JP2021152648A - 偏光板、粘着剤層付き偏光板、及び画像表示装置 - Google Patents

偏光板、粘着剤層付き偏光板、及び画像表示装置 Download PDF

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恵啓 伊藤
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Abstract

【課題】湿熱環境下でも表示領域の低減が抑制された偏光板を提供する。【解決手段】光学機能層と、第1粘着剤層と、偏光子と、保護フィルムとをこの順に有し、前記第1粘着剤層は前記偏光子の一方の面に接して設けられ、前記偏光子の収縮力が2.3N/2mm以下であり、前記偏光子はポリビニルアルコール系樹脂及びホウ素を含み、かつ、ホウ素の含有量が2.6質量%以上4.3質量%以下であり、前記第1粘着剤層は、温度85℃相対湿度0%RHの引張弾性率が0.2MPa以上、かつ温度40℃相対湿度92%RHの透湿度が250g/(m2・24時間)以下である、偏光板。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板、粘着剤層付き偏光板、及び画像表示装置に関する。
近年、携帯電話やタブレット端末などの普及が進み、画像表示装置として液晶表示装置や有機EL表示装置(OLED)が広く用いられるようになってきた。また、表示装置の薄型化に伴い、用いる偏光板などの各部材の薄型化が求められている。
偏光板は、通常偏光フィルムの両面に保護フィルムを積層したものが使用されている。偏光板の薄型化に伴い、偏光フィルムや保護フィルムについての薄膜化の検討がなされているが、さらに保護フィルムを片面にだけ積層した片面保護フィルム偏光板を用いることで薄膜化を実現する方法が提案されている。
このような薄膜化に伴い、従来のヨウ素でポリビニルアルコール系樹脂を染色した偏光フィルムを含む偏光板では、高温高湿環境下において偏光フィルムの端部のヨウ素抜けが問題となっている。偏光フィルムにおいてヨウ素抜けが生じる領域は表示領域とすることができないことから表示領域の減少を生じさせる。
特開2019−159311号公報(特許文献1)では、偏光フィルムの一方の面に設けられている粘着剤層の透湿度を調整することにより、高温高湿下でのヨウ素抜けを抑制する技術が開示されている。
特開2019−159311号公報
本発明は、湿熱環境下(高温高湿環境下)でも表示領域の低減が抑制された偏光板、さらに表示素子を貼着するための粘着剤層を設けた粘着剤層付き偏光板、及び当該偏光板を備えた画像表示装置を提供すること目的とする。
本発明は、以下に例示する偏光板、粘着剤層付き偏光板、及びこれらを備えた画像表示装置を提供する。
[1] 光学機能層と、第1粘着剤層と、偏光子と、保護フィルムとをこの順に有し、
前記第1粘着剤層は前記偏光子の一方の面に接して設けられ、
前記偏光子の収縮力が2.3N/2mm以下であり、
前記偏光子はポリビニルアルコール系樹脂及びホウ素を含み、かつ、ホウ素の含有量が2.6質量%以上4.3質量%以下であり、
前記第1粘着剤層は、温度85℃相対湿度0%RHの引張弾性率が0.2MPa以上、かつ温度40℃相対湿度92%RHの透湿度が250g/(m・24時間)以下である、偏光板。
[2] 前記第1粘着剤層は、ゴム系樹脂を含む粘着剤組成物から形成される、[1]に記載の偏光板。
[3] 前記光学機能層は、輝度向上フィルム又は位相差層である、[1]又は[2]に記載の偏光板。
[4] 前記偏光子は、厚みが10μm以下である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の偏光板。
[5] 前記第1粘着剤層は、厚みが20μm以下である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の偏光板。
[6] 前記保護フィルムは、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度が200g/(m・24時間)以上である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の偏光板。
[7] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の偏光板と、前記偏光板の少なくとも一方の面に設けられた第2粘着剤層とを有する、粘着剤層付き偏光板。
[8] [7]に記載の粘着剤層付き偏光板と、表示素子とを有し、
前記第2粘着剤層を介して、前記表示セルに前記偏光板が貼合されている、画像表示装置。
本発明によると、湿熱環境下でも表示領域の低減が抑制された偏光板、粘着剤層付き偏光板、及び当該偏光板を備えた画像表示装置を提供することができる。
第1実施形態に係る偏光板及び粘着剤層付き偏光板の概略断面図である。 第2実施形態に係る偏光板及び粘着剤層付き偏光板の概略断面図である。 湿熱耐久試験後に生じ得るフィルムズレと色抜けとを模式的に示す概略断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る光学積層体の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。また、図示はしないが、偏光子10と保護フィルム12とは適当な貼合層を介して接合されていてもよい。
[偏光板]
<第1実施形態>
図1に本発明の第1実施形態に係る偏光板の概略断面図を示す。偏光板101は、光学機能層13と、第1粘着剤層14と、偏光子10と、保護フィルム12とをこの順に含む。第1粘着剤層14は、偏光子10の一方の面に接するように積層されている。粘着剤層付き偏光板101’は、偏光板101と、偏光板101の保護フィルム12側の面に設けられた第2粘着剤層15とを備える。偏光板101は、第2粘着剤層15を介して表示素子に貼合することができる。
偏光板101は、例えば、直線偏光板、円偏光板等であってもよい。円偏光板は楕円偏光板であってもよい。直線偏光板は、液晶表示素子の視認側及び背面側の両方に用いることができる。偏光板101は、例えば、光学機能層13として輝度向上フィルムを備える構成とし、直線偏光板として液晶表示素子の背面側に用いることができる。
偏光板101の厚みは、通常5μm以上であり、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよく、30μm以上であってもよい。また、偏光板101の厚みは、80μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましい。
<第2実施形態>
図2に本発明の第2実施形態に係る偏光板の概略断面図を示す。偏光板102は、光学機能層13と、第1粘着剤層14と、偏光子10と、保護フィルム12とをこの順に含む。第1粘着剤層14は、偏光子10の一方の面に接するように積層されている。粘着剤層付き偏光板102’は、偏光板102と、偏光板102の光学機能層13側の面に設けられた第2粘着剤層15とを備える。偏光板102は、第2粘着剤層15を介して表示素子に貼合することができる。図示はしないが、偏光子10と保護フィルム12との間にあってもよい貼合層は、偏光板101の場合と同様である。
偏光板102は、例えば、直線偏光板、円偏光板等であってもよい。円偏光板は楕円偏光板であってもよい。円偏光板は、反射防止フィルムとして有機EL表示素子の視認側に用いることができる。偏光板102は、例えば、光学機能層13として位相差層を備える構成とし、円偏光板として有機EL表示素子の視認側に用いることができる。
偏光板102の厚みは、通常5μm以上であり、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよく、30μm以上であってもよい。また、偏光板101の厚みは、80μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましい。
<偏光子>
