JP2021158344A - 発光素子、表示装置及び照明機器 - Google Patents

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Takashi Sekiya
隆司 関谷
久乗 永冨
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久乗 永冨
弘 東海林
Hiroshi Shoji
弘 東海林
浩史 近藤
Hiroshi Kondo
浩史 近藤
浩昭 中村
Hiroaki Nakamura
浩昭 中村
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Abstract

【課題】発光領域が拡張された発光素子、表示装置及び照明機器を提供する。【解決手段】少なくとも陽極と発光層と陰極とがこの順で積層されており、積層方向に平面視したときに、前記発光層における発光領域の面積が、前記陽極と前記陰極との重なり領域の面積より大きい、発光素子。【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子、表示装置及び照明機器に関する。
具体的には、本発明は、発光領域が拡張された発光素子、表示装置及び照明機器に関する。
従来、発光層に有機化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)発光素子が知られている(特許文献1)。
一方で、近年、ペロブスカイト化合物の発光素子への応用が期待されている(特許文献1、非特許文献1)。ペロブスカイト化合物は、高い吸光度、高い発光量子収率、組成や層構造(次元性)を変化させることによって発光波長を制御できること、半値幅の狭いシャープな発光が得られること、塗布プロセスとの親和性が高いことなどの多くの特徴を有している。
特開2017−207763号公報 特開2019−140309号公報
Min Lu, et al., Adv. Funct. Mater., 2019, 1902008
特許文献1をはじめとする従来の発光素子は、陽極、発光層及び陰極がこの順で積層されており、積層方向に見たときに、陽極と陰極との重なり領域においてのみ発光層による発光現象が生じる。そのため、発光面のデザインや、駆動回路を含む積層構造の設計に大きな制約がある。また、それ故、輝度、効率、駆動寿命といった特性面でも改善の余地がある。
また、従来の発光素子における駆動電極の端部は、対向電極との短絡の起点となりやすいため、絶縁層で被覆して保護することが行われてきた。これは、駆動電極の実質的な面積(開口率)が小さくなることを意味し、これに伴い発光領域の面積も小さくなる。その結果、特にスマートフォンのように画素が微細で高密度な表示装置においては、発光面積の減少が消費電力や輝度寿命に与える影響が大きかった。
そこで、本発明の課題は、発光領域が拡張された発光素子、表示装置及び照明機器を提供することにある。
本発明によれば、以下の発光素子等を提供できる。
1.少なくとも陽極と発光層と陰極とがこの順で積層されており、
積層方向に平面視したときに、前記発光層における発光領域の面積が、前記陽極と前記陰極との重なり領域の面積より大きい、発光素子。
2.前記発光層がペロブスカイト化合物を含む、1に記載の発光素子。
3.前記発光層が、ペロブスカイト化合物を含む連続層によって形成されている、1又は2に記載の発光素子。
4.前記発光層が、ペロブスカイト化合物を含む微粒子の集合体によって形成されている、1又は2に記載の発光素子。
5.1〜4のいずれかに記載の発光素子を含む、表示装置。
6.互いに隣接する複数の画素を含み、
前記複数の画素のそれぞれが前記発光素子を含み、
前記画素毎に前記発光素子の前記発光層が個別に設けられている、5に記載の表示装置。
7.1〜4のいずれかに記載の発光素子を含む、照明機器。
本発明によれば、発光領域が拡張された発光素子、表示装置及び照明機器を提供することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の一例を説明する概略図である。 図1に示した発光素子における局所的な電流の流れを説明する概略断面図である。 本発明の一態様に係る発光素子の他の例を説明する概略断面図である。 本発明の一態様に係る表示装置の構成例を説明する概略平面図である。 隔壁が設けられた発光素子の例を説明する概略断面図である。 実施例1に係る発光素子を説明する概略断面図である。 実施例1に係る発光素子の発光状態の写真である。 比較例1に係る発光素子の発光状態の写真である。 比較例2に係る発光素子の発光状態の写真である。
以下、本発明の発光素子、表示装置及び照明機器について詳述する。
尚、本明細書において、「x〜y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。数値範囲に関して記載された上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
また、以下に記載される本発明の個々の形態を2つ以上組み合わせた形態もまた、本発明の形態である。
1.発光素子
