JP2021160417A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートベルトを装着してシートに着座した乗員を、円滑に保護可能な乗員保護装置を提供すること。【解決手段】シートベルト10を装着してシート1に着座した乗員MPを保護するための乗員保護装置S。シートベルトと、シートに折り畳まれて収納されるエアバッグ30と、を備える。シートベルトが、乗員の上半身MUを拘束するショルダーベルト12と、乗員の腰部MWを拘束するラップベルト13と、を備える。エアバッグが、内部に膨張用ガスを流入させて前方に向かって突出するように膨張し、膨張完了時に、乗員の左右方向側の両側方を、ラップベルトに拘束されている腰部の両側方から頭頂部HUにかけて、連続的に覆う構成とされるとともに、装着状態におけるショルダーベルトの上端12a側と、乗員の上半身と、の間に介在されて膨張する領域を、有する。【選択図】図7

Description

本発明は、シートベルトを装着してシートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置に関する。
従来、乗員保護装置としては、シートに着座した乗員の両側方を、頭頂部を含めて囲むように、エアバッグを膨張させる構成のものがあった(例えば、特許文献1,2参照)。具体的には、特許文献1に記載の乗員保護装置では、膨張を完了させたエアバッグは、乗員の上半身の側方を覆う構成とされていた。特許文献2に記載の乗員保護装置では、膨張を完了させたエアバッグは、乗員の上半身を含めて腰部の側方の領域までを覆う構成とされていた。
米国特許第10112570号明細書 国際公開第2018/114723号
しかしながら、従来の乗員保護装置では、シートに着座した乗員を拘束するためのシートベルトに関しては、何ら記載されていなかった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、シートベルトを装着してシートに着座した乗員を、円滑に保護可能な乗員保護装置を提供することを目的とする。
本発明に係る乗員保護装置は、シートベルトを装着してシートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置であって、
シートベルトと、シートに折り畳まれて収納されるエアバッグと、を備える構成とされ、
シートベルトが、装着時に、上下方向に対して傾斜するように配置されて乗員の上半身を拘束するショルダーベルトと、ショルダーベルトから連なって左右方向に略沿うように配置されて乗員の腰部を拘束するラップベルトと、を備える三点拘束式として、構成され、
エアバッグが、内部に膨張用ガスを流入させて前方に向かって突出するように膨張し、膨張完了時に、乗員の左右方向側の両側方を、ラップベルトに拘束されている腰部の両側方から頭頂部にかけて、連続的に覆う構成とされるとともに、装着状態におけるショルダーベルトの上端側と、乗員の上半身と、の間に介在されて膨張する領域を、有する構成とされていることを特徴とする。
本発明の乗員保護装置では、膨張を完了させたエアバッグが、乗員の左右方向側の両側方を、腰部の両側方から頭頂部にかけて、連続的に覆う構成であり、また、膨張領域の一部を、シートベルトにおいて乗員の装着しているショルダーベルトの上端側と、乗員の上半身と、の間に介在させる構成である。すなわち、本発明の乗員保護装置では、乗員の側方を覆うように膨張を完了させたエアバッグの外周面側の一部を、ショルダーベルトによって押えることができる。そのため、膨張を完了させたエアバッグが、乗員に対してずれることを抑制できることから、例えば、左右の側方からの衝撃力の作用時等に、乗員を、膨張を完了させたエアバッグによって、的確に拘束することができる。また、本発明の乗員保護装置では、エアバッグの膨張完了時にも、シートベルトのショルダーベルトが、乗員の上半身の前方を、上下方向に対して傾斜するように斜めに交差して覆い、ラップベルトが、エアバッグの内側において、乗員の腰部を拘束していることから、シートベルト自体によっても、乗員を拘束することができ、例えば、前後方向側からの衝撃力の作用時等においては、乗員を、シートベルトによって的確に拘束することができる。
したがって、本発明の乗員保護装置では、シートベルトを装着してシートに着座した乗員を、円滑に保護することができる。
また、本発明の乗員保護装置において、エアバッグを、ヘッドレストを一体化させたシートの外縁側に、折り畳んで収納させる構成とすれば、乗員の側方における腰部から頭部にかけて一体的に覆うエアバッグを、シートの外縁側に連続的に収納させることができることから、エアバッグを、収納領域から前方に突出させるように展開しつつ膨張させることができて、エアバッグを、円滑に展開膨張させることができる。
さらに、上記構成の乗員保護装置において、エアバッグを、膨張完了時に前後方向に略沿って配置される区画部により、上下方向側で複数個の膨張部を並設させるとともに、膨張完了時の後縁側における腰部から頭頂部の側方にわたる領域に、ガス供給部に連結されて、ガス供給部から供給される膨張用ガスを膨張部内に案内可能なガス案内流路を、配設させる構成とすれば、ガス供給部から供給される膨張用ガスを、上下に延びるガス案内流路を経て、各膨張部内に流入させることができることから、エアバッグが、乗員の腰部から頭頂部にかけての上下に広い範囲を覆う構成とされていても、エアバッグを、迅速に膨張させることが可能となって、好ましい。