偏光子10は、自然光等の非偏光な光線から直線偏光を選択的に透過させる機能を有するものである。本発明の偏光板において、偏光子10はポリビニルアルコール系樹脂及びホウ素を含む。典型的には、偏光子10はポリビニルアルコール系樹脂を含むフィルム、好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムに含まれるポリビニルアルコール系樹脂を配向させ、さらに二色性色素を吸着させたものである。ポリビニルアルコール系樹脂を配向させるには、このポリビニルアルコール系樹脂を含むフィルムを延伸することが、操作自体が容易であるため好ましい。色素を配向しているポリビニルアルコール系樹脂のように、異方性のある媒質中に分散させると、ある方向からは着色して見え、それと垂直な方向からはほとんど無色に見えることがある。このような現象を示す色素を二色性色素という。二色性色素としては、ヨウ素が好適に用いられる。二色性色素を吸着させたポリビニルアルコール系樹脂系延伸フィルムとして、単体のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着・延伸して得られる偏光子のほか、例えば、特開2012−73563号公報に記載されているような、エステル系熱可塑性樹脂基材のような基材フィルム(熱可塑性樹脂フィルム)上に、ポリビニルアルコール系樹脂層のような樹脂層を設け、この樹脂層を基材ごとに延伸してから、二色性色素を吸着・配向するようにして、偏光子を製造することもできる。このような方法により得られる偏光子を以下、「延伸層」ということもある。なお、この延伸層を製造するための一般的な方法については後述する。
偏光子10が延伸層である場合に、上記に示すように適当な基材フィルム(熱可塑性樹脂フィルム)を用いて製造されることから、延伸層といった偏光子を基材フィルム(熱可塑性樹脂フィルム)で支持した構成となる。偏光板101,102は、偏光子10を支持する基材フィルムが偏光子10の保護フィルムとされているような構成であってもよい。
偏光子10は、収縮力が2.3N/2mm以下であり、2.1N/2mm以下であることがさらに好ましい。偏光子10の収縮力が上述の数値範囲であると、湿熱環境下においても偏光子10の表示領域の低減をより抑制することができる。偏光子10の収縮力は、通常、1.0N/2mm以上である。偏光子10の収縮力の測定は後述の実施例に記載の方法による。かかる偏光子10の収縮力は、当該偏光子10がポリビニルアルコール系樹脂フィルム(層)を用いて製造される延伸フィルムであり、後述のホウ素の含有量によって調整できる。また、用いる二色性色素の種類やその量によっても制御できる。
上記のとおり、偏光子10はポリビニルアルコール系樹脂を含む(以下、このような偏光子10を「ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子」という)。そして、ホウ素、特にホウ酸によるポリビニルアルコール系樹脂の架橋で、その収縮率を制御することができる。偏光子10において、ホウ素の含有率が2.6質量%以上4.3質量%以下であり、2.8質量%以上4.0質量%以下であることが好ましい。このポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子のホウ素の含有率は、ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子の全質量に対する、含有するホウ素の質量の比であり、その測定手段は後述の実施例に記載の方法による。
ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子のホウ素の含有率が上述の数値範囲であることにより、湿熱環境下においてもポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子の表示領域の低減を抑制することができる。ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子において、ホウ素の含有率が少なくなるほど湿熱環境下でのポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子の端部における二色性色素の抜けが生じやすくなる。ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子中のホウ素は、ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子の架橋度を向上させ、ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子中に二色性色素を安定的に保持するのに寄与しているため、ホウ素の含有率が少なくなると二色性色素を安定的に保持することができなくなり、二色性色素の抜けを生じさせることになると考えられる。ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子において、端部からの二色性色素が抜けると、その端部は表示領域とすることができなくなるため表示領域が低減することになる。
一方、ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子において、ホウ素の含有率が高くなるほどポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子自体の収縮力が大きくなる傾向がある。ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子の収縮力が大きくなると、湿熱環境下においてポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子の端部と光学機能層13との端部のズレが大きくなると考えられ、結果的に表示領域が低減することになる。
(二色性色素を吸着させた延伸フィルムまたは延伸層である偏光子)
ここで、ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子の製造方法について簡単に説明する。二色性色素を吸着させた延伸フィルムである偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをヨウ素等の二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。かかるポリビニルアルコール系樹脂フィルム(一軸延伸前)は、市場から容易に入手できるし、後述のように、ポリ酢酸ビニル系樹脂を公知の手段により製造し、ケン化して、ポリビニルアルコール系樹脂を製造し、当該ポリビニルアルコール系樹脂をフィルム化してもよい。また、ポリ酢酸ビニル系樹脂の段階でフィルム化し、当該フィルムに含まれるポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化してもよい。ここで、上記のホウ酸水溶液で処理する工程で用いるホウ酸の使用量を制御することにより、ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子のホウ素の含有率を所望の範囲にすることができる。
偏光子の厚みは、通常30μm以下であり、好ましくは18μm以下、より好ましくは10μm以下である。偏光子の厚みを薄くすることは、偏光板101,102の薄膜化に有利である。偏光子の厚みは、通常1μm以上であり、例えば5μm以上であってよい。かかる好ましい偏光子の厚みは、偏光子が二色性色素を吸着させた延伸フィルムである場合は、延伸フィルムとする前の原料フィルム(延伸前)の厚みと、延伸倍率とから制御できる。後述のように、偏光子が二色性色素を吸着させた延伸層である場合は、基材上に形成する塗工膜の厚みと、延伸倍率とから制御できる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体が用いられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば不飽和カルボン酸系化合物、オレフィン系化合物、ビニルエーテル系化合物、不飽和スルホン系化合物、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド系化合物等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上100モル%以下程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等も使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000以上10000以下であり、好ましくは1500以上5000以下である。
