JP2021162221A - 冷却塔の散水槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】循環水の流速や流量に関わりなく、散水箱から散水槽内に供給される循環水を、その下方の充填材に向けて均一に散水することができるようにする。【解決手段】散水槽1を、その底面1aであって散水箱2の水流出口近傍から散水槽1の中央近傍の範囲の何れかの位置に、底面1aを横断する方向に伸びた帯状突起3を少なくとも一つ配置して形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、直交流型冷却塔の上部に設置され、散水箱から供給される循環水を下方の充填材に散布するための多数の散水孔を底面に有する散水槽の構造に関する。
冷却塔は、散水槽から充填材に循環水である温水を散水し、温水が充填材を流下する際に風をあてて気化熱を奪うことで、温水を冷却する機器である。
図10は冷却塔100の上部の要部概略図、図11は散水槽101と散水箱102の構成を示しており、温水は、冷却塔100の下部からパイプを通じて、散水槽101内に備え付けられた散水箱102に供給され、水流出口102aから散水槽101上に流れ出る。
温水の流れは、散水箱102で水平方向の流れに変換され、散水槽102の底面に沿って水平方向に行き渡らせ、散水槽102の底面全体に均等に配置して形成された散水孔101aを通して下方の充填材に散布される構造となっている(例えば特許文献1参照)。
特開2008−249188号公報
前記特許文献1に開示された構造では、散水箱から水平方向に勢いよく水が流出した場合、散水箱近傍では水が走ること(跳水)により水が貯まらず、よって散水槽内でこの部分では水位が低くなり、逆に散水槽の端では水位が高くなることがある。
散水槽内にこのような水位の偏在があると、散水槽の底面に形成された散水孔から充填材へと流れ落ちる散水量が不均一となり、冷却性能の低下を生じさせる虞がある。
また、FRP成型品である冷却塔の製造にあたり、シートモールディングコンパウンド(SMC)成型などの成型方法を用いることで、生産性が高く外観に優れた成形品を得ることができるが、この方法はハンドレイアップなどの成型方法に比べて高温高圧の成型方法であるため、脱型後の反りが発生する。冷却塔に使用する散水槽を前記成型方法で成形する場合も同様の問題が発生する。
本発明は上記のような問題点に鑑み、循環水の流速や流量に関わりなく、散水箱から散水槽内に供給される循環水を、その下方の充填材に向けて均一に散水することができるようにすることを課題とする。また、本発明は、FRPを用いて散水槽を成形するにあたり、反りや捻じれなどの成形不良の発生を抑制することを課題とする。
前記課題に対して本発明者は、散水箱から供給される循環水が散水槽内で、できる限り均一な水位となるようにするための手段として、散水槽の底面にリブ(突起)を設けることで循環水の流れを制御することを着想し、シミュレーションにより、前記底面への適切なリブの配置が散水槽内の循環水の水位の偏在の解消に効果があること、また、散水槽の底面にリブを適切に配置することで成形時の反りや捻じれの発生の抑止に効果があることを確認して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の冷却塔の散水槽は、散水槽の底面であって散水箱の水流出口近傍から当該散水槽の中央近傍の範囲の何れかの位置に、当該底面を横断する方向に伸びた帯状突起が少なくとも一つ設けられた構成を有することを特徴とする。
前記構成によれば、散水槽の底面内で、散水箱の水流出口近傍から散水槽の中央近傍の範囲の何れかの位置に当該底面を横断する方向に伸びた帯状突起が少なくとも一つ設置されていれば、散水箱から流れ出る水の走りを抑制することができ、特に散水箱の水流出口部分の水位の低下を防ぐことが可能である。
なお、散水箱の水流出口近傍とは、散水箱の水流出口から、散水槽の端部に向かって、散水槽の長手方向長さの6%程度離れた範囲内の位置の底面上、散水槽の中央近傍とは、散水槽の底面の長手方向の中央付近であり、当該中央を含み且つ中央を挟んで散水槽の両端部側に向かってそれぞれ散水槽の長手方向長さの10%程度離れた範囲内の位置の底面上をいう。上記の範囲の位置に帯状突起を設けることで、散水箱から流れ出る水の走りを効果的に抑制することができる。
また、底面を横断する方向とは、散水槽の底面内であって当該散水槽の一方の長手側辺から、これに対向する他方の長手側辺に向かう方向をいう。両側辺と直交する向きや、一方の側辺に対して傾斜し又は両側辺に対して傾斜する向きが含まれる。
