JP2017165005A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インク非吸収性または低吸収性の記録媒体に対して、水性インクジェットインクを用いて高いエネルギー効率とスループットで画像の記録が可能なインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】記録媒体を加熱する加熱工程、前記記録媒体にインクを吐出して前記記録媒体に前記インクを付着させる吐出工程、前記付着したインクを乾燥させる第1の乾燥工程、前記乾燥したインクを水洗する水洗工程、および前記水洗したインクを乾燥させて画像を記録する第2の乾燥工程を含むインクジェット記録方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法、およびインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方式を採用したインクジェット記録装置は、操作が容易で騒音が小さく、カラー印刷が容易である等の利点があることから、家庭用途およびオフィス用途のみならず産業用途にも利用されている。インクジェット記録方式は、微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて画像を得る記録方式である。産業用途においては、記録媒体として、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体が用いられることが多い。
インク非吸収性または低吸収性の記録媒体に対する画像記録においては、有機成分を主成分とする非水系インクが用いられてきた。非水系インクは、乾燥が速く、また耐水性が高く、画像のにじみ防止が可能であるという利点がある。しかしながら非水系インクは、記録媒体表面で溶剤が揮発することにより画像が形成されるため、乾燥時における溶剤の臭気や有害性が問題となる。また溶剤を多量に使用することは環境負荷も高い。そこで、安全性および環境負荷低減の観点から、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体においても、水性インクジェットインクが使用されるようになってきた。
水性インクジェットインクは、低揮発性である水を含み、また、保湿性等の観点から高沸点の有機溶媒を含むことが多い。そのため、高い画像品質を得るためには、水性インクジェットインクの乾燥が重要となる。そこで、特許文献1には、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に、記録媒体を40℃以上60℃以下に加熱して水性インク組成物の液滴を吐出する工程と、記録媒体を50℃以上90℃以下に加熱して記録媒体上に吐出された水性インク組成物を乾燥させる工程と、を含むインクジェット記録方法が提案されている。
特開2011−201228号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、記録媒体上に吐出された水性インクを乾燥させるには、ある程度の温度以上である程度の時間以上加熱する必要がある。そのため、エネルギー効率やスループットが低いという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体に対して、水性インクジェットインクを用いて高いエネルギー効率とスループットで画像の記録が可能な、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することである。
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体を加熱する加熱工程、前記記録媒体にインクを吐出して前記記録媒体に前記インクを付着させる吐出工程、前記付着したインクを乾燥させる第1の乾燥工程、前記乾燥したインクを水洗する水洗工程、および前記水洗したインクを乾燥させて画像を記録する第2の乾燥工程を含むインクジェット記録方法である。
本発明のインクジェット記録方法においては、前記インクが、沸点が220℃を超える水溶性有機溶剤を1質量%以上含有する水性インクジェットインクであることが有利である。
本発明のインクジェット記録方法においては、前記第2の乾燥工程が、エアブロー乾燥によって行われることが好ましい。このとき、エアブローの風速が、3〜20m/secであることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法においては、第1の乾燥工程において、前記記録媒体の温度が20〜80℃であることが好ましい。
本発明のンクジェット記録装置は、記録媒体を搬送する搬送部と、記録媒体を加熱する加熱部と、前記記録媒体の搬送方向の前記加熱部よりも下流側に設けられた、インクを記録媒体に吐出する吐出部と、前記記録媒体の搬送方向の前記吐出部よりも下流側に設けられた、吐出されたインクを乾燥する第1の乾燥部と、前記記録媒体の搬送方向の前記第1の乾燥部よりも下流側に設けられた、乾燥されたインクを水洗する水洗部と、前記記録媒体の搬送方向の前記水洗部よりも下流側に設けられた、水洗されたインクを乾燥する第2の乾燥部と、を備えるインクジェット記録装置である。
