JP2021160213A - 生タイヤの一次成形体の検査方法 - Google Patents

生タイヤの一次成形体の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生タイヤの一次成形体を簡易に検査する方法の提供。【解決手段】生タイヤの一次成形体1を検査するための検査方法であって、カーカス基体2を、ドラム12に装着する工程と、ドラムに装着されたカーカス基体に、一対のサイドゴム3を貼り付けて一次成形体を成型する工程と、一対の変位センサ13を用いて、一次成形体の上の一対のサイドゴムの外面3sまでの距離h1を、円周方向に複数箇所で測定する工程と、一対の変位センサのそれぞれの複数の測定データに基づいて、一対のサイドゴムのそれぞれの成型良否を判定する工程とを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、生タイヤの一次成形体の検査方法に関する。
下記特許文献1には、タイヤドラムに貼り付けられたボディプライを巻き上げて、この巻上部の巻上状態を検出するための方法が記載されている。前記方法では、前記タイヤドラムを相対的に回転させながら、前記巻上部が存在する位置において、前記ボディプライの厚みが測定されていた。
特開2002−36386号公報
一般に、生タイヤを成型するにあたり、前記ボディプライの外側には、サイドゴム等が貼り付けられて生タイヤの一次成形体が作られる。しかしながら、例えば、前記サイドゴムが前記タイヤドラムの周方向に対して蛇行すると、加硫成形時に、前記サイドゴムの先端が千切れる、所謂クラッキングビード等のディフェクトが生じることがあった。したがって、このようなディフェクトを防止するために、生タイヤの一次成形体を事前に検査する必要があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、簡易な方法により、生タイヤの一次成形体を検査することができる方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、一対のビードコアと、両端部が前記一対のビードコアで折り返されて保持された円筒状カーカスプライとを含むカーカス基体の前記円筒状カーカスプライの外側に、一対のサイドゴムを環状に貼り付けた生タイヤの一次成形体を検査するための検査方法であって、前記カーカス基体を、ドラムに装着する工程と、前記ドラムに装着された前記カーカス基体に、前記一対のサイドゴムを貼り付けて前記一次成形体を成型する工程と、一対の変位センサを用いて、前記一次成形体の上の前記一対のサイドゴムの外面までの距離を、円周方向に複数箇所で測定する工程と、前記一対の変位センサのそれぞれの複数の測定データに基づいて、前記一対のサイドゴムのそれぞれの成型良否を判定する工程とを含む。
本発明に係る生タイヤの一次成形体の検査方法は、前記測定する工程が、前記ドラムを回転させながら行われる、のが望ましい。
本発明に係る生タイヤの一次成形体の検査方法は、前記変位センサが非接触型の変位センサである、のが望ましい。
本発明に係る生タイヤの一次成形体の検査方法は、前記測定する工程が、前記円周方向に、等間隔で6〜10箇所の前記距離を測定する、のが望ましい。
本発明に係る生タイヤの一次成形体の検査方法は、前記サイドゴムが、帯状のサイドゴムシートの端部が互いに重なる重複部を含み、前記測定する工程は、前記サイドゴムの前記重複部を除いた位置で、前記距離を測定する、のが望ましい。
本発明に係る生タイヤの一次成形体の検査方法は、前記判定する工程が、前記サイドゴムのそれぞれにおいて、前記複数の測定データの最大値と最小値との差を求める工程と、前記差を予め定められた閾値と比較して前記良否を決定する工程とを含む、のが望ましい。
本発明に係る生タイヤの一次成形体の検査方法は、前記測定する工程が、前記一次成形体を成型する工程が完了する前に開始される、のが望ましい。
本発明に係る生タイヤの一次成形体の検査方法は、前記一次成形体を成型する工程に先立ち、前記ドラムに対する前記カーカス基体の装着状態を検査する工程をさらに含む、のが望ましい。
本発明は、上記の構成を採用することで、生タイヤの一次成形体を簡易に検査することができる。
