JP2015205999A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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英孝 河村
寺田 匡宏
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Abstract

【課題】高い耐久性を備える画像を短時間で形成でき、吐出休止後においても画像欠陥の発生を防止することができるインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】記録媒体に対してインクジェット記録ヘッドを用いてインクを付与する工程と、前記インクが付与された記録媒体を乾燥する工程と、を含むインクジェット記録方法であって、前記インクが、色材と、樹脂粒子と、エチルカルビトール、メチルカルビトール、エチレングリコールエチルエーテル及びエチレングリコールメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤と、水と、を含有し、前記インク中の、前記色材の含有率、前記樹脂粒子の含有率、及び前記溶剤の含有率が所定の関係を満足するインクジェット記録方法。【選択図】図1

Description

本発明はインクジェット記録方法に関する。
インクジェット方式にて画像を非吸収または難吸収媒体上に形成するインクジェット記録方法において、顔料の定着性や耐候性を向上させるための樹脂成分を含有する水系顔料インクを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献2及び3には、顔料とエマルション樹脂を含む水性インクにより非吸収性の記録媒体に形成した画像の加熱による定着が開示されている。
特開2010−248357号公報 特開2002−371211号公報 特開2012−057043号公報
近年プリント作成の更なる高速化が要求されている。しかしながら、インクジェット記録ヘッドを用いて非吸水性記録媒体上に、短時間で高い耐久性を備える画像を形成することは困難である。また印字休止後に吐出を再開した際、吐出口からの水分の蒸発により吐出口内のインクが高粘度化することでインクの吐出ができなくなり、画像欠陥が発生する場合がある。特に、樹脂粒子を含む水性インクを用いた印字において、印字中に印字物の乾燥のために風を当てると、吐出口からの水分蒸発が促進され、インクの高粘度化による画像欠陥の発生がより顕著となる場合がある。
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであり、高い耐久性を備える画像を短時間で形成でき、吐出休止後においても画像欠陥の発生を防止することができるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明に係るインクジェット記録方法は、
(a)記録媒体に対してインクジェット記録ヘッドを用いてインクを付与する工程と、
(b)前記インクが付与された記録媒体を乾燥する工程と、
を含むインクジェット記録方法であって、
前記インクが、色材と、樹脂粒子と、エチルカルビトール、メチルカルビトール、エチレングリコールエチルエーテル及びエチレングリコールメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤と、水と、を含有し、
前記インク中の、前記色材の含有率(%)、前記樹脂粒子の含有率(%)、及び前記溶剤の含有率(%)が、下記式(1)の関係を満足するインクジェット記録方法。
Figure 2015205999
本発明によれば、高い耐久性を備える画像を短時間で形成でき、吐出休止後においても画像欠陥の発生を防止することができる。
本発明に係るインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を示す断面図である。 着弾精度試験の概要を示す模式図である。 着弾精度試験の判定方法を示す模式図である。 色材の含有率と樹脂粒子の含有率との割合、および、樹脂粒子の含有率と溶剤の含有率との割合と、本発明の効果との関係を示す図である。
本発明に係るインクジェット記録方法は、(a)記録媒体に対してインクジェット記録ヘッドを用いてインクを付与する工程と、(b)前記インクが付与された記録媒体を乾燥する工程と、を含むインクジェット記録方法であって、前記インクが、色材と、樹脂粒子と、エチルカルビトール、メチルカルビトール、エチレングリコールエチルエーテル及びエチレングリコールメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤と、水と、を含有し、前記インク中の、前記色材の含有率(%)、前記樹脂粒子の含有率(%)、及び前記溶剤の含有率(%)が、前記式(1)の関係を満足する。
