46は不要である。
直流信号源45は、入力抵抗46を介してケーブル10に直流信号(ここでは直流電圧)を印加する。これに応じて、ケーブル10からは、図5に示したような屈曲周波数f(=0.5Hz)の成分を含んだ変調信号(例えば電圧信号)が出力される。抵抗値検出器47は、例えば、この変調信号を所定のゲインで増幅することで、ケーブル10の抵抗値Rの時系列的な変化を検出する。
周波数解析部36aは、例えば、キャリア信号生成器48、ミキサMIXおよびロウパスフィルタLPF等を備える。キャリア信号生成器48は、屈曲周波数f、つまり断線による抵抗値変動周波数と同じキャリア周波数(ωC=0.5Hz)であって、抵抗値変動周波数と同じ位相を持つキャリア信号を生成する。ミキサMIXは、このキャリア信号と、抵抗値検出器47からの出力信号とを乗算(言い換えれば同期検波)することで、直流成分の信号と"2×ωC"成分の信号とが重畳された信号を出力する。
ロウパスフィルタLPFは、ミキサMIXからの出力信号を受けて、"2×ωC"成分の信号を遮断し、直流成分の信号を通過させる。この直流成分の信号は、屈曲周波数f(=ωC)の成分の大きさを表す。このように、キャリア信号生成器48、ミキサMIXおよびロウパスフィルタLPFを用いて所定周波数(ここでは屈曲周波数f)の成分を検出する構成が、ロックインアンプの基本構成である。
図7は、図5の測定原理を用いることによる効果の一例を説明する図である。図7において、例えば、前述した一般的な検知方式を用いる場合、断線による抵抗値Rの増加成分が、直流周波数(=0Hz)に生じることになる。ただし、通常、周波数が低くなるほどノイズ成分(例えば、測定時の温度や接触電位等に依存したばらつき成分、半導体素子による増幅等に伴う1/fノイズ)が増大する。このため、一般的な検知方式では、抵抗値Rの増加成分が大きくならない限り(例えば、断線の程度が進行しない限り)、抵抗値Rの増加成分とノイズ成分とを区別することが困難となり得る。言い換えれば、測定結果は、ノイズ成分の要因となる測定環境に大きく影響され得る。
一方、図5のような方式を用いると、断線による抵抗値Rの変化成分は、屈曲周波数f(=0.5Hz)に生じることになる。屈曲周波数f(=0.5Hz)では、直流周波数(=0Hz)と比較してノイズ成分が小さくなる。このため、抵抗値Rの変化成分がある程度小さい場合であっても(すなわち、初期の断線状態であっても)、抵抗値Rの変化成分とノイズ成分とを区別することが可能になる。言い換えれば、測定結果は、測定環境の影響を受け難くなる。
また、図6のようなロックインアンプを用いた構成は、ケーブル10からの変調信号(実際には屈曲周波数fの成分に加えてノイズ成分も含む)に対して、屈曲周波数fを中心周波数とするバンドパスフィルタ(BPF)を通過させた構成と等価である。この際に、測定時間をある程度の時間確保すると、実効的に、このバンドパスフィルタ(BPF)の帯域幅を狭めることができる。これは、図6におけるロウパスフィルタLPFの時定数を大きく設計できることを意味する。そして、バンドパスフィルタ(BPF)の帯域幅を狭めるほど、ノイズ成分の影響をより低減する(言い換えれば、SN比を向上させる)ことが可能になる。
なお、図6の構成例は、ケーブル10に直流信号を印加するものであったが、直流信号に限らず、交流信号源を用いて所定周波数(例えば10kHz程度)の交流信号を印加するものであってもよい。この場合、ケーブル10からは、この交流信号を屈曲周波数fの変調信号で振幅変調したような信号が出力される。そこで、この出力信号に対して、ミキサを用いて交流信号源の交流信号と同じ周波数のキャリア信号を乗算すれば、屈曲周波数fの変調信号を復調できる。このような方式を用いると、より高い周波数(例えば10kHz程度)での測定を行える結果、ノイズ成分の影響がより生じ難くなる。