二色性色素を吸着させた延伸層であるポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子は、通常、上記ポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂含有水溶液を基材フィルム上に塗布して積層フィルムとする工程、得られた積層フィルムを一軸延伸する工程、一軸延伸された積層フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色することにより、樹脂層に二色性色素を吸着させて偏光子とする工程、二色性色素が吸着された樹脂層をホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を含む方法により製造することができる。偏光子を形成するために用いる基材フィルムは、偏光子の保護層として用いてもよい。
必要に応じて、基材フィルムを偏光子から剥離除去してもよい。基材フィルムの材料及び厚みは、後述する保護フィルム12の材料及び厚みと同様であってよい。また、このような二色性色素を吸着させた延伸層であるポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子の製造においても、ホウ酸水溶液で処理する工程におけるホウ酸の使用量を制御することで、ポリビニルアルコール系樹脂含有偏光子のホウ素の含有率を所望の範囲にすることができる。
<第1粘着剤層>
第1粘着剤層14は、偏光子10と光学機能層13との間に介在して、これらを貼合する役割を担う。第1粘着剤層14は、1層からなってもよく、2層以上からなってもよいが、好ましくは1層からなる。
第1粘着剤層14は、温度85℃相対湿度0%RHの引張弾性率が0.2MPa以上、かつ温度40℃相対湿度92%RHの透湿度が250g/(m・24時間)以下である。第1粘着剤層14について、引張弾性率と透湿度とがともに上記の数値範囲を満たすことにより、湿熱環境下での表示領域の低減を抑制することができる。第1粘着剤層14について、引張弾性率が0.2MPa以上であることにより、湿熱環境下でも第1粘着剤層14を介して互いに貼合されている偏光子10と光学機能層13との間での端部のズレが生じにくくなり、また透湿度が250g/(m・24時間)以下であることにより偏光子10の端部から二色性色素の抜けを誘引する水分の偏光子10への到達量を低減できることによる相乗的な効果により、表示領域の低減をより抑制することができるものと推測される。
第1粘着剤層14の引張弾性率や透湿度は後述の好ましい粘着剤層である、ゴム系樹脂を含む粘着剤組成物から得られるものの場合は、当該粘着剤組成物に含まれるゴム系樹脂の含有量によって制御できる。かかる含有量については後述する。
第1粘着剤層14は、温度85℃相対湿度0%RHの引張弾性率が0.3MPa以上であることが好ましい。第1粘着剤層14は、温度85℃相対湿度0%RHの引張弾性率が通常3.0MPa以下である。また、第1粘着剤層14は、温度23℃相対湿度55%RHの引張弾性率が1.0MPa以上であることが好ましく、1.5MPa以上であることがさらに好ましい。第1粘着剤層14は、温度23℃相対湿度55%RHの引張弾性率が通常10.0MPa以下である。
第1粘着剤層14は、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度が220g/(m・24時間)以下であることが好ましく、200g/(m・24時間)以下であることがさらに好ましい。第1粘着剤層14は、温度80℃相対湿度92%RHの透湿度が通常10g/(m・24時間)以上である。第1粘着剤層14の引張弾性率及び透湿度の測定は後述の実施例に記載の方法による。
第1粘着剤層14は、上述の引張弾性率の数値範囲及び透湿度の数値範囲を満たすものであれば限定されることはなく、(メタ)アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂を主成分(ベースポリマー)とする粘着剤組成物から構成することができる。第1粘着剤層14は、上述の引張弾性率及び透湿度の数値範囲を満たすものを構成しやすい点から、ゴム系樹脂を含む粘着剤組成物が好ましく用いられ、ゴム系樹脂を主成分として含む粘着剤組成物がより好ましく用いられる。ゴム系樹脂を含む粘着剤組成物としては、例えば、特開2001−234149号公報に記載の粘着剤組成物において、そのゴム系樹脂の含有量を種々変更して用いることができる。
ゴム系樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(例えば、イソブチレン系エラストマー等)、ポリクロロプレン、ニトリルゴムなどが挙げられる。なかでもオレフィン系エラストマー又はスチレン系エラストマーが好適であり、スチレン系エラストマーが特に好適である。上記ゴム系樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
以下、好適なゴム系樹脂の中でスチレン系エラストマーについて詳述する。上記スチレン系エラストマーとしては、
−スチレン系重合体ブロック(A)と、共役ジエン重合体ブロック(B)との(A)−(B)ブロック共重合体を主骨格とするもの、
−スチレン系重合体ブロック(A)と、スチレンと共役ジエンの共重合体ブロック(B’)からなるブロック共重合体を主骨格とするもの、
−上記スチレン系エラストマーの水添物、
等のスチレン−ジエン共重合体が例示される。
スチレン−ジエン共重合体において、全構成成分100質量部中のスチレンの含有量は、5質量部以上60質量部以下であることが好ましい。粘着剤組成物は、ゴム系樹脂とともに、粘着付与樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤、軟化剤等を適宜添加してもよい。粘着剤組成物は、トルエン等の溶媒を用いて溶液として調整することができる。
粘着剤組成物において、ゴム系樹脂の種類及びその配合量、粘着付与樹脂の種類及びその配合量を適宜調整することにより、温度80℃相対湿度0%RHの引張弾性率、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度を調整することができ、これらの値が所望の値となるようにすることができる。
第1粘着剤層14の厚みは、特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下であることが好ましく、2μm以上50μm以下であることがより好ましく、3μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。
<保護フィルム>
