JP2021155410A - ミネラル代謝異常抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】表皮下部におけるミネラルの代謝異常を改善し、表皮細胞の増殖と表皮ターンオーバーを正常化することによって、シミを予防・改善し得る素材を提供すること。
【解決手段】エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、アーティチョーク、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウ、ドクダミ、オトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、ベニバナ、トウニン、ライチ、アロエ、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム、オリザノール、トコフェロール酢酸エステル、及びトラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする皮膚のシミ部位の表皮下部におけるミネラル代謝異常抑制剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミネラル代謝異常抑制剤、TFRC1産生促進剤、ACO1産生促進剤、SLC40A1産生抑制剤、DMT1産生促進剤、SLC25A37産生促進剤に関する。
ミネラルはタンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミンとともに5大栄養素の一つであり、主に生体内で生体組織(骨や歯等)の構成成分、体液の恒常性維持(pHや浸透圧調節等)、酵素の補助因子、神経や筋肉、心臓の興奮性の調節、生理活性物質の構成成分となり、重要な役割を果たしている。
ミネラルは多量元素と微量元素の大きく2つに分類される。多量元素としてはカルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、硫黄、マグネシウム等がある。微量元素としては、鉄、銅、亜鉛、セレン、マンガン、ヨウ素等がある。
すなわち、ヒトが健康を維持するためには、毎日多種類のミネラル摂取が不可欠である。例えば、鉄分の不足が貧血を引き起こすことはよく知られている。このほか、亜鉛不足から皮膚潰瘍、免疫反応の低下、性機能不全性こびと症が、銅不足から貧血、血漿コレステロール濃度の上昇が、それぞれ起こる。逆に、たとえば鉄を過剰摂取すると、皮膚の色素沈着や肝臓障害が起こり、銅の過剰は脳障害を起こすことが知られている(非特許文献1)。
生体内には、ミネラルバランスを保つメカニズムがあり、たとえば、細胞膜のナトリウムポンプがエネルギーを消費して細胞内のナトリウムイオンを細胞外にくみ出し、細胞内ではカリウムイオンが多く、細胞外にはナトリウムイオンが多い状態を維持している。
もちろん、皮膚の健康維持にもミネラルバランスは重要で、皮膚表面の角層にマグネシウムイオン、顆粒層にカルシウムイオンが多く存在する状態が、皮膚のホメオスタシス(恒常性維持)に重要であることが報告されている。また、角層剥離(→角化)に関係する酵素バランス、すなわち、デスモソームの消化にカルシウムイオンが影響することも知られている。
さらに、表皮には、微量のミネラルが局在していることが知られている。鉄、亜鉛、銅などはいずれも細胞増殖や抗酸化に関わる様々な酵素活性に必要であり、これらの内特に鉄や銅は生理的至適濃度が狭く、組織の酸化障害につながりやすい金属であることが知られている。これらミネラルの局在異常は皮膚のターンオーバー異常や酸化病態に繋がると考えられている(非特許文献2)。
表皮ターンオーバーは、基底細胞の増殖により開始され、メラニンの排泄を担っていることが一般的に知られている。
老人性色素斑等のいわゆるシミは顔面に最も多いシミであり、美容上の悩みとして多くの人が挙げている。シミの患部では表皮が肥厚しメラニンの蓄積が見られ、メラニン産生に関わる分子の発現が亢進し、基底細胞の増殖が低下していることが報告されている。
従って、低下している皮膚の表皮細胞の増殖を活性化させる、またはメラニン産生に関わる分子の発現を低下させることができれば、本来の皮膚機能を取り戻し、表皮ターンオーバーによりメラニンが排泄され、シミの予防又は治療、改善等が実現できると考えられる。
そこで、本発明者らはこのような表皮ターンオーバーの異常の改善やメラニン産生に関わる分子の発現を抑制する方法として、皮膚中のミネラル代謝の改善に着目した。
今回、シミ病態の表皮下部においては、鉄代謝関連遺伝子の発現が変化しており、鉄の利用が抑制されていることを明らかにした。例えば、TFRC1、ACO1、SLC25A37、DMT1は、シミ病態部では表皮下部で発現減少しているとの知見を得た。このミネラル代謝異常が表皮のターンオーバー異常をもたらし、メラニンが排泄されずシミを形成すると考えた。
従って、鉄の代謝に関連する分子の発現を正常に近づける、つまり表皮下部において鉄の利用を促進させる成分を見出すことができれば、表皮細胞の増殖とメラニンのターンオーバーを正常に戻すことによって、シミの予防、改善を実現できると考えた。
川端 浩(2010)日内会誌 99:1173-1179. Inoue Y et al(2014)J Biol chem., 1;289(31):21451-62. Asano M D et al(2017)J Dermatol Sci.,87(2):101-9. 岩井一宏ら(2007)生化学 第79巻 第11号 1021-31 張替秀郎(2013)日内会誌 102:2699-2704
本発明の目的は、表皮下部におけるミネラルの代謝異常を改善し、表皮細胞の増殖と表皮ターンオーバーを正常化することによって、シミを予防・改善し得る素材を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、エイジツ、オウゴンなど特定の成分が、表皮下部の細胞において、鉄の取り込み、排出等に関与するタンパク質の産生を調節し、鉄の利用を促進する作用を有することを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、アーティチョーク、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウ、ドクダミ、オトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、ベニバナ、トウニン、ライチ、アロエ、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム、オリザノール、トコフェロール酢酸エステル、及びトラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする皮膚のシミ部位の表皮下部におけるミネラル代謝異常抑制剤、
