JP2021152367A - 金属管加飾用熱収縮チューブ、加飾金属管及び加飾金属管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、良好な収縮特性を備えつつ外観面の向上及び低コスト化を図ることができる金属管加飾用熱収縮チューブ、良好な外観を有しつつ低コスト化を図ることができる加飾金属管及び加飾金属管の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る金属管加飾用熱収縮チューブは、エチレン系共重合体及び酸変性オレフィン系樹脂を含むベース樹脂とフィラーとを含有する単層の熱収縮層からなり、上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体の上記酸変性オレフィン系樹脂に対する質量比が40/60以上95/5以下であり、上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、金属管加飾用熱収縮チューブ、加飾金属管及び加飾金属管の製造方法に関する。
従来から、金属管、食缶等の金属材を加飾する手段として、塗装、印刷等が行われている。この塗装により形成された塗膜は剛体で靭性が低いため、衝撃により欠け、剥がれ等のおそれがある。また、塗装を施す技術は、焼き付け工程が複雑であるばかりでなく、多大な処理時間を必要とし、製造コストが高くなる不都合もある。
そこで、表面加飾用の塗装の代替として、3次元曲面に貼り付けることができるシート状の加飾フィルムに関する技術が提案されている(特開2017−205962号公報参照)。
しかしながら、金属材にシート状の加飾フィルムを貼り付ける方法では、加飾フィルムをつなぎ合せる部分につなぎ目や不自然な厚みムラが生じたり、複雑な形状に追従できず触感及び意匠性を低下させることがある。また、加飾フィルムには実質的に接着力がないことから、接着層を設けることが必要とされるが、接着層を設けると、湿度の影響により剥離するおそれがあり、さらに、加飾フィルムの厚みが増大することによる触感及び意匠性の低下、コストの上昇等が生じるおそれがある。
一方、被覆材料として熱収縮チューブがある。この熱収縮チューブは、基材を被覆する場合に接着層を必要としないが、基材の保護、保管時における形状保持性等の収縮特性などの機能面が外観面よりも重視される傾向があり、外観面の向上が求められる。また、熱収縮チューブにおいては、難燃性等のさらなる機能付与や低コスト化も求められている。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、良好な収縮特性を備えつつ外観面の向上及び低コスト化を図ることができる金属管加飾用熱収縮チューブ、並びに外観を向上しつつ低コスト化を図ることができる加飾金属管及び加飾金属管の製造方法の提供を目的とする。
本発明の一態様に係る金属管加飾用熱収縮チューブは、エチレン系共重合体及び酸変性オレフィン系樹脂を含むベース樹脂とフィラーとを含有する単層の熱収縮層からなり、
上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体の上記酸変性オレフィン系樹脂に対する質量比が40/60以上95/5以下であり、上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%以下である。
上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体の上記酸変性オレフィン系樹脂に対する質量比が40/60以上95/5以下であり、上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%以下である。
本発明の別の態様に係る加飾金属管は、金属管と、上記金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層とを備え、上記被覆層が当該金属管加飾用熱収縮チューブの加熱による収縮体である。
本発明のさらに別の態様に係る加飾金属管の製造方法は、当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、これを加熱収縮させることにより被覆層を形成する工程を備える。
本発明の一態様に係る金属管加飾用熱収縮チューブは、良好な収縮特性を備えつつ外観面の向上及び低コスト化を図ることができる。本発明の別の態様に係る加飾金属管は、良好な外観を有しつつ低コスト化を図ることができる。本発明のさらに別の態様に係る加飾金属管の製造方法は、良好な外観を有する加飾金属管を製造できるとともに、低コスト化を図ることができる。
[本発明の実施形態の説明]
本発明者らは、加飾フィルムと比較してつなぎ目の問題が生じない熱収縮チューブを用いて金属管を加飾する方法について検討を行った。熱収縮チューブの熱収縮層にフィラーを含有させることで低コスト化や難燃性付与を図ることができるが、フィラーとベース樹脂界面が剥離することにより、熱収縮チューブの表面に筋状の模様が発生する場合がある。これらの課題に基づき検討を進めた結果、熱収縮層のベース樹脂が酸変性樹脂を含むことで、ベース樹脂とフィラーとの接着性が向上して筋状の模様の発生を抑制できることを知見した。一方、熱収縮チューブとしては、加熱した際に充分な収縮性を発揮することが重要である。例えば収縮温度が低すぎると、熱収縮チューブの保管時においても収縮が生じ、使用時に十分な径が維持されない場合があることから、保管時における形状保持性の向上が望まれる。本発明者らは、ベース樹脂が酸変性樹脂を含む場合、ベース樹脂の結晶量が減少するとともに、上記酸変性樹脂はフィラーを介した疑似的な架橋が形成され、保管時における自然収縮が生じ、保管時における形状保持性が低下するおそれがあることも知見した。そこで、上記ベース樹脂として、上記酸変性樹脂と他の特定の樹脂とを特定の割合で組み合わせることで、これらの課題を解決できることを見出した。
本発明者らは、加飾フィルムと比較してつなぎ目の問題が生じない熱収縮チューブを用いて金属管を加飾する方法について検討を行った。熱収縮チューブの熱収縮層にフィラーを含有させることで低コスト化や難燃性付与を図ることができるが、フィラーとベース樹脂界面が剥離することにより、熱収縮チューブの表面に筋状の模様が発生する場合がある。これらの課題に基づき検討を進めた結果、熱収縮層のベース樹脂が酸変性樹脂を含むことで、ベース樹脂とフィラーとの接着性が向上して筋状の模様の発生を抑制できることを知見した。一方、熱収縮チューブとしては、加熱した際に充分な収縮性を発揮することが重要である。例えば収縮温度が低すぎると、熱収縮チューブの保管時においても収縮が生じ、使用時に十分な径が維持されない場合があることから、保管時における形状保持性の向上が望まれる。本発明者らは、ベース樹脂が酸変性樹脂を含む場合、ベース樹脂の結晶量が減少するとともに、上記酸変性樹脂はフィラーを介した疑似的な架橋が形成され、保管時における自然収縮が生じ、保管時における形状保持性が低下するおそれがあることも知見した。そこで、上記ベース樹脂として、上記酸変性樹脂と他の特定の樹脂とを特定の割合で組み合わせることで、これらの課題を解決できることを見出した。
本発明の一態様に係る金属管加飾用熱収縮チューブは、エチレン系共重合体及び酸変性オレフィン系樹脂を含むベース樹脂とフィラーとを含有する単層の熱収縮層からなり、上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体の上記酸変性オレフィン系樹脂に対する質量比が40/60以上95/5以下であり、上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%以下である。
