JP2021155795A - R−t−b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−t−b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微粉末の粉砕粒度を低下させてもジェットミル粉砕時の粉砕効率の悪化を抑止しつつ、重希土類元素の含有量を低減して高いBrと高いHcJを得るR−T−B系磁石の製造方法を提供する。【解決手段】R−T−B系焼結磁石の製造方法であって、R1:33〜69質量%、B:0.2〜0.8質量%、Cu:0.8〜3.0質量%、Ga:1.8〜10質量%、T:15〜60質量%、を含む添加合金粉末を準備する工程と、R:28.5〜33.0質量%、B:0.80〜1.0質量%、Ga:0.1〜0.4質量%、T:64〜70質量%、を含む主合金粉末を準備する工程と、混合合金粉末を準備する工程と、粉砕室が不活性ガスで満たされたジェットミル装置に混合合金粉末を供給して粉砕を行って微粉末を得る工程と、微粉末の焼結体を作製する工程とを含み、添加合金粉末のPr含有量は主合金粉末のPr含有量よりも多い。【選択図】図1

Description

本願は、R−T−B系焼結磁石の製造方法に関する。
R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む)は、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車(EV、HV、PHV)用モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品など多種多様な用途に用いられている。
R−T−B系焼結磁石は、主としてR14B化合物からなる主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相(二粒子粒界や多重点粒界)とから構成されている。主相であるR14B化合物は高い飽和磁化と異方性磁界を持つ強磁性材料であり、R−T−B系焼結磁石の特性の根幹をなしている。
R−T−B系焼結磁石は、例えば、合金粉末を準備する工程、合金粉末をプレス成形して粉末成形体を作製する工程、粉末成形体を焼結する工程を経て製造される。また、合金粉末は、例えば、以下の方法で作製される。まず、インゴット法またはストリップキャスト法などの方法によって各種原料金属の溶湯から合金を製造する。得られた合金を粉砕工程に供し、所定の粒径分布を有する合金粉末を得る。この粉砕工程には、通常、粗粉砕工程と微粉砕工程とが含まれており、前者は、例えば水素脆化現象を利用して、後者は例えば気流式粉砕機(ジェットミル)を用いて行われる。
このようなR−T−B系焼結磁石は、高温で保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」と記載する場合がある)が低下し、不可逆熱減磁が起こる。そのため、特に電気自動車用モータに使用される場合、高温下でも高いHcJを維持するために、室温においてさらに高いHcJが要求されている。
従来、HcJ向上のために、R−T−B系焼結磁石に重希土類元素(主としてDy)が多量に添加されていたが、残留磁束密度B(以下、単に「B」と記載する場合がある)が低下するという問題があった。そのため、近年、R−T−B系焼結磁石の表面から内部に重希土類元素を拡散させて主相結晶粒の外殻部に重希土類元素を濃化してBの低下を抑制しつつ、高いHcJを得る方法が採られている。
しかし、Dyなどの重希土類元素は、高価であるとともに、価格が変動するなどの問題を有している。そのため、Dyなどの重希土類元素の使用量をできるだけ少なくしてR−T−B系焼結磁石のHcJを向上させる技術が求められている。
特許文献1には、通常のR−T−B系合金よりもB量を低くするとともに、Al、Ga、Cuのうちから選ばれる一種以上の金属元素Mを含有させることによりR17相を生成させ、該R17相を原料として生成させた遷移金属リッチ相(R13M)の体積率を充分に確保することにより、Dyの含有量を抑制しつつ、保磁力の高いR−T−B系希土類焼結磁石が得られることが記載されている。
また、特許文献1に記載された方法以外のHcJ向上などの高性能化手法として、例えば、組織の微細化、含有酸素量の低減などが挙げられる。また、R−T−B系焼結磁石は、高性能化とともに低コスト化も求められている。低コスト化の手法としては、例えば、粉砕効率の向上などが挙げられる。
特許文献2には、粉砕効率向上の方法として露点−20℃〜0℃の加湿された不活性ガス気流を用いてジェットミル粉砕を行う方法が開示されている。同様の手法は特許文献3にも記載されている。
国際公開第2013/008756号 特開平8−148317号公報 特開平6−140220号公報
含有酸素量を低減させた、例えば酸素の含有量が3000ppm以下となるようなR−T−B系焼結磁石を作製する場合は、粉砕工程における粉末粒子の酸化を防止するため、例えば、高純度の窒素ガスが不活性ガスとして使用される。
本発明者らの検討によると、高純度の窒素ガスなどの不活性ガスを用いてジェットミル粉砕を実行した場合、低酸素にすると想定していた高性能化が達成できない場合があることがわかった。また、粉末を微細化して高性能化を図ろうとすると、微細化するには粉砕効率が犠牲になる。粉砕効率に関しては、特許文2、3の開示の手法もあるが、特許文献2、3の開示の構成は、反応性を抑えるために、3000ppmを超えるような高酸素含有量にする技術であり、低酸素化による高性能化において適用することができない。本開示の実施形態は、微粉末の粉砕粒度を低下させてもジェットミル粉砕時の粉砕効率の悪化を抑止しつつ、重希土類元素の含有量を低減して高いBと高いHcJを得るR−T−B系磁石の製造方法を提供する。