本発明の一態様に係る発光素子は、少なくとも陽極と発光層と陰極とがこの順で積層されており、積層方向に平面視したときに、前記発光層における発光領域の面積が、前記陽極と前記陰極との重なり領域の面積より大きい。
これにより、発光素子の発光領域が拡張される効果が得られる。また、発光面の開口率を向上して明るさを増すことができ、同時に、発光層を流れる電流密度を低下させて、消費電力を下げると共に、素子寿命を伸長することができる。
以下に図面を参照してさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の一態様に係る発光素子の一例を説明する概略図である。図1(a)は平面図(上面図)であり、図1(b)は図1(a)におけるb−b線断面図である。
図1の例において、発光素子1は、下部電極である陽極3、電荷注入/輸送層5、発光層2、電荷注入/輸送層6及び上部電極である陰極4を、この順に積層して含む。ここで、電荷注入/輸送層5は正孔注入/輸送層であり、電荷注入/輸送層6は電子注入/輸送層である。
発光素子は、これらの積層方向に平面視したときに、発光層2における発光領域(図1(a)においてグレーで示す領域)αの面積が、陽極3と陰極4との重なり領域(図1(a)において斜線で示す領域)βの面積より大きい。
より詳しくは、図1(a)に示すように、積層方向に平面視したときに、陽極3と陰極4とは、十字に交差して、矩形状の重なり領域βを形成している。積層方向に平面視したときに、発光層2は、重なり領域βを含み、さらに重なり領域βの外部まで延出する大きさを有している。発光層2において、積層方向に平面視したときに重なり領域βの外部まで延出している部分を、延出部21という。
積層方向に平面視したときに、発光層2の発光領域αは、重なり領域βを含み、さらに、重なり領域βの外部に延出している延出部21のうち陰極4と重なっている部分を含んでいる。即ち、積層方向に平面視したときに、発光層2の発光領域αは、陽極3と重なっていない部分にも形成されている。その結果、発光層2における発光領域αの面積が、重なり領域βの面積より大きいものになっている。
一実施形態において、積層方向に平面視したときに、発光領域αは、重なり領域βの端部から外側に10μm以上延出した領域、好ましくは100μm以上延出した領域、より好ましくは200μm以上延出した領域、さらに好ましくは500μm以上延出した領域を、該発光領域αに含む。
電極の重なり領域βから延出して発光を生じる機構は必ずしも明らかではないが、以下のようであると考える。図2は、図1に示した発光素子における局所的な電流の流れを説明する概略断面図である。図2中、矢印は局所的な電流の向きを表す。
下部電極である陽極3から注入された電流(キャリア(ここでは正孔))は、電荷注入/輸送層5を横切る強い電界を受けてまっすぐ上方に輸送され、発光層2に注入される。
発光層2に注入された正孔は、発光層2のキャリア移動度が高いことに起因して横方向に広げられた電界に従って、発光層2中を上方だけでなく横方向にも流れるようになる。その結果、正孔は、ある薄い界面層を通過した後は、発光層2の幅全体に広がることができる。言い換えれば、積層方向に平面視したときに、正孔は、発光層2全体(延出部21を含む)に広がることができる。上記のような電界を横方向に広げる機能は、発光層2の厚さによらず、発光層2が薄い場合であっても、発揮させることができる。
一方、上部電極である陰極4から注入された逆極性のキャリア(ここでは電子)は、電荷注入/輸送層6を経て、発光層2において、該発光層2の幅全体に広がった正孔と再結合し、発光する。その結果、発光領域αは、陽極3の幅を越えるものとなり、重なり領域βより大面積になる。
尚、図1及び図2の例では、発光領域αは、陰極4の幅を超えていないが、電子注入/輸送層を適切に調整し、発光層への注入障壁を下げ、発光層内の電子密度を向上させることで、陰極4の幅を越えるように、さらに大面積にすることもできる。
上述したようにキャリアである正孔(又は逆極性のキャリアである電子)を発光層2の幅方向に広げて発光領域αを拡張するためには、発光層2の導電率が高いこと、及び、電荷注入/輸送層から発光層へのキャリア注入障壁が低いことが重要である。例えば、正孔輸送層を構成する材料と、発光層を構成するペロブスカイト材料の、それぞれのHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)エネルギー準位の差が小さくなるように正孔輸送材料を選定することによって、キャリア注入障壁を低くすることができる。
(発光層)
電極の重なり領域から延出して発光が生じるには、発光層に用いる材料のキャリア移動度が高く、さらに電荷注入/輸送層と発光層とのキャリア注入障壁が低いことが重要である。このことにより、電圧が印加された際、電荷注入/輸送層から注入された多量のキャリアによって発光層の導電率が急激に低下し、横方向の電界とそれに沿ったキャリア移動、すなわち電流が生じる。ペロブスカイト材料の正孔移動度は、通常の有機EL用有機半導体に比べ3桁程度大きく、数cm/(V・s)に達することが知られている(T. Matushima,et al., Nature, 2019, 572, 502)。この高移動度を活かし、電圧印加時にペロブスカイト発光層の電気導電率を大幅に下げることで、電極の重なりを越えて発光させることが可能になる。
