JP2021154547A - 記録方法及び記録装置 - Google Patents

記録方法及び記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021154547A
JP2021154547A JP2020055584A JP2020055584A JP2021154547A JP 2021154547 A JP2021154547 A JP 2021154547A JP 2020055584 A JP2020055584 A JP 2020055584A JP 2020055584 A JP2020055584 A JP 2020055584A JP 2021154547 A JP2021154547 A JP 2021154547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ink composition
recording medium
based ink
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020055584A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7428043B2 (ja
Inventor
裕太 浅川
Yuta Asakawa
裕太 浅川
啓 水谷
Hiroshi Mizutani
啓 水谷
明子 松▲崎▼
Akiko Matsuzaki
明子 松▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2020055584A priority Critical patent/JP7428043B2/ja
Publication of JP2021154547A publication Critical patent/JP2021154547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7428043B2 publication Critical patent/JP7428043B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】有機溶剤は水よりも粘度が高いため、水が蒸発していないインクを吐出したときと、水が蒸発したインクを吐出したときと、で着弾位置のズレが大きくなりやすいこと。【解決手段】記録媒体へ記録を行う記録方法であって、水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体に付着させるインク付着工程と、送風機構により風を当てて、記録媒体に付着した水系インク組成物を乾燥させる1次乾燥工程と、1次乾燥工程後に、第2加熱機構により加熱して、記録媒体に付着した水系インク組成物を乾燥させる2次乾燥工程と、を備え、水系インク組成物は、色材と、水と、を含有し、有機溶剤を、水系インク組成物の総量に対して、15.0質量%を超えて含有せず、1次乾燥工程において、風の風速が、1.6〜7.9m/secである、記録方法。【選択図】なし

Description

本発明は、記録方法及び記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、画質や吐出安定性等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、非吸収性又は低吸収性記録媒体上に複数のインクを重ねて記録した場合に、それらのインク間でのブリードや目詰まりを防止することを目的として、記録媒体に、反応液、第1インク、及び第2インクを、この順に重ねて付与して用いるインクセットが開示されている。
特開2015−71738号公報
水を主溶媒として含む水系インク組成物を用いて記録を行う場合に、水系インク組成物の乾燥によるインクジェットヘッドの目詰まりを抑制するために、保湿効果を期待してインクに有機溶剤を含ませる場合がある。しかしながら、有機溶剤を含む水系インクを用いて記録を行う場合に、インクの乾燥性が悪く画質が劣る問題や、着弾位置のズレが大きくなりやすいという問題があった。
本発明は、記録媒体へ記録を行う記録方法であって、水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体に付着させるインク付着工程と、送風機構により風を当てて、記録媒体に付着した水系インク組成物を乾燥させる1次乾燥工程と、1次乾燥工程後に、第2加熱機構により加熱して、記録媒体に付着した水系インク組成物を乾燥させる2次乾燥工程と、を備え、水系インク組成物は、色材と、水と、を含有し、有機溶剤を、水系インク組成物の総量に対して、15.0質量%を超えて含有せず、1次乾燥工程において、風の風速が、1.6〜7.9m/secである、記録方法である。
また、本発明は、記録方法により記録を行う記録装置であって、水系インク組成物を吐出して、記録媒体に付着させるインクジェットヘッドと、記録媒体に付着した水系インク組成物に風を当てて乾燥させる送風機構と、記録媒体に付着した水系インク組成物を加熱して乾燥させる2次加熱機構と、を備え、水系インク組成物は、色材と、水と、を含有し、有機溶剤を、水系インク組成物の総量に対して、15.0質量%を超えて含有せず、1次乾燥工程において、風の風速が、1.6〜7.9m/secである、記録装置である。
本実施形態の記録装置の一例を表す側面図である。 本実施形態の記録装置の一例を表す上方図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
1.記録方法
本実施形態の記録方法は、記録媒体へ記録を行う記録方法であって、水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体に付着させるインク付着工程と、送風機構により風を当てて、記録媒体に付着した水系インク組成物を乾燥させる1次乾燥工程と、該1次乾燥工程後に、第2加熱機構により加熱して、記録媒体に付着した水系インク組成物を乾燥させる2次乾燥工程と、を備え、水系インク組成物は、色材と、水と、を含有し、有機溶剤を、水系インク組成物の総量に対して、15.0質量%を超えて含有せず、1次乾燥工程において、風の風速が、1.6〜7.9m/secである。
水を主溶剤とする水系インク組成物は、VOC(揮発性有機化合物)の放散量が少なく、環境負荷の低いインク組成物として注目されている。このような水系インク組成物は、乾燥による目詰まりを抑制し、目詰まり回復性を向上させるため、保湿効果を期待して比較的少量の有機溶剤を含む。しかしながら、有機溶剤は水よりも粘度が高いため、水が蒸発していない水系インク組成物と、水が蒸発した水系インク組成物と、では粘度に変化が生じる。そうすると、インクの乾燥の程度によって水系インク組成物の粘度が異なり、吐出速度などの吐出特性に違いが生じるため、水が蒸発していないときと、水が蒸発したときと、で着弾位置のズレが大きくなりやすいという問題が生じる。
これに対して、有機溶剤の含有量を低減することで、着弾位置のズレを小さくすることができる水系インク組成物も考えられる。このような水系インク組成物では乾燥による粘度変化が生じにくく、着弾ずれの問題は解消するようにも思われる。しかしながら、そのような水系インク組成物は水が多いため乾燥しやすく、目詰まりが生じやすく、ノズルが回復しにくい傾向がある。
記録媒体に記録をする際に、記録媒体に付着した水系インク組成物を早期に固定してブリードを防ぎ優れた画質を得るために、記録媒体に付着したインクの乾燥を促進する工程が必要である。乾燥の促進のために、例えば記録媒体を加熱すると、間接的にノズルもその加熱の影響を受けることになり、結果として水系インク組成物の乾燥が生じ目詰まりの発生がしやすい。そのため、単純にインクの有機溶剤の含有量を低減するだけでは、目詰まりに対する解決が困難である。
特に、非吸収性や低吸収性記録媒体に対して記録をする際には、記録媒体がインクの溶媒成分を吸収することでインクのブリードを防ぐことができないため、特に、付着した水系インク組成物の乾燥を促進する工程が特に必要である。そこで、優れた画質を得るために、例えば記録媒体を加熱すると、結果として目詰まりが生じやすく、インクの乾燥をどのようにして行うかに、より注意が必要である。
これに対して、本実施形態においては、水系インク組成物の有機溶剤の含有量を低減させつつ、記録媒体に付着した水系インク組成物の乾燥を、送風機構により風を当てて行う。これにより、水系インク組成物の粘度変化を抑制でき、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置のずれを解消することができる。また、乾燥を、記録媒体に付着したインクに送風することにより行うことで、水系インク組成物の乾燥によるノズルの目詰まりの問題に対しても同時に抑制ができる。また、インクの乾燥促進を送風により行うことでも、優れた画質が得られる。
さらに、乾燥を記録媒体の加熱により行う場合、水系インク組成物から蒸発した水などがインクジェットヘッドで結露して、ヘッドを汚したり、水で害を与えることがあるが、送風により水系インク組成物を乾燥することで、蒸発した成分がインクジェットヘッド周囲から除去されインクジェットヘッドの結露を低減することができる。
特に、従来の水系インク組成物は相当程度の有機溶剤を含んでいたため、画質向上の観点から水系インク組成物の乾燥のために記録媒体を相当程度加熱していた。しかしながら、水系インク組成物の有機溶剤の含有量を低減することで、かえって水系インク組成物の乾燥速度が速くなるため、送風乾燥による1次乾燥でも記録媒体に付着した水系インク組成物を十分に乾燥することができる。以下、各工程について詳説する。