本開示のR−T−B系焼結磁石の製造方法は、非限定的で例示的な実施形態において、R−T−B系焼結磁石(Rは、希土類元素の少なくとも1種であり必ずNdを含む、TはFe又はFeとCoである)の製造方法であって、R1:(R1は希土類元素の少なくとも1種であり、R1全体の50質量%以上がPrである)33〜69質量%、B:0.2〜0.8質量%、Cu:0.8〜3.0質量%、Ga:1.8〜10質量%、T:15〜60質量%、を含む添加合金粉末を準備する工程と、R:28.5〜33.0質量%、B:0.80〜1.0質量%、Ga:0.1〜0.4質量%、T:64〜70質量%、を含む主合金粉末を準備する工程と、前記添加合金粉末を1〜16質量%と、前記主合金粉末を84〜99質量%とを含む混合合金粉末を準備する工程と、粉砕室が不活性ガスで満たされたジェットミル装置に前記混合合金粉末を供給して前記混合合金粉末の粉砕を行い、平均粒径が2.0μm以上4.5μm以下の微粉末を得る工程と、前記微粉末の焼結体を作製する工程と、を含み、前記添加合金粉末のPr含有量は前記主合金粉末のPr含有量よりも多く、前記不活性ガスは加湿されており、前記R−T−B系焼結磁石は、酸素の含有量が1000ppm以上3000ppm以下であり、R:28.5質量%以上33.0質量%以下、B :0.85質量%以上0.91質量%以下、Cu:0.05質量%以上0.50質量%以下、Ga:0.3質量%以上0.7質量%以下、およびT :63質量%以上70質量%以下(Tは、Fe又はFeとCoである)を含み、Tの含有量(質量%)を[T]、Bの含有量(質量%)を[B]とするとき、[T]/55.85>14×[B]/10.8を満足する。
ある実施形態において、前記R−T−B系焼結磁石のR含有量は31質量%以下である。
ある実施形態において、前記不活性ガスは、窒素ガスである。
ある実施形態において、前記微粉末の焼結体を作製する工程は、磁場中湿式プレスまたは不活性ガス雰囲気中による磁場中プレスによって前記微粉末から粉末成形体を作製する工程と、前記粉末成形体を焼結する工程と、を含む。
ある実施形態において、前記微粉末を得る工程における前記微粉末の前記平均粒径は2.0μm以上3.5μm以下である。
本開示の実施形態によれば、微粉末の粉砕粒度を低下させてもジェットミル粉砕時の粉砕効率の悪化を抑止しつつ、重希土類元素の含有量を低減して高いBと高いHcJを得るR−T−B系磁石の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態におけるR−T−B系焼結磁石合金粉砕システム1000の構成例を模式的に示す図である。
本発明者らは検討の結果、含有酸素量を低減させたR−T−B系焼結磁石を製造する場合において、粉砕工程にて粉末粒子を小さくすると、粉砕効率の悪化に加えて、粉砕工程において不活性ガス(特に不活性ガスとして乾燥した窒素ガスを用いた場合)により粉末粒子が窒化し、粉砕粒子を小さくしたことによる所望の磁気特性向上効果が得られなくなることがわかった。本発明者らはさらに検討の結果、加湿された不活性ガスを用いることで不活性ガスによる粉末粒子の劣化を低減させることができることを見出した。これは、粉末粒子表面に酸化膜が形成されることで粉末粒子内部への不活性ガス(特に窒素ガス)の導入を防ぐことができ、これにより不活性ガスによる粉末粒子の劣化(窒化)を抑制できるからだと考えられる。従来、粉砕工程にて粉末粒子を小さくすると、粉砕効率が悪化することや、これらの悪化を加湿された不活性ガス気流を用いることで改善できることが知られていた(例えば特許文献2や特許文献3)。しかし加湿された不活性ガス気流を用いて粉砕すると粉末粒子が酸化されて磁気特性が低下すると考え、磁気特性を向上させるために含有酸素量を低減させたR−T−B系焼結磁石を製造する場合に、粉砕粒子を小さくしようとして、積極的に加湿された不活性ガス気流を用いて粉砕することはなかった(例えば、特許文献2の微粉末の酸素含有量は4500ppmおよび4900ppmと比較的高い、特許文献3は酸素含有量の記載なし)。しかし、本発明者らは上述した不活性ガスによる粉末粒子の劣化を加湿された不活性ガスを用いることで低減させる知見を踏まえて検討を重ねた結果、意外なことに、最終的に得られるR−T−B系焼結磁石において、含有酸素量を低減させた特定の範囲となるように粉末粒子を加湿粉砕すると、粉末粒子の劣化(窒化)の抑制と加湿の酸化による磁気特性低下の抑制を両立できることが分かった。なお、通常、粉砕以降の工程でR−T−B系焼結磁石の酸素量が増加する工程は主に、微粉末を成形、焼結して焼結体を作製する工程であるが、R−T−B系焼結磁石の酸素含有量の増加は少ない(例えば、50ppm以上300ppm以下)。よって、R−T−B系焼結磁石の含有酸素量は粉砕工程によって調整することが可能である。さらに、本発明者らは検討の結果、特定組成の主合金粉末と添加合金粉末を混合した混合合金粉末に対して本開示の加湿粉砕を行うと、加湿を行わないで粉砕する場合と比べてHcJを向上させることができることがわかった。すなわち本開示は、特定組成の添加合金粉末と主合金粉末を用いてR−T−B系焼結磁石の組成を特定範囲にし、さらに、R−T−B系焼結磁石の粉砕工程において、得られるR−T−B系焼結磁石の含有酸素量を特定範囲(1000ppm以上3000ppm以下、好ましくは1000ppm以上2500ppm以下)になるように加湿粉砕して粉末粒子を小さくする(平均粒径が2.0μm以上4.5μm以下、好ましくは平均粒径が2.0μm以上3.5μm以下)ことにより、粉砕工程における酸化や窒化による磁気特性の低下を低減させ、ジェットミル粉砕時の粉砕効率の悪化を抑止しつつ、重希土類元素の含有量を低減して高いBと高いHcJを得るR−T−B系焼結磁石が得られることを見出したものである。
<R−T−B系焼結磁石の製造方法>
本開示によるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、
(1)添加合金粉末を準備する工程と、
(2)主合金粉末を準備する工程と、
(3)混合合金粉末を準備する工程と、