本実施形態の検査方法のフローチャートである。 本実施形態の検査方法で使用される装置の側面図である。 検査方法の工程を概念的に説明するドラムの縦断面図である。 検査方法の工程を概念的に説明するドラムの横断面図である。 他の実施形態の検査方法のフローチャートである。 検査工程を概念的に説明するドラムの縦断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の生タイヤの一次成形体を検査するための検査方法(以下、単に「検査方法」ということがある。)のフローチャートである。この検査方法では、生タイヤ(図示省略)の一次成形体1(図3に示す)の成型状態が検査される。
前記「生タイヤ」とは、未加硫の状態のタイヤである。ここで、未加硫とは、完全な加硫に至っていない全ての態様を含むもので、いわゆる半加硫の状態はこの「未加硫」に含まれる。タイヤは、例えば、空気入りタイヤが採用される。
図1に示されるように、本実施形態の検査方法は、装着する工程S1と成型する工程S2と測定する工程S3と判定する工程S4とを含んでいる。
図2は、本実施形態の検査方法で使用される装置11の側面図である。図2に示されるように、本実施形態の装置11は、例えば、ドラム12と一対の変位センサ13、13とを具えている。また、装置11は、本実施形態では、各変位センサ13で測定される測定データdが入力される制御部15を含んでいる。
ドラム12は、例えば、円筒状のドラム本体12aと、ドラム本体12aを支持する支持軸12bと、支持軸12bを回転可能に保持する架台12cと含んでいる。ドラム本体12aは、例えば、その周方向に分割された複数のセグメント14を含んでいる。各セグメント14は、本実施形態では、支持軸12bの軸方向の外側を向く外向面14Aと、外向面14Aに連なって支持軸12bの半径方向外側を向く外周面14Bとを含んでいる。セグメント14は、例えば、図示しない周知の拡縮手段によって、支持軸12bの半径方向に移動可能に支持軸12bに支持されるのが望ましい。架台12cは、例えば、支持軸12bを回転させるための周知の電動機などの駆動具(図示省略)を有している。
各変位センサ13は、例えば、非接触型の変位センサ13aである。非接触型の変位センサ13aとしては、レーザを照射して距離を測定し得る周知のものが望ましい。各変位センサ13は、本実施形態では、ドラム本体12aの軸方向の両側に離間した位置、かつ、外周面14Bの半径方向外側に設けられる。なお、各変位センサ13は、図示しない周知の保持具に保持されている。
制御部15は、例えば、変位センサ13から入力される測定データdを処理するためのものである。制御部15は、本実施形態では、コンピュータとして構成されている。制御部15は、例えば、測定データd等を記憶するメモリ、各種の演算処理や情報処理等を実行するCPU(Central Processing Unit)、磁気ディスクなどの記憶装置、処理結果等を表示するための表示部、及び、変位センサ13を操作するための操作部等を有している。前記記憶装置には、例えば、一次成形体1を検査するためのプログラム等が予め記憶されている。
図3は、装着する工程S1、成型する工程S2、及び、測定する工程S3を概念的に説明するドラム12の縦断面(支持軸12bの軸心12eに沿った断面)図である。図3は、一次成形体1が成型された状態を示している。
図3に示されるように、一次成形体1は、カーカス基体2と一対のサイドゴム3とを含んでいる。カーカス基体2は、一対のビードコア4、4と、両端部が一対のビードコア4、4で折り返された円筒状のカーカスプライ5とを含んで形成されている。カーカス基体2は、本実施形態では、ビードコア4と接する一対のビードエーペックスゴム6を含んでいる。各ビードコア4と各ビードエーペックスゴム6とは、カーカスプライ5の折り返された部分で保持されている。サイドゴム3は、例えば、タイヤのサイドウォール部の外面(図示省略)を構成するサイドウォールゴム7と、タイヤのビード部の外面(図示省略)を構成するクリンチゴム8とを含んでいる。なお、カーカス基体2及びサイドゴム3は、このような態様に限定されるものではなく、種々のタイヤを構成する部材をさらに含んでもよい。
装着する工程S1では、ドラム12にカーカス基体2が装着される。装着する工程S1は、例えば、カーカス基体2のビードコア4が、外向面14Aよりも支持軸12bの軸方向外側、かつ、外周面14Bよりも支持軸12bの半径方向内側に位置するように装着される。なお、カーカス基体2のドラム12への装着状態は、このような態様に限定されるものではない。