さらにまた、上記構成の乗員保護装置において、1つの膨張部を、膨張完了時に、ショルダーベルトの上端側に位置させて、左右の一方側におけるショルダーベルトに近い側の少なくとも乗員の肩部から胸部にかけての側方を覆い、かつ、ショルダーベルトと上半身との間に介在される肩部保護領域を、構成し、
肩部保護領域を、膨張完了時の前端から延びるように形成して、膨張完了時に、乗員の鎖骨付近の前方を覆うように、ショルダーベルトと胸部との間に介在されて配置される延設膨張部を、配設させる構成とすることが、好ましい。
乗員保護装置を上記構成とすれば、前後方向側からの衝撃力の作用時に、シートベルトと延設膨張部とによって、乗員を一層的確に拘束することができる。また、延設膨張部を、ショルダーベルトと鎖骨付近との間に介在させることにより、例えば、乗員に対して前方に向かって移動させるような力が作用した際に、鎖骨付近が、ショルダーベルトによって強く圧迫されることも、抑制することができる。さらに、延設膨張部は、乗員の頭部の前下側となる位置に、膨張することから、頭部の前屈移動も、延設膨張部によって、規制することができる。
さらにまた、上記構成の乗員保護装置において、シートベルトを、プリテンショナー機構を有する構成とし、
プリテンショナー機構を、エアバッグの膨張完了後に作動して、引張力を高めたシートベルトによって乗員を拘束するように、構成することが、好ましい。
乗員保護装置をこのような構成とすれば、エアバッグの展開膨張時に、ショルダーベルトを繰り出させるようにして、エアバッグの一部の膨張領域を、ショルダーベルトの上端側と、乗員の上半身と、の間に、円滑に配置させることができる。また、エアバッグの膨張完了後には、プリテンショナー機構の作動により、引張力を高められたショルダーベルトの上端側によって、膨張を完了させたエアバッグの膨張領域の一部の外周面側を、一層強固に押えることができ、かつ、引張力を高められたショルダーベルトとラップベルトとによって、乗員を安定して拘束することができる。
さらにまた、上記構成の乗員保護装置において、シートベルトを、シートに搭載させる構成とすれば、前後で大きくスライドさせたり、シート自体を回転させた入りして、シートを車両に対して大きく移動させた状態においても、膨張したエアバッグとシートベルトとにより、シートに着座した乗員を的確に保護することができて、好ましい。
本発明の一実施形態である乗員保護装置を搭載させたシートの正面図である。 図1のシートの側面図である。 実施形態の乗員保護装置において使用されるエアバッグの左側面図である。 図3のエアバッグの右側面図である。 図3のエアバッグを単体で膨張させた状態の概略縦断面図である。 図3のエアバッグを単体で膨張させた状態の概略横断面図であり、胸部保護領域の部位を示す図である。 実施形態の乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの正面図である。 実施形態の乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの側面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の乗員保護装置Sは、図1,2に示すように、車両のシート1に搭載されるもので、シートベルト10と、エアバッグ30と、エアバッグ30に膨張用ガスを供給するガス供給部としてのインフレーター25L,25Rと、を備えている。
実施形態の乗員保護装置Sを搭載させるシート1は、ヘッドレスト部4と背もたれ部3とを一体化させたシートバック2と、シートクッション6と、を備えている。
シートベルト10は、シート1に搭載されるもので、三点拘束式とされている。具体的には、シートベルト10は、図1,2に示すように、シート1に着座した乗員MPを拘束するためのベルト本体11と、ベルト本体11に取り付けられるタングプレート15と、タングプレート15を連結させるためのバックル16と、ベルト本体11を巻取可能なリトラクタ20と、を備える構成とされている。リトラクタ20は、図2に示すように、シートバック2内における下端近傍となる位置に配置されるもので、ベルト本体11を巻き取るための図示しない巻取軸を、備えるとともに、プリテンショナー機構21も、備えている。ベルト本体11は、リトラクタ20の巻取軸に一端を係止され、シートバック2の上端左縁側に配置される挿通孔部2bから突出されて、他端側を、シート1におけるシートクッション6の後端左方に配置されるアンカ部材17(図2参照)に、係止されている。バックル16は、シート1におけるシートクッション6の後端右方に、配置されている。そして、ベルト本体11は、乗員着座時においてタングプレート15をバックル16に連結させた状態で(乗員装着時に)、上下方向に対して傾斜して配置されて乗員MPの上半身MUを拘束するショルダーベルト12と、ショルダーベルト12から連なって左右方向に略沿うように配置されて乗員MPの下半身MD(腰部MW)を拘束するラップベルト13と、を備えている。詳細には、ラップベルト13は、アンカ部材17とバックル16との間において左右方向に略沿うように配置される構成である。ショルダーベルト12は、シートバック2の上端左縁側の挿通孔部2bから延びつつ、シートクッション6の後端右方(シートバック2の下端右縁側)に配置されるバックル16にかけて斜めに配置される構成であり、乗員MPの上半身MU(肩部MSから腹部MAにかけて)を拘束する構成である。