(4)粉砕室が不活性ガスで満たされたジェットミル装置に前記混合合金粉末を供給して前記混合合金粉末の粉砕を行い、平均粒径が2.0μm以上4.5μm以下の微粉末を得る工程と、
(5)前記微粉末の焼結体を作製する工程と、
を含み、前記不活性ガスは、加湿されている。平均粒径(d50)は、気流分散式レーザー回折法によって測定され得る。
<R−T−B系焼結磁石>
本開示のR−T−B系焼結磁石は、酸素の含有量が質量割合で1000ppm以上3000ppm以下である。酸素の含有量を1000ppm以上3000ppm以下とすることにより、上記(4)の微粉末を得る工程において、不活性ガスの加湿が弱すぎることで不活性ガスによる粉末粒子の窒化が進むことによる磁気特性の低下や加湿による粉末粒子の酸化が進むことによる磁気特性の低下を抑制できる。より高い磁気特性を得るためには、R−T−B系焼結磁石の酸素含有量は1000ppm以上2500ppm以下が好ましく、1000ppm以上2000ppm以下がさらに好ましい。
さらに、本発明に係るR−T−B系焼結磁石(単に「焼結磁石」と記載する場合がある)は、
R :28.5〜33.0質量%、
B :0.85〜0.91質量%、
Cu:0.05〜0.50質量%、
Ga:0.3〜0.7質量%、および
T :63〜70質量%、を含み、
Tの含有量(質量%)を[T]、Bの含有量(質量%)を[B]とするとき、[T]/55.85>14×[B]/10.8を満足するR−T−B系焼結磁石である。
上記組成により、一般的なR−T−B系焼結磁石よりもB量を少なくするとともに、Ga等を含有させている。これにより、特に多重点粒界にR−T−Ga相を、特に二粒子粒界にR−Cu−Ga相をそれぞれ生成することができ、重希土類元素の含有量を低減して高いBと高いHcJを有するR−T−B系焼結磁石を得ることができる。ここで、R−T−Ga相とは、代表的にはNdFe13Ga化合物から成る相である。R13Ga化合物は、LaCo11Ga型結晶構造を有する。また、R13Ga化合物は、その状態によっては、R13−δGa1+δ化合物(δは典型的には2以下)になっている場合がある。例えば、R−T−B系焼結磁石中に比較的多くCu、Alが含有される場合、R13−δ(Ga1−x−yCuAl1+δになっている場合がある。また、R−Cu−Ga相とは、R−Ga相のGaの一部がCuで置換されたものであって、R:70質量%以上95質量%以下、Ga:5質量%以上30質量%以下、T(Fe):20質量%以下(0を含む)を含むものであって、例えばR(Ga,Cu)化合物が挙げられる。
R−T−B系焼結磁石に含まれる各組成について詳述する。
(R:28.5〜33.0質量%)
Rは、希土類元素の少なくとも1種であり必ずNdを含む。
Rの含有量(R量)は、28.5〜33.0質量%である。Rが28.5質量%未満であると焼結時の緻密化が困難となるおそれがあり、33.0質量%を超えると主相比率が低下して高いBを得られないおそれがある。
R量は、好ましくは31質量%以下、さらに好ましくは、29〜31質量%である。Rがこのような範囲であれば、より高いBを得ることができる。
(B:0.85〜0.91質量%)
焼結磁石のBの含有量(B量)は、0.85〜0.91質量%である。B量が0.85質量%未満であるとR17相が生成されて高いHcJが得られないおそれがあり、0.91質量%を超えるとR−T−Ga相の生成量が少なすぎて高いHcJが得られないおそれがある。
(Cu:0.05〜0.50質量%)
焼結磁石のCuの含有量(Cu量)は、0.05〜0.50質量%である。Cu量が0.05質量%未満であると高いHcJを得ることができないおそれがあり、0.50質量%を超えると焼結性が悪化して高いHcJが得られないおそれがある。
(Ga:0.3〜0.7質量%)
焼結磁石のGaの含有量(Ga量)は、0.3〜0.7質量%である。Ga量が0.3質量%未満であると、R−T−Ga相の生成量が少なすぎて、R17相を消失させることができず、高いHcJを得ることができないおそれがあり、0.7質量%を超えると不要なGaが存在することになり、主相比率が低下してBが低下するおそれがある。
(T:63〜70質量%)
Tは、Fe又はFeとCoである。
Tの含有量(T量)は、63.0質量%〜70質量%である。Tの含有量が63.0質量%未満又は70質量%を超えると、大幅にBが低下する恐れがある。
Bの含有量は下記式(1)を満たす。
[T]/55.85>14×[B]/10.8
式(1)を満足することにより、Bの含有量が一般的なR−T−B系焼結磁石よりも少なくなる。一般的なR−T−B系焼結磁石は、主相であるR14B相以外に軟磁性相であるR17相が生成しないように、[T]/55.85(Feの原子量)は14×[B]/10.8(Bの原子量)よりも少ない組成となっている([T]は、質量%で示すFeの含有量である)。本発明のR−T−B系焼結磁石は、一般的なR−T−B系焼結磁石と異なり、[T]/55.85が14×[B]/10.8よりも多くなるように式(1)で規定している。なお、本発明のR−T−B系焼結磁石におけるTの主成分はFeであるため、Feの原子量を用いた。
(不可避的不純物およびその他の元素)
さらに、本発明のR−T−B系焼結磁石は、ジジム合金(Nd−Pr)、電解鉄、フェロボロンなどに通常含有される不可避的不純物としてCr、Mn、Si、La、Ce、Sm、Ca、Mgなどを含有することができる。このような元素は、合計で例えば2.0質量%以下程度含まれてもよい。この程度であれば、高いBと高いHcJを有するR−T−B系焼結磁石を得ることが十分に可能である。さらに、製造工程中に混入する不可避的不純物として、O(酸素)、N(窒素)およびC(炭素)などを例示できる。また、更に本開示のR−T−B系焼結磁石は、1種以上の他の元素(不可避的不純物以外の意図的に加えた元素)を含んでもよい。例えば、このような元素として、少量(各々0.2質量%以下程度)のAg、Zn、In、Sn、Ti、Ge、Y、H、F、P、S、V、Ni、Mo、Hf、Ta、W、Nb、Zrなどを含有してもよい。
