JP2021138885A - 処理液及び記録方法 - Google Patents

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JP2021138885A JP2020039605A JP2020039605A JP2021138885A JP 2021138885 A JP2021138885 A JP 2021138885A JP 2020039605 A JP2020039605 A JP 2020039605A JP 2020039605 A JP2020039605 A JP 2020039605A JP 2021138885 A JP2021138885 A JP 2021138885A
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Abstract

【課題】ベタ画質に優れ、白化が抑制された記録物を得ることができ、かつ、目詰まり回復性にも優れる処理液を提供することを目的とする。【解決手段】インク組成物とともに記録に用いる処理液であって、2価の第1金属の塩と、前記第1金属と金属種の異なる第2金属と、水と、を含有し、前記第2金属の総含有量が、前記第1金属の塩の総量に対して、0.01〜0.3質量%である、処理液。【選択図】なし

Description

本発明は、処理液及び記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、画質の向上等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、保存安定性に優れつつ、非吸収性記録媒体に対する濡れ性に優れた処理液とそれを用いた記録方法が開示されている。より具体的には、特許文献1には、水と、インクの成分を凝集させる凝集剤と、2種以上の所定の疎水性指標を満たす有機化合物と、を含有する処理液が開示されている。
特開2015−186879号公報
しかしながら、処理液を用いる場合において、処理液の凝集作用の制御は容易ではなく、凝集作用が強すぎる或いは弱すぎることによる問題が生じ得ることに関して、未だ十分ではなかった。
本発明は、インク組成物とともに記録に用いる処理液であって、2価の第1金属の塩と、第1金属とは金属種の異なる第2金属と、水と、を含有し、第2金属の総含有量が、第1金属の塩の総量に対して、0.01〜0.3質量%である処理液である。
また、本発明は、上記処理液を記録媒体へ付着させる処理液付着工程と、インク組成物を記録媒体へ付着させるインク付着工程と、を有し、処理液とインク組成物とを、記録媒体の同一領域に付着させる、記録方法である。
本実施形態のインクジェットヘッドのノズル形成面を表す平面図である。 本実施形態のインクジェットヘッドのノズル形成面の他の例を表す平面図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の一例を表す斜視図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
1.処理液
本実施形態の処理液は、インク組成物とともに記録に用いる処理液であって、2価の第1金属の塩と、第1金属と金属種の異なる第2金属と、水と、を含有し、第2金属の総含有量が、第1金属の塩の総量に対して、0.01〜0.3質量%である。また、本実施形態の処理液は、上記の他に必要に応じて、有機溶剤、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤などを含んでいてもよい。
インク組成物と凝集剤を含む処理液とを用いて記録を行う記録方法を用いることで、記録媒体上でインク組成物を早期に固定化することができる。そのため、当該記録方法により得られる記録物の画質は優れたものとなる。一方で、処理液の凝集作用は、かえって画質を低下させることもあり、その凝集作用の制御には未だ課題があるといえる。例えば、ある成分の凝集作用が強すぎる場合には、得られる画質は向上するものの、インクジェットで吐出した際にインクジェットヘッドと記録媒体との間の空間で生じる処理液のミスト等が、インクを吐出するノズルの目詰まりを生じさせ、目詰まりの回復が困難となる。
また、そのような成分の量が多いと、得られる記録物の表面が白化するという問題も生じる。この白化は、成分が結晶化することなどにより生じる。
さらに、インクの成分が凝集して大きな粒子となるため、塗膜の表面の平滑さが劣り、記録物の光沢感や耐擦性が低下する傾向がある。
一方で、凝集作用が弱すぎる場合には、得られる画質が低下する。
特に、凝集作用の強弱は成分ごとに異なり、凝集作用の強いものと弱いものとの差は相応に大きいことがある。そのため、一成分によって凝集作用を精密に制御することは容易ではない。
これに対して、本実施形態においては、異なる2つの金属を所定量用いることにより、処理液の有する凝集作用を制御することにより、得られる画質をより優れたものとしつつ、吐出不良や、白化を抑制することができる。以下、各成分について詳説する。
1.1.第1金属の塩
本実施形態の処理液は、2価の第1金属の塩を含む。ここで、第1金属は、金属種の異なる第2金属と相対的な関係で規定される金属ということもでき、その量的関係からすると、第1金属が主たる金属種であり、第2金属が少量存在する金属種ということができる。このような量的関係を有する2種の金属を用いることにより、処理液の凝集作用を制御することができ、得られる画質をより優れたものとしつつ、目詰まり回復性や、白化を抑制することができる。
第1金属の第1イオン化エネルギーE1は、好ましくは550kJ/mol以上である。一方、好ましくは1000kJ/mol以下である。さらには、好ましくは550〜1000kJ/molであり、より好ましくは650〜950kJ/molであり、よりさらに好ましくは675〜900kJ/molであり、さらに好ましくは700〜800kJ/molである。
第1イオン化エネルギーE1が上記範囲以上であることにより、画質が優れ好ましい。さらに、第1イオン化エネルギーE1が上記範囲以上であることにより、主成分たる第1金属の凝集作用が弱くなりすぎず、得られる画質がより向上する傾向にある。
また、第1イオン化エネルギーE1が上記範囲以下であることにより、第1金属が相対的に凝集作用が低くなり、または穏やかな凝集作用を有し、吐出不良や、白化がより抑制される傾向にあり好ましい。
第1金属のイオン半径r1は、好ましくは120pm以下であり、さらに好ましくは100pm以下であり、より好ましくは80pm以下である。一方、好ましくは40pm以上である。さらには、より好ましくは40〜75pmであり、さらに好ましくは50〜70pmである。イオン半径r1が上記範囲以下であることにより、第1金属は相対的に穏やかな凝集作用を有し、目詰まり回復性や、白化がより抑制される傾向にある。また、イオン半径r1が40pm以上であることにより、主成分たる第1金属の凝集作用は、強くなり、または弱くなりすぎず、得られる画質がより向上する傾向にある。なお、イオン半径は、ポーリングによるイオン半径である。
