JP2021161259A - エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途 - Google Patents

エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、射出成形性が良好で、エンジンオイルバリア性に優れる成形体を提供し得るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を得ることにある。【解決手段】本発明は、エチレン(a1)、α−オレフィン(a2)および非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位として含む、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)、当該共重合体(A)100質量部に対して、カーボンブラック(C)を20〜300質量部、脂肪酸アミド(D)を0.1〜10質量部、無機充填剤(重質炭酸カルシウム)(E)を10〜300質量部、および有機過酸化物(F)0.2〜30質量部の範囲で含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途に係る。【選択図】なし

Description

本発明はエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物に関し、さらに詳しくは、射出成形性が良好で、エンジンオイルバリア性に優れる成形体を提供し得るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途に関する。
熱可塑性エラストマーの一種であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と結晶性オレフィン重合体との組成物を架橋してなるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、軽量でリサイクルが容易なことから、省エネルギー、省資源タイプの熱可塑性エラストマーとして、特に加硫ゴムの代替として、自動車用の、ホース、パイプおよびブーツ(ブロー成形品)などの自動車部品等に広く使用されている(たとえば、特許文献1および2)。
しかしながら、これらの自動車部品では、燃費改善のため常に軽量化を求められているが、用いられている熱可塑性エラストマーはフィラーを多く含有するため、比重が大きくなりがちであり、部品軽量化を阻害していた。また、これらの自動車部品は、潤滑油やグリースなどと接触する箇所に用いられるが、一般的に、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、パラフィン系のプロセスオイルに対して耐油性が低いため、オレフィン系熱可塑性エラストマーを含んで得られるこれらの自動車部品においても、耐油性が低く、更なる改良が求められている。
特開2001−294714号公報 特開2011−202136号公報
本発明の目的は、射出成形性が良好で、エンジンオイルバリア性に優れる成形体を提供し得るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を得ることにある。
本発明は、エチレン(a1)、α−オレフィン(a2)および非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位として含む、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)、当該共重合体(A)100質量部に対して、カーボンブラック(C)を20〜300質量部、脂肪酸アミド(D)を0.1〜10質量部、無機充填剤(重質炭酸カルシウム)(E)を10〜300質量部、および有機過酸化物(F)0.2〜30質量部の範囲で含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途に係る。
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物は、射出成形性が良好であり、当該組成物を成形して得られる架橋成形体は、エンジンオイルバリア性に優れるので自動車部品をはじめ多様な用途に用い得る。
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)》
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を構成する共重合体の一つであるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)〔以下、「共重合体(A)」と呼称する場合がある。〕は、エチレン(a1)、α−オレフィン(a2)および非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体である。
共重合体(A)を構成するα−オレフィン(a2)は、通常炭素数が3〜20のα−オレフィンであり、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数3〜8のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。このようなα−オレフィンは、原料コストが比較的安価であり、得られる共重合体(A)が優れた機械的性質を示し、さらにゴム弾性を持った成形体を得ることができるため好ましい。
本発明に係る共重合体(A)を構成するα−オレフィン(a2)は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。すなわち、上記共重合体(A)は、少なくとも1種の炭素原子数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の炭素原子数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
本発明に係る共重合体(A)を構成する非共役ポリエン(a3)は、非共役不飽和結合を2個以上有する化合物であれば特に制限されないが、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエンが好ましい。
Figure 2021161259
上記非共役ポリエン(a3)としては、具体的には、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、ノルボルナジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらのうちでは、入手容易性が高く、重合後の架橋反応時に過酸化物との反応性が良好で、重合体組成物の耐熱性が向上しやすいことから、非共役ポリエン(a3)がVNBを含むことが好ましく、非共役ポリエン(a3)がVNBであることがより好ましい。非共役ポリエン(a3)は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明に係る共重合体(A)は、上記(a1)、(a2)、(a3)に由来する構造単位に加えて、さらに上記般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(a4)に由来する構成単位を有していてもよい。