上記ベース樹脂がエチレン系共重合体を含み、上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体と上記酸変性オレフィン系樹脂との質量比が上記範囲であることで、ベース樹脂とフィラーとの接着性を向上してベース樹脂とフィラーとの剥離による筋状の模様の発生を抑制できる。また、上記ベース樹脂の結晶度並びに上記酸変性オレフィン系樹脂のフィラーを介した疑似的な架橋度が適度な範囲となるので、50℃以下の温度での収縮率が抑制されて保管時における形状保持性を向上できる。その結果、筋状の模様の発生に対する抑制効果及び保管時における形状保持性の向上という相反する効果の両立を図ることができる。従って、良好な収縮特性を備えつつ外観面の向上及び低コスト化を図ることができる。また、上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%以下であることで、筋状の模様の発生を抑制しつつ、低コスト化や難燃性付与の効果を得ることができる。さらに、当該熱収縮チューブの内表面の表面粗さを適正な範囲に調整できるので、加熱により当該熱収縮チューブの収縮体を金属管に被覆した後の衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果を高めることができる。上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%を超えると、ベース樹脂の組成を上記の範囲としても、白化を抑制することが困難となるおそれがある。
上記ベース樹脂のゲル分率が30%以上90%以下であることが好ましい。上記ベース樹脂のゲル分率を上記範囲とすることで、高温における形状保持性を備えつつ、保管時における形状保持性を向上できる。
上記ベース樹脂に対する上記酸変性オレフィン系樹脂に結合している酸成分の含有量が0.2質量%以上1.2質量%以下であることが好ましい。当該金属管加飾用熱収縮チューブは、上記ベース樹脂に対する酸成分の含有量が上記範囲であることで、ベース樹脂とフィラーとの剥離によると考えられる筋状の模様の発生に対する抑制効果、及び保管時における形状保持性をさらに向上できる。ここで、酸変性オレフィン系樹脂に結合している酸成分とは、オレフィン系樹脂の酸変性に寄与している酸成分をいう。
上記エチレン系共重合体がエチルアクリレート単位又はビニルアセテート単位を有する樹脂を含み、上記ベース樹脂に対するエチルアクリレート単位又はビニルアセテート単位の含有量が3.0質量%以上23.0質量%以下であることが好ましい。上記ベース樹脂に対するエチルアクリレート単位又はビニルアセテート単位の含有量が上記範囲であることで、筋状の模様の発生に対する抑制効果をより向上できる。さらに、上記ベース樹脂に対するエチルアクリレート単位の含有量が上記範囲であることで、金属管との親和性が高くなり、上記熱収縮チューブの収縮体を金属管に被覆した後の衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が向上する。
上記フィラーが原子番号20以下の元素で構成される無機粒子であることが好ましい。上記フィラーが、原子番号20以下の元素で構成される無機粒子であることで、食品、飲料、医薬、おもちゃ等の用途として不純物の低減を図ることができる。
また、本発明の別の態様に係る加飾金属管は、金属管と、上記金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層とを備え、上記被覆層が当該金属管加飾用熱収縮チューブの加熱による収縮体である。
当該加飾金属管は、金属管と、上記金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層とを備え、上記被覆層が当該金属管加飾用熱収縮チューブの加熱による収縮体であるので、良好な外観を有しつつ低コスト化を図ることができる。
また、本発明のさらに別の態様に係る加飾金属管の製造方法は、当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、これを加熱収縮させることにより被覆層を形成する工程を備える。
当該加飾金属管の製造方法は、当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、これを加熱収縮させることにより被覆層を形成する工程を備えることで、良好な外観を有する加飾金属管を製造できるとともに、低コスト化を図ることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の各実施形態について詳説する。
以下、本発明の各実施形態について詳説する。
<金属管加飾用熱収縮チューブ>
本発明の一実施形態に係る金属管加飾用熱収縮チューブ(以下、熱収縮チューブともいう。)は、金属管に意匠性を付与するための加飾用の被覆材として使用される。より具体的には、金属管が挿入された金属管加飾用熱収縮チューブを金属管上で加熱し、上記熱収縮チューブの収縮体で金属管を被覆することで、金属管が加飾される。当該金属管加飾用熱収縮チューブは、円筒状の単層の熱収縮層からなる。熱収縮層は、ベース樹脂と、フィラーとを含有する。当該金属管加飾用熱収縮チューブでは、加飾フィルムで生じやすい塗膜の剥離や、継ぎ目による意匠性の低下がない。また、当該金属管加飾用熱収縮チューブは接着層を必要とせず、単層の熱収縮層からなることで、製造コストを低減できる。
本発明の一実施形態に係る金属管加飾用熱収縮チューブ(以下、熱収縮チューブともいう。)は、金属管に意匠性を付与するための加飾用の被覆材として使用される。より具体的には、金属管が挿入された金属管加飾用熱収縮チューブを金属管上で加熱し、上記熱収縮チューブの収縮体で金属管を被覆することで、金属管が加飾される。当該金属管加飾用熱収縮チューブは、円筒状の単層の熱収縮層からなる。熱収縮層は、ベース樹脂と、フィラーとを含有する。当該金属管加飾用熱収縮チューブでは、加飾フィルムで生じやすい塗膜の剥離や、継ぎ目による意匠性の低下がない。また、当該金属管加飾用熱収縮チューブは接着層を必要とせず、単層の熱収縮層からなることで、製造コストを低減できる。
当該金属管加飾用熱収縮チューブの内表面の算術平均粗さRaの下限としては、0.1μmであり、0.3μmが好ましく、0.9μmがより好ましい。当該金属管加飾用熱収縮チューブの内表面の算術平均粗さRaが上記下限未満の場合、当該金属管加飾用熱収縮チューブの内表面と金属管との間の摩擦抵抗が小さくなり、上記熱収縮チューブの収縮体を金属管に被覆した後の衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が低下するおそれがある。一方、上記当該金属管加飾用熱収縮チューブの内表面の算術平均粗さRaの上限としては、5.0μmであり、3.0μmが好ましく、2.0μmがより好ましい。当該金属管加飾用熱収チューブの内表面の算術平均粗さRaが上記上限を超える場合、当該金属管加飾用熱収縮チューブと金属管との接触面積が減少し、上記熱収縮チューブの収縮体を金属管に被覆した後の衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が低下するおそれがある。さらに、上記熱収縮チューブは、径方向に熱収縮する際に長手方向にも収縮してこの長手方向の長さが変化するが、当該金属管加飾用熱収縮チューブの内表面の算術平均粗さRaを上記範囲とすることで、当該金属管加飾用熱収縮チューブの内表面と金属管との間で適度な摩擦抵抗が生じるので、金属管上で上記熱収縮チューブが熱収縮されたときの上記熱収縮チューブの長手方向の長さの変化を抑制できる。