発光層を形成する材料としては種々のものを使用可能である。発光層の電圧印加時の導電率は、発光層を形成する材料、該材料を保護する保護基(リガンド材料)、製膜方法、結晶状態、結晶の粒塊状態などによって調整できる。発光層は、例えば、結晶性の良いバルク層、又は粒径のそろった粒子状結晶を含むことが好ましい。
発光層はペロブスカイト化合物(ペロブスカイト発光材料)を含むことが好ましい。この場合、発光層は、ペロブスカイト化合物を含む連続層によって形成されているか、又は、ペロブスカイト化合物を含む微粒子の集合体によって形成されていることが好ましい。
尚、「ペロブスカイト化合物を含む連続層」というのは、いわゆる3次元バルクペロブスカイトと呼ばれるものからなるペロブスカイト薄膜層を指す。基本組成はAMX(A:1価の金属カチオン又は1価の有機カチオン、M:2価の金属カチオン、X:一価のハロゲンアニオン)であって、それがペロブスカイト結晶構造をとり、その膜厚(発光層として用いる場合は、典型的には数十nm〜数百nm)に対して十分大きなドメインサイズ(数百nm〜数十μm)の多結晶体からなる。環境安定性を増す目的で、その薄膜層の表面を後述する保護基等で覆ってもよい。
2次元ペロブスカイトにおいても、上記のようなドメイン構造をとる場合、連続層をなすと考える。2次元ペロブスカイトは、一般に、A’n−13n+1なる一般組成式を持つ。ここで、A’は通常、Aよりサイズの大きい1価の有機カチオンであって、個々の2次元配列のペロブスカイト層間のスペーサーとして機能する。Aは、A’よりサイズの小さい1価の有機カチオン又は1価の金属カチオンである。Mは2価の金属カチオン、Xは1価のハライドアニオンである。nは、1以上の整数であり、A’からなるスペーサーで挟まれた2次元ペロブスカイト層の層数に相当する。n=1の場合、純粋な2次元ペロブスカイト、nが2以上の場合、擬2次元ペロブスカイトと呼ぶ場合がある。nが十分大きく、実質無限大とみなせる場合は、組成は3Dペロブスカイトに一致する。
また、「ペロブスカイト化合物を含む微粒子の集合体」というのは、組成的には前述の連続層を成すペロブスカイトと同じであるが、構成するドメインのドメインサイズが小さく、発光層の膜厚と同程度かそれ以下、より具体的には100nm以下であって、個々のドメインが粒子状で、その表面が保護基で被覆されており、その微粒子が2次元的に配列して薄膜層を形成しているものを指す。一般にペロブスカイト量子ドットと呼ばれるものも、ここではこの微粒子に含まれるものとする。
発光層に含まれるペロブスカイト化合物の構造は、特に限定されない。2次元ペロブスカイト、あるいは3次元ペロブスカイトとして知られるバルク結晶構造や微結晶集合構造、それらが微粒子を形成し、その集合体が発光層を形成する構造などを、好適に用いることができる。
ペロブスカイト化合物として、例えば、下記式(1)で表される3次元ペロブスカイトが好適である。
AMX (1)
(式(1)において、Aは、CHNH(以下、「CHNH」を「MA」と称する場合がある。)、CH(NH(以下、「CH(NH」を「FA」と称する場合がある。)、Cs又はこれらの2種以上の混合物である。Mは、Pb、Sn又はこれらの混合物である。Xは、Cl、Br、I又はこれらの2種以上の混合物である。ここではイオンの価数表示については省略した。以下同様である。)
また、ペロブスカイト化合物として、下記式(2)で表される擬2次元ペロブスカイトも好適である。
A‘n−13n+1 (2)
(式(2)において、n≧1である。A’は、C2m+1NH、OA(オレイン酸)、OLA(オレイルアミン)、PEA(フェネチルアミン)、DPPA(ジフェニルリン酸アジド)、TBAB(テトラブチルアンモニウムブロミド)、TPPO(トリフェニルホスフィンオキシド)等のような、アミン基、リン酸基、カルボキシル基を有する界面活性剤である。mは1〜20の整数である。M及びXは、式(1)と同様である。)
より具体的には、例えば、無機ペロブスカイト材料、有機無機ペロブスカイト材料等を好適に用いることができる。具体例として、MAPbBr、MAPbI3−xCl、MAPbI、CsMA1−xPbBr、FAPbBr、MAFAPb(BrI)、FAPbI、CsFA1−xPbBr、CsFA1−xPbIBr3−y、CsPbBr、CsPbI、CsSnI、CsPbBrCl3−x、CsPbSn1−xBr、CsPbBrCl3−x、C2m+1NHBr等が挙げられる。
以上に例示したペロブスカイト化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ペロブスカイト化合物を含む発光層の製膜には、種々の既知の方法が適用可能である。
塗布法を用いる場合、例えば、ペロブスカイト化合物を形成するためのペロブスカイト前駆体溶液を基板上に塗布し、該基板上で結晶化させる方法を用いることができる。基板上で結晶化させる過程で、貧溶媒を滴下して結晶化を促進させてもよい。このようにして、ペロブスカイト化合物を含む連続層である発光層を形成することができる。例えば、FAPbBrを含む連続層である発光層は、LARP法(D. Han, et al., ACS Nano,2018、 12, 8088)を用いて製膜することができる。
