JP2021157122A - 一対の累進屈折力レンズおよびその設計方法 - Google Patents

一対の累進屈折力レンズおよびその設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】両眼視の際の装用感を向上する技術を提供する。【解決手段】右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークがあり、左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークがある、一対の累進屈折力レンズおよびその関連技術を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、一対の累進屈折力レンズおよびその設計方法に関する。
特許文献1には、近用領域を用いて近くの物体を両眼視する際に、対象物の左右方向の位置にかかわらず快適に見えるようにすべく、従来設計例に比べ、近用度数測定ポイントNP(本明細書でいう近用度数測定点)より右側(耳側)ではプラス度数が加入され、近用度数測定ポイントNPより左側(鼻側)ではマイナス度数が加入されている([0027]、図2、要約)。
特開2011−203705号公報
特許文献1の図2だと、近用度数測定点より右側(耳側)では、近用度数(すなわち球面度数+加入度数)よりも高い度数となっている。仮に、意図的な度数付加が度数誤差をもたらすと、装用者が像のぼやけや歪みを感じ、装用感の低下の原因になり得る。
本発明の一実施例は、両眼視の際の装用感を向上する技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の累進屈折力レンズであって、
装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを主注視線とし、
右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークがあり、
左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークがある、一対の累進屈折力レンズである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いが等しい。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の態様であって、
右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いは、主注視線から水平方向へ視線を移動させたときの眼球の回旋角差で表したとき、いずれも0度を超え且つ5度以下である。
本発明の第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に記載の態様であって、
右眼用レンズにおける度数分布のピークの位置は、装用者から見て主注視線から左側に眼球を回旋した位置であり、左眼用レンズにおける度数分布のピークの位置は、装用者から見て主注視線から右側に眼球を回旋した位置である。
本発明の第5の態様は、第1〜第4のいずれかの態様に記載の態様であって、
度数分布において主注視線から離れた位置にピークがあるのは、少なくとも遠用度数測定点から近用度数測定点までの間である。
本発明の第6の態様は、第1〜第5のいずれかの態様に記載の態様であって、
度数分布において主注視線から離れた位置にピークがあるのは、少なくとも近用部である。
本発明の第7の態様は、第1〜第6のいずれかの態様に記載の態様であって、
装用者から見て、正中面に対して右方向への視線移動を正、左方向への視線移動を負とする眼球回旋角差によって視認される物体を表すとき、
主注視線の少なくとも一部を含む各レンズ領域の水平断面において、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差と、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差とが互いに異なる符号をもつ。
本発明の第8の態様は、
累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の眼鏡レンズの設計方法であって、
装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを主注視線としたとき、
右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークを配置し、
左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークを配置する、一対の累進屈折力レンズの設計方法である。
本発明の第9の態様は、第8の態様に記載の態様であって、
主注視線の少なくとも一部を含む領域の水平断面において、両眼視野座標に変換した、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する右眼用度数分布と、両眼視野座標に変換した、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する左眼用度数分布とを取得する両眼視野座標取得工程と、
右眼用度数分布を一方向にずらし、且つ、左眼用度数分布を、右眼用度数分布をずらした方向とは逆の方向にずらす度数分布シフト工程と、
左眼用度数分布のずれ量を所定値にて設定し、且つ、右眼用度数分布のずれ量を所定値にて設定し、シミュレーションを行うシミュレーション工程と、
シミュレーション結果が所定条件を満たしているかどうかを判定する判定工程と、
を有する。
本発明の第10の態様は、第8または第9の態様に記載の態様であって、
装用者から見て、正中面に対して右方向への視線移動を正、左方向への視線移動を負とする眼球回旋角差によって視認される物体を表すとき、
