JP2021160271A - 蒸着基材、積層体および包装容器 - Google Patents

蒸着基材、積層体および包装容器 Download PDF

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Kaeko Hayashi
憲一 山田
Kenichi Yamada
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良彦 鈴木
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Abstract

【課題】モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができ、かつ蒸着膜との高い密着性および高い光沢度を有する、蒸着基材の提供。
【解決手段】第1の態様において、本発明の蒸着基材は、少なくとも、基材と蒸着膜とを備え、前記基材が、少なくとも、密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂により構成される第1のポリエチレン樹脂層を備え、前記基材は、延伸処理が施されており、前記基材の第1のポリエチレン樹脂層上に、前記蒸着膜が設けられており、蒸着膜表面の20°光沢度が、260以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着基材、積層体および包装容器に関する。
従来、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂からなる樹脂フィルム(以下、ポリエステルフィルムともいう)は、機械的特性、化学的安定性、耐熱性および透明性に優れると共に、安価であることから、包装容器の作製に使用される積層体を構成する基材として使用されている。
このようなポリエステルフィルムは、通常、シーラント層であるポリエチレンフィルムと張り合わされ、積層体とされた後に、包装容器に成形される。
上記した、異種の樹脂フィルム、すなわち、ポリエステルフィルムと、ポリエチレンフィルムとを貼り合わせた積層体により作製された包装容器は、それぞれの層に分離をすることが困難であり、使用後に回収した包装容器は、リサイクルに適しておらず、積極的にはリサイクルされていないという現状がある。
そして、包装容器のリサイクル適性向上を目的として、ポリエステルフィルムに代えて、延伸処理が施されたポリエチレンフィルム(延伸ポリエチレンフィルム)を基材へ適用し、同一材料により構成される積層体を用いた包装容器(モノマテリアル包装容器)の作製が検討されている。
今般、本発明者らは、ポリエステルフィルムを延伸ポリエチレンフィルムに変更することに伴い低下したガスバリア性を補填すると共に、光沢感を与えその意匠性を改善すべく、延伸ポリエチレンフィルム表面に、蒸着膜を形成しようとしたところ、その光沢度が十分ではなく、改善の余地があるという新たな課題を見出した。さらに、延伸ポリエチレンフィルムと蒸着膜との密着性が十分ではなく、蒸着膜を形成した延伸ポリエチレンフィルムを用いて包装容器を作製した場合、延伸ポリエチレンフィルムと蒸着膜との間で剥離(デラミネーション)を起こすおそれがあるという新たな課題を見出した。
そして、驚くべきことに、本発明者らは、ポリエチレン樹脂により構成される基材の蒸着膜を形成する層におけるポリエチレン樹脂の密度を調整することにより、上記の問題を解決することができるとの知見を得た。
また、驚くべきことに、本発明者らは、ポリエチレン樹脂により構成される基材の蒸着膜を形成する層へ、ポリエチレン樹脂と共に、オレフィン系エラストマーを含有させることにより、上記光沢度および密着性の問題を解決することができるとの知見を得た。
蒸着膜との密着性が改善する理由は定かではないが以下のように考えられる。
通常、延伸処理を施したポリエチレンフィルムは、非晶成分が減少し、配向結晶が増加するため、アルミニウムなどの蒸着膜との間の密着性が低下する傾向にある。
本発明においては、ポリエチレン樹脂と共に、オレフィン系エラストマーを含有させることにより、延伸時における配向結晶化を調整することができ、蒸着膜との密着性が維持されるものと考える。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができ、かつ蒸着膜との高い密着性および高い光沢度を有する、蒸着基材を提供することである。
また、本発明の解決しようとする課題は、上記した蒸着基材を備える積層体および包装容器を提供することである。
第1の態様において、本発明の蒸着基材は、少なくとも、基材と蒸着膜とを備え、
前記基材が、少なくとも、密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂により構成される第1のポリエチレン樹脂層を備え、
前記基材は、延伸処理が施されており、
前記基材の第1のポリエチレン樹脂層上に、前記蒸着膜が設けられており、
蒸着膜表面の20°光沢度が、260以上であることを特徴とする。
第2の態様において、本発明の蒸着基材は、少なくとも、基材と蒸着膜とを備え、
前記基材が、少なくとも、ポリエチレン樹脂およびオレフィン系エラストマー樹脂により構成される第1のポリエチレン樹脂層を備え、
前記基材は、延伸処理が施されており、
前記基材の第1のポリエチレン樹脂層上に、前記蒸着膜が設けられており、
前記蒸着膜表面の20°光沢度が、260以上であることを特徴とする。
一実施形態において、前記オレフィン系エラストマー樹脂が、エチレン系エラストマー樹脂である。
一実施形態において、前記オレフィン系エラストマー樹脂が、オレフィン系ブロックコポリマーである。
一実施形態において、前記オレフィン系ブロックコポリマーが、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。
一実施形態において、前記エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、ポリエチレンにより構成されるハードブロック、およびα―オレフィンモノマーにより構成されるソフトブロックを備える。
一実施形態において、前記基材の第1のポリエチレン樹脂層における前記オレフィン系エラストマー樹脂の含有量が、1質量%以上40質量%以下である。
一実施形態において、蒸着基材は、蒸着膜表面の表面粗さ(Ra)が、38nm以下である。
本発明の積層体は、少なくとも、蒸着基材と第1のシーラント層とを備え、
前記蒸着基材は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の蒸着基材からなり、
前記第1のシーラント層が、ポリエチレン樹脂から構成されることを特徴とする。
一実施形態において、前記基材の前記第1のシーラント層が設けられた面とは反対の面に、第2のシーラント層をさらに備え、
前記第2のシーラント層が、ポリエチレン樹脂から構成される。
一実施形態において、前記第1のシーラント層と前記蒸着膜との間に、バリアコート層をさらに備える。
一実施形態において、積層体は、包装容器に用いられる。
一実施形態において、前記積層体全体におけるポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上である。
本発明の包装容器は、上記積層体からなることを特徴とする。
一実施形態において、包装容器はラミネートチューブである。
本発明によれば、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができ、かつ蒸着膜との密着性が高く、包装容器とした場合の光沢度を顕著に改善することのできる、蒸着基材を提供することができる。
また、本発明によれば、上記した基材と、蒸着膜とを備える積層体を提供することができる。
また、本発明によれば、上記した基材と、蒸着膜と、シーラント層とを備える積層体からなる包装容器を提供することができる。
本発明の蒸着基材10の一実施形態を示す模式断面図である。 蒸着装置の一実施形態を示す概略的構造図である。 本発明の積層体20の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の積層体20の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の包装容器の一実施形態であるラミネートチューブ30を示す正面図である。 図5のa−a断面図である。 本発明の包装容器の一実施形態である包装袋40を示す正面図である。 本発明の包装容器の一実施形態であるスタンドパウチ50を示す斜視図である。
(蒸着基材)
本発明の蒸着基材は、後記するポリエチレン樹脂から構成される第1及び第2のシーラント層と同様に、ポリエチレン樹脂層と、この上に蒸着膜とを備えるものである。このように、基材とシーラント層が同じ樹脂材料で構成されることにより積層体をモノマテリアル包装容器等のリサイクル性に優れる材料として使用することができる。
