JP2021156872A - パラジウム−コバルト合金皮膜 - Google Patents

パラジウム−コバルト合金皮膜 Download PDF

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正英 水橋
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【課題】電子部品や半導体基板の導通検査に使用されるコンタクトプローブに用いられて、安定的に低い接触抵抗が得られるパラジウム−コバルト合金皮膜を提供する。【解決手段】パラジウム−コバルト合金皮膜は、コバルト含有量が1.7wt%以上10.5wt%以下とすることにより、コンタクトプローブの構成皮膜として有用な、安定的に低い接触抵抗を有する合金皮膜が得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、パラジウム−コバルト合金皮膜に関し、特には、電子部品や半導体基板の導通検査に使用されるコンタクトプローブの構成皮膜に有用なパラジウム−コバルト合金皮膜に関する。
現在、多くの電子機器に半導体基板が用いられており、その半導体基板の製造工程における品質管理において、コンタクトプローブ用の検査針(プローブピン)が使用されている。プローブピンは、半導体基板に接触させて導通検査を行うことから、高硬度、低接触抵抗といった物性が求められている。しかし、プローブピンの使用回数の増加につれ、基板上のはんだ材料(錫を含有する)がピン内部に拡散して、金属間化合物化や錫の酸化が発生し、接触抵抗が上昇するという問題が生じる。
また、検査においてはジュール熱が発生して加熱雰囲気となり、プローブピン表面の金属が酸化して、接触抵抗が上昇するという問題もある。このようなことから、プローブピンを定期的にメンテナンス(洗浄等)することが求められている。しかし、メンテナンスは、プローブピンを含むユニットごと交換する必要があり、その際、半導体製造における品質管理工程の中断が余儀なくされる。このような中断は、多大なコストを発生させることから、プローブピンの長寿命化が求められている。
プローブピンの一般的な皮膜構成は、母材としての銅又は銅合金の上に、ニッケル又はニッケル−リンの皮膜が形成され、その上にパラジウム皮膜が形成され、最外層に金−コバルト合金(Co:1wt%以下)が形成されている。しかし、最外層の金−コバルト合金皮膜は、硬度が200Hv程度と低く、また、半導体基板表面のはんだ材との接触により、金−錫の金属間化合物を形成して、接触抵抗を上昇させ、コンタクトプローブの短寿命化へと繋がるという問題がある。
特許文献1には、ICをテストするためのテストプローブに関して、外側層に約75−85%のPdを含む(すなわち、Coを15−25%含む)パラジウム−コバルト合金等を用いることが開示されている。しかしながら、最外層として、コバルトを15%以上含むパラジウム−コバルト合金皮膜を用いた場合、上述の通り、検査の際のジュール熱によってコバルトが酸化してしまい、使用回数が増加するに従い、接触抵抗が上昇して、プローブピンとしての機能を保つことが難しいという問題がある。
特表2005−504962号公報 特開2009−1886号公報
コンタクトプローブの構成皮膜(特に最外層)として、金−コバルトよりも高硬度のパラジウム−コバルト合金皮膜を用いることが考えられる。しかしながら、コバルトの含有量が15wt%以上であると、コバルトの酸化皮膜が形成されやすくなり、その結果、接触抵抗が上昇してしまうという問題が生じる。本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、安定的に低い接触抵抗が得られるパラジウム−コバルト合金皮膜を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、パラジウム−コバルト合金皮膜において、コバルト含有量を所定の範囲に調整することにより、加熱後においても接触抵抗を低く維持することができるとの知見が得られ、本発明を完成するに至った。前記課題は、以下に示す本発明によって解決される。
1)コバルト含有量が1.7wt%以上10.5wt%以下であることを特徴とするパラジウム−コバルト合金皮膜。
2)接触抵抗が10mΩ以下であることを特徴とする上記1)に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜。