本発明のインクジェット記録装置においては、前記第2の乾燥部が、エアブロー乾燥機であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録装置の好ましい一実施形態では、前記インクジェット記録装置は、インク収容部をさらに備え、当該インク収容部に、沸点が220℃を超える水溶性有機溶剤を1質量%以上含有する水性インクジェットインクが収容されている。
本発明によれば、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体に対して、水性インクジェットインクを用いて高いエネルギー効率とスループットで画像の記録が可能である。
本発明のインクジェット記録装置の一実施形態の概念図である。
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体を加熱する加熱工程、前記記録媒体にインクを吐出して前記記録媒体に前記インクを付着させる吐出工程、前記付着したインクを乾燥させる第1の乾燥工程、前記乾燥したインクを水洗する水洗工程、および前記水洗したインクを乾燥させて画像を記録する第2の乾燥工程を含む。
〔加熱工程〕
本工程では、記録媒体を加熱する。記録媒体としては、通常、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体を用いる。インク非吸収性の記録媒体としては、プラスチックフィルム、紙基材上にプラスチック層が形成された媒体等が挙げられる。プラスチックとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。インク低吸収性の記録媒体として、アート紙、コート紙、マット紙等が挙げられる。しかしながら、記録媒体としてインク吸収性の紙媒体を用いることもできる。
なお、本明細書において「インク非吸収性または低吸収性の記録媒体」とは、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である記録媒体のことをいう。水吸収量は、具体的には、「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」の記載に準拠して求めることができる。
加熱方法としては、特に制限はなく、公知方法に従い行うことができ、例えば、記録媒体に熱源を直接接触させて加熱する方法、記録媒体に赤外線、マイクロ波等を照射する方法、記録媒体に温風を吹き付ける方法などを採用することができる。記録媒体の温度が低すぎると、インクが記録媒体に定着不十分となるおそれがある。そのため、加熱は、記録媒体の温度が、例えば、30℃以上、好ましくは40℃以上になるように行う。一方、記録媒体の温度が高すぎると、記録媒体の変形を招くおそれがある。そのため加熱は、記録媒体の温度が、通常、記録媒体の軟化点未満、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下になるように行う。
〔吐出工程〕
本工程では、記録媒体にインクを吐出して、記録媒体にインクを付着させる。インクとしては、通常、水性インクジェットインクが用いられる。水性インクジェットインクは、典型的には、水、顔料、有機溶剤、樹脂微粒子、および界面活性剤を含有する。
水としては、不純物の混入を防止する観点から、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水、または超純水が好ましく、イオン交換水がより好ましい。インク中の水の含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。一方、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
顔料は、その種類には特に制限はなく、有機顔料であっても無機顔料であってもよい。有機顔料の例としては、アゾ顔料(例、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料など)、多環式顔料(例、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等が挙げられる。無機顔料の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等が挙げられる。
より具体的には、ブラック系顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類;銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)等の金属類;酸化チタン等の金属酸化物類;アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
シアン系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:1,15:3,15:4,15:6,16,21,22,60,64等が挙げられる。
マゼンタ系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5,7,9,12,31,48,49,52,53,57,97,112,120,122,146,147,149,150,168,170,177,178,179,184,188,202,206,207,209,238,242,254,255,264,269,282;C.I.ピグメントバイオレット19,23,29,30,32,36,37,38,40,50等が挙げられる。
