JP2021155578A - エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途 - Google Patents

エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途 Download PDF

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恭巨 有野
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雄二 石井
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Abstract

【課題】本発明の目的は、耐熱老化性およびエンジンオイルバリア性に優れる成形体を提供し得るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を得ることにある。【解決手段】本発明は、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンと非共役ポリエンとを構成単位として含む、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)、当該エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100質量部に対して、カーボンブラック(L)を10〜300質量部および有機短繊維(D)を0.1〜80質量部の範囲で含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物、およびその用途に係る。【選択図】なし

Description

本発明はエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物に関し、さらに詳しくは、耐熱老化性およびエンジンオイルバリア性に優れる成形体を提供し得るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途に関する。
熱可塑性エラストマーの一種であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と結晶性オレフィン重合体との組成物を架橋してなるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、軽量でリサイクルが容易なことから、省エネルギー、省資源タイプの熱可塑性エラストマーとして、特に加硫ゴムの代替として、自動車用の、ホース、パイプおよびブーツ(ブロー成形品)などの自動車部品等に広く使用されている(たとえば、特許文献1および2)。
しかしながら、これらの自動車部品では、燃費改善のため常に軽量化を求められているが、用いられている熱可塑性エラストマーはフィラーを多く含有するため、比重が大きくなりがちであり、部品軽量化を阻害していた。また、これらの自動車部品は、潤滑油やグリースなどと接触する箇所に用いられるが、一般的に、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、パラフィン系のプロセスオイルに対して耐油性が低いため、オレフィン系熱可塑性エラストマーを含んで得られるこれらの自動車部品においても、耐油性が低く、更なる改良が求められている。
特開2001−294714号公報 特開2011−202136号公報
本発明の目的は、耐熱老化性およびエンジンオイルバリアに優れる成形体を提供し得るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を得ることにある。
本発明は、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンと非共役ポリエンとを構成単位として含む、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)、当該エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100質量部に対して、カーボンブラック(L)を10〜300質量部および有機短繊維(D)を0.1〜80質量部の範囲で含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物、および当該共重合体組成物の架橋物に係る。
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を架橋してなる架橋物は、従来多用されているエチレン・α−オレフィン・ENB共重合体の架橋物に比べて、耐熱老化性およびエンジンオイルバリア性に優れる成形体を提供し得る。
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)》
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)(以下「共重合体(S)」ともいう)は、エチレン(A)由来の構成単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン(B)由来の構造単位と、非共役ポリエン(C)由来の構成単位とを有する。前記非共役ポリエン(C)は、式(I)および(II)から選ばれる少なくとも1種の部分構造を合計で分子中に2つ以上含む。
Figure 2021155578
炭素数3〜20のα−オレフィン(B)としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンが挙げられる。これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましく、プロピレンがより好ましい。
共重合体(S)は、少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィン(B)に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の炭素数3〜20のα−オレフィン(B)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