基材は、ポリエチレン樹脂層を備えるものであれば単層であってもよく多層であってもよいが、多層の基材とする場合は、ポリエチレン樹脂等の各ポリオレフィン樹脂を別々の押出機で加熱溶融し、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で積層した後、インフレーション法やTダイ法等によりフィルム状に成形する共押出法により作製することができる。
例えば、共押出法により製膜された多層構造を有する基材とした場合、蒸着膜と接する側の第1のポリエチレン樹脂層から順に、第2、第3、第4・・・のポリエチレン樹脂層(以下、場合により、「その他のポリエチレン樹脂層」という)を備えていてもよい。その他のポリエチレン樹脂層を設けることにより、積層体の耐熱性、強度、透明性、延伸適性等の性能を向上することができる。
蒸着基材の蒸着膜表面の20°光沢度は、260以上であることを特徴とする。これにより、本発明の蒸着基材を用いて作製した包装容器の光沢度を向上することができ、その意匠性を改善することができる。
本発明において、光沢度は、光沢計((株)村上色彩技術研究所製、GM−26PRO)を用いて、鏡面反射角20°の条件で測定できる。
蒸着基材の蒸着膜表面の表面粗さ(Ra)は、38nm以下であることが好ましい。これにより、本発明の蒸着基材を用いて作製した包装容器の光沢度を向上することができ、その意匠性を改善することができる。
本発明において、表面粗さ(Ra)は、原子間力顕微鏡(Bruker社製、Atomic Fоrce Micrоscоpy)を用いて、15μm×15μmの測定範囲において測定することができる。
本発明において、蒸着基材が備える基材は、延伸処理が施されていることを特徴とする。これにより基材の強度及び耐熱性を向上することができる。また、印刷適性を向上することもできる。
延伸処理は一軸延伸であっても良く、二軸延伸であっても良い。
基材の縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)への延伸倍率は、2倍以上15倍以下であることが好ましく、3倍以上10倍以下であることが好ましい。
延伸倍率を2倍以上とすることにより、基材の強度および耐熱性をより向上することができる。また、基材への印刷適性を向上することができる。また、基材の破断限界という観点からは、延伸倍率は15倍以下であることが好ましい。
第1の態様において、基材は、蒸着膜がその表面に形成される層として、密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂により構成される第1のポリエチレン樹脂層を備える。
第1のポリエチレン樹脂層に含まれる密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂は、バイオマス由来のポリエチレン樹脂、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレン樹脂であってもよい。
第1のポリエチレン樹脂層における密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。第1のポリエチレン樹脂層における密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂の含有量を50質量%以上とすることにより、本発明の蒸着基材を用いて作製した包装容器の光沢度を向上することができ、その意匠性を改善することができる。また、蒸着膜との密着性を向上することができる。
第1のポリエチレン樹脂層における密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂の融点は、60℃以上135℃以下であることが好ましく、65℃以上130℃以下であることがより好ましい。融点を60℃以上とすることにより、基材の印刷適性、強度及び耐熱性をより向上することができる。融点を135℃以下とすることにより、各層の適正な延伸温度の差を小さくすることができる。
第1のポリエチレン樹脂層における密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂のMFRは、0.1g/10min以上5g/10min以下であることが好ましく、0.2g/10min以4g/10min以下であることがより好ましい。MFRを0.1g/10min以上5g/10min以下とすることにより、インフレーション法の製膜性が安定する。
第1のポリエチレン樹脂層は、本発明の特性を損なわない範囲において、密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂以外の樹脂材料(その他の樹脂材料)を含むことができる。蒸着膜との密着性という観点からは、第1のポリエチレン樹脂層は、その他の樹脂材料を含まないことが好ましい。
また、第1のポリエチレン樹脂層は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含むことができ、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
第2の態様において、基材は、ポリエチレン樹脂およびオレフィン系エラストマー樹脂により構成される第1のポリエチレン樹脂層を備える。
ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)および超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE)を使用することができる。
また、ポリエチレン樹脂として、エチレンと、その他のモノマーとの共重合体を使用することもできる。
さらに、ポリエチレン樹脂として、バイオマス由来のポリエチレン樹脂や、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエチレン樹脂を使用することもできる。
第1のポリエチレン樹脂層は、密度0.970g/cm以下のポリエチレン樹脂を含むことができる。第1のポリエチレン樹脂層は、密度0.970g/cm以下のポリエチレン樹脂を含むことにより、本発明の蒸着基材を用いて作製した包装容器の光沢度を向上することができ、その意匠性を改善することができる。また、蒸着膜との密着性を向上することができる。
第1のポリエチレン樹脂層に含まれるポリエチレン樹脂の融点は、110℃以上140℃以下であることが好ましく、115℃以上135℃以下であることがより好ましい。融点を110℃以上とすることにより、耐熱性の観点で積層体の作製時の加工適性が良くなる。融点を140℃以下とすることにより、多層構成における各層の融点差が少なく一定の温度で延伸がしやすい傾向となる。
第1のポリエチレン樹脂層に含まれるポリエチレン樹脂のMFRは、0.1g/10min以上5g/10min以下であることが好ましく、0.2g/10min以上4g/10min以下であることがより好ましい。MFRを0.1g/10min以上5g/10min以下とすることにより、インフレーション法の製膜性が安定する。
第1のポリエチレン樹脂層におけるポリエチレン樹脂の含有量は、60質量%以上99質量%以下であることが好ましく、70質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。第1のポリエチレン樹脂層におけるポリエチレン樹脂の含有量が60質量%以上であることにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。また、第1のポリエチレン樹脂層におけるポリエチレン樹脂の含有量が99質量%以下であることにより、第1のポリエチレン樹脂層に十分な量のオレフィン系エラストマー樹脂を含有させることができ、蒸着膜との密着性を向上することができる。
一実施形態において、オレフィン系エラストマー樹脂は、エチレン系エラストマー樹脂である。オレフィン系エラストマー樹脂として、エチレン系エラストマー樹脂を使用することにより、本発明の積層体をモノマテリアル包装容器の作製により好適に使用することができる。
一実施形態において、オレフィン系エラストマー樹脂は、オレフィン系ブロックコポリマーである。第1のポリエチレン樹脂層に、オレフィン系エラストマー樹脂として、オレフィン系ブロックコポリマーを含有させることにより、本発明の蒸着基材を用いて作製した包装容器の光沢度を向上することができ、その意匠性を改善することができる。また、蒸着膜との密着性を向上することができる。