本発明では、インクが前記成分を含み、かつ、各成分の含有率が前記式(1)の関係を満たすことにより、高い耐久性を備える画像を短時間で形成することと、吐出休止後の画像欠陥の発生防止とを両立させることができる。以下、本発明の実施形態を示すが、本発明はこれらに限定されない。
<記録媒体>
本発明に係る記録媒体としては特に限定されないが、例えばアート紙、コート紙、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、PETフィルム、ターポリン、ポリエステル製布等の非吸収媒体又は難吸収媒体を用いることができる。これらの中でも耐候性の観点から、記録媒体としてはポリ塩化ビニルフィルムが好ましい。また、記録媒体のブリストー法による液体吸収性測定で得られる水に対するKa値(ml/m・msec1/2)が0.2以下であることが好ましい。
<インク>
本発明に係るインクは、色材と、樹脂粒子と、エチルカルビトール、メチルカルビトール、エチレングリコールエチルエーテル及びエチレングリコールメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤と、水と、を含む。また、該インクは界面活性剤およびその他の成分を含んでもよい。インクのpHはインクの安定性が保たれていれば特に限定されないが、樹脂粒子等の固形分成分の、より良好な分散性が保たれるという観点から中性が好ましく、pH5〜10であることが好ましい。なお、pHはD−51(製品名、堀場製作所製)を用いて測定した値である。
(色材)
色材としては顔料及び染料のいずれも用いることができ、これらを混合して用いることもできる。顔料としては特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、無機顔料、有機顔料のいずれであってもよい。これらの顔料は複数種を混合して用いてもよい。前記染料としては特に限定されないが、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料および食用染料に分類される染料が、耐水性、耐光性に優れる観点から好ましい。これらの染料は複数種を混合して用いてもよく、必要に応じて顔料等のその他の色材と混合して用いてもよい。これらの中でも、色材としては耐候性の観点から顔料が好ましい。
色材として顔料を用いる場合には、顔料は水に不溶であるため、顔料はインク中に分散して存在する。顔料を水中に分散させる方式としては特に限定されないが、例えば以下の方式が挙げられる。分散剤を用いて顔料を分散させる方式(分散剤による分散方式)、顔料の表面に親水性基を導入し、顔料自体の分散性を向上させて顔料を分散させる方式(自己分散方式)等が挙げられる。なお、分散剤による分散方式の場合、前記式(1)における色材の含有率は、インク全質量に対する、顔料の質量と分散剤の質量との合計の割合を示す。また、自己分散方式の場合、前記式(1)における色材の含有率は、インク全質量に対する顔料の質量の割合を示す。インク中の色材の含有率は0.5質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、0.7質量%以上、15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上、10質量%以下であることがさらに好ましい。
(樹脂粒子)
本発明に係るインクは樹脂粒子を含む。該インクが樹脂粒子を含むことにより、記録媒体上により耐擦性に優れた画像を形成することができる。特に、ポリ塩化ビニルフィルムやポリプロピレンフィルム等のインク非吸収性またはインク低吸収性の記録媒体上に、該樹脂粒子を含むインクを用いて記録を行う場合には、加熱定着工程を行うことで耐擦性に優れる画像を形成することができる。加熱定着工程により、該樹脂粒子がインクを固化させ、さらにインク固化物を記録媒体上に強固に定着させることができるためである。加熱により、これらの作用をより高めることができる。特に、樹脂粒子は、インク中において分散体の状態またはサスペンジョンの状態で含有されていることが好ましい。インクが樹脂粒子を微粒子状態で含有することにより、インクの粘度をインクジェット記録方式において適正な範囲に調整しやすく、また保存安定性および吐出安定性を確保しやすい。また、インクを記録媒体上に着弾させた際に色材の凝集等を抑制でき、濃淡ムラおよび滲みの発生を抑制することができる。
