JP2021162390A - 変位計測装置および変位計測方法 - Google Patents

変位計測装置および変位計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小さい処理負荷または記憶容量でマーカ(ひいては物体)の奥行き方向の変位を計測可能な変位計測装置および変位計測方法を提供する。【解決手段】内部マーカ作成部は、基準方向に対して基準の傾きβだけ傾いた方向に形成され、かつ予め周期pが定められる基準の周期模様を含んだ内部マーカ画像35を作成する。モアレ画像作成部は、第1の時点および第2の時点で撮像部によって撮像された各計測用マーカ画像36に対して、同一の内部マーカ画像35を重ね合わせることで2個のモアレ画像37をそれぞれ作成する。モアレ縞傾き算出部は、基準方向に対して各モアレ画像37に含まれるモアレ縞が成す傾きθをそれぞれ算出する。変位計測装置は、この傾きθを用いて所定の演算処理を行うことで、第1の時点と第2の時点との間で撮像部の光軸方向に生じたマーカの変位量を算出する。【選択図】図5

Description

本発明は、変位計測装置および変位計測方法に関し、例えば、モアレ法を利用して変位を計測する技術に関する。
特許文献1には、サンプリングモアレ法を用いて対象表面における計測点の変位を計測する際に、対象面の傾き又は計測方向による誤差を低減可能にする変位取得装置が示される。当該変位取得装置は、予め、カメラと対象表面との相対位置をカメラの光軸と平行なz方向に変化させた状態と、z方向に直交するx方向に変化させた状態とでそれぞれ計測を行うことで、誤差を補正するための補正係数を求めておくものである。
特許文献2には、単一カメラから得た画像に基づき、物体の面外変位(z(奥行き)方向への変位)を測定する方法が示される。当該方法では、物体に装着された周期模様をカメラで撮像した際に、物体とカメラとの距離に応じて画像上の周期模様のピッチが変化する性質を利用し、この性質にレンズの倍率の原理を組み合わせることで面外変位を算出する。この際に、画像上の周期模様のピッチは、サンプリングモアレ法により求めたモアレ縞の位相に基づいて算出される。
非特許文献1には、基準格子と試料格子とが所定の勾配で交わることで作成される斜交モアレにおいて、基準格子のピッチと、試料格子のピッチおよび勾配と、モアレ縞のピッチとの関係を表す理論式(式(31))が示される。また、当該斜交モアレにおいて、基準格子のピッチと、試料格子のピッチおよび勾配と、モアレ縞の勾配との関係を表す理論式(式(32))が示される。
特開2019−11984号公報 国際公開第2017/029905号
篠原、"モアレ縞の幾何学"、繊維機械学会誌、Vol.37、No.6、1984年、p.253−262
物体の変位を計測する方式として、互いに周期の異なる周期模様を重ねることで発生するモアレ縞を利用する方式が知られている。当該方式は、具体的には、周期模様を記したマーカを物体に装着し、当該マーカをカメラで撮像すると共に、そのマーカ画像に対して、サンプリングモアレ法等に基づくコンピュータ解析を行うものである。このようなモアレ縞を利用した変位計測方式は、通常、物体の面内変位を計測する際に用いられる。一方、物体の奥行き方向の変位を計測する場合には、レーザ光や光波等を利用した距離計が多く用いられている。
しかし、この場合、物体の面内変位を計測する際と、奥行き方向の変位を計測する際とで個別のハードウェアを用いた個別の解析処理が必要となる。その結果、変位計測に要するハード面または時間面でのコストが増大する恐れがある。一方、カメラで撮像されたマーカ画像を用いて奥行き方向の変位を計測する方式として、特許文献2に示されるような方式が知られている。ただし、当該方式では、サンプリングモアレ法に基づく複雑な画像解析が必要とされるため、処理負荷が増大や、記憶容量の増大を招く恐れがある。
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、小さい処理負荷または記憶容量でマーカ(ひいては物体)の奥行き方向の変位を計測可能な変位計測装置および変位計測方法を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態による変位計測装置は、周期模様が記されたマーカを撮像する撮像部と、撮像部によって撮像されたマーカ画像に基づいてマーカの変位を計測する変位計測部と、を有する。変位計測部は、内部マーカ作成部と、モアレ画像作成部と、モアレ縞傾き算出部と、を有する。内部マーカ作成部は、マーカ画像に含まれる周期模様の形成方向を基準方向とした際に、基準方向に対して基準の傾きだけ傾いた方向に形成され、かつ予め周期が定められる基準の周期模様を含んだ内部マーカ画像を作成する。モアレ画像作成部は、第1の時点で撮像部によって撮像された第1のマーカ画像と、第2の時点で撮像部によって撮像された第2のマーカ画像とに対して、内部マーカ作成部で作成された同一の内部マーカ画像を重ね合わせることで第1のモアレ画像と第2のモアレ画像とをそれぞれ作成する。モアレ縞傾き算出部は、基準方向に対して第1のモアレ画像に含まれる第1のモアレ縞が成す第1の傾きと、基準方向に対して第2のモアレ画像に含まれる第2のモアレ縞が成す第2の傾きとをそれぞれ算出する。そして、変位計測部は、第1の傾きと、第2の傾きとを用いて所定の演算処理を行うことで、第1の時点と第2の時点との間で撮像部の光軸方向に生じたマーカの変位量を算出する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明の代表的な実施の形態によれば、小さい処理負荷または記憶容量でマーカ(ひいては物体)の奥行き方向の変位が計測可能になる。