また、前記構成の冷却塔の散水槽において、散水箱の水流出口近傍と散水槽の中央近傍とにそれぞれ帯状突起が1つ以上設けられた構成を有することを特徴とする。
散水槽の底面に帯状突起が設けられている場合に、散水箱から供給される循環水の流速や流量によって、帯状突起を越えるときに水流が飛んだり、帯状突起を越えた後でも水流が速かったりするときは、帯状突起の後側、つまり下流側の部分で水位が低くなる。前記のように、散水槽の底面の中央近傍にも帯状突起を設置することで、散水箱の水流出口近傍に設置した帯状突起の下流側で発生する水位の低下を抑制することが可能である。
また、散水槽の底面の中央近傍に少なくとも一つの帯状突起を設けることにより、SMC成型などの成型方法で散水槽を成形する場合に、脱型後の製品の反りを抑えて、その後の組み立て時の不具合を防ぐ効果を得ることが可能である。後述のように、成型シミュレーションを実施したところ、散水槽の底面の中央近傍に少なくとも一つの帯状突起を設けた際には5%程度、中央近傍と散水箱の水流出口近傍に一つずつ設けた際には10%程度の反り抑制効果が得られた。
なお、SMC成型品の反りを抑制する効果や、使用時の水圧による変形を抑える目的で、散水槽の底面の両端部のうちの一方の端部近傍又は両方の端部近傍にも、一つ以上の帯状突起を設けてもよい。
前記構成の冷却塔の散水槽において、散水槽深さに対する帯状突起の高さの割合が、約8〜25%であることを特徴する。
前記散水槽深さとは、散水槽の底面に散水用の穴がないときに、散水槽内に貯水しうる水位のことをいう。
散水槽深さに対する、散水槽の底面からの帯状突起の高さが8%より低いと散水箱からの水流の勢いを弱める効果が小さく、水位の平準化効果が十分に得られない。また、帯状突起が低すぎる(小さすぎる)場合には、SMC成型品の反りを抑える効果も小さくなる。
他方、散水槽深さに対する、散水槽の底面からの帯状突起の高さが25%より高いと、水流を堰き止める作用が大きくなって、散水槽の長手方向への水流の供給が滞り、逆に散水箱近傍の水位が高くなってしまう。また、帯状突起が高すぎる(大きすぎる)場合には、SMC成型においても、ショートショットなどの成形不良が生じやくなるデメリットがある。
よって、散水槽の底面に配置する帯状突起は、散水槽深さに対する帯状突起の高さの割合が前記範囲内に設定されていることが好ましい。
また、前記構成の冷却塔の散水槽において、帯状突起の長さは散水槽の幅よりも短く、且つ、当該帯状突起は、散水槽の底面の幅方向中央部に配置される構成を有することが好ましい。
これによれば、帯状突起は、散水槽の幅よりも短く、一つの帯状突起が散水槽の全幅に亘るようには設置されていないので、散水箱から供給される水量が少ない場合でも、散水槽の長手方向に沿う底面全体に水流を供給することができる。また、散水箱からの水流の速度が速い部分である、散水槽の底面の幅方向中央部分に帯状突起を配置することで、この中央部分の水位が低下することを防ぐことができる。
散水槽の底面の幅方向の中央部に帯状突起を一つ配置して、帯状突起の両端に流路が確保されるようにした構造でもよいが、帯状突起を散水槽の幅方向に沿って分割し、分割した帯状突起の間に水路を確保した構造でもよい。帯状突起を分割した場合でも、水流に流れが速い底面の中央部分には帯状突起が配置してあることが好ましい。
散水槽の底面の幅方向に対する帯状突起の被覆率(長さ)は、前記底面の全幅の50〜85%であることが好ましい。
本発明の冷却塔の散水槽によれば、散水槽の底面に帯状突起を設けることにより、充填材への均一な散水の実現と、散水槽成形の際の反り抑制を両立させることが可能である。
また、散水槽の底面に帯状突起を設けることで、製品を肉厚にすることなく、使用時、つまり散水槽内に循環水が溜まったときの変形量を小さくすることが可能であり、肉厚にする必要がないことから、原料費用を抑えるメリットも得ることが可能である。
本発明の一実施形態の散水槽の概略構成を示す断面図(A)と平面図(B)である。 実施例9の散水槽の概略平面図である。 実施例10の散水槽の概略平面図である。 実施例と比較例の運転時の水位をシミュレーションした結果を示す表である。 実施例1と2の散水槽内の水位をシミュレーションした結果を表した図である。 実施例3と6の散水槽内の水位をシミュレーションした結果を表した図である。 比較例1,2及び3の散水槽内の水位をシミュレーションした結果を表した図である。 実施例と比較例の散水槽内の水位の状態を表したシミュレーション画像である。 実施例と比較例の成形時の反りの発生をシミュレーションした結果を示す表である。 冷却塔の散水槽の設置状態を示した図である。 図10の散水槽の概略構成を示した図である。