主注視線の少なくとも一部を含む各レンズ領域の水平断面において、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差と、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差とが互いに異なる符号をもつ。
上記の態様に対して組み合わせ可能な本発明の他の態様は以下の通りである。
右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いが等しい、一対の累進屈折力レンズの設計方法。
右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いは、主注視線から水平方向へ視線を移動させたときの眼球の回旋角差で表したとき、いずれも0度を超え且つ5度以下である、一対の累進屈折力レンズの設計方法。
右眼用レンズにおける度数分布のピークの位置は、装用者から見て主注視線から左側に眼球を回旋した位置とし、左眼用レンズにおける度数分布のピークの位置は、装用者から見て主注視線から右側に眼球を回旋した位置とする、一対の累進屈折力レンズの設計方法。
主注視線の少なくとも一部を含む領域は、少なくとも近用部を含む、一対の累進屈折力レンズの設計方法。
主注視線の少なくとも一部を含む領域は、遠用度数測定点から近用度数測定点までの間にある、一対の累進屈折力レンズの設計方法。
両ピークの最大度数(ピーク位置のY座標)は近用度数以下である。
上記左右の度数分布のピーク位置での回旋角差の絶対値(2つの離れ度合いの差)は厳密に等しい値でなくともよく、例えば1度あるいは2度以下の差は許容可能である。
右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いは、主注視線から水平方向へ視線を移動させたときの眼球の回旋角差で表したとき、下限には限定は無いが、例えば3度が挙げられる。
準備工程は以下の内容が好ましい。準備工程では、従来と同様の手法で、両レンズにおける度数分布を設計する。もちろん、その際に、装用者の受注情報(処方度数、瞳孔間距離PD等)をシステムに入力し(入力工程)、設計パラメータを算出し(設計パラメータ算出工程)、その設計パラメータに基づいて両レンズにおける度数分布を設計する(度数分布設計工程)。設計パラメータとしては度数分布や収差分布が挙げられる。
度数シフト工程においては、プロットを、Y方向にはずらさずX方向にずらすのが好ましい。
各プロットのずれ量を所定値にて設定し、シミュレーションを行うのが好ましい(シミュレーション工程)。そしてその結果が所定条件(例えば度数誤差の許容量、調節力、コントラスト感度等)を満たしているかどうかを判定するのが好ましい(判定工程)。満たしていればそこで設計を終了し、所定条件を満たしていなければ、各プロットのずれ量を変化させたり、その他の内容を変更させたりして、再度、設計パラメータの算出を行うのが好ましい。そして、シミュレーション結果が所定条件を満たすまで、この作業を繰り返すのが好ましい。
本発明の一態様における一対の累進屈折力レンズおよびその関連技術は、以下の規定を設けるのが好ましい。
「以下の(1)(2)の評価条件を満たし且つ(3)の望大特性値の±3度(好適には±2度、更に好適には±1.5度)の範囲内の単眼最大度数位置差dを有する、一対の累進屈折力レンズおよびその関連技術。
(1)(単眼最大度数MP−両眼正面視平均度数BP)≦0.25D
(2)(両眼正面視平均度数BP−加入度数)>0D
(3)加入度数から0.50D(好適には0.25D)だけ下回った値における視野幅W(望大特性)」
なお、本発明の一態様の一対の累進屈折力レンズの設計方法を実現するシステムまたは該設計方法を実現するものとしてコンピュータを機能させるプログラムにも本発明の技術的思想が反映されている。
システムの構成は以下の通りである。
「累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の累進屈折力レンズの設計システムであって、
装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを 主注視線としたとき、
右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークを配置し、
左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークを配置する、一対の累進屈折力レンズの設計システム。」
プログラムの構成は以下の通りである。
「累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の累進屈折力レンズの設計システムであって、
装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを 主注視線としたとき、
右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークを配置し、
左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークを配置するよう、コンピュータを機能させる、一対の累進屈折力レンズの設計プログラム。」
本発明の一実施例によれば、両眼視の際の装用感を向上する技術を提供できる。
図1は、累進屈折力レンズを説明するための概略図である。 図2は、本発明の一態様の一対の累進屈折力レンズの設計方法を説明するためのフローチャートである。 図3は、プロットをシフトさせる前の右眼用度数分布R1と左眼用度数分布L1と両度数分布の平均値PW1を示すグラフである(比較例1に相当)。 図4は、プロットをシフトさせた後の右眼用度数分布R2と左眼用度数分布L2と両度数分布の平均値PW2を示すグラフである(実施例1に相当)。 図5は、X軸を眼球の回旋角差、Y軸を自己調節量としたときの実施例1および比較例1に係るグラフである。 図6は、プロットをシフトさせた後であって付加度数分布を変換抽出する前の右眼用度数分布と左眼用度数分布を示すグラフである。 図7は、図6の度数分布の一部を構成する付加度数分布としての、プロットをシフトさせる前の、右眼用度数分布R1と左眼用度数分布L1と両度数分布の平均値PW1を示すグラフである(比較例2に相当)。 図8は、図6の度数分布の一部を構成する付加度数分布としての、プロットをシフトさせた後の、右眼用度数分布R2と左眼用度数分布L2と両度数分布の平均値PW2を示すグラフである(実施例2に相当)。 図9は、X軸を眼球の回旋角差[単位:度]、Y軸を自己調節量[単位:D]としたときの実施例2および比較例2に係るグラフである。 図10は、図4に対し、変換抽出された付加度数を度数分布として示したもので、単眼最大度数MP、両眼正面視平均度数BP、閾値における視野幅W、単眼最大度数位置差dの対応箇所を示すための説明図である。 図11は、X軸を単眼最大度数位置差d[度]、評価条件(1)(2)に係る中央Y軸を度数差[D]、評価条件(3)に係る右側Y軸を閾値における視野幅[度]としたときの実施例3に係るグラフである。