保護フィルム12として熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。熱可塑性樹脂フィルムは、例えばシクロポリオレフィン系樹脂フィルム;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等の樹脂からなる酢酸セルロース系樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂からなるポリエステル系樹脂フィルム;ポリカーボネート系樹脂フィルム;(メタ)アクリル系樹脂フィルム;ポリプロピレン系樹脂フィルム等、当分野において公知のフィルムを挙げることができる。保護フィルム12に用いられる熱可塑性樹脂フィルムは限定されない。本発明によると、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度が200g/(m・24時間)以上である保護フィルムを用いた場合であっても、偏光子10における二色性色素の抜けを抑制することができ、表示領域の低減を抑制することができる。温度40℃相対湿度92%RHの透湿度が200g/(m・24時間)以上である保護フィルムとしては、シクロポリオレフィン系樹脂フィルム、酢酸セルロース系樹脂フィルム、(メタ)アクリル系樹脂フィルム等が例示される。これらのフィルムに適当なハードコート層を設けて、透湿度を制御してもよい。偏光子10と保護フィルム12とは、後述する貼合層を介して積層することができる。なお、上記のとおり、偏光子として二色性色素が吸着している延伸層や、液晶層を用いる場合は、当該延伸層や液晶層を形成するための基材フィルムとして、ここに例示したような熱可塑性樹脂フィルムを用いれば、当該基材フィルム(熱可塑性樹脂フィルム)をそのまま、保護フィルムとすることが可能となる。
保護フィルムは、熱可塑性樹脂フィルム上にハードコート層が形成されているものであってもよい。ハードコート層は、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。ハードコート層を設けることにより、硬度及びスクラッチ性を向上させた熱可塑性樹脂フィルムとすることができる。ハードコート層は、上述の偏光子層に形成されるハードコート層と同様にして形成することができる。
保護フィルムの厚みは、薄型化の観点から、通常100μm以下であり、好ましくは80μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下であり、なおさらに好ましくは30μm以下であり、また、通常5μm以上であり、好ましくは10μm以上である。
<光学機能層>
光学機能層13は、偏光機能層;反射フィルム;半透過型反射フィルム;輝度向上フィルム;光学補償フィルム;防眩層付きフィルム;位相差層等を挙げることができ、これらのうち、1つを有するものであってもよく、2つ以上を有する多層構造を有していてもよい。光学機能層の各層は、フィルムであってもよく、液晶層であってもよい。
光学機能層13は上記の例示の中でも、輝度向上フィルムからなる層又は位相差層が好ましい。
(輝度向上フィルム)
輝度向上フィルムは、反射型偏光フィルムとも言われるものであり、光源(バックライト)からの出射光を透過偏光と反射偏光又は散乱偏光に分離するような機能を有する偏光変換素子が用いられる。輝度向上フィルムを偏光子10上に配置することにより、反射偏光又は散乱偏光である再帰光を利用して、偏光子10から出射される直線偏光の出射効率を向上させることができる。輝度向上フィルムは、例えば、図1に示す光学機能層13として、第1粘着剤層14を介して偏光子10上に積層することができる。輝度向上フィルムを有するこのような偏光板101は、第2粘着剤層15を介して液晶表示素子のバックライト側(視認側とは反対の表面側)に貼合して用いることができる。
輝度向上フィルムは、例えば異方性反射偏光子であることができる。異方性反射偏光子の一例は、一方の振動方向の直線偏光を透過し、他方の振動方向の直線偏光を反射する異方性多重薄膜であり、その具体例は3M社製の「DBEF」である(特開平4−268505号公報等参照)。異方性反射偏光子の他の一例は、コレステリック液晶層とλ/4板との複合体であり、その具体例は日東電工製の「PCF」である(特開平11−231130号公報等参照)。異方性反射偏光子のさらに他の一例は、反射グリッド偏光子であり、その具体例は金属に微細加工を施して可視光領域でも反射偏光を出射するような金属格子反射偏光子(米国特許第6288840号明細書等参照)、金属微粒子を高分子マトリックス中に添加して延伸したフィルム(特開平8−184701号公報等参照)である。
輝度向上フィルムの第1粘着剤層14との貼合面に予め表面活性化処理を行ってもよい。これにより、湿熱環境下において第1粘着剤層14と輝度向上フィルムとの間での剥がれが生じにくい、湿熱耐久性に優れた偏光板101とすることができる。表面活性化処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、放電処理(グロー放電処理等)、火炎処理、オゾン処理、UVオゾン処理、電離活性線処理(紫外線処理、電子線処理等)のような乾式処理;水やアセトン等の溶媒を用いた超音波処理、アルカリ処理、アンカーコート処理のような湿式処理を挙げることができる。これらの処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上を組み合わせてもよい。中でも、ロール状のフィルムを連続的に処理するうえでは、コロナ処理、プラズマ処理が好ましい。
光学機能層は、輝度向上フィルムの外面に、ハードコート層、防眩層、光拡散層、位相差層(1/4波長の位相差値を持つ位相差層等)、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)又は光学層を設けた構成であってもよい。輝度向上フィルムの外面にこのような層を設けることにより、バックライトテープとの密着性や表示画像の均一性を向上させ得る。輝度向上フィルムの厚みは、通常10〜100μmであるが、偏光板の薄膜化の観点から、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
(位相差層)
位相差層は、1層であってもよく2層以上であってもよい。位相差層は、その表面を保護するオーバーコート層、位相差層を支持する基材フィルム等を有していてもよい。位相差層は、例えば、図1に示す光学機能層13として、第1粘着剤層14を介して偏光子10上に積層することができる。位相差層を有するこのような偏光板101は、円偏光板として第2粘着剤層15を介して有機EL表示の視認側に貼合して反射防止機能を付加するように用いることができる。
位相差層は、λ/4層を含み、さらにλ/2層またはポジティブC層の少なくともいずれかを含んでいてもよい。位相差層がλ/2層を含む場合、偏光子10側から順にλ/2層及びλ/4層を積層する。位相差層がポジティブC層を含む場合、偏光子10側から順にλ/4層及びポジティブC層を積層してもよく、偏光子10側から順にポジティブC層及びλ/4層を積層してもよい。位相差層の厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは0.5μm以上8μm以下であり、より好ましくは1μm以上6μm以下である。
位相差層は、保護フィルムの材料として例示した熱可塑性樹脂フィルムから形成してもよいし、重合性液晶化合物が硬化した層から形成してもよい。位相差層は、さらに配向膜を含んでもよい。位相差層は、λ/4層と、λ/2層及びポジティブC層とを貼合するための貼合層を有していてもよい。
重合性液晶化合物を硬化して位相差層を形成する場合、位相差層は、重合性液晶化合物を含む組成物を基材フィルムに塗布し硬化させることにより形成することができる。基材フィルムと塗布層との間に配向層を形成してもよい。基材フィルムの材料及び厚みは、上記保護フィルムの材料及び厚みと同じであってよい。重合性液晶化合物を硬化してなる層から位相差層を形成する場合、位相差層は、配向層及び基材フィルムを有する形態で偏光板に組み込まれてもよい。位相差層は、偏光子10の視認側とは反対側の面に、後述する貼合層を介して貼合され得る。
本発明の偏光板は、適当な貼合層により、表示素子(表示パネル等)に貼り合わせて使用することができる。ここでの貼合層としては、粘着剤層が好ましく、この粘着剤層を第2の粘着剤層(第2粘着剤層)と呼ぶ。第2粘着剤層15は、本発明の偏光板において、光学機能層13側に設けてもよく、保護フィルム12側に設けてもよい。図1では、保護フィルム12側に第2粘着剤層15に設けたものを示したが、例えば、図2に示すように、第2粘着剤層15を光学機能層13側に設けた態様を示す。