3)260℃大気加熱後の接触抵抗が15mΩ以下であることを特徴とする上記1)又は2)に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜。
4)膜厚が0.1μm以上35μm以下であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜。
5)ビッカース硬度が300Hv以上であることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜。
6)上記1)〜5)のいずれか一に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜を含むことを特徴とするプローブピン。
7)銅又は銅合金からなる母材表面に、前記パラジウム−コバルト合金皮膜を備えることを特徴とする上記6)に記載のプローブピン。
8)前記母材表面と前記パラジウム−コバルト合金皮膜との間に、Ni又はNi−P合金皮膜を備えることを特徴とする上記6)又は7)に記載のプローブピン。
9)前記母材表面と前記Ni又はNi−P合金皮膜との間、又は/及び、前記Ni又はNi−P合金皮膜と前記パラジウム−コバルト合金皮膜との間に、Au皮膜を備えることを特徴とする上記6)〜8)のいずれか一に記載のプローブピン。
本発明によれば、パラジウム−コバルト合金皮膜であって、低い接触抵抗を維持することができるという優れた効果を有し、当該パラジウム−コバルト合金皮膜はクラックがなく、さらに、光沢性に優れるという副次的な効果も有する。特に、電子部品や半導体基板の導通検査に使用されるコンタクトプローブの構成皮膜として有用である。
実施例1のパラジウム−コバルト合金皮膜の電子顕微鏡(倍率:10000倍)による画像である。 比較例1のパラジウム−コバルト合金皮膜の電子顕微鏡(倍率:1000倍)による画像である。
パラジウムは、銅やニッケルに対してバリア性(拡散防止性)が高く、酸化皮膜を生じ難いという特徴を有するが、パラジウム単独では硬度が低いため、コバルトとの合金皮膜にして高硬度にすることが行われている。しかしながら、コバルトは酸化の影響を受け易いため、高温環境使用下において酸化膜を形成して、皮膜の接触抵抗が上昇し、経時劣化を引き起こすという問題が生じる。このようなことから、本発明は、パラジウム−コバルト合金皮膜において、コバルト含有量を適切に調整することにより、安定的に低接触抵抗を実現することを特徴とするものである。
本発明の実施形態に係るパラジウム−コバルト合金皮膜は、コバルト含有量が1.7wt%以上10.5wt%以下であることを特徴とするものである。これにより、接触抵抗を低く維持することができ、さらに高温環境下においても、低接触抵抗を維持することができる。コバルト含有量が1.7wt%未満であると、皮膜物性として要求される硬度が十分でない。また、合金皮膜においてクラックが生じる。一方、コバルト含有量が10.5wt%超であると、接触抵抗が上昇しやすいという問題がある。好ましくは、コバルト含有量が2wt%以上9wt%以下であり、さらに好ましくは、コバルト含有量が3wt%以上7wt%以下である。
ところで、パラジウム−コバルト合金皮膜において、コバルト含有量を15wt%以下とすると、クラックや剥離が生じ、また、光沢性が低下するという問題が生じる(例えば、特許文献2)。これは、パラジウムの水素吸蔵能により、引張応力の増加に伴うことが原因と考えられる。そして、このように合金皮膜にクラック等が発生した場合には製品としての機能を保つことができない。これに対して、本発明の実施形態に係るパラジウム−コバルト合金皮膜は、上記のように、コバルト含有量が低い場合であっても、クラックや剥離などが発生していない点で、従来のパラジウム−コバルト合金皮膜とは明確に異なるものである。
本実施形態に係るパラジウム−コバルト合金皮膜は、接触抵抗が10mΩ以下であることが好ましい。より好ましくは、5mΩ以下である。プローブピンの接触抵抗を低くすることで、コンタクトプローブとしての性能を向上させることができる。また、他の用途、例えば、コネクタ、マイクロスイッチなどのコンタクト部において、パラジウム−コバルト合金皮膜を使用した場合であっても、同様に接触抵抗の低下は、その機能の向上に優位な影響を及ぼす。