上記各条件を満たすような第1金属としては、特に制限されないが、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム、などの第二族典型金属、鉄、ニッケル、チタン、銅などの遷移金属、亜鉛、鉛などの典型金属(卑金属)が挙げられる。このなかでも、第二族典型金属が好ましく、マグネシウムがより好ましい。このような第1金属を用いることにより、得られる画質をより優れたものとしつつ、目詰まり回復性や、白化がより抑制される傾向にある。
第1金属の塩としては、特に制限されないが、例えば、蟻酸、酢酸、安息香酸塩などのカルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が挙げられる。このなかでも、好ましくは、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩がより好ましい。このような塩を用いることにより、得られる画質をより優れたものとしつつ、目詰まり回復性や、白化がより抑制される傾向にある。第1金属は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
第1金属の塩の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは1.0〜5.5質量%であり、さらに好ましくは1.5〜3.5質量%である。第1金属の塩の含有量が0.5質量%以上であることにより、得られる画質がより向上する傾向にある。また、第1金属の塩の含有量が10質量%以下であることにより、目詰まり回復性や白化がより抑制される傾向にある。
1.2.第2金属
第2金属は、上述の第1金属とは金属種が異なる金属である。第2金属は、1価以上の金属であり、1〜3価の金属であってもよく、1価又は2価の金属であってもよい。
第2金属は、第1金属と比較して、少量存在する成分である。特に制限されないが、例えば、第2金属によって、第1金属の有する凝集作用を調整することが可能となる。そのため、第1金属の塩と、第2金属の、量的関係が重要となる。
第2金属は1種用いても2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、2種以上の各第2金属により、第1金属の有する凝集作用を調整することも可能となる。この場合、特に、第1金属の塩と、第2金属の総量との、量的関係が重要となる。
第2金属の第1イオン化エネルギーE2は、1000kJ/mol以下が好ましい。下限は200kJ/mol以上が好ましい。
また、より好ましくは640kJ/mol以下である。さらに好ましくは200〜640kJ/molであり、より好ましくは300〜620kJ/molであり、さらに好ましくは400〜600kJ/molである。
特に、第2金属の第1イオン化エネルギーE2が、第1金属の第1イオン化エネルギーE1よりも小さいことが好ましい。特に、第2金属の第1イオン化エネルギーE2が、第1金属の第1イオン化エネルギーE1よりも50kJ/mol以上小さいことが好ましく、100kJ/mol以上小さいことがより好ましく、100〜300kJ/mol小さいことがさらに好ましく、100〜200kJ/mol小さいことが特に好ましい。
第1イオン化エネルギーE2が、比較的小さい場合、第2金属が凝集性が優れ画質がより向上する傾向にある。
この場合、第2金属の価数が第1金族の価数と同じか高いものが好ましい。
第2金属の第1イオン化エネルギーE2が比較的小さい場合、第2金属は第1金属と比べ相対的に強い凝集作用を有し、得られる画質がより向上する傾向にある。
この場合、第1イオン化エネルギーE2が200kJ/mol以上であることにより、主成分たる第1金属と比べて第2金属が過度に強い凝集作用を発揮することを抑制でき、目詰まり回復性や白化がより抑制される傾向にある。
この場合、第1金属の第1イオン化エネルギーE1は、第2金属の第1イオン化エネルギーE2よりも大きいことが好ましい。第1金属の第1イオン化エネルギーE1は、第1イオン化エネルギーE2に対して、好ましくは0.7〜2.0倍であり、より好ましくは1.1〜1.9倍であり、さらに好ましくは1.2〜1.8倍である。
この場合、第2金属のイオン半径r2は、好ましくは40pm以上であり、さらに好ましくは85pm以上であり、より好ましくは90〜200pmであり、さらに好ましくは95〜150pmである。イオン半径r2が上記範囲以上であることにより、顔料と凝集剤の反応性がより向上する傾向にある。または第2金属の凝集作用が弱くなりすぎず、得られる画質がより向上する傾向にある。一方、第2金属のイオン半径r2が上記範囲以下であることにより、第2金属の凝集作用は強くなり過ぎず、または弱くなり、目詰まり回復性などがより向上する傾向がある。
この場合、第2金属として、カルシウム、バリウム、銅などが好ましい。この場合、第1金属として、マグネシウム、チタン、ニッケル、鉄、亜鉛などが好ましい。
一方、第2金族の第1イオン化エネルギーE2が、第1金属の第1イオン化エネルギーE1よりも大きいものにすることも好ましい。この場合、主成分たる第1金属よりも、第2金属のほうが凝集作用が低くなる傾向がある。これにより第1金属の塩の凝集作用を抑える働きがある。これにより、目詰まり回復性がより優れ、白化がより抑制される傾向にあり好ましい。この場合、第2金族の第1イオン化エネルギーE2が、第1金属の第1イオン化エネルギーE1よりも、50kJ/mol以上大きいことが好ましく、100kJ/mol以上大きいことがより好ましく、100〜300kJ/mol大きいことがさらに好ましく、100〜200kJ/mol大きいことが特に好ましい。
この場合、第2金属は、第1金属よりも価数が低いものでも、または価数が同じか高いものでもよい。
この場合、第2金属の第1イオン化エネルギーE2は、第1イオン化エネルギーE1に対して、好ましくは1.05〜2.0倍であり、より好ましくは1.1〜1.9倍であり、さらに好ましくは1.2〜1.8倍である。
この場合、第1金属のイオン半径r1は、好ましくは120pm以下であり、さらに好ましくは110pm以下である。また、好ましくは40pm以上であり、より好ましくは80pm以上であり、さらに好ましくは90pm以上である。イオン半径r1が上記範囲以下であることにより、第1金属は、凝集作用に優れ、画質がより優れ好ましい。
この場合、第2金属のイオン半径r2は、好ましくは40pm以上であり、さらに好ましくは50pm以上であり、より好ましくは55pm以上である。また、好ましくは150pm以下であり、より好ましくは95pm以下であり、さらに好ましくは、80pm以下である。イオン半径r2が上記範囲以上であることにより、目詰まり回復性などがより向上する傾向がある。
この場合、第1金属として、カルシウム、バリウム、銅などが好ましい。この場合、第2金属として、マグネシウム、チタン、ニッケル、鉄、亜鉛などが好ましい。
また、第2金属は、第1金属よりも価数が低い金属としてもよい。つまり1価の第2金属としてもよい。
第2金属が、価数が比較的小さい場合、主成分たる第1金属よりも、第2金属が凝集作用が低くなる傾向がある。これにより第1金属の塩の凝集作用を抑える働きがある。これにより、目詰まり回復性がより優れ、白化がより抑制される傾向にあり好ましい。
この場合、第2金属のイオン半径や第1イオン化エネルギーE2は、前述するようなものであることができる。