1.1.インク付着工程
インク付着工程は、水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体に付着させる工程である。ここで、インクジェットヘッドは、水系インク組成物を記録媒体に向けて吐出して記録を行うヘッドであり、当該ヘッドは、収容した水系インク組成物をノズルから吐出させるキャビティーと、水系インク組成物に対して吐出の駆動力を付与する吐出駆動部と、ヘッドの外へ水系インク組成物を吐出するノズルと、を有する。吐出駆動部は、機械的な変形によりキャビティーの容積を変化させる圧電素子等の電気機械変換素子や、熱を発することにより水系インク組成物に気泡を発生させ吐出させる電子熱変換素子等を用いて形成することができる。
また、インクジェットヘッドは、ラインヘッドであっても、シリアルヘッドであってもよい。ラインヘッドを用いたライン方式では、記録媒体の記録幅以上の長さを有するインクジェットヘッド(「ラインヘッド」ともいう)を用いる。そして、インク付着工程において、そのラインヘッドと記録媒体の位置を、記録媒体の幅方向と交差する走査方向(記録媒体の縦方向、搬送方向F1)に相対的に移動させながら、水系インク組成物を吐出し、記録媒体に付着させる(図1参照)。また、シリアルヘッドを用いたシリアル方式では、ヘッドを記録媒体の副走査方向と交差した主走査方向に移動させながら、水系インク組成物を吐出し、記録媒体に付着させる主走査を複数回行う。好ましくは、同一の領域に主走査を2回以上行う。こうして、記録媒体上に画像を記録する。
このなかでも、本実施形態の記録方法は、ラインヘッドを用いたライン方式で行うことが好ましい。これにより、印刷速度がより向上する。
インク付着工程における、インクジェットヘッドのノズル面と、記録媒体の表面との距離は、好ましくは0.5〜3.0mmであり、より好ましくは0.5〜2.5mmであり、さらに好ましくは0.5〜1.8mmである。インクジェットヘッドのノズル面と記録媒体の表面との距離が0.5mm以上であることにより、後述する1次乾燥工程による風が通過しやすくなるため、得られる記録物の画質がより向上する傾向にある。そのほか、後述する1次乾燥工程において低温加熱をする場合においても、ノズルが暖められにくくなり、目詰まりがより生じにくくなる傾向にある。そのほか、インクジェットヘッドのノズル面と記録媒体の表面との距離が0.5mm以上であることにより、ノズル面に結露が生じにくくなる傾向にある。さらに、インクジェットヘッドのノズル面と記録媒体の表面との距離が3.0mm以下であることにより、インク滴の飛走距離が短くなるため、着弾位置のずれがより抑制される傾向にある。
1.1.1.水系インク組成物
水系インク組成物は、色材と、水と、を含有し、有機溶剤を、水系インク組成物の総量に対して、15.0質量%を超えて含有せず、必要に応じて、樹脂、ワックス、消泡剤、及び界面活性剤を含有してもよい。なお、本実施形態において「水系」とは水を主要な溶媒成分の1つとするインク組成物をいう。好ましくは水を組成物の総質量の40質量%以上含む組成物である。以下、各成分について詳説する。
1.1.1.1.色材
色材としては、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。色材として顔料を用いることにより、水系インク組成物の耐光性を向上させることができ好ましい。この顔料としては、水系インク組成物に通常用いられているものであれば特に制限なく用いることができる。
顔料としては、特に制限されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等の無機顔料;キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、及びアゾ系顔料等の有機顔料が挙げられる。顔料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記顔料は、分散剤により水に分散させて得られる顔料分散液として、あるいは、顔料粒子表面に化学反応を利用して親水性基を導入した自己分散型の表面処理顔料を水に分散させて得られるか、又は、ポリマーで被覆された顔料を水に分散させて得られる顔料分散液として、水系インク組成物に添加することが好ましい。
上記分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤(にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムの天然ゴム類、サポニンのグルコシド類、アルギン酸及びプロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムのアルギン酸発酵体メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール類、ポリピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−m−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩)や界面活性剤(各種アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤)が挙げられる。分散剤は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
染料としては、特に制限されないが、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が挙げられる。より具体的には、染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。染料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
色材の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは10質量%以下である。また好ましくは0.5質量%以上である。より好ましくは1.0〜7.5質量%であり、さらに好ましくは1.5〜5.0質量%である。色材の含有量が10質量%以下であることにより、乾燥時の目詰まりが生じにくくなる傾向にある。また、色材の含有量が1.0質量%以上であることにより、得られる記録物の光学濃度がより向上する傾向にある。なお、色材の含有量は固形分量をいい、色材を色材分散液の形で水系インク組成物に混合する場合には、その固形分量を意味する。
1.1.1.2.水
水の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50〜99質量%である。さらには、好ましくは75〜95質量%であり、より好ましくは78〜92質量%であり、さらに好ましくは82〜90質量%である。水の含有量が上記範囲以上であることにより、VOC(揮発性有機化合物)の放散量がより少なくなるほか、送風による水系インク組成物の乾燥性がより向上する傾向にある。また、着弾位置ずれ抑制や画質がより優れる。水の含有量が上記範囲以下の場合、目詰まり回復がより優れる。
1.1.1.3.有機溶剤
本実施形態の水系インク組成物は、水系インク組成物の総量に対して、15.0質量%を超えて有機溶剤を含有しない。ここで、「15.0質量%を超えて含有せず」とは、有機溶剤を含まない水系インク組成物も本実施形態に含まれることを意味するものであり、具体的には有機溶剤の含有量が0〜15質量%であることを意味する。組成物が、ある成分を○○質量%を超えて含有しないという場合、同様のことを意味する。
有機溶剤の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、0〜15質量%であり、好ましくは0.5〜15質量%であり、より好ましくは1.0〜12質量%であり、さらに好ましくは2.0〜9.0質量%であり、よりさらに好ましくは3.0〜7.5質量%であり、特に好ましくは4.0〜5.0質量%である。有機溶剤を含まない、すなわち含有量が0質量%であることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置ずれが抑制される。また、有機溶剤の含有量が0質量%超過であることにより、水系インク組成物の乾燥が抑制され、目詰まりが生じにくくなる。さらに、有機溶剤の含有量が15質量%以下であることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置ずれが抑制される。また、後述する送風機構による1次乾燥工程においても乾燥しやすい水系インク組成物となるため、得られる記録物の画質がより向上する傾向にある。
有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等の含窒素溶剤;グリセリン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類が挙げられる。このなかでも、グリコール類やグリセリンなどのポリオール類、グリコールエーテル類、又は含窒素溶剤等が好ましい。有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤の中でも、含窒素溶剤、ポリオール類、グリコールエーテル類、炭素数5以上のアルカンジオールなどが好ましい。