また、塗布法を用いる場合、予めペロブスカイト化合物を含む微粒子を合成しておき、該微粒子の分散液を基板上に塗布する方法を用いることができる。微粒子の製造は、既知の方法を用いることができる(例えば、E. T. Vickers, J. Chem. Phys. 2020, 152, 034701)。このようにして、ペロブスカイト化合物を含む微粒子の集合体である発光層を形成することができる。
ペロブスカイト発光層を保護する保護基(リガンド材料)としては、通常のものを用いることができる。例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、エチレンジアミン(EDA)、トリメチルアルミニウム(TMA)、オレイルアミン(OLA)、オレイン酸(OA)、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、3,3−ジフェニルプロピルアミンブロミド(DPPA−Br)、3−フェニル−2−プロペン−1−アミン(PPA)、フェニルアラニンブロミド(PPAB)、フェネチルアミン(PEA)、テトラオクチルアンモニウムブロミド(TOAB)、2,2’−イミノジ安息香酸(IDA)、オクチルホスホン酸(OPA)、オクタン酸(OTAc)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ペロブスカイト化合物とリガンド材料とを組み合わせて発光層を製膜する方法は格別限定されず、例えば、上述したペロブスカイト前駆体溶液にリガンド材料を予め混合しておく方法を用いることができる。
また、ペロブスカイト化合物を含む発光層を製膜した後に、該発光層にリガンド材料を塗布などにより付与し、界面やペロブスカイト粒子境界をリガンド材料で充填する方法を用いることができる。
さらに、ペロブスカイト化合物を含む発光層に、リガンド材料を含む組成物(溶液等)を接触させて、ペロブスカイト化合物の微粒子の表面を保護する、あるいはリガンド材料種を入れ替える(リガンドイクスチェンジ)方法を用いることができる。
発光層の厚さは格別限定されず、例えば、10nm以上、50nm以上又は75nm以上であり得、また、1000nm以下、500nm以下又は250nm以下であり得る。
(陽極及び陰極)
陽極及び陰極の材料は格別限定されず、例えば有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子等で用いられているものを、好適に用いることができる。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電酸化物、Al等の金属、Ag、Pd及びCuの合金(APC電極)、Mg及びAgの合金、並びに、金属層とITO等の透明導電酸化物層とが積層された積層体(積層体電極)等が挙げられる。陽極及び陰極のうち、発光層からの発光が取り出される側の電極は、透明であることが好ましい。
陽極の厚さは格別限定されず、例えば、10nm以上、30nm以上又は50nm以上であり得、また、1000nm以下、500nm以下又は200nm以下であり得る。
陰極の厚さは格別限定されず、例えば、10nm以上、30nm以上又は50nm以上であり得、また、1000nm以下、500nm以下又は200nm以下であり得る。
(正孔注入/輸送層)
正孔注入/輸送層の材料としては、例えば有機ELで用いられているものを、好適に用いることができる。有機材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)−ジフェニルアミン)(TFB)、ポリ(ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン)(PTAA)、ポリ[N、N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N、N’−ビス(フェニル)−ベンジジン](poly−TPD)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)等が挙げられる。また、無機材料としては、例えば、NiO、TiO、MoOx等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
正孔注入/輸送層は、単層構造でも、積層構造でもよい。積層構造とする場合、陽極側に配される正孔注入層と、発光層側に配される正孔輸送層とを含むことができる。一実施形態において、正孔注入層はPEDOT:PSSを含み、正孔輸送層はTFBを含むが、これに限定されない。
単層構造の場合における正孔注入/輸送層の厚さは格別限定されず、正孔の注入性、輸送性、光学特性への影響を考慮して適宜設計でき、例えば、正孔注入層と正孔輸送層との合計の厚さが10nm以上、20nm以上又は50nm以上であり得、また、1000nm以下、500nm以下又は200nm以下であり得る。
(電子注入/輸送層)