イエロー系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,12,13,14,16,17,20,24,74,83,86,93,94,95,109,110,117,120,125,128,129,137,138,139,147,148,150,151,154,155,166,168,180,185,213等が挙げられる。
その他の色の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7,10,36;C.I.ピグメントブラウン3,5,25,26;C.I.ピグメントオレンジ2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,62,63,64,71等が挙げられる。
また、表面に、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシル基等の親水性基を有する顔料(いわゆる「自己分散顔料」)を使用することができる。カーボンブラック系自己分散顔料としては、例えば、CAB−O−JET200、300、352K、400(以上、キャボット社製)等が挙げられる。シアン系自己分散顔料としては、例えば、CAB−O−JET250C、450C、554B(以上、キャボット社製)等が挙げられる。マゼンタ系自己分散顔料としては、例えば、CAB−O−JET260M、265M、465M(以上、キャボット社製)等が挙げられる。イエロー系自己分散顔料としては、例えば、CAB−O−JET270Y、470Y、740Y(以上、キャボット社製)等が挙げられる。
インク中の顔料の含有量は、固形分量(固形分濃度)として、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。一方、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
有機溶剤には、水性インクジェットインクに使用可能なものを特に制限なく用いることができる。特に、水溶性溶媒(例えば、水に対する20℃における溶解度が100g/L以上である有機溶剤)を好適に用いることができる。水溶性有機溶剤として特に好ましくは、20℃において水に任意の割合で均一に混和する有機溶剤である。
水性インクジェットインクが高沸点の有機溶剤を含有する場合には、インクの特性(例、保湿性等)が向上することがある。そして、本発明においては、水性インクジェットインクが、沸点が220℃を超える水溶性有機溶媒を含有することが、特に大きなエネルギー効率およびスループット向上効果を得られることから有利である。沸点が220℃を超える水溶性有機溶媒としては、1,2−ヘキサンジオール(沸点:223℃)、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(沸点:226℃)、1,2−ヘプタンジオール(沸点:227℃)、1,4−ブタンジオール(沸点:230℃)、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール(沸点:230℃)、ジプロピレングリコール(沸点:230℃)、1,5−ペンタンジオール(沸点:242℃)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(沸点:243℃)、プロピレングリコールフェニルエーテル(沸点:243℃)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(沸点:244℃)、エチレングリコールフェニルエーテル(沸点:244℃)、ジエチレングリコール(沸点:244℃)、2−ピロリドン(沸点:245℃)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(沸点:249℃)、トリエチレングリコールメチルエーテル(沸点:249℃)、1,6−ヘキサンジオール(沸点:250℃)、トリエチレングリコールエチルエーテル(沸点:256℃)、ジエチレングリコールn−ヘキシルエーテル(沸点:259℃)、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル(沸点:261℃)、3−ピリジカルビノール(沸点:266℃)、2,2−チオジエタノール(沸点:282℃)、トリエチレングリコール(沸点:285℃)、スルホラン(沸点:285℃)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(沸点:285℃)などが挙げられる。
水性インクジェットインク中の沸点が220℃を超える水溶性有機溶媒の含有量が少なすぎると、当該溶媒を含有することによるインクの特性向上効果を十分に得られない。そこで、水性インクジェットインク中の沸点が220℃を超える水溶性有機溶媒の含有量は、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。一方、含有量が多すぎると、インクの乾燥性が悪くなる傾向にある。そこで、水性インクジェットインク中の沸点が220℃を超える水溶性有機溶媒の含有量は、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましく、16質量%以下がさらに好ましい。