炭素数5以上のアルカンジオールは、炭素数は、好ましくは5〜10であり、より好ましくは6〜8である。炭素数5以上のアルカンジオール類としては、特に限定されないが、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。このなかでも1,2−アルカンジオールが好ましく、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールがより好ましい。
グリコールエーテル類は、アルキレングリコール又はアルキレングリコールの水酸基同士が分子間で縮合した縮合物が、エーテル化したものである。縮合物の場合は、縮合数は2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。アルキレングリコールやその縮合物において、アルキレンは、直鎖状または分岐状であってもよく、炭素数1〜7が好ましく、2〜5がより好ましい。グリコールエーテルのエーテルは、アルキルエーテルが好ましい。アルキルエーテルのアルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。グリコールエーテルは、グリコールモノエーテル又はグリコールジエーテルであってよく、グリコールモノエーエテルが好ましい。
ポリオール類としては、炭素数4以下のアルカンポリオール、または炭素数4以下のアルカンポリオールが分子間で水酸基同士が縮合した縮合物が挙げられる。これらの上記炭素数は、好ましくは2〜3である。縮合物の場合、縮合数は2〜4が好ましい。ポリオール類は、分子中の水酸基数が2以上であり、好ましくは2〜4である。
含窒素溶剤としては、環状アミド、非環状アミドなどがあげられる。環状アミドとしては、上記のピロリドン類などがあげられる。非環状アミドとしては、例えばN,N−ジアルキル−アルキルアミドなどがあげられる。N,N−ジアルキル−アルキルアミドとして、例えばN,N−ジアルキル−アルコキシアルキルアミドなどがあげられる。
特に、ポリオール類としてプロピレングリコール、炭素数5以上のアルカンジオールとして1,2−ヘキサンジオール、含窒素溶剤として2−ピロリドン、グリコールモノエーテル類としてトリエチレングリコールモノブチルエーテルなどが好ましい。
これらの有機溶剤のインク中の含有量を上記範囲としても良く好ましい。
このような有機溶剤を用いることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置のずれや、ノズルの目詰まりがより抑制される傾向にある。
有機溶剤の標準沸点は、好ましくは160〜280℃であり、より好ましくは180〜260℃であり、さらにより好ましくは200〜240℃である。有機溶剤の標準沸点が160℃以上であることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置のずれがより抑制され、ノズル組成物の目詰まり回復性がより向上する傾向にある。また、有機溶剤の標準沸点が280℃以下であることにより、送風による水系インク組成物の乾燥性がより向上するため、得られる記録物の画質がより向上する傾向にある。
標準沸点が上記範囲内である有機溶剤の含有量が、水系インク組成物の総量に対して、上記範囲としても良い。このような有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置のずれとノズルの目詰まりを防止する傾向にある。
また、標準沸点が上記範囲外である有機溶剤の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、さらにより好ましくは0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.1質量%以下であり、含有量の下限は0質量%でもよい。このような有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置のずれとノズルの目詰まりを防止する傾向にある。
1.1.1.4.樹脂
樹脂としては、水系インク組成物中で溶解しているもの、又は、樹脂粒子、エマルションなどの形態で分散しているものが挙げられる。このような樹脂を用いることにより、耐湿性により優れた記録物が得られる傾向にある。特に、記録媒体と水系インク塗膜との結着性(耐擦性)の向上に寄与する傾向がある。
このような樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、パラフィン樹脂、フッ素樹脂、及び水溶性樹脂、並びにこれらの樹脂を構成する単量体を組み合わせた共重合体が挙げられる。共重合体としては、特に限定されないが、例えば、スチレンブタジエン樹脂、スチレンアクリル樹脂が挙げられる。また、樹脂としては、これら樹脂を含むポリマーラテックスを用いることができる。例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂の微粒子を含むポリマーラテックスが挙げられる。なお、樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。特に、本実施形態の水系インク組成物に含まれる樹脂粒子が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂又はポリエステル系樹脂の少なくとも1つを含むことが好ましい。
アクリル系樹脂は、アクリルモノマーを少なくとも重合させて得たポリマーであり、アクリルモノマーと他のモノマーの共重合ポリマーも含む。アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などがあげられる。他のモノマーとしては、ビニルモノマーなどがあげられ、例えばスチレンなどがあげられる。
ウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とのウレタン重合により得られた樹脂である。
樹脂の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは0.5質量%以上であり、また好ましくは1.0〜10質量%であり、より好ましくは2.0〜8.0質量%であり、さらに好ましくは4.0〜8.0質量%である。樹脂の含有量が1.0質量%以上であることにより、上記のとおり、耐擦性がより向上する傾向にある。また、樹脂の含有量が10質量%以下であることにより、水系インク組成物の粘度が低下し吐出安定性に優れ、目詰まり回復性に優れる傾向にある。
1.1.1.5.ワックス
ワックスは、水系インク組成物中で溶解するもの、又は、エマルションの形態で分散するものが挙げられる。このようなワックスを用いることにより、耐擦性により優れた記録物が得られる傾向にある。
このようなワックスとしては、特に制限されないが、例えば、高級脂肪酸と高級1価アルコールまたは2価アルコール(好ましくは1価アルコール)とのエステルワックス、パラフィンワックス、若しくはオレフィンワックス又はこれらの混合物が挙げられる。このなかでも、オレフィンワックスが好ましく、ポリエチレン系ワックスがより好ましい。
ワックスの含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは0.1〜3.0質量%であり、好ましくは0.3〜2.0質量%であり、好ましくは0.3〜1.0質量%である。ワックスの含有量が0.1質量%以上であることにより、上記のとおり、耐擦性がより向上する傾向にある。また、ワックスの含有量が3.0質量%以下であることにより、水系インク組成物の粘度が低下し吐出安定性に優れ、目詰まり回復性に優れる傾向にある。
1.1.1.6.消泡剤
消泡剤は、特に制限されないが、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、及びアセチレングリコール系消泡剤が挙げられる。消泡剤の市販品としては、BYK−011、BYK−012、BYK−017、BYK−018、BYK−019、BYK−020、BYK−021、BYK−022、BYK−023、BYK−024、BYK−025、BYK−028、BYK−038、BYK−044、BYK−080A、BYK−094、BYK−1610、BYK−1615、BYK−1650、BYK−1730、BYK−1770(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、サーフィノールDF37、DF110D、DF58、DF75、DF220、MD−20、エンバイロジェムAD01(以上商品名、日信化学工業社(Nissin Chemical Industry Co.,Ltd.)製)が挙げられる。消泡剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
消泡剤の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは0.03〜0.7質量%であり、より好ましくは0.05〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.08〜0.3質量%である。
1.1.1.7.界面活性剤
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ、サーフィノール465やサーフィノール61(以上商品名、日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)等が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルス
ルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(以上商品名、旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(以上商品名、住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(以上商品名、Dupont社製);FT−250、251(以上商品名、株式会社ネオス製)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは0.3〜3.0質量%であり、より好ましくは0.5〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.8〜1.5質量%である。
1.1.1.8.動的表面張力
水系インク組成物の、最大泡圧法における平均寿命10msでの動的表面張力は、好ましくは30〜40mN/mであり、より好ましくは30〜38mN/mであり、さらに好ましくは30〜36mN/mである。水系インク組成物の動的表面張力が上記範囲内であることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置のずれがより抑制される傾向にある。なお、上記動的表面張力は、バブルプレッシャー動的表面張力計を用いて最大泡圧法により、表面寿命10msecから100msecの範囲で測定することで測定できる。
1.1.1.9.静的表面張力
水系インク組成物の静的表面張力は、好ましくは20〜28mN/mであり、より好ましくは22〜28mN/mであり、さらに好ましくは24〜28mN/mである。水系インク組成物の静的表面張力が上記範囲内であることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置のずれがより抑制される傾向にある。上記静的表面張力は、自動表面張力計を用いて、ウィルヘルミー法で測定することができる。具体的には、25℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときに、白金プレートをインク中に引き込もうとする力を測定することで、上記静的表面張力を得ることができる。
上記静的表面張力に対する上記動的表面張力の比は、好ましくは1.0〜1.4であり、好ましくは1.1〜1.35であり、好ましくは1.1〜1.3である。上記静的表面張力に対する上記動的表面張力の比が上記範囲内であることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置のずれがより抑制される傾向にある。
1.1.1.10.粘度
水系インク組成物の20℃における粘度は、好ましくは0.5〜10.00mPa・sであり、さらに好ましくは1.0〜5.0mPa・sであり、より好ましくは1.5〜4.5mPa・sであり、さらに好ましくは2.0〜4.0mPa・sである。水系インク組成物の粘度が上記範囲内であることにより、水系インク組成物の乾燥前後の着弾位置のずれがより抑制される傾向にある。粘度は、レオメータで測定することができる。
1.1.1.11.記録媒体
本実施形態の記録方法が対象とする記録媒体としては、特に制限されないが、例えば、吸収性記録媒体、低吸収性記録媒体又は非吸収性記録媒体が挙げられる。好ましくは低吸収性記録媒体又は非吸収性記録媒体である。
非吸収性記録媒体としては、特に制限されないが、例えば非吸収性の材料を含むシート、フィルム、繊維製品等が挙げられる。また、非吸収性記録媒体は、基材(例えば、紙、繊維、皮革、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等)の表面に、非吸収性の材料を含む層(以下、「低吸収性層」ともいう)を備えたものであってもよい。非吸収性の材料としては、特に限定されないが、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、非吸収性記録媒体としては、塩化ビニル系樹脂を含む被記録面を有するものを好ましく用いることができる。塩化ビニル系樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体等が挙げられる。なお、低吸収性記録媒体の厚み、形状、色、軟化温度、硬さ等の諸特性については特に制限されない。
また非吸収性記録媒体としては、特に制限されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレート等が挙げられる。また、非吸収性記録媒体としては、シリカ粒子やアルミナ粒子から構成された水系インク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成された水系インク吸収層が形成されていないものが好ましい。
吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)が挙げられる。または布帛なども挙げられる。
低吸収性記録媒体としては、例えば、インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。これらは、紙などの基材に、インクの浸透性が比較的低い塗工層が設けられたものであり塗工紙ともいう。塗工層は、水の吸収性の低い、樹脂、無機化合物などからなる層であり、インク吸収性が低い層である。
1.2.第1次乾燥工程
本実施形態の第1次乾燥工程は、送風機構により風を当てて、記録媒体に付着した水系インク組成物を乾燥させる工程(送風工程)を有する。なお、第1次乾燥工程においては、上記送風機項に加えて、第1加熱機構を併用してもよい。
1.2.1.送風機構
送風機構は、記録媒体に付着した水系インク組成物を乾燥させるために用いられるものであり、従前にノズル面と対向して設けられていたプラテンヒーター等の加熱機構に代えて用いられるものである。したがって、送風機構が乾燥する水系インク組成物は、記録媒体に付着した直後のものであり、少なくとも送風機構は、記録媒体に付着した直後の水系インク組成物へ風を送るよう構成される。なお、1次乾燥工程は、水系インク組成物がブリード等しないように留めることを目的とするものであり、水系インク組成物の溶媒成分が完全には蒸発しない乾燥であり、水系インク組成物が樹脂を含む場合にはその樹脂が完全には平膜化しない乾燥である。
このような送風機構としては、記録媒体の表面に風を吹きつけたり、記録媒体の表面上に風を流したりすることで、記録媒体に付着した水系インク組成物の乾燥を促進するものであれば特に制限されず、記録装置に設けられた送風ファンを使用することができる。送風機構の設置位置は、記録媒体に付着した直後の水系インク組成物を乾燥させる観点から、設置することが好ましい。
ライン方式の場合は、記録媒体の搬送方向F1から見てインクジェットヘッドのすぐ下流の、インクジェットヘッドなどが邪魔にならず記録媒に送風することが可能な位置の記録媒体に送風することが可能な位置に、送風機構を設置することが好ましい。
シリアル方式の場合においては、キャリッジを搭載したインクジェットヘッドの主走査において移動する方向において、インクジェットヘッドやキャリッジなどが邪魔にならず記録媒体に送風することが可能な位置の記録媒体に送風が可能な位置に、送風機構を設置することが好ましい。
ライン方式の場合には、一例として最下流ノズルよりも30cm以内の位置において送風を行うことが好ましい。あるいは、記録媒体に最下流ノズルのインク滴が着弾してから1秒以内に送風を開始することが好ましい。
シリアル方式の場合においては、インクジェットヘッドの主走査方向において、インクジェットヘッドやキャリッジが邪魔にならない位置において、送風を行うことが好ましい。あるいは主走査において、主走査方向の最下流ノズルのインク滴が着弾してから1秒以内に送風を開始することが好ましい。
また、このような送風機構を用いることにより、送風工程をおこなわず加熱工程のみに頼る1次乾燥工程と比較して、ノズル内の水系インク組成物が乾燥することを抑制できるため、目詰まりがより抑制される傾向にある。また、上記のように有機溶剤の含有量が比較的に少ない水系インク組成物であれば、送風乾燥により記録媒体上の水系インク組成物を乾燥させることも可能となる。さらに、加熱機構で問題となるインクジェットヘッドの結露やそれに伴うヘッドの汚染や水の害に関しても、送風機構であれば、蒸発した成分をヘッド周辺から除去できるため抑制することが可能となる。
1次乾燥工程における風の風速は、1.6〜7.9m/secであり、好ましくは2.0〜7.0m/secであり、より好ましくは2.2〜6.0m/secであり、さらに好ましくは2.5〜5.0m/secであり、特に好ましくは2.5〜4.5m/secである。1次乾燥工程における風の風速が1.6m/sec以上であることにより、水系インク組成物の乾燥がより促進され、得られる記録物の画質がより向上する。また、1次乾燥工程における風の風速が7.9m/sec以下であることにより、風の影響による着弾ずれがより抑制され、得られる記録物の画質がより向上する。
なお、風速の測定方法は、例えば一例として、図2に示すように、ラインプリンタの場合、記録媒体の幅方向F3に均等に5か所以上の位置で測定して平均値とする。これにより、記録媒体の幅方向で風速のバラつきがある場合であっても、風速を評価することができる。また、風速の測定は、記録媒体上の、ノズルと同じ高さの位置とすることができる。
また、シリアルプリンタの場合における、送風機構の設置位置は、インクジェットヘッドの主走査方向において、上記と同様の距離の範囲とすることができる。例えば、記録媒体に最下流ノズルのインク滴が着弾してから1秒以内に送風を受ける範囲とすることができる。なお、シリアルプリンタの場合にはインクジェットヘッドが主走査方向(記録媒体の幅方向)に動くため、インクジェットヘッドの主走査方向の一方向または他の方向の隣に、送風機構を設置することもできる。