当該金属管加飾用熱収縮チューブの外表面の算術平均粗さRaの下限としては、0.5μmが好ましく、0.8μmがより好ましく、1.2μmがさらに好ましい。当該金属管加飾用熱収縮チューブの外表面の算術平均粗さRaが上記下限未満の場合、表面が平滑化して光沢が強くなり、触感及び意匠性が低下するおそれがある。一方、上記当該金属管加飾用熱収縮チューブの外表面の算術平均粗さRaの上限としては、5.0μmが好ましく、であり、3.0μmがより好ましく、2.2μmがさらに好ましい。当該金属管加飾用熱収縮チューブの外表面の算術平均粗さRaが上記上限を超える場合、当該金属管加飾用熱収縮チューブの外表面が荒れてしまい、触感及び意匠性が低下するおそれがある。上記算術平均粗さRaは、JIS−B0601(2013)に準拠して測定した値である。
当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管上で熱収縮させたときの径方向の熱収縮率としては、30%以上75%以下が好ましい。上記径方向の熱収縮率が上記範囲であることで、金属管被覆時に金属管にかかる応力を良好な範囲に維持できるので、加熱により当該熱収縮チューブの収縮体を金属管に被覆した後の衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれを抑制できる。また、上記径方向の熱収縮率が30%未満の場合、当該金属管加飾用熱収縮チューブの金属管に対する密着性が不十分となるおそれがある。一方、上記径方向の熱収縮率が75%を超えると熱収縮層の厚みのばらつきが生じたり、製造コストが増加するおそれがある。
なお、上記径方向の熱収縮率[%]は下記式で求められる。
径方向の熱収縮率[%]=[(熱収縮前内径−熱収縮完了後内径)/熱収縮前内径]×100
なお、上記径方向の熱収縮率[%]は下記式で求められる。
径方向の熱収縮率[%]=[(熱収縮前内径−熱収縮完了後内径)/熱収縮前内径]×100
当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管上で熱収縮させたときの上記熱収縮チューブの長手方向の長さの変化率の下限としては、−10%が好ましく、−5%がより好ましい。上記熱収縮チューブの長手方向の長さの変化率の上限としては、5%が好ましく、0%がより好ましい。上記熱収縮チューブの長手方向の長さの変化率が上記範囲であることで、金属管の加飾対象部位の端部まで過不足なく被覆することが容易になり、良好な意匠性を有する加飾金属管を得ることができる。
当該金属管加飾用熱収縮チューブの平均厚さは、意匠性向上及び機械的強度維持の観点から例えば0.05mm以上0.8mm以下にできる。上記熱収縮チューブの平均厚さが0.05mmよりも薄い場合には、チューブの強度が低下して裂けや破れが生じるおそれがある。上記熱収縮チューブの平均厚さが0.8mmよりも厚い場合には、端面でのチューブ厚みが目立ち意匠性が低下するおそれがある。
当該金属管加飾用熱収縮チューブの平均内径は、特に限定されず用途等に合わせて適宜変更可能である。当該金属管加飾用熱収縮チューブの平均内径としては、例えば0.5mm以上110mm以下とできる。
当該金属管加飾用熱収縮チューブの色は、着色剤を添加することにより所望の色に調整することができる。着色剤の種類、量により色味を調整できる。着色剤はカラーバッチとして添加することで混合ムラを抑制して均一な色味を発現できる。
[熱収縮層]
熱収縮層は、加熱されることで縮径するチューブとして形成される。熱収縮層は、エチレン系共重合体及び酸変性オレフィン系樹脂を含むベース樹脂とフィラーとを含有する。
熱収縮層は、加熱されることで縮径するチューブとして形成される。熱収縮層は、エチレン系共重合体及び酸変性オレフィン系樹脂を含むベース樹脂とフィラーとを含有する。
(ベース樹脂)
ベース樹脂は、エチレン系共重合体及び酸変性オレフィン系樹脂を含む。上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体の上記酸変性オレフィン系樹脂に対する質量比が40/60以上95/5以下である。上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体と上記酸変性オレフィン系樹脂との質量比が上記範囲であることで、ベース樹脂とフィラーとの接着性が向上してベース樹脂とフィラーとの剥離による筋状の模様の発生を抑制できる。また、上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体と上記酸変性オレフィン系樹脂との質量比が上記範囲であることで、上記酸変性オレフィン系樹脂のフィラーを介した疑似的な架橋(微架橋度)が適度な範囲となり、50℃以下の温度での収縮率が抑制されて保管時における形状保持性を向上できる。さらに、ベース樹脂が、酸変性オレフィン系樹脂を含むことで、ベース樹脂が良好な極性を有することになり、吸着結合がされやすくなるので、被覆対象となる金属との親和性を向上できる。これにより、上記熱収縮チューブの収縮体を金属管に被覆した後の衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が優れる。
ベース樹脂は、エチレン系共重合体及び酸変性オレフィン系樹脂を含む。上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体の上記酸変性オレフィン系樹脂に対する質量比が40/60以上95/5以下である。上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体と上記酸変性オレフィン系樹脂との質量比が上記範囲であることで、ベース樹脂とフィラーとの接着性が向上してベース樹脂とフィラーとの剥離による筋状の模様の発生を抑制できる。また、上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体と上記酸変性オレフィン系樹脂との質量比が上記範囲であることで、上記酸変性オレフィン系樹脂のフィラーを介した疑似的な架橋(微架橋度)が適度な範囲となり、50℃以下の温度での収縮率が抑制されて保管時における形状保持性を向上できる。さらに、ベース樹脂が、酸変性オレフィン系樹脂を含むことで、ベース樹脂が良好な極性を有することになり、吸着結合がされやすくなるので、被覆対象となる金属との親和性を向上できる。これにより、上記熱収縮チューブの収縮体を金属管に被覆した後の衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が優れる。
ここで、酸変性オレフィン系樹脂とは、酸性官能基を側鎖に有するオレフィン系樹脂、主鎖中に酸性官能基が組み込まれたオレフィン系樹脂又は酸性官能基を側鎖に有するとともに、主鎖中に酸性官能基が組み込まれたオレフィン系樹脂をいう。酸成分で変性された酸変性オレフィン系樹脂を用いることで、適切な熱収縮性を付与できるとともに、比較的安価に入手できる。さらに、ベース樹脂が酸変性オレフィン系樹脂を含むことで、ベース樹脂が良好な極性を有することになり、吸着結合がされやすくなるので、金属との親和性を向上できる。これにより、上記衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が優れる。