カーカス基体2は、例えば、装置11とは異なる他所から、図示しない周知の搬送装置によって搬送されて、ドラム12に装着される。なお、カーカス基体2は、例えば、外周面14B上に巻き付けられたカーカスプライ5に、ビードコア4及びビードエーペックスゴム6をセットして、カーカスプライ5をビードコア4で折り返すことで形成してもよい。
次に、成型する工程S2が行われる。本実施形態の成型する工程S2では、ドラム12に装着されたカーカス基体2に、一対のサイドゴム3が環状に貼り付けられる。成型する工程S2は、例えば、図示しない周知のアプリケータを用いて、帯状のサイドゴムシート3Aが、カーカス基体2の円周方向に沿って順次巻き付けられる。これにより、カーカス基体2とサイドゴム3とを含む一次成形体1が成型される。サイドゴムシート3Aは、本実施形態では、サイドウォールゴム7を形成する帯状のサイドウォールゴムシート7A、及び、クリンチゴム8を形成する帯状のクリンチゴムシート8Aを含んでいる。
成型する工程S2では、例えば、サイドゴムシート3Aの端部3a、3aが互いにドラム12の半径方向に重なる重複部9(図4に示される)が形成される。このような重複部9は、サイドゴム3の剛性を高める。
測定する工程S3は、変位センサ13を用いて、一次成形体1のサイドゴム3の外面3sまでの距離h1が測定される。測定された距離h1に基づく測定データdは、例えば、制御部15に出力される。
測定する工程S3は、ドラム本体12aを支持軸12bで回転させながら行われる。また、測定する工程S3では、変位センサ13と外周面14Bとの間の支持軸12bの半径方向の距離が同じとされている。これにより、外面3sまでの距離h1を精度よく測定することができる。
各変位センサ13、13は、ドラム本体12aの軸方向の中心12iから同じ軸方向距離wを離間した位置に配されるのが望ましい。これにより、一対のサイドゴム3の成型の成否を精度よく検査することができる。
図4は、測定する工程S3を概念的に説明するためのドラム12の横断面(軸心12eと直交する断面)図である。図4に示されるように、測定する工程S3では、距離h1がカーカス基体2の円周方向に複数個所で測定される。
測定する工程S3では、例えば、距離h1がカーカス基体2の円周方向に等間隔で6〜10箇所測定される。図4には、測定箇所が円周方向に8箇所の場合が示される。測定する工程S3では、重複部9を除いた位置で、距離h1が測定されるのが望ましい。これにより、成型良否をより精度よく判定することができる。
測定する工程S3は、本実施形態では、成型する工程S2が完了する前に開始される。これにより、一次成形体1を検査するための時間を短縮することができる。測定する工程S3では、例えば、サイドゴム3の巻き付け開始端3eから支持軸12bの軸心12eを中心として17.5〜27.5度の角度θを巻き付けた位置が、距離h1の測定開始の位置Mとされる。
次に、判定する工程S4が行われる。本実施形態の判定する工程S4では、一対の変位センサ13のそれぞれの複数の測定データdに基づいて、一対のサイドゴム3、3のそれぞれの成型良否が判定される。判定する工程S4は、例えば、制御部15で行われる。
判定する工程S4は、例えば、測定データd、本実施形態では、測定された距離h1の最大値hxと最小値hiとの差(hx−hi)を求める工程と、差(hx−hi)を予め定められた閾値と比較して良否を決定する工程とを含んでいる。判定する工程S4は、本実施形態では、サイドゴム3のそれぞれにおいて行われる。差(hx−hi)が大きいタイヤは、例えば、ディフェクトが発生しやすい。逆に、差(hx−hi)が小さいタイヤは、例えば、ディフェクトが発生しにくい。
判定する工程S4では、例えば、差(hx−hi)が閾値を超えた一次成形体1が不合格と判定され、差(hx−hi)が閾値以下である一次成形体1が合格と判定される。閾値としては、タイヤサイズ(タイヤの大きさ)によって種々選定されるが、例えば、7mm以下が望ましく、6mm以下がさらに望ましく、5mm以下が一層望ましい。このようにして、本実施形態の検査方法では、一次成形体1が簡易に検査される。
図5は、他の実施形態の検査方法のフローチャートである。本実施形態の検査方法と同じ工程には、同じ符号が付されてその詳細な説明が省略される。この実施形態の検査方法は、成型する工程S2に先立ち、ドラム12に対するカーカス基体2の装着状態を検査する工程S1aを含んでいる。
