JP2021024266A - 多層基材、該多層基材を備える多層フィルム、該多層フィルムを備える積層体および該積層体を備える包装材料 - Google Patents

多層基材、該多層基材を備える多層フィルム、該多層フィルムを備える積層体および該積層体を備える包装材料 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着膜との層間の密着性に優れると共に高いガスバリア性を有する、基材の提供。【解決手段】本発明の多層基材は、延伸処理が施されており、多層基材が、少なくともポリプロピレン樹脂層と表面樹脂層とを備え、表面樹脂層が、融点180℃以上の樹脂材料を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、多層基材、該多層基材を備える多層フィルム、該多層フィルムを備える積層体および該積層体に関する。
従来、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルからなるフィルム(以下、ポリエステルフィルムともいう)は、機械的特性、化学的安定性、耐熱性および透明性に優れると共に、安価であることから、包装材料の作製に使用される積層体を構成する基材として使用されている。
包装材料に充填する内容物によっては、包装材料には高い酸素バリア性および水蒸気バリア性などのガスバリア性が要求され、この要求を満たすべく、ポリエステルフィルム表面に、アルミナやシリカなどを含む蒸着膜を形成することが広く行われている(特許文献1)。
ところで、近年、ポリエステルフィルムに代わる樹脂材料の探索が行われており、ポリオレフィンフィルム、特にポリプロピレンフィルムの基材への適用が検討されている。
特開平2005−053223号公報
本発明者らは、従来のポリエステルフィルム基材に代えて、ポリプロピレンの延伸フィルム(以下、延伸ポリプロピレンフィルムともいう)を使用することを検討していたところ、延伸ポリプロピレンフィルムの表面に蒸着膜を形成しても、満足するガスバリア性を得ることができないという新たな課題を見出した。
そして、本発明者らが検討を進めたところ、該延伸ポリプロピレンフィルムに蒸着膜を設けた積層フィルムを使用した包装材料では、ポリエステルフィルム基材を使用する従来の積層フィルムには見られない特有の現象、即ち、延伸ポリプロピレンフィルムと蒸着膜との層間で剥離が生じていることを見出し、その現象がガスバリア性を不十分なものとしているとの知見を得た。
そして、本発明者らは、延伸ポリプロピレンフィルム表面に、180℃以上の融点を有する樹脂材料を含む表面樹脂層を設けることにより、当該表面樹脂層上に、形成される蒸着膜の密着性が改善されると共に、ガスバリア性も向上するとの知見を得た。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、蒸着膜との層間の密着性に優れると共に高いガスバリア性を有する、基材を提供することである。
また、本発明の解決しようとする課題は、該基材を備える積層フィルムを提供することである。
また、本発明の解決しようとする課題は、該積層フィルムを備える積層体を提供することである。
さらに、本発明の解決しようとする課題は、該積層体を備える包装材料を提供することである。
本発明の多層基材は、延伸処理が施されており、
多層基材が、少なくともポリプロピレン樹脂層と表面樹脂層とを備え、
表面樹脂層が、融点180℃以上の樹脂材料を含むことを特徴とする。
一実施形態において、樹脂材料の融点は、265℃以下である。
一実施形態において、樹脂材料の融点と、ポリプロピレン樹脂層に含まれるポリプロピレンの融点と、の差が20〜80℃である。
一実施形態において、樹脂材料は極性基を有する。
一実施形態において、樹脂材料が、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6、MXDナイロンおよびアモルファスナイロンから選択される1以上の樹脂材料である。
一実施形態において、多層基材の総厚さに対する、表面樹脂層の厚さの割合が、1%以上10%以下である。
一実施形態において、多層基材は、共押フィルムである。
一実施形態において、多層基材は、包装材料用途に用いられる。
本発明の積層フィルムは、上記多層基材と、無機酸化物からなる蒸着膜とを備え、表面樹脂層上に蒸着膜を備えることを特徴とする。
一実施形態において、無機酸化物は、シリカまたはアルミナである。
一実施形態において、本発明の積層フィルムは、蒸着膜上に、バリアコート層をさらに備える。
本発明の積層体は、上記積層フィルムと、シーラント層とを備えることを特徴とする。
一実施形態において、シーラント層が、ポリプロピレン樹脂層と同一の材料により構成され、同一材料は、ポリプロピレンである。
本発明の包装材料は、上記積層体を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ポリプロピレンフィルムと蒸着膜との層間の密着性に優れ、高いラミネート強度を有する包装材料を作製することができ、高いガスバリア性を有する、基材を提供することができる、
また、本発明によれば、該基材を備える積層フィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、該積層フィルムを備える積層体を提供することができる。
さらに、本発明によれば、該積層体を備える包装材料を提供することができる。
本発明の多層基材の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の多層基材の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の積層フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の積層フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の包装材料の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の包装材料の一実施形態を示す斜視図である。
(多層基材)