以下、本発明の実施形態について述べる。以下における図面に基づく説明は例示であって、本発明は例示された態様に限定されるものではない。
図1は、累進屈折力レンズを説明するための概略図である。
<定義>
本発明の一態様の累進屈折力レンズは、物体側の面と眼球側の面とを有する。「物体側の面」とは、累進屈折力レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に物体側に位置する表面であり、「眼球側の面」とは、その反対、すなわち累進屈折力レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に眼球側に位置する表面である。
本発明の一態様においては、右眼用レンズも左眼用レンズも累進屈折力レンズであり、これら2枚の累進屈折力レンズをまとめて両レンズ、一対の累進屈折力レンズともいう。
累進屈折力レンズは、レンズの上側部分に設けられた部分であって遠方視に用いる屈折力を有する遠用部と、レンズの下側部分に設けられた近方視に用いる屈折力を有する近用部と、遠用部から近用部の間に設けられた部分であって遠用部から近用部の間で屈折力が徐々に変化する中間部とを有する。
なお、遠用部は、近方距離よりも遠くの距離を見るための領域であれば特に限定は無い。例えば、無限遠ではなく所定距離(1m程度)を見るための領域であってもよい。このような領域を備えた眼鏡レンズとしては、中間距離(1m〜40cm)ないし近方距離(40cm〜10cm)の物体距離に対応する中近(intermediate-near)レンズ、該近方距離内にて対応する近近(near-near)レンズが挙げられる。
本発明の一態様における主注視線とは、その名の通り、装用者が累進屈折力レンズを装用して天地の天の方向(以降、上方とする。)から地の方向(以降、下方とする。)へと視線を移した際に、累進屈折力レンズにおいて視線が通過する部分が集まって形成される線を指す。この主注視線は、累進屈折力レンズを設計する際の基礎となる。
本発明の一態様においては、装用者が一対の累進屈折力レンズを装用し、装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する各累進屈折力レンズ上の箇所を主注視線と定義する。本発明の一態様においては、正面視の状態からの回旋角差(水平方向の回旋角差)を規定する。
なお、本発明の一態様においては、右眼用レンズと左眼用レンズとで水平断面における度数分布のピーク位置が水平方向であって互いに逆方向にずれていることに一つの特徴があるのであって、主注視線の形状(直線、曲線問わず)に限定は無い。そもそも、装用者に応じて主注視線の形状が変化する場合があることを鑑みると、本発明の一態様の累進屈折力レンズを構成するものとして主注視線そのものの形状および位置を画一的に(例えば一定の座標数値にて)規定する必要はない。装用者が特定されれば、装用者に実際に一対の累進屈折力レンズを装用させ、正面視の際に通過するレンズ上の箇所を特定すれば、主注視線を特定することは可能である。
眼球の回旋角(別の言い方だと視角)は、レンズ中心(光学中心OCまたは幾何中心GC)から半径4.5mm〜25mmの範囲は、凡そ、回旋角10度以上45度以下に相当する。眼の回旋角およびそれに対応する眼鏡レンズ上の位置関係については例えば特許2131365号明細書や特開2016−26324号公報等に記載されているため説明は省略する。
遠用度数測定点は、装用者情報の処方データに記載される球面屈折力および円柱屈折力を累進屈折力レンズに与える点をいう。球面屈折力はいわゆる球面度数Sを指し、円柱屈折力はいわゆる乱視度数Cを指す。遠用度数測定点(以降、単に測定点F、点Fともいう。)は、例えば、子午線上に位置し、2つの隠しマークM1,M2の位置を結ぶ水平線から遠用部の側に、8.0mm離間した位置にある点である。
フィッティングポイントまたはアイポイント(代表してEP)は、累進屈折力レンズを装用した際に、真正面に向いたときに視線が通ることを想定した位置である。一般的には、測定点Fよりも数mm下に配置される。図1では幾何中心GCおよび光学中心OCは隠しマークM1,M2の中点に設けられており、EPはそれらより上方に設けられている。また、プリズム参照点はOCと一致している。
近用度数測定点は、装用者情報の処方データに記載される球面屈折力に対して加入度数ADDが付加された状態の点をいい、レンズ上方から下方に向かって見たときに最初に球面屈折力+ADDが実現される点をいう。近用部測定点(以降、単に測定点N、点Nともいう。)も、主注視線上に位置する。なお、屈折力の変化は、測定点Fの下方で始まり、測定点Nの上方で終了することが一般的であり、遠近用累進屈折力レンズでは、EPから屈折力の変化が始まることが多い。
測定点F、フィッティングポイントまたはアイポイントEP、測定点Nは、レンズ製造業者が発行するリマークチャート(Remark chart)またはセントレーションチャート(Centration chart)を参照することにより、位置の特定は可能となる。