この場合、第2金属として、カリウム、ナトリウム、リチウムなどなどが好ましい。特に、カリウム、ナトリウムが好ましい。この場合、第1金属は前述するような第1金属であることができる。
なお、第2金属が第1金属よりも価数が低い金属である場合は、第2金属の第1イオン化エネルギーE2や、第1金属の第1イオン化エネルギーE1、あるいはそれらのイオン半径によらず、第1金属よりも第2金属が凝集作用が低くなる傾向がある。
一方、第2金属が第1金属と比べて、価数が同じか高い場合は、第1イオン化エネルギーE2や第1金属の第1イオン化エネルギーE1によって、あるいはイオン半径によって、第1金属よりも第2金属が、凝集作用が高くなるか、低くなるかが決まる傾向がある。第2金属が第1金属と比べて、価数が同じ場合は、特にこの傾向がある。
第2金属が、第1金属よりも凝集作用が高いものである場合、画質をより優れたものにでき好ましい。また、主たる第1金属が比較的凝集性が低いものであり、第2金属が第1金属よりも凝集作用が高いものであることで、処理液が穏やかな凝集性を有することにより、目詰まり回復性や白化抑制などがより優れ、かつ優れた画質が得られ好ましい。
このような場合としては、第2金属の価数が、第1金属の価数と同じか大きく、第2金属の第1イオン化エネルギーE2が、第1金属の第1イオン化エネルギーE1よりも小さい場合などがあげられる。
一方、第2金属が、第1金属よりも凝集作用が低い第2金属である場合、目詰まり回復性や白化抑制などがより優れ、かつ優れた画質が得られ好ましい。なお、第2金属が第1金属よりも凝集作用が低い第2金属である場合、このような第2金属自身が凝集作用が低いというだけではなく、このような第2金属を含むことにより第1金属の凝集性を抑える働きがあると推測する。
このような場合としては、第2金属の価数が、第1金属の価数より低い場合や、第2金属の価数が第1金属の価数と同じか大きく、第2金属の第1イオン化エネルギーE2が、第1金属の第1イオン化エネルギーE1よりも小さい場合、などがあげられる。
第2金属が、第1金属よりも凝集作用が高い第2金属と、第1金属よりも凝集作用が低い第2金属とを、両方含む場合、目詰まり回復性や白化抑制などがより優れ、かつ画質がより優れ好ましい。
第2金属や第1金属の凝集作用の大小の関係は、下記の様にして試験を行い確認してもよい。第1金属の塩、第2金属の塩を用意する。各金属ごとに金属の塩の5質量%水溶液を調製する。第1金属の塩は、処理液に含有する第1金属の塩である。第2金属の塩は、処理液に含む第2金属が塩であれば、該第2金属の塩であり、塩ではない場合は、第2金属の酢酸塩を用意する。なお、処理液に含有する第1金属の塩や、第2金属の塩が、5質量%では水に溶解し難い場合は、該金属の酢酸塩を用いて5質量%水溶液を調製する。酢酸塩は水に溶け易いことや、金属の凝集作用の大小は金属種で決まる傾向があり、金属の酢酸塩を用いても、凝集作用の大小の確認が可能であるためである。
調製した金属塩の水溶液40gに対して、該処理液と共に記録に用いるインク組成物を0.04g添加する。これを攪拌後、この液を平均粒子径を測定する。平均粒子径の測定は、フロー式粒子像分析装置で測定する。例えば、マルバーン社製のFPIA−3000Sが使用できる。平均値はメジアン径(D50)とする。
測定される平均粒子径は、インク組成物に含まれていた成分が、金属の凝集作用により凝集した平均粒子径である。金属の凝集作用が大きい方が平均粒子径が大きくなる傾向がある。
こうして測定された第1金属の平均粒子径(第1金属の水溶液を用いて試験した場合の平均粒子径)に対して、第2金属の平均粒子径が異なれば、第2金属の凝集作用が、第1金属の凝集作用とは異なる。特には、10%以上異なれば、第2金属の凝集作用が、第1金属の凝集作用とは異なるとする。第1金属の場合の平均粒子径と比べ、第2金属の場合の平均粒子径が大きい場合、第2金属の凝集作用が第1金属の凝集作用より大きく、第2金属の場合の平均粒子径が小さい場合、第2金属の凝集作用が第1金属の凝集作用より小さい。
第1金属の平均粒子径に対して、第2金属の平均粒子径が大きく異なるほうが、第2金属の凝集作用が第1金属の凝集作用と比べ大きく異なり、処理液全体の凝集作用の調整がし易く好ましく、10%以上異なることが好ましく、20%以上異なることが好ましく、30%以上異なることがより好ましく、50%以上異なることがさらに好ましい。差の上限は限るものではないが、500%以下が好ましく、200%以下がより好ましく、100%以下がさらに好ましい。
上述したように、上記条件を満たすような第2金属としては、特に制限されないが、例えば、カリウムやナトリウムなどのアルカリ金属(第1族金族)、カルシウムなどのアルカリ土類金属(第2族金族)が挙げられる。
このなかでも、2価の金属として、カルシウムがより好ましい。このような第2金属を用いることにより、画質がより向上する傾向にある。
また、カリウムやナトリウムなどの1価の金属も好ましい。このような第2金属を用いることにより、目詰まり抑制などがより向上する傾向にある。
処理液中に含まれる第2金属の態様は、金属の状態の他、金属酸化物、金属塩など任意の金属化合物の態様であってもよい。この中でも金属塩が好ましい。塩としては、特に制限されないが、例えば、蟻酸、酢酸、安息香酸塩などのカルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が挙げられる。
第2金属の含有量は、第1金属の塩の含有量に対して、0.01〜0.3質量%であり、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。さらには、0.015〜0.05質量%が好ましく、0.02〜0.03質量%が好ましい。
第2金属の含有量が、0.01質量%以上であることにより、得られる記録物の画質がより向上する傾向にある。また、第2金属の含有量が、0.3質量%以下であることにより、白化がより抑制され、目詰まり回復性がより向上する傾向にある。なお、本実施形態において含有量とは、そのカテゴリーの成分が複数種あるときはその合計含有量であることを意味し、1種であるときはその1種の含有量を意味する。つまり総含有量の意味である。
第2金属のなかでも2価以上の第2金属の第1金属の塩の含有量に対する含有量を、上記範囲としてもよい。さらには、好ましくは0.01〜0.02質量%であり、より好ましくは0.015〜0.02質量%である。
第2金属のなかでも1価の第2金属の第1金属の塩の含有量に対する含有量を、上記範囲としてもよい。及び又は、好ましくは0.001〜0.05質量%であり、より好ましくは0.002〜0.02質量%であり、さらに好ましくは0.003〜0.01質量%である。
なお、第2金属の各含有量及び総含有量は、第2金属を含む溶液を調製して、添加することで調整することができる。これにより、第2金属の種類や各含有量及び総含有量を精緻に調整することが可能となる。また、このほか、第2金属は、意図せず、処理液に混入したものも含まれる。そのため、第2金属の各含有量及び総含有量の調整では、第2金属を含む溶液の使用量のほか、処理液中に含まれる金属の各含有量や総含有量を適宜測定し、第2金属の量が所望の濃度となるように調製することができる。
例えば、処理液の調製に用いる処理液の成分に、第2金属が過度に含まれている場合は、該成分を精製して第2金属の含有量を低減することで、第2金属の含有量の調整ができる。