(a)は、本発明の一実施の形態による変位計測システムの構成例を示す概略図であり、(b)および(c)は、(a)におけるマーカのそれぞれ異なる構成例を示す概略図である。 図1における変位計測装置の概略構成例を示すブロック図である。 図2における変位計測部の主要部の詳細な構成例を示すブロック図である。 図3における内部マーカ作成部の処理内容の一例を説明する模式図である。 図3におけるモアレ画像作成部の処理内容の一例を説明する模式図である。 図3における検出部の詳細な構成例を示すブロック図である。 図6におけるモアレ縞傾き算出部の詳細な処理内容の一例を説明する模式図である。 図6におけるモアレ縞周期算出部の詳細な処理内容の一例を説明する模式図である。 図2の撮像部が備える光学仕様の一部の例を示す図である。 本発明の実施の形態1による変位計測方法における処理内容の一例を示すフロー図である。 図3および図6の変位計測部の動作検証結果の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による変位計測装置において、図3における検出部の詳細な構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3による変位計測装置において、図3における検出部の詳細な構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3による変位計測方法における処理内容の一例を示すフロー図である。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(実施の形態1)
《変位計測システムの概略》
図1(a)は、本発明の実施の形態1による変位計測システムの構成例を示す概略図であり、図1(b)および図1(c)は、図1(a)におけるマーカのそれぞれ異なる構成例を示す概略図である。図1(a)に示す変位計測システムは、物体3に装着されたマーカ1と、カメラ等の撮像部を含む変位計測装置2とを有する。
物体3は、例えば、立坑工事等の建設現場において地盤上に設置された建造物や、または、地盤そのもの等である。変位計測装置2は、このような物体3に装着されたマーカ1を撮像し、撮像されたマーカ画像に基づいてマーカ1の変位(ひいては、地盤の変位)を計測する。これにより、地盤の変位状況を監視することができ、例えば、土砂崩れ等の事故発生の兆候を早期に検知できる。その結果、事故を未然に防止でき、作業者の安全を確保することが可能になる。
明細書では、図1(a)に示されるように、カメラ(変位計測装置2)の光軸方向をZ軸とし、Z軸に直交する面の面方向において、一方向(水平方向)をX軸とし、当該一方向に直交する方向(垂直方向)をY軸とする。カメラ(変位計測装置2)は、マーカ1の面がXY面となるように設置される。マーカ1の面(XY面)には、図1(b)または図1(c)に示されるように、周期模様が記されている。
図1(b)に示すマーカ1aには、Y軸方向へ延伸し、X軸方向に沿ってピッチWで等間隔に並んだストライプ模様が記される。ただし、このようにX軸方向に並んだストライプ模様の代わりに、Y軸方向に並んだストライプ模様を用いてもよい。あるいは、X軸方向に並んだストライプ模様が記されたマーカと、Y軸方向に並んだストライプ模様が記されたマーカとを一組のマーカとして用いてもよい。これらは、変位の計測方向によって使い分けられる。
図1(c)に示すマーカ1bには、アレイ状にピッチWで等間隔に設置される黒レベルのラインの交点箇所のみを黒レベルに定めたようなチェッカ模様が記される。この場合、例えば、画像処理を用いて、Y軸方向に沿った平均化処理を行うことで、X軸方向に並んだストライプ模様(すなわち、図1(b)のような模様)を生成でき、X軸方向に沿った平均化処理を行うことで、Y軸方向に並んだストライプ模様を生成できる。その結果、画像処理上では、マーカ1bをX軸方向に並んだストライプ模様が記されたマーカとみなすことも、Y軸方向に並んだストライプ模様が記されたマーカとみなすことも可能である。
このようなマーカ1を用いた変位計測方式は、一般的に、マーカ1のX軸方向やY軸方向の変位を計測する際に用いられる。ただし、マーカ1の変位(ひいては、地盤の変位)は、X軸方向やY軸方向に限らず、Z軸方向に生じる場合がある。そこで、以下に示す実施の形態1の方式を用いることが有益となる。
《変位計測装置の概略》
図2は、図1における変位計測装置の概略構成例を示すブロック図である。図2に示す変位計測装置2は、マーカ1を撮像する撮像部10と、撮像部10によって撮像されたマーカ画像に基づいてマーカ1(ひいては物体3)の変位を計測する変位計測部20とを備える。撮像部10は、代表的には、デジタルカメラ等である。変位計測部20は、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置や、または、専用の画像処理装置等である。ただし、撮像部10および変位計測部20は、例えば、カメラ付きの情報処理装置等の形態で同一の装置内に実装されてもよい。
撮像部10は、レンズ11と、イメージセンサ12と、演算部13と、データ格納部14と、通信インタフェース15とを備える。この内、演算部13、データ格納部14および通信インタフェース15は、互いにバスで接続される。演算部13、データ格納部14および通信インタフェース15は、例えば、1個のマイクロコントローラに実装されてもよい。
レンズ11は、マーカ1からの光をイメージセンサ12に集光する。イメージセンサ12は、代表的には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサや、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等であり、アレイ状に配置された複数の画素を含む。イメージセンサ12の各画素は、レンズ11で集光された光の光量に応じた電気信号を生成する。イメージセンサ12は、各画素で生成された電気信号を演算部13へ送信する。