R−T−B系焼結磁石の酸素含有量は、1000ppm以上3000ppm以下(好ましくは1000ppm以上2500ppm以下)の範囲である。粉末粒子の窒化と加湿による酸化の両方を抑制して高い磁気特性を得ることができる。後述するように粉砕工程によってR−T−B系焼結磁石の含有酸素量を調整することが可能である。
本発明のR−T−B系焼結磁石は、R,B、Cu、Gaを上述する範囲で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物としてもよい。すなわち、B、R、Cu、Ga、Feおよび不可避不純物のみを含み、その他の意図的に加えた元素を含まないR−T−B系焼結磁石とすることができる。
(1)添加合金粉末を準備する工程
この工程では、焼結磁石の製造に使用する添加合金粉末を準備する。
後述する所定の組成からなる添加合金粉末を、既知のR−T−B系焼結磁石の製造方法と同様の方法により製造することができる。例えば、金型鋳造によるインゴット法や、冷却ロールを用いて合金溶湯を急冷するストリップキャスト法等により、フレーク状の合金鋳片を作製する。得られたフレーク状の合金鋳片を水素粉砕し、粗粉砕粉末(添加合金粉末)のサイズを例えば1.0mm以下とする。
添加合金粉末の組成は、
R1:33〜69質量%、
B :0.2〜0.8質量%、
Cu:0.8〜3.0質量%、
Ga:1.8〜10質量%、
T :15〜60質量%、を含む。
以下に、添加合金粉末に含まれる各元素の限定理由を記載する。
(R1:33〜69質量%)
R1は希土類元素の少なくとも1種であり、R1全体の50質量%以上がPrである。
PrをR1全体の50質量%以上とすることにより、得られたR−T−B系焼結磁石の粒界において、Prを含む粒界が形成されやすくなり高い磁気特性を得ることが出来る。
添加合金粉末のR1の含有量(R1量)は、33〜69質量%である。R1量が33質量%未満であると、R14B化学量論組成に対して相対的にR1量が少なすぎるため、R−Ga相及びR−Ga−Cu相が生成され難くなる恐れがある。R1量が69質量%を超えると、R1量が多すぎるため、R1の酸化の問題が発生して、磁気特性の低下や発火の危険等を招き、生産上問題となるおそれがある。
R1量は、好ましくは40〜60質量%である。添加合金粉末のPr含有量は主合金粉末のPr含有量よりも多く設定する。
(B:0.2〜0.8質量%)
添加合金粉末のBの含有量(B量)は、0.2〜0.8質量%である。Bは、RおよびTと反応して、主相であるR14B型化合物を生成するのに必要な元素である。B量が0.2質量%未満であると、R14B型化合物の生成量が少なく、添加合金粉末中にR17相が生成される。そのため、最終的に得られる焼結磁石のHcJが低下する。B量が0.8質量%を超えると、主合金粉末中のB量を低減させなくてはならず、主合金粉末中にR17相が生成されて、最終的に得られる焼結磁石のHcJが低下するおそれがある。
B量は、好ましくは0.2〜0.7質量%である。
(Cu:0.8〜3.0質量%)
添加合金粉末のCuの含有量(Cu量)は、0.8〜3.0質量%である。Cu量が0.8質量%未満であると、最終的に得られる焼結磁石のCu量が不足して、HcJが低下するおそれがある。Cu量が3.0質量%を超えると、添加合金粉末と主合金粉末とを含む混合合金粉末の焼結性が悪化して、焼結磁石のHcJが低下するおそれがある。
Cuの含有量は、好ましくは1.5〜2.6質量%である。
(Ga:1.8〜10質量%)
添加合金粉末のGaの含有量は、1.8〜10質量%である。Ga量が1.8質量%未満であると、主合金粉末中のGa量を増加させなくてはならず、主合金粉末中にR−T−Ga相が生成されて、最終的に得られる焼結磁石のHcJが低下するおそれがある。10質量%を超えると、添加合金粉末中にR−T−Ga相が生成されて、最終的に得られる焼結磁石のHcJが低下するおそれがある。
Gaの含有量は、好ましくは3〜8質量%である。
(T:15〜60質量%)
Tは、Fe又はFeとCoである。
添加合金粉末のTの含有量は15〜60質量%である。RおよびTと反応して、主相であるR14B型化合物を生成するのに必要な元素である。T量が15質量%未満であるとR14B型化合物の生成量が少なく、そのため、最終的に得られる焼結磁石のHcJが低下する。T量が60質量%を超えると、主合金粉末中のT量を低減させなくてはならず、主合金粉末中にR17相が生成されて、最終的に得られる焼結磁石のHcJが低下するおそれがある。
T量は、好ましくは20〜50質量%である。
(不可避的不純物およびその他の元素)
添加合金粉末は、不可避的不純物としてCr、Mn、Si、La、Ce、Sm、Ca、Mgなどを含有することができる。また、上述した不可避的不純物として挙げた元素を意図的に加えてもよい。このような元素は、合計で例えば1.0質量%以下程度含まれてもよい。この程度であれば、高いHcJを有するR−T−B系焼結磁石を得ることが十分に可能である。さらに、製造工程中に混入する不可避的不純物として、O(酸素)、N(窒素)およびC(炭素)などを例示できる。また、本発明のR−T−B系焼結磁石は、1種以上の他の元素(不可避的不純物以外の意図的に加えた元素)を含んでもよい。例えば、このような元素として、少量(各々0.1質量%以下程度)のAg、Zn、In、Sn、Ti、Ge、Y、H、F、P、S、V、Ni、Mo、Hf、Ta、W、Nb、Zrなどを含有してもよい。
なお、添加合金粉末は上述した添加合金粉末の組成範囲内であれば複数種類の添加金粉末を準備してもよい。この場合、複数種類の添加合金粉末は、混合合金粉末を100質量%としたとき、合計で1〜16質量%となるようにする。
(2)主合金粉末を準備する工程
この工程では、焼結磁石の製造に使用する主合金粉末を準備する。