<第2粘着剤層>
第2粘着剤層15は、偏光板101,102と、表示素子との間に介在して、これらを貼合する。第2粘着剤層15は、1層であってもよく、2層以上からなるものであってもよいが、好ましくは1層である。
第2粘着剤層15は、(メタ)アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂を主成分(ベースポリマー)とする粘着剤組成物から構成することができる。第2粘着剤層15を構成する粘着剤組成物としては、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型または熱硬化型であってもよい。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型または熱硬化型であってもよい。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステルの1種または2種以上をモノマーとする重合体または共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸化合物、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル化合物、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート化合物、グリシジル(メタ)アクリレート化合物等の、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成する金属イオン、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するポリアミン化合物、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するポリエポキシ化合物またはポリオール、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するポリイソシアネート化合物が例示される。架橋剤は、好ましくはポリイソシアネート化合物である。
活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有しており、活性エネルギー線照射前においても粘着性を有してフィルム等の被着体に密着させることができ、活性エネルギー線の照射によって硬化して密着力の調整ができる性質を有する。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、ベースポリマー、架橋剤に加えて、活性エネルギー線重合性化合物をさらに含有する。必要に応じて、光重合開始剤、光増感剤等を含有させてもよい。
活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物等の(メタ)アクリル系化合物が挙げられる。粘着剤組成物は、活性エネルギー線重合性化合物を、粘着剤組成物の固形分100質量部に対して0.1質量部以上含むことができ、10質量部以下、5質量部以下または2質量部以下含むことができる。
光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルケトン等が挙げられる。光重合開始剤は、1種または2種以上を含むことができる。粘着剤組成物が光重合開始剤を含むとき、その全含有量は、例えば粘着剤組成物の固形分100質量部に対し0.01質量部以上3.0質量部以下であってよい。
粘着剤組成物は、光散乱性を付与するための微粒子、ビーズ(樹脂ビーズ、ガラスビーズ等)、ガラス繊維、ベースポリマー以外の樹脂を含むことができる。その他、粘着性付与剤、充填剤(金属粉やその他の無機粉末等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、着色剤、消泡剤、腐食防止剤、光重合開始剤等の添加剤を含むことができる。
第2粘着剤層15は、上記粘着剤組成物の有機溶剤希釈液を基材上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。第2粘着剤層15は、粘着剤組成物を用いて形成された粘着シートを用いて形成することもできる。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を用いた場合は、形成された粘着剤層に、活性エネルギー線を照射することにより所望の硬化度を有する粘着剤層とすることができる。
第2粘着剤層15の厚みは、特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下であることが好ましく、3μm以上50μm以下であることがより好ましく、20μm以上であってもよい。第2粘着剤層15は、粘着剤組成物の組成及び配合成分、厚み等において、第1粘着剤層14と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
<貼合層>
偏光板101,102は、2つの層を接合するための貼合層を含むことができる。例えば上述のとおり、偏光子10と保護フィルム12とは貼合層によって接合されることがある。この場合の貼合層は、粘着剤または接着剤から構成される層である。貼合層の材料が、粘着剤である場合、上述の第2粘着剤層15を構成する粘着剤組成物の説明を適用することができる。貼合層は、他の粘着剤、例えば第2粘着剤層15を構成する粘着剤とは異なる(メタ)アクリル系粘着剤、スチレン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、エポキシ系共重合体粘着剤等を用いることもできる。
貼合層の材料となる接着剤としては、例えば水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤等のうち1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。水系接着剤としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等を挙げることができる。活性エネルギー線硬化型接着剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化する接着剤であり、例えば重合性化合物及び光重合性開始剤を含む接着剤、光反応性樹脂を含む接着剤、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む接着剤等を挙げることができる。上記重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマー等の光重合性モノマー、及びこれらモノマーに由来するオリゴマー等を挙げることができる。上記光重合開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線を照射して中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルといった活性種を発生する物質を含む化合物を挙げることができる。
以上、偏光子10と保護フィルム12の間の貼合層について説明したが、当該貼合層は接着剤から構成されるものであると好ましい。
貼合層の厚みは、例えば1μm以上であってよく、好ましくは1μm以上25μm以下、より好ましくは2μm以上15μm以下、さらに好ましくは2.5μm以上5μm以下である。
貼合層を介して貼合される対向する二つの表面は、予めコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等を行ってもよく、プライマー層等を有していてもよい。
[偏光板の製造方法]
偏光板101,102は、第1粘着剤層14及びその他の貼合層を介して層同士を貼合する工程を含む方法によって製造することができる。粘着剤層や貼合層を介して層同士を貼合する場合には、密着力を調整する目的で貼合面の一方または両方に対して、コロナ処理等の表面活性化処理を施すことが好ましい。コロナ処理の条件は適宜設定することができ、貼合面の一方の面と他の面とで条件が異なっていてもよい。