データ格納部14は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、マイクロコントローラ内の内蔵メモリや、または、メモリカード等の外付けメモリ等に該当する。演算部13は、イメージセンサ12からの電気信号を受けてマーカ画像を生成し、生成したマーカ画像をデータ格納部14に格納する。この際に、演算部13は、マーカ画像を、撮像時刻の情報を付加した上でデータ格納部14に格納してもよい。
演算部13は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ13aと、RAM(Random Access Memory)13bとを備える。プロセッサ13aは、例えば、データ格納部14からRAM13bへ展開された所定のプログラムを実行することで、イメージセンサ12からの電気信号に応じたマーカ画像を作成する。
通信インタフェース15は、変位計測部20(その中の通信インタフェース21)との間でデータの送受信を行う。その一つとして、通信インタフェース15は、データ格納部14に格納されたマーカ画像を変位計測部20へ送信する。通信インタフェース15と通信インタフェース21との間は、有線または無線で接続される。この際には、例えば、インターネット等の外部ネットワークを介して接続される形態を用いてもよい。
外部ネットワークを用いる場合には、例えば、無線通信用の通信インタフェース15を備えた撮像部10を建設現場に固定的に設置し、変位計測部20を建設会社の社内サーバ装置等に実装するような形態が有益となる。この場合、撮像部10は、撮像したマーカ画像を、逐次、外部ネットワークを介して社内サーバ装置に送信し、社内サーバ装置は、当該マーカ画像に基づいて変位計測を行う。
変位計測部20は、演算部22と、データ格納部23と、通信インタフェース21とを備える。演算部22、データ格納部23および通信インタフェース21は、互いにバスで接続される。例えば、変位計測部20を専用の画像処理装置等で構成する場合、演算部22、データ格納部23および通信インタフェース21は、1個のマイクロコントローラに実装されてもよい。データ格納部23は、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ等の不揮発性メモリである。通信インタフェース21は、例えば、通信インタフェース15からのマーカ画像を受信し、それをデータ格納部23に格納する。
演算部22は、CPU、GPU、またはDSP等のプロセッサ22aと、RAM22bとを備える。演算部22は、例えば、データ格納部23に格納されたマーカ画像に対して所定の画像処理を実行することで物体3の変位を計測する。この際に、プロセッサ22aは、例えば、データ格納部23からRAM22bへ展開された変位計測プログラムを実行することで変位計測を行う。なお、演算部22は、プロセッサ22aに限らず、一部または全てがFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアで構成されてもよい。すなわち、演算部22は、ソフトウェア方式、ハードウェア方式、あるいはその組み合わせによって適宜構成されればよい。これは、撮像部10内に演算部13に関しても同様である。
《変位計測部の詳細》
図3は、図2における変位計測部の主要部の詳細な構成例を示すブロック図である。図4は、図3における内部マーカ作成部の処理内容の一例を説明する模式図である。図5は、図3におけるモアレ画像作成部の処理内容の一例を説明する模式図である。図3の変位計測部20において、プロセッサ22aは、変位計測プログラムを実行することで実装される内部マーカ作成部31、モアレ画像作成部32および検出部33を備える。また、ここでは、マーカ1として、図1(b)に示したようなストライプ模様が記されたマーカ1aを用いる場合を例とする。
内部マーカ作成部31は、図4に示されるように、基準方向(X軸方向、Y軸方向)に対して基準の傾きγだけ傾いた方向(X’軸方向、Y’軸方向)に形成され、かつ予め周期pが定められる基準の周期模様30を含んだ内部マーカ画像35を作成する。ここで、基準方向(X軸方向、Y軸方向)とは、撮像部10によって撮像されるマーカ画像に含まれる周期模様の形成方向であり、図1(b)におけるマーカ1aに記された周期模様の形成方向でもある。基準の傾きγは、非0[°]の値であればよく、プラス方向の値であっても、マイナス方向の値であってもよい。内部マーカ作成部31は、作成した内部マーカ画像35をデータ格納部23に格納する。
具体的には、内部マーカ作成部31は、例えば、内部マーカ画像35をコンピュータグラフィックス(CG)画像によって作成可能である。すなわち、図1(a)に示したような変位計測システムを構築直後の段階(変位が生じていない段階)で、図2の撮像部10によって撮像されるマーカ画像は、予めシミュレーション等を行うことで算出できる。内部マーカ作成部31は、この算出されたマーカ画像に基づいて基準方向(X軸方向、Y軸方向)を定めた上で内部マーカ画像35を作成すればよい。
また、内部マーカ作成部31は、変位計測システムを構築直後の段階(変位が生じていない段階)で、図2の撮像部10に実際に撮像を行わせ、そのマーカ画像に対して基準の傾きγの回転処理を行うことで内部マーカ画像35を作成してもよい。この際に、当該内部マーカ画像35に含まれる周期模様の周期pは、変位が生じていないことを前提とすると、予めシミュレーション等を行うことで算出できる。