樹脂粒子は、インク中の顔料の記録媒体への乾燥定着用の成分としてインク中に使用可能であれば特に限定されない。例えば、インクジェット用のインクの顔料定着用の樹脂粒子から、インク中における溶剤成分との併用において目的とする効果を得ることができるものを選択して用いることができる。このような樹脂粒子の材質としては、スチレン・アクリル系ポリマー、ポリウレタン等が挙げられる。これらの樹脂は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。樹脂粒子の平均粒子径は、インクの保存安定性および吐出安定性を確保する観点から、5nm以上、400nm以下が好ましく、50nm以上、300nm以下がより好ましい。インク中の樹脂粒子の含有率は0.5質量%以上、15質量%以下であることが好ましく、0.7質量%以上、13質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上、10質量%以下であることがさらに好ましい。該含有率がこの範囲内であることにより、インク非吸収性またはインク低吸収性の記録媒体上においても、本発明に係る方法によってインクを記録媒体上に強固に固化および定着させることができる。
(溶剤)
本発明に係る溶剤は、エチルカルビトール(以下、ECrbtlとも示す)、メチルカルビトール(以下、MCrbtlとも示す)、エチレングリコールエチルエーテル(以下、EGEEとも示す)、エチレングリコールメチルエーテル(以下、EGMEとも示す)からなる群から選択される少なくとも一種である。
本発明者等が鋭意検討した結果、色材の含有率と樹脂粒子の含有率との割合(A)、および、樹脂粒子の含有率と溶剤の含有率との割合(B)が、高い耐久性を備える画像を短時間で形成することと、吐出休止後の画像欠陥の発生防止との両立において重要であることが分かった。まず、図4(a)を用いて画像欠損現象の発生防止について説明する。図4(a)は、着弾精度が十分である吐出速度を確保できる領域(破線で囲まれた部分)を示す模式図である。例えば、割合(A)の値が小さく、かつ割合(B)の値が大きい場合(W点)、吐出休止中に吐出口内部で水分が蒸発することにより樹脂粒子同士が接近し、インクの粘度が上昇する。このため、インクの再吐出が困難となる。一方、割合(B)の値が小さく、かつ割合(A)の値が大きい場合(X点)、インク中の固形分が多いためインクの吐出はやや困難である。次に、図4(b)を用いて画像の耐久性について説明する。図4(b)は、印字物の耐久性が十分な領域(破線で囲まれた部分)を示す模式図である。割合(B)の値が小さく、かつ割合(A)の値が大きい場合(Y点)、色材量に比べて樹脂粒子量が少ないため画像の耐久性が低い。一方、割合(A)の値が小さく、かつ割合(B)の値が大きい場合(Z点)、溶剤量が少ないため印字後の乾燥時に短時間で印字物が定着せず、耐久性が低い。
以上より、本発明者らは、高い耐久性を備える画像を短時間で形成することと、吐出休止後の画像欠陥の発生防止とを両立させるためには、色材の含有率と樹脂粒子の含有率との割合、および、樹脂粒子の含有率と溶剤の含有率との割合は下記式(2)を満たす必要があると考えた。なお、下記式(2)中、P>0、Q>0である。
Figure 2015205999
前記式(2)を満たす領域は図4(c)の実線で囲まれた部分で表される。図4(c)は、図4(a)と(b)の模式図を重ね合わせた図であり、高い耐久性を備えた画像を短時間で形成でき、かつ、吐出口からの水分蒸発に起因する画像欠陥の発生を防止できる領域を示す模式図である。なお、溶剤はECrbtl、MCrbtl、EGEEおよびEGMEから選択される溶剤であり、溶剤として2−メチル−1,3―プロパンジオールや2−ピロリドン等を用いた場合には、画像の耐久性が十分ではなく、前記式(2)には当てはまらない。
本発明者等は前記溶剤を用い、色材の含有率と樹脂粒子の含有率との割合、および、樹脂粒子の含有率と溶剤の含有率との割合についてさらに検討を進めた。その結果、前記式(1)を満たすことで、高い耐久性を備える画像を短時間で形成することと、画像欠陥の発生防止とを両立させることができることが分かった。インク中の溶剤の含有率は5質量%以上、45質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、40質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上、35質量%以下であることがより好ましい。
(水)