ブロックコポリマーとは、異なった種類の配列に共有結合した同じモノマー単位の配列(ブロックまたはセグメント)を含む。ブロックコポリマーの形態としては、例えば、ジブロック構造のA−B及びトリブロック構造のA−B−A(ここで、Aは、1つのブロックを表し、Bは、異なるブロックまたはセグメントを表す)などが挙げられる。また、マルチブロックコポリマーでは、AおよびBは多数の異なる方法で接続され、複数回反復されうる。また、異なる種類の追加ブロックまたはセグメントをさらに含むこともできる。マルチブロックコポリマーは、線状マルチブロックポリマーであっても、マルチブロック星型ポリマー(全てのブロックまたはセグメントが同じ原子もしくは化学部分に結合するもの)であってもよい。
一実施形態において、オレフィン系ブロックコポリマーは、エチレン系ブロックコポリマーであり、好ましくは、エチレン系マルチブロックコポリマーである。オレフィン系ブロックコポリマーとして、エチレン系ブロックコポリマーを使用することにより、本発明の積層体をモノマテリアル包装容器の作製により好適に使用することができる。
一実施形態において、エチレン系ブロックコポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーであり、エチレン/α−オレフィンインターポリマーを使用することにより、蒸着膜と第1のポリエチレン樹脂層との密着性をより向上することができる。エチレン/α−オレフィンインターポリマーとは、エチレンおよび1以上の共重合可能なα−オレフィンモノマーを重合形態で含む。また、インターポリマーとは、少なくとも2種類のモノマーの重合により調製されるポリマーを意味する。よって、インターポリマーには、2種のモノマーの重合体であるコポリマー、3種のモノマーの重合体であるターポリマー、4種以上のモノマーの重合体であるポリマーが包含される。
一実施形態において、エチレン系ブロックコポリマーである、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、ポリエチレンにより構成されるハードブロック(ハードセグメント)、α―オレフィンモノマーにより構成されるソフトブロック(ソフトセグメント)を備える。
インターポリマーを構成するα−オレフィンモノマーとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラサイクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、3−フェニルプロペン、4−フェニルプロペン、1,2−ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、スチレン、及び3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンが挙げられる。
オレフィン系エラストマー樹脂は、市販されるものを使用してもよく、例えば、ポリエチレンにより構成されるハードブロック、α―オレフィンモノマーにより構成されるソフトブロックを備える、オレフィン系ブロックコポリマーとしては、Dow Chemical社製のINFUSE9100を使用することができる。
また、三井化学社製のタフマーA−4085Sを使用することもできる。
第1のポリエチレン樹脂層におけるオレフィン系エラストマー樹脂の含有量は、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。第1のポリエチレン樹脂層におけるオレフィン系エラストマー樹脂の含有量が1質量%以上であることにより、本発明の蒸着基材を用いて作製した包装容器の光沢度を向上することができ、その意匠性を改善することができる。また、蒸着膜との密着性を向上することができる。また、第1のポリエチレン樹脂層におけるオレフィン系エラストマー樹脂の含有量が40質量%以下であることにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。
第1のポリエチレン樹脂層は、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリエチレン樹脂以外の樹脂材料(その他の樹脂材料)を含むことができる。蒸着膜との密着性およびリサイクル適性という観点からは、第1のポリエチレン樹脂層は、その他の樹脂材料を含まないことが好ましい。
また、第1のポリエチレン樹脂層は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含むことができ、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
その他のポリエチレン樹脂層は、ポリエチレン樹脂により構成される。
ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)および超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE)を使用することができる。
また、ポリエチレン樹脂として、エチレンと、その他のモノマーとの共重合体を使用することもできる。
さらに、ポリエチレン樹脂として、バイオマス由来のポリエチレン樹脂や、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエチレン樹脂を使用することもできる。
多層構造を有する基材において、隣接する層を構成するポリエチレン樹脂の密度は同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、基材を構成するポリエチレン樹脂層には、密度勾配が設けられていてもよい。
密度勾配が設けられたポリエチレン樹脂層において、各層の密度差が大きい場合、界面における剥離(デラミネーション)が発生してしまうおそれがある。そのため、各層間の密度差は、0.05g/cm以下であることが好ましく、0.04g/cm以下であることがさらに好ましい。
(a)一実施形態において、多層構造を有する基材は、第1のポリオレフィン樹脂層と、中密度ポリエチレン樹脂から構成される第2のポリエチレン樹脂層と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂から構成される第3のポリエチレン樹脂層と、中密度ポリエチレン樹脂から構成される第4のポリエチレン樹脂層と、高密度ポリエチレン樹脂から構成される第5のポリオレフィン樹脂層と、の5層構造を有する。
(b)一実施形態において、多層構造を有する基材は、第1のポリエチレン樹脂層と、高密度ポリエチレン樹脂および中密度ポリエチレン樹脂のブレンド樹脂から構成される第2の樹脂層と、中密度ポリエチレン樹脂から構成される第3のポリエチレン樹脂層と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂から構成される第4のポリエチレン樹脂層と、中密度ポリエチレン樹脂から構成される第5のポリエチレン樹脂層と、高密度ポリエチレン樹脂および中密度ポリエチレン樹脂のブレンド樹脂から構成される第6の樹脂層と、高密度ポリエチレン樹脂から構成される第7のポリオレフィン樹脂層と、の7層構造を有する。
(c)一実施形態において、多層構造を有する基材は、第1のポリエチレン樹脂層と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂から構成される第2のポリエチレン樹脂層と、中密度ポリエチレン樹脂から構成される第3のポリオレフィン樹脂層と、の3層構造を有する。
(d)一実施形態において、多層構造を有する基材は、第1のポリエチレン樹脂層と、中密度ポリエチレン樹脂から構成される第2のポリオレフィン樹脂層と、の2層構造を有する。
(e)一実施形態において、多層構造を有する基材は、オレフィン系エラストマー樹脂を含む第1のポリエチレン樹脂層と、中密度ポリエチレン樹脂から構成される第2のポリオレフィン樹脂層と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂から構成される第3のポリオレフィン樹脂層と、中密度ポリエチレン樹脂から構成される第4のポリオレフィン樹脂層と、オレフィン系エラストマー樹脂および中密度ポリエチレン樹脂から構成される第5のポリオレフィン樹脂層と、の5層構造を有する。
上記したような共押出法による多層構造の基材の一実施形態として、例えば、それぞれの樹脂を押出機により加熱溶融し、フィードブロック法により第1〜第5のポリエチレン樹脂層からなる5層の積層とした後、インフレーション法によりチューブ状に製膜するとともに、これをゴムロール等によりチューブ内側どうしを圧着することにより10層の多層フィルムとすることができる。このようにして得られる多層フィルムは、断面厚さ方向において上下対称の層構成を有することになる。すなわち、例えば、共押出機により第1〜第5のポリエチレン樹脂層からなる5層を積層した場合、得られる積層フィルムは、表面から順に、第1/第2/第3/第4/第5/第5/第4/第3/第2/第1のポリエチレン樹脂層からなる10層の層構造を有する基材となる。しかしながら、実際は、厚さ断面方向において中央の隣接する2層の第5のポリエチレン樹脂層は1層とみなせるため、実質的には第1/第2/第3/第4/第5/第4/第3/第2/第1のポリエチレン樹脂層からなる9層の多層構造を有する基材とすることができる。