実施形態の場合、シートベルト10は、エアバッグ30の展開膨張時に、膨張するエアバッグ30において後述する胸部保護領域43Lから鎖骨保護部46にかけての部位を、ショルダーベルト12の上端12a側と、乗員MPの上半身MU(胸部MB)と、の間に介在可能に、エアバッグ30の膨張に伴ってベルト本体11をリトラクタ20から繰り出し可能とされている。また、実施形態では、エアバッグ30の膨張完了時に、ラップベルト13は、間にエアバッグ30を介在させずに、乗員MPの腰部MWを拘束することとなる(図7,8参照)。リトラクタ20に設けられるプリテンショナー機構21は、図示しない制御回路に電気的に接続されて作動を制御されるもので、実施形態の場合、エアバッグ30の膨張完了後に、作動する構成とされている。プリテンショナー機構21の作動時には、リトラクタ20が、ベルト本体11を巻き取ることとなって、引張力を高めたベルト本体11によって乗員MPを拘束することとなる。
ガス供給部としてのインフレーター25L,25Rは、実施形態の場合、エアバッグ30における後述する左側カバー部31Lと右側カバー部31Rとに、それぞれ、膨張用ガスを供給するように、2個配設されている。各インフレーター25L,25Rは、図2に示すように、外形形状を略円柱状としたシリンダタイプとされるもので、詳細な図示は省略するが、図示しないシートフレームに、取り付けられている。具体的には、各インフレーター25L,25Rは、シートバック2の外縁2a側において、シート1に着座した乗員MPの腹部MAの左方と右方となる位置に、軸方向を上下方向に略沿わせるようにして、配置されている(図1参照)。インフレーター25L,25Rは、作動時に、エアバッグ30(左側カバー部31L,右側カバー部31R)内に膨張用ガスを供給するもので、左側カバー部31L,右側カバー部31Rに形成される各接続口部34L,34Rに挿入されて、接続口部34L,34Rの外周側に配置されるクランプ65を利用して、左側カバー部31L,右側カバー部31Rに、連結される構成である(図3,4の二点鎖線参照)。各インフレーター25L,25Rは、図示しない制御回路に電気的に接続されて作動を制御されるもので、車両の衝突検知時に、作動信号を入力させてエアバッグ30(左側カバー部31L,右側カバー部31R)内に膨張用ガスを流出させる構成である。
エアバッグ30は、シート1に折り畳まれて収納されるもので、実施形態の場合、シートバック2の外縁2a側に、折り畳まれて収納されている。詳細には、折り畳まれたエアバッグ30は、シート1に着座した乗員MPの左右の側方から頭頂部HUにかけての周囲を連続的に囲むように、シートバック2の外縁2aの全周にわたって連続的に配設されている(図1,2参照)。さらに詳細には、折り畳まれたエアバッグ30は、シートバック2において、シートベルト10のベルト本体11を突出させている挿通孔部2bよりも左右方向の内側となる位置に、収納されている(図1参照)。また、折り畳まれたエアバッグ30は、シートバック2において、この挿通孔部2bよりも前側(シートバック2の厚さ方向に沿った前側)となる位置に、収納されている(図2参照)。
エアバッグ30は、インフレーター25L,25Rの作動時に、内部に膨張用ガスを流入させて、収納領域(シートバック2)から前方に向かって突出するように膨張し、膨張完了時に、乗員MPの左右方向側の両側方を、ラップベルト13に拘束されている腰部MWの両側方から頭頂部HUにかけて、連続的に覆う構成とされている(図7,8参照)。具体的には、エアバッグ30は、それぞれ別体からなる左側カバー部31Lと右側カバー部31Rとを備え、この左側カバー部31Lと右側カバー部31Rとを、上縁31a,31a相互を連結(結合)させることにより、一体化させて(図3〜5参照)、乗員MPの側方を、頭頂部HUを含めて連続的に覆う構成とされている。図7,8に示すように、左側カバー部31Lは、ショルダーベルト12の上端12a側に配置されるベルト側カバー部として、乗員MPの左方を、頭頂部HUから腰部MWにかけて覆う構成であり、右側カバー部31Rは、ショルダーベルト12の上端12aから離れた側に配置される非ベルト側カバー部として、乗員MPの右方を、頭頂部HUから腰部MWにかけて覆う構成である。左側カバー部31Lと右側カバー部31Rとは、上述したごとく、それぞれ、インフレーター25L,25Rからの膨張用ガスを内部に流入させて膨張する構成とされている。左側カバー部31L,右側カバー部31Rは、外形形状を略同一として構成されるもので、膨張完了形状を、図3,4,8に示すように略長方形板状として、前後方向側の幅寸法を、乗員MPの上半身MU全体の側方を覆い可能な寸法に設定され、上下方向側の長さ寸法を、下端31b側を、シートクッション6の座面6aよりも下側に位置させるような寸法に、設定されている。
ショルダーベルト12の上端12a側に配置されるベルト側カバー部としての左側カバー部31Lは、図3に示すように、長手方向を上下方向に沿わせた略長方形状とされるもので、実施形態の場合、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなる織布の所定箇所を、縫合糸を用いて縫着させることにより、袋状とされている。左側カバー部31Lは、膨張完了時に内側(乗員MP側)に位置する内側壁部32aと外側に位置する外側壁部32bとを離隔させるように内部に膨張用ガスGを流入させて膨張するガス流入部32Lと、内側壁部32aと外側壁部32bとを結合させてなる膨張用ガスを流入させない非流入部55L(閉じ部)と、を備えている(図3,5,6参照)。