または、調製した処理液の第2金属の含有量を測定して、第2金族の含有量が不足していた場合は、第2金属を含む溶液を添加することで、第2金族を増加させ、第2金属の含有量の調整ができる。
例えば、硫酸マグネシウムを酸化マグネシウムの硫酸中和分解法で製造する場合がある。この場合、用いる原料の酸化マグネシウムの純度により得られる硫酸マグネシウムの純度が異なる。工業用では高純度酸化マグネシウムが使用されることが多いが、その製法によって純度が異なり、酸化マグネシウムに不純物としてマグネシウム以外の金属が含まれる場合がある。このようなものが意図せず、インク組成物に混入し得る金属となる。
この場合、例えば、硫酸マグネシウムを精製して、第2金族の含有量を適切なものにして、処理液の調製に用いればよい。または、精製した硫酸マグネシウムを用い、さらに第2金属を含む溶液を添加して、処理液を調製し、第2金族の含有量を調整すればよい。
1.3.水
処理液は水系の組成物であることが好ましい。水系の組成物は、主要な溶媒成分として少なくとも水を含有する組成物である。水の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。一方、99.5質量%以下が好ましい。さらには、好ましくは70〜80質量%であり、より好ましくは65〜85質量%であり、さらに好ましくは60〜90質量%である。
1.4.有機溶剤
有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のポリオール類;ジエチレングリコールモノ(ジ)−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ(ジ)−ブチルエーテル等のグリコール系溶媒;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−エチル−2−ピロリドン等の窒素含有溶剤が挙げられる。このなかでも、プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、2−ピロリドンが好ましい。有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤の含有量は、処理液の総質量に対して、好ましくは1〜40質量%であり、さらに好ましくは5〜35質量%であり、より好ましくは10〜30質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である。有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、記録媒体に対する濡れ性がより向上する傾向にある。
1.5.消泡剤
消泡剤としては、特に制限されないが、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、及びアセチレングリコール系消泡剤が挙げられる。消泡剤の市販品としては、BYK−011、BYK−012、BYK−017、BYK−018、BYK−019、BYK−020、BYK−021、BYK−022、BYK−023、BYK−024、BYK−025、BYK−028、BYK−038、BYK−044、BYK−080A、BYK−094、BYK−1610、BYK−1615、BYK−1650、BYK−1730、BYK−1770(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、サーフィノールDF37、DF110D、DF58、DF75、DF220、MD−20、エンバイロジェムAD01(以上商品名、日信化学工業社(Nissin Chemical Industry Co.,Ltd.)製)が挙げられる。消泡剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
消泡剤の含有量は、処理液の総質量に対して、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
1.6.界面活性剤
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、又はシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(商品名、エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製)、サーフィノール465やサーフィノール61(商品名、日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(以上商品名、旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(以上商品名、住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(以上商品名、Dupont社製);FT−250、251(以上商品名、株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、処理液の総質量に対して、好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%であり、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。
1.7.pH調整剤
本実施形態の処理液は、pH調整剤をさらに含んでいてもよい。pH調整剤は、インクのpH値の調整を容易にすることができる。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸等)、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン)、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等)等が挙げられる。このなかでも、有機塩基が好ましく、トリエタノールアミンがより好ましい。pH調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
pH調整剤の含有量は、処理液の総質量に対して、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
2.記録方法
本実施形態の記録方法は、上記処理液を記録媒体へ付着させる処理液付着工程と、インク組成物を記録媒体へ付着させるインク付着工程と、を有する。
2.1.処理液付着工程
処理液付着工程は、上記処理液を記録媒体へ付着させる工程である。前処理液を付着させる手段としては、特に限定されないが、例えば、ローラによる塗布、スプレーによる塗布、インクジェットによる塗布を利用することができる。このなかでも、インクジェットによる塗布が好ましく、処理液を、インクジェットヘッドのノズル列から吐出して記録媒体へ付着させることが好ましい。これにより、記録媒体の任意の領域に処理液を付着させることができるほか、処理液の付着量を制御することも可能となる。なお、本実施形態において、インクジェットヘッドのノズル列のうち、処理液を吐出するノズル列を第2ノズル列ともいう。
2.2.インク付着工程