なお、上記水平方向は、フレームへの枠入れのための2つのアライメント基準マーク(いわゆる隠しマークM1,M2)を結ぶ水平基準線の方向と一致する。この水平基準線は、累進屈折力レンズ(枠入れ加工前の丸レンズ)の上方頂点と下方頂点との中間において水平に延びる線である。また、本発明の一態様においては、当該2つの隠しマークM1,M2を結ぶ水平基準線の中心を主注視線が通過するように隠しマークM1,M2を配置する例について述べる。
ちなみに、装用者情報の処方データは、累進屈折力レンズのレンズ袋に記載されている。つまり、レンズ袋があれば、装用者情報の処方データに基づいた累進屈折力レンズの物としての特定が可能である。そして、累進屈折力レンズはレンズ袋とセットになっていることが通常である。そのため、レンズ袋が付属した累進屈折力レンズも本発明の技術的思想が反映されているし、レンズ袋と累進屈折力レンズとのセットについても同様である。
<一対の累進屈折力レンズ>
本発明の一態様は以下の通りである。
「累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の累進屈折力レンズであって、
装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを主注視線としたとき、
右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークがあり、
左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークがある、一対の累進屈折力レンズ。」
上記構成をXY座標で表すと以下の通りである。
「主注視線から水平方向へ視線を移動させたときの眼球の回旋角差をX軸(装用者から見て主注視線から右側に眼球を回旋する場合は正の符号、装用者から見て主注視線から左側に眼球を回旋する場合は負の符号)、
度数をY軸としたとき、
主注視線の少なくとも一部を含む領域の水平断面において、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する度数分布のピークのX座標と、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する度数分布のピークのX座標とがX=0からずれており、
両X座標のX軸でのずれ方向は互いに逆である、一対の累進屈折力レンズ。」
本発明の一態様の右眼用レンズと左眼用レンズにも、測定点F、フィッティングポイントまたはアイポイントEP、測定点N、2つの隠しマークM1,M2が設けられている。
主注視線の少なくとも一部を含む領域を選択する。この領域は、累進屈折力レンズを物体側の面から見た際の領域であって線状領域または面状領域である。面状領域を選択する場合、該面状領域の任意の位置(すなわち該面状領域の全領域)において、下段落で述べる水平断面でのプロットが下記条件1、2を満たす。
主注視線から水平方向への眼球の回旋角をX軸(装用者から見て右側に眼球を回旋する場合は正の符号、装用者から見て左側に眼球を回旋する場合は負の符号)、度数をY軸としたプロットにおいて、以下の条件を満たす。
(条件1)主注視線の少なくとも一部を含む領域の水平断面において、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する度数分布のピークのX座標と、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する度数分布のピークのX座標とがX=0からずれている。
(条件2)両X座標のX軸でのずれ方向は互いに逆である。
本発明の一態様において、右眼の処方度数を実現する度数分布は、累進屈折力レンズの製造に伴う周縁の変形による度数のイレギュラーな増大または減少を除く度数分布である。
上記条件1、2を共に満たすことにより、意図的な度数付加に伴う度数誤差を生じさせずに済む。その結果、両眼視において装用感が向上する。
<一対の累進屈折力レンズの詳細(好適例、変形例)>
本発明の技術的範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
右眼用レンズにおける度数分布のピークのX座標の絶対値と左眼用レンズにおける度数分布のピークのX座標の絶対値とが等しいのが好ましい(好適例1)。度数分布のピークをX=0からX方向にずらすにしても、右眼用レンズと左眼用レンズとでずれ量が過度に相違しない方が、両眼視の際の装用感が向上する。なお、上記両絶対値は厳密に等しい値でなくともよく、例えば1度あるいは2度以下の差は許容可能である。
上記好適例1は、以下のように表現してもよい。「右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いが等しい。」
右眼用レンズにおける度数分布のピークのX座標の絶対値と左眼用レンズにおける度数分布のピークのX座標の絶対値はいずれも0度を超え且つ5度以下(0<|X|≦5度)であるのが好ましい(好適例2)。主注視線から度数分布のピーク位置を過度に離さない方が、主注視線上での度数を適切に確保でき、両眼での正面視の際の所定距離にある物体を快適に視認できる。
上記好適例2は、以下のように表現してもよい。
「右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いは、主注視線から水平方向へ視線を移動させたときの眼球の回旋角差で表したとき、いずれも0度を超え且つ5度以下である。」
右眼用レンズにおける度数分布のピークのX座標の符号は負であり、左眼用レンズにおける度数分布のピークのX座標の符号は正であるのが好ましい(好適例3)。後掲の実施例の項目にて示すように、上記構成だと、装用者から所定距離にある物体を両眼視する際、装用者の眼が使用する調節量を主に側方において減らすことができる。これは、装用者の疲労感を低減する効果をもたらす。
もちろん、従来に比べ、主注視線上での度数が低くなることが懸念される。ところが、後掲の実施例の項目の試験を行ったところ、本発明の一態様だと、装用者にとっての装用感が向上し、主注視線上での度数が低くなることは問題として認識されなかった。むしろ、装用者にとっては視野が広がり且つ疲労感が低減されるという利点が上記懸念の内容を上回った。
上記好適例3は、以下のように表現してもよい。