酸変性の対象となるオレフィン系樹脂としては、例えば
ポリエチレン、エチレン−アクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−アクリレートエステル共重合体、エチレン−メタクリレートエステル共重合体等のエチレン系樹脂、
ポリプロピレン、プロピレン−アクリレート共重合体、プロピレン−メタクリレート共重合体、プロピレン−アクリレートエステル共重合体、プロピレン−メタクリレートエステル共重合体等のプロピレン系樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、エチレン系樹脂が好ましい。
ポリエチレン、エチレン−アクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−アクリレートエステル共重合体、エチレン−メタクリレートエステル共重合体等のエチレン系樹脂、
ポリプロピレン、プロピレン−アクリレート共重合体、プロピレン−メタクリレート共重合体、プロピレン−アクリレートエステル共重合体、プロピレン−メタクリレートエステル共重合体等のプロピレン系樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、エチレン系樹脂が好ましい。
上記エチレン系樹脂としては、例えば超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらの中でも、樹脂の柔軟性の観点から超低密度ポリエチレンが好ましい。
酸変性に用いる酸としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の誘導体としては、例えばマレイン酸モノエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、無水フマル酸等が挙げられる。これらの中でも、フィラーとの親和性を高めることでフィラーの保持性を向上するとともに、金属管との親和性を高めることで上記衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果を向上できる観点から不飽和カルボン酸の誘導体が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
酸変性オレフィン系樹脂としては、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性エチレン−ビニルアセテート共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−メチルメタクリレート共重合体等が好ましい。これらの中でも、樹脂の柔軟性、フィラーの保持性及び当該金属管加飾用熱収縮チューブと金属管との位置ずれに対する抑制効果の観点から無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン及び無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。
上記酸変性オレフィン系樹脂の酸成分の含有量としては、0.5質量%以上6.0質量%以下が好ましい。
ここで、酸成分の含有量は、下記式で表される。
酸成分の含有量[質量%]=[上記酸成分の官能基含有モノマー由来部分の質量/酸変性オレフィン系樹脂全体の質量]×100
ここで、酸成分の含有量は、下記式で表される。
酸成分の含有量[質量%]=[上記酸成分の官能基含有モノマー由来部分の質量/酸変性オレフィン系樹脂全体の質量]×100
上記ベース樹脂に対する酸成分の含有量の下限としては、0.2質量%であり、0.6質量%が好ましい。上記酸成分の含有量が上記下限未満の場合、ベース樹脂とフィラーとの接着性が低下して、ベース樹脂とフィラーとの剥離による筋状の模様の発生に対する抑制効果が低くなるおそれがある。さらに、上記下限未満の場合、金属管と上記熱収縮チューブとの摩擦抵抗が十分得られず、熱収縮チューブの長手方向の長さの変化に対する抑制効果が小さくなるおそれがある。一方、上記酸成分の含有量の上限としては、1.2質量%であり、1.0質量%が好ましい。上記酸成分の含有量が上記上限を超える場合、50℃以下の温度での収縮率が高くなり、保管時における形状保持性が低下するおそれがある。また、熱収縮層の機械的強度が低下して変形しやすくなることにより、当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管上で熱収縮したときの上記熱収縮チューブの長手方向の長さの変化率を低減する効果が小さくなるおそれがある。
上記ベース樹脂に対する酸変性オレフィン系樹脂の含有量の下限としては、5質量%が好ましい。上記酸変性オレフィン系樹脂の含有量が上記下限未満の場合、金属管と上記熱収縮チューブとの摩擦抵抗が十分得られず、熱収縮チューブの長手方向の長さの変化に対する抑制効果が小さくなるおそれがある。一方、上記酸変性オレフィン系樹脂の含有量の上限としては、60質量%が好ましい。上記酸変性オレフィン系樹脂の含有量が上記上限を超える場合、チューブの製造性が悪くなるおそれがある。
上記エチレン系共重合体は、適切な熱収縮性を付与できるとともに、比較的安価に入手できる。エチレン系共重合体としては、例えばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)等のエチレン−アクリレートエステル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等のエチレン−メタクリレートエステル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)等が挙げられる。
エチレン系共重合体としては、コストの観点からこれらの中でもエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)及びエチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)が好ましい。
なお、オレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
エチレン系共重合体としては、コストの観点からこれらの中でもエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)及びエチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)が好ましい。
なお、オレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記エチレン系共重合体がエチルアクリレート単位又はビニルアセテート単位を有する樹脂を含む場合、上記ベース樹脂に対する上記エチルアクリレート単位又はビニルアセテート単位の含有量の下限としては、3.0質量%が好ましく、5.0質量%がより好ましい。上記エチルアクリレート単位の含有量が上記下限未満の場合、筋状の模様の発生に対する抑制効果が低下するおそれがある。また、金属管との親和性が低下し、上記衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が小さくなるおそれがある。一方、上記エチルアクリレート単位又はビニルアセテート単位の含有量の上限としては、23.0質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。上記エチルアクリレート単位又はビニルアセテート単位の含有量が上記上限を超える場合、筋状の模様の発生に対する抑制効果が低下するおそれがある。また、熱収縮層の機械的強度が低下して変形しやすくなることにより、上記衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が低下するおそれがある。