より有利には、水性インクジェットインクは、当該インク中、沸点が230℃以上の水溶性有機溶媒を1〜20質量%含有することが好ましく、3〜18質量%含有することがより好ましく、5〜16質量%含有することがさらに好ましい。さらに有利には、水性インクジェットインクは、当該インク中、沸点が240℃以上の水溶性有機溶媒を1〜20質量%含有することが好ましく、3〜18質量%含有することがより好ましく、5〜16質量%含有することがさらに好ましい。
水性インクジェットインクは、沸点が220℃以下の有機溶剤を含んでいてもよい。沸点が220℃以下の有機溶剤の例としては、エチレングリコール(沸点:197℃)、プロピレングリコール(沸点:188℃)、1,3−プロパンジオール(沸点:213℃)、1,2−ブタンジオール(沸点:194℃)、2,3−ブタンジオール(沸点:183℃)、1,3−ブタンジオール(沸点:208℃)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(沸点:208℃)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(沸点:213℃)、1,2−ペンタンジオール(沸点:206℃)、2,4−ペンタンジオール(沸点:201℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(沸点:198℃)、3−メトキシ−1−ブタノール(沸点:158℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:190℃)、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル(沸点:171℃)、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル(沸点:153℃)、ジエチレングリコールメチルエーテル(沸点:194℃)、エチレングリコール−n−プロピルエーテル(沸点:150℃)、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(沸点:171℃)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(沸点:174℃)、1−エトキシ−2−プロパノール(沸点:132℃)等が挙げられる。
水性インクジェットインク中の全水溶性有機溶媒の含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。一方、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
樹脂微粒子は、記録媒体に対する定着性、および塗膜耐性を高めるバインダー成分であり、水性インクジェットインクに使用可能な公知のものを特に制限なく使用することができる。樹脂微粒子を構成する樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フルオロオレフィン樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂などが挙げられる。
また、樹脂微粒子は、1種の樹脂によって構成されている必要はなく、2種以上の樹脂によって構成されていてもよい。例えば、コア部とシェル部で樹脂の組成が異なるコア−シェル型の樹脂微粒子や、粒径を制御するために予め作製されたアクリル系微粒子(シード粒子)に対して、さらに異種のモノマーを乳化重合させることにより得られる微粒子などを用いることができる。さらには、アクリル樹脂からなる微粒子とウレタン樹脂からなる微粒子など、異なる樹脂によって構成された樹脂微粒子を化学的に結合させたハイブリッド型の樹脂微粒子などを用いることができる。
樹脂微粒子の体積平均粒径は、特に制限はないが、10〜1000nmが好ましく、10〜200nmがより好ましく、10〜50nmがさらに好ましい。なお、体積平均粒径は、例えば、粒度分布測定装置を用いて求めることができる。
インク中の樹脂微粒子の含有量は、固形分量(固形分濃度)として、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。一方、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。
界面活性剤は、表面張力および界面張力を適正化する成分であり、水性インクジェットインクに使用可能な公知のものを特に制限なく使用することができる。その例としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。なかでも、アニオン性界面活性剤、またはノニオン性界面活性剤が好ましく、ノニオン性界面活性剤がより好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビット系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ソルビタン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤等が挙げられる。なかでも、表面張力および界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないことから、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール等が挙げられる。