電子注入/輸送層の材料としては、例えば有機ELで用いられているものを、好適に用いることができる。有機材料としては、例えば、LiF、1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)、N,N’−ジ−1−ナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−1,1’−ビフェニル(CBP)、4,6−ビス(3,5−ジ(ピリジン−3−イル)フェニル)−2−メチルピリミジン(B3PyMPM)等が挙げられる。また、無機材料としては、例えば、a−ZSO(アモルファス亜鉛シリケート;Zn−Si−O)、ZnO、SnO等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
電子注入/輸送層は、単層構造でも、積層構造でもよい。積層構造とする場合、陰極側に配される電子注入層と、発光層側に配される電子輸送層とを含むことができる。一実施形態において、電子注入層はLiFを含み、電子輸送層はTPBiを含むが、これに限定されない。
単層構造の場合における電子注入/輸送層の厚さは格別限定されず、電子の注入性、輸送性、光学特性への影響を考慮して適宜設計でき、例えば、電子注入層と電子輸送層との合計の厚さが1nm以上、5nm以上又は10nm以上であり得、また、1000nm以下、500nm以下又は200nm以下であり得る。
(絶縁層)
発光素子には、例えば上下電極間の導通防止(短絡防止)等のために絶縁層を設けることができる。絶縁層は、例えば電極の端部を被覆するように形成することができる。
絶縁層の材料は格別限定されず、製膜後に高抵抗であり、絶縁破壊電圧の高いものを好適に用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂などの高分子材料、SiOやSiNなどの無機膜等が挙げられる。塗布法で製膜でき、絶縁性に優れるという点で、ポリイミド樹脂が好適である。
絶縁層の厚さは格別限定されず、当該絶縁層の材料(有機材料であるか又は無機材料であるか)に応じて適宜設計でき、例えば、1nm以上、2nm以上又は5nm以上であり得、また、500nm以下、100nm以下又は50nm以下であり得る。
(各層の製膜方法)
発光素子を構成する各層の製膜方法は格別限定されない。上述したように、発光層は塗布法で製膜することが好ましい。また、PEDOT:PSS等を含む正孔注入層、TFB等を含む正孔輸送層もまた、塗布法によって製膜することができる。TPBi等を含む電子輸送層、LiF等を含む電子注入層、Al等を含む陰極は、蒸着法にて製膜することができる。
発光層等を形成するための塗布法としては、種々の方法が適用できる。例えば、スピンコート法、ドロップキャスト法、グラビア印刷法、インクジェット法、スリットコート法、ダイヘッドコート法等が挙げられる。特に、後述するように画素毎に個別に発光層を形成する場合は、インクジェット法やグラビア印刷法が好適である。
蒸着法としては、既知の蒸着法が適用できる。例えば、抵抗加熱による真空蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法等が挙げられる。
(封止材)
発光素子は、封止材を含んでもよい。封止材は、発光素子を構成する全層を被覆するように設けることができる。封止材は格別限定されず、例えば、乾燥窒素を充填したガラス製キャップや、ガス透過性の低いフィルムの貼付、有機無機材を交互に層状に形成したバリア膜等が挙げられる。
(基板)
発光素子は、基板を含んでもよい。基板は、発光素子を構成する層を支持するように設けることができる。基板の材質は格別限定されず、例えば、基板を介して発光層からの発光が取り出される場合には、透明な基板を用いることができる。透明な基板は、例えば、ガラス、透明ポリイミド等の樹脂等によって構成され得る。
以上の説明では、発光素子が陽極側(基板側)から光を取り出すボトムエミッション型である場合について主に示したが、これに限定されない。例えば、発光素子は、陰極側(反基板側)から光を取り出すトップエミッション型であってもよい。本発明によれば、いずれの型においても、発光領域αが拡張される効果が得られる。
図3は、本発明の一態様に係る発光素子の他の例(ボトムエミッション型)を説明する概略断面図である。
図3の例において、発光素子1は、透明な基板(例えばガラス基板)7上に、下部電極である陽極3を形成するための、パターニングされた導体(例えばITO電極)8を備える。導体8は、端部での短絡を防ぐために(上下電極の導通を防止するために)、絶縁層9で被覆され、保護されている。導体8のうち絶縁層9で被覆された部分は陽極として機能しない。従って、図3の例では、導体8のうち絶縁層9から露出している部分によって陽極3が形成される。陽極3及び絶縁層9の上には、正孔注入層5a及び正孔輸送層5bがこの順で積層されている。正孔輸送層5b上には、発光層2が設けられている。発光層2上には、電子輸送層6b、電子注入層6a及び上部電極である陰極4がこの順で積層されている。発光素子1において、これらの層の全体は、封止材(図3中、図示省略)で封止されている。