このような製法により得られる多層構造フィルムは、「ブロックフィルム」とも呼ばれることがある。上記した製法によれば、製造における欠陥品数を顕著に低減することができ、最終的には、生産効率を向上することができる。
基材は、その表面に印刷層を有していてもよく、印刷層に形成される画像は、特に限定されず、文字、柄、記号およびこれらの組み合わせなどが表される。
基材への印刷層形成は、バイオマス由来のインキを用いて行うことができる。これにより、環境負荷を低減することができる。
印刷層の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などの従来公知の印刷法を挙げることができる。
また、基材は、表面処理が施されていてもよい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
基材の厚さは、単層構造、多層構造の場合を問わず、1μm以上60μm以下であることが好ましく、9μm以上60μm以下がより好ましく、12μm以上50μm以下がさらに好ましい。基材の厚さを1μm以上とすることにより、基材の耐熱性および強度を向上することができる。基材の厚さを60μm以下とすることにより、基材の加工適性を向上することができる。
(蒸着膜)
蒸着基材10は、基材の第1のポリエチレン樹脂層11上に、蒸着膜12を備える。これにより、蒸着基材10の光沢度、並びにガスバリア性、具体的には、酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
蒸着膜は、金属から構成されるものであっても、無機酸化物から構成されるものであってもよい。
金属蒸着膜を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、クロム、スズ、ニッケル、銅、銀、金およびプラチナなどが挙げられる。
また、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウムおよび酸化バリウムなどが挙げられる。
上記した中でも、ガスバリア性が高く、良好な光沢感を付与することができるため、アルミニウムが特に好ましい。
蒸着膜の表面は、上記表面処理が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
また、蒸着膜の厚さは、1nm以上150nm以下であることが好ましく、5nm以上60nm以下であることがより好ましく、10nm以上40nm以下であることがさらに好ましい。
蒸着膜の厚さを1nm以上とすることにより、蒸着基材10のガスバリア性および光沢感をより向上することができる。
また、蒸着膜の厚さを150nm以下とすることにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる蒸着基材10とすることができる。さらに、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。
蒸着膜の形成方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
以下、蒸着膜の形成方法の一実施形態を示すが、蒸着膜の形成方法は、これらに限定されるものではない。
具体的には、(1)金属あるいは金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを基材が備える第1のポリエチレン樹脂層上に蒸着する真空蒸着法、(2)原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材が備える第1のポリエチレン樹脂層上に蒸着する酸化反応蒸着法、(3)酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
物理気相成長法による無機物および無機酸化物の蒸着膜を形成する方法について以下に説明する。
図2は、巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。図2に示すように巻き取り式真空蒸着装置Aの真空チャンバ−Bの中で、巻き出しロ−ルCから繰り出す基材Xは、ガイドロ−ルD、Eを介して、冷却したコ−ティングドラムFに案内される。
一実施形態において、該装置Aは、上記のガイドロ−ルEと冷却したコ−ティングドラムFとの間にプラズマ処理装置Gが配設される。該プラズマ処理装置Gにより、基材Xが備える第1のポリエチレン樹脂層の表面にプラズマガスを照射され、蒸着膜形成前の、該基材Xが備える第1のポリエチレン樹脂層の表面を、プラズマ処理するものである。
次いで、上記の冷却したコ−ティングドラムF上に案内された基材が備える第1のポリエチレン樹脂層上に、るつぼHで熱せられ、蒸発した蒸着源I(例えば、金属アルミニウムや酸化アルミニウム等)が堆積し、蒸着膜を形成する。この蒸着源Iの堆積は、マスクJ、Jを介して行ってもよく、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口Kより酸素ガス等を噴出しつつ行ってもよい。
次いで、蒸着膜を形成した基材Xを、ガイドロ−ルL、Mを介して送り出し、巻き取りロ−ルNに巻き取ることによって、本装置による蒸着膜形成が完了する。
なお、上記工程を繰り返すことにより、異なる材料により形成される多層の蒸着膜としてもよい。多層構造の蒸着膜は、上記装置を2回使用することにより、形成してもよく、上記装置を連結した装置を使用することにより形成してもよい。
このような蒸着膜の形成は、例えば、特許第4569982号公報などにおいて開示される。
(積層体)
本発明の積層体20は、図3に示すように、蒸着基材10と、蒸着膜12上に設けられた第1のシーラント層21と、を備える。
また、一実施形態において、積層体20は、図4に示すように、蒸着基材10の第1のシーラント層21側とは反対の面に、第2のシーラント層22を備える。
なお、積層体20は、蒸着膜12上に、バリアコート層を備えていてもよい(図示せず)。
積層体20に含まれる固形分の総量に対するポリエチレンの含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。これにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体30とすることができる。
以下、積層体20が備える各層について説明する。なお、蒸着基材10については上述したため、ここでは記載を省略する。
(第1および第2のシーラント層)
一実施形態において、第1および第2のシーラント層は、熱によって相互に融着し得る樹脂材料により形成することができ、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)樹脂、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、アイオノマー樹脂、ヒートシール性エチレン−ビニルアルコール樹脂、これらの酸変性物などのポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、並びに(メタ)アクリル系樹脂などが挙げられる。
モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体20とすることができるため、上記した中でも、ポリエチレン樹脂が特に好ましい。
シーラント層におけるポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。これにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、シーラント層は、上記添加材を含むことができる。
シーラント層は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有するものであってもよい。
シーラント層の厚さは、20μm以上100μm以下であることが好ましく、30μm以上70μm以下であることがより好ましい。
シーラント層の厚さを20μm以上とすることにより、包装容器のラミネート強度をより向上することができる。
また、シーラント層の厚さを100μm以下とすることにより、積層体の成形性を向上することができ、より容易に包装容器を作製することができる。
第1のシーラント層と、第2のシーラント層とは同一の構成であってもよく、異なる構成であってもよい。
シーラント層は、上記材料を、Tダイ法またはインフレーション法などの従来公知の方法により、押出製膜することにより作製することができる。
シーラント層は、従来公知の接着剤や溶融樹脂層などを介して、積層することができる。
(バリアコート層)
