JP5656018B2 - 球体の検出方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、2次元または3次元の仮想座標空間では、計測時や撮像時等におけるノイズ等により、上述のように生成された対象体領域の境界付近に不明瞭な形状部分が生じるという問題がある。
そこで、3次元画像において、物体境界画素に対し球体を逐次当てはめていき、物体と球体との重なる割合により、その着目画素を抽出するかどうかを判定する方法が知られている(特許文献1参照)。
この点、上記特許文献1に開示された従来技術は、コンピュータ断層撮影装置(CT装置)の3次元画像を構成するボクセルデータに対して画素の抽出処理を行うものであり、対象体を3次元の点群として計測した場合には、当該点群に対して従来技術を適用できないという問題がある。
さらに、ハフ変換を使用する場合、特徴点を保存するために多くのメモリを必要とし、また計算量が大きくなるために球体の検出に多くの時間を要するので、好ましくない。
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、球体を3次元の点群として計測した場合の形状データに基づいて、より高速に球体を検出することの可能な球体の検出方法を提供することにある。
請求項3の球体の検出方法では、請求項1または2において、前記球中心推定ステップは、前記密集領域における前記移動後の計測点群の座標値の平均を求めることにより推定を行うことを特徴とする。
これにより、球体の中心の推定に要する計算量は計測点の数に比例することになり、計算量をより少なくすることができるので、より高速に推定することができる。
図1は、本発明の実施形態に供試される対象体認識装置1の概略構成図である。
図1に示すように、対象体認識装置1は対象体である球体2の形状を仮想座標空間において表現する装置であり、支持体3に支えられた球体2の形状データを取得する3次元計測手段4と、3次元計測手段4にて取得された形状データから仮想座標空間で球体2を算出する演算手段6と、演算手段6にて算出された結果等を記憶するメモリ装置8と、算出された結果を出力する外部出力手段10とを備える。
演算手段6とメモリ装置8とは、図示しないがコンピュータに備えられている。演算手段6は当該コンピュータの中央演算処理装置(以下、CPUと略す)により構成され、メモリ装置8はRAM、ROM等を含んで構成されている。
外部出力手段10は、シリアル通信、LANのネットワーク通信、画面出力、外部メモリ書き込み、またはファイル出力等により算出した結果を出力する。
図2は、対象体検出方法のフローチャートを示している。以下に述べるステップS2以降の各処理は、メモリ装置8に格納されている各プログラムを演算手段6にて実行することにより行われる。なお、球体2の半径は予めメモリ装置8に格納されているものとする。
3次元計測手段4がレーザ距離計である場合、レーザ光の射出とその反射レーザの受光とにより3次元計測手段4の位置から球体2上の各計測点までの距離をレーザ計測し、計測した各距離データを3次元の計測点群として形状データを取得する。
さらに、3次元計測手段4がToF方式カメラである場合、球体2を撮影することで、球体2を3次元の距離画像として取得する。
また、3次元計測手段4がステレオカメラである場合、球体2を撮像することで、画像データに含まれる球体2を3次元の計測点群として取得する。ここで、ステレオカメラは模様の存在しない対象物の計測は難しいが、パターン光の投影を組み合わせることによりデータ取得が可能となる。
詳しくは、図3に3次元計測手段4にて取得した計測点群から三角形メッシュを生成する過程が示されており、同図から以下に説明する。
三角形メッシュの生成を全ての計測点に対して実施した後、各計測点の法線ベクトルを算出する。ここで、計測点Piを頂点とする三角形の集合をF、三角形fの法線ベクトルをnfとすると、頂点Piの法線ベクトルnpiは以下に示す数1式から算出される。
また、計測データにノイズが含まれる場合には、法線ベクトルに誤差が含まれるため、上述した数1式より算出された法線ベクトルのスムージングを行う。ここで、計測点Piを頂点とする三角形の集合をF、三角形fの頂点kの法線ベクトルをnf_kとすると、スムージング後の頂点Piの法線ベクトルnPiは以下に示す数2式から算出される。