図3のデータ格納部23には、時点[1]で撮像部10によって撮像された計測用マーカ画像36aと、時点[2]で撮像部10によって撮像された計測用マーカ画像36bとが格納されている。モアレ画像作成部32は、計測用マーカ画像36aと計測用マーカ画像36bのそれぞれ(計測用マーカ画像36と総称する)に対して、図5に示されるように、内部マーカ作成部31で作成した同一の内部マーカ画像35を重ね合わせることでモアレ画像37(すなわち、モアレ画像[1]とモアレ画像[2])を作成する。
図5に示されるように、モアレ画像37には、周期(波長)λで変化するモアレ縞が含まれる。モアレ縞の延伸方向は、基準方向(ここでは、X軸方向)に対して傾きθを成す。明細書では、モアレ縞の延伸方向をX軸方向と呼び、モアレ縞の周期方向をY軸方向と呼ぶ。
図3の検出部33は、モアレ画像[1]とモアレ画像[2]とを用いて、時点[1]と時点[2]との間で生じたマーカ1(ひいては物体3)の変位量を検出する。その一つとして、検出部33は、例えば、モアレ画像[1]に含まれるモアレ縞の周期λと、モアレ画像[2]に含まれるモアレ縞の周期λとの周期差に基づいて、時点[1]と時点[2]との間で撮像部10の光軸方向(奥行き方向)に生じたマーカ1の変位量を算出する。
《検出部の詳細》
図6は、図3における検出部の詳細な構成例を示すブロック図である。図7は、図6におけるモアレ縞傾き算出部の詳細な処理内容の一例を説明する模式図である。図8は、図6におけるモアレ縞周期算出部の詳細な処理内容の一例を説明する模式図である。図6に示す検出部33は、モアレ縞傾き算出部40と、モアレ縞周期算出部41と、奥行方向変位量算出部42とを備える。
モアレ縞傾き算出部40は、基準方向(例えば、X軸方向)に対してモアレ画像[1]に含まれるモアレ縞[1]が成す傾きθ1と、基準方向(X軸方向)に対してモアレ画像[2]に含まれるモアレ縞[2]が成す傾きθ2とをそれぞれ算出する。具体的には、図7に示されるように、モアレ縞傾き算出部40は、まず、各モアレ画像37に対して、各画素の輝度を“0”または“1”で2値化することで2値化画像50を作成する(ステップS10)。続いて、モアレ縞傾き算出部40は、2値化画像50に含まれる各ひし形模様51の頂点52を抽出する(ステップS11)。
次いで、モアレ縞傾き算出部40は、抽出した各頂点52を結ぶ近似的な直線53を検出する(ステップS12)。この際に、モアレ縞傾き算出部40は、例えば、ハフ変換を用いて直線53(すなわちモアレ縞)を検出することができる。その後、モアレ縞傾き算出部40は、予め定まっている基準方向(X軸方向)に対して直線53(モアレ縞の延伸方向)が成す傾きθを算出する(ステップS13)。なお、詳細には、ステップS12によって、2値化画像50内には、複数の直線53が検出され得る。この複数の直線53は、互いに傾きθが微小に異なり得る。この場合、モアレ縞傾き算出部40は、例えば、互いに異なる傾きθの平均値によって最終的な傾きθを算出する。
図6のモアレ縞周期算出部41は、モアレ縞傾き算出部40からの傾きθ1,θ2を受け、傾きθ1に基づく方向(Y軸方向)でモアレ縞[1]の周期λ1を算出し、傾きθ2に基づく方向(Y軸方向)でモアレ縞[2]の周期λ2を算出する。具体的には、図8に示されるように、モアレ縞周期算出部41は、各モアレ画像37における基準方向(X軸方向、Y軸方向)での各画素の輝度I(x,y)を、基準方向に対して傾きθを成す方向(X軸方向、Y軸方向)での各画素の輝度I(x,y)に変換する。これにより、モアレ縞の輝度分布は、Y軸座標(モアレ縞の周期方向)に沿って変化する三角関数で表すことができる。
そこで、モアレ縞周期算出部41は、Y軸方向に並んだ各画素の輝度Iを、式(1)に示される三角関数(この例ではcos関数)で近似する。この近似には、例えば、最小二乗法等が用いられる。また、三角関数は、sin関数であってもよい。そして、モアレ縞周期算出部41は、式(1)の近似式に基づいて、モアレ縞の周期λ[ピクセル]を算出する。なお、式(1)において、“y”は、Y軸方向に並んだ画素のY軸座標値であり、傾きθを介してX軸方向に並んだ画素のX軸座標値“x”と、Y軸方向に並んだ画素のY軸座標値“y”とに対応付けられる。また、“A”は振幅であり、“α”は初期位相であり、“B”は背景輝度である。
Figure 2021162390
図6の奥行方向変位量算出部42は、モアレ縞[1]の周期λ1と、モアレ縞[2]の周期λ2との周期差に基づいて、時点[1]と時点[2]との間で撮像部10の光軸方向(奥行き方向)に生じたマーカ1の変位量を算出する。具体的には、奥行方向変位量算出部42は、まず、モアレ縞の周期λと、図4に示した基準の周期模様30の周期pと、図5に示される基準の傾きβとを用いて、式(2)に基づいて、図5の計測用マーカ画像36に含まれる周期模様の周期であるマーカ画像周期wを算出する。
Figure 2021162390
式(2)は、前述した非特許文献1に示される理論式(式(31))である。また、式(2)で用いられる基準の傾きβは、図5に示されるように、X軸方向に対してY’軸方向(周期模様のストライプラインの延伸方向)が成す傾きである。奥行方向変位量算出部42は、モアレ縞[1]の周期λ1とモアレ縞[2]の周期λ2とに対して、それぞれ、式(2)を用いた演算を行うことでマーカ画像周期w1とマーカ画像周期w2とを算出する。
続いて、奥行方向変位量算出部42は、式(2)で算出されたマーカ画像周期w[ピクセル]と、図1(b)のマーカ1aに記された周期模様の周期W[mm]と、撮像部10(カメラ)における既知の光学仕様とに基づいて、撮像部10とマーカ1aとの間の撮影距離Dを算出する。図9は、図2の撮像部が備える光学仕様の一部の例を示す図である。図9に示されるように、マーカ面における周期W[mm]は、レンズ11を介してセンサ面におけるマーカ画像周期w[ピクセル]に対応する。レンズ11とセンサ面との距離は、ほぼ焦点距離fに等しい。このような関係を用いて、奥行方向変位量算出部42は、レンズ11とマーカ面との間の未知の撮影距離D[mm]を算出する。