本実施形態に係るパラジウム−コバルト合金皮膜は、260℃大気加熱後の接触抵抗が15mΩ以下であることが好ましい。より好ましくは、10mΩ以下であり、さらに好ましくは、5mΩ以下である。高温環境下においても接触抵抗を低く維持することができるので、長期間の使用による経時劣化を抑制することができる。この特性は、特に高温環境下で使用されるプローブピンの構成皮膜として有用である。
また、本実施形態に係るパラジウム−コバルト合金皮膜は、0.1μm以上の膜厚で光沢があり、また、膜厚が35μm以下においてクラックや剥離等が生じていないことが好ましい。このように光沢範囲が広く、厚膜を形成してもクラックや剥がれの生じないパラジウム−コバルト合金皮膜を外層に形成することにより、製品の長寿命化、安定的な生産(品質管理)に貢献することができる。
また、本実施形態に係るパラジウム−コバルト合金皮膜は、ビッカース硬度が300Hv以上であることが好ましい。また、加熱後(大気中、260℃、1分間)のビッカース硬度が400Hv以上であることが好ましい。さらに好ましくは、500Hv以上である。プローブピンの外層皮膜として、高硬度のパラジウム−コバルト合金皮膜を用いることにより、半導体基板との接触による皮膜の劣化を抑制することができる。なお、従来、外層皮膜として使用されていた金−コバルト合金皮膜の硬度は200Hv程度であり、また、パラジウム皮膜の硬度は300Hv程度である。
本発明の他の実施形態は、コバルト含有量が1.7wt%以上10.5wt%以下であるパラジウム−コバルト合金皮膜を含むプローブピンであり、さらに、上述した好適な特徴を備えた、パラジウム−コバルト合金皮膜を含むプローブピンであってもよい。なお、プローブピンは、電子回路や電子基板等の導通確認目的で使用されている検査針を意味する。半導体基板と接する最外層に当該パラジウム−コバルト合金皮膜を用いることにより、安定した低接触抵抗を維持することができ、製品の長寿命化に貢献することができる。
また、本発明の他の実施形態に係るプローブピンは、皮膜構成として、以下の態様を採用することができる。
Cu又はCu合金(母材)/Pd−Co(最外層)
Cu又はCu合金(母材)/Ni又はNi−P/Pd−Co(最外層)
Cu又はCu合金(母材)/Au/Ni又はNi−P/Pd−Co(最外層)
Cu又はCu合金(母材)/Ni又はNi−P/Au/Pd−Co(最外層)
Cu又はCu合金(母材)/Au/Ni又はNi−P/Au/Pd−Co(最外層)
ここで、Ni又はNi−P皮膜は下地金属であるCuの拡散防止を目的に形成され、Au皮膜は、地金属であるCuやNiの拡散防止、また、皮膜酸化防止による次工程めっきに対しての密着性向上を目的に形成される。
本実施形態に係るパラジウム−ニッケル合金めっき膜の製造方法の一例を示す。
なお、ここでは、Pd−Co単層のめっき膜の製造方法のみを示すが、NiやNi−P下地めっき、Auめっきについては、公知の手段を用いて形成することができる。
まず、母材として、銅又は銅合金板(めっき対象物:陰極板)を用意し、銅又は銅合金板をアルカリ脱脂、及び硫酸液による酸洗浄を行う。アルカリ脱脂は、陽極として、酸化イリジウム被覆チタン電極を用いて、液温60〜70℃、3〜10A、1分間程度の条件で行うことができる。また、酸洗浄は、硫酸濃度5%、液温40〜60℃、浸漬時間30秒以下の条件で行うことができる。
次に、以下の市販されている薬液を用いてパラジウム−コバルトめっき液を建浴する。なお、下記は一例であって、本発明はこの条件に限定されるものではない。
パラジウム塩: パラアシスト(松田産業株式会社製)
コバルト塩: パラシグマCOコバルト補給液(松田産業株式会社製)
電導塩、緩衝剤等:パラシグマCO建浴液(松田産業株式会社製)
皮膜光沢剤等: パラシグマCO光沢液(松田産業株式会社製)
錯化剤等: パラシグマCO合金調整剤(松田産業株式会社製)
上記めっき液を用いて、以下の条件にて電解めっきを行い、めっき皮膜を形成する。なお、下記の条件は、一例であって、本発明はこの条件に限定されるものではない。
陰極電流密度: 0.1〜2A/dm2
pH: 7.0
液温: 40℃
パラジウム塩: 10g/L
コバルト塩: 1.5g/L
以下に、実施例、比較例を含め、本発明の実施形態に係るパラジウム−コバルト合金皮膜の各種物性の評価方法等について示す。
(接触抵抗の測定方法、条件)