「右眼用レンズにおける度数分布のピークの位置は、装用者から見て主注視線から左側に眼球を回旋した位置であり、左眼用レンズにおける度数分布のピークの位置は、装用者から見て主注視線から右側に眼球を回旋した位置である。」
水平断面における上記プロットを得る領域として、測定点Fから測定点Nまでの間における主注視線の少なくとも一部を含む領域を規定するのが好ましい。また、更に追加してこの領域以外の領域での上記プロットにおいて上記各条件を満たすようにしてもよい。その一方、主注視線において測定点Fよりも上方は装用者の視線の通過頻度は低いため、上記各条件を満たさずとも本発明の効果は達成できる。測定点Nよりも下方についても同様である。
主注視線の少なくとも一部を含む領域には限定は無く、装用者にとって頻繁に作業する際の視距離すなわち作業距離に応じたレンズ上の領域にて上記各条件を満たせばよい。
ただ、主注視線の少なくとも一部を含む領域は、少なくとも近用部(特に測定点N)を含むのが好ましい。遠用度数に比べて近用度数は高いため、度数誤差の問題が発生しやすい。そのため、近用部において本発明の一態様を適用すれば、本発明の効果は更に顕著となる。なお、測定点Nを含む線状領域の水平断面における上記プロットにおいて上記各条件を満たすようにしてもよい。
なお、主注視線上にピークが配置された領域が存在することは本発明からは排除しない。例えば、主注視線の少なくとも一部を含む領域であって、遠方視距離と近方視距離との間の所定の物体距離に対応する領域での水平断面における度数分布のピークが主注視線上に存在することは本発明からは排除しない。
但し、本発明の技術思想は、両眼視において度数分布のピークを積極的に主注視線から相対方向に離間させることで、正面視方向だとピークの度数とならないことは許容しつつも、両眼視の際の度数分布のピーク幅を広げることにある。そのため、主注視線上にピークが配置された領域が存在するにしても、測定点Fから測定点Nまでの間の大半(例えば上下方向で見たとき測定点Fから測定点Nまでの間の5割以上の領域、好適には7割以上の領域)では、主注視線上にピークが配置されないことが好ましい。
右眼用レンズの度数分布のピークのY座標と、左眼用レンズの度数分布のピークのY座標とは異なってもよい。これらのY座標の値は右眼用レンズの処方度数(遠用度数+加入度数すなわち近用度数)、左眼用レンズの処方度数(遠用度数+加入度数すなわち近用度数)に相当する。両眼で処方度数が異なる場合、両Y座標の値も自ずと異なる。この場合を不同視ともいう。
両ピークのY座標は近用度数以下に設定してもよい。例えば、本発明の一態様に係る累進屈折力レンズでは、度数の意図的な付加を行わない場合もあり得る。つまり、度数分布を、Y方向にはシフトさせずにX方向にシフトさせてもよい。このとき、両ピークのY座標は近用度数のままである。このとき、ピーク以外の部分のプロットのY座標は、当然ながら、近用度数未満となる。
この構成を採用する場合、特許文献1とは異なり、意図的な度数付加による度数誤差がもたらされず、装用者が像のぼやけや歪みを感じにくくなり、装用感の更なる向上につながる。
その一方、両ピークのY座標が近用度数を超えることを本発明は妨げない。その場合であっても、右眼用レンズと左眼用レンズとで度数分布のピークを正負逆にすれば(特に右眼用レンズでピークのX座標を負、左眼用レンズでピークのX座標を正)、特許文献2に記載の発明に比べ、両眼視の際の装用感を向上できる。
<一対の累進屈折力レンズの設計方法>
以下、本発明の一態様の一対の累進屈折力レンズの設計方法について説明する。上記<一対の累進屈折力レンズ>と重複する内容は記載を省略する。
本発明の一態様の一対の累進屈折力レンズの設計方法の構成は以下の通りである。
「累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の眼鏡レンズの設計方法であって、
装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを主注視線としたとき、 右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークを配置し、
左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークを配置する、一対の累進屈折力レンズの設計方法。」
上記構成をXY座標で表すと以下の通りである。
「主注視線から水平方向へ視線を移動させたときの眼球の回旋角差をX軸(装用者から見て主注視線から右側に眼球を回旋する場合は正の符号、装用者から見て主注視線から左側に眼球を回旋する場合は負の符号)、
度数をY軸としたとき、
遠用度数測定点から近用度数測定点までの間における主注視線の少なくとも一部を含む領域の水平断面において、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する度数分布のピークのX座標と、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する度数分布のピークのX座標とをX=0からずらし、
両X座標のX軸でのずれ方向は互いに逆とし、
両ピークのY座標は近用度数以下に設定する、一対の累進屈折力レンズの設計方法。」
準備工程では、従来と同様の手法で、両レンズにおける度数分布を設計する。もちろん、その際に、装用者の受注情報(処方度数、瞳孔間距離PD等)をシステムに入力し(入力部による入力工程)、設計パラメータを算出し(設計パラメータ算出部による設計パラメータ算出工程)、その設計パラメータに基づいて両レンズにおける度数分布を設計する(度数分布設計部による度数分布設計工程)。設計パラメータとしては度数分布や収差分布が挙げられる。これらの内容は従来と同様の手法を採用すればよいため、詳細は省略する。
