JP2021154867A - 車両用ラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、本発明の車両用ラッチ装置1が適用される車両は、車体前側にフード11を備えたボンネットタイプの自動車であればよく、乗用車でも作業車やバスでもよく、車種は特に限定されない。以下、車両は、その一例として、車体前部に動力室を有する乗用車を例に挙げて説明する。
車両は、フード11を上昇させて、車両に衝突する保護対象物を保護するポップアップ装置100を備えている。
ポップアップ装置100は、歩行者が車両と衝突した際に、上昇したフード11で歩行者を受け止める機能と、歩行者を受け止めたフード11がパワーユニット(図示省略)に当接するのを防止する機能と、を有する。
ポップアップ装置100は、フード11の前側の左右下方に配置された車両用ラッチ装置1と、フード11の後側の左右下方に配置された車両用ヒンジ装置(図示省略)と、衝突検知装置(図示省略)と、を備えている。
衝突検知装置(図示省略)は、歩行者が車両の前部に衝突したことを検出する装置である。衝突検知装置(図示省略)は、車両の前端に設置されている。
図3に示すように、車両用ラッチ装置1は、衝突検知装置(図示省略)で歩行者が車両に衝突したことを検出したときに、ラッチ機構38のラッチ38aがストライカ12をロックした状態で、アクチュエータ5によってフード11を上昇させる装置である。車両用ラッチ装置1は、ラッチ本体部3と、位置保持手段4と、アクチュエータ5と、フードロック機構10と、を備えている。車両用ラッチ装置1は、アクチュエータ5内のガス発生剤を高速燃焼させて発生した高圧ガスによって、ピストンロッド部5bを上方向に突出させることで、ラッチ本体部3及びフード11を上昇させるフード可動装置から成る。車両用ラッチ装置1は、このようにして、車両用ヒンジ装置(図示省略)と一緒にフード11全体を上昇させることで、歩行者がフード11に衝突したときに、衝突時の衝撃吸収性を向上させる機能を果す。
図1に示すベースプレート2は、車両用ラッチ装置1を車体に固定するための車体取付用の金属製板部材である。図3に示すように、ベースプレート2は、車体固定孔2aと、係止孔2bと、ストライカ係合溝2cと、第1リンク軸支孔2dと、ワイヤー固定部2eと、ガイド部2fと、レール部2gと、を有する略正方形の部材である。ベースプレート2は、上下左右に形成された四つの車体固定孔2aに挿入されるボルト(図示省略)によってバルクヘッドの上部等の車体前部に固定されている。
図8〜図10に示すように、ラッチ本体部3は、ポップアップ時に、車両のフード11に設けたストライカ12を係止した状態で上昇可能な係止用板部材である。ラッチ本体部3と位置保持手段4とは、車両用ラッチ装置1の左右端部に対向配置された一対のリンク機構30によって連結されている。図1に示すように、ラッチ本体部3は、係合部3a(図10参照)と、第1リンク31と、摺動部材33と、ロック部材34(図3参照)と、ロッド支持部材35と、ロッド先端部36と、ロッド支持部材連結板37と、ラッチ機構38と、ストライカ係止部材39と、を有している。
係合部3aは、図3に示すように、ラッチ本体部3の移動(上下)方向に延設されたガイド部2fに移動可能に係合すると共に、図4及び図5に示すように、ポップアップ前の状態で後記する係止部40に係止されるピンである。係合部3aは、ラッチ本体部3の下端部中央に取り付けられている(図9及び図10参照)。図4に示すように、係合部3aは、フック41a,42aに係止することで、ラッチ本体部3が下降した状態を保持する。
図4及び図10に示すように、リンク機構30は、位置保持手段4に対して、ラッチ本体部3を水平な状態に維持したまま昇降可能な状態に連結した連結機構である。リンク機構30は、第1リンク31と、第2リンク32と、連結ピン30a,30b,30cと、を左右対称に配置した六節リンク機構から成る。リンク機構30は、ラッチ本体部3の左右端部と、位置保持手段4の左右端部と、を連結している。
スライドピン33bは、上下方向に延設されたガイド部2fにおいて、係合部3aから下方に予め設置した間隔で、上下動自在に挿入されている。