本発明の多層基材10は、図1に示すように、ポリプロピレン樹脂層11と、表面樹脂層12とを備える。
また、一実施形態において、多層基材10は、図2に示すように、ポリプロピレン樹脂層11と、表面樹脂層12との間に、接着性樹脂層13とをさらに備えることができる。
多層基材は、延伸処理が施されており、該延伸処理は一軸延伸であっても良く、二軸延伸であっても良い。
多層基材の縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)への延伸倍率は、2倍以上15倍以下であることが好ましく、5倍以上13倍以下であることが好ましい。
延伸倍率を2倍以上とすることにより、多層基材の強度および耐熱性をより向上することができる。また、多層基材への印刷適性を向上することができる。
また、多層基材の破断限界という観点からは、延伸倍率は15倍以下であることが好ましい。
また、多層基材が備える表面樹脂層は、表面処理が施されていてもよい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
以下、本発明の多層容器が備える各層について説明する。
(ポリプロピレン樹脂層)
ポリプロピレン樹脂層は、ポリプロピレンにより構成され、単層構造を有するものであっても、多層構造を有するものであってもよい。
ポリプロピレン樹脂層に含まれるポリプロピレンは、ホモポリマー、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーのいずれであってもよい。
ポリプロピレンホモポリマーとは、プロピレンのみの重合体であり、ポリプロピレンランダムコポリマーとは、プロピレンとプロピレン以外の他のα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン−1、4−メチル−1−ペンテンなど)などとのランダム共重合体であり、ポリプロピレンブロックコポリマーとは、プロピレンからなる重合体ブロックと、上記したプロピレン以外の他のα−オレフィンからなる重合体ブロックを有する共重合体である。
これらポリプロプロピレンの中でも、透明性の観点からは、ホモポリマーまたはランダムコポリマーを使用することが好ましい。包装袋の剛性や耐熱性を重視する場合には、ホモポリマーを使用し、耐衝撃性などを重視する場合にはランダムコポリマーを使用することが好ましい。
また、バイオマス由来のポリプロピレンや、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリプロピレンを使用することもできる。
ポリプロピレン樹脂層におけるポリプロピレンの含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明の特性を損なわない範囲において、ポリプロピレン樹脂層は、ポリプロピレン以外の樹脂材料を含んでいても良く、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステルおよびアイオノマー樹脂などが挙げられる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリプロピレン樹脂層は、添加剤を含むことができ、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
ポリプロピレン樹脂層の厚さは、10μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。
ポリプロピレン樹脂層の厚さを10μm以上とすることにより、多層基材の強度および耐熱性をより向上することができる。
また、ポリプロピレン樹脂層の厚さを50μm以下とすることにより、多層基材の製膜性および加工適性をより向上することができる。
ポリプロピレン樹脂層は、その表面に印刷層を有していてもよく、印刷層に形成される画像は、特に限定されず、文字、柄、記号およびこれらの組み合わせなどが表される。
基材への印刷層形成は、バイオマス由来のインキを用いて行うことができる。これにより、環境負荷を低減することができる。
印刷層の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などの従来公知の印刷法を挙げることができる。
(表面樹脂層)
本発明の多層基材は、ポリプロピレン樹脂層上に、180℃以上の融点を有する樹脂材料(以下、高融点樹脂材料ともいう)を含む表面保護層を備え、該表面樹脂層上には高い密着性を有する蒸着膜を形成することができ、ガスバリア性を向上することができる。
また、後述するように、本発明の多層基材を使用して作製される包装材料は高いラミネート強度を有する。
高融点樹脂材料の融点は、185℃以上であることがより好ましく、190℃以上であることがさらに、好ましく、205℃以上であることが特に好ましい。
高融点樹脂材料の融点を185℃以上とすることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、ガスバリア性をより向上させることができる。また、包装材料のラミネート強度をより向上することができる。
多層基材の製膜性という観点からは、高融点樹脂材料の融点は、265℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることがさらに好ましい。
多層基材に含まれる高融点樹脂材料の融点と、ポリプロピレン樹脂層に含まれるポリプロピレンの融点の差は、20〜80℃であることが好ましく、20〜60℃であることがより好ましい。
多層基材に含まれる高融点樹脂材料の融点と、ポリプロピレン樹脂層に含まれるポリプロピレンの融点の差が、20℃以上であることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、ガスバリア性をより向上させることができる。また、包装材料のラミネート強度をより向上することができる。
また、多層基材に含まれる高融点樹脂材料の融点と、ポリプロピレン樹脂層に含まれるポリプロピレンの融点の差が、80℃以下であることにより、多層基材の製膜性をより向上することができる。
高融点樹脂材料は、極性基を有することが好ましい。
