JP2021155620A - ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性および機械的特性を従来レベル以上に向上した、シリカを含むゴム組成物を提供する。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に、シリカを1〜300質量部、下記一般式(1)で表されるアクリレート化合物を0.01〜10質量部含むゴム組成物であって、スルフィド結合、硫黄数が3未満のポリスルフィド結合、またはチオエステル結合を有するシランカップリング剤を前記シリカ量の1〜20質量%配合したことを特徴とする。(式(1)中、R1は水素またはメチル基、R2〜R5は、互いに独立して、水素または炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖上のアルキル基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関し、更に詳しくはシリカを配合したとき、加工性および機械的特性を従来レベル以上に向上するようにしたゴム組成物に関する。
空気入りタイヤに対する要求性能として、地球環境問題への関心の高まりに伴い燃費性能が優れることと共に、ウェット性能が高く安全性が優れることが求められている。このためトレッド部を構成するゴム組成物にシリカを配合することによりトレッドゴムの損失正接(tanδ)等の動的粘弾性特性を改質し、発熱を抑え転がり抵抗を低減して燃費性能を高くすると共に、ウェット性能を改良することが行われている。しかしシリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により、粒子同士が凝集する傾向にあり、ジエン系ゴムとの親和性が乏しく分散が不良になり易く、低転がり抵抗性及びウェット性能を改良する効果が十分に得られなかった。また、ゴム組成物を高温で混練してシリカの分散性改良を試みると、ゴム成分が熱分解したゲルが生成し、粘度が高くなり加工性が低下すると共に、架橋ゴムが過度に硬くなり引張伸びが低下するという課題があった。
特許文献1は、ジエン系ゴムに、シリカと共にメルカプト基を含有するシランカップリング剤を配合し、更に特定のアクリレート化合物を配合することにより、低転がり抵抗性およびスコーチ性を改良することを提案する。しかしメルカプト基含有シランカップリング剤を配合したゴム組成物は、スコーチ(早期加硫)を抑制するため、シリカ分散に有利な高温での成形加工ができないという課題があり、加工性を更に向上しながら、適度な引張応力および引張伸びという機械的特性を向上するという更なる向上が求められている。
特許第6135041号公報
本発明の目的は、加工性および機械的特性を従来レベル以上に向上するようにした、シリカを含むゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、シリカを1〜300質量部、下記一般式(1)で表されるアクリレート化合物を0.01〜10質量部含むゴム組成物であって、スルフィド結合、硫黄数が3未満のポリスルフィド結合、またはチオエステル結合を有するシランカップリング剤を前記シリカ量の1〜20質量%配合したことを特徴とする。
Figure 2021155620
(式(1)中、R1は水素またはメチル基、R2〜R5は、互いに独立して、水素または炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖上のアルキル基を表す。)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム、シリカ、特定のアクリレート化合物と共に、スルフィド結合、硫黄数が3未満のポリスルフィド結合、またはチオエステル結合を有するシランカップリング剤を配合するようにしたので、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を改良するため、高温で混練したときのゲルの生成を抑制し、粘度を低くして加工性を向上すると共に、引張応力および引張伸びという機械的特性のバランスをより優れたものにすることができる。
前記シランカップリング剤は、下記一般式(2)または(3)で表されるとよく、高温での混練を可能にし、アクリレート化合物の作用を発揮するのに有利にすることができる。
Figure 2021155620
(式(2)中、xは0を超え3未満の実数、R11〜R16は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。)
Figure 2021155620
(式(3)中、R17〜R19は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基で、このうち少なくとも1つはアルコキシ基、R20は、炭素数3〜10のアルキル基を表す。)
ゴム組成物の製造方法は、前記ジエン系ゴム、シリカ、アクリレート化合物およびシランカップリング剤を、155℃以上で混練する工程を含むことにより、ゲルの生成を抑制し、粘度を低くして加工性を向上させ、引張応力および引張伸びという機械的特性のバランスをより優れたゴム組成物を得ることができる。
本発明のゴム組成物でタイヤトレッドを構成してなる、タイヤは、加工性が改良され、低転がり抵抗性およびウェット性能に優れた高い品質を有し、かつその品質が安定している。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムであり、ジエン系ゴムとして、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を例示することができる。このようなジエン系ゴムは、官能基を有する化合物により変性された変性ジエン系ゴムでもよい。また、ジエン系ゴムおよび/または変性ジエン系ゴムの単独又は複数のブレンドとして使用することができる。