主合金粉末は、添加合金粉末と同様の方法により製造することができる。例えば、金型鋳造によるインゴット法や、冷却ロールを用いて合金溶湯を急冷するストリップキャスト法等により、フレーク状の合金鋳片を作製する。得られたフレーク状の合金鋳片を水素粉砕し、粗粉砕粉末(主合金粉末)のサイズを例えば1.0mm以下とする。
主合金粉末の組成は、R、B、Ga、Tを以下の範囲内で含有するように調製される。
R :28.5〜33.0質量%、
B :0.80〜1.00質量%、
Ga:0.1〜0.4質量%、および
T :64〜70質量%
以下に、主合金粉末に含まれる各元素の限定理由を記載する。
(R:28.5〜33.0質量%)
Rは、希土類元素の少なくとも1種であり必ずNdを含む。
主合金粉末のRの含有量(R量)は、28.5〜33.0質量%である。R量が28.5質量%未満であると、HcJが低下するおそれがある。R量が33.0質量%を超えると、Bが低下するおそれがある。
(B:0.80〜1.00質量%)
主合金粉末のBの含有量(B量)は、0.80〜1.10質量%である。Bは、RおよびTと反応して、主相であるR14B型化合物を生成するのに必要な元素である。B量が0.80質量%未満であると、R14B型化合物の生成量が少なく、添加合金粉末中にR17相が生成されやすくなる。そのため、最終的に得られる焼結磁石のHcJが低下するおそれがある。B量が1.10質量%を超えると、添加合金粉末中のB量を低減させなくてはならず、添加合金粉末中にR17相が生成されて、最終的に得られる焼結磁石のHcJが低下するおそれがある。
(Ga:0.1〜0.4質量%)
主合金粉末のGaの含有量(Ga量)は0.1〜0.4質量%である。Ga量が0.1質量%未満であると、R−Ga相及びR−Ga−Cu相の生成量が少なすぎてHcJが低下するおそれがある。Ga量が0.4質量%を超えると、主合金粉末中にR−T−Ga相が生成されて、最終的に得られる焼結磁石のHcJが低下するおそれがある。
(T :64〜70質量%)
TはFe又はFeとCoである。
主合金粉末のTの含有量(T量)は64〜70質量%である。T量が64質量%未満であるとHcJが急激に低下するおそれがある。T量が70質量%を超えると、R17相が生成してHcJが低下するおそれがある。
なお、Tの全量を100質量%としたときに、例えば、Tの0〜10質量%をCoで置換してもよい。つまり、Tの全量のうち90〜100質量%がFeであり、0〜10質量%がCoである。
(不可避的不純物およびその他の元素)
主合金粉末は、不可避的不純物としてCr、Mn、Si、La、Ce、Sm、Ca、Mgなどを含有することができる。また、上述した不可避的不純物として挙げた元素を意図的に加えてもよい。このような元素は、合計で例えば2.0質量%以下程度含まれてもよい。この程度であれば、高いHcJを有するR−T−B系焼結磁石を得ることが十分に可能である。さらに、製造工程中に混入する不可避的不純物として、O(酸素)、N(窒素)およびC(炭素)などを例示できる。また、本発明のR−T−B系焼結磁石は、1種以上の他の元素(不可避的不純物以外の意図的に加えた元素)を含んでもよい。例えば、このような元素として、少量(各々0.2質量%以下程度)のAg、Zn、In、Sn、Ti、Ge、Y、H、F、P、S、V、Ni、Mo、Hf、Ta、W、Nb、Zrなどを含有してもよい。
なお、主合金粉末は上述した主合金粉末の組成範囲内であれば複数種類の主合金粉末を準備してもよい。この場合、複数種類の主合金粉末は、混合合金粉末を100質量%としたとき、合計で84〜99質量%となるようにする。
(3)混合合金粉末を準備する工程
添加合金粉末と主合金粉末とを混合し、混合合金粉末を準備する。混合合金粉末を100質量%としたとき、添加合金粉末を1〜16質量%と、主合金粉末を84〜99質量%とを混合する。
添加合金粉末の混合量が1質量%未満であると、添加合金粉末が少なすぎて、R−T−Ga相の生成を抑制できずHcJが低下するおそれがある。添加合金粉末の混合量が16質量%を超えると、Bが低下するおそれがある。混合合金粉末は、添加合金粉末と主合金粉末をV型混合機などの公知の装置で混合する。そしてジェットミル装置に混合合金粉末を供給して粉砕を行い、平均粒径2.0μm以上4.5μm以下の微粉末得る。
(4)粉砕室が不活性ガスで満たされたジェットミル装置に混合合金粉末を供給して混合金粉末の粉砕を行い、平均粒径が2.0μm以上4.5μm以下の微粉末を得る工程
<粉砕システム>
まず、図1を参照しながら、本開示によるR−T−B系焼結磁石の製造方法に用いられ得る粉砕システムを例示する。図1は、本実施形態における粉砕システム1000の構成例を模式的に示す図である。この例において、R−T−B系焼結磁石合金粉砕システム1000は、ジェットミル装置100と、サイクロン捕集装置200と、バッグフィルタ装置300とを備えている。
ジェットミル装置100は、不図示の原料タンクから原料投入パイプ34を介して被粉砕物の供給を受ける。本開示における被粉砕物は混合合金粉末であり、例えば、平均粒径が10μm以上500μm以下である。なお、本開示における平均粒径(d50)は、気流分散式レーザー回折法(JIS Z 8825:2013年改訂版に準拠する)により測定することができる。すなわち、本明細書において、平均粒径は、小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が50%となる粒径(メジアン径)を意味する。
なお本開示の実施形態における平均粒径(d50)は、Sympatec社製の粒度分布測定装置「HELOS&RODOS」において
分散圧:4bar
測定レンジ:R2
計算モード:HRLD
の条件にて測定されたd50のことを示す。
原料投入パイプ34には複数のバルブが設けられ、バルブの開閉によってジェットミル装置100の内部圧力が適切に維持される。ジェットミル装置100の内部に導入された被粉砕物は、ノズル管36からの不活性ガスの高速噴射によって被粉砕物同士の相互衝突や粉砕を効率的に進行させるために設置された衝突板との衝突によって細かく粉砕される。ノズル管36には、水分を不活性ガスに含めるための加湿用管が接続されている。