水としては脱イオン水(イオン交換水)を使用することが好ましい。インク中の水の含有率は50質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、55質量%以上、85質量%以下であることがより好ましい。インクの主溶媒を水とすることによって、有機溶媒を主溶媒とした場合と比較してインクの粘度が低下し、インクジェット記録ヘッドでのインクの吐出を安定に行うことができる。
(界面活性剤)
界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤は、記録媒体上でインクを均一に拡げる作用を有する。そのため、インクがノニオン系界面活性剤を含むことにより、濃淡ムラやにじみがより少なく、鮮明な画像が得られる。ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤、多環フェニルエーテル系界面活性剤、ソルビタン誘導体、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、特に上述した効果に優れる観点から、界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。インク中の界面活性剤の含有率は0.1質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上、2質量%以下であることがより好ましい。
(その他の成分)
インクは、上記成分以外にも必要に応じて、前記以外の溶剤、尿素、エチレン尿素等の含窒素化合物、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤等のその他の成分を含んでもよい。また、定着における熱の吸収特性を向上させる観点から、インクは赤外吸収材を含んでもよい。これらのその他の成分は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
<インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法>
本発明に係るインクジェット記録方法を実行するのに好適なインクジェット記録装置の一例を、図1を用いて以下に説明する。図1にインクジェット記録装置100の主要構成の搬送方向断面図を示す。記録媒体Pは不図示の給紙ローラによって矢印1で示される方向に搬送される。矢印1の方向に沿って給紙された記録媒体Pは、LFローラ27とピンチローラ26とに狭持されてこれらのローラが回転することによりインクジェット記録ヘッド101の直下に搬送される。インクジェット記録ヘッド101はアルミステイ102に支持された不図示のキャリッジに搭載されている。これにより、主走査方向(図1の紙面に垂直な方向)においてインクジェット記録ヘッド101を記録媒体Pに対して走査し、この間にインクを吐出して記録媒体Pに記録を行う。また、LFローラ27と同軸で回転する不図示のエンコーダが設けられている。これにより、LFローラ27の回転量を、記録媒体Pの搬送距離に換算して1/2400インチ(10.58μm)の解像度で検知する。プラテン29は搬送される記録媒体Pを下側から支持する。液体乾燥装置15はインクジェット記録ヘッド101の搬送方向の上流側またはインクジェット記録ヘッド101の直上に配置される。記録媒体Pに対してインクジェット記録ヘッド101を用いてインクを付与する工程の前または該工程中に液体乾燥装置15を用いて記録媒体Pを加熱し、該工程により付与されたインク中の溶剤及び水の少なくとも一部を乾燥することがスループット向上の観点から好ましい。液体乾燥機構15はシーズヒータ31および赤外反射板32を備える。赤外反射板32は、記録媒体Pの搬送路側からみてシーズヒータ31の背面側を包囲するとともに、前面側(搬送路側)に開口が形成された形状を有し、シーズヒータ31から背面側へ照射された熱を搬送路側へ反射するように設けられている。赤外線センサー23は記録領域の記録媒体P上の温度を測定し、制御装置21を介してシーズヒータ31の出力を制御する。このとき、記録媒体P上のインクの温度はインクに含まれる樹脂粒子のガラス転移温度を超えないように制御されることが好ましい。液体乾燥装置15に用いられる加熱装置としては、温度が制御できる装置であれば特に限定されず、輻射加熱式のシーズヒータや赤外線ヒータを用いてもよく、接触加熱式のシートヒータを用いてもよい。シートヒータは内部に耐熱性に優れたシリコンゴム等に対してシーズヒータ(図示せず)を埋設して構成されたものである。