本発明の積層体は、蒸着膜上(第1のシーラント層と蒸着膜との間、または蒸着膜と基材との間)にバリアコート層をさらに備えることができる。これにより、積層体のガスバリア性を向上することができる。
一実施形態において、バリアコート層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、並びに(メタ)アクリル樹脂などのガスバリア性樹脂から構成される。
バリアコート層の厚さは、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。
バリアコート層の厚さを0.01μm以上とすることにより、ガスバリア性をより向上することができる。バリアコート層の厚さを10μm以下とすることにより、積層体の加工適性を向上することができる。また、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。
バリアコート層は、上記材料を水または適当な溶剤に、溶解または分散させ、塗布、乾燥することにより形成することができる。
また、他の実施形態において、バリアコート層は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むガスバリア性塗布膜である。
このようなバリアコート層を蒸着膜上に設けることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
一実施形態において、金属アルコキシドは、下記一般式で表される。
M(OR
(ただし、式中、R、Rは、それぞれ、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムなどを使用することができる。
また、RおよびRで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基およびi−ブチル基などのアルキル基を挙げることができる。
上記一般式を満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH)、テトラエトキシシラン(質量%)Si(OC)、テトラプロポキシシラン(Si(OC)、テトラブトキシシラン(Si(OC)などが挙げられる。
また、上記金属アルコキシドと共に、シランカップリング剤が使用されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性および耐候性という観点からは、これらを併用することが好ましい。
ガスバリア性塗布膜の厚さは、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。これにより、ガスバリア性をより向上することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを0.01μm以上とすることにより、バリア性積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを10μm以下とすることにより、また、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体20とすることができる。
ガスバリア性塗布膜は、上記材料を含む組成物を、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの従来公知の手段により、塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好適である。
上記組成物は、さらに酸を含んでいてもよい。酸は、ゾル−ゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。
また、上記組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどを用いることができる。
以下、ガスバリア性塗布膜の形成方法の一実施形態について以下に説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒および必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、蒸着膜上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。最後に、加熱することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
(包装容器)
本発明の包装容器は、上記した積層体20からなることを特徴とする。
本発明の包装容器の具体例としては、ラミネートチューブ、包装袋および蓋材などを挙げることができる。
(ラミネートチューブ)
一実施形態において、本発明の包装容器は、ラミネートチューブ30である。
以下、本発明のラミネートチューブ30について図面を参照しながら説明する。図5はラミネートチューブ30の構成を簡略的に示す図であり、図6は、図5のa−a断面図である。図5に示すように、ラミネートチューブ30は、頭部32と、胴部33とを備えるラミネートチューブ本体31を備え、該胴部33が上記積層体20により構成されていることを特徴とする。
(頭部)
頭部32は、胴部33の一端と連接した肩部34と、肩部34に連接した抽出口部35とを備える。
また、一実施形態において、注出口部35は、キャップ36を螺合するための螺条37を備える。
一実施形態において、頭部32は、ポリエチレン樹脂により構成され、これにより、ラミネートチューブのリサイクル適性を向上することができる。ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂および超低密度ポリエチレン樹脂を使用することができる。
これらの中でも、保型性という観点からは、高密度ポリエチレン樹脂が好ましい。
また、ポリエチレン樹脂として、バイオマス由来のポリエチレン樹脂やメカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレン樹脂を使用することができる。
本発明の特定を損なわない範囲において、頭部42は上記添加剤を含んでいてもよい。
頭部32の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。例えば、頭部32は、圧縮成形法(コンプレッション成形法)や射出成形法(インジェクション成形法)により製造すると共に、胴部と接合させることができる。
圧縮成形法(コンプレッション成形法)を利用して、ラミネートチューブ30を製造する場合、上部に凸部を有する雄型に胴部33を装着した後、雄型と雌型を対向させ、雌雄内に、溶融したポリエチレン樹脂などの材料を供給し、圧縮成形して頭部32を成形すると共に胴部33の一方の開口に接合させることにより、頭部32と胴部33とからなるラミネートチューブ30を製造することができる。
また、射出成形法(インジェクション成形法)を用いてラミネートチューブ30を製造する場合、上部に凸部を有する雄型に胴部33を装着した後、雄型と雌型を対向させ、ゲートから溶融したポリエチレン樹脂などの材料を供給し、射出成形して頭部32を成形すると共に胴部33の一方の開口に接合させることにより、頭部32と胴部33とからなるラミネートチューブを製造することができる。
(胴部)
ラミネートチューブ本体31において、胴部33は、頭部32の肩部34に連接されている。
胴部33は、上記積層体20を筒状に丸め、第1のシーラント層31と、第2のシーラント層32とを重ね合わせると共に、重合した部分をヒートシールすることにより形成される溶着部38を形成することにより得ることができる。
また、胴部33は、丸めた積層体20の開口部をヒートシールすることにより形成された底シール部39を備える。
ヒートシールする方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シールなどの従来公知の方法で行うことができる。
(キャップ)
ラミネートチューブ30は、キャップ36を備えることができる。
キャップは、頭部の抽出口部に着脱可能に装着し、抽出口部を閉鎖する役割を担う。
キャップは、熱可塑性樹脂により構成される。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエステル、セルロース樹脂およびビニル樹脂などが挙げられるが、リサイクル性という観点からはポリエチレン樹脂が特に好ましい。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、キャップ36は、上記添加剤を含むこともできる。
キャップ36は、図6に示すように、抽出口部35が有する螺条37に螺合するように、キャップ36内面に凹溝を有するスクリュータイプのものであってもよく、また、抽出口部37に打栓することにより嵌合される打栓タイプであってもよい。
一実施形態において、本発明の包装容器は、包装袋である。