ガス流入部32Lは、図3に示すように、左側カバー部31Lの後縁31d側において上下方向に略沿って延びるように配置されるガス案内流路33Lと、インフレーター25Lと接続される接続口部34Lと、ガス案内流路33Lの前側において上下方向側で並設される複数(実施形態の場合、5個)の膨張部としての横膨張部37AL,37BL,37CL,37DL,37ELと、を備えている。
ガス案内流路33Lは、左側カバー部31Lの後縁31d側における上下の略全域にわたって配置されている。接続口部34Lは、ガス案内流路33Lの上下の略中央においてガス案内流路33Lと連通されて、ガス案内流路33Lに対して後下がりに傾斜して、ガス案内流路33Lから後方に突出するように形成されている。接続口部34Lは、下端34a側を、インフレーター25Lを挿入可能に開口させている。すなわち、ガス案内流路33Lは、接続口部34Lを介してガス供給部としてのインフレーター25Lに連結されるもので、インフレーター25Lから供給される膨張用ガスGを、各横膨張部37AL,37BL,37CL,37DL,37EL(膨張部)内に案内可能に、構成されている。また、実施形態では、ガス案内流路33Lにおける上下の中央付近に、部分的に前方に突出する突出領域33aが、形成されている。この突出領域33aは、横膨張部37CL(後述する胴部保護部42Lにおける胸部保護領域43L)の後側に隣接して配置されるもので、ガス案内流路33Lからの膨張用ガスを内部に流入させて膨張する膨張部を構成している。そして、この突出領域33aは、肩部保護部41Lを構成することとなる。
横膨張部37AL,37BL,37CL,37DL,37ELは、後述する区画部58L,59L,60L,61Lにより区画されて、上下方向側で並設されるもので、実施形態の場合、5個配設されている。横膨張部37CLの前端37a側には、左側カバー部31Lを平らに展開した状態で、左側カバー部31Lの前縁31cから部分的に突出しつつ、前方に向かって延びるように延設される延設膨張部38が、形成されている。この延設膨張部38は、平らに展開した状態での幅寸法を、横膨張部37CLと略同一として、構成されている。残りの横膨張部37AL,37BL,37DL,37ELは、前後方向側の長さ寸法を略同一として、構成されている。また、延設膨張部38は、左側カバー部31の前縁31c、すなわち、他の横膨張部37AL,37BL,37DL,37ELからの突出量を、エアバッグ30の膨張完了時に、乗員MPの胸部MBにおける左半分程度の領域を覆い可能な寸法に、設定されている。実施形態の場合、上側に配置される2つの横膨張部37AL,37BLが、乗員MPの頭部MHを保護する頭部保護部40Lを構成し、下端側に配置される横膨張部37ELが、乗員MPの腰部MWを拘束する腰部保護部45Lを、構成している。また、中間部位に配置される2つの横膨張部37CL,37DLは、乗員MPの胸部MBから腹部MAにかけてを保護する胴部保護部42Lを構成している。詳細には、上側に配置される横膨張部37CLが、胴部保護部42Lにおいて乗員MPの胸部MBを覆う胸部保護領域43Lを構成し、下側に配置される横膨張部37DLが、乗員MPの腹部MAの側方を覆う腹部保護領域44Lを構成している。さらに、横膨張部37CLの後側に隣接して配設されて、ガス案内流路33Lを部分的に突出させて構成される突出領域33aが、上述したごとく、乗員MPの肩部MSを拘束する肩部保護部41Lを、構成している。また、横膨張部37CLの前端37a側に配設される延設膨張部38は、膨張完了時に、乗員MPの胸部MBの前面側(鎖骨MC付近の前方)を覆って胸部MB(鎖骨MC付近)の前面側を保護する鎖骨保護部46を、構成している(図7,8参照)。実施形態のエアバッグ30では、胴部保護部42Lにおける胸部保護領域43L(横膨張部37CL)が、膨張完了時に、ショルダーベルト12の上端12a側に位置することとなり(図8参照)、この横膨張部37CL(胸部保護領域43L)に加えて、横膨張部37CLの後側に隣接して配置される肩部保護部41L、が、膨張完了時に、ショルダーベルト12の上端12a側に近い側となる乗員MPの左側における肩部MSから胸部MBにかけての側方を覆う肩部保護領域を、構成している。そして、肩部保護領域を構成している胸部保護領域43Lが、前端側に、鎖骨保護部46(延設膨張部38)を、備える構成とされている。
頭部保護部40Lを構成する横膨張部37AL,37BLは、区画部58Lによって区画されるもので、それぞれ、後端37b側をガス案内流路33Lに連通されるとともに、前端37a側においても、相互に連通されている。具体的には、頭部保護部40Lにおける上側の領域を構成する横膨張部37ALは、膨張完了時に、乗員MPの頭頂部HU付近を覆うこととなり、頭部保護部40Lにおける下側の領域を構成する横膨張部37BLは、膨張完了時に、乗員MPの頭部MHの側方を覆うこととなる(図7,8参照)。この下側の横膨張部37BLは、頭部MHの側方を広く覆い可能に、上下方向側の幅寸法を、大きく設定されている。
胴部保護部42Lを構成する横膨張部37CLは、区画部59Lにより、頭部保護部40Lを構成する横膨張部37BLと、区画されている。横膨張部37DLは、区画部61Lにより、腰部保護部45L(横膨張部37EL)と区画されている。また、胴部保護部42Lを構成している横膨張部37CL,37CR間は、区画部60Lにより、区画されている。さらに、胴部保護部42Lを構成する横膨張部37CL,37DLは、後述する縦区画部62Lにより、ガス案内流路33L(肩部保護部41L)と、区画されている。