1次乾燥工程において、風の温度は、好ましくは40℃以下であり、より好ましくは30℃以下であり、さらに好ましくは25℃以下である。一方好ましくは、5℃以上であり、より好ましくは10℃以上であり、さらに好ましくは15℃以上である。
さらには、より好ましくは5〜25℃であり、さらに好ましくは10〜20℃以下である。風の温度が上記範囲以下であることにより、ノズル内の水系インク組成物の乾燥がより抑制され、目詰まりがより抑制される傾向にある。風の温度が上記範囲以上であることにより、画質がより優れる。
また、記録媒体の搬送速度は、好ましくは10m/min以上であり、より好ましくは10〜70m/minであり、さらに好ましくは10〜40m/minである。記録媒体の搬送速度が10m/min以上である場合、すなわち比較的印刷速度が速い場合、優れた画像を得るためには1次乾燥工程でより短時間で乾燥を行うことが求められる。そのため、本発明が特に有用となる。また、記録媒体の搬送速度が70m/min以下であることにより、乾燥時間を確保できるため、得られる記録物の画像がより向上する傾向にある。
風速は、記録媒体の搬送速度に対して、好ましくは1.5〜15.0倍であり、より好ましくは1.5〜10.0倍であり、さらに好ましくは1.5〜5.0倍である。風速と記録媒体の搬送速度の比が上記範囲内であることにより、水系インク組成物の乾燥を促進することができ、得られる記録物の画質がより向上する傾向にある。
なお、1次乾燥工程において、インクジェットヘッドと対向する部分の記録媒体の表面温度は、好ましくは45℃以下であり、より好ましくは40℃以下であり、さらに好ましくは38℃以下であり、より好ましくは35℃以下であり、さらに好ましくは30℃以下であり、より好ましくは28℃以下である。一方、好ましくは15℃以上であり、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは25℃以上であり、さらに好ましくは30℃以上であり、より好ましくは35℃以上である。
さらには、より好ましくは15〜40℃であり、さらに好ましくは20〜35℃である。記録媒体の表面温度が45℃以下であることにより、ノズル内の水系インク組成物の乾燥がより抑制され、目詰まり回復性がより向上する傾向にある。記録媒体の表面温度が上記範囲以上の場合、画質がより優れ好ましい。
1次乾燥工程における記録媒体の表面温度は、1次乾燥工程が第1加熱工程を有する場合は、第1加熱工程による加熱を加味した温度であり、1次乾燥工程が第1加熱工程を有さない場合は、送風工程や環境温度が加味された温度である。
また、第1次乾燥工程においては、上記送風工程に加えて、加熱機構(第1加熱機構)により行う加熱工程(第1加熱工程)を併用してもよく、第1加熱機構により上記記録媒体の表面温度を調整してもよい。第1加熱機構としては、プラテンヒーター等が挙げられる。
1次乾燥工程が送風工程に加えて加熱工程を有する場合、画質がより優れ好ましい、1次乾燥工程が送風工程に加えて加熱工程を有する場合であっても、送風工程を有しない場合と比べて、加熱工程は少ないほうが好ましく、1次乾燥工程における記録媒体の表面温度は、比較的低いほうが、着弾位置ずれ抑制、目詰まり回復などがより優れる点で好ましい。1次乾燥工程が加熱工程を有しないことも好ましい。
なお、第1乾燥工程は、インク付着工程と同時やインク付着工程の前に行ってもよい。また、インク付着工程の前またはインク付着工程と同時からインク付着工程後まで継続して行ってもよい。
1.3.第2次乾燥工程
本実施形態の第2次乾燥工程は、第1次乾燥工程の後に行う乾燥工程である。加熱機構(第2加熱機構)により加熱して、記録媒体に付着した水系インク組成物をさらに乾燥させる工程である。例えば、第1乾燥工程は、記録媒体に付着した水系インク組成物が必要以上に濡れ広がるなど、ブリードし、画質が低下することを抑制するための工程であり、第2乾燥工程は、第1乾燥工程で記録媒体上に固定された水系インク組成物をさらに加熱し、インク塗膜を形成するための工程ということもできる。記録した記録物を使用することができる程度に乾燥を完了する肯定である。
2次加熱工程は、1次加熱工程の送風が終わった後に行う。また、1次加熱工程が加熱工程を有する場合は、加熱機構による記録媒体への熱の付与が終わった後に行う。
このように、第1乾燥工程と第2乾燥工程とを分離して行うことで、第1乾燥工程ではインクジェットヘッドのノズルの乾燥等を抑制できる程度の乾燥を行い、得られる記録物の画質をより向上させることができ、第2乾燥工程では、水系インク組成物を十分に乾燥することで、得られる記録物の耐擦性を向上させることができる。
本実施形態の記録方法では、インク組成物の有機溶剤の含有量が15質量%以下であることで、インクが乾燥しやすく、2次乾燥工程により、インクの溶媒成分の乾燥がしやすく、2次乾燥に要する温度や時間を少なくすることができ好ましい。記録物の熱変形を低減できる点で好ましい。
第2加熱機構としては、特に制限されないが、例えば、加温機能を備える、プラテンヒーターや温風ヒーターやIRヒーター等が挙げられる。
なお、第2乾燥工程における記録媒体の表面温度は、好ましくは60〜100℃であり、好ましくは65〜90℃であり、さらに好ましくは70〜85℃である。第2乾燥工程における記録媒体の表面温度が上記範囲内であることにより、得られる記録物の画質及び耐擦性がより向上する傾向にある。
第2乾燥工程は、記録媒体にインク滴が付着してから1秒超後に開始することが好ましい。
1.4.処理液付着工程
本実施形態の記録方法は、凝集剤を含有する処理液を、記録媒体に付着させる処理液付着工程をさらに備えてもよい。このような処理液付着工程を備えることにより、水系インク組成物の成分が記録媒体の表面で凝集しやすくなり、結果として、得られる記録物の画質が向上する傾向にある。処理液の付着方法としては、上記同様インクジェット方式を用いて付着させる方法の他ほのか、バーコーター、ロールコーター、スプレー等を用いて、塗布してもよい。なお、インクジェット方式としては、上記水系インク組成物の吐出方法と同様の方法が例示できる。
処理液付着工程は、インク付着工程の前に行っても、後に行ってもよい。また、インク付着工程の前に処理液付着工程を行う場合、処理液が乾燥する前にインク付着工程を行っても、処理液が乾燥してからインク付着工程を行ってもよい。さらに、インク付着工程の後に処理液付着工程を行う場合、水系インク組成物が乾燥する前に処理液付着工程を行うことが好ましい。このなかでも、インク付着工程の前に処理液付着工程を行うことが好ましい。
処理液の付着量は、インクの最大の付着量より少ない付着量が好ましく、インクの最大の付着量の50質量%以下が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
処理液はインクよりも付着量を少なくすることで、インクと比べて有機溶剤の含有量を多くすることもできる。また処理液が充分に乾燥してからインク付着工程を行ってもよい。
1.3.1.処理液
処理液は、水系インク組成物の成分を凝集させる凝集剤を含むものであれば、特に制限されず、必要に応じて、水、有機溶剤、消泡剤、界面活性剤を含んでいてもよい。
1.3.1.1.凝集剤
凝集剤としては、水系インク組成物の成分を凝集させるものであれば、特に制限されないが、例えば、多価金属塩、有機酸又はその塩、及びカチオン性樹脂が挙げられる。凝集剤は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
多価金属塩としては、特に限定されないが、例えば、無機酸の多価金属塩又は有機酸の多価金属塩が挙げられる。多価金属としては、特に制限されないが、例えば、周期表の第2属の典型金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からの典型金属(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)が挙げられる。これら多価金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩等)、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩等)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硫酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩が挙げられる。なお、多価金属塩は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
有機酸としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸が挙げられる。このなかでも、1価あるいは2価以上のカルボン酸が好ましい。また、有機酸は塩の状態であってもよい。なお、有機酸又はその塩は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。有機酸又はその塩で多価金属塩でもあるものは多価金属塩に含めるものとする。
カチオン性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アミン・エピクロロヒドリン縮合型ポリマー、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体等アミン系樹脂が挙げられる。カチオン性樹脂は、処理液に可溶な樹脂、又は樹脂エマルション等の状態で処理液中で分散するものが好ましく前者がより好ましい。