包装袋として、例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型などの種々の形態の包装袋が挙げられる。
一実施形態において、本発明の包装容器は、図7に示すように、2枚の積層体20を貼り合わせた包装袋40である(斜線部分はヒートシールされた箇所)。
図7に示すような形態の包装袋40は、積層体20を2枚準備し、この積層体20を第1のシーラント層21が向かい合うように重ね合わせ、3辺をヒートシールすることにより、作製することができる。
一実施形態において、本発明の包装容器は、図8に示すように、スタンディングパウチ型の包装袋50(以下、単に、スタンディングパウチ50という)であり、スタンディングパウチ50は、胴部51と、底部52とを備える。
スタンディングパウチ50の胴部51は、積層体20からなる。
また、底部52も、積層体20からなるものであってもよい。このような構成とすることにより、スタンディングパウチ50のガスバリア性をより向上することができる。
胴部51は、基材、積層体20が備える第1のシーラント層21が最内層となるように製袋することにより、形成できる。
他の実施形態において、まず、積層体20を2枚準備し、これらを第1のシーラント層21が向かい合うようにして重ね合わせる。次いで、重ね合わせ合わせた積層体20の両端から、第1のシーラント層21が外側となるように、V字状に折った2枚の積層体20を挿入し、ヒートシールすることにより、スタンディングパウチ50の胴部51を形成することができる。このような作製方法によれば、側部ガセット付きの胴部を有するスタンドパウチ50とすることができる。
また、底部52は、製袋された胴部51の間に積層体20を挿入し、ヒートシールすることにより形成することができる。より具体的には、積層体20を、第1のシーラント層21が外側となるように、V字状に折り、製袋された胴部51の間に挿入し、ヒートシールすることにより形成することができる。
また、包装容器は、図7に示すように、易開封手段61を備えていてもよい。
易開封手段61としては、例えば、図7に示すように、引き裂きの起点となるノッチ部62や、引き裂く際の経路として、レーザー加工やカッターなどにより形成されたハーフカット線63などが挙げられる。
また、包装容器は、図8に示すように、蒸気抜き機構70を備えていてもよい。蒸気抜き機構70は、包装容器内の蒸気圧力が所定値以上となった際に、包装容器内部と外部とを連通させ、蒸気を逃がすと共に、蒸気抜き機構70以外の箇所において蒸気が抜けることを抑制するように構成されている。
蒸気抜き機構70は、側部シール部から包装容器の内側に向かって突出した蒸気抜きシール部70aと、蒸気抜きシール部70aによって、内容物収容部から隔離された非シール部70bとを備える。
非シール部70bは、包装容易の外部に連通している。電子レンジなどにより、内容物が充填され、開口部がヒートシールされた包装容器を加熱することにより、内部の圧力が高まり、蒸気シール部70aが剥離する。蒸気は、蒸気シール70a剥離箇所および非シール部70bを通り、包装容器外部へ抜ける。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において使用した材料は以下の通りである。
・ポリエチレン樹脂A:Dow Chemical社製、ELITE5538G、MDPE、密度0.941g/cm、融点129℃、MFR1.3g/10min
・ポリエチレン樹脂B:Dow Chemical社製、Affinity PL1880G、m−C8−LLDPE、密度0.902g/cm、融点99℃、MFR1.0g/10min
・ポリエチレン樹脂C:プライムポリマー社製、SP2520、m−C6−LLDPE、密度0.925g/cm、融点122℃、MFR1.9g/10min
・オレフィン系エラストマー樹脂A:Dow Chemical社製、INFUSE9100、オレフィン系ブロックコポリマー(ポリエチレンをハードブロックとして、α―オレフィンインターポリマーをソフトブロックとして備える)、密度0.877g/cm、融点120℃、MFR1.0g/10min
実施例1−1
ポリエチレン樹脂Aを、インフレーション成形法により2層共押出製膜し、第1ポリエチレン樹脂層(10μm)と、第2ポリエチレン樹脂層(115μm)とからなるフィルムを得た。
このフィルムを長手方向(MD)に、3倍延伸し、厚さ41.6μmの延伸基材を得た。延伸後の厚みは、第1ポリエチレン樹脂層3.3μm、第2ポリエチレン樹脂層38.3μmであった。
上記のようにして作製した延伸基材の第1ポリエチレン樹脂層の面に、PVD法により、厚さ30nmのAl蒸着膜を形成し、蒸着基材を得た。なお、形成された蒸着膜の光学濃度(OD値)を測定したところ、3.0であった。
実施例1−2
延伸倍率を3.5倍にし、延伸基材の厚さ35.7μmとした以外は、実施例1−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例1−3
延伸倍率を4倍にし、延伸基材の厚さ31.3μmとした以外は、実施例1−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例1−4
延伸倍率を4.5倍にし、延伸基材の厚さ27.8μmとした以外は、実施例1−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例1−5
延伸倍率を5倍にし、延伸基材の厚さ25μmとした以外は、実施例1−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例1−6
第1のポリエチレン樹脂層を、ポリエチレン樹脂Aと、オレフィン系エラストマー樹脂Aとのブレンド樹脂(8:2(質量基準))により形成した以外は、実施例1−5と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
比較例1−1
延伸処理を施さなかった以外は、実施例1−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
比較例1−2
延伸処理を施さなかった以外は、実施例1−6と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
Figure 2021160271
<評価方法>
[表面粗さ]
Al蒸着前後の基材の算術平均表面粗さ(Rа)を、原子間力顕微鏡(Bruker社製、Atomic Fоrce Micrоscоpy)を用いて、15μm×15μmの測定範囲において測定した。測定結果を表2にまとめた。
[光沢度]
Al蒸着後の基材の光沢度を、光沢計((株)村上色彩技術研究所製、GM−26PRO)を用いて、鏡面反射角20°の条件で、測定した。測定結果を表2にまとめた。
[外観]
Al蒸着後の基材の外観を観察し、官能評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2にまとめた。
(評価基準)
○:表面の光沢度が高い。
△:表面の光沢度がやや高い。
×:表面の光沢度が低い。
[ラミネート強度]
ポリエチレン樹脂Cをインフレーション法により、単層押出製膜し、厚さ100μmの未延伸ポリエチレン樹脂フィルムを得た。
この未延伸ポリエチレン樹脂フィルムを、第1のシーラント層として、上記実施例1−1〜1−6および比較例1−1〜1〜2において得られた蒸着基材が備える蒸着膜上に、2液硬化型ウレタン系接着剤(ロックペイント社製、RU−004/H−1)を介して積層体し、積層体を作製した。
上記のようにして作製した積層体を、15mm巾の短冊状にカットし、試験片とした。
この試験片における蒸着膜と第1のポリエチレン樹脂層との間の剥離力を引張試験器((株)オリエンテック製、テンシロン万能材料試験器)を用いて、JIS K 6854−2に準拠して、測定した。測定結果を表2に示す。
なお、剥離速度は50mm/min、剥離角度は180°とした。
[ラミネート強度の評価]
ラミネート強度の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2にまとめた。
(評価基準)
〇:3N/15mm巾以上
×:3N/15mm巾未満
[総合評価]
外観とラミネート強度の評価結果から、基準は以下の通りである。評価結果を表2にまとめた。
(評価基準)
◎:外観およびラミネート強度の評価がともに、〇である。
〇:外観またはラミネート強度の評価の一方が〇で、もう一方が△である。
△:外観およびラミネート強度の評価の一方が〇で、もう一方が×である。
×:外観およびラミネート強度の評価がともに、×である。
Figure 2021160271
実施例2−1
ポリエチレン樹脂Aを、インフレーション成形法により3層共押出製膜し、第1ポリエチレン樹脂層(10μm)と、第2ポリエチレン樹脂層(105μm)と、第3ポリエチレン樹脂層(10μm)からなるフィルムを得た。