上側に配設される横膨張部37CLは、後端37b側(肩部保護部41L側)を閉塞され、前端37a側で、頭部保護部40Lを構成する横膨張部37BLと連通される構成である。この横膨張部37CLは、膨張完了時に、乗員MPの胸部MBを覆う胸部保護領域43Lを構成しており、換言すれば、胸部保護領域43Lは、肩部保護部41Lと区画されて、頭部保護部40Lを経て内部に膨張用ガスを流入させて膨張する構成である。また、この横膨張部37CLは、上述したごとく、前端37a側に、延設膨張部38を有する構成とされており、この延設膨張部38は、上述したごとく、膨張完了時に、胸部MBの前面側を覆う鎖骨保護部46を、構成している。この胸部保護領域43Lは、上述したごとく、肩部保護部41Lとともに、膨張完了時に、ショルダーベルト12の上端12a側に位置する乗員MPの肩部MSから胸部MBにかけてを保護可能な肩部保護領域を、構成している。そして、実施形態の場合、横膨張部37CL(肩部保護領域を構成している胸部保護領域43Lと、鎖骨保護部46)が、エアバッグ30の膨張完了時に、装着状態におけるショルダーベルト12の上端12a側と、乗員MPの上半身MUと、の間に介在されて膨張する領域を構成することとなる(図7,8参照)。詳細には、横膨張部37CLは、エアバッグ30の膨張完了時に、ショルダーベルト12に押えられて、部分的に突出している延設膨張部38の部位を、屈曲されるようにして、配置されることとなり、乗員MPの胸部MBの側方から前方にかけてを覆うこととなる。実施形態の場合、延設膨張部38(鎖骨保護部46)は、膨張完了時に、乗員MPの胸部MBの前方の左半分程度の領域(左側の鎖骨MCの前方)を覆うように、配置されることとなる(図7参照)。
下側に配設される横膨張部37DLは、前端37a側を閉塞され、後端37b側の部位で、上側の横膨張部37CLと連通される構成である。この横膨張部37DLは、胸部保護領域43Lの下方で、かつ、腰部保護部45Lの上方に配置されて、膨張完了時に乗員MPの腹部MAの側方を覆う腹部保護領域44Lを構成するもので(図7,8参照)、この腹部保護領域44Lは、胸部保護領域43Lからのみ、膨張用ガスを内部に流入させる構成である。また、実施形態の場合、腹部保護領域44L(横膨張部37DL)と胸部保護領域43L(横膨張部37CL)とを連通させる連通部49Lは、図3に示すように、胸部保護領域43L(横膨張部37CL)と頭部保護部40L(横膨張部37BL)とを連通させる連通部48Lよりも、開口幅寸法を小さく設定されている。この腹部保護領域44Lは、頭部保護部40Lや腰部保護部45L、肩部保護部41Lと比較して、内部への膨張用ガスの流入を遅らせて膨張することとなり、連通部49Lの開口幅寸法を小さく設定されることから、実施形態の場合、エアバッグ30の膨張完了後において、肩部保護部41Lや腰部保護部45Lが、乗員MPの肩部MSや腰部MWを拘束した際に、内部に膨張用ガスを流入させて膨張することとなる。
腰部保護部45Lを構成する横膨張部37ELは、後端37b側をガス案内流路33Lに連通され、前端37a側を閉塞される構成である。この横膨張部37ELは、膨張完了時に乗員MPの腰部MWの側方を上下に広く覆い可能に、上下方向側の幅寸法を、大きく設定されている。実施形態の場合、腰部保護部45Lは、ラップベルト13による拘束を維持された状態の腰部MWの側方を上下に広く覆い、後下端40a側を、シートクッション6の座面6aよりも下方に位置させるように、構成されている(図8参照)。
非流入部55L(閉じ部)は、ガス流入部32Lの外周縁を構成する周縁部56Lと、ガス流入部32Lの領域内に配置される区画部58L,59L,60L,61L及び縦区画部62Lと、を備えている。周縁部56Lは、図3に示すように、接続口部34Lの下端34a側を除いて、ガス流入部32Lの周囲を全周にわたって囲むように形成されている。周縁部56Lにおける後縁側(左側カバー部31Lの後縁31d側)には、図示しないシートフレームに取り付けられる取付タブ56aが、上下方向に沿って複数箇所に、配設されている(図3参照)。
区画部58L,59L,60L,61Lは、前後方向に略沿った略線状として、横膨張部37AL,37BL,37CL,37DL,37ELを区画するように、配設されている。区画部58Lは、前後方向に略沿うとともに両端側を上方に向けるようにやや湾曲した線状として構成されるもので、頭部保護部40Lの領域内において、横膨張部37AL,37BL間を区画している。区画部59Lは、縦区画部62Lの上端から前方に延びるように、前後方向に略沿った略直線状として構成されるもので、頭部保護部40Lと胴部保護部42L(胸部保護領域43L)との間(横膨張部37BL,37CL)を区画している。区画部60Lは、周縁部56Lの前縁側の部位から後方に延びるように前後方向に略沿った略直線状として構成されるもので、胸部保護領域43Lと腹部保護領域44Lとの間(横膨張部37CL,37DL間)を区画している。区画部61Lは、縦区画部62Lの下端から前方に延びるように前後方向に略沿った略直線状として、周縁部56Lにおける前縁側の部位と連結されるもので、胴部保護部42L(腹部保護領域44L)と腰部保護部45Lとの間(横膨張部37DL,37EL間)を区画している。