また、図1(a)の測定器30の構成は、図6のようなロックインアンプを用いた構成に限らず、例えば、実際のバンドパスフィルタ(BPF)を用いて屈曲周波数fの成分を抽出するような構成であってよい。さらに、測定器30の構成は、例えば、図6の抵抗値検出器47からの出力信号をディジタル信号に変換し、それに対して高速フーリエ変換(FFT)等のディジタル処理を行うことで屈曲周波数fの成分を抽出するような構成であってよい。
図8および図9は、図5の測定原理を用いることによる他の効果の一例を示す図である。図8には、図5の場合と異なり、特許文献1の場合と同様に、ケーブル10を0°〜+90°の屈曲角度θの範囲で往復させた場合の抵抗値Rの変化の様子が示される。この場合、図8に示されるように、屈曲周波数fは1.0Hz(屈曲周期は1秒)となり、断線箇所の導体長Lbの変化に伴う抵抗値Rの変化成分として、この屈曲周波数f(1.0Hz)の成分が生じることになる。
一方、ケーブル10は、より詳細には、屈曲された際に、特に屈曲箇所の外周部分50で一時的に引き延ばされる。すなわち、一時的にケーブル長が長くなる。このため、ケーブル10の抵抗値Rは、図8の破線に示されるように、より詳細には、断線が発生していない場合であっても、このケーブル10の伸縮によって1.0Hzで変化する。
その結果、図8のように、ケーブル10を時計回り方向または反時計回り方向の一方向のみに屈曲させた場合、ケーブル10の伸縮に伴う周波数成分(1.0Hzの成分)と、断線箇所の導体長Lbの変化に伴う周波数成分(1.0Hzの成分)とを区別することが困難となる。一方、図9に示されるように、ケーブル10を時計回り方向および反時計回り方向の両方向に屈曲させた場合、ケーブル10の伸縮に伴う周波数成分(1.0Hzの成分)と、断線箇所の導体長Lbの変化に伴う周波数成分(0.5Hzの成分)とを明確に区別することが可能になる。
また、断線した状態で屈曲を続けると、断線部(破断面)同士が、断線箇所で付いたり離れたりという状態から離れた状態のまま、断線部の両端の距離(破断面間の間隔)が微小に変化するだけの状態になる場合がある。実施の形態の方式においては、断線箇所の導体長Lbの変化に伴う周波数成分のみを取り出して評価を行うので、断線部の両端の距離が微小に変化することに起因する微小抵抗値変動も検出することが可能になる。
《実測結果》
図10は、図1(a)および図1(b)の断線検知システムを用いて、図4の特性を有するケーブルの断線検知を行った結果の一例を示す図である。図10の縦軸は、ロウパスフィルタLPFから出力される直流成分の信号の強度を示す。ケーブル10の種類は、図4の場合と同じく、"ETFE標準コア TA線 25AWG 40/0.08"であり、ケーブル10の長さは2mである。また、実測条件に関し、図1(a)の屈曲半径rは10mmであり、屈曲角度θは90°であり、荷重27は50gであり、屈曲時のモータの回転速度は30rpmである。なお、図4の特性例も、図10と同じ条件で取得した実測値である。
図10に示されるように、屈曲回数が22万回程度に達した以降の領域で、屈曲周波数f(=0.5Hz)の成分が明確に検出されている。このため、屈曲回数が22万回程度に達した時点を、初期の断線が生じた時点と推定することができる。すなわち、図4に示したような抵抗値Rの増加率の特性では、初期の断線が生じた時点を判別することが困難であったが、実施の形態1の方式を用いることで、この判別が可能となった。なお、図10における周波数0Hz付近の成分は、ノイズである。
《断線検知方法》
図11は、本発明の実施の形態1による断線検知方法において、処理内容の一例を示すフロー図である。まず、ステップS101において、図1(a)の断線検知システム1に検査対象となるケーブル10が搭載される。続いて、ステップS102において、図1(a)に示した屈曲機構20および測定器30の動作が開始される。これに応じて、屈曲機構20は、図1(b)に示したように、屈曲状態40aと屈曲状態40bとの間を往復するようにケーブル10に周期的に力を印加する。また、その間、測定器30は、時系列的に変化するケーブル10の抵抗値を測定し、その変化の中に含まれる周波数成分の中から屈曲周波数fの成分を抽出する。