上記非共役ポリエン(a4)としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなどが挙げられる。これらのうちでは、入手容易性が高く、重合後の架橋反応時に硫黄や加硫促進剤との反応性が高く、架橋速度を制御しやすく、良好な機械物性が得られやすいことからENBが好ましい。非共役ポリエン(a4)は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明に係る共重合体(A)が、上記非共役ポリエン(a4)に由来する構成単位を含む場合、その割合は本発明の目的を損なわない範囲において特に限定されるものではないが、通常、0〜20重量%、好ましくは0〜8重量%、より好ましくは0.01〜8重量%程度の重量分率で含む(ただし、(a1)、(a2)、(a3)、(a4)の重量分率の合計を100重量%とする)。
本発明に係る共重合体(A)は、下記(i)〜(v)の要件(以下、それぞれ要件(i)〜(v)とも記す。)を満たすことが好ましい。
(i)エチレン(a1)/α−オレフィン(a2)のモル比が40/60〜99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量%中、0.07重量%〜10重量%である。
(iii)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(a3)の重量分率/100/(a3)の分子量≦40・・・(1)
(iv)レオメーターを用いた線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]2.9)≦(a3)の重量分率×6・・・・(2)
(v)3D−GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
LCB1000C≦1−0.07×Ln(Mw)・・・・(3)
≪要件(i)≫
要件(i)は、上記共重合体(A)中のエチレン(a1)/α−オレフィン(a2)のモル比が40/60〜99.9/0.1を満たすことを特定するものであり、このモル比は、好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは55/45〜85/15、さらに好ましくは55/45〜78/22である。
要件(i)を満たす共重合体(A)を用いることにより、ゴム弾性、機械的強度および柔軟性に優れた共重合体組成物を得ることができる。なお、共重合体(A)中のエチレン量(エチレン(a1)に由来する構成単位の含量)およびα−オレフィン量(α−オレフィン(a2)に由来する構成単位の含量)は、13C−NMRにより求めることができる。
≪要件(ii)≫
要件(ii)は、本発明に係る共重合体(A)中において、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率が、共重合体(A)100重量%中(すなわち全構成単位の重量分率の合計100重量%中)、0.07重量%〜10重量%の範囲であることを特定するものである。この非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率は、好ましくは0.1重量%〜8.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜5.0重量%である。
要件(ii)を満たす共重合体(A)は、充分な硬度を有し、機械特性に優れたものとなり、また、過酸化物を用いて架橋した場合、速い架橋速度を示すものとなる。なお、共重合体(A)中の非共役ポリエン(a3)量(非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の含量)は、13C−NMRにより求めることができる。
≪要件(iii)≫
要件(iii)は、本発明に係る共重合体(A)において、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、共重合体(A)中における非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率:重量%)と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、上記式(1)を満たすことを特定するものである。要件(iii)の上記式(1)は、下記式(1')であることが好ましい。
4.5≦Mw×(a3)の重量分率/100/(a3)の分子量≦35・・・・(1')
本発明に係る共重合体(A)が、要件(iii)を満たすことにより、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の含有量が適切であり、十分な架橋性能を示し、架橋速度に優れるとともに、優れた機械特性を示す成型体を製造することができる。なお、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値として求めることができる。
本発明に係る共重合体(A)において、「Mw×(a3)の重量分率/100/(a3)の分子量」が上記式(1)又は(1')を満たす場合、架橋程度が適切となり、機械的物性と耐熱老化性とがバランスよく優れた成型体を製造することができる。「Mw×(a3)の重量分率/100/(a3)の分子量」の値が低すぎると、架橋性が不足して架橋速度が遅くなることなることがあり、また該値が高すぎると、過度に架橋が生じて機械的物性が悪化することがある。
≪要件(iv)≫
要件(iv)は、上記共重合体(A)の、レオメーターを用いた線形粘弾性測定(190℃)により得られる、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率:重量%)とが、上記式(2)を満たすことを特定するものである。要件(iv)の上記式(2)は、下記式(2')であることが好ましい。
P/([η]2.9)≦(a3)の重量分率×5.7・・・・(2')
ここで、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))は、粘度の周波数依存性を表すものであって、式(2)の左辺にあたるP/([η]2.9)は、短鎖分岐や分子量などの影響はあるものの、長鎖分岐が多い場合に高い値を示す傾向がある。一般に、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体では、非共役ポリエンに由来する構成単位を多く含むほど、長鎖分岐を多く含む傾向があるが、本発明の共重合体(A)は、従来公知のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体よりも長鎖分岐が少ないことにより、上記式(2)を満たすことができると考えられる。
本発明において、P値は、粘弾性測定装置Ares(Rheometric Scientific社製)を用い、190℃、歪み1.0%、周波数を変えた条件で測定を行って求めた、0.1rad/sでの複素粘度と、100rad/sでの複素粘度とから、比(η*比)を求めたものである。なお、極限粘度[η]は、135℃のデカリン中で測定された値を意味する。