図3の例においては、絶縁層9が設けられることによって、短絡が防止される効果が得られる。しかし、絶縁層9が設けられることによって、積層方向に見たときの陽極3の面積が縮小する。これに伴って、陽極3と陰極4との重なり領域βの面積も縮小する。本発明によれば、このような場合においても、陽極3の幅を超えて発光層2が発光でき、発光層2における発光領域αの面積が、重なり領域βの面積より大きいものになる。そのため、短絡の防止と、発光領域の拡張とを好適に両立できる。
以上の説明では、発光素子における陽極及び陰極のうち陽極を基材側に配する場合について主に示したが、これに限定されない。発光素子における陽極及び陰極のうち陰極を基材側に配する逆積層構造としてもよい。
また、以上に例示したような発光層を含む発光ユニットを、中間電極層を介して複数個積層した、タンデム型発光素子としてもよい。発光ユニットを2個積層したタンデム型発光素子は、例えば、陽極、電荷注入/輸送層、第1の発光層、電荷注入/輸送層、中間電極層、電荷注入/輸送層、第2の発光層、電荷注入/輸送層及び陰極をこの順で積層したものであり得る。発光ユニットを3個以上積層する場合も、中間電極層を介して同様に積層することができる。
以上の説明では、電荷(キャリア)である正孔及び電子のそれぞれについて電荷注入/輸送層を設ける場合について主に示したが、これらの一方又は両方を省略してもよい。
以上の説明において、陽極と陰極との極性を置き換えてもよい。
2.表示装置
本発明の一態様に係る表示装置は、上述した本発明の一態様に係る発光素子を含む。これにより、表示装置を構成する発光素子の発光領域が拡張される効果が得られる。また、発光面の開口率を向上して明るさを増すことができ、同時に、発光層を流れる電流密度を低下させて、消費電力を下げると共に、素子寿命を伸長することができる。
図4は、本発明の一態様に係るドットマトリクス型表示装置の構成例を説明する概略平面図である。図4(a)は表示装置における画素の構成の一例を示す。図4(b)は画素の構成の他の例を示す。
図4(a)及び図4(b)の各例に係る表示装置11は、互いに隣接する複数の画素12を含む。複数の画素12は、X−Y面に沿って面状に配列されており、X方向に複数の列を形成し、Y方向に複数の行を形成している。
図4の例では、1つの画素12は、R(赤色)を呈する発光素子1R、G(緑色)を呈する発光素子1G及びB(青色)を呈する発光素子1Bを含む。発光素子1R、1G及び1Bのうち1種以上を、上述した本発明の一態様に係る発光素子によって形成することができる。
尚、図4(a)及び図4(b)では、発光素子1R、1G及び1Bの構成要素のうち下部電極である陽極3と、陽極3上に設けられた発光層2とについてのみ図示している。図示されない上部電極である陰極は、これら複数の発光素子1R、1G及び1Bの全体に対して共通に、べた状(全面的に)に設けられている。
図4(a)及び図4(b)のいずれの例においても、図1〜図3の例と同様に、発光層2の発光領域の面積は、陽極3と陰極4との重なり領域の面積より大きい。
図4(a)の例では、Y方向に隣り合う複数の画素12にわたって発光素子1R、1G及び1Bそれぞれの発光層2が連続して(共通に)設けられている。このような構成は、すだれ状のシャドーマスクを用いる真空蒸着で発光層2を形成する一般的なドットマトリクス型有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に見られる。
これに対し、図4(b)の例では、Y方向に隣り合う画素12毎に発光素子1R、1G及び1Bそれぞれの発光層2が個別に(独立して)設けられている。これにより、上述した図4(a)の例に比べ、画素12間でのクロストークを防止することができる。
ここでいう「クロストーク」は、特定の画素12に対して入力された電流が、前記特定の画素に隣接する(Y方向に隣接する)画素12に影響を及ぼし、望まない発光を引き起こすことを意味する。即ち、発光素子は上述したように上下電極の重なり領域より大きい発光領域を有する(発光領域の幅は、陽極3の幅を超え得る)。それ故、図4(a)の例のように発光層2が隣接画素12まで連続的に形成されている場合は、クロストークの防止に限界がある。これに対し、図4(b)の例のように、発光層2が画素12毎に個別に設けられる場合は、クロストークを確実に防止できる。
一実施形態において、図5に示すように、表示装置を構成する個々の発光素子1は、発光層2を積層構造の積層方向(図5中の上下方向)の側方から囲むように設けられた隔壁13を備える。表示装置の製造において(好ましくは発光層2を形成する前に)、隔壁13を設けることによって、発光層2を確実に分離配置することができ、発光層2の面積を制限することができる。隔壁13は、絶縁層9の延長として設けることができる。例えば、絶縁層9を形成する工程において、隔壁13を同時に形成することができる。隔壁13の材料として、絶縁層9の材料として例示した材料を用いることができる。発光層2を含む発光素子1の積層構造の、少なくとも発光層2を含む一部を隔壁13内に閉じ込めることで、発光層2の分離が保証される。隔壁13は、クロストーク防止壁としても機能する。
以上に説明した、互いに隣接する発光素子間で発光層を共有する態様、あるいは互いに隣接する発光素子間で発光層を個別に設ける態様は、表示装置に限らず、互いに隣接する複数の発光素子を有する種々の装置(例えば後述する照明機器等)に適用できる。