(2)有効成分が、エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、アーティチョーク、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウ、ドクダミ、トコフェロール酢酸エステル、及びトラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であって、TFRC1産生促進作用に基づく(1)のミネラル代謝異常抑制剤、
(3)有効成分が、スターフルーツ葉、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム、及びオリザノールからなる群から選ばれる少なくとも1種であって、ACO1産生促進作用に基づく(1)のミネラル代謝異常抑制剤、
(4)有効成分が、オトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、ベニバナ、トウニン、及びライチからなる群から選ばれる少なくとも1種であって、SLC40A1産生抑制作用に基づく(1)のミネラル代謝異常抑制剤、
(5)有効成分が、スイカズラ及びトコフェロール酢酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であって、DMT1産生促進作用に基づく(1)のミネラル代謝異常抑制剤、
(6)有効成分が、アロエであって、SLC25A37産生促進作用に基づく(1)のミネラル代謝異常抑制剤、
(7)エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、アーティチョーク、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウ、ドクダミ、トコフェロール酢酸エステル、及びトラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とするTFRC1産生促進剤、
(8)スターフルーツ葉、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム、及びオリザノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とするACO1産生促進剤、
(9)オトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、ベニバナ、トウニン、及びライチからなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とするSLC40A1産生抑制剤、
(10)スイカズラ及びトコフェロール酢酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とするDMT1産生促進剤、
(11)アロエを有効成分とするSLC25A37産生促進剤、
(12)被験物質を未分化のヒト表皮角化細胞に作用させたときのTFRC1遺伝子、ACO1遺伝子、SLC40A1遺伝子、DMT1遺伝子、及びSLC25A37よりなる群から選択される1種または2種以上の遺伝子の発現量を指標とする、シミ予防または改善剤のスクリーニング方法。
本発明のミネラル代謝異常抑制剤は、TFRC1、ACO1、SLC40A1、DMT1、SLC25A37などのミネラルの利用に関与するタンパク質の産生を調節することによって、表皮下部の細胞における鉄の利用を促進し、表皮細胞の増殖と表皮ターンオーバーを正常化して、シミの予防・改善効果を得ることができる。またTFRC1産生促進、ACO1産生促進またはSLC40A1産生抑制、DMT1産生促進、SLC25A37産生促進作用を介し、これらのタンパク質の過剰または減少に基づく種々の症状や疾患に対する治療・改善効果を得ることができる。さらに、これらのタンパク質ないしコードする遺伝子の発現に関与する素材のスクリーニング等を行なうに際し、陽性対照薬としても用いることが可能である。また本発明のスクリーニング方法によれば、シミを予防・改善し得る成分を効率的にスクリーニングすることができる。
図1は、試験例1におけるTFRC1遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。 図2は、試験例1におけるACO1遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。 図3は、試験例1におけるSLC40A1遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。 図4は、試験例1におけるDMT1遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。 図5は、試験例1におけるSLC25A37遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。
本発明においては、以下の成分を有効成分として用いる。
本発明に用いるエイジツはバラ目バラ科バラ属ノイバラRosa multiflora Thunberg又はその他近縁植物(Rosaceae)の果実に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるエイジツエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。エイジツエキスの市販品としては、丸善製薬社製の「エイジツ抽出液−R」、「エイジツ抽出液BG−R」、「エイジツ抽出液BG−01」や一丸ファルコス(登録商標)の「ファルコレックス(登録商標) エイジツ B」 等が挙げられる。
本発明に用いるオウゴンは、シソ目シソ科タツナミソウ属コガネバナScutellaria baicalensis Georgi(Labiatae)の周皮を除いた根に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるオウゴンエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。オウゴンエキスの市販品としては、丸善製薬の「オウゴン抽出液−J」や、一丸ファルコスの「オウゴンエキスパウダー」、「オウゴンリキッド B」、「オウゴンリキッド G」、「オウゴンリキッド SE」等が挙げられる。