続くステップS3では投影処理を行う。
図4に投影処理の概略図を示すように、3次元計測手段4の光軸に垂直であり、3次元計測手段4の視点を中心とした仮想的な2次元座標である投影面Spを使用して、投影処理を行う。
ステップS31では、全ての計測点の中から1つの計測点を選択する。ここで選択される計測点は、まだ選択されていない計測点の中から選択される。
ステップS34では、移動後の計測点群を3次元計測手段4の光軸に垂直な投影面に投影する(投影ステップ)。
詳しくは、図7に示す球中心の推定ルーチンを示すフローチャートに基づいて以下に説明する。
ステップS41では、投影面を格子状に区画する。ここで、区画後の各投影面の面積が略等しくなるように区画される。
ステップS42では、上記ステップS41で区画した投影面の1つの格子領域にある超点数をカウントする。
ステップS43では、上記ステップS41で区画した全ての格子領域を選択したか否かを判定する。当該判定結果が真(Yes)の場合にはステップS44へ進み、偽(No)と判定された場合にはステップS42へ戻る。
当該ステップでは、格子領域に含まれる移動後の計測点の集合をSi、格子領域に含まれる移動後の計測点の数をmi、移動後の計測点の座標値をxiとするとき、球体2の中心ciは以下に示す数3式から求められる。
そして、球体の中心が推定されると、球体の中心と半径情報から仮想座標空間における球体が検出され、検出した球体の情報を、外部出力手段10を介して出力する。
また、投影面を格子状に区画することにより、区画した各格子領域に含まれる移動後の計測点数をカウントすることで、移動後の計測点が密集する格子領域を容易に探索することができるので、より高速に球体を検出することができる。
この変形例では、図7に示す球中心の推定ルーチンにおけるステップS45での球中心推定を最小自乗法により行う。
上述した変形例の場合には、球体の中心を最小自乗法により算出することにより、移動後の計測点群から球体の中心をより精度よく推定することができるので、球体の検出精度をより向上させることができる。
例えば、上記実施形態では、投影面を格子状に区画して各格子領域に含まれる移動後の計測点数をカウントしたが、投影面の領域の区画する形状は格子状に限られない。
2 球体
4 3次元計測手段
6 演算手段
8 メモリ装置
Claims (4)
- 対象体である球体の形状を仮想座標空間において表現する球体の検出方法であって、
3次元計測手段により計測点群として球体の形状データを取得する形状データ取得ステップと、
仮想座標空間で、前記形状データを構成する前記計測点群の各計測点の法線ベクトルを算出する法線ベクトル算出ステップと、
前記法線ベクトルと反対方向に、前記各計測点を前記球体の半径分移動する計測点移動ステップと、
前記計測点移動ステップにより移動した移動後の計測点を前記3次元計測手段の光軸に垂直な投影面に投影する投影ステップと、
前記投影ステップにより投影された前記移動後の計測点が密集する密集領域を前記投影面より探索する密集領域探索ステップと、
前記密集領域探索ステップから探索された前記密集領域に対応する投影前の仮想座標空間における前記移動後の計測点群から、仮想座標空間での前記球体の中心を推定する球中心推定ステップと、
を備えたことを特徴とする球体の検出方法。 - 前記密集領域探索ステップは、前記投影面が格子状に区画された投影領域を生成し、前記各投影領域から前記密集領域を探索することを特徴とする、請求項1に記載の球体の検出方法。
- 前記球中心推定ステップは、前記密集領域に含まれる前記移動後の計測点群の座標値の平均を求めることにより推定を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の球体の検出方法。
- 前記球中心推定ステップは、仮想座標空間の前記密集領域に含まれる前記移動後の計測点群に対して最小自乗法により推定を行う高精度化ステップを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の球体の検出方法。
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