≪要件(v)≫
要件(v)は、本発明に係る共重合体(A)の、3D−GPCを用いて得られた1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが、上記式(3)を満たすことを特定するものである。要件(v)の上記式(3)は、下記式(3')であることが好ましい。
LCB1000C≦1−0.071×Ln(Mw)・・・・(3')
上記式(3)又は(3')により、本発明に係る共重合体(A)の単位炭素数当たりの長鎖分岐含量の上限値が特定される。
本発明に係る共重合体(A)が要件(v)を満たすことにより、含まれる長鎖分岐の割合が少なく、過酸化物を用いて架橋を行う場合の硬化特性に優れるとともに、耐熱老化性に優れた成型体を得ることができる。
ここで、Mwと1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)は、3D−GPCを用いた構造解析法により求めることができる。本明細書においては、具体的には、次のようにして求めた。
3D-高温GPC装置PL-GPC220型(Polymer Laboratories社製)を用い、絶対分子量分布を求め、同時に粘度計で極限粘度を求めた。主な測定条件は以下の通り。
検出器:示差屈折率計/GPC装置内蔵
2角度光散乱光度計PD2040型(Precison Detectors社製)
ブリッジ型粘度計PL−BV400型(Polymer Laboratories社製)
カラム:TSKgel GMHHR-H(S)HT×2本+TSKgel GMHHR-M(S)×1本
(いずれも1本当たり内径7.8mmφ×長さ300mm)
温度:140℃
移動相:1,2,4-トリクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
注入量:0.5mL
試料濃度:ca 1.5mg/mL
試料濾過:孔径1.0μm焼結フィルターにて濾過
上記において、絶対分子量の決定に必要なdn/dc値は標準ポリスチレン(分子量190000)のdn/dc値0.053と単位注入質量あたりの示差屈折率計の応答強度より、試料ごとに決定した。
粘度計より得られた極限粘度と光散乱光度計より得られた絶対分子量の関係より溶出成分毎の長鎖分岐パラメーターg'iを下記式(v−1)から算出した。
Figure 2021161259
ここで、[η]=KMv;v=0.725の関係式を適用した。
また、g'として各平均値を下記式(v−2)、(v−3)、(v−4)から算出した。なお、短鎖分岐のみを有すると仮定したTrendlineは試料ごとに決定した。
Figure 2021161259
更にg'wを用いて、分子鎖あたりの分岐点数BrNo、炭素1000個あたりの長鎖分岐数LCB1000C、単位分子量あたりの分岐度λを算出した。BrNo算出はZimm-Stockmayerの下記式(v−5)、また、LCB1000Cとλの算出は下記式(v−6)、(v−7)を用いた。gは慣性半径Rgから求められる長鎖分岐パラメーターであり、極限粘度から求められるg'との間に次の単純な相関付けが行われている。式中のεは分子の形に応じて種々の値が提案されている。ここではε=1(すなわちg'=g)と仮定して計算を行った。
Figure 2021161259
λ=BrNo/M…(V−6)
LCB1000C=λ×14000…(V−7)
式(V−7)中、「14000」はメチレン(CH2)単位で1000個分の分子量を表す。
本発明に係る共重合体(A)の極限粘度[η]は、好ましくは0.1〜5dL/g、より好ましくは0.5〜5.0dL/g、さらに好ましくは0.9〜4.0dL/gである。
また、本発明に係る共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜600,000、より好ましくは30,000〜500,000、さらに好ましくは50,000〜400,000である。
本発明に係る共重合体(A)は、上記の極限粘度[η]および重量平均分子量(Mw)を兼ね備えて満たすことが好ましい。
本発明に係る共重合体(A)では、上述したように、非共役ポリエン(a3)がVNBを含むことが好ましく、VNBであることがより好ましい。すなわち、上述した式(1)、式(2)および後述する式(4)等において、「(a3)の重量分率」が「VNBの重量分率」(重量%)であることが好ましい。
本発明に係る共重合体(A)は、上述したように、上記(a1)、(a2)および(a3)に由来する構造単位に加えて、さらに、上記非共役ポリエン(a4)に由来する構成単位を、0重量%〜20重量%の重量分率(ただし、(a1)、(a2)、(a3)、(a4)の重量分率の合計を100重量%とする)で含むことも好ましい。この場合には、下記(vi)の要件を満たすことが好ましい。
≪要件(vi)≫
本発明に係る共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(a4)に由来する構成単位の重量分率((a4)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)と、非共役ポリエン(a4)の分子量((a4)の分子量)とが、下記式(4)を満たす。
4.5≦Mw×{((a3)の重量分率/100/(a3)の分子量)+((a4)の重量分率/100/(a4)の分子量)}≦45・・・・(4)
式(4)では、共重合体1分子中の非共役ジエン((a3)と(a4)の合計)の含量を特定している。
上記(a4)に由来する構造単位を含む共重合体(A)が式(4)を満たすことにより、機械物性および耐熱老化性に優れた成型体を得ることができる。
要件(vi)を満たさず、式(4)中の「Mw×{((a3)の重量分率/100/(a3)の分子量)+((a4)の重量分率/100/(a4)の分子量)}」の値が低すぎると、すなわち非共役ジエンの含量が少なすぎると、十分な架橋がなされず適切な機械物性が得られないことがあり、該値が高すぎると、すなわち非共役ジエンの含量が多すぎると、架橋が過剰となり機械物性が悪化することがあり、さらに耐熱老化性が悪化することもある。
≪要件(vii)≫
本発明に係る共重合体(A)は、特に限定されるものではないが、レオメーターを用いた線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.01rad/sでの複素粘度η* (ω=0.01)(Pa・sec)と、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η* (ω=10)(Pa・sec)と、非共役ポリエン(a3)に由来する見かけのヨウ素価とが、下記式(5)を満たすことが好ましい。
Log{η* (ω=0.01)}/Log{η* (ω=10)}≦0.0753×{非共役ポリエン(a3)に由来する見かけのヨウ素価}+1.42・・・・(5)
ここで、複素粘度η* (ω=0.01)および複素粘度η* (ω=10)は、要件(iv)における複素粘度η* (ω=0.1)および複素粘度η* (ω=100)と測定周波数以外は同様にして求められる。また、非共役ポリエン(a3)に由来する見かけのヨウ素価は、次式により求められる。
(a3)に由来する見かけのヨウ素価=(a3)の重量分率×253.81/(A3)の分子量