本発明のゴム組成物は、シリカを必ず含む。シリカを配合することにより、ゴム組成物の損失正接(tanδ)等の動的粘弾性特性を改質し、発熱を抑え転がり抵抗を低減して燃費性能を高くすると共に、ウェット性能を改良することができる。シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し1〜300質量部、好ましくは20〜200質量部、より好ましくは30〜150質量部である。シリカの配合量が1質量部未満であると、転がり抵抗性及びウェット性能を改良する効果が十分に得られない。シリカの配合量が300質量部を超えると、シリカの分散性が低下し、加工性が悪化すると共に機械的特性のバランスが却って低下する。
シリカとしては、ゴム組成物に通常使用されるシリカ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。シリカは、市販されているものの中から適宜選択して使用することができる。また通常の製造方法により得られたシリカを使用することができる。
本発明では、シリカ以外の他の充填剤を配合することができる。他の充填剤としては、例えばカーボンブラック、クレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等を例示することができる。なかでもカーボンブラック、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムが好ましい。他の充填剤を配合することによりゴム組成物の強度を高くすることができ、タイヤにしたときの操縦安定性を改良することができる。またゴム組成物がカーボンブラックを含むことにより、ゴム組成物の強度及び耐摩耗性を向上することができる。カーボンブラック等の他の充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し好ましくは3〜30質量部であるとよい。
本発明において、下記一般式(1)で表されるアクリレート化合物を配合する。
Figure 2021155620
(式(1)中、R1は水素またはメチル基、R2〜R5は、互いに独立して、水素または炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖上のアルキル基を表す。)
1は水素またはメチル基であり、好ましくはメチル基である。また、R2〜R5は、同じでも異なってもよく、互いに独立した、水素または炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖上のアルキル基である。R2〜R5として、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、s−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基等を挙げることができる。なかでも、メチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基が好ましい。
一般式(1)で表されるアクリレート化合物として、例えば住友化学社製スミライザー(登録商標)GS(式(1)中、R1がメチル基、R2〜R5が1,1−ジメチルプロピル基)、同社製スミライザー(登録商標)GM(式(1)中、R1が水素、R2およびR5がt−ブチル基、R3およびR4がメチル基)等が挙げられる。
一般に、ゴム組成物の混練時には、ジエン系ゴムは、熱や機械的せん断力等の作用によりラジカルを生成し、生成したラジカルは、パーオキシラジカルを経て、ゴムの分子鎖から水素を引き抜き、過酸化物へと変化する。また、生成した過酸化物は分解して、新たなラジカルを生成し、結果として連鎖的にラジカルが生成する。このようにラジカルが生成すると、ジエン系ゴムが有する二重結合に反応し、分子鎖の架橋が進み、ジエン系ゴム中にゲルが生成することが懸念される。
本発明のゴム組成物は、特定のアクリレート化合物を含有するため、アクリレート化合物が有する二重結合がゴム組成物中に生成したラジカルを捕捉し、さらに、アクリレート化合物が有するフェノール性水酸基が捕捉したラジカルを安定化する。これにより、ラジカルの連鎖的な生成およびゲルの生成を抑制する。この特定のアクリレート化合物は、他のラジカル補足機能を有する老化防止剤に比べ、ゲル生成を抑制する効果が高く、粘度を低くし、機械的特性のバランスをより優れたものにするという利点を有する。
本発明において、特定のアクリレート化合物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜8質量部、より好ましくは0.5〜6質量部配合する。特定のアクリレート化合物が0.01質量部未満であると、ゲルの生成を抑制することができない。また、10質量部を超えると、加硫時に生成するラジカルを補足し加硫を阻害するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、シリカと共にスルフィド結合、硫黄数が3未満のポリスルフィド結合、またはチオエステル結合を有するシランカップリング剤を配合する。これにより、ジエン系ゴムとシリカとの親和性を向上させ、シリカの分散性が向上し、優れた低転がり抵抗性およびウェット性能が得られる。また、シランカップリング剤がスルフィド結合、硫黄数が3未満のポリスルフィド結合、またはチオエステル結合を有することにより、ジエン系ゴムおよびシリカに作用するとき、遊離硫黄の生成を抑制することができる。すなわち、ジエン系ゴムおよびシリカを混練するとき、より高い温度で混練りした場合でも、やけ等の早期加硫を抑制しながら、シリカの分散性を向上することができる。よって、特定のアクリレートが熱劣化によって生じたラジカルを安定化すると共に、特定のシランカップリング剤が遊離硫黄の生成を抑制するため、シリカの良分散に有利なより高温での混練が可能となり、得られるゴム組成物は、ゲルが少なく粘度が低く機械的特性のバランスに優れたものになる。
上述したシランカップリング剤は、シリカ量の1〜20質量%、好ましくは2〜18質量%、より好ましくは3〜16質量%配合する。シランカップリング剤が1質量%未満であると、シリカの分散性を改良する効果が十分に得られない。また、20質量%を超えると、シランカップリング剤同士が縮合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