本発明の冷却塔の散水槽の好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明の一実施形態の冷却塔の散水槽の概略構成を示しており、図中、符番1は散水槽、2は散水箱である。
図示した本発明の散水槽1は、底面1aの周囲を適宜な高さの周壁で囲って平面視略矩形のトレー形に形成されており、前記図10及び図11に示した散水槽と同様に、底面1a全体に多数の散水孔(図示せず)が均等に配置して形成され、この散水孔を通して散水箱2から供給される循環水を下方の充填材に散布する構造のものである。そして、前記底面1a内の散水箱2の水流出口近傍から散水槽1の中央近傍の範囲の何れかの位置に、底面1aを横断する方向に伸びた帯状突起3を少なくとも一つ設けた構成を有するものである。
同図では、散水箱2の水流出口近傍に配置した帯状突起3aを実線で記載してある。
以下、散水槽1内で散水箱2から供給される水流の水位を制御するために、図1中で実線と破線で示されるように、散水槽1の底面1aの適宜な位置に帯状突起1a,1b,1c,1d,1eを設置した場合の実施例と比較例を通じて本発明を詳述する。
なお、同図(A)中の符号「I」、「II」、「III」は、散水槽1の底面1aに設ける帯状突起3の形成領域であり、「I」は散水箱2の水流出口から散水槽の長手方向の中央近傍の範囲、「III」は散水箱2内の範囲、「II」は「I」、「III」以外の範囲の領域をさす。
〔実施例1〕
図1に示されるように、散水箱2の水流出口近傍の底面1aに帯状突起3aを配置した散水槽1を構成した。帯状突起3aの設置位置は領域I内である。
散水槽1の底面1aの周囲を囲う周壁の高さは117mm、底面1aの短手方向の幅は583.6mmに設定した。
帯状突起3aは、その高さを17mm、長さを480mmに設定し、その長手方向中央を前記底面1aの短手方向の中央に合わせて、散水槽1の長手両側辺と直交する向きに配置した。底面1aの短手幅寸法に対する帯状突起の長さの被覆率は82%である。
〔実施例2〕
図1に示されるように、散水槽1の長手方向の中央部近傍の底面1aに帯状突起3bを配置した散水槽1を構成した。帯状突起3bの設置位置は領域I内である。帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
〔実施例3〕
図1に示されるように、散水箱2の水流出口近傍と、散水槽1の長手方向の中央部近傍の底面1aに帯状突起3a,3bを配置した散水槽1を構成した。帯状突起3a,3bの設置位置は領域I内である。両帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
〔実施例4〕
図1に示されるように、散水箱2の水流出口近傍と、散水槽1の最上流側となる端部近傍の底面1aに帯状突起3a,3cを配置した散水槽1を構成した。帯状突起3aの設置位置は領域I、帯状突起3cの設置位置は領域IIである。両帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
〔実施例5〕
図1に示されるように、散水槽1の長手方向の中央部近傍と、散水槽1の最下流側となる端部近傍の底面1aに、帯状突起3b,3dを配置した散水槽1を構成した。帯状突起3bの設置位置は領域I、帯状突起3dの設置位置は領域IIである。両帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
〔実施例6〕
図1に示されるように、散水箱2の水流出口近傍と、散水槽1の長手方向の中央部近傍と、散水槽1の長手方向両端部近傍との底面1aに、帯状突起3a,3b,3c,3dを配置した散水槽1を構成した。帯状突起3a,3bの設置位置は領域I、帯状突起3c,3dの設置位置は領域IIである。各帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
〔実施例7〕
帯状突起3a,3b,3c,3dの高さを8mmに設定する以外、実施例6と同様にして、散水槽1を構成した。
〔実施例8〕
帯状突起3a,3b,3c,3dの高さを30mmに設定する以外、実施例6と同様にして、散水槽1を構成した。
〔実施例9〕
図2に示されるように、散水箱2の水流出口近傍と、散水槽1の長手方向の中央部近傍と、散水槽1の長手方向両端部近傍の底面1aに、長さ方向に2分割した帯状突起3a,3b,3c,3dを配置した散水槽1を構成した。