本発明に用いるオリーブ葉は、シソ目モクセイ科オリーブ属オリーブOlea europaeaの葉に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるオリーブ葉エキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができる。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。オリーブ葉エキスの市販品としては、丸善製薬の「オリーブ葉抽出液BG」等が挙げられる。
本発明に用いるスイカズラは、マツムシソウ目スイカズラ科スイカズラ属スイカズラLonicera japonica Thunberg又はその他同属植物(Caprifoliaceae)の花、葉又は茎に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるスイカズラエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。スイカズラエキスの市販品としては、丸善製薬の「キンギンカ抽出液−J」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス スイカズラ FB」、「ファルコレックス スイカズラ FE 」等が挙げられる。
本発明に用いるスターフルーツ葉は、カタバミ目カタバミ科ゴレンシ属ゴレンシAverrhoa carambolaの葉に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるスターフルーツ葉エキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができる。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。スターフルーツ葉エキスの市販品としては、丸善製薬の「スターフルーツ葉抽出液BG30」、「スターフルーツ葉エキスパウダーMF」等が挙げられる。
本発明に用いるツボクサは、セリ目セリ科ツボクサ属ツボクサCentella asiatica Linne(Umbelliferae)の葉及び茎に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるツボクサエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。ツボクサエキスの市販品としては、丸善製薬の「セキセツソウ抽出液BG70」等が挙げられる。
本発明に用いるバラは、バラ目バラ科バラ属セイヨウバラRosa centifolia Linne(Rosaceae)の花に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるバラエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。バラエキスの市販品としては、丸善製薬の「バラ抽出液BG」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス バラ P」、「ローズウォーター」、「ローズウォーター PF」等が挙げられる。
本発明に用いるアーティチョークは、キク目キク科チョウセンアザミ属アーティチョークCynara scolymus Linne (Compositae)の葉に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるアーティチョークエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができる。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。アーティチョークエキスの市販品としては、一丸ファルコスの「バイオベネフィティ(登録商標)」、「バイオベネフィティ G」、「バイオベネフィティ HS」、「シナロピクリン F」、「バイオベネフィティ F」等が挙げられる。
本発明に用いるカモミラは、キク目キク科シカギク属カミツレMatricaria chamomilla Linne(Compositae)の花に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるカモミラエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液、尿素を含む前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液や尿素を含むこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。カモミラエキスの市販品としては、丸善製薬の「カミツレ抽出液」、「カミツレ抽出液BG−J」、「カミツレ抽出液LA」や、一丸ファルコスの「オーデアロマ(登録商標) カミツレ」、「オーデアロマ カミツレ B」、「カミツレリキッド」、「ビオセルアクト(登録商標) カモミラ B」等が挙げられる。
本発明に用いるシソは、シソ目シソ科シソ属シソPerilla frutescens Britton Var. acuta Kudo又はその他近縁直物(Labiaatae)の葉及び枝先に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるシソエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。シソエキスの市販品としては、丸善製薬の「シソ抽出液BG」、「青シソエキスMF(N)」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス シソ」、「ファルコレックス シソ HB」等が挙げられる。
本発明に用いるシモツケソウは、バラ目バラ科シモツケソウ属セイヨウナツユキソウFilipendula ulmaria Maximowicz(Rosaceae)の花序に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるシモツケソウエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。シモツケソウエキスの市販品としては、一丸ファルコスの「ファルコレックス シモツケソウ B」等が挙げられる。
本発明に用いるシャクヤクは、ユキノシタ目ボタン科ボタン属シャクヤクPaeonia lactiflora Pallas(Paeonia albiflora Pallas var. trichocarpa Bunge)又はその他近縁植物(Paeoniaceae)の根に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるシャクヤクエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。シャクヤクエキスの市販品としては、丸善製薬の「シャクヤク抽出液−J」、「シャクヤク抽出液BG−JC」、「和ism(登録商標)<シャクヤク>」や、一丸ファルコスの「シャクヤクリキッド」、「ファルコレックス シャクヤク B」等が挙げられる。