本発明において、スルフィド結合、硫黄数が3未満のポリスルフィド結合、またはチオエステル結合を有するシランカップリング剤は、下記一般式(2)または(3)で表されるとよい。
Figure 2021155620
(式(2)中、xは0を超え3未満の実数、R11〜R16は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。)
Figure 2021155620
(式(3)中、R17〜R19は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基で、このうち少なくとも1つはアルコキシ基、R20は、炭素数3〜10のアルキル基を表す。)
一般式(2)で表されるシランカップリング剤は、スルフィド結合または硫黄数が3未満のポリスルフィド結合を有する。一般式(2)において、xは0を超え3未満の実数であり、好ましくは0.5以上2.5未満の実数である。xはシランカップリング剤中の硫黄の平均数または連鎖硫黄の平均数である。シランカップリング剤はxに分布を有してよく、その平均が0.5以上2.5未満であるとよい。xをこのような範囲内にすることにより遊離硫黄が生成するのを抑制することができる。また、高温での混練により、ジエン系ゴムおよびシリカへ作用することができる。
一般式(2)において、R11〜R16は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。アルキル基およびアルコキシ基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。R11〜R16は、互いに同じでも、異なってもよい。R11〜R16として、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、等が挙げられる。
一般式(2)で表されるシランカップリング剤として、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド等が挙げられる。なお、一般式(2)で表されるシランカップリング剤において、xが3以上のシランカップリング剤、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを、本発明の作用効果を阻害しない少量成分として混在してもよい。
一般式(3)で表されるシランカップリング剤は、チオエステル結合を有する。一般式(3)において、R17〜R19は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。R17〜R19のうち少なくとも1つはアルコキシ基を表す。アルキル基およびアルコキシ基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。R17〜R19は、互いに同じでも、異なってもよい。R17〜R19として、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、等が挙げられる。
一般式(3)において、R20は、炭素数3〜10のアルキル基を表す。R20は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、例えばn−プロピル基、s−プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,1−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、等が挙げられる。
一般式(3)で表されるシランカップリング剤として、例えば3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルエチルジエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などのゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法は、上述したジエン系ゴム、シリカ、アクリレート化合物およびシランカップリング剤を、155℃以上、好ましくは155℃〜170℃で混練する工程を含む。このような温度範囲で混練することにより、シリカの良好な分散を確保しながら、ゲルの生成を抑制し、粘度を低くして加工性を向上させ、引張応力および引張伸びという機械的特性のバランスをより優れたゴム組成物を得ることができる。ゴム組成物の製造方法は、上述した混練温度を除き、通常の混練条件で混練した後、加硫系配合剤を混合することができる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの構成部材に好適に使用することができる。とりわけ、本発明のゴム組成物でタイヤトレッドを構成したタイヤは、低転がり抵抗性およびウェット性能に優れた高い品質を有し、かつ加工性が良好なためその品質が安定している。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表2に示す配合剤を共通配合とし、表1に示す配合からなる13種類のゴム組成物(実施例1〜7、標準例、比較例1〜5)を、硫黄および加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで160℃、5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄および加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。表2に記載した配合剤の量は、表1に記載したジエン系ゴム100質量部に対する質量部で表わした。
得られた23種類のゴム組成物を試料として、下記に示す方法で粘度を評価した。
ムーニー粘度
得られたゴム組成物をJIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計にてL型ロータ(38.1mm径、5.5mm厚)を使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃、2rpmの条件でムーニー粘度(ML1+4)を測定した。得られた結果は、標準例の値を100とする指数で表わし表1に示した。この指数が90以下と小さいほど粘度が低く加工性が優れることを意味する。