縦区画部62Lは、区画部59L,61Lの後端相互を連結するように、上下方向に略沿って配置されるもので、胴部保護部42Lとガス案内流路33Lとの間を区画している。この縦区画部62Lは、上端側の部位(横膨張部37CL側の部位)に、前方に向かって突出するように湾曲する湾曲部62aを、有している。この湾曲部62aは、ガス案内流路33Lにおける突出領域33a(肩部保護部41L)の周縁を構成している。そして、実施形態では、区画部59Lと周縁部56Lとの間の隙間が、胸部保護領域43L(横膨張部37CL)と頭部保護部40L(横膨張部37BL)とを連通させる連通部48Lを構成し、区画部60Lと縦区画部62Lとの間の隙間が、腹部保護領域44L(横膨張部37DL)と胸部保護領域43L(横膨張部37CL)とを連通させる連通部49Lを構成している。
ショルダーベルト12の上端12aから離れた側に配置される非ベルトカバー部としての右側カバー部31Rは、図4に示すように、横膨張部37CRに、延設膨張部を配置させず、全ての横膨張部37AR,37BR,37CR,37DR,37ERの前後方向側の長さ寸法を略同一としている(鎖骨保護部を配置させない構成である)以外は、上述の左側カバー部31Lと同一の構成である。そのため、同一の部材には、同一の数字の末尾に「R」を付けた図符号を付して、詳細な説明を省略する。
実施形態の乗員保護装置Sでは、シート1に着座した乗員MPがシートベルト10を装着した状態での車両の衝突時に、制御回路からの作動信号を受けてインフレーター25L,25Rが作動すれば、エアバッグ30における左側カバー部31L,右側カバー部31Rが、それぞれ、インフレーター25L,25Rから吐出される膨張用ガスGを内部に流入させて膨張し、エアバッグ30が、図7,8に示すように、シートバック2から前方に突出して、乗員MPの側方を覆うように膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態の乗員保護装置Sでは、膨張を完了させたエアバッグ30が、乗員MPの左右方向側の両側方を、腰部MWの両側方から頭頂部HUにかけて、連続的に覆う構成であり、また、膨張領域の一部(実施形態の場合、左側カバー部31Lにおける胸部保護領域43Lと鎖骨保護部46)を、シートベルト10において乗員MPの装着しているショルダーベルト12の上端12a側と、乗員MPの上半身MUと、の間に介在させる構成である。すなわち、実施形態の乗員保護装置Sでは、乗員MPの側方を覆うように膨張を完了させたエアバッグ30の外周面側の一部を、ショルダーベルト12によって押えることができる。そのため、膨張を完了させたエアバッグ30が、乗員MPに対してずれることを抑制できることから、例えば、左右の側方からの衝撃力の作用時等に、乗員MPを、膨張を完了させたエアバッグ30によって、的確に拘束することができる。また、実施形態の乗員保護装置Sでは、エアバッグ30の膨張完了時にも、シートベルト10のショルダーベルト12が、乗員MPの上半身MUの前方を、上下方向に対して傾斜するように斜めに交差して覆い、ラップベルト13が、エアバッグ30の内側において、乗員MPの腰部MWを拘束していることから、シートベルト10自体によっても、乗員MPを拘束することができ、例えば、前後方向側からの衝撃力の作用時等においては、乗員MPを、シートベルト10によって的確に拘束することができる。
したがって、実施形態の乗員保護装置Sでは、シートベルト10を装着してシート1に着座した乗員MPを、円滑に保護することができる。
また、実施形態の乗員保護装置Sでは、エアバッグ30が、ヘッドレスト(ヘッドレスト部4)を一体化させたシート1の外縁2a側に、折り畳んで収納される構成であることから、乗員MPの側方における腰部MWから頭部MHにかけて一体的に覆うエアバッグ30を、シート1の外縁2a側に連続的に収納させることができて、エアバッグ30を、収納領域から前方に突出させるように展開しつつ膨張させることができ、エアバッグ30を、円滑に展開膨張させることができる。なお、このような点を考慮しなければ、ヘッドレストとシートバックとを別体とした構成のシートに、折り畳まれたエアバッグを収納させる構成としてもよい。
さらに、実施形態の乗員保護装置Sでは、エアバッグ30が、膨張完了時に前後方向に略沿って配置される区画部58L,58R,59L,59R,60L,60R,61L,61Rにより、上下方向側で複数個の横膨張部37AL,37AR,37BL,37BR,37CL,37CR,37DL,37DR,37EL,37ER(膨張部)を並設させるとともに、膨張完了時の後縁31d側における腰部MWから頭頂部HUの側方にわたる領域に、ガス供給部としてのインフレーター25L,25Rに連結されて、インフレーター25L,25Rから供給される膨張用ガスを横膨張部37AL,37AR,37BL,37BR,37CL,37CR,37DL,37DR,37EL,37ER内に案内可能なガス案内流路33L,33Rが、配設される構成である(図3,4参照)。そのため、インフレーター25L,25Rから供給される膨張用ガスGを、上下に延びるガス案内流路33L,33Rを経て、各横膨張部37AL,37AR,37BL,37BR,37CL,37CR,37DL,37DR,37EL,37ER内に流入させることができることから、エアバッグ30が、乗員MPの腰部MWから頭頂部HUにかけての上下に広い範囲を覆う構成とされていても、エアバッグ30を、迅速に膨張させることができる。