本発明に用いるハマメリスは、ユキノシタ目マンサク科マンサク属ハマメリスHamamelis virginiana L.(Hamamelidaceae)の葉又は葉及び樹皮に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるハマメリスエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。ハマメリスエキスの市販品としては、丸善製薬の「ハマメリス抽出液BG−J」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス ハマメリス B」等が挙げられる。
本発明に用いるビルベリー葉は、ツツジ目ツツジ科スノキ属ビルベリーVaccinium myrtillus L.(Ericaceae)の葉に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるビルベリー葉エキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができる。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。ビルベリー葉エキスの市販品としては、一丸ファルコスの「エコファーム(登録商標) ビルベリーリーフ E」、「エコファーム ビルベリーリーフ G」、「キュアベリー(登録商標)」等が挙げられる。
本発明に用いるユキノシタは、ユキノシタ目ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタSaxifraga stolonifera Meerburg(Saxifragaceae)の全草に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるユキノシタエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。ユキノシタエキスの市販品としては、丸善製薬の「ユキノシタ抽出液」、「ユキノシタ抽出液BG」、「和ism<ユキノシタ>」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス ユキノシタ MB」等が挙げられる。
本発明に用いる藍は、タデ目タデ科イヌタデ属アイPolygonum tinctorium Lour. (Polygonaceae)の葉/茎に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いる藍エキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができる。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。藍エキスの市販品としては、一丸ファルコスの「藍ルーロス(登録商標)」等が挙げられる。
本発明に用いるショウキョウは、ショウガ目ショウガ科ショウガ属ショウガZingiber officinale Roscoe(Zingiberaceae)の根茎に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるショウキョウエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。ショウキョウエキスの市販品としては、丸善製薬の「ショウキョウチンキ」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス ショウキョウ E」等が挙げられる。
本発明に用いるドクダミは、コショウ目ドクダミ科ドクダミ属ドクダミHouttuynia cordata Thunberg(Saururaceae)の開花期の地上部に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるドクダミエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。ドクダミエキスの市販品としては、丸善製薬の「ジュウヤク抽出液」、「ジュウヤク抽出液BG」、「ドクダミエキスパウダーMF」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス ドクダミ B」、「ファルコレックス ドクダミ E」、「ファルコレックス ドクダミ W」、「ドクダミDXP100」等が挙げられる。
本発明に用いるオトギリソウは、キントラノオ目オトギリソウ科オトギリソウ属セイヨウオトギリソウHypericun perforatum Linne又はオトギリソウHypericum erectum Thunberg(Guttiferae)の地上部に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるオトギリソウエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。オトギリソウエキスの市販品としては、丸善製薬の「オトギリソウ抽出液BG」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス オトギリソウ B」、「ファルコレックス オトギリソウ E」等が挙げられる。
本発明に用いるトウヒは、マツ目マツ科トウヒ属Citrus aurantium Linne又はダイダイCitrus aurantium Linne var. daidai Makino(Rutaceae)の成熟した果皮に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるトウヒエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。トウヒエキスの市販品としては、丸善製薬の「トウヒエキス〈芒硝〉」や、一丸ファルコスの「トウヒリキッド」「トウヒリキッド B 」等が挙げられる。
本発明に用いるキウイは、ツバキ目マタタビ科マタタビ属キウイActinidia chinensis Planch(Actinidiaceae)の果実(生)に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるキウイエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。キウイエキスの市販品としては、一丸ファルコスの「ファルコレックス キウイ」、「ファルコレックス キウイ B」等が挙げられる。
