JP2021162104A - コイルばね装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本体ばねの下端部を、支持溝の内面に接着する際、まず、支持溝の内面に接着剤を載置し、次に、本体ばねの下端部を支持溝の内側に押込むことで、支持溝の内面上の接着剤を押し広げる。
以上より、前記間隔を流れる接着剤が、整流状態で支持溝の開口端縁に到達することが抑えられ、本体ばねの下端部と、支持溝の内面と、の間の接着層の外面に、支持溝の開口端縁の一部を、前記直交方向に跨いで露出させるウェルドラインが発生するのを抑制することができる。
したがって、本体ばねの下端部を、支持溝の内面に接着する際、支持溝の内面のうち、隣接スペーサ突起を挟む支持溝の開口端縁の反対側に載置した接着剤が、本体ばねの下端部を形成する線材の外周面と、支持溝の内面と、の間を、支持溝の開口端縁に向けて流れる過程において、隣接スペーサ突起により分岐させられて生じた2つの分岐流のうち、いずれか一方の分岐流が、いずれか他方の分岐流を、合流時に例えば分断するように、2つの分岐流を互いに干渉させて勢いを弱めること等が可能になる。これにより、2つの分岐流が、合流して整流状態で支持溝の開口端縁に到達することが抑えられ、本体ばねの下端部と、支持溝の内面と、の間の接着層の外面に、支持溝の開口端縁の一部を、前記直交方向に跨いで露出させるウェルドラインが発生するのを抑制することができる。
コイルばね装置1は、線材Wがコイル軸O回りに螺旋状に上下方向に延びる本体ばね11と、本体ばね11の下端部を、この本体ばね11の下方から支持するインシュレータ12と、を備えている。コイルばね装置1は、例えば、本体ばね11の内側に挿通されるショックアブソーバ、およびショックアブソーバの上端部に装着されたストラットマウント等を有するサスペンション装置に装着されて用いられる。
なお、支持溝13として、例えば、周方向の両側に向けて開口した構成、若しくは径方向の外側が閉塞された構成等を採用してもよい。
外周縁21は、内周縁22より下方に位置している。一端縁23は、周方向の一方側から見て、線材Wの外周面に沿って湾曲した凹曲線状を呈する。
複数のスペーサ突起14、15は、支持溝13の内面に、周方向に間隔をあけて設けられるとともに、径方向に間隔をあけて設けられている。複数のスペーサ突起14、15は、支持溝13の内面における全域にわたって設けられている。支持溝13の内面と、線材Wの外周面と、の間の隙間に占めるスペーサ突起14、15の体積の割合は10%を超え、接着層16の体積の割合は90%未満となっている。
図示の例では、前記延在方向は、周方向と一致している。
図示の例では、前記直交方向は、径方向と一致している。
隣接スペーサ突起14は、前記平面視において、前壁面14cが上底をなし、一対の側壁面14a、14bが脚をなす台形状を呈する。前記平面視において、各隣接スペーサ突起14における一対の側壁面14a、14bのうちのいずれか一方の側壁面14aは、支持溝13の外周縁21側に向かうに従い、いずれか他方の側壁面14bに近付く向きに延び、いずれか他方の側壁面14bは、支持溝13の外周縁21側に向かうに従い、いずれか一方の側壁面14aから離れる向きに延びている。
なお、各隣接スペーサ突起14における一対の側壁面14a、14bは、前記平面視で、支持溝13の外周縁21側に向かうに従い、互いに周方向に近付く向きに延びてもよい。
したがって、本体ばね11の下端部を、支持溝13の内面に接着する際、支持溝13の内面のうち、隣接スペーサ突起14を挟む支持溝13の外周縁21の反対側に載置した接着剤が、前記間隔Aを通過しつつ支持溝13の外周縁21に向けて流れる過程において、この間隔Aを画成する一方の側壁面14a側と他方の側壁面14b側とで、例えば流れの向き、若しくは速さを異ならせること等が可能になる。
これにより、前記間隔Aを流れる接着剤が、整流状態で支持溝13の外周縁21に到達することが抑えられ、本体ばね11の下端部と、支持溝13の内面と、の間の接着層16の外面に、前述のウェルドラインが発生するのを抑制することができる。