凝集剤の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは1〜10質量%であり、より好ましくは3〜10質量%であり、さらに好ましくは3〜7質量%である。凝集剤の含有量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の画質がより向上するほか、得られる記録物の耐ブリード性及び埋まり性がより向上する傾向にある。
1.3.1.2.水
処理液に含まれる水の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは65〜90質量%であり、より好ましくは70〜85質量%であり、さらに好ましくは75〜80質量%である。水系の処理液が好ましい。
1.3.1.3.有機溶剤
処理液に含まれる有機溶剤としては、水系インク組成物で例示したものと同様のものを例示することができる。
有機溶剤の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは、1.0〜10.0質量%であり、より好ましくは1.0〜8.0質量%であり、さらに好ましくは2.0〜6.0質量%である。前述のインクにおける有機溶剤の含有量と同様の範囲としてもよい。
1.3.1.4.消泡剤
処理液に含まれる消泡剤としては、水系インク組成物で例示したものと同様のものを例示することができる。消泡剤の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは0.03〜0.7質量%であり、より好ましくは0.05〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.08〜0.3質量%である。
1.3.1.5.界面活性剤
処理液に含まれる界面活性剤としては、水系インク組成物で例示したものと同様のものを例示することができる。界面活性剤の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは0.5〜7.0質量%であり、より好ましくは0.7〜5.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜4.0質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、処理液の濡れ性がより向上する傾向にある。
2.記録装置
本実施形態の記録装置は、上記記録方法により記録を行う記録装置であって、上述の水系インク組成物を吐出して、記録媒体に付着させるインクジェットヘッドと、記録媒体に付着した前記水系インク組成物に風を当てて乾燥させる送風機構と、記録媒体に付着した前記水系インク組成物を加熱して乾燥させる加熱機構と、を備え、送風機構による風の風速が、1.6〜7.9m/secである。
本実施形態の記録装置の一例として、図1及び2に、ライン型の記録装置の側面図と上方図を示す。図1に示すように、記録装置100は、記録媒体の搬送部20と、記録部30と、1次乾燥部40と、2次乾燥部50と、を備える。
搬送部20は、搬送方向F1に向けて記録媒体を搬送することができるように設けられている。具体的には、搬送部20は、一又は複数の送りローラーを有し、送りローラーが単独で又は連動して駆動することで、記録媒体を搬送する。
また、記録部30は、記録媒体に対して水系インク組成物を吐出するインクジェットヘッド31と、処理液を吐出するインクジェットヘッド32と、を有する。また、記録部30に対向する位置に、記録媒体Fを裏面から支持するプラテン60が設けられている。
図2に示すように、ライン方式の記録装置であるラインプリンタは、ヘッドとして記録媒体の記録幅に相当する長さ以上の長さであるラインヘッドを備える。当該ラインヘッドと記録媒体とが当該幅方向と交差する走査方向に相対的に位置を移動しながら記録媒体に向けて、ラインヘッドから水系インク組成物が吐出されるものである。即ち、ラインヘッドと相対的に走査される記録媒体に向けて、ラインヘッドから水系インク組成物が吐出されるものである。そして、ラインプリンタでは、ヘッドが(ほぼ)移動せずに固定されて、1パス(シングルパス)で記録が行われる。ラインプリンタは記録速度が速い点でシリアルプリンタよりも有利である。パスを走査(主走査)とも言う。
ここで、上記の「記録媒体の記録幅に相当する長さのラインヘッド」は、記録媒体の幅とラインヘッドの長さ(幅)とが完全に一致している場合に限らず、互いに異なっていてもよい。当該互いに異なっていてもよい場合として、例えば、ラインヘッドの長さ(幅)が、水系インク組成物が吐出されるべき(画像が記録されるべき)記録媒体の幅(被記録幅)に相当する長さである場合が挙げられる。
さらに、第1乾燥部40は、送風機構41と、必要に応じて第1加熱手段42とを有する。送風機構41は、水系インク組成物が付着した記録媒体表面に風を送ることができるように設けられている。図1においては、記録部30の下流に送風方向F2で風を送る送風機構41を示す。送風機構41の位置は図1の例の位置に限られず、例えば、別の位置にある送風機構から送出された風が、板などで仕切られた送風ルートを経て記録媒体に送風するようにしてもよい。
また、図1において、第1加熱手段42は、プラテンヒーターとして示す。プラテンヒーターの熱がプラテンを介して記録媒体を加熱する。
なお、第1加熱手段42は、送風機構41による記録媒体上の水系インク組成物の乾燥を助長するよう機能し、従来のプラテンヒーターのようにそれ単独で水系インク組成物を乾燥しようとするものではない。
第2乾燥部50は、記録媒体Fに付着した処理液、並びに記録媒体に付着した水系インク組成物をさらに乾燥させる第2加熱手段51を有する。図1においては、第2加熱手段51は、記録媒体に付着した水系インク組成物を記録面側から加熱するヒーターとして示すが、第2加熱手段51はこれに限定されず、プラテンヒーターや温風ヒーターやIRヒーター等、あるいはこれらを複数組み合わせて用いることができる。
プラテン60の厚さは、20mm以下が好ましく、15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。また1mm以上が好ましく、5mm以上が好ましい。プラテンの厚さは、プラテンの記録媒体を支持する面を構成する部材の厚さである。プラテンは金属製、または樹脂製などとすることができる。
本実施形態の記録装置は、上記ライン方式の記録装置に限定されず、上述したシリアル方式の記録装置であってもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
1.水系インク組成物の調整
1.1.シアン分散液の調製
St−Ac酸共重合体(メタクリル酸/ブチルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエチルアクリレート=25/50/15/10の質量比で共重合したもの。重量平均分子量7000、酸価150mgKOH/g)40質量部を、水酸化カリウム7質量部、水53質量部、を混合した液に投入し、80℃で撹拌しながら加熱して水溶性樹脂の樹脂水溶液を調製した。顔料(C.I.PigmentBlue15:3)20質量部、樹脂水溶液10質量部、及びイオン交換水70質量部を混合し、ジルコニアビーズミルを用いて分散させて、顔料分散液を得た。
表1に記載の組成となるように、混合物用タンクに各成分を入れ、混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過することにより各例の水系インク組成物を得た。なお、表中の各例に示す各成分の数値は特段記載のない限り質量%を表す。また、表中において、顔料分散液の数値は、固形分の質量%を表す。
Figure 2021154547
表1中で使用した略号や製品成分は以下のとおりである。
〔有機溶剤〕
・プロピレングリコール(沸点188℃)
・2−ピロリドン(沸点245℃)
・1,2−ヘキサンジオール(沸点223℃)
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点278℃)
〔顔料分散液〕
・C.I.PigmentBlue15:3
〔樹脂〕
・タケラックW−6061(ウレタン系樹脂、三井化学(株))
〔ワックス〕
・AQUACER539(ポリエチレン系ワックス、ビックケミージャパン(株))
〔消泡剤〕
・サーフィノールDF110D(アセチレンジオール系界面活性剤、日信化学工業(株))
〔界面活性剤〕
・BYK348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミージャパン(株))
1.2.表面張力測定
1.2.1.動的表面張力
最大泡圧法における平均寿命10msでの動的表面張力は、バブルプレッシャー動的表面張力計BP100(商品名、クルス社製)を用いて最大泡圧法(バブルプレッシャー法)で測定した。この際、表面寿命10msecから100msecの範囲で測定を行った。
1.2.2.静的表面張力
静的表面張力は、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、ウィルヘルミー(Wilhelmy)法で測定した。具体的には、25℃の環境下で白金プレートを水系インク組成物で濡らしたときに、白金プレートを水系インク組成物中に引き込もうとする力を測定した。
1.3.粘度測定
粘度は、レオメータMCR302(商品名、アントンパール・ジャパン社製)を用いて、20℃温度環境下でのせん断速度200s-1の条件で測定した。