非共役ポリエン(C)としては、例えば、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、ノルボルナジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンが挙げられる。これらの中でも、入手容易性が高く、ヒドロシリル架橋が良好で、組成物の耐熱性が向上しやすいことから、非共役ポリエン(C)がVNBを含むことが好ましく、非共役ポリエン(C)がVNBであることがより好ましい。
共重合体(S)は、少なくとも1種の非共役ポリエン(C)に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の非共役ポリエン(C)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
共重合体(S)は、式(I)および(II)から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)由来の構成単位をさらに有することができる。
非共役ポリエン(D)としては、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンが挙げられる。これらの中でも、入手容易性が高く、良好な機械物性が得られやすいことから、ENBが好ましい。
共重合体(S)は、少なくとも1種の非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を含むことができ、2種以上の非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
要件(i)として、共重合体(S)において、モル比(エチレン(A)由来の構成単位/炭素数3〜20のα−オレフィン(B)由来の構成単位)は、40/60〜99.9/0.1、好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは55/45〜85/15、さらに好ましくは55/45〜78/22である。このような共重合体(S)は、機械的強度ならびに柔軟性に優れたものとなるため好ましい。
要件(ii)として、共重合体(S)100質量%中(すなわち全構成単位の含有割合の合計100質量%中)、非共役ポリエン(C)由来の構成単位の含有割合は、0.07〜10質量%、好ましくは0.1〜8.0質量%、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。このような共重合体(S)は、本発明の組成物から得られる架橋体は充分な硬度を有し、機械特性に優れたものとなるため好ましく、且つ、速い架橋速度を示すものとなるため好ましい。
共重合体(S)100質量%中、非共役ポリエン(D)由来の構成単位の含有割合は、通常は0〜20質量%、好ましくは0〜8質量%である。
共重合体(S)中のエチレン(A)、α−オレフィン(B)、非共役ポリエン(C)、および非共役ポリエン(D)由来の構成単位の含有割合は、13C−NMRにより求めることができる。
共重合体(S)の125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)は、好ましくは5〜100、より好ましくは20〜95、さらに好ましくは50〜90である。ムーニー粘度が上記範囲にある共重合体(S)は、加工性および流動性が良好であり、優れたゴム物性を示し、また良好な後処理品質(リボンハンドリング性)を示す傾向にある。
ムーニー粘度は、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS
K6300(1994)に準じて測定する。
共重合体(S)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、好ましくは0.1〜5dL/g、より好ましくは0.5〜5.0dL/g、さらに好ましくは0.9〜4.0dL/gである。[η]が上記範囲にある共重合体(S)は、成形加工性に優れる傾向にある。
[η]は、具体的には以下のように測定する。共重合体(S)約20mgをデカリン15mLに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5mL追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿したときのηsp/Cの値を極限粘度として採用する。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
≪エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の製造方法≫
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、エチレン(A)、炭素数3〜20のα−オレフィン(B)、非共役ポリエン(C)、および必要に応じて非共役ポリエン(D)を含むモノマーを共重合して得られる。共重合体(S)は、どのような製法で調製されてもよいが、メタロセン化合物の存在下に前記モノマーを共重合して得られたものであることが好ましく、メタロセン化合物を含む触媒系の存在下に前記モノマーを共重合して得られたものであることがより好ましい。共重合体(S)は、具体的には、例えば、国際公開第2015/122495号記載のメタロセン触媒に記載の方法を採用することにより製造することができる。
《カーボンブラック(L)》
本発明の共重合体組成物に含まれる成分の一つであるカーボンブラック(L)は、ゴム組成物に配合される公知のゴム補強剤の一種であり通常、カーボンブラックと呼称されている無機物である。
本発明に係わるカーボンブラック(L)としては、具体的には、旭#55G、旭#60G、旭#60UG(以上、旭カーボン(株)製)、シースト(V、SO、116、3、6、9、SP、TA等)のカーボンブラック(東海カーボン(株)製)、これらカーボンブラックをシランカップリング剤等で表面処理したものである。
《有機短繊維(D)》
本発明の共重合体組成物に含まれる成分の一つである有機短繊維(D)は、通常、平均繊維長が0.1〜12mmの範囲にある繊維状の有機材料であればよく特に限定されない。なお、有機短繊維(b)の平均繊維長は、たとえば、光学顕微鏡により写真撮影を行い、得られた写真において無作為に選んだ100個の短繊維の長さを測定し、これを算術平均することにより求めることができる。平均繊維長が短すぎると、制振性が不十分となるおそれがある。一方、平均繊維長が長すぎると、重合体組成物としての混練時の加工性が悪化するおそれがある。有機短繊維(D)の平均繊維長は、好ましくは0.3〜10mmであり、より好ましくは0.5〜6mmである。