次いで、ステップS103において、このような屈曲機構20および測定器30の動作が所定の期間継続される。所定の期間とは、例えば、図6に示したようなロックインアンプの構成において、ケーブル10からの出力信号が屈曲周波数fの成分をある程度十分に含んでいる場合に、この屈曲周波数fの成分を、ロウパスフィルタLPFを介して確実に検出するのに必要とされる期間である。言い換えれば、屈曲周波数fで変調された周期が単発的ではなく、ある程度持続的に生じている場合に、それを検知するのに要する期間である。この所定の期間は、測定器30の構成や測定環境(すなわちノイズ成分の大きさ)等によって適宜変わり得る。
続いて、ステップS104において、屈曲機構20および測定器30の動作が停止される。その後、測定器30の測定結果が参照され(ステップS105)、測定器30によって抽出された屈曲周波数fの成分が予め定めた閾値以上か否かが判定される(ステップS106)。そして、屈曲周波数fの成分が閾値を超える場合には、断線有りと判定され(ステップS107)、屈曲周波数fの成分が閾値以下の場合には、断線無しと判定される(ステップS108)。
このようなフローにより、ステップS103での所定の期間を検査時間として、ケーブル10の断線を、初期の断線を含めて検知することが可能になる。すなわち、十分に短い検査時間で断線を検知することが可能になる。なお、ステップS107において、断線有りと判定されたことを音や光等の発報システムにより知らせてもよい。
《実施の形態1の主要な効果》
以上、実施の形態1の断線検知システムおよび断線検知方法を用いることで、代表的には、ケーブル10内の素線11の断線を、初期の断線を含めて検知することが可能になり、結果として、断線を高感度で検知することが可能になる。具体的には、抵抗値の増加率を用いた一般的な検知方式では検知することが困難であった初期の断線を検知することが可能になる。さらには、図8および図9で述べたように、特許文献1の方式と異なり、初期の断線を明確に(ひいては高感度に)検知することが可能になる。その結果、ケーブル10が装着される各種システムにおいて、重大な障害(例えば、ほぼ全断線)が生じる前に対策を講じることができ、システムの信頼性を向上させることが可能になる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における断線検知システムを以下に説明する。
図12にて、本発明の実施の形態2による断線検知方法における、処理内容の一例を示すフロー図を示す。まず、ステップS101Aにおいて、図1(a)の断線検知システム1に検査対象となるケーブル10が搭載される。続いて、ステップS102Aにおいて、図1(a)に示した屈曲機構20および測定器30の動作が開始される。これに応じて、屈曲機構20は、図1(b)に示したように、屈曲状態40aと屈曲状態40bとの間を往復するようにケーブル10に周期的に力を印加する。また、その間、測定器30は、時系列的に変化するケーブル10の抵抗値を測定し、その変化の中に含まれる周波数成分の中から屈曲周波数fの成分、および屈曲周波数fの2倍の周波数の成分を抽出する。
次いで、ステップS103Aにおいて、このような屈曲機構20および測定器30の動作が所定の期間継続される。所定の期間とは、例えば、図6に示したようなロックインアンプの構成において、ケーブル10からの出力信号が屈曲周波数fの成分、および屈曲周波数fの2倍の周波数の成分をある程度十分に含んでいる場合に、この屈曲周波数fの成分、および屈曲周波数fの2倍の周波数の成分を、ロウパスフィルタLPFを介して確実に検出するのに必要とされる期間である。言い換えれば、屈曲周波数fで変調された周期が単発的ではなく、ある程度持続的に生じている場合に、それを検知するのに要する期間である。この所定の期間は、測定器30の構成や測定環境(すなわちノイズ成分の大きさ)等によって適宜変わり得る。