本発明において、極性基とは、ヘテロ原子を1個以上含む基を指し、例えば、エステル基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、カルボニル基、カルボン酸無水物基、スルフォン基、チオール基およびハロゲン基などが挙げられる。
これらの中でも、包装材料のラミネート強度の観点からは、水酸基、エステル基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基およびカルボニル基が好ましく、水酸基がより好ましい。
高融点樹脂材料は、融点が180℃以上であれば特に限定されることなく使用することができ、例えば、ビニル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂およびアイオノマー樹脂などが挙げられる。
本発明においては、融点が180℃以上であり、極性基を有する樹脂材料が特に好ましく、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ナイロン6、ナイロン6,6、MXDナイロン、アモルファスナイロンなどのアミド樹脂が好ましく、エチレンビニルアルコール共重合体及びポリビニルアルコールが特に好ましい。
このような樹脂材料を使用することにより、コート層上に形成される蒸着膜の密着性を顕著に改善することができ、そのガスバリア性を効果的に向上することができる。
表面樹脂層における高融点樹脂材料の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明の特性を損なわない範囲において、表面樹脂層は、高融点樹脂材料以外の樹脂材料を含んでいても良い。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、表面樹脂層は、添加剤を含むことができ、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
多層基材の総厚さに対する、表面樹脂層の厚さの割合は、1%以上10%以下であることが好ましく、1%以上5%以下であることがより好ましい。
多層基材の総厚さに対する、表面樹脂層の厚さの割合を、1%以上とすることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、ガスバリア性をより向上させることができる。また、包装材料のラミネート強度をより向上することができる。
また、多層基材の総厚さに対する、表面樹脂層の厚さの割合を、10%以下とすることにより、多層基材の製膜性および加工適性をより向上することができる。また、後述するように、本発明の多層基材と、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
表面樹脂層の厚さは、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上4μm以下であることがより好ましい。
表面樹脂層の厚さを0.1μm以上とすることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、ガスバリア性をより向上させることができる。また、包装材料のラミネート強度をより向上することができる。
また、表面樹脂層の厚さを5μm以下とすることにより、多層基材の製膜性および加工適性をより向上することができる。また、後述するように、本発明の多層基材と、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
(接着性樹脂層)
一実施形態において、本発明の多層基材は、ポリプロピレン樹脂層と、表面樹脂層との間に、接着性樹脂層を備えることができ、これにより、これら層間の密着性を向上することができる。
接着性樹脂層は、ポリエーテル、ポリエステル、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ビニル樹脂、フェノール樹脂およびポリオレフィンなどの接着性樹脂を使用することにより形成することができる。
上記した中でも、また、後述するように、本発明の多層基材と、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性という観点からは、ポリオレフィンおよびこの酸変性物が好ましく、ポリプロピレンおよびこの酸変性物が特に好ましい。
接着性ポリプロピレンとしては、市販されるものを使用することができ、例えば、三井化学(株)製、アドマーシリーズを使用することができる。
接着性樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、1μm以上15μm以下とすることができる。接着性樹脂層の厚さを1μm以上とすることにより、ポリプロピレン樹脂層と、表面樹脂層との密着性をより向上することができる。接着層の厚さを15μm以下とすることにより、多層基材の加工適性を向上することができる。
一実施形態において、本発明の多層基材は、共押フィルムであり、Tダイ法またはインフレーション法などを利用して製膜し、樹脂フィルムとした後、延伸することにより作製することができる。
インフレーション法により製膜することにより、樹脂フィルムの延伸を同時に行うことができる。
(積層フィルム)
本発明の積層フィルム20は、図3に示すように、上記多層基材10と、無機酸化物を含む蒸着膜21とを備え、表面樹脂層12上に、蒸着膜21が設けられていることを特徴とする。
また、一実施形態において、積層フィルム20は、図4に示すように、蒸着膜21上に、バリアコート層22をさらに備えることができる。
以下、積層フィルムが備える各層について説明する。なお、多層基材については上述したため、ここでは記載を省略する。
(蒸着膜)
本発明の積層フィルムは、表面樹脂層上に無機酸化物からなる蒸着膜を備える。これにより、積層フィルムのガスバリア性、具体的には、酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、本発明の積層フィルムを用いて作製した包装材料に充填された内容物の質量減少を抑えることができる。