本発明に用いるオドリコソウは、シソ目シソ科オドリコソウ属Lamium album Linne(Labiatae)の花、茎、葉に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるオドリコソウエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。オドリコソウエキスの市販品としては、一丸ファルコスの「ファルコレックス オドリコソウ B」等が挙げられる。
本発明に用いるベニバナは、キク目キク科ベニバナ属ベニバナCarthamus tinctorius Linne(Compositae)の花をそのまま又は黄色色素の大部分を除き、圧搾して板状としたものに由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるベニバナエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。ベニバナエキスの市販品としては、丸善製薬の「ベニバナ抽出液」、「ベニバナ抽出液BG」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス ベニバナ B」、「ベニバナリキッド」等が挙げられる。
本発明に用いるトウニンは、バラ目バラ科モモ属モモPrunus persica Batsch又はPrunus persica Batsch var. davodoana Maximowicz(Rosaceae)の種子に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるトウニンエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。トウニンエキスの市販品としては、丸善製薬の「トウニン抽出液−J」や、一丸ファルコスの「ファルコレックス トウニン B」等が挙げられる。
本発明に用いるライチは、ムクロジ目ムクロジ科レイシ属レイシ Litchi chinensis Sonn.(Sapindaceae)の果実に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるライチエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができる。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。ライチエキスの市販品としては、一丸ファルコスの「ADS-オリゴノール」、「オリゴノール‐CS」等が挙げられる。
本発明に用いるアロエは、キジカクシ目ツルボラン科アロエ属アロエ Aloe Ferox Miller 又はこれと Aloe Africana Miller 又は Aloe spicata Baker との雑種 (Liliaceae) 若しくは Aloe barbadensis Miller (Aloe vera Linne)又はキダチアロエ Aloe arborescens Miller及びその変種(Liliaceae)の葉又は葉の液汁に由来する生薬又は植物であり、生薬末又は植物末、生薬エキス又は植物エキスの形で使用される。本発明に用いる生薬末又は植物末としては、例えば乾燥刻み加工品を更に細かく粉砕した粉末状の乾燥品としてもよい。
本発明に用いるアロエエキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなど)、低級脂肪族ケトン(アセトンなど)などの溶媒や前記溶媒の混液により抽出したものを使用することができるが、このうち水、低級脂肪族アルコール、多価アルコール又はこれらの混液で抽出することが最も好ましい。
また、エキスの形態は特に制限されるものではなく、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、乾燥エキス末、エキス末、軟エキス、流エキスなどにすることができる。エキスの市販品としては、等が挙げられる。アロエエキスの市販品としては、一丸ファルコスの「アローケーブリキッド」、「アローケーブリキッドB−7(N)」等が挙げられる。
本発明に用いるイノシトールは、シクロヘキサン六価アルコールの総称であり、水溶性ビタミン様作用物質である。また、ナイアシンアミドはCasNo.98-92-0、グリチルリチン酸ジカリウムはCasNo.68797-35-3、トコフェロール酢酸エステルはCasNo.7695-91-2、トラネキサム酸はCasNo.1197-18-8で規定される化合物である。オリザノールは、イネOryza sativa Linne(Gramineae)の種子から得られ、主としてトリテルペンアルコールのフェルラ酸のエステルからなるエステル類の総称である。
皮膚は、大きく分けて、表皮、真皮、皮下組織の3層より構成される。表皮の主要な構成細胞は角化細胞(ケラチノサイト)であるが、角化細胞は、分化の過程で形態学的に4段階の変化を示す。最下層の基底細胞は、基底膜に接し、DNA合成を行い、分裂・増殖する。分裂した細胞が上方に移動し、有刺細胞となる。さらに分化が進むと顆粒細胞になり、最終的に顆粒細胞から角層細胞に分化し最上層の角層を形成する。これらの各分化段階にある角化細胞が表皮内で積層されている。角層を形成する角層細胞は、デスモソームによって角層細胞どうしが接着しているが、健康な皮膚では、その接着機構が徐々に低下するために、物理的な刺激によって自然に角層が離脱する(角層剥離)。このように、表皮は一定のリズムで増殖・分化・剥離を繰り返す(表皮ターンオーバー)。表皮には、角化細胞の他にメラニン細胞が存在し、メラニン色素を産生するが、通常、メラニン色素は角化細胞に移行し、表皮ターンオーバーの過程で角層剥離に伴って排出される。しかし、基底細胞からの分化・増殖の低下や角化細胞が過増殖して重層化・肥厚化するなど表皮ターンオーバーに異常が生じると、メラニン色素が排出されず、表皮内に蓄積されてシミが形成される。本明細書において、表皮下部とは、表皮を構成する角化細胞のうち基底細胞を含む層を意味し、表皮上部とは、角層細胞を含む層を意味する。
トランスフェリン受容体(TFRC1)は、生体内の各種細胞に発現しており、血清中の鉄がトランスフェリンに結合して運ばれた後に、TFRC1を介して細胞内に鉄が取り込まれる。細胞に鉄が不足するとTFRC1の発現が低下することから細胞内への鉄の取り込みに関して重要な役割を果たしている。表皮下部の角化細胞において、TFRC1産生が促進されると、細胞内への鉄の取り込みが促進され、細胞内の鉄濃度が増加し、表皮ターンオーバーや表皮層再生がされて、メラニン色素の排出が促進されるため、シミの予防及び/又は改善効果が得られる(非特許文献1,3)。