その算出方法の一例として、奥行方向変位量算出部42は、まず、式(3)に基づいて撮像面解像度DR[mm/ピクセル]を算出する。さらに、奥行方向変位量算出部42は、算出された撮像面解像度DR[mm/ピクセル]と、撮像部10の光学仕様に基づく既知の画素数PN[ピクセル]とを用いて、式(4)に基づいて撮像範囲IR[mm]を算出する。
DR=W/w …(3)
IR=DR×PN …(4)
一方、撮像部10の光学仕様に基づき、焦点距離fとセンササイズSSとを用いて式(5)の画角φ[°]が予め判明している。奥行方向変位量算出部42は、この画角φ[°]と、式(4)の撮像範囲IR[mm]とを用いて、式(6)に基づいて撮影距離D[mm]を算出する。そして、奥行方向変位量算出部42は、ある時点[1]でのモアレ画像[1]に基づいて算出された撮影距離(D[1])と、別の時点[2]でのモアレ画像[2]に基づいて算出された撮影距離(D[2])との差分を算出することで、時点[1]と時点[2]との間でZ軸方向(奥行き方向)に生じたマーカ1aの変位量を検出する。
φ=2×tan−1{SS/(2×f)} …(5)
D=IR/{2×tan(φ/2)} …(6)
《変位計測方法》
図10は、本発明の実施の形態1による変位計測方法における処理内容の一例を示すフロー図である。まず、図3の内部マーカ作成部31は、図4に示したような内部マーカ画像35を作成する(ステップS101)。続いて、図3の変位計測部20は、撮像部10を用いてマーカ1を撮像することで計測用マーカ画像[1]を取得する(ステップS102)。次いで、図3のモアレ画像作成部32は、図5に示したように、計測用マーカ画像[1]に内部マーカ画像35を重ね合わせることでモアレ画像[1]を作成する(ステップS103)。
そして、図3(図6)の検出部33は、モアレ画像[1]を対象に、図7および図8で述べた各種処理を介してモアレ縞の周期[1]を検出する(ステップS104)。ここでは、例えば、図1(a)の変位計測システムを構築直後の段階(変位が生じていない初期時点)でステップS102〜S104の処理が行われるものとする。この場合、ステップS104で検出されたモアレ縞の周期[1]は、変位が生じていない場合の基準用の周期となる。
その後、変位計測時点となるまで待機状態となる(ステップS105)。変位計測時点は、例えば、ユーザによって任意に定められるか、または、変位計測装置2が内部のタイマ等に基づき定期的(例えば、1日に1回等)に定めるものであってもよい。ステップS105で変位計測時点に達すると、変位計測部20は、ステップS106〜S108において、ステップS102〜S104の場合と同様の処理を行う。
すなわち、変位計測部20は、撮像部10を用いてマーカ1を撮像することで計測用マーカ画像[n]を取得する(ステップS106)。モアレ画像作成部32は、計測用マーカ画像[n]にステップS101で作成された内部マーカ画像35を重ね合わせることでモアレ画像[n]を作成する(ステップS107)。検出部33は、モアレ画像[n]を対象に、モアレ縞の周期[n]を検出する(ステップS108)。
その後、検出部33は、ステップS109において、ステップS104で検出した周期[1]と、ステップS108で検出した周期[n]との周期差に基づいて、式(2)〜式(6)で述べたような処理を行うことで、マーカ1(ひいては物体3)に生じた初期時点からの奥行き方向(Z軸方向)の変位量を検出する(ステップS109)。その後、変位計測が不要となるまで、ステップS105〜ステップS109の処理が繰り返し実行される(ステップS110)。その結果、この例では、変位計測時点毎に、初期時点からのマーカ1(ひいては物体3)の奥行き方向の変位量が検出される。
《動作検証結果》
図11は、図3および図6の変位計測部の動作検証結果の一例を示す図である。この例では、マーカ画像周期wが0.02倍単位で短くなる計測用マーカ画像36(実際のマーカ画像)が、図3の変位計測部20に順次入力されている。そして、その都度、図3および図6で述べた各種処理を経て、式(2)で算出されたマーカ画像周期wの算出値が示される。マーカ画像周期wが短くなるということは、図1(a)において、マーカ1と変位計測装置2との奥行き方向(Z軸方向)の距離が長くなることを意味する。
図11に示されるように、式(2)に基づき算出されたマーカ画像周期wの算出値として、理想値に近い値が得られた。このように、理想値に近い算出値(w)が得られると、式(3)〜式(6)で述べたような既知の光学仕様に基づいて、結果的に、奥行き方向(Z軸方向)の変位量を高精度で算出できることになる。
《各種変形例》
ここでは、図1(b)に示したような、X軸方向に並んだストライプ模様が記されたマーカ1aを用いる場合を例に説明を行った。ただし、その代わりに、Y軸方向に並んだストライプ模様が記されたマーカを用いてもよく、図1(c)に示したようなチェッカ模様が記されたマーカ1bを用いてもよい。マーカ1bを用いる場合、変位計測部20は、チェッカ模様を含んだマーカ画像を、画像処理によってX軸方向に並んだストライプ模様またはY軸方向に並んだストライプ模様に変換すればよい。
《実施の形態1の主要な効果》
以上、実施の形態1の変位計測装置および変位計測方法を用いることで、代表的には、小さい処理負荷または記憶容量でマーカ1(ひいては物体3)の奥行き方向の変位を計測可能になる。すなわち、サンプリングモアレ法等のような複雑な処理を用いることなく、マーカ1(ひいては物体3)の全体としての奥行き方向の変位量を検出できるようになる。その結果、例えば、立坑工事等の建設現場において、地盤の変位状況を監視することができ、作業者の安全を確保することが可能になる。また、レーザ光や光波等を利用した距離計を用いることなく奥行き方向の変位を計測できるため、コストを低減することも可能である。