したがって、本体ばね11の下端部を、支持溝13の内面に接着する際に、前述のように隣接スペーサ突起14により分岐させられて生じた2つの接着剤の分岐流を、支持溝13の外周縁21から流動方向の後方に離れた位置で合流させることが可能になり、これらの2つの分岐流が支持溝13の外周縁21に到達したときの勢いが抑えられ、接着層16の外面に、前述のウェルドラインが発生するのを確実に抑制することができる。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、前記平面視において、この交点P2を支持溝13の外側に位置させてもよいし、前記交点P1から離して位置させてもよい。また、前記平面視において、前記間隔Aを介して周方向で互いに隣り合う各側壁面14a、14bの、径方向に対する各傾斜角度θ1、θ2を、互いに異ならせてもよい。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
前記平面視において、各隣接スペーサ突起14における一対の側壁面14a、14bの、径方向に対する各傾斜角度θ1、θ2が、互いに同じになっている。図示の例では、隣接スペーサ突起14は、前記平面視で平行四辺形状を呈する。
なお、隣接スペーサ突起14の前記平面視形状は、平行四辺形状に限らず適宜変更してもよく、また、前記平面視において、各隣接スペーサ突起14における一対の側壁面14a、14bの、径方向に対する各傾斜角度θ1、θ2を、互いに異ならせてもよい。
したがって、本体ばね11の下端部を、支持溝13の内面に接着する際、支持溝13の内面上の接着剤が、前記間隔Aを通過しつつ支持溝13の外周縁21に向けて流れる過程において、前記間隔Aを画成する一方の側壁面14a側と他方の側壁面14b側とで、例えば流れの向き、若しくは速さを異ならせること等が可能になり、また、前記間隔Aが支持溝13の外周縁21側に向かうに従い狭くなっている場合には、一方の側壁面14aに沿って流れる一方の流れが、他方の側壁面14bに沿って流れる他方の流れを、合流時に例えば分断するように、2つの流れを互いに干渉させて勢いを弱めること等が可能になる。
以上より、前記間隔Aを流れる接着剤が、整流状態で支持溝13の外周縁21に到達することが抑えられ、接着層16の外面に、前述のウェルドラインが発生するのを抑制することができる。
隣接スペーサ突起14は、支持溝13の内面における径方向の全長にわたって設けられてもよい。
11 本体ばね
12 インシュレータ
13 支持溝
14 隣接スペーサ突起(スペーサ突起)
14a、14b 側壁面
14c 前壁面
21 外周縁(開口端縁)
A 間隔
L1、L2 延長線
O コイル軸
P1、P2 交点
W 線材
θ1、θ2 傾斜角度
Claims (4)
- 線材がコイル軸回りに螺旋状に上下方向に延びる本体ばねと、
前記本体ばねの下端部を、この本体ばねの下方から支持するインシュレータと、を備え、
前記インシュレータに、コイル軸回りに延び、前記本体ばねの下端部が嵌合された支持溝が設けられ、
前記本体ばねの下端部は、前記支持溝の内面に接着され、
前記支持溝の内面には、前記線材の外周面を支持する複数のスペーサ突起が設けられ、
複数の前記スペーサ突起のうち、前記支持溝の開口端縁に隣接する隣接スペーサ突起は、
前記開口端縁に向けて延びる一対の側壁面を備えるとともに、
前記支持溝の内面のうち、前記開口端縁を含む部分の平面視において、前記開口端縁が延びる延在方向に間隔をあけて複数設けられ、
前記平面視において、前記間隔を介して前記延在方向で互いに隣り合う各前記側壁面の、前記開口端縁に直交する直交方向に対する各傾斜角度が、互いに異なっている、コイルばね装置。 - 前記延在方向で互いに隣り合う2つの前記隣接スペーサ突起のうちの少なくとも1つは、前記延在方向に沿う幅が、前記開口端縁側に向かうに従い狭くなり、かつ前記平面視において、一対の前記側壁面の、前記直交方向に対する各傾斜角度が、互いに異なるように形成されている、請求項1に記載のコイルばね装置。
- 前記延在方向で互いに隣り合う2つの前記隣接スペーサ突起のうちの少なくとも1つは、前記延在方向に沿う幅が、前記開口端縁側に向かうに従い狭くなるとともに、一対の前記側壁面における前記開口端縁側の端部同士を連結して前記開口端縁側を向く前壁面を備え、かつ前記平面視において、一対の前記側壁面における各延長線の交点が、前記支持溝の内面上に位置するように形成されている、請求項1または2に記載のコイルばね装置。
- 前記延在方向で互いに隣り合う2つの前記間隔のうちの少なくとも1つは、前記開口端縁側に向かうに従い狭くなり、
前記平面視において、この間隔を介して前記延在方向で互いに隣り合う各前記側壁面における各延長線の交点は、前記支持溝の内面上に位置している、請求項1から3のいずれか1項に記載のコイルばね装置。
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