JP7331537B2 - 多層基材、該多層基材を備える多層フィルム、該多層フィルムを備える積層体および該積層体を備える包装材料 - Google Patents
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Description
そして、本発明者らが検討を進めたところ、該延伸ポリプロピレンフィルムに蒸着膜を設けた積層フィルムを使用した包装材料では、ポリエステルフィルム基材を使用する従来の積層フィルムには見られない特有の現象、即ち、延伸ポリプロピレンフィルムと蒸着膜との層間で剥離が生じていることを見出し、その現象がガスバリア性を不十分なものとしているとの知見を得た。
また、本発明の解決しようとする課題は、該積層フィルムを備える積層体を提供することである。
さらに、本発明の解決しようとする課題は、該積層体を備える包装材料を提供することである。
当該多層基材は、少なくともポリプロピレン樹脂層とコート層とを備え、
前記ポリプロピレン樹脂層は、延伸処理が施されており、
かつ前記コート層が、極性基を有する樹脂材料を含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、該基材を備える積層フィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、該積層フィルムを備える積層体を提供することができる。
さらに、本発明によれば、該積層体を備える包装材料を提供することができる。
本発明の多層基材10は、図1に示すように、ポリプロピレン樹脂層11と、コート層12とを備える。
ポリプロピレン樹脂層は、ポリプロピレンにより構成され、単層構造を有するものであっても、多層構造を有するものであってもよい。
ポリプロピレン樹脂層の縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)への延伸倍率は、2倍以上15倍以下であることが好ましく、5倍以上13倍以下であることが好ましい。
延伸倍率を2倍以上とすることにより、ポリプロピレン樹脂層の強度および耐熱性をより向上することができる。また、ポリプロピレン樹脂層への印刷適性を向上することができる。
また、ポリプロピレン樹脂層の破断限界という観点からは、延伸倍率は15倍以下であることが好ましい。
ポリプロピレンホモポリマーとは、プロピレンのみの重合体であり、ポリプロピレンランダムコポリマーとは、プロピレンとプロピレン以外の他のα-オレフィン(例えばエチレン、ブテン-1、4-メチル-1-ペンテンなど)などとのランダム共重合体であり、ポリプロピレンブロックコポリマーとは、プロピレンからなる重合体ブロックと、上記したプロピレン以外の他のα-オレフィンからなる重合体ブロックを有する共重合体である。
これらポリプロプロピレンの中でも、透明性の観点からは、ホモポリマーまたはランダムコポリマーを使用することが好ましい。包装袋の剛性や耐熱性を重視する場合には、ホモポリマーを使用し、耐衝撃性などを重視する場合にはランダムコポリマーを使用することが好ましい。
また、バイオマス由来のポリプロピレンや、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリプロピレンを使用することもできる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリプロピレン樹脂層は、添加剤を含むことができ、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
ポリプロピレン樹脂層の厚さを10μm以上とすることにより、多層基材の強度および耐熱性をより向上することができる。
また、ポリプロピレン樹脂層の厚さを50μm以下とすることにより、多層基材の製膜性および加工適性をより向上することができる。
環境負荷の観点から、基材への印刷層形成は、バイオマス由来のインキを用いて行われることが好ましい。
印刷層の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などの従来公知の印刷法を挙げることができる。これらの中でも、環境負荷の観点から、フレキソ印刷法が好ましい。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
本発明の多層基材は、ポリプロピレン樹脂層上に、極性基を有する樹脂材料を含むコート層を備え、該コート層上には高い密着性を有する蒸着膜を形成することができ、ガスバリア性を向上することができる。
また、後述するように、本発明の多層基材を使用して作製される包装材料は高いラミネート強度を有する。
これらの中でも、包装材料のラミネート性の観点からは、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、水酸基およびアミノ基が好ましく、カルボキシル基および水酸基がより好ましい。
このような樹脂材料を使用することにより、コート層上に形成される蒸着膜の密着性を顕著に改善することができ、そのガスバリア性を効果的に向上することができる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、コート層は、添加剤を含むことができ、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
多層基材の総厚さに対する、コート層の厚さの割合を、1%以上とすることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、ガスバリア性をより向上させることができる。また、包装材料のラミネート強度をより向上することができる。
また、多層基材の総厚さに対する、表面樹脂層の厚さの割合を、20%以下とすることにより、多層基材の加工適性をより向上することができる。また、後述するように、本発明の多層基材と、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
コート層の厚さを0.1μm以上とすることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、ガスバリア性をより向上させることができる。また、包装材料のラミネート強度をより向上することができる。
また、コート層の厚さを10μm以下とすることにより、多層基材の加工適性をより向上することができる。また、後述するように、本発明の多層基材と、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
また、本発明の多層基材はインライン製造することもでき、具体的には、ポリプロピレンを含む樹脂組成物を、Tダイ法またはインフレーション法などを利用して製膜し、樹脂フィルムとした後、縦方向(MD方向)に延伸し、該樹脂フィルム上にコート形成用塗工液を塗布、乾燥した後、横方向(TD方向)に延伸することにより作製することができる。なお、横方向への延伸を先に行っても良い。
本発明の積層フィルム20は、図3に示すように、上記多層基材10と、無機酸化物を含む蒸着膜21とを備えコート層12上に、蒸着膜21が設けられていることを特徴とする。
また、一実施形態において、積層フィルム20は、図4に示すように、蒸着膜21上に、バリアコート層22をさらに備えることができる。
本発明の積層フィルムは、コート層上に無機酸化物を含む蒸着膜を備える。これにより、積層フィルムのガスバリア性、具体的には、酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、本発明の積層フィルムを用いて作製した包装材料に充填された内容物の質量減少を抑えることができる。