[表示装置]
本実施形態に係る表示装置は、上記の偏光板101,102を含む。表示装置は特に限定されず、例えば有機EL表示装置、無機EL表示装置、液晶表示装置、電界発光表示装置等の画像表示装置が挙げられる。表示装置には、さらにタッチセンサが積層されていてもよく、表示装置はタッチパネル機能を有していてもよい。偏光板101,102を含む表示装置においては、表示領域の低減を抑制することができる。
表示装置が有する表示素子としては、例えば有機EL表示素子、無機EL表示素子、液晶表示素子、プラズマ表示素子、電界放射型表示素子等が挙げられる。
本実施形態に係る表示装置は、スマートフォン、タブレット等のモバイル機器、テレビ、デジタルフォトフレーム、電子看板、測定器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器等として用いることができる。
最後に、図3を参照して、本発明の偏光板の効果について、簡単に説明する(図3では、図1に示した保護フィルム12側に第2粘着剤層15を設けた態様のもので示す)。本発明の偏光板において、偏光子の収縮力が、上記の範囲であることから、偏光子10、第1粘着剤層14は、湿熱環境下における偏光板端部の収縮量D1を小さくすることができる。そして、第1粘着剤層14の透湿度が、上記の範囲であることから、水分50の侵入が抑制され、偏光子10のヨウ素抜けされる部分(図3で、D2で示される部分)が小さくなるので、湿熱環境下での表示装置において、表示領域低減を抑制することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[厚みの測定]
偏光子及び粘着剤層の厚みは、接触式膜厚計〔株式会社ニコン製の商品名“DIGIMICRO(登録商標) MH−15M”〕で測定した。
[偏光子]
(偏光子aの作製)
厚み20μm、重合度2400、ケン化度99%以上のポリビニルアルコールフィルムを、熱ロール上で延伸倍率4.1倍に一軸延伸し、緊張状態を保ったまま、水100質量部あたりヨウ素0.05質量部及びヨウ化カリウム5質量部を含有する染色浴に28℃で60秒間浸漬した。
次いで、水100質量部あたりホウ酸5.5質量部及びヨウ化カリウム15質量部を含有するホウ酸水溶液1に、64℃で110秒間浸漬した。次いで、水100質量部あたりホウ酸3.9質量部及びヨウ化カリウム15質量部を含有するホウ酸水溶液2に、67℃で30秒間浸漬した。その後、10℃の純水を用いて水洗し、乾燥して、偏光子aを得た。得られた偏光子aの厚みは8μmであり、収縮力は1.8N/2mm、ホウ素の含有率は3.6質量%であった。
(偏光子bの作製)
ホウ酸水溶液2のホウ酸含有量を2.3質量部に変更した点以外は、偏光子aと同じ方法で偏光子bを作製した。得られた偏光子bの厚みは8μmであり、収縮力は1.5N/2mm、ホウ素の含有率は3.0質量%であった。
(偏光子cの作製)
ホウ酸水溶液2のホウ酸含有量を5.5質量部に変更した点以外は、偏光子aと同じ方法で偏光子cを作製した。得られた偏光子cの厚みは8μmであり、収縮力は2.1N/2mm、ホウ素の含有率は4.3質量%であった。
(偏光子dの作製)
ホウ酸水溶液2のホウ酸含有量を6.8質量部に変更した点以外は、偏光子aと同じ方法で偏光子cを作製した。得られた偏光子cの厚みは8μmであり、収縮力は2.5N/2mm、ホウ素の含有率は5.0質量%であった。
(偏光子eの作製)
ホウ酸水溶液2のホウ酸含有量を1.5質量部に変更した点以外は、偏光子aと同じ方法で偏光子eを作製した。得られた偏光子eの厚みは8μmであり、収縮力は1.2N/2mm、ホウ素の含有率は2.5質量%であった。
(偏光子のホウ素の含有率の測定)
偏光子0.2gを1.9質量%マンニトール水溶液200gに溶解した。得られた水溶液を1mol/L NaOH水溶液で滴定し、中和に要したNaOH液の量と検量線の比較により、偏光子のホウ素の含有率を算出した。
(偏光子の収縮力の測定)
偏光子の遅相軸が長辺と一致するように、偏光子を短辺2mm、長辺50mmの矩形にスーパーカッター(株式会社荻野精機製作所製)により切り出し、試験片とした。試験片の収縮力を熱機械分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型式TMA/6100)を用いて測定した。この測定は、寸法一定モードにおいて実施し(チャック間距離を10mmとした)、試験片を20℃の室内に十分な時間放置した後サンプルの室内の温度設定を20℃から80℃まで10分間で昇温させ、昇温後はサンプルの室内の温度を80℃で維持するように設定した。昇温後さらに4時間放置した後、80℃の環境下で試験片の長辺方向の収縮力を測定した。この測定において静荷重は0mNとし、治具にはSUS製のプローブを使用した。
[水系接着剤の調整]
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ、商品名「KL−318」)を3質量部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤(田岡化学工業株式会社、商品名「スミレーズレジン(登録商標)650(30)、固形分濃度30重量%の水溶液)を1.5質量部添加して、水系接着剤を調製した。
[保護フィルム]
(保護フィルムaの準備)
保護フィルムaとして、厚み20μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ株式会社製、商品名「KC2CT」)を用いた。保護フィルムaの、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度は1600g/(m・24時間)であった。このトリアセチルセルロースフィルムを、後述の表1では、「TAC」と表記する。
(保護フィルムbの準備)
保護フィルムbとして、厚み25μmのノルボルネン系樹脂からなる延伸フィルムに、厚み3μmのハードコート層を形成したフィルム(日本製紙株式会社製、商品名「COP25ST−HC」)を用いた。保護フィルムbの、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度は10g/(m・24時間)であった。このノルボルネン系樹脂からなる延伸フィルムに、ハードコート層を形成したフィルムを、表1では、「COP」と表記する。
(保護フィルムの透湿度の測定)
JIS Z 0208に規定されるカップ法により、温度40℃、相対湿度90%で測定した。
[第1粘着剤層]
(ゴム系粘着剤層aの準備)
ブロック共重合体(SEPS、商品名:SEPTON 2063、スチレン含有量:13%、(株)クラレ製)100質量部と、粘着付与剤として水添テルペンフェノール(商品名:YSポリスターTH130、軟化点:130℃、水酸基価:60、ヤスハラケミカル(株)製)40.4質量部、石油系粘着付与剤(商品名:ピコラスチックA5、ビニルトルエン系粘着付与剤、軟化点:5℃、イーストマンコダック社製)61.7質量部、軟化剤としてポリブテン(商品名:HV−300、重量平均分子量:3000、JX日鉱日石エネルギー(株)製)21.3質量部を配合したトルエン溶液を固形分が30質量%になるように調整し、ゴム系粘着剤溶液を調製した。
上記のようにして得たゴム系粘着剤溶液を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム〔リンテック(株)の商品名“SP-PLR382190”、剥離フィルムと呼ぶ〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて粘着剤層を作製した。このようにして作製したゴム系粘着剤層aについて、温度85℃相対湿度0%RHの引張弾性率は0.4MPa、温度23℃相対湿度55%RHの引張弾性率は1.8MPa、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度は200g/(m・24時間)であった。