また、有機短繊維(D)の平均繊維径は、特に限定されないが、本発明の効果がより一層顕著になることから、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは2〜20μmである。なお、有機短繊維(D)の平均繊維径は、たとえば、光学顕微鏡により写真撮影を行い、得られた写真において無作為に選んだ100個の短繊維の最も太い部分の径(直径)を測定し、これを算術平均することにより求めることができる。また、有機短繊維(D)のアスペクト比(「有機短繊維の平均繊維長」/「有機短繊維の平均繊維径」)は、特に限定されないが、好ましくは5〜1000、より好ましくは50〜800である。
本発明で用いる有機短繊維(D)としては、綿、木材セルロース繊維等の天然繊維;ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、レーヨン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、フッ素系ポリマー等の合成樹脂からなる繊維;等が例示される。これらの中でも、本発明の効果がより一層顕著になることから、合成樹脂からなる短繊維を用いることが好ましく、ポリアミドからなる短繊維を用いることがより好ましい。
ポリアミドとしては、ポリカプラミド、ポリ−ω−アミノヘプタン酸、ポリ−ω−アミノノナン酸、ポリウンデカンアミド、ポリエチレンジアミンアジパミド、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカミド、ポリオクタメチレンアジパミド、ポリデカメチレンアジパミドなどの脂肪族ポリアミド;ポリパラフェニレンテレフタラミド(商品名「ケブラー」、東レ・デュポン(株)社製)(商品名「トワロン」、帝人(株)社製)、ポリメタフェニレンイソフタラミド(商品名「コーネックス」、帝人(株)社製)、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド(商品名「テクノーラ」、帝人(株)社製)、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンデカナミドなどの芳香族ポリアミド(アラミド);などが挙げられる。これらのなかでも、制振性をより一層向上させることができるという点より、芳香族ポリアミド、すなわち、アラミドが好ましく、ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリメタフェニレンイソフタラミドおよびコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミドがより好ましく、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミドが特に好ましい。
すなわち、ポリアミドからなる短繊維としては、アラミド短繊維が好ましく、ポリパラフェニレンテレフタラミド短繊維、ポリメタフェニレンイソフタラミド短繊維およびコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド短繊維がより好ましく、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド短繊維が特に好ましい。
なお、有機短繊維(D)としては、チョップドファイバー(カットファイバー)状でも、フィブリルを有するパルプ状のものでもよく、さらに、エポキシ系接着剤、イソシアネート系接着剤、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂/ラテックス等により各種処理を施したものであってもよい。
《脂肪酸アミド(M)》
本発明の共重合体組成物に含まれてもよい成分の一つである脂肪酸アミド(M)は、高級脂肪酸のアミドであり、具体的には、ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、エルカ酸アミド、ラウリルアミド、パルミチチルアミド、ベヘンアミド、メチロールアミド等の高級脂肪酸のモノアミド類;メチレン・ビス・ステアロアミド、エチレン・ビス・ステアロアミド、エチレン・ビス・オレイルアミド、エチレン・ビス・ラウリルアミド等の高級脂肪酸のジアミド類;ステアリルオレイルアミド、N-ステアリルエルクアミド、N-オレイルパルミトアミド等の高級脂肪酸の複合型アミド類;プラストロジンTM(藤沢薬品工業(株)製)、プラストロジンSTM(藤沢薬品工業(株)製)等の商品名で市販されている特殊脂肪酸などが挙げられる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物>
本発明の共重合体組成物は、上記共重合体(S)、当該共重合体(S)100質量部に対して上記カーボンブラック(L)を10〜300質量部、好ましくは30〜200質量部、より好ましくは50〜180質量部、上記有機短繊維(D)を0.1〜80質量部、好ましくは0.2〜50質量部、より好ましくは0.3〜30質量部の範囲で含む。
本発明の共重合体組成物は、カーボンブラック(L)および有機短繊維(D)を上記範囲で含むことにより、得られる成形体は、剛性が良好で耐油性に優れる。
本発明の共重合体組成物は、上記カーボンブラック(L)および有機短繊維(D)に加え、脂肪酸アミド(M)を0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜8質量部、より好ましくは0.5〜6質量部の範囲で含んでいてもよい。
本発明の共重合体組成物は、上記共重合体(S)、カーボンブラック(L)、有機短繊維(D)並びに上記脂肪酸アミド(M)に加え、必要に応じて、他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。他の成分としては、例えば、重合体、架橋剤、架橋助剤、加硫促進剤、加硫助剤、無機充填剤。軟化剤、老化防止剤(安定剤)、加工助剤、活性剤、吸湿剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤および増粘剤などから選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。また。それぞれの重合体および添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じて、公知の発泡剤、発泡助剤、着色剤、分散剤、難燃剤等もその他の成分として用いうる。