R−T−B系焼結磁石用合金の粉末は活性であり、酸化しやすい。このため、ジェットミル装置100で使用される気体としては、発熱・発火の危険性の回避、不純物としての酸素含有量を低減させて磁石の高性能化を図るため、一般的には、露点が−60℃以下の乾燥した(高純度な)、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが用いられている。しかし、本開示の実施形態では、このような不活性ガスに意図的に水分を導入した加湿状態で粉砕を行う。この点の詳細については、後述する。
ジェットミル装置100の内部で微粉砕された粉末粒子(微粉末)は上昇気流に乗って上部の排出口からサイクロン捕集装置200の入口管20に導かれる。粉砕が不十分な粗い粒子は、中位径(d50)以上の粗粒子の分級するために設置された分級ロータにより分別され、ジェットミル装置100の内部に残り、更に衝突による粉砕処理工程を受けることになる。この粗粒子の分級については分級ロータを用いても良いし、旋回流による遠心分離を用いても良い。こうして、ジェットミル装置100に投入された被粉砕物(混合粉末)は、平均粒径(中位径:d50)が2.0μm以上4.5μm以下の粒度分布を持つ微粉末に粉砕されてからサイクロン捕集装置200に移動することになる。
サイクロン捕集装置200は、粉末を運ぶ気流から粉末を分離するために使用される。具体的には、混合合金粉末(粗粉砕粉末)が前段のジェットミルで粉砕され、粉砕によって生成された微粉末が、粉砕に利用された気体とともに入口管20を通って、サイクロン捕集装置200に供給される。不活性ガス(粉砕ガス)と粉砕された微粉末との混合物が高速な気流をなして、サイクロン捕集装置200に送られてくる。サイクロン捕集装置200は、これらの粉砕ガスと微粉末とを分離するために利用される。粉砕ガスから分離された微粉末は、排出口40を介して粉末捕集器50で回収される。粉砕ガスは出口管30を介してバッグフィルタ装置300に供給される。バッグフィルタ装置300では非常に小さな微粒子が回収され、清浄な気体が排気口32から外部に放出される。なお、このような固気分離のために、サイクロン捕集装置200を用いず、バッグフィルタを用いることも可能であるが、フィルタの破損による微粉末の大気飛散などが環境面、安全面に与える影響が大きい。サイクロン捕集装置によって分離された後の気体から、更にバッグフィルタを併用して微粒子を分離してもよい。
本開示の特徴的な点の一つは、R−T−B系焼結磁石の酸素含有量が1000ppm以上3000ppm以下の範囲になるように加湿粉砕を行う点にある。これにより粉砕による粉末粒子の窒化と加湿による酸化の両方を抑制して高い磁気特性を得ることができる。上述したように、通常、粉砕以降の工程(主に前記微粉末の焼結体を作製する工程)によるR−T−B系焼結磁石の酸素含有量の増加は少ない(例えば、50ppm以上300ppm以下)。よって、粉砕工程によってR−T−B系焼結磁石の含有酸素量を調整することが可能である。
具体的には、工程(2)における加湿された不活性ガスは、例えば混合合金粉末(粗粉砕粉末)の1kgあたり0.5g以上6.0g以下の水分を不活性ガスに与えることによって得られる。
粉砕室内の露点や混合合金粉末をジェットミル装置に供給する量は、粉砕時間やジェットミル装置の大きさにも依存するが、ある好ましい実施形態において、前記不活性ガスは、粉砕時における露点が−65℃以上−30℃以下になるように加湿されている。さらにある好ましい実施形態において、混合合金粉末をジェットミル装置に供給するレートは、35kg/時間以上180kg/時間以下である。
不活性ガスの例は、窒素、アルゴン、ヘリウムおよびこれらの混合ガスである。なかでも、窒素は純度の高いガスが低コストで入手できるため、最も好ましい。したがって、好ましい実施形態において、不活性ガスは窒素ガスである。しかしながら、本発明者らは検討の結果、窒素からなる不活性ガスを用いてジェットミル粉砕を行う場合、得られる微粉末の平均粒径が4.5μm以下になると、窒化により磁気特性の低下し始めることがわかった。特に、平均粒径が3.5μm以下になると窒化による磁気特性の低下が著しくなる場合があることが分かった。しかし、本開示の実施形態によれば、適切に調整した加湿雰囲気で粉砕を行うため、窒素ガスを不活性ガスに用いても、窒化の抑制および酸化の抑制を両立することができる。これは、粉砕室内の不活性ガスが窒素主体であっても、特定の調整された量の水分を含有するように加湿させることで、微粉砕によって現れた粒子の活性な表面を窒化されるよりも先に薄く酸化させることができるからだと考えられる。なお、微粉砕以降の工程(主に前記微粉末の焼結体を作製する工程)によるR−T−B系焼結磁石の酸素含有量の増加は50ppm以上300ppm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、50ppm以上200ppm以下である。これらを達成するには、後述するように磁場中湿式プレスまたは不活性ガス雰囲気中による磁場中プレスを行い、得られた成形体を焼結する。微粉末を得る工程における微粉末の平均粒径は、2.0μm以上3.5m以下であることがより好ましい。平均粒径を小さくすることにより、磁石特性を向上させることが可能になる。
(5)微粉末の焼結体を作製する工程
好ましい実施形態において、微粉末の焼結体を作製する工程は、磁場中プレスによって前記微粉末から粉末成形体を作製する工程と、この粉末成形体を焼結する工程とを含む。磁場中プレスでは酸化抑制の観点から不活性ガス雰囲気中によるプレスまたは湿式プレスによって粉末成形体を形成する方が好ましい。特に湿式プレスは粉末成形体を構成する粒子の表面が油剤などの分散剤によって被覆され、大気中の酸素や水蒸気との接触が抑制される。このため、プレス工程の前後あるいはプレス工程中に粒子が大気によって酸化されることを防止または抑制することができる。