本発明の一態様においては、上記設計内容から、主注視線の少なくとも一部を含む領域の水平断面における上記プロットを得る。プロットは、公知の光線追跡手法を用いて得てもよい。このプロットのX軸は両眼視野座標ともいう。そのため、上記プロットを得る工程を、両眼視野座標取得部による両眼視野座標取得工程ともいう。そして、このプロットを、(好適にはY方向にはずらさず)X方向にずらす(度数分布シフト部による度数分布シフト工程)。その際、右眼用レンズのプロットをずらす方向と左眼用レンズのプロットをずらす方向を逆にする。これが度数分布シフト工程である。なお、このずれに関する好適例および変形例は、上記<一対の累進屈折力レンズの詳細(好適例、変形例)>にて述べた通りである。
各プロットのずれ量を所定値にて設定し、シミュレーションを行う(シミュレーション部によりシミュレーション工程)。そしてその結果が所定条件(例えば度数誤差の許容量、調節力、コントラスト感度等)を満たしているかどうかを判定する(判定部による判定工程)。満たしていればそこで設計を終了し、所定条件を満たしていなければ、各プロットのずれ量を変化させたり、その他の内容を変更させたりして、再度、設計パラメータの算出を行う。そして、シミュレーション結果が所定条件を満たすまで、この作業を繰り返す。
右眼用度数分布をずらす量の絶対値と左眼用度数分布をずらす量の絶対値とが等しいのが好ましい。
右眼用度数分布をずらす量の絶対値と左眼用度数分布をずらす量の絶対値はいずれも0度を超え且つ5度以下であるのが好ましい。
右眼用度数分布をずらす方向はX軸の負の方向とし、左眼用度数分布をずらす方向はX軸の正の方向とするのが好ましい。
主注視線の少なくとも一部を含む領域は、少なくとも近用部を含むのが好ましい。
なお、本発明の一態様の一対の累進屈折力レンズの設計方法を実現するシステムまたは該設計方法を実現するものとしてコンピュータを機能させるプログラムにも本発明の技術的思想が反映されている。
システムの構成は以下の通りである。
「累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の累進屈折力レンズの設計システムであって、
装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを 主注視線としたとき、
右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークを配置し、
左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークを配置する、一対の累進屈折力レンズの設計システム。」
プログラムの構成は以下の通りである。
「累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の累進屈折力レンズの設計システムであって、
装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを 主注視線としたとき、
右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークを配置し、
左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークを配置するよう、コンピュータを機能させる、一対の累進屈折力レンズの設計プログラム。」
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろん本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
装用者Aに対し、球面度数Sが0.00D、乱視度数Cが0.00D、加入度数ADDが2.00Dの眼鏡レンズを用意した。装用者の片眼瞳孔間距離は32mmとした。装用者が頻繁に作業する近用作業距離は50cmであった。つまり、上記プロット(両眼視野座標)を得る際の正面視の物体の距離を50cmに設定した。
また、視認対象として垂直平面物体面を設定した。垂直平面物体面とは、装用者の正面から近用作業距離だけ離れ、且つ正面視線に対して垂直な平面である。
上記内容を基に、装用者の受注情報をシステムに入力し、設計パラメータを算出した。そして、従来の手法と同様に右眼用レンズと左眼用レンズとの度数分布を設計した。設計にて得た右眼用度数分布および左眼用度数分布に対し、光線追跡法を利用して上記プロット(両眼視野座標)を得た。
図3は、プロットをシフトさせる前の右眼用度数分布R1と左眼用度数分布L1と両度数分布の平均値PW1を示すグラフである(比較例1に相当)。
光線追跡の際の眼球モデルおよびその他の各種条件は以下のとおりである。
・眼の最大調節力:0.75D
・角膜−レンズ頂点間距離(CVD):14.5mm
・角膜頂点から眼球の回旋中心までの距離:14.5mm
以降、特記無い限り、光線追跡においては上記条件を採用する。但し、本発明は上記各条件に限定されない。
図3に示す段階では、右眼用度数分布も左眼用度数分布も従来と同様にピークはX=0に位置する。そして、図3に示す右眼用度数分布R1を−X方向に3度シフトさせ、左眼用度数分布L1を+X方向に3度シフトさせた。
図4は、プロットをシフトさせた後の右眼用度数分布R2と左眼用度数分布L2と両度数分布の平均値PW2を示すグラフである(実施例1に相当)。
近用作業距離50cmということは、1/0.5m=2.0Dのパワーが必要となる。累進屈折力レンズのパワーと、装用者Aの眼の調節力とを合算したときに2.0Dのパワーが確保できればよい。この眼の調節力の値が大きいと、装用者Aの疲労感が増し、逆に眼の調節力の値が小さくて済むと、装用者Aの疲労感は減る。
PW1及びPW2に対して、近用作業距離50cmを見る際に必要とされる調節力2.0Dと、近用作業距離50cmを両眼で正面視するときに視線が通過する主注視線上の部分を含む水平断面における度数の差を計算した。この差が、装用者Aが必要とする自己調節量(単位:D)である。
図5は、X軸を眼球の回旋角差[単位:度]、Y軸を自己調節量[単位:D]としたときの実施例1および比較例1に係るグラフである。
図5を見ると、実施例1のPW2だと比較例1のPW1に比べて自己調節量を減少できる。特に、回旋角差が大きいほどその傾向が顕著である。その結果、自己調節量が少なくて済む視野領域は、比較例1に比べて実施例1の方が広い。