〈架橋剤、架橋助剤、加硫促進剤および加硫助剤〉
架橋剤としては、有機過酸化物、フェノール樹脂、硫黄系化合物、ヒドロシリコーン系化合物、アミノ樹脂、キノンまたはその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物等の、ゴムを架橋する際に一般に使用される架橋剤が挙げられる。これらのうちでは、有機過酸化物、硫黄系化合物(以下「加硫剤」ともいう)が好適である。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルペルオキシド(DCP)、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシドが挙げられる。
架橋剤として、有機過酸化物を用いる場合、共重合体組成物中のその配合量は、共重合体(S)100質量部に対して、一般に0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部である、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。有機過酸化物の配合量が上記範囲内であると、得られる成形体表面へのブルームなく、共重合体組成物が優れた架橋特性を示すので好適である。
架橋剤として、有機過酸化物を用いる場合、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤としては、例えば、イオウ;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;マレイミド系架橋助剤;ジビニルベンゼン;酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種(JIS規格(K−1410))、ハクスイテック(株)製)、酸化マグネシウム、活性亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)などの酸化亜鉛)等の金属酸化物が挙げられる。
架橋助剤を用いる場合、共重合体組成物中の架橋助剤の配合量は、有機過酸化物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜7モル、より好ましくは1〜6モルである。
硫黄系化合物(加硫剤)としては、例えば、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレンが挙げられる。
架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、共重合体組成物中のその配合量は、共重合体(S)100質量部に対して、通常は0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜7.0質量部、さらに好ましくは0.5〜5.0質量部である。硫黄系化合物の配合量が上記範囲内であると、得られる成形体の表面へのブルームがなく、共重合体組成物が優れた架橋特性を示す。
架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、加硫促進剤を併用することが好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、サンセラーM(商品名;三新化学工業社製))、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、ノクセラーMDB−P(商品名;大内新興化学工業社製))、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾールおよびジベンゾチアジルジスルフィド(例えば、サンセラーDM(商品名;三新化学工業社製))などのチアゾール系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジンおよびジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤;アセトアルデヒド・アニリン縮合物およびブチルアルデヒド・アニリン縮合物などのアルデヒドアミン系加硫促進剤;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド(例えば、サンセラーTS(商品名;三新化学工業社製))、テトラメチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTT(商品名;三新化学工業社製))、テトラエチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTET(商品名;三新化学工業社製))、テトラブチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTBT(商品名;三新化学工業社製))およびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(例えば、サンセラーTRA(商品名;三新化学工業社製))などのチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、サンセラーPZ、サンセラーBZおよびサンセラーEZ(商品名;三新化学工業社製))およびジエチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系加硫促進剤;エチレンチオ尿素(例えば、サンセラーBUR(商品名;三新化学工業社製)、サンセラー22−C(商品名;三新化学工業社製))、N,N'−ジエチルチオ尿素およびN,N'−ジブチルチオ尿素などのチオウレア系加硫促進剤;ジブチルキサトゲン酸亜鉛などのザンテート系加硫促進剤が挙げられる。
加硫促進剤を用いる場合、共重合体組成物中のこれらの加硫促進剤の配合量は、共重合体(S)100質量部に対して、一般に0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。加硫促進剤の配合量が上記範囲内であると、得られる成形体の表面へのブルームなく、共重合体組成物が優れた架橋特性を示す。架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、加硫助剤を併用することができる。