磁場中湿式プレスを行う場合、微粉末に分散媒を混ぜたスラリーを用意し、湿式プレス装置の金型におけるキャビティに供給して磁場中でプレス成形する。
・分散媒
分散媒は、その内部に合金粉末を分散させることによりスラリーを得ることができる液体である。
本開示に用いる好ましい分散媒として鉱物油または合成油を挙げることができる。鉱物油または合成油はその種類が特定されるものではないが、常温での動粘度が10cStを超えると粘性の増大によって合金粉末相互の結合力が強まり磁場中湿式成形時の合金粉末の配向性に悪影響を与える場合がある。このため、鉱物油または合成油の常温での動粘度は10cSt以下が好ましい。また鉱物油または合成油の分留点が400℃を超えると成形体を得た後の脱油が困難となり、焼結体内の残留炭素量が多くなって磁気特性が低下する場合がある。したがって、鉱物油または合成油の分留点は400℃以下が好ましい。また、分散媒として植物油を用いてもよい。植物油は植物より抽出される油を指し、植物の種類も特定の植物に限定されるものではない。
・スラリーの作製
得られた合金粉末と分散媒とを混合することでスラリーを得ることができる。
合金粉末と分散媒との混合率は特に限定されないが、スラリー中の合金粉末の濃度は、質量比で、好ましくは70%以上である。20〜600cm/秒の流量において、キャビティ内部に効率的に合金粉末を供給できると共に、優れた磁気特性が得られるからである。スラリー中の合金粉末の濃度は、質量比で、好ましくは90%以下である。合金粉末と分散媒との混合方法は特に限定されない。合金粉末と分散媒とを別々に用意し、両者を所定量秤量して混ぜ合わせることによって製造してよい。また、混合合金粉末をジェットミル等で乾式粉砕して微粉末を得る際にジェットミル等の粉砕装置の合金粉末排出口に分散媒を入れた容器を配置し、粉砕して得られた微粉末を容器内の分散媒中に直接回収しスラリーを得てもよい。この場合、容器内も窒素ガスおよび/またはアルゴンガスからなる雰囲気とし、得られた合金粉末を大気に触れさせることなく直接分散媒中に回収して、スラリーとすることが好ましい。こうして得たスラリーを公知の湿式プレス装置で成形することにより、所定の大きさおよび形状を有する成形体を得ることができる。この成形体を焼結して焼結体を得る。
・焼結工程
次に、成形体を焼結して希土類焼結磁石体(焼結体)を得る。
成形体の焼結は、好ましくは、0.13Pa(10−3Torr)以下、より好ましくは0.07Pa(5.0×10−4Torr)以下の圧力下で、温度1000℃〜1150℃の範囲で行なう。焼結による酸化を防止するために、雰囲気の残留ガスは、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスにより置換され得る。得られた、焼結体に対しては、熱処理を行うことが好ましい。熱処理により、磁気特性を向上させることができる。熱処理温度、熱処理時間などの熱処理条件は、公知の条件を採用することができる。こうして得た希土類焼結磁石体に対しては、必要に応じて、研削・研磨工程、表面処理工程、および着磁工程が施され、最終的な希土類焼結磁石が完成する。
本開示を実施例によりさらに詳細に説明するが、本開示はそれらに限定されるものではない。
・実験例1
およそ表1の試料No.1および2に示すR−T−B系焼結磁石の組成となるように(O、C、Nは除く)ストリップキャスト法により合金を作製した。得られた各合金を水素粉砕法により粗粉砕し粗粉砕粉末を得た。粗粉砕粉末の平均粒径を測定した。平均粒径は200μm〜400μmの範囲であった。本開示において平均粒径は、小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が50%となる粒径(メジアン径)を意味する。平均粒径(d50)は、Sympatec社製の粒度分布測定装置「HELOS&RODOS」において
分散圧:4bar
測定レンジ:R2
計算モード:HRLDの条件にて測定した。
次に、およそ表2のNo.aおよび表3のNo.A〜C組成となるようにストリップキャスト法により添加合金および主合金をそれぞれ作製した。得られた各合金を水素粉砕法により粗粉砕し添加合金粉末および主合金粉末を得た。得られた合金粉末の平均粒径はいずれも200μm〜400μmの範囲であった。得られた合金粉末の成分を求めた。各成分はICP発光分光分析法により測定した。測定結果を表2および表3に示す。次に添加合金粉末と主合金粉末を表4の混合条件でそれぞれV型混合機に投入して混合した。表4におけるNo.3は、添加合金粉末のNo.aと主合金粉末のNo.Aを混合したものであり、添加合金粉末を5質量%(主合金粉末は95質量%となる)含む混合合金粉末である。No.4〜7も同様に記載している。
試料No.1、No.2の粗粉砕粉末およびNo.3〜7の混合合金粉末をそれぞれ図1のジェットミル装置100に投入して粉砕して微粉末を得た。粉砕条件を表5に示す。表5のNo.2は、粗粉砕粉末の1kgあたり1.4gの水分を不活性ガスに与えて加湿粉砕したものであり、粗粉砕粉末をジェットミル装置に供給する量は、64.1kg/hである。No.1およびNo.3〜7も同様に記載している(No.1およびNo.3は加湿せず粉砕している)。なお、本実施例では、不活性ガスとして窒素ガスを用いた。得られた微粉末の平均粒径を表5に示す。前記微粉末を窒素雰囲気中で分留点が250℃、室温での動粘度が2cStの鉱物油に浸漬してスラリーを準備した。スラリー濃度は、85質量%であった。得られたスラリーを磁界中で成形(湿式成形)し、成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交する、いわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。得られた成形体を、真空中1040℃(焼結による緻密化が十分に起こる温度を選定)で4時間焼結し、焼結体を得た。