これにより、近用の正面を中心とした水平方向においても近用度数からの度数誤差が少なくなるため、両眼視した時の装用感が向上し、視野が広がった感じや疲れにくくなるといった効果が得られる。
[実施例2] 実施例2では、実施例1と異なり、不同視の場合を例示する。
装用者Bに対し、以下の眼鏡レンズを用意した。
右眼用レンズの球面度数S: 0.00D
右眼用レンズの乱視度数C: 0.00D
左眼用レンズの球面度数S:−4.00D
左眼用レンズの乱視度数C: 0.00D
加入度数ADD: 3.00D
近用作業距離: 33.3cm 上記内容以外は、実施例1と同様の条件を採用した。
図6は、プロットをシフトさせた後であって付加度数分布を変換抽出する前の右眼用度数分布と左眼用度数分布を示すグラフである。
図6に示す右眼用度数分布は−X方向に既に3度シフトさせ、左眼用度数分布は+X方向に既に3度シフトさせている。
以下、付加度数分布について説明する。本発明の一態様における付加度数分布とは、本発明の一態様の眼鏡レンズにおいて処方を実現するための度数分布から、純粋に処方値分の度数分布である処方度数分布(遠用度数)を差し引いて得られる度数分布である。本発明の一態様においては、水平断面での度数分布を例示するが、本発明はこの態様に限定されない。
図7は、図6の度数分布の一部を構成する付加度数分布としての、プロットをシフトさせる前の、右眼用度数分布R1と左眼用度数分布L1と両度数分布の平均値PW1を示すグラフである(比較例2に相当)。
図8は、図6の度数分布の一部を構成する付加度数分布としての、プロットをシフトさせた後の、右眼用度数分布R2と左眼用度数分布L2と両度数分布の平均値PW2を示すグラフである(実施例2に相当)。
図9は、X軸を眼球の回旋角差[単位:度]、Y軸を自己調節量[単位:D]としたときの実施例2および比較例2に係るグラフである。
図9を見ると、実施例2だと比較例2に比べて自己調節量を減少できる。特に、回旋角差が大きいほどその傾向が顕著である。その結果、自己調節量が少なくて済む視野領域は、比較例2に比べて実施例2の方が広い。
これにより、近用の正面を中心とした水平方向においても近用度数からの度数誤差が少なくなるため、両眼視した時の装用感が向上し、視野が広がった感じや疲れにくくなるといった効果が得られる。
上記内容を鑑みると、本発明の一態様における一対の累進屈折力レンズおよびその関連技術は、以下の規定を設けるのが好ましい。「装用者から見て、正中面に対して右方向への視線移動を正、左方向への視線移動を負とする眼球回旋角差によって視認される物体を表すとき、
主注視線の少なくとも一部を含む各レンズ領域の水平断面において、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差と、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差とが互いに異なる符号をもつ。」
なお、「装用者から見て、正中面に対して右方向への視線移動を正、左方向への視線移動を負とする眼球回旋角差によって視認される物体を表す」という規定は、本発明の一態様にも適用してもよいし、不同視以外の態様に適用してもよい。
[実施例3]
以下、右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いとに関し、主注視線から水平方向へ視線を移動させたときの眼球の回旋角差で表したときの好適な値を得るための試験を行った。
図10は、図4に対し、変換抽出された付加度数を度数分布として示したもので、単眼最大度数MP、両眼正面視平均度数BP、閾値における視野幅W、単眼最大度数位置差dの対応箇所を示すための説明図である。左右眼それぞれの付加度数の最大値を単眼最大度数MPとし、両眼の正面視すなわち回旋角差0における付加度数の平均値を両眼正面視平均度数BPとする。
なお、図10においては、単眼最大度数MPは左右で一致しているが、異なる場合には、いずれかの眼の付加度数の最大値を単眼最大度数MPとしてもよいし、左右眼それぞれの付加度数の最大値同士の平均を単眼最大度数MPとしてもよい。
ずれ量である回旋角差の最適量を得るべく、以下の評価条件を設定する。
(1)(単眼最大度数MP−両眼正面視平均度数BP)≦0.25D
この条件は、単眼の最大度数と両眼正面度数に大幅な乖離が生じた場合、装用者にとって見え方に違和感を感じやすくなるため、そのような場合を排除するための条件である。ここでいう単眼最大度数は、変換抽出された付加度数分布を用いて定義される。
(2)(両眼正面視平均度数BP−加入度数)>0D
両眼正面視平均度数BPが処方としての加入度数よりも低すぎる場合には、装用者は正面視時にぼやけて物体を見にくくなる可能性がある。そのため、この条件により、両眼正面視平均度数の減衰値を評価する。
(3)閾値における視野幅W(望大特性)
この条件は、処方としての加入度数よりも0.50D、好ましくは0.25Dだけ下回る度数が確保できている視野幅を示す。これは、装用者が0.25D(または0.50D)の自己調節量を使えば明視できる視野範囲に相当する。Wは、望大特性を有しており、すなわち大きければ大きいほど好ましい。
なお、単眼最大度数位置差dは、その名の通り、右眼用レンズにおけるピークのX座標[度]から、左眼用レンズにおけるピークのX座標[度]を差し引いた値を指す。
装用者Aに対し、球面度数Sが0.00D、乱視度数Cが0.00D、加入度数ADDが3.00Dの眼鏡レンズを用意した。また、近用作業距離は33.3cmである。それ以外は実施例1と同様として試験を行った。
図11は、X軸を単眼最大度数位置差d[度]、評価条件(1)(2)に係る中央Y軸を度数差[D]、評価条件(3)に係る右側Y軸を閾値における視野幅の相対変化量[度]としたときの実施例3に係るグラフである。ここで、閾値における視野幅の相対変化量ΔWとは、左右眼の付加度数分布をX方向に互いにシフトさせる前の閾値における視野幅をW0とし、シフトさせた後の閾値における視野幅Wからそれぞれ差し引いて算出されたものである。すなわち、ΔW=W−W0である。