(ゴム系粘着剤層bの準備)
ゴム系粘着剤溶液の調製時に、前記と同じブロック共重合体を100質量部用いた点以外は、ゴム系粘着剤層aと同じ方法によりゴム系粘着剤層bを作製した。ゴム系粘着剤層bについて、温度85℃相対湿度0%RHの引張弾性率は0.1MPa、温度23℃相対湿度55%RHの引張弾性率は0.3MPa、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度は50g/(m・24時間)であった。
(アクリル系粘着剤層aの準備)
アクリル酸ブチル/アクリル酸共重合体(アクリル酸ブチル及びアクリル酸を、質量比95:5の割合で用いて重合してなる、重量平均分子量200万、分子量分布(Mw/Mn)
3.0の共重合体)100部に対し、多官能アクリレート系モノマー(トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート(分子量=423、3官能型(東亜合成社製、商品名「アロニックスM −315」)を20部、光重合開始剤として(ベンゾフェノンと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとの質量比1:1の混合物、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア500」)を1.5部、架橋剤としてコロネートL(東ソー株式会社製)を1部、シランカップリング剤としてKBM−403(信越シリコーン社製)を0.2部配合し、塗工溶液を調整した。剥離フィルムとしての厚さ38μmポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム[リンテック社製「SP−PET3811」]を準備し、その剥離層上に、前記塗工溶液を、乾燥及び後述の紫外線照射後の厚さが5μmになるように、ナイフ式塗工機で塗布したのち、90℃で1分間乾燥処理して粘着性組成物の層を形成した。この層に、
・フュージョン社製無電極ランプ Hバルブ使用
・照度600mW/cm、光量15 mJ/cm
(UV照度・光量計は、アイグラフィックス社製「UVPF−36」を使用して求めた。)
の条件で、紫外線(UV)照射を行い、アクリル系粘着剤層aを調整した。このようにして作製したアクリル系粘着剤層aについて、温度85℃相対湿度0%RHの引張弾性率は0.1MPa、温度23℃相対湿度55%RHの引張弾性率は2.0MPa、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度は800g/(m・24時間)であった。
(アクリル系粘着剤層bの準備)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n−ブチル97.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3.0質量部、酢酸エチル200質量部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.08質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。窒素雰囲気下で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、6時間反応させた後、室温まで冷却した。かくして、重量平均分子量180万の(メタ)アクリル酸エステル重合体を得た。
上記工程で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、イソシアネート系架橋剤として、トリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート(三井化学製、商品名「タケネートD−110N」)1.0質量部と、シランカップリング剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製,商品名「KBM403」)0.30質量部とを混合し、十分に撹拌して、酢酸エチルで希釈することにより、粘着剤組成物の塗工溶液を得た。
セパレータ(リンテック株式会社製:SP−PLR382190)の離型処理面(剥離層面)に、アプリケーターにより、乾燥後の厚さが15μm(粘着剤E)、20μm(粘着剤F)となるように前記塗工溶液を塗工した後、100℃で1分間乾燥し、粘着剤層のセパレータが貼合された面とは反対面に、もう1枚のセパレータ(リンテック社製:SP−PLR381031)を貼合し、両面セパレータ付きの形でアクリル系粘着剤層bを得た。
(アクリル系粘着剤層cの準備)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n−ブチル97.0質量部、アクリル酸1.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.5質量部、酢酸エチル200質量部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.08質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。窒素雰囲気下で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、6時間反応させた後、室温まで冷却した。かくして、重量平均分子量180万の(メタ)アクリル酸エステル重合体を得た。
上記工程で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、イソシアネート系架橋剤として、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー株式会社製、商品名「コロネートL」)0.30質量部と、シランカップリング剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製,商品名「KBM403」)0.30質量部とを混合し、十分に撹拌して、酢酸エチルで希釈することにより、粘着剤組成物の塗工溶液を得た。
セパレータ(リンテック株式会社製:SP−PLR382190)の離型処理面(剥離層面)に、アプリケーターにより、乾燥後の厚さが25μmとなるように前記塗工溶液を塗工した後、100℃で1分間乾燥することで、アクリル系粘着剤層cを得た。
(粘着剤層の引張弾性率の測定)
厚み5μmの粘着剤層を大きさ600mm×30mmに切断し、短辺を軸として空気が入らないように巻いていき円筒状のサンプルを作製した。この時のサンプルは円筒状で直径は3mmφ、長さは30mmであった。このサンプルは状態調整のため温度23℃相対湿度55%RHの環境下に24時間放置した。引張弾性率測定は温度23℃相対湿度55RH%及び温度80℃相対湿度0%RHの2種類の温湿度環境で行った。測定機は島津製作所社製オートグラフAG-1Sを用いた。標点距離10mm、引張速度100mm/minで測定した。
(粘着剤層の透湿度の測定)
粘着剤層の一方の面のセパレータを剥離して、露出面に厚み25μmのトリアセチルセルロースフィルム(透湿度:1070g/(m・24時間))に貼り合せた後、他方の面のセパレータを剥離し、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準拠して、温度40℃相対湿度92%RHの恒温恒湿槽中で24時間の透湿試験を行い、透湿度を算出した。本測定により求めた透湿度は、トリアセチルセルロースフィルムと粘着剤層との積層体の透湿度であるが、トリアセチルセルロースフィルムの透湿度が粘着剤層の透湿度よりも十分に大きいため、積層体の透湿度は粘着剤層の透湿度であるとみなした。
[光学機能層]
(輝度向上フィルムの準備)
3M製 APF−V3を準備した。
(位相差層(積層体)の準備)
(1)「配向層/第1液晶硬化層」の準備