上記式(5)において、左辺は長鎖分岐量の指標となる剪断速度依存性を表し、右辺は重合時に長鎖分岐として消費されていない非共役ポリエン(a3)の含有量の指標を表す。上記共重合体(A)が上記式(5)を満たすと、長鎖分岐の程度が高すぎないため好ましい。一方、上記式(5)を満たさない場合、共重合した非共役ポリエン(a3)のうち、長鎖分岐の形成に消費された割合が多いこと分かる。
さらに、本発明に係る共重合体(A)は、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位を十分な量で含有することが好ましく、共重合体中における非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率(重量%))と、共重合体の重量平均分子量(Mw)とが、下記式(6)を満たすことがより好ましい。
6−0.45×Ln(Mw)≦(a3)の重量分率≦10・・・・(6)
また、本発明に係る共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の数(na3)が、好ましくは6個以上、より好ましくは6個以上40個以下、さらに好ましくは7個以上39個以下、特に好ましくは10個以上38個以下である。
本発明に係る共重合体(A)は、VNBなどの非共役ポリエン(a3)から導かれる構成単位を十分な量で含有し、かつ、長鎖分岐含有量が少なく、過酸化物を用いて架橋を行う場合の硬化特性に優れ、成形性がよく、機械的特性などの物性バランスに優れるとともに、特に耐熱老化性に優れる。
また、本発明に係る共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a4)に由来する構成単位の数(na4)が、好ましくは29個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは1個未満である。
このような共重合体(A)は、ENBなどの非共役ポリエン(a4)から導かれる構成単位の含有量が本発明の目的を損なわない範囲に抑制されており、後架橋を生じにくく、十分な耐熱老化性を有する。
ここで、本発明に係る共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の数(na3)または非共役ポリエン(a4)に由来する構成単位の数(na4)は、非共役ポリエン(a3)または(a4)の分子量と、共重合体中における非共役ポリエン(a3)または(a4)に由来する構成単位の重量分率((a3)または(a4)の重量分率(重量%))と、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)とから、下記式により求めることができる。
(na3)=(Mw)×{(a3)の重量分率/100}/非共役ポリエン(a3)の分子量
(na4)=(Mw)×{(a4)の重量分率/100}/非共役ポリエン(a4)の分子量
本発明に係る共重合体(A)において、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a3)および(a4)に由来するそれぞれの構成単位の数(na3)および(na4)が、いずれも上記の範囲を満たす場合、共重合体(A)は、長鎖分岐含有量が少なく、かつ、過酸化物を用いて架橋を行う場合の硬化特性に優れ、成形性がよく、機械的特性などの物性バランスに優れるとともに、後架橋を生じにくく特に耐熱老化性に優れたものとなるため好ましい。
≪エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の製造方法≫
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、エチレン(a1)と、α−オレフィン(a2)と、非共役ポリエン(a3)と、必要に応じて非共役ポリエン(a4)とからなるモノマーを共重合してなる共重合体である。
本発明に係わる上記共重合体(A)は、上記要件(i)〜(iv)を満たす限りにおいて、どのような製法で調製されてもよいが、メタロセン化合物の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることが好ましく、メタロセン化合物を含む触媒系の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることがより好ましい。
本発明に係わる上記共重合体(A)の具体的な製造方法としては、例えば、特開平2018−119096号公報、国際公開第2015/122495号パンフレット記載のメタロセン触媒を用いた製造方法を採用することにより製造することができる。
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)》
本発明の共重合体組成物には、上記共重合体(A)に加え、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)〔以下、「エチレン系共重合体(B)」と略称する場合がある。〕は、エチレン(b1)、α−オレフィン(b2)および非共役ポリエン(b3)をランダム共重合して得られるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体である。
エチレン系共重合体(B)を構成するα−オレフィン(b2)は、通常、上記本発明に係る共重合体(A)を構成するα−オレフィン(a2)と同じ炭素数3〜20のα−オレフィンであり、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数3〜8のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテンが好ましい。このようなα−オレフィンは、原料コストが比較的安価であり、得られる共重合体(B)が優れた機械的性質を示し、さらにゴム弾性を持った成形体を得ることができるため好ましい。
本発明に係る共重合体(B)を構成するα−オレフィン(b2)は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。すなわち、上記共重合体(B)は、少なくとも1種の炭素原子数3〜20のα−オレフィン(b2)に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の炭素原子数3〜20のα−オレフィン(b2)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
本発明に係る共重合体(B)を構成する非共役ポリエン(b3)は、本発明に係る共重合体(A)を構成する非共役ポリエン(a4)と同じ範疇の非共役不飽和結合を2個以上有する化合物であり、具体的には、上記一般式(I)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に一つ含む非共役ポリエンであり、具体的には、非共役ポリエン(b3)として、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなどが挙げられる。これらのうちでは、入手容易性が高く、重合後の架橋反応時に硫黄や加硫促進剤との反応性が高く、架橋速度を制御しやすく、良好な機械物性が得られやすいことからENBが好ましい。非共役ポリエン(b3)は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)は、エチレンとα−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン)が通常、40/60〜90/10、好ましくは50/50〜80/20、特に好ましくは55/45〜70/30の範囲にあるものが望ましい。