インク付着工程は、インク組成物を記録媒体へ付着させる工程である。インク組成物は、インクジェット法により記録媒体に付着させることが好ましく、インク組成物を、インクジェットヘッドのノズル列から吐出して記録媒体へ付着させることが好ましい。なお、本実施形態において、インクジェットヘッドのノズル列のうち、インク組成物を吐出するノズル列をノズル列ともいう。第1ノズル列ともいう。
処理液とインク組成物は、少なくとも記録媒体の一部で接触させるよう付着させる。これにより、その部分において、インク組成物の成分を処理液により凝集させることが可能となり、得られる記録物の画質がより向上する。
図1及び2に、インクジェットヘッドのノズル形成面の一例を示す。図1及び2におけるインクジェットヘッド11では、主走査方向に交差する副走査方向(記録媒体の搬送方向)に沿ってノズル111が並設されたノズル列117が形成されている。なお、1種の液体を吐出するノズル列117は、1列であっても、図1及び2のように2列以上であってもよい。
上述したように、インクジェットヘッド11は、インク組成物を吐出する第1ノズル列Colと、処理液を吐出する第2ノズル列OPと、を有していてもよい。また、第1ノズル列Colは、用いるインク組成物の種類に応じて、複数設けられていてもよい。第1ノズル列Colと第2ノズル列OPの配置は、特に制限されない。
図1のインクジェットヘッド配置例では、インク組成物を吐出する第1ノズル列Colと、処理液を吐出する第2ノズル列OPが、インクジェットヘッド11の主走査方向S1,S2に投影したときに重なる部分を有するように、インクジェットヘッドのノズル形成面に配置されたものである。このような配置とすることにより、第2ノズル列OPによる処理液の付着と、第1ノズル列Colによるインク組成物の付着を1回の主走査(同一の主走査)で同一の領域に同時に行うことができる。
主走査を行った時にインクを付着する領域は、該主走査を行った時にインクを吐出するノズル列が記録媒体と対向する領域である。第1ノズル列Colと第2ノズル列OPの配置が、インクジェットヘッド11の主走査方向S1,S2に投影したときに、重なる部分を有する場合、第2ノズル列OPによる処理液の付着と、第1ノズル列Colによるインク組成物の付着を、1回の主走査(同一の主走査)で同一の領域に同時に行うことができる。
本配置例では、インク組成物と処理液を記録媒体の同一領域に同一の主走査で付着させる主走査を行うことで、処理液付着工程及びインク付着工程を行うものである。
この場合、図2の配置例と比べて、第1ノズル列Co1の副走査方向の長さを長くすることができ、記録速度を速くでき好ましい。または、図2において、仮に第1ノズル列Co1の副走査方向の長さを図1と同じとして記録速度は図1と同じになるようにした場合は、図1の例のほうがインクジェットヘッド11全体の副走査方向の長さを短くでき好ましい。反面、例えば、処理液のミストが、第2ノズル列OPの主走査方向に浮遊しており、処理液のミストがノズルを吐出するノズルに付着しやすく、ノズルで異物が生じやすくなる。そのため、目詰まり回復性に特に留意が必要となる。
インクジェット法による記録方法において、主走査を複数回行うことにより記録を行う方式をシリアル方式という。
シリアル方式は、特に、主走査と、主走査方向と交差する副走査方向に記録媒体を移動させる副走査を、それぞれ複数回行う。例えば、主走査と副走査を交互にそれぞれ複数回行う。
一方、インクジェット記録装置に固定された、記録媒体の記録幅以上の幅を有するインクジェットヘッドを用いて、記録媒体を記録媒体の縦方向(搬送方向)に沿って移動させ、この移動に連動してインクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出させることにより、記録媒体上に画像を形成する記録方式をライン方式という。ライン方式では、1回のパスで画像を形成することができる。本実施形態の記録方法は、ライン式方式で行ってもよい。
図2のインクジェットヘッド配置例は、インク組成物を吐出する第1ノズル列Colと、処理液を吐出する第2ノズル列OPが、インクジェットヘッド11の主走査方向S1,S2に投影したときに重なる部分を有さないように配置されている。
この場合、処理液のミストが第2ノズル列OPの主走査方向に浮遊していた場合に、処理液のミストが第1ノズル列Co1のノズルには付着し難い。この場合、目詰まり回復性がより優れ好ましい。
インク付着工程において、記録媒体に付着したインクを直ちに乾燥させる一次乾燥工程を備えても良い。一次乾燥工程は、一次乾燥工程用の乾燥機構を用いて行い、乾燥機構は、例えば、プラテンヒーター、プレヒーター、送風ファン、IRヒータなどである。加熱、送風などによりインクの乾燥促進を行う。
一次乾燥工程を行う場合、又は行わない場合において、インクが付着する時の記録媒体の表面温度は、45℃以下が好ましく、43℃以下がより好ましく、40℃以下がさらに好ましく、38℃以下が好ましい。一方、25℃以上が好ましく、30℃以上がさらに好ましく、32℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましい。
記録方法において、インクの付着が完了した記録媒体を、加熱して、記録を完了させる後乾燥工程(二次乾燥工程)を備えても良い。後乾燥工程は、後乾燥工程用の乾燥機構を用いて行い、乾燥機構は、例えば、伝導ヒーター、送風ファン、IRヒータなどである。加熱、送風などによりインクの乾燥促進を行う。
後乾燥工程を行う場合、記録媒体の表面温度は、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましい。一方、60℃以上が好ましく、70℃以上がさらに好ましく、80℃以上がより好ましい。
記録方法において、インク組成物と処理液とを重ねて付着させる領域におけるインク組成物の付着量が最大の領域において、処理液の付着量は、インク組成物の付着量に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、特に好ましくは15質量%以上である。一方、処理液の付着量は、インク組成物の付着量に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上であり、特に好ましくは15質量%以上である。この場合、画質、白化抑制、目詰まり回復性などがより優れ好ましい。
2.2.1.インク組成物
インク組成物としては、例えば、水系インクを例示することができる。水系インクの成分としては、例えば、色材、水、有機溶剤、樹脂、ワックス、消泡剤、界面活性剤、及びpH調整剤が挙げられる。ここで、「水系」とは水を主要な溶媒成分の1つとする組成物である。
2.2.1.1.色材
色材としては、染料、顔料などがあげられる。特に、発色性や耐光性が優れる点で顔料が好ましい。
顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等の無機顔料;キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料等の有機顔料が挙げられる。
色材の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは2質量%以上であり、好ましくは2〜10質量%であり、さらに好ましくは2〜7質量%である。色材の含有量が2質量%以上であることにより、目詰まり回復性が低下しやすくなる。そのため、本発明が特に有用となる。顔料の含有量が上記範囲としてもよい。