上記した中でも、シリカおよびアルミナが好ましい。
また、蒸着膜形成後のエージング処理が必要ないため、シリカが特に好ましい。
蒸着膜の厚さを1nm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
また、蒸着膜の厚さを150nm以下とすることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。さらに、後述するように、本発明の積層フィルムと、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
本発明の積層フィルムは、蒸着膜上にバリアコート層をさらに備えることができる。これにより、積層フィルムの酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
また、バリアコート層にポリビニルアルコールを含有させることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
バリアコート層の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層フィルムの酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。バリアコート層の厚さを10μm以下とすることにより、積層フィルムの加工適性を向上することができる。また、本発明の積層フィルムと、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
このようなバリアコート層を蒸着膜上に設けることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
R1 nM(OR2)m
(ただし、式中、R1、R2は、それぞれ、炭素数1~8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
また、R1およびR2で表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基およびi-ブチル基などのアルキル基を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましい。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランおよびβ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上とすることにより、積層フィルムの酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。また、ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して500質量部以下とすることにより、ガスバリア性塗布膜の製膜性を向上することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層フィルムの酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを100μm以下とすることにより、本発明の積層フィルムと、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N-ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、N,N-ジメチルべンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。
ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上とすることにより、その触媒効果を向上することができる。また、ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、1.0質量部以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上0.05モル以下であることが好ましい。
酸の使用量をアルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上とすることにより、触媒効果を向上することができる。また、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.05モル以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、0.1モル以上とすることにより、本発明の積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、100モル以上とすることにより、加水分解反応を速やかに行うことができる。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒および必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、蒸着膜上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、該組成物を20~250℃、好ましくは50~220℃の温度で、1秒~10分間加熱することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
本発明の積層体30は、図4に示すように、上記積層フィルム20と、シーラント層31とを備えることを特徴とする。
一実施形態において、シーラント層は、熱によって相互に融着し得る樹脂材料により形成することができ、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン-α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、アイオノマー樹脂、ヒートシール性エチレン・ビニルアルコール樹脂、または、共重合した樹脂メチルペンテン系樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーなどのポリオレフィン、ポリオレフィンをアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン、PETなどのポリエステル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。
従来より、基材と、シーラント層とを異種の樹脂材料により構成した積層体が包装材料の作製に使用されているが、使用済みの包装材料を回収した後、基材とシーラント層とを分離するのが困難であるため、積極的にはリサイクルされていないという現状がある。
基材とシーラント層とを同一材料によって構成することにより、基材とシーラント層とを分離する必要がなく、そのリサイクル適正を向上することができる。
すなわち、上記した樹脂材料の中でも、積層体を用いて作製した包装材料のリサイクル適性という観点からは、シーラント層は、ポリプロピレンから構成されることが好ましい。
シーラント層の厚さを20μm以上とすることにより、本発明の積層体を備える包装材料のラミネート強度をより向上することができる。
また、シーラント層の厚さを100μm以下とすることにより、本発明の積層体の加工適性をより向上することができる。
本発明の包装材料は、上記積層体を備えることを特徴とする。包装材料としては、例えば、包装製品(包装袋)、蓋材およびラミネートチューブなどを挙げることができる。