このフィルムを長手方向(MD)に、3倍延伸し、厚さ41.6μmの延伸基材を得た。延伸後の厚みは、第1ポリエチレン樹脂層3.3μm、第2ポリエチレン樹脂層35μm、第3ポリエチレン樹脂層3.3μmであった。
上記のようにして作製した延伸基材の第1ポリエチレン樹脂層の面に、PVD法により、厚さ30nmのAl蒸着膜を形成し、蒸着基材を得た。なお、形成された蒸着膜の光学濃度(OD値)を測定したところ、3.0であった。
実施例2−2
延伸倍率を3.5倍にし、延伸基材の厚さ35.7μmとした以外は、実施例2−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例2−3
延伸倍率を4倍にし、延伸基材の厚さ31.3μmとした以外は、実施例2−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例2−4
延伸倍率を4.5倍にし、延伸基材の厚さ27.8μmとした以外は、実施例2−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例2−5
延伸倍率を5倍にし、延伸基材の厚さ25μmとした以外は、実施例2−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例2−6
第1および第3のポリエチレン樹脂層を、ポリエチレン樹脂Aと、オレフィン系エラストマー樹脂Aとのブレンド樹脂(8:2(質量基準))により形成した以外は、実施例2−5と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
比較例2−1
延伸処理を施さなかった以外は、実施例2−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
比較例2−2
延伸処理を施さなかった以外は、実施例2−6と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
Figure 2021160271
<評価方法>
[表面粗さ]
Al蒸着前後の基材の算術平均表面粗さ(Rа)を、原子間力顕微鏡(Bruker社製、Atomic Fоrce Micrоscоpy)を用いて、15μm×15μmの測定範囲において測定した。測定結果を表4にまとめた。
[光沢度]
Al蒸着後の基材の光沢度を、光沢計((株)村上色彩技術研究所製、GM−26PRO)を用いて、鏡面反射角20°の条件で、測定した。測定結果を表4にまとめた。
[外観]
Al蒸着後の基材の外観を観察し、官能評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表4にまとめた。
(評価基準)
○:表面の光沢度が高い。
△:表面の光沢度がやや高い。
×:表面の光沢度が低い。
[ラミネート強度]
ポリエチレン樹脂Cをインフレーション法により、単層押出製膜し、厚さ100μmの未延伸ポリエチレン樹脂フィルムを得た。
この未延伸ポリエチレン樹脂フィルムを、第1のシーラント層として、上記実施例2−1〜2−6および比較例2−1〜2〜2において得られた蒸着基材が備える蒸着膜上に、2液硬化型ウレタン系接着剤(ロックペイント社製、RU−004/H−1)を介して積層体し、積層体を作製した。
上記のようにして作製した積層体を、15mm巾の短冊状にカットし、試験片とした。
この試験片における蒸着膜と第1のポリエチレン樹脂層との間の剥離力を引張試験器((株)オリエンテック製、テンシロン万能材料試験器)を用いて、JIS K 6854−2に準拠して、測定した。測定結果を表4に示す。
なお、剥離速度は50mm/min、剥離角度は180°とした。
[ラミネート強度の評価]
ラミネート強度の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4にまとめた。
(評価基準)
〇:3N/15mm巾以上
×:3N/15mm巾未満
[総合評価]
外観とラミネート強度の評価結果から、基準は以下の通りである。評価結果を表4にまとめた。
(評価基準)
◎:外観およびラミネート強度の評価がともに、〇である。
〇:外観またはラミネート強度の評価の一方が〇で、もう一方が△である。
△:外観およびラミネート強度の評価の一方が〇で、もう一方が×である。
×:外観およびラミネート強度の評価がともに、×である。
Figure 2021160271
実施例3−1
ポリエチレン樹脂Aを、インフレーション成形法により単層押出製膜し、第1ポリエチレン樹脂層(125μm)からなるフィルムを得た。
このフィルムを長手方向(MD)に、3倍延伸し、厚さ41.6μmの延伸基材を得た。
上記のようにして作製した延伸基材の第1ポリエチレン樹脂層の面に、PVD法により、厚さ30nmのAl蒸着膜を形成し、蒸着基材を得た。なお、形成された蒸着膜の光学濃度(OD値)を測定したところ、3.0であった。
実施例3−2
延伸倍率を3.5倍にし、延伸基材の厚さ35.7μmとした以外は、実施例3−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例3−3
延伸倍率を4倍にし、延伸基材の厚さ31.3μmとした以外は、実施例3−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例3−4
延伸倍率を4.5倍にし、延伸基材の厚さ27.8μmとした以外は、実施例3−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例3−5
延伸倍率を5倍にし、延伸基材の厚さ25μmとした以外は、実施例3−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例3−6
第1のポリエチレン樹脂層を、ポリエチレン樹脂Aと、オレフィン系エラストマー樹脂Aとのブレンド樹脂(8:2(質量基準))により形成した以外は、実施例3−5と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
比較例3−1
延伸処理を施さなかった以外は、実施例3−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
比較例3−2
延伸処理を施さなかった以外は、実施例3−6と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
Figure 2021160271
<評価方法>
[表面粗さ]
Al蒸着前後の基材の算術平均表面粗さ(Rа)を、原子間力顕微鏡(Bruker社製、Atomic Fоrce Micrоscоpy)を用いて、15μm×15μmの測定範囲において測定した。測定結果を表6にまとめた。
[光沢度]
Al蒸着後の基材の光沢度を、光沢計((株)村上色彩技術研究所製、GM−26PRO)を用いて、鏡面反射角20°の条件で、測定した。測定結果を表6にまとめた。
[外観]
Al蒸着後の基材の外観を観察し、官能評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表6にまとめた。
(評価基準)
○:表面の光沢度が高い。
△:表面の光沢度がやや高い。
×:表面の光沢度が低い。
[ラミネート強度]
ポリエチレン樹脂Cをインフレーション法により、単層押出製膜し、厚さ100μmの未延伸ポリエチレン樹脂フィルムを得た。
この未延伸ポリエチレン樹脂フィルムを、第1のシーラント層として、上記実施例3−1〜3−6および比較例3−1〜3〜2において得られた蒸着基材が備える蒸着膜上に、2液硬化型ウレタン系接着剤(ロックペイント社製、RU−004/H−1)を介して積層体し、積層体を作製した。
上記のようにして作製したヒートシール性積層体を、15mm巾の短冊状にカットし、試験片とした。
この試験片における蒸着膜と第1のポリエチレン樹脂層との間の剥離力を引張試験器((株)オリエンテック製、テンシロン万能材料試験器)を用いて、JIS K 6854−2に準拠して、測定した。測定結果を表6に示す。
なお、剥離速度は50mm/min、剥離角度は180°とした。
[ラミネート強度の評価]
ラミネート強度の評価基準は以下の通りである。評価結果を表6にまとめた。
(評価基準)
〇:3N/15mm巾以上
×:3N/15mm巾未満
[総合評価]
外観とラミネート強度の評価結果から、基準は以下の通りである。評価結果を表6にまとめた。
(評価基準)
◎:外観およびラミネート強度の評価がともに、〇である。
〇:外観またはラミネート強度の評価の一方が〇で、もう一方が△である。
△:外観およびラミネート強度の評価の一方が〇で、もう一方が×である。
×:外観およびラミネート強度の評価がともに、×である。
Figure 2021160271
実施例4−1