2.2.1.2.水
水の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは45〜99質量%である。さらには、好ましくは55〜80質量%であり、より好ましくは60〜75質量%であり、さらに好ましくは65〜70質量%である。
2.2.1.3.有機溶剤
消泡剤としては、上記処理液で例示したものと同様のものを挙げることができる。有機溶剤の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは5〜35質量%であり、より好ましくは10〜30質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である。
2.2.1.4.樹脂
樹脂としては、インク組成物中で溶解するもの、又は、エマルションの形態で分散しているもの(樹脂粒子)が挙げられる。このような樹脂を用いることにより、耐擦性により優れた記録物が得られる傾向にある。特に、記録媒体とインク塗膜との結着性(耐擦性)の向上に寄与する傾向があり、後述する処理液の凝集剤と反応しやすい成分となる。このような樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、パラフィン樹脂、フッ素樹脂、及び水溶性樹脂、並びにこれらの樹脂を構成する単量体を組み合わせた共重合体が挙げられる。共重合体としては、特に限定されないが、例えば、スチレンブタジエン樹脂、スチレンアクリル樹脂が挙げられる。また、樹脂としては、これら樹脂を含むポリマーラテックスを用いることができる。例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂の微粒子を含むポリマーラテックスが挙げられる。なお、樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ここで、アクリル樹脂は、少なくともアクリルモノマーを重合させて得た樹脂であり、アクリルモノマーと他のモノマーとのアクリル共重合体樹脂も含め、上記のスチレンアクリル樹脂なども含む。アクリルモノマーは(メタ)アクリル基を有するモノマーである。
樹脂の中でも、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などが好ましい。
樹脂の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは2〜12質量%であり、さらに好ましくは3〜10質量%である。樹脂の含有量が1質量%以上であることにより、得られる記録物耐擦性がより向上する傾向にある。また、樹脂の含有量が15質量%以下であることにより、インクの粘度が低下し吐出安定性に優れ、目詰まり回復性に優れる傾向にある。
2.2.1.5.ワックス
ワックスとしては、インク組成物中で溶解するもの、又は、エマルションの形態で分散するものが挙げられる。このようなワックスを用いることにより、耐擦性により優れた記録物が得られる傾向にある。特に、記録媒体上のインク塗膜の表面(空気とインク塗膜の界面)に偏在することによる耐擦性の向上に寄与する傾向がある。このようなワックスとしては、特に制限されないが、例えば、高級脂肪酸と高級1価アルコールまたは2価アルコール(好ましくは1価アルコール)とのエステルワックス、パラフィンワックス、若しくはオレフィンワックス又はこれらの混合物が挙げられる。
ワックスの含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは0.1〜5質量%であり、好ましくは0.3〜3質量%であり、好ましくは0.5〜2質量%である。ワックスの含有量が0.1質量%以上であることにより、得られる記録物の耐擦性がより向上する傾向にある。また、ワックスの含有量が5質量%以下であることにより、インクの粘度が低下し吐出安定性に優れ、目詰まり回復性に優れる傾向にある。
2.2.1.6.消泡剤
消泡剤としては、上記処理液で例示したものと同様のものを挙げることができる。消泡剤の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
2.2.1.7.界面活性剤
界面活性剤としては、上記処理液で例示したものと同様のものを挙げることができる。界面活性剤の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.3〜2質量%であり、さらに好ましくは0.5〜1.5質量%である。
2.2.1.8.pH調整剤
pH調整剤としては、上記処理液で例示したものと同様のものを挙げることができる。pH調整剤の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
2.3.記録媒体
本実施形態で用いる記録媒体としては、特に制限されないが、例えば、吸収性記録媒体、低非吸収性記録媒体が挙げられる。このなかでも、処理液を用いた記録方法として、低非吸収性記録媒体を用いることが好ましい。
吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)があげられる。
低吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
非吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン等のプラスチック類のフィルムやプレート;鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート;又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレート;紙製の基材にポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン等のプラスチック類のフィルムを接着(コーティング)した記録媒体等が挙げられる。
3.インクジェット記録装置
本実施形態のメンテナンス方法に用いるインクジェット記録装置の一例として、図3に、シリアルプリンタの斜視図を示す。図3に示すように、シリアルプリンタ200は、搬送部220と、記録部230とを備えている。搬送部220は、シリアルプリンタに給送された記録媒体Fを記録部230へと搬送し、記録後の記録媒体をシリアルプリンタの外に排出する。具体的には、搬送部220は、各送りローラを有し、送られた記録媒体Fを副走査方向T1,T2へ搬送する。
また、記録部230は、搬送部220から送られた記録媒体Fに対して組成物を吐出するインクジェットヘッド11と、それを搭載するキャリッジ234と、キャリッジ234を記録媒体Fの主走査方向S1,S2に移動させるキャリッジ移動機構235を備える。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
1.1.インクの調製
1.1.1.顔料分散液の調製