続いて、ステップS104Aにおいて、屈曲機構20および測定器30の動作が停止される。その後、測定器30の測定結果が参照され(ステップS105A)、測定器30によって抽出された屈曲周波数fの成分が予め定めた閾値以上か否かが判定される(ステップS106A)。ステップ106Aにおいて、屈曲周波数fの成分が閾値を超える場合には、測定器30によって抽出された屈曲周波数fの成分が屈曲周波数fの2倍の周波数の成分以上か否かが判定される(ステップS106B)。ステップS106Bにおいて、測定器30によって抽出された屈曲周波数fの成分が屈曲周波数fの2倍の周波数の成分を超える場合には、断線有りと判定される(ステップS107A)。ステップS106Aにおいて、屈曲周波数fの成分が閾値以下の場合には、断線無しと判定される(ステップS108A)。また、ステップS106Bにおいて、測定器30によって抽出された屈曲周波数fの成分が屈曲周波数fの2倍の周波数の成分以下の場合には、断線無しと判定される(ステップS108A)。なお、ステッップS106AとステップS106Bの順番は逆であってもよい。
このようなフローにより、ステップS103Aでの所定の期間を検査時間として、ケーブル10の断線を、初期の断線を含めて検知することが可能になる。すなわち、十分に短い検査時間で断線を検知することが可能になる。なお、ステップS107Bにおいて、断線有りと判定されたことを音や光等の発報システムにより知らせてもよい。
《実測結果》
図13は、本発明の実施の形態2の断線検知システムを用いて、ケーブルの断線検知を行った結果の一例を示す図である。図13の縦軸は、ロウパスフィルタLPFから出力される直流成分の信号の強度を示す。ケーブル10の種類は、"ETFE標準コア TA線 28AWG 40/0.08"であり、ケーブル10の長さは2mである。また、実測条件に関し、図1(a)の屈曲半径rは10mmであり、屈曲角度θは90°であり、荷重27は50gであり、屈曲時のモータの回転速度は60rpmである。なお、図4の特性例も、図10と同じ条件で取得した実測値である。なお、屈曲周波数は1Hz、屈曲周波数fの2倍の周波数は2Hzである。
図13に示されるように、屈曲周波数f(=1.0Hz)付近および屈曲周波数fの2倍の周波数(=2.0Hz)付近に信号が検出されている。屈曲周波数f(=1.0Hz)付近における成分は、素線11の断線に起因する抵抗値変動による成分に加えて、現実的には、ケーブルの断面形状の非対称による成分と、屈曲角度のプラス方向およびマイナス方向の非対称性による成分とが含まれる。屈曲周波数fの2倍の周波数(=2.0Hz)付近における成分は、ケーブル10の屈曲に伴う導体の伸縮に起因する抵抗値変動による成分が含まれる。素線11が断線していない段階では、屈曲周波数f(=1.0Hz)付近における成分は、屈曲周波数fの2倍の周波数(=2.0Hz)付近における成分よりも小さい。図13では、24万回程度に達した以降の領域で、屈曲周波数f(=1.0Hz)の成分が明確に検出されているとともに、屈曲周波数fの2倍の周波数(=2.0Hz)付近における成分を超える成分が検出されている。このため、屈曲回数が24万回程度に達した時点を、初期の断線が生じた時点と推定することができる。すなわち、実施の形態2の方式を用いることで、ケーブルの断面形状の非対称や屈曲角度のプラス方向およびマイナス方向の非対称性考慮することができ、実施の形態1の方式よりも断線を明確に(ひいては高感度に)検知することが可能になる。
(実施の形態3)
《産業用ロボットへの適用例》
図14は、本発明の実施の形態3におる断線検知システムにおいて、産業用ロボットへの適用例を示す概略図である。例えば、図14に示されるような産業用ロボット55が広く用いられている。このような産業用ロボット55には、関節56の動きを制御するための各種ケーブル10が、関節56周りの箇所を含めて装着されている。