エチルアクリレート単位の含有量の測定には、赤外分光法(IR)等の公知の方法を用いることができる。
エチルアクリレート単位の含有量の測定には、赤外分光法(IR)等の公知の方法を用いることができる。
ベース樹脂には、必要に応じて添加剤を添加してもよい。そのような添加剤としては、例えば強度保持剤、酸化防止剤、難燃剤、銅害防止剤、滑材、着色剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。ベース樹脂における添加剤の含有量は、20質量%未満とすることがより好ましく、10質量%未満とすることがさらに好ましい。添加剤の含有量が上記上限以上の場合、熱収縮層の特性にバラツキが生じ易くなるおそれがある。
(フィラー)
熱収縮層はフィラーを含有することで、当該金属管加飾用熱収縮チューブの低コスト化や難燃性付与を図ることができる。また、当該金属管加飾用熱収縮チューブの表面粗さを適正な範囲に調整できる。
熱収縮層はフィラーを含有することで、当該金属管加飾用熱収縮チューブの低コスト化や難燃性付与を図ることができる。また、当該金属管加飾用熱収縮チューブの表面粗さを適正な範囲に調整できる。
フィラーの材質としては、例えばアルミナ、シリカ、カルシア、マグネシア等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸化合物、ムライト、タルク、マイカ等の複合化合物等が挙げられる。フィラーとしては、複数の材質を用いてもよい。
なお、フィラーの材質としては、食品、飲料、医薬、おもちゃ等の用途により食品衛生法の規格基準に対応させる場合は、原子番号が20以下の元素で構成されるフィラーが好ましい。原子番号が20以下の元素で構成されるフィラーとしては、例えばアルミナ、シリカ、カルシア、マグネシア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ムライト、タルク等が挙げられる。
フィラーの形状としては、表面粗さを制御できれば制限はなく、粒子状、扁平状、棒状であってもよい。なお、フィラーのアスペクト比が極端に大きな長繊維の場合は、ベース樹脂中にフィラーを均一に分散することが困難になるおそれがある。
フィラーの平均粒子径の下限としては、0.5μmが好ましく、1.0μmがより好ましい。上記フィラーの平均粒子径が上記下限未満の場合、当該金属管加飾用熱収縮チューブの内表面の算術平均粗さRaが低下することにより位置ずれに対する抑制効果が低下するおそれがある。一方、上記フィラーの平均粒子径の上限としては、20.0μmが好ましく、10.0μmがより好ましい。上記フィラーの平均粒子径が上記上限を超える場合、当該金属管加飾用熱収縮チューブと金属管との密着性が低下するおそれがある。フィラーの平均粒子径を上記範囲とすることで、内表面の算術平均粗さRaを良好な範囲に制御できるので、金属管上で上記熱収縮チューブを熱収縮したときの上記熱収縮チューブの長手方向の長さの変化を抑制できる。さらに、フィラーの平均粒子径を上記範囲とすることで、良好なマット調の外観が得られ、触感及び意匠性を向上できる。
上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量の下限としては、5体積%が好ましく、10体積%がより好ましい。上記フィラーの含有量が上記下限未満の場合、当該金属管加飾用熱収縮チューブの内表面の算術平均粗さRaが低下して当該金属管加飾用熱収縮チューブと金属管との引っ掛かりが小さくなり、上記衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が低下するおそれがある。一方、上記炭素原子割合の上限としては、30体積%であり、20体積%が好ましい。上記フィラーの含有量が上記上限を超える場合、ベース樹脂の組成を上記の範囲としても、白化を抑制することが困難となるおそれがある。また、当該金属管加飾用熱収縮チューブの機械的強度が低下するおそれがある。
当該金属管加飾用熱収縮チューブは、良好な収縮特性を備えつつ外観面の向上及び低コスト化を図ることができる。従って、当該金属管加飾用熱収縮チューブは、例えば各種工業用、食品、飲料、医薬、おもちゃ等の用途の金属管の加飾材として好適に使用できる。
<加飾金属管>
当該加飾金属管は、金属管と、上記金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層とを備え、上記被覆層が当該金属管加飾用熱収縮チューブの加熱による収縮体である。当該加飾金属管は、金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層が、当該金属管加飾用熱収縮チューブの加熱による収縮体であるので、良好な外観を有しつつ低コスト化を図ることができる。図1は、本発明の一実施形態に係る加飾金属管を示す模式的斜視図である。図1に示すように、加飾金属管10は、金属管1と、金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層2とを備える。本実施形態では、金属管の外表面全体が加飾対象部位とされている。
当該加飾金属管は、金属管と、上記金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層とを備え、上記被覆層が当該金属管加飾用熱収縮チューブの加熱による収縮体である。当該加飾金属管は、金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層が、当該金属管加飾用熱収縮チューブの加熱による収縮体であるので、良好な外観を有しつつ低コスト化を図ることができる。図1は、本発明の一実施形態に係る加飾金属管を示す模式的斜視図である。図1に示すように、加飾金属管10は、金属管1と、金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層2とを備える。本実施形態では、金属管の外表面全体が加飾対象部位とされている。
(金属管)
当該金属管加飾用熱収縮チューブの被覆対象としては、例えばステンレス、アルミ、真鍮等からなる金属管を用いることができる。なお、金属管には、円筒形状の金属管以外にも、円柱形状の金属材、有底円筒状の金属管等が含まれる。また、複数の径を持つ段差のある円筒形状でもよい。
当該金属管加飾用熱収縮チューブの被覆対象としては、例えばステンレス、アルミ、真鍮等からなる金属管を用いることができる。なお、金属管には、円筒形状の金属管以外にも、円柱形状の金属材、有底円筒状の金属管等が含まれる。また、複数の径を持つ段差のある円筒形状でもよい。