St−Ac酸共重合体(メタクリル酸/ブチルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエチルアクリレート=25/50/15/10の質量比で共重合したもの。重量平均分子量7000、酸価150mgKOH/g)40質量部を、水酸化カリウム7質量部、水23質量部、及びトリエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル30質量部を混合した液に投入し、80℃で撹拌しながら加熱して水溶性樹脂の樹脂水溶液を調製した。顔料(ピグメントブルー15:3)20質量部、樹脂水溶液10質量部、ジエチレングリコール10質量部、及びイオン交換水60質量部を混合し、ジルコニアビーズミルを用いて分散させて、顔料分散液を得た。
表1に記載の組成となるように、混合物用タンクに各成分を入れ、混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過することにより各例のインク組成物を得た。なお、表中の各例に示す各成分の数値は特段記載のない限り質量%を表す。また、表中において、顔料分散液の数値は、顔料固形分の質量%を表す。樹脂、ワックスはそれぞれ樹脂、ワックスの固形分を示す。
Figure 2021138885
表1中で使用した略号や製品成分は以下のとおりである。
〔有機溶剤〕
・プロピレングリコール
・2−ピロリドン
・1,2−ヘキサンジオール
〔顔料分散液〕
・シアン分散液(ピグメントブルー15:3)
〔樹脂〕
・ジョンクリル631(BASF社製,スチレンアクリル系樹脂エマルジョン)
〔ワックス〕
・AQUACER531(ビックケミー・ジャパン社製、ポリエチレン系ワックス)
〔消泡剤〕
・サーフィノールDF110D(日信化学工業社製、アセチレングリコール系界面活性剤)
〔界面活性剤〕
・BYK348(ビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系界面活性剤)
〔pH調整剤〕
・トリエタノールアミン
1.2.処理液の調製
1.2.1.第2金属を含む溶液の調整
硫酸カルシウムと水を混合し、第2金属としてカルシウムを含む水溶液を調製した。また、硫酸カリウムと水を混合し、第2金属としてカリウムを含む水溶液を調製した。これらの水溶液は、カルシウム及びカリウムの硫酸マグネシウム(固形分)に対する質量%が下記表2に記載の値となるように、量及び濃度を調整して、処理液の調製に用いた。なお、表2中においては、これらの水溶液の使用量に代えて、カルシウム及びカリウムの、硫酸マグネシウム(固形分)に対する質量%を示している。
表2に記載の組成となるように、混合物用タンクに各成分を入れ、混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過することにより各例の処理液を得た。なお、表中の各例に示す各成分の数値は特段記載のない限り質量%を表す。硫酸マグネシウム7水和物(固形分)とは、水和がない状態の硫酸マグネシウムの質量を意味する。
Figure 2021138885
表2中で使用した略号や製品成分は以下のとおりである。
〔有機溶剤〕
・プロピレングリコール
・2−ピロリドン
・1,2−ヘキサンジオール
〔第1金属の塩〕
・硫酸マグネシウム7水和物
〔消泡剤〕
・サーフィノールDF110D(日信化学工業社製、アセチレングリコール系界面活性剤)
〔界面活性剤〕
・BYK348(ビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系界面活性剤)
〔pH調整剤〕
・トリエタノールアミン
1.2.2.金属等の分析方法
処理液における各金属の量は、ICP発光分光分析法(JIS K 0116:2014)により、定量した。なお、硫酸マグネシウムは、ICP発光分光分析法によりマグネシウムの含有量を定量し、これから硫酸マグネシウムの含有量を算出することができる。
2.金属イオンの反応性試験(凝集作用の試験)
硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、及び硫酸カリウムの5質量%水溶液を用意した。これら水溶液40gに対して、インク組成物を0.04g滴下し、撹拌して得られる液体に含まれる凝集物の平均粒子径を測定した。この際、平均粒子径の測定には、フロー式粒子像分析装置(マルバーン社製 FPIA−3000S)を用い、平均粒子径としては、体積基準のメジアン径(D50)で求めた。なお、金属塩あるいは上記以外の金属塩が、5質量%の濃度では水に溶けにくい場合には、硫酸塩に代えて、酢酸塩を用いることもできる。インク組成物として、インク組成物Aを使用した場合の反応性試験の結果(D50)を以下に示す。
カルシウム:5.6μm
マグネシウム:3.3μm
カリウム:1.5μm
なお、マグネシウム、カルシウム、カリウムのイオン化エネルギー及びイオン半径を以下に示す。
マグネシウム:737.7 kJ/mol、イオン半径:57pm
カルシウム :589.8 kJ/mol、イオン半径:100pm
カリウム :418.8 kJ/mol、イオン半径:137pm
2.インクジェット記録装置
インクジェット記録装置としては、シリアル方式のSC−S40650(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製)の改造機を用いた。なお、一次乾燥ヒーターであるプラテンヒーターや、インクジェットヘッドよりも下流に記録媒体上のインク等を乾燥させるための二次乾燥ヒーターを取り付けた。
インクジェットヘッドとしては、図1に示すように、第1ノズル列Colと第2ノズル列OPが走査方向S1,S2に投影したときに重なる部分を有するようにノズル形成面に配置されたものと(ヘッド構成A)、図2に示すように、第1ノズル列Colと第2ノズル列OPが走査方向S1,S2に投影したときに重なる部分を有さないようにノズル形成面に配置されたものを用意した(ヘッド構成B)。
3.評価方法
上記インクジェット記録装置に、インク組成物及び処理液を充填して、記録試験を行った。
なお、記録条件としては、下記とした。
解像度:720×1440dpi
記録パターン:ベタ画像(シアン単色)
走査回数:8回(インクジェットヘッドの1回の副走査の長さを、第1ノズル列Colの副走査方向の長さの8分の一とした。)
一次乾燥温度:表中に記載。インクジェットヘッドと対向する部分の記録媒体の表面温度の最高温度とした。
二次乾燥ヒーターによる二次乾燥温度:90℃。二次乾燥ヒーターにおける記録媒体表面温度n最高温度。
記録媒体:Orajet−3169G(型番、塩ビフィルム、オラフォルジャパン(株))
インク付着量:12mg/inch2
処理液付着量:処理液付着量はインク付着量に対する質量比で表4に記載した。
なお、一次乾燥温度及び二次乾燥温度は、熱電対により記録媒体の温度を測定することにより求めた。
3.1.ベタ画質
上記記録試験でベタ画像を記録した。得られたベタ画像を目視にて確認し、下記評価基準により画質を評価した。なおベタ画像は上記の一定のインク付着量で記録した画像である。
(評価基準)
AA:ベタ画像中にインク組成物が均一になっておらず濃淡に見えるような箇所が無い。
A:ベタ画像中にインク組成物が均一になっておらず濃淡に見えるような箇所が若干認められるが、実用上問題ない。
B:ベタ画像中にインク組成物が均一になっておらず濃淡に見えるような箇所がかなり認められる