図3に示すように、ロック部材34は、平常時の下降した状態からアクチュエータ5によってラッチ本体部3が上昇した際に、ベースプレート2の係止孔2bにロック部34dが係合してラッチ本体部3の上昇した状態(図10及び図11(b)参照)を維持する部材である。ロック部材34は、ロック部34dを有する金属板製のロック部材本体34aと、ロック部材本体34aを摺動部材33に回動自在に支持するロック部材支持軸34bと、ロック部材本体34aをベースプレート2側に付勢するロック部材付勢ばね34cと、を備えて成る。
図1及び図2に示すように、ロッド先端部36は、ピストンロッド部5bの先端面に螺着されて、ピストンロッド部5bからロッド支持部材35に下側から挿入されるねじ等の固定具である。
図1に示すように、フードロック機構10は、車体に対して開閉可能なフード11を閉状態に維持する装置である。フードロック機構10は、フード11に設けられたストライカ12と、車体に設けられたラッチ機構38及びストライカ係止部材39と、を備えて構成されている。フードロック機構10は、ストライカ12がラッチ機構38のラッチ38aに係合することでフード11の閉状態を維持する。
解除ばね38dは、プレート38c及びストライカ係止部材39を係止方向に付勢するばね部材である。解除ばね38dは、例えば、圧縮コイルばねから成る。解除ばね38dは、一端がラッチ解除部38eに掛止され、他端がストライカ係止部材39のばね掛止部39cに掛止されている。
ストライカフック部39aは、運転席のボンネットオープンレバー(図示省略)を開操作して、ラッチ38aのロック位置から解放されて持ち上げられたストライカ12が係止するフックである。ストライカ解除レバー部39bは、このストライカ解除レバー部39bを操作することで、ストライカフック部39aに係止しているストライカ12を開放して、フード11を開放するための操作部である。
ばね掛止部39cは、前記した解除ばね38dの一端が掛止される部位である。
図1に示すように、位置保持手段4は、平常時にラッチ本体部3を車体側に位置保持するための位置保持用の装置である。位置保持手段4は、リンク機構30と、係止部40と、係合部4aと、アクチュエータブラケット45と、ストライカ解除手段48と、アクチュエータ5と、スライダ6と、アクチュエータ保持部7と、ばね部材SP1と、を備えている。位置保持手段4は、ラッチ本体部3の前側下端部に配置されている。
図4に示すように、係止部40は、ラッチ本体部3の一部である係合部3aを抱持することで、ラッチ本体部3が下降した状態を保持するための部材である。係止部40は、第1係止部41と、第2係止部42と、第3係止部43と、から成る一組の部材によって構成されている。
ピン遊挿孔41bは、スライダ6に設けた係止部作動ピン61が上下方向に移動可能に挿入された孔である。ピン遊挿孔41bは、第1係止部41が軸支ピン40aを中心として回動できるように、円柱形状の係止部作動ピン61の外径よりも上下左右方向に大きな孔から成る。ピン遊挿孔41bは、平常時に、斜め右下方向に延設された状態になるように配置されている。つまり、ピン遊挿孔41bは、係止部作動ピン61に左側から当接し、下方ほど右に位置するように傾斜している。
ピン遊挿孔43aは、第3係止部43が軸支ピン40aを中心として回動できるように、係合部4aの外径よりも上下左右方向に大きな孔から成る。ピン遊挿孔43aは、平常時に、斜め左下方向に延設された状態になるように配置されている。つまり、ピン遊挿孔43aは、係止部作動ピン61に右側から当接し、下方ほど左に位置するように傾斜している。
図1に示すように、係合部4aは、スライダ6に複数形成したガイド部6aに上下方向に移動可能に係合する位置保持手段取付ピンから成る。係合部4aは、位置保持手段4のアクチュエータブラケット45の上下左右の複数の位置に設けられて、スライダ6の上下方向に長い長孔から成るガイド部6a内に挿入されている。このため、スライダ6は、ガイド部6aの長さ分だけ上下方向に昇降可能になっている。
図1に示すストライカ解除手段48は、ラッチ本体部3に設けられたラッチ機構38のラッチ38aに係止されたストライカ12の係止状態を解除するためのオープンレバーである。ストライカ解除手段48は、連結ピン30aと、付勢ばね48aと、解放部48b(図4参照)と、ケーブル連結部48cと、を有している。ストライカ解除手段48は、リンク機構30の第1リンク31を位置保持手段4に軸支する連結ピン30aによって、ストライカ解除手段48と、ストライカ解除手段48を付勢する付勢ばね48aと共に同軸に軸支されている。