接触抵抗は、株式会社山崎精機研究所製の電気接点シミュレーターCRS−113−AU型(Auワイヤー、φ0.5mm)を用い、試料中央部を荷重5gf、操作荷重1mm、操作速度1mm/min、600点測定の条件で、試料の接触抵抗を1回測定し、各測定点結果の平均値を算出した。また、加熱試料については、株式会社松浦製作所製のデジタルマイクロHP−1SAを用いて、260℃で1分間、大気中で加熱し、加熱後の試料を上記の装置及び条件にて、接触抵抗の測定を行った。
(皮膜の膜厚及び合金比率の測定)
膜厚測定及び合金比率は、膜厚が5μm以下の試料については、セイコーインスツルメンツ株式会社の蛍光X線膜厚計SFT9500を用い、試料中央部をコリメータサイズ0.1mm、管電圧30V、管電流1000μA、薄膜FP法の条件で測定した。標準試料として、PdCo板はcalmetrics社、Cu板はセイコーインスツルメンツ株式会社の製品を使用した。また、膜厚が5μm超の試料については、重量と合金比率より算出した。なお、合金比率算出においては上記蛍光X線膜厚計を用いた。
(皮膜の硬度測定)
皮膜のビッカース硬度の測定は、株式会社ミツトヨの微小硬さ試験機HM−221を用いて、ビッカース圧子により試料中央部を10回測定してその平均値を算出した。
なお、皮膜の硬度測定は、圧子に加重を加えて皮膜上に圧痕を形成し、この圧痕の対角線から硬度を計算するため、膜厚が薄い場合、圧子が下地母材まで到達してしまう。また、加重を小さくし過ぎると、圧痕対角線のばらつきが大きくなり、定量下限値を超えることができない。このように膜厚が薄いと、測定した硬度の値の信頼性が低いため膜厚が薄い場合については硬度を測定しなかった。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、以下の実施例はあくまで代表的な例を示しているもので、本発明は、これらの実施例に制限される必要はなく、明細書の記載される技術思想の範囲で解釈されるべきものである。
(実施例1−10)
母材として角形銅板(2.5cm×2cm)を用意し、これをアルカリ脱脂及び酸洗浄した後、上述のパラジウム−コバルトめっき液を用いて、電解めっきを行って、パラジウム−コバルト合金皮膜を形成した。なお、めっき層として、Pd−Co単層の物性評価が最も厳しいことから、NiやAuなどの下地めっきは行わなかった。
表1に示す通り、実施例1−10においては、めっき液中のコバルト濃度、及び、めっき条件(陰極電流密度、めっき時間)を変化させて、パラジウム−コバルト合金皮膜を形成した。それぞれのパラジウム−コバルト合金皮膜における、コバルト含有量及びめっき膜厚を表1に示す。
得られたパラジウム−コバルト合金皮膜について、接触抵抗、及びビッカース硬度を測定した。また、電界放出型走査電子顕微鏡(JSM−7000M:日本電子株式会社製)を用いて、合金皮膜の中央部と端部を観察して、クラック等の有無を確認した。また、目視にて外観を確認し光沢度合いを確認した。図1に、実施例1の合金皮膜(中央部)の電子顕微鏡画像に示す。実施例1においてクラックがないことを確認できる。
次に、各実施例のパラジウム−コバルト合金皮膜をデジタルマイクロHP−1SA(株式会社松浦製作所製)を用いて、大気中260℃、10分間加熱して、加熱後の合金皮膜について、上記の特性評価を行った。以上の測定及び観察結果をまとめたものを表1に示す。表1に示す通り、実施例1−10は、加熱後においても、クラックの発生は見られず、また、接触抵抗も低く維持することができていた。なお、表中、クラックの評価において、〇で示されたものはクラックがないことを意味し、×で示されたものはクラックが存在したものを意味する。
(比較例1−7)
実施例と同様に、母材として角形銅板(2.5cm×2cm)を用意し、これをアルカリ脱脂及び酸洗浄した後、上述のパラジウム−コバルトめっき液を用いて、電解めっきを行って、パラジウム−コバルト合金皮膜を形成した。表1に示す通り、比較例1−7においては、特に、めっき液中のコバルト濃度を変化させて、コバルト含有量の低いあるいは高いパラジウム−コバルト合金皮膜を形成した。それぞれのパラジウム−コバルト合金皮膜における、コバルト含有量及びめっき膜厚を表1に示す。
次に、得られたパラジウム−コバルト合金皮膜について、接触抵抗、及びビッカース硬度を測定した。また、実施例と同様に、合金皮膜の中央部と端部を観察して、クラック等の有無を確認し、また、目視にて外観を確認し光沢度合いを確認した。図2に比較例1の合金皮膜(中央部)の電子顕微鏡画像に示す。比較例1において、クラックが発生していることが確認できる。なお、クラックを確認した合金皮膜については、接触抵抗及びビッカース硬度は測定しなかった。