また、市販品としても入手可能であり、市販品の例としては、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、82、DF37、DF110D、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上、日信化学工業社製);オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上、日信化学工業社製);アセチレノールE00、E13T、E40、E60、E81、E100、E200(以上、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。なかでも、サーフィノール465、オルフィンE1010、アセチレノールE100、またはE200が好ましい。
インク中の界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。一方、10質量%以下が好ましく、7.5質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
水性インクジェットインクは、上記成分以外にも、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、防腐剤、防カビ剤、増粘剤、消泡剤、pH調整剤(例、トリエタノールアミン等)、防錆剤等の添加剤を含有していてもよい。
インクの吐出は、例えば、公知のインクジェット記録方法において採用されている吐出方法により行うことができる。具体的には、例えば、圧電素子の振動を利用してインクジェットヘッドのノズルよりインクの液滴を吐出させることによって行うことができる。記録媒体に向かってインクの吐出を行うことにより、記録媒体にインクを付着させることができる。
〔第1の乾燥工程〕
本工程では、付着したインクを乾燥させる。付着したインクを乾燥させる方法としては、例えば、付着したインクを加熱して溶媒(すなわち、水、有機溶媒)を除去する方法、付着したインクを(特に加熱することなく)エアブローして、溶媒を除去する方法、上記の加熱工程において、高めの温度に記録媒体を加熱しておいて、その熱を利用して付着したインクから溶媒を除去する方法などが挙げられる。上記の加熱やエアブローは公知方法に従い行うことができる。
第1の乾燥工程においては、記録媒体の温度が低すぎると、乾燥が不十分となるおそれがある。そのため、第1の乾燥工程においては、記録媒体の温度は、15℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、25℃以上がさらに好ましい。一方、記録媒体の温度が高すぎると、記録媒体の変形を招くおそれがある。そのため、第1の乾燥工程においては、記録媒体の温度は、記録媒体の軟化点未満が好ましく、80℃以下がより好ましい。
なお、本工程において、完全にインクの溶媒を除去する必要はない。溶媒がある程度除去されることにより付着したインクの塗膜が形成され、かつ該塗膜の強度が少なくとも次工程である水洗工程に耐えられる程度になるまで乾燥を行えばよい。
〔水洗工程〕
本工程では、乾燥したインクを水洗する。水洗は、例えば、乾燥したインクに対して水流をインク塗布エリアに対し万遍なく吹き付けることにより行うことができる。水流は、シャワー状、またはスプレー状に吹き付けてよい。あるいは、水洗は、例えば、乾燥したインクの付いた記録媒体を水に浸漬することにより行うことができる。浸漬は、例えば、乾燥したインクの付いた記録媒体を、水槽を通過させることにより行うことができる。
〔第2の乾燥工程〕
本工程では、水洗したインクを乾燥させて画像を記録する。水洗したインクを乾燥させる方法としては、付着したインクを加熱する方法、付着したインクを(特に加熱することなく)エアブローする方法(エアブロー乾燥)などが挙げられる。エネルギー効率やスループットがより高くなることから、本工程は、エアブロー乾燥により行うことが好ましい。エアブローの風速が小さすぎると乾燥が不十分になるおそれがある。そのため、エアブローの風速は、3m/sec以上が好ましく、4m/sec以上がより好ましく、5m/sec以上がさらに好ましい。一方、エアブローの風速が大きすぎると、インク塗膜や記録媒体の変形を招くおそれがある。そのため、エアブローの風速は、20m/sec以下が好ましく、15m/sec以下がより好ましく、12m/sec以下がさらに好ましい。水洗したインクを乾燥させることにより、記録媒体に画像が記録される。
水性インクジェットインクを用いたインクジェット記録方法においては、溶媒の除去、特に高沸点の水溶性有機溶剤を除去することが重要となる。このような溶剤の除去を、従来のように、加熱乾燥のみによって行う場合には、ある程度の温度以上である程度の時間以上加熱する必要があり、そのためエネルギー効率やスループットが低かった。しかしながら、本発明のように、第1の乾燥工程、水洗工程、および第2の乾燥工程という3つの工程を経る場合には、第1の乾燥工程を経た後にインク塗膜中に残存している溶剤(特に高沸点(沸点220℃超、230℃以上または240℃以上)の水溶性有機溶剤)を、水洗工程により除去することができ、インク塗膜中に残存している溶剤(特に高沸点の水溶性有機溶剤)の除去効率を向上することができる。このため、本発明のインクジェット記録方法によれば、加熱工程のみによって記録媒体に付着したインクから溶媒を除去する場合に比べて、低温かつ短時間で記録媒体に付着したインクから溶媒を除去することが可能である。よって、本発明のインクジェット記録方法によれば、エネルギー効率およびスループットを高くすることができる。本発明のインクジェット記録方法を実施するに当たり、第1の乾燥工程で、高沸点(沸点220℃超、230℃以上または240℃以上)の水溶性有機溶媒のみがインク塗膜中に残存するまで乾燥を行い、水洗工程によって、当該残存した水溶性有機溶媒を除去し、第2の乾燥工程によって、水洗によって付着した水を除去する場合には、エネルギー効率およびスループットを特に高くすることができる。