他の実施形態において、側面シート41は、本発明の積層体を2枚準備し、これらをヒートシール層が向かい合うようにして重ね合わせ、重ね合わせ合わせた積層体の両端から、ヒートシール層が外側となるように、V字状に折った2枚の積層体を挿入し、ヒートシールすることにより形成することができる。このような作製方法によれば、図6に示すようなガセット43付きの胴部を有するスタンドパウチとすることができる。
より具体的には、積層体を、ヒートシール層が外側となるように、V字状に折り、製袋された側面シートの間に挿入し、ヒートシールすることにより形成することができる。
一方の面がコロナ処理された、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ(株)製、ME-1)のコロナ処理面に、下記組成のコート層形成用溶液を塗布、乾燥して、厚さ0.5μmのコート層を形成し、本発明の多層基材を得た。
(コート層形成用塗工液組成)
・ポリビニルアルコール 5質量%
(日本ビ・ポバール(株)製、VC-10、重合度1000、ケン化度99.3モル%以上)
・水 90質量%
・イソプロパノール(IPA) 5質量%
上記2軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面に、下記組成のコート層形成用溶液を塗布、乾燥して、厚さ0.5μmのコート層を形成し、本発明の多層基材を得た。
(コート層形成用塗工液組成)
・EVOH 75質量%
(日本シーマ(株)製、エバーソルブ#10)
・水 12.5質量%
・1-プロパノール 12.5質量%
上記2軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面に、下記組成のコート層形成用溶液を塗布、乾燥して、厚さ0.5μmのコート層を形成し、本発明の多層基材を得た。
(コート層形成用塗工液組成)
・ポリエステル 25質量%
(高松油脂(株)製、ペスレジンS-680EA)
・酢酸エチル 75質量%
上記2軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面に、下記組成のコート層形成用溶液を塗布、乾燥して、厚さ0.5μmのコート層を形成し、本発明の多層基材を得た。
(コート層形成用塗工液組成)
・ポリエチレンイミン 60質量%
(日本触媒(株)製、エポミンP-1000)
・メタノール 40質量%
上記2軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面に、以下のようにして調製したコート層形成用溶液を塗布、乾燥して、厚さ0.5μmのコート層を形成し、本発明の多層基材を得た。
トリレンジイソシアネートを含有する酢酸エチル溶液(固形分75質量%)を硬化剤として、主剤に添加し、コート層形成用溶液を得た。なお、硬化剤の使用量は、主剤100質量部に対し、10質量部とした。
上記2軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面に、水系ポリアミドエマルジョン溶液を塗布、乾燥して、厚さ0.5μmのコート層を形成し、本発明の多層基材を得た。
一方の面がコロナ処理された、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ(株)製、ME-1)を準備した。
上記実施例において得られた多層基剤のコート層上、および上記比較例において得られたポリプロピレンフィルムのコロナ処理面上に、CVD法によりシリカ蒸着膜を形成した。
蒸着膜形成後、酸素透過度(cc/m2・day・atm)および水蒸気透過度(g/m2・day)を、以下の方法により測定し、その結果を表1にまとめた。
酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/20)を用いて、試験片の基材層面が酸素供給側になるようにセットして、JIS K 7126準拠して、23℃、相対湿度90%RH環境下における酸素透過度を測定した。
[水蒸気透過度]
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN―w 3/33)を用いて、試験片の基材層面が水蒸気供給側になるようにセットして、JIS K 7129に準拠して、40℃、相対湿度90%RH環境下における水蒸気透過度を測定した。
上記ガスバリア性評価において、基材上に、CVD法により形成したシリカ蒸着膜上に、厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネートし、積層体を作製した。
この積層体を15mm巾の短冊状にカットしたサンプルを、引張試験機((株)オリエンテック製、テンシロン万能材料試験機)を用いて、JIS K6854-2に準拠し、蒸着膜とコート層との間、および蒸着膜とポリプロピレンフィルムとの間のラミネート強度(N/15mm)を、剥離速度50mm/minで90°剥離(T字剥離法)を用いて測定した。測定結果を表1にまとめた。
PVD法により形成したシリカ蒸着膜およびアルミナ蒸着膜上にも厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネートし、積層体を作製し、上記同様に、ラミネート強度を測定した。測定結果を表1にまとめた。
Claims (8)
- 積層フィルムとシーラント層とを備える積層体であって、
前記積層フィルムは、多層基材と、無機酸化物を含む蒸着膜と、バリアコート層とを備え、
当該多層基材は、少なくともポリプロピレン樹脂層とコート層とを備え、
前記ポリプロピレン樹脂層は、延伸処理が施されており、
かつ前記コート層が、極性基を有する樹脂材料を含み、
前記多層基材の総厚さに対する、前記コート層の厚さの割合が、1%以上20%以下であり、
前記積層フィルムは、前記コート層上に前記蒸着膜を備え、
前記積層フィルムは、前記蒸着膜上に前記バリアコート層を備え、
前記バリアコート層は、金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物の少なくとも1種を含み、且つ、無機層状化合物は含まないガスバリア性塗布膜からなり、
前記シーラント層がポリプロピレンにより構成され、
前記多層基材は、前記コート層を除き、ポリプロピレンとは異種の樹脂材料により構成される基材を備えない
ことを特徴とする、積層体。 - 前記コート層の厚さが、0.1μm以上10μm以下である、請求項1に記載の積層体。
- 前記コート層の前記樹脂材料が、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエステル、ポリエチレンイミン、水酸基含有(メタ)アクリル樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6、MXDナイロン、アモルファスナイロンおよびポリウレタンから選択される1以上の樹脂材料である、請求項1または2に記載の積層体。
- コート層は、水系エマルジョンまたは溶剤系エマルジョンを用いて形成された層である、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
- 包装材料用途に用いられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記無機酸化物が、シリカまたはアルミナを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記積層フィルムが、前記蒸着膜上に、バリアコート層をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備えることを特徴とする、包装材料。
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