加硫助剤としては、例えば、酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)製)、酸化マグネシウム、活性亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)などの酸化亜鉛)が挙げられる。
加硫助剤を用いる場合、エチレン系共重合体組成物中の加硫助剤の配合量は、共重合体(S)100質量部に対して、通常1〜20質量部である。
〈軟化剤〉
本発明に係る軟化剤の具体例としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、液状エチレン・プロピレン共重合体、液状エチレン・1−ブテン共重合体等の石油系軟化剤;コールタール等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)などが挙げられ、石油系軟化剤が好ましく、液状エチレン・プロピレン共重合体、液状エチレン・1−ブテン共重合体、プロセスオイルが特に好ましい。
これら軟化剤は一種だけではなく、二種以上用いてもよい。
共重合体組成物中の軟化剤の配合量は、共重合体(S)100質量部に対して、一般に2〜100質量部、好ましくは10〜100質量部である。
〈無機充填剤〉
本発明に係る無機充填剤の具体例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの1種類または2種類以上が使用され、これらのうちでは、「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム株式会社)等の重質炭酸カルシウムが好ましい。
共重合体組成物が、無機充填剤を含有する場合には、無機充填剤の配合量は、共重合体S)100質量部に対して、通常は2〜50質量部、好ましくは5〜50質量部である。配合量が上記範囲内であると、共重合体組成物の混練加工性が優れている。
〈老化防止剤(安定剤)〉
本発明に係る共重合体組成物に、老化防止剤(安定剤)を配合することにより、これから形成される成形体の寿命を長くすることができる。このような老化防止剤として、従来公知の老化防止剤、例えば、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤などがある。
さらに、老化防止剤として、フェニルブチルアミン、N,N−ジ−2−ナフチル−p―フェニレンジアミン等の芳香族第2アミン系老化防止剤;ジブチルヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン等のフェノール系老化防止剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のイオウ系老化防止剤等がある。
これらの老化防止剤は、1種単独であるいは2種以上の組み合わせで用いることができ、その配合量は、共重合体(S)100質量部に対して、通常は0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部である。このような範囲内とすることにより、共重合体組成物の架橋物から得られる成形体表面のブルームがなく、さらに架橋阻害が発生を抑制することができる。
〈加工助剤〉
本発明に係る加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く用いることができる。
加工助剤の具体例としては、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、エステル類などが挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。
加工助剤の配合量は、共重合体組成物に含まれる共重合体(S)100質量部に対して、通常は10質量部以下、好ましくは8.0質量部以下である。
〈活性剤〉
活性剤の具体例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン等のアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートメリレート、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の亜鉛化合物等の活性剤;過酸化亜鉛調整物;クタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物などが挙げられる。
活性剤を含有する場合は、その配合量は、共重合体(S)100質量部に対して、通常は0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部である。
〈吸湿剤〉
吸湿剤の具体例としては、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボンなどが挙げられる。
吸湿剤を含有する場合は、その配合量は、共重合体(S)100質量部に対して、通常は0.5〜15質量部、好ましくは1.0〜12質量部である。
<共重合体組成物の架橋物>
本発明の共重合体組成物の架橋物は、上記本発明の共重合体組成物を架橋してなる。
本発明の共重合体組成物を架橋するには、上記共重合体組成物に有機ペルオキシド等の架橋剤を配合した後、架橋される。
本発明の共重合体組成物を架橋する方法として、上記共重合体組成物と上記有機ペルオキシド等を混合した後、従来公知の混練装置、例えば開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等が用いられる。これらのうちでは、非開放型の混練装置が好ましく、混練は、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
《共重合体組成物の用途》
