JP2021161853A - 堤防保護体 - Google Patents

Abstract

【課題】河川堤防の崩壊を防護する堤防保護体において保護体の設置作業の作業安全性、迅速性を更に高めることが課題である。【解決手段】本発明による堤防保護体は、遮水性あるシートより成るおよそ長方形の敷き布と、敷き布の各端部に土のう等の重量物を収納できるポケットを設置し、土のうの土類挿入は設置現場から離れた安全な場所で行う。【選択図】図１

Description

本発明は、河川堤防の崩壊を防ぐ、堤防保護体に関するものである。

異常気象などで、河川堤防の水面が想定以上に上昇し、越流水の発生や堤体部分の欠落、堤体内部への浸水などによる破壊が発生して災害を惹き起こす。殊にその破壊は、堤防の表法面、即ち河川の流域側斜面の破壊だけではなく、堤防の裏面、即ち居住地や農地の存在する側の堤体破壊にも及び、洪水となり、災害を一層過酷なものにしている。
これら河川堤防の崩壊を防ぐ目的で、古来よりより蓆張り工法が知られている。この工法は堤防法面にむしろを敷きつめ、敷きつめられたむしろの表面に置石・土のうなどの重量物を並べ押さえて、むしろの流失、散逸を抑え堤体損傷を防ぐ工法である。更に近年では入手の困難となったむしろに代えて防水シートなどを用いたシート張り工法も行われている。

これらの工法は、豪雨などにより予期せぬ異常増水となった場合に、緊急処置として悪天候下でも寸時を争い実施することが多く、短時間に作業者の安全を確保しつつ実施することが求められる。従来工法は、敷き布の散逸を防ぐための重量物を敷き布に設置固定させる過程の迅速性作業者の安全性の確保に更なる改良の余地があり課題となっている。また堤防の表側法面の保護はもちろん裏面の保護にも用いることできのできる工法と保護体が期待される。

本発明は、上記課題解決のために、新しい堤防保護体を提供するものである。本発明による堤防保護体は、遮水性合成樹脂膜により保護されている合成繊維織布シートで構成されているおよそ長方形の敷き布と、該敷き布の左右下辺など敷き布端部に、複数のポケットを有している。これらポケットは可撓性、透水性ある織布などで構成されており、敷き布の端部巻き上がりを抑える土のうなどの重量物を収納保持することができ、該ポケットに収納される重量物によって敷き布の端部が水流などにより巻き上がることを押さえている。

本発明による堤防保護体を、異常増水時に堤防斜面に展張して水流による堤体の欠落、堤体内部への浸水を防護することによって、敷き布により堤体表面は保護され、また堤体裏面においては越流水が円滑に裏面敷き布上を流下し 堤体を損傷させることは少なくなる。また保護体を形成するための土のうなどの重量物は堤防の保護体設置場所から離れた比較的安全な場所で作成し、設置する堤防での作業は土のうなどの重量物を運搬してポケット内に挿入するだけの作業となり、作業者の安全性は向上され危険が軽減される。

本発明に係る堤防保護体の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る堤防保護体の表側法面への実施形態を示す断面図である。 本発明に係る堤防保護体の表側法面及び裏側面への実施形態を示す断面図である。

本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図１に本発明に係る堤防保護体の実施形態の全体を示す。図１において１は堤防保護体の基布である敷き布を示す。敷き布は遮水性合成樹脂膜により保護されている合成繊維織布シートより成る。敷き布を構成する合成繊維織布は、高強度のうえ長期間連続加重されてもクリープ性に優れ変形の少ない繊維を塩化ビニール樹脂で被覆したものが適している。
ポケットの材質は、多孔質で通気・透水性の良いものが適しているが、収納する土のうなどの形状、柔軟性に応じた材質が適当と思われる。

１ 敷き布
２ ポケット
３ 堤防表側法面の堤防保護体
４ 堤体
５ 堤防表側法面
６ 堤防裏側面

Claims (1)

1. 可撓性及び遮水性を有するシートよりなる、およそ長方形の敷き布と、該敷き布の端部に合成繊維より成る、土のう等の重量物を収納するることのできる複数個のポケットが設けられていて、それぞれのポケットには、前記土のう等の重量物を出し入れ可能な開口部を有していることを特徴とする堤防保護体。

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