また、本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置、すなわち、記録媒体を搬送する搬送部と、記録媒体を加熱する加熱部と、前記記録媒体の搬送方向の前記加熱部よりも下流側に設けられた、インクを記録媒体に吐出する吐出部と、前記記録媒体の搬送方向の前記吐出部よりも下流側に設けられた、吐出されたインクを乾燥する第1の乾燥部と、前記記録媒体の搬送方向の前記第1の乾燥部よりも下流側に設けられた、乾燥されたインクを水洗する水洗部と、前記記録媒体の搬送方向の前記水洗部よりも下流側に設けられた、水洗されたインクを乾燥する第2の乾燥部と、を備えるインクジェット記録装置を用いることにより、効果的に行うことができる。以下、本発明のインクジェット記録装置について、一実施形態を例として挙げて図1を用いて説明するが、本発明のインクジェット記録装置は、当該実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態のインクジェット記録装置100の概念図である。インクジェット記録装置100は、記録媒体10を搬送する搬送部20として、供給ローラ21、巻取ローラ22、および搬送ローラ23、24、25を備えている。供給ローラ21から記録媒体10が巻き出され、プラテン30上を通過して搬送ローラ23、24、25によって、記録媒体10が搬送されて、巻取ローラ22により巻き取られる。よって、本実施形態において、記録媒体10の搬送方向は、供給ローラ21から巻取ローラ22に向かう方向である。なお、記録媒体10は説明の便宜上図示されたものであって、インクジェット記録装置100の構成要素ではない。記録媒体10には、通常、上述のインク非吸収性または低吸収性の記録媒体が用いられる。
インクジェット記録装置100は、加熱部40を備える。加熱部40は、記録媒体10を加熱するプレヒータの役割を果たす。加熱部40は、例えば、接触加熱式のシートヒータ、赤外線やマイクロ波を放射する輻射ヒータ、温風ヒータなどを有する。加熱部40は、記録媒体10の上部と下部のいずれに設置されてもよいし、上部と下部の両方に設置されてもよい。加熱部40は、記録媒体10の温度が例えば、30℃以上であってかつ記録媒体の軟化点未満(好ましくは30〜80℃、より好ましくは40〜60℃)になるように加熱条件が設定されている。
インクジェット記録装置100は、インク11を記録媒体10に吐出する吐出部50を備える。吐出部50は、加熱部40よりも記録媒体10の搬送方向の下流側に備えられている。吐出部50は、例えば、圧電素子の振動を利用して微細なノズルからインク11を液滴状に吐出するインクジェットヘッドを有する。インクジェット記録装置100は、インク収容部60を有しており、インク収容部60は吐出部50に接続されている。インク収容部60は、例えば、インクカートリッジを有する。吐出前のインク11は、インク収容部60に収容されている。インク11は、例えば、上述の水性インクジェットインクであり、好ましくは、沸点が220℃を超える有機溶媒を1質量%以上含有する上述の水性インクジェットインクである。なお、インク11は説明の便宜上図示されたものであって、インクジェット記録装置100の任意の構成要素である。
インクジェット記録装置100は、吐出されたインク11を乾燥する第1の乾燥部70を有している。第1の乾燥部70は、吐出部50よりも記録媒体10の搬送方向の下流側に備えられており、キャリッジ71に内蔵されている。第1の乾燥部70は、例えば、赤外線やマイクロ波を放射する輻射ヒータ、温風ヒータ等のヒータ、または、エアブロー乾燥機を有する。第1の乾燥部70は、記録媒体10上に付着したインク11の塗膜が形成され、かつ該塗膜の強度が少なくとも水洗に耐えられる強度となるような乾燥条件に設定されている。一般的には、記録媒体の温度が、15℃以上であってかつ記録媒体の軟化点未満(好ましくは20〜880℃、より好ましくは25℃〜80℃)になるように乾燥条件が設定されている。
インクジェット記録装置100は、乾燥したインク11を水洗する水洗部80を有する。水洗部80は、第1の乾燥部70よりも記録媒体10の搬送方向の下流側に備えられている。ここでプラテン30上にあった記録媒体10は、搬送ローラ23、24、25により、インク11の塗膜が下側を向くように搬送されている。水洗部80は、本実施形態では、シャワー式の水洗機81を有し、下方から上方に向かって水流を乾燥したインク11に吹き付けることにより、インク11を水洗する。水洗部80は、例えば、シャワー式水洗機81の下部に水洗液受容槽(図示せず)と、当該水洗液受容槽に溜まった水洗液をシャワー式水洗機81に送液するポンプ(図示せず)とをさらに備え、水洗液が循環して再利用されるように構成することもできる。なお、水洗部80は、シャワー式の水洗機81を有するものに限られず、水洗部80は、スプレー式の水洗機を有していてもよい。また、水洗部80は、水槽を備え、インク11の塗膜を有する記録媒体10を、水槽を通過させる構成とすることもできる。