ここで、例えば、ケーブル10に重度の断線(例えば、ほぼ全断線)が生じると、産業用ロボット55の停止、ひいては、生産工程の停止を招き得る。このため、重度の断線が生じる前の早い段階で、その予兆となる軽微な断線(初期の断線)を検知することが望まれる。そこで、例えば、産業用ロボット55の定期的なメンテナンス時等において、実施の形態1または実施の形態2の方式を用いて、この初期の断線を検知することが有益となる。
具体的には、図1(a)の場合と同様のシステムを構築し、図1(a)の屈曲機構20を、産業用ロボット55の関節56を用いて構成すればよい。そして、産業用ロボット55の関節制御部を用いて、あるいは、産業用ロボット55のアームに外力を加えられる外部装置を用いて、図14に示されるように、産業用ロボット55の関節56を、例えば、−90°〜+90°の回転範囲(θ)で往復運動させればよい。この往復運動の周波数は、屈曲周波数fとなる。なお、図14に示される関節56の状態は、θ=−90°の状態である。
また、図1(a)の測定器30は、外部からその都度付加する形態であっても、予め、産業用ロボット55に内蔵しておく形態であってもよい。なお、このような構成を用いた際の測定手順に関しては、図11または図12の場合と同様である。ただし、図11(図12)におけるステップS101(S101A)の処理は、既にケーブル10が装着された状態となっているため不要である。
また、このような適用例の他に、図1(a)のような断線検知システム1を用いて、産業用ロボット55に用いられるケーブル10と同種のケーブルの寿命特性を製造段階で取得しておき、その結果を産業用ロボット55のメンテナンスに反映させることも有益である。具体的には、図1(a)のシステムを用いることで、ケーブル10において初期の断線が発生し得る屈曲回数が判明するため、例えば、産業用ロボット55の管理者に、この屈曲回数の情報を提供することができる。この場合、管理者は、提供された屈曲回数と、産業用ロボットの稼働履歴とを照合することで、ケーブル10に重度の断線が生じる前に各種対策を講じることが可能になる。
《実施の形態3の主要な効果》
以上、実施の形態3の断線検知システムおよび断線検知方法を用いることで、実施の形態1または実施の形態2で述べた各種効果に加えて、既に所定のシステムに装着され、実使用状態となっているケーブル10を対象に、当該ケーブル10を取り外すことなく初期の断線を高感度に検知することが可能になる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、ここでは産業用ロボットへの適用例を示したが、勿論、これに限らず、車両用のケーブルを代表に、高い安全性が要求される各種システムに適用すると、特に有益な効果が得られる。
1 断線検知システム
10 ケーブル
11 素線
12 撚線
13 絶縁体
20 屈曲機構
21 ベース部材
22 回転部材
23a,23b 曲げ部材
24 固定部材
25 中心点
26 ガイド部材
27 荷重
30,30a 測定器
35,35a 抵抗測定部
36,36a 周波数解析部
40a,40b 屈曲状態
45 直流信号源
46 入力抵抗
47 抵抗値検出器
48 キャリア信号生成器
50 外周部分
55 産業用ロボット
56 関節
LPF ロウパスフィルタ
MIX ミキサ

Claims (10)

  1. ケーブルに含まれる複数の素線の断線を検知する断線検知システムであって、
    前記ケーブルが時計回り方向または反時計回り方向の一方に屈曲した状態を第1の屈曲状態、他方に屈曲した状態を第2の屈曲状態として、前記第1の屈曲状態と前記第2の屈曲状態との間を往復するように前記ケーブルに周期的に力を印加する屈曲機構と、
    前記屈曲機構の往復に応じて時系列的に変化する前記ケーブルの抵抗値を測定し、前記第1の屈曲状態と前記第2の屈曲状態との間を一往復する周波数を屈曲周波数として、前記ケーブルの抵抗値の時系列的な変化に含まれる周波数成分の中から前記屈曲周波数の成分を抽出する測定器と、