本発明の共重合体組成物は、一般に使用される成型法例えば、射出成型法、押出成型法、中空成型法、圧縮成型法等により成形される。用途としては自動車部品(ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、カップホルダー、サイドブレーキグリップ、シフトノブカバー、シート調整ツマミ、フラッパードアシール、ワイヤーハーネスグロメット、ラックアンドピニオンブーツ、サスペンションカバーブーツ、ガラスガイド、インナーベルトラインシール、ルーフガイド 、トランクリッドシール、モールデッドクォーターウィンドガスケット、コーナーモールディング、グラスエンキャプシュレーション、フードシール、グラスランチャンネル、セカンダリーシール、クリーンサイドダクト、各種パッキン類など)、土木・建材部品(止水材、目地材、建築用窓枠など)、スポーツ用品(ゴルフクラブ、テニスラケットのグリップ類など)、工業用部品(ホースチューブ、ガスケット等)、家電部品(ホース、パッキン類など)、医療用機器部品、電線、雑貨などの広汎な分野での資材として使用される。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実施例および比較例で用いたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)を以下に示す。
[製造例1]エチレン・α−オレフィン・ビニルノルボルネン共重合体(S‐1)の製造
連続重合装置を用いて、以下のようにしてエチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)共重合体(S−1)の製造を行った。
容積300リットルの重合反応器に、ライン1より脱水精製したヘキサン溶媒を58.3L/hr、ライン2よりトリイソブチルアルミニウム(TiBA)を4.5mmol/hr、(C65)3CB(C65)4を0.150mmol/hr、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.030mmol/hrで連続的に供給した。同時に前記重合反応器内に、エチレンを6.6kg/hr、プロピレンを9.3kg/hr、水素を18リットル/hr、VNBを340g/hrで、各々別ラインより連続供給し、重合温度87℃、全圧1.6MPaG、滞留時間1.0時間の条件下で共重合を行なった。
前記重合反応器で生成したエチレン・プロピレン・VNB共重合体の溶液を、流量88.0リットル/hrで連続的に排出して温度170℃に昇温(圧力は4.1MPaGに上昇)して相分離器に供給した。このとき、排出ラインには重合禁止剤であるエタノールを、前記重合反応器から抜き出した液体成分中のTiBAに対して0.1mol倍の量で連続的に導入した。
前記相分離器において、エチレン・プロピレン・VNB共重合体の溶液を、大部分のエチレン・プロピレン・VNB共重合体を含む濃厚相(下相部)と少量のポリマーを含む希薄相(上相部)とに分離した。
分離された濃厚相を85.4リットル/hrで熱交換器Kに導き、さらにホッパー内に導いて、ここで溶媒を蒸発分離し、エチレン・プロピレン・VNB共重合体を7.8kg/hrの量で得た。
得られた共重合体(S−1)の物性を前記記載の方法で測定した。共重合体(S−1)のムーニー粘度ML(1+4)125℃は69であり、モル比(エチレン単位/プロピレン単位)は70/30であり、VNB単位の含有割合は1.4質量%であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.8dL/gであった。なお、得られた共重合体(S−1)の分子量分布は二峰性を示した。
[製造例2]
<軟化剤成分の重合例>
軟化剤成分の重合は、容積300LのSUS製攪拌機つき反応器を用いて、温度を80℃に保ち、液レベルを100Lとして、ヘキサンを毎時52.0kg、エチレンを毎時12.0kg、プロピレンを毎時7.7kg、また水素を毎時1600NLの速度で、主触媒として[N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−1−[(1,2,3,3A,8A−η)−1,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチル−S−インダセン−1−yl]シランアミネート(2−)−κN][(1,2,3,4−η)−1,3−ペンタジエン]−チタニウムを毎時0.09mmol、共触媒として(C653CB(C654を毎時0.36mmol、有機アルミニウム化合物としてTIBAを毎時2.0mmolの速度で連続的に反応器へ供給し、エチレンとプロピレン共重合体(軟化剤成分)の重合液を得た。なお、該主触媒は、国際公開98/49212パンフレットに記載されている方法に準じて合成して得た。得られた重合液からフラッシュ乾燥により軟化剤成分を得た。軟化剤のモル比(エチレン単位/プロピレン単位)は70/30であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は0.2dL/gであった。
〔未架橋共重合体組成物の物性〕
(ムーニー粘度(ML(1+4)100℃))
100℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)100℃)は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、100℃の条件下で測定した。
<成形体(架橋物)の物性>
(引張破断点応力、引張破断点伸び)
シートの引張破断点応力、引張破断点伸びを以下の方法で測定した。
シートを打抜いてJIS K 6251(1993年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製し、この試験片を用いてJIS K6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、25%伸張時のモジュラス(M25)、100%伸張時のモジュラス(M100)、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
(デュロメーターA硬度)
JIS K 6253に従い、シートの硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている2mmのシート状成形品6枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。
(耐油性)
厚さ2mmの架橋シート(縦20mm×横20mm)を、150℃の商品名:NISSANエンジンオイルSN ストロングセーブ・X−OW20に72時間浸漬した前後の体積から体積変化率(ΔV)を、また浸漬した前後の重量から重量変化率(ΔW)を算出した。