図11に示すように、(1)(2)を満たすのは上下にある水平直線で挟まれた領域である。そして、(3)の閾値における視野幅Wは望大特性を有する。その結果、(3)の望大特性値(すなわち該領域内における閾値における視野幅Wの最大値)は−6度をわずかに下回る値となる。その結果、単眼最大度数位置差dが−7度(好適には−6度)以上且つ−5度以下であるのが好適である。単眼最大度数位置差dが−5度ということは、右眼用レンズのX座標は負であり且つ右眼用レンズのY座標は正であることを意味する。これは、本発明の一態様における好適例で述べた例と一致する。
上記内容を鑑みると、本発明の一態様における一対の累進屈折力レンズおよびその関連技術は、以下の規定を設けるのが好ましい。
「以下の(1)(2)の評価条件を満たし且つ(3)の望大特性値の±3度(好適には±2度、更に好適には±1.5度)の範囲内の単眼最大度数位置差dを有する、一対の累進屈折力レンズおよびその関連技術。
(1)(単眼最大度数MP−両眼正面視平均度数BP)≦0.25D
(2)(両眼正面視平均度数BP−加入度数)>0D
(3)加入度数から0.50D(好適には0.25D)だけ下回った値における視野幅W(望大特性)」

Claims (10)

  1. 累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の累進屈折力レンズであって、
    装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを主注視線とし、
    右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークがあり、
    左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークがある、一対の累進屈折力レンズ。
  2. 右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いが等しい、請求項1に記載の一対の累進屈折力レンズ。
  3. 右眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いと、左眼用レンズの水平断面での度数分布のピークの位置の主注視線からの離れ度合いは、主注視線から水平方向へ視線を移動させたときの眼球の回旋角差で表したとき、いずれも0度を超え且つ5度以下である、請求項1または2に記載の一対の累進屈折力レンズ。
  4. 右眼用レンズにおける度数分布のピークの位置は、装用者から見て主注視線から左側に眼球を回旋した位置であり、左眼用レンズにおける度数分布のピークの位置は、装用者から見て主注視線から右側に眼球を回旋した位置である、請求項1〜3のいずれかに記載の一対の累進屈折力レンズ。
  5. 度数分布において主注視線から離れた位置にピークがあるのは、少なくとも遠用度数測定点から近用度数測定点までの間である、請求項1〜4のいずれかに記載の一対の累進屈折力レンズ。
  6. 度数分布において主注視線から離れた位置にピークがあるのは、少なくとも近用部である、請求項1〜5のいずれかに記載の一対の累進屈折力レンズ。
  7. 装用者から見て、正中面に対して右方向への視線移動を正、左方向への視線移動を負とする眼球回旋角差によって視認される物体を表すとき、
    主注視線の少なくとも一部を含む各レンズ領域の水平断面において、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差と、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差とが互いに異なる符号をもつ、請求項1〜6のいずれかに記載の一対の累進屈折力レンズ。
  8. 累進屈折力レンズである右眼用レンズと左眼用レンズとからなる一対の眼鏡レンズの設計方法であって、
    装用者の正中面上に存在する物体であって装用者から所定距離離れて存在する物体を視認する正面視の際に視線が通過する右眼用レンズ上の箇所と左眼用レンズ上の箇所とを主注視線としたとき、
    右眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から離れた位置にピークを配置し、
    左眼用レンズの水平断面での度数分布において、主注視線から、右眼用レンズの場合とは逆の方向へと離れた位置にピークを配置する、一対の累進屈折力レンズの設計方法。
  9. 主注視線の少なくとも一部を含む領域の水平断面において、両眼視野座標に変換した、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する右眼用度数分布と、両眼視野座標に変換した、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する左眼用度数分布とを取得する両眼視野座標取得工程と、
    前記右眼用度数分布を一方向にずらし、且つ、前記左眼用度数分布を、前記右眼用度数分布をずらした方向とは逆の方向にずらす度数分布シフト工程と、
    前記左眼用度数分布のずれ量を所定値にて設定し、且つ、前記右眼用度数分布のずれ量を所定値にて設定し、シミュレーションを行うシミュレーション工程と、
    シミュレーション結果が所定条件を満たしているかどうかを判定する判定工程と、
    を有する、請求項8に記載の一対の累進屈折力レンズの設計方法。
  10. 装用者から見て、正中面に対して右方向への視線移動を正、左方向への視線移動を負とする眼球回旋角差によって視認される物体を表すとき、
    主注視線の少なくとも一部を含む各レンズ領域の水平断面において、右眼用レンズで右眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差と、左眼用レンズで左眼の処方度数を実現する度数分布のうち付加度数分布のピーク位置を通過した視線の先の物体を示す眼球回旋角差とが互いに異なる符号をもつ、請求項8または9に記載の一対の累進屈折力レンズの設計方法。
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