また、輻射加熱式のヒータと接触加熱式のヒータとを組み合わせて用いてもよい。また、インクジェット記録ヘッド101の隣には送風装置61が設けられている。送風装置61はインクジェット記録ヘッド101の直下の記録媒体Pに送風することができる。記録媒体Pに対してインクジェット記録ヘッド101を用いてインクを付与する工程において、付与されたインク中の溶剤及び水の少なくとも一部を送風により乾燥することが、スループット向上の観点から好ましい。該送風の風速は特に限定されないが、例えば5m/sとすることができる。
膜乾燥装置50は記録媒体Pに付与されたインクを乾燥させるエネルギーを供給するための2本のシーズヒータ51を備える。膜乾燥装置50には、記録媒体Pの搬送路側からみてシーズヒータ51の背面側を包囲するとともに、前面側(搬送路側)に開口が形成された形状を有し、シーズヒータ51から背面側へ照射された熱を搬送路側へ反射する反射板52が設けられている。反射板52は、シーズヒータ51が発熱したときに、記録媒体Pに照射される熱量が照射範囲の略全面にわたって略均一になるように形状等が調整されている。赤外線センサー24はシーズヒータ52直下における記録媒体P上の温度を測定し、制御装置21を介して加熱温度を制御する。このとき、記録媒体P上のインクの温度は60℃以上であることが好ましい。また、記録媒体Pは60秒以上60℃以上に保たれることが好ましい。記録媒体Pが60秒以上60℃以上に保たれることで、インクが記録媒体Pに定着する強度が向上する。膜乾燥装置50に用いられる加熱装置としては、温度が制御できる装置であれば特に限定されず、輻射加熱式のシーズヒータや赤外線ヒータを用いてもよく、接触加熱式のシートヒータを用いてもよい。また、輻射加熱式のヒータと接触加熱式のヒータとを組み合わせて用いてもよい。さらに、さらにファンやダクトなどの送風機構を備えてもよい。定着プラテン30は搬送される記録媒体Pの裏面を支持する。記録媒体Pの定着画像を有する部分は、排出ローラ28を含む不図示の排紙装置により排紙される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、文中の「部」および「%」は特に断りのない限り質量基準である。
[黒顔料樹脂分散液(樹脂分散Bk)の調製]
スチレン−アクリル酸共重合体(重量平均分子量10000)10部、水酸化カリウム1.0部、及びイオン交換水79部を混合した後、ウォーターバスで70℃に加温し、水溶液を得た。該水溶液に予めミキシングを行ったカーボンブラック(商品名:BP1100、Cabot社製)10部と、テトラヒドロフラン1部とを加え、30分間プレミキシングを行った。その後、分散機としてナノマイザー(製品名:ナノマイザー、吉田機械興業(株)製)を用い、粉砕分散回数を30回として、分散処理を行った。その後、更にエバポレーター(80℃、8.5×10Pa)でテトラヒドロフランを蒸発させることで、黒顔料樹脂分散液を得た。黒顔料樹脂分散液の顔料濃度は10%であった。また、黒顔料樹脂分散液中の顔料の平均粒子径は42nmであった。なお、顔料の平均粒子径はNanotrac 150(製品名、Microtrac Inc.製)を用いて測定した。
[シアン顔料樹脂分散液(樹脂分散Cy)の調製]
カーボンブラックをC.I.PigmentBlue15:3に変更した以外は、黒顔料樹脂分散液と同様にシアン顔料樹脂分散液を調製した。シアン顔料樹脂分散液の顔料濃度は10%であった。また、シアン顔料樹脂分散液中の顔料の平均粒子径は87nmであった。
[マゼンタ顔料樹脂分散液(樹脂分散M)の調製]
カーボンブラックをC.I.PigmentRed122に変更した以外は、黒顔料樹脂分散液と同様にマゼンタ顔料樹脂分散液を調製した。マゼンタ顔料樹脂分散液の顔料濃度は10%であった。また、マゼンタ顔料樹脂分散液中の顔料の平均粒子径は81nmであった。
[面擦過試験]
各実施例及び比較例で調製したインクを、図1に示すインクジェット記録装置(インクジェット記録ヘッドはIPF815(製品名、キヤノン(株)製)のものを使用)のインクタンクに収納した。該インクジェット記録装置を用いて、該インクをポリ塩化ビニルフィルム(商品名:KSM−VS、きもと社製)へ吐出し、各色の100%デューティベタパッチ(幅4センチ/長さ20センチ)を作製した。なお、「デューティー」とは、デューティー(%)=実印字ドット数/(縦画素数×横画素数)×100の式で算出される値である。
摩擦に対する染色堅牢度試験方法(JIS L−0849)に規定されている摩擦試験機II形(学振形)に準拠した装置を使用し、JIS染色堅牢度試験用単一繊維布で200回擦った。その後、スキャナー(製品名:CanoScan 9000F、キヤノン(株)製)で擦過部分とその周辺部分を画像として読み込んだ。次に、画像処理ソフト(商品名:Photoshop、Adobe社製)を用い、記録媒体上の無印字部分の色値を255、印字部分のうち非擦過部分の色値を0とした256階調で擦過部分の色を数値化した。その数値の平均値を最大値である255で除算し、この値を1から減じた値を100倍した値を残存率とした。評価は各色の残存率を平均し、表1に示す基準で行った。