さらに、奥行き方向の変位を高精度に計測することが可能になる。すなわち、例えば、図8において、モアレ縞の周期を、X軸方向またはY軸方向で算出する方式が考えられる。この場合、X軸方向またはY軸方向と、モアレ縞の周期方向とは異なるため、算出された周期に誤差が生じ得る。実施の形態1の方式を用いると、モアレ縞の周期方向を検出した上で、当該周期方向でモアレ縞の周期を算出できるため、高精度な周期が得られ、結果として、奥行き方向の変位を高精度に計測することが可能になる。
(実施の形態2)
《検出部の詳細》
図12は、本発明の実施の形態2による変位計測装置において、図3における検出部の詳細な構成例を示すブロック図である。図12に示す検出部33は、図6の構成例と比較して、モアレ縞周期算出部41が設けられず、また、奥行方向変位量算出部42aの処理内容が異なっている。奥行方向変位量算出部42aは、図6の構成例と異なり、モアレ縞傾き算出部40からのモアレ縞[1]の傾きθ1と、モアレ縞[2]の傾きθ2と受けて、各モアレ縞の周期を算出することなく、奥行き方向に生じたマーカ1の変位量を算出する。
具体的には、奥行方向変位量算出部42aは、モアレ縞の傾きθと、図4に示した基準の周期模様30の周期pと、図5に示した基準の傾きβとを用いて、式(7)に基づき、図5の計測用マーカ画像36に含まれる周期模様の周期であるマーカ画像周期wを算出する。式(7)は、前述した非特許文献1に示される理論式(式(32))である。奥行方向変位量算出部42aは、モアレ縞[1]の傾きθ1とモアレ縞[2]の傾きθ2とに対して、それぞれ、式(7)を用いた演算を行うことでマーカ画像周期w1とマーカ画像周期w2とを算出する。
Figure 2021162390
そして、奥行方向変位量算出部42aは、このマーカ画像周期w1とマーカ画像周期w2と周期差に基づいて、時点[1]と時点[2]との間で撮像部10の光軸方向(奥行き方向)に生じたマーカ1の変位量を算出する。具体的には、奥行方向変位量算出部42aは、実施の形態1の式(3)〜式(6)で述べたように、マーカ画像周期wと、マーカ1に記された周期模様の周期Wと、撮像部10における既知の光学仕様とに基づいて撮影距離Dを算出する。そして、奥行方向変位量算出部42aは、マーカ画像周期w1とマーカ画像周期w2との周期差に伴う撮影距離Dの変化量を算出する。
《実施の形態2の主要な効果および実施の形態1との比較》
以上、実施の形態2の変位計測装置を用いることで、実施の形態1で述べた効果と同様の効果が得られる。さらに、実施の形態1の方式と比較して、モアレ縞の周期を算出する処理が不要となり、処理負荷または記憶容量をより小さくすることが可能になる。一方、奥行き方向の変位量の計測精度の観点では、実施の形態1の方式の方が望ましい。
具体的には、実施の形態2の方式では、傾きθの算出精度が、奥行き方向の変位量の計測精度に直接的な影響を及ぼす。傾きθは、図7で述べたように、2値化画像50に対して頂点52を抽出することで算出される。この際に、頂点52の位置は、量子化誤差等の各種ノイズ成分によって適宜ばらつき得るため、傾きθの算出精度が低下する恐れがある。一方、実施の形態1の方式では、傾きθの算出精度が不十分であったとしても、式(1)に基づく三角関数での近似を行うことで周期λをある程度高精度に算出することができ、この周期λに基づいて奥行き方向の変位量を計測することが可能になる。
(実施の形態3)
《検出部の詳細》
図13は、本発明の実施の形態3による変位計測装置において、図3における検出部の詳細な構成例を示すブロック図である。図13に示す検出部33は、奥行方向変位検出部60と、面方向変位検出部61とを備える。奥行方向変位検出部60は、図6と同様の構成を備える。面方向変位検出部61は、モアレ縞位相算出部65と、面方向変位量算出部66とを備える。モアレ縞位相算出部65は、モアレ画像[1]に含まれるモアレ縞[1]の位相α1と、モアレ画像[2]に含まれるモアレ縞[2]の位相α2とをそれぞれ算出する。
具体的には、図1(b)のマーカ1aを用いる場合、モアレ縞位相算出部65は、例えば、図8の各モアレ画像37(モアレ画像[1]およびモアレ画像[2])において、X軸方向に並んだ各画素の輝度Iを、式(8)に示される三角関数(この例ではcos関数)で近似する。この近似には、例えば、最小二乗法等が用いられる。また、三角関数は、sin関数であってもよい。
=A×cos{(x/λ)×2π+α}+B …(8)
式(8)において、“A”は振幅であり、“x”はX軸方向に並んだ画素のX軸座標値であり、“λ”はモアレ縞の周期(波長)[ピクセル]であり、“α”は初期位相であり、“B”は背景輝度である。モアレ縞位相算出部65は、モアレ画像[1]に対して式(8)の近似を行い、その結果得られた“α”をモアレ縞[1]の位相α1として算出する。同様に、モアレ縞位相算出部65は、モアレ画像[2]に対して式(8)の近似を行い、その結果得られた“α”をモアレ縞[2]の位相α2として算出する。
面方向変位量算出部66は、モアレ縞位相算出部65からのモアレ縞[1]の位相α1と、モアレ縞[2]の位相α2との位相差Δαに基づいて、時点[1]と時点[2]との間でマーカ1の面方向(ここではX軸方向)に生じた変位量を算出する。具体的には、面方向変位量算出部66は、位相差Δα[rad]と、図1(b)に示したマーカ1aにおける既知のピッチ(周期)W[mm]を用いて、式(9)によって変位量ΔU(ここでは、X軸方向の変位量ΔX)を算出する。
ΔU=(Δα/2π)×W …(9)
《変位計測方法》
図14は、本発明の実施の形態3による変位計測方法における処理内容の一例を示すフロー図である。図14に示すフローでは、図10に示したフローと比較して、ステップS201〜S203の処理が追加されている。ステップS201は、ステップS104とステップS105との間に挿入される。ステップS201において、モアレ縞位相算出部65は、モアレ画像[1]を対象に、モアレ縞[1]の位相[1]を検出する。