次に、各比較例のパラジウム−コバルト合金皮膜を実施例と同様に、大気中260℃、10分間加熱して、加熱後の合金皮膜について、上記の特性評価を行った。以上の測定及び観察結果をまとめたものを表1に示す。表1に示す通り、コバルト含有量が比較的高い比較例3−5において、加熱後において接触抵抗の上昇が見られた。このように、コバルト含有量が10.5wt%を超える場合には、安定して接触抵抗を低く維持することが困難であることが分かる。
Figure 2021156872
本発明によれば、パラジウム−コバルト合金皮膜であって、低い接触抵抗を維持することができるという優れた効果を有する。本発明は、パラジウム−コバルト合金皮膜を皮膜構成として用いられる、コンタクトプローブ、プランジャ、コネクタ、カンチレバー、マイクロスイッチ、制御用リレー、トグルスイッチ、モーターブラシ、電磁開閉機、ブレーカー、サーモスタット、リレー、タイマー、マグネットスイッチ、プリント配線板などのコネクタ、コンミテーター、クロスバー式電話交換機の接触部分、ファクシミリのブラシ及びスプリング、スリッピングコネクタなどに有用である。
また、本実施形態に係るパラジウム−コバルト合金皮膜は、ビッカース硬度が300Hv以上であることが好ましい。また、加熱後(大気中、260℃、10分間)のビッカース硬度が400Hv以上であることが好ましい。さらに好ましくは、500Hv以上である。プローブピンの外層皮膜として、高硬度のパラジウム−コバルト合金皮膜を用いることにより、半導体基板との接触による皮膜の劣化を抑制することができる。なお、従来、外層皮膜として使用されていた金−コバルト合金皮膜の硬度は200Hv程度であり、また、パラジウム皮膜の硬度は300Hv程度である。
以下に、実施例、比較例を含め、本発明の実施形態に係るパラジウム−コバルト合金皮膜の各種物性の評価方法等について示す。
(接触抵抗の測定方法、条件)
接触抵抗は、株式会社山崎精機研究所製の電気接点シミュレーターCRS−113−AU型(Auワイヤー、φ0.5mm)を用い、試料中央部を荷重5gf、操作荷重1mm、操作速度1mm/min、600点測定の条件で、試料の接触抵抗を1回測定し、各測定点結果の平均値を算出した。また、加熱試料については、株式会社松浦製作所製のデジタルマイクロHP−1SAを用いて、260℃で10分間、大気中で加熱し、加熱後の試料を上記の装置及び条件にて、接触抵抗の測定を行った。





Claims (9)

  1. コバルト含有量が1.7wt%以上10.5wt%以下であることを特徴とするパラジウム−コバルト合金皮膜。
  2. 接触抵抗が10mΩ以下であることを特徴とする請求項1に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜。
  3. 260℃大気加熱後の接触抵抗が15mΩ以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜。
  4. 膜厚が0.1μm以上35μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜。
  5. ビッカース硬度が300Hv以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のパラジウム−コバルト合金皮膜を含むことを特徴とするプローブピン。
  7. 銅又は銅合金からなる母材表面に、前記パラジウム−コバルト合金皮膜を備えることを特徴とする請求項6に記載のプローブピン。
  8. 前記母材表面と前記パラジウム−コバルト合金皮膜との間に、Ni又はNi−P合金皮膜を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のプローブピン。
  9. 前記母材表面と前記Ni又はNi−P合金皮膜との間、又は/及び、前記Ni又はNi−P合金皮膜と前記パラジウム−コバルト合金皮膜との間に、Au皮膜を備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のプローブピン。
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