インクジェット記録装置100は、水洗されたインクを乾燥する第2の乾燥部90を備える。第2の乾燥部90は、水洗部80よりも記録媒体10の搬送方向の下流側に備えられている。第2の乾燥部90は、本実施形態では、エアブロー乾燥機を有する。エアブロー乾燥機は、例えば、風速3〜20m/secの範囲で送風するように設定されている。なお、第2の乾燥部90は、エアブロー乾燥機を有するものに限られず、第2の乾燥部90は、例えば、赤外線やマイクロ波を放射する輻射ヒータ、温風ヒータ等のヒータを有していてもよい。
インクジェット記録装置100によれば、搬送部20によって記録媒体10が搬送され、まず加熱部40により記録媒体10が加熱される。次に、吐出部50によりインク11が吐出され、記録媒体10にインク11が付着する。次に、第1の乾燥部70により、インク11が予備乾燥され、インク11の塗膜が形成される。次に、インク11は、水洗部80により水洗され、インク11の塗膜中に残存している溶剤(特に高沸点の水溶性有機溶剤)が除去される。次に、第2の乾燥部90により、インク11の塗膜が乾燥され、記録媒体10上に画像が記録される。このようにして、インク11の塗膜中に残存している溶剤(特に高沸点の水溶性有機溶剤)を、水洗工程により除去することができ、インク11の塗膜中に残存している溶剤(特に高沸点の水溶性有機溶剤)の除去効率を向上することができる。このため、インクジェット記録装置100によれば、エネルギー効率およびスループットを高くすることができる。
なお、本発明のインクジェット記録方法は、上記した本発明のインクジェット記録装置を用いる以外にも、複数の装置を組み合わせて全工程を実施することにより行うこともできる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
プレヒータ、インクジェットヘッド、キャリッジヒータ、シャワー式水洗機構、エアブロー乾燥機、および搬送用ローラを備えるインクジェット記録システムを構築した。一方で、下記組成を有するインク1と、記録媒体としてPETフィルムを準備した。インクジェット記録システムを用いて、プレヒータにより記録媒体を加熱した。次いで、インクジェットヘッドよりインク1を吐出し、インク1を記録媒体に付着させた。キャリッジヒータにより、記録媒体を25℃にまで加熱し、インク1を造膜した。これをシャワー式水洗機構により水洗した後、4m/secの風速で30秒間エアブロー乾燥し、ベタ画像を形成した。ベタ画像を構成するインク塗膜の状態について、指触検査および水接触角測定を行い、以下の基準により、乾燥状態を評価した。結果を画像形成条件と共に表1に示す。
<乾燥状態評価基準>
○:指触検査で乾燥していることが確認でき、接触角が80°以上である
△:指触検査では乾燥していることが確認できたが、接触角が80°未満である
×:指触検査で乾燥不十分
<インク1>
スチレン−アクリル共重合体エマルジョン(星光PMC社製):10質量%
シアン系有機顔料(キャボット社製):3質量%
界面活性剤「オルフィンE1010」(日信化学工業社製):1質量%
1,5−ペンタンジオール(沸点:242℃):4質量%
3−メチル−1,5−ペンタンジオール(沸点:249℃):8質量%
トリエタノールアミン:0.5質量%
水:残部
〔実施例2〜7〕
インク1付着後の加熱条件(記録媒体の温度)を表1の記載のように設定し、水洗後のエアブロー乾燥の風速を表1の記載のように設定したこと以外は、実施例1と同様にしてベタ画像を形成し、乾燥状態を評価した。結果を表1に示す。
〔比較例1〜6〕
インク1付着後の加熱条件(記録媒体の温度)を表1の記載のように設定し、水洗後のエアブロー乾燥の風速を表1の記載のように設定し、さらに水洗を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてベタ画像を形成し、乾燥状態を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017165005
表1より、記録媒体に付着したインクを乾燥する際に、水洗操作を行うことにより、インクの乾燥効率が向上することがわかる。これは、水洗操作により、高沸点の水溶性有機溶媒を効率よく除去することができるためである。
〔実施例8〕
下記組成を有するインク2を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてベタ画像を形成し、乾燥状態を評価した。結果を表2に示す。
<インク2>
スチレン−アクリル共重合体エマルジョン(星光PMC社製):10質量%
シアン系有機顔料(キャボット社製):3質量%
シリコーン系界面活性剤「オルフィスE1010」(日信化学工業社製):1質量%
1,5−ペンタンジオール(沸点:242℃):8質量%
3−メチル−1,5−ペンタンジオール(沸点:249℃):8質量%
トリエタノールアミン:0.5質量%
水:残部
〔実施例9〕