各帯状突起は、長さ225.5mmの二本の突起により構成し、散水槽1の短手幅方向に沿って分割された二本の突起の両側に均等な隙間を開くように配置した。2分割した帯状突起の合計長さは451mmであり、底面1aの短手幅寸法に対する帯状突起の長さの被覆率は77%である。
各帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
〔実施例10〕
図3に示されるように、散水箱2の水流出口近傍と、散水槽1の長手方向の中央部近傍と、散水槽1の長手方向両端部近傍の底面1aに、長さ方向に3分割した帯状突起3a,3b,3c,3dを配置した散水槽1を構成した。
各帯状突起は、前記底面1aの中央部に配置されたものの長さを237.6mm、これの両側に配置されたものの長さを112.6mmに設定し、散水槽1の短手幅方向に沿って分割された三本の突起の両側に均等な隙間が開くように配置した。3分割した帯状突起の合計長さは462.8mmであり、底面1aの短手幅寸法に対する帯状突起の長さの被覆率は79%である。
各帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
〔比較例1〕
図1に示される散水槽1と同じ寸法で、底面1aに帯状突起3が設置されていない散水槽1を構成した。
〔比較例2〕
図1に示されるように、散水箱2内の底面1aに帯状突起3eを配置した散水槽1を構成した。帯状突起3eの設置位置は領域IIIである。帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
〔比較例3〕
図1に示されるように、散水槽1の最下流側となる端部近傍の底面1aに、帯状突起3dを配置した散水槽1を構成した。帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
実施例1から10の散水槽1と、比較例1から3の散水槽1について、散水箱2に備えたパイプから一定の流量で循環水を散水箱2内に供給する流体シミュレーションを行った。
十分に定常状態となった30秒後の、散水槽1の短手幅方向の水深を平均した値を、底面1a上で散水槽1の長手方向(水流流れ方向)に5mm間隔で出力して、散水槽1の長手方向の平均と標準偏差を求めた。その結果を図4中の表に示す。
また、散水箱2から循環水の流出を開始してから約30秒後の散水槽1内の水位の状態を解析した。
散水箱2の水流出口から散水槽1の端部までの距離と水位の状態をグラフ形式で示した図を、実施例1,2については図5に、実施例3,6については図6に、比較例1,2及び3は図7にそれぞれ示す。
同じく散水箱2に循環水を供給し、十分に定常状態となった30秒後の散水槽1内の水位の状態をシミュレーションした画像を図8に示す。同図は、実施例1,3,6及び比較例1,2のシミュレーション画像である。
前記シミュレーション結果によれば、実施例1、2より、散水箱2の水流出口近傍に帯状突起3aが設置してあれば、散水箱2からの水の走りを抑制して、散水箱2の近傍の水位の低下の防止に効果があることが確認することができた。
一方、比較例2から、散水箱2の内部に帯状突起3eを設けても、その効果は得られず、比較例3から、散水箱2から距離が離れた散水槽1の端部に一つだけ帯状突起3dを設置した場合にも効果が得られないことが確認された。
また、実施例3により、散水槽2の中央近傍にも帯状突起3bを設置することで、散水箱2の水流出口近傍の帯状突起3aの下流側で発生する水位低下を抑制可能であることを確認することができた。
帯状高さ3の高さは、実施例1から6のように、その深さの8〜25%の範囲である17mmに帯状突起3の高さを設定することで、水流の勢いを適切に緩めて水位を平均化する効果をより一層得られることが確認できた。
また、実施例9と10のように、帯状突起3を散水槽1の幅方向に分割して配置してもよく、その場合に、流れが速い散水槽1の幅方向中央部分に帯状突起3が配置されるのが好ましいことを確認することができた。
〔実施例11〕
実施例6で構成した散水槽1を用い、これに散水箱2から流出する水量が実施例6のときと半分の場合をシミュレーションした。
〔実施例12〕
図1に示されるように、散水箱2の水流出口近傍と、散水槽1の長手方向の中央部近傍と、散水槽1の長手方向両端部近傍との底面1aに、底面1aの短手幅全体に亘る長さで帯状突起3a,3b,3c,3dを配置した散水槽1を構成した。底面1aの短手幅寸法に対する帯状突起の長さの被覆率は100%である。帯状突起の配置以外は実施例1と同じである。