得られたゴム組成物を所定のモールドを用いて、160℃で30分間加硫して加硫ゴム試験片を作製した。得られた加硫ゴム試験片を使用し、100%引張応力および引張破断伸びを以下の測定方法により評価した。
引張り特性(100%引張応力および引張破断伸び)
得られた加硫ゴム試験片を使用し、JIS K6251に準拠して、ダンベルJIS3号形試験片を作製し、室温(20℃)で500mm/分の引張り速度で引張り試験を行い、100%伸長時の100%引張応力および引張破断伸びを測定した。得られた結果は、標準例の値をそれぞれ100にする指数として表1の「100%引張応力」および「引張破断伸び」の欄に記載した。「100%引張応力」の指数が70〜100で、「引張破断伸び」の指数が110以上と大きいほど、160℃での混練時にゲルの生成が抑制され、優れることを意味する。
Figure 2021155620
Figure 2021155620
なお、表1および2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・SBR:スチレンブタジエンゴム、旭化成社製SBR E581
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・シリカ:Solvay社製ZEOSIL 1165MP
・カーボンブラック:キャボットジャパン社製ショウブラックN339
・カップリング剤−1:Momentive社製NXT Silane、一般式(3)において、R16〜R19がエトキシ基、R20がn−ヘプチル基であるチオエステル結合を有するシランカップリング剤、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン
・カップリング剤−2:エボニックデグサ社製Si75、一般式(2)において、xが2、R11〜R16がエトキシ基である硫黄数が3未満のポリスルフィド結合を有するシランカップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
・カップリング剤−3:エボニックデグサ社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・アクリレート化合物−1:住友化学社製スミライザーGS(F)、一般式(1)において、R1がメチル基、R2〜R5が1,1−ジメチルプロピル基であるアクリレート化合物
・アクリレート化合物−2:住友化学社製スミライザーGM(F)、一般式(1)において、R1が水素、R2およびR5がt−ブチル基、R3およびR4がメチル基であるアクリレート化合物
・老化防止剤−1:EASTMAN社製サントフレックス6PPD
・老化防止剤−2:大内新興化学社製ノクラックNS−5、2,2’−メチレンビス(4−エチル-6−t−ブチルフェノール)
・酸化亜鉛:正同化学社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸、日油(株)社製 ビーズステアリン酸YR
・オイル:昭和シェル石油(株)社製エクストラクト4号
・硫黄:細井化学社製油処理硫黄
・加硫促進剤−1:三新化学社製サンセラーCM-G
・加硫促進剤−2:住友化学社製ソクシールD−G
表1から明らかなように実施例1〜7のゴム組成物は、ムーニー粘度が低く加工性が優れることに加え、100%引張応力および引張破断伸びの機械的特性のバランスを従来レベル以上に向上することが確認された。
比較例1のゴム組成物は、アクリレート化合物が10質量部を超えるので、加硫が不十分で100%引張応力の指数が70未満であり、不足する。
比較例2および3のゴム組成物は、式(1)で表されるアクリレート化合物の代わりに、2,2’−メチレンビス(4−エチル-6−t−ブチルフェノール)を配合したので、引張破断伸びを十分に改良することができない。
比較例4,5のゴム組成物は、シランカップリング剤が、スルフィド結合、硫黄数が3未満のポリスルフィド結合、またはチオエステル結合を有しないので、ムーニー粘度を低くすることができず、また100%引張応力および引張り破断伸びを改良する効果が得られない。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム100質量部に、シリカを1〜300質量部、下記一般式(1)で表されるアクリレート化合物を0.01〜10質量部含むゴム組成物であって、スルフィド結合、硫黄数が3未満のポリスルフィド結合、またはチオエステル結合を有するシランカップリング剤を前記シリカ量の1〜20質量%配合したことを特徴とするゴム組成物。
    Figure 2021155620
    (式(1)中、R1は水素またはメチル基、R2〜R5は、互いに独立して、水素または炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖上のアルキル基を表す。)
  2. 前記シランカップリング剤が、下記一般式(2)または(3)で表される、請求項1記載のゴム組成物。
    Figure 2021155620
    (式(2)中、xは0を超え3未満の実数、R11〜R16は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。)
    Figure 2021155620
    (式(3)中、R17〜R19は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基で、このうち少なくとも1つはアルコキシ基、R20は、炭素数3〜10のアルキル基を表す。)
  3. 前記ジエン系ゴム、シリカ、アクリレート化合物およびシランカップリング剤を、155℃以上で混練する工程を含む、請求項1または2に記載のゴム組成物の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載のゴム組成物でタイヤトレッドを構成してなる、タイヤ。
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