ステップS202,S203は、ステップS109とステップS110との間に順次挿入される。ステップS202において、モアレ縞位相算出部65は、モアレ画像[n]を対象に、モアレ縞[n]の位相[n]を検出する。ステップS203において、面方向変位量算出部66は、ステップS201で検出されたモアレ縞[1]の位相[1]と、ステップS202で検出されたモアレ縞[n]の位相[n]との位相差を検出し、式(9)に基づいて、マーカ1の面方向(ここではX軸方向)に生じた変位量を検出する。
《実施の形態3の主要な効果》
以上、実施の形態3の変位計測装置および変位計測方法を用いることで、実施の形態1で述べたような各種効果に加えて、単一の撮像部10を用いて取得したマーカ画像に基づいて、マーカ1(ひいては物体3)の面方向(X軸方向またはY軸方向)の変位と、奥行き方向(Z軸方向)の変位の両方を計測可能になる。その結果、低コストで効率的な変位計測を行えるようになる。
すなわち、図1(b)のマーカ1aの代わりに、Y軸方向に並んだストライプ模様が記されたマーカを用いることで、Y軸方向とZ軸方向の変位計測が可能になる。また、図1(b)のマーカ1aの代わりに、図1(c)のマーカ1bを用いることで、X軸方向およびY軸方向と、Z軸方向の変位計測が可能になる。なお、Y軸方向の変位計測を行う際には、式(8)と同様にして、Y軸方向に並んだ各画素の輝度(I)を三角関数で近似すればよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1,1a,1b…マーカ、2…変位計測装置、3…物体、10…撮像部、20…変位計測部、30…基準の周期模様、31…内部マーカ作成部、32…モアレ画像作成部、35…内部マーカ画像、36,36a,36b…計測用マーカ画像、37…モアレ画像、40…モアレ縞傾き算出部、41…モアレ縞周期算出部、42,42a…奥行方向変位量算出部、65…モアレ縞位相算出部、66…面方向変位量算出部、p,W,λ…周期、w…マーカ画像周期、β,γ,θ…傾き

Claims (12)

  1. 周期模様が記されたマーカを撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって撮像されたマーカ画像に基づいて前記マーカの変位を計測する変位計測部と、
    を有する変位計測装置であって、
    前記変位計測部は、
    前記マーカ画像に含まれる周期模様の形成方向を基準方向とした際に、前記基準方向に対して基準の傾きだけ傾いた方向に形成され、かつ予め周期が定められる基準の周期模様を含んだ内部マーカ画像を作成する内部マーカ作成部と、
    第1の時点で前記撮像部によって撮像された第1のマーカ画像と、第2の時点で前記撮像部によって撮像された第2のマーカ画像とに対して、前記内部マーカ作成部で作成された同一の前記内部マーカ画像を重ね合わせることで第1のモアレ画像と第2のモアレ画像とをそれぞれ作成するモアレ画像作成部と、
    前記基準方向に対して前記第1のモアレ画像に含まれる第1のモアレ縞が成す第1の傾きと、前記基準方向に対して前記第2のモアレ画像に含まれる第2のモアレ縞が成す第2の傾きとをそれぞれ算出するモアレ縞傾き算出部と、
    前記第1の傾きに基づく方向で前記第1のモアレ縞の周期を算出し、前記第2の傾きに基づく方向で前記第2のモアレ縞の周期を算出するモアレ縞周期算出部と、
    前記第1のモアレ縞の周期と、前記第2のモアレ縞の周期との周期差に基づいて、前記第1の時点と前記第2の時点との間で前記撮像部の光軸方向に生じた前記マーカの変位量を算出する奥行方向変位量算出部と、
    を有する、
    変位計測装置。
  2. 請求項1記載の変位計測装置において、
    前記モアレ縞傾き算出部は、前記第1のモアレ縞と前記第2のモアレ縞とをそれぞれハフ変換を用いて検出することで前記第1の傾きと前記第2の傾きとを算出する、
    変位計測装置。
  3. 請求項1記載の変位計測装置において、
    前記モアレ縞周期算出部は、前記第1の傾きに基づく方向で前記第1のモアレ縞を三角関数で近似することで前記第1のモアレ縞の周期を算出し、前記第2の傾きに基づく方向で前記第2のモアレ縞を三角関数で近似することで前記第2のモアレ縞の周期を算出する、
    変位計測装置。
  4. 請求項1記載の変位計測装置において、
    前記奥行方向変位量算出部は、
    前記第1のモアレ縞の周期と、前記基準の周期模様の周期と、前記基準の傾きとを用いて前記第1のマーカ画像に含まれる周期模様の周期である第1のマーカ画像周期を算出し、前記第1のマーカ画像周期と、前記マーカに記された周期模様の周期と、前記撮像部における既知の光学仕様とに基づいて前記撮像部と前記マーカとの間の第1の撮影距離を算出し、
    前記第2のモアレ縞の周期と、前記基準の周期模様の周期と、前記基準の傾きとを用いて前記第2のマーカ画像に含まれる周期模様の周期である第2のマーカ画像周期を算出し、前記第2のマーカ画像周期と、前記マーカに記された周期模様の周期と、前記撮像部における既知の光学仕様とに基づいて前記撮像部と前記マーカとの間の第2の撮影距離を算出する、
    変位計測装置。
  5. 請求項1記載の変位計測装置において、さらに、
    前記第1のモアレ縞の位相と、前記第2のモアレ縞の位相とをそれぞれ算出するモアレ縞位相算出部と、
    前記第1のモアレ縞の位相と、前記第2のモアレ縞の位相との位相差に基づいて、前記第1の時点と前記第2の時点との間で前記マーカの面方向に生じた変位量を算出する面方向変位量算出部と、