特に、実施形態の乗員保護装置Sでは、エアバッグ30を構成する各横膨張部37AL,37AR,37BL,37BR,37CL,37CR,37DL,37DR,37EL,37ERは、上下方向側の幅寸法を収縮させるようにして膨張することから、膨張完了時に、乗員MPの両側方は、腰部MWから頭部MH(頭頂部HU)にかけて、横膨張部37AL,37AR,37BL,37BR,37CL,37CR,37DL,37DR,37EL,37ERを隙間なく連ならせるようにしたエアバッグ30により、近接して覆われることとなり(図7参照)、また、頭頂部HUの上側も、横膨張部37AL,37ARによって覆われることから、車両のロールオーバー時等においても、乗員MPの頭部MHを円滑に保護することができる。なお、このような点を考慮しなければ、エアバッグとして、ガス案内流路を備えない構成であったり、複数の膨張部を前後方向側で並設させるような構成のものを使用してもよい。
さらにまた、実施形態の乗員保護装置Sでは、エアバッグ30において、横膨張部37CLが、膨張完了時に、ショルダーベルト12の上端12a側に位置して、左右の一方側(実施形態の場合、左側)におけるショルダーベルト12に近い側の少なくとも乗員MPの肩部MSから胸部MBにかけての側方(実施形態の場合、胸部MBの側方)を覆い、かつ、ショルダーベルト12と上半身MUとの間に介在される肩部保護領域(胸部保護領域43L及び肩部保護部41L)を、構成している。そして、この肩部保護領域(胸部保護領域43L)が、膨張完了時の前端から延びる延設膨張部38(鎖骨保護部46)を有し、この延設膨張部38を、膨張完了時に、乗員MPの鎖骨MC付近の前方を覆うようにショルダーベルト12と胸部MBとの間に介在させるように、構成されている(図7,8参照)。そのため、前後方向側からの衝撃力の作用時に、シートベルト10と延設膨張部38とによって、乗員MPを一層的確に拘束することが可能となる。また、延設膨張部38を、ショルダーベルト12と鎖骨MC付近との間に介在させることにより、例えば、乗員MPに対して前方に向かって移動させるような力が作用した際に、鎖骨MC付近が、ショルダーベルト12によって強く圧迫されることも、抑制することができる。さらに、延設膨張部38(鎖骨保護部46)は、乗員MPの頭部MHの前下側(顎下)となる位置に、膨張することから、頭部MHの前屈移動も、延設膨張部38(鎖骨保護部46)によって、規制することができる。なお、このような点を考慮しなければ、エアバッグとして、延設膨張部を、配置させず、肩部保護領域のみを、ショルダーベルトと上半身との間に介在させる構成のものを、使用してもよい。実施形態の乗員保護装置Sでは、ショルダーベルト12の上端12a側に配置される左側カバー部31Lにおける胸部保護領域43L及び鎖骨保護部46(横膨張部37CL)が、エアバッグ30の膨張完了時に、ショルダーベルト12と乗員MPの上半身MUとの間に介在される構成であり、膨張完了時に肩部MSを保護するよう肩部保護部41Lは、ショルダーベルト12に外周側を覆われない構成であるが、勿論、肩部保護部も、ショルダーベルトに外周側を覆われ、ショルダーベルトと乗員の上半身との間に介在される構成としてもよい。
さらにまた、実施形態の乗員保護装置Sでは、シートベルト10が、プリテンショナー機構21を有する構成とされ、プリテンショナー機構21が、エアバッグ30の膨張完了後に作動して、引張力を高めたシートベルト10(ベルト本体11)によって乗員MPを拘束するように、構成されている。そのため、エアバッグ30の展開膨張時に、ショルダーベルト12(ベルト本体11)をリトラクタ20から繰り出させるようにして、エアバッグ30の一部の膨張領域(左側カバー部31Lにおける胸部保護領域43Lと鎖骨保護部46)を、ショルダーベルト12の上端12a側と、乗員MPの上半身MUと、の間に、円滑に配置させることができる。また、エアバッグ30の膨張完了後には、プリテンショナー機構21の作動により、引張力を高められたショルダーベルト12の上端12a側によって、膨張を完了させたエアバッグ30の膨張領域の一部(左側カバー部31Lにおける胸部保護領域43Lと鎖骨保護部46)の外周面側を、一層強固に押えることができ、かつ、引張力を高められたショルダーベルト12とラップベルト13とによって、乗員を安定して拘束することができる。なお、このような点を考慮しなければ、プリテンショナー機構を、エアバッグの膨張完了前に作動させる構成としてもよい。
さらにまた、実施形態の乗員保護装置Sでは、シートベルト10が、シート1に搭載される構成であることから、例えば、前後で大きくスライドさせたり、シート1自体を回転させたりして、シート1を車両に対して大きく移動させた状態においても、膨張したエアバッグ30とシートベルト10とにより、シート1に着座した乗員MPを的確に保護することができる。実施形態の乗員保護装置Sでは、シート1に着座した乗員MPの左右方向側の側方を広く覆うように膨張しているエアバッグ30と、乗員MPを拘束しているシートベルト10のベルト本体11と、により、乗員MPのシート1に対する左右方向側への移動と、乗員MPのシート1に対する前方への移動と、を、規制することができる。そのため、車両に対するシート1の配置位置や向き、車両への衝撃力の作用方向に影響を受けることなく、シート1に着座した乗員MPを、エアバッグ30とシートベルト10とによって、的確に保護することができる。なお、このような点を考慮しなければ、通常の車両用のシートに搭載されるシートベルトのごとく、シートベルトとして、リトラクタを車体側に設ける構成のものを搭載させたシートに、本発明を適用してもよい。