2.処理液の調製
表2に記載の組成となるように、混合物用タンクに各成分を入れ、混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過することにより各例の処理液を得た。
Figure 2021154547
表2中で使用した略号や製品成分は以下のとおりである。
〔有機溶剤〕
・1,2−ヘキサンジオール
〔凝集剤〕
・酢酸カルシウム一水和物
・マロン酸
・カチオマスターPD−7(カチオン樹脂、四日市合成(株))
〔消泡剤〕
・サーフィノールDF110D(アセチレンジオール系界面活性剤、日信化学工業(株))
〔界面活性剤〕
・BYK348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミージャパン(株))
3.記録装置
記録装置としては、ライン方式に改造したL-6034VW(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製)の改造機を用いた。なお、図1のように、第1加熱機構とインクジェットヘッドの下流に送風機構を設け、さらにその下流に乾燥ヒーター(第2加熱機構)を取り付けた。なお、送風機構は、記録媒体に最下流ノズルの水系インク組成物が着弾してから1秒以内に送風を受ける範囲に設置した。
3.1.風速測定
記録装置のインクジェットヘッドから、記録媒体の搬送方向下流側の、ファンからの風が一番当たり易い距離で風速と風温を測定した。その測定にあたっては、記録媒体の幅方向F3に均等に5か所の位置で測定して平均値とした。
3.2.記録試験
上記記録装置に、水系インク組成物、処理液を充填して、記録媒体(パイレン(登録商標)フィルム−OT(型番:P2111、厚さ20μm、東洋紡(株)))にベタ画像を印刷した。
なお、ベタ画質の記録条件としては、解像度:1200×1200dpi、印字パターン:ベタ画像、走査回数:1回とした。さらに、風速、風温、記録媒体の表面温度、インク等の付着量などその他の条件は表3〜4に記載した条件とした。なお、1次乾燥工程の温度及び2次乾燥工程の温度は、熱電対により記録媒体の温度を測定することにより求めた。記録の環境条件として、温度25℃、湿度35%とした。
4.評価方法
4.1.ベタ画質
記録試験で得られたベタ画像を乾燥させて、その画質を目視で確認し、下記評価基準によりベタ画質を判定した。
(評価判定)
AA:画像中に、ブリードムラになっている箇所が認められない。
A:画像中に、ブリードムラになっている個所が若干認められる。
B:画像中に、ブリードムラになっている個所が認められる。
C:画像中に、ブリードムラになっている個所がかなり認められる。
4.2.着弾位置のずれ
上記記録試験の条件で記録を行った。記録中に、全ノズルで10秒間連続で吐出を行い、直後にノズルチェックパターンを記録した。また、記録中に、全ノズルからインクを吐吐出しない時間(空走)を1分間設け、直後にノズルチェックパターンを記録した。
連続吐出直後のノズルはノズルのインクの乾燥が進んでおらず、空走直後のノズルはノズルのインクの乾燥が進んでいる。2つのチェックパターンを比較し、それらの着弾位置ずれを確認した。全てのノズルのチェックパターンの着弾位置ずれの平均値を求め、その値を水系インク組成物の着弾位置のずれの結果とした。ただし、不吐出のノズルパターンがあった場合は平均値の算出から除いた。得られた平均値に基づいて、下記評価基準により着弾位置のずれを判定した。
(評価基準)
A:着弾位置のずれが違いがない。
B:ノズル間距離以内の着弾位置ずれがある。
C:ノズル間距離を超えての着弾位置ずれがある。
4.3.ヘッド結露
上記記録試験で30分連続して印刷した。ただし、記録時の環境を、25℃、15%RHとした。湿度が比較的低いことで、インクに含まれていた水が蒸発しやすく、結露しやすい環境とした。その後、ヘッドを取り外し、ノズル面の結露状態を目視観察した。また、各ノズルの吐出不良に伴うベタ画像への影響を目視観察して、吐出不良による画像欠陥を確認した。下記の基準に従って評価した。
(評価基準)
A:結露は見られず、画像欠陥は発生していない。
B:結露が若干見られ、結露に起因するインクの射出不良によって、画像欠陥が僅かに発生している。
C:結露がかなり見られ、結露に起因するインクの射出不良によって、強い画像欠陥が発生している。
4.4.印刷物の熱変形
上記記録試験で記録し、得られた印刷物の形状を目視で確認し、下記評価基準により印刷物の熱変形を判定した。
(評価基準)
A:印刷物に伸縮等の変形は確認できない。
B:印刷物に若干伸縮等は確認できるが、印刷物への影響は認められない。
C:印刷物に大きな伸縮等は確認でき、印刷物への影響が認められる。
4.5.ノズルの目詰まりの回復性
上記記録試験で記録を行った。ただし、インク組成物のノズルに不吐出を意図的に発生させ、ノズル不吐出の状態での模擬記録とした。ノズルの不吐出は、水で湿らせたベンコットでノズル面を叩いて発生させた。その状態で、記録を行った。模擬記録を3時間行った。その後、ノズルのクリーニングを行った。次にノズル検査を行い目詰まりの回復性を判定した。なお、ノズルのクリーニングは、ノズル列から1gの水系インク組成物を排出した。
(評価基準)
AA: 不吐出ノズルなし。
A: 不吐出ノズルが全ノズル数の3%未満確認された。
B: 不吐出ノズルが全ノズル数の3%以上5%未満確認された。
C: 不吐出ノズルが全ノズル数の5%以上確認された。
Figure 2021154547
Figure 2021154547
4.評価結果
表3及び4に、各例で用いた記録装置の構成、水系インク組成物、及び処理液、及び各記録条件、並びに、評価結果を示した。
有機溶剤の含有量がインクの15質量%以下であり、送風乾燥の工程を行い、風速が1.6〜7.9m/sである何れの実施例も、着弾位置のずれ抑制と、ノズルの目詰まりの回復性と、画質が何れも優れていた。
これに対し、そうではない何れの比較例も、着弾位置のずれ抑制、ノズルの目詰まりの回復性、画質の何れかが劣っていた。
さらに、本実施形態によれば、1次乾燥工程で高温加熱を行わないことにより、ヘッドの結露や、印刷物の熱変形も抑制できるが分かった。
実施例11及び12によれば、送風のみでも、着弾位置のずれが抑制されるとともにノズルの目詰まりの回復性に優れ、優れた画質の記録物が得られることが分かる。インクの有機溶剤の含有量が15質量%以下であることで、インクの乾燥性がよく、乾燥工程を送風工程のみにすることによっても、優れた着弾位置のずれ抑制とノズルの目詰まりの回復性と画質とが得られた。
実施例7〜10、13から、加熱工程の温度を比較的低くしても、優れた画質が得られ、目詰まり回復がより優れることも可能であった。
実施例19〜24によれば、処理液を用いることで、得られる記録物の画質がより向上することが分かる。
比較例1〜5、10によれば、有機溶剤の含有量が15質量%超の場合には、インクの乾燥性が悪く、送風工程のみでは優れた画質が得られず、比較例5にようにかなり高い温度の加熱工程を用いなければ、優れた画質がえられなかった。また、比較例1、4、5のように、加熱工程を用いてインクの乾燥を行うと、着弾位置ずれが大きくなってしまった。
比較例6〜7によれば、風速が速すぎる場合には、着弾位置ずれが大きくなり、目詰まりが悪化した。風速が遅すぎる場合には、画質が低下し、結露も生じることが分かる。
比較例8〜9によれば、有機溶剤の含有量が所定の範囲内であったとしても、送風による乾燥を用いない場合、画質が低下したり、目詰まりが生じたり、結露が生じることが分かる。
100…記録装置、20…搬送部、30…記録部、31,32…インクジェットヘッド、40…1次乾燥部、41…送風機構、42…第1加熱手段、50…2次乾燥部、51…第2加熱手段

Claims (14)

  1. 記録媒体へ記録を行う記録方法であって、
    水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、前記記録媒体に付着させるインク付着工程と、
    送風機構により風を当てて、前記記録媒体に付着した前記水系インク組成物を乾燥させる工程を有する1次乾燥工程と、
    該1次乾燥工程後に、加熱機構により加熱して、前記記録媒体に付着した前記水系インク組成物を乾燥させる2次乾燥工程と、を備え、
    前記水系インク組成物は、色材と、水と、を含有し、有機溶剤を、前記水系インク組成物の総量に対して、15.0質量%を超えて含有せず、
    前記1次乾燥工程において、前記風の風速が、1.6〜7.9m/secである、
    記録方法。
  2. 前記有機溶剤の含有量が、前記水系インク組成物の総量に対して、1.0〜9.0質量%である、
    請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記1次乾燥工程おいて、前記インクジェットヘッドと対向する部分の前記記録媒体の表面温度が45℃以下である、
    請求項1又は2に記載の記録方法。
  4. 前記1次乾燥工程において、前記風の温度が、25℃以下である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録方法。
  5. 前記インクジェットヘッドが、前記記録媒体の記録幅以上の長さを有するラインヘッドであり、
    搬送する記録媒体に、前記ラインヘッドにより走査を1回行うライン方式で記録を行う、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録方法。