Figure 2015205999
[着弾精度試験]
各実施例及び比較例で調製したインクを、図1に示すインクジェット記録装置(インクジェット記録ヘッドはIPF815(製品名、キヤノン(株)製)のものを使用)のインクタンクに収納した。その後、図2に示すように、記録媒体10(ポリ塩化ビニルフィルム(商品名:KSM−VS、きもと社製)上に印字を行った。具体的には、長方形パターン11、基準線12a、12b、13a、13b、14(以下、基準線12a〜14とも示す)及び評価線15を印字した。以下、具体的な印字方法について、図2及び図3を用いて説明する。
インクジェット記録装置のインクジェット記録ヘッドを搬送しつつ、該インクジェット記録ヘッド上に600dpiで1列に並んだ256個の吐出口からインクを吐出し、ベタ画像の長方形パターン11を印字した。長方形パターン11を印字した直後に256個の吐出口からインクを1滴ずつ吐出し、キャリッジ移動方向に1/200インチ(127μm)ずつ間隔が空くように、基準線12a〜14をそれぞれ印字した。基準線12a〜14を印字することで、図3のAに示される画像を形成した。その後、記録媒体10を図1の記録媒体搬送方向に0.43インチ(11mm)搬送し、一定時間吐出を休止した後、再び256個の吐出口からインクを1滴ずつ吐出し、評価線15を印字した。なお、基準線12bを印字してから評価線15を印字するまでの印字間隔が10秒となるように、吐出を休止した。その後、図1に示すインクジェット記録装置の乾燥機構により、記録媒体上に付与されたインクの乾燥を行った。
得られた評価線15を構成する画素を光学顕微鏡(製品名:BX60M、オリンパス(株)製)とデジタルカメラ(製品名:MagnaFire SP、OPTRONICS Inc.製)を用いて撮影した。画像解析ソフト(商品名:Image−Pro Plus、Media Cybernetics社製)を用いて評価線15を構成する画素を解析し、画素それぞれの位置情報を得た。なお、画素とは、吐出口1個から吐出されたインク1滴が形成する画像を指す。
得られた評価線15を構成する画素の位置情報と、図3で示される仮想線16a、16b、17a及び17bとを用い、下記の基準によって評価した。なお、仮想線16a、16b、17a及び17bは、基準線12a、12b、13a、13b及び14を構成する画素列の中心線から、評価線15の画素列が形成された方向に延長して得られる仮想線である。また、下記評価が3以上であれば十分な着弾精度(印字間隔20秒)を有する。
5:評価線15を構成する全ての画素の数に対する、仮想線16a及び16bに挟まれた領域内に収まっていない画素の数の割合が50分の1以下である。更に、仮想線17a及び17bに挟まれた領域内に評価線15を構成する全ての画素が収まっている。この評価では罫線を構成する画素に着弾乱れが殆ど生じていないため、罫線は印字前に意図した太さとほぼ同じ太さで見える。
4:評価線15を構成する全ての画素の数に対する、仮想線16a及び16bに挟まれた領域内に収まっていない画素の数の割合が50分の1より多い。更に、評価線15を構成する全ての画素の数に対する、仮想線17a及び17bに挟まれた領域内に収まっていない画素の数の割合が50分の1以下である。この評価では罫線を構成する画素の一部に僅かに乱れが生じているため、罫線は印字前に意図した太さに比べて僅かに太っているように見える。
3:評価線15を構成する全ての画素の数に対する、仮想線17a及び17bに挟まれた領域内に収まっていない画素の数の割合が50分の1より多く、10分の1以下である。この評価では罫線を構成する画素の一部が理想着弾位置から離れて位置するため、罫線は印字前に意図した太さに比べてやや太っているように見え、やや薄く見える。
2:評価線15を構成する全ての画素の数に対する、仮想線17a及び17bに挟まれた領域内に収まっていない画素の数の割合が10分の1より多い。この評価では罫線を構成する画素が理想着弾位置から離れて位置するため、罫線は印字前に意図した太さに比べて太っているように見え、薄く見える。
1:一部の吐出口からインクが吐出されない。この評価では罫線を構成する画素の一部が欠けているため、罫線は印字前に意図した濃さに比べてかなり薄く見える。
<実施例1から40、比較例1から45>