ストライカ解除手段48は、ボンネットオープンレバー(図示省略)の操作で連結ピン30aを中心に回動すると、図4に示すように、解放部48bがラッチ解除部38eを押圧して、ストライカ12を解放する方向にラッチ38aを回動させる。
アクチュエータ5は、ラッチ本体部3から位置保持手段4に跨って配置されて、ポップアップ時に、ラッチ本体部3を上昇させるための上昇駆動装置である。また、アクチュエータ5は、伸長することで、ばね部材SP1のばね力に抗してアクチュエータ保持部7及びスライダ6を下降させて、スライダ6の係止部作動ピン61によって、間接的に係止部40を押して、係止部40が係合部3aに係止する係止状態を解除する。アクチュエータ5は、例えば、燃焼することで高圧ガスを発生するガス発生剤、及び、ガス発生剤の点火装置を収容したシリンダ部5aと、その高圧ガスによってシリンダ部5a内から所定ストロークだけ上方方向に飛び出るピストンロッド部5bと、を備えている。
図1に示すように、スライダ6は、位置保持手段4に対して所定距離L5だけ上下方向に移動可能に配置された板部材である。スライダ6の下端部には、係止部作動ピン61が突設されている。
図4及び図5に示すように、係止部作動ピン61は、スライダ6が下降した際に、一緒に下降して係止部40を揺動させるための係止部作動部材である。係止部作動ピン61は、第1係止部41及び第3係止部43のピン遊挿孔41b,43a内に上下方向に移動可能に配置されている。平常時、係止部作動ピン61は、スライダ6(図1参照)が上昇した位置にあるため、図4に示すように、ピン遊挿孔41b,43a内の上端に配置されて、フック41a,42aが係合部3aを抱持した状態を維持している。ポップアップ時に、係止部作動ピン61は、図6及び図7に示すように、アクチュエータ5によってスライダ6が下降することで、係止部40を軸支ピン40aを中心としてフック41a,42aを解放する方向に回動させる。このとき、回動した第1係止部41は、係止部抑制部材40cを切断する。
次に、図1〜図11を参照して本発明の実施形態に係る車両用ラッチ装置1の作用を説明する。
そして、車両に歩行者が衝突すると、車両用ラッチ装置1は、アクチュエータ5でラッチ本体部3を介在して上昇させたフード11で、歩行者を弾性的に受け止めて衝撃を効率よく吸収することができる。ポップアップ装置100は、フード11を上昇させた状態を維持しているので、フード11が下降してパワーユニットに当接するのを抑制することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
また、その衝突予測装置は、カメラで取得した画像から動物や、動物以外の異物等を保護対象物として判別して作動するようにしてもよいし、人間だけを保護対象物としてもよいし、自転車等の二輪車も保護対象物として含めてもよい。
また、ラッチ本体部3をリンク機構30を用いて位置保持手段4に対して連結するにあたって、ベースプレート2に対して連結してもよい。
3 ラッチ本体部
4 位置保持手段
5 アクチュエータ
11 フード
12 ストライカ
30 リンク機構
31 リンク
34 ロック部材
38 ラッチ機構
38a ラッチ
48 ストライカ解除手段
Claims (2)
- 車両のフードに設けたストライカを係止した状態で上昇可能なラッチ本体部と、
通常時に前記ラッチ本体部を車体側に位置保持する位置保持手段と、
前記ラッチ本体部と前記位置保持手段との間に介在して、ポップアップ時に前記ラッチ本体部を上昇させるアクチュエータと、を備える車両用ラッチ装置であって、
前記位置保持手段には、前記ラッチ本体部に設けられたラッチ機構のラッチに係止された前記ストライカの係止状態を解除するストライカ解除手段が配置されている
ことを特徴とする車両用ラッチ装置。 - 前記ラッチ本体部と前記位置保持手段とを連結するリンク機構を備え、
前記ストライカ解除手段は、前記リンク機構のリンクと同軸に軸支されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ラッチ装置。
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