無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化珪素(シリカ)、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウムなどを挙げることができる。
上記した中でも、シリカおよびアルミナが好ましい。
また、蒸着膜形成後のエージング処理が必要ないため、シリカが特に好ましい。
また、蒸着膜の厚さは、1nm以上150nm以下であることが好ましく、5nm以上60nm以下であることがより好ましく、10nm以上40nm以下であることがさらに好ましい。
蒸着膜の厚さを1nm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
また、蒸着膜の厚さを150nm以下とすることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。さらに、後述するように、本発明の多層基材と、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
蒸着膜の形成は、従来公知の方法を用いて行うことができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法およびイオンプレーティング法などの物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、並びにプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法および光化学気相成長法などの化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)などを挙げることができる。
また、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできる。蒸着チャンバーの真空度としては、酸素導入前においては、10−2〜10−8mbar程度が好ましく、酸素導入後においては、10−1〜10−6mbar程度が好ましい。なお、酸素導入量などは、蒸着機の大きさなどによって異なる。導入する酸素には、キャリヤーガスとしてアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガスなどの不活性ガスを支障のない範囲で使用してもよい。フィルムの搬送速度は、10〜800m/min程度とすることができる。
蒸着膜の表面は、上記表面処理が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
(バリアコート層)
本発明の積層フィルムは、蒸着膜上にバリアコート層をさらに備えることができる。これにより、積層フィルムの酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
一実施形態において、バリアコート層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、並びに(メタ)アクリル樹脂などのガスバリア性樹脂を含む。これらの中でも、酸素バリア性および水蒸気バリア性という観点から、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、バリアコート層にポリビニルアルコールを含有させることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
バリアコート層におけるガスバリア性樹脂の含有量は、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、75質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。バリアコート層におけるガスバリア性樹脂の含有量を50質量%以上とすることにより、基材の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
バリアコート層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含むことができる。
バリアコート層の厚さは、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。
バリアコート層の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層フィルムの酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。バリアコート層の厚さを10μm以下とすることにより、積層フィルムの加工適性を向上することができる。また、本発明の多層基材と、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
バリアコート層は、上記材料を水または適当な溶剤に、溶解または分散させ、塗布、乾燥することにより形成することができる。また、市販されるバリアコート剤を塗布、乾燥することによってもバリアコート層を形成することができる。
また、他の実施形態において、バリアコート層は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むガスバリア性塗布膜である。
このようなバリアコート層を蒸着膜上に設けることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
一実施形態において、金属アルコキシドは、下記一般式で表される。
M(OR
(ただし、式中、R、Rは、それぞれ、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムなどを使用することができる。
また、RおよびRで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基およびi−ブチル基などのアルキル基を挙げることができる。
上記一般式を満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH)、テトラエトキシシラン(質量%)Si(OC)、テトラプロポキシシラン(Si(OC)、テトラブトキシシラン(Si(OC)などが挙げられる。