下記組成を有するインク3を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてベタ画像を形成し、乾燥状態を評価した。結果を表2に示す。
<インク3>
スチレン−アクリル共重合体エマルジョン(星光PMC社製):10質量%
シアン系有機顔料(キャボット社製):3質量%
シリコーン系界面活性剤「オルフィスE1010」(日信化学工業社製):1質量%
1,5−ペンタンジオール(沸点:242℃):10質量%
3−メチル−1,5−ペンタンジオール(沸点:249℃):8質量%
トリエタノールアミン:0.5質量%
水:残部
Figure 2017165005
表2より、インク中の高沸点の水溶性有機溶媒の含有量が増加しても、水洗操作を行うことにより、乾燥を十分に行えることがわかる。
〔実施例10〕
プレヒータ、インクジェットヘッド、第1エアブロー乾燥機、シャワー式水洗機構、第2エアブロー乾燥機、および搬送用ローラを備えるインクジェット記録システムを構築した。一方で、上記組成を有するインク1と、記録媒体としてPETフィルムを準備した。インクジェット記録システムを用いて、プレヒータにより記録媒体を加熱した。次いで、インクジェットヘッドよりインク1を吐出し、インク1を記録媒体に付着させた。第1エアブロー乾燥機により4m/secの風速で30秒間エアブロー乾燥し、インク1を造膜した。これをシャワー式水洗機構により水洗した後、4m/secの風速で30秒間エアブロー乾燥し、ベタ画像を形成した。ベタ画像を構成するインク塗膜の状態について、実施例1と同様にして指触検査および水接触角測定を行ったところ、乾燥状態は「○」であった。
〔実施例11〕
プレヒータ、インクジェットヘッド、キャリッジヒータ、シャワー式水洗機構、ヒータ、および搬送用ローラを備えるインクジェット記録システムを構築した。一方で、上記組成を有するインク1と、記録媒体としてPETフィルムを準備した。インクジェット記録システムを用いて、プレヒータにより記録媒体を加熱した。次いで、インクジェットヘッドよりインク1を吐出し、インク1を記録媒体に付着させた。キャリッジヒータにより、45℃で3分間加熱し、インク1を造膜した。これをシャワー式水洗機構により水洗した後、ヒータにより45℃で3分間乾燥し、ベタ画像を形成した。ベタ画像を構成するインク塗膜の状態について、実施例1と同様にして指触検査および水接触角測定を行ったところ、乾燥状態は「○」であった。
実施例10および実施例11の結果より、インク吐出後であって水洗前後の乾燥方法は、加熱による乾燥およびエアブローによる乾燥のいずれも可能であることがわかる。
本発明は、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体に対する水性インクジェットインクを用いた画像記録に有用である。
10 記録媒体
11 インク
20 搬送部
21 供給ローラ
22 巻取ローラ
23,24,25 搬送ローラ
30 プラテン
40 加熱部
50 吐出部
60 インク収容部
70 第1の乾燥部
71 キャリッジ
80 水洗部
81 水洗機
90 第2の乾燥部
100 インクジェット記録装置

Claims (8)

  1. 記録媒体を加熱する加熱工程、
    前記記録媒体にインクを吐出して前記記録媒体に前記インクを付着させる吐出工程、
    前記付着したインクを乾燥させる第1の乾燥工程、
    前記乾燥したインクを水洗する水洗工程、および
    前記水洗したインクを乾燥させて画像を記録する第2の乾燥工程
    を含むインクジェット記録方法。
  2. 前記インクが、沸点が220℃を超える水溶性有機溶剤を1質量%以上含有する水性インクジェットインクである、請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記第2の乾燥工程が、エアブロー乾燥によって行われる、請求項1または2に記載の記録方法。
  4. 前記第2の乾燥工程のエアブローの風速が、3〜20m/secである、請求項3に記載の記録方法。
  5. 第1の乾燥工程において、前記記録媒体の温度が20〜80℃である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録方法。
  6. 記録媒体を搬送する搬送部と、
    記録媒体を加熱する加熱部と、
    前記記録媒体の搬送方向の前記加熱部よりも下流側に設けられた、インクを記録媒体に吐出する吐出部と、
    前記記録媒体の搬送方向の前記吐出部よりも下流側に設けられた、吐出されたインクを乾燥する第1の乾燥部と、
    前記記録媒体の搬送方向の前記第1の乾燥部よりも下流側に設けられた、乾燥されたインクを水洗する水洗部と、
    前記記録媒体の搬送方向の前記水洗部よりも下流側に設けられた、水洗されたインクを乾燥する第2の乾燥部と、
    を備えるインクジェット記録装置。
  7. 前記第2の乾燥部が、エアブロー乾燥機である、請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記インクジェット記録装置は、インク収容部をさらに備え、当該インク収容部に、沸点が220℃を超える水溶性有機溶剤を1質量%以上含有する水性インクジェットインクが収容されている、請求項6または7に記載のインクジェット記録装置。
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