上記有効成分のうち、エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、アーティチョーク、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウ、ドクダミ、トコフェロール酢酸エステル及びトラネキサム酸は、表皮下部におけるTFRC1産生促進作用を有する。
ACO1は、TCAサイクルの必須酵素として機能し、クエン酸からアコニテートをへてイソクエン酸への反応を触媒する酵素である。細胞内の鉄濃度が高い場合、このタンパク質はアコニターゼとして機能する。細胞の鉄濃度が低いと、タンパク質は鉄応答要素(IRE)に結合する。表皮下部の角化細胞において、ACO1産生が促進されると、基底細胞のミトコンドリアが活性化されることに加え、細胞内鉄濃度の安定化作用により鉄利用が正常化され、表皮ターンオーバーが促進されてメラニンの排出も促されるため、シミの予防及び/または改善効果が得られる(非特許文献4)。
上記有効成分のうち、スターフルーツ葉、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム及びオリザノールは、ACO1産生促進作用を有する。
SLC40A1(ferroportin;フェルロポルチン)は細胞からの鉄の排出を担っている。フェルロポルチンの発現は、細胞内の鉄の過不足に応じた調節と個体レベルでの鉄の過不足に応じたヘプシジンによる蛋白レベルでの調節を受けている。フェルロポルチンは、腸上皮細胞やマクロファージから鉄を血液中に排出するタンパク質であることが知られているが、近年、皮膚組織にも発現していることが報告されている。表皮下部の角化細胞において、SLC40A1産生が抑制されると、角化細胞の細胞内鉄濃度の低下が抑制され、それにより細胞の増殖及び表皮ターンオーバーが正常化されて、シミの予防及び/又は改善効果が得られる(非特許文献1,3,5)。
上記有効成分のうち、オトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、ベニバナ、トウニン、ライチはSLC40A1産生抑制作用を有する。
二価金属輸送体の一つであるDMT1は、腸管からの鉄の取り込みやエンドソームからの鉄の輸送を担う。DMT1はカドミウム(Cd 2+)、銅(Cu 2+)、および亜鉛(Zn 2+、)を含むさまざまな二価金属に結合するが、鉄(Fe 2+)の輸送における役割で最もよく知られている。DMT1の発現は、鉄の恒常性を維持するために体内の鉄の貯蔵庫によって調節される。消化管では、腸細胞の頂端膜に位置し、腸管腔から細胞への二価金属カチオンの結合輸送することが知られている。近年皮膚組織の表皮にも発現していることが報告されている。表皮下部の角化細胞において、DMT1産生が促進されると、細胞内への鉄の取り込みが促進され、細胞内の鉄濃度が増加し、表皮ターンオーバーや表皮層再生が正常化されるため、シミの予防及び/又は改善効果が得られる。
上記有効成分のうち、スイカズラ及びトコフェロール酢酸エステルは、DMT1産生促進作用を有する。
SLC25A37(Mitoferrin1)は、ミトコンドリアが細胞内の主たる鉄利用小器官であり、そのミトコンドリア内膜での鉄取り込みトランスポーターとして機能している。細胞内のミトコンドリアにおける鉄代謝の主要な分子として存在する。表皮下部の角化細胞において、SLC25A37産生が促進されると、細胞内のミトコンドリアへの鉄輸送促進に基づき細胞内鉄濃度を増加させて表皮ターンオーバーや表皮層再生が正常化されるため、シミの予防及び/又は改善効果が得られる(非特許文献5)。
上記有効成分のうち、アロエは、SLC25A37産生促進作用を有する。
以上のように、本発明には、エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、アーティチョーク、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウドクダミ、トコフェロール酢酸エステル及びトラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種によるTFRC1産生促進作用、スターフルーツ葉、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム及びオリザノールからなる群から選ばれる少なくとも1種によるACO1産生促進作用、又は、オトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、ベニバナ、トウニン、及びライチからなる群から選ばれる少なくとも1種によるSLC40A1産生抑制作用、スイカズラ及びトコフェロール酢酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種によるDMT1産生促進作用、アロエによるSLC25A37産生促進作用に基づく皮膚のシミ部位の表皮下部におけるミネラル代謝異常抑制剤、上記各有効成分によるTFRC1産生促進剤、ACO1産生促進剤、SLC40A1産生抑制剤、DMT1産生促進剤、SLC25A37産生促進剤が含まれ、さらに、TFRC1の減少、ACO1の減少、SLC40A1の過剰、DMT1の減少、SLC25A37の減少に起因する疾患・症状の予防・改善効果を有する。
本発明のミネラル代謝異常抑制剤、TFRC1産生促進剤、ACO1産生促進剤、SLC40A1産生抑制剤、DMT1産生促進剤、SLC25A37産生促進剤は、化粧品、医薬部外品、医薬品又は飲食品等として提供することができる。なお、好ましくはヒトに対して適用されるものであるが、作用効果が奏される限りヒト以外の動物に対して適用することもできる。