    を有し、
    前記測定器で抽出された前記屈曲周波数の成分の大きさに基づいて前記断線を検知する、
    断線検知システム。
  2. 請求項1記載の断線検知システムにおいて、
    前記測定器は、前記ケーブルの抵抗値の時系列的な変化に含まれる周波数成分の中から前記屈曲周波数の2倍の周波数の成分をさらに抽出し、
    前記測定器で抽出された前記屈曲周波数の成分の大きさが、前記屈曲周波数の2倍の周波数の成分の大きさを超える場合に前記断線を検知する、
    断線検知システム。
  3. 請求項1または2に記載の断線検知システムにおいて、
    前記屈曲機構は、
    中心点周りを前記時計回り方向および前記反時計回り方向に可動する回転部材と、
    前記回転部材上に前記中心点を通るように伸長状態の前記ケーブルを搭載した際に、前記ケーブルを前記中心点で挟み込むように前記回転部材上に設置される第1の曲げ部材および第2の曲げ部材と、
    前記伸長状態の前記ケーブルを、前記中心点とは異なる箇所で前記回転部材に固定するように前記回転部材上に設置される固定部材と、
    を有する、
    断線検知システム。
  4. 請求項3記載の断線検知システムにおいて、
    前記第1の曲げ部材および前記第2の曲げ部材のぞれぞれは、前記回転部材の可動時に前記ケーブルを所定の半径で屈曲させるよう、少なくとも前記ケーブルに当接する部分が円弧状に形成されている、
    断線検知システム。
  5. 請求項1または2に記載の断線検知システムにおいて、
    前記ケーブルは、産業用ロボットの関節周りに装着され、
    前記屈曲機構は、前記産業用ロボットの関節を用いて構成される、
    断線検知システム。
  6. 請求項1または2に記載の断線検知システムにおいて、
    前記測定器は、ロックインアンプを備える、
    断線検知システム。
  7. ケーブルに含まれる複数の素線の断線を検知する断線検知方法であって、
    前記ケーブルが時計回り方向または反時計回り方向の一方に屈曲した状態を第1の屈曲状態、他方に屈曲した状態を第2の屈曲状態として、前記第1の屈曲状態と前記第2の屈曲状態との間を往復するように前記ケーブルに周期的に力を印加する第1のステップと、
    前記第1のステップに応じて時系列的に変化する前記ケーブルの抵抗値を測定し、前記第1の屈曲状態と前記第2の屈曲状態との間を一往復する周波数を屈曲周波数として、前記ケーブルの抵抗値の時系列的な変化に含まれる周波数成分の中から前記屈曲周波数の成分を抽出する第2のステップと、
    前記第2のステップで抽出された前記屈曲周波数の成分の大きさに基づいて前記断線を判定する第3のステップと、
    を有する、
    断線検知方法。
  8. 請求項7記載の断線検知方法において、
    前記第2のステップは、前記ケーブルの抵抗値の時系列的な変化に含まれる周波数成分の中から前記屈曲周波数の2倍の周波数の成分をさらに抽出し、
    前記第3のステップは、前記第2のステップで抽出された前記屈曲周波数の成分の大きさが、前記屈曲周波数の2倍の周波数の成分の大きさを超える場合に前記断線を判定する、
    断線検知方法。
  9. 請求項7または8に記載の断線検知方法において、
    前記第3のステップは、前記第1のステップと前記第2のステップとを所定の期間継続させたのちに行われる、
    断線検知方法。
  10. 請求項7または8に記載の断線検知方法において、
    前記ケーブルは、産業用ロボットの関節周りに装着され、
    前記第1のステップは、前記産業用ロボットの関節を、前記時計回り方向および前記反時計回り方向に往復させるステップを含む、
    断線検知方法。
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