これらの非共役ポリエン(b3)は、単独または2種以上混合して用いられ、その共重合量は、ヨウ素価表示で1〜40、好ましくは2〜35、より好ましくは3〜30であることが望ましい。
これら非共役ポリエンの中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)は、135℃デカヒドロナフタレン中で測定した極限粘度〔η〕が好ましくは0.1〜5dL/g、より好ましくは0.5〜5.0dL/g、さらに好ましくは0.9〜4.0dL/gである。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)は、不飽和カルボン酸またはその誘導体、例えば酸無水物などがグラフト共重合した変性物であってもよい。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)としては、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体が最も好ましい。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。上記のような特性を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)は、「ポリマー製造プロセス((株)工業調査会発行、P.309〜330)」などに記載されているような公知の方法により調製することができる。
《カーボンブラック(C)》
本発明の共重合体組成物に含まれる成分の一つであるカーボンブラック(C)は、ゴム組成物に配合される公知のゴム補強剤の一種であり通常、カーボンブラックと呼称されている無機物である。
本発明に係わるカーボンブラック(C)としては、具体的には、旭#55G、旭#60G、旭#60UG(以上、旭カーボン(株)製)、シースト(V、SO、116、3、6、9、SP、TA等)のカーボンブラック(東海カーボン(株)製)、これらカーボンブラックをシランカップリング剤等で表面処理したものである。
《脂肪酸アミド(D)》
本発明の共重合体組成物に含まれる成分の一つである脂肪酸アミド(D)は、高級脂肪酸のアミドであり、具体的には、ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、エルカ酸アミド、ラウリルアミド、パルミチチルアミド、ベヘンアミド、メチロールアミド等の高級脂肪酸のモノアミド類;メチレン・ビス・ステアロアミド、エチレン・ビス・ステアロアミド、エチレン・ビス・オレイルアミド、エチレン・ビス・ラウリルアミド等の高級脂肪酸のジアミド類;ステアリルオレイルアミド、N-ステアリルエルクアミド、N-オレイルパルミトアミド等の高級脂肪酸の複合型アミド類;プラストロジンTM(藤沢薬品工業(株)製)、プラストロジンSTM(藤沢薬品工業(株)製)等の商品名で市販されている特殊脂肪酸などが挙げられる。
《無機充填剤(重質炭酸カルシウム)(E)》
本発明に係る無機充填剤の具体例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの1種類または2種類以上が使用され、これらのうちでは、「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム株式会社)等の重質炭酸カルシウムが好ましい。
《有機過酸化物(F)》
本発明に係る有機過酸化物(F)は、ジクミルペルオキシド(DCP)、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシドが挙げられる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物>
本発明の共重合体組成物は、上記共重合体(A)、当該共重合体(A)100質量部に対して、カーボンブラック(C)を20〜300質量部、好ましくは30〜300質量部、より好ましくは50〜250質量部、上記脂肪酸アミド(D)を0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜8質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、上記無機充填剤(重質炭酸カルシウム)(E)を10〜300質量部、好ましくは10〜250質量部、より好ましくは20〜200質量部、および上記有機過酸化物(F)0.2〜30質量部、好ましくは0.2〜25質量部、より好ましくは0.5〜20質量部の範囲で含む。
また、本発明の共重合体組成物は、上記共重合体(A)並びに上記共重合体(B)、当該共重合体(A)と当該共重合体の合計量:100質量部に対して、カーボンブラック(C)を20〜300質量部、好ましくは30〜300質量部、より好ましくは50〜250質量部、上記脂肪酸アミド(D)を0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜8質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、上記無機充填剤(重質炭酸カルシウム)(E)を10〜300質量部、好ましくは10〜250質量部、より好ましくは20〜200質量部、および上記有機過酸化物(F)0.2〜30質量部、好ましくは0.2〜25質量部、より好ましくは0.5〜20質量部の範囲で含む。
本発明の共重合体組成物が、上記共重合体(A)並びに上記共重合体(B)を含む場合は、共重合体(A)/共重合体(B)の質量比(共重合体(A)+共重合体(B)=100質量部とする。)が95/5〜5/95、好ましくは90/10〜10/90の範囲にある。
本発明の共重合体組成物が、共重合体(B)を上記範囲で含むと、得られる共重合体組成物は(加工性)であり、当該共重合体組成物を架橋して得られる成形体は、剛性(モジュラス)を維持しつつ、成形品の微小亀裂が改善され、エンジンオイルバリア性に優れる。
本発明の共重合体組成物は、上記共重合体(A)、上記共重合体(B)、上記カーボンブラック(C)、上記脂肪酸アミド(D)、無機充填剤(重質炭酸カルシウム)(E)および上記有機過酸化物(F)に加え、必要に応じて、他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。他の成分としては、例えば、重合体、架橋剤、架橋助剤、加硫促進剤、加硫助剤、無機充填剤。軟化剤、老化防止剤(安定剤)、加工助剤、活性剤、吸湿剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤および増粘剤などから選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。また。それぞれの重合体および添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じて、公知の発泡剤、発泡助剤、着色剤、分散剤、難燃剤等もその他の成分として用いうる。