3.照明機器
本発明の一態様に係る照明機器は、上述した本発明の一態様に係る発光素子を含む。これにより、照明機器を構成する発光素子の発光領域が拡張される効果が得られる。また、発光面の開口率を向上して明るさを増すことができ、同時に、発光層を流れる電流密度を低下させて、消費電力を下げると共に、素子寿命を伸長することができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
(実施例1)
図6に示すものと同様の発光素子を作製した。図6に示す発光素子1は、基板7上に、陽極3、正孔注入層5a、正孔輸送層5b、発光層2、電子輸送層6b、電子注入層6a及び陰極4がこの順で積層されている。さらに、発光素子1は、封止材10によって封止されている。積層方向に平面視したときに、発光層2は、陽極3と陰極4との重なり領域を含み、さらに重なり領域から延出するように形成されている。
かかる発光素子は、以下の手順により作製した。
(1)ガラス基板及び陽極の準備
まず、パターニングされたITO透明電極(陽極、厚さ65nm)付きガラス基板(厚さ0.7mm。以下、単に「基板」ともいう。)を、純水中で5分間、超音波洗浄機を用いて洗浄し、次いで、イソプロピルアルコール(IPA)中で5分間、超音波洗浄機を用いて洗浄し、次いで、UVオゾン洗浄機(セン特殊光源株式会社製、PL1101N−24)を用いて5分間、UVオゾン処理(UVオゾン洗浄)した。
(2)正孔注入層の形成
次いで、大気下で、基板上に、PEDOT:PSS(エイチ・シー・スタルク製、Clevios(登録商標)P AI 4083)を、4000RPMで1分間、スピンコートした後、ホットプレートにて乾燥させた(乾燥温度:150℃、乾燥時間:15分)。このようにして、PEDOT:PSSを含む正孔注入層を形成した。
(3)正孔輸送層の形成
次いで、大気下で、TFB(シグマアルドリッチ製、901101)のクロロベンゼン溶液(6mg/ml)を、4000RPMで40秒間、スピンコートした後、ホットプレートにて乾燥させた(乾燥温度:120℃、乾燥時間:30分)。次いで、濡れ性を改善する目的で、TFB表面を、UVオゾン洗浄機を用いて1分間、UVオゾン処理した。このようにして、TFBを含む正孔輸送層を形成した。正孔輸送層が形成された基板を、窒素グローブボックス内に搬入した。
(4)発光層の形成
次いで、上記窒素グローブボックス内で、PbBr(東京化成工業株式会社製)、FABr(東京化成工業株式会社製)を1:1(モル比)に秤量し、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解して0.2M(FAPbBr相当のモル比)の溶液を作製した。
上記の溶液に、さらに添加剤としてPEA−Br(フェネチルアンモニウムブロミド、東京化成工業株式会社製)を0.3等量(FAPbBrに対するモル比)添加して、60℃で2時間、マグネティックスターラーで攪拌して、ペロブスカイト前駆体溶液(発光層を形成するための塗液)を得た。
得られたペロブスカイト前駆体溶液を、正孔輸送層が形成された基板に滴下し、4000RPMでスピンコートを行い、回転開始から6秒後に貧溶媒に相当するトルエンを滴下し、その2秒後に回転を停止した。次いで、基板を窒素グローブボックス内から取り出し、ホットプレートにて乾燥させた(乾燥温度:80℃、乾燥時間:5分)。その後、余分な部分に付着したペロブスカイト前駆体溶液の乾燥物を、IPAを含浸させたワイプで拭き取った。このようにして、発光層を形成した。この発光層は、ペロブスカイト化合物(FAPbBr)を含む連続層によって形成されている。
(5)電子輸送層、電子注入層及び陰極の形成
上記基板を大気に曝すことなく真空蒸着装置に導入し、電子輸送層の材料であるTPBi(蒸着レート:1Å/秒)、電子注入層の材料であるLiF(蒸着レート:0.1Å/秒)、陰極の材料であるAl(蒸着レート:3Å/秒)の順にマスク蒸着した。このようにして、電子輸送層、電子注入層及び陰極を形成した。
(6)封止
以上のようにして形成された全層をガラス製キャップとUV硬化型接着剤を用いて封止し、発光素子とした。
(7)各層の厚さの測定
発光素子の各層の厚さを触針式段差計(小坂研究所製ET3000)、走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製SLI3220)による断面観察、又は蒸着時間と蒸着レートからの換算によって測定した。結果は下記のとおりである。
・正孔注入層(PEDOT:PSS):40nm(段差計)
・正孔輸送層(TFB):40nm(段差計)
・発光層(FAPbBrペロブスカイト層):50nm(電子顕微鏡)
・電子輸送層(TPBi):30nm(蒸着時間と蒸着レートからの換算値)
・電子注入層(LiF):1nm(蒸着時間と蒸着レートからの換算値)
・陰極(Al):100nm(蒸着時間と蒸着レートからの換算値)
(8)特性の測定
発光素子の特性を測定した。具体的には、ソースメータ(KEITHLEY社製、2400)を用いて電流電圧特性を測定し、分光放射輝度計(コニカミノルタ社製、CS2000)を用いて輝度特性を測定した。