    を有する、
    変位計測装置。
  6. 周期模様が記されたマーカを撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって撮像されたマーカ画像に基づいて前記マーカの変位を計測する変位計測部と、
    を有する変位計測装置であって、
    前記変位計測部は、
    前記マーカ画像に含まれる周期模様の形成方向を基準方向とした際に、前記基準方向に対して基準の傾きだけ傾いた方向に形成され、かつ予め周期が定められる基準の周期模様を含んだ内部マーカ画像を作成する内部マーカ作成部と、
    第1の時点で前記撮像部によって撮像された第1のマーカ画像と、第2の時点で前記撮像部によって撮像された第2のマーカ画像とに対して、前記内部マーカ作成部で作成された同一の前記内部マーカ画像を重ね合わせることで第1のモアレ画像と第2のモアレ画像とをそれぞれ作成するモアレ画像作成部と、
    前記基準方向に対して前記第1のモアレ画像に含まれる第1のモアレ縞が成す第1の傾きと、前記基準方向に対して前記第2のモアレ画像に含まれる第2のモアレ縞が成す第2の傾きとをそれぞれ算出するモアレ縞傾き算出部と、
    前記第1の傾きと、前記基準の周期模様の周期と、前記基準の傾きとに基づいて前記第1のマーカ画像に含まれる周期模様の周期である第1のマーカ画像周期を算出し、前記第2の傾きと、前記基準の周期模様の周期と、前記基準の傾きとに基づいて前記第2のマーカ画像に含まれる周期模様の周期である第2のマーカ画像周期を算出し、前記第1のマーカ画像周期と、前記第2のマーカ画像周期との周期差に基づいて、前記第1の時点と前記第2の時点との間で前記撮像部の光軸方向に生じた前記マーカの変位量を算出する奥行方向変位量算出部と、
    を有する、
    変位計測装置。
  7. 請求項6記載の変位計測装置において、
    前記モアレ縞傾き算出部は、前記第1のモアレ縞と前記第2のモアレ縞とをそれぞれハフ変換を用いて検出することで前記第1の傾きと前記第2の傾きとを算出する、
    変位計測装置。
  8. 請求項6記載の変位計測装置において、
    前記奥行方向変位量算出部は、
    前記第1のマーカ画像周期と、前記マーカに記された周期模様の周期と、前記撮像部における既知の光学仕様とに基づいて前記撮像部と前記マーカとの間の第1の撮影距離を算出し、
    前記第2のマーカ画像周期と、前記マーカに記された周期模様の周期と、前記撮像部における既知の光学仕様とに基づいて前記撮像部と前記マーカとの間の第2の撮影距離を算出する、
    変位計測装置。
  9. 周期模様が記されたマーカを撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって撮像されたマーカ画像に基づいて前記マーカの変位を計測する変位計測部と、
    を用いて前記マーカの変位を計測する変位計測方法であって、
    前記変位計測部が、前記マーカ画像に含まれる周期模様の形成方向を基準方向とした際に、前記基準方向に対して基準の傾きだけ傾いた方向に形成され、かつ予め周期が定められる基準の周期模様を含んだ内部マーカ画像を作成する第1の工程と、
    第1の時点で前記撮像部によって前記マーカを撮像することで第1のマーカ画像を取得する第2の工程と、
    前記変位計測部が、前記第1のマーカ画像に対して前記第1の工程で作成した前記内部マーカ画像を重ね合わせることで第1のモアレ画像を作成する第3の工程と、
    第2の時点で前記撮像部によって前記マーカを撮像することで第2のマーカ画像を取得する第4の工程と、
    前記変位計測部が、前記第2のマーカ画像に対して前記第1の工程で作成した前記内部マーカ画像を重ね合わせることで第2のモアレ画像を作成する第5の工程と、
    前記変位計測部が、前記基準方向に対して前記第1のモアレ画像に含まれる第1のモアレ縞が成す第1の傾きと、前記基準方向に対して前記第2のモアレ画像に含まれる第2のモアレ縞が成す第2の傾きとをそれぞれ算出する第6の工程と、
    前記変位計測部が、前記第1の傾きに基づく方向で前記第1のモアレ縞の周期を算出し、前記第2の傾きに基づく方向で前記第2のモアレ縞の周期を算出する第7の工程と、
    前記変位計測部が、前記第1のモアレ縞の周期と、前記第2のモアレ縞の周期との周期差に基づいて、前記第1の時点と前記第2の時点との間で前記撮像部の光軸方向に生じた前記マーカの変位量を算出する第8の工程と、
    を有する、
    変位計測方法。
  10. 請求項9記載の変位計測方法において、
    前記変位計測部は、前記第6の工程において、前記第1のモアレ縞と前記第2のモアレ縞とをそれぞれハフ変換を用いて検出することで前記第1の傾きと前記第2の傾きとを算出する、
    変位計測方法。
  11. 請求項9記載の変位計測方法において、
    前記変位計測部は、前記第7の工程において、前記第1の傾きに基づく方向で前記第1のモアレ縞を三角関数で近似することで前記第1のモアレ縞の周期を算出し、前記第2の傾きに基づく方向で前記第2のモアレ縞を三角関数で近似することで前記第2のモアレ縞の周期を算出する、
    変位計測方法。
  12. 請求項9記載の変位計測方法において、さらに、
    前記変位計測部が、前記第1のモアレ縞の位相と、前記第2のモアレ縞の位相とをそれぞれ算出する第9の工程と、
    前記変位計測部が、前記第1のモアレ縞の位相と、前記第2のモアレ縞の位相との位相差に基づいて、前記第1の時点と前記第2の時点との間で前記マーカの面方向に生じた変位量を算出する第10の工程と、
    を有する、
    変位計測方法。
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