ΔV=(V2−V1)/V1×100 V1=試験前体積(cm3)、V2=試験後体積(cm3)
ΔW=(W2−W1)/W1×100 W1=試験前重量(g)、W2=試験後重量(g)
(耐熱老化性)
シートを、JIS K 6257に従い、180℃で168h保持する熱老化試験を行った。熱老化試験後のシートの硬度、引張破断点応力、引張破断点伸びを、前記[硬度(Durometer−A)]の項目、前記[モジュラス、引張破断点応力、引張破断点伸び]の項目と同様の方法で測定した。
〔実施例1〕
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、製造例1で得られた共重合体(S−1):100質量部と共重合体(S−1)100質量に対して、製造例2で得られた軟化剤(液状エチレン・プロピレン共重合体を15質量部含有する混合物:115質量部に対して、架橋助剤として活性亜鉛華(商品名 メタZ102 井上石灰工業社製)を5質量部、加工助剤としてステアリン酸を2質量部、老化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010 BASFジャパン株式会社を1質量部、老化防止剤として2−メルカプトベンゾイミダゾール(商品名 サンダントMB 三新化学工業社製)を2質量部、滑剤として脂肪酸アミド(商品名 ストラクトールWB16:カルシウム石鹸&飽和脂肪酸アミド混合物 エスアンドエスジャパン社製)を2質量部、カーボンブラック(商品名 Asahi#60UG 旭カーボン社製)を138質量部、軟化剤としてパラフィン系プロセスオイル(商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380 出光興産社製)を77質量部、および有機短繊維(D)として、繊維長:3,5mmの有機短繊維(商品名 ケブラーDCF 東レ・デュポン(株)社製)を3質量部配合した後混練し、配合物1を得た。
配合物1調製時の混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度を170℃とした。
配合物1のムーニー粘度ML(1+4)100℃を、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて、配合物1に、架橋剤としてジクミルペルオキシド〔商品名 パークミルD−40(ジクミルパーオキサイド40質量%) 日本油脂社製)を12.5質量部、および架橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート(商品名 ハイクロスM 精工化学社製)を3質量部添加して混練し、配合物2を得た。
配合物2調製時の混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を2mmとして、混練時間8分間で分出しし、配合物2を得た。
配合物2に対して、プレス成形機を用いて170℃で10分間プレス処理を行って、厚さ2mm架橋シートを作製した。得られた架橋シートについて、上記記載の方法で物性を評価した。
評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1で用いた配合物2に替えて、
エチレングリコールジメタクリレート(商品名 サンエステルEG 三新化学工業社製)に替える以外は実施例1と同様に行い架橋シートを得、上記記載の方法で物性を評価した。
評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、有機短繊維を配合せずに実施例1と同様に行い架橋シートを得、上記記載の方法で物性を評価した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2021155578

Claims (6)

  1. エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンと非共役ポリエンとを構成単位として含む、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)、当該エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100質量部に対して、カーボンブラック(L)を10〜300質量部および有機短繊維(D)を0.1〜80質量部の範囲で含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
  2. エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物が、さらに脂肪酸アミド(M)を0.1〜10質量部の範囲で含む請求項1に記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
  3. 前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、下記(i)〜(vi)の要件を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)であることを特徴とする、請求項1または2に記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
    (i)モル比(エチレン(A)由来の構成単位/炭素数3〜20のα−オレフィン(B)由来の構成単位)が、40/60〜99.9/0.1である。
    (ii)非共役ポリエン(C)由来の構成単位の含有割合が0.07〜10質量%の範囲にある。
    (iii)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)が、5〜100の範囲にある。
    (iv)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dL/gの範囲にある。
  4. 炭素数3以上のα−オレフィンがプロピレンである、請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物から形成された架橋成形体。
  6. 請求項5に記載の架橋成形体を有するクリーンサイドダクト。
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