測定の結果、印加電圧5Vで最大輝度3480cd/mを得た。最大電流効率は、63.6cd/A(於:4V)であった。発光ピーク波長は528nm、発光半値幅は23nmであった。ペロブスカイト化合物であるFAPbBrに由来する緑色の発光が確認された。
輝度計に付属するモニタ用CCD(Charge Coupled Device)カメラによって撮影された発光素子の発光状態の写真を図7に示す。陽極、陰気の幅はともに0.25cmであった。発光領域αの面積が、上下電極(陽極と陰極)の重なり領域βの面積より大きく、発光領域が陽極の範囲を超えて陰極に沿って0.05cm延出していることがわかる。尚、写真中央の円形は、測定範囲を表すマーカーである。
(比較例1)
実施例1において、正孔輸送層(TFB)の形成後、UVオゾン処理を省略し、また、ペロブスカイト前駆体溶液の塗布を省略して発光層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして発光素子を得た。この発光素子は、TFB層を発光層とする発光が可能である。
得られた発光素子の特性を、実施例1と同様にして測定した。その結果、印加電圧5.5Vで最大輝度284cd/mを得た。最大電流効率は、0.3cd/A(於:4V)であった。発光ピーク波長は433nm、発光半値幅は30nmであった。TFBの発光に由来する青色の発光が確認された。
実施例1と同様にして測定された発光素子の発光状態の写真を図8に示す。発光領域αが上下電極(陽極と陰極)の重なり領域βと一致しており、これら領域の面積が等しいことがわかる。尚、写真中央の円形は、測定範囲を表すマーカーである。
(比較例2)
実施例1において、正孔輸送層(TFB)を、NPD(N,N’−Di(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン)に変更して蒸着成膜し、また、発光層(FAPbBrペロブスカイト)をAlq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)に変更して蒸着成膜し、また、電子輸送層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして発光素子を得た。この発光素子は、Alq層を発光層とする発光が可能である。
(1)正孔輸送層、発光層、電子注入層及び陰極の形成
実施例1と同様にして得た洗浄済みのITO透明電極基板を真空蒸着装置に導入し、正孔輸送層の材料であるNPD(蒸着レート:1Å/秒)、発光層の材料であるAlq(蒸着レート:1Å/秒)、電子注入層の材料であるLiF(蒸着レート:0.1Å/秒)、陰極の材料であるAl(蒸着レート:3Å/秒)の順にマスク蒸着した。このようにして、正孔輸送層、発光層、電子注入層及び陰極を形成した。
(2)特性の測定
得られた発光素子の特性を、実施例1と同様にして測定した。その結果、印加電圧8.5Vで最大輝度18000cd/mを得た。最大電流効率は、3.6cd/A(於:7V)であった。発光ピーク波長は523nm、発光半値幅は93nmであった。このようにAlqの発光に由来する緑色の発光が確認された。
実施例1と同様にして測定された発光素子の発光状態の写真を図9に示す。発光領域αが上下電極(陽極と陰極)の重なり領域βと一致しており、これら領域の面積が等しいことがわかる。尚、写真中央の円形は、測定範囲を表すマーカーである。
1、1R、1G、1B:発光素子
2:発光層
21:延出部
3:陽極
4:陰極
5:電荷(正孔)注入/輸送層
5a:正孔注入層
5b:正孔輸送層
6:電荷(電子)注入/輸送層
6a:電子注入層
6b:電子輸送層
7:基板
8:導体
9:絶縁層
10:封止材
11:表示装置
12:画素
13:隔壁

Claims (7)

  1. 少なくとも陽極と発光層と陰極とがこの順で積層されており、
    積層方向に平面視したときに、前記発光層における発光領域の面積が、前記陽極と前記陰極との重なり領域の面積より大きい、発光素子。
  2. 前記発光層がペロブスカイト化合物を含む、請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記発光層が、ペロブスカイト化合物を含む連続層によって形成されている、請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 前記発光層が、ペロブスカイト化合物を含む微粒子の集合体によって形成されている、請求項1又は2に記載の発光素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の発光素子を含む、表示装置。
  6. 互いに隣接する複数の画素を含み、
    前記複数の画素のそれぞれが前記発光素子を含み、
    前記画素毎に前記発光素子の前記発光層が個別に設けられている、請求項5に記載の表示装置。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の発光素子を含む、照明機器。

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