C:ベタ画像中にインク組成物が均一になっておらず濃淡に見えるような箇所がかなり認められ、かつ、パターン輪郭が線になっておらずインクの不均一な広がりが見える
3.2.白化
ベタ画質と同様にして記録した。得られたベタパターンの表面を観察した。白化の評価基準を以下に示す。
(評価基準)
A:印刷面が白く見える箇所が無い。
B:印刷面が白く見える箇所が若干あるが、実用上問題ない
C:印刷面が白く見える箇所がかなりある
3.3.目詰まり回復性
上記の記録装置にインク組成物を充填して、インクジェットヘッドのインク用ノズル列を有するノズル面に水で湿らせたベンコットでノズル面を叩くことで、意図的にノズルに不吐出を発生させた。この状態で、35℃15%環境下で、インクを吐出させないこと以外は上記記録条件と同様の条件でキャリッジを3時間空走させた。その後、クリーニングを3回行い、最終的にノズル列のノズルのうち何個のノズルが不吐出になっているかを判定した。なお、クリーニング操作としては、1回あたりノズル列から1gのインクを排出させる捜査を行った。また、インクジェットヘッドのノズル列は360個のノズルを有するものであった。
(評価基準)
AA:不吐出ノズルなし
A:不吐出ノズル3%未満
B:不吐出ノズル3%以上5%未満
C:不吐出ノズル5%以上8%未満
D:不吐出ノズル8%以上
Figure 2021138885
4.評価結果
表3に、各例で用いたインクジェット記録装置の構成、インク組成物、及び処理液の各条件、並びに、評価結果を示した。表3から、第1金属の塩に対し第2金属の含有量が0.01〜0.3質量%である何れの実施例も、ベタ画質、白化抑制、目詰まり回復性が何れも優れることが分かった。
これに対し、そうではない比較例は何れも、ベタ画質、白化抑制、目詰まり回復性の何れかが劣っていた。以下詳述する。
実施例1〜6を比較すると、金属種の量的関係の影響により、ベタ画質、白化、及び目詰まり回復性が影響を受けることが分かる。これにより、第1金属と第2金属の量が所定の関係を満たすことで、ベタ画質に優れ、白化が抑制され、さらに目詰まり回復性が向上することをより理解することができる。例えば、カリウムは、反応性が相対的に低いため目詰まり回復性には影響し難いが、白化しやすいという課題がある。また、カリウム量が多いと、マグネシウムと競合し、画質が下がることも考えられる。
実施例1と7を比較すると、ヘッド構成Bでは、主走査方向で第1ノズル列Colと第2ノズル列OPが重ならないため、処理液を吐出した影響を第1ノズル列Colが受けにくく、結果として、目詰まり回復性により優れ、ベタ画質としてもより優れることが分かる。一方、ヘッド構成Aはヘッド構成Bよりも記録速度が早い点で有用であったが、本実施形態によれば、ヘッド構成Aでも、優れた目詰まり回復性やベタ画質が得られた。
実施例1と8を比較すると、顔料分散液の固形分が多いほど目詰まり回復性が低下しやすいことが分かる。
また、実施例1と9を比較すると、一時加熱温度が低いほど目詰まり回復性に優れ、実施例1と10を比較すると、処理液の付着量が多いほどベタ画質が向上するが、目詰まり回復性は低下しやすいことが分かる。
比較例1から、第2金属の含有量が、第1金属の塩の総量に対して、0.01質量%未満であると、ベタ画質が劣った。
比較例2、3から、第2金属の含有量が、第1金属の塩の総量に対して、0.3質量%超であると、白化抑制又は目詰まり回復性が劣った。
11…インクジェットヘッド、111…ノズル孔、117…ノズル列、200…シリアルプリンタ、220…搬送部、230…記録部、234…キャリッジ、235…キャリッジ移動機構

Claims (14)

  1. インク組成物とともに記録に用いる処理液であって、
    2価の第1金属の塩と、前記第1金属とは金属種の異なる第2金属と、水と、を含有し、
    前記第2金属の含有量が、前記第1金属の塩の含有量に対して、0.01〜0.3質量%である、
    処理液。
  2. 前記第2金属が、2価の金属を含む、
    請求項1に記載の処理液。
  3. 前記第2金属の含有量が、前記第1金属の塩の含有量に対して、0.01〜0.1質量%である、
    請求項1又は2に記載の処理液。
  4. 前記第1金属の塩の含有量が、前記処理液の総量に対して、0.5〜10質量%である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の処理液。
  5. 前記第2金属が、第1イオン化エネルギーE2が前記第1金属の第1イオン化エネルギーE1よりも小さく、価数が前記第1金属の価数以上である第2金属を含む、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の処理液。
  6. 前記第2金属が、第1イオン化エネルギーE2が前記第1金属の第1イオン化エネルギーE1よりも大きい第2金属、または価数が前記第1金属の価数より小さい第2金属の何れかを含む、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の処理液。
  7. 前記第1金属のイオン半径r1が、80pm以下である、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の処理液。
  8. 前記第1金属が、マグネシウム、チタン、ニッケル、鉄、亜鉛の何れかを含む、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液。
  9. 前記第2金属のイオン半径r2が、85pm以上である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の処理液。
  10. 前記第2金属が、カルシウム、バリウム、銅、カリウム、ナトリウム、リチウムのいずれかを含む、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の処理液。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の処理液とインク組成物を用いて行う記録方法であって、
    前記処理液を記録媒体へ付着させる処理液付着工程と、
    前記インク組成物を前記記録媒体へ付着させるインク付着工程と、を有する、
    記録方法。
  12. 前記インク付着工程において、前記インク組成物を、インクジェットヘッドから吐出して前記記録媒体へ付着させる、
    請求項11に記載の記録方法。
  13. 前記処理液付着工程において、前記処理液を、インクジェットヘッドから吐出して前記記録媒体へ付着させる、
    請求項12に記載の記録方法。
  14. 前記インク組成物を吐出するインクジェットヘッドの第1ノズル列と、前記処理液を吐出するインクジェットヘッドの第2ノズル列が、前記インクジェットヘッドの主走査方向に投影したときに重なる部分を有するように配置された、インクジェットヘッドを用い、
    前記インク組成物と前記処理液を記録媒体の同一領域に同一の主走査で付着させる主走査を複数回行うことで、前記処理液付着工程及び前記インク付着工程を行う、
    請求項13に記載の記録方法。
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