〈架橋助剤、加硫促進剤および加硫助剤〉
架橋助剤としては、例えば、イオウ;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;マレイミド系架橋助剤;ジビニルベンゼン;酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種(JIS規格(K−1410))、ハクスイテック(株)製)、酸化マグネシウム、活性亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)などの酸化亜鉛)等の金属酸化物が挙げられる。
架橋助剤を用いる場合、共重合体組成物中の架橋助剤の配合量は、有機過酸化物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜7モル、より好ましくは1〜6モルである。
〈軟化剤〉
本発明に係る軟化剤の具体例としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、液状エチレン・プロピレン共重合体、液状エチレン・1−ブテン共重合体等の石油系軟化剤;コールタール等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)などが挙げられ、石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルが特に好ましい。
共重合体組成物中の軟化剤の配合量は、共重合体(A)100質量部、あるいは共重合体(A)と共重合体(B)の合計量100質量部に対して、一般に2〜300質量部、好ましくは10〜250質量部である。
〈老化防止剤(安定剤)〉
本発明に係る共重合体組成物に、老化防止剤(安定剤)を配合することにより、これから形成される成形体の寿命を長くすることができる。このような老化防止剤として、従来公知の老化防止剤、例えば、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤などがある。
さらに、老化防止剤として、フェニルブチルアミン、N,N−ジ−2−ナフチル−p―フェニレンジアミン等の芳香族第2アミン系老化防止剤;ジブチルヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン等のフェノール系老化防止剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のイオウ系老化防止剤等がある。
これらの老化防止剤は、1種単独であるいは2種以上の組み合わせで用いることができ、その配合量は、共重合体(A)100質量部、あるいは共重合体(A)と共重合体(B)の合計量100質量部に対して、通常は0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部である。このような範囲内とすることにより、共重合体組成物の架橋物から得られる成形体表面のブルームがなく、さらに架橋阻害が発生を抑制することができる。
〈加工助剤〉
本発明に係る加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く用いることができる。
加工助剤の具体例としては、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、エステル類などが挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。
加工助剤の配合量は、共重合体組成物に含まれる共重合体(A)100質量部、あるいは共重合体(A)と共重合体(B)の合計量100質量部に対して、通常は10質量部以下、好ましくは8.0質量部以下である。
〈活性剤〉
活性剤の具体例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン等のアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートメリレート、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の亜鉛化合物等の活性剤;過酸化亜鉛調整物;クタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物などが挙げられる。
活性剤を含有する場合は、その配合量は、共重合体(A)100質量部、あるいは共重合体(A)と共重合体(B)の合計量100質量部に対して、通常は0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部である。
〈吸湿剤〉
吸湿剤の具体例としては、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボンなどが挙げられる。
吸湿剤を含有する場合は、その配合量は、共重合体(A)100質量部、あるいは共重合体(A)と共重合体(B)の合計量100質量部に対して、通常は0.5〜15質量部、好ましくは1.0〜12質量部である。
<共重合体組成物の架橋物>
本発明の共重合体組成物の架橋物は、上記本発明の共重合体組成物を架橋してなる。
本発明の共重合体組成物を架橋する方法として、上記共重合体組成物を従来公知の混練装置、例えば開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等が用いられる。これらのうちでは、非開放型の混練装置が好ましく、混練は、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
《共重合体組成物の用途》
本発明の共重合体組成物は、一般に使用される成形法例えば、射出成形法、押出成形法、中空成形法、圧縮成形法等により成形される。用途としては自動車部品(クリーンサイドダクト、グロメット等の蛇腹状中空ゴム製品、ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、カップホルダー、サイドブレーキグリップ、シフトノブカバー、シート調整ツマミ、フラッパードアシール、ワイヤーハーネスグロメット、ラックアンドピニオンブーツ、サスペンションカバーブーツ、ガラスガイド、インナーベルトラインシール、ルーフガイド 、トランクリッドシール、モールデッドクォーターウィンドガスケット、コーナーモールディング、グラスエンキャプシュレーション、フードシール、グラスランチャンネル、セカンダリーシール、クリーンサイドダクト、各種パッキン類など)、土木・建材部品(止水材、目地材、建築用窓枠など)、スポーツ用品(ゴルフクラブ、テニスラケットのグリップ類など)、工業用部品(ホースチューブ、ガスケット等)、家電部品(ホース、パッキン類など)、医療用機器部品、電線、雑貨などの広汎な分野での資材として使用される。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実施例および比較例では、下記の共重合体を用いた。