  6. 前記記録媒体の搬送速度が、10m/min以上である、
    請求項5に記載の記録方法。
  7. 前記風速が、前記記録媒体の前記搬送速度に対して、1.5〜15.0倍である、
    請求項6に記載の記録方法。
  8. 前記1次乾燥工程において、さらに第1加熱機構により加熱して、前記記録媒体に付着した前記水系インク組成物を乾燥させる、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録方法。
  9. 凝集剤を含有する処理液を、前記記録媒体に付着させる処理液付着工程を備える、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録方法。
  10. 前記有機溶剤が、ポリオール類、グリコールエーテル類、含窒素溶剤、炭素数5以上のアルカンジオール類の少なくとも1つを含む、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録方法。
  11. 前記水系インク付着工程において、前記インクジェットヘッドのノズル面と、前記記録媒体の表面との距離が、0.5〜3.0mmである、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の記録方法。
  12. 前記2次乾燥工程において、前記加熱機構により加熱を受ける部分の前記記録媒体の表面温度が、60〜100℃である、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の記録方法。
  13. 前記水系インク組成物の、最大泡圧法における平均寿命10msでの動的表面張力が30〜40mN/mであり、
    前記水系インク組成物の静的表面張力が、20〜28mN/mである、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の記録方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の記録方法により記録を行う記録装置であって、
    水系インク組成物を吐出して、前記記録媒体に付着させるインクジェットヘッドと、
    前記記録媒体に付着した前記水系インク組成物に風を当てて乾燥させる送風機構と、
    前記記録媒体に付着した前記水系インク組成物を加熱して乾燥させる加熱機構と、を備え、
    前記水系インク組成物は、色材と、水と、を含有し、有機溶剤を、前記水系インク組成物の総量に対して、15.0質量%を超えて含有せず、
    前記送風機構による前記風の風速が、1.6〜7.9m/secである、
    記録装置。
JP2020055584A 2020-03-26 2020-03-26 記録方法及び記録装置 Active JP7428043B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020055584A JP7428043B2 (ja) 2020-03-26 2020-03-26 記録方法及び記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020055584A JP7428043B2 (ja) 2020-03-26 2020-03-26 記録方法及び記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021154547A true JP2021154547A (ja) 2021-10-07
JP7428043B2 JP7428043B2 (ja) 2024-02-06

Family

ID=77916612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020055584A Active JP7428043B2 (ja) 2020-03-26 2020-03-26 記録方法及び記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7428043B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015205999A (ja) 2014-04-22 2015-11-19 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法
JP2016069579A (ja) 2014-09-30 2016-05-09 富士フイルム株式会社 インク組成物、インク組成物の製造方法、及び画像形成方法
JP2016175985A (ja) 2015-03-19 2016-10-06 富士ゼロックス株式会社 インク、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法
JP2017165005A (ja) 2016-03-17 2017-09-21 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP7118356B2 (ja) 2017-10-31 2022-08-16 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録方法及び記録装置
JP2019142068A (ja) 2018-02-19 2019-08-29 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録方法
JP7428963B2 (ja) 2019-10-31 2024-02-07 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7428043B2 (ja) 2024-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7073804B2 (ja) インクセット、及び該インクセットを用いた記録方法
US11027557B2 (en) Recording method having colored ink compositions that belong to a same color system and have different color densities
JP2022058433A (ja) 記録方法、及び記録装置
JP6446953B2 (ja) 反応液及び記録方法
JP2019142068A (ja) インクジェット記録方法
JP7094491B2 (ja) 記録方法
JP7131241B2 (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置
US11633957B2 (en) Recording method and recording apparatus
JP7089696B2 (ja) 記録方法
US11040547B2 (en) Recording method using color ink composition having a hue angle that is different from other color ink compositions
US11654685B2 (en) Maintenance method and maintenance liquid
CN112937145B (zh) 喷墨记录方法及喷墨记录装置
JP2021154547A (ja) 記録方法及び記録装置
JP2021154614A (ja) メンテナンス方法及び記録装置
JP7275895B2 (ja) インクジェットインク組成物
US10576770B2 (en) Ink jet recording method and ink jet recording apparatus
JP7466835B2 (ja) 記録方法及び記録装置
JP2021137991A (ja) メンテナンス方法及びメンテナンス液
JP2020055267A (ja) インクジェット記録方法及び記録装置
JP7451874B2 (ja) 記録方法、及び記録装置
CN114958091B (zh) 记录方法及喷墨记录装置
US20230145299A1 (en) Treatment Liquid And Recording Method
US20230141725A1 (en) Ink Jet Ink Composition And Recording Method
JP2022154397A (ja) インクセット及び記録方法
JP2021138885A (ja) 処理液及び記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD07 Notification of extinguishment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427

Effective date: 20200811

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210915

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20211102

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231017

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7428043

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150