表2から16に示す組成のインクを調製した。該インクを用いて面擦過試験及び着弾精度試験を行った。結果を表2から16に示す。なお、黒顔料自己分散顔料(自己分散Bk)としてはCAB−O−JET 300(商品名、Cabot社製)を使用した。シアン顔料自己分散顔料(自己分散Cy)としてはCAB−O−JET 250C(商品名、Cabot社製)を使用した。マゼンタ顔料自己分散顔料(自己分散M)としてはCAB−O−JET 260M(商品名、Cabot社製)を使用した。
樹脂粒子にはジョンクリル537J(商品名、BASF社製)を使用した。ノニオン系界面活性剤にはフッ素系界面活性剤であるZONYL FSO(商品名、デュポン社製)を用いた。2Me1,3PDは2−メチル−1,3−プロパンジオール、BCrbtlはブチルカルビトールを示す。Aは色材の含有率(%)/樹脂粒子の含有率(%)、Bは樹脂粒子の含有率(%)/溶剤の含有率(%)を示す。
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以上より、本発明の要件を満たす実施例1から40では、高い耐久性を備える画像を短時間で形成することができ、かつ、吐出口からの水分蒸発に起因する吐出休止後の画像欠陥の発生を防止することができた。
100 インクジェット記録装置
101 インクジェット記録ヘッド
102 アルミステイ
10 記録媒体
11 長方形パターン
12a、12b、13a、13b、14 基準線
15 評価線
16a、16b、17a、17b 仮想線
21 制御装置
25 液体乾燥装置
26 ピンチローラ
27 LFローラ
28 排出ローラ
29 プラテン
30 定着プラテン
23 赤外線センサー
24 赤外線センサー
31 シーズヒータ
32 赤外反射板
51 シーズヒータ
52 反射板
53 定着装置
61 送風装置
P 記録媒体

Claims (10)

  1. (a)記録媒体に対してインクジェット記録ヘッドを用いてインクを付与する工程と、
    (b)前記インクが付与された記録媒体を乾燥する工程と、
    を含むインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、色材と、樹脂粒子と、エチルカルビトール、メチルカルビトール、エチレングリコールエチルエーテル及びエチレングリコールメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤と、水と、を含有し、
    前記インク中の、前記色材の含有率(%)、前記樹脂粒子の含有率(%)、及び前記溶剤の含有率(%)が、下記式(1)の関係を満足するインクジェット記録方法。
    Figure 2015205999
  2. 前記工程(a)において、付与されたインク中の溶剤及び水の少なくとも一部を送風により乾燥する請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記工程(a)の前または前記工程(a)中に前記記録媒体を加熱し、工程(a)により付与されたインク中の溶剤及び水の少なくとも一部を乾燥する請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記色材が顔料である請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記記録媒体のブリストー法による液体吸収性測定で得られる水に対するKa値が0.2(ml/m・msec1/2)以下である請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記記録媒体がポリ塩化ビニルフィルムである請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記色材の含有率が0.5質量%以上、20質量%以下である請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記樹脂粒子の含有率が0.5質量%以上、15質量%以下である請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記溶剤の含有率が5質量%以上、45質量%以下である請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記インクがノニオン系界面活性剤を含む請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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