ポリエチレン樹脂Aをインフレーション成形法により5層共押出製膜し、第1ポリエチレン樹脂層(10μm)と、第2〜4ポリエチレン樹脂層(46.5μm)と、第5ポリエチレン樹脂層(6μm)からなる5層のチューブ状となるように、共押出し、
次いで、内層である第5ポリエチレン樹脂層同士を、これをゴムロールにより、圧着し、ブロックフィルムを得た。ブロックフィルムは、第1ポリエチレン樹脂層(10μm)、第2〜4ポリエチレン樹脂層(46.5μm)、第5ポリエチレン樹脂層(12μm)、第2〜4ポリエチレン樹脂層(46.5μm)、第1ポリエチレン樹脂層(10μm)により構成されるものであった。
このブロックフィルムを、長手方向(MD)に、3倍の延伸倍率で延伸し、厚さ41.6μmの延伸基材フィルムを得た。延伸後の厚みは、第1ポリエチレン樹脂層3.3μm、第2〜4ポリエチレン樹脂層15.5μm、第5ポリエチレン樹脂層4μm、第2〜4ポリエチレン樹脂層15.5μm、第1ポリエチレン樹脂層3.3μmであった。
であった。
上記のようにして作製した延伸基材の第1ポリエチレン樹脂層の面に、PVD法により、厚さ30nmのAl蒸着膜を形成し、蒸着基材を得た。なお、形成された蒸着膜の光学濃度(OD値)を測定したところ、3.0であった。
実施例4−2
延伸倍率を3.5倍にし、延伸基材の厚さ35.7μmとした以外は、実施例4−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例4−3
延伸倍率を4倍にし、延伸基材の厚さ31.3μmとした以外は、実施例4−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例4−4
延伸倍率を4.5倍にし、延伸基材の厚さ27.8μmとした以外は、実施例4−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例4−5
延伸倍率を5倍にし、延伸基材の厚さ25μmとした以外は、実施例4−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
実施例4−6
第1のポリエチレン樹脂層を、ポリエチレン樹脂Aと、オレフィン系エラストマー樹脂Aとのブレンド樹脂(8:2(質量基準))により形成した以外は、実施例4−5と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
比較例4−1
延伸処理を施さなかった以外は、実施例4−1と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
比較例4−2
延伸処理を施さなかった以外は、実施例4−6と同様にして、Al蒸着を施した蒸着基材を作製した。
Figure 2021160271
<評価方法>
[表面粗さ]
Al蒸着前後の基材の算術平均表面粗さ(Rа)を、原子間力顕微鏡(Bruker社製、Atomic Fоrce Micrоscоpy)を用いて、15μm×15μmの測定範囲において測定した。測定結果を表8にまとめた。
[光沢度]
Al蒸着後の基材の光沢度を、光沢計((株)村上色彩技術研究所製、GM−26PRO)を用いて、鏡面反射角20°の条件で、測定した。測定結果を表8にまとめた。
[外観]
Al蒸着後の基材の外観を観察し、官能評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表8にまとめた。
○:表面の光沢度が高い。
△:表面の光沢度がやや高い。
×:表面の光沢度が低い。
[ラミネート強度]
ポリエチレン樹脂Cをインフレーション法により、単層押出製膜し、厚さ100μmの未延伸ポリエチレン樹脂フィルムを得た。
この未延伸ポリエチレン樹脂フィルムを、第1のシーラント層として、上記実施例4−1〜4−6および比較例4−1〜4〜2において得られた蒸着基材が備える蒸着膜上に、2液硬化型ウレタン系接着剤(ロックペイント社製、RU−004/H−1)を介して積層体し、積層体を作製した。
上記のようにして作製した積層体を、15mm巾の短冊状にカットし、試験片とした。
この試験片における蒸着膜と第1のポリエチレン樹脂層との間の剥離力を引張試験器((株)オリエンテック製、テンシロン万能材料試験器)を用いて、JIS K 6854−2に準拠して、測定した。測定結果を表8に示す。
なお、剥離速度は50mm/min、剥離角度は180°とした。
[ラミネート強度の評価]
ラミネート強度の評価基準は以下の通りである。評価結果を表8にまとめた。
(評価基準)
〇:3N/15mm巾以上
×:3N/15mm巾未満
[総合評価]
外観とラミネート強度の評価結果から、基準は以下の通りである。評価結果を表8にまとめた。
(評価基準)
◎:外観およびラミネート強度の評価がともに、〇である。
〇:外観またはラミネート強度の評価の一方が〇で、もう一方が△である。
△:外観およびラミネート強度の評価の一方が〇で、もう一方が×である。
×:外観およびラミネート強度の評価がともに、×である。
Figure 2021160271
10:蒸着基材、11:ポリエチレン樹脂層、12:蒸着膜、20:積層体、21:第1のシーラント層、22:第2のシーラント層、30:ラミネートチューブ、31:ラミネートチューブ本体、32:頭部、33:胴部、34:肩部、35:注出口部、36:キャップ、37:螺条、38:溶接部、39:底シール部、40:包装袋、50:スタンディングパウチ、51:胴部、52:底部、61:易開封手段、62:ノッチ部、63:ハーフカット線、70:蒸気抜き機構、70a:蒸気抜きシール部、70b:非シール部

Claims (15)

  1. 少なくとも、基材と蒸着膜とを備える蒸着基材であって、
    前記基材が、少なくとも、密度0.943g/cm以下のポリエチレン樹脂により構成される第1のポリエチレン樹脂層を備え、
    前記基材は、延伸処理が施されており、
    前記基材の第1のポリエチレン樹脂層上に、前記蒸着膜が設けられており、
    前記蒸着膜表面の20°光沢度が、260以上であることを特徴とする、蒸着基材。
  2. 少なくとも、基材と蒸着膜とを備える蒸着基材であって、
    前記基材が、少なくとも、ポリエチレン樹脂およびオレフィン系エラストマー樹脂により構成される第1のポリエチレン樹脂層を備え、
    前記基材は、延伸処理が施されており、
    前記基材の第1のポリエチレン樹脂層上に、前記蒸着膜が設けられており、
    前記蒸着膜表面の20°光沢度が、260以上であることを特徴とする、蒸着基材。
  3. 前記オレフィン系エラストマー樹脂が、エチレン系エラストマー樹脂である、請求項2に記載の蒸着基材。
  4. 前記オレフィン系エラストマー樹脂が、オレフィン系ブロックコポリマーである、請求項2または3に記載の蒸着基材。
  5. 前記オレフィン系ブロックコポリマーが、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである、請求項4に記載の蒸着基材。
  6. 前記エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、ポリエチレンにより構成されるハードブロック、およびα―オレフィンモノマーにより構成されるソフトブロックを備える、請求項5に記載の蒸着基材。
  7. 前記基材の第1のポリエチレン樹脂層における前記オレフィン系エラストマー樹脂の含有量が、1質量%以上40質量%以下である、請求項2〜6のいずれか一項に記載の蒸着基材。
  8. 蒸着膜表面の表面粗さ(Ra)が、38nm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の蒸着基材。
  9. 少なくとも、蒸着基材と第1のシーラント層とを備えた積層体であって、
    前記蒸着基材は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の蒸着基材からなり、
    前記第1のシーラント層が、ポリエチレン樹脂から構成されることを特徴とする、積層体。
  10. 前記基材の前記第1のシーラント層が設けられた面とは反対の面に、第2のシーラント層をさらに備え、
    前記第2のシーラント層が、ポリエチレン樹脂から構成される、請求項9に記載の積層体。
  11. 前記第1のシーラント層と前記蒸着膜との間に、バリアコート層をさらに備える、請求項9または10のいずれか一項に記載の積層体。
  12. 包装容器に用いられる、請求項9〜11のいずれか一項に記載の積層体。
  13. 前記積層体全体におけるポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の積層体。
  14. 請求項9〜13のいずれか一項に記載の積層体からなることを特徴とする、包装容器。
  15. ラミネートチューブである、請求項14に記載の包装容器。
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