実施例12の散水槽1についても、実施例11と同様に水量が半分の場合をシミュレーションした。
その結果を前記図4中の表に示す。
実施例11と実施例12の水位の標準偏差を比較した結果から、帯状突起3の両側に水路となる隙間が確保されている方が、水位が均一になることが確認することができる。
前記各実施例と比較例について、水位の標準偏差から、散水槽1内の水位を均等にする効果があるか否かを評価した(水量の均一性評価)。図4の表中に、標準偏差8未満のものはAA、標準偏差7以上10未満のものはA、標準偏差10以上12未満のものはB、標準偏差12以上はCを付してランク付けした。
次に、散水槽1の底面1aに帯状突起3を配置することで、成形時の反りの発生を抑止することができるか、前記実施例と比較例の散水槽1について成型シミュレーションした結果を説明する。
共通の解析条件は以下のとおりである。
・材料:GF−SMC
・成形時間:400秒
・初期材料温度:25℃
・金型温度:150℃
・型締め荷重:1000t
前記解析条件のもと、実施例2,3,6,7,8と比較例1,3の散水槽1を成形した際の反りの発生をシミュレーションにより、幅方向の変位と上下方向の変位について、それぞれ最大値と最小値の差を求めた。
その結果を図9中の表に示す。
前記値について、リブを設けない比較例1に対して10%以上改善したものはA、5%以上10%未満改善したものはB、5%未満の改善、及び、比較例1よりも悪化したものはCを付してランク付けし、前記表中に記した。
前記シミュレーション結果によれば、実施例2のように、散水槽1の中央近傍に帯状突起3bを設けることにより、SMC成型などの成型方法をとる場合に、脱型後の製品の反りを抑えて、その後の組み立て時の不具合を防ぐ効果も期待できることが確認された。
また、幅方向変位のシミュレーション結果に着目すると、リブがない比較例1と比較して、実施例2のように散水槽1の中央近傍に帯状突起3bを設けた際には5%程度、実施例3に示すようにさらに散水箱2の水流出口近傍に帯状突起3aを設けた際には10%程度の反り抑制効果が得られた。一方、比較例3のように散水槽1の端部近傍のみ帯状突起3dを設けた場合には、これらの効果は得られなかった。
実施例6や7のように、散水槽1の端部近傍に帯状突起3c,3dを設けることで、SMC成型品の反りを抑制する効果が得られ、また、使用時の水圧による変形を抑えることに有効である。
実施例6や7のように、実施例3のリブ構成に、散水槽1の端部近傍に帯状突起3c,3dを追加で設けてもよい。この場合、成形時の反りの抑制以外にも、使用時の水圧による変形を抑える効果を期待できる。
なお、実施例8のように、帯状突起3の高さを高くしてもSMC成型品の反りを抑える効果があるが、高すぎる場合には、SMC成型においてもショートショットなどの成形不良を生じやすいなどのデメリットが生じると推察される。
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態のものや実施例で示したものに限定されないことは言うまでもない。前記各実施例は一例であり、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1 散水槽、1a 底面、2 散水箱、3,3a〜3e 帯状突起

Claims (5)

  1. 散水槽の底面であって散水箱の水流出口近傍から当該散水槽の中央近傍の範囲の何れかの位置に、当該底面を横断する方向に伸びた帯状突起が少なくとも一つ設けられた構成を有することを特徴とする冷却塔の散水槽。
  2. 散水箱の水流出口近傍と散水槽の中央近傍とにそれぞれ帯状突起が1つ以上設けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の散水槽。
  3. 散水槽深さに対する帯状突起の高さの割合が、約8〜25%であることを特徴する請求項1又は2に記載の冷却塔の散水槽。
  4. 帯状突起の長さは散水槽の幅よりも短く、且つ、当該帯状突起は、散水槽の底面の幅方向中央部に配置されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の冷却塔の散水槽。
  5. 帯状突起の長さが、散水槽の底面の全幅の50〜85%であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の冷却塔の散水槽。
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