なお、実施形態では、エアバッグ30として、別体の左側カバー部31Lと右側カバー部31Rとを、上縁31a相互を結合させて一体させたものを、使用し、左側カバー部31Lと右側カバー部31Rとに、それぞれ、ガス供給部としてのインフレーター25L,25Rを連結させる構成としているが、エアバッグを、乗員の左側から右側にかけてを覆うような一体構造とし、一つのインフレーターにより膨張させる構成のものを使用してもよい。また、ガス供給部としてのインフレーターは、実施形態のごとく、シートバックに配置させてエアバッグの接続口部に直接接続させなくともよく、例えば、シートにおけるシートクッションの部位に配置させ、ガス供給パイプ等を介して、エアバッグに膨張用ガスを供給させる構成としてもよい。
また、実施形態のシート1では、ショルダーベルト12は、上端12aをシートバック2の左側に配置させる構成とされ、エアバッグ30における左側カバー部31Lが、ショルダーベルト12の上端12a側に配置されるベルト側カバー部として、延設膨張部38を備える構成とされているが、勿論、ショルダーベルトの上端をシートバックの右側に配置させるタイプのシートにも、本発明は適用可能である。このような構成のシートに搭載する場合、エアバッグにおける右側カバー部が、ベルト側カバー部として、延設膨張部を備えることとなる。
1…シート、2…シートバック、3…背もたれ部、4…ヘッドレスト部(ヘッドレスト)、10…シートベルト、12…ショルダーベルト、12a…上端、13…ラップベルト、21…プリテンショナー機構、25L,25R…インフレーター(ガス供給部)、30…エアバッグ、33L,33R…ガス案内流路、37AL,37AR,37BL,37BR,37CL,37CR,37DL,37DR,37EL,37ER…横膨張部(膨張部)、38…延設膨張部、41L,41R…肩部保護部(肩部保護領域)、43L,43R…胸部保護領域(肩部保護領域)、58L,58R,59L,59R,60L,60R,61L,61R…区画部、MP…乗員、MU…上半身、MH…頭部、HU…頭頂部、MS…肩部、MB…胸部、MC…鎖骨、MD…下半身、MW…腰部、S…乗員保護装置。

Claims (6)

  1. シートベルトを装着してシートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置であって、
    前記シートベルトと、前記シートに折り畳まれて収納されるエアバッグと、を備える構成とされ、
    前記シートベルトが、装着時に、上下方向に対して傾斜するように配置されて前記乗員の上半身を拘束するショルダーベルトと、該ショルダーベルトから連なって左右方向に略沿うように配置されて前記乗員の腰部を拘束するラップベルトと、を備える三点拘束式として、構成され、
    前記エアバッグが、内部に膨張用ガスを流入させて前方に向かって突出するように膨張し、膨張完了時に、前記乗員の左右方向側の両側方を、前記ラップベルトに拘束されている前記腰部の両側方から頭頂部にかけて、連続的に覆う構成とされるとともに、装着状態における前記ショルダーベルトの上端側と、前記乗員の上半身と、の間に介在されて膨張する領域を、有する構成とされていることを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記エアバッグが、ヘッドレストを一体化させたシートの外縁側に、折り畳まれて収納されることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記エアバッグが、膨張完了時に前後方向に略沿って配置される区画部により、上下方向側で複数個の膨張部を並設させるとともに、膨張完了時の後縁側における前記腰部から前記頭頂部の側方にわたる領域に、ガス供給部に連結されて、該ガス供給部から供給される膨張用ガスを前記膨張部内に案内可能なガス案内流路を、配設させていることを特徴とする請求項1または2に記載の乗員保護装置。
  4. 1つの前記膨張部が、膨張完了時に、前記ショルダーベルトの上端側に位置して、左右の一方側における前記ショルダーベルトに近い側の少なくとも前記乗員の肩部から胸部にかけての側方を覆い、かつ、前記ショルダーベルトと前記上半身との間に介在される肩部保護領域を、構成し、
    該肩部保護領域が、膨張完了時の前端から延びるように形成されて、膨張完了時に、前記乗員の鎖骨付近の前方を覆うように、前記ショルダーベルトと前記胸部との間に介在されて配置される延設膨張部を、備える構成とされていることを特徴とする請求項3に記載の乗員保護装置。
  5. 前記シートベルトが、プリテンショナー機構を有する構成とされ、
    該プリテンショナー機構が、前記エアバッグの膨張完了後に作動して、引張力を高めた前記シートベルトによって前記乗員を拘束するように、構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
  6. 前記シートベルトが、前記シートに搭載されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
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