上記金属管の外表面の算術平均粗さRaの下限としては、0.05μmが好ましく、0.30μmがより好ましい。上記金属管の外表面の算術平均粗さRaが上記下限未満の場合、当該金属管加飾用熱収縮チューブと上記金属管の外表面との摩擦力が小さくなり、上記衝撃による上記収縮体と金属管との位置ずれに対する抑制効果が低下するおそれがある。一方、上記金属管の外表面の算術平均粗さRaの上限としては、3.00μmが好ましく、1.00μmがより好ましい。上記金属管の外表面の算術平均粗さRaが上記上限を超える場合、上記被覆層の表面に影響して外観が粗くなり、意匠性が低下するおそれがある。
<加飾金属管の製造方法>
当該加飾金属管の製造方法は、当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、これを加熱収縮させることにより被覆層を形成する工程を備える。当該加飾金属管の製造方法は、良好な外観を有する加飾金属管を製造できるとともに、低コスト化を図ることができる。なお、金属管の加飾対象部位とは、金属管の全外表面のみならず、金属管の外表面の所定の一部の範囲も含まれる。当該加飾金属管の製造方法はその他の工程も含め、例えば以下の工程を備える。
(1)熱収縮層を形成するための熱収縮層用樹脂組成物(以下、熱収縮層用樹脂組成物ともいう)を調製する工程(熱収縮層用樹脂組成物調製工程)
(2)熱収縮層用樹脂組成物を溶融押出成形機により押出成形する工程(押出成形工程)
(3)押出成形品を拡径して当該金属管加飾用熱収縮チューブを得る工程(拡径工程)
(4)当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、この熱収縮チューブを加熱収縮させることにより被覆層を形成する工程(被覆層形成工程)
当該加飾金属管の製造方法は、当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、これを加熱収縮させることにより被覆層を形成する工程を備える。当該加飾金属管の製造方法は、良好な外観を有する加飾金属管を製造できるとともに、低コスト化を図ることができる。なお、金属管の加飾対象部位とは、金属管の全外表面のみならず、金属管の外表面の所定の一部の範囲も含まれる。当該加飾金属管の製造方法はその他の工程も含め、例えば以下の工程を備える。
(1)熱収縮層を形成するための熱収縮層用樹脂組成物(以下、熱収縮層用樹脂組成物ともいう)を調製する工程(熱収縮層用樹脂組成物調製工程)
(2)熱収縮層用樹脂組成物を溶融押出成形機により押出成形する工程(押出成形工程)
(3)押出成形品を拡径して当該金属管加飾用熱収縮チューブを得る工程(拡径工程)
(4)当該金属管加飾用熱収縮チューブを金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、この熱収縮チューブを加熱収縮させることにより被覆層を形成する工程(被覆層形成工程)
(1)熱収縮層用樹脂組成物調製工程
熱収縮層用樹脂組成物調製工程では、当該金属管加飾用熱収縮チューブの各樹脂成分、フィラー及び必要に応じて添加剤を溶融混合機等により混合することにより熱収縮層を形成するための熱収縮層用樹脂組成物を調製する。溶融混合機としては、公知のもの、例えばオープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸混合機、多軸混合機等を使用できる。
熱収縮層用樹脂組成物調製工程では、当該金属管加飾用熱収縮チューブの各樹脂成分、フィラー及び必要に応じて添加剤を溶融混合機等により混合することにより熱収縮層を形成するための熱収縮層用樹脂組成物を調製する。溶融混合機としては、公知のもの、例えばオープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸混合機、多軸混合機等を使用できる。
(2)押出成形工程
押出成形工程では、上記熱収縮層用樹脂組成物を溶融押出成形機により押出成形する。具体的には、熱収縮層に対応する層を押出す円筒状の空間を有する押出ダイスを用いて熱収縮層用樹脂組成物を押出成形する。これにより、熱収縮層に対応する押出成形品が得られる。
押出成形工程では、上記熱収縮層用樹脂組成物を溶融押出成形機により押出成形する。具体的には、熱収縮層に対応する層を押出す円筒状の空間を有する押出ダイスを用いて熱収縮層用樹脂組成物を押出成形する。これにより、熱収縮層に対応する押出成形品が得られる。
押出成形品の寸法は、用途等に応じて設計することができる。押出成形品の平均内径としては、例えば0.3mm以上100mm以下とされ、押出成形品の平均厚さとしては、例えば0.1mm以上1.5mm以下とされる。
本工程では、押出成形品のベース樹脂を架橋することにより、拡径工程後に高温で加熱収縮させる際の収縮性(形状記憶効果)及び収縮後の高温での形状保持性を付与する。ベース樹脂を架橋する方法としては、樹脂に放射線を照射する方法(ベース樹脂の照射架橋)が好ましい。放射線の照射によりベース樹脂を架橋した後は成形が困難になるので、放射線の照射(架橋工程)は押出成形工程後に行われる。押出成形後に放射線の照射を行うことにより、成形を確実に実施し、かつ放射線の照射による効果を充分に得ることができる。
ベース樹脂の照射架橋に使用される放射線としては、電子線(β線)、γ線等が挙げられる。電子加速器はランニングコストが低く、大出力の電子線が得られ、また、制御も容易であるので、放射線としては電子線が好ましい。
放射線照射量としては、80kGy以上200kGy以下の範囲が好ましい。上記放射線照射量が80kGy未満の場合、架橋度が小さくなり、保管時における形状保持性は改善されるが、収縮後の高温における形状保持性が低下するおそれがある。一方、上記放射線照射量が200kGy超の場合、50℃以下の収縮率が増大し、保管時における形状保持性が低下するとともに、チューブの強度が増加して拡径が困難になるおそれがある。
ベース樹脂の架橋度の指標となるゲル分率の下限としては、30%が好ましく、40%がより好ましい。ゲル分率が上記下限未満の場合、保管時における形状保持性を向上できるが、高温における形状保持性が低下するおそれがある。一方、上記ゲル分率の上限としては、90%が好ましく、80%がより好ましい。ゲル分率が上記上限を超える場合、保管時における形状保持性が低下するおそれがある。なお、ゲル分率とは、キシレン(100%)に上記熱収縮層を浸し120℃で24時間加熱溶解させた後の固形分質量をW1[g]とし、キシレンに浸す前の上記熱収縮層の質量をW2[g]としたとき、下記式より求められる値をいう。
ゲル分率[質量%]=[W1/W2]×100 ・・・(1)
ゲル分率[質量%]=[W1/W2]×100 ・・・(1)
(3)拡径工程
拡径工程では、押出成形品を拡径する。押出成形品の拡径の方法としては、従来の熱収縮チューブの作製に通常使用されている公知の拡径方法を用いることができる。例えば、押出成形品を融点以上の温度に加熱した状態で内部に圧縮空気を導入する方法や、外部から減圧する方法、金属棒を装入する方法等により所定の内径となるように拡径させた後、冷却して形状を固定させる方法等が用いられる。このような押出成形品の拡径は、例えば押出成形品の内径が例えば1.2倍以上4倍以下となるように行われる。拡径した押出成形品の形状を固定することで、当該金属管加飾用熱収縮チューブが得られる。この固定方法としては、例えばベース樹脂成分の融点以下の温度に冷却する方法等が挙げられる。なお、拡径工程において、上記熱収縮チューブの内表面の表面粗さへの影響を小さくするために、金属棒の粗さを低減したり、コーティングや潤滑剤の塗布を行うことができる。また、拡径の速度を低減することによっても上記熱収縮チューブの内表面の表面粗さへの影響を小さくすることができる。