基材フィルム上に形成された、配向層とネマチック液晶化合物が硬化した層であるλ/4位相差層(第1液晶硬化層)を準備した。なお、「配向層/第1液晶硬化層」の合計の厚みは2μmであった。
(2)「配向層/第2液晶硬化層」の作製
配向層形成用の組成物として、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(新中村化学工業株式会社製、A−600)10.0質量部と、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、A−TMPT)10.0質量部と、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(新中村化学工業株式会社製、A−HD−N)10.0質量部と、光重合開始剤としてイルガキュア907(BASF社製、Irg−907)1.50質量部とを、溶媒メチルエチルケトン70.0質量部中で溶解させ、配向層形成用塗工液を調製した。
基材フィルムとして厚み20μmの長尺状の環状オレフィン系樹脂(COP)フィルム(日本ゼオン株式会社製)を準備し、基材フィルムの片面に、配向層形成用塗工液をバーコーターにて塗布した。
塗工後の塗布層に温度80℃で60秒間の熱処理を施した後、紫外線(UVB)を220mJ/cm照射し、配向層形成用の組成物を重合し、硬化させて、基材フィルム上に厚み2.3μmの配向層を形成した。
位相差層形成用の組成物として、光重合性ネマチック液晶化合物(メルク社製、RMM28B)20.0質量部と、光重合開始剤としてイルガキュア907(BASF社製、Irg−907)1.0質量部とを、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80.0質量部中に溶解させ、位相差層形成用塗工液を調整した。
先に得られた配向層上に位相差層形成用塗工液を塗布し、塗布層に温度80℃で60秒間の熱処理を施した。その後、紫外線(UVB)を220mJ/cm照射し、位相差層形成用の組成物を重合し、硬化させて、配向層上に厚み0.7μmの位相差層(第2液晶硬化層)を形成した。この様にして基材フィルム上に合計厚み3μmの「配向層/第2液晶硬化層」を得た。
(3)位相差層(積層体)の作製
基材フィルム上に積層された「配向層/第1液晶硬化層」と、基材フィルム上に積層された「配向層/第2液晶硬化層」とを、紫外線硬化型接着剤(厚み1μm)により、それぞれの液晶硬化層面(基材フィルムとは反対側の面)が貼合面となるように貼り合わせた。次いで、紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化させて、第1液晶硬化層と第2液晶硬化層の2層の液晶硬化層を含む位相差層(積層体)を作製した。
[実施例1]
表1に示す光学機能層、第1粘着剤層、偏光子、保護フィルムを用いて、図1に示す構成の粘着剤層付き偏光板101’を作製した。偏光子の片面に水系接着剤を介して保護フィルムを貼合した。この積層体の偏光子側に第1粘着剤層を介して偏光子の光軸に対して時計回りに90°となるように輝度向上フィルムを配置し、もう一方の面に対ガラス基板用の第2粘着剤層(上記のアクリル系粘着剤層bを用いた)を積層し、セパレータフィルムを積層し、温度40℃相対湿度55%RHの環境下で1週間養生し、実施例1の粘着剤層付き偏光板を得た。
[実施例2,3、比較例1〜4]
表1に示す光学機能層、第1粘着剤層、偏光子、保護フィルムを用いて、実施例1と同様にして、それぞれ図1に示す構成の粘着剤層付き偏光板101’を作製した。
[実施例4]
表1に示す光学機能層、第1粘着剤層、偏光子、保護フィルムを用いて、図2に示す構成の粘着剤層付き偏光板102’を作製した。偏光子の片面に水系接着剤を介して保護フィルムを貼合した。この積層体の偏光子側に第1粘着剤層を介して上述の位相差層を配置し、位相差層の偏光子側とは反対側の面に対ガラス基板用の第2粘着剤層(上記のアクリル系粘着剤層cを用いた)を積層し、セパレータフィルムを積層し、温度40℃相対湿度55%RHの環境下で1週間養生して、実施例4の粘着剤層付き偏光板を得た。
[比較例5,6]
表1に示す光学機能層、第2粘着剤層、偏光子、保護フィルムを用いて、実施例4と同様にして、それぞれ図2に示す構成の粘着剤層付き偏光板102’を作製した。
[湿熱耐久性の評価]
実施例及び比較例の粘着剤層付き偏光板を140mm×65mmのサイズにカットした後、無アルカリガラス板に第2粘着剤層が接するように積層し、ハンドローラーを用いて貼り合わせた。この試験片を温度65℃相対湿度90%RHの恒温恒湿槽に投入し、500時間静置した後に取り出した。試験片の偏光板と標準偏光板とをクロスニコルに配置して、試験片の偏光板のコーナー付近を光学顕微鏡で観察し、光学機能層の端部と偏光子の端部までの距離(フィルムズレ幅)と、偏光子の端部からヨウ素が抜けている範囲(色抜け幅)を測定した。
図3は、図1に示す粘着剤層付き偏光板について、湿熱耐久試験後に生じ得るフィルムズレと、色抜けと、を模式的に示す概略断面図である。図3に示すように、湿熱耐久試験によって偏光子10の端部の位置がズレることによりフィルムズレが生じる。図3では、フィルムズレ幅をD1として示す。また、図3に示すように、湿熱耐久試験によって偏光子10の端部からヨウ素50が抜けることにより色抜けが生じる。図3では、ヨウ素が抜けている範囲(色抜け幅)をD2として示す。図3からわかるように、湿熱耐久試験前の偏光子の端部から、湿熱耐久試験によるフィルムズレ幅D1と色抜け幅D2とを足し合わせた分の領域については表示領域とすることができないためこの値を表示領域減少幅D3とする。
Figure 2021152648
表1に、実施例及び比較例の試験片について、フィルムズレ量D1、色抜け幅D2、表示領域減少幅D3の測定結果を示す。表示領域減少幅が小さい程湿熱耐久性に優れる。実施例1〜4では表示領域減少幅が160μm以下であり、一方比較例1〜6では表示領域減少幅が214μm以上であった。
10 偏光子、12 保護フィルム、13 光学機能層、14 第1粘着剤層、15 第2粘着剤層、101,102 偏光板、101’,102’ 粘着剤層付き偏光板。

Claims (8)

  1. 光学機能層と、第1粘着剤層と、偏光子と、保護フィルムとをこの順に有し、
    前記第1粘着剤層は前記偏光子の一方の面に接して設けられ、
    前記偏光子の収縮力が2.3N/2mm以下であり、
    前記偏光子はポリビニルアルコール系樹脂及びホウ素を含み、かつ、ホウ素の含有量が2.6質量%以上4.3質量%以下であり、
    前記第1粘着剤層は、温度85℃相対湿度0%RHの引張弾性率が0.2MPa以上、かつ温度40℃相対湿度92%RHの透湿度が250g/(m・24時間)以下である、偏光板。
  2. 前記第1粘着剤層は、ゴム系樹脂を含む粘着剤組成物から形成される、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記光学機能層は、輝度向上フィルム又は位相差層である、請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記偏光子は、厚みが10μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 前記第1粘着剤層は、厚みが20μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 前記保護フィルムは、温度40℃相対湿度92%RHの透湿度が200g/(m・24時間)以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板と、前記偏光板の少なくとも一方の面に設けられた第2粘着剤層とを有する、粘着剤層付き偏光板。
  8. 請求項7に記載の粘着剤層付き偏光板と、表示素子とを有し、
    前記第2粘着剤層を介して、前記表示セルに前記偏光板が貼合されている、画像表示装置。
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