また、上記金属アルコキシドと共に、シランカップリング剤が使用されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましい。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランおよびβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記のようなシランカップリング剤は、2種以上を使用してもよく、シランカップリング剤は、上記アルコキシドの合計量100質量部に対して、1〜20質量部程度の範囲内で使用することが好ましい。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性および耐候性という観点からは、これらを併用することが好ましい。
ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量は、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上500質量部以下であることが好ましい。
ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上とすることにより、積層フィルムの酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。また、ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して500質量部以下とすることにより、ガスバリア性塗布膜の製膜性を向上することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さは、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。これにより、リサイクル性を維持しつつ、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層フィルムの酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを100μm以下とすることにより、本発明の多層基材と、ポリプロピレンからなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装材料のリサイクル適性を向上することができる。
ガスバリア性塗布膜は、上記材料を含む組成物を、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの従来公知の手段により、塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルべンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。
ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上とすることにより、その触媒効果を向上することができる。また、ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、1.0質量部以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
上記組成物は、さらに酸を含んでいてもよい。酸は、ゾル−ゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上0.05モル以下であることが好ましい。
酸の使用量をアルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上とすることにより、触媒効果を向上することができる。また、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.05モル以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
また、上記組成物は、アルコキシドの合計モル量1モルに対して、好ましくは0.1モル以上100モル以下、より好ましくは0.8モル以上2モル以下の割合の水を含んでなることが好ましい。
水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、0.1モル以上とすることにより、本発明の積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、100モル以上とすることにより、加水分解反応を速やかに行うことができる。
また、上記組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどを用いることができる。
以下、ガスバリア性塗布膜の形成方法の一実施形態について以下に説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒および必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、蒸着膜上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、該組成物を20〜250℃、好ましくは50〜220℃の温度で、1秒〜10分間加熱することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
バリアコート層は、その印刷層が形成されていてもよい。印刷層の形成方法などについては上記した通りである。
(積層体)
本発明の積層体30は、図5に示すように、上記積層フィルム20と、シーラント層31とを備えることを特徴とする。
以下、積層体が備える各層について説明する。なお、積層フィルムについては上述したため、ここでは記載を省略する。
(シーラント層)