拡径工程では、押出成形品を拡径する。押出成形品の拡径の方法としては、従来の熱収縮チューブの作製に通常使用されている公知の拡径方法を用いることができる。例えば、押出成形品を融点以上の温度に加熱した状態で内部に圧縮空気を導入する方法や、外部から減圧する方法、金属棒を装入する方法等により所定の内径となるように拡径させた後、冷却して形状を固定させる方法等が用いられる。このような押出成形品の拡径は、例えば押出成形品の内径が例えば1.2倍以上4倍以下となるように行われる。拡径した押出成形品の形状を固定することで、当該金属管加飾用熱収縮チューブが得られる。この固定方法としては、例えばベース樹脂成分の融点以下の温度に冷却する方法等が挙げられる。なお、拡径工程において、上記熱収縮チューブの内表面の表面粗さへの影響を小さくするために、金属棒の粗さを低減したり、コーティングや潤滑剤の塗布を行うことができる。また、拡径の速度を低減することによっても上記熱収縮チューブの内表面の表面粗さへの影響を小さくすることができる。
(4)被覆層形成工程
被覆層形成工程では、金属管を当該金属管加飾用熱収縮チューブ内に挿入し、当該金属管加飾用熱収縮チューブを上記金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、これを加熱収縮させることにより被覆層を形成して加飾金属管を製造する。被覆層形成工程における熱収縮温度としては、80℃以上200℃以下が好ましい。なお、被覆層形成工程の際には、当該加飾用熱収縮チューブの熱収縮時に上記熱収縮チューブの長手方向の長さの変化率を考慮して、金属管に対する上記熱収縮チューブの長さを調整することができる。
被覆層形成工程では、金属管を当該金属管加飾用熱収縮チューブ内に挿入し、当該金属管加飾用熱収縮チューブを上記金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、これを加熱収縮させることにより被覆層を形成して加飾金属管を製造する。被覆層形成工程における熱収縮温度としては、80℃以上200℃以下が好ましい。なお、被覆層形成工程の際には、当該加飾用熱収縮チューブの熱収縮時に上記熱収縮チューブの長手方向の長さの変化率を考慮して、金属管に対する上記熱収縮チューブの長さを調整することができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。ただし、実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<金属管加飾用熱収縮チューブNo.1〜No.17>
以下の手順により単層の熱収縮層からなるNo.1〜No.17の金属管加飾用熱収縮チューブを形成した。なお、以下EAはエチルアクリレートを示し、VAはビニルアセテートを示す。
以下の手順により単層の熱収縮層からなるNo.1〜No.17の金属管加飾用熱収縮チューブを形成した。なお、以下EAはエチルアクリレートを示し、VAはビニルアセテートを示す。
(ベース樹脂)
エチレン系共重合体として、EA単位の含有量15質量%のエチレン−アクリレートエチル共重合体(EEA、密度0.930g/cm3)、EA単位の含有量25質量%のエチレン−アクリレートエチル共重合体(EEA、密度0.930g/cm3)及びVA単位の含有量15質量%のエチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA、密度0.930g/cm3)の中から用いた。
また、酸変性オレフィン系樹脂として、無水マレイン酸成分の含有量が2%の無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン(無水マレイン酸変性VLDPE、密度0.873g/cm3)及び無水マレイン酸成分の含有量が2%の無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン(無水マレイン酸変性LLDPE、密度0.906g/cm3)のいずれかを用いた。
その他の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度0.920g/cm3)を用いた。
エチレン系共重合体として、EA単位の含有量15質量%のエチレン−アクリレートエチル共重合体(EEA、密度0.930g/cm3)、EA単位の含有量25質量%のエチレン−アクリレートエチル共重合体(EEA、密度0.930g/cm3)及びVA単位の含有量15質量%のエチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA、密度0.930g/cm3)の中から用いた。
また、酸変性オレフィン系樹脂として、無水マレイン酸成分の含有量が2%の無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン(無水マレイン酸変性VLDPE、密度0.873g/cm3)及び無水マレイン酸成分の含有量が2%の無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン(無水マレイン酸変性LLDPE、密度0.906g/cm3)のいずれかを用いた。
その他の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度0.920g/cm3)を用いた。
(フィラー)
フィラーとしては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの中から用いた。
フィラーとしては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの中から用いた。
上記ベース樹脂及びフィラーを用いて熱収縮層用樹脂組成物を調製した。ベース樹脂の組成、ベース樹脂に対する上記酸成分の含有量、フィラーの平均粒子径及び含有量を表1に示す。「−」は該当する成分を用いていないことを示す。上記酸成分の含有量は、ベース樹脂を構成する樹脂成分の混合比率で調整した。
熱収縮層用樹脂組成物を調製後、金型をセットし、熱収縮層用樹脂組成物を加圧して金型から押出成形することで成形チューブを得た。次に、この成形チューブを表1に示す照射量の条件で放射線照射を行った。成形チューブの外径は5mm、内径は4mmであった。次に、押出チューブを拡径装置により拡径させることで、外径10mm、内径が9.5mmの金属管加飾用熱収縮チューブを得た。
[評価]
金属管加飾用熱収縮チューブNo.1〜No.17について、ゲル分率、筋状の模様の発生に対する抑制性、保管時における形状保持性及び高温における形状保持性を評価した。
金属管加飾用熱収縮チューブNo.1〜No.17について、ゲル分率、筋状の模様の発生に対する抑制性、保管時における形状保持性及び高温における形状保持性を評価した。
(ゲル分率)
各金属管加飾用熱収縮チューブ1gの試料をキシレン20gに浸し、120℃で24時間加熱した。加熱後、キシレン溶液を回収してろ過し、ろ紙上に残った不溶物を集めた。次に、この不溶物を乾燥し、乾燥後の不溶物の質量をW1[g]とした。そして、下記式より、ゲル分率[質量%]を求めた。
ゲル分率[質量%]=[W1/1]×100
各金属管加飾用熱収縮チューブ1gの試料をキシレン20gに浸し、120℃で24時間加熱した。加熱後、キシレン溶液を回収してろ過し、ろ紙上に残った不溶物を集めた。次に、この不溶物を乾燥し、乾燥後の不溶物の質量をW1[g]とした。そして、下記式より、ゲル分率[質量%]を求めた。