焼結体の密度は7.5Mg/m以上であった。さらに焼結体に対し、800℃で2時間保持した後室温まで冷却し、次いで500℃で2時間保持した後室温まで冷却する熱処理を施して焼結体(R−T−B系焼結磁石)を得た。得られた焼結磁石の成分を求めた。Nd、Pr、Tb、B、Co、Al、Cu、Ga、Zrの含有量をICP発光分光分析法により測定した。さらに、O(酸素量)はガス融解−赤外線吸収法、N(窒素量)はガス融解−熱伝導法、C(炭素量)は燃焼−赤外線吸収法、によるガス分析装置を使用して測定した。結果を表1および表6に示す。なお、No.1〜7すべてのR−T−B系焼結磁石は本開示の[T]/55.85>14×[B]/10.8を満足していることを確認した。焼結磁石に機械加工を施し、縦7mm、横7mm、厚み7mmの試料を作製し、B−Hトレーサによって各試料のBおよびHcJを測定した。測定結果を表7に示す。
Figure 2021155795
Figure 2021155795
Figure 2021155795
Figure 2021155795
Figure 2021155795
Figure 2021155795
Figure 2021155795
表1(単合金粉末から作製したR−T−B系焼結磁石)および表6(添加合金粉末および主合金粉末を混合した混合合金粉末から作製したR−T−B系焼結磁石)に示すようにNo.1〜7は、C、O、N以外はほぼ同じ組成であり、ジェットミル粉砕による微粉末の平均粒径(3.4μm)も同じである。表3に示すように、本発明例(No.4〜6)はいずれも加湿粉砕していないNo.1およびNo.3とくらべて高い磁気特性が得られている。従来、ほぼ同じ組成、粒度であれば、酸素量が増加すると磁気特性が低下すると考えられてきた。しかし、No.3とNo.4〜6に示すように、本開示のR−T−B系焼結磁石の酸素含有量の範囲であれば、逆に磁気特性が向上している。また、加湿粉砕しても本開示のR−T−B系焼結磁石の酸素の含有量の範囲からはずれるとNo.7に示すように磁気特性が低下している。またNo.1、2(単合金粉末から加湿なしとありで作製した磁石)とNo.3、4(本開示の混合合金粉末から加湿なしとありで作製した磁石)を比べると、No.3から4の方がBおよびHcJがより向上している。このことから、本開示の添加合金粉末と主合金粉末を混合した混合合金粉末に対して加湿粉砕を行うことにより、より磁気特性を向上できることがわかる。
本開示のR−T−B系焼結磁石の製造方法は、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車(EV、HV、PHV)用モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品など多種多様な用途で使用される永久磁石として利用可能である。
100・・・ジェットミル装置、200・・・サイクロン捕集装置、300・・・バッグフィルタ装置

Claims (5)

  1. R−T−B系焼結磁石(Rは、希土類元素の少なくとも1種であり必ずNdを含む、TはFe又はFeとCoである)の製造方法であって、
    R1:(R1は希土類元素の少なくとも1種であり、R1全体の50質量%以上がPrである)33〜69質量%、
    B:0.2〜0.8質量%、
    Cu:0.8〜3.0質量%、
    Ga:1.8〜10質量%、
    T:15〜60質量%、
    を含む添加合金粉末を準備する工程と、
    R:28.5〜33.0質量%、
    B:0.80〜1.0質量%、
    Ga:0.1〜0.4質量%、
    T:64〜70質量%、
    を含む主合金粉末を準備する工程と、
    前記添加合金粉末を1〜16質量%と、前記主合金粉末を84〜99質量%とを含む混合合金粉末を準備する工程と、
    粉砕室が不活性ガスで満たされたジェットミル装置に前記混合合金粉末を供給して前記混合合金粉末の粉砕を行い、平均粒径が2.0μm以上4.5μm以下の微粉末を得る工程と、
    前記微粉末の焼結体を作製する工程と、を含み、
    前記添加合金粉末のPr含有量は前記主合金粉末のPr含有量よりも多く、
    前記不活性ガスは加湿されており、
    前記R−T−B系焼結磁石は、酸素の含有量が1000ppm以上3000ppm以下であり、
    R:28.5質量%以上33.0質量%以下、
    B :0.85質量%以上0.91質量%以下、
    Cu:0.05質量%以上0.50質量%以下、
    Ga:0.3質量%以上0.7質量%以下、および
    T :63質量%以上70質量%以下(Tは、Fe又はFeとCoである)を含み、
    Tの含有量(質量%)を[T]、Bの含有量(質量%)を[B]とするとき、[T]/55.85>14×[B]/10.8を満足する、R−T−B系焼結磁石の製造方法。
  2. 前記R−T−B系焼結磁石のR含有量は31質量%以下である、請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  3. 前記不活性ガスは、窒素ガスである、請求項1または2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  4. 前記微粉末の焼結体を作製する工程は、
    磁場中湿式プレスまたは不活性ガス雰囲気中による磁場中プレスによって前記微粉末から粉末成形体を作製する工程と、
    前記粉末成形体を焼結する工程と、
    を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  5. 前記微粉末を得る工程における前記微粉末の前記平均粒径は2.0μm以上3.5μm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
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