一実施形態において、シーラント層は、熱によって相互に融着し得る樹脂材料により形成することができ、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、アイオノマー樹脂、ヒートシール性エチレン・ビニルアルコール樹脂、または、共重合した樹脂メチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーなどのポリオレフィン、ポリオレフィンをアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン、PETなどのポリエステル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。
従来より、基材と、シーラント層とを異種の樹脂材料により構成した積層体が包装材料の作製に使用されているが、使用済みの包装材料を回収した後、基材とシーラント層とを分離するのが困難であるため、積極的にはリサイクルされていないという現状がある。
基材とシーラント層とを同一材料によって構成することにより、基材とシーラント層とを分離する必要がなく、そのリサイクル適正を向上することができる。
すなわち、上記した樹脂材料の中でも、積層体を用いて作製した包装材料のリサイクル適性という観点からは、シーラント層は、ポリプロピレンから構成されることが好ましい。
本発明の特性を損なわない範囲において、シーラント層は、上記添加材を含むことができる。
シーラント層は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有するものであってもよい。
シーラント層の厚さは、20μm以上100μm以下であることが好ましく、30μm以上70μm以下であることがより好ましい。
シーラント層の厚さを20μm以上とすることにより、本発明の積層体を備える包装材料のラミネート強度をより向上することができる。
また、シーラント層の厚さを100μm以下とすることにより、本発明の積層体の加工適性をより向上することができる。
(包装材料)
本発明の包装材料は、上記積層体を備えることを特徴とする。包装材料としては、例えば、包装製品(包装袋)、蓋材およびラミネートチューブなどを挙げることができる。
包装袋として、例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型などの種々の形態の包装袋が挙げられる。
本発明の積層体を備える包装袋の一例である、スタンディングパウチについて説明する。図6は、スタンディングパウチの構成の一例を簡略に示す図である。図6に示すように、スタンディングパウチ40は、胴部(側面シート)41と、底部(底面シート)42とで構成されている。スタンディングパウチ20が備える、側面シート41と底面シート42とは、同一部材により構成されていてもよく、別部材により構成されていてもよい。
一実施形態において、スタンディングパウチ40が備える胴部41は、本発明の積層体が備えるヒートシール層が最内層となるように製袋することにより形成することができる。
他の実施形態において、側面シート41は、本発明の積層体を2枚準備し、これらをヒートシール層が向かい合うようにして重ね合わせ、重ね合わせ合わせた積層体の両端から、ヒートシール層が外側となるように、V字状に折った2枚の積層体を挿入し、ヒートシールすることにより形成することができる。このような作製方法によれば、図7に示すようなガセット43付きの胴部を有するスタンドパウチとすることができる。
また、一実施形態において、スタンディングパウチ20が備える底面シート22は、製袋された側面シートの間に本発明の積層体を挿入し、ヒートシールすることにより形成することができる。
より具体的には、積層体を、ヒートシール層が外側となるように、V字状に折り、製袋された側面シートの間に挿入し、ヒートシールすることにより形成することができる。
ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シールなどの公知の方法で行うことができる。
包装材料に充填される内容物は、特に限定されるものではなく、内容物は、液体、粉体およびゲル体であってもよい。また、食品であっても、非食品であってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
ポリアミド(宇部興産(株)製、ポリアミド6、融点:220℃)と、接着性樹脂(三井化学(株)製、アドマーQF500、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)と、ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、ノバテックFL203D、融点:160℃)とを共押出した後、逐次二軸延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍、横方向(TD方向)に10倍延伸して、多層基材を作製した。
上記のようにして作製した多層基材は、ポリアミドからなる表面樹脂層と、接着性樹脂からなる接着性樹脂層と、ポリプロピレンからなるポリプロピレン樹脂層とを備え、総厚さ20μmであった。
多層基材の層厚さに対するポリアミドからなる表面樹脂層の厚さの割合は、2%であった。
実施例2
ポリアミドを、ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ボパール(株)製、ボパールJC−33、融点:200℃)に変更し、表面樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にして、多層基材を作製した。
実施例3
ポリアミドを、エチレンビニルアルコール(クラレ(株)製、エバール F171B、融点:183℃)に変更し、表面樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にして、多層基材を作製した。
実施例4
ポリアミドを、非結晶性ポリエステル(東洋紡(株)製、バイロン RN−9300、融点:198℃)に変更し、表面樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にして、多層基材を作製した。
比較例1
ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、ノバテックFL203D、融点:160℃)を共押出した後、逐次二軸延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍、横方向(TD方向)に10倍延伸して、厚さ20μmの基材を作製した。
<<ガスバリア性評価>>
上記実施例において得られた多層基材およびポリプロプレンフィルムをテスト機内に配置し、表面樹脂層上、および上記比較例において得られたポリプロピレンフィルム上に、バッチ式の平行平板CVD法によりシリカ蒸着膜を形成した。CVD法の蒸着条件は以下の通りとした。
(蒸着条件)
・投入電力 100W
・原料ガス HMDSO
・キャリアガス流量 Ar 3.0sccm
・酸素ガス流量 50sccm
・成膜圧力 15Pa
蒸着膜形成後、酸素透過度(cc/m・day・atm)および水蒸気透過度(g/m・day)を、以下の方法により測定し、その結果を表1にまとめた。
[酸素透過度]
酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX−TRAN2/20)を用いて、試験片の基材層面が酸素供給側になるようにセットして、JIS K 7126準拠して、23℃、相対湿度90%RH環境下における酸素透過度を測定した。
[水蒸気透過度]
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN―w 3/33)を用いて、試験片の基材層面が水蒸気供給側になるようにセットして、JIS K 7129に準拠して、40℃、相対湿度90%RH環境下における水蒸気透過度を測定した。
また、テスト機内において、PVD法によりシリカ蒸着膜およびアルミナ蒸着膜を形成し、同様に酸素透過度(cc/m・day・atm)および水蒸気透過度(g/m・day)を測定し、表1にまとめた。
<<ラミネート強度試験>>
上記ガスバリア性評価において、CVD法により形成したシリカ蒸着膜上に、厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネートし、シーラント層を形成し、積層体を作製した。
この積層体を15mm巾の短冊状にカットしたサンプルを、引張試験機((株)オリエンテック製、テンシロン万能材料試験機)を用いて、JIS K6854−2に準拠し、蒸着膜と表面樹脂層との間、および蒸着膜とポリプロピレンフィルムとの間のラミネート強度(N/15mm)を、剥離速度50mm/minで90°剥離(T字剥離法)を用いて測定した。測定結果を表1にまとめた。
PVD法により形成したシリカ蒸着膜およびアルミナ蒸着膜上にも厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネートし、積層体を作製し、上記同様に、ラミネート強度を測定した。測定結果を表1にまとめた。
<<製膜性評価>>
上記実施例および比較例において製膜時の樹脂の流れムラの発生の有無を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
〇:流れムラの発生が見られた。
×:流れムラの発生が見られなかった。
10:多層基材、11:ポリプロピレン樹脂層、12:表面樹脂層、13:接着性樹脂層、20:積層フィルム、21:蒸着膜、22:バリアコート層、30:積層体、31:シーラント層、40:包装材料、41:胴部(側面シート)、42:底部(底面シート)、43:ガセット

Claims (14)

  1. 多層基材であって、
    当該多層基材は、延伸処理が施されており、
    更に、当該多層基材が、少なくともポリプロピレン樹脂層と表面樹脂層とを備え、
    当該表面樹脂層が、融点180℃以上の樹脂材料を含むことを特徴とする、多層基材。
  2. 前記樹脂材料の融点が、265℃以下である、請求項1に記載の多層基材。
  3. 前記樹脂材料の融点と、前記ポリプロピレン樹脂層に含まれるポリプロピレンの融点と、の差が20〜80℃である、請求項1または2に記載の多層基材。
  4. 前記樹脂材料が極性基を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層基材。
  5. 前記樹脂材料が、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6、MXDナイロンおよびアモルファスナイロンから選択される1以上の樹脂材料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層基材。
  6. 前記多層基材の総厚さに対する、前記表面樹脂層の厚さの割合が、1%以上10%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層基材。
  7. 前記多層基材が、共押フィルムである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多層基材。
  8. 包装材料用途に用いられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多層基材。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の多層基材と、無機酸化物からなる蒸着膜とを備え、前記表面樹脂層上に前記蒸着膜を備えることを特徴とする、積層フィルム。
  10. 前記無機酸化物が、シリカまたはアルミナである、請求項9に記載の積層フィルム。
  11. 前記蒸着膜上に、バリアコート層をさらに備える、請求項9または10に記載の積層フィルム。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の積層フィルムと、シーラント層とを備えることを特徴とする、積層体。
  13. 前記シーラント層が、前記ポリプロピレン樹脂層と同一の材料により構成され、
    前記同一材料は、ポリプロピレンである、請求項12に記載の積層体。
  14. 請求項12または13に記載の積層体を備えることを特徴とする、包装材料。
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