ゲル分率[質量%]=[W1/1]×100
(筋状の模様の発生に対する抑制性)
上記拡径工程後の各金属管加飾用熱収縮チューブ表面の筋状の模様の発生について外観評価を行った。上記筋状の模様の発生はA及びBの二段階で評価した。上記筋状の模様の発生の評価基準は以下の通りとした。
A:チューブ表面に筋状の模様が見られない
B:チューブ表面に筋状の模様が発生
上記拡径工程後の各金属管加飾用熱収縮チューブ表面の筋状の模様の発生について外観評価を行った。上記筋状の模様の発生はA及びBの二段階で評価した。上記筋状の模様の発生の評価基準は以下の通りとした。
A:チューブ表面に筋状の模様が見られない
B:チューブ表面に筋状の模様が発生
(保管時における形状保持性)
上記拡径工程後の各金属管加飾用熱収縮チューブを50℃の恒温条件下に保管し、1か月間経過後の収縮率を測定することにより、保管時における形状保持性の指標とした。そして、下記式より、収縮率[%]を求めた。
収縮率[%]={[(50℃での保管前のチューブ内径)−(50℃での保管後のチューブ内径)]/[(50℃での保管前のチューブ内径)−(各金属管加飾用熱収縮チューブの拡径工程前のチューブ内径)]}×100として求めた。
50℃で1か月保管後の収縮率が10%以下であれば合格とする。
上記拡径工程後の各金属管加飾用熱収縮チューブを50℃の恒温条件下に保管し、1か月間経過後の収縮率を測定することにより、保管時における形状保持性の指標とした。そして、下記式より、収縮率[%]を求めた。
収縮率[%]={[(50℃での保管前のチューブ内径)−(50℃での保管後のチューブ内径)]/[(50℃での保管前のチューブ内径)−(各金属管加飾用熱収縮チューブの拡径工程前のチューブ内径)]}×100として求めた。
50℃で1か月保管後の収縮率が10%以下であれば合格とする。
(高温における形状保持性)
上記拡径工程後の各金属管加飾用熱収縮チューブを150℃の恒温条件下で、24時間経過後の形状の変化を観察した。そして、各金属管加飾用熱収縮チューブの形状の変化に基づいてA及びBの二段階で評価した。上記金属管加飾用熱収縮チューブの形状の変化の評価基準は以下の通りとした。
A:形状の変化に問題がない。
B:形状の変化が見られる。
上記拡径工程後の各金属管加飾用熱収縮チューブを150℃の恒温条件下で、24時間経過後の形状の変化を観察した。そして、各金属管加飾用熱収縮チューブの形状の変化に基づいてA及びBの二段階で評価した。上記金属管加飾用熱収縮チューブの形状の変化の評価基準は以下の通りとした。
A:形状の変化に問題がない。
B:形状の変化が見られる。
上記熱収縮チューブのゲル分率、筋状の模様の発生に対する抑制性、保管時における形状保持性及び高温における形状保持性の評価結果を表1に示す。
表1に示すように、エチレン系共重合体及び酸変性オレフィン系樹脂を含むベース樹脂とフィラーとを含有する単層の熱収縮層からなり、上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体の上記酸変性オレフィン系樹脂に対する質量比が40/60以上95/5以下であり、上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%以下であるNo.1〜No.11の金属管加飾用熱収縮チューブは、筋状の模様の発生に対する抑制性、保管時における形状保持性及び高温における形状保持性の全てにおいて良好であった。
一方、上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体の上記酸変性オレフィン系樹脂に対する質量比が40/60未満であるか、又は95/5超であるNo.12〜No.16の金属管加飾用熱収縮チューブは、筋状の模様の発生に対する抑制性、保管時における形状保持性及び高温における形状保持性のうちのいずれかが劣っていた。なお、本発明者らが推測したように、酸変性オレフィン系樹脂のみ含有するNo.14の金属管加飾用熱収縮チューブはフィラーと樹脂との接着性が向上したことにより筋状の模様は見られなかったが、酸変性オレフィン系樹脂により疑似的な架橋が形成されるとともに、ベース樹脂中の結晶量が少なくなったことから、50℃保管時の形状保持性が劣っていた。これに対して、同様に酸変性オレフィン系樹脂のみ含有するNo.15の金属管加飾用熱収縮チューブは、ベース樹脂に対する照射量を下げ、ゲル分率を小さくして架橋度を下げたことで、保管時における形状保持性が改善されたが、高温における形状保持性が劣っていた。
また、上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%超であるNo.17の金属管加飾用熱収縮チューブは、筋状の模様が発生した。
また、上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%超であるNo.17の金属管加飾用熱収縮チューブは、筋状の模様が発生した。
以上の結果より、当該金属管加飾用熱収縮チューブは、筋状の模様の発生に対する抑制性、保管時における形状保持性及び高温における形状保持性の全てにおいて効果が高いことが示された。
本発明の金属管加飾用熱収縮チューブは、良好な収縮特性を備えつつ外観面の向上及び低コスト化を図ることができるので、金属管の加飾に好適である。
1 金属管
2 被覆層
10 加飾金属管
2 被覆層
10 加飾金属管
Claims (7)
- エチレン系共重合体及び酸変性オレフィン系樹脂を含むベース樹脂とフィラーとを含有する単層の熱収縮層からなり、
上記ベース樹脂におけるエチレン系共重合体の上記酸変性オレフィン系樹脂に対する質量比が40/60以上95/5以下であり、
上記ベース樹脂に対する上記フィラーの含有量が30体積%以下である金属管加飾用熱収縮チューブ。 - 上記ベース樹脂のゲル分率が30%以上90%以下である請求項1に記載の金属管加飾用熱収縮チューブ。
- 上記ベース樹脂に対する上記酸変性オレフィン系樹脂に結合している酸成分の含有量が0.2質量%以上1.2質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の金属管加飾用熱収縮チューブ。
- 上記エチレン系共重合体がエチルアクリレート単位又はビニルアセテート単位を有する樹脂を含み、
上記ベース樹脂に対するエチルアクリレート単位又はビニルアセテート単位の含有量が3.0質量%以上23.0質量%以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の金属管加飾用熱収縮チューブ。 - 上記フィラーが原子番号20以下の元素で構成される無機粒子である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金属管加飾用熱収縮チューブ。
- 金属管と、
上記金属管の加飾対象部位の外表面に形成された被覆層と
を備え、
上記被覆層が請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の金属管加飾用熱収縮チューブの加熱による収縮体である加飾金属管。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の金属管加飾用熱収縮チューブを金属管の加飾対象部位の外表面に被せ、これを加熱収縮させることにより被覆層を形成する工程を備える加飾金属管の製造方法。
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