本発明のミネラル代謝異常抑制剤、TFRC1産生促進剤、ACO1産生促進剤、SLC40A1産生抑制剤、DMT1産生促進剤、SLC25A37産生促進剤は、例えば、関連する症状や疾患の研究のため、あるいは、シミ部位におけるミネラル代謝異常を正常化するための、又はTFRC1産生を促進、ACO1産生を促進、SLC40A1産生を抑制、DMT1産生を促進、SLC25A37産生を促進するための試薬として用いることも可能であり、好適には素材スクリーニング等を行なうに際し陽性対照薬として利用可能である。本発明には、このような試験・研究において、TFRC1産生、ACO1産生、DMT1産生、SLC25A37産生を促進する方法、さらにSLC40A1産生を抑制する方法が含まれる。TFRC1産生を促進する方法には、表皮角化細胞、又はTFRC1産生を促進させたい細胞にハマメリス、ショウキョウ、バラ、ユキノシタ、エイジツ、スイカズラ、アーティチョーク、藍、シモツケソウ、スターフルーツ葉、シャクヤク、ビルベリー葉、カモミラ、オウゴン、ドクダミ、シソ、オリーブ葉、ツボクサ、トコフェロール酢酸エステル、トラネキサム酸もしくはそれぞれのエキスを添加する工程を含む。ACO1産生を促進する方法には、表皮角化細胞、又はACO1産生を促進させたい細胞にスターフルーツ葉、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム、オリザノールもしくはそのエキスを添加する工程を含む。DMT1産生を促進する方法には、表皮角化細胞、又はDMT1産生を促進させたい細胞にスイカズラ、トコフェロール酢酸エステルもしくはそれぞれのエキスを添加する工程を含む。SLC25A37産生を促進する方法には、表皮角化細胞、又はSLC25A37産生を促進させたい細胞にアロエもしくはそのエキスを添加する工程を含む。SLC40A1産生を抑制する方法には、表皮角化細胞、又はSLC40A1促進を抑制させたい細胞にオトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、ベニバナ、トウニン、ライチもしくはそれぞれのエキスを添加する工程を含む。
投与形態としては、特に限定されるものではないが、内服が好ましい。内服で適用する場合の剤形としては、錠剤、粉末剤、散剤、顆粒剤、液剤、カプセル剤、ドライシロップ剤、ゼリー剤、液状食品、半固形食品、固形食品等が挙げられる。これらは、公知の方法で製造することができる。製造に際しては、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬部外品、医薬品、飲食品又は試薬に含有可能な種々の添加物を配合することができる。
本発明における上記有効成分の配合量は特に制限されるものではないが、化粧品、医薬部外品、医薬品、飲食品又は試薬で提供する場合、それぞれ組成物全体に対して0.000001〜10質量%、好ましくは0.0001〜5質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本発明のミネラル代謝異常抑制剤、TFRC1産生促進剤、ACO1産生促進剤、SLC40A1産生抑制剤、DMT1産生促進剤、SLC25A37産生促進剤(医薬品、医薬部外品、飲食品、試薬等)やその説明書は、TFRC1産生促進のために用いられる旨の表示、ACO1産生促進のために用いられる旨の表示、SLC40A1産生抑制のために用いられる旨の表示、DMT1産生促進のために用いられる旨の表示、SLC25A37産生促進のために用いられる旨の表示を付したものであり得る。ここで、「表示を付した」とは、ミネラル代謝異常抑制剤、TFRC1産生促進剤、ACO1産生促進剤、SLC40A1産生抑制剤、DMT1産生促進剤、SLC25A37産生促進剤を含む製品の本体、容器、包装などに記載すること、あるいは製品情報を開示する説明書、添付文書、パンフレット、その他の印刷物などの書類に記載すること、及び各種チラシ、インターネットを含む宣伝のために用いられる広告に記載することを含む。
本発明のスクリーニング方法は、未分化のヒト表皮角化細胞を用いる。細胞培養に用いる培地は特に制限されるものではなく、公知のものを使用でき、通常の培養条件で培養することができる。このように培養している未分化のヒト表皮角化細胞の培地に被験物質を添加し、所定時間培養した後、TFRC1遺伝子、ACO1遺伝子、SLC40A1遺伝子、DMT1遺伝子、及びSLC25A37よりなる群から選択される1種または2種以上の遺伝子の発現量を測定する。遺伝子の発現量は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。被験物質を添加しない無処理群についても同様に培養し、各遺伝子の発現量を測定して、被験物質処理群の各遺伝子発現量と比較することで、当該被験物質のシミの予防・改善作用の有無を判定できる。また、例えば、TFCR1、DMT1、SLC40A1(ferroportin;フェルロポルチン)は、シミ病態部では表皮下部における発現量が低下していることから、シミ病態モデルにおけるこれらの遺伝子の発現量を基準として、被験物質を添加した場合の遺伝子発現量を比較することで、当該被験物質のシミの予防・改善作用の有無を判定できる。また分化させたヒト表皮角化細胞を用いて同様に試験を行い、未分化の細胞では、TFCR1の発現を増加させるが、分化させた細胞におけるTFCR1の発現を増加させない被験物質を選抜する等、シミ病態部において特異的な遺伝子発現の変化量の指標を組み合わせることによって、よりシミの予防・改善効果に優れる成分を選抜することが可能になる。
以下に実施例および試験例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(試験例1)未分化のヒト表皮角化細胞に対する遺伝子発現促進または抑制の評価
<試験方法>
ヒト表皮角化細胞(倉敷紡績)を12穴プレートに3.8×104 cells/wellの密度で播種し、37℃、CO2 5%にセットしたインキュベーター内で培養した。培地には、Humedia-KG2(倉敷紡績)を用いた。播種翌日に、被験物質を添加した培地に交換し、CO2インキュベーターで1日間培養した。その後、ライセートバッファーを添加して細胞を溶解し、細胞溶解液を回収した。細胞溶解液より、RNeasy Mini Kit(キアゲン)を用いて添付のプロトコールに従いRNAを回収し、これを鋳型として、Prime Script RT Master mix(タカラバイオ)を用いた逆転写反応によりcDNAを合成した。合成したcDNAから、リアルタイムPCRシステム(Step One Plus、サーモフィッシャーサイエンティフィック)により、RPLP0、TFRC1、ACO1、SLC40A1、DMT1、SLC25A37のmRNAの発現量をSYBR Green法により測定した。TFRC1、ACO1、SLC40A1、DMT1、SLC25A37の各サンプルのCt値から内部標準遺伝子であるRPLP0のCt値で減算しΔCt値とした。さらに、被験物質添加群のサンプルのΔCt値から無処理群のサンプルのΔCt値を減算したものをΔΔCt値とした。例えば、ΔΔCt値が-1であれば遺伝子発現が2倍、1であれば1/2倍に変化したことを示す。
プライマーは、次の配列もしくは型番のものを用いた。RPLP0:(F)5’-GAAGCCACGCTGCTGAACA-3’ (R)5’-CTGGCAACATTGCGGACA-3’、 SLC25A37:(F) 5’-GAAGCAGCAGTACATTTGTCATTCA-3’ (R)5’-CTGGCAACATTGCGGACA-3’(プライマー合成)TFRC1:HA277353、ACO1:HA210761、SLC40A1:HA161921、DMT1:HA142595、(タカラバイオ)。