(1)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)として、製造例1で得られたエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体(A‐1)を用いた。
[製造例1]エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体(A‐1)の製造
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて、連続的に、エチレン、プロピレン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)の重合反応を87℃にて行った。重合溶媒としてはヘキサン(フィード量:32.6L/h)を用いて、連続的に、エチレンフィード量が3.6kg/h、プロピレン量が6.1kg/h、VNBフィード量が290g/hおよび水素フィード量が6.3NL/hとなるように、重合器に連続供給した。重合圧力を1.6MPaG、重合温度を87℃に保ちながら、主触媒としてジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを用いて、フィード量0.0015mmol/hとなるよう、重合器に連続的に供給した。また、共触媒として(C65)3CB(C65)4をフィード量0.0075mmol/h、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)をフィード量20mmol/hとなるように、それぞれ重合器に連続的に供給した。
このようにして、エチレン、プロピレンおよびVNBから形成されたエチレン・プロピレン・VNB共重合体を15.2質量%含む溶液が得られた。重合器下部から抜き出した重合反応液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にてエチレン・プロピレン・VNB共重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
以上の操作によって、エチレン、プロピレンおよびVNBから形成されたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(A−1)が、毎時4.7kgの速度で得られた。得られた共重合体(A−1)の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021161259
(2)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)としてエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン(ENB)共重合体(B−1)を用いた。
三井化学株式会社社製 商品名 三井EPT 3072EM(ムーニー粘度(ML(1+4)125℃):51、エチレン含有量:64重量%、ENB含有量:5.4重量%、油展量:40phr)
〔未架橋共重合体組成物の物性〕
(ムーニー粘度(ML(1+4)100℃))
100℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)100℃)は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、100℃の条件下で測定した。
(ムーニースコーチ(Vm、t5;145℃))
ムーニースコーチは、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、145℃の条件下で測定した。
(加硫速度)
実施例および比較例における共重合体組成物(架橋前)を用いて、測定装置:MDR2000P(ALPHA TECHNOLOGIES 社製)により、温度170℃および時間20分の測定条件下で、スコーチタイム(TS1)および加硫速度(TC90)を以下のとおり測定した。
サンプルを測定装置にセットし、一定温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定し、加硫曲線を得た。この加硫曲線からトルクの最小値S'Minおよび最大値S'Maxを求め、測定開始時を基準としてトルクが1ポイント上昇するまでの時間をTS1、(S'Max−S'Min)×0.9となるまでの時間を加硫速度(TC90;分)とした。
<成形体(架橋物)の物性>
(引張破断点応力、引張破断点伸び)
シートの引張破断点応力、引張破断点伸びを以下の方法で測定した。
シートを打抜いてJIS K 6251(1993年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製し、この試験片を用いてJIS K6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、100%伸張時のモジュラス(M100)、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
(デュロメーターA硬度)
JIS K 6253に従い、シートの硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている2mmのシート状ゴム成形品6枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。ただし、試験片に異物の混入したもの、気泡のあるもの、およびキズのあるものは用いなかった。また、試験片の測定面の寸法は、押針先端が試験片の端から12mm以上離れた位置で測定できる大きさとした。
(エンジンオイルバリア性試験)
1.直径10cm×高さ10cmの円筒状のステンレス製容器に折りたたんだ厚さ2mmシートに、商品名:NISSANエンジンオイルSN ストロングセーブ・X−OW20を1.8g添加。
2.蓋を閉めて、130℃オーブンで加熱。
3.24時間後、オイル透過の有無、シート表面のオイル付着の様子を確認し、以下の評点で評価した。
評点4:オイル透過なし 。
評点3:オイル透過あり。;目視確認不可;触ると手にオイル付着。
評点2:オイル透過あり。;目視確認可能;オイル付着あり。
評点1:オイル透過あり。;目視確認可能;滴が見える。
(射出成形性)
射出成形用金型を用いて、実施例および比較例で得られたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(配合物2)を金型温度170℃で射出し、10分間保持して丸型蛇腹状パイプを得た。
射出成形された丸型蛇腹状パイプは、長さ100mm、外径120mm、肉厚2mm、蛇腹山間のピッチ15mm、蛇腹の山から谷までの深さ10mmであった。
成形された丸型蛇腹状パイプを金型から取り出し、丸型蛇腹状パイプの外観を観察し、蛇腹部の一部にでも亀裂があれば(有)、全く亀裂がなければ(無)とした。
〔実施例1〕