図6は、検査する工程S1aを概念的に説明するドラム12の縦断面図である。図6に示されるように、この実施形態の検査する工程S1aは、前記搬送装置によってドラム本体12aに装着されたカーカス基体2の装着状態が検査される。検査する工程S1aは、例えば、一対の変位センサ13によって、カーカス基体2の外面2sまでの距離h2が測定される。距離h2は、例えば、距離h1と同様の方法で測定される。距離h2は、具体的には、ドラム本体12aを支持軸12bで回転させながら、カーカス基体2の円周方向に複数個所、例えば、8箇所で測定されて、測定された距離h2に基づく測定データが制御部15に出力される。
次に、例えば、制御部15にて、距離h2に基づく測定データに基づいて、カーカス基体2の装着状態の良否が判定される。前記良否の判定は、例えば、判定する工程S4と同様に、測定された距離h2の最大値と最小値との差Δを求め、差Δを予め定められた閾値と比較して良否が判定される。例えば、差Δが閾値を超えたカーカス基体2は、ドラム本体12aに対して偏心して装着されていると判定され、不合格とされる。例えば、差Δが閾値以下のカーカス基体2は、ドラム本体12aに対して同心に装着されていると判定され、合格とされる。このように、この実施形態では、サイドゴム3が貼り付けられる前に、装着されたカーカス基体2との状態の偏心の程度を簡易に検査することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1 一次成形体
2 カーカス基体
3 サイドゴム
3s サイドゴムの外面
12 ドラム
13 変位センサ
h1 距離
S1 装着する工程
S2 成型する工程
S3 測定する工程
S4 判定する工程

Claims (8)

  1. 一対のビードコアと、両端部が前記一対のビードコアで折り返されて保持された円筒状カーカスプライとを含むカーカス基体の前記円筒状カーカスプライの外側に、一対のサイドゴムを環状に貼り付けた生タイヤの一次成形体を検査するための検査方法であって、
    前記カーカス基体を、ドラムに装着する工程と、
    前記ドラムに装着された前記カーカス基体に、前記一対のサイドゴムを貼り付けて前記一次成形体を成型する工程と、
    一対の変位センサを用いて、前記一次成形体の上の前記一対のサイドゴムの外面までの距離を、円周方向に複数箇所で測定する工程と、
    前記一対の変位センサのそれぞれの複数の測定データに基づいて、前記一対のサイドゴムのそれぞれの成型良否を判定する工程とを含む、
    生タイヤの一次成形体の検査方法。
  2. 前記測定する工程は、前記ドラムを回転させながら行われる、請求項1に記載の生タイヤの一次成形体の検査方法。
  3. 前記変位センサが非接触型の変位センサである、請求項1又は2に記載の生タイヤの一次成形体の検査方法。
  4. 前記測定する工程は、前記円周方向に、等間隔で6〜10箇所の前記距離を測定する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の生タイヤの一次成形体の検査方法。
  5. 前記サイドゴムは、帯状のサイドゴムシートの端部が互いに重なる重複部を含み、
    前記測定する工程は、前記サイドゴムの前記重複部を除いた位置で、前記距離を測定する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の生タイヤの一次成形体の検査方法。
  6. 前記判定する工程は、前記サイドゴムのそれぞれにおいて、前記複数の測定データの最大値と最小値との差を求める工程と、
    前記差を予め定められた閾値と比較して前記良否を決定する工程とを含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の生タイヤの一次成形体の検査方法。
  7. 前記測定する工程は、前記一次成形体を成型する工程が完了する前に開始される、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の生タイヤの一次成形体の検査方法。
  8. 前記一次成形体を成型する工程に先立ち、
    前記ドラムに対する前記カーカス基体の装着状態を検査する工程をさらに含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の生タイヤの一次成形体の検査方法。
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