被験物質は、ライチ0.01%、イノシトール 2%、ナイアシンアミド 0.05%、グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%、オリザノール 0.005%、トラネキサム酸 2%を除いて全て1%の終濃度で用いた。また、トコフェロール酢酸エステルは0.1%及び1%の終濃度とした。無処理群は、被験物質を添加せず培地で培養したものであり、その他の条件は全て被験物質添加群と同一である。
<試験結果>
図1は、TFRC1遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。無処理群と比較して、エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、アーティチョーク、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウ、ドクダミ、トコフェロール酢酸エステル(1%)及びトラネキサム酸はTFRC1遺伝子発現を増加させた。
図2は、ACO1遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。無処理群と比較して、スターフルーツ葉、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム及びオリザノールはACO1遺伝子発現を増加させた。
図3は、SLC40A1遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。無処理群と比較して、オトギリソウ、オドリコソウ、キウイ、トウニン、トウヒ、ライチ、ベニバナはSLC40A1遺伝子発現を低下させた。
図4は、DMT1遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。無処理群と比較して、スイカズラ及びトコフェロール酢酸エステル(0.1%)はDMT1遺伝子発現を増加させた。
図5は、SLC25A37遺伝子のΔΔCt値を示したグラフである。無処理群と比較して、アロエはSLC25A37遺伝子発現を増加させた。
本発明のシミ部位の表皮下部におけるミネラル代謝異常抑制剤は、TFRC1産生促進作用、ACO1産生促進作用、SLC40A1産生抑制、DMT1産生促進、SLC25A37産生促進作用に基づき、シミの予防・改善効果を有するため、医薬部外品、医薬品又は飲食品の分野に利用可能である。さらに、本発明のTFRC1産生促進剤、ACO1産生促進剤、SLC40A1産生抑制剤、DMT1産生促進剤、SLC25A37産生促進剤は、素材スクリーニング等を行なうに際し、陽性対照薬として用いることができる。

Claims (12)

  1. エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウ、オトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、トウニン、ライチ、アロエ、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム、オリザノール、トコフェロール酢酸エステル、及びトラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする皮膚のシミ部位の表皮下部におけるミネラル代謝異常抑制剤。
  2. 有効成分が、エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウ、トコフェロール酢酸エステル、及びトラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であって、TFRC1産生促進作用に基づくものである請求項1記載のミネラル代謝異常抑制剤。
  3. 有効成分が、スターフルーツ葉、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム、及びオリザノールからなる群から選ばれる少なくとも1種であって、ACO1産生促進作用に基づくものである請求項1記載のミネラル代謝異常抑制剤。
  4. 有効成分が、オトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、トウニン、及びライチからなる群から選ばれる少なくとも1種であって、SLC40A1産生抑制作用に基づくものである請求項1記載のミネラル代謝異常抑制剤。
  5. 有効成分が、スイカズラ及びトコフェロール酢酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であって、DMT1産生促進作用に基づくものである請求項1記載のミネラル代謝異常抑制剤。
  6. 有効成分が、アロエであって、SLC25A37産生促進作用に基づくものである請求項1記載のミネラル代謝異常抑制剤。
  7. エイジツ、オウゴン、オリーブ葉、スイカズラ、スターフルーツ葉、ツボクサ、バラ、カモミラ、シソ、シモツケソウ、シャクヤク、ハマメリス、ビルベリー葉、ユキノシタ、藍、ショウキョウ、トコフェロール酢酸エステル、及びトラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とするTFRC1産生促進剤。
  8. スターフルーツ葉、イノシトール、ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム、及びオリザノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とするACO1産生促進剤。
  9. オトギリソウ、トウヒ、キウイ、オドリコソウ、トウニン、及びライチからなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とするSLC40A1産生抑制剤。
  10. スイカズラ及びトコフェロール酢酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とするDMT1産生促進剤。
  11. アロエを有効成分とするSLC25A37産生促進剤。
  12. 被験物質を未分化のヒト表皮角化細胞に作用させたときのTFRC1遺伝子、ACO1遺伝子、SLC40A1遺伝子、DMT1遺伝子、及びSLC25A37よりなる群から選択される1種または2種以上の遺伝子の発現量を指標とする、シミ予防または改善剤のスクリーニング方法。
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