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、製造例1で得られた共重合体(A−1):80質量部と共重合体(B−1)28質量部(油展量:8質量部含有)との合計量:108質量部〔共重合体(A−1)+共重合体(B−1)=100質量部〕に対して、架橋助剤として活性亜鉛華(商品名 メタZ102 井上石灰工業社製)を5質量部、加工助剤としてステアリン酸を2質量部、カーボンブラック(商品名 旭#60UG 旭カーボン社製)を169質量部、重炭酸カルシウム(商品名 ホワイトンSB 備北粉化工業社製)を100質量部、軟化剤としてパラフィン系プロセスオイル(商品名 ダイアナプロセスオイルPW−100 出光興産社製)を111質量部、老化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010 BASFジャパン株式会社を1質量部、老化防止剤として2−メルカプトベンゾイミダゾール(商品名 サンダントMB 三新化学工業社製)を2質量部、滑剤として脂肪酸アミド(商品名 ストラクトールWB16:カルシウム石鹸&飽和脂肪酸アミド混合物 エスアンドエスジャパン社製)を2質量部を配合した後混練し、配合物1を得た。
配合物1調製時の混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度を170℃とした。
配合物1のムーニー粘度ML(1+4)100℃を、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて、配合物1に、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン〔商品名 パーヘキサ25B−40(純度:40%) 日本油脂社製〕を18.5質量部添加して混練し、配合物2を得た。
配合物2調製時の混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を2mmとして、混練時間8分間で分出しし、配合物2を得た。
配合物2に対して、プレス成形機を用いて170℃で10分間プレス処理を行って、厚さ2mm架橋シートを作製した。得られた架橋シートについて、上記記載の方法で物性を評価した。
評価結果を表2に示す。
〔比較例1〜3〕
実施例1で配合した重炭酸カルシウムを配合せず、その他の配合剤を表1に示す量で配合し、且つ実施例1で用いた2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンに替えてジクミルペルオキシド〔商品名 パークミルD−40(ジクミルパーオキサイド40質量%) 日本油脂社製)を12.5質量部配合する以外は実施例1と同様に行い架橋シートを得た。
得られた架橋シートについて、上記記載の方法で物性を評価した。評価結果を表1に示す。
〔比較例4〕
比較例3の配合で、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン〔商品名 パーヘキサ25B−40(純度:40%) 日本油脂社製〕を18.5質量部配合する以外は実施例1と同様に行い架橋シートを得た。
得られた架橋シートについて、上記記載の方法で物性を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2021161259

Claims (7)

  1. エチレン(a1)、α−オレフィン(a2)および非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位として含む、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)、当該共重合体(A)100質量部に対して、カーボンブラック(C)を20〜300質量部、脂肪酸アミド(D)を0.1〜10質量部、無機充填剤(重質炭酸カルシウム)(E)を10〜300質量部、および有機過酸化物(F)0.2〜30質量部の範囲で含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
  2. エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)を構成する非共役ポリエン(a3)が、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエンである請求項1に記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
    Figure 2021161259
  3. 請求項2に記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)とエチレン(b1)、α−オレフィン(b2)および非共役ポリエン(b3)に由来する構成単位として含み、非共役ポリエン(b3)が上記一般式(I)からなる群から選ばれる部分構造を一つ含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)、当該共重合体(A)と当該共重合体(B)の合計量:100質量部に対して、カーボンブラック(C)を20〜300質量部、脂肪酸アミド(D)を0.1〜10質量部、無機充填剤(重質炭酸カルシウム)(E)を10〜300質量部、および有機過酸化物(F)0.2〜30質量部の範囲で含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
  4. 前記共重合体(A)が、下記(i)〜(v)の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
    (i)エチレン(a1)に由来する構造単位と、α−オレフィン(a2)に由来する構造単位とのモル比[(a1)/(a2)]が、40/60〜99.9/0.1である;
    (ii)非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の含有量が、(a1)、(a2)および(a3)の構造単位の合計を100重量%として、0.07〜10重量%である;
    (iii)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、下記式(1)を満たす;
    4.5≦Mw×(a3)の重量分率/100/(a3)の分子量≦40・・・(1)
    (iv)レオメーターを用いた線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η*(ω=0.1)(Pa・sec)と周波数ω=100rad/sでの複素粘度η*(ω=100)(Pa・sec)との比P(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす;
    P/([η]2.9)≦(a3)の重量分率×6・・・・(2)
    (v)3D−GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
    LCB1000C≦1−0.07×Ln(Mw)・・・・(3)
  5. エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)を構成する非共役ポリエン(a3)が、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物からなる架橋成形体。
  7. 架橋成形体が、蛇腹状中空体である請求項6記載の架橋成形体。
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